JPWO2017208793A1 - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

太陽電池モジュール(100)は、樹脂基板(20)と、第1樹脂層(30)と、光電変換部(10)と、第2樹脂層(40)と、を備える。第1樹脂層(30)は樹脂基板(20)下に配置される。光電変換部(10)は第1樹脂層(30)下に配置される。第2樹脂層(40)は、第1樹脂層(30)下に配置され、かつ、第1樹脂層(30)を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板(20)と接着して配置される。隣接した光電変換部(10)は接続部材(14)で互いに電気的に接続される。第1樹脂層(30)の引張弾性率は樹脂基板(20)及び第2樹脂層(40)の引張弾性率より小さい。

Description

本発明は、太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。詳細には、本発明は、樹脂基板を使用した太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
太陽電池モジュールの基板として通常ガラス基板が用いられているが、近年、太陽電池モジュールの軽量化のため、ガラス基板に代わり樹脂基板が用いられるようになってきている。
例えば、特許文献1には、基材層の主成分をポリカーボネートとした太陽電池モジュール用フロントシートが開示されている。そして、このような構成とすることにより、軽量で、高い耐衝撃性を有する太陽電池モジュール用フロントシートを実現させている。
また、特許文献1では、太陽電池セルを保護するため、エチレン−酢酸ビニル系樹脂などの合成樹脂の封止材により形成された充填剤層が開示されている。
特開2013−145807号公報
しかしながら、樹脂基板はガラス基板に比べて硬度が小さいため、ヒョウ等の衝突物が樹脂基板に衝突すると、樹脂基板がたわみ、たわんだ部分に衝突物がさらに衝突する結果、局所的な荷重が生じやすくなる。そして、局所的な荷重が樹脂基板及び封止材を介して太陽電池セルに伝わり、太陽電池セルを破壊してしまうおそれがあった。そのため、耐衝撃性の高い太陽電池セルが求められていた。
一方、耐衝撃性を改善するため、封止材として引張弾性率の小さい材料などを用いた場合、引張弾性率の小さい材料が衝撃を吸収して、光電変換部へ衝撃が加わることを抑制することができる。しかしながら、引張弾性率の小さい材料は、輸送時の振動や、高温環境下での保管などの影響で変形しやすく、樹脂基板に対する光電変換部の剥離や位置ずれが生ずる可能性があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、耐衝撃性が高く、光電変換部の固定効果が高い太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の第一の態様に係る太陽電池モジュールは、樹脂基板と、第1樹脂層と、光電変換部と、第2樹脂層と、を備える。第1樹脂層は樹脂基板下に配置される。光電変換部は第1樹脂層下に配置される。第2樹脂層は、第1樹脂層下に配置され、かつ、第1樹脂層を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板と接着して配置される。隣接した光電変換部は接続部材で互いに電気的に接続される。第1樹脂層の引張弾性率は樹脂基板及び第2樹脂層の引張弾性率より小さい。
本発明の第二の態様に係る太陽電池モジュールの製造方法は、樹脂基板と、第1樹脂層と、光電変換部と、第2樹脂層と、を備えた太陽電池モジュールの製造方法である。第1樹脂層は樹脂基板下に配置される。光電変換部は第1樹脂層下に配置される。第2樹脂層は、第1樹脂層下に配置され、かつ、平面視における第1樹脂層の外周を全て囲んで、樹脂基板と接着して配置される。隣接した光電変換部は接続部材で互いに電気的に接続される。第1樹脂層の引張弾性率は樹脂基板及び第2樹脂層の引張弾性率より小さい。そして、太陽電池モジュールの製造方法は、第2樹脂層の上又は下に、平面視で第2樹脂層よりも面積が小さい第1樹脂層を積層し、樹脂基板と第2樹脂層を接着する工程を有する。
図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの一例を示す断面図である。 図2は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図3は、図1の太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた上面図である。 図4は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図5は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図6は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図7は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図8は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図9は、太陽電池モジュールから樹脂基板及び第1樹脂層を取り除いた他の例を示す上面図である。 図10は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図11は、樹脂層の界面における光の屈折を模式的に示す図である。 図12は、実施例5〜実施例7の太陽電池モジュールの外観を示す図である。 図13は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図14は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図15は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図16は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図17は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図18は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図19は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの他の例を示す断面図である。 図20は、本実施形態に係る太陽電池モジュールの製造方法の一例を示す側面図である。
以下、図面を用いて本実施形態に係る太陽電池モジュールについて詳細に説明する。なお、図面の寸法比率は説明の都合上誇張されており、実際の比率と異なる場合がある。また、図面は、便宜上、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系を規定して説明しており、それぞれ矢印の方向を正の方向とする。
図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100の断面図の一例を示している。本実施形態に係る太陽電池モジュール100は、樹脂基板20と、第1樹脂層30と、光電変換部10と、第2樹脂層40と、を備える。第1樹脂層30は樹脂基板20下に配置される。光電変換部10は第1樹脂層30下に配置される。第2樹脂層40は、第1樹脂層30下に配置され、かつ、第1樹脂層30を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置される。隣接した光電変換部10は接続部材14で互いに電気的に接続することができる。第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。
太陽電池モジュール100は、例えば、耐荷重性の問題のある建物などへ用途を拡大するため、軽量化が必要とされている。そのため、太陽電池モジュール100の受光面側の基板として、樹脂基板20を使用することが検討されている。
しかし、樹脂基板20はガラス基板と比較して軽いものの、ヒョウ等の局所的な荷重が樹脂基板20に加わった場合に、局所的な荷重が封止材を介して光電変換部10に伝わり、光電変換部10を破壊してしまうおそれがあった。
そこで、本実施形態に係る太陽電池モジュール100は、樹脂基板20と、第1樹脂層30と、光電変換部10と、第2樹脂層40とを所定の配置としている。また、第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さくしている。そのため、本実施形態の太陽電池モジュール100は、局所的な荷重を第1樹脂層30で吸収するため、太陽電池モジュール100の耐衝撃性を高くすることができる。
一方、第1樹脂層30の引張弾性率を小さくすると、第1樹脂層30が変形しやすくなるため、太陽電池モジュール100の積層方向(z軸方向)における光電変換部10の剥離が生じる可能性があった。また、太陽電池モジュール100の積層方向に対して垂直方向(x軸及びy軸方向)における光電変換部10の位置ずれも生じる可能性があった。そのため、本実施形態においては、第2樹脂層40は、第1樹脂層30を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置される。このことにより、引張弾性率の大きい第2樹脂層40により、第1樹脂層30が、樹脂基板20に固定される。そのため、第1樹脂層30に由来する剥離や位置ずれを抑制することができ、第1樹脂層30の固定効果を高くすることができる。以下において、これらの構成要素の説明を行う。
<樹脂基板20>
樹脂基板20は太陽電池モジュール100の受光面側に配置されており、太陽電池モジュール100の表面を保護する。本実施形態においては、便宜上、樹脂基板20を受光面と呼び、裏面基板70を受光面と反対側の面と呼ぶこともあるが、用途に応じてそれぞれの面の外層に他の層を設けることもできる。樹脂基板20の形状は、太陽電池モジュール100の表面を保護する役割を果たす限り、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。
樹脂基板20を形成する材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、樹脂基板20はポリカーボネート(PC)を含有することがより好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れるため、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに好ましい。
樹脂基板20の厚みは、太陽電池モジュール100の表面を保護する役割を果たす限り特に限定されないが、0.1mm〜15mmとすることが好ましく、0.5mm〜10mmとすることがより好ましい。このような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を光電変換部10に効率よく到達させることができる。
樹脂基板20の引張弾性率は特に限定されないが、1.0GPa以上10.0GPa以下であることが好ましく、2.3GPa以上2.5GPa以下であることがより好ましい。樹脂基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次の式(1)のように、日本工業規格JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により、試験温度25℃、試験速度100mm/分で測定することができる。
[数1]
=(σ−σ)/(ε−ε) (1)
上記式(1)において、Eは引張弾性率(Pa)、σはひずみε=0.0005における応力(Pa)、σはひずみε=0.0025における応力(Pa)を示す。
