JP2019054692A - 太陽電池モジュール及びその製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2019054692A
JP2019054692A JP2017179020A JP2017179020A JP2019054692A JP 2019054692 A JP2019054692 A JP 2019054692A JP 2017179020 A JP2017179020 A JP 2017179020A JP 2017179020 A JP2017179020 A JP 2017179020A JP 2019054692 A JP2019054692 A JP 2019054692A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective substrate
gas barrier
barrier layer
solar cell
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017179020A
Other languages
English (en)
Inventor
元彦 杉山
Motohiko Sugiyama
元彦 杉山
直樹 栗副
Naoki Kurizoe
直樹 栗副
剛士 植田
Takeshi Ueda
剛士 植田
善光 生駒
Yoshimitsu Ikoma
善光 生駒
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Original Assignee
Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd filed Critical Panasonic Intellectual Property Management Co Ltd
Priority to JP2017179020A priority Critical patent/JP2019054692A/ja
Publication of JP2019054692A publication Critical patent/JP2019054692A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】光電変換部へのガスの浸入を防止しつつ、温度変化により保護基板などに膨張・収縮が生じた場合であっても光電変換部が影響を受けにくい太陽電池モジュールを提供する。【解決手段】受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、緩衝層と、ガスバリア層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有し、緩衝層の外周が、第1保護基板の外周よりも内側に位置するように設定され、緩衝層の外周外側において、第1保護基板とガスバリア層とが当接又は近接する領域を有し、該領域における前記第1保護基板とガスバリア層とが非固着状態である太陽電池モジュールである。【選択図】図2

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関し、受光面側の保護基板が樹脂からなる太陽電池モジュール及びその製造方法に関する。
太陽電池モジュールは、基本的な構成として、受光面側から、第1保護基板と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板と、をこの順に備えた構成になっている。つまり、光電変換部の表裏面を、第1保護基板及び第1封止材層と、第2封止材層及び第2保護基板とで覆うことで、光電変換部の保護を図っている。このような構成において、光電変換部においては、複数の太陽電池セルがマトリックス状に配列され、隣接する太陽電池セル同士はタブ配線によって電気的に接続される(例えば、特許文献1参照)。
近年、太陽電池モジュールを軽量化するために、ガラス基板の代わりに樹脂基板を使用することが提案されている。すなわち、太陽電池モジュールにおいて、光電変換部を除く各構成要素が樹脂材料に置き換わりつつある。
上記のような太陽電池モジュールにおいて、受光面側は第1保護基板で覆っているので、例えば小さな雹の衝突があっても内部の光電変換部が損傷することはない。しかし、大きな雹などの物体が衝突したときには、光電変換部に損傷をきたす虞がある。
そこで、光電変換部と第1保護基板との間に、ゲル状高分子などから構成される緩衝層を設けることが考えられる。しかし、緩衝層は、樹脂材料としての架橋密度が低く、その外周部分から酸素や水分が侵入することがある。そのため、時間の経過に伴い、光電変換部まで酸素や水分が侵入し、光電変換部の太陽電池セルを劣化させてしまう虞がある。そこで、緩衝層の外周部が露出しないように、緩衝層の面積を他の層よりも小さくし、太陽電池モジュールの外周部を固着して緩衝層を封止することが考えられる。例えば、特許文献2には、表面被覆フィルム(第1保護基板)と裏面被覆フィルム(第2保護基板)との周囲を熱融着することにより太陽電池モジュールの外周部を封止し、内部への酸素や水分の浸入を防止している。
特開2013−145807号公報 特開平7−142756号公報
しかしながら、上記のように太陽電池モジュールの外周部を固着して緩衝層を封止すると周囲の温度変化が問題となる。すなわち、外気温の変化により第1保護基板が熱膨張又は熱収縮すると、膨張・収縮に起因する応力が光電変換部に伝達される。そのため、光電変換部に対して機械的ストレスが加わることになり、光電変換部の太陽電池セルなどを劣化させてしまう虞があった。
本発明は、このような従来技術の有する課題に鑑みてなされたものである。そして、本発明の目的は、光電変換部へのガス(酸素、水蒸気など)の浸入を防止しつつ、温度変化により保護基板などに膨張・収縮が生じた場合であっても光電変換部が影響を受けにくい太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、緩衝層と、ガスバリア層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有する。また、緩衝層の外周が、第1保護基板の外周よりも内側に位置するように設定される。そして、緩衝層の外周外側において、第1保護基板とガスバリア層とが当接又は近接する領域を有し、該領域における第1保護基板とガスバリア層とが非固着状態である。
本発明の第2の態様の太陽電池モジュールの製造方法は、ガスバリア層、第1封止材層、光電変換部、第2封止材層及び第2保護基板をこの順に有する積層体と、基板の外周部に位置し、基板面から垂直に突出する第1突出部、及び外周部より内側に位置し、平面視において縞状又は格子状をなし、基板面から垂直に突出する第2突出部を有する第1保護基板とを準備する工程を含む。また、第1保護基板を、鉛直方向における上側が第1突出部及び第2突出部となるように配置し、第1突出部と第2突出部とにおける隣り合う2つの突出部の間に緩衝層の原料を投入する工程を含む。さらに、第1保護基板の原料の投入側と、積層体のガスバリア層側とが対向するように密着し、圧縮する工程を含む。
