JP2014207441A - 太陽電池モジュール及び車両用部材 - Google Patents

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泰典 松下
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Abstract

【課題】軽量でありながら且つ剛性に優れ、振動や冷熱変化を受けやすい場所(例えば、トラック等車両の荷台など)振動や冷熱変化を受けても故障しにくい太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】太陽光受光面側から順に、厚さ0.05〜0.5mmであり、且つ材質がガラスである表面保護層、光電変換層及び裏面保護層が積層されてなる太陽電池モジュールであって、該裏面保護層が、厚さ0.05〜1.5mmの金属板を2枚以上有し、且つ該金属板の間に厚さ0.5〜200mmの樹脂層を含む積層体である、太陽電池モジュール。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュールに関するものである。また、太陽電池モジュールを有する車両用部材に関する。
近年、省エネルギーと環境問題に対する意識の向上を受けて、太陽光の受光で発電する太陽電池が普及しつつある。それに伴い、太陽電池セルを樹脂やガラスなどの板状のもので挟みこみ発電を行う太陽電池モジュールが多く開発されてきた。
太陽電池モジュールの多くは太陽光受光面側の表面保護層に厚みのあるガラス板で非太陽光受光面側の裏面保護層に樹脂シートを用いたり、あるいは表面保護層/裏面保護層の両方にガラス板を用いた太陽電池モジュール(たとえば、特許文献1)が一般的であった。しかし太陽電池モジュールを設置する場所によっては、振動が激しかったり、モジュールの表面保護層などに物が当たるなど物理的衝撃が想定される場所に設置する場合には、耐振動性や耐衝撃性が十分ではなかった。また、太陽電池モジュール自体が非常に重いため、設置する場所によっては、耐荷重の問題や、あるいは車両に取り付ける場合には重量増に伴う移動効率(燃費など)低下の問題で、これらの太陽電池モジュールの適用が困難なケースがあった。
最近では、太陽電池モジュールを軽量化することで、これを建材あるいは車両搭載用途に利用しようとする試みもなされている。
例えば、特許文献2及び特許文献3には、表裏保護層に樹脂フィルムを採用した太陽電池モジュールが提案されている。この太陽電池モジュールは建材や車輌搭載用途には適用可能であるが、その際に、太陽電池モジュールの剛性が低すぎるため、運搬、施工時などに過度に折れ曲がってしまい、内部の光電変化層や配線材を損傷してしまうという問題があった。
この課題を解決するために、特許文献4には、樹脂と鋼板を一体化させた太陽電池モジュールが提案されている。しかしながら、この太陽電池モジュールは裏面の鋼板1枚で剛性を出すために重くなりやすい。また、太陽電池モジュールの裏面側のみが高剛性であるため、太陽電池モジュールが上下に振動を受けた際、モジュールが撓んで光電変換層が圧縮および引っ張り応力を受けやすく、光電変換層を損傷してしまうリスクが高いという問題があった。
一方で、特許文献5に記載されているように、表面保護層や裏面保護層などにポリカーボネートのような硬質樹脂シートを用いる技術も知られている。しかしながら、このものは冷熱サイクルを繰り返し受けた際、硬質樹脂シートの熱変形応力で、内部の光電変換層や配線材が損傷してしまうという問題があった。
特開平11-031834号公報 特開平10-070300号公報 特開平10-284745号公報 特開2012-004416号公報 特開平09-092848号公報
上記特許文献1〜5には、車両用部材、とりわけトラックの荷台に設置するのに適した太陽電池モジュールの材質や大きさなどについて言及されていないが、これらの太陽電池モジュールは、重量や剛性の面から、振動や冷熱変化を受けやすい場所(例えば、トラック等の車輌の荷台など)では、振動でセルやインターコネクタが損傷を受け、太陽電池モジュールとしての発電効率が低下することがあり、最適な太陽電池モジュールではなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、軽量でありながら且つ剛性に優れ、振動や冷熱変化を受けても故障しにくい太陽電池モジュールを提供することにある。
本発明者等は上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、太陽電池セルを含む光電変換層を、ある一定の厚みを持つ薄板ガラス板とある一定の厚みをもつ薄板金属板とで挟んだ太陽電池モジュールが、振動や冷熱変化が受けやすい場所、特にトラック等の車輌の荷台に設置する場合に非常に適した太陽電池モジュールであることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の[1]〜[6]に存する。
[1]太陽光受光面側から順に、厚さ0.05〜0.5mmであり、且つ材質がガラスである表面保護層、光電変換層及び裏面保護層が積層されてなる太陽電池モジュールであって、該裏面保護層が、厚さ0.05〜1.5mmの金属板を2枚以上有し、且つ該金属板の間に厚さ0.5〜200mmの樹脂層を含む積層体である、太陽電池モジュール。
[2]前記表面保護層の太陽光受光面側に、厚さ0.01〜2.0mmであって且つ材質が樹脂である破損防止層を更に有することを特徴とする[1]に記載の太陽電池モジュール。
[3]前記光電変換層と前記裏面保護層との間に、厚さ0.01〜1.0mmの絶縁層を有することを特徴とする[1]又は[2]に記載の太陽電池モジュール。
[4]裏面保護層の熱膨張係数が表面保護層の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[5]受光面側に凸に湾曲する形状であることを特徴とする[1]〜[4]のいずれかに記載の太陽電池モジュール。
[6]前記[1]〜[5]のいずれかに記載の太陽電池モジュールを有する車両用部材。
本発明によれば、軽量でありながら、剛性に優れ、振動や冷熱変化を受けても故障しにくい太陽電池モジュールを提供できる。
本発明の一形態である太陽電池モジュールの横断面図の概略図を示す(実施例1) 本発明の一形態である太陽電池モジュールに使用される光電変換層を太陽光受光面側から見た図である。
本発明の太陽電池モジュールの実施の形態について、以下に具体的に説明する。
<表面保護層>
本発明の太陽電池モジュールにおける表面保護層について説明する。
表面保護層は、太陽電池モジュールに機械的強度、耐候性、耐スクラッチ性、耐薬品性、ガスバリア性などを付与するための層である。表面保護層は受光面側に位置するため、
光電変換層の光吸収を妨げない観点から、全光線透過率は80%以上が好ましく、より好ましくは90%以上である。全光線透過率の測定方法は、例えば、JIS K 7361−1によって測定できる。
表面保護層の材質としては、熱膨張係数が低いこと、剛性が高いこと、透明性が高いこと、耐熱性が高いことなどから、ガラスが使用される。表面保護層で使用されるガラスとしては、特に制限はなく、例えば、ソーダ石灰ガラス、鉛ガラス、ほうけい酸ガラスなど公知の材質のいずれかからなるフロートガラス、型板ガラス、強化ガラスなど、市販のものを任意に使用することができる。また、意匠性向上の観点から、発電能力が著しく低下しない範囲であれば、表面保護層に着色あるいは部分加飾を施してもよい。
表面保護層の厚さは、0.05〜0.5mmであり、0.1〜0.45mmが好ましく、0.2〜0.4mmがより好ましい。0.05mm未満であると破損しやすく、0.5mmを超えると重量が重くなり好ましくない。
表面保護層の大きさは、破損防止の観点から、後述の裏面保護層と同じかその大きさよりも小さいことが好ましく、裏面保護層の大きさよりも小さいことがより好ましい。表面保護層は後述の光電変換層を保護するために必要な大きさが必要であることから、表面保護層の大きさの下限としては、光電変換層の大きさと同等の大きさとなる。
表面保護層には、必要に応じて、他の層との接着性などを改良するために、アルコール等による洗浄処理や、コロナ処理、プラズマ処理などの表面処理を行ってもよい。また、取扱時の切傷防止や破損防止等のために、角部など鋭利な箇所は面取りすることも可能である。
<光電変換層>
本発明の太陽電池モジュールにおける光電変換層について説明する。
光電変換層は、太陽光受光面側から入射される太陽光に基づき発電を行う素子である。この光電変換層は、光エネルギーを電気エネルギーに変換でき、変換によって得られた電気エネルギーを外部に取り出せるものでありさえすれば良い。
従って、光電変換層としては、一対の電極で、発電層(光電変換層、光吸収層)を挟んだもの、一対の電極で、発電層と他層(バッファ層等)との積層体を挟んだもの、そのようなもの(以下、セルと表記する)を、複数個、直列若しくは/かつ並列接続したものなどを用いることが出来る。
光電変換層の発電層としても様々なものを採用することが出来る。ただし、発電層は、薄膜単結晶シリコン、薄膜多結晶シリコン、アモルファスシリコン、微結晶シリコン、CdTe、Cu−In―(Ge)−Seなどの無機半導体材料、ブラックダイなどの有機色素材料、共役高分子/フラーレンなどの有機半導体材料等からなる層としておくことが好ましいが、発電効率の観点からは薄膜単結晶シリコンあるいは薄膜多結晶シリコンがより好ましい。 例えば、シリコン系太陽電池セルは市販のものでよく、例えば、Q−Cells社、FirstSolar社、Suntech社、シャープ社製、Shinsung社製、Sunpower社製、Gintech社製、Taiwan Solar Energy Corporation社製などの太陽電池セルが挙げられる。
また、多接合型光電変換層、HIT光電変換層等を採用してもよい。
