JP2019083248A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

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元彦 杉山
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Abstract

【課題】皺が少ない補強層を有する太陽電池モジュール及びその製造方法を提供する。【解決手段】透明樹脂から構成される表面保護基板と、裏面保護基板と、表面保護基板と裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び光電変換部を封止する封止材層と、表面保護基板と封止材層との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有し、補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている太陽電池モジュール、及び該太陽電池モジュールの製造方法であって、補強層と非架橋樹脂層とを予め積層して積層体とした後、該積層体とそれ以外の層とをラミネートする工程を含む製造方法である。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、補強層を含む太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、基本的な構成として、第1の基板(表面保護基板)と、第1の樹脂層(封止材層)と、光電変換部と、第2の樹脂層(封止材層)と、第2の基板(裏面保護基板)と、をこの順に備えた構成になっている。つまり、光電変換部の表裏面を、第1の基板及び第1の樹脂層と、第2の樹脂層及び第2の基板とで覆うことで、光電変換部の保護を図っている。このような構成において、光電変換部においては、複数の太陽電池セルがマトリックス状に配列され、隣接する太陽電池セル同士はタブ配線によって電気的に接続される。そして、このように、光電変換部は複数の太陽電池セル同士を複数のタブ配線によって電気的に接続し、例えば出力電圧を高めるようにしている。
太陽電池モジュールの保護基板としては、従来、ガラス基板を用いるのが一般的であった。しかし、近年、軽量化のためにガラス基板に代わり樹脂基板が用いられるようになってきている(例えば、特許文献1参照)。ところが、一般的に、樹脂の線膨張率はガラスの線膨張率より大きく、温度変化による熱伸縮の影響が大きい。そのため、樹脂からなる表面保護基板が熱伸縮した場合、表面保護基板に接着される樹脂層に応力が加わる。また、太陽電池モジュールに生じる温度変化の度合に比例して表面保護基板や樹脂層に加わる熱応力が大きくなる傾向にある。そのため、太陽電池モジュールに生じる温度変化により、樹脂層に大きな熱応力が加わった場合、樹脂層と接する太陽電池セルが破損したり、太陽電池セル間を電気的に接続するタブ配線が切断したりするおそれがある。
そこで、特許文献2には、表面保護層と裏面保護層との間に補強層を設けることにより、上記のような問題を解決する提案がなされている。補強層を設けることにより、表面保護基板などに温度変化に起因する熱応力が生じた場合でも、太陽電池セル及びタブ配線への熱応力の伝達が抑制される。その結果、太陽電池セルの破損や、タブ配線の切断を防止することができる。
特開2013−145807号公報 特開2015−185680号公報
しかしながら、補強層は、太陽電池モジュールの加熱ラミネート時において封止材層の収縮の影響を受ける。すなわち、加熱ラミネート時において封止材層を構成する樹脂の架橋収縮の影響により、補強層に皺が発生することがある。また、太陽電池モジュールの全体又は一部において曲面形状を有する場合、その曲面形状と平面形状である補強層とは形状不一致により、加熱ラミネート前の積層の段階で補強層に皺が発生することがある。以上のように発生した補強層の皺は最終製品においても残存し、外観を損ねたり、入射光を散乱させ発電効率の低下を招いたり、補強層の破損の原因となったりする。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、皺が少ない補強層を有する太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様の太陽電池モジュールは、透明樹脂から構成される表面保護基板と、裏面保護基板と、表面保護基板と裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び光電変換部を封止する封止材層と、表面保護基板と封止材層との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有する。そして、補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている。
本発明の第2の態様の太陽電池モジュールの製造方法は、前記太陽電池モジュールを製造する方法であって、
補強層と、少なくとも1層の非架橋樹脂層とを予め積層して積層体とした後、積層体とそれ以外の層とをラミネートする工程を含む。
