JP2001100013A - マット性光学フィルム - Google Patents

マット性光学フィルム

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JP2001100013A
JP2001100013A JP27703399A JP27703399A JP2001100013A JP 2001100013 A JP2001100013 A JP 2001100013A JP 27703399 A JP27703399 A JP 27703399A JP 27703399 A JP27703399 A JP 27703399A JP 2001100013 A JP2001100013 A JP 2001100013A
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JP
Japan
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hard coat
layer
coat layer
film
embedded image
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Pending
Application number
JP27703399A
Other languages
English (en)
Inventor
Hidetoshi Watabe
英俊 渡部
Ichiro Amimori
一郎 網盛
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Priority to US09/618,804 priority patent/US6559915B1/en
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 表示輝度の低下を引き起こすことなく、表示
品位を改良したマット性光学フィルムを提供する。 【解決手段】 透明支持体1上にハードコート層2を有
し、該ハードコート層がシランカップリング剤で表面処
理された無機微粒子と、架橋しているバインダーポリマ
ーと、ハードコート層の厚さよりも大きい平均粒子径及
び変動係数0.2以下の粒子径分布を有する単分散性透
明微粒子とを含むマット性光学フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マット性を有する
光学フィルム、高透過率フィルムおよびそれを用いた画
像表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の液晶表示装置の構成を図1に示
す。一般的な液晶表示装置においては最裏面にエッジラ
イト方式のバックライト11を配置し、裏面より順にバ
ックライトの光を表面に出射させる導光板12、この光
の輝度を均一化させるための散乱シート13、さらに散
乱シートにより均一化された光を所定方向に集光する機
能、または特定の偏光を選択的に透過、反射する機能を
有する1枚または複数の調光シート14のように配置さ
れ、これらのフィルムを通過した光が1対の偏光板1
5、16に挟持されてなる液晶セル7に入射する。18
は光源の冷陰極蛍光管、19は反射シートである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この調光フ
ィルム14と液晶セル側の裏面偏光板15とは特に粘着
剤等では固着されておらず、間にわずかな隙間を有して
いる。調光フィルム14はアクリル樹脂、ポリエステ
ル、ポリカーボネート等よりなるが、これらは温度変化
による伸縮が大きく、環境やバックライト等による加熱
で伸びた調光フィルム14が裏面偏光板15と接触し、
周辺に表示ムラが発生する。またいくつかの調光フィル
ムにおいてはそれらに特有の輝度ムラがあり、表示品位
を低下させていた。接触による表示ムラは表面に凹凸を
形成したいわゆるマット性を付与することで改良できる
ことが特開平10−240143号に記載されている。
しかしながら、表面の凹凸が制御されておらず、充分な
改良効果は得られていなかった。また、この方法では凹
凸表面の散乱によってバックライトの透過率が低下し、
表示輝度が低下する。調光フィルムの輝度ムラについて
は調光フィルムと液晶セルの間にもう一枚の散乱フィル
ムを使用することが考えられるが、一般に散乱フィルム
はヘイズを有しているために透過率が低下し、マット性
付与と同様に表示輝度の低下を引き起こす。また、フィ
ルムにマット性を付与する場合には、マット性粒子をハ
ードコート層中に混入させることによりマット性を発現
させる方法が一般的である。そして、このハードコート
層は、フィルムの耐傷性を改善するという機能も持たせ
られている。そのため、ハードコート層は、架橋してい
るバインダーポリマーのような硬い材料を用いて形成す
ることが一般的である。通常、バインダーポリマーは、
ハードコート層を形成してから架橋させる。しかし、こ
のために、バインダーポリマーが架橋反応において収縮
し、ハードコート層にひび割れが生じてしまう場合もあ
る。更には、ハードコート層全体も収縮するため、ハー
ドコート層を設けたフィルムそのものを変形(カールの
発生など)させてしまう場合もある。このようなフィル
ムを前記したような調光フィルムに用いた場合、欠陥や
歪みを引き起こし、やはり表示品位を低下させてしまう
こととなる。本発明の課題は、このような表示輝度の低
下を引き起こすことなく、前記表示品位を改良すること
である。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は以下のよ
うに達成された。 (1)透明支持体上にハードコート層を有し、該ハード
コート層がシランカップリング剤で表面処理された無機
微粒子と、架橋しているバインダーポリマーと、ハード
コート層の厚さよりも大きい平均粒子径及び変動係数
0.2以下の粒子径分布を有する単分散性透明微粒子と
を含むことを特徴とするマット性光学フィルム。 (2)無機微粒子の表面に結合されたシランカップリン
グ剤が、架橋しているバインダーポリマーと化学的に結
合している(1)項に記載のマット性光学フィルム。 (3)表面処理に使用するシランカップリング剤が下記
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(I
e)で表される化合物である(1)又は(2)項に記載
のマット性光学フィルム。
【0005】
【化9】
【0006】
【化10】
【0007】
【化11】
【0008】
【化12】
【0009】式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(I
d)および(Ie)において、R1、R2、R3、R4、R
5、R6およびR8は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃
