JP3919983B2 - 偏光板の製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光学補償能及び反射防止能を有する偏光板、それを用いた液晶表示装置及びカラー液晶表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の液晶表示装置の構成を図1に示す。一般的な液晶表示装置においては最裏面にエッジライト方式のバックライト11を配置し、裏面より順にバックライトの光を表面に出射させる導光板12、この光の輝度を均一化させるための散乱シート13、更に散乱シートにより均一化された光を所定方向に集光する機能、または特定の偏光を選択的に透過、反射する機能を有する1枚または複数の調光シート14のように配置され、これらのフィルムを通過した光が1対の偏光板15、16に挟持されてなる液晶セル17に入射する。18は光源の冷陰極蛍光管、19は反射シートである。
【0003】
反射防止層は一般に、CRT、PDPやLCDのような画像表示装置において、外光の反射によるコントラスト低下や像の映り込みを防止するために、光学干渉の原理を用いて反射率を低減するディスプレイの最表面に配置される。すなわち、図1において16の表示側に反射防止層が設けられている。
【0004】
反射防止層としては、金属酸化物の透明薄膜を積層させた多層膜が従来から用いられている。複数の透明薄膜を用いるのは、様々な波長の光の反射を防止するためである。金属酸化物の透明薄膜は、化学蒸着(CVD)法や物理蒸着(PVD)法、特に物理蒸着法の一種である真空蒸着法により形成されている。金属酸化物の透明薄膜は、反射防止層として優れた光学的性質を有しているが、蒸着による形成方法は、生産性が低く大量生産に適していない。蒸着法に代えて、透明支持体上に光学的機能層を塗布により形成して反射防止層を製造する方法も提案されている。
【0005】
特開平2−245702号公報は、二種類以上の超微粒子(例えば、MgF2とSiO2)を混在させて、膜厚方向にその混合比を変化させたときの反射防止膜を開示している。混合比を変化させることにより屈折率を変化させ、高屈折率層と低屈折率層を設けた反射防止層と同様の光学的性質を得ている。超微粒子は、エチルシリケートの熱分解で生じたSiO2により接着している。エチルシリケートの熱分解では、エチル部分の燃焼によって、二酸化炭素と水蒸気も発生する。同公報の第1図に示されているように、二酸化炭素と水蒸気が層から離脱することにより、超微粒子の間に空隙が生じている。
特開平7−48527号公報は、多孔質シリカよりなる無機微粉末とバインダとを含有する反射防止層を開示している。
特開平9−288201号公報は、含フッ素ポリマーからなる微粒子を二個以上積み重ねることにより、微粒子間に空隙を形成した低屈折率層を有する反射防止層を開示している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
空隙を有する低屈折率層は、空隙中の空気によって非常に低い屈折率が得られるとの特徴がある。本発明の課題の一つは、この特徴を生かすことにより生産性の高い塗布法を用いて、簡便かつ安価にして十分な反射防止性能と耐傷性、防汚性を有する反射防止フィルムを提供することである。
【0007】
ところで、LCDの表示方式は大きく複屈折モードと旋光モードに分けることができる。複屈折モードを利用する超捻れ(スーパーツィスティッド)ネマティック液晶表示装置(以下、STN−LCD)は、90度を超える捻れ角及び急峻な電気光学特性を有するスーパーツィスティッドネマティック液晶を用いている。このためSTN−LCDは時分割駆動による大容量の表示が可能である。しかしながらSTN−LCDは応答速度が遅い(数百ミリ秒)、階調表示が困難等の問題があることから、能動素子を使用した液晶表示装置(例、TFT−LCD及びMIM−LCD)の表示特性に比べて劣っている。
TFT−LCD及びMIM−LCDにおいては、90度の捻れ角及び正の複屈折を有する捻れネマティック液晶が、画像を表示するために使用されている。これらは旋光モードであるTN−LCDの表示モードであり、高速応答性(数十ミリ秒)及び高いコントラストが得られるため、複屈折モードに比べて多くの点で有利である。しかしながら、TN−LCDは表示色や表示コントラストが液晶表示装置を見るときの角度によって変化するため(視野角特性)、CRTに比べて見づらいという問題がある。
【0008】
上記視野角特性を改善するため、一対の偏光板と液晶セルとの間に位相差板(光学補償シート)を設けるという提案が特開平4−229828号及び特開平4−258923号に記載されている。上記公報で提案されている位相差板は、液晶セルに対して垂直方向の位相差はほぼゼロであるため、真正面からは何ら光学的作用を与えないが、傾けたときに位相差が発現する。これにより液晶セルの斜め方向で発生する位相差を補償するものである。このような光学補償シートといては、ネマティック液晶の正の複屈折を補償するように負の複屈折を有し、且つ光軸が傾いているシートが有効である。
【0009】
特開平6−75115号及びEP0576304A1には、負の複屈折を有し、且つ光軸が傾いている光学補償シートが記載されている。このシートはポリカーボネートやポリエステル等のポリマーを延伸することにより製造され、シートの法線から傾いた主屈折率方向を有している。このようなシートは極めて複雑な延伸処理が必要とされるため、この方法により大面積で均一な光学補償シートを安定に製造するのは非常に困難である。
【0010】
一方、液晶ポリマーを用いた方法も特開平3−9326号及び特開平3−291601号に記載されている。これは液晶性を有するポリマーを支持体上の配向層表面に塗布することにより得られる光学補償シートである。しかしながら液晶性を有するポリマーは、配向層上では十分な配向を示さないため、すべての方向において視野角を拡大することはできない。また、特開平5−215921号には支持体と液晶性及び正の複屈折を有する重合性棒状化合物からなる光学補償シート(複屈折板)が記載されている。この光学補償シートは、重合性棒状化合物の溶液を支持体に塗布、加熱硬化することにより得られる。しかしながら、この液晶性を有するポリマーは複屈折を持たないため、全方向の視野角を拡大することができない。
【0011】
ところで、特開平8−50206号にディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層を有し、該ディスコティック化合物と支持体とのなす角度が層の深さ方向において変化していることを特徴とする光学補償シートが記載されている。この方法によるとコントラストから見た視野角は全方向において大幅に拡大し、また斜め方向から見たときの黄変のような画質低下もほとんど見られない。しかしながら、この光学補償シートのみによっては、前述の外光反射による表示品位の劣化を改良することはできないため、さらなる改良が必要とされている。
【0012】
以上のように、本発明の課題は外光の反射による表示品位劣化を防止し、なお且つTNモードの液晶表示装置及びカラー液晶表示装置の視野角を拡大することによってあらゆる方向に優れた表示品位を有する液晶表示装置を提供すること、そしてそれらを簡便な方法で安定に製造することによって安価に供給することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明の目的は以下のように達成された。
(1) 2枚の透明支持体によって偏光層を挟持してなる偏光板の製造方法であって、該透明支持体のうち一方の支持体上にディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方層を設けて光学補償フィルムを作成し、更にもう一方の透明支持体上に該透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層を設けて反射防止フィルムを作成し、偏光層を、該反射防止フィルムの透明支持体面及び該光学補償フィルムの透明支持体面で挟んで接着することを特徴とする偏光板の製造方法
(2) 該ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している(1)に記載の偏光板の製造方法
(3) 該光学異方層が、更にセルロースエステルを含んでいる(1)に記載の偏光板の製造方法
(4) 該光学異方層側の透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、更に下記の条件を満足する(1)に記載の偏光板の製造方法
[数2] 20≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400 (d:光学補償層厚み)
(5) 光学異方層と透明支持体との間に、配向層が形成されている(1)に記載の偏光板の製造方法
(6) 配向層がポリマーの硬化膜からなる(5)に記載の偏光板の製造方法
(7) 光学異方層がモノドメインであるか、または0.1μm以下のサイズのドメインを多数形成していることを特徴とする(1)に記載の偏光板の製造方法
(8) 該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が光学異方層の支持体面側からの距離の増加とともに増加していることを特徴とする(2)に記載の偏光板の製造方法
(9) 該低屈折率層が粒径0.1μm以下の微粒子を含み、微粒子間または微粒子内に空隙が形成されている(1)に記載の偏光板の製造方法
