JP2015187208A - 熱硬化性樹脂組成物、その製造方法、樹脂硬化物の製造方法、および、エポキシ化合物の自己重合を発生させる方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の熱硬化性樹脂組成物は、エポキシ化合物と、ガリウム化合物と、シラノール源化合物とを含有する。
【選択図】なし
Description
すなわち本発明は以下に存する。
(1)エポキシ化合物と、ガリウム化合物と、シラノール源化合物とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
(2)エポキシ化合物に、ガリウム化合物およびシラノール源化合物を混合するステップを有する、熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
(3)エポキシ化合物を、ガリウム化合物およびシラノールの存在下で加熱するステップを含む、樹脂硬化物の製造方法。
(4)エポキシ化合物の自己重合を発生させる方法であって、ガリウム化合物およびシラノールを触媒として添加するステップを含む方法。
本発明の熱硬化性樹脂組成物は、(A)エポキシ化合物、(B)ガリウム化合物、および(C)シラノール源化合物を含有する。この熱硬化性樹脂組成物には、必要に応じて上記(A)〜(C)以外の成分を含有させてもよい。
この熱硬化性樹脂組成物は、その硬化機構の少なくとも一部に、ガリウム化合物とシラノール源化合物から供給されるシラノールとによって触媒されるエポキシ化合物の自己重合反応が関与するものである。この熱硬化性樹脂組成物は、該自己重合反応のみにより硬化するものであり得るが、限定されるものではない。
以下、この熱硬化性樹脂組成物の各成分について説明する。
エポキシ化合物は、分子中にエポキシ基を有する化合物であり、好ましくはシクロヘキシルエポキシ基を有する脂環式エポキシ化合物である。典型的な脂環式エポキシ化合物の構造例を式(1)〜(3)に示す。
グリシジル基を有するエポキシ化合物の好適例として、式(4)〜式(8)に示すような脂環構造を含むグリシジルエーテル、またはエステル化合物、式(9)に示すような脂環構造を含まないグリシジルエーテル化合物、式(10)に示すようなジシロキサン骨格を有するグリシジルエーテル化合物、式(11)に示すようなイソシアヌル酸骨格を有するグリシジルアミド化合物がある
キシ樹脂、フェノールノボラック、クレゾールノボラック、ビスフェノールA、ノボラック、臭素化ビスフェノールAノボラック等のノボラック類をグリシジル化したノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。
エポキシ化合物は、エポキシ基を有するケイ素含有化合物であってもよい。ケイ素含有化合物とは、シラン化合物やシロキサン化合物である。
エポキシ基を有するケイ素含有化合物には、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジメトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル〕(メチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジメトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メチル)ジエトキシシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(エチル)ジエトキシシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(メトキシ)ジエチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジメチルシラン、(γ−グリシドキシプロピル)(エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(メトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕( エトキシ)ジメチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕( エトキシ)ジエチルシラン、〔2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチル〕(ジメチル)ジシロキサン、3−エポキシプロピル(フェニル)ジメトキシシランなどがある。
(R11 3SiO1/2)a1(R12 2SiO2/2)b1(R13SiO3/2)c1(SiO4/2)d1(O1/2H)e1 ・・・(14)
式(14)において、R11、R12、R13はそれぞれ独立して1価の有機基を示し、かつ、1分子中において少なくとも1つがエポキシ基を含む有機基である。
+b1+c1+d1≧3である。
