JP2019062088A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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直樹 栗副
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剛士 植田
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Yoshimitsu Ikoma
善光 生駒
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Motohiko Sugiyama
元彦 杉山
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Abstract

【課題】温度変化が生じた場合であっても、反りの発生が抑えられ、かつ、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくい太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2ゲル状高分子層と、樹脂製の第2保護基板とを有し、第1保護基板の引張弾性率が、第1ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第2保護基板の引張弾性率が、第2ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第1保護基板の熱膨張係数と、第2保護基板の熱膨張係数との差が10%以下である太陽電池モジュールである。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、受光面側の第1保護基板が透明樹脂からなる太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、基本的な構成として、第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板と、をこの順に備えた構成になっている(例えば、特許文献1参照)。つまり、光電変換部の表裏面を、第1保護基板及び第1封止材層と、第2封止材層及び第2保護基板とで覆うことで、光電変換部の保護を図っている。例えば、図5に示す太陽電池モジュール100Aにおいては、受光面側から順に、第1保護基板20、第1封止材層26、光電変換部(太陽電池セル10、タブ配線12など)、第2封止材層28及び第2保護基板34から構成される。このような構成において、光電変換部においては、複数の太陽電池セル10がマトリクス状に配列され、隣接する太陽電池セル10同士はタブ配線12によって電気的に接続される。そして、このように、光電変換部は複数の太陽電池セル同士を複数のタブ配線によって電気的に接続し、例えば出力電圧を高めるようにしている。
太陽電池モジュールの第1保護基板としては、従来、ガラス基板を用いるのが一般的であったが、近年、軽量化のためにガラス基板に代わり樹脂基板が用いられるようになってきている。一般的に、樹脂の熱膨張係数はガラスの熱膨張係数より大きく、温度変化による膨張・収縮の影響が大きい。従って、図5に示す太陽電池モジュール100Aにおいて、樹脂からなる第1保護基板20が膨張・収縮した場合、第1保護基板20に接する第1封止材層26に応力が加わる。そのため、第1封止材層26と接する太陽電池セル10が破損したり、太陽電池セル間を電気的に接続するタブ配線12が切断したりするおそれがある。
そこで、図6に示す構成の太陽電池モジュール100Bとすることが考えられる。太陽電池モジュール100Bは、第1保護基板20と第1封止材層26との間に、ゲル状高分子層22及び補強層24を配した点で図5に示す太陽電池モジュール100Aとは異なる。その構成においては、第1保護基板20が膨張・収縮により変形した場合でも、柔軟性を有するゲル状高分子層22が、第1保護基板20の変形に追従するため、光電変換部への応力が緩和される。また、補強層24は高い機械強度を有する層である。従って、ゲル状高分子層22のみでは、第1保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和できない場合でも、補強層24の高い機械強度により当該応力を十分に緩和することができる。この構成により、温度変化によるタブ配線の切断を防止することができる。
特開2013−145807号公報
しかしながら、図6に示す構成においては、太陽電池モジュール全体として反りが発生することがあり、改善の余地が残されていた。その原因は、光電変換部を挟んで上側と下側とで温度変化に対する膨張・収縮の挙動が異なるからである。すなわち、図6に示す構成では、特に、第1保護基板20と第2保護基板34とで熱膨張係数が異なり、それぞれの側において温度変化時の挙動が異なる。従って、温度変化に対して光電変換部を挟んで上下非対称に膨張・収縮が起こり、それが反りの発生の原因となっていた。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、温度変化が生じた場合であっても、反りの発生が抑えられ、かつ、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくい太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2ゲル状高分子層と、第2保護基板とを有する。そして、第1保護基板の引張弾性率は、第1ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第2保護基板の引張弾性率は、第2ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第1保護基板の熱膨張係数と、第2保護基板の熱膨張係数との差が10%以下である。
本発明によれば、温度変化が生じた場合に、反りの発生が抑えられ、かつ、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくい太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す上面図である。 図1に示す太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 実施例1〜2及び比較例1における、温度変化に対する反り量の変化をグラフで示す図である。
<太陽電池モジュール>
