JP2008268939A - 防眩性フィルム、偏光板、及び画像表示装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】透明支持体上に、バインダー及び微粒子を含んでなる少なくとも1層の防眩層を有する防眩性フィルムであって、該防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より小さく、且つ該防眩層の表面粗さの歪み度(Rsk)が0.5〜1.5であることを特徴とする防眩性フィルム。
【選択図】なし
Description
本発明の目的は、充分な防眩性を有し、かつ画素が高精細化されたフラットパネルディスプレイに用いても、画面上のギラツキの発生が抑制された防眩性フィルムを提供することにある。また、本発明の目的は、偏光膜の保護フィルムとしてこのような防眩性フィルムを用いた偏光板を提供することに有る。さらに、本発明の目的は、このような防眩性フィルムまたは偏光板を防眩性フィルムが視認側最表面に位置する画像表示装置を提供することにある。
1. 透明支持体上に、バインダー及び微粒子を含んでなる少なくとも1層の防眩層を有する防眩性フィルムであって、該防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より小さく、且つ該防眩層の表面粗さの歪み度(Rsk)が0.5〜1.5であることを特徴とする防眩性フィルム。
2. 微粒子の平均粒子径が3μm以上15μm以下であり、且つ防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より0.01〜3.0μm小さく、且つ防眩層中に微粒子が該防眩層を形成する全固形分に対し0.01〜3質量%含有される、上記1に記載の防眩性フィルム。
3. 防眩層の表面に、防眩層の屈折率より屈折率が低い低屈折率層を有する上記1または2に記載の防眩性フィルム。
4. 低屈折率層が、該低屈折率層の膜厚の30〜100%の大きさの平均粒径を有し、屈折率が1.17〜1.40である中空微粒子を少なくとも1種含有する上記3に記載の防眩性フィルム。
5. 偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムのいずれか一方が上記1〜4のいずれか1項に記載の防眩性フィルムである偏光板。
6. 上記1〜4のいずれか1項に記載の防眩性フィルム、又は上記5に記載の偏光板を視認側最表面に有することを特徴とする画像表示装置。
なお、本明細書において、数値が物性値、特性値等を表す場合に、「(数値1)〜(数値2)」という記載は「(数値1)以上(数値2)以下」の意味を表す。また、本明細書において、「(メタ)アクリレート」との記載は、「アクリレート及びメタクリレートの少なくともいずれか」の意味を表す。「(メタ)アクリル酸」等も同様である。
〔防眩性フィルムの構成〕
本発明の防眩性フィルムは、透明支持体上に微粒子及びバインダーを含んでなる少なくとも一層の防眩層を有する。図1を参照に、本発明の防眩性フィルムについて説明する。
図1(A)の防眩性フィルムは、透明支持体(1)上に、一層の防眩層(2)を有する。最外層に、隣接する防眩層(2)の屈折率よりも低い屈折率の低屈折率層(5)を有していることが好ましい。
本発明の防眩性フィルムは、透明支持体上に、バインダー及び微粒子を含んでなる少なくとも1層の防眩層を有する防眩性フィルムにおいて、該防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より小さく、且つ該防眩層の表面粗さの歪み度(Rsk)が0.5〜1.5であることを特徴とする。
微粒子の種類については、前記の粒径及び後述する防眩層の内部ヘイズの値を満たすものであれば特に限定されないが、凸部は実質的に1個の微粒子によって形成されていることがより好ましいため、分散性の良好な微粒子を選定することが好ましい。
本発明における防眩層のバインダーは、熱硬化性樹脂又は電離放射線硬化性化合物の一方又は両者を含み、硬化して形成されることがこのましい。
防眩性フィルムの表面及び裏面にシリコーンオイルを数滴添加し、厚さ1mmのガラス板(「ミクロスライドガラス品番S9111」、MATSUNAMI製)を2枚用いて裏表より挟んで、完全に2枚のガラス板と得られた防眩性フィルムを密着した状態でJIS−K7136に準じてヘイズを測定し、別途測定したガラス板2枚の間にシリコーンオイルのみを挟みこんで測定したヘイズを引いた値をフィルムの内部ヘイズとして算出した。
本発明においては、前記の防眩層より外側、すなわち透明支持体より遠い側に低屈折率層を設けることができる。低屈折率層を有することで、防眩性フィルムに反射防止機能を付与し、さらには防眩性をより高めることができる。低屈折率層の屈折率は前記の防眩層の屈折率より低く設定することが好ましい。低屈折率層と防眩層との屈折率差が小さすぎる場合は反射防止性が低下し、大き過ぎると反射光の色味が強くなる傾向がある。低屈折率層と防眩層との屈折率差は0.01以上0.30以下が好ましく、0.05以上0.20以下がより好ましい。
また、低屈折率層形成用組成物は後述するオルガノシラン化合物を含有することもできる。
含フッ素共重合体を主として構成する含フッ素ビニルモノマーとしては、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオリド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン等)、(メタ)アクリル酸の部分又は完全フッ素化アルキルエステル誘導体類{例えば「ビスコート6FM」(商品名)、大阪有機化学工業(株)や“R−2020”(商品名)、ダイキン工業(株)製等}、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類等が挙げられるが、好ましくはペルフルオロオレフィン類であり、屈折率、溶解性、透明性、入手性等の観点から特に好ましくはヘキサフルオロプロピレンである。
(A):グリシジル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテルのように分子内に予め自己架橋性官能基を有するモノマーの重合によって得られる構成単位、
(B):カルボキシル基やヒドロキシ基、アミノ基、スルホ基等を有するモノマー{例えば(メタ)アクリル酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、マレイン酸、クロトン酸等}の重合によって得られる構成単位、
