JP2019041090A - 太陽電池モジュール - Google Patents

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Abstract

【課題】光電変換効率を向上させることができ、温度変化が生じた場合でも光電変換部において太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくく、さらに太陽電池セルとその周囲との色調の差が少ない太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有し、第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含み、赤外線反射黒色フィラーが、第2保護基板の第2封止材層側において層状に偏在し、繊維状フィラーが、第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している太陽電池モジュールである。赤外線反射黒色フィラーのアスペクト比は1より大きいものが好ましい。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、表面保護基板が透明樹脂からなる太陽電池モジュールに関する。
太陽電池モジュールは、基本的な構成として、受光面側から順に、第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板と、をこの順に備える。つまり、光電変換部の表裏面を、第1保護基板及び第1封止材層と、第2封止材層及び第2保護基板とで覆うことで、光電変換部の保護を図っている。このような構成において、光電変換部においては、複数の太陽電池セルがマトリックス状に配列され、隣接する太陽電池セル同士はタブ配線によって電気的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
近年、太陽電池モジュールを軽量化するために、ガラス基板の代わりに樹脂基板を使用することが提案されている。すなわち、太陽電池モジュールにおいて、光電変換部を除く各構成要素が樹脂材料に置き換わりつつある。一般的に、樹脂材料は線膨張率がガラスの線膨張率より大きく、温度変化による伸縮の影響が大きい。従って、温度変化に伴い太陽電池モジュール中の樹脂材料が伸縮すると、伸縮に起因する応力が光電変換部に伝わり、太陽電池セルが破損したり、タブ配線が切断したりするおそれがある。
一方、太陽電池セルは黒色系の色調を有し、一般に、第1保護基板、第1封止材層、第2封止材層、及び第2保護基板の色調とは異なる。そのため、太陽電池モジュールを受光面側から見ると、太陽電池セルとその周囲とで色調が異なり、外観上の一体感が失われていた。外観上の一体感を出すためには、第2保護基板を太陽電池セルと同じ色調となるように着色する、つまり黒色に着色することが考えられる。しかし、第2保護基板を単に黒色に着色したのでは第2保護基板は太陽光を吸収してしまう。そのため、太陽電池セル、又は隣接する太陽電池セル間の間隙を透過して第2保護基板に到達した太陽光は吸収され、再度太陽電池セルに入射させることが困難であり、光電変換効率の低下を招く。
そこで、その問題を解決するため、黒色の赤外線反射性顔料を第2保護基板に添加することが考えられる(例えば、特許文献2参照)。
また、裏面保護材(第2保護基板)に工夫を凝らすことにより、上記問題の解決を図る提案がなされている(例えば、特許文献3参照)。特許文献3に記載の裏面保護材(第2保護基板)は、太陽電池セル側から順に、黒色樹脂層および反射層が積層された積層膜を含む。そして、黒色樹脂層は、波長750nm以上の近赤外線λAを透過し、かつ波長が750nmより小さい可視光線λBを吸収し、反射層は、波長750nm以上の近赤外線λAを反射する構成である。この構成により、意匠性を向上させるとともに、裏面保護材に達した太陽光を反射させて再度太陽電池セルに入射させて発電効率の向上を図っている。
特開2013−145807号公報 特開2011−102219号公報 特開2016−134448号公報
しかしながら、特許文献2においては、第2保護基板を黒色にしようとするには黒色の赤外線反射性顔料を多量に用いる必要がある。それにより、コストアップや、第2保護基板に顔料が多く分布することによる機械特性強度や耐久性の低下が危惧される。
特許文献3においては、第2保護基板に、黒色樹脂層および反射層が積層された積層膜を形成する必要があり、層構成が複雑となり製造工数の増加及びコストアップを招く。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、光電変換効率を向上させることができ、温度変化が生じた場合でも光電変換部において太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくく、さらに太陽電池セルとその周囲との色調の差が少ない太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明の第1の態様に係る太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有する。そして、第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含み、赤外線反射黒色フィラーが、第2保護基板の第2封止材層側において層状に偏在している。また、繊維状フィラーが、第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している。