以下、図面を参照して本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100を示す上面図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が「受光面」であり、z軸の負方向側に配置される主平面が「裏面」である。なお、「受光面」とは光が主に入射する面を意味し、「裏面」とは受光面と反対側の面を意味することもある。また、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。
太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル10、複数のタブ配線12、複数の接続配線14を含む。複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。太陽電池セル10は、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は、特に限定されないが、ここでは、一例として、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが積層されているとする。図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば2本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリクス状に配列される。ここでは、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられ、y軸方向に5つの太陽電池セル10が並べられる。なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これらに限定されない。y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル10は、タブ配線12によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング16が形成される。さらに、前述のごとく、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられるので、y軸方向に延びた太陽電池ストリング16がx軸方向に4つ平行に並べられる。なお、太陽電池ストリング16は、複数の太陽電池セル10と複数のタブ配線12との組合せを示す。
太陽電池ストリング16を形成するために、タブ配線12は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを電気的に接続する。すなわち、隣接した太陽電池セル10は互いにタブ配線12で電気的に接続されている。タブ配線12は、細長い金属箔であり、例えば、銅箔にハンダや銀等をコーティングしたものが用いられる。タブ配線12とバスバー電極との接続には樹脂が使用される。この樹脂は導電性、非導電性いずれでもよい。後者の場合はタブ配線12とバスバー電極とを直接接触させることで電気的に接続される。また、タブ配線12とバスバー電極との接続は、樹脂ではなくハンダを用いてもよい。
さらに、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側と負方向側において、複数の接続配線14がx軸方向に延びており、接続配線14は、隣接した2つの太陽電池ストリング16を電気的に接続する。以上の構成において、太陽電池セル10、太陽電池ストリング16のそれぞれが「光電変換部」であってもよく、複数の太陽電池ストリング16と接続配線14との組合せが「光電変換部」であってもよい。なお、太陽電池モジュール100の端縁部には、図示しないフレームが取り付けられてもよい。フレームは、太陽電池モジュール100の端縁部を保護するとともに、太陽電池モジュール100を設置する際に利用される。
太陽電池ストリング16は、前述のごとく、y軸方向(長方形状の長手方向)に並んだ複数の太陽電池セル10が、タブ配線12によって接続されることによって形成される。 また、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側端と負方向側端に、接続配線14が接続される。このような接続配線14、太陽電池ストリング16は、第1封止材層26のz軸の負方向側に配置される。さらに、複数の太陽電池セル10のそれぞれは、受光面および裏面を有する平板状に形成される。このような構成に対して、図2の上方から荷重が加わった場合には、第1保護基板20、第1ゲル状高分子層22、第1補強層24、第1封止材層26、第2封止材層28で緩衝し、太陽電池モジュール100の損傷を抑制している。
本実施形態の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2ゲル状高分子層と、第2保護基板とを有する。そして、第1保護基板の引張弾性率が、第1ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第2保護基板の引張弾性率が、第2ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、第1保護基板の熱膨張係数と、第2保護基板の熱膨張係数との差が10%以下である。
図2は、図1のA−A線に沿った太陽電池モジュール100の断面図である。太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10、タブ配線12、接続配線14、太陽電池ストリング16、第1保護基板20、第1ゲル状高分子層22、第1封止材層26、第2封止材層28、第2ゲル状高分子層32及び第2保護基板34を含む。図2の上側(z軸の正方向)が受光面(表面)側に相当し、下側(z軸の負方向)が裏面側に相当する。
図2に示す構成において、受光面側の最外側に位置する第1保護基板20の熱膨張係数と、裏面側の最外側に位置する第2保護基板34の熱膨張係数の差が10%以下である。そのため、温度変化により第1保護基板20及び第2保護基板34の膨張・収縮したとしても、両者の膨張・収縮の差が小さく、いずれか一方の保護基板が大きく膨張・収縮して他方の保護基板又は他の層がその応力を受けるといった状態を防止することができる。その結果、反りの発生を抑えることができる。
