JP6655828B2 - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、表面保護基板が透明樹脂からなる太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、基本的な構成として、第1の基板(表面保護基板)と、第1の樹脂層(封止材層)と、光電変換部と、第2の樹脂層(封止材層)と、第2の基板(裏面保護基板)と、をこの順に備えた構成になっている。つまり、光電変換部の表裏面を、第1の基板及び第1の樹脂層と、第2の樹脂層及び第2の基板とで覆うことで、光電変換部の保護を図っている。このような構成において、光電変換部においては、複数の太陽電池セルがマトリックス状に配列され、隣接する太陽電池セル同士はタブ配線によって電気的に接続される。そして、このように、光電変換部は複数の太陽電池セル同士を複数のタブ配線によって電気的に接続し、例えば出力電圧を高めるようにしている。
太陽電池モジュールの保護基板としては、従来、ガラス基板を用いるのが一般的であったが、近年、軽量化のためにガラス基板に代わり樹脂基板が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。
上記のような樹脂基板を用いた太陽電池モジュールにおいて、受光面側は表面保護基板で覆っているので、例えば小さな雹の衝突があっても内部の光電変換部が損傷することはない。しかし、樹脂基板はガラス基板と比較すると耐衝撃性が十分とは言えず、大きな雹などの物体が衝突したときには、光電変換部に損傷をきたす虞がある。そのため、表面保護基板に用いられる材料の強度や厚みなどを考慮する必要がある。
また、裏面保護基板は外部からの衝撃を受けることが少なく、上記のような表面保護基板と同等の要求性能を満たす必要はない。そのため、一般には、表面保護基板と裏面保護基板とで、基板の構成材料、機械特性、熱的な特性、厚みなどの構成が異なる。
一方、太陽電池モジュールを曲面形状とする場合、表面保護基板の内面形状にしっかりと追従するように裏面保護基板を作製することは容易ではなく、裏面保護基板の作製やその貼り合わせに工数を要する。
特開2013−145807号公報
上記の通り、表面保護基板と裏面保護基板とにおいてそれぞれ要求性能が異なるため、それぞれの役割に応じた材料及び厚みで各保護基板が形成される。しかし、各保護基板において熱膨張係数及び剛性が異なると反りの発生の原因となる。つまり、一定の厚みを有するもの同士で熱膨張係数及び剛性が異なると、温度変化により一方は伸縮しやすいが他方は伸縮し難いといった状態となり反りや内部応力の発生の原因となる。そのような問題は、表面保護基板と裏面保護基板とで性質が同じものとするか、近似するものとすることである程度は解消されると考えられる。しかし、裏面保護基板を、一般に剛性が大きい表面保護基板と同等のものにすると、裏面保護基板を変形することが困難となる。そのため、太陽電池モジュールを曲面形状にする場合に裏面保護基板を変形させて表面保護基板に追従させることが困難となる。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、反りや内部応力の発生が抑えられ、かつ、曲面形状に対する追従性に優れる太陽電池モジュールを提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明の態様に係る太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の表面保護基板と、ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、裏面保護層とを有する。そして、ゲル状高分子層の引張弾性率が、表面保護基板、第1封止材層及び第2封止材層のうちのいずれの引張弾性率よりも小さい。また、裏面保護層の熱膨張係数が、表面保護基板の熱膨張係数よりも小さい。さらに、裏面保護層の厚みが、表面保護基板の厚みの10%以下である。
図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュールを示す上面図である。 図2は、図1に示す太陽電池モジュールの部分断面図である。 図3は、図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図4は、スリットを有する裏面保護層を用いた太陽電池モジュールを後方から見た側面図である。 図5は、図4に示す太陽電池モジュールの裏面保護層の上面図である。 図6は、スリットを有する裏面保護層の別の例を示す上面図である。 図7は、リブを有する太陽電池モジュールを、(A)後方から見た側面図、(B)裏面保護層側から見た上面図である。 図8は、リブを有する太陽電池モジュールの別の例を示す、図7(A)に対応する図である。
<太陽電池モジュール>
以下、図面を参照して本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100を示す上面図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が「受光面」であり、z軸の負方向側に配置される主平面が「裏面」である。なお、「受光面」とは光が主に入射する面を意味し、「裏面」とは受光面と反対側の面を意味することもある。また、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。