本発明の第2の態様に係る太陽電池モジュールは、受光面側から順に、第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有する。そして、第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含み、赤外線反射黒色フィラーが、第2保護基板の第2封止材層側において層状に偏在している。また、繊維状フィラーが、第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している。
本発明によれば、光電変換効率を向上させることができ、温度変化が生じた場合でも光電変換部において太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくく、さらに太陽電池セルとその周囲との色調の差が少ない太陽電池モジュールを提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す上面図である。 図1のA−A線に沿った太陽電池モジュールの断面図である。 第2保護基板における繊維状フィラー及び赤外線反射黒色フィラーの状態を模式的に示す断面図である。 図2に示す太陽電池モジュールにおいて、太陽光(赤外線)が第2保護基板を反射して太陽電池セルに入射する様子と示す部分断面図である。 本実施形態の太陽電池モジュールの第2保護基板の製造装置を示す概念図である。
<太陽電池モジュール>
以下、図面を参照して本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。図1は太陽電池モジュール100の上面図である。図1に示すように、本実施形態の太陽電池モジュール100は、平面視状態では、長方形状のものであり、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が「受光面」であり、z軸の負方向側に配置される主平面が「裏面」である。なお、「受光面」とは光が主に入射する面を意味し、「裏面」とは受光面と反対側の面を意味することもある。また、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。
上記の記載における「上」とは、z軸の正方向側であってもよく、z軸の負方向側であってもよい。さらに、「略」は、誤差の範囲で異なっていること、つまり実質的に同一であることを示す。
太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル10、複数のタブ配線12、複数の接続配線14を含む。
複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。
太陽電池セル10は、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は、特に限定されないが、ここでは、一例として、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが積層されているとする。
図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば2本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリックス状に配列される。ここでは、x軸方向(長方形状における短手方向)に4つの太陽電池セル10が並べられており、y軸方向(長方形状における長手方向)に5つの太陽電池セル10が並べられている。
なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これらに限定されない。y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル10は、タブ配線12によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング16が形成される。さらに、前述のごとく、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられるので、y軸方向に延びた太陽電池ストリング16がx軸方向に4つ平行に並べられる。また、太陽電池ストリング16は、複数の太陽電池セル10のみを示してもよいし、複数の太陽電池セル10と複数のタブ配線12との組合せを示してもよい。
太陽電池ストリング16を形成するために、タブ配線12は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを電気的に接続する。すなわち、隣接した太陽電池セル10は互いにタブ配線12で電気的に接続されている。タブ配線12は、細長い金属箔であり、例えば、銅箔にハンダや銀等をコーティングしたものが用いられる。タブ配線12とバスバー電極との接続には樹脂が使用される。この樹脂は導電性、非導電性いずれでもよいが、タブ配線12とバスバー電極が電気的、および機械的に接続される必要がある。つまり、後者の場合はタブ配線12とバスバー電極とが直接接続されることで電気的に接続される。また、タブ配線12とバスバー電極との接続は、樹脂ではなくハンダを用いてもよい。