至4のアルキル基または炭素原子数が2乃至4のアルコ
キシアルキル基であり、R7は水素原子または炭素原子
数が1乃至4のアルキル基であり;nおよびmは、それ
ぞれ2または3であり;そしてpは、2または3であ
る。 (4)(1)から(3)項のいずれか1項に記載のマッ
ト性光学フィルムが、偏光板における偏光層の2枚の保
護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられており、
マット層が偏光層の反対側に配置されていることを特徴
とするマット性偏光板。 (5)(1)から(3)項のいずれか1項に記載のマッ
ト性光学フィルムを用いた液晶表示装置。 (6)(5)項に記載のマット性偏光板を、液晶セルの
両側に配置された2枚の偏光板のうち、バックライト側
偏光板としてマット層をバックライト側へ向けて配置し
て用いた液晶表示装置。 (7)透明支持体上にハードコート層及び透明支持体の
屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層がこの順に
積層されている光学フィルムにおいて、該ハードコート
層がシランカップリング剤で表面処理された無機微粒子
と、架橋しているバインダーポリマーと、ハードコート
層の厚さよりも大きい平均粒子径及び変動係数0.2以
下の粒子径分布を有する単分散性透明微粒子とを含むこ
とをを特徴とするマット性高透過率フィルム。 (8)無機微粒子の表面に結合されたシランカップリン
グ剤が、架橋しているバインダーポリマーと化学的に結
合している(7)項に記載のマット性高透過率フィル
ム。 (9)表面処理に使用するシランカップリング剤が下記
式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)または(I
e)で表される化合物である(7)又は(8)項に記載
のマット性高透過率フィルム。
【0010】
【化13】
【0011】
【化14】
【0012】
【化15】
【0013】
【化16】
【0014】式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(I
d)および(Ie)において、R1、R2、R3、R4、R
5、R6およびR8は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃
至4のアルキル基または炭素原子数が2乃至4のアルコ
キシアルキル基であり、R7は水素原子または炭素原子
数が1乃至4のアルキル基であり;nおよびmは、それ
ぞれ2または3であり;そしてpは、2または3であ
る。 (10)低屈折率層が、熱または電離放射線により架橋
する含フッ素化合物を含んでなり、屈折率1.45以下
であり、動摩擦係数0.2以下であることを特徴とする
(7)から(9)項のいずれか1項に記載のマット性高
透過率フィルム。 (11)(7)から(10)項のいずれか1項に記載の
マット性高透過率フィルムが偏光板における偏光層の2
枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられて
おり、マット層が偏光層の反対側に配置されていること
を特徴とするマット性高透過率偏光板。 (12)(7)から(10)項のいずれか1項に記載の
マット性高透過率フィルムを用いた液晶表示装置。 (13)(11)項に記載のマット性高透過率偏光板
を、液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板のうち、
バックライト側偏光板としてマット層をバックライト側
へ向けて配置して用いた液晶表示装置。 本発明のマット性とは、表面に凹凸が形成されており、
かつ、平滑面と接触させたときに干渉によるムラが発生
しない性能をさす。ヘイズは好ましくは1.0乃至1
0.0%、より好ましくは2.0乃至6.0%である。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明のマット性光学フィルム、
高透過率フィルムおよびそれを用いた液晶表示装置の基
本的な構成を図面を参照しながら説明する。
【0016】図1は、請求項7に係るマット性高透過率
フィルムの層構成を示す断面模式図である。マット性高
透過率フィルムは、透明支持体1、ハードコート層2、
低屈折率層3の順序の層構成を有する。ハードコート層
は粒子4を含有し、この粒子が表面に凹凸を形成すると
ともにフィルムにヘイズを与える。粒子4の粒子径は好
ましくは1.0乃至15.0μmであり、より好ましく
は3.0乃至10.0μmである。低屈折率層には通
常、屈折率が1.45以下、好ましくは1.40以下の
含フッ素樹脂膜やゾル−ゲル膜、粒径200nm以下の
微粒子積層膜、二酸化ケイ素蒸着膜などが用いられ、そ
の屈折率と膜厚が下記式(I)を満足することが好まし
い。
【0017】 mλ/4×0.7<n11<mλ/4×1.3 (I)
【0018】式中、mは正の奇数(一般に1)であり、
λは光の波長を示す。n1は低屈折率層の屈折率であ
り、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。
また、図1から明らかな通り、粒子4はハードコート層
2の層厚よりも粒子径が大となることが好ましい。
【0019】透明支持体としては、プラスチックフイル
ムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムの材
料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセ
ルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロ
ース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセル
ロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボ
ネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロ
ヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−
1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシ
レート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン
(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフ
ィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチル
ペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポ
リアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタク
リレートおよびポリエーテルケトンが含まれる。トリア
セチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレン
テレフタレートが好ましい。透明支持体の光透過率は、
80%以上であることが好ましく、86%以上であるこ
とがさらに好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%
以下であることが好ましく、1.0%以下であることが
さらに好ましい。透明支持体の屈折率は、1.40乃至
1.70であることが好ましい。
【0020】ハードコート層に用いる化合物は、飽和炭
化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマー
であることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有す
るポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポ
リマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を
主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマ
ーの重合反応により得ることが好ましい。架橋している
バインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン
性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0021】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸と
のエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリ
レート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペン
タエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペン
タエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロ
ールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリス
リトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリ
トールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シク
ロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリア
クリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニル
ベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベン
ゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエ
ステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニル
スルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド
(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリル
アミドが含まれる。ポリエーテルを主鎖として有するポ
リマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により
合成することが好ましい。これらのエチレン性不飽和基
を有するモノマーは、塗布後電離放射線または熱による
重合反応により硬化させる必要があり、電離放射線によ
る重合反応が好ましく、紫外線照射による重合反応がよ
り好ましい。紫外線照射による重合反応には、光重合開
始剤を用いる。光重合開始剤の例には、アセトフェノン
類、ベンゾフェノン類、ミヒラーのベンゾイルベンゾエ
ート、α−アミロキシムエステル、テトラメチルチウラ
ムモノサルファイドおよびチオキサントン類が含まれ
る。光重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。
光増感剤の例には、n−ブチルアミン、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトンお
よびチオキサントンが含まれる。光重合開始剤は、多官
能モノマー全量に対して、0.1乃至15重量%の範囲
で使用することが好ましく、1乃至10重量%の範囲で
使用することがさらに好ましい。
【0022】二以上のエチレン性不飽和基を有するモノ
マーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応によ
り、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。
架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ
基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カ
ルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロー
ル基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン
酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、
エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テト
ラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構
造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロッ
クイソシアナート基のように、分解反応の結果として架
橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明におい
て架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解し
た結果反応性を示すものであってもよい。これら架橋基
を有する化合物は塗布後熱などによって架橋させる必要
がある。
【0023】本発明においてハードコート層にその膜厚
よりも平均粒子径の大きい透明微粒子をマット性粒子と
して含有させる。添加するマット性の粒子としては、二
酸化ケイ素、二酸化チタン、酸化マグネシウム、炭酸カ
ルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸スト
ロンチウムなどの無機物質、ポリメチルアクリレート、
ポリメチルメタクリレート、ポリアクリロニトリル、ポ
リスチレン、セルロースアセテート、セルロースアセテ
ートプロピオネートなどの有機物質の微粒子粉末が挙げ
られる。このうち、無機物質としては二酸化ケイ素が、
有機物質としてはポリメチルメタクリレートが好まし
い。このマット性の粒子は無定形粒子ではなく、単分散
性の高い球形粒子が好ましい。マット性粒子のサイズと
しては、平均粒子径が1.0μm乃至15.0μmのも
のが好ましく、3.0μm乃至10.0μmのものが特
に好ましい。また、粒子径分布は変動係数が0.2以下
のものが好ましく、変動係数0.1以下の単分散性の高
いものが特に好ましい。本発明でいう変動係数とは下記
式(II)で定義される。
【0024】
【数1】
【0025】rは数平均粒径を表わし、niはi番目の
粒子を表わし、riはi番目の粒子の粒子径を表わす。
【0026】マット性粒子をハードコート層に添加する
際には、ハードコート層の厚さに対してマット性粒子の
平均粒子径が0.5μm乃至5.0μm大きくなるよう
な組み合わせが好ましく、1.0μm乃至3.0μm大
きくなるような組み合わせが特に好ましい。ハードコー
ト層に添加するマット性粒子は、ヘイズ調整のために2
種類以上の粒子を組み合わせて用いても構わない。ま
た、ハードコート層膜厚よりも小さい粒子はマット性粒
子に含まれない。このマット性粒子の塗布密度はヘイズ
度によって定まるが、好ましくは100乃至5000個
/m2、より好ましくは200乃至2000個/m2であ
る。
【0027】更にハードコート層には、無機微粒子を添
加する。無機微粒子の例には、二酸化ケイ素粒子、二酸
チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸
カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリン
および硫酸カルシウム粒子が含まれる。二酸化ケイ素粒
子(コロイド状シリカ)が特に好ましい。無機微粒子は
前記マット性粒子より小径の粒径の極微細粒子であり、
その平均粒子径は、1乃至2000nmであることが好
ましく、2乃至1000nmであることがより好まし
く、5乃至500nmであることがさらに好ましく、1
0乃至200nmであることが最も好ましい。無機微粒
子の添加量は、ハードコート層の全量(ただしマット性
粒子を除く)の1乃至99重量%であることが好まし
く、10乃至90重量%であることがより好ましく、2
0乃至80重量%であることがさらに好ましく、30乃
至60重量%であることが最も好ましい。
【0028】無機微粒子は、シランカップリング剤で表
面処理されている。ここで表面処理とは、表面の一部又
は全部を被覆することをいうが、全表面が処理されてい
るのが好ましい。シランカップリング剤は、架橋してい
るバインダーポリマーと化学的に結合させることが好ま
しい。化学的結合の形成は、バインダーポリマーの重合
性基または架橋性基と同じ種類の官能基をシランカップ
リング剤に導入して、バインダーポリマーの重合反応ま
たは架橋反応において、バインダーポリマーの一部とシ
ランカップリング剤とを反応させる方法が最も容易で好
ましい。例えば、エチレン性不飽和基を重合性基および
架橋性基として有するモノマーからバインダーポリマー
を合成する場合は、シランカップリング剤もエチレン性
不飽和基を有していることが好ましい。好ましいシラン
カップリング剤は、下記式(Ia)、(Ib)、(I
c)、(Id)または(Ie)で表される化合物であ
る。
【0029】
【化17】
【0030】
【化18】
【0031】
【化19】
【0032】
【化20】
【0033】式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(I
d)および(Ie)において、R1、R2、R3、R4、R
5、R6およびR8は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃
至4のアルキル基(例、メチル、エチル)または炭素原
子数が2乃至4のアルコキシアルキル基(例、メトキシ
エチル)である。アルコキシアルキル基よりもアルキル
基の方が好ましい。アルキル基およびアルコキシアルキ
ル基のアルキル部分は、環状構造よりも鎖状構造を有し
ていることが好ましい。鎖状構造は、直鎖でも分岐を有
していてもよい。式(Id)において、R7は水素原子
または炭素原子数が1乃至4のアルキル基(例、メチ
ル、エチル)である。水素原子またはメチルであること
が好ましく、メチルであることが特に好ましい。式(I
b)、(Ic)、(Id)および(Ie)において、n
は2または3である。式(Id)において、mは2また
は3である。式(Ib)、(Ic)、(Id)および
(Ie)において、pは2または3である。エチレン性
不飽和基を重合性基および架橋性基として有するモノマ
ーからバインダーポリマーを合成する場合は、エチレン
性不飽和基を有する式(Ia)または(Id)で表され
るシランカップリング剤を用いることが特に好ましい。
シランカップリング剤の例を以下に示す。
【0034】
【化21】
【0035】
【化22】
【0036】
【化23】
【0037】
【化24】
【0038】
【化25】
【0039】ハードコート層の厚さは好ましくは0.5
乃至10.0μmであり、より好ましくは0.5μm乃
至7.0μmである。
【0040】低屈折率層に用いる化合物としては、フッ
素原子を有する化合物、有機置換されたケイ素系化合物
が含まれ、フッ素原子を有する化合物が好ましく、含フ
ッ素高分子化合物がより好ましく、熱または電離放射線
により架橋する含フッ素高分子化合物が特に好ましい。
これら以外の化合物と併用してもよい。架橋性の含フッ
素高分子化合物としてはパーフルオロアルキル基含有シ
ラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,
2,2−テトラデシル)トリエトキシシラン)等の他、
含フッ素モノマーと架橋性基付与のためのモノマーを構
成単位とする含フッ素共重合体が挙げられる。含フッ素
モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフ
ィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオラ
イド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレ
ン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2
−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アク