なお、さらに高い発電効率を実現するために、発電層の表面又は光電変換層基材に凸凹構造を形成するなど十分な光閉じ込め構造を設けておくことが好ましい。
発電層をアモルファスシリコン層としておけば、可視域での光学吸収係数が大きく、厚さ1μm程度の薄膜でも、太陽光を十分に吸収できる光電変換層を実現できる。しかも、アモルファスシリコンや微結晶シリコン、無機半導体材料、有機色素材料、有機半導体材
料は、非結晶質の材料、または結晶性の低い材料であるが故に、変形にも耐性を有している。従って、光電変換層を、発電層としてアモルファスシリコン層を備えたものとしておけば、特に軽量な、変形に対しても或る程度の耐性を有する太陽電池モジュールを実現できることになる。
発電層を無機半導体材料(化合物半導体)層としておけば、発電効率が高い光電変換層を実現することが出来る。なお、発電効率(光電変換効率)の観点からは、発電層を、S、Se、Teなどカルコゲン元素を含むカルコゲナイド系発電層としておくことが好ましく、I−III−VI2族半導体系(カルコパイライト系)発電層としておくことがより好ましく、I族元素としてCuを用いたCu−III−VI2族半導体系発電層、特に、CIS系半導体〔CuIn(Se1−ySy)2;0≦y≦1〕層やCIGS系半導体〔Cu(In1−xGax)(Se1−ySy)2;0<x<1、0≦y≦1〕層としておくことが、望ましい。
発電層として、酸化チタン層及び電解質層などからなる色素増感型発電層を採用しても、発電効率が高い光電変換層を実現することが出来る。
発電層として、有機半導体層(p型の半導体とn型の半導体を含む層)を採用することも出来る。なお、有機半導体層を構成し得るp型の半導体としては、テトラベンゾポルフィリン、テトラベンゾ銅ポルフィリン、テトラベンゾ亜鉛ポリフィリン等のプルフィリン化合物;フタロシアニン、銅フタロシアニン、亜鉛フタロシアニン等のフタロシアニン化合物;テトラセンやペンタセンのポリアセン;セキシチオフェン等のオリゴチオフェン及びこれら化合物を骨格として含む誘導体が例示できる。さらに、有機半導体層を構成し得るp型の半導体として、ポリ(3−アルキルチオフェン)などを含むポリチオフェン、ポリフルオレン、ポリフェニレンビニレン、ポリトリアリルアミン、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール等の高分子等も例示できる。
また、有機半導体層を構成し得るn型の半導体としては、フラーレン(C60、C70、C76);オクタアポフィリン;上記p型半導体のパーフルオロ体;ナフラレンテトラカルボン酸無水物、ナフラレンテトラカルボン酸ジイミド、ペリレンテトラカルボン酸無水物、ペリレンテトラカルボン酸ジイミド等の芳香族カルボン酸無水物やそのイミド化合物;及び、これら化合物を骨格として含む誘導体などを例示できる。
また、有機半導体層の具体的な構成例としては、p型半導体とn型半導体が層内で相分離した層(i層)を有するバルクヘテロ接合型、それぞれp型半導体を含む層(p層)とn型半導体を含む層(n層)を積層した積層型(ヘテロpn接合型)、ショットキー型およびそれらの組み合わせを、挙げることが出来る。
光電変換層の各電極は、導電性を有する任意の材料を1種又は2種以上用いて形成することが出来る。電極材料(電極の構成材料)としては、例えば、白金、金、銀、アルミニウム、クロム、ニッケル、銅、チタン、マグネシウム、カルシウム、バリウム、ナトリウム等の金属、あるいはそれらの合金;酸化インジウムや酸化錫等の金属酸化物、あるいはその合金(ITO:酸化スズインジウム);ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセチレン等の導電性高分子;そのような導電性高分子に、塩酸、硫酸、スルホン酸等の酸、FeCl3等のルイス酸、ヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム等の金属原子などのドーパントを含有させたもの;金属粒子、カーボンブラック、フラーレン、カーボンナノチューブ等の導電性粒子をポリマーバインダー等のマトリクスに分散した導電性の複合材料などを例示できる。
電極材料は、正孔又は電子を捕集するのに適した材料としておくことが好ましい。なお、正孔の捕集に適した電極材料(つまり、高い仕事関数を有する材料)としては、Au、Ag、Cu、Al、ITO、IZO、ZnO2等を例示できる。また、電子の捕集に適し
た電極材料(つまり、低い仕事関数を有する材料)としては、Alを例示できる。
電極の形成方法にも特に制限はない。従って、電極を、真空蒸着、スパッタ等のドライプロセスにより形成することも、導電性インク等を用いたウェットプロセスにより形成することもできる。なお、導電性インクとしては、任意のもの(導電性高分子、金属粒子分散液等)を使用することができる。
光電変換層の各電極は、発電層とほぼ同サイズのものであっても、発電層よりも小さなものであっても良い。ただし、光電変換層の,受光面側の電極を、比較的に大きなもの(その面積が、発電層面積に比して十分に小さくないもの)とする場合には、当該電極を、透明な(透光性を有する)電極、特に、発電層が効率良く電気エネルギーに変換できる波長(例えば、300〜1200nm、好ましくは500nm〜800nm)の光の透過率が比較的に高い(例えば、50%以上)電極、としておくべきである。なお、透明な電極材料としては、ITO、IZO(酸化インジウム−亜鉛酸化物)等の酸化物;金属薄膜などを、例示できる。
また、光電変換層の各電極の厚さ及び発電層の厚さは、必要とされる出力等に基づき、決定することが出来るが、厚すぎると電気抵抗が大きくなり、薄すぎると耐久性が低下する恐れがある。
〔光電変換層基材〕
光電変換層基材は、本発明の太陽電池モジュールの光電変換層に必要に応じて用いられるものであり、その一方の面上に、光電変換層が形成される部材である。従って、光電変換層基材は、機械的強度が比較的に高く、耐候性、耐熱性、耐水性等に優れ、且つ、軽量なものであることが望まれる。また、光電変換層基材は、変形に対して或る程度の耐性を有するものであることも望まれる。一方で形成される光電変換層と材料物性(例えば、線膨張係数、融点など)が著しく異なると形成後の界面で歪や剥離などが生じる恐れがある。
そのため、光電変換層基材としては、金属箔や、融点が85℃以上あるいは融点がない樹脂フィルム、幾つかの金属箔/樹脂フィルムの積層体を採用しておくことが好ましい。
光電変換層基材(又は、その構成要素)として使用し得る金属箔としては、アルミニウム、ステンレス、金、銀、銅、チタン、ニッケル、鉄、それらの合金からなる箔を、例示できる。
また、融点が85℃以上あるいは融点がない樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリカーボネート、ポリアセタール、アクリル樹脂、ポリアミド樹脂、ABS樹脂、ACS樹脂、AES樹脂、ASA樹脂、これらの共重合体、フッ素樹脂、シリコーン樹脂、セルロース、ニトリル樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン、アイオノマー、ポリブタジエン、ポリブチレン、ポリメチルペンテン、ポリビニルアルコール、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミドなどからなるフィルムを、例示できる。また、金属樹脂複合基材の生産性の観点から、樹脂は熱可塑性樹脂が好ましい。なお、発電素子基材として使用する樹脂フィルムは、上記のような樹脂中に、酸化アンチモン、水酸化アンチモン、ホウ酸バリウム、ガラス繊維などの無機物、有機繊維、炭素繊維等を分散させたフィルムであってもよい。
光電変換層基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点が85℃以上であることが好ましい理由は、融点が過度に低いと、太陽電池モジュールの通常の使用環境下で光電変換層基材が変形し、光電変換層にダメージを与える恐れがあるからである。
従って、光電変換層基材(又は、その構成要素)として使用する樹脂フィルムの融点は、100℃以上であることがより好ましく、120℃以上であることがさらに好ましく、150℃以上であることが特に好ましく、180℃以上であることが最も好ましい。
本発明の太陽電池モジュールの光電変換層の熱膨張係数は、特に限定されないが、40ppm/K以下であることが好ましく、更に好ましくは35ppm/K以下であり、特に好ましくは30ppm/K以下である。熱膨張係数の測定方法は、例えば、ASTM D696などによる。熱膨張係数が40ppm/Kを越えると、温度変化に伴う変形が大きいため、加熱・冷却プロセス、あるいは実使用条件下で故障しやすくなる傾向にある。一方下限は特段限定されないが、通常−5ppm/K以上であり、0ppm/K以上であることが好ましい。
<裏面保護層>
本発明の太陽電池モジュールにおける裏面保護層について説明する。
裏面保護層は、厚さ0.05〜1.5mmの金属板を2枚以上有し、且つ該金属板の間に厚さ0.5〜200mmの樹脂層を含む積層体であることを特徴とする。
裏面保護層に使用される積層体の金属板の厚さは、0.05〜1.5mmの範囲であるが、好ましくは0.1〜1.0mmの範囲であり、より好ましくは0.15〜0.3mmの範囲である。厚さが小さすぎると太陽電池モジュール全体の剛性が低下し、厚すぎると太陽電池モジュール全体の重量が重くなりすぎる。
裏面保護層にに使用される積層体の金属板の材質については、特に制限はないが、鉄、ガルバリウム鋼、ステンレス鋼、銅、アルミニウム、チタン、インバー合金あるいはこれらを貼り合せたクラッド型鋼板、あるいはこれらを亜鉛メッキしたものなどが挙げられる。その理由として安価で加工性を有し、かつ、高い剛性を有すること、また熱伝導性が高いため、太陽電池モジュールに熱が溜まり難くなることが挙げられる。特に、アルミニウムは、比重が小さいために太陽電池モジュールの軽量化が図れ、熱伝導性が優れるため、温度上昇に伴う光電変換層の発電効率低下を抑制する効果が高いことから好ましい。これらの金属板の材質としては1種類で使用しても、2種以上で使用しても良い。