本発明の第3の態様の太陽電池モジュールは、表面保護基板と、裏面保護基板と、表面保護基板と裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び表面保護基板と光電変換部との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有する。そして、補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている。
本発明によれば、皺が少ない補強層を有する太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す上面図である。 図1に示す太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 図4に示す形態の太陽電池モジュールを後方から見た側面図である。 ゲル状高分子層を有する形態の太陽電池モジュールの部分断面図である。 補強層が分割された太陽電池モジュールを示す上面図である。
<太陽電池モジュール>
以下、図面を参照して本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100を示す上面図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつ、x−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が「受光面」であり、z軸の負方向側に配置される主平面が「裏面」である。なお、「受光面」とは光が主に入射する面を意味し、「裏面」とは受光面と反対側の面を意味することもある。また、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。
太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル10、複数のタブ配線12、複数の接続配線14を含む。複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。太陽電池セル10は、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は、特に限定されないが、ここでは、一例として、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが積層されているとする。図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば2本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリックス状に配列される。ここでは、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられ、y軸方向に5つの太陽電池セル10が並べられる。なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これらに限定されない。y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル10は、タブ配線12によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング16が形成される。さらに、前述のごとく、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられるので、y軸方向に延びた太陽電池ストリング16がx軸方向に4つ平行に並べられる。なお、太陽電池ストリング16は、複数の太陽電池セル10と複数のタブ配線12との組合せを示す。
太陽電池ストリング16を形成するために、タブ配線12は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを電気的に接続する。すなわち、隣接した太陽電池セル10は互いにタブ配線12で電気的に接続されている。タブ配線12は、細長い金属箔であり、例えば、銅箔にハンダや銀等をコーティングしたものが用いられる。タブ配線12とバスバー電極との接続には樹脂が使用される。この樹脂は導電性、非導電性のいずれでもよい。後者の場合はタブ配線12とバスバー電極とを直接接触させることで電気的に接続される。また、タブ配線12とバスバー電極との接続は、樹脂ではなくハンダを用いてもよい。
さらに、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側と負方向側において、複数の接続配線14がx軸方向に延びており、接続配線14は、隣接した2つの太陽電池ストリング16を電気的に接続する。以上の構成において、太陽電池セル10、太陽電池ストリング16のそれぞれが「光電変換部」であってもよく、複数の太陽電池ストリング16と接続配線14との組合せが「光電変換部」であってもよい。なお、太陽電池モジュール100の端縁部には、図示しないフレームが取り付けられてもよい。フレームは、太陽電池モジュール100の端縁部を保護するとともに、太陽電池モジュール100を屋根等に設置する際に利用される。
本実施形態の太陽電池モジュールは、透明樹脂から構成される表面保護基板と、裏面保護基板とを有する。また、表面保護基板と裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び光電変換部を封止する封止材層と、表面保護基板と封止材層との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有する。そして、補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている。
