JP2015192068A - 太陽電池モジュール及び車両用部材 - Google Patents
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Abstract
Description
[1] 表面保護層、受光面封止材層、光電変換層、非受光面封止材層、及び裏面基材をこの順に有する太陽電池モジュールであって、
前記非受光面封止材層は、25℃における貯蔵弾性率が50MPa以上であり、前記裏面基材は、引張弾性率が10GPa以上である、太陽電池モジュール。
[2] 前記非受光面封止材層と前記裏面基材が直接積層される、[1]に記載の太陽電池モジュール。
[3] 前記非受光面封止材層は、厚みが0.5mm以下である、[1]または[2]に記載の太陽電池モジュール。
[4] 前記受光面封止材層は、tanδピーク値が0.3以上である、[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[5] 前記受光面封止材層は、2層の封止材層の間に中間層が配置された積層体である、[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[6] 前記光電変換層が結晶シリコン系の光電変換層である、[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[7] [1]〜[6]のいずれかに記載の太陽電池モジュールを含む車両用部材。
本発明の太陽電池モジュールは表面保護層を有する。表面保護層としては樹脂が用いられる。
表面保護層として用いられる樹脂としては、例えば、エチレン4フッ化エチレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、環状ポリオレフィン、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート等が挙げられる。好ましくは、エチレン4フッ化エチレン(ETFE)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂等が挙げられる。
表面保護層として用いる樹脂を所望の厚みにする方法は、公知の方法を用いることができる。その樹脂に相当する公知の板を用いることができ、また公知の板を加熱プレス等の方法により製作することができる。
表面保護シートの材料となる樹脂としては、例えばエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、シリコーン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等が挙げられる。これらの中でもポリメチルメタクリレート(PMMA)、およびエチレン−テトラフルオロエチレン共重合体が好ましい。このような表面保護シートを1層または複数層配置することもできる。
このような表面保護シートは市販のものを用いることができる。例えば、アクリプレンHBS(三菱レイヨン株式会社製)や、サンデュレン(株式会社カネカ製)、テクノロイ(住友化学株式会社製)等が例示できる。
耐候性保護層に用いるハードコート剤としては市販のものを用いることができる。例えば、ユピマーUV(紫外線硬化性樹脂:三菱化学株式会社製)やレイクイーン(三菱レイヨン株式会社製)等が例示できる。
太陽電池モジュールにおける封止材層は、通常、光電変換層を封止すること等を目的として、光電変換層を覆うように設けられる。そのため、封止材層は、表面保護層と光電変換層との間、及び裏面基材と光電変換層との間に配置される。
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護層と光電変換層との間に受光面封止材層を有し、裏面基材と光電変換層との間に非受光面封止材層を有する。
本発明の太陽電池モジュールは、表面保護層と光電変換層との間に受光面封止材層を有する。
受光面封止材層の封止材としては、太陽光を透過する合成樹脂材料であればよく、公知の通常用いられるものを使用することができる。例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂、ポリオレフィン(PO)樹脂、ポリビニルブチラール(PVB)樹脂、ポリエチレンテレフタラート(PET)樹脂、マレイン酸またはシラン等で変性した変性ポリエチレン樹脂、変性ポリプロピレン樹脂、またエポキシ系接着剤、ウレタン系接着剤等を用いることができる。
また、受光面封止材層が複数の封止材層で構成される場合には、その間に中間層を挟持する複数の封止材層の損失係数tanδピーク値は同一であってもよいが、tanδピーク値が0.3以下のように低い値である場合には異なることが好ましく、例えば、2層の封止材層の間に中間層を有する場合には、その2層の封止材層の損失係数tanδピーク値は一方が高いことが好ましい。このような構成とすることで、外部からの衝撃がより吸収され、光電変換層の歪みが軽減されるため、光電変換層の破壊をより抑制することができる。
一方で、tanδピーク値の上限は、受光面封止材層が1層であっても複数層であっても、特に限定されないが、通常0.8以下であり、好ましくは0.7以下であり、より好ましくは0.6以下である。なお、損失係数tanδとは、損失弾性率を貯蔵弾性率で除した値であり、その測定方法は、例えば、JIS K7244による。
受光面封止材層の封止材を所望の厚みにする方法は、公知の方法を用いることができる。封止材に相当する公知の板を用いることができ、また公知の板を加熱プレス等の方法により製作することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、受光面封止材層が複数の封止材層で構成される場合には、それらの封止材層の間に中間層を有することが好ましく、例えば、2層の封止材層の間に中間層を有することが好ましい。このような構成とすることで、外部からの衝撃が吸収され、光電変換層の歪みが軽減されるため、光電変換層の破壊を抑制することができる。