(10) 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられている(1)に記載の偏光板の製造方法
(11) 該低屈折率層の上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層がさらに積層されており、オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合が70体積%未満であることを特徴とする(1)に記載の偏光板の製造方法
(12) 該オーバーコート層を形成してなる含フッ素化合物の重量平均分子量が2万乃至200万であって、それ以外の分子量2万未満の低分子量成分が該オーバーコート層固形分の50重量%以下であることを特徴とする(11)に記載の偏光板の製造方法
(13) (1)から(12)のいずれかに従い製造した偏光板を、液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板のうち、表示側の偏光板として用い、且つ光学異方層を液晶セル側へ向けて配置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法
(14) 透明電極、画素電極及びカラーフィルタを有する一対の基板と、その基板間に封入された捻れ配向したネマティック液晶とからなる液晶セル、液晶セルの両側に設けられた一対の光学補償シートとその外側に配置された一対の偏光板からなるカラー液晶表示装置の製造方法において、液晶セルの表示側光学補償シート及び偏光板として(1)から(12)のいずれかに従い製造した偏光板を用いることを特徴とするカラー液晶表示装置の製造方法
【0014】
更に光学異方層については以下の条件を満たすことが好ましい。
(1) ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、支持体面側からの距離の増加とともに増加しており、該角度が5から85度の範囲で変化する光学異方層。
(2) 該角度の最小値が0から85度(より好ましくは5から40度)の範囲にあり、その最大値が5から90度(より好ましくは30から85度)の範囲にある光学異方層。
(3) セルロースエステル(より好ましくはセルロースアセテートブチレート)を含んでいる光学異方層。
(4) 偏光板の法線方向から傾いた方向にゼロ以外のレターデーションの絶対値の最小値を有する光学異方層。
(5) 液晶セルの基板が一方向にラビング処理された配向表面を有し、且つ光学異方層のレターデーションの最小値の方向を液晶セル上に正投影したときの方向と光学異方層に隣接する液晶セル基板のラビング方向とのなす角が90から270度となるように配置されている光学異方層。
【発明の実施の形態】
本発明の光学補償能及び反射防止能を有する偏光板それを用いた液晶表示装置の基本的な構成を図面を引用しながら説明する。
【0015】
図2は、光学補償層の層構成を示す断面模式図の一例である。光学補償層は、透明支持体21、配向層22、光学異方層23の順序の層構成を有する。光学異方層は液晶性ディスコティック化合物24a、24b、24cを有し、その光軸と透明支持体の法線方向25に対してそれぞれθa、θb、θcの傾斜角をなす。この傾斜角は光学異方層の透明支持体側より表面側に向かって増加する。
【0016】
図3に光学補償層の光学特性を示す。配向層には液晶性ディスコティック化合物を配向させるためにラビング等の処理を施す。31は配向層のラビング方向を示す。n1、n2及びn3は光学補償層の直交する三軸の屈折率を表し、正面から見たときにはn1≦n3≦n2の関係を満たす。
光学補償層は、透明支持体の法線方向から傾いた方向にゼロ以外のレターデーションの絶対値の最小値を有する。図中32はレターデーションの絶対値の最小値を示す方向と透明支持体の法線方向25とのなす角度である。TN−LCDの視野角特性を改善するために、32は5乃至50度であることが好ましく、10乃至40度が特に好ましい。
【0017】
光学補償層は下記式を満足する。
【数3】
20≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400 (d:光学補償層厚み)
【0018】
また光学補償層は下記式を満足することが好ましい。
【数4】
50≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400
【0019】
更に光学補償層は下記式を満足することが特に好ましい。
【数5】
100≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400
【0020】
光学補償層に用いる透明支持体としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトン、市販品としてはゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)が含まれる。
【0021】
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることが更に好ましい。透明支持体は正面から見たときに光学的等方性を有するものが好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
これらの観点からトリアセチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレート、ゼオネックス、ARTONが好ましく、LCD用偏光板の偏光層を保護する保護膜としてはトリアセチルセルロースが特に好ましい。
【0022】
透明支持体面内の主屈折率をnx、ny、厚み方向の主屈折率をnz、厚みをdbとしたとき、主屈折率の関係がnz<ny=nx(負の一軸性)を満足し、{(nx+ny)/2−nz}×dで表されるレターデーションが20乃至400nmである。透明支持体のレターデーションは30乃至150nmであることがより好ましい。またnxとnyは厳密に等しい必要はなく、|nx−ny|/|nx−nz|≦0.2であれば実用上問題ない。|nx−ny|×dbで表される正面レターデーションは50nm以下であることが好ましく、20nm以下であることが更に好ましい。
【0023】
透明支持体上には、隣接する層との密着性を付与するために下塗り層を設けてもよい。このような下塗り層を形成する素材は特に限定されないが、例えばトリアセチルセルロース上においてはゼラチンやポリ(メタ)アクリレート樹脂及びその置換体、スチレン−ブタジエン樹脂等が用いられる。また、化学処理、機械処理、コロナ処理、グロー放電処理等の表面処理を行ってもよい。
【0024】
配向層はその上に設けられる液晶性ディスコティック化合物の配向方向を規定するように機能する。そしてこの配向が透明支持体の法線方向から傾いた光軸を与える。配向層は光学異方層に配向性を付与できれば特に限定されない。配向層の好ましい例としては、有機化合物により形成された表面をラビング処理した層、無機化合物の斜方蒸着層、レジストによるパターニング等により形成されたマイクログルーブ層、あるいはω−トリコサン酸、ジオクタデシルメチルアンモニウムクロライド及びステアリル酸メチル等のラングミュア・ブロジェット膜、さらに電場あるいは磁場により配向された誘電体層を挙げることができる。
ラビング処理層は製造上、簡便且つ安価であるため好ましい。
【0025】
配向層用の有機化合物としては、ポリメチルメタクリレート、アクリル酸/メタクリル酸共重合体、スチレン/マレインイミド共重合体、ポリビニルアルコール、ポリ(N−メチロールアクリルアミド)、スチレン/ビニルトルエン共重合体、クロロスルホン化ポリエチレン、ニトロセルロース、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン、ポリエステル、ポリイミド、酢酸ビニル/塩化ビニル共重合体、エチレン/酢酸ビニル共重合体、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート等のポリマー及びシランカップリング剤等の化合物が含まれる。中でもポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルアルコール及びアルキル基(炭素数6以上が好ましい)を含有するアルキル変性ポリビニルアルコールが好ましく、アルキル基(炭素数6以上が好ましい)含有アルキル変性ポリビニルアルコールが特に好ましい。ポリイミドとしては、ポリアミック酸(例えば日立化成(株)製LQ/LXシリーズ、日産化学(株)製SEシリーズ等)を塗布し、100乃至300℃で0.5乃至1時間焼成したものが挙げられ、アルキル変性ポリビニルアルコールとしてはMP103、MP203、R1130(いずれもクラレ(株)製)が挙げられる。
【0026】
また、前記ラビング処理はLCDの液晶配向処理工程として広く採用されている処理方法を利用することができる。即ち、配向層表面を紙やガーゼ、フェルト、ゴムあるいはナイロン、ポリエステル繊維等を用いて一定方向に擦ることによって配向を得る方法を用いることができる。一般的には長さ及び太さが均一な繊維を平均的に植毛した布を用いて数回程度ラビングを行う。
【0027】
また、光学異方層を配向層を用いずに配向させてもよい。これは光学異方層を形成する液晶性ディスコティック化合物層を電場、磁場、偏光照射あるいは斜め非偏光照射等によって配向させる方法が挙げられる。
【0028】