式(14)において、R11、R12、R13は、好ましくは、炭素数1〜10の炭化水素基であり、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基などのアルキル基;ビニル基、アリル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基などのアルケニル基;フェニル基、トリル基、キシリル基などのアリール基;ベンジル基、フェネチル基などのアラルキル基;クロロメチル基、3−クロロプロピル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基、ノナフルオロブチルエチル基などの置換アルキル基が挙げられる。
エポキシ化合物は、ケイ素原子に結合する加水分解性基を有するものであって、該加水分解性基を加水分解したときに、式(14)で表されるオルガノポリシロキサン(ただし、e1≧1)を生じる化合物であってもよい。換言すれば、式(14)で表されるオルガノポリシロキサン(ただし、e1≧1)において、ケイ素原子に直接結合した水酸基の全部または一部を加水分解性基に置き換えた化合物であってもよい。
(方法1)エポキシ基を有するシラン化合物と、エポキシ基を有しないシラン化合物および/またはそのオリゴマーとを、共加水分解および重縮合させる方法。
(方法2)ヒドロシリル基を有するポリシロキサンに、エポキシ基と炭素−炭素二重結合基を有する有機化合物を付加させる方法。
(方法3)炭素−炭素二重結合を含む有機基を有するポリシロキサンの該二重結合部分を酸化させて、エポキシ基に変換する方法。
Mユニットを導入するための原料としては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルシラノールなどが例示される。
両末端に水酸基を有するジアルキルシロキサンオリゴマーとして、ポリジメチルシロキ
サン、ポリメチルフェニルシロキサン、ジメチルシロキサン−ジフェニルシロキサン共重合体、ポリジフェニルシロキサンなどの両末端をシラノール変性した化合物が市販されている。
Qユニットを導入するための原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシランおよびこれらの加水分解縮合物が例示される。
ガリウム化合物は、後段で詳述するシラノール源化合物から供給されるシラノールと組み合わされて、エポキシ化合物の自己重合反応の触媒として作用する成分である。
ガリウム化合物は上記作用を示すものであればよく、次の候補化合物から選択することができる:キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム、オキシ酢酸ガリウム、トリエトキシガリウム、トリス(8−キノリノラト)ガリウム、シュウ酸ガリウム、エチルキサントゲン酸ガリウム、ジエチルエトキシガリウム、マレイン酸ガリウム等。n−オクチル酸、2−エチルヘキサン酸、ナフテン酸などの長鎖カルボン酸のガリウム塩等。
式(15)の化合物の具体例としてはアセチルアセトン、トリフルオロアセチルアセトン、ペンタフルオロアセチルアセトン、ヘキサフルオロアセチルアセトン等が、式(16)の化合物の具体例としてはエチルアセトアセテート等が、式(17)の化合物の具体例としてはジエチルマロネート等が挙げられる。
式(18)の化合物の具体例としては、サリチルアルデヒド、エチル−O−ヒドロキシフェニルケトン等が挙げられる。
キレート配位子を有するガリウム錯体はガリウム化合物の好適例であり、その中でもガリウムアセチルアセトネートは特に好適に使用することができる。
Ga触媒を用いるとAl触媒に比べて硬化物の加熱による重量減少が少ない。特に硬化物がシロキサン構造を含む場合にはAl触媒に比べて硬化物の加熱による重量減少が少ない。
(B)ガリウム化合物は、(A)エポキシ化合物100重量部に対して通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重量部以上、また5.0重量部以下、好ましくは1.0重量部以下である。
シラノール源化合物はシラノールの供給源たる化合物である。シラノールは、前述のガリウム化合物と組み合わされて、エポキシ化合物の自己重合反応の触媒として作用する。
シラノールの役割は、エポキシ化合物の自己重合反応の開始に必要なカチオン源であると考えられる。シラノール源化合物のケイ素原子にフェニル基等の芳香族基が結合している場合には、この芳香族基はシラノール水酸基の酸性度を高める働き、つまり、シラノールのカチオン源としての作用を強める働きをしていると考えられる。
(R21 3SiO1/2)a2(R22 2SiO2/2)b2(R23SiO3/2)c2(SiO4/2)d2(O1/2H)e2 ・・・(19)
式(19)において、R21、R22、R23はそれぞれ独立して1価の有機基を示す。
物との相溶性を確保する観点から、該オルガノポリシロキサンはケイ素原子に結合した芳香族基を有するものであることが好ましい。
シラノール源化合物がオルガノポリシロキサンである場合、その重量平均分子量については、熱硬化性樹脂組成物の硬化中あるいは硬化後に揮発しないように、500以上であることが好ましく、700以上であることがより好ましい。一方、重合度が高過ぎると粘度が高くなって取り扱い性が悪くなることから、該重量平均分子量は20,000以下であることが好ましく、15,000以下であることがより好ましい。