さらに、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側と負方向側において、複数の接続配線14がx軸方向に延びており、接続配線14は、隣接した2つの太陽電池ストリング16を電気的に接続する。以上の構成において、太陽電池セル10、太陽電池ストリング16のそれぞれが「光電変換部」であってもよく、複数の太陽電池ストリング16と接続配線14との組合せが「光電変換部」であってもよい。
本実施形態の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有する。また、第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含む。そして、赤外線反射黒色フィラーが、第2保護基板の第2封止材層側において層状に偏在している。また、繊維状フィラーが、第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している。
すなわち、本実施形態の太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10とタブ配線12とを含む太陽電池ストリング16、接続配線14、第2保護基板20、一対の封止材層(第1封止材層26、第2封止材層24)、及び第1保護基板28を含む(図2参照)。そして、図3に示すように、第2保護基板20は、赤外線反射黒色フィラー32と繊維状フィラー30とを含む。また、赤外線反射黒色フィラー32は、第2保護基板20の第2封止材層24側において層状に偏在している。さらに、繊維状フィラー30は、第2保護基板20の赤外線反射黒色フィラー32の偏在領域以外の領域において分散している。第2保護基板20が上記のような態様で赤外線反射黒色フィラー32を含むことで、光電変換効率を向上させることができるとともに、太陽電池セル10とその周囲との色調の差を少なくすることができる。また、第2保護基板20が上記のような態様で繊維状フィラー30を含むことで、温度変化が生じた場合であっても太陽電池セルの破損やタブ配線の破断が生じにくくなる。
以下に各層について順次説明する。なお、以下においては、第1保護基板を受光面側の保護基板、第2保護基板をその反対側(裏面側)の保護基板として説明する。
[第1保護基板]
第1保護基板28は、太陽電池モジュール100の受光面側に配置されており、太陽電池モジュール100の表面を保護する。第1保護基板28を形成する材料は特に限定されず、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、第1保護基板28はポリカーボネート(PC)を含有することがより好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れるため、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに好ましい。
第1保護基板28の厚みは、太陽電池モジュール100の表面を保護する役割を果たす限り特に限定されないが、0.1〜15mmとすることが好ましく、0.5〜10mmとすることがより好ましい。このような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を太陽電池セル10に効率よく到達させることができる。
第1保護基板28の引張弾性率は特に限定されないが、1.0GPa以上10.0GPa以下であることが好ましく、2.3GPa以上2.5GPa以下であることがより好ましい。第1保護基板28の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次の式(1)のように、日本工業規格JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により、試験温度25℃、試験速度100mm/分で測定することができる。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) ・・・式(1)
上記式(1)において、Etは引張弾性率(Pa)、σ1はひずみε1=0.0005における応力(Pa)、σ2はひずみε2=0.0025における応力(Pa)を示す。
第1保護基板28の全光線透過率は特に限定されないが、80〜100%であることが好ましく、85〜95%であることがより好ましい。第1保護基板28の全光線透過率をこのような範囲とすることにより、光を効率よく太陽電池セル10へ到達させることができる。
全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
[第1封止材層、第2封止材層]
第1封止材層26、第2封止材層24は、太陽電池セル10及びタブ配線12を含む光電変換部を封止する。第2封止材層24は、第2保護基板20のz軸の正方向側(上側)に配置されており、第1封止材層26は、第1保護基板28のz軸の負方向側(下側)に配置されている。
