JPWO2018021390A1 - 採便シート - Google Patents

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Abstract

【課題】 洋式便器の貯水部分に浸すことなく、且つ採便を確実に行えるようにし、さらに、便器へ粘着剤を用いることなく取り付け可能な採便シートを得る。【解決手段】 中央に便受け部2を設けた上層シート1と、上層シート1の左右両側縁部に延設され、上層シート1との間に便座を通すための間隙を形成可能な下層シート9からなる筒状の採便シートSである。上層シート1及び下層シート9は水溶性の材質からなり、上層シート1には、広げることにより便受け部2を下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部10を備えた。【選択図】 図1

Description

本発明は中央に便受け部を設けた上層シートと、前記上層シートの左右両側縁部に延設され、前記上層シートとの間に便座を通すための間隙を形成可能な下層シートからなる筒状の採便シートに関する。
検便は大腸癌をはじめとする消化器系疾患の検査、細菌や寄生虫感染検査等において世界中で行われている。特に近年、大腸癌のスクリーニング検査における便潜血検査数が急増し、国内で年間少なくとも700万件ほど実施されている。
また、欧米を中心に実施された2000年代後半のヒト常在菌叢のゲノム解析プロジェクトも相まって、「腸内細菌叢(腸内フローラ)」に関する研究が急速に進展し、免疫系・代謝系・神経系等の各種疾患における重要な役割が示されてきている。世界的に見て腸管細菌叢研究への資金拠出は2008年以降の約5年間で289百万ドルである。しかもその額は年々増加していることから、非常に注目されている研究分野といえる。この腸管細菌叢研究においても「便検体採取」は必須であり、かかる研究分野における検便の実施も今後増加すると考えられている。
検便のための便検体の採取方法としては、和式便器の場合には、便器の上に直接、あるいは便器内にトイレットペーパーや新聞紙等を敷き、その上に排便を行ったうえで採便用スティックに付着させたり採便用カップですくったりする方法が行われている。一方、近年洋式便器が増加しているが、かかる洋式便器の場合には、便器の貯水部分の手前側にトイレットペーパー等を敷いたうえで、通常利用する場合の向きとは逆方向に向かって座り、該トイレットペーパー等の上に排便して採取する方法が一般的に行われているが、トイレットペーパーが濡れないように配慮する必要があることや、便が便器内の貯水部分へ滑落することを防ぐ必要があることや、通常と異なるスタイルで座るため、排便がスムーズに行えない等の問題があった。
また、洋式便器の場合には、便器内の貯水部分に水溶性排便シートを浮かせてそのシート上に排便する方法も行われている。かかる方法に用いる水溶性排便シートとして、水分散紙からなるベース基材の一面又は両面に、耐水剤で耐水処理を行い、水分散性を時間的に調整することを特徴とする採便用シート(特許文献1参照)や、水溶紙からなるシート本体の少なくとも一面に耐水処理剤で耐水処理を施して水溶解性を調整した採便用便受けシート(特許文献2参照)が提案されている。しかしながら、水に浮かせて一定時間以内に採便することが必要とされるため、「早く排便しないとシートが溶けてしまう」という心理的圧迫により排便が円滑にできないことや、排便後に排尿をしてしまった場合には尿の排出路がないため、便表面に付着する血液成分が尿で洗い流されてしまい、便潜血検査を正しく行うことができなくなることや、排便前後に排尿してしまった場合、水溶性シートの分解が促進されてしまい、結果として便が水没する恐れがあること等の問題があった。
一方、洋式便器の場合において、便採取部を貯水部分の上方の所定の位置に固定させる方法も行われている。かかる方法に用いる水溶性排便シートとして、採取テープの長さは45cm〜50cmで幅は2.5cm〜5cm程で裏面両サイドへ剥離紙付きの両面テープを貼付し、採取テープの上面中央へ離脱機構を有す水溶性の採取マットを、採取テープに開けられた2個の穴を介して、裏側より離脱テープで接合され便器内側へ適度の撓みを有すことを特徴とする検便用採取具(特許文献3参照)や、少なくとも両端縁部が便器の左右縁上に重なる長さLと中間部の糞便受け部の幅が少なくとも糞便を受けるに足りる幅に形成した水解性のシート本体と、剥離テープで覆われた水解性の両面接着テープとからなり、該両面接着テープを前記シート本体の両端縁部の片面に貼着したことを特徴とする採便用シート(特許文献4参照)が提案されている。しかしながら、テープ等の粘着剤を用いてシートを固定する必要があることから、汚れた便器にテープを張り付け又は剥がす作業が必要となり、汚れた便器に手が触れる可能性もあることから衛生面的に抵抗感が生じることや、粘着剤が便器に残った場合にはその後の便器の使用により便器に汚れが付着しやすくなることや、粘着剤には非水溶性の剥離紙がついていることが多く、かかる剥離紙は粘着剤からはがした後に便器に流すことができない等の問題があった。
特開2005−017252号公報 特開平10−068726号公報 特開2004−085520号公報 特開平7−270403号公報