(C):分子内に上記(A)、(B)の官能基と反応する基とそれとは別に架橋性官能基を有する化合物を、上記(A)、(B)の構成単位と反応させて得られる構成単位(例えばヒドロキシル基に対してアクリル酸クロリドを作用させる等の手法で合成できる構成単位)が挙げられる。
a.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸クロリドを反応させてエステル化する方法、
b.水酸基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、イソシアネート基を含有する(メタ)アクリル酸エステルを反応させてウレタン化する方法、
c.エポキシ基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、(メタ)アクリル酸を反応させてエステル化する方法、
d.カルボキシル基を含有してなる架橋性官能基含有共重合体に、エポキシ基を含有する含有(メタ)アクリル酸エステルを反応させてエステル化する方法。
本発明では共重合体中の架橋性付与のための構成単位の導入量が10〜50モル%であることが好ましく、より好ましくは15〜45モル%の場合であり、特に好ましくは20〜40モル%の場合である。
次に本発明における低屈折率層に好ましく用いることのできる微粒子について説明する。
耐擦傷性の強化を図るためには、防眩性フィルム全層に無機粒子が含まれていることが好ましく、最も好ましくは、防眩性フィルム全層にシリカ粒子が含まれていることが好ましい。
[オルガノシラン化合物]
本発明の防眩性フィルムを構成する層のうちの少なくとも1層は、オルガノシラン化合物の加水分解物及び/又はその部分縮合物の少なくとも1種の成分、いわゆるゾル成分(以降このように称する場合もある)を用いて形成されることが耐擦傷性の点で好ましい。特に、低屈折率層を有する防眩性フィルムにおいては、反射防止性能と耐擦傷性を両立させるために、低屈折率層にゾル成分を含有させることが特に好ましい。このゾル成分は、塗布後、乾燥、加熱工程で縮合して硬化物を形成し、上記低屈折率層のバインダーの一部となる。また、該硬化物が重合性不飽和結合を有する場合、活性光線の照射により3次元構造を有するバインダーが形成される。
一般式(1):(R11)m1−Si(X11)4-m1
本発明で好ましく用いられるオルガノシランの加水分解物及びその部分縮合物(ゾル成分ともいう)の少なくともいずれかは、塗布品性能の安定化のためには揮発性を抑えることが好ましく、具体的には、105℃における1時間当たりの揮発量が5質量%以下であることが好ましく、3質量%以下であることがより好ましく、1質量%以下であることが特に好ましい。
数式(2):α=(1/3)(T3×3+T2×2+T1×1)/(T3+T2+T1+T0)
オルガノシランの加水分解反応、それに引き続く縮合反応は、一般に触媒の存在下で行われる。触媒としては、塩酸、硫酸、硝酸等の無機酸類;蓚酸、酢酸、酪酸、マレイン酸、クエン酸、ギ酸、メタンスルホン酸、トルエンスルホン酸等の有機酸類;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア等の無機塩基類;トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基類;トリイソプロポキシアルミニウム、テトラブトキシジルコニウム、テトラブチルチタナート、ジブチル錫ジラウラート等の金属アルコキシド類;Zr、Ti又はAlなどの金属を中心金属とする金属キレート化合物等;KF、NH4Fなどの含フッ素化合物が挙げられる。
上記触媒は単独で使用してもよく、また複数種を併用してもよい。
オルガノシランの加水分解・縮合反応は、無溶媒でも、溶媒中でも行うことができるが、成分を均一に混合するために有機溶媒を用いることが好ましく、例えばアルコール類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などが好適である。溶媒はオルガノシランと触媒を溶解させるものであることが好ましい。また、有機溶媒は塗布液の一部として用いることが工程上好ましく、含フッ素共重合体などのその他の素材と混合した場合に、溶解性又は分散性を損なわないものが好ましい。
本発明においては、下記一般式(3−1)で表されるアルコールと、下記一般式(3−2)で表される化合物とを配位子とした、Zr、Ti又はAlから選ばれる金属を中心金属とする、少なくとも1種の金属キレート化合物の存在下で、25〜100℃で撹拌することにより加水分解を行うことが好ましい。
一般式(3−1):R31OH
一般式(3−2):R32COCH2COR33
(式中、R31は炭素数1〜10のアルキル基を示し、R32は炭素数1〜10のアルキル基、R33は炭素数1〜10のアルキル基又は炭素数1〜10のアルコキシ基を示す)
一般式(3−3):Zr(OR31)p1(R32COCHCOR33)p2、
一般式(3−4):Ti(OR31)q1(R32COCHCOR33)q2、
一般式(3−4):Al(OR31)r1(R32COCHCOR33)r2。
金属キレート化合物の式中のR31及びR32は、同一又は異なってもよく、炭素数1〜10のアルキル基、具体的にはエチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、などである。また、R33は、前記と同様の炭素数1〜10のアルキル基のほか、炭素数1〜10のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基などである。また、金属キレート化合物中のp1、p2、q1、q2、r1、及びr2は、それぞれp1+p2=4、q1+q2=4、r1+r2=3となるように決定される整数を表す。
本発明に用いられる塗布液には、上記ゾル成分及び金属キレート化合物を含む組成物に加えて、β−ジケトン化合物及びβ−ケトエステル化合物の少なくともいずれかが添加されることが好ましい。以下にさらに説明する。
(光重合開始剤)
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類(特開2001−139663号等)、2,3−ジアルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類、芳香族スルホニウム類、ロフィンダイマー類、オニウム塩類、ホウ酸塩類、活性エステル類、活性ハロゲン類、無機錯体、クマリン類などが挙げられる。
これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトン及びチオキサントンなどを挙げることができる。
更にアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。
熱ラジカル開始剤としては、有機又は無機の過酸化物、有機アゾ及びジアゾ化合物等を用いることができる。具体的には、有機過酸化物として過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロぺルオキシド、ブチルヒドロぺルオキシド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム等、アゾ化合物として2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(プロピオニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)等、ジアゾ化合物としてジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウム等が挙げられる。
本発明の防眩層及び低屈折率層を構成するモノマー又はポリマーバインダーが単独で十分な硬化性を有しない場合には、架橋性化合物を配合することにより、必要な硬化性を付与することができる。特に低屈折率層に含有させることが有効である。例えばポリマー本体に水酸基を含有する場合には、各種アミノ化合物を硬化剤として用いることが好ましい。架橋性化合物として用いられるアミノ化合物は、例えば、ヒドロキシアルキルアミノ基及びアルコキシアルキルアミノ基のいずれか一方又は両方を合計で2個以上含有する化合物であり、具体的には、例えば、メラミン系化合物、尿素系化合物、ベンゾグアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物等を挙げることができる。
本発明のフィルムには、硬化を促進する硬化触媒として電離放射線又は熱の照射によりラジカルや酸を発生する硬化触媒を使用することができる。
本発明の防眩性フィルムの一例として、加熱することで、含フッ素共重合体の水酸基と、この水酸基と架橋できる硬化剤との架橋反応で膜を硬化させることができる。この系では酸により硬化が促進されるため、硬化性樹脂組成物に、酸性物質を添加することが望ましいが、通常の酸を添加すると塗布液中でも架橋反応が進行してしまい、故障(ムラ、ハジキなど)の原因となる可能性もあり、従って、熱硬化系で保存安定性と硬化活性を両立するために、加熱により酸を発生する化合物を硬化触媒として添加することがより好ましい。
b−3:ピリジン(115℃)、
b−14:N−メチルモルホリン(115℃)、
b−20:ジアリルメチルアミン(111℃)、
b−19:トリエチルアミン(88.8℃)、
b−21:t−ブチルメチルアミン(67〜69℃)、
b−22:ジメチルイソプロピルアミン(66℃)、
b−23:ジエチルメチルアミン(63〜65℃)、
b−24:ジメチルエチルアミン(36〜38℃)、
b−18:トリメチルアミン(3〜5℃)。
更に光重合開始剤として用いることができる光酸発生剤について詳述する。
酸発生剤としては、光カチオン重合の光開始剤、色素類の光消色剤、光変色剤、又はマイクロレジスト等に使用されている公知の酸発生剤等、公知の化合物及びそれらの混合物等が挙げられる。また、酸発生剤としては、例えば、有機ハロゲン化化合物、ジスルホン化合物、オニウム化合物等が挙げられ、これらのうち有機ハロゲン化合物、ジスルホン化合物の具体例は、前記ラジカルを発生する化合物の記載と同様のものが挙げられる。
本発明の防眩性フィルムにおいて、前記低屈折率層は塗布により形成することができ、前記低屈折率層を形成する塗布液に、皮膜形成成分として、紫外線(UV)硬化、及び/又は熱硬化できる官能基を有する透光性樹脂を少なくとも一種有していることが好ましい{紫外線(UV)硬化、及び/又は熱硬化できる官能基を有する透光性樹脂として、好ましくは前述の含フッ素共重合体やオルガノシラン化合物等である}。
本発明の少なくとも1層の防眩層に、面状改良(ムラ防止)を目的として各種のレベリング剤を使用することが好ましい。さらに、本発明の低屈折率層に、同じく、ムラ防止を目的として各種のレベリング剤を使用することが好ましい。
(1)1+cosθH2O=2√γsd(√γH2Od/γH2Ov)+2√γsh(√γH2Oh/γH2Ov)
(2)1+cosθCH2I2=2√γsd(√γCH2I2d/γCH2I2v)+2√γsh(√γCH2I2h/γCH2I2v)
ここで、γH2O d=21.8°、γH2O h=51.0°、γH2O v=72.8°、γCH2I2 d=49.5°、γCH2I2 h=1.3°、γCH2I2 v=50.8°である。
フッ素系レベリング剤としては、フルオロ脂肪族基を有する重合体が好ましく、さらに下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)の重合体、又は下記(i)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)及び下記(ii)のモノマーに相当する繰り返し単位(重合単位)を含むアクリル樹脂、メタクリル樹脂、及びこれらに共重合可能なビニル系モノマーとの共重合体が有用である。このような単量体としては、“Polymer Handbook 2nd ed.”、J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975年)刊、第2章,P.1〜483記載のものを用いることができ、例えばアクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等をあげることができる。
次に、シリコーン系レベリング剤について、説明する。