本発明によれば、光電変換部へのガスの浸入を防止しつつ、温度変化により保護基板などに膨張・収縮が生じた場合であっても光電変換部が影響を受けにくい太陽電池モジュール及びその製造方法を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る太陽電池モジュールを示す上面図である。 図1に示す太陽電池モジュールのA−A線に沿った断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図2とは異なる形態の太陽電池モジュールの断面図である。 図7に示す太陽電池モジュールにおける第1保護基板の裏面図である。 図7に示す太陽電池モジュールの製造工程の一部を示す断面図である。
<太陽電池モジュール>
以下、図面を参照して本実施形態に係る太陽電池モジュールについて説明する。図1は、本実施形態に係る太陽電池モジュール100を示す上面図である。図1に示すように、x軸、y軸、z軸からなる直角座標系が規定される。x軸、y軸は、太陽電池モジュール100の平面内において互いに直交する。z軸は、x軸およびy軸に垂直であり、太陽電池モジュール100の厚み方向に延びる。また、x軸、y軸、z軸のそれぞれの正の方向は、図1における矢印の方向に規定され、負の方向は、矢印と逆向きの方向に規定される。太陽電池モジュール100を形成する2つの主表面であって、かつx−y平面に平行な2つの主表面のうち、z軸の正方向側に配置される主平面が「受光面」であり、z軸の負方向側に配置される主平面が「裏面」である。なお、「受光面」とは光が主に入射する面を意味し、「裏面」とは受光面と反対側の面を意味することもある。また、z軸の正方向側を「受光面側」とよび、z軸の負方向側を「裏面側」とよぶこともある。
太陽電池モジュール100は、複数の太陽電池セル10、複数のタブ配線12、複数の接続配線14を含む。複数の太陽電池セル10のそれぞれは、入射する光を吸収して光起電力を発生する。太陽電池セル10は、例えば、結晶系シリコン、ガリウム砒素(GaAs)またはインジウム燐(InP)等の半導体材料によって形成される。太陽電池セル10の構造は、特に限定されないが、ここでは、一例として、結晶シリコンとアモルファスシリコンとが積層されているとする。図1では省略しているが、各太陽電池セル10の受光面および裏面には、互いに平行にx軸方向に延びる複数のフィンガー電極と、複数のフィンガー電極に直交するようにy軸方向に延びる複数、例えば2本のバスバー電極とが備えられる。バスバー電極は、複数のフィンガー電極のそれぞれを接続する。
複数の太陽電池セル10は、x−y平面上にマトリクス状に配列される。ここでは、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられ、y軸方向に5つの太陽電池セル10が並べられる。なお、x軸方向に並べられる太陽電池セル10の数と、y軸方向に並べられる太陽電池セル10の数は、これらに限定されない。y軸方向に並んで配置される5つの太陽電池セル10は、タブ配線12によって直列に接続され、1つの太陽電池ストリング16が形成される。さらに、前述のごとく、x軸方向に4つの太陽電池セル10が並べられるので、y軸方向に延びた太陽電池ストリング16がx軸方向に4つ平行に並べられる。なお、太陽電池ストリング16は、複数の太陽電池セル10と複数のタブ配線12との組合せを示す。
太陽電池ストリング16を形成するために、タブ配線12は、隣接した太陽電池セル10のうちの一方の受光面側のバスバー電極と、他方の裏面側のバスバー電極とを電気的に接続する。すなわち、隣接した太陽電池セル10は互いにタブ配線12で電気的に接続されている。タブ配線12は、細長い金属箔であり、例えば、銅箔にハンダや銀等をコーティングしたものが用いられる。タブ配線12とバスバー電極との接続には樹脂が使用される。この樹脂は導電性、非導電性いずれでもよい。後者の場合はタブ配線12とバスバー電極とを直接接触させることで電気的に接続される。また、タブ配線12とバスバー電極との接続は、樹脂ではなくハンダを用いてもよい。
さらに、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側と負方向側において、複数の接続配線14がx軸方向に延びており、接続配線14は、隣接した2つの太陽電池ストリング16を電気的に接続する。以上の構成において、太陽電池セル10、太陽電池ストリング16のそれぞれが「光電変換部」であってもよく、複数の太陽電池ストリング16と接続配線14との組合せが「光電変換部」であってもよい。なお、太陽電池モジュール100の端縁部には、図示しないフレームが取り付けられてもよい。フレームは、太陽電池モジュール100の端縁部を保護するとともに、太陽電池モジュール100を設置する際に利用される。
本実施形態の太陽電池モジュールは、受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、緩衝層と、ガスバリア層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有する。また、緩衝層の外周が、第1保護基板の外周よりも内側に位置するように設定される。そして、緩衝層の外周外側において、第1保護基板とガスバリア層とが当接又は近接する領域を有し、該領域における第1保護基板とガスバリア層とが非固着状態である。
図2は、図1のA−A線に沿った太陽電池モジュール100の一部を示す断面図である。太陽電池モジュール100は、太陽電池セル10、タブ配線12、接続配線14、太陽電池ストリング16、第1保護基板20、緩衝層22、ガスバリア層24、第1封止材層26、第2封止材層28、及び第2保護基板30を含む。図2の上側が受光面(表面)側に相当し、下側が裏面側に相当する。なお、図1における一点鎖線は、緩衝層22の外周を示している。
図2に示す太陽電池モジュール100において、第1保護基板20に雹などの物体が衝突した場合でも緩衝層22がその衝撃を吸収する。そのため、光電変換部が受ける衝撃は緩和される。その一方で、緩衝層22はゲル状高分子などの樹脂から構成され、そのような樹脂は酸素や水分(水蒸気)を透過することがあり、酸素や水分が光電変換部に到達すると太陽電池セルを劣化する虞がある。そこで、本実施形態においては、図2に示すように、緩衝層22を第1保護基板20とガスバリア層24との間で封止し、外部からの酸素や水分を遮断している。また、緩衝層22と第1封止材層26との間にガスバリア層24を設けており、緩衝層22に酸素や水分が万一浸入した場合でもガスバリア層24により酸素や水分が遮断され、光電変換部への到達が抑えられる。