本発明の課題は、洋式便器の貯水部分に浸すことなく、且つ採便を確実に行えるようにし、さらに、便器へ粘着剤を用いることなく取り付け可能な採便シートを提供することにある。
本研究者らは、現行の採便シートでは便検体の適切な採取が困難なことや、衛生面的に抵抗感がある等の問題があるため、採便シート改良の必要性を感じていた。そこで、様々な改良をした中で、粘着剤を用いなくても、シートを筒状とすることでシートを便座に備え付けることが可能であることを見出した。さらに、採便シートに設けられた便受け部に山折り線と谷折り線を備え、下層シート側に膨らんだ立体形状が形成可能とすることで、採便をより効率よく可能であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、以下に記載の通りのものである。
請求項1に記載の発明は、中央に便受け部を設けた上層シートと、前記上層シートの左右両側縁部に延設され、前記上層シートとの間に便座を通すための間隙を形成可能な下層シートからなる筒状の採便シートであって、前記上層シート及び下層シートは水溶性の材質からなり、前記上層シートには、広げることにより前記便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部を備えていることを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、前記上層シートと前記下層シートの間に形成された隙間に便座に通すといった簡単な手段により前記採便シートを便座に容易に且つ確実に取り付けることができる。
また、上層シートに備えた畳み片部を下層シート側へ押し込み広げることにより便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成することができるので、便受け部に受けた便が便受け部から落ちることを防ぐことができる。
また、上層シート及び下層シートは水溶性の材質からなるので、採便後はそのまま水洗便器へ流すことができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の、前記水溶性の材質からなる前記上層シート及び下層シートは、水溶性の紙からなることを特徴としている。
請求項2に記載の発明によれば、前記上層シート及び下層シートは、水溶性の紙からなるので、安価に得ることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記上層シートに備えた折り畳み片部は、前記上層シートの前記便受け部に山折り線と谷折り線が設けられ、前記山折り線と前記谷折り線の端部が固着された構成となっており、前記山折り線と前記谷折り線に折られた折片を前記下層シート側へ広げることにより、前記便受け部を前記下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能としたことを特徴としている。
請求項3に記載の発明によれば、前記上層シートに備えた前記折り畳み片部を前記下層シート側へ押し込むことにより、前記山折り線と前記谷折り線に折られた前記折片が広げられ、これにより前記便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の、前記上層シートの前記便受け部に設けられた山折り線と谷折り線は互いに平行であることを特徴としている。
請求項4に記載の発明によれば、前記上層シートの前記便受け部に設けられた山折り線と谷折り線は互いに平行であるので、前記折り畳み片部を前記下層シート側へ押し込んだときの力は、前記山折り線と前記谷折り線に均等に分散して伝わることになり、前記山折り線と谷折り線に折られた前記折片を円滑に広げることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の、前記上層シートの前記便受け部に設けられた前記山折り線と前記谷折り線は、前記便受け部の前後方向に対して平行に設けられていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明によれば、前記上層シートの前記便受け部に設けられた前記山折り線と前記谷折り線は、前記便受け部の前後方向に対して平行に設けられているので、前記便受け部を安定した立体形状に形成することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の、前記上層シートの前記便受け部に設けられた前記山折り線と前記谷折り線は、前記便受け部の左右方向に対して平行に設けられていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明によれば、前記上層シートの前記便受け部に設けられた山折り線と谷折り線は、前記便受け部の左右方向に対して平行に設けられているので、前記便受け部を安定した立体形状に形成することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1または2に記載の、前記上層シートに備えた前記折り畳み片部は、前記上層シートの前方側縁部と後方側縁部が裏面側に折り返され、折り返された裏側シート片部と表側シート片部との左右の端縁が固着された構成となっており、前記裏側シート片部を表側シート片部の表側に起こして広げることにより、前記便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能としたことを特徴としている。