一方、第1保護基板20が膨張・収縮により変形した場合でも、第1保護基板20に隣接する下層の第1ゲル状高分子層22は引張弾性率が小さいため、第1保護基板20の変形に追従することができる。同様に、第2保護基板34が膨張・収縮により変形した場合でも、第2保護基板34に隣接する下層の第2ゲル状高分子層32は引張弾性率が小さいため、第2保護基板34の変形に追従することができる。従って、第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32により、それぞれ、第1保護基板20及び第2保護基板34の変形が緩和される。ひいては、第1保護基板20及び第2保護基板34の変形が光電変換部には伝わり難くなり、結果的に、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断を防止することができる。
なお、図2に示す形態においては、光電変換部を挟んで上下対称の層構成である。しかも、第1保護基板20の熱膨張係数と第2保護基板34の熱膨張係数との差が10%以下であることから、光電変換部を挟んで上下の層(積層体)は温度変化に対して同様の挙動を示す。従って、そのことも反りの発生の抑制に寄与すると考えられる。
以下に、各層について順次説明する。
[第1保護基板、第2保護基板]
(第1保護基板)
第1保護基板20は、太陽電池モジュール100の太陽光の受光面側に位置し、透明樹脂から構成される基板である。第1保護基板20を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、第1保護基板20としては、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れる、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに適しているからである。また、第1保護基板20は、その表面にシリコン系及び/又はアクリルウレタンなどで構成されるハードコート層を含んでもよい。さらに、第1保護基板20又はハードコート層などに紫外線吸収剤や艶調整剤、反射防止成分を含んでもよい。
第1保護基板20の厚みは、0.1〜10mmとすることが好ましく、0.5〜5mmとすることがより好ましい。第1保護基板20の厚みをこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を光電変換部(太陽電池セル10)に効率よく到達させることができる。
第1保護基板20の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaであることが好ましく、2.3GPa〜2.5GPaであることがより好ましい。第1保護基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次のように、JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により測定することができる。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) (1)
上記式(1)において、Etは引張弾性率(Pa)、σ1はひずみε1=0.0005における応力(Pa)、σ2はひずみε2=0.0025における応力(Pa)を示す。
なお、本実施形態においては、第1保護基板20の引張弾性率は、第1ゲル状高分子層22の引張弾性率よりも大きくなるように設定される。
第1保護基板20の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。第1保護基板20の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
(第2保護基板)
第2保護基板34は、バックシートとして太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。第2保護基板34を構成する材料としては、後述するように、第1保護基板20の熱膨張係数との差が10%以下の熱膨張係数を有するものを用いる。従って、第2保護基板34を構成する材料としては、上記第1保護基板20を構成する透明樹脂として例示したものを挙げることができる。第2保護基板34は裏面側に配されることから必ずしも透明でなくてもよい。従って、上記透明樹脂の他に、上記透明樹脂に着色剤を添加したもの、上記透明樹脂に無機粒子、無機繊維などを複合化したもの、汎用プラスチックであるPVC(塩ビ)、PP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)、エンジニアリングプラスチックである POM(ポリアセタール)、PA(ポリアミド)、PEEK(ピーク)、PAI(ポリアミドイミド)、PPS(ポリフェニレンサルファイド)などを用いることができる。
第2保護基板34の厚みは、0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜1.0mmであることがより好ましい。第2保護基板34がこのような厚みを有することで、太陽電池モジュール100の裏面を十分に保護することができる。
第2保護基板34の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaであることが好ましく、2.3GPa〜2.5GPaであることがより好ましい。第1保護基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。
なお、本実施形態においては、第2保護基板34の引張弾性率は、第2ゲル状高分子層32の引張弾性率よりも大きくなるように設定される。
(第1保護基板及び第2保護基板の熱膨張係数)
本実施形態においては、第1保護基板20の熱膨張係数と、第2保護基板34の熱膨張係数との差が10%以下となるように設定される。上述のように、両保護基板の熱膨張係数の差が10%以下であると反りの発生を抑えることができる。逆に、第1保護基板20の熱膨張係数と第2保護基板34の熱膨張係数との差が10%を超えると、第1保護基板20及び第2保護基板34の膨張・収縮の差が大きくなる。そのため、太陽電池モジュール100の表裏において膨張・収縮が不均衡となり反りの発生の原因となる。第1保護基板20の熱膨張係数と、第2保護基板34の熱膨張係数との差は、8%以下が好ましく、5%以下がより好ましい。
なお、熱膨張係数は、JIS K 7197 :2012により測定することができる。
第1保護基板20及び第2保護基板34の熱膨張係数は、その差が10%以下であれば特に制限はないが、それぞれ40〜110(×10−6−1)とすることができる。