裏面保護層は、金属板を2枚以上含む。2枚以上の金属板を積層して用いることも可能であるが、軽量性と剛性向上の観点から、2枚以上の金属板を使用する場合は、金属板と金属板との間に後述の樹脂層を含む積層体(以下、金属−樹脂複合板、と記載することがある)として使用する。
この樹脂層の厚さは、0.5〜200mmの範囲であり、好ましくは0.7〜100mmの範囲であり、より好ましくは1.0〜10mmの範囲であり、特に好ましくは1.5〜5.0mmである。この厚さが薄すぎると剛性向上効果が低下する恐れがあり、厚すぎると太陽電池モジュールの重量増や大型化による施工性低下をまねく恐れがある。
樹脂層の材質としては、通常はポリエチレンまたはポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂が好ましく用いられるが、エチレン−酢ビ共重合体、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン、さらには、各種樹脂の混合物等を用いてもよい。所望により樹脂中には各種難燃剤やタルク、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、けい酸カルシウム等の各種フィラー、安定剤、着色剤、架橋剤、発泡剤等を添加してもよい。
また樹脂層は1種類の樹脂のみを使用する単層でなく2種類以上の樹脂を使用して多層構造として使用することもできる。たとえば中心をなす厚い樹脂シートの両面に薄い接着性を有する樹脂層を積層した3層構造とすることもできる。
金属−樹脂複合板の具体例としては、軽量且つ高剛性の優れた物性を有しているアルポリック(登録商標)(三菱樹脂株式会社製)などが挙げられる。アルポリック(登録商標
;三菱樹脂株式会社製)は3層構造を有しており、樹脂層の材質としてポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンが用いられ、樹脂からなる層を挟む金属シートはアルミニウムからなる、アルミニウム−ポリオレフィン複合板である。金属−樹脂複合板は公知の方法に従って、製造することができる。
<破損防止層>
本発明の太陽電池モジュールにおける破損防止層について説明する。
破損防止層は、上述の表面保護層が飛来物などによる破損の防止、更には破損した場合の表面保護層のガラスの破片が飛散することを防止する観点から、表面保護層の太陽光受光面側の表面上に更に破損防止層を積層することが好ましい。
破損防止層を有する場合は、破損防止層が本発明の太陽電池モジュールの最外層となるため、耐候性、耐熱性、透明性、撥水性、耐汚染性、耐薬品性、機械強度などの特性を備え、しかもそれを屋外暴露において長期間維持できることが好ましい。
また、破損防止層は、光電変換層の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率が80%以上であることが好ましく、85%以上であることがより好ましく、特に好ましくは90%である。
さらに、太陽電池モジュールは光を受けて熱せられることが多いため、破損防止層も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、破損防止層の構成材料の融点は、通常100℃以上、好ましくは120℃以上、より好ましくは130℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池モジュールの使用時に破損防止層が融解・劣化する可能性を低減できる。
破損防止層を構成する材料は、透明性を有する樹脂であれば、特に限定されないが、使用される材料の例を挙げると、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、環状ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、フッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン系樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。
中でも好ましくはフッ素系樹脂が挙げられ、その具体例を挙げるとポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、4−フッ化エチレン−パークロロアルコキシ共重合体(PFA)、4−フッ化エチレン−6−フッ化プロピレン共重合体(FEP)、2−エチレン−4−フッ化エチレン共重合体(ETFE)、ポリ3−フッ化塩化エチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)及びポリフッ化ビニル(PVF)等が挙げられる。
なお、破損防止層は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、破損防止層は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。尚、破損防止層と表面保護層との接着には、公知の接着材、粘着材を使用可能であるが、例えば、本発明に記載の封止材を使用することがより好ましい。
破損防止層の厚みは、特に限定されないが、一般的には0.010mm以上2mm以下である。特に、柔軟性、加工性の観点から、通常0.010mm以上、好ましくは0.020mm以上、より好ましくは0.050mm以上であり、また、通常1.0mm以下、好ましくは0.5mm以下、より好ましくは0.2mm以下である。
一方、耐衝撃性の観点から、通常0.020mm以上、好ましくは0.050mm以上、より好ましくは0.080mm以上であり、また、通常2.000mm以下、好ましく
は1.500mm以下、より好ましくは1.000mm以下である。厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、薄くすることで柔軟性が高まる傾向にある。厚みが大きすぎると、太陽電池モジュールの重量増の影響が無視できなくなったり、破損防止層の熱収縮に伴って太陽電池モジュールが著しく変形する恐れがある。
また破損防止層には、隣接する他の層との接着性を改良するために、コロナ処理、プラズマ処理等の表面処理を行なってもよい。
<封止材>
本発明の太陽電池モジュールに使用される封止材について説明する。
封止材は、本発明の太陽電池モジュールの構成層(表面保護層、光電変換層、裏面保護層、絶縁層、破損防止層など)を一体化するために用いられるとともに、光電変換層を補強するための構成要素である。光電変換層は薄いため通常は強度が弱く、ひいては太陽電池モジュールの強度が弱くなる傾向があるが、封止材により強度を高く維持することが可能である。
また、封止材は、太陽電池モジュールの強度保持の観点から強度が高いことが好ましい。
具体的強度については、封止材以外の表面保護層や裏面保護層の強度とも関係することになり一概には規定しにくいが、太陽電池モジュール全体が良好な耐久性を有し、長期使用しても内部剥離を生じないような強度を有するのが望ましい。
また、封止材は、光電変換層の光吸収を妨げない観点から可視光を透過させるものが好ましい。例えば、可視光(波長360〜830nm)の光の透過率は、通常60%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上、中でも好ましくは85%以上、とりわけ好ましくは90%以上、特に好ましくは95%以上、その中でも特に好ましくは97%以上である。太陽光をより多く電気エネルギーに変換するためである。
さらに、太陽電池モジュールは光を受けて熱せられることが多いため、封止材も熱に対する耐性を有することが好ましい。この観点から、封止材の構成材料の融点は、通常80℃以上、好ましくは100℃以上、より好ましくは120℃以上であり、また、通常350℃以下、好ましくは320℃以下、より好ましくは300℃以下である。融点を高くすることで太陽電池モジュールの使用時に封止材が融解・劣化する可能性を低減できる。
封止材を構成する材料としては、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)樹脂組成物をフィルムにしたもの(EVAフィルム)などを用いることができる。EVAフィルムには通常は耐候性の向上のために架橋剤を配合して架橋構造を構成させる。この架橋剤としては、一般に、100℃以上でラジカルを発生する有機過酸化物が用いられる。このような有機過酸化物としては、例えば、2,5−ジメチルヘキサン;2,5−ジハイドロパーオキサイド;2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン;3−ジ−t−ブチルパーオキサイド等を用いることができる。これらの有機過酸化物の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下であり、通常1重量部以上である。なお、架橋剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
このEVA樹脂組成物には、接着力向上の目的で、シランカップリング剤を含有させてもよい。この目的に供されるシランカップリング剤としては、例えば、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン;ビニルトリクロロシラン;ビニルトリエトキシシラン;ビニル−トリス−(β−メトキシエトキシ)シラン;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン;β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等を挙げるこ
