JPWO2017188185A1 - 加熱硬化型の硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、加水分解性シリル基を有する重合体を含有する加熱硬化型の硬化性組成物において、室温では長時間硬化せず、加熱すると直ぐに硬化し、加熱工程を経ても、硬化物に膨れが起こらない加熱硬化型の硬化性組成物を提供することを目的とする。
加水分解性シリル基、特にトリエトキシシリル基、を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)、4価のモノアルキル錫(B)、を含有する加熱硬化型の硬化性組成物によって達成される。

Description

本発明は、加水分解性シリル基を有する重合体を含む加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
加水分解性シリル基を有する重合体は、湿分反応性ポリマーとして知られており、接着剤、シーリング材、コーティング材、塗料、粘着剤等の多くの工業製品に含まれ、幅広い分野で利用されている。
加水分解性シリル基の種類としては、メチルジメトキシシリル基、またはトリメトキシシリル基が主に使用されてきた。メチルジメトキシシリル基を有する有機重合体は、硬化触媒がない状況下では水分と共存してもシリル基が反応せず長期的に安定であり、硬化触媒を混合するとその時点から硬化反応が進むという望ましい挙動を示すためである。また、トリメトキシシリル基はメチルジメトキシシリル基に比べて活性が高い官能基であるため、速硬化が必要な用途に適している。
しかし、工業用途では、接着剤で基材を貼り合わせた後や基材の隙間を埋めるためにシーリング材を塗布した後、直ぐに、あるいは硬化後に加熱硬化型の塗料を塗布して基材を加熱する場合がある。この場合、加水分解性シリル基を有する重合体を含有する硬化性組成物は、加熱時に硬化物の中に気泡が発生して膨れが生じることがあった。
一方、加水分解性シリル基を有する重合体を加熱硬化型として使用することも知られており、触媒としてはモノアルキル錫化合物が用いられている(特許文献1、2)。この場合、加水分解性シリル基として活性の高いトリメトキシシリル基を使用すると、室温で硬化することも知られている(特許文献3)。
さらに、加水分解性シリル基を有する重合体と酸化カルシウムを用いた湿分硬化性組成物は知られており(特許文献4〜6)、加熱硬化型の樹脂の発泡を押さえるために、酸化カルシウムを用いることも知られている(特許文献7〜9)。
特開2001−31870号公報 特開2006−321938号公報 特開2003−41115号公報 特開2011−127007号公報 特開2000−38502号公報 特開2003−55547号公報 特開2000−198906号公報 特開2010−132732号公報 特開平06−16891号公報
本発明は、加水分解性シリル基を有する重合体を含有する加熱硬化型の硬化性組成物において、室温では長時間硬化せず、加熱すると直ぐに硬化し、加熱工程を経ても、硬化物に膨れが起こらない加熱硬化型の硬化性組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記問題を解決するために鋭意検討した結果、以下の発明を完成させた。
すなわち本発明は、
(I)一般式(1)に示す加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部、
−Si(OR (1)
(Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6の炭化水素基を表す。)
4価のモノアルキル錫(B)0.5〜6重量部、を含有する加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(II)さらに酸化カルシウム(C)5〜200重量部を含む(I)に記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(III)4価のモノアルキル錫(B)が3〜5重量部である(I)または(II)に記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(IV)4価のモノアルキル錫(B)が0.5〜3重量部である(I)または(II)に記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(V)4価のモノアルキル錫(B)がモノブチル錫カルボン酸塩である(I)〜(IV)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(VI)一般式(1)のRがエチル基である(I)〜(V)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(VII)調製直後の硬化性組成物を、密閉された容器内で23℃で一週間保存した場合に硬化しない(I)〜(VI)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
(VIII)120℃以上で硬化する(I)〜(VII)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(IX)160℃以上で硬化する(I)〜(VII)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物に関する。
(X)(I)〜(VII)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物を120℃以上で加熱硬化させて得られる硬化物の製造方法に関する。