リル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導
体類(例えばビスコート6FM(商品名、大坂有機化学
製)やM−2020(商品名、ダイキン製)、完全また
は部分フッ素化ビニルエーテル類等である。架橋性基付
与のためのモノマーとしてはグリシジルメタクリレート
のように分子内にあらかじめ架橋性官能基を有する(メ
タ)アクリレートモノマーの他、カルボキシル基やヒド
ロキシル基、アミノ基、スルホン酸基等を有する(メ
タ)アクリレートモノマー(例えば(メタ)アクリル
酸、メチロール(メタ)アクリレート、ヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレート、アリルアクリレート等)が
挙げられる。後者は共重合の後、架橋構造を導入できる
ことが特開平10−25388号及び特開平10−14
7739号に知られている。これら以外の化合物と併用
しても良い。
【0041】R1 2 SiX4-(a+b)
【0042】(ここでR1、R2は各々アルキル基、アル
ケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポキシ基、
アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基ないしシ
アノ基を有する炭化水素基。Xはアルコキシル、アルコ
キシアルコキシル、ハロゲンないしアシルオキシ基から
選ばれた加水分解可能な置換基。a、bは各々0、1ま
たは2でかつa+bが1または2である。)で表される
化合物ないしはその加水分解生成物である。また、特開
平9−288201号に記載のように、層内に光の波長
以下のサイズの空気又は真空からなるミクロボイドを均
一に有することによって、低屈折率層を形成することも
できる。含フッ素高分子化合物としては、フッ素原子を
含有しないモノマーをその構成単位に有していてもよ
い。使用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例え
ばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル
類(アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタ
クリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブ
チル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチ
レン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトル
エン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メ
チルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリル
アミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シ
クロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド
類、アクリロニトリル誘導体等を挙げることができる。
低屈折率層は耐傷性付与のために動摩擦係数0.2以下
であることが好ましい。
【0043】なお、上記は請求項7に係る図1のマット
性高透過率フィルムの実施態様であるが、これから表面
の低屈折率層を省いた形のものは請求項1に係るマット
性光学フィルムの実施態様であり、上記の説明がそのま
ま適用される。マット性光学フィルム、高透過率フィル
ムの各層は、ディップコート法、エアーナイフコート
法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバ
ーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコ
ート法(米国特許2681294号明細書)により、塗
布により形成することができる。二以上の層を同時に塗
布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2
761791号、同2941898号、同350894
7号、同3526528号の各明細書および原崎勇次
著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(197
3)に記載がある。
【0044】本発明のマット性光学フィルム、高透過率
フィルムは、液晶表示装置に用いられるが、前記図2の
液晶表示装置に限定されず、その他種々の変更態様の液
晶表示装置に使用できる。マット性光学フィルム、高透
過率フィルムは、透明支持体側を偏光板に接着剤を用い
て貼り合わせるか、またはマット層が偏光層の反対側に
配置するようにして偏光板における偏光層の2枚の保護
フィルムのうちの少なくとも一方に用いるのが好まし
い。このマット性光学フィルム、高透過率偏光板は液晶
表示装置において、液晶セルの両側に配置された2枚の
偏光板のうち、バックライト側偏光板としてマット層を
バックライト側へ向けて配置する。
【0045】
【実施例】本発明を詳細に説明するために、以下に実施
例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるも
のではない。
【0046】(シリカ微粒子の表面処理)平均粒子径が
15nmのシリカ粒子の30重量%イソプロパノール分
散液200gを、攪拌装置、温度計及び還流冷却管を装
着した500mlのガラス製三口フラスコに入れた。こ
こに2N塩酸0.15gを加え、窒素気流下で60℃に
昇温した後、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメ
トキシシラン(I−6)7.5gを添加し、4時間攪拌
を続け、シリカ微粒子を表面処理した。
【0047】(ハードコート層用塗布液Aの調製)表面
処理した平均粒径15nmのシリカ微粒子の32.5重
量%イソプロパノール分散液280.6gに、メタノー
ル92.6g、メチルイソブチルケトン123.5g、
及びイソプロパノール366.4gを加えた。更に、こ
の混合液にジペンタエリスリトールペンタアクリレート
とジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物
(商品名:DPHA、日本化薬(株)製)136.8g
を加えて溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(商
品名:イルガキュア907、チバガイギー社製)6.8
4gを加えた。これを撹拌、溶解した後、孔径1μmの
ポリプロピレン製フィルターでろ過し、ハードコート層
用塗布液Aを調製した。 (ハードコート層用塗布液Bの調製)上記ハードコート
層用塗布液Aに、平均粒子径5.0μm、変動係数0.