シリコーン系化合物の好ましい例としては、ジメチルシリルオキシ単位を繰り返し単位として複数個含む、化合物鎖の末端及び/又は側鎖に置換基を有するものが挙げられる。ジメチルシリルオキシを繰り返し単位として含む化合物鎖中にはジメチルシリルオキシ以外の構造単位を含んでもよい。置換基は同一であっても異なっていてもよく、複数個あることが好ましい。好ましい置換基の例としてはポリエーテル基、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリール基、シンナモイル基、エポキシ基、オキセタニル基、水酸基、フルオロアルキル基、ポリオキシアルキレン基、カルボキシル基、アミノ基などを含む基が挙げられる。
本発明の防眩性フィルムの低屈折率層の塗布液溶媒は、低屈折率層の乾燥ムラを抑えるため、沸点120℃以下の低沸点溶媒を、低屈折率層の塗布液溶媒全質量の50質量%〜100質量%、好ましくは70質量%〜100質量%、さらに90質量%〜100質量%含んでいることが好ましい。後述する本発明試料の低屈折率層の溶媒組成を上記のように変えることで、低屈折率層の面状評価にて、この効果が確認できた。具体的な塗布液溶媒としては、低屈折率層中の含フッ素ポリマーの溶解性がよい、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエンが代表例である。
防眩層には、塗布液の粘度を調整するために増粘剤を用いてもよい。
増粘させることにより、含有する粒子の沈降を抑えたり、ムラ防止の効果を期待できる。ここでいう増粘剤とは、それを添加することにより液の粘度が増大するものを意味し、添加することにより塗布液の粘度が上昇する大きさとして好ましくは0.05〜50cPであり、さらに好ましくは1〜50cPであり、最も好ましくは2〜50cPである。
高分子ポリマー増粘剤:
ポリアクリル酸エステル、
ポリメタクリル酸エステル、
ポリ酢酸ビニル、
ポリプロピオン酸ビニル、
ポリビニルブチレート、
ポリビニルブチラール、
ポリビニルホルマール、
ポリビニルアセタール、
ポリビニルプロパナール、
ポリビニルヘキサナール、
ポリビニルピロリドン、
セルロースアセテート、
セルロースプロピオネート、
セルロースアセテートブチレート。
また、これらの質量平均分子量としては10万〜100万のものが好ましい。
本発明の防眩性フィルムの透明支持体としては、プラスチックフィルムを用いることが好ましい。プラスチックフィルムを形成するポリマーとしては、セルロースエステル{例えば、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、代表的には富士フイルム(株)製“TAC−TD80U”,“TD80UF”など)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、ポリスチレン、ポリオレフィン、ノルボルネン系樹脂{「アートン」(商品名)、JSR(株)製}、非晶質ポリオレフィン{「ゼオネックス」(商品名)、日本ゼオン(株)製}、などが挙げられる。このうちトリアセチルセルロース、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、が好ましく、特にトリアセチルセルロースが好ましい。また、ジクロロメタン等のハロゲン化炭化水素を実質的に含まないセルロースアシレートフィルム及びその製造法については発明協会公開技報(公技番号2001−1745号、2001年3月15日発行、以下公開技報2001−1745号と略す)に記載されており、ここに記載されたセルロースアシレートも本発明に好ましく用いることができる。
本発明の防眩性フィルムの全光線透過率は、JIS K−7316に準じて測定される。全光線透過率は85%以上であることが正面コントラストの点で好ましい。更に好ましくは90%以上であり、特に好ましくは92%以上である。
測定サンプルを、予め25℃、60%RHの環境下で2時間以上放置しておく。測定装置は、測定サンプルを置く台と相手のフィルムを保持して、測定サンプルに上から圧着と剥離を繰り返せるヘッドからなり、このヘッドにポリエチレンテレフタレートを装着する。測定部分を除電した後、ヘッドを測定サンプルに圧着させ、剥離させることを繰り返し、1回目の剥離時と、5回目の剥離時の帯電量の値を読み、これを平均する。サンプルを変えて3サンプルでこれを繰り返し、全てを平均したものを垂直剥離帯電量とする。
(株)島津製作所製“ESCA−3400”(真空度1×10-5Pa、X線源;ターゲットMg、電圧12kV、電流20mA)で防眩性フィルムの最表面のSi2p、F1s、C1sの光電子スペクトルを測定した。
本発明の防眩性フィルムには、導電性を付与するために、各種の導電性粒子を含む帯電防止層を設けることができる。
導電性粒子は、金属の酸化物又は窒化物から形成することが好ましい。金属の酸化物又は窒化物の例には、酸化錫、酸化インジウム、酸化亜鉛及び窒化チタンが含まれる。酸化錫及び酸化インジウムが特に好ましい。導電性無機粒子は、これらの金属の酸化物又は窒化物を主成分とし、さらに他の元素を含むことができる。主成分とは、粒子を構成する成分の中で最も含有量(質量%)が多い成分を意味する。他の元素の例には、Ti、Zr、Sn、Sb、Cu、Fe、Mn、Pb、Cd、As、Cr、Hg、Zn、Al、Mg、Si、P、S、B、Nb、In、V及びハロゲン原子が含まれる。酸化錫及び酸化インジウムの導電性を高めるために、Sb、P、B、Nb、In、V及びハロゲン原子を添加することが好ましい。Sbを含有する酸化錫(ATO)及びSnを含有する酸化インジウム(ITO)が特に好ましい。ATO中のSbの割合は、3〜20質量%であることが好ましい。ITO中のSnの割合は、5〜20質量%であることが好ましい。
測定サンプルを、予め25℃、60%RHの環境下で2時間以上放置しておく。この後、“HEIDON−14”動摩擦測定器により、5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/分にて測定した値を用いた。
鏡面反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ARV−474”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における出射角−5゜の鏡面反射率を測定し、450〜650nmの平均の鏡面反射率を算出した。積分反射率の測定は、分光光度計“V−550”[日本分光(株)製]にアダプター“ILV−471”を装着して、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における積分反射率を測定し、450〜650nmの平均の積分反射率を算出した。