第2ゲル状高分子層32と第2封止材層28との間に補強層として、CFRPからなる層を設ける場合、光電変換部を挟んで下側全体の方が上側全体よりも温度変化時の膨張・収縮が若干小さくなる。そこで、光電変換部を挟んで上側全体と下側全体とで膨張・収縮の差を小さくするには、上側の一部である第1保護基板20を、下側の一部である第2保護基板34よりも熱膨張係数を小さくするなどしてバランスをとることが好ましい。
第1保護基板20の熱膨張係数と、第2保護基板34の熱膨張係数との差をより小さくするためには、第1保護基板20と第2保護基板34とが同じ樹脂材料からなるようにすることが好ましい。
[ゲル状高分子層(第1ゲル状高分子層、第2ゲル状高分子層)]
第1ゲル状高分子層22は、第1保護基板20と光電変換部との間に位置する。また、第2ゲル状高分子層32は、第2保護基板34と光電変換部との間に位置する。第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32のいずれも柔軟性を有するゲル状高分子から構成される。そのため、第1保護基板20、第2保護基板34が膨張・収縮したとき、その膨張・収縮に追従するため、光電変換部に膨張・収縮による応力が別の層に伝わるのを防止することができる。すなわち、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力は、第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32により緩和することができる。従って、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断を防止することができる。
第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32を構成する材料としては、各種ゲルを用いることができる。ゲルは、特に限定されないが、溶媒を含有したゲルと溶媒を含有しないゲルに分類される。溶媒を含有したゲルには、分散媒が水のゲルであるヒドロゲル、分散媒が有機溶媒のゲルであるオルガノゲル、を用いることができる。また、溶媒を含有したゲルは、数平均分子量が10000以上の高分子ゲル、数平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマーゲル、数平均分子量が1000未満の低分子ゲルのいずれを用いることができる。ゲル状高分子は、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びスチレンからなる群より選択される少なくとも1種から構成されることが好ましい。
第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32は、それぞれ、第1保護基板20、第2保護基板34の厚みに対して5〜200%の厚みを有することが好ましく、10〜100%の厚みを有することがより好ましい。第1ゲル状高分子層22がこのような厚みを有することで、第1保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32の厚みは異ならせてもよいが、以下に示すように同じ厚みとすることが好ましい。
本実施形態の太陽電池モジュール100においては、光電変換部を挟んで上下の対称性を高めるためには、第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32を同じゲルとし、同じ厚みとなるように設けることが好ましい。上下の対称性が高まると、温度変化に起因する各層の膨張・収縮が均等になり反りの発生が抑制されるからである。
第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32の引張弾性率は、0.1kPa以上5MPa未満が好ましく、1kPa以上1MPa以下がより好ましい。第1ゲル状高分子層22の引張弾性率がこのような範囲であることで、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。特に、引張弾性率が0.5MPa未満であると、0.5MPa以上の場合と比較して、膨張・収縮による応力が極端に小さくなる。つまり、引張弾性率:0.5MPaが、第1保護基板20の膨張・収縮による応力を顕著に緩和できる臨界的数値である。第1保護基板20の膨張・収縮による応力をより大きく緩和するため、引張弾性率は、0.3MPa以下がより好ましく、0.2MPa以下がさらに好ましい。
第1ゲル状高分子層22の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。第1ゲル状高分子層22の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
[第1封止材層、第2封止材層]
第1封止材層26、第2封止材層28は、太陽電池セル10及びタブ配線12を含む光電変換部を封止する。第1封止材層26は、第1補強層24のz軸の負方向側(下側)に配置されており、第2封止材層28は、第2ゲル状高分子層32のz軸の正方向側(上側)に配置されている。
第1封止材層26としては、例えば、引張弾性率が0.001MPa〜1MPaであり、損失係数が0.1〜0.52であるゲルが使用される。このようなゲルは、例えば、シリコーンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲル等である。シリコーンゲルについて、引張弾性率は0.022MPaである。損失係数は、貯蔵剪断引張弾性率(G’)と損失剪断引張弾性率(G”)の比G”/G’であり、tanδで示される。損失係数は、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するかを示しており、tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収する。この損失係数は、動的粘弾性測定装置によって測定される。第1封止材層26は、透光性を有するとともに、第1保護基板20におけるx−y平面において僅かながら小さな寸法の面を有する長方形状のシート材によって形成される。なお、第1封止材層26は、液状であってもよい。
一方、第2封止材層28としては、例えば、EVA、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリイミド等の樹脂フィルムのような熱可塑性樹脂が使用される。なお、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。ここでは、特にEVAが使用されるとする。EVAについて、引張弾性率は0.01〜0.25GPaであり、損失係数は0.05である。第2封止材層28は、透光性を有するとともに、第1保護基板20におけるx−y平面と略同一寸法の面を有する矩形状のシート材によって形成される。