樹脂基板20の全光線透過率は特に限定されないが、80%〜100%であることが好ましく、85%〜95%であることがより好ましい。樹脂基板20の全光線透過率をこのような範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部10へ到達させることができる。全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
<第1樹脂層30>
第1樹脂層30は封止材として光電変換部10を保護する。第1樹脂層30は樹脂基板20下に配置される。具体的には、第1樹脂層30は樹脂基板20のz軸の負方向側に配置される。第1樹脂層30の形状は、樹脂基板20と同様に、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。
第1樹脂層30と樹脂基板20との間には他の部材を設けず、第1樹脂層30は樹脂基板20と直接接触させることができる。また、第1樹脂層30と樹脂基板20との間に、接着層や機能層など他の層を設けることもできる。
第1樹脂層30を形成する材料は、特に限定されないが、第1樹脂層30は各種ゲルを用いることができる。ゲルは、特に限定されないが、溶媒を含有したゲルと溶媒を含有しないゲルに分類される。溶媒を含有したゲルには、分散媒が水のゲルであるヒドロゲル、分散媒が有機溶媒のゲルであるオルガノゲル、を用いることができる。また、溶媒を含有したゲルは、数平均分子量が10000以上の高分子ゲル、数平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマーゲル、数平均分子量が1000未満の低分子ゲルのいずれを用いることができる。これらのなかでも、第1樹脂層30は溶媒を含有した高分子ゲル又は溶媒を含有しないゲルを使用することが好ましい。溶媒を含有した高分子ゲル又は溶媒を含有しないゲルは光電変換部10を固定することができるため、光電変換部10の移動による接続部材14の切断を抑制することができるためである。また、溶媒を含有した高分子ゲル又は溶媒を含有しないゲルのなかでも、第1樹脂層30はシリコーンゲル、アクリルゲル及びウレタンゲルからなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。これらのゲルは引張弾性率が小さく、温度変化による樹脂基板20の熱応力や局所的な荷重を緩和し、光電変換部10の破損を抑制することができるためである。また、これらのゲルは光電変換部10をより固定し、光電変換部10の移動による接続部材14の切断をより抑制することができる。
第1樹脂層30を形成する材料がゲルの場合、図2に示すように、第1樹脂層30はスリット35を含むことが好ましい。すなわち、第1樹脂層30はゲルであり、第1樹脂層30はスリット35を含むことが好ましい。第1樹脂層30にこのようなスリット35を設けることで、太陽電池モジュール100を長期間使用することにより発生した気泡や、太陽電池モジュール100の成形時に入り込んだ気泡が、スリット35を介して移動することができる。そのため、太陽電池モジュール100から気泡を抜けやすくすることができる。また、太陽電池モジュール100内の気泡が完全に抜けない場合であっても、気泡はスリット35を介して移動し、分散するため、気泡を小さくすることができる。そのため、太陽電池モジュール100内の気泡を、目視で確認しにくくすることができる。したがって、太陽電池モジュール100内の気泡による太陽光の反射や、外観状の不具合を抑制することができる。
スリット35を設ける位置は、特に限定されず、例えば第1樹脂層30の表面に設けることができる。具体的には、スリット35は、第1樹脂層30の樹脂基板20側の表面、及び第1樹脂層30の第2樹脂層40側の表面の少なくともいずれか一方に、設けることができる。なお、気泡を抜けやすくするには、図2に示すように、第1樹脂層30の樹脂基板20側の表面、及び第1樹脂層30の第2樹脂層40側の表面にスリット35が設けられていることが好ましい。
太陽電池モジュール100の積層方向におけるスリット35の大きさは、第1樹脂層30の厚みに対して5%〜99%であることが好ましい。スリット35の大きさをこのような範囲とすることにより、気泡の抜けをよくすることができ、第1樹脂層30の強度も維持することができる。また、スリット35の大きさをこのような範囲とすることにより、局所的な荷重を第1樹脂層30でより緩和することができる。なお、第1樹脂層30の少なくともいずれか一方に設けられたスリット35において、太陽電池モジュール100の積層方向におけるスリット35の大きさは、第1樹脂層30の厚みに対して10%〜50%であることがより好ましい。また、太陽電池モジュール100の積層方向に対して垂直方向(x軸及びy軸方向)におけるスリット35の大きさは特に限定されず、気泡の抜けや第1樹脂層30の強度などを考慮して定めることができる。
太陽電池モジュール100の積層方向におけるスリット35の向きは、太陽電池モジュール100の積層方向と平行であることが好ましい。スリット35の向きをこのような向きにすることにより、光の入射方向とスリット35の方向が水平となり、スリット35により光の反射や屈折が生じにくくなる。そのため、スリット35の向きをこのような向きにすることにより、スリット35による光の損失を抑制することができる。なお、太陽電池モジュール100の積層方向に対して垂直方向(x軸及びy軸方向)におけるスリットの向きは特に限定されず、用途に応じて適宜変更することができる。
太陽電池モジュール100の積層方向に対して水平な断面において、スリット35間の距離は0.1mm〜10mmであることが好ましく、0.5mm〜2mmであることがより好ましく、0.8mm〜1.2mmであることがさらに好ましい。スリット35間の距離をこのような範囲とすることにより、気泡の抜けを向上させるとともに、第1樹脂層30の強度を維持することができる。
第1樹脂層30の引張弾性率は特に限定されないが、0.1kPa以上5MPa未満であることが好ましく、1kPa以上1MPa以下であることがより好ましい。第1樹脂層30の引張弾性率の下限をこのような値とすることによって、光電変換部10を固定し、光電変換部10の移動による接続部材14の切断を抑制することができる。また、第1樹脂層30の引張弾性率の上限をこのような値とすることによって、温度変化による樹脂基板20の熱応力や局所的な荷重を効率よく緩和することができる。
第1樹脂層30の厚みは、特に限定されないが、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。このような範囲とすることによって、光電変換部10を適切に保護し、光を光電変換部10に効率よく到達させることができる。
第1樹脂層30の全光線透過率は特に限定されないが、60%〜100%であることが好ましく、70%〜95%であることがより好ましい。また、第1樹脂層30の全光線透過率は80%〜95%であることがさらに好ましい。第1樹脂層30の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部10へ到達させることができる。
<光電変換部10>
光電変換部10は、光エネルギーを電気エネルギーに変換するものであれば特に限定されない。そのため、本実施形態において、光電変換部10は、太陽電池セル12とすることもできるし、太陽電池セルストリング18とすることもできる。また、太陽電池セルストリング18と接続配線16との組合せを、光電変換部10とすることもできる。
光電変換部10は第1樹脂層30下に配置される。光電変換部10と第1樹脂層30との配置関係は特に限定されず、光電変換部10は第1樹脂層30の鉛直下方に配置されていればよい。光電変換部10がこのように配置されることにより、ヒョウ等の衝突物の衝撃を第1樹脂層30で緩和することができるため、光電変換部10の破損を抑制することができる。したがって、光電変換部10は、第1樹脂層と接触していてもよく、接触していなくてもよい。なお、光電変換部10は第1樹脂層30の少なくとも一部と接するように配置することもでき、光電変換部10全体を覆うように第1樹脂層30を配置することもできる。このような配置とすることにより、光電変換部10の表面の導電配線などに伴う凹凸構造が第1樹脂層30により覆われ、第1樹脂層30と光電変換部10とを密着させることができる。これにより、温度変化による光電変換部10の表面の気泡が発生するのを抑制することができる。
太陽電池セル12としては、例えば、シリコン系太陽電池、化合物系太陽電池、有機系太陽電池などが挙げられる。シリコン系太陽電池としては、単結晶シリコン系太陽電池、多結晶シリコン系太陽電池、微結晶シリコン系太陽電池、アモルファスシリコン系太陽電池などが挙げられる。化合物系太陽電池としては、GaAs系太陽電池、CIS系太陽電池、CIGS系太陽電池、CdTe系太陽電池などが挙げられる。有機系太陽電池としては、色素増感太陽電池、有機薄膜太陽電池などが挙げられる。また、太陽電池セル12として、ヘテロ接合型太陽電池や多接合型太陽電池を用いることもできる。
太陽電池セル12の形状は、特に限定されないが、表面部、裏面部及び側面部を有する平板状とすることができる。ここで、表面部とは、例えば、樹脂基板20と対向する受光面側の面とすることができる。また、裏面部とは、例えば、裏面基板70と対向する受光面と反対側の面とすることができる。また、側面部とは、表面と裏面とで挟まれ、側部を形成する面とすることができる。具体的な形状の例としては、太陽電池セル12を矩形状の平板とすることが挙げられるが、特に限定されない。
隣接した太陽電池セル12は接続部材14で互いに電気的に接続することができ、太陽電池セルストリング18を形成することができる。図1では、太陽電池セルストリング18は、隣接した太陽電池セル12のうち、一方の受光面側のバスバー電極と、受光面と反対側のバスバー電極とを、接続部材14により電気的に接続することにより形成されている。また、接続配線16は、隣接した2つの太陽電池セルストリング18を電気的に接続することができる。
図3では、一例として、y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル12が、接続部材14によって直列に接続され、1つの太陽電池セルストリング18が形成されることを示している。また、図3では、一例として、x軸方向に平行に並んで配置される4つの太陽電池セルストリング18が、接続配線16によって電気的に接続されることを示している。なお、図3では一例を示したが、太陽電池セル12の数や配置などは限定されない。
接続部材14は、太陽電池セル12を互いに電気的に接続するものであれば、形状や材料は特に限定されないが、例えば、細長い金属箔により形成されたタブ配線とすることができる。接続部材14の材料としては、例えば、アルミニウム、銅などを用いることができる。なお、接続部材14は、アルミニウムにより形成されていることが好ましい。接続部材14としてアルミニウムを用いることにより、接続部材14を形成する金属の触媒反応によって、接続部材14と接触する第1樹脂層30、第2樹脂層40が分解するのを抑制し、これらを形成する樹脂が変色するのを抑制することができる。なお、非めっきアルミニウムにより形成された接続部材14は、銅箔を銀でめっきした接続部材14よりも、樹脂の変色を抑制することができる。また、接続部材14は、ハンダや銀などをコーティングして用いることもできる。
接続部材14とバスバー電極との接続には樹脂を使用することができる。この樹脂は導電性、非導電性いずれでもよい。非導電性樹脂の場合はタブ配線とバスバー電極とが直接接続されることで電気的に接続される。また、樹脂ではなくハンダでもよい。
図では省略しているが、各太陽電池セル12の受光面側及び受光面と反対側の面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極を備えることができる。y軸方向に延びるバスバー電極は、複数のフィンガー電極と直交して接続することができる。
<第2樹脂層40>
