JPWO2018043117A1 - 二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔、二次電池正極集電体およびアルミニウム合金硬質薄箔の製造方法 - Google Patents
二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔、二次電池正極集電体およびアルミニウム合金硬質薄箔の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
Feの含有量が質量%で0.05〜2.0%で、残部がAlと不可避不純物である合金組成を有し、再結晶完了温度が250℃以下、箔厚が5〜50μmであるアルミニウム合金硬質薄箔とし、該アルミニウム合金硬質薄箔は、例えば、Cu、Mg、Cr、Zrの合計含有量が質量%で0.05%以下、Mn含有量が0.05%以下の組成を有するアルミニウム合金を冷間圧延の途中に一回以上の中間焼鈍を行い、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率を85%以上とした冷間圧延を行うことで得ることができる。
Description
この発明は、二次電池集電体に好適に用いることができるアルミニウム合金硬質薄箔、該アルミニウム合金硬質薄箔を用いた二次電池正極集電体およびアルミニウム合金硬質薄箔の製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン等のモバイル電子機器用電源としてリチウムイオン二次電池などの二次電池が使用されている。また、ハイブリッド、電気自動車等のエコカーの車載電池へのリチウムイオン二次電池の採用も拡大されている。
リチウムイオン二次電池などの集電体にはアルミニウム箔が使用されている。正極板は、15〜30μm程度の厚さのアルミニウム薄箔に、1μm程度の大きさの活物質を溶剤とともに両面に塗布し、塗布された溶媒を除去するために乾燥し、さらに活物質の密度を増大させるための圧着工程を経て製造されている。
また、リチウムイオン二次電池の高容量化を目的として、電極集電体であるアルミニウム箔の薄肉化が要求されている。正極の集電体として使用されるアルミニウム箔は、薄肉化されることで、電池製造ライン中での破断を生じやすくなる。そのためアルミニウム箔を加工する際は、破断を抑制するため硬質状態で加工を行う。その後、活物質塗工後の乾燥工程などによってアルミニウム箔は軟化するが、アルミニウム箔を軟質状態にして使用することで箔の破断などを防止し、また充放電特性の向上を図っている。
リチウムイオン二次電池などの集電体にはアルミニウム箔が使用されている。正極板は、15〜30μm程度の厚さのアルミニウム薄箔に、1μm程度の大きさの活物質を溶剤とともに両面に塗布し、塗布された溶媒を除去するために乾燥し、さらに活物質の密度を増大させるための圧着工程を経て製造されている。
また、リチウムイオン二次電池の高容量化を目的として、電極集電体であるアルミニウム箔の薄肉化が要求されている。正極の集電体として使用されるアルミニウム箔は、薄肉化されることで、電池製造ライン中での破断を生じやすくなる。そのためアルミニウム箔を加工する際は、破断を抑制するため硬質状態で加工を行う。その後、活物質塗工後の乾燥工程などによってアルミニウム箔は軟化するが、アルミニウム箔を軟質状態にして使用することで箔の破断などを防止し、また充放電特性の向上を図っている。
特許文献1では、アルミニウム箔に対し、所定温度の下・所定時間の間、熱処理を施す手段を採用することにより、正極の引っ張り伸び率を高めることが記載されている。
特許文献2では、100℃程度の温度では軟化せず、120℃程度から軟化が始まり、さらに200℃以下の極力低い温度で再結晶して伸びが大きくなるアルミニウム箔を提供するものとしている。
特許文献3では、プレス後の正極板を熱処理して集電体の結晶粒を粒成長させることで集電体の柔軟性を高めることが記載されている。
さらに、特許文献4では、集電箔に接触させるロールを、200℃以上400℃以下の温度で加熱して集電箔を軟化させることが記載されている。