以上、第1封止材層26、第2封止材層28はそれぞれ分けて説明したが、それぞれ同じものを使用してもよい。
ここで、第1封止材層26及び第2封止材層28のうちの一方又は両方がゲルでもよいが、その場合、それぞれに隣接する第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32もゲルでありゲル同士が重なった構成となる。この場合、引張弾性率が異なるゲルとし、中心部(光電変換部)に向かって引張弾性率が高くなるようにそれぞれのゲルを選定して用いることが好ましい。
[補強層]
本実施形態においては、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間、及び第2ゲル状高分子層32と第2封止材層28との間の少なくとも一方に補強層が設けられていることが好ましい。以下、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間に設けられる補強層を第1補強層24と称し、第2ゲル状高分子層32と第2封止材層28との間に設けられる補強層を第2補強層30と称する。
第1補強層24を設けた形態を図3に、第1補強層24及び第2補強層30の双方を設けた形態を図4に示す。図3に示す形態は、第1補強層24を設けた点において図2に示す形態と異なる。図4に示す形態は、第1補強層24及び第2補強層30の双方を設けた点において図2に示す形態と異なる。従って、それら以外の構成は同様であるので、図3及び図4において図2と同じ構成要素には同じ符号を付して説明を省略する。
第1補強層24及び第2補強層30はいずれも、高い機械強度を有する材料から形成される層である。いずれの補強層も高い機械強度を有するため、第1保護基板20、第2保護基板34が膨張・収縮したとき場合でも、その膨張・収縮に追従せず、光電変換部への応力が伝わるのを防止することができる。従って、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力は、第1補強層24、第2補強層30により阻止することができる。
第1補強層24及び第2補強層30はそれぞれ、第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32と相まって、両者の相補的な作用により第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力を効果的に緩和することができる。例えば、第1ゲル状高分子層22、第2ゲル状高分子層32のみでは、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力を十分に緩和できない場合でも、第1補強層24及び第2補強層30の高い機械強度により当該応力を十分に緩和することができる。
一方、第1補強層24、第2補強層30が厚く硬いものである場合、上記効果とは別の種々の効果((1)〜(4))を奏する。その効果について以下に説明する。
(1)うねりの抑制
第1補強層24を設けない場合においては、第1ゲル状高分子層22は第1封止材層26と隣接する。この場合、第1ゲル状高分子層22は、第1封止材層26と比較して柔軟性があるため、加熱しながら太陽電池モジュール100をラミネート成形した場合に、第1ゲル状高分子層22が変形して第1ゲル状高分子層22に凹凸が生じやすい。特に、真空状態で太陽電池モジュール100をラミネート成形した場合にこのような第1ゲル状高分子層22の凹凸が生じやすくなる。このような凹凸が生じた場合、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との屈折率差に加えて、変形によって界面が強調されることでうねりなどの外観不良が発生する。そこで、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間に機械強度が高い第1補強層24を設けると、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26の界面の変形が抑制されるため、外観不良の発生が抑制される。また、外観不良をより抑えるため、第1補強層24に隣接する第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との屈折率差は小さいことが好ましい。
(2)衝撃によるゲル状高分子層の変形抑制
第1補強層24を設けない場合においては、例えば鋼球落下試験などにより上部から(第1保護基板20側から)応力が掛かった際、第1ゲル状高分子層22が変形し、衝撃エネルギーを吸収する。しかし、第1ゲル状高分子層22の下層側(第2保護基板34側)への局所的な変形が起こり、局所的に荷重が発生するため太陽電池セル10の割れの発生の原因となる。そこで、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間に機械強度が高い第1補強層24を設けると、上部からの応力が発生しても、第1補強層24の存在により第1ゲル状高分子層22の変形が抑制され、ひいては太陽電池セル10の割れ発生が抑制される。より具体的には、第1補強層24は、変形した第1ゲル状高分子層22による荷重を点荷重から面荷重にし、その下側に位置する第1封止材層26を介して光電変換部に伝えにくくする効果を有する。一方、第2補強層30は上方(受光面側)からの荷重を面分散して第2ゲル状高分子層32に伝えることで第2ゲル状高分子層32の変形を面で発生させ、セルたわみを緩やかにすることができる。
(3)貼合せプロセスの簡便化
第1ゲル状高分子層22は、粘着性・タック性があるため、ラミネートなど貼合せ時にハンドリング性について問題となることがある。そこで、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間に第1補強層24を設ける、つまり、第1ゲル状高分子層22の一方の面に第1補強層24が貼付された状態で貼合せを行うと粘着性の問題が低減されハンドリング性が向上する。ハンドリング性向上のために第1補強層24は厚く、硬く、粘着性が低い材料とすることが好ましい。以上の内容は、第2ゲル状高分子層32の一方の面に第2補強層30が貼付された状態で貼合せを行った場合も同様である。
(4)振動によるゲル状高分子の剥離防止