第2樹脂層40も第1樹脂層30と同様、封止材として光電変換部10を保護する。第2樹脂層40は第1樹脂層30下に配置される。具体的には、第2樹脂層40は第1樹脂層30のz軸の負方向側に配置される。第2樹脂層40の形状は、樹脂基板20と同様、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。
図3〜図9は、太陽電池モジュール100から樹脂基板20及び第1樹脂層30を取り除き、平面視における第2樹脂層40の配置状態を示したものである。図1及び図3に示すように、本実施形態においては、第2樹脂層40は、第1樹脂層30を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置される。なお、図3においては、第2樹脂層40が3カ所において樹脂基板20と接着して配置されているが、第2樹脂層40は少なくとも1カ所において樹脂基板20と接着して配置されていればよい。また、図1においては、一例として、図3で示す3つの第2樹脂層40の内、1つの断面図だけを示している。なお、図1では、第2樹脂層40が、第1樹脂層30を外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置されている例を示している。
本実施形態において、第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。そのため、太陽電池モジュール100の輸送時の振動や、高温環境下での保管により、第1樹脂層30が変形しやすくなっている。そのため、太陽電池モジュール100の水平方向(x軸及びy軸方向)において、樹脂基板20から光電変換部10及び第2樹脂層40が剥離しやすくなっている。また、太陽電池モジュール100の積層方向(z軸方向)において、樹脂基板20に対する光電変換部10及び第2樹脂層40の位置ずれが生じやすくなっている。しかし、本実施形態においては、第2樹脂層40の少なくとも一部が、第1樹脂層30を貫通して樹脂基板20と接着して配置され、又は、第1樹脂層30を外側から覆って樹脂基板20と接着して配置される。そのため、引張弾性率の比較的大きい第2樹脂層40が樹脂基板20に固定される。その結果、第1樹脂層30に由来する光電変換部10及び第2樹脂層40の剥離や位置ずれを抑制することができる。なお、第1樹脂層30として各種ゲルを用いた場合は、ゲルの低い接着性に由来する樹脂基板20と第1樹脂層30との剥離を抑制することもできる。また、樹脂基板20と第1樹脂層30との単位面積当たりの接着力は、樹脂基板20と第2樹脂層40との単位面積当たりの接着力よりも小さいことが好ましい。
第2樹脂層40が樹脂基板20に接着して配置される態様は、特に限定されず、例えば、第2樹脂層40を樹脂基板20に、他の層を介することなく、直接接して配置させることができる。また、第2樹脂層40を樹脂基板20と、他の層を介して接着して配置させることもできる。なお、他の層としては、接着層や保護層などの機能層が挙げられる。機能層は、第2樹脂層40の少なくとも一部が樹脂基板20と固定して配置されていれば、単層であっても、多層であってもよい。
図4に示すように、本実施形態では、第2樹脂層40は、平面視における第1樹脂層30の少なくとも一方向の縁全体を外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置することができる。ここで、一方向の縁全体とは、例えば、第1樹脂層30が、平面視において、少なくとも三辺以上を有する略多角形状をしている場合、その多角形の一辺とすることができる。すなわち、本実施形態において、第1樹脂層30は、平面視において、少なくとも3辺以上を有する略多角形状をしており、第2樹脂層40は、第1樹脂層30の少なくとも1辺を外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置することができる。なお、第1樹脂層30が複雑な形状をしている場合は、第1樹脂層30を、平面視において、略矩形状に見立て、その内の一辺とすることもできる。このように、第2樹脂層40が、第1樹脂層30の少なくとも一方向の縁全体を外側から覆うように配置されることにより、樹脂基板20に対する第2樹脂層40の接触面積を増やすことができ、第2樹脂層40を樹脂基板20により強固に固定することができる。その結果、第1樹脂層30に由来する光電変換部10及び第2樹脂層40の剥離や位置ずれを抑制することができる。
図5に示すように、本実施形態では、隣接した光電変換部10は接続部材14で互いに電気的に接続することができる。そして、第2樹脂層40は、接続部材14で接続された光電変換部10の接続方向に対して垂直方向(x軸方向)に延びる第1樹脂層30の両端の縁全体を、第1樹脂層30を挟むように、樹脂基板20と接着して配置することができる。このことにより、第1樹脂層30を、平面視において、略矩形状に見立てた場合に、第2樹脂層40の向かい合った二つの縁により第1樹脂層30を両側から挟み込むことができる。その結果、第1樹脂層30に由来する光電変換部10及び第2樹脂層40の剥離や位置ずれをより抑制することができる。また、第2樹脂層40により、接続部材14の接続方向(y軸方向)における第1樹脂層30の動きを抑制することができることから、樹脂基板20の熱伸縮に由来する接続部材14の疲労破断などを抑制することができる。
図6に示すように、本実施形態では、隣接した光電変換部10は接続部材14で互いに電気的に接続することができる。そして、第2樹脂層40は、接続部材14で接続された光電変換部10の接続方向(y軸方向)に延びる第1樹脂層30の両端の縁全体を、第1樹脂層30を挟むように、樹脂基板20と接着して配置することができる。このことにより、第1樹脂層30を、平面視において、略矩形状に見立てた場合に、第2樹脂層40の向かい合った二つの縁により第1樹脂層30を両側から挟み込むことができる。その結果、第1樹脂層30に由来する光電変換部10及び第2樹脂層40の剥離や位置ずれをより抑制することができる。また、第2樹脂層40により、接続部材14の接続方向に対する垂直方向(x軸方向)における第1樹脂層30の動きを抑制することができることから、x軸方向における光電変換部10の位置ずれを抑制することができる。
図7に示すように、本実施形態では、第2樹脂層40は、平面視における第1樹脂層30の外周を全て囲んで、樹脂基板20と接着して配置することが好ましい。このことにより、第2樹脂層40が樹脂基板20と接着する面積が増加することから、第1樹脂層30に由来する光電変換部10及び第2樹脂層40の剥離や位置ずれをさらに抑制することができる。また、引張弾性率の小さい第1樹脂層30は、比較的酸素透過度や水蒸気透過度が低いため、外気に含まれる酸素や水が第1樹脂層30を透過し、光電変換部10や接続部材14にサビなどの悪影響を生じさせるおそれがある。しかし、第2樹脂層40が、第1樹脂層30及び光電変換部10を収容する凹部を備え、第1樹脂層30の外周全周を囲むことで、第1樹脂層30が外気と遮断され、酸素や水などが光電変換部10及び接続部材14などに到達するのを抑制することができる。その結果、酸素や水による光電変換部10や接続部材14の悪影響を抑制することができる。なお、第1樹脂層30として各種ゲルを用いた場合には、各種ゲルが直接外気と触れることがなくなるため、各種ゲルの変質や劣化などを抑制することができる。例えば、第1樹脂層30として溶媒を含有したゲルを用いた場合には、第2樹脂層40が溶媒の揮発を抑制することができるため、ゲルの収縮を抑制することができる。また、第1樹脂層30としてシリコーンゲルを用いた場合には、シリコーンゲルに含まれるシロキサンが外気に飛散して、第1樹脂層30が収縮を起こすことにより、第1樹脂層30の界面で剥離を生じさせないよう、シロキサンの飛散を抑制することもできる。
図8に示すように、本実施形態では、第2樹脂層40は、第1樹脂層30を貫通して、かつ、平面視における第1樹脂層30の外周を全て囲んで、樹脂基板20と接着して配置することが好ましい。このことにより、光電変換部10や接続部材14を外気から保護し、かつ、第1樹脂層30に由来する剥離や位置ずれをさらに抑制することができる。
図9に示すように、本実施形態では、光電変換部10が第2樹脂層40上に配置される場合、第2樹脂層40は、2以上の光電変換部10の平面視におけるそれぞれの外周を全て囲い、かつ、樹脂基板20と接着して配置することが好ましい。このことにより、光電変換部10や接続部材14を外気からより一層保護することができ、かつ、第1樹脂層30に由来する剥離や位置ずれをさらに抑制することができる。なお、図9では、各光電変換部10をそれぞれ第2樹脂層で囲っているが、例えば、2以上の光電変換部10を一組の光電変換部10とし、その外周を囲うこともできる。
第2樹脂層40の厚みは、特に限定されないが、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.2mm以上1.0mm以下であることがより好ましい。このような範囲とすることによって、光電変換部10を熱衝撃から適切に保護することができる。
第2樹脂層40と第1樹脂層30との間には他の部材を設けず、第2樹脂層40は第1樹脂層30と直接接触させることができる。また、第2樹脂層40と第1樹脂層30との間に、接着層や機能層など他の層を設けることもできる。具体的には、後述するような、第3樹脂層50を、第1樹脂層30と第2樹脂層40との間に設けることができる。
第2樹脂層40を形成する材料は特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂、エポキシ、ウレタン及びポリイミドなどの熱硬化性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの樹脂は変性樹脂を用いることもでき、それぞれの組合せとして用いることもできる。なかでも、第2樹脂層40はエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)又はポリオレフィン(PO)を含有することが好ましいが、後述する第3樹脂層50や第4樹脂層60を形成する材料などにより適宜選択することが好ましい。なお、光電変換部10を外部の水分から保護するという観点から、第2樹脂層40の水蒸気透過度は、第1樹脂層30の水蒸気透過度よりも小さいことが好ましい。なお、水蒸気透過度は、例えば、JIS K7129:2008(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))の付属書Bに規定された赤外線センサ法により求めることができる。
第2樹脂層40の引張弾性率は特に限定されないが、0.005GPa〜0.5GPaであることが好ましく、0.01GPa〜0.25GPaであることがより好ましい。第2樹脂層40の引張弾性率の下限をこのような値とすることによって、光電変換部10の位置ずれを抑制することができる。また、第2樹脂層40の引張弾性率の上限をこのような値とすることによって、第2樹脂層40の熱伸縮による光電変換部10や接続部材14の破損を抑制することができる。
本実施形態の太陽電池モジュール100は、本実施形態の効果を損なわない範囲で、第3樹脂層50、第4樹脂層60、裏面基板70、低熱膨張層80、潤滑層90及び酸素バリア層95、並びに図示しないフレームなどを取り付けることができる。なお、フレームは、太陽電池モジュール100の端縁部を保護するとともに、太陽電池モジュール100を屋根等に設置する際に利用される。
<第3樹脂層50>
第3樹脂層50も第1樹脂層30や第2樹脂層40と同様、封止材として光電変換部10を保護する。第3樹脂層50の形状は、第2樹脂層40と同様、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。