とができる。これらのシランカップリング剤の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下、好ましくは2重量部以下であり、通常0.1重量部以上である。なお、シランカップリング剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
更に、EVA樹脂のゲル分率を向上させ、耐久性を向上するために、EVA樹脂組成物に架橋助剤を含有させてもよい。この目的に供される架橋助剤としては、例えば、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアネート等の3官能の架橋助剤等の単官能の架橋助剤等が挙げられる。これらの架橋助剤の配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常10重量部以下、好ましくは5重量部以下であり、また、通常1重量部以上である。なお、架橋助剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
更に、EVA樹脂の安定性を向上する目的で、EVA樹脂組成物に、例えばハイドロキノン;ハイドロキノンモノメチルエーテル;p−ベンゾキノン;メチルハイドロキノンなどを含有させてもよい。これらの配合量は、EVA樹脂100重量部に対して、通常5重量部以下である。
しかし、EVA樹脂の架橋処理には1〜2時間程度の比較的長時間を要するため、太陽電池モジュールの生産速度および生産効率を低下させる原因となる場合がある。また、長期間使用の際には、EVA樹脂組成物の分解ガス(酢酸ガス)またはEVA樹脂自体が有する酢酸ビニル基が、光電変換層に悪影響を与えて発電効率が低下させる場合がある。そこで、封止材としては、EVAフィルムの他に、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体のフィルムを用いることもできる。この共重合体としては、例えば、下記成分1および成分2が配合された熱可塑性樹脂組成物が挙げられる。
・成分1:プロピレン系重合体が、通常0重量部以上、好ましくは10重量部以上であり、また、通常70重量部以下、好ましくは50重量部以下。
・成分2:軟質プロピレン系共重合体が、30重量部以上、好ましくは50重量部以上であり、また、通常100重量部以下、好ましくは90重量部以下。
なお、成分1および成分2の合計量は100重量部である。上記のように、成分1および成分2が好ましい範囲にあると、封止材のシートへの成形性が良好であるとともに、得られる封止材の耐熱性、透明性および柔軟性が良好となり、太陽電池モジュールに好適である。
以下、成分1及び成分2について詳しく説明する。
〔成分1〕
成分1はプロピレン系重合体であり、例えば、プロピレン単独重合体;プロピレンと、少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとの共重合体;などが挙げられる。ここで、プロピレン以外の炭素原子数が2〜20のα−オレフィンとしては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセンなどが挙げられる。中でも、エチレンまたは炭素原子数が4〜10のα−オレフィンが好ましい。なお、α−オレフィンは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
これらのα−オレフィンは、プロピレンとランダム共重合体を形成してもよく、ブロック共重合体を形成してもよい。これらのα−オレフィンから導かれる構成単位の存在割合は、ポリプロピレン中に通常35モル%以下、好ましくは30モル%以下である。
成分1は、ASTM D 1238に準拠して230℃、荷重2.16kgで測定され
るメルトフローレート(MFR)が、通常0.01g/10分以上、好ましくは0.05g/10分以上であり、通常1000g/10分以下、好ましくは100g/10分以下である。
成分1の示差走査熱量計で観測される融点は、通常100℃以上、好ましくは110℃以上であり、また、通常160℃以下、好ましくは150℃以下である。
成分1はアイソタクチック構造、シンジオタクチック構造のどちらも用いることができるが、アイソタクチック構造の方が耐熱性などの点で好ましい。
また、成分1としては必要に応じて複数のプロピレン系重合体を併用することができ、例えば融点や剛性の異なる2種類以上の成分を用いることもできる。
〔成分2〕
成分2は軟質プロピレン系共重合体であり、例えば、プロピレンと、少なくとも1種のプロピレン以外の炭素原子数2〜20のα−オレフィンとの共重合体などが挙げられる。
また、成分2は、ショアーA硬度が、通常30以上、好ましくは35以上であり、また、通常80以下、好ましくは70以下である。
さらに、成分2の示差走査熱量計DSCで観測される融点は、100℃未満か、または融点が観測されない。ここで、融点が観測されないとは、−150〜200℃の範囲において、結晶融解熱量が1J/g以上の結晶融解ピークが観測されないことをいう。
成分2において、コモノマーとして用いられるα−オレフィンとしては、例えば、エチレン及び/又は炭素数4〜20のα−オレフィンが好ましい。なお、α−オレフィンは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
成分2は、プロピレン由来の単位を通常45モル%以上、好ましくは56モル%以上、また、通常92モル%以下、好ましくは90モル%以下含み、コモノマーとして用いられるα−オレフィン由来の単位を通常8モル%以上、好ましくは10モル%以上、また、通常55モル%以下、好ましくは44モル%以下含む。
成分2は、ASTM D 1238に準拠して、230℃、荷重2.16kgで測定されるメルトフローレート(MFR)が、通常0.01g/10分以上、好ましくは0.05g/10分以上であり、また、通常100g/10分以下、好ましくは50g/10分以下である。
成分2は、JIS K6301に準拠して、JIS3号ダンベルを用い、スパン間:30mm、引っ張り速度:30mm/minで、23℃にて測定した、100%歪での応力(M100)が、通常4MPa以下、好ましくは3MPa以下、更に好ましくは2MPa以下である。軟質プロピレン系共重合体がこのような範囲にあると柔軟性、透明性、ゴム弾性に優れる。
成分2は、X線回折で測定した結晶化度が、通常20%以下、好ましくは15%以下であり、また、通常0%以上である。
また、成分2は単一のガラス転移温度Tgを有し、かつ示差走査熱量計(DSC)によって測定したガラス転移温度Tgが、通常−10℃以下、好ましくは−15℃以下の範囲にあることが望ましい。成分2のガラス転移温度Tgが前記範囲内にあると、耐寒性、低温特性に優れる。
成分2のGPCにより測定した分子量分布(Mw/Mn、ポリスチレン換算、Mw:重量平均分子量、Mn:数平均分子量)は、4.0以下であることが好ましく、より好ましくは3.0以下、さらに好ましくは2.5以下である。
成分2の好ましい具体例として、以下のプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合
体を挙げることができる。このようなプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体を用いることで、柔軟性、耐熱性、機械強度、太陽電池封止性および透明性が良好な封止材が得られる。ここで、太陽電池封止性とは、良好な柔軟性により、光電変換層を充填する際のセルの割れ率を低減できることをいう。
プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体としては、プロピレン由来の構成単位を通常45モル%以上、好ましくは56モル%以上、より好ましくは61モル%以上、また、通常92モル%以下、好ましくは90モル%以下、より好ましくは86モル%以下含み、さらにエチレン由来の構成単位を通常5モル%以上、好ましくは8モル%以上、また、通常25モル%以下、好ましくは14モル%以下、より好ましくは14モル%以下含み、炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を通常3モル%以上、好ましくは5モル%以上、より好ましくは6モル%以上、また、通常30モル%以下、好ましくは25モル%以下含むものが好ましい。α−オレフィンに関しては、1−ブテンが特に好ましい。
プロピレン由来の構成単位、エチレン由来の構成単位、および炭素数4〜20のα−オレフィン由来の構成単位を上記の量で含有するプロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体(成分2)は、プロピレン系重合体(成分1)との相溶性が良好となり、得られる封止材は、充分な透明性、柔軟性、耐熱性および耐傷付性を発揮する。
上記の成分1および成分2が配合された熱可塑性樹脂組成物は、メルトフローレート(ASTM D 1238、230度、荷重2.16kg)が、通常0.0001g/10分以上であり、また、通常1000g/10分以下、好ましくは900g/10分以下、より好ましくは800g/10分以下である。
成分1および成分2が配合された熱可塑性樹脂組成物の融点は、通常100℃以上、好ましくは110℃以上である。また通常140℃以下、好ましくは135℃以下である。
また成分1および成分2が配合された熱可塑性樹脂組成物の密度は、0.98g/cm3以下が好ましく、0.95g/cm3以下がより好ましく、0.94g/cm3以下がさ
らに好ましい。
この封止材においては、上記成分1および成分2に、プラスチックなどに対する接着促進剤としてカップリング剤を配合することが可能である。カップリング剤は、シラン系、チタネート系、クロム系の各カップリング剤が好ましく用いられ、特にシラン系のカップリング剤(シランカップリング剤)が好適に用いられる。