1の架橋アクリル粒子(商品名:MX−500H、綜研
化学(株)製)1.14gを添加、攪拌してハードコー
ト層用塗布液Bを調製した。 (ハードコート層用塗布液Cの調製)上記ハードコート
層用塗布液Bに、更に平均粒子径3.0μm、変動係数
0.1の架橋アクリル粒子(商品名:MX−300H、
綜研化学(株)製)1.14gを添加、攪拌してハード
コート層用塗布液Cを調製した。 (ハードコート層用塗布液Dの調製)上記ハードコート
層用塗布液Aに、平均粒径5.2μm、変動係数0.5
の無定形シリカ粒子(商品名:サイリシア450、富士
シリシア化学(株)製)1.14gを添加、攪拌してハ
ードコート層用塗布液Dを調製した。 (ハードコート層用塗布液Eの調製)平均粒子径が15
nmのシリカ微粒子の30重量%イソプロパノール分散
液304.0gに、メタノール92.6g、メチルイソ
ブチルケトン123.5g、及びイソプロパノール34
3.0gを加えた。更に、この混合液にDPHA13
6.8gを加えて溶解した。得られた溶液に、光重合開
始剤(イルガキュア907)6.84gを加えた。これ
を撹拌、溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フ
ィルターでろ過し、更に平均粒子径5.0μm、変動係
数0.1の架橋アクリル粒子(MX−500H)1.1
4gを添加、攪拌してハードコート層用塗布液Eを調製
した。 (ハードコート層用塗布液Fの調製)DPHA228.
0gを、メタノール92.6g、メチルイソブチルケト
ン123.5g、イソプロパノール555.8gの混合
溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イル
ガキュア907)6.84gを加えた。これを撹拌、溶
解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターで
ろ過し、ハードコート層用塗布液Fを調製した。 (ハードコート層用塗布液Gの調製)上記ハードコート
層用塗布液Fに、平均粒子径5.0μm、変動係数0.
1の架橋アクリル粒子(MX−500H)1.14gを
添加、攪拌してハードコート層用塗布液Gを調製した。
【0048】(低屈折率層用塗布液の調製)熱架橋性含
フッ素ポリマー(商品名:JN−7225、JSR
(株)製)200gにメチルイソブチルケトンを200
g添加、攪拌の後、孔径1μmのポリプロピレン製フィ
ルターでろ過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0049】[実施例1]80μmの厚さのトリアセチ
ルセルロースフイルム(商品名:TAC−TD80U、
富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層
用塗布液Bをバーコーターを用いて塗布し、120℃で
乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ
(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400
mW/cm 2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射
して塗布層を硬化させ、厚さ3μmのハードコート層を
形成した。 [実施例2]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Cを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。 [比較例1]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Aを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。 [比較例2]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Dを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。 [比較例3]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Gを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。 [比較例4]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Eを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。 [比較例5]実施例1のハードコート層用塗布液Bの代
りに、ハードコート層用塗布液Fを用い、実施例1と同
様にしてハードコート層を形成した。
【0050】[実施例3]実施例1で作製したハードコ
ート層の上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーター
を用いて塗布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で
10分間熱架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成
した。 [実施例4]実施例2で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。 [比較例6]比較例1で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。 [比較例7]比較例2で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。 [比較例8]比較例3で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。 [比較例9]比較例4で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。 [比較例10]比較例5で作製したハードコート層の上
に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗
布し、80℃で乾燥の後、さらに120℃で10分間熱
架橋し、厚さ100nmの低屈折率層を形成した。