シラノール源化合物として好適に使用できるオルガノポリシロキサンとして、上記式(2)、式(20)〜式(23)で表される構造を有するものが挙げられる。
また、(B)ガリウム化合物と(C)シラノール源化合物の含有比は重量比で1:0.05〜0.001:100が好ましく、より好ましくは1:10〜0.01:100である。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物においては、エポキシ化合物とシラノール源化合物のいずれか一方、または両方が、オルガノポリシロキサン構造部分を有し得る。その場合に、オルガノポリシロキサン構造部分にシラノールを導入すると、ガリウム化合物がシラノール間の脱水縮合触媒として作用するので、エポキシ化合物の自己重合反応とシラノール縮合反応の両方が硬化に関与する、耐熱性の良好な熱硬化性樹脂組成物が得られる。ガリウム化合物はシラノールとアルコキシ基の間の脱アルコール縮合反応の触媒にもなるので、オルガノポリシロキサン構造部分にシラノールとアルコキシ基を導入した場合も同様の効果が得られる。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、上述の成分の他に、物性改善、機能付与等の観点から、分散剤、酸化防止剤、消泡剤、着色剤、変性剤、レベリング剤、光拡散剤、熱伝導性、難燃剤、反応性または非反応性の希釈剤、接着、密着性向上剤等の添加剤または各種フィラーをさらに含有してもよい。
フィラーとしては、一般的な有機フィラー、無機フィラーのいずれも使用することができる。有機フィラーとしては、スチレン系ポリマー粒子、メタクリレート系ポリマー粒子、エチレン系ポリマー粒子、プロピレン系ポリマー粒子、ポリアミド系等の合成ポリマー粒子、デンプン、木粉等の天然物、変性されていてもよいセルロース、各種有機顔料などが挙げられる。無機フィラーとしては、無機物もしくは無機物を含む化合物であれば特に限定されないが、具体的に例えば、石英、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、溶融シリカ、結晶性シリカ、超微粉無定型シリカ等のシリカ系無機フィラー、アルミナ、ジルコン、酸化鉄、酸化亜鉛、酸化チタン、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミ、炭化ケイ素、ガラス繊維、ガラスフレーク、アルミナ繊維、炭素繊維、マイカ、黒鉛、カーボンブラック、フェライト、グラファイト、ケイソウ土、白土、クレー、タルク、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マンガン、炭酸マグネシウム、硫酸バリウム、チタン酸カリウム、ケイ酸カルシウム、無機バルーン、銀粉等を挙げることができる。
フィラーの添加量は特に限定されない。
フィラーの混合の順序としては、特に限定されないが、混合時の発熱による硬化反応の進行を防ぐため、ガリウム化合物、シラノール源化合物、その他のエポキシ樹脂硬化に使用される触媒の非存在下でエポキシ化合物と混合することが望ましい。
、常温で行ってもよいし加熱して行ってもよく、また、常圧下で行ってもよいし減圧状態で行ってもよい。混合する際の温度が高いと、成型する前に組成物が硬化する場合がある。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、使用環境下での黄変を抑制するために、酸化防止剤を含有させることができる。
フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、ヒンダードアミン系等が好適に用いられるが、なかでも、フェノール水酸基の片側あるいは両側のオルト位にアルキル基を有するヒンダードフェノール系酸化防止剤が特に好適に用いられる。
ガリウム化合物と、シラノール源化合物から供給されるシラノールの触媒作用を阻害しない限りにおいて、通常のエポキシ樹脂硬化に使用される触媒を併用することができる。例えば、ベンジルジメチルアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール、シクロヘキシルジメチルアミン、トリエタノールアミン等の3 級アミン類;2−メチルイミダゾール、2−n−ヘプチルイミダゾール、2−n−ウンデシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジ(ヒドロキシメチル)イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−フェニル−4,5−ジ〔(2’−シアノエトキシ)メチル〕イミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−n−ウンデシルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテート、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾリウムトリメリテート、2,4−ジアミノ−6−〔2 ’−メチルイミダゾリル−(1′)〕エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−(2 ’−n−ウンデシルイミダゾリル)エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1′)〕エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾールのイソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1′)〕エチル−s−トリアジンのイソシアヌル酸付加物等のイミダゾール類;ジフェニルフォスフィン、トリフェニルフォスフィン、亜リン酸トリフェニル等の有機リン系化合物;ベンジルトリフェニルフォスフォニウムクロライド、テトラ−n−ブチルフォスフ
ォニウムブロマイド、メチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、n−ブチルトリフェニルフォスフォニウムブロマイド、テトラフェニルフォスフォニウムブロマイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムヨーダイド、エチルトリフェニルフォスフォニウムアセテート、メチルトリブチルホスホニウムジメチルホスフェート、テトラブチルホスホニウムジエチルホスホジチオネート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムベンゾトリアゾレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフルオロボレート、テトラ−n−ブチルフォスフォニウムテトラフェニルボレート、テトラフェニルフォスフォニウムテトラフェニルボレート等の4 級フォスフォニウム塩類;1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7やその有機酸塩等のジアザビシクロアルケン類;オクチル酸亜鉛、アクチル酸錫、アルミニウムアセチルアセトン錯体等の有機金属化合物;テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロマイド等の4級アンモニウム塩類;三フッ化ホウ素、ホウ酸トリフェニル等のホウ素化合物;塩化亜鉛、塩化第二錫等の金属ハロゲン化合物のほか、ジシアンジアミドやアミンとエポキシ樹脂との付加物等のアミン付加型促進剤等の高融点分散型潜在性硬化促進剤; 前記イミダゾール類、有機リン系化合物や4級フォスフォニウム塩類等の硬化促進剤の表面をポリマーで被覆したマイクロカプセル型潜在性硬化促進剤; アミン塩型潜在性硬化剤促進剤; ガリウム化合物以外のルイス酸塩、ブレンステッド酸塩等の高温解離型の熱カチオン重合型潜在性硬化促進剤等の潜在性硬化促進剤等を挙げることができる。
本発明の実施形態に係る熱硬化性樹脂組成物には、硬化助剤として酸無水物を含有させることができる。酸無水物の種類に特に制限はないが、該樹脂組成物を光半導体デバイスに使用する場合には、耐光性の観点から脂環式カルボン酸無水物を使用することが好ましい。
また、前記脂環式カルボン酸無水物は、硬化反応を実質的に妨げない限り、適宜に化学的に変性して使用することもできる。
酸無水物を含有することで、エポキシ反応速度の制御、ハンドリング、レベリングの向上、着色防止等の効果が得られる場合がある。酸無水物の含有量としては特に制限はないが、エポキシ量に対して1.5当量以下であることが好ましい。より好ましくは1当量以下、更に好ましくは0.8当量以下である。
本発明の熱硬化性樹脂組成物には、金属部品や無機フィラーに対する接着性を良好にするためにシランカップリング剤を含有させることができる。
具体例として、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
ガリウム化合物と、シラノール源化合物から供給されるシラノールの触媒作用によるエポキシの反応を阻害しない限りにおいて、通常のシラノール硬化に使用される触媒を併用することができる。
具体例として、脱水・脱アルコール縮合反応触媒が挙げられる。前記反応触媒には、有機金属錯体触媒、金属と有機酸の塩、ルイス酸・ルイス塩基触媒からなる群から選ばれる少なくとも1つを含有することが好ましい。脱水・脱アルコール縮合反応触媒に含まれる金属成分としては、Sn、Zn、Fe、Ti、Zr、Bi、Hf、Y、Al、B、Gaなどから選ばれる1以上を用いるのが好ましく、中でもSn、Ti、Al、Zn、Zr、Hf、Gaは反応活性が高いという点で好ましく、発光デバイス用部材として用いる場合に電極腐食や光吸収が少なく適度な触媒活性を有し、ジメチルポリシロキサン鎖の不要な切断劣化が起こりにくいZrやHfが特に好ましい。
本発明の実施形態に係る上記熱硬化性樹脂組成物は、上記成分(A)〜(C)と、必要に応じてフィラー、希釈剤、酸化防止剤などのその他の成分を混合することにより製造することができる。
この熱硬化性樹脂組成物は、保存安定性を考慮して2液硬化型としてもよい。