第3樹脂層50を形成する材料は特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂、エポキシ、ウレタン及びポリイミドなどの熱硬化性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの樹脂は変性樹脂を用いることもでき、それぞれの組合せとして用いることもできる。なかでも、第3樹脂層50はポリオレフィン(PO)を含有することが好ましい。この場合、第2樹脂層40はエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有することが好ましい。
図10に示すように、太陽電池モジュール100は、第1樹脂層30下かつ第2樹脂層40上に配置される第3樹脂層50をさらに備えることができる。そして、光電変換部10は、第3樹脂層50下かつ第2樹脂層40上に配置することができる。さらに、第3樹脂層50の引張弾性率は、第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さくすることができる。また、第1樹脂層30の引張弾性率は、第3樹脂層50の引張弾性率よりも小さいことが好ましい。このような第3樹脂層を設けることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性が向上し、温度変化による接続部材14の切断を抑制することができる。
すなわち、樹脂基板はガラス基板と比較して軽いものの、線膨張率が大きいため、熱伸縮による熱応力の影響が大きくなる。ここで、熱応力は、以下のように示される。
[数2]
σ=EαΔT (2)
上記式(2)中、σは熱応力(Pa)、Eは引張弾性率(ヤング率)(Pa)、αは線膨張率(K−1)、ΔTは変化した温度差(K)を示す。
そのため、温度変化により、樹脂基板が熱伸縮した場合、封止材もそれに伴い熱伸縮する。ここで、上述のように、第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。そのため、樹脂基板20の熱伸縮による応力を第1樹脂層30で緩和することができる。これに加え、第3樹脂層50の引張弾性率が、第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さい場合は、第1樹脂層30で緩和しきれなかった樹脂基板20の熱応力を、第3樹脂層50で緩和することができる。そのため、樹脂基板20の熱伸縮に由来する接続部材14の切断をより抑制することができ、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができる。
第1樹脂層と光電変換部の間の樹脂層の引張弾性率を、光電変換部と裏面基板の間の樹脂層の引張弾性率よりも小さくした場合の耐熱衝撃性を、以下の実施例により評価した。ただし、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
1mm厚の樹脂基板、1mm厚の第1樹脂層、0.6mm厚の第3樹脂層、光電変換部、0.6mm厚の第2樹脂層、2mm厚の裏面基板を上から順に積層して145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。なお、樹脂基板は、ポリカーボネートを用いた。第1樹脂層は、ゲルを用いた。第3樹脂層は、ポリオレフィン(PO)(25℃での引張弾性率20.9MPa)を用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。第2樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率30.5MPa)を用いた。裏面基板は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)(線膨張率2.5×10−6−1)を用いた。
[実施例2]
裏面基板に、ガラス(線膨張率9×10−6−1)を用いた以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
[実施例3]
第3樹脂層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率30.5MPa)を用いた以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
[実施例4]
裏面基板に、ガラス(線膨張率9×10−6−1)を用いた。また、第3樹脂層に、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率30.5MPa)を用いた。それ以外は、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
(耐熱衝撃性)
耐熱衝撃性は、JIS C8990:2009(IEC61215:2005)(地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認及び形式認証のための要求事項)の温度サイクル試験に準じ、以下のような試験条件にて試験を実施した。すなわち、各実施例の太陽電池モジュールを試験槽内に設置し、太陽電池モジュールの温度を−40℃±2℃と+85℃±2℃との間で周期的に変化させた。このような温度サイクル試験を25サイクル、50サイクル及び200サイクル行った後、目視にて太陽電池セルを互いに接続する接続部材を確認した。そして、200サイクルで接続部材が切断しなかったものを「200以上」、50サイクルで接続部材が切断せず200サイクルで接続部材が切断したものを「50以上200未満」と評価した。また、25サイクルで接続部材が切断せず50サイクルで接続部材が切断したものを「25以上50未満」、25サイクルで接続部材が切断したものを「25未満」と評価した。なお、下限と上限との間の温度変化速度を約1.4℃/時間、下限温度の保持時間を60分、上限温度の保持時間を1時間20分とし、1サイクルの時間を5時間20分とした。また、温度サイクル試験は少なくとも3回実施した。
各実施例の耐熱衝撃性を温度サイクル試験により評価したところ、表1のように、実施例1〜実施例3の太陽電池モジュールにおいては、200サイクル後であっても接続部材は切断しなかった。一方、実施例4の太陽電池モジュールにおいては、50サイクル後では接続部材は切断しなかったが、200サイクル後では接続部材が切断した。
実施例1〜実施例4の結果より、第3樹脂層50の引張弾性率を、第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さくすると、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性が向上することが確認できた。おそらく、樹脂基板20の熱応力を第3樹脂層50により緩和できたためと考えられる。そのため、本実施形態においては、第1樹脂層30と光電変換部10との間の樹脂層の引張弾性率を、光電変換部10と裏面基板70の間の樹脂層の引張弾性率よりも小さくすることが好ましい。具体的には、太陽電池モジュール100が後述するような第3樹脂層50及び第4樹脂層60を有せず、光電変換部10が第2樹脂層40上に配置される場合、第1樹脂層30の引張弾性率が第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さければよい。また、太陽電池モジュール100が後述するような第3樹脂層50を備える場合、第3樹脂層50の引張弾性率を第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さくすることが好ましい。また、太陽電池モジュール100が後述するような第4樹脂層60を備える場合、第2樹脂層40の引張弾性率を第4樹脂層60の引張弾性率よりも小さくすることが好ましい。
また、第1樹脂層30と光電変換部10との間の樹脂層の引張弾性率は、−40℃から+90℃までの全域において、光電変換部10と裏面基板70の間の樹脂層の引張弾性率よりも小さいことが好ましい。このようにすることにより、いずれの温度域においても、第1樹脂層30と光電変換部10との間の樹脂層の熱応力が、光電変換部10と裏面基板70の間の樹脂層の熱応力よりも小さくなり、樹脂基板の熱応力をより緩和できるため好ましい。なお、実施例1で用いたポリオレフィンの−40℃、+25℃、+90℃における引張弾性率は、それぞれ536MPa、20.9MPa、0.068MPaであった。また、実施例1で用いたエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)の−40℃、+25℃、+90℃における引張弾性率は、それぞれ1570MPa、30.5MPa、0.69MPaであった。
また、本実施形態の太陽電池モジュール100においては、第1樹脂層30と、第1樹脂層30に隣接し、光電変換部10上に配置された樹脂層との屈折率差が0.1以下であることが好ましい。より具体的には、第1樹脂層30と、光電変換部10上に配置され、第1樹脂層30に隣接する樹脂基板20の反対側の樹脂層との屈折率差が0.1以下であることが好ましい。例えば、図10に示す実施形態において、第1樹脂層30の引張弾性率が第3樹脂層50の引張弾性率よりも小さい場合、第1樹脂層30と第3樹脂層50との屈折率差が0.1以下であることが好ましい。屈折率差をこのような範囲にすることにより、太陽電池モジュール100の外観をより良好にすることができる。具体的には、太陽電池モジュール100を上面から見た場合に、円形状の光の模様を確認しにくくすることができる。なお、第1樹脂層30と第1樹脂層30に隣接する樹脂層との屈折率差は0.05以下であることがより好ましい。
円形状の光の模様が発生する理由は以下の通りであると考えられる。第1樹脂層30の引張弾性率は第3樹脂層50の引張弾性率よりも小さいため、太陽電池モジュール100の耐衝撃性を向上させることができる。しかしながら、第1樹脂層30は第3樹脂層50と比較して柔軟性があるため、加熱しながら太陽電池モジュール100をラミネート成形した場合に、第1樹脂層30が変形して第1樹脂層30に凹凸が生じやすい。特に、真空状態で太陽電池モジュール100をラミネート成型した場合にこのような第1樹脂層30の凹凸が生じやすくなる。このような凹凸が生じた場合、図11の矢印で示すように、第1樹脂層30と、第1樹脂層30に隣接する樹脂層との界面において、光の屈折が生じる。この光の屈折により、円形状の光の模様が生じ、太陽電池モジュール100の外観に影響を及ぼしているのではないかと考えられる。
第1樹脂層30と第1樹脂層30に隣接する樹脂層との屈折率差を0.1以下にした場合の太陽電池モジュール100の外観を、以下の実施例により評価した。ただし、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例5]
厚さ1mmの樹脂基板、厚さ1mmの第1樹脂層、厚さ0.6mmの第3樹脂層、光電変換部、厚さ0.6mmの第2樹脂層、厚さ2mmの裏面基板を上から順に積層して145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。樹脂基板は、ポリカーボネート(PC)を用いた。第1樹脂層は、1.49〜1.53の屈折率を有するアクリルゲルを用いた。第3樹脂層は、1.54の屈折率を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(引張弾性率30.5MPa)を用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。第2樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(引張弾性率30.5MPa)を用いた。裏面基板は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた。このとき、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差は0.01〜0.05であった。
[実施例6]
