JPWO2018025850A1 - 樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

硬化前に液状であり、かつ硬化物が半導体デバイスの実働温度領域で高い弾性率を保持し、長期間使用してもクラックや剥離が生じにくい樹脂組成物を提供する。熱硬化性樹脂及び硬化触媒を含む熱硬化性樹脂組成物であって、25℃、せん断速度0.009s−1における粘度が1500Pa・s以下であり、該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃及び180℃での貯蔵弾性率がそれぞれ1.0x108Pa以上で、かつ25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bが8500以下であることを特徴とする樹脂組成物。

Description

本発明は、半導体デバイス等の封止材として好適に用いられる樹脂組成物に関する。
半導体デバイス等の封止材には、絶縁性、熱信頼性に加え、低い線膨張率が求められる。これは、半導体デバイスから発生する熱による膨張で封止樹脂にクラックや剥離が生じることを防ぐためである。線膨張率を下げるために、封止材に充填剤(フィラー)を加えることが一般的に行われている(例えば、特許文献1、2)。
さらにデバイスを封止するためには、封止材に高い弾性率が必要である。高弾性率の封止材は外力に対する変形が小さいため、デバイス内部のチップ、ワイヤー及びそれらの接続部分を保護する観点から一般的に好ましい。
また、封止材の評価方法としては、実際に回路を封止し、これに通電を繰り返すことにより内部から発生する熱に対する信頼性を評価するパワーサイクル試験と、通電することなく、加熱炉などの中に入れて急温冷を繰り返すことにより信頼性を評価するサーマルサイクル試験が行われている。
特開2004−27005号公報 特開2009−67890号公報
しかしパワーデバイスのように発熱量が大きい半導体デバイスの封止に弾性率が高い封止材を使用すると、線膨張率のなるべく小さい封止材を用いても、使用中の熱膨張により、内部応力が大きくなり、封止材樹脂にクラックや剥離が生じる。さらにはデバイス内部のチップ、ワイヤー及びそれらの接続部分を破損させてしまうといった問題があった。
そこで封止材として、適度にやわらかい、すなわち弾性率を低く抑えた樹脂等を用いることが行われてきたが、弾性率の低い樹脂を用いた場合、パワーサイクル試験のような信頼性試験においてデバイス内部のチップ、ワイヤー及びそれらの接続部分を十分に保護できないことが問題となる。さらに、弾性率の低い樹脂を用いた場合でも、クラックや剥離の発生を抑えられないこともあった。
パワーサイクル試験のような信頼性試験においてデバイス内部のチップ、ワイヤー及びそれらの接続部分を十分に保護し、さらに封止材樹脂にクラックや剥離が生じない材料として、固形封止材を用いたトランスファー成形などによる封止があるが、成形プロセスに金型が必要になる。さらに半導体デバイスが大型化した場合はより大型の金型が必要となりプロセスコストがかかるという問題があった。
本発明は、硬化前に液状であり、かつ硬化物が半導体デバイスの実働温度領域で高い弾性率を保持し、長期間使用してもクラックや剥離が生じにくい、すなわち、サーマルサイクル試験などの急温冷試験においても封止材樹脂にクラックや剥離が生じない樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために諸種の検討を行った結果、硬化前には流動性のある液状樹脂であって、硬化物が半導体デバイスの実働温度領域で高い弾性率を保持しながら、さらに該硬化物の25℃及び200℃での体積抵抗率の比を一定の範囲に収めることで、サーマルサイクル試験などの急温冷試験においてクラックや剥離が生じにくい樹脂組成物が得られることを見出した。そして、当該樹脂組成物を封止材として用いることで、一般的にサイズの大きいパワーデバイスに適用した場合であっても高い信頼性が得られることに想到した。本発明はこれらの知見に基づいて成し遂げられたものである。すなわち、本発明の要旨は以下に存する。
(1) 熱硬化性樹脂及び硬化触媒を含む熱硬化性樹脂組成物であって、25℃、せん断速度0.009s−1における粘度が1500Pa・s以下であり、該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃及び180℃での貯蔵弾性率がそれぞれ1.0×10Pa以上で、かつ25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bが8500以下であることを特徴とする樹脂組成物。
(2) 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む、(1)に記載の樹脂組成物。
(3) 前記エポキシ樹脂が脂環式エポキシ基を含む、(2)に記載の樹脂組成物。
(4) 前記エポキシ樹脂がグリシジル基を含む、(2)又は(3)に記載の樹脂組成物。
(5) 前記エポキシ樹脂がグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含む、(4)に記載の樹脂組成物。
(6) 前記エポキシ樹脂がエポキシ基含有ケイ素化合物を含む、(2)〜(5)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(7) 前記エポキシ基含有ケイ素化合物が脂環式エポキシ基を含む、(6)に記載の樹脂組成物。
(8) さらにフィラーを50質量%以上含有する、(1)〜(7)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(9) 前記フィラーがシリカを含む、(8)に記載の樹脂組成物。
(10) さらに酸無水物を含む、(1)〜(9)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(11) 前記樹脂組成物がエポキシ基の開環重合を伴うことより硬化するものである、(1)〜(10)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(12) 前記開環重合がカチオン重合である、(11)に記載の樹脂組成物。
(13) 前記硬化触媒が金属触媒を含む、(1)〜(12)のいずれかに記載の樹脂組成物。
(14) 前記金属触媒がガリウム化合物である、(13)に記載の樹脂組成物。
(15) (1)〜(14)のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化してなる成形体。
(16) (1)〜(14)のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて封止してなる半導体デバイス。
本発明によると、硬化前には流動性のある液状樹脂であって、硬化物が半導体デバイスの実働温度領域で高い弾性率を保持しながら、さらに該硬化物の25℃及び200℃での体積抵抗率の比を一定の範囲に収めることで、長期間使用してもクラックや剥離が生じにくい、すなわち、サーマルサイクル試験などの急温冷試験においてクラックや剥離が生じにくい樹脂組成物を提供することができる。
サーマルサイクル試験などの急温冷試験において、封止材樹脂にクラックや剥離が生じる原因は、半導体デバイスが急温冷環境にさらされることにより、封止材樹脂が局所的な構造的変化を起こすことが一因であると考えられる。それにより応力集中が局所的に起こるのに加え、樹脂の帯電の程度にも疎密が生じ、樹脂にダメージを与えると考えられる。本発明ではその変化が封止材樹脂の体積抵抗率の大きな変化として現れることを見いだした。すなわち室温である25℃と実用温度の実質的な上限である200℃での封止材樹脂の体積抵抗率の比を一定の範囲にすることにより、サーマルサイクル試験などの急温冷試験における信頼性を向上できて、かつ半導体デバイスの実働温度領域で高い弾性率を維持しているため、パワーサイクル試験のような信頼性試験においても高性能が期待できる。
以下、本発明を実施形態に即して詳細に説明する。ただし、本発明は本明細書に明示的又は黙示的に記載された実施形態に限定されるものではない。また、本明細書に記載された各実施形態は、発明の趣旨を逸脱しない範囲内で、様々に変形することができ、かつ、実施可能な範囲内で、他の実施形態により説明された特徴と組み合わせることができる。
1.熱硬化性樹脂組成物
本発明の一実施形態である樹脂組成物は、熱硬化性樹脂及び硬化触媒を含む熱硬化性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と略記することがある。)である。また熱硬化する前の該樹脂組成物は液状で流動性があり、25℃、せん断速度0.009s−1における粘度が1500Pa・s以下である。また該樹脂組成物の硬化物は、25℃および180℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上、であり、かつ該樹脂組成物の硬化物は25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bが8500以下である。この樹脂組成物には、熱硬化する前の樹脂組成物の粘度、及び硬化物の貯蔵弾性率及び体積抵抗率比a/bが上記の値を満たす限り、必要に応じて、熱硬化性樹脂及び硬化触媒以外の成分、例えば、エポキシ化合物、反応性又は非反応性シリコーン、フィラー、エポキシ樹脂硬化剤等を含有させることができる。
1−1. 熱硬化性樹脂及び硬化触媒を含む熱硬化性樹脂組成物並びに該樹脂組成物の硬化物の物性
上記のとおり、熱硬化する前の該樹脂組成物の25℃、せん断速度 0.009s−1における粘度は1500Pa・s以下であり、また該樹脂組成物の硬化物の25℃および180℃における貯蔵弾性率が1.0×10Pa以上であり、かつ該樹脂組成物の硬化物の25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bが8500以下である。なお、粘度、貯蔵弾性率及び体積抵抗率の測定方法は、[実施例]の項において説明する。また、樹脂組成物の硬化(架橋)方法等については後述する。
1−1−1. 粘度
樹脂組成物は、25℃において、せん断速度 0.009s−1における粘度が1500Pa・s以下であり、好ましくは1200Pa・s以下、より好ましくは1000Pa・s以下、さらに好ましくは900Pa・s以下、特に好ましくは800Pa・s以下である。この範囲の物性を満たすことにより、特にポッティングによる封止においてハンドリングが容易であるだけでなく、ポッティングした後にシェアをかけることなくレベリングし、半導体パッケージ内側の全域および細部まで樹脂が濡れやすい傾向にある。また下限値は特に限定されないが、通常1Pa・s以上である。