太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル10、複数のタブ配線12、複数の接続配線14を含む。複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。太陽電池セル10は、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は、特に限定されないが、ここでは、一例として、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが積層されているとする。図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば2本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリックス状に配列される。ここでは、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられ、y軸方向に5つの太陽電池セル10が並べられる。なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これらに限定されない。y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル10は、タブ配線12によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング16が形成される。さらに、前述のごとく、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられるので、y軸方向に延びた太陽電池ストリング16がx軸方向に4つ平行に並べられる。
なお、太陽電池ストリング16は、複数の太陽電池セル10と複数のタブ配線12との組合せを示す。
太陽電池ストリング16を形成するために、タブ配線12は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを電気的に接続する。すなわち、隣接した太陽電池セル10は互いにタブ配線12で電気的に接続されている。タブ配線12は、細長い金属箔であり、例えば、銅箔にハンダや銀等をコーティングしたものが用いられる。タブ配線12とバスバー電極との接続には樹脂が使用される。この樹脂は導電性、非導電性いずれでもよい。後者の場合はタブ配線12とバスバー電極とを直接接触させることで電気的に接続される。また、タブ配線12とバスバー電極との接続は、樹脂ではなくハンダを用いてもよい。
さらに、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側と負方向側において、複数の接続配線14がx軸方向に延びており、接続配線14は、隣接した2つの太陽電池ストリング16を電気的に接続する。以上の構成において、太陽電池セル10、太陽電池ストリング16のそれぞれが「光電変換部」であってもよく、複数の太陽電池ストリング16と接続配線14との組合せが「光電変換部」であってもよい。なお、太陽電池モジュール100の端縁部には、図示しないフレームが取り付けられてもよい。フレームは、太陽電池モジュール100の端縁部を保護するとともに、太陽電池モジュール100を屋根等に設置する際に利用される。
本実施形態の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の表面保護基板と、ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、裏面保護層とを有する。そして、ゲル状高分子層の引張弾性率が、表面保護基板、第1封止材層及び第2封止材層のうちのいずれの引張弾性率よりも小さい。また、裏面保護層の熱膨張係数が、表面保護基板の熱膨張係数よりも小さい。さらに、裏面保護層の厚みが、表面保護基板の厚みの10%以下である。
図2は、図1のA−A線に沿った太陽電池モジュール100の一部を示す断面図である。太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10、タブ配線12、接続配線14、太陽電池ストリング16、表面保護基板20、ゲル状高分子層22、第1封止材層26、第2封止材層28及び裏面保護層32を含む。図2の上側が受光面(表面)側に相当し、下側が裏面側に相当する。
図2に示す構成において、太陽電池モジュール100の裏面には、表面保護基板20の厚みの10%以下である裏面保護層32が配されている。裏面保護層32の厚みは表面保護基板20と比較して非常に薄いため、裏面保護層32は剛性が小さく変形しやすい。その上、裏面保護層32の熱膨張係数は、表面保護基板20の熱膨張係数よりも小さく、温度変化に起因する裏面保護層32の伸縮は表面保護基板20の伸縮より小さい。
一方、ゲル状高分子層22は、表面保護基板20、第1封止材層26及び第2封止材層28のうちのいずれの引張弾性率よりも小さく柔軟性が高い。そのため、温度変化により表面保護基板20が伸縮した場合でも、表面保護基板20に隣接する下層のゲル状高分子層22は引張弾性率が小さいため、表面保護基板20の伸縮に追従することができる。