図2は、図1のA−A線に沿った太陽電池モジュール100を示す部分断面図である。太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10、タブ配線12、接続配線14、太陽電池ストリング16、表面保護基板20、補強層22、非架橋樹脂層24、封止材層26、及び裏面保護基板28を含む。図2の上側が受光面(表面)側に相当し、下側が裏面側に相当する。
図2に示す構成の太陽電池モジュール100は、製造時においては、各層を積層した後、例えば加熱ラミネートすることにより一体化される。このとき、封止材層26はその構成成分である樹脂が架橋され、架橋により封止材層26は収縮する。このような封止材層26の収縮は、本来であれば補強層22の皺の発生の原因となりうる。しかし、本実施形態においては、補強層22には柔軟性を有する非架橋樹脂層24が積層されているため皺の発生が低減される。すなわち、補強層22に積層された非架橋樹脂層24は加熱ラミネート時において架橋による収縮がなく、かつ、柔軟性を有するため、封止材層26の収縮の影響が軽減される。従って、本実施形態においては、非架橋樹脂層24の存在により補強層22には皺が少ない。
以下に、各層について順次説明する。
[表面保護基板]
表面保護基板20は、太陽電池モジュール100の太陽光の受光側に位置し、透明樹脂から構成される基板である。表面保護基板20を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、表面保護基板20としては、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れ、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに適しているからである。また、表面保護基板20は、その表面にアクリルウレタンなどで構成されるハードコート層を含んでもよい。さらに、表面保護基板20又はハードコート層などに紫外線吸収剤や艶調整剤、反射防止成分を含んでもよい。
表面保護基板20は、厚みが0.1〜15mmであり、引張弾性率が1.0〜10.0GPa以下であり、全光線透過率80%以上であることが好ましい。これらのパラメータについて以下に説明する。
表面保護基板20の厚みは、0.1〜15mmとすることが好ましく、0.5〜10mmとすることがより好ましい。表面保護基板20の厚みをこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を光電変換部(太陽電池セル10)に効率よく到達させることができる。
表面保護基板20の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaであることが好ましく、2.3GPa〜2.5GPaであることがより好ましい。表面保護基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次のように、JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により測定することができる。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) (1)
上記式(1)において、Etは引張弾性率(Pa)、σ1はひずみε1=0.0005における応力(Pa)、σ2はひずみε2=0.0025における応力(Pa)を示す。
表面保護基板20の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。表面保護基板20の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
表面保護基板20の熱膨張係数は、特に限定はなく、40〜110(×10−6−1)とすることができる。本実施形態においては、表面保護基板20の熱膨張係数が大きく、温度変化に伴い変形しやすい場合であっても、補強層22の存在より問題は生じ難い。熱膨張係数は、JIS K 7197 :2012により測定することができる。
[補強層]
補強層22は、表面保護基板20と封止材層26との間に位置し、高い機械強度を有する材料から形成される。補強層22は高い機械強度を有するため、表面保護基板20が膨張・収縮したとき場合でも、その膨張・収縮に追従せず、光電変換部への応力が伝わるのを防止することができる。従って、表面保護基板20の膨張・収縮による応力は、補強層22により阻止することができる。補強層22は、表面保護基板20と封止材層26との間に1層又は2層以上設けられる。
補強層22を構成する材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどからなるが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好ましい。
補強層22は、厚みが1〜200μmであり、熱膨張係数が0〜30ppmであり、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。これらのパラメータについて以下に説明する。