第1ゲル状高分子層22は、振動など繰返しの荷重がかかることに起因する剥離や気泡の混入などが起こることがあり、接着性に対して問題となることがある。そこで、第1ゲル状高分子層22と第1封止材層26との間に第1補強層24を設けることで、それらの問題を防止することができる。剥離防止向上のために第1補強層24には厚く、硬い材料を用いることが好ましい。このような構成とすることで、第1補強層24と第1封止材層26との接着性を向上させることができるが、第1保護基板20と第1ゲル状高分子層22との界面の接着性には変化がなく、その界面の剥離が懸念される。その場合において、その界面での剥離を防止するには、第1保護基板20及び第1補強層24の面積よりも、第1ゲル状高分子層22の面積を小さく設定し、第1保護基板20の縁部と、第1補強層24の縁部とを接着する構成とすることが好ましい。この構成では、第1ゲル状高分子層22が、第1保護基板20と第1補強層24とで囲繞された状態となる。以上の内容は、第2ゲル状高分子層32と第2封止材層28との間に第2補強層30を設けた場合も同様である。
一方、第1補強層24、第2補強層30そのものが熱膨張の高い樹脂である場合、熱膨張を光電変換部に伝えないという観点からは、それぞれの補強層は薄くやわからい材料が好ましい。
以下、第1補強層24及び第2補強層30それぞれの内容について説明する。
(第1補強層)
第1補強層24を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどからなるが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好ましい。
第1補強層24は、光電変換部の受光面側に位置するため、透光性材料からなることが好ましい。透光性材料からなる補強層たる第1補強層24は、厚みが10〜200(μm)、熱膨張係数が0〜30(×10−6/K)、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。これらのパラメータについて以下に説明する。
第1補強層24の厚みは、10〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。第1補強層24がこのような厚みを有することで、第1保護基板20の膨張・収縮による応力の光電変換部への伝達を十分に抑えることができる。
第1補強層24の熱膨張係数は、0〜30(×10−6−1)であることが好ましく、5〜20(×10−6−1)であることがより好ましい。第1補強層24の熱膨張係数がこの範囲であることで、第1保護基板20が熱によって膨張・収縮した場合でも、第1補強層24の膨張・収縮は第1保護基板20よりも小さく、第1保護基板20の膨張・収縮による応力の光電変換部への伝達を抑えることができる。
第1補強層24の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。第1補強層24の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
また、第1補強層24の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaが好ましく、2〜5GPaがより好ましい。第1補強層24の引張弾性率がこのような範囲であることで、第1保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
第1補強層24の表裏の少なくとも一方に、水蒸気透過率が1.0g/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を第1補強層24に形成することで、第1封止材層26への水蒸気の浸入がブロックされ、第1封止材層26の封止材の加水分解を防止することができる。なお、水蒸気透過率は、例えば、JIS K7129:2008(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))の付属書Bに規定された赤外線センサ法により求めることができる。
また、第1補強層24の表裏の少なくとも一方に、酸素透過率が8.0ml/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を第1補強層24に形成することで、第1封止材層26への酸化の浸入がブロックされ、第1封止材層26の封止材の酸化による分解を防止することができる。なお、酸素透過率は、JIS K7126−1(GC法)に則って求めることができる。
第1補強層24に形成する皮膜としては、コーティング、蒸着法で構成してもよく、Si及びOを含む無機複合材料から構成されることが好ましい。そのような材料としては、シロキサン化合物などが挙げられ、その中でも、ポリオルガノシロキサンが好ましい。
(第2補強層)
第2補強層30においても、第1補強層24と同様に構成することができる。一方、第2補強層30は、受光面側とは反対側に位置することから、透光性は必ずしも必要ではない。すなわち、第2ゲル状高分子層32と、第2封止材層28との間の補強層たる第2補強層30は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からなることが好ましい。つまり、上述の第1補強層24を構成する材料の他に、CFRPを用いることができる。このようなCFRPからなる層は上記樹脂材料よりも機械強度が高いため、第2保護基板34が膨張・収縮したとき場合でも、その膨張・収縮に追従せず、光電変換部への応力が伝わるのをより効果的に防止することができる。
第2補強層30をCFRPからなる層とする場合、例えば、CFRPシートを用いることができる。CFRPシートは、炭素繊維の繊維軸が1方向に配向したものと、炭素繊維がランダムに配向したものとが知られている。本実施形態においては、炭素繊維の繊維軸方向が1方向に配向したCFRPシートを用いることが好ましい。そして、そのようなCFRPシートの炭素繊維の繊維軸方向とタブ配線の長手方向とが一致するように配置することが好ましい。炭素繊維の繊維軸が1方向に配向したCFRPシートは、炭素繊維の繊維軸方向が最も機械強度が高いため、上記のように配置することにより、さらに高い強度とすることができ、光電変換部への応力が伝わるのをより効果的に防止することができる。また、炭素繊維がランダムに配向したCFRPシートに関しては、等方性であるが故に積層する際にCFRPシートの方向を考慮する必要はなく任意の方向で積層することができる。