請求項7に記載の発明によれば、前記裏側シート片部を前記表側シート片部の表側に起こして広げることにより、前記便受け部を前記下層シート側に膨らんだ立体形状に形成することができるので、前記便受け部に受けた便が前記便受け部から落ちることを防ぐことができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の、前記上層シートと前記下層シートは、長方形のシート基材を2つ折りした2片のシート基材片からなり、一方の前記シート基材片を前記上層シートの前記表側シート片部とし、他方の前記シート基材片には、左右方向に平行な2本の切り込み線を形成し、2本の前記切り込み線の外側を前記上層シートに備えた折り畳み片部を構成する前記裏側シート片部とするとともに、2本の前記切り込み線の内側を前記下層シートとし、前記シート基材を2つ折りした2片の前記シート基材片を重ね、重ねた2片の前記シート基材片の開放された3方の端縁を固着したことを特徴としている。
請求項8に記載の発明によれば、構成が簡単なので、採便シートの作製が容易であり、安価に得ることができる。
本発明に係る採便シートによれば、便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成することができるので、便受け部に受けた便が便受け部から落ちることを防ぐことができる。また、採便シートが便器の貯水部分に接触することがないため、排便途中に採便シートが水に触れ溶ける心配をすることなく、自分のペースで排便が可能となる。また、上層シートと下層シートの間に形成された隙間に便座に通すといった簡単な手段により採便シートを便座に取り付けることができ、採便シートの便器への取り付けに粘着剤を用いないので、衛生面的に安心して取り付け及び取り外しが可能であると共に便器の汚れ付着防止を図ることが可能となる。さらに、採便シートは水溶性の材質からなるため、採便後は該シート全体をそのまま水洗便器へ流すことが可能となる。
(a)は、本発明に係る採便シートの実施の形態の第1例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す便受け部の左右方向のA−A断面図である。 図1に示す採便シートの便受け部を下層シート側に膨らませ、立体形状を形成させた状態を示す斜視図である。 図1に示す第1例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図である 図1に示す第1例の採便シートを便座に設置した状態を示す正面図である。 図1に示す第1例の採便シートを便座に設置した状態を示す平面図である。 (a)は、本発明に係る採便シートの実施の形態の第2例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す便受け部の前後方向のB−B断面図である。 図6に示す第2例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図である。 (a)は、本発明に係る採便シートの実施の形態の第3例を示す平面図であり、(b)は(a)に示す便受け部の左右方向のC−C断面図である。 図8に示す第3例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図である。 本発明に係る採便シートの実施の形態の第4例を示す平面図である。 図10に示す採便シートの底面図である。 図10に示す採便シートの便受け部を下層シート側に膨らませ、立体形状を形成させた状態を示す平面図である。 図12に示す採便シートの斜視図である。 図10に示す第4例の採便シートの作製方法の一例を示す工程図である。 図10に示す第4例の採便シートの作製方法の一例を示す工程図である。 図10に示す第4例の採便シートを便座に設置した状態を示す正面図である。
本発明の採便シートは、中央に便受け部を設けた上層シートと、前記上層シートの左右両側縁部に延設され、上層シートとの間に便座を通すための間隙を形成可能な下層シートからなる筒状の採便シートであって、上層シート及び下層シートは水溶性の材質からなり、上層シートには、広げることにより便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部を備えている。
上層シートは、左右方向の長さが45〜70cmである。上層シートの長さを45〜70cmとすることにより、上層シートと下層シートの間に形成される間隙に便座に通すことで、採便シートが便器内の貯水部分に触れることなく、かつシール等の粘着剤を用いることなく貯水部分の上方の所定の位置に上層シートに設けられた便受け部を位置させることが可能となる。
また、上層シートに設けられた便受け部の前方側縁部と後方側縁部の幅は、折り畳み片部を展開した状態で8〜30cmであり、好ましくは10〜25cm、より好ましくは12〜19cmである。便受け部の前方側縁部と後方側縁部の幅が8cm未満となると便を受けにくく、便の一部又は全部が採便シート上に残らない可能性が高くなり、30cmを超えると、尿が出た場合に上層シートが溶けて、受けた便が採便シートから落ちてしまう可能性が高くなる。