以上のことから、温度変化により、表面保護基板20が伸縮してもゲル状高分子層22がその伸縮に追従するため、表面保護基板20の伸縮による応力の発生が緩和される。また、裏面保護層32は熱膨張係数が表面保護基板20よりも小さく、温度変化により伸縮し難い。従って、太陽電池モジュール100の表裏において、いずれか一方が伸縮しやすいといったことが抑えられ応力のバランスが保たれる。ひいては、反りや内部応力の発生を防止することができる。
また、裏面保護層32は薄いが故に剛性が小さく変形しやすいため、曲面形状に対する追従性に優れる。
さらに、裏面保護層32を薄くすることにより、表面保護基板20と同等の基板状のもの(裏面保護基板)と比較して軽量化を図ることができる。
以下に、各層について順次説明する。
[表面保護基板]
表面保護基板20は、太陽電池モジュール100の太陽光の受光面側に位置し、透明樹脂から構成される基板である。表面保護基板20を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、表面保護基板20としては、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れるため、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに適しているからである。また、表面保護基板20は、その表面にシリコン系やアクリルウレタン系などで構成されるハードコート層を含んでもよい。さらに、表面保護基板20又はハードコート層などに紫外線吸収剤や艶調整剤、反射防止成分を含んでもよい。
表面保護基板20の厚みは、2〜6mmとすることが好ましく、3〜5mmとすることがより好ましい。本実施形態においては、裏面保護層32の厚みを、表面保護基板20の厚みの10%以下としているが、逆に言えば、表面保護基板20の厚みは、裏面保護層32の厚みの10倍以上である。つまり、裏面保護層32の厚みが薄いが故に低下する機械強度は、表面保護基板20が厚いことで担保されている。表面保護基板20の厚みをこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を光電変換部(太陽電池セル10)に効率よく到達させることができる。
表面保護基板20の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaであることが好ましく、2.3〜2.5GPaであることがより好ましい。表面保護基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次のように、JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により測定することができる。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) (1)
上記式(1)において、Etは引張弾性率(Pa)、σ1はひずみε1=0.0005における応力(Pa)、σ2はひずみε2=0.0025における応力(Pa)を示す。
表面保護基板20の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。表面保護基板20の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
表面保護基板20の熱膨張係数は、特に限定はなく、40〜110(×10−6−1)とすることができる。熱膨張係数は、JIS K 7197 :2012により測定することができる。
[ゲル状高分子層]
ゲル状高分子層22は、柔軟性に富むゲル状高分子により形成される層であり、表面保護基板20と第1封止材層26との間に位置する。ゲル状高分子層22は柔軟性を有し、表面保護基板20が伸縮したとき、その伸縮に追従するため、光電変換部に伸縮による応力が別の層に伝わるのを防止することができる。すなわち、表面保護基板20の伸縮による応力は、ゲル状高分子層22により緩和することができる。
ゲル状高分子層22を構成する材料としては、各種ゲルを用いることができる。ゲルは、特に限定されないが、溶媒を含有したゲルと溶媒を含有しないゲルに分類される。溶媒を含有したゲルには、分散媒が水のゲルであるヒドロゲル、分散媒が有機溶媒のゲルであるオルガノゲル、を用いることができる。また、溶媒を含有したゲルは、数平均分子量が10000以上の高分子ゲル、数平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマーゲル、数平均分子量が1000未満の低分子ゲルのいずれを用いることができる。ゲル状高分子は、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びスチレンからなる群より選択される少なくとも1種から構成されることが好ましい。
ゲル状高分子層22は、表面保護基板20の厚みに対して5〜70%の厚みを有することが好ましく、10〜50%の厚みを有することがより好ましい。ゲル状高分子層22がこのような厚みを有することで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
ゲル状高分子層22の引張弾性率は、0.1kPa以上5MPa未満が好ましく、1kPa以上1MPa以下がより好ましい。ゲル状高分子層22の引張弾性率がこのような範囲であることで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