第1封止材層26としては、例えば、引張弾性率が0.001MPa〜1MPaであり、損失係数が0.1〜0.52であるゲルが使用される。このようなゲルは、例えば、シリコーンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲル等である。シリコーンゲルについて、引張弾性率は0.022MPaである。損失係数は、貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比G”/G’であり、tanδで示される。損失係数は、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するかを示しており、tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収する。この損失係数は、動的粘弾性測定装置によって測定される。第1封止材層26は、透光性を有するとともに、第1保護基板28におけるx−y平面において僅かながら小さな寸法の面を有する長方形状のシート材によって形成される。なお、第1封止材層26は、液状であってもよい。
一方、第2封止材層24としては、例えば、EVA、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリオレフィン、ポリイミド等の樹脂フィルムのような熱可塑性樹脂が使用される。なお、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。ここでは、特にEVAが使用されるとする。EVAについて、引張弾性率は0.01〜0.25GPaであり、損失係数は0.05である。第2封止材層24は、透光性を有するとともに、第1保護基板28におけるx−y平面と略同一寸法の面を有する矩形状のシート材によって形成される。
以上、第1封止材層26、第2封止材層24はそれぞれ分けて説明したが、それぞれ同じものを使用してもよい。
太陽電池ストリング16は、前述のごとく、y軸方向(長方形状の長手方向)に並んだ複数の太陽電池セル10が、タブ配線12によって接続されることによって形成される。 また、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側端と負方向側端に、接続配線14が接続される。このような接続配線14、太陽電池ストリング16は、第1封止材層26のz軸の負方向側に配置される。さらに、複数の太陽電池セル10のそれぞれは、受光面および裏面を有する平板状に形成される。このような構成に対して、図2の上方から荷重が加わった場合には、第1保護基板28、第1封止材層26、第2封止材層24で緩衝し、太陽電池モジュール100の損傷を抑制している。
[第2保護基板]
第2保護基板20は、第2封止材層24のz軸の負方向側に配置される。第2保護基板20は、太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。そして、第2保護基板20は、図3に示すように、繊維状フィラー30と、赤外線反射黒色フィラー32とを含み、赤外線反射黒色フィラー32は第2封止材層24側(図3の紙面の上側)において層状に偏在している。そのため、第2保護基板20は第2封止材層24側において赤外線を反射する。その様子を図4に示す。図4における2本の矢線は太陽光線を示している。そして、隣接する太陽電池セル10間の間隙を通過した光(赤外線)や太陽電池セル10を透過した太陽光(赤外線)は、第2保護基板20の第2封止材層24側の面で反射して、太陽電池セル10に入射し、太陽電池セル10で光電変換される。従って、その分、発電量が向上することとなる。
また、第2保護基板20の第2封止材層24側は、赤外線反射黒色フィラー32の存在により黒色に視認され、太陽電池セル10と同系色の色調となる。そのため、太陽電池モジュール100を受光面側から見たとき隣接する太陽電池セル10間の間隙など、太陽電池セル10の周囲は容易に視認されない。従って、太陽電池モジュール100の表面において外観上の一体感が増し、意匠性が向上する。また、赤外線反射黒色フィラー32は、第2保護基板20の全体(表面から裏面にわたる全体)に分散されるのではなく、一方の面側のみに層状に偏在する。そのためその使用量は少量とすることができ、コストダウンを図ることができる。
一方、赤外線反射黒色フィラー32を第2保護基板20の全体にわたり大量に添加すると、第2保護基板20の機械強度の低下が危惧される。しかし、本実施形態においては、赤外線反射黒色フィラー32は、第2保護基板20の一方の面側に使用されるのみで、使用量が少量であるため機械特性の低下を防止することができる。
なお、赤外線反射黒色フィラーが「層状に偏在している」とは、赤外線反射黒色フィラーが連続して層を構成している場合の他に、断片的に層を構成している場合をも含む。つまり、層状に偏在している赤外線反射黒色フィラーは一部が局所的に欠落してもよい。
一方、第2保護基板20には赤外線反射黒色フィラー32の他に、繊維状フィラー30を含む。具体的には、例えば図3に示すように、繊維状フィラー30は、第2保護基板20の赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している。繊維状フィラー30により、第2保護基板20の線膨張率が低下し、温度変化に起因する第2保護基板20の伸縮を抑えることができる。ひいては、光電変換部に伝達される、第2保護基板20の伸縮に起因する応力が低減し、太陽電池セル10の破損及びタブ配線の破断が生じにくくなる。また、第2保護基板20中の繊維状フィラー30により、製造工程において、赤外線反射黒色フィラー32が第2保護基板20の内部に沈降するのを防ぐことができる。より詳細には、製造工程において、第2保護基板20を構成する樹脂成分は溶融状態であるが、その樹脂成分中に繊維状フィラー30が存在すると、赤外線反射黒色フィラー32を添加した場合に繊維状フィラー30がその沈降を阻止する。そのため、赤外線反射黒色フィラー32は、第2保護基板20の一方の面側(第2封止材層24側)に層状に偏在しやすくなる。以上より、繊維状フィラー30は、第2保護基板20の伸縮抑制及び赤外線反射黒色フィラーの沈降防止の2つの役割を果たす。