便受け部の左右方向(長手方向)の長さは特に制限されないが、折り畳み片部を展開した状態で5〜35cm、好ましくは10〜25cm、より好ましくは12〜19cmを挙げることができる。
上層シートの中央に設けられ、便を受ける便受け部は、下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部を備えている。かかる構成により、便が立体形状内に収まり、上層シートの便受け部で受けた便を下層シート面で保持しやすくなると共に、排便の際に便がお尻に付着することを防ぐことが可能となる。また、使用前は折り畳み片部を折り畳むことで立体形状がない平面状態とすることが可能であるため、採便シート全体を平面状にコンパクトに折り畳み可能である。これにより、採便者がトイレに入る前にはポケット等に収納可能であると共に、採便シートを採便のためのスティックや採便カップ等を含む採便キットと共に流通させる場合に、採便キットの容器内のわずかなスペースに採便シートを収納可能となる。
また、折り畳み片部を展開させ、下層シート側に膨らんだ立体形状に形成することにより、排出した便によってお尻が汚れる可能性を低減することが可能となる。さらに、大腸癌検査のための便DNA検査用又は腸内細菌叢検査用の検体には十分量の便が必要となるが、立体形状の形成により、十分量の便の採取がより容易となる。
また、便受け部において、シートを二層、三層、四層等の複数層にしたり、便受け部以外の部分よりも厚みを厚くしたり、便受け部以外の部分よりも耐水性を高める等により、水に対するほぐれを低下させ、万が一、尿やシャワートイレ等で濡れてもほぐれにくくすることができるほか、上層シート全体に対して便受け部を重くすることにより、自然と便受け部全体が下層シート側に撓みやすくすることができる。
また、上層シートの便受け部以外の部分の前後方向(短手方向)の幅は、便受け部を洋式水洗便器において貯水部分に触れない所定の位置に吊るすことが可能である限り特に制限されず、1〜40cmであっても、2〜35cmであっても、5〜30cmであっても、8〜25cmであっても、10〜20cmであっても、12〜19cmであってもよい。水洗時の負担を減らすため、水洗時に流す採便シート量を減らす観点からは前後方向の幅を狭くすればよく、採便者が上層シート上に座ることによる上層シートの汗によるほぐれや物理的な力による破断を防ぐ観点からは前後方向の幅を広くすればよい。便受け部と上層シートの便受け部以外の部分の前後方向の幅は同じであっても異なっていてもよいが、同じであると採便シートの加工が容易になる。
なお、上層シートの便受け部以外の部分は、便受け部を洋式水洗便器において貯水部分に触れない所定の位置に吊るすことが可能である限り、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、又は7枚等、複数枚の便受け部より前後方向の幅が狭いシートが並列して構成されていてもよいが、採便シートを便座に取り付ける容易さの観点からは枚数がより少ないことが好ましく、1枚から構成されることがより好ましい。
また、上層シートの便受け部以外の部分は排便者が便器に座る際に便座上に敷かれることとなることから、病院等の不特定多数の人が利用するトイレにおいても、衛生面的に安心感を与えることが可能となるほか、冬期等の寒い時期に便座の温度が低い場合にも、排便者の大腿部が直接便座に触れる面積が減少することから便座に座った際の冷たさを緩和することが可能となる。
下層シートは、上層シートの左右両側縁部に延設され、上層シートとの間に便座を通すための間隙を形成することを可能となっており、上層シートと下層シートにより筒状となるように構成されている。かかる構成により、採便シートは水によるほぐれを心配することなく長時間便を便受け部で保持することが可能であることから、便潜血検査用の検体を採取する際に、便表面をまんべんなく擦過する作業を容易に行うことができる。また、大腸癌検査のための便DNA検査用又は腸内細菌叢検査用に、十分量の便の採取が容易に行うことができる。
下層シートの前後方向(短手方向)の幅は特に制限されないが、1〜40cmであっても、2〜35cmであっても、5〜30cmであっても、8〜25cmであっても、10〜20cm、であっても、12〜19cmであってもよい。水洗時の負担を減らすため、水洗時に流す採便シート量を減らす観点からは狭くすればよい。また、便受け部と下層シートの前後方向(短手方向)の幅は同じであっても異なっていてもよいが、同じであることが採便シートの加工が容易となる。また、下層シートは2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、又は7枚等、複数枚の便受け部より前後方向の幅が狭いシートが並列して構成されていてもよいが、採便シートを便座に取り付ける容易さの観点からは枚数がより少ないことが好ましく1枚から構成されることがより好ましい。
下層シートの左右方向(長手方向)の長さは、45〜70cmである。上層シートと下層シートの左右方向の長さは同一でも異なってもよいが、同一であると採便シートの加工が容易となる。