本発明の実施形態に係る上記熱硬化性樹脂組成物を硬化させるために行う加熱の方法は、特に限定されるものではなく、例えば、熱風循環式加熱、赤外線加熱、高周波加熱等の従来公知の方法を採用することができる。
熱処理条件は、熱硬化性樹脂組成物を所望の硬化状態にすることができればよく、特に制限はない。
本発明の実施形態に係る上記熱硬化性樹脂組成物の用途は特に限定されず、LEDデバイスのような発光デバイスを含む各種の半導体デバイスに、封止材等として用いることができる。
発光デバイスにおいては、例えば、半導体発光素子の封止材料、半導体発光素子をパッケージ、リードフレーム等に固定するための接着剤(ダイボンド剤)、パッケージを構成する構造材料、高反射コーティング材など、各種の用途に使用することができる。
LED素子1は、近紫外領域、紫領域または青領域の波長の光を発するInGaN系LEDである。
樹脂成形体2はリードフレーム5と共に成形されており、カップ型を呈している。
ボンディングワイヤ3は、LED素子1とリードフレームの一方側とを電気的に接続している。
LED素子1は導電性粒子の添加により導電性を付与されたダイボンド剤を用いてリードフレームの他方側に接着固定されたうえ、蛍光体を混合した封止材4により封止されている。
1.硬化機構の同定
ガリウム化合物およびシラノール源化合物の存在下でエポキシ化合物を加熱したときに生じる反応の同定を試みた。以下に詳細を記す。
エポキシ化合物として、シクロヘキセンオキシド(和光純薬工業社製)を用いた。この化合物は単官能エポキシ化合物であり、重合したときに3次元架橋構造を形成しない。
ガリウム化合物としては、ガリウムアセチルアセトネートを用いた。
シラノールとしては、式(31)で表される、水酸基が結合しているケイ素原子を両末端に有する、ポリスチレン換算の重量平均分子量約900のポリメチルフェニルシロキサン(BLUESTARS SILICONES社製 FLD516:以下、SOL−1と称す)を用いた。
下記のようにしてサンプル1〜4を準備した。
5.03gのシクロヘキセンオキシドに0.59gのSOL−1を加え混合することによりサンプル1を得た。
シュレンク管を用いて、サンプル1(5.03gのシクロヘキセンオキシドと0.59gのSOL−1の混合物)を窒素気流下、120℃で7時間撹拌することによりサンプル2を得た。
0.047gのガリウムアセトアセトナートを2.36gのSOL−1に溶解して2.0%のGa(acac)3溶液を得た。
サンプル4におけるSOL−1の含有量はサンプル1および2と同じく、シクロヘキセンオキシド100重量部に対して12重量部である。また、サンプル4におけるGa(acac)3の含有量はサンプル3と同じく、シクロヘキセンオキシド100重量部に対して0.04重量部である。
サンプル1〜4のそれぞれについて、1H−NMR分光法を用いてエポキシ基の反応率を評価するとともに、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィ)によりシクロヘキセンオキシドの重合体が含有されるか否かを調べた。
1H−NMRスペクトルの測定はブルカーバイオスピン(株)製AVANCE400を用いて、磁場400MHz、温度25℃という条件で行った。溶媒には重クロロホルムを用い、試料濃度は約5wt%とした。基準物質にはテトラメチルシランを用いた。
サンプル1〜4の1H−NMRスペクトルを、図1〜4にそれぞれ示す。
シクロヘキセンオキシドのエポキシメチン基に由来する3.1ppmのシグナル、および、シクロヘキセンオキシドのメチレン基に由来する1〜2ppmのシグナル群は、4つのサンプルの全てで観測された。
サンプル4では3.4ppmにオキシメチン基に由来するシグナルが観測された。3.1ppmのシグナルと3.4ppmのシグナルの積分強度比から、シクロヘキセンオキシドのエポキシ基の反応率(エポキシメチンからオキシメチンへの転化率)は38%と見積
もられた。
サンプル1および2ではGPCチャートにシクロヘキセンオキシド単量体のピークとSOL−1のピークが現れた。また、サンプル3ではシクロヘキセンオキシド単量体のピークのみが観察された。
一方、サンプル4ではGPCチャートにシクロヘキセンオキシドの重合体のピークが観測され、その重量平均分子量(Mw)は1800であった。
GPC結果は、ガリウムアセチルアセトネートおよびSOL−1の存在下で加熱処理を行ったサンプル4においてのみ、シクロヘキセンオキシドの重合が起こったことを示している。そして、1H−NMRスペクトルにオキシメチン基に由来するシグナル(3.4ppm)が観測されたのは、そのサンプル4のみであった。このことは、ガリウムアセチルアセトネートおよびSOL−1の存在下で生じたシクロヘキセンオキシドの重合反応が、エポキシ基の開環を伴う自己重合反応であった可能性が高いことを示している。
1.硬化性の評価
1.1 材料
この実験では以下に記す材料を使用した。
<2官能エポキシ化合物>
2官能エポキシ化合物として、式(32)で表される構造を有する3,4−エポキシシクロヘキシルメチル‐3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート[(株)ダイセル製 CEL2021P]を用いた(以下ではこの化合物をEPC−1と略して呼ぶ)。