第1樹脂層のアクリルゲルを1.43の屈折率を有するシリコーンゲル(引張弾性率28kPa)に代え、第1樹脂層と第3樹脂層の間に別の樹脂層を新たに配置した以外は、実施例5と同様にして太陽電池モジュールを作製した。なお、別の樹脂層は1.49〜1.53の屈折率を有するアクリル樹脂により形成されている。このとき、第1樹脂層と別の樹脂層の屈折率差は0.06〜0.10であった。
[実施例7]
第1樹脂層のアクリルゲルを、1.43の屈折率を有するシリコーンゲル(引張弾性率28kPa)に代えた以外は、実施例5と同様にして太陽電池モジュールを作製した。このとき、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差は0.11であった。
[実施例8]
別の樹脂層のアクリル樹脂を、1.60の屈折率を有するポリエチレンテレフタレート(PET)に代えた以外は、実施例6と同様にして太陽電池モジュールを作製した。このとき、第1樹脂層と別の樹脂層の屈折率差は0.17であった。
[実施例9]
別の樹脂層のアクリル樹脂を、1.60〜1.63の屈折率を有するポリ塩化ビニリデン(PVDC)に代えた以外は、実施例6と同様にして太陽電池モジュールを作製した。このとき、第1樹脂層と別の樹脂層の屈折率差は0.17〜0.20であった。
[実施例10]
樹脂基板のポリカーボネート(PC)を、ガラスに代えた以外は実施例7と同様にして太陽電池モジュールを作製した。このとき、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差は0.11であった。
[実施例11]
第3樹脂層のエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を配置しない以外は、実施例7と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
[評価]
各例で作製した太陽電池モジュールの外観を目視にて評価した。結果を表2に示す。また、参考として、実施例5〜実施例7の太陽電池モジュールの外観を図12に示す。
図12に示すように、実施例5の太陽電池モジュールは、円形状の光の模様が外観上確認できなかった。おそらく、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差が0.05以下であるためと考えられる。また、図12に示すように、実施例6の太陽電池モジュールは、円形状の光の模様が外観上ほとんど確認できなかった。おそらく、第1樹脂層と別の樹脂層の屈折率差が0.1以下であるためと考えられる。
一方、図12に示すように、実施例7の太陽電池モジュールは、円形状の光の模様が見られた。おそらく、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差が0.1を超えているためであると考えられる。また、実施例8及び実施例9の太陽電池モジュールは、円形状の光の模様が見られた。おそらく、第1樹脂層と別の樹脂層の屈折率差が0.1を超えているためであると考えられる。
なお、実施例10の太陽電池モジュールは、第1樹脂層と第3樹脂層の屈折率差が0.1を超えているにもかかわらず、円形状の光の模様が確認できなかった。おそらく、基板がガラスにより形成されており、樹脂基板のようにラミネート成型しても変形せず、第1樹脂層及び第3樹脂層の変形が抑制されたためと考えられる。ただし、実施例10の太陽電池モジュールは、ガラスが用いられているため、太陽電池モジュールが重くなってしまう。
実施例11の太陽電池モジュールは、円形状の光の模様が外観上確認できなかった。おそらく、第1樹脂層が光電変換部に直接接しているため、第1樹脂層との界面における光の屈折が生じなかったためと考えられる。ただし、耐衝撃性の観点からは、太陽電池モジュールが第3樹脂層を備えていることが好ましい。
<第4樹脂層60>
第4樹脂層60も第1樹脂層30や第2樹脂層40と同様、封止材として光電変換部10を保護する。第4樹脂層60の形状は、第2樹脂層40と同様、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。
第4樹脂層60を形成する材料は特に限定されず、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂、エポキシ、ウレタン及びポリイミドなどの熱硬化性樹脂からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの樹脂は変性樹脂を用いることもでき、それぞれの組合せとして用いることもできる。なかでも、第4樹脂層60はエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を含有することが好ましい。この場合、第2樹脂層40はポリオレフィン(PO)を含有することが好ましい。
図13に示すように、太陽電池モジュール100は、第2樹脂層40下に配置される第4樹脂層60をさらに備えることができる。そして、光電変換部10は、第2樹脂層40下かつ第4樹脂層60上に配置することができる。さらに、第2樹脂層40の引張弾性率は、第4樹脂層60の引張弾性率よりも小さくすることができる。このような第4樹脂層60を設けることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性が向上し、温度変化による接続部材14の切断を抑制することができる。
すなわち、樹脂基板はガラス基板と比較して軽いものの、線膨張率が大きいため、熱伸縮による熱応力の影響が大きくなる。そのため、温度変化により、樹脂基板が熱伸縮した場合、封止材もそれに伴い伸縮する。上述のように、第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さいため、樹脂基板20の熱伸縮による応力を第1樹脂層30で緩和することができる。これに加え、第2樹脂層40の引張弾性率が、第4樹脂層60の引張弾性率よりも小さい場合は、第1樹脂層30で緩和しきれなかった樹脂基板20の熱応力を、第2樹脂層40で緩和することができる。そのため、樹脂基板20の熱応力に由来する接続部材14の切断をより抑制することができ、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができる。
なお、図13に示すような実施形態の場合、光電変換部10上に第2樹脂層40が配置され、第2樹脂層40上に第1樹脂層30が配置される。そして、第1樹脂層30の引張弾性率は第2樹脂層40の引張弾性率よりも小さい。そのため、第1樹脂層30と第2樹脂層40との屈折率差が0.1以下であることが好ましい。実施例5〜実施例11で示された結果と同様に、屈折率差をこのような範囲にすることにより、太陽電池モジュール100の外観をより良好にすることができる。具体的には、太陽電池モジュール100を上面から見た場合に、円形状の光の模様を確認しにくくすることができる。なお、第1樹脂層30と第2樹脂層40との屈折率差は0.05以下であることがより好ましい。
第4樹脂層60は、第2樹脂層40と同様に、第1樹脂層30及び第2樹脂層40を外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置することもできる。このように、第2樹脂層40に加え、第4樹脂層60も樹脂基板20と接着して配置することにより、第2樹脂層のような固定効果やバリア効果をさらに向上させることができるため好ましい。
<裏面基板70>
裏面基板70は、バックシートとして太陽電池モジュール100の受光面と反対側の面を保護することができる。裏面基板70は第2樹脂層40下に配置することができる。具体的には、裏面基板70は、第2樹脂層40のz軸の負方向側に配置することができる。また、上述のように、第3樹脂層50や第4樹脂層60を設けた場合は、裏面基板70は、第3樹脂層50又は第4樹脂層60下に配置することができる。
裏面基板70を形成する材料は特に限定されず、例えば、ガラス、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)などが挙げられる。なお、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)としては、ガラスエポキシなどが挙げられる。裏面基板70を形成する材料は、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。これらの材料は衝撃等によりたわみが発生しにくく、軽量であるためである。
裏面基板70は、用途に応じて、裏面基板70を受光面とすることもできる。なお、裏面基板70を受光面とした場合であっても、次のように、本実施形態の太陽電池モジュール100は耐衝撃性が高い。すなわち、裏面基板70を受光面とし、ヒョウ等の衝突物が裏面基板70に衝突した場合であったとしても、第1樹脂層30の引張弾性率が樹脂基板20や第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。そのため、第1樹脂層30が緩衝材となり、裏面基板70にかかる衝突エネルギーを分散することができる。したがって、光電変換部10の破損や接続部材14の切断などを抑制することができる。
裏面基板70の厚みは、特に限定されないが、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、0.2mm以上5.0mm以下であることがより好ましい。このような範囲とすることによって、裏面基板70のたわみを抑制し、太陽電池モジュール100をより軽量化できる。
裏面基板70の引張弾性率は特に限定されないが、1.0GPa以上10.0GPa以下であることが好ましく、2.3GPa以上2.5GPa以下であることがより好ましい。また裏面基板70の引張弾性率は、第1樹脂層30よりも大きいことが好ましい。すなわち、第1樹脂層30の引張弾性率は、樹脂基板20、第2樹脂層40及び裏面基板70のそれぞれの引張弾性率よりも小さいことが好ましい。
裏面基板70の曲げ剛性は、樹脂基板20の曲げ剛性よりも大きいことが好ましい。具体的には、裏面基板70の1m幅当たりの曲げ剛性は、樹脂基板20の1m幅当たりの曲げ剛性よりも大きいことが好ましい。このようにすることにより、ヒョウ等の衝突に対する太陽電池モジュール100の耐衝撃性を向上させることができる。
なお、曲げ剛性は、次の式(3)のように、表される。
[数3]
曲げ剛性(N・m)=曲げ弾性率(Pa)×断面二次モーメント(m) (3)
曲げ弾性率は、次のように、JIS K7171:2016(プラスチック−曲げ特性の求め方)により測定することができる。なお、曲げ弾性率は、例えば、試験温度25℃、試験速度5mm/minで試験片を圧縮することにより測定することができる。
[数4]
=(σf2−σf1)/(εf2−εf1) (4)
上記式(4)において、Eは曲げ弾性率(Pa)、σf1はたわみsで測定した曲げ応力(Pa)、σf2はたわみsで測定した曲げ応力(Pa)、εfiは曲げひずみ(ε=0.0005及びε=0.0025)を表す。
たわみは、次の式(5)によって算出される。
[数5]
=εfi/6h (5)
上記式(5)において、sはたわみ(mm)、εfiは曲げひずみ(ε=0.0005及びε=0.0025)、Lは支点間距離(mm)、hは試験片の平均厚さ(mm)を表す。
断面二次モーメントは、断面が直方体の場合、次の式(6)のように、表される。
[数6]
I=bh/12 (6)
上記式(6)において、Iは断面二次モーメント(m)、bは断面の幅(m)、hは断面の高さ(m)を表す。
裏面基板の曲げ剛性を樹脂基板の曲げ剛性よりも小さくした場合の耐衝撃性を、以下の実施例により評価した。ただし、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例12]