一方、第1保護基板20とガスバリア層24とが固着していると、第1保護基板20が外気温の変化などにより膨張・収縮したとき、その膨張・収縮にガスバリア層24などが追従する。そのため、その膨張・収縮による応力が光電変換部に伝達され、光電変換部は機械的ストレスによる悪影響を受けることがある。しかし、本実施形態においては、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域において非固着状態となっている(以下、この領域を「非固着領域」と呼ぶ。)。つまり、第1保護基板20は、ガスバリア層24に対して変位し得る状態である。従って、第1保護基板20が膨張・収縮しても、ガスバリア層24はその膨張・収縮に追従し難い。その結果、光電変換部に第1保護基板20の膨張・収縮による応力が伝達されず、光電変換部が受ける機械的ストレスなどの悪影響を防止することができる。なお、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域が非固着状態であるため、その領域から酸素や水分が浸入することが危惧される。しかし、仮に、酸素や水分が浸入した場合でも、上記の通り、ガスバリア層24が酸素や水分を遮断するため光電変換部への酸素や水分の到達を防止することができる。
以下に、各層について順次説明する。
[第1保護基板]
第1保護基板20は、太陽電池モジュール100の太陽光の受光側に位置し、透明樹脂から構成される基板である。第1保護基板20を構成する透明樹脂としては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。これらの中でも、第1保護基板20としては、ポリカーボネート(PC)を用いることが好ましい。ポリカーボネート(PC)は、耐衝撃性および透光性に優れる、太陽電池モジュール100の表面を保護するのに適しているからである。また、第1保護基板20は、その表面にアクリルウレタンなどで構成されるハードコート層を含んでもよい。さらに、第1保護基板20又はハードコート層などに紫外線吸収剤や艶調整剤、反射防止成分を含んでもよい。
第1保護基板20の厚みは、0.1〜15mmとすることが好ましく、0.5〜10mmとすることがより好ましい。第1保護基板20の厚みをこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100を適切に保護し、光を光電変換部(太陽電池セル10)に効率よく到達させることができる。
第1保護基板20の引張弾性率は、1.0〜10.0GPaであることが好ましく、2.3GPa〜2.5GPaであることがより好ましい。第1保護基板20の引張弾性率をこのような範囲とすることによって、太陽電池モジュール100の表面を適切に保護することができる。引張弾性率は、例えば、次のように、JIS K7161−1(プラスチック−引張特性の求め方−第1部:通則)により測定することができる。
Et=(σ2−σ1)/(ε2−ε1) (1)
上記式(1)において、Etは引張弾性率(Pa)、σ1はひずみε1=0.0005における応力(Pa)、σ2はひずみε2=0.0025における応力(Pa)を示す。
第1保護基板20の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。第1保護基板20の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率は、例えば、JIS K7361−1(プラスチック−透明材料の全光線透過率の試験方法−第1部:シングルビーム法)などの方法により測定することができる。
第1保護基板20の熱膨張係数は、特に限定はなく、40〜110(×10−6−1)とすることができる。本実施形態においては、第1保護基板20の熱膨張係数が大きく、温度変化に伴い膨張・収縮しやすい場合であっても、その膨張・収縮に起因する応力は非固着領域の存在により緩和される。熱膨張係数は、JIS K 7197 :2012により測定することができる。
[緩衝層]
緩衝層22は、第1保護基板20とガスバリア層24との間に位置する。緩衝層22は柔軟性が高い材料から構成され、例えば、第1保護基板20が受ける外部からの衝撃を吸収することができる。
緩衝層22は、その面積が第1保護基板20の面積よりも小さく、緩衝層22の外周は、第1保護基板20の外周よりも内側に位置している。そのため、緩衝層22の外側において、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域を有する。その構成についての詳細は後述する。
緩衝層22を構成する材料としては、ゲル状高分子が好ましい。ゲル状高分子としては、各種ゲルを用いることができる。ゲルは、特に限定されないが、溶媒を含有したゲルと溶媒を含有しないゲルに分類される。溶媒を含有したゲルには、分散媒が水のゲルであるヒドロゲル、分散媒が有機溶媒のゲルであるオルガノゲル、を用いることができる。また、溶媒を含有したゲルは、数平均分子量が10000以上の高分子ゲル、数平均分子量が1000以上10000未満のオリゴマーゲル、数平均分子量が1000未満の低分子ゲルのいずれを用いることができる。ゲル状高分子は、シリコーンゲル、ウレタンゲル、アクリルゲル、及びスチレンゲルからなる群より選択される少なくとも1種から構成されることが好ましい。
緩衝層22の厚みは、第1保護基板20の厚みに対して5〜99%の厚みを有することが好ましく、10〜50%の厚みを有することがより好ましい。緩衝層22がこのような厚みを有することで、第1保護基板20が外部から受ける衝撃を十分に吸収することができる。
緩衝層22の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。緩衝層22の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
[ガスバリア層]
ガスバリア層24は、緩衝層22と第1封止材層26との間に位置する。ガスバリア層24は、酸素や水蒸気などのガスを遮断する機能を有する。そのため、万一、緩衝層22に酸素や水分が浸入した場合であっても、ガスバリア層24が酸素や水分を遮断する。その結果、光電変換部への酸素や水分の浸入を防止することができる。
ガスバリア層24は、例えば、基材の少なくとも一方の面にガスバリア性を有する膜を成膜することにより得ることができる。ガスバリア層24を構成する基材材料としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、PVFなどのフッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどからなるが挙げられ、中でも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、アクリル樹脂が好ましい。また、ガスバリア性を有する膜の材料としては、ケイ素などを主原料とする無機材料や、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリビニルアルコール、塩化ビニルなどの高分子材料などが挙げられる。これらの膜材料には用途に応じて種々の添加剤を入れることも可能である。そして、これらの材料を用い、基材の表面に対して、コーティング、蒸着など成膜手段により膜を形成することができる。