【0051】(マット性フィルムの評価)得られたフィ
ルムについて、以下の項目の評価を行った。 (1)光線透過率、ヘイズ 得られたフィルムの光線透過率およびヘイズをヘイズメ
ーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)
製)を用いて測定した。 (2)鉛筆硬度評価 耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆
硬度評価を行った。得られたフィルムを温度25℃、相
対湿度60%RHで2時間調湿した後、JISS 60
06にて規定されるH、2H、及び3Hの試験用鉛筆を
用いて、1kgの荷重にて引っ掻き試験を行ない、下記
の基準で評価した。 n=5の評価において傷が全く認められない ○ n=5の評価において傷が1または2つ △ n=5の評価において傷が3つ以上 × カール値 得られたフィルムを35mm×3mmのサイズに切り取
り、F式カール値読み取り板にはさみ、温度25℃、相
対湿度60%RHで30分間調湿した後、カール値を読
み取った。
【0052】(4)動摩擦係数測定 表面滑り性の指標として動摩擦係数の測定を行なった。
動摩擦係数は得られたフィルムを25℃、相対湿度60
%で2時間調湿した後、HEIDON−14動摩擦測定
機により5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度
60cm/minにて測定した値を用いた。 (5)マット性評価 マット性の指標として、得られたフィルムのマット層上
に4cm×5cmのスライドグラスを置き、その上から
1kgの重りをのせて接触によるリング状のムラの程度
を以下のように評価した。 全くムラが認められない ○ わずかに小さなムラが発生する △ 全面にムラが発生する ×
【0053】表1に実施例1、2および比較例1〜5の
結果を示す。実施例1では、表面処理したシリカ微粒子
とマット性粒子とをハードコート層に添加しているの
で、比較例1〜5に比べて耐傷性(鉛筆硬度)、カール
値、マット性全てにおいて良化している。実施例2は、
ヘイズ調整のために2種類のマット性粒子を用いている
が、ヘイズ上昇により光線透過率が若干低下するだけ
で、鉛筆硬度、カール値、マット性は実施例1と同等の
良好な値を示している。実施例2によりマット性能等を
維持しながら、光学性能を調整することが可能であるこ
とが確認される。マット性粒子を用いていない比較例1
は、マット性がなかった。マット性粒子として無定形シ
リカ粒子を用いた比較例2は、マット性が低く、また、
光線透過率も若干低かった。表面処理シリカ微粒子を用
いていない比較例3は、鉛筆硬度が劣っていた。また、
カール値も大きく、フィルムの変形がおきやすいものと
考えられる。表面処理シリカ微粒子の代りに未処理のシ
リカ微粒子を用いた比較例4は、カール値は実施例1、
2と同等であったが、鉛筆硬度に劣っていた。表面処理
シリカ微粒子もマット性粒子も用いていない比較例5
は、鉛筆硬度、カール値、マット性全てにおいて劣って
いた。
【0054】
【表1】
【0055】次に、表2に実施例3、4および比較例6
〜10の結果を示す。実施例3、4は、低屈折率層を塗
布しており、実施例1、2に比較して、鉛筆硬度、カー
ル値、マット性は同等のままで光線透過率が2%近く上
昇している。比較例6〜10も、それぞれ比較例1〜5
に比較して、光線透過率が2%近く上昇している。低屈
折率層塗布により、高透過率フィルムが作製されたこと
が確認された。比較例6〜10は、比較例1〜5と同じ
ように、比較例6、7はマット性が低く、比較例8は鉛
筆硬度とカール値が劣り、比較例9はカール値が劣り、
比較例10は鉛筆硬度、カール値、マット性全てが劣っ
ていた。
【0056】
【表2】
【0057】表1、2の結果より、表面処理シリカ微粒
子とマット性粒子とが、それぞれ耐傷性、カール値とマ
ット性とに効果のあることが確認された。次に、実施例
3及び4のフィルムを用いてマット性高透過率偏光板を
作成した。このフィルムを液晶セルの両側に配置された
2枚の偏光板のうち、バックライト側偏光板としてマッ
ト層をバックライト側へ向けて配置した液晶表示装置を
作成したところ、これを用いないものより白表示におい
て輝度が2%増加した。この液晶表示装置は常温環境、
60℃加熱環境のいずれにおいてもムラによる表示品位
の低下が7日後でも見られなかった。実施例1及び2の
フィルムを用いた場合は、ムラによる表示品位の低下は
観られなかったが、輝度の良化は得られなかった。比較
例6,7のフィルムを用いた場合は、輝度が1〜2%は
増加するものの、ムラによる表示品位の低下は抑えられ
なかった。比較例8、9のフィルムを用いた場合は、耐
傷性に劣るため、液晶表示装置に組み込む際に傷付きに
対して注意をする必要があり、装置作成に手間がかかっ
た。比較例10のフィルムを用いた場合は、輝度が1〜
2%は増加するものの、フィルムそのものの変形があ
り、表示品位は全く改善されなかった。
【0058】
【発明の効果】本発明の請求項1〜3及び7〜10のマ
ット性フィルムは、耐傷性、カール値、マット性に優れ
る。とりわけ、請求項7〜10のフィルムは光線透過率
も高く、請求項10のフィルムはそれに加えて耐傷性が
特に高い。請求項4及び11の偏光板は、耐傷性、耐歪
み性、マット性に優れ、光線透過率が良好であるかない
しは優れるものである。とりわけ、請求項11の偏光板
は耐傷性が特に高い。したがって、請求項5、6、12
及び13の液晶表示装置は熱膨張等に起因する表示ムラ
及び輝度ムラの発生が防止されており、高表示品質を安
定して示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】マット性高透過率フィルムの層構成を示す断面
模式図である。
【図2】通常の液晶表示装置の1例の概略側面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明支持体 2 ハードコート層 3 低屈折率層 4 粒子 11 バックライト 12 導光板 13 散乱シート 14 調光フィルム 15 裏面偏光板 16 表面偏光板 17 液晶セル 18 冷陰極蛍光管 19 反射シート