上層シートと下層シートの材料は、水溶性の材質のものであれば特に制限されない。ここで、本発明における水溶性の材質とは、日本工業規格(JIS) P4501で規定されるほぐれやすさ試験における秒数として、90秒以下、好ましくは60秒以下、より好ましくは30秒以下、さらに好ましくは5秒以上30秒以下の材質を挙げることができる。かかる材質を備えた材料としては、水溶性の紙、水溶性ポリビニルアルコール等の水溶性ポリマー、水溶性不織布を挙げることができる。水溶性の材質からなることから、採便が完了したら、上層シート1と下層シート9の一部を破って便座から外れる状態とし、採便シートS全体をそのまま水洗することが可能となる。
また、上層シート及び/又は下層シートはエンボス加工されていてもよい。上層シート及び/又は下層シートにエンボス加工しておくと、排便する際に排便者の大腿部が上層シートに付着して上層シートが破れやすくなることを防ぐことや、排便者の使用感を向上させることが可能となる。
なお、採便シートの製造方法としては特に制限されないが、一枚のシートから製造しても、複数枚のシートから製造してもよい。製造する際の固着工程においては、水溶性テープを用いる方法や、水溶性の接着剤を用いる方法や、針なしステープラーを用いて固着する方法や、熱又は超音波によって固着する方法を挙げることができる。
以下、本発明に係る採便シートの実施例を図面を参照して詳細に説明する。
(第1例)
図1(a)は、本発明に係る採便シートの第1例を示す平面図、(b)は(a)に示す便受け部の左右方向のA−A断面図、図2は図1に示す採便シートの便受け部を下層シート側に膨らませ、立体形状を形成させた状態を示す斜視図、図3は図1に示す第1例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図、図4は図1に示す第1例の採便シートを便座に設置した状態を示す正面図、図5は図1に示す第1例の採便シートを便座に設置した状態を示す平面図である。
第1例の採便シートSは、中央に便受け部2を設けた上層シート1と、上層シート1の左右両側縁部に延設された下層シート9で構成されており、上層シート1と下層シート9の材料は、水溶性の材質のものが用いられている。上層シート1と下層シート9との間には、便座を通すための間隙を形成可能な筒状となっている。上層シート1には、広げることにより便受け部2を下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部10を備えている。
第1例では、折り畳み片部10は図1(a)、(b)に示すように、便受け部2に、便受け部2の前後方向に対して平行に設けられている山折り線3と谷折り線4で折り畳まれた構成となっている。山折り線3及び/又は谷折り線4の一端部又は両端部3a、4aの全部若しくは一部は展開できないように固着されている。
山折り線3及び/又は谷折り線4の端部3a、4aの一端側又は両端側の全部若しくは一部を固着しておくと、山折り線3と谷折り線4で折り畳まれた折り畳み片部10の折片10aを広げることにより、便受け部2を下層シート9側に膨らんだより採便しやすい立体形状に形成することができ、また、前方側縁部及び/又は後方側縁部に張力をもたらすことにより山折り3線及び/又は谷折り線4の端部3a、4a付近で受けた便が便受け部2から落ちることを防ぐことができる。
山折り線3及び/又は谷折り線4の端部3a、4aを固着する方法としては特に制限されないが、水溶性の接着剤を用いる方法や、該山折り線3及び/又は谷折り線4の端部3a、4aの上にさらに水溶性シールで固着する方法や、針なしステープラーを用いて固着する方法や、熱又は超音波によって固着する方法を挙げることができる。第1例では、山折り線3と谷折り線4の端部3a、4aは、長さ8cmの水溶性テープ5によって固着されている。
第1例では、便受け部2を畳んだ状態における前方側縁部と後方側縁部の幅X1は19cm、左右の幅Y1は12cmである。また、上層シート1の便受け部2以外の部分の幅X2も19cmである。さらに、上層シート1の左右方向の長さY2は52cmである。
図1(a)においては上層シート1によって見えないため図示していないが、上層シート1と同じ長さ及び幅の下層シート9が上層シート1の左右両側縁部に延設されて筒状となっている。下層シート9の前方側縁部と後方側縁部の両方には破線で表した切り込み部6を設けている。
折り畳み片部10を構成する便受け部2に設けられた山折り線3と谷折り線4にあっては、図1(b)に示すように、便受け部2の中心20に向かって前方に山折り線3が、後方に谷折り線4が位置している。
このように構成された折り畳み片部10を、下層シート9側に押し広げ、便受け部2の中心20から左右方向に展開させることにより、便受け部2は図2に示すように、下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成される。
立体形状に形成された便受け部2の前方側縁部と後方側縁部の幅X1は8〜19cmであり、左右の長さY1は12〜16cmである。X1に関しては、前後方向に力を加えることによりさらに短くなる。
上層シート1と下層シート9の材料は、水溶性の材質のものであれば特に制限されない。第1例では、上層シート1と下層シート9の材料として、水溶性の紙が用いられている。