さらに、JIS K−5400に従うテーバー試験で、試験前後の試験片の摩耗量が少ないほど好ましい。
本発明の防眩性フィルムは、以下の方法で形成することができるが、これらに制限されるものではない。
まず、各層を形成するための成分を含有した塗布液が調製される。その際、溶媒の揮発量を最小限に抑制することにより、塗布液中の含水率の上昇を抑制できる。塗布液中の含水率は5%以下が好ましく、2%以下がより好ましい。溶媒の揮発量の抑制は、各素材をタンクに投入後の攪拌時の密閉性を向上すること、移液作業時の塗布液の空気接触面積を最小化すること等で達成される。また、塗布中、又はその前後に塗布液中の含水率を低減する手段を設けてもよい。
塗布に用いる塗布液は塗布前に濾過することが好ましい。濾過のフィルタは、塗布液中の成分が除去されない範囲でできるだけ孔径の小さいものを使うことが好ましい。濾過には、絶対濾過精度0.1〜50μm、さらには絶対濾過精度0.1〜40μmであるフィルタが好ましく用いられる。フィルタの厚さは、0.1〜10mmが好ましく、更には0.2〜2mmが好ましい。その場合、濾過圧力は1.5MPa以下、より好ましくは1.0MPa以下、更には0.2MPa以下で濾過することが好ましい。
本発明で使用する透明支持体は、塗布前に、ベース変形の矯正のための加熱処理、又は、塗工性改良や塗設層との接着性改良のための表面処理を施すことが好ましい。表面処理の具体的方法としては、コロナ放電処理、グロー放電処理、火炎処理、酸処理、アルカリ処理又は紫外線照射処理が挙げられる。また、特開平7−333433号公報に記載のように、下塗り層を設けることも好ましく利用される。
本発明のフィルムの各層は以下の塗布方法により形成することができるが、この方法に制限されない。ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(ダイコート法)(米国特許第2681294号明細書、国際公開第2005/123274号パンフレット参照)、マイクログラビアコート法等の公知の方法が用いられ、その中でもマイクログラビアコート法、ダイコート法が好ましい。
本発明のフィルムは、透明支持体上に直接又は他の層を介して塗布された後、溶媒を乾燥するために加熱されたゾーンにウェブで搬送されることが好ましい。
溶媒を乾燥する方法としては、各種の知見を利用することができる。具体的な知見としては、特開2001−286817号公報、同2001−314798号公報、同2003−126768号公報、同2003−315505号公報、同2004−34002号公報などの記載技術が挙げられる。
本発明の防眩性フィルムは、溶媒の乾燥の後に、ウェブとして電離放射線及び/又は熱により各塗膜を硬化させるゾーンを通過させ、塗膜を硬化することができる。本発明における電離放射線種は特に制限されるものではなく、皮膜を形成する硬化性組成物の種類に応じて、紫外線、電子線、近紫外線、可視光、近赤外線、赤外線、X線などから適宜選択することができるが、紫外線、電子線が好ましく、特に取り扱いが簡便で高エネルギーが容易に得られるという点で紫外線が好ましい。
本発明の防眩性フィルムを連続的に製造するためには、ロール状の透明支持体フィルムを連続的に送り出す工程、塗布液を塗布・乾燥する工程、塗膜を硬化する工程、硬化した層を有する該支持体フィルムを巻き取る工程が行われる。
乾燥した塗布層を有する透明支持体は乾燥室から硬化室へ送り出され、塗布層に含有されるモノマーが重合して硬化する。さらに、硬化した層を有する透明支持体は硬化部へ送られ硬化を完結させ、硬化が完結した層を有する透明支持体は巻き取られてロール状となる。
本発明の防眩性フィルムを、偏光膜の2枚の表面保護フィルムのうちの一方として用いて偏光板を作製する際には、偏光膜と貼り合わせる側の表面を親水化することで、接着面における接着性を改良することが好ましい。
アルカリ液の中にフィルムを適切な条件で浸漬して、フィルム全表面のアルカリと反応性を有する全ての面を鹸化処理する手法であり、特別な設備を必要としないため、コストの観点で好ましい。アルカリ液は、水酸化ナトリウム水溶液であることが好ましい。好ましい濃度は0.5〜3モル/Lであり、特に好ましくは1〜2モル/Lである。好ましいアルカリ液の液温は30〜75℃、特に好ましくは40〜60℃である。
上述の浸漬法における各膜へのダメージを回避する手段として、適切な条件でアルカリ液を、塗布層を有する表面と反対側の表面のみに塗布、加熱、水洗、乾燥するアルカリ液塗布法が好ましく用いられる。なお、この場合の塗布とは、鹸化を行う面に対してのみアルカリ液などを接触させることを意味し、塗布以外にも噴霧、液を含んだベルト等への接触などによって行われることも含む。
上記(b)と同様に、塗布層がアルカリ液に対する耐性が不足している場合に、最終層まで形成した後に、該最終層を形成した面にラミネートフィルムを貼り合せてからアルカリ液に浸漬することで、最終層を形成した面とは反対側のトリアセチルセルロース面だけを親水化し、然る後にラミネートフィルムを剥離する方法を用いることもできる。この方法でも、塗布層へのダメージなしに、偏光板保護フィルムとして必要なだけの親水化処理を、透明支持体であるトリアセチルセルロースフィルムの、最終層を形成した面とは反対の面だけに施すことができる。上記(b)の方法と比較して、ラミネートフィルムが廃棄物として発生する半面、特別なアルカリ液を塗布する装置が不要である利点がある。
下層まではアルカリ液に対する耐性があるが、上層のアルカリ液に対する耐性不足である場合には、下層まで形成後にアルカリ液に浸漬して両面を親水化処理し、然る後に上層を形成することもできる。製造工程が煩雑になるが、例えば、防眩層とフッ素含有ゾル−ゲル膜の低屈折率層とからなるフィルムにおいて、親水基を有する場合には、防眩層と低屈折率層との層間密着性が向上する利点がある。
透明支持体であるトリアセチルセルロースフィルムを、予めアルカリ液に浸漬するなどして鹸化し、何れか一方の面に、直接又は他の層を介して塗布層を形成してもよい。アルカリ液に浸漬して鹸化する場合には、鹸化により親水化されたトリアセチルセルロース面と塗布層との層間密着性が悪化することがある。そのような場合には、鹸化後、塗布層を形成する面だけにコロナ放電、グロー放電等の処理をすることで親水化面を除去してから塗布層を形成することで対処できる。また、塗布層が親水性基を有する場合には層間密着が良好なこともある。
〔偏光板の作製〕
[偏光板の構成]