1−1−2. 貯蔵弾性率
本明細書において、貯蔵弾性率とは、周波数1Hzでの固体粘弾性測定によって得られる値である。
樹脂組成物の硬化物の25℃における貯蔵弾性率は1.0×108Pa以上であるが、好ましくは2.0×108Pa以上、より好ましくは3.0×108Pa以上、さらに好ましくは4.0×108Pa以上、さらに好ましくは5.0×108Pa以上であり、上限は通常1.0×1015Pa以下、好ましくは1.0×1014Pa以下、より好ましくは1.0×1013Pa以下、さらに好ましくは1.0×1012Pa以下である。
樹脂組成物の硬化物の180℃における貯蔵弾性率は1.0×108Pa以上であるが、好ましくは1.5×108Pa以上、より好ましくは2.0×108Pa以上、さらに好ましくは3.0×108Pa以上、さらに好ましくは4.0×108Pa以上であり、上限は通常1.0×1015Pa以下、好ましくは1.0×1014Pa以下、より好ましくは1.0×1013Pa以下、さらに好ましくは1.0×1012Pa以下である。
この範囲の物性を満たすことにより、特にパワーサイクル試験のような信頼性試験においてデバイス内部のチップ、ワイヤー及びそれらの接続部分を十分に保護できるものと期待できる。
25℃及び180℃における貯蔵弾性率を高弾性率に制御する方法としては後述する熱硬化性樹脂や硬化剤等の各成分の選択に加え、例えば反応性基として脂環式エポキシ基もしくはグリシジル基を2個以上有するエポキシ樹脂を添加して架橋密度を増加させる方法等を用いることができる。また硬化剤及び硬化触媒等の選択により制御することができる。
1−1−3. 体積抵抗率比
本明細書において、体積抵抗率比とは、樹脂組成物の硬化物の25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bであり、サーマルサイクル試験などの急温冷試験における信頼性の問題の有無を判別する指標である。
25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bは8500以下であり、好ましくは8000以下であり、より好ましくは7000以下であり、さらに好ましくは6000以下であり、さらに好ましくは5000以下であり、さらに好ましくは4000以下であり、さらに好ましくは3000以下であり、さらに好ましくは2000以下であり、さらに好ましくは1000以下であり、さらに好ましくは500以下である。またa/bは通常1以上である。
また本発明の一実施態様の樹脂組成物の硬化物の25℃での体積抵抗率aは1.0×1014Ω・cm以上であり、好ましくは1.0×1015Ω・cm以上である。樹脂組成物の硬化物の200℃での体積抵抗率bは1.0×1011Ω・cm以上であり、好ましくは1.0×1012Ω・cm以上である。
樹脂組成物の硬化物の25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bを低く制御する方法としては、後述する熱硬化性樹脂や硬化剤等の各成分の選択に加え、例えば低線膨張率フィラーを充填すること、樹脂中の反応性基密度を増加させて硬化物の分子運動を抑制すること等、電子やイオンの伝達を抑制する方法が挙げられる。さらに樹脂中の架橋密度を均一化し、疎密構造の少なくする方法も有効である。
1−1−4. 平均線膨張率
本明細書において、平均線膨張率とは、JIS K7197に基づいて熱機械分析(TMA)を用いて求められるものであり、ある温度T1とT2との間で温度の上昇によって物体の長さが膨張する割合を、1K(℃)当たりで示したものである。
樹脂組成物の硬化物の−30℃〜200℃の平均線膨張率は、通常100ppm/K以下であるが、好ましくは90ppm/K以下、より好ましくは80ppm/K以下、さらに好ましくは70ppm/K以下、さらに好ましくは60ppm/K以下、さらに好ましくは50ppm/K以下、さらに好ましくは40ppm/K以下である。平均線膨張率の下限は特に限定されず、可能なかぎり低い値が好ましい。例えば、樹脂組成物の硬化物に隣接する部材(パターンやワイヤ等に用いられるアルミや銅等の金属、基板に用いられるセラミック等)の線膨張率と同程度の値が下限となる。
本発明の一実施形態の樹脂組成物は、平均線膨張率も低く抑えられた硬化物を形成し得るものである。樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の平均線膨張率の値が大きすぎると、硬化時のクラックが発生し易くなる傾向がある。樹脂組成物を硬化して得られる硬化物の平均線膨張率が上限を超えると、硬化時及び使用中の温度変化によって生じる内部応力が大きくなり、クラックの発生につながる可能性がある。
平均線膨張率は、後述するとおり、熱硬化性樹脂、例えばエポキシ樹脂及びその他有機成分からなる硬化樹脂の架橋密度の増加、低線膨張率フィラーの充填等により低く抑えることができる。硬化樹脂の架橋密度は、貯蔵弾性率を制御する際と同様に制御することができる。また、例えば、熱硬化性樹脂としてエポキシ樹脂を用いる場合は、エポキシ樹脂のエポキシ価や1分子当たりのエポキシ基数のほか、硬化剤及び硬化触媒等の選択により制御することができる。
1−2. 熱硬化性樹脂
本明細書において、熱硬化性樹脂としては、硬化触媒の存在下で硬化し、熱硬化する前の樹脂組成物が所定の粘度であること、また所定の貯蔵弾性率、体積抵抗率比を満たす硬化物となり得るものであれば特に限定されない。具体的には、例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリカーボネート樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂等が挙げられる。これらの中で、エポキシ樹脂が好ましく、エポキシ樹脂としては、例えば、エポキシ基含有ケイ素化合物、脂肪族型エポキシ樹脂、ビスフェノールAまたはF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、多官能型エポキシ樹脂、高分子型エポキシ樹脂等が挙げられる。
中でも、エポキシ基含有ケイ素化合物、多官能型エポキシ樹脂が特に好ましい。エポキシ基含有ケイ素化合物は、シロキサン結合を主な骨格とするため、耐熱性及び絶縁性に優れ、封止材料として適している。また有機成分であるエポキシ部分と無機成分であるシロキサン部分を1分子中に含むために、樹脂、硬化剤等の有機物質や無機フィラーとの親和性が高く、架橋密度も含めた均一性の高い封止層を作製することが出来る。また、隣接部材との密着性にも大きく寄与する。多官能型エポキシ樹脂は、反応基を多く含有するため、弾性、耐熱性及び絶縁性に優れ、封止材料として適している。またより多くのエポキシ基が反応することで樹脂が効果的に架橋され、その効果はより大きい。樹脂組成物は、エポキシ基含有ケイ素化合物もしくはそれとは別のエポキシ樹脂を単独で含んでもよいし、エポキシ基含有ケイ素化合物と公知のエポキシ樹脂を混合して用いてもよい。
また、熱硬化性樹脂は、本発明に係る熱硬化性樹脂組成物中、通常1質量%以上、好ましくは3質量%以上、より好ましくは5質量%以上含有される。熱硬化性樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の含有量の上限は通常40質量%以下、好ましくは30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは15質量%以下である。
1−2−1. エポキシ樹脂
エポキシ樹脂とは、分子内に1個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有する化合物の総称である。本発明では、後述するエポキシ基含有ケイ素化合物もエポキシ樹脂に含まれる。
熱硬化後の硬化物の貯蔵弾性率を高くする、特にパワーデバイスなど発熱量の多い場合に重要になる高温時の貯蔵弾性率を高くする観点からは、分子内に2個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有するエポキシ樹脂が好ましく、また分子内に3個以上のオキシラン環(エポキシ基)を有するエポキシ樹脂がさらに好ましい。分子内に複数のオキシラン環(エポキシ基)を有することで、マトリクス樹脂の極性を調整でき、親水性フィラー間の引力に起因する組成物粘度を制御することが出来る。また有するオキシラン環(エポキシ基)は脂環式エポキシ基、グリシジル基のどちらでも構わない。
具体的には例えば、エポキシ樹脂は芳香族オキシラン環(エポキシ基)含有化合物であってもよい。例としては、式(12)に示すようなビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAD、ビスフェノールS、テトラメチルビスフェノールA、テトラメチルビスフェノールF、テトラメチルビスフェノールAD、テトラメチルビスフェノールS、テトラフルオロビスフェノールAなどのビスフェノール類をグリシジル化したビスフェノール型エポキシ樹脂、式(13)に示すようなビフェニル型のエポキシ樹脂、ジヒドロキシナフタレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンなどの2価のフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)メタンなどのトリスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、1,1,2,2−テトラキス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどのテトラキスフェノール類をグリシジル化したエポキシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA、ノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラックなどのノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂などが挙げられる。
Figure 2018025850
Figure 2018025850

[Rは独立して炭素数1〜12の置換されていてもよい炭化水素基またはハロゲンを示す]
上記芳香族オキシラン環(エポキシ基)含有化合物は、水素化して脂環構造を有するエポキシ樹脂及びオキセタン樹脂としてもよい。