第1例で用いた水溶性の紙の品質性能は以下のとおりである。
(1)紙の厚み 0.06mm/枚
(2)坪量 25g/m2
(3)引張強度(gf/25mm)
MD 2750g
CD 750g
(4)ほぐれ易さ(秒) 30秒以下
次に、第1例の採便シートSの作製方法の一例を、図3を参考に説明する。
まず、図3に示すように紙製のシートL1を準備したうえで以下の工程で作製する。図中の数値は長さ(mm)である。
(1)シートL1の斜線部をカットして除去する。f2にミシン目を入れる。
(2)f1の線でたたみ、便受け部を2層とし、便受け部の端2か所を針なしステープラーで固着する。
(3)山折り線(一点鎖線)を4本、谷折り線(鎖線)を4本形成する。
(4)中心方向に向かって山折り線を合わせる。
(5)水溶性テープで山折り線及び谷折り線の両端を固着する。
(6)f2の線で折り畳み、端部同士を針なしステープラーで固着する。
上記のように構成された第1例の採便シートSを便座に取り付けるには、まず便座を垂直方向に立てる、若しくは便座を手で便器から浮かせたうえで、便座シートSを構成する上層シート1と下層シート9の間に形成された隙間に便座を通して、便座シートSを奥側に設置し、その後便座を便器に置く。
次に、便受け部2が便を受けやすい位置となるように調整し、上層シート1全体を軽く下層方向に押し込み、折り畳み片部10を広げて便受け部2が下層シート9側に膨らんだ立体形状を形成するように展開する(図4、図5参照。)。
広げられた折り畳み片部10は、山折り線3と谷折り線4の端部3a、4aが水溶性テープ5によって固定されているので、展開した際に水溶性テープ5が1〜5.5cm程度内側に湾曲する。これにより、上層シート1が尿で濡れることによる上層シート1のほぐれをより防ぐことや、便検体が尿と混ざる可能性を低減することができる。また、水溶性テープ5により前後両側縁部に張りが生じることから、便受け部2の前後両側縁部からの便の落下をより防ぐことが可能である。
(第2例)
図6(a)は、本発明に係る採便シートの第2例を示す平面図、(b)は(a)に示す便受け部の前後方向のB−B断面図、図7は図6に示す第2例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図である。
第2例の採便シートについて、第1例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
第2例の採便シートSと第1例の採便シートSとの異なる点は、便受け部2に設けられた折り畳み片部10の構成である。第2例の畳み片部10は、図6に示すように、便受け部2の左右方向に対して平行に設けられている山折り線3と谷折り線4で折り畳まれた構成となっている。
山折り線3及び/又は谷折り線4の端部3a、4aは展開できないように固着されている。第2例では、山折り線3と谷折り線4の端部3a、4aは、長さ12cmの水溶性テープ5によって固着されている。
第2例では、便受け部2を畳んだ状態における前方側縁部と後方側縁部の幅X1は12cm、左右の幅Y1は19cmである。また、上層シート1の便受け部2以外の部分の幅X2も12cmである。さらに、上層シート1の左右方向の長さY2は52cmである。
図6(a)においては上層シート1によって見えないため図示していないが、上層シート1と同じ長さ及び幅の下層シート9が上層シート1の左右両側縁部に延設されて筒状となっている。
折り畳み片部10を構成する便受け部2に設けられた山折り線3と谷折り線4にあっては、図6(b)に示すように、便受け部2の中心20に向かって前方に山折り線3が、後方に谷折り線4が位置している。
このように構成された折り畳み片部10を、下層シート9側に押し広げ、便受け部2の中心20から前後方向に展開させることにより、図示しないが、便受け部2は下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成される。
立体形状に形成された状態における便受け部2の前方側縁部と後方側縁部の幅X1は12〜15cmであり、左右の長さY1は13〜19cmである。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
次に、第2例の採便シートSの作製方法の一例を、図7を参考に説明する。
まず、図7に示すように紙製のシートL2、シートS2の2枚のシートを準備したうえで以下の工程で作製する。図中の数値は長さ(mm)である。
(1)シートL2の両端から175mmのf3の線にミシン目を入れ、内側に折る。
(2)シートS2をf4の線で半分に折る
(3)山折り線(一点鎖線)を4本、谷折り線(鎖線)を6本形成する。
(4)中心に向かって山折り線を合わせる
(5)シートS2の山折り線及び谷折り線の両端をシートL2に水溶性テープで固着する。ここで、シートS2の山折り線及び谷折り線は便受け部の左右方向と平行になるようにシートL2に接着する。
上記のように構成された第2例の採便シートSを便座に取り付けるには、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
(第3例)