厚さ1mmの樹脂基板、厚さ0.6mmの第3樹脂層、光電変換部、厚さ0.6mmの第2樹脂層、厚さ1mmの裏面基板を上から順に積層して145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。樹脂基板は、ポリカーボネート(PC)を用いた。第3樹脂層は、ポリオレフィン(PO)を用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。第2樹脂層は、ポリオレフィン(PO)を用いた。裏面基板は、ポリカーボネート(PC)(曲げ弾性率2.3GPa)を用いた。
[実施例13]
裏面基板をガラスエポキシ(曲げ弾性率20GPa)とした以外は、実施例12と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例14]
裏面基板をガラスエポキシ(曲げ弾性率20GPa)とし、裏面基板の厚さを2mmとした以外は、実施例12と同様に太陽電池モジュールを作製した。
(耐衝撃性)
耐衝撃性は、JIS C8917:1998(結晶系太陽電池モジュールの環境試験方法及び耐久性試験方法)の付属書7に規定の降ひょう試験に準拠し、以下のような試験条件にて試験を実施した。すなわち、各例の太陽電池モジュールに、質量227±2g、直径約38mmの鋼球を1m及び20cmの高さから力を加えずに、太陽電池モジュールの樹脂基板の中心点に落下させた。そして、1mの高さにおいて光電変換部が破損しなかったものを「1m以上」、20cmの高さにおいて光電変換部が破損せず1mの高さにおいて光電変換部が破損したものを「20cm以上1m未満」と評価した。また、20cmの高さにおいて光電変換部が破損したものを「20cm未満」と評価した。なお、曲げ剛性は、実施例12の曲げ剛性を1とした場合の比率で示してある。
各実施例の耐衝撃性を降ひょう試験により評価したところ、表3のように、実施例12及び実施例13の太陽電池モジュールにおいては、20cmの高さにおいて光電変換部が破損しなかったが、1mの高さにおいて光電変換部が破損した。一方、実施例14の太陽電池モジュールにおいては、1mの高さにおいても光電変換部が破損しなかった。
実施例12〜実施例14の結果より、裏面基板70の曲げ剛性が、樹脂基板20の曲げ剛性より大きい場合に、耐衝撃性が向上することが確認できた。おそらく、裏面基板70の曲げ剛性が大きいことにより、衝撃時のモジュール全体のたわみを抑制することができ、太陽電池モジュールの破壊が抑制できたものと考えられる。そのため、本実施形態においては、裏面基板70の曲げ剛性は、樹脂基板20の曲げ剛性よりも大きいことが好ましい。すなわち、太陽電池モジュール100は、第2樹脂層40下に配置され、樹脂基板20よりも大きい曲げ剛性を有する裏面基板70をさらに備えることが好ましい。なお、この場合、太陽電池モジュールは、上述したような第3樹脂層50を備えていてもよく、第3樹脂層50を備えていなくてもよい。または、太陽電池モジュール100は、第4樹脂層60下に配置され、樹脂基板20よりも大きい曲げ剛性を有する裏面基板70をさらに備えることも好ましい。
また、特に限定されないが、裏面基板70の熱膨張率は、樹脂基板20の熱膨張率よりも大きいことが好ましい。このようにすることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性が向上し、温度変化による接続部材14の切断を抑制することができる。
裏面基板の線膨張率を樹脂基板の線膨張率よりも小さくした場合の耐熱衝撃性を、以下の実施例により評価した。ただし、本実施形態はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例15]
厚さ1mmの樹脂基板、厚さ1mmの第1樹脂層、厚さ0.6mmの第3樹脂層、光電変換部、厚さ0.6mmの第2樹脂層、厚さ2mmの裏面基板を上から順に積層して145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。樹脂基板は、ポリカーボネート(PC)(線膨張率70×10−6−1)を用いた。第1樹脂層は、ゲルを用いた。第3樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。第2樹脂層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。裏面基板は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)(線膨張率2.5×10−6−1)を用いた。
[実施例16]
裏面基板にガラス(線膨張率9×10−6−1)を用いた以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例17]
裏面基板にガラスエポキシ(線膨張率20×10−6−1)を用いた以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例18]
第1樹脂層を設けないこと以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例19]
第1樹脂層を設けず、裏面基板にガラス(線膨張率9×10−6−1)を用いた以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例20]
第1樹脂層を設けず、裏面基板にガラスエポキシ(線膨張率20×10−6−1)を用いた以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
[実施例21]
第1樹脂層を設けず、裏面基板にポリカーボネート(PC)(線膨張率70×10−6−1)を用いた以外は、実施例15と同様に太陽電池モジュールを作製した。
(耐熱衝撃性)
耐熱衝撃性は、JIS C8990:2009(IEC61215:2005)(地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認及び形式認証のための要求事項)の温度サイクル試験に準じ、以下のような試験条件にて試験を実施した。すなわち、各実施例の太陽電池モジュールを試験槽内に設置し、太陽電池モジュールの温度を−40℃±2℃と+85℃±2℃との間で周期的に変化させた。このような温度サイクル試験を25サイクル、50サイクル及び200サイクル行った後、目視にて太陽電池セルを互いに接続する接続部材を確認した。そして、200サイクルで接続部材が切断しなかったものを「200以上」、50サイクルで接続部材が切断せず200サイクルで接続部材が切断したものを「50以上200未満」と評価した。また、25サイクルで接続部材が切断せず50サイクルで接続部材が切断したものを「25以上50未満」、25サイクルで接続部材が切断したものを「25未満」と評価した。なお、下限と上限との間の温度変化速度を約1.4℃/時間、下限温度の保持時間を60分、上限温度の保持時間を1時間20分とし、1サイクルの時間を5時間20分とした。また、温度サイクル試験は少なくとも3回実施した。
各実施例の耐熱衝撃性を温度サイクル試験により評価したところ、表4のように、実施例15の太陽電池モジュールにおいては、200サイクル後であっても接続部材は切断しなかった。一方、実施例16及び実施例18の太陽電池モジュールにおいては、50サイクル後では接続部材は切断しなかったが、200サイクル後では接続部材が切断した。また、実施例17及び実施例19の太陽電池モジュールにおいては、25サイクル後では接続部材は切断しなかったが、50サイクル後では接続部材が切断した。また、実施例20及び実施例21の太陽電池モジュールにおいては、25サイクル後でも接続部材が切断した。そのため、裏面基板70の線膨張率を樹脂基板20の線膨張率よりも小さくすることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができることが確認できた。また、実施例15〜実施例17と実施例18〜実施例21との比較により、引張弾性率の比較的小さいゲルを第1樹脂層に用いることにより、耐熱衝撃性を向上させることも確認できた。
実施例15〜実施例21の結果より、裏面基板70の熱膨張率が、樹脂基板20の熱膨張率より小さい場合に、耐熱衝撃性が向上することが確認できた。おそらく、裏面基板70の熱膨張率が小さいことにより、光電変換部周辺の樹脂層の熱伸縮を抑制することができ、接続部材の切断が抑制できたものと考えられる。そのため、本実施形態においては、裏面基板70の熱膨張率は、樹脂基板20の熱膨張率よりも小さいことが好ましい。すなわち、太陽電池モジュール100は、第2樹脂層40下に配置され、樹脂基板20よりも小さい熱膨張率を有する裏面基板70をさらに備えることが好ましい。なお、この場合、太陽電池モジュールは、上述したような第3樹脂層50を備えていてもよく、第3樹脂層50を備えていなくてもよい。または、太陽電池モジュール100は、第4樹脂層60下に配置され、樹脂基板20よりも小さい熱膨張率を有する裏面基板70をさらに備えることも好ましい。
<低熱膨張層80>
裏面基板70の線膨張率を樹脂基板20の線膨張率より小さくすることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることが実施例15〜実施例21により確認できている。このような効果は、光電変換部10と裏面基板70との間に、低熱膨張層80を設けることによっても実現することができる。そのため、低熱膨張層80は、光電変換部10と裏面基板70との間に配置されることが好ましい。具体的には、図14に示すように、太陽電池モジュール100は、第2樹脂層40下に配置され、樹脂基板20よりも小さい熱膨張率を有する低熱膨張層80をさらに備えることが好ましい。なお、この場合、太陽電池モジュール100は、上述したような第3樹脂層50を図15のように備えていてもよく、第3樹脂層50を備えていなくてもよい。または、図16のように、太陽電池モジュール100は、第4樹脂層60下に配置され、樹脂基板20よりも小さい熱膨張率を有する低熱膨張層80をさらに備えることも好ましい。
低熱膨張層80の形状は、特に限定されず、用途に応じて円形、楕円形、矩形などの多角形とすることができる。また、低熱膨張層80の大きさも、特に限定されず、低熱膨張層80は接続部材14に沿って配置することができる。このように配置することにより、比較的高価な低熱膨張層80を用いた場合であっても、太陽電池モジュール100を低廉に抑えることができ、かつ、耐熱衝撃性を向上させることができる。なお、低熱膨張層80を接続部材14に沿って配置するとは、低熱膨張層80を光電変換部10の鉛直方向下方に接するように配置してもよく、低熱膨張層80を光電変換部10の鉛直方向下方に他の層を介して配置することもできる。ここで、鉛直方向下方とは、太陽電池モジュール100の積層方向(z軸方向)下方をいう。また、耐熱衝撃性をより向上させるという観点からは、低熱膨張層80は、光電変換部10と裏面基板70との間に配置される樹脂層の下面全体を覆うように配置されていることが好ましい。具体的には、低熱膨張層80は、第2樹脂層40下に接触して配置され、第2樹脂層40の下面全体を覆うように配置されていることが好ましい。なお、この場合、太陽電池モジュールは、上述したような第3樹脂層50を備えていてもよく、第3樹脂層50を備えていなくてもよい。または、低熱膨張層80は、第4樹脂層60下に接触して配置され、第4樹脂層60の下面全体を覆うように配置されていることも好ましい。
低熱膨張層80を形成する材料は特に限定されないが、例えば、ガラス、紙、ガラス繊維、セラミックシートなどが挙げられる。なお、低熱膨張層80を形成する材料は、ガラス以下の低熱膨張率を有することが好ましい。具体的には、線膨張率が0より大きく10×10−6−1以下である事が好ましい。
<潤滑層90>