光学異方層はディスコティック構造単位を有する化合物からなる負の複屈折を有する層である。光学異方層は液晶性ディスコティック化合物の層または重合性ディスコティック化合物の硬化により得られるポリマー層である。本発明のディスコティック化合物の例としては、C.Destradeらの研究報告、Mol.Cryst.71巻、111頁(1981年)に記載されているベンゼン誘導体、Mol.Cryst.122巻、141頁(1985年)、Phyics.Lett,A、78巻、82頁(1990年)に記載されているトルキセン誘導体、B.Kohneらの研究報告、Angew.Chem.Soc.96巻、70頁(1984年)に記載されたシクロヘキサン誘導体及びJ.M.Lehnらの研究報告、J.Chem.Commun.1794頁(1985年)、J.Zhangらの研究報告、J.Am.Chem.Soc.116巻、2655頁(1994年)に記載されているアザクラウン系やフェニルアセチレン系マクロサイクル等を挙げることができる。上記ディスコティック(円盤状)化合物は、一般にこれらを分子中心の母核とし、直鎖のアルキル基やアルコキシ基、置換ベンゾイルオキシ基等がその側鎖として放射状に置換された構造であり、液晶性を示し、一般にディスコティック液晶と呼ばれるものが含まれる。但し、分子自身が負の一軸性を有し、一定の配向を付与できるものであれば上記記載に限定されるものではない。また本発明において、「ディスコティック化合物から形成した」とは最終的にできたものが上記化合物である必要はなく、例えば低分子ディスコティック液晶が熱、電離放射線等で架橋する官能基を有しており、熱または電離放射線照射によって高分子量化して液晶性を失ったものも含まれる。
【0029】
該ディスコティック化合物の好ましい例を下記に示す。
【0030】
【化1】
Figure 0003919983
【0031】
【化2】
Figure 0003919983
【0032】
【化3】
Figure 0003919983
【0033】
【化4】
Figure 0003919983
【0034】
【化5】
Figure 0003919983
【0035】
【化6】
Figure 0003919983
【0036】
【化7】
Figure 0003919983
【0037】
【化8】
Figure 0003919983
【0038】
【化9】
Figure 0003919983
【0039】
【化10】
Figure 0003919983
【0040】
【化11】
Figure 0003919983
【0041】
【化12】
Figure 0003919983
【0042】
光学異方層はディスコティック化合物及び他の化合物を溶解してなる塗布液を配向層上に塗布、乾燥し、次いでディスコティックネマティック相形成温度まで加熱し、その配向状態を維持したまま冷却することにより得られる。あるいはディスコティックネマティック相形成温度まで加熱した後、電離放射線照射により重合させて固定してもよい。ディスコティックネマティック液晶相−固相転移温度としては50乃至300℃が好ましく、70乃至170℃が特に好ましい。
【0043】
光学異方層には、液晶性ディスコティック化合物の傾斜角、ディスコティックネマティック相形成温度、相溶性、塗布性等をコントロールするために、可塑剤や界面活性剤、重合性モノマー、高分子化合物等、ディスコティック化合物の配向を阻害しない限り如何なる化合物を添加してもよい。
【0044】
重合性モノマーとしては、ビニル基、ビニルオキシ基、アクリロイル基及びメタクリロイル基を有するものが好ましい。重合性モノマーはディスコティック化合物に対して1乃至50重量%、好ましくは5乃至30重量%用いることができる。
【0045】
高分子化合物は、ディスコティック化合物との相溶性を有していれば如何なるものも用いることができる。高分子化合物としてはセルロースエステルが好ましく、中でもセルロースアセテートブチレートが特に好ましい。高分子化合物はディスコティック化合物に対し、0.1乃至10重量%、好ましくは0.1乃至5重量%用いることができる。また、セルロースアセテートブチレートのブチリル化度は30乃至80%が好ましく、アセチル化度は30乃至80%が好ましい。
【0046】
図4−aは、反射防止層の層構成を示す断面模式図の一例である。反射防止層は、透明支持体41、ハードコート層42、低屈折率層45の順序の層構成を有する。低屈折率層の屈折率と膜厚が下記式を満足することが好ましい。
【0047】
【数6】
mλ/4×0.7<n11<mλ/4×1.3
【0048】
式中、nは正の奇数(一般に1)であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。
【0049】
図4−bは、反射防止層の層構成を示す断面模式図の一例である。反射防止層は、透明支持体41、ハードコート層42、高屈折率層44、低屈折率層45の順序の層構成を有する。
図4−bのように、高屈折率層44と低屈折率層45とを有する反射防止層では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、高屈折率層が下記式(I)、低屈折率層が下記式(II)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0050】
【数7】
mλ/4×0.7<n11<mλ/4×1.3 (I)
【0051】
式中、mは正の整数(一般に1、2または3)であり、n1は高屈折率層の屈折率であり、そして、d1は高屈折率層の膜厚(nm)である。
【0052】
【数8】
第2層 nλ/4×0.7<n22<nλ/4×1.3 (II)
【0053】
式中、nは正の奇数(一般に1)であり、n2は低屈折率層の屈折率であり、そして、d2は低屈折率層の膜厚(nm)である。
【0054】
図4−cは、反射防止層の層構成を示す断面模式図の一例である。反射防止層は、透明支持体41、ハードコート層42、中屈折率層43、高屈折率層44、低屈折率層45の順序の層構成を有する。
図4−cのように、中屈折率層43、高屈折率層44と低屈折率層45とを有する反射防止膜では、特開昭59−50401号公報に記載されているように、中屈折率層が下記式(III)、高屈折率層が下記式(IV)、低屈折率層が下記式(V)をそれぞれ満足することが好ましい。
【0055】
【数9】
第1層 hλ/4×0.7<n33<hλ/4×1.3 (III)
【0056】
式中、hは正の整数(一般に1、2または3)であり、n3は中屈折率層の屈折率であり、そして、d3は中屈折率層の膜厚(nm)である。
【0057】
【数10】
第2層 jλ/4×0.7<n44<jλ/4×1.3 (IV)
【0058】
式中、jは正の整数(一般に1、2または3)であり、n4は高屈折率層の屈折率であり、そして、d4は高屈折率層の膜厚(nm)である。
【0059】
【数11】
第3層 kλ/4×0.7<n55<kλ/4×1.3 (V)
【0060】
式中、kは正の奇数(一般に1)であり、n5は低屈折率層の屈折率であり、そして、d5は低屈折率層の膜厚(nm)である。
【0061】
図4−dは、反射防止層の層構成を示す断面模式図の一例である。反射防止層は、透明支持体41、ハードコート層42、中屈折率層43、高屈折率層44、低屈折率層45、オーバーコート層46の順序の層構成を有する。 中屈折率層、高屈折率層、低屈折率層の屈折率と膜厚は図4−cと同様である。
オーバーコート層は撥水、撥油性による防汚性付与、滑り性による耐傷性改良の効果があり、光学特性上、屈折率に制約はないが、膜厚は20nm以下であることが好ましい。
【0062】
反射防止層に用いる透明支持体としては、プラスチックフイルムを用いることが好ましい。プラスチックフイルムの材料の例には、セルロースエステル(例、トリアセチルセルロース、ジアセチルセルロース、プロピオニルセルロース、ブチリルセルロース、アセチルプロピオニルセルロース、ニトロセルロース)、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート、ポリエチレン−1,2−ジフェノキシエタン−4,4’−ジカルボキシレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリスチレン(例、シンジオタクチックポリスチレン)、ポリオレフィン(例、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペンテン)、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリメチルメタクリレート及びポリエーテルケトン、市販品としてはゼオネックス(日本ゼオン(株)製)、ARTON(JSR(株)製)が含まれる。
【0063】
透明支持体の光透過率は、80%以上であることが好ましく、86%以上であることが更に好ましい。透明支持体は正面から見たときに光学的等方性を有するものが好ましい。透明支持体のヘイズは、2.0%以下であることが好ましく、1.0%以下であることが更に好ましい。透明支持体の屈折率は、1.4乃至1.7であることが好ましい。
これらの観点からトリアセチルセルロース、ポリカーボネート及びポリエチレンテレフタレート、ゼオネックス、ARTONが好ましく、LCD用偏光板の偏光層を保護する保護膜としてはトリアセチルセルロースが特に好ましい。
【0064】
透明支持体上には、隣接する層との密着性を付与するために下塗り層を設けてもよい。このような下塗り層を形成する素材は特に限定されないが、例えばトリアセチルセルロース上においてはゼラチンやポリ(メタ)アクリレート樹脂及びその置換体、スチレン−ブタジエン樹脂等が用いられる。また、化学処理、機械処理、コロナ処理、グロー放電処理等の表面処理を行ってもよい。