本発明の防眩性フィルムは、偏光膜とその両側に配置された保護フィルムとからなる偏光板の、その保護フィルムの一方又は両方に使用して、防眩性の偏光板とすることができる。
偏光膜には、ヨウ素系偏光膜、二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜がある。ヨウ素系偏光膜及び染料系偏光膜は、一般にポリビニルアルコール系フィルムを用いて製造する。
すなわち、連続的に供給されるポリビニルアルコール系フィルムなどのポリマーフィルムの両端を保持手段により保持しつつ張力を付与して延伸して、少なくともフィルム幅方向に1.1〜20.0倍に延伸し、フィルム両端の保持装置の長手方向進行速度差が3%以内で、フィルム両端を保持する工程の出口におけるフィルムの進行方向と、フィルムの実質延伸方向のなす角が、20〜70゜傾斜するように、フィルム進行方向を、フィルム両端を保持させた状態で屈曲させてなる延伸方法によって製造することができる。特に45°傾斜させたものが生産性の観点から好ましく用いられる。
偏光板の生産性には保護フィルムの透湿性が重要である。偏光膜と保護フィルムは水系接着剤で貼り合わせられており、この接着剤溶媒は保護フィルム中を拡散することで乾燥される。保護フィルムの透湿性が高ければ、高いほど乾燥は早くなり、生産性は向上するが、高くなりすぎると、液晶表示装置の使用環境(高湿下)により、水分が偏光膜中に入ることで偏光能が低下する。
偏光膜の2枚の保護フィルムのうち、本発明の防眩性フィルム以外のフィルムが、光学異方層を含んでなる光学補償層を有する光学補償フィルムであることも好ましい態様である。光学補償フィルム(位相差フィルム)は、液晶表示画面の視野角特性を改良することができる。
〔画像表示装置〕
本発明の防眩性フィルムは、液晶表示装置(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)や陰極管表示装置(CRT)のような画像表示装置に用いられる。本発明に従う防眩性フィルムは、プラズマディスプレイパネル(PDP)又は陰極管表示装置(CRT)など公知のディスプレイ上に用いることができる。
本発明の防眩性フィルム及び偏光板は、液晶表示装置等の画像表示装置に有利に用いることができ、ディスプレイの最表層に用いることが好ましい。
TNモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向し、さらに60〜120゜にねじれ配向している。
TNモードの液晶セルは、カラーTFT液晶表示装置として最も多く利用されており、多数の文献に記載がある。
VAモードの液晶セルでは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に垂直に配向している。
VAモードの液晶セルには、
(1)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2−176625号公報記載)に加えて、
(2)視野角拡大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVAモードの)液晶セル(SID97、Digest of Tech.Papers(予稿集)28(1997)845記載)、
(3)棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向させ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモード(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の予稿集58〜59(1998)記載)及び、
(4)SURVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナショナル98で発表)が含まれる。
OCBモードの液晶セルは、棒状液晶性分子を液晶セルの上部と下部とで実質的に逆の方向に(対称的に)配向させるベンド配向モードの液晶セルであり、米国特許第4583825号、同5410422号の各明細書に開示されている。棒状液晶性分子が液晶セルの上部と下部とで対称的に配向しているため、ベンド配向モードの液晶セルは、自己光学補償機能を有する。そのため、この液晶モードは、OCB(Optically Compensatory Bend)液晶モードと呼ばれる。ベンド配向モードの液晶表示装置は、応答速度が速いとの利点がある。
IPSモードの液晶セルは、ネマチック液晶に横電界をかけてスイッチングする方式であり、詳しくはProc.IDRC(Asia Display ’95),p.577−580及び同p.707−710に記載されている。
ECBモードの液晶セルは、電圧無印加時に棒状液晶性分子が実質的に水平配向している。ECBモードは、最も単純な構造を有する液晶表示モードの一つであって、例えば特開平5−203946号公報に詳細が記載されている。
(PDP)
プラズマディスプレイパネル(PDP)は、一般に、ガス、ガラス基板、電極、電極リード材料、厚膜印刷材料、蛍光体により構成される。ガラス基板は、前面ガラス基板と後面ガラス基板の2枚である。2枚のガラス基板には電極と絶縁層を形成する。後面ガラス基板には、さらに蛍光体層を形成する。2枚のガラス基板を組み立てて、その間にガスを封入する。
本発明の防眩性フィルムは、特開平5−127822号公報、特開2002−48913号公報等に記載されるタッチパネルなどに応用することができる。
本発明の防眩性フィルムは、有機EL素子等の基板(基材フィルム)や保護フィルムとして用いることができる。
〔各層塗布液の調製〕
[防眩層用塗布液の調製]
下記に示す各々の成分をミキシングタンクに投入し、攪拌したのち、孔径30μmのポリプロピレン製フィルタで濾過して調製した。
“DPHA” 48.45質量部
“MX−200” 0.05質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.45質量部
“SX−350H” 0.05質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.45質量部
“MX−500” 0.05質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.45質量部
“MX−1000” 0.15質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.45質量部