またエポキシ樹脂は非芳香族オキシラン環(エポキシ基)含有樹脂であってもよい。例としては、デナコール(登録商標)EX−211L EX−216L EX−722P EX−810P (ナガセケムテックス社製) セロキサイド2021P(ダイセル社製) YED216(三菱化学社製)を挙げることができる。また熱硬化後の硬化物の貯蔵弾性率を高くする、特に高温時の貯蔵弾性率を高くする観点では、オキシラン環(エポキシ基)を3個以上有するエポキシ樹脂が好ましく、例えばデナコール(登録商標)EX321−L、DLC−301、DLC−402 (ナガセケムテックス社製)が挙げられる。これらの多官能のエポキシ樹脂を用いることで硬化物の線膨張係数を低く抑えることもできる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。
1−2−2. エポキシ基含有ケイ素化合物
エポキシ基含有ケイ素化合物は、分子中にケイ素を含む構造を持ち、さらにエポキシ基を有する化合物である。エポキシ基はグリシジル基でも脂環式エポキシ基であってもよく、好ましくはシクロヘキシルエポキシ基に代表される脂環式エポキシ基である。樹脂組成物に含まれる熱硬化性樹脂としては特にエポキシ基含有ケイ素化合物を含むものが好ましい。
エポキシ基含有ケイ素化合物の分子量としては、取扱い性、フィラー表面への濡れ性、樹脂組成物の粘度低減の観点から、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定された重量平均分子量(Mw)が100以上であることが好ましく、500以上であることがより好ましく、700以上であることが更に好ましい。また、4000以下であることが好ましく、3500以下であることがより好ましい。
また、熱硬化後の硬化物の貯蔵弾性率を高くする観点からは、GPCにより測定された重量平均分子量(Mw)が100以上であることが好ましく、200以上であることがより好ましく、300以上であることが更に好ましい。また、4000以下であることが好ましく、3000以下であることがより好ましい。
エポキシ基含有ケイ素化合物の含有量としては、樹脂組成物の粘度低減の観点から、樹脂組成物全量を100質量%としたときに、0.1質量%以上、好ましくは1質量%以上、より好ましくは2質量%以上である。また、エポキシ基含有ケイ素化合物の含有量は、樹脂組成物全量を100質量%としたときに、20質量%以下が好ましく、15質量%以下がより好ましい。
以下、このエポキシ基含有ケイ素化合物について説明する。
エポキシ基含有ケイ素化合物は、分子中にケイ素を含む構造を持ち、さらにエポキシ基を有する化合物である。
エポキシ基含有ケイ素化合物には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル〕(メチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジエチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(ジメチル)ジシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン、3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシランなどがある。
また、エポキシ基を含有するケイ素化合物には、式(1)で表されるオルガノポリシロキサンも含まれる。
(R11 3SiO1/2)a1(R12 2SiO2/2)b1(R13SiO3/2)c1(SiO4/2)d1(O1/2H)e1 ・・・(1)
式(1)において、R11、R12、R13はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、かつ、1分子中において少なくとも1つがエポキシ基を含む有機基である。
式(1)において、R11 SiO1/2はMユニット、R12 SiO2/2はDユニット、R13SiO3/2はTユニット、SiO4/2はQユニットを、それぞれ表している。a1、b1、c1及びd1は、それぞれが0以上の整数であり、かつ、a1+b1+c1+d1≧2である。また、e1は0以上の整数である。
上限値としては、特に限定されないが、200≧a1+b1+c1+d1であることが好ましく、またe1は200以下の整数であることが好ましい。この値は、およそ重量平均分子量が15000以下である時に相当する値である。
式(1)において、R11、R12、R13は、好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基などの置換アルキル基が挙げられる。
式(1)において、エポキシ基を含む有機基としては、2,3−エポキシプロピル基、3,4−エポキシブチル基、4,5−エポキシペンチル基などのエポキシアルキル基;2−グリシドキシエチル基、3−グリシドキシプロピル基、4−グリシドキシブチル基などのグリシドキシアルキル基;β−(又は2−)(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル基、γ−(又は3−)(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピル基などのエポキシシクロヘキシルアルキル基が例示される。
式(1)においてe1は0以上の整数であり、ケイ素原子に直接結合する水酸基(シラノール)の個数を表している。
エポキシ樹脂は、ケイ素原子に結合する加水分解性基を有するものであって、該加水分解性基を加水分解したときに、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン(ただし、e1≧1)を生じる化合物であってもよい。換言すれば、式(1)で表されるオルガノポリシロキサン(ただし、e1≧1)において、ケイ素原子に直接結合した水酸基の全部又は一部を加水分解性基に置き換えた化合物であってもよい。
ここで、加水分解性基とは、加水分解によってケイ素原子に結合した水酸基(シラノール)を生じる基であり、具体例としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、水素、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム基、ハロゲン基が挙げられる。好ましい加水分解性基はアルコキシ基であり、特に炭素数1〜3のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。
上記式(1)で表されるオルガノポリシロキサン型のエポキシ樹脂は、例えば、次の方法で製造することができる。
(方法1)エポキシ基を有するシラン化合物と、エポキシ基を有しないシラン化合物及び/又はそのオリゴマーとを、共加水分解及び重縮合させる方法。
(方法2)ヒドロシリル基を有するポリシロキサンに、エポキシ基と炭素−炭素二重結合基を有する有機化合物を付加させる方法。
(方法3)炭素−炭素二重結合を含む有機基を有するポリシロキサンの該二重結合部分を酸化させて、エポキシ基に変換する方法。
上記方法1でポリシロキサン型のエポキシ樹脂を製造する際に用いることのできる原料は次の通りである。
Mユニットを導入するための原料としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルシラノールなどが例示される。
Dユニットを導入するための原料としては、ジメチルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン及びこれらの加水分解縮合物(オリゴマー)が例示される。
両末端に水酸基を有するジアルキルシロキサンオリゴマーとして、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体、ポリジフェニルシロキサンなどの両末端をシラノール変性した化合物が市販されている。
Tユニットを導入するための原料としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン及びこれらの加水分解縮合物が例示される。
Qユニットを導入するための原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン及びこれらの加水分解縮合物が例示される。
エポキシ基を導入するための原料としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジエチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(ジメチル)ジシロキサン、1,3−ビス(3−グリシドキシプロピル)1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、(3−グリシドキシプロピル)ペンタメチルジシロキサン、3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシランなどが例示される。
エポキシ基含有ケイ素化合物のエポキシ価は、通常100g/eq以上、好ましくは200g/eq以上、より好ましくは250g/eq以上、さらに好ましくは300g/eq以上、特に好ましくは400g/eq以上であり、また4000g/eq以下、好ましくは3500g/eq以下、より好ましくは3000g/eq以下、さらに好ましくは2500g/eq以下である。特に熱硬化後の硬化物の貯蔵弾性率を高くする観点からは、エポキシ価は少し低めにすることが好ましく、100g/eq以上、好ましくは150g/eq以上、であり、また4000g/eq以下、好ましくは3000g/eq以下、より好ましくは2000g/eq以下、さらに好ましくは1000g/eq以下である。
エポキシ価をこれら上限値以下とする(これは極性が低くなりすぎず、エポキシ密度が十分であることに対応する)ことにより、フィラー表面に樹脂が滞在しやすくなり、かつ十分に硬化させることが容易になり、硬化物が脆くなることを防ぐことができる。また下限値以上とする(これは極性が高くなりすぎず、エポキシ密度が過剰にならないことに対応する)ことにより、フィラーの表面に樹脂が滞在しやすくなり、かつ硬化物の弾性率が大きくなりすぎることが無く、硬化時や使用中の温度変化によって生じる内部応力により、クラックが発生することを防ぐことが容易になる。
また、本明細書において、エポキシ価とは、1当量(eq)のエポキシ基を含むエポキシ基含有化合物(重合体を含む)の質量(g)である。