ハードコート層に用いる化合物は、飽和炭化水素またはポリエーテルを主鎖として有するポリマーであることが好ましく、飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーであることがさらに好ましい。バインダーポリマーは架橋していることが好ましい。飽和炭化水素を主鎖として有するポリマーは、エチレン性不飽和モノマーの重合反応により得ることが好ましい。架橋しているバインダーポリマーを得るためには、二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーを用いることが好ましい。
【0065】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの例には、多価アルコールと(メタ)アクリル酸とのエステル(例、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ジクロヘキサンジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート)、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,2,3−シクロヘキサンテトラメタクリレート、ポリウレタンポリアクリレート、ポリエステルポリアクリレート)、ビニルベンゼンおよびその誘導体(例、1,4−ジビニルベンゼン、4−ビニル安息香酸−2−アクリロイルエチルエステル、1,4−ジビニルシクロヘキサノン)、ビニルスルホン(例、ジビニルスルホン)、アクリルアミド(例、メチレンビスアクリルアミド)およびメタクリルアミドが含まれる。
ポリエーテルを主鎖として有するポリマーは、多官能エポシキ化合物の開環重合反応により合成することが好ましい。
これらのエチレン性不飽和基を有するモノマーは、塗布後電離放射線または熱による重合反応により硬化させる必要がある。
【0066】
二以上のエチレン性不飽和基を有するモノマーの代わりまたはそれに加えて、架橋性基の反応により、架橋構造をバインダーポリマーに導入してもよい。架橋性官能基の例には、イソシアナート基、エポキシ基、アジリジン基、オキサゾリン基、アルデヒド基、カルボニル基、ヒドラジン基、カルボキシル基、メチロール基および活性メチレン基が含まれる。ビニルスルホン酸、酸無水物、シアノアクリレート誘導体、メラミン、エーテル化メチロール、エステルおよびウレタン、テトラメトキシシランのような金属アルコキシドも、架橋構造を導入するためのモノマーとして利用できる。ブロックイソシアナート基のように、分解反応の結果として架橋性を示す官能基を用いてもよい。また、本発明において架橋基とは、上記化合物に限らず上記官能基が分解した結果反応性を示すものであってもよい。
これら架橋基を有する化合物は塗布後熱などによって架橋させる必要がある。
【0067】
更にハードコート層には、屈折率の調節や膜の硬化強度を高めるために無機の微粒子を添加しても良い。無機の微粒子としては平均粒子サイズが0.5μm以下のものが好ましく、0.2μm以下のものが特に好ましい。
無機微粒子としては二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化錫粒子、炭酸カルシウム粒子、硫酸バリウム粒子、タルク、カオリンおよび硫酸カルシウム粒子があげられ、二酸化ケイ素粒子、二酸化チタン粒子、酸化アルミニウム粒子が特に好ましい。
無機微粒子の添加量は、ハードコート層の全重量の10乃至90重量%であることが好ましく、20乃至80重量%であると更に好ましく、30乃至60重量%が特に好ましい。
ハードコート層の厚さは1乃至15μmであることが好ましい。
【0068】
図の4−bに示すように、低屈折率層と透明支持体との間に高屈折率層を設けてもよい。また、図の4−cに示すように、高屈折率層と透明支持体との間に中屈折率層を設けてもよい。
高屈折率層の屈折率は、1.65乃至2.40であることが好ましく、1.70乃至2.20であることがさらに好ましい。中屈折率層の屈折率は、低屈折率層の屈折率と高屈折率層の屈折率との間の値となるように調整する、中屈折率層の屈折率は、1.55乃至1.80であることが好ましい。高屈折率層および中屈折率層のヘイズは、3%以下であることが好ましい。
【0069】
中屈折率層および高屈折率層は、比較的屈折率が高いポリマーを用いて形成することが好ましい。屈折率が高いポリマーの例には、ポリスチレン、スチレン共重合体、ポリカーボネート、メラミン樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂および環状(脂環式または芳香族)イソシアネートとポリオールとの反応で得られるポリウレタンが含まれる。その他の環状(芳香族、複素環式、脂環式)基を有するポリマーや、フッ素以外のハロゲン原子を置換基として有するポリマーも、屈折率が高い。二重結合を導入してラジカル硬化を可能にしたモノマーの重合反応によりポリマーを形成してもよい。
【0070】
屈折率の高い無機微粒子を前述のモノマーと開始剤、有機置換されたケイ素化合物、または上記ポリマー中に分散してもよい。無機微粒子としては、金属(例、アルミニウム、チタニウム、ジルコニウム、アンチモン)の酸化物が好ましい。モノマーと開始剤を用いる場合は、塗布後に電離放射線または熱による重合反応によりモノマーを硬化させることで、耐傷性や密着性に優れる中屈折率層や高屈折率層が形成できる。無機微粒子の平均粒径は、10乃至100nmであることが好ましい。
【0071】
被膜形成能を有する有機金属化合物から、高屈折率層または中屈折率層を形成してもよい。有機金属化合物は、適当な媒体に分散できるか、あるいは液状であることが好ましい。有機金属化合物の例には、金属アルコレート(例、チタンテトラエトキシド、チタンテトラ−I−プロポキシド、チタンテトラ−n−プロポキシド、チタンテトラ−n−ブトキシド、チタンテトラ−sec-ブトキシド、チタンテトラ−tert−ブトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリ−I−プロポキシド、アルミニウムトリブトキシド、アンチモントリエトキシド、アンチモントリブトキシド、ジルコニウムテトラエトキシド、ジルコニウムテトラ−I−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−プロポキシド、ジルコニウムテトラ−n−ブトキシド、ジルコニウムテトラ−sec-ブトキシド、ジルコニウムテトラ−tert−ブトキシド)、キレート化合物(例、ジ−イソプロポキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−ブトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ジ−エトキシチタニウムビスアセチルアセトネート、ビスアセチルアセトンジルコニウム、アルミニウムアセチルアセトネート、アルミニウムジ−n−ブトキシドモノエチルアセトアセテート、アルミニウムジ−I−プロポキシドモノメチルアセトアセテート、トリ−n−ブトキシドジルコニウムモノエチルアセトアセテート)、有機酸塩(例、炭酸ジルコニールアンモニウム)およびジルコニウムを主成分とする活性無機ポリマーが含まれる。
【0072】
低屈折率層に用いる化合物としては、フッ素原子を有する化合物、一般式に示される有機置換されたケイ素系化合物が含まれる。これら以外の化合物と併用してもよい。
R1aR2bSiX4-(a+b)
(ここでR1、R2は各々アルキル基、アルケニル基、アリル基、またはハロゲン基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、メタクリルオキシ基ないしシアノ基を有する炭化水素基。Xはアルコキシル、アルコキシアルコキシル、ハロゲンないしアシルオキシ基から選ばれた加水分解可能な置換基。a、bは各々0、1または2でかつa+bが1または2である。)であらわされる化合物ないしはその加水分解生成物である。
また、層内に光の波長以下のサイズの空気または真空からなるミクロボイドを均一に有することによって、低屈折率層を形成することもできる。
【0073】
ミクロボイドにより低屈折率層内に3乃至50体積%、好ましくは5乃至35体積%の空隙率を有する。低屈折率層のミクロボイドは一般的に知られているゾル−ゲル法による二酸化炭素と水蒸気離脱時の形成や、特開平9−288201号に記載のように粒径0.1μm以下の微粒子を含み、微粒子間または微粒子内に形成する方法等が知られている。微粒子内にミクロボイドを形成する方法としては、ゾル−ゲル法(特開昭53−112732号、特公昭57−9051号の各公報記載)または析出法(APPLIED OPTICS、27、3356(1988).に記載)等が知られている。
【0074】
低屈折率層に用いられるフッ素化合物は、フッ素原子を有するモノマーを重合して形成されたポリマーが含まれる。モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等であり、これらの中から一つまたは複数のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重合により目的のポリマーを得ることができる。
【0075】