本実施形態において、第2保護基板の第2封止材層側における波長900nm以上の光に対する反射率が20%以上であることが好ましい。換言すると、第2保護基板20の第2封止材層24側に層状に偏在させる赤外線反射黒色フィラーにより、波長900nm以上の光に対する反射率が20%以上となるように設定することが好ましい。太陽電池の分光感度においては、波長400から1000nmの光に対する感度が高く光電変換効率が高い。そのため、第2保護基板20の赤外線反射黒色フィラー32を上記のように設定すると、波長900nm以上の光をより多く太陽電池セル10に入射させることができ、発電量を向上させることができる。第2保護基板20の第2封止材層24側における波長900nm以上の光に対する反射率は、20%以上であることがより好ましく、30%以上であることがさらに好ましい。
なお、赤外線の反射率は、株式会社島津製作所製、UV−3600により測定することができる。
第2保護基板20を形成する材料は特に限定されないが、繊維状フィラー及び赤外線反射黒色フィラーを含有させるに適した材料が好ましい。例えば、各種繊維強化プラスチックを用い、それに対して赤外線反射黒色フィラーを付与すれば第2保護基板20を効率良く作製することができる。このような繊維強化プラスチックとしては、繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)などが挙げられる。なお、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)としては、ガラスエポキシなどが挙げられる。
第2保護基板20は、シートモールディングコンパウンド(SMC)で構成してもよい。すなわち、一方の面に層状に散布された赤外線反射黒色フィラーを有し、内部に繊維状フィラーが分散されたSMCシートの表裏にフィルムが被覆されたものとしてもよい。このような第2保護基板20は、後述するように、一連の工程により効率良く作製することができる。
第2保護基板20の厚みは、特に限定されないが、0.02mm以上10mm以下であることが好ましく、0.06mm以上5.0mm以下であることがより好ましく、0.08mm以上1.0mm以下であることがさらに好ましい。特に、繊維強化プラスチックの場合は、繊維1本の直径が厚みの下限値であることが好ましい。第2保護基板20の厚みをこのような範囲とすることによって、第2保護基板20のたわみを抑制し、太陽電池モジュール100をより軽量化することができる。
また、第2保護基板20において、層状に偏在する赤外線反射黒色フィラー部分の厚みは、赤外線(波長900nm以上)を十分に反射し、黒色の色調と確保する観点から、 1〜500μmとすることが好ましく、10〜100μmとすることがより好ましい。なお、当該赤外線反射黒色フィラー部分の厚みは、第2保護基板20の厚みに応じて適宜設定される。
次に、第2保護基板20に含まれる赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとについ
て以下に説明する。
(赤外線反射黒色フィラー)
赤外線反射黒色フィラーは、赤外線を反射する性質を有するとともに、黒色の色調を有する。本実施形態において、赤外線反射黒色フィラーとしては、900nm以上の波長域の光における平均反射率が20%以上のものを用いることが好ましい。このような赤外線反射黒色フィラーとしては、例えば、Fe、Mn、Cr、CoO、CuOまたはこれらの組み合わせを含有する顔料が挙げられる。また、既述の特開2011−102219号公報に記載の赤外線反射性黒色顔料を用いてもよい。赤外線反射黒色フィラーの市販品としては、42−703A、42−706A(いずれも東罐マテリアル・テクノロジー株式会社)や、AG235ブラック(川村化学株式会社)、タイペーブラックSG−101(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
本実施形態においては、上記のような、単独で黒色を示す赤外線反射黒色フィラーの他、三原色中の各色の赤外線反射フィラーを用いてもよい。すなわち黄色系の赤外線反射フィラー顔料と青色系の赤外線反射フィラーと赤色系の赤外線反射フィラーとを混合して黒色として赤外線反射黒色フィラーを用いてもよい。
本実施形態において、赤外線反射黒色フィラーは、CIE1976表色系で規定されるL(SCE)が40以下のものが好ましい。ここで、L(SCE)とは、正反射光を除去して色を測る方法であるSCE方式により測定した明度Lを意味する。
本実施形態において、赤外線反射黒色フィラーのアスペクト比が1より大きいことが好ましく、2以上であることがより好ましい。このようなアスペクト比を有する形状としては、例えば、板状、繊維状、破砕体状などが挙げられる。このような形状であると、第2保護基板中において、赤外線反射黒色フィラーが、繊維状フィラーと絡みやすくなる。ひいては、球状形状などと比較して、製造工程において赤外線反射黒色フィラーが第2保護基板中に沈降しにくくなり、第2保護基板の表面近傍に偏在しやすくなる。
なお、赤外線反射黒色フィラーのアスペクト比は、「赤外線反射黒色フィラーの最大長/赤外線反射黒色フィラーの最小長」で求められる。「最大長」とは、赤外線反射黒色フィラーの任意の2点間距離の最大値をいい、「最小長」とは、同2点間距離の最小値をいう。