ガリウム化合物としては、3価ガリウムのアセチルアセトン錯体であるガリウムアセチルアセトネート(Strem Chemicals, Inc.製)を用いた。この化合物は、ガリウムトリアセチルアセトネート、トリス(アセチルアセトナト)ガリウム、トリス(2,4−ペンタンジオナト)ガリウムなどとも呼ばれることがある。また、Ga(acac)3と表記されることがある。
3種類のシラノール化合物を用いた。
一番目のシラノール化合物は、式(33)で表される、水酸基が結合したケイ素原子を両末端に有する、ポリスチレン換算の重量平均分子量約900のポリメチルフェニルシロキサン(BLUESTAR SILICONES社製 FLD516)である(以下ではこの化合物をSOL−1と略して呼ぶ)。
LS−4320]である(以下ではこの化合物をSOL−2と略して呼ぶ)。
三番目のシラノール化合物は、式(34)で表される、水酸基が結合したケイ素原子を両末端に有する、ポリスチレン換算の重量平均分子量約500のポリジメチルシロキサン[モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン(同)製 XC96−723]である(以下ではこの化合物をSOL−3と略して呼ぶ)。
上記材料を組み合わせて、表1に組成を示す7種類のエポキシ組成物(組成物1〜7)を調製した。
組成物1及び2の調製時にはこのGa(acac)3溶液をEPC−1と混合したのに対し、組成物3〜5の調製時には固体のガリウムアセチルアセトネートを直接EPC−1に溶解させた。なお、EPC−1の量を基準としたガリウムアセチルアセトネートの使用量は、組成物1〜5のいずれにおいても同じである。
硬化性を評価するために、表1に示す7種類のエポキシ組成物に対して下記の熱処理を
行いゲル化率を測定した。
ゲル化率については、EPC−1がTHF(テトラヒドロフラン)に対して高い溶解性を示すことから、熱処理後のエポキシ組成物に含まれるTHF不溶成分の重量比とすることにした。
<熱処理>
約2gのエポキシ組成物を内径5cmのアルミカップに入れ、恒温槽中にて、まず120℃で30分間保持し、次いで150℃で150分間保持した。
<ゲル化率の測定>
上記熱処理後のエポキシ組成物1.0gに対し50gのTHF(テトラヒドロフラン)を加え、室温下で撹拌した。1時間の撹拌後、THFに溶解しなかった成分を吸引濾過によって回収し、80℃にて真空乾燥したうえでその重量を測定した。このTHF不溶成分の重量を、THFを加える前のエポキシ組成物の重量(1.0g)で除算することにより、ゲル化率を算出した。
エポキシ組成物が入ったアルミカップを恒温槽から取り出し、温度が室温まで下がったところで該アルミカップを約45度傾けたときに、内部のエポキシ組成物が流動した場合には「流動性あり」、流動しなかった場合には「流動性なし」と判定した。
結果は表2に示す。
表2に示すように、熱処理により流動性が喪失したのは組成物1〜4であり、これらの組成物においてはゲル化率が90%を超える値となった。
組成物1〜4の共通点は、ガリウムアセチルアセトネートとシラノールの両方を含有することである。
この結果は、ガリウムアセチルアセトネートおよびシラノールの両方の存在が、2官能エポキシ化合物であるEPC−1が重合して3次元架橋構造を形成するための必要十分条件であることを証拠付けるものといえる。
SOL−3の重縮合が主たる要因となって、組成物1〜4が熱硬化した可能性は無いと考えられる。その理由として、組成物1〜4におけるSOL−1、SOL−2及びSOL−3の含有量が、重量比でEPC−1の10分の1以下であることが挙げられる。また、SOL−1、SOL−2及びSOL−3はいずれも1分子中のシラノール水酸基の数が2個であり、重縮合しても3次元架橋構造を形成しない化合物であることが挙げられる。ただし、組成物1〜4において、SOL−1、SOL−2及びSOL−3の重縮合が生じた可能性を否定するものではない。
<合成例1>
Mw=900のヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサン23.0g、エポキシ基含有アルコキシシランとして2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン60g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.250g、トルエン50gを混合した後、50℃で9時間加熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してポリシロキサンEPSi−1を得た。
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン64.8g、トリメチルエトキシシラン40.1g、イソプロピルアルコール45g及び1N塩酸24.39gを混合し、室温で3h攪拌し、さらに水酸化カリウム1.51gとイソプロピルアルコール148gを加えてイソプロピルアルコールの還流条件で4時間過熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=1000のポリシロキサンEPSi−2を得た。