中間層を所望の厚みにする方法は、公知の方法を用いることができる。中間層を構成する基材に相当する公知の板を用いることができ、また公知の板を加熱プレス等の方法により製作することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、裏面基材と光電変換層との間に非受光面封止材層を有する。
非受光面封止材層は、25℃における貯蔵弾性率の下限が50MPa以上であり、好ましくは70MPa以上、より好ましくは90MPa以上である。一方で、上限は特に限定されないが、通常1000MPa以下、好ましくは800MPa以下、より好ましくは500MPa以下である。25℃における貯蔵弾性率が上記範囲にあることで、板状の形状を維持し、光電変換層が衝撃を受けた際に生じる変形歪を抑制して、光電変換層の破損や配線材料への負担を防止することができる。貯蔵弾性率の測定方法は、例えば、JIS K7244による。
これらの樹脂は市販のものを用いることができる。例えば、大日本印刷(株)製、変性ポリオレフィンシート(PO)Z74、三菱樹脂(株)製、変性ポリオレフィンシート(PO)F6000等が挙げられる。
によって貯蔵弾性率を調節できる。太陽電池モジュールが用いられる温度範囲内での寸法変化による光電変換層への余分な応力がなければ特に材料は限定されない。
なお、非受光面封止材層は上記貯蔵弾性率を満たすものであれば、1層でも複数層でもよい。
非受光面封止材層の封止材を所望の厚みにする方法は、公知の方法を用いることができる。封止材に相当する公知の板を用いることができ、また公知の板を加熱プレス等の方法により製作することができる。
本発明の太陽電池モジュールは光電変換層(本明細書において、「太陽電池セル」と称することがある。)を有する。
光電変換層は、光エネルギーを直接電力に変換することができる太陽電池セルを有する層であり、通常、複数の太陽電池セルを集電線等で接続してなる。太陽電池セルで発生した電気は、集電線を通じ外部変換機を介して取り出すことができる。
例えば、シリコン系太陽電池素子は市販のものでよく、例えば、Q−Cells社、FirstSolar社、Suntech社、Sunpower社、TSEC社、Gintech社、シャープ社製などの太陽電池セルが挙げられる。
本発明の太陽電池モジュールは裏面基材を有する。
裏面基材は、その引張弾性率の下限が10GPa以上であり、好ましくは15GPa以上であり、より好ましくは20GPa以上である。一方で、上限は特に限定されないが、好ましくは200GPa以下であり、より好ましくは150GPa以下である。裏面基材の引張弾性率が10GPa以上であることで、光電変換層が衝撃を受けた際に生じる変形歪みを軽減して、光電変換層の破壊を抑制することができる。引張弾性率の測定方法は、例えば、JIS K 7161による。
また、所望の引張弾性率を有する裏面基材を得る方法としては、例えば、公知の基材に金属基材を貼り合わせる方法や、公知の樹脂等を繊維強化して得る方法などが挙げられる。
裏面基材を所望の厚みにする方法は、公知の方法を用いることができる。裏面基材に相当する公知の板を用いることができ、また公知の板を加熱プレス等の方法等により製作することができる。
本発明の太陽電池モジュールは、更にガスバリア層、紫外線カット層、耐候性保護層、耐擦傷性層、防汚層、その他の公知の構成部材等を備えてもよい。
本発明の太陽電池モジュールの製造方法は、公知の方法を用い得るが、例えば、表面保護層、受光面封止材層、光電変換層、非受光面封止材層、裏面基材等を含む多層シートを、真空ラミネーション装置内へ配置し、真空引きの後、加熱し、一定時間経過後に冷却することにより、太陽電池モジュールを得ることができる。
[剛球落下試験]
剛球落下試験はJISC8938に記載の降ひょう試験の簡易試験方法に準拠して行った。
まず、太陽電池モジュールを、表面保護層面を上にして端部のみを固定し、地上面と接地しないよう水平に設置した。次に、質量227±2g、直径約38mmの表面が滑らかな鋼球を、力を加えずにモジュールの表面保護層面の中心点に落下させた。表面保護層面から鋼球の中心までの距離を0.1m刻みで1mまで変化させて試験を行った。鋼球の落下点は、表面保護層面の中心点から25mm以内とし、1枚の供試品に対する衝撃は1回限り、試験時の温度は標準状態とした。
この方法で試験した太陽電池モジュールについて、アイテス社製太陽電池EL検査装置を使用して太陽電池セルにひびや亀裂などの目視上の欠陥が生じたときの表面保護層面から落下前の鋼球の中心までの距離を記録した。
図1の層構成Aのように、太陽電池モジュールの製造を次のように実施した。
表面保護層として、縦25cm、横25cm、厚み0.1mmのETFE樹脂(旭硝子社製、アフレックス、グレード:50HK−DCS)を用いた。
裏面基材として、縦20cm、横20cm、厚み1mmのFRP板(大隅加工社製、ガラスエポキシ積層板、グレード:SL−EC)(引張弾性率=20GPa)を用いた。
表面保護層側から第一の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのEVA樹脂(シーアイ化成社製、EVAシート、グレード:UFHCE40)(tanδピーク値=0.5)を用いた。
表面保護層側から第二の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4
mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F2000)(tanδ=0.36)を用いた。
非受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F6000)(貯蔵弾性率=90MPa)を用いた。