補強層22の厚みは、1〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。補強層22がこのような厚みを有することで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力の光電変換部への伝達を十分に抑えることができる。補強層22は特に薄い場合に皺が発生しやすいが、本実施形態においては補強層22には非架橋樹脂層が積層されているため皺の発生が軽減される。
補強層22の熱膨張係数は、0〜300(×10−6−1)であることが好ましく、50〜200(×10−6−1)であることがより好ましい。補強層22の熱膨張係数がこの範囲であることで、表面保護基板20が熱によって膨張・収縮した場合でも、補強層22の膨張・収縮は表面保護基板20よりも小さく、表面保護基板20の膨張・収縮による応力の光電変換部への伝達を抑えることができる。
補強層22の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。補強層22の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
また、補強層22の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaが好ましく、2〜5GPaがより好ましい。補強層22の引張弾性率がこのような範囲であることで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
補強層22の表裏の少なくとも一方に、水蒸気透過率が1.0g/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を補強層22に形成することで、封止材層26への水蒸気の浸入がブロックされ、封止材層26の封止材の加水分解を防止することができる。なお、水蒸気透過率は、例えば、JIS K7129:2008(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))の付属書Bに規定された赤外線センサ法により求めることができる。
また、補強層22の表裏の少なくとも一方に、酸素透過率が8.0ml/m・day以下の皮膜が形成されていることが好ましい。このような皮膜を補強層22に形成することで、封止材層26への酸化の浸入がブロックされ、封止材層26の封止材の酸化による分解を防止することができる。なお、酸素透過率は、JIS K7126−1(GC法)に則って求めることができる。
補強層22に形成する皮膜としては、コーティング、蒸着法で構成してもよく、Si及びOを含む無機複合材料から構成されることが好ましい。そのような材料としては、シロキサン化合物などが挙げられ、その中でも、ポリオルガノシロキサンが好ましい。
以上のような補強層は、光電変換部と裏面保護層との間にも積層してもよい。
[非架橋樹脂層]
非架橋樹脂層24は、補強層22の少なくとも一方の面に積層される層である。図2においては、非架橋樹脂層24は、補強層22の封止材層26側に積層されている。上述の通り、非架橋樹脂層24の存在により補強層22の皺の発生が軽減される。具体的には、非架橋樹脂層24は、加熱ラミネート時に架橋収縮がなく、かつ、柔軟性を有するため、補強層22が受ける、封止材層26の収縮の影響が緩和される。
非架橋樹脂層24を構成する非架橋樹脂は、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、エステル系樹脂、ウレタン系樹脂、エチレンビニルアルコール共重合体、アクリル樹脂、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂などが挙げられ、中でも、オレフィン系樹脂が好ましい。
非架橋樹脂層24の架橋度、すなわちその指標としてのゲル分率が10%以下であることが好ましい。なお、ゲル分率は、次のようにして測定することができる。すなわち、サンプル約0.1g(w1)をあらかじめ質量を測定したステンレス金網(w2)で包み、キシレン100ml中で120℃、24時間抽出する。その後、ステンレス金網を取り出し、80℃、16時間真空乾燥して質量(w3)を測定し、以下の計算式によりゲル分率(架橋度)を算出する。
(w3−w2)/w1×100 ・・・(計算式)
非架橋樹脂層24の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。非架橋樹脂層24の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
光電変換部に対する耐光性を向上させるために、非架橋樹脂層24には、各種紫外線吸収剤などを添加してもよい。また、水蒸気による光電変換部の劣化を抑制させるため、ガスバリア性を有する材料と複合してもよい。その他の添加剤についても適宜添加することができる。
補強層22の皺の発生をより効果的に防止するため、非架橋樹脂層は、補強層22の両面に積層されていることが好ましい。図3は、補強層22の両面それぞれに非架橋樹脂層24A及び24Bを積層した形態を示す。そのような構成により、補強層22の皺の発生をさらに少なくすることができる。この場合、補強層22の両面に積層する非架橋樹脂層の材料は同じとしても、異ならせてもよい。
補強層22の両面に積層する非架橋樹脂層の材料をそれぞれ異ならせる場合、各非架橋樹脂層に隣接する層の性質を考慮してそれらの材料を選択することが好ましい。例えば、封止材層26と隣接する非架橋樹脂層の場合、封止材層26との接着性に優れる材料とすることが好ましい。また、表面保護基板20側の非架橋樹脂層の場合、例えば、PID現象の原因となるナトリウムなどを放出しない材料とすることが好ましい。