上記シランカップリング剤としては公知のものが使用でき、特に制限はないが、例えば、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリス(β−メトキシーエトキシシラン)、γ−グリシドキシプロピルートリピルトリーメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。なお、カップリング剤は1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
また、これらは熱可塑性樹脂組成物(成分1および成分2の合計量)100重量部に対して、上記シランカップリング剤を通常0.1重量部以上、また、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下含むことが望ましい。
また、上記カップリング剤は、有機過酸化物を用いて、当該熱可塑性樹脂組成物にグラフト反応させてもよい。この場合、熱可塑性樹脂組成物(成分1および成分2の合計量)100重量部に対して、上記カップリング剤を0.1〜5重量部含むことが望ましい。シラングラフト化された熱可塑性樹脂組成物を用いても、ガラス、プラスチックに対して、シランカップリング剤ブレンドと同等以上の接着性が得られる。
有機過酸化物を用いる場合、有機過酸化物は、熱可塑性樹脂組成物(成分1および成分2の合計量)100重量部に対して、通常0.001重量部以上、好ましくは0.01重
量部以上、また、通常5重量部以下、好ましくは3重量部以下である。
有機過酸化物としては公知のものが使用でき、特に制限はないが、例えば、ジラウロイルパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジベンゾイルパーオキサイド、t−アミルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、などが挙げられる。なお、有機過酸化物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、封止材としてエチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体を用いることもできる。この共重合体としては、下記に示す成分Aおよび成分Bからなる封止材用樹脂組成物と基材とを積層してなる、ホットタック性が5〜25℃のラミネートフィルムが例示される。
・成分A:エチレン系樹脂。
・成分B:以下の(a)〜(d)の性状を有するエチレンとα−オレフィンとの共重合体。
(a)密度が0.86〜0.935g/cm3
(b)メルトフローレート(MFR)が1〜50g/10分。
(c)温度上昇溶離分別(TREF)によって得られる溶出曲線のピークが1つであり;該ピーク温度が100℃以下である。
(d)温度上昇溶離分別(TREF)による積分溶出量が、90℃のとき90%以上である。
(A)成分A(エチレン系樹脂)
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしてのエチレン系樹脂の例としては、いわゆるラジカル重合法で製造される高圧法低密度ポリエチレン、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・フッ化ビニル共重合体などが挙げられる。また、イオン重合法で製造される、いわゆる線状低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどエチレンを主成分とする重合体または共重合体も挙げられる。中でも好ましくは、エチレン・酢酸ビニル共重合体、高圧法低密度ポリエチレンである。なお、これらは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしてのエチレン系樹脂がエチレン・酢酸ビニル共重合体である場合、下記の性状を有するものが好適である。
(i)メルトフローレート(MFR)
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしてのエチレン・酢酸ビニル共重合体のJIS
K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、通常1g/10分以上、好ましくは2g/10分以上、より好ましくは3g/10分以上であり、また、通常50g/10分以下、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下である。MFRを高くすることで、成分Bとブレンドした際の透明性が高まる傾向があり、MFRを低くする事で、成形が容易となる傾向がある。
(ii)酢酸ビニル含量
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしてのエチレン・酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含量は、通常3重量%以上、好ましくは4重量%以上、より好ましくは5重量%以上であり、また、通常30重量%以下、好ましくは20重量%以下、より好ましくは15重量%以下である。酢酸ビニル含量を多くすることでヒートシール性が高まる傾向にあり、酢酸ビニル含量を少なくすることで封止材のべたつきを抑えることができる。
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしてのエチレン系樹脂が高圧法低密度ポリエチ
レンである場合は、下記の性状を有するものが好適である。
(i)メルトフローレート(MFR)
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしての高圧法低密度ポリエチレンのJIS K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、通常1g/10分以上、好ましくは2g/10分以上、より好ましくは3g/10分以上であり、また、通常50g/10分以下、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下である。MFRを高くすることで押出が容易となる傾向にあり、MFRを低くすることで柔らかくなりすぎず垂れなどが起こりにくく成形性が高まる。
(ii)密度
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしての高圧法低密度ポリエチレンのJIS K7112による密度は、通常0.915g/cm3以上、好ましくは0.916g/cm3以上、より好ましくは0.917g/cm3以上であり、また、通常0.93g/cm3以下、好ましくは0.925g/cm3以下、より好ましくは0.923g/cm3以下である。密度を高くすることで封止材のべたつきが抑制される傾向にあり、密度を低くすることでヒートシール性が高まる傾向にある。
封止材用樹脂組成物を構成する成分Aとしての高圧法低密度ポリエチレンは、市販品の中から上記物性を示すものを適宜選択して使用することが出来る。
(B)成分B(エチレン・α−オレフィン共重合体)
封止材用樹脂組成物を構成する成分Bは、上記成分A以外のエチレン・α−オレフィン共重合体である。成分Bは、下記の性状を有するものが好ましい。
(i)密度
封止材用樹脂組成物を構成する成分Bとしてのエチレン・α−オレフィン共重合体のJlS K7112による密度は、通常0.86g/cm3以上、好ましくは0.87g/
cm3以上、より好ましくは0.88g/cm3以上であり、また、通常0.935g/cm3以下、好ましくは0.915g/cm3以下、より好ましくは0.91g/cm3以下
である。密度を高くすることでフィルムとしたときのべたつきが抑制される傾向にあり、密度を低くすることでヒートシール性が高まる傾向にある。
(ii)メルトフローレート(MFR)
封止材用樹脂組成物を構成する成分Bとしてのエチレン・α−オレフィン共重合体のJlS K7210によるMFR(メルトフローレート:Melt Flow rate:溶融流量)は、通常1g/10分以上、好ましくは2g/10分以上、より好ましくは3g/10分以上であり、また、通常50g/10分以下、好ましくは30g/10分以下、より好ましくは20g/10分以下である。MFRを高くすることで押出が容易となる傾向にあり、MFRを低くすることで柔らかくなりすぎず垂れなどが起こりにくく成形性が高まる。
ここでα−オレフィンとしては、炭素数4〜40のα−オレフィンが好ましい。中でも、α−オレフィンの中でも、炭素数が通常4以上、好ましくは6以上であり、通常12以下、好ましくは10以下のものが望ましい。その例を挙げると、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−へプテン、4−メチルペンテン−1、4−メチルヘキセン−1、4,4−ジメチルペンテン−1等が挙げられる。なお、α−オレフィンは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用しても良い。
α−オレフィンとエチレンとの比率は、α−オレフィンを通常2重量%以上、好ましく
は5重量%以上、より好ましくは10重量%以上、また、通常60重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは30重量%以下とし、エチレンを通常40重量%以上、好ましくは50重量%以上、より好ましくは70重量%以上、また、通常98重量%以下、好ましくは95重量%以下、より好ましくは90重量%以下とすることが望ましい。
成分Aと成分Bとの配合割合(成分A/成分B)は、重量比で、通常50/50以上、好ましくは55/45以上、より好ましくは60/40以上であり、また、通常99/1以下、好ましくは90/10以下、より好ましくは85/15以下である。成分Bの配合量を多くすることで透明性やヒートシール性が高まる傾向にあり、成分Bの配合量を少なくすることでフィルムの作業性が高まる傾向にある。