樹脂組成物中の熱硬化性樹脂としては、上述した樹脂から1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。またフィラー表面への濡れ性の観点から、エポキシ基含有ケイ素化合物を含むことが好ましい。
1−3. 硬化触媒
本発明の一実施形態である樹脂組成物は、硬化触媒を含む。硬化触媒は使用する樹脂の種類により適宜選択すればよく、熱硬化性樹脂を硬化させ得る化合物であれば硬化触媒は特に限定されない。以下、エポキシ樹脂について硬化触媒の例を示す。
(1)エポキシ樹脂の硬化触媒
エポキシ樹脂を用いる場合、通常のエポキシ樹脂硬化に使用される触媒を使用することができる。例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミンなどの3級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1’)〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物などのイミダゾール類;ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニルなどの有機リン系化合物;ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホジチオネート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレートなどの4級フォスフォニウム塩類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩などのジアザビシクロアルケン類;オクチル酸亜鉛、アクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体、ガリウム化合物、インジウム化合物などの有機金属化合物;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイドなどの4級アンモニウム塩類;三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニルなどのホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫などの金属ハロゲン化合物のほか、ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物などのアミン付加型促進剤などの高融点分散型潜在性硬化促進剤;前記イミダゾール類、有機リン系化合物や4級フォスフォニウム塩類などの硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤;アミン塩型潜在性硬化剤促進剤;ガリウム化合物以外のルイス酸塩、ブレンステッド酸塩などの高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤などの潜在性硬化促進剤などを挙げることができる。
これらのうち、強い触媒活性が必要であることから、好ましくは有機金属化合物であり、より好ましくはガリウム化合物及びインジウム化合物であり、さらに好ましくはガリウム化合物である。
中でも特に好ましいのは、ガリウムアセチルアセトネート及び酢酸ガリウムである。
ガリウム化合物は、後段で詳述するシラノール源化合物から供給されるシラノールと組み合わされて、エポキシ樹脂の自己重合反応の触媒として作用する成分である。ガリウム化合物としては、金属原子としてガリウムを含む化合物であれば特に限定されるものではなく、酸化物、塩、キレート錯体など、各種形態のものを使用することができる。キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム、オキシ酢酸ガリウム、トリエトキシガリウム、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、シュウ酸ガリウム、エチルキサントゲン酸ガリウム、ジエチルエトキシガリウム、マレイン酸ガリウム、n−オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸などの長鎖カルボン酸のガリウム塩等を例示することができる。
キレート配位子としては、β−ジケトン型化合物及びo−ケトフェノール型化合物が挙げられる。β−ジケトン型化合物には、次の式(15)〜式(17)に示す構造を有するものがある。
Figure 2018025850
式(15)〜式(17)において、R5は独立してアルキル基又はハロゲン置換アルキル基を表している。
式(15)の化合物の具体例としてはアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ペンタフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトンなどが、式(16)の化合物の具体例としてはエチルアセトアセテートなどが、式(17)の化合物の具体例としてはジエチルマロネートなどが挙げられる。
o−ケトフェノール型化合物は、次の式(18)で表される化合物である。
Figure 2018025850
式(18)において、R’は水素原子、アルキル基、ハロゲン置換アルキル基又はアルコキシ基を表している。
式(18)の化合物の具体例としては、サリチルアルデヒド、エチル−o−ヒドロキシフェニルケトンなどが挙げられる。
キレート配位子を有するガリウム錯体はガリウム化合物の好適例であり、その中でもガリウムアセチルアセトネートは特に好適に使用することができる。2種類以上のガリウム化合物を任意に組み合わせて用いることもできる。
ガリウム化合物を用いるとAl触媒に比べて硬化物の高温に暴露されたときの重量減少が少ない。特に硬化物がシロキサン構造を含む場合に大きな効果が得られる。
具体的には、150〜200℃の温度条件下、500時間保持された場合の、重量減少量が加熱前の質量の20質量%以下が好ましく、10質量%以下が更に好ましい。
ガリウム化合物およびエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂含有組成物を硬化させる場合、ガリウム化合物の含有量は、エポキシ樹脂100質量部に対して通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、また、通常5.0質量部以下、好ましくは1.0質量部以下である。
(2)シラノール源化合物
シラノール源化合物は、シラノールの供給源たる化合物である。シラノールは、前述のガリウム化合物と組み合わされて、エポキシ樹脂の自己重合反応の触媒として作用する。
シラノールの役割は、エポキシ樹脂の自己重合反応の開始に必要なカチオン源であると考えられる。シラノール源化合物のケイ素原子にフェニル基などの芳香族基が結合している場合には、この芳香族基はシラノール水酸基の酸性度を高める働き、つまり、シラノールのカチオン源としての作用を強める働きをしていると考えられる。
シラノール源化合物は、潜在的なシラノール源であってもよい。例えば、加水分解性基が結合したケイ素原子を有しており、該加水分解基が加水分解されたときにシラノールを生じる化合物である。加水分解性基の具体例としては、ヒドロキシ基、アルコキシ基、水素、アセトキシ基、エノキシ基、オキシム基、ハロゲン基が挙げられる。好ましい加水分解性基はアルコキシ基であり、特に炭素数1〜3のアルコキシ基、すなわち、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基である。
シラノール源化合物の一例は、フェニルジメチルシラノール、ジフェニルメチルシラノール、トリフェニルシラノール、ジヒドロキシジフェニルシラン(ジフェニルジシラノール)、トリメチルシラノール、トリエチルシラノール、ジヒドロキシジメチルシラン、トリヒドロキシメチルシランなどの水酸基が結合したケイ素原子を有するモノシラン化合物である。
シラノール源化合物の他の一例は、水酸基が結合したケイ素原子を有する、式(19)で表されるオルガノポリシロキサンである。
(R21 SiO1/2a2(R22 SiO2/2b2(R23SiO3/2c2(SiO4/2d2(O1/2H)e2 ・・・(19)
式(19)において、R21、R22、R23はそれぞれ独立して1価の有機基を示す。
式(19)において、R21 SiO1/2はMユニット、R22 SiO2/2はDユニット、R23SiO3/2はTユニット、SiO4/2はQユニットを、それぞれ表している。a2、b2、c2及びd2は、それぞれが0以上の整数であり、かつ、a2+b2+c2+d2≧1である。e2は1以上の自然数であり、ケイ素原子に直接結合する水酸基(シラノール)の個数を表している。
式(19)のR21、R22、R23は、通常、炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基などの置換アルキル基が挙げられる。
シラノール源化合物は、ケイ素原子に結合する加水分解性基を有するものであって、該加水分解性基を加水分解したときに、式(19)で表されるオルガノポリシロキサンを生じる化合物であってもよい。換言すれば、式(19)で表されるオルガノポリシロキサンにおいて、ケイ素原子に直接結合した水酸基の全部又は一部を加水分解性基に置き換えた化合物であってもよい。
シラノール源化合物がオルガノポリシロキサンであり、これを、シロキサン構造を含まないエポキシ樹脂と共に用いる場合には、該オルガノポリシロキサンと該エポキシ樹脂との相溶性を確保する観点から、該オルガノポリシロキサンはケイ素原子に結合した芳香族基を有するものであることが好ましい。
シラノール源化合物がオルガノポリシロキサンである場合、その重量平均分子量については、熱硬化性樹脂組成物の硬化中あるいは硬化後に揮発しないように、500以上であることが好ましく、700以上であることがより好ましい。一方、重合度が高過ぎると粘度が高くなって取り扱い性が悪くなることから、該重量平均分子量は20,000以下であることが好ましく、15,000以下であることがより好ましい。
好適な実施形態では、シラノール源化合物は水酸基又は加水分解性基が結合したケイ素原子を1分子中に2個以上有するオルガノポリシロキサン又はシラン化合物であってもよい。かかるシラノール源化合物は、加熱されたときにガリウム化合物の作用により重縮合して高分子量化するので、硬化後にブリードアウトすることがない。
シラノール源化合物として好適に使用できるオルガノポリシロキサンとして、下記式(20)〜式(23)で表される構造を有するものが挙げられる。
Figure 2018025850