ガスバリア層24の厚みは、1〜200μmであることが好ましく、10〜100μmであることがより好ましい。ガスバリア層24がこのような厚みを有することで、ガスの透過を十分に遮断することができる。
ガスバリア層24の全光線透過率は80%以上であることが好ましく、90〜100%であることが好ましい。ガスバリア層24の全光線透過率をこの範囲とすることにより、光を効率よく光電変換部(太陽電池セル10)へ到達させることができる。全光線透過率の測定方法は既述の通りである。
ガスバリア層24の酸素透過率としては、酸素を十分に遮断して光電変換部への酸素の浸入を防止する観点から、8.0ml/m・day以下であることが好ましい。なお、酸素透過率は、JIS K7126−1(GC法)に則って求めることができる。
同様に、ガスバリア層24の水蒸気透過率としては1.0g/m・day以下であることが好ましい。なお、水蒸気透過率は、例えば、JIS K7129:2008(プラスチック−フィルム及びシート−水蒸気透過度の求め方(機器測定法))の付属書Bに規定された赤外線センサ法により求めることができる。
[第1封止材層、第2封止材層]
第1封止材層26、第2封止材層28は、太陽電池セル10及びタブ配線12を含む光電変換部を封止する。第1封止材層26は、ガスバリア層24のz軸の負方向側(下側)に配置されており、第2封止材層28は、第2保護基板30のz軸の正方向側(上側)に配置されている。
第1封止材層26としては、例えば、引張弾性率が0.001MPa〜1MPaであり、損失係数が0.1〜0.52であるゲルが使用される。このようなゲルは、例えば、シリコーンゲル、アクリルゲル、ウレタンゲル等である。シリコーンゲルについて、引張弾性率は0.022MPaである。損失係数は、貯蔵剪断弾性率(G’)と損失剪断弾性率(G”)の比G”/G’であり、tanδで示される。損失係数は、材料が変形する際に材料がどのくらいエネルギーを吸収するかを示しており、tanδの値が大きいほどエネルギーを吸収する。この損失係数は、動的粘弾性測定装置によって測定される。第1封止材層26は、透光性を有するとともに、第1保護基板20におけるx−y平面において僅かながら小さな寸法の面を有する長方形状のシート材によって形成される。なお、第1封止材層26は、液状であってもよい。
一方、第2封止材層28としては、例えば、EVA、PVB(ポリビニルブチラール)、ポリイミド等の樹脂フィルムのような熱可塑性樹脂が使用される。なお、熱硬化性樹脂が使用されてもよい。ここでは、特にEVAが使用されるとする。EVAについて、引張弾性率は0.01〜0.25GPaであり、損失係数は0.05である。第2封止材層28は、透光性を有するとともに、第1保護基板20におけるx−y平面と略同一寸法の面を有する矩形状のシート材によって形成される。
以上、第1封止材層26、第2封止材層28はそれぞれ分けて説明したが、それぞれ同じものを使用してもよい。
太陽電池ストリング16は、前述のごとく、y軸方向(長方形状の長手方向)に並んだ複数の太陽電池セル10が、タブ配線12によって接続されることによって形成される。 また、太陽電池ストリング16のy軸の正方向側端と負方向側端に、接続配線14が接続される。このような接続配線14、太陽電池ストリング16は、第1封止材層26のz軸の負方向側に配置される。さらに、複数の太陽電池セル10のそれぞれは、受光面および裏面を有する平板状に形成される。このような構成に対して、図2の上方から荷重が加わった場合には、第1保護基板20、緩衝層22、ガスバリア層24、第1封止材層26、第2封止材層28で緩衝し、太陽電池モジュール100の損傷を抑制している。
[第2保護基板]
第2保護基板30は、バックシートとして太陽電池モジュール100の裏面側を保護する。第2保護基板30を構成する材料としては、ガラス、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリイミド(PI)、環状ポリオレフィン、ポリカーボネート(PC)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリスチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PET)及びポリエチレンナフタレート(PEN)からなる群より選択される少なくとも1つを用いることができる。繊維強化プラスチック(FRP)としては、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)、アラミド繊維強化プラスチック(AFRP)などが挙げられる。なお、ガラス繊維強化プラスチック(GFRP)としては、ガラスエポキシなどが挙げられる。第2保護基板30を形成する材料は、繊維強化プラスチック(FRP)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及びポリエーテルエーテルケトン(PEEK)からなる群より選択される少なくとも1つを含有することが好ましい。第2保護基板30は、その強度を十分に確保するため、繊維強化プラスチックなど繊維強化樹脂からなることが好ましい。また、裏面での発電の効率を上げるために、第2保護基板30に酸化チタンなどを含有し反射率を向上させてもよい。また、表面にメッキ処理をしてもよい
第2保護基板30の厚みは、0.1〜10mmであることが好ましく、0.2〜5.0mmであることがより好ましい。第2保護基板30がこのような厚みを有することで、太陽電池モジュール100の裏面を十分に保護することができる。
第2保護基板30の熱膨張係数は、0〜30(×10−6−1)であることが好ましく、2〜25(×10−6−1)であることがより好ましい。第2保護基板30の熱膨張係数がこの範囲であることで、耐熱衝撃性を向上させることができる。
以上の構成において、例えば、第1保護基板20をポリカーボネート樹脂から構成し、第2保護基板30を炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成することができる。
(第1保護基板、緩衝層及びガスバリア層の関係)
上記の通り、本実施形態においては、緩衝層22の外周が、第1保護基板20の外周よりも内側に位置するように設定されている。より詳細には、緩衝層22の面積は、第1保護基板20の面積よりも小さく、かつ、第1保護基板20の外周よりも内側に位置するように設定されている。すなわち、第1保護基板20の外周部近傍(緩衝層22の外側)には、緩衝層22が隣接していない領域が存在する。そして、当該領域において、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接し、第1保護基板20とガスバリア層24とが非固着状態となっている。