光電変換層として、TSEC社製6インチサイズの結晶シリコン素子を用いた。素子は各太陽電池モジュールにつき、1枚使用した。
表面保護層側から第二の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F6000)(tanδ=0.14)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
表面保護層側から第一の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F2000)(tanδ=0.36)を、表面保護層側から第二の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのEVA樹脂(シーアイ化成社製、EVAシート、グレード:UFHCE40)(tanδ=0.5)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
表面保護層として、縦25cm、横25cm、厚み0.5mmのPC樹脂(三菱ガス化学社製、ユーピロン、グレード:MRF08U)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
裏面基材として、縦20cm、横20cm、厚み1mmのアルミシート(汎用品)(引張弾性率=70GPa)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
図2の層構成Bのように、表面保護層側から第一及び第二の受光面封止材層の間に、中間層として、縦25cm、横25cm、厚み0.125mmのPET樹脂(三菱樹脂社製ダイアホイル、グレード:T600)を設けたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
非受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.8mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F6000)(貯蔵弾性率=90MPa)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
表面保護層、および裏面基材として、縦20cm、横20cm、厚み2mmのPC樹脂(タキロン社製、グレード:PC1600)(引張弾性率=2.3GPa)を用い、図3の層構成Cのように、光電変換層側から第二の非受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのEVA樹脂(シーアイ化成社製、EVAシート、グレード:UFHCE40)(貯蔵弾性率=12MPa)を設けたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
図3の層構成Cのように、光電変換層側から第二の非受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのEVA樹脂(シーアイ化成社製、EVAシート、グレード:UFHCE40)(貯蔵弾性率=12MPa)を設けたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
裏面基材として、縦20cm、横20cm、厚み0.125mmのPET(三菱樹脂社製ダイアホイル、グレード:T600)(引張弾性率=4GPa)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
表面保護層側から第一の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F6000)(tanδ=0.14)を、表面保護層側から第二の受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F6000)(tanδ=0.14)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
光電変換層側から第一の非受光面封止材層として、縦22cm、横22cm、厚み0.4mmのPO樹脂(三菱樹脂社製、変性ポリオレフィンシート、グレード:F2000)(貯蔵弾性率=22MPa)を用いたこと以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュールを得た。
21、22 受光面封止材層
23 中間層
3 光電変換層
41、42 非受光面封止材層
5 裏面基材
Claims (7)
- 表面保護層、受光面封止材層、光電変換層、非受光面封止材層、及び裏面基材をこの順に有する太陽電池モジュールであって、
前記非受光面封止材層は、25℃における貯蔵弾性率が50MPa以上であり、前記裏面基材は、引張弾性率が10GPa以上である、太陽電池モジュール。 - 前記非受光面封止材層と前記裏面基材が直接積層される、請求項1に記載の太陽電池モジュール。
- 前記非受光面封止材層は、厚みが0.5mm以下である、請求項1または2に記載の太陽電池モジュール。
- 前記受光面封止材層は、tanδピーク値が0.3以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記受光面封止材層は、2層の封止材層の間に中間層が配置された積層体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 前記光電変換層が結晶シリコン系の光電変換層である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の太陽電池モジュール。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の太陽電池モジュールを含む車両用部材。
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