Figure 2018025850
式(22)で表されるオルガノポリシロキサンは、式(20)で表される化合物と式(24)で表される化合物(ジヒドロキシジメチルシラン又は両末端に水酸基を有するポリジメチルシロキサン)とを、重縮合することにより得ることができる。重縮合触媒としては、酸、塩基の他、金属触媒を用いることができ、ガリウムアセチルアセトネートのようなガリウム化合物を用いることもできる。
式(23)で表されるオルガノポリシロキサンは、式(21)で表される化合物と式(24)で表される化合物とを、重縮合することにより得ることができる。重縮合触媒としては、酸、塩基の他、金属触媒を用いることができ、ガリウムアセチルアセトネートのようなガリウム化合物を用いることもできる。
Figure 2018025850
式(20)〜式(24)において、m、n、M、N、m1、m2は、それぞれ、1以上の整数である。これらの数を大きくし過ぎた場合、すなわちポリシロキサンの重合度を高くし過ぎた場合、粘度が高くなり過ぎてハンドリングが容易でなくなる他、シラノールの含有率が下がるために触媒能が低下する傾向が生じることに注意すべきである。ハンドリング性の観点からは、当該オルガノポリシロキサンの粘度あるいは当該オルガノポリシロキサンを用いて得られる樹脂組成物の粘度が、30℃、1atmにおいて、50,000cp以下、好ましくは40,000cp以下、より好ましくは30,000cp以下、更に好ましくは20,000cp以下、特に好ましくは15,000cp以下、最も好ましくは10,000cp以下となるように、その重合度を設定することが好ましい。
式(20)〜式(23)で表されるオルガノポリシロキサンから選ばれる1種以上を、メチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシランなどの3官能シラン化合物とともに重縮合させて得られるオルガノポリシロキサンも、シラノール源化合物の好適例である。重縮合触媒としては、酸、塩基の他、金属触媒を用いることができ、ガリウムアセチルアセトネートのようなガリウム化合物を用いることもできる。かかるオルガノポリシロキサンは、更に酸、塩基又はガリウム化合物などの金属化合物のような縮合触媒を作用させることにより硬化する性質を有する。シラノール源として、モノシラン化合物とオルガノポリシロキサンを併せて用いてもよい。
シラノール源化合物は、エポキシ樹脂100質量部に対して通常0.05質量部以上、好ましくは0.1質量部以上、また500質量部以下、好ましくは200質量部以下である。
また、ガリウム化合物とシラノール源化合物の含有比は質量比で1:0.05〜0.001:100が好ましく、より好ましくは1:10〜0.01:100である。
熱硬化性樹脂組成物における硬化触媒の含有量は、熱硬化性樹脂組成物100質量%に対して0.001質量%〜0.3質量%となるように調製することが好ましい。
エポキシ基含有ケイ素化合物においては、エポキシ樹脂とシラノール源化合物のいずれか一方、又は両方が、オルガノポリシロキサン構造部分を有し得る。その場合に、オルガノポリシロキサン構造部分にシラノールを導入すると、ガリウム化合物がシラノール間の脱水縮合触媒として作用するので、エポキシ樹脂の自己重合反応とシラノール縮合反応の両方が硬化に関与する、耐熱性の良好な熱硬化性樹脂組成物が得られる。ガリウム化合物はシラノールとアルコキシ基の間の脱アルコール縮合反応の触媒にもなるので、オルガノポリシロキサン構造部分にシラノールとアルコキシ基を導入した場合も同様の効果が得られる。熱硬化性樹脂がシラノール基を有する場合、ガリウム化合物はシロキサン縮合の触媒にもなり、架橋系が同時に進行するので好ましい。また、シロキサンやシリカとの相性が良好であり、シリカの分散に寄与する。さらに、エポキシ基含有ケイ素化合物をガリウム化合物で反応させると、得られる硬化物の線膨張率が広い範囲で一定になる。
他の一例では、エポキシ樹脂が有するオルガノポリシロキサン構造部分とシラノール源化合物が有するオルガノポリシロキサン構造部分の一方にヒドロシリル基、他方にビニルシリル基を導入するとともに、白金化合物のようなヒドロシリル化反応触媒を添加することにより、エポキシ樹脂の自己重合反応とヒドロシリル化反応の両方が硬化に関与する、硬化性の良好な熱硬化性樹脂組成物が得られる。
あるいは、エポキシ樹脂とシラノール源化合物のいずれか一方又は両方が有するオルガノポリシロキサン構造部分にヒドロシリル基を導入するとともに、ビニルシリル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロシリル化反応触媒を添加することによっても、エポキシ樹脂の自己重合反応とヒドロシリル化反応の両方が硬化に関与する熱硬化性樹脂組成物が得られる。この例を変形して、エポキシ樹脂とシラノール源化合物のいずれか一方又は両方が有するオルガノポリシロキサン構造部分にビニルシリル基を導入し、添加するオルガノポリシロキサンをヒドロシリル基が導入されたものとしてもよい。
1−4. エポキシ樹脂の硬化剤
エポキシ基との反応により架橋物を形成する硬化剤としては、アミン、ポリアミド樹脂、酸無水物、フェノールなどが挙げられる。線膨張率の低減、重合速度の制御、粘度の低減の観点から、酸無水物を用いることが好ましい。酸無水物としては、脂肪族酸無水物、脂環式酸無水物、芳香族酸無水物、ハロゲン系酸無水物、非環状カルボン酸無水物などが挙げられる。該樹脂組成物を光半導体デバイスに使用する場合には、耐光性及びより硬化物の弾性率を高くする観点から脂環式カルボン酸無水物を使用することが好ましい。
酸無水物の含有量としては特に制限はないが、多すぎると酸無水物のTgが、得られる硬化物の線膨張率に影響を与える場合がある。
脂環式カルボン酸無水物としては、例えば、式(25)〜式(31)で表される化合物や、4−メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物のほか、α−テルピネン、アロオシメンなどの共役二重結合を有する脂環式化合物と無水マレイン酸とのディールス・アルダー反応生成物やこれらの水素添加物などを挙げることができる。
Figure 2018025850
なお、前記ディールス・アルダー反応生成物やこれらの水素添加物としては、任意の構造異性体及び任意の幾何異性体を使用することができる。
また、前記脂環式カルボン酸無水物は、硬化反応を実質的に妨げない限り、適宜に化学的に変性して使用することもできる。
酸無水物を含有することで、エポキシ反応速度の制御、ハンドリング、レベリングの向上、着色防止などの効果が得られる場合がある。酸無水物の含有量としては特に制限はないが、エポキシ量に対して1.5当量以下であることが好ましい。より好ましくは1当量以下、更に好ましくは0.8当量以下、更に好ましくは0.6当量以下である。
非環状カルボン酸無水物としては、例えば式(32)のようなものが挙げられる。
Figure 2018025850
(式(32)において、R6とR7は連結せず、またR6とR7は同一又は各々独立して、置換していてもよい炭化水素基を示す。)
炭化水素基としては、脂肪族、脂環式及び芳香族のいずれの炭化水素基でもよい。脂肪族炭化水素基としては、直鎖状又は分岐状の、飽和炭化水素又は不飽和炭化水素であり、例えば、炭素数2〜18の脂肪族炭化水素基が挙げられる。より具体的には、式(33)で表される化合物を挙げることができる。
Figure 2018025850
(n’は、0〜18の整数を示す。)
式(33)において、揮発性の低い点でn’は0以上が好ましく、2以上がより好ましく、4以上が更に好ましい。また溶解性の点でn’は15以下が好ましく、12以下がより好ましい。
脂肪族炭化水素基としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、α−ナフチル基、β−ナフチル基、ビフェニル−4−イル基、ビフェニル−3−イル基、ビフェニル−2−イル基、アントリル基、及びフェナントリル基等のアリール基;ベンジル基、フェネチル基、α−ナフチルメチル基、β−ナフチルメチル基、α−ナフチルエチル基、及びβ−ナフチルエチル基等のアラルキル基が挙げられる。
また上記炭化水素基に置換していてもよい置換基としては、水酸基、アルキル基、ニトロ基、アミノ基、メルカプト基、アセチル基、ハロゲン(Cl、Br、F)等が挙げられる。
また非環状カルボン酸無水物を含有することで、エポキシ基の反応速度を制御できる点で樹脂組成物の保管安定性を向上できる。
さらに非環状カルボン酸無水物を含有することで、ハンドリング、レベリングの向上、着色防止等の効果が得られる場合がある。具体的には非環状カルボン酸無水物のエステル結合部分が高極性部位また式(32)のR6およびR7が非極性部位であることで、樹脂組成物内の相分離構造を解消する界面活性剤として機能することがある。
非環状カルボン酸無水物の含有量としては特に制限はないが、含有量の下限は、エポキシ量に対して0.015当量以上、好ましくは0.1当量以上、より好ましくは0.12当量以上、さらに好ましくは0.15当量以上である。またその上限は、エポキシ量に対して、1.5当量以下、好ましくは1.0当量以下、より好ましくは0.8当量以下、さらに好ましくは0.6当量以下である。
1−5. シリコーン樹脂の硬化触媒
シリコーン樹脂を用いる場合、硬化触媒としては金属化合物などが挙げられる。金属化合物としては、ジルコニウム、ハフニウム、イットリウム、スズ、亜鉛、チタン又はガリウムの、キレート錯体、有機酸塩、無機塩又はアルコキシドなどを用いることができる。硬化物の線膨張係数の観点から、上述したガリウム化合物を用いることが好ましい。
1−6. エポキシ基含有ケイ素化合物以外の有機基含有ケイ素化合物
エポキシ基含有ケイ素化合物以外の有機基含有ケイ素化合物(以下、単に「有機基含有ケイ素化合物」とも表記する)は、分子中にエポキシ基以外の有機基を有するケイ素化合物である。有機基としては、アルコール基、カルボキシル基、アクリル基、メタクリル基、チオール基、エーテル基、アラルキル基、アミノ基、アルキル基等が挙げられる。有機基含有ケイ素化合物としては、アルコール基又はカルボキシル基で変性されたケイ素化合物の少なくとも1種を使用することが好ましい。
上記のような有機基含有ケイ素化合物を樹脂組成物に含有することで、それらがフィラー表面に滞在しやすく、また適度な極性の有機基を有することからフィラーに吸着しやすい。さらに適度な重量平均分子量を有することからフィラー表面に滞在しやすく、フィラーの構造粘性を破壊することができる。