ゲル状高分子層22の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。ゲル状高分子層22の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
[第1封止材層、第2封止材層]
第1封止材層26及び第2封止材層28は光電変換部を封止する。第1封止材層26は、表面保護基板20のz軸の負方向側(下側)に配置されており、第2封止材層28は、裏面保護層32のz軸の正方向側(上側)に配置されている。
第1封止材層26としては、例えば、引張弾性率が0.001MPa〜1MPaであり、損失係数が0.1〜0.52であるゲルが使用される。このようなゲルは、例えば、シリコーンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲル等である。シリコーンゲルについて、引張弾性率は0.022MPaである。損失係数は、貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比G”/G’であり、tanδで示される。損失係数は、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するかを示しており、tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収する。この損失係数は、動的粘弾性測定装置によって測定される。第1封止材層26は、透光性を有するとともに、表面保護基板20におけるx−y平面において僅かながら小さな寸法の面を有する長方形状のシート材によって形成される。なお、第1封止材層26は、液状であってもよい。
一方、第2封止材層28としては、例えば、EVA、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリイミド等の樹脂フィルムのような熱可塑性樹脂が使用される。なお、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。ここでは、特にEVAが使用されるとする。EVAについて、引張弾性率は0.01〜0.25GPaであり、損失係数は0.05である。第2封止材層28は、透光性を有するとともに、表面保護基板20におけるx−y平面と略同一寸法の面を有する矩形状のシート材によって形成される。
太陽電池モジュール100の裏面には、薄く剛性が小さい裏面保護層32が配されており、裏面保護層32側に位置する第2封止材層28は裏面保護層32からの応力の影響を受けやすく、タブ配線12の断線することが危惧される。そこで、本実施形態の太陽電池モジュール100において、第2封止材層28に引張弾性率が、第1封止材層26の引張弾性率より大きいことが好ましい。このように、第2封止材層28の引張弾性率を大きくする、つまり変形し難くすることで、タブ配線12は変位し難くなり裏面保護層32からの応力によるタブ配線12の断線を防止することができる。
[裏面保護層]
裏面保護層32は、バックシートとして太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。本実施形態においては、裏面保護層32の厚みは、表面保護基板20の厚みの10%以下である。また、裏面保護層32が母材と繊維材とを有し、繊維材の熱膨張係数が母材の熱膨張係数よりも小さく、かつ、裏面保護層32の厚みが0.5mm以下であることが好ましい。このような本実施形態の裏面保護層32について以下に詳述する。
裏面保護層32を構成する材料としては、ガラス繊維、ガラスクロス、母材(マトリックス樹脂)と繊維材とを有する繊維強化プラスチック(FRP)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)などが挙げられる。なお、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)としては、ガラスエポキシなどが挙げられる。裏面保護層32を形成する材料は、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。裏面保護層32は、その強度を十分に確保するため、繊維強化プラスチックなど繊維強化樹脂からなることが好ましい。また、繊維強化プラスチックは、繊維材が一方向に並んだUD(UniDirection)材であってもよく、それぞれ交差する繊維材によって織られた織物材であってもよい。裏面保護層32にUD材を用いる場合、繊維材方向に膨張収縮しにくいため、UD材を配置する方向によっては太陽電池セル10の破損やタブ配線12の切断を抑制することができる。なお、たわみが生じにくく、軽量であるため、裏面保護層32は炭素繊維強化プラスチックにより形成されていることが好ましい。さらに、裏面での発電の効率を上げるために、本層に酸化チタンなどを含有し反射率を向上させてもよい。また、表面にメッキ処理をしてもよい。
裏面保護層32の厚みは、表面保護基板20の厚みの10%以下であり、5%以下が好ましく、3%以下が好ましい。また、裏面保護層32の厚みの下限は、表面保護基板20の厚みの0.8(50μm/6mm×100)%が好ましい。裏面保護層32の厚みが、表面保護基板20の厚みの10%を超えると、裏面保護層32が相対的に厚くなるため、太陽電池モジュール100の反りや内部応力の発生の抑制や軽量化を図ることができなくなる。