(XI)(I)〜(VII)のいずれかに記載の加熱硬化型の硬化性組成物を160℃以上で加熱硬化させて得られる硬化物の製造方法に関する。
本発明は、加水分解性シリル基を有する重合体を含有する加熱硬化型の硬化性組成物において、室温では長時間硬化せず、加熱すると直ぐに硬化し、加熱工程を経ても、硬化物に膨れが起こらない加熱硬化型の硬化性組成物を提供する。
本発明は、一般式(1)に示す加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部、
−Si(OR (1)
(Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6の炭化水素基を表す。)
4価のモノアルキル錫(B)0.5〜6重量部、を含有する加熱硬化型の硬化性組成物である。
以下、「加熱硬化型の硬化性組成物」について、単に「硬化性組成物」とも記す。また、「加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)」について、単に「ポリオキシアルキレン系重合体(A)」とも記す。
<ポリオキシアルキレン系重合体(A)>
硬化性組成物は、一般式(1)に示す加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する。
−Si(OR (1)
(Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6の炭化水素基を表す。)
は、炭素数2〜6の炭化水素基である。Rとしては、例えば、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基等を挙げることができ、好ましくは、エチル基、プロピル基、ブチル基、であり、より好ましくは、エチル基である。一般式(1)のRが炭素数2〜6の炭化水素基であることにより、硬化性組成物が常温での長期の安定性を有し、硬化性組成物が加熱された時の発泡が抑えられる。
aとしては、活性が高い点で0が好ましい。
加水分解性シリル基の具体例としては、トリエトキシシリル基、トリプロポキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリブチロキシシリル基、トリイソブチロキシシリル基、トリtert‐ブチロキシシリル基、等が挙げられるが、これらに限定されない。これらの中では、トリエトキシシリル基、がより高い活性を示し、良好な機械物性を有する硬化物が得られるため好ましい。安定性、安全性の観点から、トリエトキシシリル基がより好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)1分子中に含まれる、加水分解性シリル基の数は、平均して0.5個以上が好ましく、1.2個以上がより好ましく、1.5個以上がさらに好ましい。上限は、4個以下が好ましく、3個以下がより好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)が分岐鎖を有している場合は、シリル基の数は1.8〜3.0個が最も好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖構造は、直鎖状であってもよいし、分岐鎖を有していてもよい。分岐構造の方が、発泡を抑制できるため好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の主鎖は、−R−O−(式中、Rは炭素数1〜14の直鎖状もしくは分岐アルキレン基である)で示される繰り返し単位を有する重合体である。Rは炭素数2〜4の直鎖状もしくは分岐状アルキレン基がより好ましい。−R−O−で示される繰り返し単位の具体例としては、−CHO−、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CHC(CH)(CH)O−、−CHCHCHCHO−等が挙げられる。ポリオキシアルキレン系重合体の主鎖構造は、1種類だけの繰り返し単位からなってもよいし、2種類以上の繰り返し単位からなってもよい。特に硬化性組成物がシーラント、接着剤等に使用される場合には、主鎖が、オキシプロピレン繰り返し単位を重合体主鎖構造の50重量%以上、好ましくは80重量%以上有するポリオキシプロピレン系重合体からなるのが、非晶質であることや比較的低粘度である点から好ましく、ポリオキシプロピレンのみからなるポリオキシプロピレン系重合体からなるのがより好ましい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)は、上記した各種主鎖骨格のうち、いずれか1種の主鎖骨格を有していてもよく、異なる主鎖骨格を有する重合体の混合物であってもよい。また、別々に製造された複数の重合体を混合して混合物を製造してもよいし、任意の混合組成になるように同時に重合体を製造して混合物を得てもよい。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量としては、GPC測定で求められる数平均分子量を用いる。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、好ましくは3,000〜100,000であり、より好ましくは3,000〜50,000であり、特に好ましくは3,000〜30,000である。数平均分子量が3,000未満では、反応性ケイ素基の導入量が多くなり、製造コストの点で不都合になる場合がある。