図17のように、太陽電池モジュール100は、樹脂基板20と第1樹脂層30との間に配置され、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数が0.0001〜0.1である潤滑層90をさらに備えることが好ましい。太陽電池モジュール100がこのような潤滑層90をさらに備えることにより、樹脂基板20の熱伸縮が、潤滑層90による潤滑効果により、第1樹脂層30に直接伝わるのを抑制することができる。そのため、樹脂基板20の熱伸縮に由来する接続部材14の切断をより抑制することができ、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができる。また、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数を0.0001以上とすることにより、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性が良好になるため好ましい。また、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数を0.1以下とすることにより、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の密着性が良好になるため好ましい。なお、図7〜図9のように、第2樹脂層40が、平面視における第1樹脂層30の外周を全て囲んで、樹脂基板20と接着して配置される場合には、潤滑層90の漏洩が抑制できるため好ましい。
樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数は、例えばJIS K7125:1999(プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法)に記載された方法に準じて測定することができる。
潤滑層90の厚みは、0.01μm〜100μmであることが好ましい。なお、密着性の観点からは、潤滑層90の厚みは、0.01μm〜75μmであることが好ましく、0.01μm〜50μmであることが更に好ましい。
潤滑層90を形成する材料は、グリースを含むことが好ましい。グリースは外力を受けた場合に、外力が降伏値より小さい間は流体抵抗が大きいが、外力が降伏値以上になると流動を始める。そのため、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させるとともに、太陽電池モジュール100の取り扱いを容易にすることができる。
グリースは、基油に増ちょう剤を混ぜて作った半固体状又は固体状の潤滑剤である。また、グリースは、基油及び増ちょう剤に加えて、分散剤及び酸化防止剤などを必要に応じて添加してもよい。
基油としては、例えば精製鉱油、合成潤滑油及びこれらの混合油などが挙げられる。精製鉱油としては、例えば原油を蒸留することにより得ることができる。合成潤滑油としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。
増ちょう剤としては、例えば石けん系増ちょう剤及び非石けん系増ちょう剤などが挙げられる。石けん系増ちょう剤としては、例えばカルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、カルシウムコンプレックス、アルミニウムコンプレックス、リチウムコンプレックスなどの複合型石けん系増ちょう剤などが挙げられる。非石けん系増ちょう剤としては、例えばジウレア、トリウレア及びポリウレアなどのウレア系増ちょう剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナトリウムテレフレートなどの有機系増ちょう剤、ベントナイト、シリカゲルなどの無機系増ちょう剤などが挙げられる。
グリースとしては、例えばシリコン系グリース、シリコーン系グリース、フルオロエーテル系グリース、フルオロアルキル系グリースなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、グリースは、シリコーン系グリース及びフルオロアルキル系グリース(テフロン(登録商標)系グリース)の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
グリースは、−40℃〜150℃において半固体状であることが好ましい。グリースを−40℃〜150℃において半固体状にすることにより、液漏れを少なくすることができ、太陽電池モジュール100の取り扱いを容易にすることができる。
グリースの滴点は150℃以下であることが好ましい。グリースの滴点をこのような範囲とすることにより、太陽電池モジュール100が高温になった場合であっても、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の潤滑性を長期間維持することができる。なお、滴点は、例えばJIS K2200:2013(グリース)に規定された滴点試験方法により測定することができる。
グリースの融点は−40℃以上であることが好ましい。グリースの融点をこのような範囲とすることにより、寒冷地においても、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の潤滑性を維持することができ、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができる。
−40℃における樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数は、0.0001〜0.1であることが好ましい。−40℃における樹脂基板20と第1樹脂層30との間の静摩擦係数をこのような範囲とすることにより、寒冷地においても、太陽電池モジュール100の耐熱衝撃性を向上させることができる。
<酸素バリア層95>
本実施形態の太陽電池モジュール100は、第1樹脂層30上及び第2樹脂層40下にそれぞれ配置され、200cm/m・24h・atm以下の酸素透過度を有する酸素バリア層95をさらに備えることが好ましい。具体的には、光電変換部10が第2樹脂層40上に配置される場合、太陽電池モジュール100は、第1樹脂層30上及び第2樹脂層40下にそれぞれ配置され、所定の酸素透過度を有する酸素バリア層95をさらに備えることが好ましい。このような酸素バリア層95を備えることにより、太陽電池モジュール100内に進入する酸素の量を低減し、第1樹脂層30及び第2樹脂層40の内部で発生する酸素由来のラジカルの発生量を低減することができる。そのため、ラジカルによる樹脂の分解を抑制し、樹脂の変色を抑制することができる。
本実施形態において、酸素バリア層95は、第1樹脂層30より上に配置することができる。具体的には、酸素バリア層95は、第1樹脂層30と樹脂基板20との間に配置することができる。このとき、図18の実施形態のように、酸素バリア層95は第1樹脂層30と直接接していてもよいが、第1樹脂層30と直接接していなくてもよい。例えば、酸素バリア層95は、樹脂基板20の上に配置することができる。なお、酸素バリア層95に加え、又は酸素バリア層95に代えて、樹脂基板20の酸素透過度を200cm/m・24h・atm以下としてもよい。
また、本実施形態において、酸素バリア層95は、第2樹脂層40より下に配置することができる。具体的には、例えば図18の実施形態のように、酸素バリア層95は、第2樹脂層40と裏面基板70との間に配置することができる。このとき、図18の実施形態のように酸素バリア層95は第2樹脂層40と直接接していてもよいが、第2樹脂層40と直接接していなくてもよい。例えば、酸素バリア層95は、裏面基板70の下に配置することができる。なお、酸素バリア層95に加え、又は酸素バリア層95に代えて、裏面基板70の酸素透過度を200cm/m・24h・atm以下としてもよい。
また、本実施形態の太陽電池モジュール100は、第1樹脂層30上及び第4樹脂層60下にそれぞれ配置され、200cm/m・24h・atm以下の酸素透過度を有する酸素バリア層をさらに備えることが好ましい。具体的には、光電変換部10が第2樹脂層40下かつ第4樹脂層60上に配置される場合、太陽電池モジュール100は、第1樹脂層30上及び第4樹脂層60下にそれぞれ配置され、所定の酸素透過度を有する酸素バリア層をさらに備えることが好ましい。このような酸素バリア層95を備えることにより、太陽電池モジュール100内に進入する酸素の量を低減し、第1樹脂層30、第2樹脂層40及び第4樹脂層60の内部で発生する酸素由来のラジカルの発生量を低減することができる。そのため、ラジカルによる樹脂の分解を抑制し、樹脂の変色を抑制することができる。
本実施形態において、酸素バリア層95は、第4樹脂層60より下に配置することができる。具体的には、例えば図19の実施形態のように、第4樹脂層60と裏面基板70との間に配置することができる。このとき、図19の実施形態のように、酸素バリア層95は第4樹脂層60と直接接していてもよいが、第4樹脂層60と直接接していなくてもよい。例えば、酸素バリア層95は、裏面基板70の下に配置することができる。なお、酸素バリア層95に加え、又は酸素バリア層95に代えて、裏面基板70の酸素透過度を200cm/m・24h・atm以下としてもよい。
なお、酸素バリア層95を配置する位置は、上述のような位置に限定されない。具体的には、酸素バリア層95は、第1樹脂層30の下面、裏面基板70の下面、第1樹脂層30の内部、第2樹脂層40の内部、第3樹脂層50の内部、第4樹脂層60の内部などに配置されていてもよい。また、酸素バリア層95は、太陽電池モジュール100の端面に配置されていてもよい。この場合、太陽電池モジュール100の側面から進入する酸素の量を抑制することができる。さらに、第1樹脂層30、第2樹脂層40、第3樹脂層50、第4樹脂層60は、それぞれ酸素バリア層95により内包されていてもよい。
酸素バリア層95の酸素透過度は200cm/m・24h・atm以下が好ましく、0.001〜200cm/m・24h・atmであることがより好ましい。酸素透過度をこのような範囲とすることにより、太陽電池モジュール100内の樹脂の変色を抑制することができる。なお、酸素透過度は、JIS K7126−2(プラスチック−フィルム及びシート−ガス透過度試験方法−第2部:等圧法)の規定に従って測定することができる。なお、酸素透過度は、測定温度23℃、測定湿度90%RHで測定することができる。
酸素バリア層95を形成する材料としては、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、無延伸ナイロン(CNY)、二軸延伸ナイロン(ONY)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コート二軸延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリ塩化ビニリデン(PVDC)コート二軸延伸ナイロン(ONY)、ポリ(メタキシリレンアジパミド)(ナイロンMXD6)、エチレン−ビニルアルコール共重合体(EVOH)、塩化ビニリデン−メチルアクリレート共重合体、アルミナコートPET、シリカコートPET、ナノコンポジット系コートPETなどを用いることができる。
以上の通り、本実施形態に係る太陽電池モジュール100は、樹脂基板20と、第1樹脂層30と、光電変換部10と、第2樹脂層40と、を備える。第1樹脂層30は樹脂基板20下に配置される。光電変換部10は第1樹脂層30下に配置される。第2樹脂層40は、第1樹脂層30下に配置され、かつ、第1樹脂層30を貫通して又は外側から覆って、樹脂基板20と接着して配置される。隣接した光電変換部10は接続部材14で互いに電気的に接続される。第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。そのため、太陽電池モジュール100の耐衝撃性を高くすることができ、樹脂基板20に対する光電変換部10の固定効果を高くすることができる。
<太陽電池モジュール100の製造方法>