本実施形態においては、非架橋樹脂層24は、補強層22の少なくとも一方の面に積層されていればよい。従って、本実施形態において、補強層22の一方の面に非架橋樹脂層が積層され、他方の面に架橋樹脂からなる層が積層される形態も含まれる。この場合、補強層22の封止材層26側には非架橋樹脂層が積層されることが好ましい。
非架橋樹脂層24の厚みは、50〜1000μmであることが好ましく、100〜300μmであることがより好ましい。非架橋樹脂層24をそのような厚みとすることで、補強層22における皺の発生を十分に軽減することができる。
補強層22の厚み(X)と非架橋樹脂層24の厚み(Y)の比(Y/X)は、補強層22の皺の発生を十分に防止する観点から、1〜20とすることが好ましい。
[封止材層]
封止材層26は、光電変換部を保護するために設けられる。封止材層26を構成する材料としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、ポリビニルブチラール(PVB)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリオレフィン(PO)、ポリイミド(PI)などの熱可塑性樹脂、エポキシ、ウレタン及びポリイミドなどの熱硬化性樹脂が挙げられ、中でも、EVA、POが好ましい。封止材層26を構成する材料が架橋樹脂である場合、その収縮に伴い補強層22に皺が発生しやすい。従って、本実施形態においては、封止材層26を構成する樹脂を架橋樹脂とした場合に、補強層22の皺の発生を防ぐという効果が顕著である。また、本実施形態においては、非架橋樹脂層24と封止材層26とで同じ樹脂を使用する場合、それぞれの樹脂においては架橋度が異なることが好ましい。すなわち、非架橋樹脂層24にはその名称の通り非架橋樹脂が用いられ、封止材層26には架橋樹脂が用いられる。このように封止材層26と非架橋樹脂層24とで同じ材料を用いる場合、封止材層26のゲル分率が80%以上であり、非架橋樹脂層24のゲル分率が10%以下であることが好ましい。
封止材層26は、厚みが0.1〜10mmであり、引張弾性率が0.005〜0.5GPaであることが好ましい。これらのパラメータについて以下に説明する。
封止材層26の厚みは、0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜1.0mmであることがより好ましい。封止材層26がこのような厚みを有することで、光電変換部を十分に封止して保護することができる。
封止材層26の引張弾性率は、0.005〜0.5GPaであることが好ましく、0.01〜0.05GPaであることがより好ましい。封止材層26の引張弾性率がこのような範囲であることで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
[裏面保護基板]
裏面保護基板28は、バックシートとして太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。裏面保護基板28を構成する材料としては、ガラス、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)などが挙げられる。なお、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)としては、ガラスエポキシなどが挙げられる。裏面保護基板28を形成する材料は、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。裏面保護基板28は、その強度を十分に確保するため、繊維強化プラスチックなど繊維強化樹脂からなることが好ましい。また、繊維強化プラスチックは、繊維が一方向に並んだUD(UniDirection)材であってもよく、それぞれ交差する繊維によって織られた織物材であってもよい。裏面保護基板28にUD材を用いる場合、繊維方向に膨張収縮しにくいため、UD材を配置する方向によっては太陽電池セル10の破損やタブ配線12の切断を抑制することができる。なお、たわみが生じにくく、軽量であるため、裏面保護基板28は炭素繊維強化プラスチックにより形成されていることが好ましい。さらに、裏面での発電の効率を上げるために、本層に酸化チタンなどを含有し反射率を向上させてもよい。また、表面にメッキ処理をしてもよい
裏面保護基板28の厚みは、特に限定されないが、0.01mm以上10mm以下であることが好ましく、0.05mm以上5.0mm以下であることがより好ましく、0.07mm以上1.0mm以下であることがさらに好ましい。特に、繊維強化プラスチックの場合は、繊維1本の直径が厚みの下限値であることが好ましい。裏面保護基板28の厚みをこのような範囲とすることによって、裏面保護基板28のたわみを抑制し、太陽電池モジュール100をより軽量化することができる。
なお、裏面保護基板28の厚みが薄い場合(例えば、0.2mm以下)、軽量化や薄肉化に加え、裏面保護基板28に温度差が生じた場合の熱収縮の影響が小さくなったり、裏面保護基板28の剛性が低下したりする。そのため、太陽電池モジュール100全体の反りを低減させることができる。
また、裏面保護基板28の厚みが薄い場合、太陽電池モジュール内部のガス抜け性を向上させることができる。例えば、封止材層26の材料としてEVAを用いた場合、EVAの分解により酢酸が生じることがあるが、裏面保護基板28が薄いと酢酸が外部に発散しやすくなる。