図2〜図4に示す形態において、補強層が上下に2層配されている点で図4に示す形態が最も好ましい。すなわち、図4に示す形態は、光電変換部を挟んで上下に位置する第1ゲル状高分子層22及び第2ゲル状高分子層32の存在により、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力が緩和される。従って、太陽電池セルの破損やタブ配線の破断を防止することができる。また、光電変換部を挟んで上下に位置する第1補強層24、第2補強層30の存在により、第1及び第2ゲル状高分子層22、32と相まって、第1保護基板20、第2保護基板34の膨張・収縮による応力を効果的に緩和することができる。さらに、図4に示す形態は、光電変換部を挟んで上下対称の層構成であり、温度変化に起因する膨張・収縮時において、光電変換部を挟んで上下に位置する層は同様の挙動を示すため反りの発生を抑えることができる。
なお、図示していないが、図3において、第1補強層24を設けず、第2封止材層28と第2ゲル状高分子層32との間に第2補強層を設けた形態とすることもできる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
次に、図2に示す形態の太陽電池モジュール100の製造方法を説明する。まず、タブ配線12を接続した太陽電池セル10(太陽電池ストリング16)を、第1封止材層26と第2封止材層28とで挟み、その外側に第1ゲル状高分子層22と第2ゲル状高分子層32、さらに第1保護基板20、第2保護基板34を配置する。次いで、このようにして得られた積層体を、例えば真空状態で160℃程度に加熱する。その後、大気圧下でヒーター側に各構成部材を押し付けながら加熱を継続し、第1封止材層26及び第2封止材層28の樹脂成分を架橋させる。これにより、各層が接着され太陽電池モジュール100が得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
ムラタソフトウェア(株)製、Femtet(登録商標)を用い、図4に示す層構成の太陽電池モジュールに対して120℃(無応力温度)から40℃に温度変化させた場合の応力の静解析を以下の解析条件で行った。各層の詳細を以下に示す。なお、第1保護基板及び第2保護基板は同じものを用いているため、熱膨張係数の差は0%である。
・第1保護基板:厚み:3mmのポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
・第1ゲル状高分子層:厚み:1mmのシリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
・第1補強層;厚み:0.02mmのPETフィルム
・第1封止材層;厚み:0.6mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率:0.03GPa)
・光電変換部;太陽電池セル
・第2封止材層;厚み:0.6mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率:0.03GPa)
・第2補強層;厚み:0.1mmのCFRPシート
・第2ゲル状高分子層:厚み:1mmのシリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
・第2保護基板:厚み:3mmのポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
(解析条件)
・平面応力条件
・メッシュ形状 テトラ2次要素
・反り量を出力(mm)
・解析サイズ 幅280mm
なお、反り量とは、太陽電池モジュールを平面上に載置したと仮定した場合における、太陽電池モジュールの縁部が平面上から浮き上がった高さである。
[実施例2]
第1補強層を厚み:0.05mmのPETフィルムに代えたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールの評価を行った。
[比較例1]
太陽電池モジュールの層構成を以下の層構成に代えたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールの評価を行った。
・第1保護基板:厚み:1mmのポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
・第1ゲル状高分子層:厚み:1mmのシリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
・第1封止材層;厚み:0.6mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率:0.03GPa)
・光電変換部;太陽電池セル
・第2封止材層;厚み:0.6mmのエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(25℃での引張弾性率:0.03GPa)
・第2保護基板:厚み:1.5mmのCFRP(引張弾性率:600GPa(25℃)、熱膨張係数:0.5×10−5−1
なお、第1保護基板及び第2保護基板の熱膨張係数の差は90%であった。
実施例1〜2及び比較例1の、温度変化(120℃→40℃)に対する反り量の変化を図7のグラフに示す。図7の反り量の数値において、例えば、「3.00E−01(mm)」や「1.00E+00」の表記は、それぞれ「3.00×10−1(mm)」、「1.00×10」を示す。他の数値も同様である。
図7より、実施例1〜2及び比較例1よりも、温度変化に対する反り量の変化が小さいことが分かる。
[実施例3]
1mm厚の第1保護基板、1mm厚の第1ゲル状高分子層、0.6mm厚の第1封止材層、光電変換部、0.6mm厚の第2封止材層、1mm厚の第2ゲル状高分子層、1mm厚の第2保護基板を上から順に積層した。次いで、145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。なお、各層には以下のものを用いた。また、第1保護基板及び第2保護基板は同じ材料を用いたため、熱膨張係数の差は0%である。
第1保護基板:ポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
第1ゲル状高分子層:シリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
第1封止材層及び第2封止材層:エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(熱膨張係数:300×10−6−1
光電変換部:太陽電池セル