特許文献2では、100℃程度の温度では軟化せず、120℃程度から軟化が始まり、さらに200℃以下の極力低い温度で再結晶して伸びが大きくなるアルミニウム箔を提供するものとしている。
特許文献3では、プレス後の正極板を熱処理して集電体の結晶粒を粒成長させることで集電体の柔軟性を高めることが記載されている。
さらに、特許文献4では、集電箔に接触させるロールを、200℃以上400℃以下の温度で加熱して集電箔を軟化させることが記載されている。
ところで、アルミニウム合金箔に対する熱処理の際、アルミニウム合金箔が十分に軟化しないと熱処理温度を高温にすることが必要になる。しかし、その場合、ブロッキングと呼ばれる箔の密着が発生したり、軟化前に樹脂が塗装されている場合は樹脂が変質する。さらには熱処理サイクルが長時間化して生産性が低下し、熱処理時の消費エネルギーが増加する等の問題が発生する。また、低温加熱処理で軟化し難く軟化の程度が一定していないと製造ロットによっては意図しない硬質状態のものが混入するおそれが有る。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、比較的低い温度でアルミニウム合金硬質薄箔の軟質化が十分かつ均一になされる二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔、二次電池正極集電体およびアルミニウム合金硬質薄箔の製造方法を提供することを目的の一つとする。
本発明の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔のうち、第1の形態によれば、Feの含有量が質量%で0.05〜2.0%で、残部がAlと不可避不純物である合金組成を有し、再結晶完了温度が250℃以下、箔厚が5〜50μmであることを特徴とする。
他の形態の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔は、前記形態の本発明において、不可避不純物中で、Cu、Mg、Cr、Zrの合計含有量が、質量%で0.05%以下である組成のアルミニウム合金からなることを特徴とする。
他の形態の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔は、前記形態の本発明において、さらに不可避不純物中で、質量%で、Mn含有量が0.05%以下である組成のアルミニウム合金からなることを特徴とする。
他の形態の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔の発明は、再結晶粒径が5〜100μmであることを特徴とする。
本発明の二次電池正極集電体は、前記形態のアルミニウム合金硬質薄箔を有することを特徴とする。
本発明の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔の製造方法は、前記形態に記載の組成のアルミニウム合金に、冷間圧延の途中に一回以上の中間焼鈍を行い、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率を85%以上とする冷間圧延を行うことを特徴とする。
以下に、本発明に規定する成分、製造条件などの限定理由について説明する。なお、成分含有量は、いずれも質量%で表される。
Fe:0.05〜2.0%
Feは、鋳造時にSi、Mnと共に金属間化合物として晶出し、固溶元素量を減少させる効果がある。0.05%未満では得られる効果が少なく、2.0%超では鋳造時に粗大な金属間化合物が生成し、箔の伸びと圧延性が低下する。このため、Fe含有量を0.05〜2.0%に定める。なお、同様の理由で下限を0.3%、上限を1.7%とするのが望ましい。
Feは、鋳造時にSi、Mnと共に金属間化合物として晶出し、固溶元素量を減少させる効果がある。0.05%未満では得られる効果が少なく、2.0%超では鋳造時に粗大な金属間化合物が生成し、箔の伸びと圧延性が低下する。このため、Fe含有量を0.05〜2.0%に定める。なお、同様の理由で下限を0.3%、上限を1.7%とするのが望ましい。
再結晶完了温度:250℃以下