また、裏面保護基板28にUD材の繊維強化プラスチックを用い、裏面保護基板28の厚みを薄くした場合、UD材を必要に応じて部分的に重ね合わせることで、所望の箇所を補強するなど、裏面保護基板28の中でその特性に強弱をつけることができる。なお、UD材を重ね合わせる場合、所望する特性によって、UD材の繊維をそれぞれ同じ方向に重ね合わせてもよく、UD材の繊維をそれぞれ垂直などの異なる方向に重ね合わせてもよい。
また、裏面保護基板28の厚みが薄くなると、封止材層26(被貼り合わせ面)の形状に追従させながら裏面保護基板28を貼り合わせることができ、封止材層26と裏面保護基板28の間に気泡を混入しにくくすることができる。また、例えば表面保護基板20が曲面を有する形状であっても、封止材層26を介して表面保護基板20の形状に適合するように裏面保護基板28を貼り合わせることができる。そのため、気泡の混入を抑制しつつ、曲面形状を有する太陽電池モジュール100を容易に製造することができる。なお、この際、裏面保護基板28と封止材層26と補強層22を貼り合わせた状態でフィルムモジュールが作製されていると、このフィルムモジュール自体が柔軟性を有するため、表面保護基板20への貼り合わせを容易にすることができる。また、裏面保護基板28の追従性が高いため、例えば各層を積層して曲面形状の太陽電池モジュール100を製造する場合などに、局所的な荷重が太陽電池セル10などに加わりにくいため、太陽電池セル10の破損を抑制することができる。この太陽電池セル10の破損の抑制は、太陽電池モジュール100がさらに後述するゲル状高分子層30を備える場合に特に効果的である。さらに、裏面保護基板28の厚みが薄くなると、封止材層26を素早く加熱して架橋などすることができるため、太陽電池モジュール100の製造時間を短縮するだけでなく、表面保護基板20が熱変形するのを抑制することができる。
裏面保護基板28の熱膨張係数は、0〜30(×10−6−1)であることが好ましく、2〜25(×10−6−1)であることがより好ましい。裏面保護基板28の熱膨張係数がこの範囲であることで、耐熱衝撃性を向上させることができる。
本実施形態の太陽電池モジュールは、曲面形状を有する構成とすることができる。当該曲面形状は太陽電池モジュールの一部に有していてもよいし、太陽電池モジュール全体が曲面形状であってもよい。図5は太陽電池モジュール100全体を曲面形状とした形態を示している。具体的には、図5に示す形態は、図1における太陽電池モジュール100を、z軸の正方向が凸となるように、断面がアーチ状の曲面形状とした形態である。このような曲面形状の場合、本来であれば、加熱ラミネート前に補強層22を曲面に追随するように積層した時点で皺が発生し得る。しかし、本実施形態においては、柔軟性を有する非架橋樹脂層24が補強層22に積層されているため、補強層22の皺の発生を低減することができる。
上記のような曲面形状とする場合、補強層の両面に非架橋樹脂層が積層されることが好ましい。そして、補強層の両面に積層された非架橋樹脂層のうち、裏面保護基板側の非架橋樹脂層が、表面保護基板側の非架橋樹脂層よりも厚いことが好ましい。図4はそのような形態を示す。図4において、補強層22の両面に非架橋樹脂層24A及び24Bを積層しているが、非架橋樹脂層24Bの方が非架橋樹脂層24Aよりも厚い。このように、補強層22の両面側に位置する非架橋樹脂層の厚みに差をつけることで、補強層22の皺の発生をより防止することができる。これは次の理由によるものと推察される。積層体を曲げることを考えたとき、凸面側は引張応力がかかり、凹面側は圧縮応力がかかるところ、その応力がちょうど0になる面を中立面と呼ぶ。そして、上記のように裏面保護基板側の非架橋樹脂層24Bを、表面保護基板側の非架橋樹脂層Aよりも厚くすると、中立面が補強層22の裏面側に位置するようになり、補強層22の凹面側にも引張応力がかかることで皺の発生を防止することができる。
裏面保護基板側の非架橋樹脂層を、表面保護基板側の非架橋樹脂層よりも厚くする場合、裏面保護基板側の非架橋樹脂層の厚みは、曲面形状によっても異なるが、表面保護基板側の非架橋樹脂層の厚みの1〜10倍とすることができる。
さらに本実施形態の太陽電池モジュールが曲面形状を有する構成においては、次の態様とすることが好ましい。すなわち、光電変換部が、複数の太陽電池セルと、該複数の太陽電池セル同士を電気的に接続するタブ配線とを有し、補強層、又は補強層及び非架橋樹脂層が、タブ配線の長さ方向の一部又は全体にわたり形成された少なくとも1つの切り込みを有する態様である。例えば、補強層、又は補強層及び非架橋樹脂層は、タブ配線の長さ方向を長手方向とする短冊状に複数に分割されている態様であることが好ましい。図7は、補強層22が、短冊状の分割補強層22A〜22Dの4つの領域に分割されている形態を示す。図7における破線は、分割補強層22A〜22Dのそれぞれの縁部(長辺)を示している。このように、補強層22を分割補強層22A〜22Dに分割することにより、分割補強層22A〜22Dはそれぞれの境界部分において分離するため、太陽電池モジュール全体をz軸方向が凸又は凹となるように曲げることが容易となる。そのため、太陽電池モジュール全体を曲面形状としやすくなる。また、補強層22を分割することで各分割補強層自体は曲面形状とはなりにくく、補強層としての効果が損なわれるのを防止することができる。