ここで、「非固着状態」とは、第1保護基板20とガスバリア層24とが接着剤などの手段などにより固着された状態ではなく、第1保護基板20がガスバリア層24に対して自由に変位し得る状態を言う。
そのため、第1保護基板20が膨張・収縮により変位しても、その膨張・収縮にガスバリア層24が追従しない。ひいては、第1保護基板20が、温度変化により膨張・収縮しても、その応力が光電変換部に伝達されるのが抑えられる。その結果、光電変換部への機械的ストレスを抑制することができる。
非固着領域としては、緩衝層22を構成する材料が外部に流出せず、かつ、酸素又は水分などの浸入を阻止できる程度の面積で設けることが好ましい。例えば、第1保護基板20の全面積の2〜20%とすることができる。非固着領域の具体的な幅(緩衝層の外周から第1保護基板の外周までの長さ)としては、太陽電池モジュール100の面積の大小によって適宜設定すればよいが、例えば、緩衝層22の外周部から外側に1〜5cmとすることができる。
本実施形態においては、第1保護基板20の外周部に、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域に相当する面を有し、かつ、ガスバリア層24方向に突出する第1突出部20Aが延在する構成とすることができる。図2に示す形態では、第1保護基板20の外周部には、ガスバリア層24に向けて突出する第1突出部20Aが延在している。このような構成においては、第1保護基板20を予め第1突出部20Aが形成された状態で成形することで、非固着領域の形成が容易になる。なお、第1突出部20Aを別部材から構成し、平板状の基板に接着して第1保護基板20としてもよい。
上記のように、温度変化などにより第1保護基板20が膨張・収縮したとき、第1保護基板20がガスバリア層24に対して変位しやすくするため、第1保護基板20及びガスバリア層24の平滑度がいずれも高いことが好ましい。
また、非固着領域の静摩擦係数は、0.0001〜0.1とすることが好ましい。このような摩擦係数とするため、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域(非固着領域)に潤滑剤が付与されていることが好ましい。非固着領域の静摩擦係数は、例えばJIS K7125:1999(プラスチック−フィルム及びシート−摩擦係数試験方法)に記載された方法に準じて測定することができる。
潤滑剤としては、グリースなどが挙げられる。グリースは外力を受けた場合に、外力が降伏値より小さい間は流体抵抗が大きいが、外力が降伏値以上になると流動を始める。グリースは、基油に増ちょう剤を混ぜて作った半固体状又は固体状の潤滑剤である。また、グリースは、基油及び増ちょう剤に加えて、分散剤及び酸化防止剤などを必要に応じて添加してもよい。
基油としては、例えば精製鉱油、合成潤滑油及びこれらの混合油などが挙げられる。精製鉱油としては、例えば原油を蒸留することにより得ることができる。合成潤滑油としては、例えばポリオレフィン、ポリエステル、ポリアルキレングリコール、アルキルベンゼン、アルキルナフタレンなどが挙げられる。
増ちょう剤としては、例えば石けん系増ちょう剤及び非石けん系増ちょう剤などが挙げられる。石けん系増ちょう剤としては、例えばカルシウム石けん、アルミニウム石けん、リチウム石けんなどの金属石けん系増ちょう剤、カルシウムコンプレックス、アルミニウムコンプレックス、リチウムコンプレックスなどの複合型石けん系増ちょう剤などが挙げられる。非石けん系増ちょう剤としては、例えばジウレア、トリウレア及びポリウレアなどのウレア系増ちょう剤、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ナトリウムテレフレートなどの有機系増ちょう剤、ベントナイト、シリカゲルなどの無機系増ちょう剤などが挙げられる。
グリースとしては、例えば、シリコーン系グリース、フルオロエーテル系グリース、フルオロアルキル系グリースなどが挙げられる。これらの中でも、耐熱性の観点から、グリースは、シリコーン系グリース及びフルオロアルキル系グリース(テフロン(登録商標)系グリース)の少なくともいずれか一方を含むことが好ましい。
グリースは、−40℃〜150℃において半固体状であることが好ましい。グリースを−40℃〜150℃において半固体状にすることにより、液漏れが少なくすることができ、太陽電池モジュール100の取り扱いを容易にすることができる。
グリースの滴点は150℃以下であることが好ましい。グリースの滴点をこのような範囲とすることにより、太陽電池モジュール100が高温になった場合であっても、第1保護基板20とガスバリア層24との間の潤滑性を長期間維持することができる。なお、滴点は、例えばJIS K2200:2013(グリース)に規定された滴点試験方法により測定することができる。
グリースの融点は−40℃以上であることが好ましい。グリースの融点をこのような範囲とすることにより、寒冷地においても、第1保護基板20とガスバリア層24との間の潤滑性を維持することができる。
−40℃における第1保護基板20とガスバリア層24との間の静摩擦係数は、0.0001〜0.1であることが好ましい。−40℃における第1保護基板20とガスバリア層24との間の静摩擦係数をこのような範囲とすることにより、寒冷地においても、第1保護基板20をガスバリア層24に対して変位させることができ、光電変換部への機械的ストレスが抑えられる。
次いで、本実施形態の太陽電池モジュールの変形例(図3、図4)を以下に示す。
図3に示す形態は、第1保護基板20を平板状とし、ガスバリア層24及び第1封止材層26に凹部を設け、ガスバリア層24の凹部に緩衝層22を配した点において図2に示す形態とは異なる。この形態においても、緩衝層22の外側において、第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域を有し、該領域における第1保護基板20とガスバリア層24とが非固着状態である。従って、図2に示す形態と同等の効果を奏する。
また、図4に示す形態は、第1保護基板20の受光面側の外周部に段差を設けた点において図2に示す形態とは異なる。このような段差は、例えば、太陽電池モジュール100を図示しないフレームに取り付けるときに有用である。つまり、太陽電池モジュール100をフレームに取り付ける際、段差が必要となることがあり、予め第1保護基板20に段差を設けておけば組立工数を減らすことができる。
なお、図4に示す形態は、第1保護基板20が段差を有する以外は図2に示す形態と同様であり、図2に示す形態と同様の効果を奏する。