例えば、表面保護基板20の厚みが4mmの場合、裏面保護層32の厚みは0.4mm以下である。具体的には、裏面保護層32の厚みは0.01〜0.5mmとすることが好ましく、0.01〜0.2mmとすることがより好ましい。特に、繊維強化プラスチックの場合は、繊維1本の直径が厚みの下限値であることが好ましい。裏面保護層32の厚みをこのような範囲とすることによって、裏面保護層32の変形を抑制し、太陽電池モジュール100をより軽量化することができる。
なお、裏面保護層32の厚みが薄い場合(例えば、0.2mm以下)、軽量化や薄肉化に加え、裏面保護層32に温度差が生じた場合の熱収縮の影響が小さくなったり、裏面保護層32の剛性が低下したりする。そのため、太陽電池モジュール100全体の反りや内部応力の発生を低減させることができる。
また、裏面保護層32の厚みが薄い場合、太陽電池モジュール内部のガス抜け性を向上させることができる。例えば、第2封止材層28の材料としてEVAを用いた場合、EVAの分解により酢酸が生じることがあるが、裏面保護層32が薄いと酢酸が外部に発散しやすくなる。
また、裏面保護層32にUD材の繊維強化プラスチックを用い、裏面保護層32の厚みを薄くした場合、UD材を必要に応じて部分的に重ね合わせることで、所望の箇所を補強するなど、裏面保護層32の中でその特性に強弱をつけることができる。なお、UD材を重ね合わせる場合、所望する特性によって、UD材の繊維をそれぞれ同じ方向に重ね合わせてもよく、UD材の繊維をそれぞれ垂直などの異なる方向に重ね合わせてもよい。
また、裏面保護層32の厚みが薄くなると、第2封止材層28(被貼り合わせ面)の形状に追従させながら裏面保護層32を貼り合わせることができ、第2封止材層28と裏面保護層32の間に気泡を混入しにくくすることができる。例えば、表面保護基板20が曲面を有する形状であっても、第2封止材層28を介して表面保護基板20の形状に適合するように裏面保護層32を貼り合わせることができる。そのため、気泡の混入を抑制しつつ、曲面形状を有する太陽電池モジュール100を容易に製造することができる。なお、この際、裏面保護層32と第2封止材層28を貼り合わせた状態でフィルムモジュールが作製されていると、このフィルムモジュール自体が柔軟性を有するため、表面保護基板20への貼り合わせを容易にすることができる。また、裏面保護層32の追従性が高いため、例えば各層を積層して曲面形状の太陽電池モジュール100を製造する場合などに、局所的な荷重が太陽電池セル10などに加わりにくい。そのため、太陽電池セル10の破損を抑制することができる。この太陽電池セル10の破損の抑制は、太陽電池モジュール100がさらに後述する中間層30を備える場合に特に効果的である。さらに、裏面保護層32の厚みが薄くなると、第2封止材層28を素早く加熱して架橋などすることができるため、太陽電池モジュール100の製造時間を短縮するだけでなく、表面保護基板20が熱変形するのを抑制することができる。
強度向上の観点から、裏面保護層32は少なくとも2層からなる構成とすること好ましい。そのような構成とする場合、各層の材料は同じとしてもよいし、異ならせてもよい。
あるいは、裏面保護層32が、繊維材がタブ配線12の延在方向に配向するA層と、繊維材がタブ配線12の延在方向と直交する方向に配向するB層との少なくとも2層を含むことが好ましい。この構成においては、各層の繊維材の配向方向により、A層はタブ配線12の延在方向における強度を保ち、B層はタブ配線12の延在方向における強度を保つ。
本実施形態においては、裏面保護層32の熱膨張係数は、表面保護基板20の熱膨張係数よりも小さいが、具体的には、裏面保護層32の熱膨張係数は0〜30(×10−6−1)であることが好ましく、2〜25(×10−6−1)であることがより好ましい。裏面保護層32の熱膨張係数がこの範囲であることで、耐熱衝撃性を向上させることができる。
[中間層]
本実施形態においては、さらに、ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間、及び第2封止材層28と裏面保護層32との間の少なくとも一方に、中間層(24、30)を有することが好ましい。中間層(24、30)は、引張弾性率が第1封止材層26及び第2封止材層28のいずれの引張弾性率よりも大きい層である。上述の通り、本実施形態においては、裏面保護層32を相対的に薄くしているため機械強度が低下することがあり、裏面側の耐衝撃性の低下が危惧される場合がある。つまり、太陽電池モジュール100の運搬時や設置時おいて裏面側に受ける衝撃により太陽電池セル10の破損することが危惧される場合がある。そこで、ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間、及び第2封止材層28と裏面保護層32との間の少なくとも一方に相対的に引張弾性率が大きい中間層を配することにより、耐衝撃性を向上することができる。図3は、ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間、及び第2封止材層28と裏面保護層32との間の双方に中間層24、30を配した形態を示しており、2層の中間層24、30を配した点において図2に示す形態とは異なり、それ以外の構成は同じである。図3に示すように、中間層は1層ではなく2層を配することが強度向上に観点において好ましい。