また、図7に示すように、各分割補強層22A〜22Dは、複数の太陽電池セル10及びタブ配線12(すなわち、太陽電池ストリング)に対向する位置及びサイズで設けることが好ましい。また、分割補強層は1つの太陽電池ストリングごとに設けるのではなく、複数の太陽電池ストリングごとに設けることもできる。
以上のように、補強層、又は補強層及び非架橋樹脂層は短冊状に複数に分割されるが、隣り合う分割補強層同士は離間させず接触させてもよいし、一定の間隔(例えば、数mm)離間させてもよい。あるいは、分割補強層同士は一部において重なっていてもよい。つまり、太陽電池モジュールを容易に曲げられるのであれば、分割補強層の配置態様は特に制限はない。
また、補強層、又は補強層及び非架橋樹脂層は完全に切り離されるように分割されるのではなく、タブ配線の長さ方向の一部に切り込みを入れてもよい。すなわち、太陽電池モジュール全体を容易に曲げられるのであれは、完全に分割してもよいし、一部のみが分離するように切り込みを入れてもよい。
[ゲル状高分子層]
本実施形態の太陽電池モジュールは、表面保護基板と光電変換部との間に、さらにゲル状高分子層を有することが好ましい。図6は、表面保護基板20と補強層22との間にゲル状高分子層30を設けた形態を示している。図6に示す層構成は、ゲル状高分子層30を有する点において図2とは異なり、それ以外は図2の構成と同じである。従って、図2と同じ構成要素は同じ符号を付して説明を省略する。
ゲル状高分子層30は、補強層22と相まって、両者の相補的な作用により表面保護基板20の膨張・収縮による応力を効果的に緩和することができる。例えば、補強層22のみでは、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和できない場合でも、ゲル状高分子層30の柔軟性により当該応力を十分に緩和することができる。
ゲル状高分子層30は、柔軟性に富むゲル状高分子により形成される層であり、表面保護基板20と光電変換部との間に位置する。ゲル状高分子層30は柔軟性を有し、表面保護基板20が膨張・収縮したとき、その膨張・収縮に追従するため、光電変換部に膨張・収縮による応力が別の層に伝わるのを防止することができる。すなわち、表面保護基板20の膨張・収縮による応力は、ゲル状高分子層30により緩和することができる。図6において、ゲル状高分子層30は、表面保護基板20と補強層22との間に設けられているが、補強層22(非架橋樹脂層24が設けられている場合は非架橋樹脂層24)と光電変換部との間に設けられていてもよい。
ゲル状高分子層30を構成する材料としては、各種ゲルを用いることができる。ゲルは、特に限定されないが、溶媒を含有したゲルと溶媒を含有しないゲルに分類される。溶媒を含有したゲルには、分散媒が水のゲルであるヒドロゲル、分散媒が有機溶媒のゲルであるオルガノゲル、を用いることができる。また、溶媒を含有したゲルは、数平均分子量が10000以上の高分子ゲル、数平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマーゲル、数平均分子量が1000未満の低分子ゲルのいずれを用いることができる。ゲル状高分子は、シリコーン、ウレタン、アクリル、及びスチレンからなる群より選択される少なくとも1種から構成されることが好ましい。
ゲル状高分子層30は、表面保護基板20の厚みに対して5〜99%の厚みを有し、引張弾性率が0.1kPa以上0.5MPa未満であり、全光線透過率が80%以上であることが好ましい。これらのパラメータについて以下に説明する。
ゲル状高分子層30は、表面保護基板20の厚みに対して5〜99%の厚みを有することが好ましく、10〜50%の厚みを有することがより好ましい。ゲル状高分子層30がこのような厚みを有することで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
ゲル状高分子層30の引張弾性率は、0.1kPa以上5MPa未満が好ましく、1kPa以上1MPa以下がより好ましい。ゲル状高分子層30の引張弾性率がこのような範囲であることで、表面保護基板20の膨張・収縮による応力を十分に緩和することができる。
ゲル状高分子層30の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。ゲル状高分子層30の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
<太陽電池モジュールの製造方法>
本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法は、以上説明した太陽電池モジュールの製造方法であって、補強層と、少なくとも1層の非架橋樹脂層とを予め積層して積層体とした後、積層体とそれ以外の層とをラミネートする工程を含む。本実施形態の製造方法によれば、補強層と、非架橋樹脂層とを予め積層して積層体するため、補強層を皺のない状態で事前に作製することができる。そのため、最終製品においても皺の発生を低減することができる。
本実施形態において、補強層と非架橋樹脂層とを積層して積層体とする手法としては、補強層と非架橋樹脂層とを積層した状態で、例えば、真空ラミネートや加熱ロールラミネートなどの手段により一体化する手法が挙げられる。