一方、赤外線反射黒色フィラーが繊維状の場合、第2保護基板中の繊維状フィラーとの区別が問題となる。本実施形態の効果を損なわない限り、繊維状フィラーとして、繊維状の赤外線反射黒色フィラーを用いてもよい。この場合、繊維状の赤外線反射黒色フィラーが第2保護基板の第2封止材層側において偏在すること、及びその偏在領域以外の領域では、当該繊維状の赤外線反射黒色フィラーが第2保護基板の線膨張率を低減するような状態で分散されていることが重要である。
以上、本実施形態においては、赤外線反射黒色フィラーは第2保護基板の第2封止材層側に層状に偏在させている。当該層状の赤外線反射黒色フィラーは第2保護基板全面に亘って層状としてもよいし、太陽電池セル間の間隙など、太陽電池セルの周囲のみに層状の赤外線反射黒色フィラーを偏在させてもよい。すなわち、太陽電池セルの直下は、受光面側からの視認ができないし、太陽光が到達しにくいため、その位置は除外し、太陽電池セルの周囲のみに赤外線反射黒色フィラーを存在させた方が効率良く効果が発揮される。そして、赤外線反射黒色フィラーを太陽電池セルの周囲にのみ偏在させた場合、材料コストの低減を図ることができる。
(繊維状フィラー)
本実施形態において使用される繊維状フィラーとしては、第2保護基板の線膨張率を低下させる観点から、線膨張率が20ppm以下のものが好ましく、15ppm以下のものがより好ましい。このような繊維状フィラーとしては、炭素繊維、ガラス繊維、ポリイミド繊維、アルミナ繊維などが挙げられる。
繊維状フィラーの平均繊維長は、温度変化による第2保護基板の伸縮防止及び製造時における赤外線反射黒色フィラーの沈降防止の観点から、3mm以上が好ましく、6mm以上がより好ましい。繊維状フィラーの平均繊維長は、光学顕微鏡により測定することができる。
一方、繊維状フィラーの平均繊維径は、9〜15μmが好ましい。
第2保護基板中の繊維状フィラーの含有量は、第2保護基板の線膨張率を低下と、赤外線反射黒色フィラーを第2封止材層側に偏在させるという観点から、1〜50質量%以上であることが好ましく、1〜20質量%であることがより好ましい。
本実施形態において、第2保護基板の繊維状フィラーが分散する領域における波長450〜700nmの可視光の吸収率が20%以上であることが好ましい。このように構成することで、赤外線反射黒色フィラーの偏在領域を可視光が透過した場合でも、当該可視光は第2保護基板内の繊維状フィラーが分散する領域で吸収される。ひいては、赤外線反射黒色フィラーの偏在領域の下側(繊維状フィラーの分散領域側)においても黒色の色調に視認される。そのため、太陽電池モジュールの受光面側から見たとき、黒色の色調が十分に確保され外観性が向上する。
このように、繊維状フィラーが分散する領域において、波長450〜700nmの可視光の吸収率が20%以上とするため、繊維状フィラーとしては、炭素繊維が好ましい。
(他の成分)
第2保護基板には、本実施形態の効果を損なわない範囲において、他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定化剤、低収縮剤が挙げられる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
次に、太陽電池モジュール100の製造方法を説明する。初めに、図2に示す形態の太陽電池モジュール100の製造方法を示す。まず、タブ配線12を接続した太陽電池セル10(太陽電池ストリング16)を、第1封止材層26と第2封止材層24とで挟み、その外側に第2保護基板20、第1保護基板28を配置する。次いで、このようにして得られた積層体を、例えば真空状態で160℃程度に加熱する。その後、大気圧下でヒーター側に各構成部材を押し付けながら加熱を継続し、第1及び第2封止材層の樹脂成分を架橋させる。これにより、各層が接着され太陽電池モジュール100が得られる。
本実施形態の太陽電池モジュール100において、第2保護基板20は繊維状フィラーと30と赤外線反射黒色フィラー32とを含み、赤外線反射黒色フィラー32は図3に示すように、一方の面側に層状に偏在している。このような形態の第2保護基板20を製造する工程の一例として、シートモールディングコンパウンド(SMC)の例を図5に示す。以下に示す工程はあくまでも一例であり、本実施形態においては上述の構成の第2保護基板を作製可能であれば他の工程も適用することができる。
まず、第2保護基板20の原料となる樹脂コンパウンド40と繊維状フィラー42と、赤外線反射黒色フィラー58とを準備する。
樹脂コンパウンド40は、次のようにして得られる。ベース樹脂に、必要に応じて、添加剤を添加し、攪拌混合してペースト状の樹脂混合物を調製する。次いで、この樹脂混合物に増粘剤を添加して樹脂コンパウンド40を得る。得られた樹脂コンパウンド40はディップパン53、54に投入される。
また、繊維状フィラー42は、ロール55から引き出されたロービング41をロービングカッター57で一定の大きさに裁断することで得られる。
さらに、赤外線反射黒色フィラー58は、必要量が容器56に投入される。
得られた樹脂コンパウンド40と、繊維状フィラー42、赤外線反射黒色フィラー58とを用いて、次のようにして第2保護基板を製造する。
巻出ロール50、51から離型性の長尺の2枚のフィルム44、45を連続的に供給し、ペースト状の樹脂コンパウンド40をディップパン53、54からフィルム44、45上に供給して塗布する。