また上記含フッ素モノマーを構成単位とするポリマーだけでなく、フッ素原子を含有しないモノマーとの共重合体を用いてもよい。併用可能なモノマー単位には特に限定はなく、例えばオレフィン類(エチレン、プロピレン、イソプレン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等)、アクリル酸エステル類(アクリル酸メチル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸2−エチルヘキシル)、メタクリル酸エステル類(メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、エチレングリコールジメタクリレート等)、スチレン誘導体(スチレン、ジビニルベンゼン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等)、ビニルエーテル類(メチルビニルエーテル等)、ビニルエステル類(酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、桂皮酸ビニル等)、アクリルアミド類(N−tertブチルアクリルアミド、N−シクロヘキシルアクリルアミド等)、メタクリルアミド類、アクリロ二トリル誘導体等を挙げることができる。
【0076】
反射防止膜には、さらに図4−dのようにオーバーコート層を設けてもよい。
特に低屈折率層の上に、滑り層または防汚層を設けることが好ましい。
滑り層に用いる滑り剤の例には、ポリオルガノシロキサン(例、ポリジメチルシロキサン、ポリジエチルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン)、天然ワックス(例、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油、ライスワックス、木ろう、蜜ろう、ラノリン、鯨ろう、モンタンワックス)、石油ワックス(例、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス)、合成ワックス(例、ポリエチレンワックス、フィッシャー・トロプシュワックス)、高級脂肪脂肪酸アミド(例、ステアラミド、オレインアミド、N,N’−メチレンビスステアラミド)、高級脂肪酸エステル(例、ステアリン酸メチル、ステアリン酸ブチル、グリセリンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート)、高級脂肪酸金属塩(例、ステアリン酸亜鉛)およびフッ素含有ポリマー(例、パーフルオロ主鎖型パーフルオロポリエーテル、パーフルオロ側鎖型パーフルオロポリエーテル、アルコール変性パーフルオロポリエーテル、イソシアネート変性パーフルオロポリエーテル)が含まれる。
【0077】
防汚層には、撥水、撥油性の観点から含フッ素化合物が用いられる。
含フッ素化合物としてはパーフルオロポリエーテル潤滑剤(例えばFOMBLIN Z60(アウジモント製))やパーフルオロアルキル基含有シラン化合物(例えば(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラデシル)トリエトキシシランやKP−801M(信越シリコーン製)等)等の他、含フッ素モノマーを構成単位とする含フッ素ポリマーが挙げられる。
モノマー単位の具体例としては、例えばフルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)、(メタ)アクリル酸の部分または完全フッ素化アルキルエステル誘導体類(例えばビスコート6FM(大阪有機化学製)やM−2020(ダイキン製)等)、完全または部分フッ素化ビニルエーテル類等であり、これらの中から一つまたは複数のモノマーを任意の比率で組み合わせて共重合させることにより目的のポリマーを得ることができる。
該ポリマーは上記含フッ素モノマーを含んでいれば、可撓性や架橋性等の機能を付与するために構成単位として非フッ素モノマーを含んでもよい。非フッ素モノマーを構造単位に含むポリマーとしては、上記フッ素モノマーと(メタ)アクリレート(エステル)モノマーの共重合体や、さらに滑り性を付与するための構造を有しているJN−7219、JN−7221、JN−7225(いずれもJSR(株)製)が挙げられる。
滑り性と防汚性の両立の観点から、オーバーコート層にはJN−7219、JN−7221、JN−7225が好ましい。
【0078】
低屈折率層の上にオーバーコート層を積層すると、低屈折率層のミクロボイドにオーバーコート層を形成する素材が浸入して空隙率が低下してしまい、好ましくない。低屈折率を維持するためには、オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合が70体積%未満であることが好ましい。具体的には、塗布する際に塗布液中の素材をラテックスのような微粒子にする方法、エマルジョンのようにする方法、または高分子量化する方法のいずれかによって、オーバーコートを形成する素材をミクロボイドよりも大きくする方法が挙げられる。中でも、高分子量化は皮膜形成性の観点から特に好ましい。
【0079】
オーバーコート層を形成する含フッ素化合物を高分子量化する場合、含フッ素化合物の重量平均分子量が3万乃至200万、好ましくは5万乃至200万であって、架橋剤や界面活性剤のようなそれ以外の分子量2万未満の低分子量成分が該オーバーコート層固形分の50重量%以下、好ましくは20重量%以下とすることにより達成される。
【0080】
保護層の厚さは、反射防止機能に影響しないようにするため、20nm以下であることが好ましく、10nmであると更に好ましい。。
【0081】
反射防止層に防眩性を付与するために、反射防止層に凹凸を形成してもよい。凹凸を形成する方法としては、特開昭S61−209154に記載されている透明支持体上にバインダに粒子を添加した凹凸層を塗布したものや、特開平6−16851に記載されているあらかじめ凹凸面を形成したフィルムを透明支持体上の塗布層に貼り合わせて凹凸を転写させたもの、または透明支持体に直接またはハードコート層のごとき他の層を介してエンボス加工により凹凸を形成したものの上に反射防止層を塗布する方法や、反射防止層を形成した後にエンボス加工により凹凸を形成する方法が挙げられる。
凹凸上に反射防止層を形成する場合、レベリングによって膜厚分布が生じ、反射防止能が悪化するので好ましくない。塗布型反射防止層に防眩性を付与する場合は、反射防止層を形成した後にエンボス加工により凹凸を形成する方法が好ましい。
【0082】
エンボスによって凹凸を形成する場合には、ハードコート層はほとんど塑性変形を起こさないため、凹凸形成は透明支持体の塑性変形によりなされるが、透明支持体よりも変形しやすい(メタ)アクリル酸エステルからなるポリマー層を透明支持体とハードコート層の下に設けることにより、外部からの圧力による塑性変形をより大きくし、結果として表面凹凸を形成しやすくすることができる。また、この工程は圧力だけでなく熱を併用することができるが、(メタ)アクリル酸エステルのガラス転移点温度よりも高い温度で行うことにより、さらに塑性変形を促進することができる。また、この(メタ)アクリル酸エステルのエステル部の構造を変えることにより、ポリマーのガラス転移点温度を任意に設定することができるが、ガラス転移点温度は常温と透明支持体のガラス転移点温度として一般的な140乃至200℃の間にあることが好ましく、具体的には80乃至110℃が好ましい。これは、常温においてはガラス転移点より小さいために反射防止膜のハードコート性を損なうことがなく、凹凸形成時には透明支持体の光学、力学物性を変化させることなく、変形層の塑性変形のみを促進することができるからである。
【0083】
光学補償層及び反射防止層の各層は、ディップコート法、エアーナイフコート法、カーテンコート法、ローラーコート法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法やエクストルージョンコート法(米国特許2681294号明細書)により、塗布により形成することができる。二以上の層を同時に塗布してもよい。同時塗布の方法については、米国特許2761791号、同2941898号、同3508947号、同3526528号の各明細書及び原崎勇次著、コーティング工学、253頁、朝倉書店(1973)に記載がある。
【0084】
図5に本発明の光学補償能及び反射防止能を有する偏光板の構成図の一例を示す。本発明の偏光板は、2枚の透明支持体21、41によって偏光層51を挟持してなり、該透明支持体のうち一方の支持体の偏光層と反対側の面に光学異方層23を含んでなる光学補償層52を有し、更にもう一方の透明支持体の偏光層と反対側の面に反射防止層53を有する。
【0085】
本発明の光学補償能及び反射防止能を有する偏光板は、液晶表示装置に適用する。液晶表示装置の構成図の一例を図6に示す。反射防止層61は表示側偏光板として反射防止層を表示側へ向けて配置し、光学補償層62bは粘着剤65等を介して液晶セル63に貼合される。そしてバックライト側偏光板にもこの光学補償層を有する偏光板を用い、光学補償層62aは粘着剤等を介して液晶セルに貼合される。
【0086】
図7に光学補償を行うための本発明の偏光板の代表的な配置図を示す。バックライト74側が下側であるが、下側光学補償層62aのラビング方向は71a、上側光学補償層62bのラビング方向は71bである。液晶セル63の破線矢印72aはバックライト側液晶セル基板のラビング方向を、実線72bは表示側液晶セル基板のラビング方向を示し、73a、73bはそれぞれ偏光板の透過軸である。