成分Aと成分Bを配合して生成される封止材用樹脂組成物のメルトフローレート(MFR)は、通常2g/10分以上、好ましくは3g/10分以上であり、通常50g/10分以下、好ましくは40g/10分以下である。なおMFRの測定と評価は、JIS K7210(190℃、2.16kg荷重)に準拠する方法によって実施することができる。
封止材用樹脂組成物の融点は、好ましくは50℃以上、より好ましくは55℃以上であり、また、通常300℃以下、好ましくは250℃以下、さらに好ましくは200℃以下である。融点を高くすることで太陽電池モジュールの使用時に融解・劣化する可能性を低減できる。
封止材用樹脂組成物の密度は、0.80g/cm3以上が好ましく、0.85g/cm3以上がより好ましく、また、0.98g/cm3以下が好ましく、0.95g/cm3以下がより好ましく、0.94g/cm3以下がさらに好ましい。なお、密度の測定と評価は
、JIS K7112に準拠する方法によって実施することができる。
さらに、エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた封止材において、前記プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体を用いた場合と同様に、カップリング剤を用いることが可能である。
上述した封止材は、材料由来の分解ガスを発生することがないため、光電変換層への悪影響がなく、良好な耐熱性、機械強度、柔軟性(太陽電池封止性)および透明性を有する。また、材料の架橋工程を必要としないため、シート成形時および太陽電池モジュールの製造時間が大きく短縮できるとともに、使用後の太陽電池モジュールのリサイクルも容易となる。
なお、封止材は1種の材料で形成されていてもよく、2種以上の材料で形成されていても良い。また、封止材は単層フィルムにより形成されていても良いが、2層以上のフィルムを備えた積層フィルムであってもよい。
本発明では、上記の通り、封止材の材料としてエチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン・エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体、エチレン・α−オレフィン共重合体からなる共重合体を好ましく例示したが、これらを封止材の材料として用いることで、本発明の効果をよりよく得ることができる。
これらの材料は、市販のものを使用してよく、具体例としては、シーアイ化成(株)製の熱硬化性EVA封止材、弘進ゴム(株)製の熱可塑性EVA封止材、Hanwha L&C社製の熱硬化性EVA封止材、大日本印刷(株)製の変成ポリオレフィン封止材、三菱樹脂(株)製の変成ポリオレフィン封止材(プロセリア(登録商標))、などが挙げられる。
封止材を設ける位置に制限は無いが、通常は光電変換層を挟み込むように設ける。光電変換層を確実に保護するためである。本実施形態では、光電変換層の正面及び背面にそれぞれ封止材を設けるようにしている。そして、封止材により光電変換層が封止されてなる
層を本発明では封止層とする。
封止層の厚みは、光電変換層を含んだ状態で通常100μm以上、好ましくは150μm以上、より好ましくは200μm以上であり、また、通常5000μm以下、好ましくは3000μm以下、より好ましくは1500μm以下である。
厚みを厚くすることで機械的強度が高まる傾向にあり、また光電変換層と基材との絶縁性を確保できる。薄くすることで柔軟性が高まりまた光線透過率が高まる傾向にある。
<絶縁層>
本発明の太陽電池モジュールの絶縁層について説明する。
本発明の太陽電池モジュールには、必要に応じて、絶縁層を更に設けてもよい。絶縁層に使用される材料としては、電気を通しにくい材質であれば特段限定されない。このような絶縁層を設けることで、光電変換層で生じた電気が、集電線以外から外部に抜けることを防止することができるため、太陽電池の発電効率が向上する。
絶縁層の材料としては、例えばETFE(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体)などのフッ素系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)などを用いることができる。
なお、絶縁層の配置位置は特段限定されないが、裏面保護層と光電変換層の間の絶縁性確保、耐電圧性向上の観点から、光電変換層と裏面保護層の間に配置するのが好ましい。
絶縁層の厚さは、特段限定されないが、通常0.01mm以上、好ましくは0.02mm以上であり、より好ましくは0.05mm以上である。一方上限は、通常1.0mm以下であり、好ましくは0.5mm以下であり、より好ましくは0.2mm以下である。薄すぎると絶縁性が低下し、厚すぎると太陽電池モジュールの重量増が無視できなくなる。
<その他の層>
これらの層以外にも、ガスバリア層、紫外線カット層など公知の機能層を積層してもよい。
また、端部保護やモジュールの補強を目的として、アルミ製などのフーレム類、ブチルゴム等の目止め処理、テーピングなどを施すことができる。
<太陽電池モジュール>
上記の層構成を有する太陽電池モジュール全体としての形状は特に限定されないが、通常は平板、若しくは1軸ないし2軸方向で受光面側に凸に歪曲しているものが好ましい。受光面側に凸に湾曲することにより、太陽電池モジュールを受光面を真上に向けた場合でも、雨水や塵、土砂、葉などが堆積、沈着しにくい(防汚効果)。また、太陽電池モジュールの周辺部の一部あるいは全部をレール等で固定し、周辺部以外が宙に浮いたように車両等に固定する場合、上下動に対する剛性が増すため、太陽電池モジュールを損傷しにくい(耐震効果)。更に、高温下、自重で徐々に変形を来すクリープ現象の抑制効果もある(形状保持効果)。
受光面側に凸とは、25℃、大気圧下、相対湿度20〜80%の環境下で、太陽電池モジュールが受光面側に凸に一軸または二軸に湾曲していることを差す。
凸形状として湾曲方向に制限はないが、通常、受光面側最表面の曲率半径は3,000〜100,000mmであり、好ましくは5,000〜80,000mmであり、より好ましくは8,000〜50,000mm、最も好ましくは10,000〜30,000mmである。
曲率半径が100,000mmを超えると、受光面側を凸にすることによる防汚効果、耐震効果、形状保持効果が得られにくい一方、曲率半径が3,000未満であると、湾曲
が大きすぎて成形時に表面保護層、光電変換層を損傷したり、使用中の温度変化に伴うひずみ応力で内部剥離(デラミネーション)を起こしやすい。また、モジュール搭載に伴う車高増加分が大きくなりすぎるため、車高制限や空力低下などの観点で車両用途としては好ましくない。
但し、本発明の曲率半径とは、平板上にモジュールを受光面側を上にしておいたとき、フレーム部を除くモジュール受光面の凸形状頂点(通常は中央付近にある最も高い点)と最も低い点(通常は周縁部付近)の高低差を求め、これを矢高とし、モジュールの長手側寸法を弧長とし、モジュールの湾曲を円弧に近似することで求まる概算の曲率半径を差す。
湾曲した太陽電池モジュールを得る方法としては特に限定されないが、例えば、平らな熱板上で平板状に形成した太陽電池モジュールを後加工で湾曲させる方法、曲面状の熱板上で曲面状に形成する方法、曲面状の表面保護層、曲面状の裏面保護層を用いて真空ラミネーションする方法などが挙げられる。
また、表面保護層と裏面保護層の熱膨張率差を利用することで、通常のフラットラミネーターを用いて、受光面側に凸の太陽電池モジュールを形成する方法が好ましく例示できる。具体的には、表面保護層の材質のガラスの熱膨張係数(αF)を−10〜20ppm/K(好ましくは0〜10ppm/K)、裏面保護層である金属板の熱膨張係数(αB)を0〜40ppm/K(好ましくは5〜25ppm/K)とし、(αB−αF)を1〜30ppm/K(好ましくは5〜20ppm/K)となるように組み合せる。これらを含め、表面保護層、封止層、光電変換層、封止層、裏面保護層の順に積層したものを、フラットな真空ラミネーターに投入し、加熱温度100℃以上(好ましくは120℃以上)で減圧下、大気加圧して一体化させた後、室温まで冷却させると、表面保護層と裏面保護層との熱膨張率差、つまり、好ましくは、裏面保護層の熱膨張係数が表面保護層の熱膨張係数よりも大きくすることで、受光面側が凸の太陽電池モジュールを得ることができる。
<太陽電池モジュールの製造方法>
本発明の太陽電池モジュールの製造方法に関して説明する。
具体的な製法としては特に限定されないが、例えば、表面保護層と裏面保護層との間に1個又は2個以上の太陽電池素子を直列または並列接続した光電変換層を、封止材と共に一般的な真空ラミネート装置でラミネートすることで製造できる。この際、加熱温度は通常100℃以上、好ましくは120℃以上であり、通常170℃以下、好ましくは150℃以下である。また、加熱時間は通常5分以上、好ましくは10分以上であり、通常100分以下、好ましくは70分以下である。圧力は通常0.001MPa以上、好ましくは0.01MPa以上であり、通常0.2MPa以下、好ましくは0.1MPa以下である。圧力をこの範囲とすることで封止を確実に行い、かつ、端部からの封止材がはみ出しや過加圧による膜厚低減を抑え、寸法安定性を確保しうる。
また、各層のいずれかに、コロナ処理、プラズマ処理、オゾン処理、UV照射、電子線照射、火炎処理などの表面処理を施してもよい。
<太陽電池モジュールの設置方法>
本発明の太陽電池モジュールは、特に制限なく、任意の用途に任意の方法で設置が可能であるが、剛性、軽量性に優れるため、車両用として用いるのに特に適しており、施工性、設置安定性の観点から、太陽電池モジュールを矩形状とし、その2〜4辺を任意の固定手段(例えば、太陽電池モジュール周辺部をアルミ製等のレールやフレームで加締めるなど。リベット打ちやクッション材、滑り止め防止用ゴムパッキン、粘着材、コーキング材なども使用可能)で車両に固定するとともに、太陽電池モジュール裏面は車両本体とは接しないように設置するのが好ましい。