補強層と非架橋樹脂層とを積層して積層体を得た後、タブ配線12を接続した太陽電池セル10(太陽電池ストリング16、光電変換部)を封止材で封止する。この封止材で封止して得られた封止材層の一方の側に補強層と非架橋樹脂層とからなる積層体及び表面保護基板、他方の側に裏面保護基板を配置する。次いで、例えば真空状態で160℃程度に加熱する。その後、大気圧下でヒーター側に各構成部材を押し付けながら加熱を継続し、封止材層の樹脂成分を架橋させる。これにより、各層が接着され太陽電池モジュール100が得られる。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
まず、補強層としてポリエステルフィルム(厚み:20μm)を用い、当該補強層に非架橋樹脂層としてポリオレフィン(厚み:100μm)を積層して加熱ラミネートして積層体を得た。次いで、光電変換部を封止材で封止して封止材層を形成した。さらに、光電変換部を封止した封止材層の一方の側に積層体(非架橋樹脂層を封止材層側に配置)と、1mm厚の表面保護基板とを積層し、封止材層の他方の側に1mm厚の裏面保護基板を積層した。次いで、145℃で減圧しながら圧縮加熱することにより太陽電池モジュールを作製した。なお、第1保護基板はポリカーボネート(線膨張率5.6×10−5−1)を用いた。封止材層にはエチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)(線膨張率300×10−6−1)を用いた。光電変換部は、太陽電池セルを用いた。裏面保護基板は、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を用いた。
[評価]
(補強層の皺の発生)
作製した太陽電池モジュールの表面保護基板側から補強層の皺の発生の有無を目視観察した。その補強層について、皺の発生が全く認められなかった場合を「◎」、皺の発生が認められたが僅かであった場合を「○」、多数の皺の発生が認められた場合を「×」として評価した。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
補強層の両面に非架橋樹脂層を積層した積層体を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
補強層に非架橋樹脂層を積層した積層体の代わりに、補強層をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを作製し、実施例1と同様に評価した。評価結果を表1に示す。
Figure 2019083248
表1より、実施例1及び2においてはいずれも、補強層における皺の発生が少なかった。これに対して、比較例1においては、多数の皺が発生した。これらから、補強層に非架橋樹脂層を積層することで皺の発生が軽減されることが分かる。
なお、表面保護基板20は、ガラスからなるものであってもよい。
10 太陽電池セル(光電変換部)
12 タブ配線
14 接続配線
16 太陽電池ストリング(光電変換部)
20 表面保護基板
22 補強層
22A、22B、22C、22D 分割補強層
24 非架橋樹脂層
26 封止材層
28 裏面保護基板
30 ゲル状高分子層
100 太陽電池モジュール

Claims (8)

  1. 透明樹脂から構成される表面保護基板と、裏面保護基板と、前記表面保護基板と前記裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び前記光電変換部を封止する封止材層と、前記表面保護基板と前記封止材層との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有し、
    前記補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている太陽電池モジュール。
  2. 曲面形状を有する請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記非架橋樹脂層が、前記補強層の両面に積層されている請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記補強層の両面に積層された前記非架橋樹脂層のうち、前記裏面保護基板側の非架橋樹脂層が、前記表面保護基板側の非架橋樹脂層よりも厚い請求項3に記載の太陽電池モジュール。
  5. 前記光電変換部が、複数の太陽電池セルと、該複数の太陽電池セル同士を電気的に接続するタブ配線とを有し、
    前記補強層、又は前記補強層及び前記非架橋樹脂層が、前記タブ配線の長さ方向の一部又は全体にわたり形成された少なくとも1つの切り込みを有する請求項2〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記表面保護基板と前記光電変換部との間に、さらにゲル状高分子層を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールを製造する方法であって、
    前記補強層と、少なくとも1層の前記非架橋樹脂層とを予め積層して積層体とした後、前記積層体とそれ以外の層とをラミネートする工程を含む太陽電池モジュールの製造方法。
  8. 表面保護基板と、裏面保護基板と、前記表面保護基板と前記裏面保護基板との間に位置する光電変換部及び前記表面保護基板と前記光電変換部との間に位置する少なくとも1層の補強層と、を有し、
    前記補強層の少なくとも一方の面に非架橋樹脂層が積層されている太陽電池モジュール。
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