また、有機基含有ケイ素化合物を樹脂組成物に含有することで、ハンドリング、レベリングの向上、着色防止等の効果が得られる場合がある。具体的には有機基含有ケイ素化合物のケイ素化合物部分がフィラーの低極性部位に、また有機基部分がフィラーの極性部位に接触することにより、樹脂組成物内の相分離構造を解消する界面活性剤として機能することがある。
また、有機基含有ケイ素化合物を樹脂組成物に含有することで、樹脂組成物の硬化物の弾性率を制御する効果が得られることがある。具体的には有機基含有ケイ素化合物がその他の樹脂と化学反応することで架橋構造を形成したり、硬化物を高弾性化したり、有機基含有ケイ素化合物が柔軟性骨格を有する場合は硬化物を低弾性化する。
次に、アルコール基含有ケイ素化合物、カルボキシル基含有ケイ素化合物について説明する。これらの有機基含有ケイ素化合物について、その分子量としては、取扱い性、フィラー表面への濡れ性、粘度低減の観点から、GPCにより測定された重量平均分子量(Mw)が100以上であることが好ましく、1000以上であることがより好ましく、2000以上であることが更に好ましく、また、10000以下であることが好ましく、5000以下であることがより好ましい。これらの有機基含有ケイ素化合物の含有量としては、粘度低減、硬化物の貯蔵弾性率制御の観点から、樹脂組成物全量を100質量%としたときに、0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上である。また、20質量%以下が好ましく、10質量%以下がより好ましい。
アルコール基含有ケイ素化合物は、分子中に1級アルコール、2級アルコール、3級アルコールのいずれか、もしくは複数を有しており、好ましくは1級アルコールを含む。そのようなケイ素化合物としては式(2)のようなものが挙げられる。
Figure 2018025850
(nは、1〜120の整数、aは1〜10の整数、bは1〜10の整数を示す。)
式(2)において、RとRは独立して2価の有機基を示す。RとRの例としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、芳香族を含んでもよい炭化水素基を示す。また、RとRは連結せず、またRとRは同一又は異なっていてもよく、置換基を有していてもよい。Ra及びRbは水素原子又は水酸基を示す。
また揮発性の低い点でnは1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。また溶解性の点でnは120以下が好ましく、100以下がより好ましい。a及びbについては、1以上が好ましく、10以下が好ましい。
アルコール基含有ケイ素化合物は、式(2)の形態に限定されず、シリコーン部分がTユニット、Qユニットを介して分岐構造を有していてもよい。またMユニットを有していてもよい。また1分子中に含むアルコール基の数に限定はないが、より好ましくは2個である。例えば、下記式(2’)のようなものが挙げられる。
Figure 2018025850
(式(2’)中、xは1〜120の整数、yは1〜120の整数を示す。Rは有機基を示す。)
式(2’)中、Rで示される有機基としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、芳香族を含んでもよい炭化水素基が挙げられる。
アルコール基含有ケイ素化合物の例としては、BY−16−201(東レ・ダウコーニング社製)、SF8427(東レ・ダウコーニング社製)、SF8428(東レ・ダウコーニング社製)、KF−6000(信越化学社製)KF6001(信越化学社製)KF6002(信越化学社製)KF6003(信越化学社製)などが挙げられる。
カルボキシル基含有ケイ素化合物としては、式(3)のようなものが挙げられる。
Figure 2018025850
(m’は、1〜120の整数を示す。)
式(3)において、R及びRは独立して2価の有機基を示す。R及びRの例としては、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、芳香族を含んでもよい炭化水素基を示す。またRとRは連結せず、またRとRは同一又は異なっていてもよく、置換基を有していてもよい。また揮発性の低い点でm’は1以上が好ましく、5以上がより好ましく、10以上が更に好ましい。また溶解性の点でm’は120以下が好ましく、100以下がより好ましい。
カルボキシル基含有ケイ素化合物は、式(3)の形態に限定されず、シリコーン部分がTユニット、Qユニットを介して分岐構造を有していてもよい。またMユニットを有していてもよい。また1分子中に含むカルボキシル基の数に限定はないが、より好ましくは2個である。
またカルボキシル基含有ケイ素化合物の例としては、Magnasoft800L(モメンティブ社製)、BY16−880(東レ・ダウコーニング社製)、X−22−3710(信越化学社製)などが挙げられる。
1−7. フィラー
樹脂組成物はフィラーを含んでいてもよく、その含有量は特段限定されないが、通常樹脂組成物全量に対し50質量%以上のフィラーを含むものである。フィラーとしては、一般的な有機フィラー、無機フィラーのいずれも使用することができる。有機フィラーとしては、スチレン系ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー粒子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン系ポリマー粒子、ポリアミド系ポリマー粒子、ポリナイロン系ポリマー粒子等の合成ポリマー粒子、デンプン、木粉等の天然物、変性されていてもよいセルロース、各種有機顔料などが挙げられる。無機フィラーとしては、無機物もしくは無機物を含む化合物であれば特に限定されないが、具体的に例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、ガラスフレーク、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、フェライト、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等を挙げることができる。これらは、単独で用いてもよく、2種類以上併用してもよい。また、適宜表面処理をほどこしてもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、シランカップリング剤による処理等が挙げられるが、特に限定されるものではない。
樹脂組成物全量に対するフィラーの含有量は、通常、50質量%以上である。樹脂組成物の硬化物の線膨張率を低くするという観点から、好ましくは75質量%以上、より好ましくは80質量%以上、さらに好ましくは85質量%以上である。
フィラーを用いることにより、得られる成形体(硬化物)の強度、硬度、弾性率、熱膨張率、熱伝導率、放熱性、電気的特性、光の反射率、難燃性、耐火性、チキソトロピー性(成形体ではなく組成物の特性)、およびガスバリア性等の諸物性を改善することができる。
上記フィラーの中でもシリカフィラーを含有することが好ましい。以下、シリカフィラーについて詳細に説明する。
本明細書において、シリカフィラーとは、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカなどのシリカ系無機フィラーなどのフィラーをいう。
通常の樹脂組成物では、フィラーの添加量が増加すると、組成物の粘度上昇が顕著になる。
粘度制御の観点から、形状は、繊維状、不定形のものよりも、球状のものが好ましい。ここで球状とは、真球状であってもよく、楕円状であってもよく、卵形などを含む略球状を意味し、具体的にはアスペクト比(長径と短径の比)が通常1.3以下であり、好ましくは1.2以下、より好ましくは1.1以下である。
さらに配合の観点から、フィラー表面に水酸基を有することが好ましい。水酸基を有することによりフィラー表面の極性を向上できるため、無機物と比べて極性の高い有機ポリマーを混合しやすくなる。
また、粒径分布の制御によりフィラーの添加量を増やすことも可能である。すなわち、粒径の異なるフィラーを混合することで、より高い充填率が得られる。
フィラーの平均粒子径は、(Particle Size Analyzer CILAS 1064)を用いて測定され、0.1μm以上が好ましく、1μm以上がより好ましい。また、100μm以下が好ましく、50μm以下がより好ましい。
また、シリカフィラーは適宜表面処理がされていてもよい。表面処理としては、アルキル化処理、トリメチルシリル化処理、シリコーン処理、シランカップリング剤による処理などが挙げられるが、特に限定されるものではない。表面処理により、粒子表面官能基の種類を制御することができる。粘度を低減させる観点から、(グリシジル化)処理されたフィラーを用いることが好ましい。
シリカフィラーは、1種を用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
フィラー量を増大させることで、低シェア時の粘度を低下させ、一方で高シェア時の粘度を増加させることがある。低シェア時の粘度とは、後述に記載の方法で粘度測定した際の、すなわち25℃、せん断速度0.09s−1以下における粘度のことである。また高シェア時の粘度とはせん断速度1s−1以上における粘度のことである。これはフィラー量を増大させることでフィラーの運動性を阻害し、低シェア時にフィラーが二次構造を形成しにくくなるためであると考えられる。
また難燃性を向上する効果を期待する場合は水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムといった水和金属化合物フィラーを添加すると効果的である。
1−8. 熱可塑性樹脂
本発明の樹脂組成物は、必要に応じて熱可塑性樹脂を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂としては特段限定されないが、ポリエチレン,ポリプロピレン,ポリスチレン,ポリ塩化ビニル,(メタ)アクリル樹脂,エチレン−酢酸ビニル共重合体,エチレン−ビニルアルコール共重合体などビニル系ポリマー;ポリ乳酸樹脂,ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル;ナイロン,ポリアミドアミンなどのポリアミド,ポリビニルアセトアセタール,ポリビニルベンザール,ポリビニルブチラール樹脂などのポリビニルアセタール樹脂;アイオノマー樹脂;ポリフェニレンエーテル;ポリフェニレンサルファイド;ポリカーボネート;ポリエーテルエーテルケトン;ポリアセタール;ABS樹脂;LCP(液晶ポリマー);フッ素樹脂;ウレタン樹脂;エラストマー;またはこれらの樹脂の変性品などがあげられる。