加熱温度が250℃を超えるとブロッキングのおそれが大きくなり、短時間でもほとんどの樹脂が変質してしまうので、再結晶完了温度を250℃以下に定める。一方、再結晶完了温度が50℃未満であると、室温で再結晶してしまい、箔加工前に軟化してしまう。このため、再結晶完了温度を50〜250℃とするのが望ましい。さらに、同様の理由で下限を100℃、上限を200℃とするのが一層望ましい。なお、再結晶完了温度は0.2%耐力が350℃加熱処理後(軟化飽和状態)の0.2%耐力+5MPa以下となる温度を指す。
加熱温度が250℃を超えるとブロッキングのおそれが大きくなり、短時間でもほとんどの樹脂が変質してしまうので、再結晶完了温度を250℃以下に定める。一方、再結晶完了温度が50℃未満であると、室温で再結晶してしまい、箔加工前に軟化してしまう。このため、再結晶完了温度を50〜250℃とするのが望ましい。さらに、同様の理由で下限を100℃、上限を200℃とするのが一層望ましい。なお、再結晶完了温度は0.2%耐力が350℃加熱処理後(軟化飽和状態)の0.2%耐力+5MPa以下となる温度を指す。
箔厚:5〜50μm
箔厚が5μm未満では使用時の耐荷重不足で、かつ箔を加工する際の取扱いが難しく、箔製造も困難となる。また、箔厚が50μmを超えると、薄箔のメリットが得られにくい。また、二次電池正極集電体に使用した際の電池容量を確保するためには、50μm以下が望ましい。このため、箔厚を5〜50μmに定める。なお、同様の理由で下限を6μm、上限を30μmとするのが望ましく、下限を10μm、上限を20μmとするのがより一層望ましい。
箔厚が5μm未満では使用時の耐荷重不足で、かつ箔を加工する際の取扱いが難しく、箔製造も困難となる。また、箔厚が50μmを超えると、薄箔のメリットが得られにくい。また、二次電池正極集電体に使用した際の電池容量を確保するためには、50μm以下が望ましい。このため、箔厚を5〜50μmに定める。なお、同様の理由で下限を6μm、上限を30μmとするのが望ましく、下限を10μm、上限を20μmとするのがより一層望ましい。
Cu/Mg/Cr/Zr:合計含有量で0.05%以下
Cu、Mg、Cr、Zrは、微量でも再結晶の開始を遅らせる効果が有り、合計量で0.05%を超えて含有すると、固溶による再結晶の遅滞が生じて再結晶完了温度が上昇する。このため、Cu、Mg、Cr、Zrは、合計含有量で0.05%以下に定める。なお、同様の理由で上限を0.03%以下とするのが望ましく、0.01%以下とするのがより一層望ましい。なお、これら成分の一部または全部を含有しないものとしてもよい。
Cu、Mg、Cr、Zrは、微量でも再結晶の開始を遅らせる効果が有り、合計量で0.05%を超えて含有すると、固溶による再結晶の遅滞が生じて再結晶完了温度が上昇する。このため、Cu、Mg、Cr、Zrは、合計含有量で0.05%以下に定める。なお、同様の理由で上限を0.03%以下とするのが望ましく、0.01%以下とするのがより一層望ましい。なお、これら成分の一部または全部を含有しないものとしてもよい。
Mn:0.05%以下
Mnは、単独で微量でも再結晶の開始を遅らせる効果が有り、0.05%を超えると、再結晶完了温度が上昇する。このため、Mn含有量を0.05%以下に定める。同様の理由で0.02%以下とするのが望ましい。
Mnは、単独で微量でも再結晶の開始を遅らせる効果が有り、0.05%を超えると、再結晶完了温度が上昇する。このため、Mn含有量を0.05%以下に定める。同様の理由で0.02%以下とするのが望ましい。
また、本発明のアルミニウム合金硬質薄箔は、熱間圧延、冷間圧延、冷間圧延の途中に、中間焼鈍、冷間圧延の最後の1パスである最終冷間圧延を経て、厚さ5〜50μmの箔として得ることができる。以下に、製造工程における規定について説明する。
最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率:85%以上