中間層24は、引張弾性率が第1封止材層26及び第2封止材層28のいずれの引張弾性率よりも大きいため、表面保護基板20が伸縮した場合でも、その伸縮に追従せず、光電変換部への応力が伝わるのを防止することができる。従って、表面保護基板20の伸縮による応力は、中間層24により阻止することができる。
本実施形態においては、中間層(24、30)の熱膨張係数は、第1封止材層26及び第2封止材層28のいずれの熱膨張係数よりも小さいことが好ましい。このように構成することにより、温度変化により表面保護基板20が伸縮した場合でも、相対的に熱膨張係数が小さい中間層(24、30)が表面保護基板20の伸縮による応力を緩和することができる。
中間層24、30を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどからなるが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好ましい。
中間層24、30において、いずれも同じ材料としてもよいし、それぞれにおいて材料を異ならせてもよい。
第2封止材層28と裏面保護層32との間に位置する中間層30は、絶縁性を有することが好ましい。特に、裏面保護層32の基材として、CFRPなど導電性の基材を用いた場合にはリーク電流の発生が問題となる。そこで、第2封止材層28と裏面保護層32との間に絶縁性を有する中間層30を配置することでリーク電流を絶縁することができる。
ここで使用する中間層30の材料は、上記中間層の材料の中でも絶縁性が高いものを用いることが好ましい。
中間層24、30の厚みは、1〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。中間層24がこのような厚みを有することで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力の光電変換部への伝達を十分に抑えることができる。なお、中間層24、30の厚みは同じであってもよいし、それぞれ異ならせてもよい。
中間層24、30の熱膨張係数は、10〜50(×10−6−1)であることが好ましく、15〜30(×10−6−1)であることがより好ましい。特に、中間層24の熱膨張係数がこの範囲であることで、表面保護基板20が熱によって伸縮した場合でも、中間層24の伸縮は表面保護基板20よりも小さく、表面保護基板20の伸縮による応力の光電変換部への伝達を抑えることができる。
中間層24の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。中間層24の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
また、中間層24、30の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaが好ましく、2〜5GPaがより好ましい。中間層24の引張弾性率がこのような範囲であることで、表面保護基板20の伸縮による応力を十分に緩和することができる。
中間層24、30の表裏の少なくとも一方に、水蒸気透過率が1.0g/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を中間層24、30に形成することで、第1封止材層26及び第2封止材層28への水蒸気の浸入がブロックされ、各封止材層の封止材の加水分解を防止することができる。なお、水蒸気透過率は、例えば、JIS K7129:2008(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))の付属書Bに規定された赤外線センサ法により求めることができる。
また、中間層24、30の表裏の少なくとも一方に、酸素透過率が8.0ml/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を中間層24、30に形成することで、第1封止材層26及び第2封止材層30への酸化の浸入がブロックされ、各封止材層の封止材の酸化による分解を防止することができる。なお、酸素透過率は、JIS K7126−1(GC法)に則って求めることができる。
中間層24、30に形成する皮膜としては、コーティング、蒸着法で構成してもよく、Si及びOを含む無機複合材料から構成されることが好ましい。そのような材料としては、シロキサン化合物などが挙げられ、その中でも、ポリオルガノシロキサンが好ましい。
一方、本実施形態においては、裏面保護層32が、タブ配線12の延在方向と直交する方向の一部又は全体にわたり形成された少なくとも1つの切り込みを有する構成とすることができる。上述の通り、裏面保護層32としてUD材を用いた場合、タブ配線12の延在方向が繊維材の配向方向となるように配置することが好ましい。そして、その構成において、太陽電池モジュール100をタブ配線12の延在方向と直交する方向に沿って曲げる曲面形状とすると繊維材の配向方向で反りや内部応力の発生が危惧される。そこで、裏面保護層32に、タブ配線12の延在方向と直交する方向の一部又は全体にわたり形成された少なくとも1つの切り込みを設けることで反りや内部応力の発生を抑えることができる。