裏面が車両本体と接しないことで、車両表面の凹凸や曲面形状に追従する必要性がなくなるという利点がある。尚、固定する辺は、互いに対抗する2辺を固定するのが振動力学上、光電変換層のダメージが小さく、特に好ましいが、3辺固定、4辺固定でも可能である。また、振動を受けた際に車両本体と裏面が接触しあう可能性がある場合には、裏面と車両本体との間にクッション材を設置することも可能である。
本発明を実施例によって更に具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例の記載に限定されるものではない。
各実施例、比較例で得られた太陽電池モジュールについての評価結果を表−1にまとめた。なお、表−1の太陽電池モジュールの評価方法は以下の通りである。
[温度サイクル試験]
太陽電池モジュールを、-40〜80℃を8時間サイクルで96または100回昇降温させ
た後、発電出力保持率が2%以上低下しなかったものを○、低下したものを×とした。
[走行試験]
20tトラックのコンテナ上面にリベットで固定された幅10mm、高さ10mmのレール上に、太陽電池モジュールの両方の長辺(890mm)を幅10mm分だけ乗るように固定し、このトラックを一般道での走行試験を実施した。走行前後での発電出力保持率が3%以上低下しなかったものを○、低下したものを×とした。
[重量]
太陽電池モジュールの1m2当たりの換算重量が5〜7kgのものを○、5kg未満のものを◎とした。
<実施例1>
本発明の実施例1に係る太陽電池モジュールは、図1に示した横断面図の層構成を有するものである。そして、実施例1に係る太陽電池モジュール(大きさ:縦680mm×横890mm)は、以下の構成・手順で製造されたものとなっている。
・破損防止層:厚さ0.1mmのETFEフィルム(100HK−DCS、旭硝子株式会社製

・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)・
表面保護層:厚さ0.4mm、縦850mm、横640mmのフロートガラスシート(FL0.4、旭硝
子株式会社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)・
光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(SH1900S3−D、Shinsun
g社製)5枚を、半田被覆銅線(幅1.3mm、厚さ0.2mm)3本で連結したものを4列に並べて半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に20直列になるように接続したもの(図2参照)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)・
絶縁層:厚さ0.188mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(T103E18
8、三菱樹脂株式会社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)・
裏面保護層:樹脂層としての厚さ1.7mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての厚
さ0.15mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 215PE、三菱樹脂株式会社製、厚さ2mm)
これらを重ね合わせ積層体とし、NPC社製真空ラミネータを使用し、130℃で熱ラミネート(真空度:80Pa、真空時間:10分、加圧:100kPa、加熱保持時間:
60分)して太陽電池モジュール1を作製した。
太陽電池モジュール1は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径6,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。温度サイクル試験、走行試験、重量の結果を表−1に示す。
<実施例2>
実施例1の封止材に、厚さ0.4mmのポリオレフィンフィルム(Z74、大日本印刷株式
会社製)を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュール2を作製した。太陽電池モジュール2は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径10,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。温度サイクル試験、重量の結果を表−1に示す。
<比較例1>
表面保護層に厚さ0.188mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(T103
E188、三菱樹脂株式会社製)を用いた以外、実施例1と同様にして太陽電池モジュール3を作成した。
太陽電池モジュール3は、水平面上に受光面を下向きにして静置したとき、上に凸に湾曲しておらず、平板状であった。温度サイクル試験、走行試験、重量の結果を表−1に示す。
<実施例3>
受光面側から順に、以下に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュール4を作製した。
・破損防止層:厚さ0.1mmのETFEフィルム(100HK−DCS、旭硝子株式会社製

・封止材:厚さ0.4mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)を
2枚
・表面保護層:厚さ0.4mm、縦850mm、横640mmのフロートガラスシート(FL0.4、旭
硝子株式会社製)
・封止材:厚さ0.4mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)5枚
を、半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本で連結したものを4列に並べて半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に20直列になるように接続したもの(図2参照)
・封止材:厚さ0.4mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.4mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:樹脂層としての厚さ1.6mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての
厚さ0.2mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 202PE、三
菱樹脂株式会社製、厚さ2mm)
太陽電池モジュール4は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径12,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。温度サイクル試験、走行試験、重量の結果を表−1に示す。
<実施例4>
実施例4に係る太陽電池モジュール(大きさ:縦200mm×横300mm)は、以下の構成・手順で製造されたものとなっている。
・破損防止層:厚さ0.1mmのETFEフィルム(100HK−DCS、旭硝子株式会社製

・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・表面保護層:厚さ0.2mmの強化ガラスシート(iPad Air用 GLASS-M Nano Slim - 0.2mm
、Rees Store製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)1枚
の両面バスバーに、それぞれ半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本を半田付けし、各2本ごとに半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に集約したもの。
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:樹脂層としての厚さ0.76mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての厚さ0.12mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 112PE、三菱樹脂株式会社製、厚さ1mm)
これらを重ね合わせ積層体とし、NPC社製真空ラミネータを使用し、130℃で熱ラミネート(真空度:80Pa、真空時間:10分、加圧:100kPa、加熱保持時間:60分)して太陽電池モジュール4を作製した。
太陽電池モジュール4は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径3,700mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。重量の結果を表−1に示す。
<実施例5>
受光面側から順に、以下に示す材料を用いた以外は実施例4と同様にして太陽電池モジュール5を作製した。
・破損防止層:厚さ0.1mmのETFEフィルム(100HK−DCS、旭硝子株式会社製

・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・表面保護層:厚さ0.33mmの強化ガラスシート(iPad Air用 GLASS-M 0.33mm、イデアル
・ジャパン社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)1枚