樹脂コンパウンド40を塗布した後、フィルム44の樹脂コンパウンド40上に繊維状フィラー42を散布等の方法で供給する。繊維状フィラー42を供給したフィルム44の樹脂コンパウンド40上に、さらに、赤外線反射黒色フィラー58を散布等の方法で供給する。図5においては、赤外線反射黒色フィラー58の散布は、繊維状フィラー42の散布の直後であるように描かれている。しかし、赤外線反射黒色フィラー58を一方の面側に層状に偏在させるためには、繊維状フィラー42の散布後、樹脂コンパウンド40がある程度硬化してから赤外線反射黒色フィラー58の散布を行うことが好ましい。
赤外線反射黒色フィラー58の散布後、フィルム45上の樹脂コンパウンド40の塗布面を合わせる。これによって、樹脂コンパウンド40中に、繊維状フィラー42と、赤外線反射黒色フィラー58とを含むシート状体46が2枚のフィルム44、45で上下から挟み込まれた長尺のシート47を得る。
次いで、シート47を含浸機64に搬送し、含浸作業を行う。
含浸機64は、図5に示すように、シート47の上下両面側からシート47を挟む上下一対の第1加圧ロール60を備えており、メッシュベルトを介してシート47を加圧可能に形成されている。メッシュベルトは、シート47の搬送方向および幅方向に屈曲可能に形成されている。
上下一対の第1加圧ロール60は複数対あり、これら第1加圧ロール60はシート47の幅方向一端部から幅方向他端部に亘って配置されている。すなわち、複数対の第1加圧ロール60でシート47の幅方向全長を略加圧可能に配置されている。これら複数対の第1加圧ロール60のうち、シート47の幅方向中心部に配置されている第1加圧ロール61が搬送方向の最も上流に位置するように配置される。他の第1加圧ロール62はそれぞれそのロール軸が第1加圧ロール61とはシート状体46の搬送方向にずれて配置されている。この第1加圧ロール60の上側のロールと下側のロールとの間隙にシート47を通すことによって、シート47の上下両面側からシート47を加圧することができる。
一方、第1加圧ロール60に加えて、シート47の幅方向全長に対応する長さ(幅)を少なくとも有する第2加圧ロール70を備えている。この第2加圧ロール70は、シート47の上側および下側に配置されている。上下の第2加圧ロール70間にシート47を通すことで、線接触によりシート47の両面側から幅方向全長に線圧を加えることができる。
以上の工程により、長尺状のシートが得られる。そのシートを所望のサイズに切断することにより第2保護基板が得られる。必要に応じて、フィルム44、45のいずれか一方、又は両方を剥離して用いる。
以下、実施例により本実施形態を更に詳しく説明するが、本実施形態はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、不飽和ポリエステル樹脂80質量部、低収縮剤としてポリスチレン樹脂20質量部、硬化剤としてt−アミルパーオキシイソピルカーボネート1質量部、重合禁止剤としてp−ベンゾキノン0.1質量部、離型剤としてステアリン酸7質量部、増粘剤として酸化マグネシウム1質量部、SMC用のコンパウンドを得た。なお、不飽和ポリエステル樹脂は、溶媒としてのスチレンモノマーを40質量%含有する樹脂溶液であり、昭和高分子(株)製 M−640LSを用いた。次に、このようにして調製したコンパウンドをドクターブレードでフィルムに塗布し、炭素繊維80質量部を散布した。その後、その上面を、同じくコンパウンドを塗布したフィルムで挟み、これをロールで押さえることにより、炭素繊維にコンパウンドを含浸させた。その後、40℃で24時間熟成処理を行い、SMCを得た。なお、炭素繊維は、1インチにカットした炭素繊維ロービングを用いた。その後、フィルムを剥がし、赤外線反射黒色フィラーとして石原産業株式会社製、SG−101を10質量部散布した。
以上のように作製したSMCに対してプレス成型を行い、第2保護基板を得た。
次いで、1mm厚の第1保護基板、1mm厚の第1封止材層、光電変換部、0.6mm厚の第2封止材層、上記第2保護基板を上から順に積層した。このとき、第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーを有する側を第2封止材層に対向させた。このようにして得た積層体を145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。なお、第1保護基板はポリカーボネートを用いた。第1封止材層はゲルを用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。第2封止材層は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)を用いた。
[比較例1]
第2保護基板の作製において赤外線反射黒色フィラーを添加しなかったこと以外は実施例1と同様にして第2保護基板を作製した。そして、この第2保護基板を用いて、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。
[比較例2]
実施例1において、SMCのフィルムを剥がした後に赤外線反射黒色フィラーを散布する代わりに、SMC用のコンパウンドを調製するときに赤外線反射黒色フィラーを10質量部添加した。それ以外は実施例1と同様にして第2保護基板を作製した。そして、この第2保護基板を用いて、実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製した。なお、比較例2においては、赤外線反射黒色フィラーは、第2保護基板の第2封止材層側において偏在せず、第2保護基板中に均一に分散した状態となっている。