図4及び図5は、裏面保護層32に、タブ配線12の延在方向と直交する方向の全体にわたり切り込みを設けた形態を示している。すなわち、図4及び図5に示す裏面保護層32には、3つの切り込みを設けて4つに分割している。このように、裏面保護層32は分割されることで、切り込み部分において曲げに対する応力が遮断されるため反りや内部応力の発生を抑えることができる。
裏面保護層32に設ける切り込みの形状、長さ又は太さは、上記効果を発揮する限りにおいて特に制限はない。例えば、図6に示す切り込みが挙げられる。図6(A)は、裏面保護層32の一辺から他辺に向けて切り込みを3つ設けた形態(他辺には切り込みは達していない)であり、図6(B)は対向する二辺において一辺からの切り込みと他辺からの切り込みとを交互に3つ設けた形態である。図6(A)及び(B)のいずれも、裏面保護層32のタブ配線12の延在方向と直交する方向の一部において切り込みを設けている。
つまり、図4及び図5に示す形態とは異なり、裏面保護層32は完全に分割されず一体となっている。そして、図6(A)及び(B)のいずれの裏面保護層32も、切り込み部分において曲げに対する応力が遮断されるため反りや内部応力の発生を抑えることができる。その他、裏面保護層32において、破線状に切り込みを設けてもよい。
一方、表面保護基板20の受光面側が凸となる曲面形状であって、タブ配線12が曲面に沿って曲げられている曲面形状を有する構成とすることができる。そして、曲面形状の凹面側において少なくとも1つのリブ40が、表面保護基板20の凹面側における一辺側の位置と、該一辺側に対向する他辺側の位置との間に架設されている構成とすることができる。図4〜図6において示した形態と同様、特に、裏面保護層32としてUD材を用いた場合、タブ配線12の延在方向が繊維材の配向方向となるように配置することが好ましい。そして、その構成において、太陽電池モジュールをタブ配線12の延在方向と直交する方向に沿って曲げる曲面形状とすると繊維材の配向方向で反りや内部応力の発生が危惧される。特に、表面保護基板20と裏面保護層32とで熱膨張係数の相違からタブ配線12の延在方向に反りや内部応力が発生する。そこで、受光面側が凸となる曲面形状とされた表面保護基板20の凹面側に、表面保護基板20の凹面側の一辺側の位置と、該一辺側に対向する他辺側の位置との間に架設される少なくとも1つのリブを設けることにより反りや内部応力の発生を抑えることができる。
図7は、タブ配線12の延在方向に曲げて曲面形状とした表面保護基板20の凹面側の一辺側の位置とその対向位置である他辺側の位置に2つのリブ40を架設した形態を示している。図7(A)に示すように、層構成自体は図2に示す形態と同じであるが、表面保護基板20の縁部近傍において、ゲル状高分子層22、第1封止材層26、第2封止材層28及び裏面保護層32が形成されていない領域を有する。そして、図7(A)、(B)に示すように、その領域にリブ40が架設されている。2つのリブ40により、表面保護基板20は、その凹面形状の曲率半径が大きくなる方向にも小さくなる方向にも変位しないように保持されるため、反りや内部応力の発生を抑えることができる。
リブ40の形状としては、棒状、板状、格子状、ハニカム状、などとすることができる。また、リブ40の材料としては、特に制限はないが、表面保護基板20の凹面形状を保持するため、機械強度が高い材料とすることが好ましい。リブ40は、高強度の樹脂から構成してもよいし、金属から構成してもよい。
リブ40を樹脂から構成する場合、表面保護基板20の材料と同じ材料から構成してもよく、その場合、表面保護基板20とリブ40とを一体成形することができる。図8は、そのような形態を示す。ただし、図8に示す形態は、図7に示す形態とは層構成を異ならせている。すなわち、図8においては、ゲル状高分子層22は、曲面形状の表面保護基板20の凹面側において、断面が略半円形状となるように形成され、その上に第1封止材層26、第2封止材層28、及び裏面保護層32が順に形成されている。この形態においても、表面保護基板20と一体成形されたリブ20Aの存在により表面保護基板20が補強され反りや内部応力の発生を抑えることができる。
以下、実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
曲面形状を有する4mm厚の表面保護基板、1mm厚の第1ゲル状高分子層、0.6mm厚の第1封止材層、光電変換部、0.6mm厚の第2封止材層、0.1mm厚の裏面保護層を上から順に積層した。次いで、145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。なお、各層には以下のものを用いた。
表面保護基板:ポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
ゲル状高分子層:シリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
第1封止材層及び第2封止材層:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(熱膨張係数:300×10−6−1
光電変換部:太陽電池セル
裏面保護層:CFRPシート(UD材)(引張弾性率:130GPa(25℃)、熱膨張係数(繊維材方向):5.0×10−6−1
[比較例1]