の両面バスバーに、それぞれ半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本を半田付けし、各2本ごとに半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に集約したもの・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:樹脂層としての厚さ1.6mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての
厚さ0. 2mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 202PE、三菱樹脂株式会社製、厚さ1mm)
太陽電池モジュール5は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径20,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。重量の結果を表−1に示す。
<実施例6>
実施例6に係る太陽電池モジュール(大きさ:縦200mm×横400mm)は、以下の構成・手順で製造されたものとなっている。
・表面保護層:厚さ0.4mm、縦180mm、横380mmのフロートガラスシート(FL0.4、旭
硝子株式会社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)2枚
を、半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本で連結し、両端の各2本を半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に集約したもの
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:樹脂層としての厚さ1.6mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての
厚さ0. 2mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 202PE、三菱樹脂株式会社製、厚さ1mm)
これらを重ね合わせ積層体とし、NPC社製真空ラミネータを使用し、130℃で熱ラミネート(真空度:80Pa、真空時間:10分、加圧:100kPa、加熱保持時間:60分)して太陽電池モジュール6を作製した。
太陽電池モジュール6は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径6,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。重量の結果を表−1に示す。
<実施例7>
受光面側から順に、以下に示す材料を用いた以外は実施例4と同様にして太陽電池モジュール7を作製した。
・表面保護層:厚さ0.2mmの強化ガラスシート(iPad Air用 GLASS-M Nano Slim - 0.2mm
、Rees Store製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)1枚
の両面バスバーに、それぞれ半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本を半田付けし、各2本ごとに半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に集約したもの・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:樹脂層としての厚さ1.7mmのポリエチレン樹脂シートを、金属層としての
厚さ0.15mmのアルミ板2枚で挟んだ金属−樹脂複合板(ALPOLIC 215PE、三菱樹脂株式会社製、厚さ2mm)
太陽電池モジュール7は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径20,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。
<実施例8>
表面保護層に厚さ0.33mmの強化ガラスシート(iPad Air用 GLASS-M 0.33mm、イデアル
・ジャパン社製)を用いた以外は実施例7と同様にして太陽電池モジュール8を作製した。
太陽電池モジュール9は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径20,000mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。
<比較例2>
比較例2に係る太陽電池モジュール(大きさ:縦200mm×横400mm)は、以下の構成・手順で製造されたものとなっている。
・破損防止層:厚さ0.1mmのETFEフィルム(100HK−DCS、旭硝子株式会社製

・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・表面保護層:厚さ0.4mm、縦180mm、横380mmのフロートガラスシート(FL0.4、旭
硝子株式会社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(TSS62TN、TSEC社製)2枚
を、半田被覆銅線(幅2mm、厚さ0.2mm)2本で連結し、両端の各2本を半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に集約したもの
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:アルミ板(厚さ0.5mm)
これらを重ね合わせ積層体とし、NPC社製真空ラミネータを使用し、130℃で熱ラミネート(真空度:80Pa、真空時間:10分、加圧:100kPa、加熱保持時間:60分)して太陽電池モジュール10を作製した。
太陽電池モジュール10は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径1,900mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。重量の結果を表−1に示す。
<比較例3>
受光面側から順に、以下に示す材料を用いた以外は実施例1と同様にして太陽電池モジュール11を作製した。
・表面保護層:厚さ0.7mm、縦850mm、横640mmのフロートガラスシート(FL0.7、旭
硝子株式会社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・光電変換層:厚さ0.2mmの単結晶シリコンセル(SH1990S3−D、Shinsu
ng社製)5枚を、半田被覆銅線(幅1.3mm、厚さ0.2mm)3本で連結したものを4列に並べて半田被覆銅線(幅5mm、厚さ0.18mm)で電気的に20直列になるように接続したもの(図2参照)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・絶縁層:厚さ0.125mmのポリエチレンテレフタレート(PET)シート(シャインビー
ムQ1C15、東洋紡社製)
・封止材:厚さ0.3mmのEVAフィルム(超速硬化タイプ、シーアイ化成株式会社製)
・裏面保護層:厚さ1.0mmのアルミ板
太陽電池モジュール11は、水平面上に受光面を上向きにして静置したとき、曲率半径2,700mmで受光面側に凸に湾曲した形状であった。
実施例1,3及び比較例1を対比すると、本発明による太陽電池モジュールは車輌に搭載した場合の走行性能に悪影響を及ぼすこともなく、また、走行中のストレス(振動、衝撃など)に対しても優れた耐久性を有していることがわかる。
また、表面に非常に薄いガラスを用いても、裏面を金属複合板とすることで、軽量で振動に強く、かつ形状変形の小さい太陽電池モジュールを得られることが確認された。
本発明によれば、外壁用、外装バックパネル用、屋根用等の建材や、車両(自動車、鉄道)、船舶、飛行機、宇宙機等の構成要素として使用できる太陽電池モジュールを得ることが出来る。本発明による太陽電池モジュールは、高剛性で、振動に強く、軽量であるため、特に、車両用途に好適である。
1 表面保護層
2 裏面保護層
3 光電変換層
4 絶縁層
5 破損防止層
6 封止材による層

Claims (6)

  1. 太陽光受光面側から順に、厚さ0.05〜0.5mmであり、且つ材質がガラスである表面保護層、光電変換層及び裏面保護層が積層されてなる太陽電池モジュールであって、該裏面保護層が、厚さ0.05〜1.5mmの金属板を2枚以上有し、且つ該金属板の間に厚さ0.5〜200mmの樹脂層を含む積層体である、太陽電池モジュール。
  2. 前記表面保護層の太陽光受光面側に、厚さ0.01〜2.0mmであって且つ材質が樹脂である破損防止層を更に有することを特徴とする請求項1に記載の太陽電池モジュール。
  3. 前記光電変換層と前記裏面保護層との間に、厚さ0.01〜1.0mmの絶縁層を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の太陽電池モジュール。
  4. 裏面保護層の熱膨張係数が表面保護層の熱膨張係数よりも大きいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  5. 受光面側に凸に湾曲する形状であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池モジュール。
  6. 前記請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池モジュールを有する車両用部材。
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JP2019003964A (ja) * 2017-06-09 2019-01-10 トヨタ自動車株式会社 太陽電池モジュール及びその製造方法
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