一方、本実施形態においては、さらに、以下の構成とすることができる。すなわち、第1封止材層26及び第2封止材層28の面積が、ガスバリア層24の面積よりも小さく、かつ、ガスバリア層24が、第2封止材層28の周縁下部まで延出して第1封止材層26及び第2封止材層28を囲繞する。また、第1保護基板20が、ガスバリア層24と当接又は近接した状態で第2保護基板30の外周部まで延出する。さらに、ガスバリア層24の外側において、第1保護基板20と第2保護基板30とが当接又は近接する領域を有し、該領域における第1保護基板20と第2保護基板30とが非固着状態である。その一例を図5に示す。
図5に示す形態においては、第1封止材層26及び第2封止材層28の面積が、ガスバリア層24の面積よりも小さく構成し、第1封止材層26及び第2封止材層28の周囲をガスバリア層24が囲繞している。つまり、ガスバリア層24は第1封止材層26の上面のみならず、側面においても当接し、さらに第2封止材層28の側面に当接している。また、ガスバリア層24の上側には緩衝層22が配されており、ガスバリア層24及び緩衝層22の周囲を第1保護基板20が囲繞している。図5に示すように、第1保護基板20は第2保護基板30の外周部まで延出している。そして、第2保護基板30の外周は、ガスバリア層24よりも外部に位置するような面積で形成されており、第1保護基板20と第2保護基板30とは、第2保護基板30のガスバリア層24の外周から延出した領域において当接又は近接している。当該領域における第1保護基板20と第2保護基板30とは非固着状態である。なお、ガスバリア層24の側面において第1保護基板20は当接又は近接しているが、図2〜図4に示す形態と同様に、その側面においても第1保護基板20とガスバリア層24とは非固着状態である。
以上の図5に示す形態において、第1保護基板20は、第2保護基板30及びガスバリア層24と非固着状態で当接又は近接している。従って、温度変化などにより第1保護基板20が膨張・収縮に起因して変位しても、ガスバリア層24及び第2保護基板30は、その変位に追従しない。従って、図2〜図4に示す形態と同様に、第1保護基板20が、温度変化により膨張・収縮しても、その応力が光電変換部に伝達されるのが抑えられる。ひいては、光電変換部への機械的ストレスを抑制することができる。
一方、図5に示す形態では、第2保護基板30を平板状としたが、本実施形態においては平板状に限定されることはない。例えば、図6に示すような形態としてもよい。図6に示す形態は、第2保護基板30の外周部に段差を設け、その段差部を第1保護基板20と第2保護基板30とが当接又は近接する領域とした点において図5に示す形態とは異なる。この形態においては、第1保護基板20は、第2保護基板30の段差部(下面及び側面)及びガスバリア層24と非固着状態で当接又は近接している。従って、図5に示す形態と同等の効果を奏する。
また、図示しないが、図5に示す形態において、第2保護基板30をガスバリア層24の外周と一致するような面積とし、第1保護基板20と第2保護基板30とが、第2保護基板30の側面で当接又は近接するようにすることもできる。
図5に示す形態においても、温度変化などにより第1保護基板20が膨張・収縮したとき、第1保護基板20が第2保護基板30に対して変位しやすくするため、第1保護基板20及び第2保護基板30の平滑度がいずれも高いことが好ましい。
また、非固着領域の静摩擦係数は、0.0001〜0.1とすることが好ましい。このような摩擦係数とするため、さらに、第1保護基板20と第2保護基板30とが当接又は近接する領域に潤滑剤が付与されていることが好ましい。当該潤滑剤としては、既述の第1保護基板20とガスバリア層24とが当接又は近接する領域に用いる潤滑剤と同様である。
さらに、本実施形態においては、第1保護基板20の緩衝層22側の面において、平面視において縞状又は格子状をなし、ガスバリア層24方向に突出する複数の第2突出部20Bを有することが好ましい。そのような形態のうち、第2突出部20Bを縞状とした形態を図7及び図8に示す。図7に示すように、第1保護基板20の裏面側(緩衝層22側)には、ガスバリア層24方向に突出する第2突出部20Bが形成されている。第2突出部20Bは、図8に示すように、太陽電池モジュール100の受光面側から見ると縞状に複数が配列している。つまり、第2突出部20Bは緩衝層22を複数に分割する隔壁として機能する。このように構成することにより、仮に、第1保護基板20とガスバリア層24との境界から緩衝層22に酸素や水分が浸入したとしても、浸入した酸素や水分は第2突出部20Bに遮断され、第2突出部20Bを隔てて隣り合う緩衝層22への浸入が抑えられる。従って、図7及び図8に示す形態においては、酸素や水分の光電変換部への浸入をより確実に抑えることができる。ひいては、光電変換部への悪影響を抑えることができる。また、第2突出部20Bは補強材として機能し、第1保護基板20の機械強度を向上させることができる。
第2突出部20Bの突出高さは、第1突出部20Aの突出高さよりも低いことが好ましい。このように構成することで、第2突出部20Bとガスバリア層24との間に間隙が生じ、第2突出部20Bとガスバリア層24とが非固着状態となる。その結果、温度変化などにより第1保護基板20が膨張・収縮に起因して変位しても、ガスバリア層その変位に追従しない。従って、第2突出部20Bを設けても、第1保護基板20の変位が光電変換部に伝達されにくく光電変換部への悪影響を抑えることができる。第2突出部20Bの高さは、第1突出部20Aの高さの10〜60%とすることが好ましい。
第2突出部20Bによって緩衝層22が複数に分断されるため、緩衝層22の形成が困難となる可能性も否めない。しかし、製造過程において、以下のようにすれば容易に形成可能である。すなわち、第1保護基板20を、第2突出部20Bが鉛直方向上向きとなるように配置し、その状態で複数に分断された、緩衝層22が形成される領域に緩衝層22の材料(例えば、流動性のある高分子)を投入する。そして、流動性のある高分子を加熱、紫外線照射、電子線照射等により架橋させることで緩衝層22が形成することも可能である。
第1保護基板20における第2突出部20Bの個数及び幅は、太陽電池モジュール100のサイズを考慮し適宜設定することができる。また、図7及び図8に示す形態においては、第2突出部20Bを縞状に形成したが、格子状としてもよい。
<太陽電池モジュールの製造方法>
次に、太陽電池モジュール100の製造方法を説明する。初めに、図2に示す形態の太陽電池モジュール100の製造方法を示す。まず、タブ配線12を接続した太陽電池セル10(太陽電池ストリング16)を、第1封止材層26と第2封止材層28とで挟み、その外側に第2保護基板30、第1保護基板20を配置する。次いで、このようにして得られた積層体を、例えば真空状態で160℃程度に加熱する。その後、ヒーター側に各構成部材を押し付けながら加熱を継続し、第1及び第2封止材層の樹脂成分を架橋させる。これにより、各層が接着され太陽電池モジュール100が得られる。