流動性の評価は、上述の実施例1に準じて行った。また、本実施例では、熱処理後の硬度も測定した。硬度の測定は、JIS K6253に準拠して、硬度計としてアスカーゴム硬度計A型(高分子計器株式会社製測定器)を、荷重器としてゴム硬度計用定圧荷重器CL−150(高分子計器株式会社製)を用いて、ショアA硬さを測定した。
Mw=900のヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサン50.0g、エポキシ基含有アルコキシシランとして2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン3.45g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.250g、トルエン5.94gを混合した後、50℃で9時間加熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=20000のポリシロキサン(A)−1を得た。
(R1R2R3SiO1/2)a(R4R5SiO2/2)b(R6SiO3/2)c(SiO4/2)d(O1/2R7)e ・・・(36)
Mw=900のヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサン50.0g、フェニルトリメトキシシラン0.91g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.25g、トルエン21.8gを混合した後、80℃で6時間加熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=13000のポリシロキサン(B)−1を得た。
(R8R9R10SiO1/2)al(R11R12SiO2/2)bl(R13SiO3/2)cl(SiO4/2)dl(O1/2R14)el ・・・(37)
Mw=900のヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサン40.0g、エポキシ基含有アルコキシシランとして2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン7.90g、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン0.400g、2−プロパノール17.0gを混合した後、80℃で5時間加熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=2500のポリシロキサン(A)−2を得た。
得られたポリシロキサン(A)−2は前記式(36)において、a=0、b=0.902、c=0.0984、d=0であった。
以下に示す各成分を表5に示す割合で配合し、以下に示す方法にしたがって熱硬化性樹脂組成物を調製した。なお、各成分としては、以下に示すものを用いた。
(A) エポキシ基を有するポリシロキサン
(A)−1:合成例3で作成したポリシロキサン
(A)−2:合成例5で作成したポリシロキサン
(B) 芳香族基を有するポリシロキサン
(B)−1:合成例4で作成したポリシロキサン
(B)−2:ヒドロキシ末端メチルフェニルポリシロキサン(Mw=900)
(C) ガリウム化合物((C)−2はその他の硬化触媒)
(C)−1:ガリウムアセチルアセトナート
(C)−2:アルミニウムエチルアセチルアセトナート
(D) 酸無水物化合物
(D)−1:4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸/ヘキサヒドロ無水フタル酸混合物 MH700(新日本理化株式会社)
(表5において、fの値は、組成物中のエポキシ総量に対する酸無水物のモル比を示す。)
(E) エポキシ化合物
(E)−1:3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3′4′−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート
得られた液を80℃で0.5時間、次いで、150℃で2.5時間加熱し、硬化試験を行った。
<合成例6>
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン37.6g、Mw=700のヒドロキシ末端ジメチルポリシロキサン14.6g、イソプロピルアルコール22.5g及び1N塩酸11.00gを混合し、室温で3h攪拌し、さらに水酸化カリウム0.74gとイソプロピルアルコール160gを加えてイソプロピルアルコールの還流条件で4時間過熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=2000のポリシロキサンEPSi−3を得た。
流動性およびゲル化率の評価は、上述の実施例1に準じて行った。
結果を表8に示す。