【0087】
また図7以外の配置図として、光学補償層は上記のように上下2枚の偏光板に分割して設けなくてもよい。つまり、下側偏光板の液晶セル側に2層の光学異方層を設けることができる。
【0088】
本発明のカラー液晶表示装置の代表的構成図を図8に示す。図8において、対向透明電極82とカラーフィルタ85を備えたガラス基板84a、画素電極83とTFT86を備えたガラス基板84b、この2枚の基板間に封入された捻れ配向ネマティック液晶81とからなる液晶セル、液晶セルの両側に設けられた一対の偏光板87a、87bが組み合わせられてカラー液晶表示装置を構成している。このうち、87bが本発明の偏光板であって、87aは図のように光学異方層を設けてもよい。あるいは前述の通り、下側偏光板に2層の光学異方層を設けることもできる。
【0089】
以下、本発明を詳細に説明するために、以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0090】
【実施例】
【0091】
(ハードコート層用塗布液の調製)
ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)250gを、439gのメチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50重量%の混合溶媒に溶解した。得られた溶液に、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)7.5gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)5.0gを49gのメチルエチルケトンに溶解した溶液を加えた。この溶液を塗布、紫外線硬化して得られた塗膜の屈折率は1.53であった。
さらにこの溶液を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過してハードコート層の塗布液を調製した。
【0092】
(二酸化チタン分散物の調製)
二酸化チタン(一次粒子重量平均粒径:50nm、屈折率2.70)30重量部、アニオン性ジアクリレートモノマー(商品名:PM21、日本化薬(株)製)4.5重量部、カチオン性メタクリレートモノマー(商品名:DMAEA、興人(株)製)0.3重量部およびメチルエチルケトン65.2重量部をサンドグラインダーにより分散し、二酸化チタン分散物を調製した。
【0093】
(中屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン151.9gおよびメチルエチルケトン37.0gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.14gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.04gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物6.1gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.4gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、中屈折率層用塗布液を調製した。
【0094】
(高屈折率層用塗布液の調製)
シクロヘキサノン1152.8gおよびメチルエチルケトン37.2gに、光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)0.06gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)0.02gを溶解した。さらに、上記の二酸化チタン分散物13.13gおよびジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)0.76gを加え、室温で30分間攪拌した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、高屈折率層用塗布液を調製した。
【0095】
(低屈折率層用塗布液の調製)
シリカ微粒子のメタノール分散液(R507、日産化学(株)製)200gにシランカップリング剤(KBN−803、信越シリコーン(株)製)10gおよび0.1N塩酸2gを加え、室温で5時間撹拌した後、4日間室温で放置して、シランカップリング処理したシリカ微粒子の分散物を調製した。
分散物149gに、イソプロピルアルコール789gおよびメタノール450gを加えた。光重合開始剤(イルガキュア907、チバガイギー社製)3.21gおよび光増感剤(カヤキュアーDETX、日本化薬(株)製)1.605gを31.62gのイソプロピルアルコールに溶解した溶液を加え、さらに、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートとジペンタエリスリトーツヘキサアクリレートの混合物(DPHA、日本化薬(株)製)2.17gを78.13gのイソプロピルアルコールに溶解した溶液を加えた。混合物を20分間室温で撹拌し、1μmのメッシュのフィルターで濾過して、低屈折率層用塗布液を調製した。
【0096】
(オーバーコート層用塗布液Aの調製)
熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7219、JSR(株)製)溶液にメチルイソブチルケトンを加えて1.0重量%とし、1μmのメッシュのフィルターで濾過して、オーバーコート層用塗布液Aを調製した。
【0097】
(オーバーコート層用塗布液Bの調製)
熱架橋性含フッ素ポリマー(JN−7219、JSR(株)製)溶液の低分子成分を除去した。得られた含フッ素ポリマーの分子量は重量平均分子量7万であった。
この含フッ素ポリマーにメチルイソブチルケトンを加えて1.0重量%とし、1μmのメッシュのフィルターで濾過して、オーバーコート層用塗布液Bを調製した。
【0098】
(配向層用塗布液の調製)
直鎖アルキル変性ポリビニルアルコール(MP−203、クラレ(株)製)30gに水130g、メタノール40gを加えて攪拌、溶解した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、配向層用塗布液を調製した。
【0099】
(光学異方層用塗布液Aの調製)
液晶性ディスコティック化合物として前記化合物番号TE−8(R:8、m=4)を1.6g、フェノキシジエチレングリコールアクリレート(M−101、東亜合成(株)製)0.4g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.05g及び光重合開始剤(イルガキュア−907、チバガイギー社製)0.01gを3.65gのメチルエチルケトンに溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学異方層用塗布液Aを調製した。
【0100】
(光学異方層用塗布液Bの調製)
液晶性ディスコティック化合物として前記化合物番号TE−8(R:8、m=4)を1.8g、エチレングリコール変性トリメチロールプロパントリアクリレート(V#360、大阪有機化学工業(株)製)0.2g、セルロースアセテートブチレート(CAB531−1、イーストマンケミカル社製)0.04g及び光重合開始剤(イルガキュア−907、チバガイギー社製)0.06g及び光増感剤(カヤキュア−DETX、日本化薬(株)製)0.02gを3.43gのメチルエチルケトンに溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学異方層用塗布液Bを調製した。
【0101】
(光学異方層用塗布液Cの調製)
液晶性ディスコティック化合物として前記化合物番号TE−8(R:3)1.8gを7.2gのメチルエチルケトンに溶解した後、孔径1μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して、光学異方層用塗布液Cを調製した。
【0102】
[実施例1]
(反射防止フィルムの作成)
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ6μmのハードコート層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、80℃で乾燥の後、更に120℃で10分間熱架橋し、厚さ0.096μmの低屈折率層を形成することにより、反射防止層を有するフィルムを作成した。
【0103】
(光学補償フィルムの作成)
ゼラチン薄膜(0.1μm)の下塗り層を有する120μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記配向層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、60℃で乾燥した後、ラビング処理を行って、厚さ0.5μmの配向層を形成した。
この配向層付きトリアセチルセルロースの厚みをマイクロメータを用いて測定し、種々の方向からのレターデーションをエリプソメータ(AEP−100、(株)島津製作所製)により測定し、前記|nx−ny|×d、及び{(nx+ny)/2−nz}×dを決定したところ、|nx−ny|×dは3nm、{(nx+ny)/2−nz}×dは60nmであった。つまりこのトリアセチルセルロースはほぼ負の一軸性フィルムであり、光軸はほぼフィルムの法線方向にあった。