第2ゲル状高分子層:シリコーンゲル(引張弾性率:0.000005GPa(25℃))
第2保護基板:ポリカーボネート(引張弾性率:2.4GPa(25℃)、熱膨張係数:5.6×10−5−1
(評価)
(1)タブ配線の切断
JIS C8990:2009(IEC61215:2005)(地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認及び形式認証のための要求事項)の温度サイクル試験に準じ、以下のような試験条件にて試験を実施した。すなわち、各実施例の太陽電池モジュールを試験槽内に設置し、太陽電池モジュールの温度を−40℃±2℃と+85℃±2℃との間で周期的に変化させた。このような温度サイクル試験を25サイクル、50サイクル及び200サイクル行った後、目視にて太陽電池セルを互いに接続するタブ配線を確認した。そして、200サイクルでタブ配線が切断しなかったものを◎と評価した。また、25サイクルでタブ配線が切断したものを×と評価した。なお、下限と上限との間の温度変化速度を約1.4℃/時間、下限温度の保持時間を60分、上限温度の保持時間を1時間20分とし、1サイクルの時間を5時間20分とした。また、温度サイクル試験は少なくとも3回実施した。
(2)反りの発生
上記(1)タブ配線の切断の評価における温度サイクル試験を行った後、太陽電池モジュールを平面上に配置し、太陽電池モジュールの縁部が平面上から浮き上がった高さを測定した。その高さが、0.6mm以下の場合を○、0.6mm超の場合を×と評価した。
[実施例4]
第1ゲル状高分子層と第1封止材層との間に第1補強層としてPETフィルムを、第2封止材層と第2ゲル状高分子層との間に第2補強層としてCFRPシート(プリプレグシート)を導入したこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールの評価を行った。その結果を表1に示す。なお、PETフィルムの熱膨張係数は2.0×10−5−1であり、CFRPシート(炭素繊維の繊維軸が1方向に配向したもの)の炭素繊維方向における熱膨張係数は5.0×10−6−1であった。
[比較例2]
第1ゲル状高分子層及び第2ゲル状高分子層を積層しなかったこと以外は実施例3と同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例3と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例3]
第2保護基板を炭素繊維強化プラスチック製の基板に代えたこと、及び第1ゲル状高分子層及び第2ゲル状高分子層を積層しなかったこと以外は実施例3と同様にして太陽電池モジュールの評価を行った。その結果を表1に示す。なお、第1保護基板及び第2保護基板の熱膨張係数の差は90%であった。
[比較例4]
第1保護基板と第1封止材層との間に第1ゲル状高分子層を積層したこと以外は比較例3と同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例3と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
[比較例5]
第1ゲル状高分子層及び第2ゲル状高分子層を積層しなかったこと以外は実施例4と同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例3と同様の評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2019062088
表1に示すように、実施例3〜4においては、いずれの評価においても良好な結果が得られた。また、第1保護基板と第2保護基板との熱膨張係数の差を10%超とした比較例3〜4は反りの発生が見られた。さらに、第1ゲル状高分子層及び第2ゲル状高分子層を積層しなかった比較例2及び5はタブ配線の切断が見られた。これらの結果から、第1保護基板と第2保護基板の熱膨張係数の差を10%以下とすることで反りの発生が抑えられ、第1ゲル状高分子層及び第2ゲル状高分子層を積層することでタブ配線の切断が抑えられることが示された。
10 太陽電池セル(光電変換部)
12 タブ配線
14 接続配線
16 太陽電池ストリング(光電変換部)
20 第1保護基板
22 第1ゲル状高分子層
24 第1補強層
26 第1封止材層
28 第2封止材層
30 第2補強層
32 第2ゲル状高分子層
34 第2保護基板
100 太陽電池モジュール

Claims (6)

  1. 受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1ゲル状高分子層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2ゲル状高分子層と、樹脂製の第2保護基板とを有し、
    前記第1保護基板の引張弾性率が、前記第1ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、
    前記第2保護基板の引張弾性率が、前記第2ゲル状高分子層の引張弾性率よりも大きく、
    前記第1保護基板の熱膨張係数と、前記第2保護基板の熱膨張係数との差が10%以下である太陽電池モジュール。
  2. 前記第1保護基板と前記第2保護基板とが同じ樹脂材料からなる請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第1ゲル状高分子層と前記第1封止材層との間、及び前記第2ゲル状高分子層と前記第2封止材層との間の少なくとも一方に補強層が設けられている請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第2ゲル状高分子層と前記第2封止材層との間の補強層が、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)からなる請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記第1ゲル状高分子層と前記第1封止材層との間の補強層が、透光性材料からなる請求項3又は4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記透光性材料からなる補強層が、厚みが10〜200(μm)、熱膨張係数が0〜30(×10−6/K)、全光線透過率が80%以上である請求項5に記載の太陽電池モジュール。
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