図8(a)は、本発明に係る採便シートの第3例を示す平面図、(b)は(a)に示す便受け部の左右方向のC−C断面図、図9は図8に示す第3例の採便シートの作製に用いる紙製のシートを示す平面図である。
第3例の採便シートについて、第1例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
第3例の採便シートSと第1例の採便シートSとの異なる点は、便受け部2に設けられた折り畳み片部10の構成である。
第3例の畳み片部10は、図8に示すように、上層シート1の前方側縁部と後方側縁部における便受け部2の上端の4つの隅7に位置する部分が、便受け部2の中心方向に傾斜する傾斜線に沿って谷折りされ固着され折り畳まれた構成となっている。
便受け部2を下層シート1側に展開して膨らませ、立体形状に形成された状態における便受け部2の前方側縁部と後方側縁部の幅X1は16〜17cmであり、左右の長さY1は13〜19cmであり、上層シート1の便受け部2以外の部分の前後方向の幅X2は19cmである。また、便受け部2の中心部には、幅7cm、長さ7cmの底部8が形成される。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
次に、第3例の採便シートSの作製方法の一例を、図9を参考に説明する。
まず、図9に示すように紙製のシートL3を準備したうえで以下の工程で作製する。図中の数値は長さ(mm)である。
(1)斜線部を切り取る
(2)f5の線で折りたたみ、針なしステープラーで2か所固着する。
(3)f6の線にミシン目を入れ、折りたたむ。
(4)端を針なしステープラーで5か所固着する。
(5)中心の対角線を折る(2本)。
(6)中心の正方形の周囲を折る(4本)。
(7)立体形状となるように折り、4つの隅を針なしステープラーで固着する。
上記のように構成された第3例の採便シートSを便座に取り付けるには、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
(第4例)
図10は本発明に係る採便シートの第4例を示す平面図、図11は図10に示す採便シートの底面図、図12は図10に示す採便シートの便受け部を下層シート側に膨らませ、立体形状を形成させた状態を示す平面図、図13は図12に示す採便シートの斜視図、図14、図15は第4例の採便シートSの作製方法の一例を示す工程図、図16は図10に示す第4例の採便シートを便座に設置した状態を示す正面図である。
第4例の採便シートについて、第1例と同一の構成については同一の符号を付しその説明を省略し、第1例と異なる構成についてのみ説明する。
第4例の採便シートSと第1例の採便シートSとの異なる点は、上層シート1に備えられた折り畳み片部10の構成である。
第4例では、折り畳み片部10は、上層シート1の前方側縁部と後方側縁部が裏面側に折り返され、折り返された裏側シート片部11と表側シート片部12との左右の端縁が固着された構成となっている。13は裏側シート片11と表側シート片12との左右の端縁を固着した固着部である。
さらに、折り畳み片部10には、上層シート1の左右の端部と上層シート1の中央に設けられた便受け部2との概ね中間位置で、裏側シート片部11と表側シート片部12の折り返し側の縁部同士を固着した固着部14が形成されている。
このように構成した折り畳み片部10の裏側シート片部11を表側シート片部12の表側に起こして広げることにより、便受け部2を下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成可能としている。
そして、折り畳み片部10には、上層シート1の左右の端部と上層シート1の中央に設けられた便受け部2との概ね中間位置で、裏側シート片部11と表側シート片部12の折り返し側の縁部同士を固着した固着部14が形成されているので、固着部14が裏側シート片部11の広がりを規制し、便受け部2の膨らみを安定させる。
その他の構成は第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
次に、第4例の採便シートSの作製方法の一例を図14、図15を参考に説明する。
まず、長方形のシート基材15を2つ折りし、一方のシート基材片15aを上層シート1の表側シート片部12とする。
他方のシート基材片15bには、左右方向に平行な2本のミシン目で形成した切り込み線16を形成し、2本の切り込み線16の外側を上層シート1に備えた折り畳み片部10を構成する裏側シート片部11とするとともに、2本の切り込み線16の内側を下層シート9とする(図14参照。)。
次に、2片のシート基材片15a、15bを重ね、2片のシート基材片15a、15bの開放された3方の端縁を固着する。15Aはシート基材片15a、15bの開放した左右の端縁を固着した固着部、15Bはシート基材片15a、15bの開放した前端縁を固着した固着部である。固着部15Aは裏側シート片11と表側シート片12との左右の端縁を固着した固着部13となる。固着部15Bは、上層シート1の表側シート片部12と、表側シート片部12の裏面側に折り返されている裏側シート片部11との折り返し部を形成する。このようにして上層シート1に折り畳み片部10を形成する。