その配向層上に、上記光学異方層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後さらに3分間加熱、液晶の熟成を行ってディスコティック化合物を配向させた後、120℃のまま160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.8μmの光学異方層を形成することにより、光学補償フィルムを作成した。
【0104】
(偏光板の作成)
前記反射防止フィルム及び光学補償フィルムを1.5N NaOH水溶液にてケン化処理し、ヨウ素ドープした延伸ポリビニルアルコールからなる偏光層を、反射防止フィルム及び光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面で挟んで接着して実施例1の偏光板を作成した。
【0105】
[実施例2]
実施例1の低屈折率層上に上記オーバーコート層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥して、厚さ20nmのオーバーコート層を形成することにより、反射防止層を有するフィルムを作成した。
この反射防止フィルムの他は実施例1と同様にして実施例2の偏光板を作成した。
【0106】
[実施例3]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。
その上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.06μmの高屈折率層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.092μmの低屈折率層を形成した。
その上に、上記オーバーコート層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥して、厚さ20nmのオーバーコート層を形成することにより反射防止層を有するフィルムを作成した。
この反射防止フィルムの他は実施例1と同様にして実施例3の偏光板を作成した。
【0107】
[実施例4]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。
その上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.08μmの中屈折率層を形成した。
その上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.06μmの高屈折率層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.092μmの低屈折率層を形成した。
その上に、上記オーバーコート層用塗布液Aをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥して、厚さ20nmのオーバーコート層を形成することにより反射防止層を有するフィルムを作成した。
この反射防止フィルムの他は実施例1と同様にして実施例4の偏光板を作成した。
【0108】
[実施例5]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。
その上に、上記中屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.08μmの中屈折率層を形成した。
その上に、上記高屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.06μmの高屈折率層を形成した。
その上に、上記低屈折率層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ0.092μmの低屈折率層を形成した。
その上に、上記オーバーコート層用塗布液Bをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥して、厚さ20nmのオーバーコート層を形成することにより反射防止層を有するフィルムを作成した。
この反射防止フィルムの他は実施例1と同様にして実施例5の偏光板を作成した。
【0109】
[実施例6]
(防眩性の付与)
実施例5の反射防止フィルムに、片面エンボシングカレンダー機(由利ロール(株)製)を用いて、プレス圧力600Kg/cm、プレヒートロール温度120℃、エンボスロール温度120℃、処理速度2m/分の条件でエンボス処理を行い、防眩性反射防止フィルムを作成した。
この反射防止フィルムの他は実施例1と同様にして実施例6の偏光板を作成した。
得られた防眩性反射防止膜について、450〜650nmの波長における平均反射率、ヘイズ値および表面の鉛筆硬度を測定した結果、平均反射率1.0%、ヘイズ1.5%、鉛筆硬度Hであった。
【0110】
[実施例7]
実施例1の配向層上に、上記光学異方層用塗布液Bをバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後さらに3分間加熱、液晶の熟成を行ってディスコティック化合物を配向させた後、120℃のまま160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ1.8μmの光学異方層を形成することにより、光学補償フィルムを作成した。
この光学補償フィルムの他は実施例1と同様にして実施例7の偏光板を作成した。
【0111】
[実施例8(参考例)
実施例5の反射防止フィルムと光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を粘着剤加工し、偏光層保護フィルムとしてトリアセチルセルロースを用いている市販の偏光板((株)サンリッツ製)の両面に貼り合わせることにより、実施例8の偏光板を作成した。
【0112】
[実施例9(参考例)
実施例1の光学補償フィルムのトリアセチルセルロース面を粘着剤加工し、偏光層保護フィルムとして片面にトリアセチルセルロース、もう一方の面に蒸着により形成された反射防止層付きトリアセチルセルロースを用いている市販の偏光板((株)サンリッツ製)のトリアセチルセルロース保護膜側に貼り合わせることにより、実施例9の偏光板を作成した。
【0113】
[比較例1]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)に、上記のハードコート層用塗布液をバーコーターを用いて塗布し、120℃で乾燥の後、160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させ、厚さ4μmのハードコート層を形成した。
このハードコート性フィルムを反射防止フィルムの代わりに用いる他は実施例1と同様にして比較例1の偏光板を作成した。
【0114】
[比較例2]
80μmの厚さのトリアセチルセルロースフイルム(富士写真フイルム(株)製)を光学補償フィルムの代わりに用いる他は実施例5と同様にして比較例2の偏光板を作成した。
【0115】
[比較例3]
実施例1の配向層上に、上記光学異方層用塗布液Cをバーコーターを用いて塗布し、180℃で乾燥の後さらに1分間加熱、液晶の熟成を行ってディスコティック化合物を配向させた後、室温まで冷却し、厚さ1.0μmの光学異方層を形成することにより、光学補償フィルムを作成した。
この光学補償フィルムの他は実施例5と同様にして比較例7の偏光板を作成した。
【0116】
(反射防止フィルムの評価)
得られた反射防止フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)平均反射率
分光光度計(日本分光(株)製)を用いて、380〜780nmの波長領域において、入射角5°における分光反射率を測定した。結果には450〜650nmの平均反射率を用いた。
(2)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(3)鉛筆硬度評価
耐傷性の指標としてJIS K 5400に記載の鉛筆硬度評価を行った。反射防止層を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、JIS S 6006に規定する3Hの試験用鉛筆を用いて、1kgの荷重にて
n=5の評価において傷が全く認められない :○
n=5の評価において傷が1または2つ :△
n=5の評価において傷が3つ以上 :×
(4)接触角、指紋付着性評価
表面の耐汚染性の指標として、光学材料を温度25℃、湿度60%RHで2時間調湿した後、水に対する接触角を測定した。またこのサンプル表面に指紋を付着させてから、それをクリーニングクロスで拭き取ったときの状態を観察して、以下のように指紋付着性を評価した。
指紋が完全に拭き取れる :○
指紋がやや見える :△
指紋がほとんど拭き取れない :×
【0117】
(5)動摩擦係数測定
表面滑り性の指標として動摩擦係数にて評価した。動摩擦係数は試料を25℃、相対湿度60%で2時間調湿した後、HEIDON−14動摩擦測定機により5mmφステンレス鋼球、荷重100g、速度60cm/minにて測定した値を用いた。
(6)防眩性評価
作成した防眩性フィルムにルーバーなしのむき出し蛍光灯(8000cd/m2)を映し、その反射像のボケの程度を以下の基準で評価した。
蛍光灯の輪郭が全くわからない :◎
蛍光灯の輪郭がわずかにわかる :○
蛍光灯はぼけているが、輪郭は識別できる :△
蛍光灯がほとんどぼけない :×
【0118】
(光学補償フィルムの評価)
得られた光学補償フィルムについて、以下の項目の評価を行った。