本実施形態に係る太陽電池モジュール100は公知の方法を用いて作製することができる。例えば、図20に示すように、樹脂基板20、第1樹脂層30、光電変換部10、第2樹脂層40、裏面基板70を順番に積層して、加熱しながら圧縮することで成形することができる。ただし、各層を数工程に分けて圧縮成形するなど、詳細な工程については特に限定されず、目的に応じた成形をすることができる。例えば、光電変換部10が表面部、裏面部及び側面部を有する場合、光電変換部10の側面部及び裏面部を第2樹脂層40に接着させてから、第1樹脂層30などの他の部材に接着させることもできる。このようにすることで、第2樹脂層40に光電変換部10を固定する効果をより向上させることができる。
加熱条件は特に限定されないが、例えば、真空状態で150℃程度に加熱することができる。真空条件で加熱した場合は、泡抜け性がさらに向上するため好ましい。真空加熱の後、大気圧下において、各層を加圧しながらヒーターなどにより加熱して、樹脂成分を架橋することもできる。また、加熱により得られた積層体には、フレームなどを取り付けることもできる。
本実施形態の太陽電池モジュール100の製造方法は、上述の通り特に限定されないが、第2樹脂層40の上又は下に、平面視で第2樹脂層40よりも面積が小さい第1樹脂層30を積層し、樹脂基板20と第2樹脂層40を接着する工程を有することが好ましい。すなわち、太陽電池モジュール100の製造方法は、樹脂基板20と、第1樹脂層30と、光電変換部10と、第2樹脂層40と、を備えた太陽電池モジュール100の製造方法である。第1樹脂層30は樹脂基板20下に配置される。光電変換部10は第1樹脂層30下に配置される。第2樹脂層40は、第1樹脂層30下に配置され、かつ、平面視における第1樹脂層30の外周を全て囲んで、樹脂基板20と接着して配置される。隣接した光電変換部10は接続部材14で互いに電気的に接続することができる。第1樹脂層30の引張弾性率は樹脂基板20及び第2樹脂層40の引張弾性率より小さい。そして、太陽電池モジュール100の製造方法は、第2樹脂層40の上に、平面視で第2樹脂層40よりも面積が小さい第1樹脂層30を積層し、樹脂基板20と第2樹脂層40を接着する工程を有する。
このような工程を有することで、図20のように、第2樹脂層40の外周側が第1樹脂層30に覆われるような状態で圧着されるため、第1樹脂層30が第2樹脂層40を超えてはみ出ることを防止することができる。なお、この際、積層する第1樹脂層30の体積は、第1樹脂層30を包囲するように形成された第2樹脂層40の凹部内の体積と同等以上であることが好ましい。このようにすることで、第1樹脂層30のはみ出しを抑制し、かつ、第1樹脂層30と第2樹脂層40との間に空隙が生じることを抑制することができる。
本実施形態においては、第2樹脂層40の凹部内に、第1樹脂層30を積層する工程を有することが好ましい。このような工程を有することにより、特に、第1樹脂層30が液体又は半液体などの粘度が低い材料である場合に、適量の第1樹脂層30を第2樹脂層40の凹部内に配置することができるため、第1樹脂層30に引張弾性率のより小さな材料を用いることができる。その結果、太陽電池モジュール100の耐衝撃性をより向上させることができる。
特願2016−108199号(出願日:2016年5月31日)及び特願2016−250884号(出願日:2016年12月26日)の全内容は、ここに援用される。
以上、本実施形態を実施例によって説明したが、本実施形態はこれらに限定されるものではなく、本実施形態の要旨の範囲内で種々の変形が可能である。
本発明によれば、耐衝撃性が高く、光電変換部の固定効果が高い太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することができる。
10 光電変換部
14 接続部材
20 樹脂基板
30 第1樹脂層
35 スリット
40 第2樹脂層
50 第3樹脂層
60 第4樹脂層
70 裏面基板
80 低熱膨張層
90 潤滑層
95 酸素バリア層
100 太陽電池モジュール
しかしながら、樹脂基板はガラス基板に比べて硬度が小さいため、ヒョウ等の衝突物が樹脂基板に衝突すると、樹脂基板がたわみ、たわんだ部分に衝突物がさらに衝突する結果、局所的な荷重が生じやすくなる。そして、局所的な荷重が樹脂基板及び封止材を介して太陽電池セルに伝わり、太陽電池セルを破壊してしまうおそれがあった。そのため、耐衝撃性の高い太陽電池モジュールが求められていた。
グリースの滴点は150℃以下であることが好ましい。グリースの滴点をこのような範囲とすることにより、太陽電池モジュール100が高温になった場合であっても、樹脂基板20と第1樹脂層30との間の潤滑性を長期間維持することができる。なお、滴点は、例えばJIS K2220:2013(グリース)に規定された滴点試験方法により測定することができる。
このような工程を有することで、図20のように、第1樹脂層30の外周側が第2樹脂層40に覆われるような状態で圧着されるため、第1樹脂層30が第2樹脂層40を超えてはみ出ることを防止することができる。なお、この際、積層する第1樹脂層30の体積は、第1樹脂層30を包囲するように形成された第2樹脂層40の凹部内の体積と同等以上であることが好ましい。このようにすることで、第1樹脂層30のはみ出しを抑制し、かつ、第1樹脂層30と第2樹脂層40との間に空隙が生じることを抑制することができる。

Claims (23)

  1. 樹脂基板と、
    前記樹脂基板下に配置された第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層下に配置された光電変換部と、
    前記第1樹脂層下に配置され、かつ、前記第1樹脂層を貫通して又は外側から覆って、前記樹脂基板と接着して配置された第2樹脂層と、を備え、
    隣接した前記光電変換部は接続部材で互いに電気的に接続され、
    前記第1樹脂層の引張弾性率は前記樹脂基板及び前記第2樹脂層の引張弾性率より小さいことを特徴とする太陽電池モジュール。
  2. 前記第2樹脂層は、平面視における前記第1樹脂層の少なくとも一方向の縁全体を外側から覆って、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第2樹脂層は、前記接続部材で接続された前記光電変換部の接続方向に対して垂直方向に延びる前記第1樹脂層の両端の縁全体を、前記第1樹脂層を挟むように、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第2樹脂層は、前記接続部材で接続された前記光電変換部の接続方向に延びる前記第1樹脂層の両端の縁全体を、前記第1樹脂層を挟むように、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第2樹脂層は、平面視における前記第1樹脂層の外周を全て囲んで、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記第2樹脂層は、前記第1樹脂層を貫通して、かつ、平面視における前記第1樹脂層の外周を全て囲んで、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記第1樹脂層と、前記第1樹脂層に隣接し、前記光電変換部上に配置された樹脂層との屈折率差が0.1以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記光電変換部は前記第2樹脂層上に配置され、
    前記第2樹脂層は、2以上の前記光電変換部の平面視におけるそれぞれの外周を全て囲い、かつ、前記樹脂基板と接着して配置されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記第1樹脂層上及び前記第2樹脂層下にそれぞれ配置され、200cm/m・24h・atm以下の酸素透過度を有する酸素バリア層をさらに備えることを特徴とする請求項8に記載の太陽電池モジュール。
  10. 前記第1樹脂層下かつ前記第2樹脂層上に配置される第3樹脂層をさらに備え、
    前記光電変換部は、前記第3樹脂層下かつ前記第2樹脂層上に配置され、
    前記第3樹脂層の引張弾性率は、前記第2樹脂層の引張弾性率よりも小さいことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  11. 前記第2樹脂層下に配置され、前記樹脂基板よりも小さい熱膨張率を有する低熱膨張層をさらに備えることを特徴とする請求項10に記載の太陽電池モジュール。
  12. 前記第2樹脂層下に配置され、前記樹脂基板よりも大きい曲げ剛性を有する裏面基板をさらに備えることを特徴とする請求項10又は11に記載の太陽電池モジュール。
  13. 前記第2樹脂層下に配置される第4樹脂層をさらに備え、
    前記光電変換部は、前記第2樹脂層下かつ前記第4樹脂層上に配置され、
    前記第2樹脂層の引張弾性率は、前記第4樹脂層の引張弾性率よりも小さいことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  14. 前記第1樹脂層上及び前記第4樹脂層下にそれぞれ配置され、200cm/m・24h・atm以下の酸素透過度を有する酸素バリア層をさらに備えることを特徴とする請求項13に記載の太陽電池モジュール。
  15. 前記第4樹脂層下に配置され、前記樹脂基板よりも小さい熱膨張率を有する低熱膨張層をさらに備えることを特徴とする請求項13又は14に記載の太陽電池モジュール。
  16. 前記第4樹脂層下に配置され、前記樹脂基板よりも大きい曲げ剛性を有する裏面基板をさらに備えることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  17. 前記第2樹脂層下に配置され、前記樹脂基板よりも大きい曲げ剛性を有する裏面基板をさらに備えることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  18. 前記樹脂基板はポリカーボネートを含有し、
    前記第1樹脂層はシリコーンゲル、アクリルゲル及びウレタンゲルからなる群より選択される少なくとも1つを含有することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  19. 前記第2樹脂層の水蒸気透過度は、前記第1樹脂層の水蒸気透過度よりも小さいことを特徴とする請求項1〜18のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  20. 前記第1樹脂層はゲルであり、前記第1樹脂層はスリットを含むことを特徴とする請求項1〜19のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  21. 前記樹脂基板と前記第1樹脂層との間に配置され、前記樹脂基板と前記第1樹脂層との間の静摩擦係数が0.0001〜0.1である潤滑層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜20のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  22. 前記接続部材はアルミニウムにより形成されていることを特徴とする請求項1〜21のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  23. 樹脂基板と、
    前記樹脂基板下に配置された第1樹脂層と、
    前記第1樹脂層下に配置された光電変換部と、
    前記第1樹脂層下に配置され、かつ、平面視における前記第1樹脂層の外周を全て囲んで、前記樹脂基板と接着して配置された第2樹脂層と、を備え、
    隣接した前記光電変換部は接続部材で互いに電気的に接続され、
    前記第1樹脂層の引張弾性率は前記樹脂基板及び前記第2樹脂層の引張弾性率より小さい太陽電池モジュールの製造方法であって、
    前記第2樹脂層の上又は下に、平面視で前記第2樹脂層よりも面積が小さい前記第1樹脂層を積層し、前記樹脂基板と前記第2樹脂層を接着する工程を有することを特徴とする太陽電池モジュールの製造方法。
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