裏面保護層として、表面保護基板と同じような曲面形状を有する1mm厚のCFRP基板(熱膨張係数:5.0×10−6−1)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し評価を行った。
[比較例2]
表面保護基板として、曲面形状を有する2mm厚のポリカーボネートを用いた。また、裏面保護層として、表面保護基板と同じような曲面形状を有する2mm厚のCFRP基板(熱膨張係数:5.0×10−6−1)を用いた。それ以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し評価を行った。
(評価)
(1)反りの有無
各実施例・比較例で作製した太陽電池モジュールについて反りの発生の有無を目視観察した。目視観察により反りの発生が見られなかった場合を「○」とし、反りの発生が見られた場合を「×」として評価した。結果を表1に示す。
(2)太陽電池モジュール作製後の気泡の有無
各実施例・比較例で作製した太陽電池モジュールについて、作製後の気泡の有無を目視観察し、表面追従性を評価した。目視観察により気泡の発生が見られなかった場合を「○」とし、気泡の発生が見られた場合を「×」として評価した。結果を表1に示す。
Figure 0006655828
表1より、実施例1においては、反りも気泡も観察されず、反りの発生がなく、曲面形状に対する追従性が良好な太陽電池モジュールを作製できたことが分かる。これに対して、比較例1及び2においては反り及び気泡のいずれも観察され、反りの発生も抑えられず、曲面形状に対する追従性にも劣っていた。
特願2017−210739(出願日:2017年10月31日)の全内容は、ここに援用される。
本実施形態によれば、反りや内部応力の発生が抑えられ、かつ、曲面形状に対する追従性に優れる太陽電池モジュールを提供することができる。
10 太陽電池セル(光電変換部)
12 タブ配線
14 接続配線
16 太陽電池ストリング(光電変換部)
20 表面保護基板
22 ゲル状高分子層
24 30 中間層
26 第1封止材層
28 第2封止材層
32 裏面保護層
100 太陽電池モジュール

Claims (9)

  1. 受光面側から順に、樹脂製の表面保護基板と、ゲル状高分子層と、第1封止材層と、タブ配線で接続された1以上の太陽電池セルを含む光電変換部と、第2封止材層と、裏面保護層とを有し、
    前記ゲル状高分子層の引張弾性率が、前記表面保護基板、前記第1封止材層及び前記第2封止材層のうちのいずれの引張弾性率よりも小さく、
    前記裏面保護層の熱膨張係数が、前記表面保護基板の熱膨張係数よりも小さく、
    前記裏面保護層の厚みが、前記表面保護基板の厚みの10%以下であり、
    前記裏面保護層が、前記タブ配線の延在方向と直交する方向の一部又は全体にわたり形成された少なくとも1つの切り込みを有し、
    前記タブ配線の延在方向と直交する方向の一部に形成された少なくとも1つの切り込みが、前記裏面保護層の一辺から他辺に向けて設けられた切り込み、前記裏面保護層の対向する二辺において一辺からの切り込みと他辺からの切り込みとが交互に設けられた切り込み、又は前記裏面保護層に破線状に設けられた切り込みである、太陽電池モジュール。
  2. 前記第2封止材層に引張弾性率が、前記第1封止材層の引張弾性率より大きい請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記裏面保護層が母材と繊維材とを有し、前記繊維材の熱膨張係数が前記母材の熱膨張係数よりも小さく、かつ、前記裏面保護層の厚みが0.5mm以下である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記裏面保護層が少なくとも2層からなる請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記裏面保護層が、前記繊維材が前記タブ配線の延在方向に配向するA層と、前記繊維材が前記タブ配線の延在方向と直交する方向に配向するB層との少なくとも2層を含む請求項3又は4に記載の太陽電池モジュール。
  6. さらに、前記ゲル状高分子層と前記第1封止材層との間、及び前記第2封止材層と前記裏面保護層との間の少なくとも一方に、引張弾性率が前記第1封止材層及び前記第2封止材層のいずれの引張弾性率よりも大きい中間層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記中間層の熱膨張係数が、前記第1封止材層及び前記第2封止材層のいずれの熱膨張係数よりも小さい請求項6に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記第2封止材層と前記裏面保護層との間に位置する前記中間層が、絶縁性を有する請求項6又は7に記載の太陽電池モジュール。
  9. 前記表面保護基板の受光面側が凸となる曲面形状であって、前記タブ配線が前記曲面形状に沿って曲げられている曲面形状を有し、前記曲面形状の凹面側において少なくとも1つのリブが、前記表面保護基板の凹面側における一辺側の位置と、該一辺側に対向する他辺側の位置との間に架設されている請求項1〜8のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
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