また、熱可塑性樹脂は伸び性がある方が好ましい。伸び性があることで応力を緩和することができ、クラックを抑制する。
熱可塑性樹脂の最大伸び率は5%以上であることが好ましく、10%以上であることがより好ましい。熱可塑性樹脂の最大伸び率はJIS K7113またはASTM D638に準拠した測定方法で測定した値とする。
また、熱可塑性樹脂は樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の少なくとも一成分に可溶であってもいい。
熱可塑性樹脂のうち、特にポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール、(メタ)アクリル樹脂などのビニル系樹脂が好ましく、特にポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタールが好ましい。ポリビニルアセタールは水酸基を持ち、分散性に優れる他、硬化剤が水酸基との反応性を持つもの(酸無水物など)である場合には一部が取り込まれるため熱硬化樹脂との分離が起こりにくい。予め、酸無水物で変性することで積極的に反応性基を導入することも可能である。
また、熱可塑性樹脂は樹脂組成物中の熱硬化性樹脂に不溶であることが好ましい。
熱硬化性樹脂に不溶とは、樹脂組成物中の熱硬化性樹脂の成分に可溶な成分が10%未満、好ましくは5%未満、より好ましくは3%未満、更に好ましくは1%未満であることをいう。
熱可塑性樹脂が熱硬化性樹脂に不溶であることで、液状樹脂組成物の粘度が上がることを防ぎ、レベリング性を向上させることができる。
また、熱硬化性樹脂に不溶な熱可塑性樹脂を大量のフィラーと同時に混合、つまり組み合わせて混合することで、熱可塑性で伸びのよくなる成分相を効率よく樹脂組成物中に分散でき、応力を緩和しやすい。
さらに分散した熱可塑性樹脂は熱硬化性樹脂に不溶である場合、樹脂組成物の硬化物の弾性率を下げることなく、クラックを抑制できる。
これらのうち、特にナイロンなどのポリアミド樹脂、セルロース樹脂などが好ましく、特にナイロンなどのポリアミド樹脂が好ましい。
また、熱可塑性樹脂は伸び性がある方が好ましい。伸び性があることで応力を緩和することができ、クラックを抑制する。
熱可塑性樹脂相を樹脂組成物中に効率よく分散させるために、熱可塑性樹脂の粒子径は小さい方がのぞましい。熱可塑性樹脂の平均粒径は500μm以下が好ましく、200μm以下がより好ましく、100μm以下が更に好ましい。
樹脂組成物中の熱可塑性樹脂の含有量は、樹脂組成物中の下限値として、好ましくは0.001%以上、より好ましくは0.003%以上、さらに好ましくは0.005%以上であり、また上限値としては好ましくは10%以下、より好ましくは5%以下、さらに好ましくは2%以下である。
1−9. その他
本発明の実施形態に係る樹脂組成物には、上述の成分の他に、物性改善、機能付与などの観点から、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、変性剤、レベリング剤、光拡散剤、熱伝導性、難燃剤、反応性又は非反応性の希釈剤、接着、密着性向上剤などの添加剤をさらに含有してもよい。
(1)酸化防止剤
本発明の一実施形態に係る樹脂組成物には、使用環境下での黄変を抑制するために、酸化防止剤を含有させることができる。フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系などが好適に用いられるが、n中でも、フェノール水酸基の片側あるいは両側のオルト位にアルキル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好適に用いられる。
(2)シランカップリング剤
樹脂組成物には、金属部品やフィラーに対する接着性を良好にするためにシランカップリング剤を含有させることができる。具体例として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
(3)難燃剤
また難燃性を向上する効果を期待して、ハロゲン系化合物、リン原子含有化合物、窒素原子含有化合物、および、それらの複合型等の有機系難燃剤、アンチモン系化合物、金属水酸化物等の無機系難燃剤を含有させることができる。それらは、添加型でも反応型でもよい。
2. 樹脂組成物の製造方法
樹脂組成物は、熱硬化性樹脂及び硬化触媒と、必要に応じて前述したフィラー、樹脂、酸化防止剤などのその他の成分を混合することにより製造することができる。これらの混合の順序としては、特に限定されない。例えば、エポキシ基含有ケイ素化合物を用いる場合、混合時の発熱による硬化反応の進行を防ぐため、ガリウム化合物、シラノール源化合物、エポキシ樹脂硬化に使用される触媒の非存在下でエポキシ樹脂と混合することが望ましい。
フィラーを混合する手段としては、特に限定されるものではないが、具体的に例えば、2本ロールあるいは3本ロール、遊星式撹拌脱泡装置、ホモジナイザー、ディゾルバー、プラネタリーミキサーなどの撹拌機、プラストミルなどの溶融混練機などが挙げられる。混合は、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよく、また、常圧下で行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。混合する際の温度が高いと、成形する前に組成物が硬化する場合がある。
この樹脂組成物は、1液硬化型であってもよく、保存安定性を考慮して2液硬化型としてもよい。
3. 封止方法
本発明の樹脂組成物は、半導体デバイスの封止材として使用することが好適であるが、封止の方法は通常行われる方法で行えばよい。
封止の方法としては、例えばトランスファー成形やポッティングなどが挙げられる。本発明の樹脂組成物は常温で流動性のある樹脂組成物であるので、中でも、ポッティングに好適に用いられる。具体的には、樹脂組成物を含有する液と硬化触媒を含有する液をそれぞれ作製し、その後混合して混合液を作製し、ポッティングに供することができる。ハウジング内に部品を置き、これに上記混合液を注型する。次いで、硬化させる。用いる樹脂組成物により、室温硬化あるいは加熱硬化すればよい。加熱硬化には、例えば、熱風循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱などの従来公知の方法を採用することができる。
本発明の樹脂組成物は熱硬化性樹脂を含む。熱処理条件は、樹脂組成物を所望の硬化状態にすることができればよく、樹脂組成物、触媒濃度や当該組成物で形成しようとする部材の厚みなどに応じて定めればよい。硬化温度を、最初は100℃付近とし、次いで120〜180℃に上げることにより、組成物中の残留溶媒や溶存水蒸気による発泡を防ぐことができる。また、樹脂組成物の深部と表面の硬化速度差を小さくできるので、表面が平滑でシワの無い、外観の良好な硬化物を得ることができる。樹脂組成物の深部と表面の硬化速度差が小さいと、硬化状態が均一となるので硬化物中における内部応力の発生が抑制され、ひいてはクラックの発生が防止できる。
4. 樹脂組成物の用途
本発明の実施形態に係る上記樹脂組成物の用途は特に限定されず、LEDデバイスのような発光デバイスを含む各種の半導体デバイスに、封止材などとして用いることができる。また、本発明の一実施形態に係る樹脂組成物を硬化させた成形体は、シリカフィラーを50質量%以上含むので高温でも低い熱膨張率を有し、かつ応力を緩和することでクラックが生じにくく信頼性に優れるので、特にパワーデバイスに好適に使用される。パワーデバイスとしては、例えば、整流、周波数変換、レギュレータ、インバータなどとして使用されるものが挙げられる。本発明の樹脂組成物は、組成物としては流動性を有し、ポッティングによる封止にも好適に用いることができ、硬化物の線膨張率が非常に低いので、幅広いサイズのパワーデバイスに好適に使用できる。家電機器、コンピュータなどのパワーデバイスに用いることもできるし、自動車、鉄道車両や変電所の制御用などの大型のパワーデバイスに用いることもできる。
以下、実験例(実施例、比較例)により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実施例により限定されるものではない。なお、下記の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は、前記上限または下限の値と下記実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
先ず、実施例、比較例で用いた材料、試薬について説明する。
エポキシ基含有ケイ素化合物である、合成樹脂A及びBは、それぞれ、合成例1〜2のとおり合成した。なお、下記の合成例において、重量平均分子量(Mw)、エポキシ価は次のとおり測定した。
・重量平均分子量(Mw)
硬化性組成物の重量平均分子量(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより下記条件で測定し、標準ポリスチレン換算値として示した。また、ポリシロキサンの1質量%テトラヒドロフラン溶液を調製し、その後、0.45μmのフィルターにて濾過したものを測定試料溶液とした。
装置:Waters 2690(Waters社製)
カラム:KF−G、KF−602.5、KF−603、KF−604(昭和電工社製)
溶離液:THF、流量0.7mL/分、サンプル濃度1%、注入量10μL
・エポキシ価
JIS K7236:2001に準じて実施した。精秤した試料をクロロホルムに溶解させ、酢酸と臭化テトラエチルアンモニウム酢酸溶液を加えた後、0.1mol/L過塩素酸酢酸標準液によって滴定した。終了点はクリスタルバイオレット指示薬を用いて、判定した。
<合成例1:合成樹脂Aの合成方法>
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン13.0g、両末端シラノール型ジメチルシロキサン(モメンティブ社製XC96−723)55.4g、トリメチルメトキシシラン3.67g、イソプロピルアルコール34.6g、トルエン34.6g及び0.37%KOH水溶液6.99gを混合し、室温で2時間撹拌し、さらに還流条件(内温約73℃)で6時間加熱撹拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去して、Mw=3300 エポキシ価1160g/eqのポリシロキサン合成樹脂Aを得た。
<合成例2:合成樹脂Bの合成方法>