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H042 BA02 BA04 BA12 BA20 2H049 BB16 BB22 BB23 BB27 BB30 BB33 BB34 BB49 BC01 BC22 4F100 AA01B AA20H AH05C AH05H AH06B AJ06 AK25H AR00B AS00B AT00A BA02 BA03 BA07 BA10A BA10C BA26 DE01B DE01H EH46 EH462 EJ08 EJ082 EJ54 EJ542 GB41 JK12B JK16C JN01A JN01H JN10 JN18C JN30 YY00B YY00C

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明支持体上にハードコート層を有し、
    該ハードコート層がシランカップリング剤で表面処理さ
    れた無機微粒子と、架橋しているバインダーポリマー
    と、ハードコート層の厚さよりも大きい平均粒子径及び
    変動係数0.2以下の粒子径分布を有する単分散性透明
    微粒子とを含むことを特徴とするマット性光学フィル
    ム。
  2. 【請求項2】 無機微粒子の表面に結合されたシランカ
    ップリング剤が、架橋しているバインダーポリマーと化
    学的に結合している請求項1に記載のマット性光学フィ
    ルム。
  3. 【請求項3】 表面処理に使用するシランカップリング
    剤が下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)ま
    たは(Ie)で表される化合物である請求項1又は2に
    記載のマット性光学フィルム。 【化1】 【化2】 【化3】 【化4】 式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)および(I
    e)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR
    8は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃至4のアルキル
    基または炭素原子数が2乃至4のアルコキシアルキル基
    であり、R7は水素原子または炭素原子数が1乃至4の
    アルキル基であり;nおよびmは、それぞれ2または3
    であり;そしてpは、2または3である。
  4. 【請求項4】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    マット性光学フィルムが、偏光板における偏光層の2枚
    の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いられてお
    り、マット層が偏光層の反対側に配置されていることを
    特徴とするマット性偏光板。
  5. 【請求項5】 請求項1から3のいずれか1項に記載の
    マット性光学フィルムを用いた液晶表示装置。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載のマット性偏光板を、液
    晶セルの両側に配置された2枚の偏光板のうち、バック
    ライト側偏光板としてマット層をバックライト側へ向け
    て配置して用いた液晶表示装置。
  7. 【請求項7】 透明支持体上にハードコート層及び透明
    支持体の屈折率よりも低い屈折率を有する低屈折率層が
    この順に積層されている光学フィルムにおいて、該ハー
    ドコート層がシランカップリング剤で表面処理された無
    機微粒子と、架橋しているバインダーポリマーと、ハー
    ドコート層の厚さよりも大きい平均粒子径及び変動係数
    0.2以下の粒子径分布を有する単分散性透明微粒子と
    を含むことをを特徴とするマット性高透過率フィルム。
  8. 【請求項8】 無機微粒子の表面に結合されたシランカ
    ップリング剤が、架橋しているバインダーポリマーと化
    学的に結合している請求項7に記載のマット性高透過率
    フィルム。
  9. 【請求項9】 表面処理に使用するシランカップリング
    剤が下記式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)ま
    たは(Ie)で表される化合物である請求項7又は8に
    記載のマット性高透過率フィルム。 【化5】 【化6】 【化7】 【化8】 式(Ia)、(Ib)、(Ic)、(Id)および(I
    e)において、R1、R2、R3、R4、R5、R6およびR
    8は、それぞれ独立に炭素原子数が1乃至4のアルキル
    基または炭素原子数が2乃至4のアルコキシアルキル基
    であり、R7は水素原子または炭素原子数が1乃至4の
    アルキル基であり;nおよびmは、それぞれ2または3
    であり;そしてpは、2または3である。
  10. 【請求項10】 低屈折率層が、熱または電離放射線に
    より架橋する含フッ素化合物を含んでなり、屈折率1.
    45以下であり、動摩擦係数0.2以下であることを特
    徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載のマット
    性高透過率フィルム。
  11. 【請求項11】 請求項7から10のいずれか1項に記
    載のマット性高透過率フィルムが偏光板における偏光層
    の2枚の保護フィルムのうちの少なくとも一方に用いら
    れており、マット層が偏光層の反対側に配置されている
    ことを特徴とするマット性高透過率偏光板。
  12. 【請求項12】 請求項7から10のいずれか1項に記
    載のマット性高透過率フィルムを用いた液晶表示装置。
  13. 【請求項13】 請求項11に記載のマット性高透過率
    偏光板を、液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板の
    うち、バックライト側偏光板としてマット層をバックラ
    イト側へ向けて配置して用いた液晶表示装置。
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