さらに、折り畳み片部10には、上層シート1の左右の端部と上層シート1の中央に設けられた便受け部2との概ね中間位置で、裏側シート片部11と表側シート片部12の折り返し側の縁部同士を固着して固着部14を形成する(図15参照。)。
固着部13、14、15A、15Bにおける固着方法としては特に制限されないが、水溶性の接着剤を用いる方法や針なしステープラーを用いて固着する方法や、熱又は超音波によって固着する方法を挙げることができる。
このように構成した折り畳み片部10の裏側シート片11を表側シート片12の表側に起こして広げることにより、便受け部2を下層シート9側に膨らんだ立体形状に形成される(図12、図13参照。)。
そして、折り畳み片部10には、上層シート1の左右の端部と上層シート1の中央に設けられた便受け部2との概ね中間位置で、裏側シート片部11と表側シート片部12の折り返し側の縁部同士を固着した固着部14が形成されているので、固着部14により裏側シート片部11の広がりが規制され、便受け部2の安定した立体形状に形成することができる。
上記のように構成された第4例の採便シートSを便座に取り付けるには、第1例と同様に、まず便座を垂直方向に立てる、若しくは便座を手で便器から浮かせたうえで、便座シートSを構成する上層シート1と下層シート9の間に形成された隙間に便座に通して、便座シートSを奥側に設置し、その後便座を便器に置けばよい。
次に、便受け部2が便を受けやすい位置となるように調整し、折り畳み片部10の裏側シート片11を表側シート片12の表側に起こして広げ、便受け部2が下層シート9側に膨らんだ立体形状を形成するように展開する(図16参照。)。
その他は、第1例と同様なので、第1例を援用し、その説明を省略する。
S 採便シート
1 上層シート
2 便受け部
3 山折り線
3a 山折り線の端部
4 谷折り線
4a 谷折り線の端部
5 水溶性テープ
6 切り込み部
7 便受け部の上端の隅
8 底部
9 下層シート
10 折り畳み片部
10a 折片
11 裏側シート片部
12 表側シート片部
13、14 固着部
15 シート基材
15a、15b シート基材片
15A、15B 固着部
16 切り込み線
20 便受け部の中心
X1 前方側縁部と後方側縁部の幅
X2 上層シートの便受け部以外の部分の幅
Y1 便受け部における左右方向の長さ
Y2 上層シートの左右方向の長さ

Claims (8)

  1. 中央に便受け部を設けた上層シートと、前記上層シートの左右両側縁部に延設され、前記上層シートとの間に便座を通すための間隙を形成可能な下層シートからなる筒状の採便シートであって、前記上層シート及び下層シートは水溶性の材質からなり、前記上層シートには、広げることにより前記便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能な折り畳み片部を備えていることを特徴とする採便シート。
  2. 前記水溶性の材質からなる前記上層シート及び下層シートは、水溶性の紙からなることを特徴とする請求項1に記載の採便シート。
  3. 前記上層シートに備えた前記折り畳み片部は、前記上層シートの前記便受け部に山折り線と谷折り線が設けられ、前記山折り線と前記谷折り線の端部が固着された構成となっており、前記山折り線と前記谷折り線に折られた折片を前記下層シート側へ広げることにより、前記便受け部を前記下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の採便シート。
  4. 前記上層シートの前記便受け部に設けられた山折り線と谷折り線は互いに平行であることを特徴とする請求項3に記載の採便シート。
  5. 前記上層シートの前記便受け部に設けられた前記山折り線と前記谷折り線は、前記便受け部の前後方向に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の採便シート。
  6. 前記上層シートの前記便受け部に設けられた前記山折り線と前記谷折り線は、前記便受け部の左右方向に対して平行に設けられていることを特徴とする請求項4に記載の採便シート。
  7. 前記上層シートに備えた前記折り畳み片部は、前記上層シートの前方側縁部と後方側縁部が裏面側に折り返され、折り返された裏側シート片部と表側シート片部との左右の端縁が固着された構成となっており、前記裏側シート片部を表側シート片部の表側に起こして広げることにより、前記便受け部を下層シート側に膨らんだ立体形状に形成可能としたことを特徴とする請求項1または2に記載の採便シート。
  8. 前記上層シートと前記下層シートは、長方形のシート基材を2つ折りした2片のシート基材片からなり、一方の前記シート基材片を前記上層シートの前記表側シート片部とし、他方の前記シート基材片には、左右方向に平行な2本の切り込み線を形成し、2本の前記切り込み線の外側を前記上層シートに備えた前記折り畳み片部を構成する前記裏側シート片部とするとともに、2本の前記切り込み線の内側を前記下層シートとし、前記シート基材を2つ折りした2片の前記シート基材片を重ね、重ねた2片の前記シート基材片の開放された3方の端縁を固着したことを特徴とする請求項7に記載の採便シート。
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