(1)ヘイズ
得られたフィルムのヘイズをヘイズメーターMODEL 1001DP(日本電色工業(株)製)を用いて測定した。
(2)光軸、傾斜角変化
この光学補償フィルムについて、ラビング軸を含み光学補償フィルム面に垂直な面においてあらゆる方向からのレターデーションをエリプソメータ(AEP−100、(株)島津製作所製)で測定し、さらに測定部分の光学異方層を除去した後の支持体及び配向層のみのレターデーションを同様に測定した。この2つの測定値から光学異方層のみの光学特性(レターデーションの測定角依存性)を得ることにより、レタデーションがゼロの方向を光軸とし、光軸の有無を調べた。また、光学特性のフィッティングによりディスコティック化合物の支持体表面からの傾き(傾斜角変化)を計算した。
(3)ドメインのサイズ
光学異方層に形成されたドメインのサイズを偏光顕微鏡観察により測定した。
【0119】
表1に実施例及び比較例の結果を示す。
【0120】
【表1】
Figure 0003919983
【0121】
次に、実施例1、5、6、7、8、9及び比較例1〜3のフィルムを用いて図6のような液晶表示装置を作成した。表側偏光板の光学補償フィルムにはぞれぞれの例に用いたのと同じ光学補償フィルムを用いた。
液晶セルはネマティック液晶を90°の捻れ角で、且つ4.5μmのギャップサイズとなるように挟んだ。
図9に示すように、下側光学補償フィルムのラビング方向71aと下側基板のラビング方向72aのなす角91が180度、上側光学補償フィルムのラビング方向71bと上側基板のラビング方向72bのなす角92が180度となるようにし、図7のように配置した。
【0122】
(液晶表示装置の評価)
得られた液晶表示装置について、以下の項目の評価を行った。
(1)正面コントラスト
得られたTN−LCDに55Hzの矩形波の電圧を0から5Vで印加し、正面方向のコントラストを分光計(LCD−5000、大塚電子(株)製)を用いて測定した。
(2)視野角
得られたTN−LCDに55Hzの矩形波の電圧を0から5Vで印加し、上/下、左/右方向へ傾いた方向のコントラストを分光計(LCD−5000、大塚電子(株)製)を用いて測定した。視野角はコントラスト10以上となる角度範囲とした。
(3)室内での視認性
得られたTN−LCDの室内での黒表示における黒のしまりを以下のように目視評価した。
◎:室内の明るさが気にならないくらい黒がしまる
○:室内の明るさの影響を受けるが、十分黒がしまる
△:斜め方向でやや黒のしまりが悪くなる
×:黒のしまりが悪い
【0123】
表2に実施例及び比較例の結果を示す。
【0124】
【表2】
Figure 0003919983
【0125】
次に、TFT型液晶カラーテレビ6E−C3(シャープ(株)製)の偏光板を剥がして、実施例1、5、6、7、8、9及び比較例1〜3の偏光板を用いてカラー液晶表示装置を作成した。
【0126】
(カラー液晶表示装置の評価)
得られた液晶表示装置について、以下の項目の評価を行った。
(1)視野角
得られたカラー液晶表示装置について白表示、黒表示を行い、上/下、左/右方向へ傾いた方向のコントラストを分光計(LCD−5000、大塚電子(株)製)を用いて測定した。視野角はコントラスト10以上となる角度範囲とした。
【0127】
表3に実施例及び比較例の結果を示す。
【0128】
【表3】
Figure 0003919983
【0129】
【発明の効果】
本発明の光学補償能及び反射防止能を有する偏光板、それを用いた液晶表示装置及びカラー液晶表示装置により、外光の反射による表示品位の劣化を改良し、なお且つTNモードの液晶表示装置及びカラー液晶表示装置の視野角を拡大することによってあらゆる方向に優れた表示品位を有する液晶表示装置を提供することができる。しかも、塗布という量産性に優れた方法を用いることによって、それらを簡便で安定に製造することができ、本発明の光学補償能及び反射防止能を有する偏光板を安価に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の液晶表示装置の代表的な構成を示す図である。
【図2】光学補償フィルムの代表的な層構成を示す断面模式図である。
【図3】光学補償フィルムの代表的な構成及び3軸の主屈折率の関係を示す図である。
【図4】反射防止フィルムの代表的な層構成を示す断面模式図である。
【図5】光学補償能及び反射防止能を有する偏光板の代表的な層構成を示す断面模式図である。
【図6】本発明の偏光板を用いた液晶表示装置の代表的な構成を示す図である。
【図7】本発明の液晶表示装置の代表的な構造を示す図である。
【図8】本発明のカラー液晶表示装置の代表的な構造を示す図である。
【図9】図7をフィルム法線方向から見たときの代表的な構成を示す図である。
【符号の説明】
11 反射シート
12 導光板
13 散乱シート
14 調光フィルム
15 裏面偏光板
16 表面偏光板
17 液晶セル
18 冷陰極蛍光管
19 反射シート
21、41 透明支持体
22 配向層
23 光学異方層
24a、24b、24c 液晶性ディスコティック化合物
25 透明支持体の法線方向
31 ラビング方向
32 レターデーションの絶対値の最小値を示す方向と透明支持体の法線方向とのなす角度
42 ハードコート層
43 中屈折率層
44 高屈折率層
45 低屈折率層
46 オーバーコート層
51 偏光層
52、62a、62b 光学補償層(フィルム)
53、61 反射防止層(フィルム)
63 液晶セル
64 粘着剤層
71a、71b 光学補償フィルムのラビング方向
72a、72b 液晶セルのラビング方向
73a、73b 偏光層の透過方向
74 バックライト
81 捻れ配向ネマティック液晶分子
82 対向透明電極
83 画素電極
84a、84b ガラス基板
85 カラーフィルタ
86 TFT
87a 下側偏光板
87b 上側偏光板
91、92 光学補償フィルムのラビング方向とガラス基板のラビング方向のなす角度

Claims (14)

  1. 2枚の透明支持体によって偏光層を挟持してなる偏光板の製造方法であって、該透明支持体のうち一方の支持体上にディスコティック構造単位を有する化合物からなる光学異方層を設けて光学補償フィルムを作成し、更にもう一方の透明支持体上に該透明支持体の屈折率よりも低い屈折率と3乃至50体積%の空隙率とを有する低屈折率層を設けて反射防止フィルムを作成し、偏光層を、該反射防止フィルムの透明支持体面及び該光学補償フィルムの透明支持体面で挟んで接着することを特徴とする偏光板の製造方法
  2. 該ディスコティック構造単位の円盤面が透明支持体面に対して傾いており、且つ該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が、光学異方層の深さ方向において変化している請求項1に記載の偏光板の製造方法
  3. 該光学異方層が、更にセルロースエステルを含んでいる請求項1に記載の偏光板の製造方法
  4. 該光学異方層側の透明支持体が、光学的に負の一軸性を有し、且つ該透明支持体面の法線方向に光軸を有し、更に下記の条件を満足する請求項1に記載の偏光板の製造方法
    [数1] 20≦{(nx+ny)/2−nz}×d≦400 (d:光学補償層厚み)
  5. 光学異方層と透明支持体との間に、配向層が形成されている請求項1に記載の偏光板の製造方法
  6. 配向層がポリマーの硬化膜からなる請求項5に記載の偏光板の製造方法
  7. 光学異方層がモノドメインであるか、または0.1μm以下のサイズのドメインを多数形成していることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法
  8. 該ディスコティック構造単位の円盤面と透明支持体面とのなす角度が光学異方層の支持体面側からの距離の増加とともに増加していることを特徴とする請求項2に記載の偏光板の製造方法
  9. 該低屈折率層が粒径0.1μm以下の微粒子を含み、微粒子間または微粒子内に空隙が形成されている請求項1に記載の偏光板の製造方法
  10. 透明支持体の屈折率よりも高い屈折率を有する高屈折率層が透明支持体と低屈折率層との間に設けられている請求項1に記載の偏光板の製造方法
  11. 該低屈折率層の上に含フッ素化合物を含むオーバーコート層がさらに積層されており、オーバーコート層の材料が低屈折率層の空隙を占有している割合が70体積%未満であることを特徴とする請求項1に記載の偏光板の製造方法
  12. 該オーバーコート層を形成してなる含フッ素化合物の重量平均分子量が2万乃至200万であって、それ以外の分子量2万未満の低分子量成分が該オーバーコート層固形分の50重量%以下であることを特徴とする請求項11に記載の偏光板の製造方法
  13. 請求項1から12のいずれか一項に従い製造した偏光板を、液晶セルの両側に配置された2枚の偏光板のうち、表示側の偏光板として用い、且つ光学異方層を液晶セル側へ向けて配置することを特徴とする液晶表示装置の製造方法
  14. 透明電極、画素電極及びカラーフィルタを有する一対の基板と、その基板間に封入された捻れ配向したネマティック液晶とからなる液晶セル、液晶セルの両側に設けられた一対の光学補償シートとその外側に配置された一対の偏光板からなるカラー液晶表示装置の製造方法において、液晶セルの表示側光学補償シート及び偏光板として請求項1から12のいずれか一項に従い製造した偏光板を用いることを特徴とするカラー液晶表示装置の製造方法
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