2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン64.8g、トリメチルエトキシシラン40.1g、イソプロピルアルコール45g及び1N塩酸24.39gを混合し、室温で3h攪拌し、さらに水酸化カリウム1.51gとイソプロピルアルコール148gを加えてイソプロピルアルコールの還流条件で4時間過熱攪拌操作を行った。その後、リン酸二水素ナトリウム水溶液(10質量%)で反応液を中和してから、洗浄後の水が中性になるまで水洗後、減圧下で揮発成分を除去してMw=1000のポリシロキサンEPSi−4を得た。
合成例7で作製したEPSi−4、ポリスチレン換算の重量平均分子量約900のポリメチルフェニルシロキサン(BLUESTAR SILICONES社製 FLD516)、トリエトキシガリウム、酸無水物MH700(新日本理化社製)、及び脂環式エポキシC2021P(ダイセル社製)を表1の割合(重量比)で混合した。
結果は表10に示した。
2 樹脂成形体
3 ボンディングワイヤ
4 封止材
5 リードフレーム
Claims (24)
- エポキシ化合物と、ガリウム化合物と、シラノール源化合物とを含有する熱硬化性樹脂組成物。
- 上記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物を含む、請求項1に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 上記シラノール源化合物がオルガノポリシロキサンを含む、請求項1または請求項2に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 上記シラノール源化合物が、モノシラン化合物を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 上記ガリウム化合物が、キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム及びトリエトキシガリウムから選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれかに記載の熱硬化性樹脂組成物。
- 上記キレート配位子を有するガリウム錯体が、ガリウムトリアセチルアセトネートを含む、請求項5に記載の熱硬化性樹脂組成物。
- エポキシ化合物に、ガリウム化合物およびシラノール源化合物を混合するステップを有する、熱硬化性樹脂組成物の製造方法。
- 上記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物を含む、請求項7に記載の製造方法。
- 上記シラノール源化合物がオルガノポリシロキサンを含む、請求項7または8に記載の製造方法。
- 上記シラノール源化合物が、モノシラン化合物を含む、請求項7〜9のいずれかに記載の製造方法。
- 上記ガリウム化合物が、キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム及びトリエトキシガリウムから選択される少なくとも1種を含む、請求項7〜10のいずれかに記載の製造方法。
- 上記キレート配位子を有するガリウム錯体が、ガリウムトリアセチルアセトネートを含む、請求項11に記載の製造方法。
- エポキシ化合物を、ガリウム化合物およびシラノールの存在下で加熱するステップを含む、樹脂硬化物の製造方法。
- 上記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物を含む、請求項13に記載の製造方法。
- 上記シラノールの供給源としてオルガノポリシロキサンを用いる、請求項13または14に記載の製造方法。
- 上記シラノールの供給源として、モノシラン化合物を用いる、請求項13〜15のいずれかに記載の製造方法。
- 上記ガリウム化合物として、キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム及びトリエトキシガリウムから選択される少なくとも1種を含む、を用いる、請求項13〜16いずれかに記載の製造方法。
- 上記キレート配位子を有するガリウム錯体が、ガリウムトリアセチルアセトネートを含む、請求項17に記載の製造方法。
- エポキシ化合物の自己重合を発生させる方法であって、ガリウム化合物およびシラノールを触媒として添加するステップを含む方法。
- 上記エポキシ化合物が脂環式エポキシ化合物を含む、請求項19に記載の方法。
- 上記シラノールの供給源としてオルガノポリシロキサンを用いる、請求項19または20に記載の方法。
- 上記シラノールの供給源として、モノシラン化合物を用いる、請求項19〜21のいずれかに記載の方法。
- 前記ガリウム化合物が、キレート配位子を有するガリウム錯体、酢酸ガリウム及びトリエトキシガリウムから選択される少なくとも1種を含む、を含む、請求項19〜22のいずれかに記載の方法。
- 上記キレート配位子を有するガリウム錯体が、ガリウムトリアセチルアセトネートを含む、請求項23に記載の方法。
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