最終中間焼鈍後、圧下率が低いと熱処理を行って軟質状態とした際に再結晶粒が粗大となって伸びが低くなり、軟質状態での取扱いに難が生じる。このため、圧下率の下限を85%とするのが望ましい。圧下率の上限は規定しないが、高くても再結晶粒粗大化抑制効果が飽和し、加工硬化が大きくなりすぎて箔圧延性に難が生じるおそれがある。同様の理由で、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率を90〜99.9%とするのが望ましい。なお、圧下率は板厚減少率を指し、T0を初期板厚、T1を圧延後の板厚として、(T0−T1)/T0の百分率で表す。
最終中間焼鈍後、圧下率が低いと熱処理を行って軟質状態とした際に再結晶粒が粗大となって伸びが低くなり、軟質状態での取扱いに難が生じる。このため、圧下率の下限を85%とするのが望ましい。圧下率の上限は規定しないが、高くても再結晶粒粗大化抑制効果が飽和し、加工硬化が大きくなりすぎて箔圧延性に難が生じるおそれがある。同様の理由で、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率を90〜99.9%とするのが望ましい。なお、圧下率は板厚減少率を指し、T0を初期板厚、T1を圧延後の板厚として、(T0−T1)/T0の百分率で表す。
中間焼鈍
圧延途中に中間焼鈍を行わないと、熱処理を行って軟質状態とした際に再結晶粒が粗大となって伸びが低くなり、軟質状態での取扱いに難が生じる。このため、中間焼鈍は複数回行って良いが、一回以上行う。この際に、中間焼鈍の温度を270℃以上に定めるのが望ましい。中間焼鈍の温度が低いと、中間焼鈍時に部分再結晶が生じることがあり、箔に熱処理を行なった後の再結晶粒が部分的に粗大化し、軟質状態での伸びが低下して局所的に箔の破断を生じるおそれがある。なお、同様の理由で300℃以上とするのが望ましい。焼鈍はバッチ式焼鈍で行うのが望ましい。
圧延途中に中間焼鈍を行わないと、熱処理を行って軟質状態とした際に再結晶粒が粗大となって伸びが低くなり、軟質状態での取扱いに難が生じる。このため、中間焼鈍は複数回行って良いが、一回以上行う。この際に、中間焼鈍の温度を270℃以上に定めるのが望ましい。中間焼鈍の温度が低いと、中間焼鈍時に部分再結晶が生じることがあり、箔に熱処理を行なった後の再結晶粒が部分的に粗大化し、軟質状態での伸びが低下して局所的に箔の破断を生じるおそれがある。なお、同様の理由で300℃以上とするのが望ましい。焼鈍はバッチ式焼鈍で行うのが望ましい。
再結晶粒径:5〜100μm
加熱処理後に、再結晶粒径が100μmを超えると軟質状態で伸びが低く、取扱いが難しい。下限は規定しないが5μm以上が望ましい。このため、再結晶粒径を5〜100μmに定める。なお、同様の理由で再結晶粒径の下限を5μm、上限を60μmとするのが望ましく、下限を5μm、上限を50μmとするのがより一層望ましい。また、再結晶粒径は再結晶完了温度での平均結晶粒径を指す。
加熱処理後に、再結晶粒径が100μmを超えると軟質状態で伸びが低く、取扱いが難しい。下限は規定しないが5μm以上が望ましい。このため、再結晶粒径を5〜100μmに定める。なお、同様の理由で再結晶粒径の下限を5μm、上限を60μmとするのが望ましく、下限を5μm、上限を50μmとするのがより一層望ましい。また、再結晶粒径は再結晶完了温度での平均結晶粒径を指す。
本発明によれば、アルミニウム合金硬質薄箔に熱処理を行う際に、比較的低温で軟化させることができ、ブロッキングと呼ばれる箔の密着を防止でき、性能に優れた二次電池用集電体を効率よく製造することができる。
以下に、本発明の一実施形態を説明する。本発明の組成を有するアルミニウム合金を半連続鋳造法により溶解鋳造し、得られた鋳塊を均質化処理した後、面削などを行って表面を清浄化する。この後、鋳塊に、熱間圧延、冷間圧延、冷間圧延の途中に中間焼鈍、仕上げの最終冷間圧延をこの順に施して板状、シート状から箔状になるまで厚さを順次減じ、アルミニウム合金箔を製造することができる。
冷間圧延途中の中間焼鈍は270℃以上が望ましい。その後の最終冷間圧延を経て、厚さが5〜50μmであるアルミニウム合金硬質薄箔を得ることができる。この際、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率は、85%以上が望ましい。