“MX−1500” 0.15質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.45質量部
“MX−2000” 0.05質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.4975質量部
“MX−1000” 0.0025質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 48.475質量部
“SX−500H” 0.025質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 47.5質量部
“MX−1000” 1.0質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
“DPHA” 47.5質量部
“MX−1000” 2.0質量部
「イルガキュア184」 1.5質量部
メチルイソブチルケトン 30.0質量部
メチルエチルケトン 20.0質量部
(ゾル液a−2の調製)
温度計、窒素導入管、滴下ロートを備えた1,000mlの反応容器に、アクリロキシオキシプロピルトリメトキシシラン187g(0.80mol)、メチルトリメトキシシラン27.2g(0.20mol)、メタノール320g(10mol)とKF0.06g(0.001mol)を仕込み、攪拌下室温で水15.1g(0.86mol)をゆっくり滴下した。滴下終了後室温で3時間攪拌した後、メタノール還溜下2時間加熱攪拌した。この後、低沸分を減圧留去し、更にろ過することによりゾル液a−2を120g得た。このようにして得た物質をGPC測定した結果、質量平均分子量は1500であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は30%であった。
また1H−NMRの測定結果から、得られた物質の構造は、以下の一般式で表される構造であった。
また、ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは5%以下の残存率であった。
PET−30 50.0g
イルガキュア184 2.0g
架橋アクリル−スチレン粒子(30%) 14.5g
ゾル液a−2 9.5g
トルエン 38.5g
“DPHA”:ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物、屈折率1.52、日本化薬(株)製。
PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレートの混合物[日本化薬(株)製]
「イルガキュア184」:光重合開始剤、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製
“MX−200”:ポリメチルメタクリレート微粒子、平均粒径2.0μm、綜研化学(株)製
“MX−500”:ポリメチルメタクリレート微粒子、平均粒径5.0μm、綜研化学(株)製
“MX−1000”:ポリメチルメタクリレート微粒子、平均粒径10.0μm、綜研化学(株)製
“MX−1500”:ポリメチルメタクリレート微粒子、平均粒径15μm、綜研化学
(株)製
“MX−2000”:ポリメチルメタクリレート微粒子、平均粒径20μm、綜研化学(株)製
“SX−350H”:ポリスチレン微粒子、平均粒径3.5μm、綜研化学(株)製
“架橋アクリル−スチレン粒子”:平均粒径3.5μm、屈折率1.53
“SX−500H”:ポリスチレン微粒子、平均粒径5.0μm、綜研化学(株)製
(ゾル液aの調製)
攪拌機、還流冷却器を備えた反応器に、メチルエチルケトン120質量部、アクリロキシプロピルトリメトキシシラン“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}100質量部、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート3質量部を加え混合したのち、イオン交換水30質量部を加え、60℃で4時間反応させたのち、室温まで冷却し、ゾル液aを得た。質量平均分子量は1800であり、オリゴマー成分以上の成分のうち、分子量が1000〜20000の成分は100質量%であった。ガスクロマトグラフィー分析から、原料のアクリロキシプロピルトリメトキシシランは全く残存していなかった。
中空シリカ微粒子ゾル(粒子サイズ約40〜50nm、シエル厚6〜8nm、屈折率1.31、固形分濃度20質量%、主溶媒イソプロピルアルコール、特開2002−79616号公報の調製例4に準じて粒子サイズを変更して作製)500質量部に、アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン“KBM−5103”{信越化学工業(株)製}30質量部、及びジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート「ケロープEP−12」{ホープ製薬(株)製}1.5質量部加え混合した後に、イオン交換水9質量部を加えた。60℃で8時間反応させた後に室温まで冷却し、アセチルアセトン1.8部を添加し、中空シリカ分散液(A−1)を得た。得られた中空シリカ分散液の固形分濃度は18質量%、溶媒乾燥後の屈折率は1.31であった。
メチルエチルケトン100質量部に対して、特開平2004−45462号公報に記載の含フッ素共重合体(P−3)(重量平均分子量約50000)44.0質量部、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物“DPHA”{日本化薬(株)製}6.0質量部、末端メタクリレート基含有シリコーン“RMS−033”(Gelest社製)3.0質量部、「イルガキュア907」{チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製}を3.0質量部加えて溶解した。その後に中空シリカ微粒子分散液(A−1)を195質量部(シリカ+表面処理剤固形分として39.0質量部)、ゾル液a17.2質量部(固形分として5.0質量部)を添加した。塗布液全体の固形分濃度が6質量%になり、シクロヘキサンとメチルエチルケトンの比率が10対90になるようにシクロヘキサン、メチルエチルケトンで希釈して低屈折率層用塗布液(LL−1)を調製した。
[防眩層の塗設]