<評価>
得られた太陽電池モジュールに対して以下の評価を行った。
1.赤外線反射率
各実施例・比較例において、作製した第2保護基板の赤外線反射黒色フィラーを添加した面(赤外線反射黒色フィラーがない場合は、いずれか一方の面)の赤外線(波長:900nm)の反射率を測定した。赤外線反射率の測定は、株式会社島津製作所製、UV−3600により行った。
2.外観性
各実施例・比較例の太陽電池モジュールの受光面側から太陽電池セルとその周囲の色調の差異の有無について目視観察した。太陽電池セルとその周囲の色調の差がほとんど見られなかったものを「○」、少し見られたものを「△」、はっきりと見られたものを「×」として評価した。結果を表1に示す。
3.タブ配線の切断
JIS C8990:2009(IEC61215:2005)(地上設置の結晶シリコン太陽電池(PV)モジュール−設計適格性確認及び形式認証のための要求事項)の温度サイクル試験に準じ、以下のような試験条件にて試験を実施した。すなわち、各実施例の太陽電池モジュールを試験槽内に設置し、太陽電池モジュールの温度を−40℃±2℃と+85℃±2℃との間で周期的に変化させた。このような温度サイクル試験を25サイクル、50サイクル及び200サイクル行った後、目視にて太陽電池セルを互いに接続するタブ配線を確認した。そして、200サイクルでタブ配線が切断しなかったものを◎、50サイクルでタブ配線が切断せず200サイクルでタブ配線が切断したものを○と評価した。また、25サイクルで接続部材が切断したものを×と評価した。なお、下限と上限との間の温度変化速度を約1.4℃/時間、下限温度の保持時間を60分、上限温度の保持時間を1時間20分とし、1サイクルの時間を5時間20分とした。また、温度サイクル試験は少なくとも3回実施した。
Figure 2019041090
実施例1においてはいずれの評価結果も良好であった。これに対し、第2保護基板に赤外線反射黒色フィラーを用いなかった比較例1、及び赤外線反射黒色フィラーを第2保護基板中に均一に分散させた比較例2では赤外線反射率及び外観性について劣っていた。従って、これらのことから本実施形態の太陽電池モジュールの優位性が示された。特に、実施例1においては、第2保護基板の一方の面側に赤外線反射黒色フィラーを偏在させているのに対し、比較例2においては第2保護基板中に赤外線反射黒色フィラーを分散させている。そして、表1に示すように、実施例1と比較例2とで赤外線反射率が大きく異なっている。このことから、第2保護基板の一方の面側に赤外線反射黒色フィラーを偏在させることで赤外線反射率において特に優位な効果が得られることが分かる。
実施例1及び比較例1、2においてはいずれも第2保護基板中に繊維状フィラーを含み、いずれもタブ配線の切断が見られなかった。第2保護基板中に繊維状フィラーを含まない例は特に示さないが、繊維状フィラーを含むことでタブ配線の切断が抑制される推察される。
なお、赤外線反射率が高い場合、第2保護基板を反射した赤外線が太陽電池セルに入射するため発電効率が向上すると考えられる。
なお、第1保護基板28は、ガラスからなるものであってもよい。
10 太陽電池セル(光電変換部)
12 タブ配線
14 接続配線
16 太陽電池ストリング(光電変換部)
20 第2保護基板
24 第2封止材層
26 第1封止材層
28 第1保護基板
30 繊維状フィラー
32 赤外線反射黒色フィラー

Claims (5)

  1. 受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有し、
    前記第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含み、
    前記赤外線反射黒色フィラーが、前記第2保護基板の前記第2封止材層側において層状に偏在し、
    前記繊維状フィラーが、前記第2保護基板の前記赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している太陽電池モジュール。
  2. 前記赤外線反射黒色フィラーのアスペクト比が1より大きい請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第2保護基板の前記第2封止材層側における波長900nm以上の光に対する反射率が20%以上である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第2保護基板の前記繊維状フィラーが分散する領域における波長450〜700nmの可視光の吸収率が30%以上である請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 受光面側から順に、第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有し、
    前記第2保護基板が、赤外線反射黒色フィラーと繊維状フィラーとを含み、
    前記赤外線反射黒色フィラーが、前記第2保護基板の前記第2封止材層側において層状に偏在し、
    前記繊維状フィラーが、前記第2保護基板の前記赤外線反射黒色フィラーの偏在領域以外の領域において分散している太陽電池モジュール。
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