最終冷間圧延後のアルミニウム合金硬質薄箔の0.2%耐力が100MPa未満であると、箔の「コシ」が無く、後工程での取扱いに難が生じて硬質箔のメリットが得られない。このため、最終冷間圧延後の0.2%耐力は100MPa以上が望ましく、150MPa以上がより一層望ましい。
冷間圧延途中の中間焼鈍は270℃以上が望ましい。その後の最終冷間圧延を経て、厚さが5〜50μmであるアルミニウム合金硬質薄箔を得ることができる。この際、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率は、85%以上が望ましい。
最終冷間圧延後のアルミニウム合金硬質薄箔の0.2%耐力が100MPa未満であると、箔の「コシ」が無く、後工程での取扱いに難が生じて硬質箔のメリットが得られない。このため、最終冷間圧延後の0.2%耐力は100MPa以上が望ましく、150MPa以上がより一層望ましい。
本発明のアルミニウム合金硬質薄箔を、リチウムイオン二次電池の正極集電体に用いる場合の実施形態を以下に説明する。
得られたアルミニウム合金硬質薄箔に対し、正極活物質スラリーを塗布する。正極活物質スラリーは、正極活物質、導電材、バインダおよび希釈剤などからなる混合物であり、それぞれの構成物の例としては以下のものが挙げられる。正極活物質には、LiCoO2、LiMnO2やLiFePO4などが用いられる。導電材にはアセチレンブラックなどが用いられる。またバインダとしては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが用いられ、希釈剤としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが用いられる。正極活物質スラリーを塗布したアルミニウム合金硬質薄箔に対して加熱処理を行ない、リチウムイオン二次電池正極板を得ることができる。
加熱処理は、100〜250℃で行うのが望ましいが、高温だと正極活物質やバインダの変質のおそれがあるため、160〜220℃の温度範囲で行うことがより望ましい。
また、得られたアルミニウム合金硬質薄箔は、前記条件の加熱処理によって再結晶粒径が5〜100μmとなるのが望ましい。
得られたアルミニウム合金硬質薄箔に対し、正極活物質スラリーを塗布する。正極活物質スラリーは、正極活物質、導電材、バインダおよび希釈剤などからなる混合物であり、それぞれの構成物の例としては以下のものが挙げられる。正極活物質には、LiCoO2、LiMnO2やLiFePO4などが用いられる。導電材にはアセチレンブラックなどが用いられる。またバインダとしては、ポリビニリデンフルオライド(PVDF)などが用いられ、希釈剤としてはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)などが用いられる。正極活物質スラリーを塗布したアルミニウム合金硬質薄箔に対して加熱処理を行ない、リチウムイオン二次電池正極板を得ることができる。
加熱処理は、100〜250℃で行うのが望ましいが、高温だと正極活物質やバインダの変質のおそれがあるため、160〜220℃の温度範囲で行うことがより望ましい。
また、得られたアルミニウム合金硬質薄箔は、前記条件の加熱処理によって再結晶粒径が5〜100μmとなるのが望ましい。
アルミニウム合金硬質薄箔は、各種用途に使用することができるが、リチウムイオン二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔として、リチウムイオン二次電池の正極板に好適に用いることができる。上記正極板を用いることにより性能に優れたリチウムイオン二次電池を得ることができる。
表1に示す組成(残部がAlとその他不可避不純物)で、厚さ500mmのアルミニウム合金鋳塊を作製し、鋳塊表面を面削、500℃×5時間の均質化処理後、冷却し、520℃に再加熱し、熱間圧延で厚さ5.0mmにし、冷間圧延、中間焼鈍、再度冷間圧延、冷間圧延の最後の1パスである最終冷間圧延を行い厚さ20μm、幅1000mmの箔を得た。最終冷間圧延の際に、重合圧延を行っても良い。
中間焼鈍は、厚さ0.7mmにまで圧延した後行ない、バッチ式焼鈍炉で350℃×3時間の処理を行なった。