特開2003−211052号公報の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム“TAC−TD80U”{富士フイルム(株)製}をロール形態で巻き出して、防眩層塗布液(HCL−1)〜(HCL−10)を、下記表6の乾燥膜厚になるように塗布し、30℃で15秒間、90℃で20秒間乾燥の後、さらに窒素パージ下で160W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照射量130mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させた防眩性フィルム(HC−1)〜(HC−17)を作製し、巻き取った。
試料(HC−13、HC−17)については、防眩層の上にさらに、低屈折率層用塗布液(LL−1)を、特開2003−211052号公報の図1に記載されたスロットダイコーターを用いて、低屈折率層の乾燥膜厚が90nmになるようにウエット塗布し、60℃で50秒間乾燥の後、さらに窒素パージにより、酸素濃度100ppmの雰囲気下で240W/cmの「空冷メタルハライドランプ」{アイグラフィックス(株)製}を用いて、照射量400mJ/cm2の紫外線を照射し、低屈折率層を形成させて巻き取り、防眩性フィルム(
HC−13、HC−17)を作成した。
表面粗さの歪み度(Rsk)は、触針式表面粗さ計「サーフコーダ SE3500」{(株)小坂研究所製}を用いて、測定条件を[防眩層]で前述した[表]に従い表面粗さ(Ra)の範囲により設定し、該表面粗さ計より導出される値を採用した。
電子顕微鏡“S−3400N”{(株)日立ハイテクノロジーズ製}を用い、作製された防眩性フィルムを5000倍の倍率で透過撮影する。撮影された粒子をランダムに10個選定し、10個の粒子直径の平均値を平均粒径とした。
電子顕微鏡“S−3400N”{(株)日立ハイテクノロジーズ製}を用い、作製された防眩性フィルムの断面を5000倍の倍率で撮影する。防眩層の膜厚をランダムに10点測定し、平均値を導出する。この作業を三視野について行い、その平均値を平均膜厚とした。
防眩性フィルムの裏面を黒マジックで塗りつぶした後に、防眩性フィルムの表面に蛍光灯の光を反射させた際の光の映り込みの様子を評価した。
◎:光の反射が少なく、気にならない。
○:光は反射しているが、十分に拡散されており、気にならない。
△:やや蛍光灯の形状が映りこんでいるが、気にならない。
×:蛍光灯の形がはっきりと映り込み、眩しくて気になる。
△以上のレベルを合格と判定した。
反射防止フィルムの裏面をサンドペーパーで粗面化した後に黒色インクで処理し、裏面反射をなくした状態にした。該反射防止フィルムの表面を、分光光度計V−550(日本分光(株)製)の積分球に装着して、380〜780nmの波長領域において、反射率(積分反射率)を測定し、450〜650nmの平均反射率を算出し、反射防止性を評価した。
〔偏光板の作製〕
延伸したポリビニルアルコールフイルムに、ヨウ素を吸着させて偏光膜を作製した。防眩性フィルム(HC1)〜(HC−17)のそれぞれに鹸化処理を行い、ポリビニルアルコール系接着剤を用いて、各防眩性フィルムのセルローストリアセテート側が偏光膜側となるように偏光膜の片側に貼り付けた。また、市販のセルローストリアセテートフイルム「フジタックTD80UF」{富士フイルム(株)製}をポリビニルアルコール系接着剤を用いて、偏光膜の、防眩性フィルムを貼った側とは反対側に貼り付けた。このようにして防眩性フィルム付き偏光板(HKH−01)〜(HKH−17)を作製した。
[ギラツキ]
32型フルハイビジョン液晶TV“LC−32GS10”{シャープ(株)製、画素サイズ370μm}の視認側の偏光板を剥がし、代わりに偏光板(HKH−01)〜(HKH−17)を、防眩性フィルムが最表面となるように粘着剤を介して、視認側に貼り付けた。
液晶TVを点灯して白表示した際の画面のギラツキの様子を評価した。
○:ギラツキが気にならない。
△:わずかにギラツキが発生するが、実用上問題ない。
×:ギラツキが強く発生し、気になる。
△以上のレベルを合格と判定した。
32型フルハイビジョン液晶TV“LC−32GS10”{シャープ(株)製}の視認側の偏光板を剥がし、代わりに偏光板(HKH−01)〜(HKH−17)を、防眩性フィルムが最表面となるように粘着剤を介して、視認側に貼り付けた。一般的にTVを用いる一般家庭環境下(約200Lx)にてパネルを黒表示にて駆動させて白茶け感を目視にて確認した。目視の際の判定基準は、黒の程度が非常に良好な場合を◎、黒の程度が良好な場合を○、若干白茶けているものの、実用上問題はない場合を△、白茶けが発生している場合を×とし、△以上を合格とした。
2:防眩層
5:低屈折率層
11:透明支持体
21:平滑層
22:防眩層
23:防眩層
51:低屈折率層
Claims (6)
- 透明支持体上に、バインダー及び微粒子を含んでなる少なくとも1層の防眩層を有する防眩性フィルムであって、該防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より小さく、且つ該防眩層の表面粗さの歪み度(Rsk)が0.5〜1.5であることを特徴とする防眩性フィルム。
- 微粒子の平均粒子径が3μm以上15μm以下であり、且つ防眩層の平均膜厚が微粒子の平均粒子径より0.01〜3.0μm小さく、且つ防眩層中に微粒子が該防眩層を形成する全固形分に対し0.01〜3質量%含有される、請求項1に記載の防眩性フィルム。
- 防眩層の表面に、防眩層の屈折率より屈折率が低い低屈折率層を有する請求項1または2に記載の防眩性フィルム。
- 低屈折率層が、該低屈折率層の膜厚の30〜100%の大きさの平均粒径を有し、屈折率が1.17〜1.40である中空微粒子を少なくとも1種含有する請求項3に記載の防眩性フィルム。
- 偏光膜と、該偏光膜の両側に位置する保護フィルムとを有する偏光板であって、該保護フィルムのいずれか一方が請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性フィルムである偏光板。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の防眩性フィルム、又は請求項5に記載の偏光板を視認側最表面に有することを特徴とする画像表示装置。
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