一方、図7及び図8に示す形態の太陽電池モジュールは、以下に示す本実施形態の太陽電池モジュールの製造方法により効率良く製造することができる。
すなわち、本実施形態の製造方法は、ガスバリア層24、第1封止材層26、光電変換部、第2封止材層28及び第2保護基板30をこの順に有する積層体と、第1保護基板20とを準備する工程(以下、「工程A」と呼ぶ。)を含む。第1保護基板20は、基板の外周部に位置し、基板面から垂直に突出する第1突出部20A、及び外周部より内側に位置し、平面視において縞状又は格子状をなし、基板面から垂直に突出する第2突出部20Bを有する。また、第1保護基板20を、鉛直方向における上側が第1突出部20A及び第2突出部20Bとなるように配置し、第1突出部20Aと第2突出部20Bとにおける隣り合う2つの突出部の間に緩衝層22の原料22Aを投入する工程(以下、「工程B」と呼ぶ。)を含む。さらに、第1保護基板20の原料22Aの投入側と、積層体の前記ガスバリア層24側とが対向するように密着し、圧縮する工程(以下、「工程C」と呼ぶ。)を含む。
以下に、各工程について説明する。
[工程A]
工程Aは、ガスバリア層24、第1封止材層26、光電変換部、第2封止材層28及び第2保護基板30をこの順に有する積層体と、第1保護基板20とを準備する工程である。第1保護基板20は、基板の外周部に位置し、基板面から垂直に突出する第1突出部20A、及び外周部より内側に位置し、平面視において縞状又は格子状をなし、基板面から垂直に突出する第2突出部20Bを有する。本実施形態においては、太陽電池モジュールの完成品における当該積層体と第1保護基板20とを別工程で作製してそれぞれを準備する。
前記積層体を作製するに当たり、タブ配線12を接続した太陽電池セル10(太陽電池ストリング16)を、第1封止材層26と第2封止材層28とで挟み、その外側に第2保護基板30、ガスバリア層24を配置する。次いで、このようにして得られた積層体を、例えば真空状態で160℃程度に加熱する。その後、ヒーター側に各構成部材を押し付けながら加熱を継続し、第1及び第2封止材層の樹脂成分を架橋させる。これにより、各層が接着された積層体が得られる。
第1保護基板20は、公知の樹脂成形の手段により、既述の樹脂を用い、第1突出部20A及び第2突出部20Bの2つの突出部を有するように成形することで得られる。
[工程B]
工程Bは、第1保護基板20における隣り合う2つの突出部(第1突出部20A、第2突出部20B)の間に緩衝層22の原料22Aを投入する工程である(図9(a))。まず、投入する原料を隣り合う2つの突出部の間に留まらせるために、第1保護基板20を鉛直方向における上側が第1突出部20A及び第2突出部Bとなるように配置する。この状態において、隣り合う2つの突出部の間が、上方が開口された凹部となり原料の収容が可能となる。次いで、第1突出部20Aと第2突出部20Bとにおける隣り合う2つの突出部の間に原料22Aを投入する。このとき、原料の量としては、完成品において緩衝層22とそれに隣接する層との間に間隙ができないように設定することが好ましい。
ここで、緩衝層22の原料が流動性のある高分子である場合、第1保護基板20における上記のような凹部に当該原料を塗布することが好ましい。図9(a)は、第1保護基板20の隣り合う2つの突出部の間の凹部に緩衝層22の原料22Aを塗布した状態を示している。原料22Aをこのように投入することにより、後工程における積層体との密着時に原料22Aは凹部全体に広がり、原料22Aが凹部に充填された状態となる。
[工程C]
工程Cは、第1保護基板の原料の投入側と、積層体の前記ガスバリア層側とが対向するように密着し、圧縮する工程である。このように第1保護基板と積層体とを密着して圧縮することにより、図9(b)に示すように太陽電池モジュールが完成する。
第1保護基板と積層体との密着後の圧縮に際し、必要に応じて真空状態とすることが好ましい。また、緩衝層22の原料として、架橋などのために加熱する必要がある原料であれば、圧縮時に加熱することが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
ムラタソフトウェア(株)製、Femtet(登録商標)を用い、図2に示す層構成の太陽電池モジュールに対して解析を行った。
各層の詳細を以下に示す。
・第1保護基板;厚み:1mmのポリカーボネート
・緩衝層;厚み:1.0mmのシリコーンゲル
・ガスバリア層:0.02mmのPET
・封止材層(第1及び第2封止材層);エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)
・第2保護基板;厚み:1.5mmの炭素繊維強化プラスチック(CFRP)
なお、上記層構成中、緩衝層以外の層又は基板は、図1におけるy方向の長さを140mmとした。また、緩衝層についてはy方向の長さを130mmとした。つまり、緩衝層は他の層又は基板よりも小さな面積とし、非固着領域を確保した。当該非固着領域の幅は10mmであった。
[評価]
(太陽電池セル間の距離の変化量)
ムラタソフトウェア株式会社製のFemtet(登録商標)を用い、熱負荷を変化させた場合において、接続方向における太陽電池セル間の距離の変化量(μm)を解析した。解析結果を表1に示す。なお、太陽電池セル間の距離は、太陽電池セル同士が隣接する辺の間の距離である。また、太陽電池セル間の距離の変化量は、太陽電池セル同士が離れる方向に移動する場合は正の値となり、太陽電池セル同士が近づく方向に移動する場合は負の値となる。また、解析条件は以下の通りである。
(解析条件)
モデル:平面応力
太陽電池セルの接続方向(y軸方向)の幅:140mm(1/2対称による解析)
境界条件:非固着領域においてすべり条件を設定
熱負荷:120℃から60℃に変化させた。
[比較例1]
非固着領域を接着剤により固定としたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールの評価を行った。その結果を表1に示す。
Figure 2019054692
表1より、第1保護基板とガスバリア層とが当接又は近接する領域を非固着状態とした実施例1は、同領域を固着状態とした比較例1と比較して、太陽電池セル間の変化量が少なかったことが分かる。従って、本実施形態においては、温度変化により光電変換部(太陽電池セル)が受ける機械ストレスを低減できることが示された。
10 太陽電池セル(光電変換部)
12 タブ配線
14 接続配線
16 太陽電池ストリング(光電変換部)
20 第1保護基板
22 緩衝層
24 ガスバリア層
26 第1封止材層
28 第2封止材層
30 第2保護基板
100 太陽電池モジュール

Claims (9)

  1. 受光面側から順に、樹脂製の第1保護基板と、緩衝層と、ガスバリア層と、第1封止材層と、光電変換部と、第2封止材層と、第2保護基板とを有し、