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン64.9g、トリメチルエトキシシラン40.1g、イソプロピルアルコール45g及び1N塩酸24.2gを混合し、室温で3時間撹拌し、さらに水酸化カリウム1.45gとイソプロピルアルコール50.2gを加えてイソプロピルアルコール還流条件で4時間加熱撹拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去して、Mw=1100 エポキシ価290g/eqのポリシロキサン合成樹脂Bを得た。
<組成物の粘度・流動性の評価>
本実施態様において、25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を以下のように定義する。レオメータVISCOANALYSER(Reologica Inst. A.B.社製)で樹脂組成物の粘度を測定した。測定条件は温度を25℃、使用プレートをΦ30パラレルプレート、ギャップを0.800mm、プレシェア条件を0.1(1/s)で60秒、平衡時間(測定前の待ち時間)を25.0秒、ディレイタイム(データを取り込まない時間)40秒、積算時間(データを取り込む時間)80秒、測定せん断速度範囲;0.001〜600(1/s)とした。測定手順としては、樹脂組成物を試料ステージに適量載せて、治具を降下し、上記条件でせん断速度を上昇させた時の粘度を測定することで、0.009s−1における粘度を算出した。
<硬化物の物性測定>
下記実施例及び比較例で得られた硬化物の物性を次のとおり測定した。
・平均線膨張率測定
厚さ1〜2mmの板状の硬化物から、3×3mmに切り出し、測定用サンプルとした。
平均線膨張率は、JIS K7197に準拠して、熱機械分析装置としてEXSTAR
TMA/SS6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて、圧縮モードで、表1に示す温度プログラムで測定し、プログラム3での平均線膨張率を算出した。
Figure 2018025850
・貯蔵弾性率(E’)測定
厚さ1〜2mmの板状の硬化物から、幅5mmの短冊状に切り出し、測定用サンプルとした。
貯蔵弾性率は、JIS K7244に準拠して、熱機械分析装置としてEXSTAR DMS/6100(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製)を用いて、引っ張りモードで、チャック間距離(実効長さ)15mmにて、周波数:1Hzで下記表2に示す温度プログラムで測定し、プログラム1における25℃および180℃での貯蔵弾性率を算出した。
Figure 2018025850
・体積抵抗率測定
厚さ1〜2mm、直径7cmの円板の硬化物を測定サンプルとした。体積抵抗率測定は、レジスティビティ・チェンバ12708とデジタル超高抵抗/微小電流計5451(株式会社エーディーシー社製)を用いて下記の条件で行った。
電圧:500V
チャージ時間:4分
電極サイズ:ASTM D257準拠
Figure 2018025850
算出式:(体積抵抗率)=(π*(主電極直径))/(4*(試料の厚み))*(体積抵抗(測定値))
<サーマルサイクル試験>
PPS壁を有するモジュールケース(コージン社製 34PMケース)の底面に、ニッケルメッキを施した銅板を合わせて評価用ケースを作製した。ケース内に約44gの樹脂組成物をそれぞれ流し込み、所定の硬化条件で順次加熱して硬化し、サーマルサイクル試験用サンプルを作製した。
冷熱衝撃装置TSA−41L−A(エスペック社製)を用いて、175℃高温さらし30分、常温さらし1分、−40℃低温さらし30分を1サイクルとするサーマルサイクル試験を実施し、70サイクル後にサンプルを取り出し、硬化物にクラック、PPS壁からの剥がれが生じていないか目視で確認した。クラックの発生が無い場合を○、クラックの発生があった場合を×とした。
[実施例1]
変性シリコーンオイルX−22−169(信越化学社製)を2.0g、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル デナコール(登録商標)EX−321L(ナガセケムテックス社製)を0.54g、ナイロン微粒子SP500(東レ社製)0.10g、真球状フィラーHL−3100(株式会社龍森製)30gをTHIKY社製Planetary Vacuum Mixer ARV−300 を用いて撹拌し、混合した。この混合物に、その後、リカシッドMH700(新日本理化社製)0.58g、両末端ヒドロキシ基ポリメチルフェニルシロキサン YF3804(モメンティブ社製)0.075g、ガリウムアセチルアセトネート(Strem Chemicals, Inc.社製)0.0032g、ジフェニルシランジオール(東京化成工業社製)0.0078gを加えてさらに撹拌、混合を行い、樹脂組成物を得た。
得られた樹脂組成物の25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を測定した。また、得られた樹脂組成物を80℃で0.5時間、120℃で1時間、180℃で5時間硬化させて硬化物を得て、上記の方法で硬化物の物性を測定した。結果を表4に示す。なお、表4中、WPEはエポキシ価(g/eq)である。
[実施例2]
実施例1の方法に準拠し、表4に示す組成にて、樹脂組成物を得た。
表4中、X22−169Aは変性シリコーンオイル(信越化学社製)、Magnasoft(登録商標)800Lは有機基含有ケイ素化合物(Momentive社製)、TSL9906はエポキシ基含有ケイ素化合物(Momentive社製)である。
得られた樹脂組成物の25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を測定した。また、得られた樹脂組成物を実施例1と同様の条件で硬化させて硬化物を得て、上記の方法で硬化物の物性を測定した。結果を表4に示す。
[実施例3]
実施例1の方法に準拠し、表4に示す組成にて、樹脂組成物を得た。
表4中、DLC−402は、液状エポキシ樹脂、デナコール(登録商標)DLC−402(ナガセケムテックス社製)である。
得られた樹脂組成物の25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を測定した。また、得られた樹脂組成物を実施例1と同様の条件で硬化させて硬化物を得て、上記の方法で硬化物の物性を測定した。結果を表4に示す。
[比較例1]
実施例1の方法に準拠し、表4に示す組成にて、樹脂組成物を得た。
表4中、E−POはエポキシ樹脂(新日本理化社製)、JER871はエポキシ樹脂(三菱化学社製)、EX−216Lはエポキシ樹脂(ナガセケムテックス社製)、FLD516はシラノール源化合物(BLUESTARS SILICONES社製)である。
得られた樹脂組成物の25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を測定した。また、得られた樹脂組成物を80℃で0.5時間、120℃で1時間、150℃で1時間、180℃で3時間硬化させて硬化物を得て、上記の方法で硬化物の物性を測定した。結果を表4に示す。
[比較例2]
実施例1の方法に準拠し、表4に示す組成にて、樹脂組成物を得た。
表4中、YED216Dはエポキシ樹脂(三菱化学社製)である。
得られた樹脂組成物の25℃、せん断速度0.009s−1における粘度を測定した。また、得られた樹脂組成物を80℃で1時間、120℃で2時間、150℃で1時間、200℃で1時間硬化させて硬化物を得て、上記の方法で硬化物の物性を測定した。結果を表4に示す。
Figure 2018025850
表4に示すように実施例1乃至3は硬化前の樹脂組成物の粘度が低粘度であり、かつ硬化物は25℃、180℃において高い貯蔵弾性率を示した。かつ体積抵抗率比a/bが所定の範囲内であり、サーマルサイクル試験70サイクル後にクラックやPPS壁からの剥離は見られなかった。
一方比較例1の硬化物は180℃での貯蔵弾性率が低く、貯蔵弾性率の温度依存性が大きいことを示しており、サーマルサイクル試験70サイクル後にクラックが見られた。また比較例2は25℃、180℃において高い貯蔵弾性率を示したものの、体積抵抗率比a/bが所定の範囲外であり、サーマルサイクル試験70サイクル後にクラックがみられた。

Claims (16)

  1. 熱硬化性樹脂及び硬化触媒を含む熱硬化性樹脂組成物であって、
    25℃、せん断速度0.009s−1における粘度が1500Pa・s以下であり、
    該熱硬化性樹脂組成物の硬化物の25℃及び180℃での貯蔵弾性率がそれぞれ1.0×10Pa以上で、かつ25℃での体積抵抗率aと200℃での体積抵抗率bの比a/bが8500以下であることを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂を含む、請求項1に記載の樹脂組成物。
  3. 前記エポキシ樹脂が脂環式エポキシ基を含む、請求項2に記載の樹脂組成物。
  4. 前記エポキシ樹脂がグリシジル基を含む、請求項2又は3に記載の樹脂組成物。
  5. 前記エポキシ樹脂がグリシジル基を2個以上含むエポキシ樹脂を含む、請求項4に記載の樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂がエポキシ基含有ケイ素化合物を含む、請求項2〜5のいずれかに記載の樹脂組成物。
  7. 前記エポキシ基含有ケイ素化合物が脂環式エポキシ基を含む、請求項6に記載の樹脂組成物。
  8. さらにフィラーを50質量%以上含有する、請求項1〜7のいずれかに記載の樹脂組成物。
  9. 前記フィラーがシリカを含む、請求項8に記載の樹脂組成物。
  10. さらに酸無水物を含む、請求項1〜9のいずれかに記載の樹脂組成物。
  11. 前記樹脂組成物がエポキシ基の開環重合を伴うことより硬化するものである、請求項1〜10のいずれかに記載の樹脂組成物。
  12. 前記開環重合がカチオン重合である、請求項11に記載の樹脂組成物。
  13. 前記硬化触媒が金属触媒を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の樹脂組成物。
  14. 前記金属触媒がガリウム化合物である、請求項13に記載の樹脂組成物。
  15. 請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂組成物を硬化してなる成形体。
  16. 請求項1〜14のいずれかに記載の樹脂組成物を用いて封止してなる半導体デバイス。
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