最終冷間圧延後のアルミニウム合金硬質薄箔に対し、JIS5号試験片によって引張試験を行ない、0.2%耐力を測定した。表1にその結果を示す。
最終冷間圧延後のアルミニウム合金硬質薄箔に、350℃および種々の温度で3時間の加熱(加熱速度:50℃/hr、大気炉中)を行ない、それぞれJIS5号試験片による引張試験から0.2%耐力を求め、350℃加熱処理後の0.2%耐力+5MPa以下となる加熱温度を再結晶完了温度とした。表1にその結果を示す。
再結晶粒径は、再結晶完了温度で熱処理を行なった箔の圧延面において測定した。試料のアルミニウム合金硬質薄箔を20%過塩素酸+80%エタノール混合溶液にて電解研磨を行った後、バーカー氏液法によって結晶粒組織を現出させて、偏光顕微鏡で結晶組織を観察し、組織写真から交線法によって平均結晶粒径を求めた。尚、一つの試料につき3視野の観察を行っており、平均結晶粒径は3視野の平均を求めた。本発明に係る実施例1〜7の試料においては、いずれも再結晶粒径が60μm以下となった。
比較例
比較例1〜3は何れも再結晶完了温度を満足できず、高温での熱処理が必要となるため、ブロッキング、樹脂の変質、活物質の失活等が発生するおそれがある。また、実施例3と同じ合金成分においてもIA(中間焼鈍)無しで作製したもの若しくはIAを2回行い、最終IA後圧下率が50%として50μm厚で作製したものでは、共に再結晶粒径が100μmを超え、軟質状態での伸びが低下した。更に中間焼鈍を260℃としたものは再結晶粒が部分的に200μm程度に粗大化し、軟質状態での伸びが低下した。
比較例1〜3は何れも再結晶完了温度を満足できず、高温での熱処理が必要となるため、ブロッキング、樹脂の変質、活物質の失活等が発生するおそれがある。また、実施例3と同じ合金成分においてもIA(中間焼鈍)無しで作製したもの若しくはIAを2回行い、最終IA後圧下率が50%として50μm厚で作製したものでは、共に再結晶粒径が100μmを超え、軟質状態での伸びが低下した。更に中間焼鈍を260℃としたものは再結晶粒が部分的に200μm程度に粗大化し、軟質状態での伸びが低下した。
以上、本発明について、上記実施形態と実施例に基づいて説明を行なったが、本発明は上記説明の内容に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りは上記実施形態および実施例に対する適宜の変更が可能である。
Claims (6)
- Feの含有量が質量%で0.05〜2.0%で、残部がAlと不可避不純物である合金組成を有し、再結晶完了温度が250℃以下、箔厚が5〜50μmであることを特徴とする二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔。
- 不可避不純物中で、Cu、Mg、Cr、Zrの合計含有量が、質量%で0.05%以下である組成のアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1記載の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔。
- さらに、不可避不純物中で、Mn含有量が質量%で0.05%以下である組成のアルミニウム合金からなることを特徴とする請求項1または2に記載の二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔。
- 再結晶粒径が5〜100μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルミニウム合金硬質薄箔。
- 請求項1〜4のいずれかに記載のアルミニウム合金硬質薄箔を有する二次電池正極集電体。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の組成のアルミニウム合金に、冷間圧延の途中に一回以上の中間焼鈍を行い、最終中間焼鈍後から最終冷間圧延後までの圧下率を85%以上とする冷間圧延を行うことを特徴とする二次電池正極集電体用アルミニウム合金硬質薄箔の製造方法。
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