    前記緩衝層の外周が、前記第1保護基板の外周よりも内側に位置するように設定され、
    前記緩衝層の外周外側において、前記第1保護基板と前記ガスバリア層とが当接又は近接する領域を有し、該領域における前記第1保護基板と前記ガスバリア層とが非固着状態である太陽電池モジュール。
  2. 前記第1保護基板と前記ガスバリア層とが当接又は近接する領域に潤滑剤が付与されている請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記第1保護基板の外周部に、前記第1保護基板と前記ガスバリア層とが当接又は近接する領域に相当する面を有し、かつ、前記ガスバリア層方向に突出する第1突出部が延在する請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 前記第1封止材層及び前記第2封止材層の面積が、前記ガスバリア層の面積よりも小さく、かつ、前記ガスバリア層が、前記第2封止材層の周縁下部まで延出して前記第1封止材層及び前記第2封止材層を囲繞し、
    前記第1保護基板が、前記ガスバリア層と当接又は近接した状態で前記第2保護基板の外周部まで延出し、
    前記ガスバリア層の外側において、前記第1保護基板と前記第2保護基板とが当接又は近接する領域を有し、該領域における前記第1保護基板と前記第2保護基板とが非固着状態である請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  5. さらに、前記第1保護基板と前記第2保護基板とが当接又は近接する領域に潤滑剤が付与されている請求項4に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記第1保護基板の前記緩衝層側の面において、平面視において縞状又は格子状をなし、前記ガスバリア層方向に突出する複数の第2突出部を有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  7. 前記第2突出部の突出高さが、前記第1突出部の突出高さよりも低い請求項6に記載の太陽電池モジュール。
  8. 前記第1保護基板がポリカーボネート樹脂から構成され、前記第2保護基板が炭素繊維強化プラスチック(CFRP)から構成される請求項1〜7のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
  9. ガスバリア層、第1封止材層、光電変換部、第2封止材層及び第2保護基板をこの順に有する積層体と、基板の外周部に位置し、基板面から垂直に突出する第1突出部、及び前記外周部より内側に位置し、平面視において縞状又は格子状をなし、基板面から垂直に突出する第2突出部を有する第1保護基板とを準備する工程、
    前記第1保護基板を、鉛直方向における上側が前記第1突出部及び前記第2突出部となるように配置し、前記第1突出部と前記第2突出部とにおける隣り合う2つの突出部の間に緩衝層の原料を投入する工程、及び
    前記第1保護基板の前記原料の投入側と、前記積層体の前記ガスバリア層側とが対向するように密着し、圧縮する工程、
    を含む太陽電池モジュールの製造方法。
JP2017179020A 2017-09-19 2017-09-19 太陽電池モジュール及びその製造方法 Pending JP2019054692A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017179020A JP2019054692A (ja) 2017-09-19 2017-09-19 太陽電池モジュール及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017179020A JP2019054692A (ja) 2017-09-19 2017-09-19 太陽電池モジュール及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019054692A true JP2019054692A (ja) 2019-04-04

Family

ID=66015184

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017179020A Pending JP2019054692A (ja) 2017-09-19 2017-09-19 太陽電池モジュール及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019054692A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6395020B1 (ja) 太陽電池モジュール
JP6715497B2 (ja) 太陽電池モジュール
EP2727237B9 (en) Photovoltaic module and laminate
JPWO2017208793A1 (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
WO2018110582A1 (ja) 太陽電池モジュール
WO2018150905A1 (ja) 太陽電池モジュール
KR20100133962A (ko) 태양 전지 시스템
US20100012187A1 (en) Encapsulation of a photovoltaic concentrator
JP2019054692A (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
US20140332057A1 (en) Solar module
JP6655828B2 (ja) 太陽電池モジュール
KR101487257B1 (ko) 태양전지 모듈
JPWO2018150794A1 (ja) 太陽電池モジュール
WO2019176646A1 (ja) 太陽電池モジュール
JP2019062088A (ja) 太陽電池モジュール
WO2017150045A1 (ja) 太陽電池モジュール
JP2019140301A (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
KR102081439B1 (ko) 서로 다른 소재가 혼합제조된 pv패널
WO2019031378A1 (ja) 太陽電池モジュール及び太陽電池モジュールの中間製品
WO2019087802A1 (ja) 太陽電池モジュール
JP2018093040A (ja) 太陽電池モジュール
JP2020123663A (ja) 太陽電池モジュール
WO2019087693A1 (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
JP2019083248A (ja) 太陽電池モジュール及びその製造方法
CN113270511A (zh) 一种光伏与储能电池复合结构及其制备方法