数平均分子量が100,000を超えると、高粘度となる為に作業性の点で不都合な傾向がある。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量としては、加水分解性シリル基導入前の有機重合体前駆体を、JIS K 1557の水酸基価の測定方法と、JIS K 0070に規定されたよう素価の測定方法の原理に基づいた滴定分析により、直接的に末端基濃度を測定し、有機重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた末端基換算分子量で示すことも出来る。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の数平均分子量は、GPC測定により求めた数平均分子量と有機重合体前駆体の末端基換算分子量の検量線を作成し、有機重合体前駆体の末端基換算分子量を加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)のGPCの数平均分子量に換算して求めることも可能である。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布(Mw/Mn)は特に限定されない。分子量分布は、狭いことが好ましい。具体的には分子量分布の値は、2.0未満が好ましく、1.6以下がより好ましく、1.5以下がさらに好ましく、1.4以下が特に好ましく、1.3以下が最も好ましい。ポリオキシアルキレン系重合体(A)の分子量分布はGPC測定により得られる数平均分子量と重量平均分子量とから求めることが出来る。
ポリオキシアルキレン系重合体(A)の好ましい合成方法としては、以下の(i)〜(iii)の方法が挙げられる。
(i)亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体等の複合金属シアン化物錯体触媒を用い、水酸基を有する開始剤にエポキシ化合物を重合させる方法によって水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を得る。得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体の水酸基を、炭素−炭素不飽和基に変換する。その後、シラン化合物をヒドロシリル化反応により付加させる。
(ii)(i)の方法と同様にして水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を得る。得られた水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体と、水酸基と反応する基および加水分解性シリル基の両方を有する化合物とを反応させる。
(iii)(i)の方法と同様にして水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体を得る。水酸基末端ポリオキシアルキレン系重合体と過剰のポリイソシアネート化合物を反応させて、末端にイソシアネート基を有する重合体を得た後、イソシアネート基と反応する基および加水分解性シリル基の両方を有する化合物を反応させる。
上記3つの方法のうち、反応が簡便で、加水分解性シリル基の導入量の調整や、得られる反応性ケイ素基含有重合体の物性が安定であるため、(i)の方法がより好ましい。
(i)、(ii)の方法で用いる水酸基を有する開始剤としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、低分子量のポリプロピレングリコール、ポリオキシプロピレントリオール、アリルアルコール、ポリプロピレンモノアリルエーテル、ポリプロピレンモノアルキルエーテル等の水酸基を1個以上有するものが挙げられる。
(i)、(ii)の方法で用いるエポキシ化合物としては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、等のアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、等のグリシジルエーテル類、等が挙げられる。このなかでもプロピレンオキサイドが好ましい。
(i)の方法で用いる炭素−炭素不飽和基としては、ビニル基、アリル基、メタリル基等が挙げられる。これらのなかでもアリル基が好ましい。
(i)の水酸基を炭素−炭素不飽和基に変換する方法としては、水酸基末端含有重合体に、アルカリ金属塩を作用させた後、炭素−炭素不飽和結合を有するハロゲン化炭化水素化合物を反応させる方法が好ましい。
(i)の方法で用いるハロゲン化炭化水素化合物としては、塩化ビニル、塩化アリル、塩化メタリル、臭化ビニル、臭化アリル、臭化メタリル、ヨウ化ビニル、ヨウ化アリル、ヨウ化メタリル等が挙げられる。ヒドロシラン化合物との反応性の観点から、塩化アリル、塩化メタリルが好ましい。
(i)の方法で用いるヒドロシラン化合物としては、トリエトキシシラン、ジエトキシメチルシラン、トリプロポキシシラン、ジプロポキシメチルシラン、(クロロメチル)ジエトキシシラン、(クロロメチル)ジプロポキシシラン、(メトキシメチル)ジエトキシシラン、(メトキシメチル)ジジプロポキシシラン、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジエトキシシラン、(N,N−ジエチルアミノメチル)ジプロポキシシラン、等が使用可能である。
(i)の方法で用いるヒドロシリル化反応は、各種触媒によって加速される。ヒドロシリル化触媒としては、コバルト、ニッケル、イリジウム、白金、パラジウム、ロジウム、ルテニウム等の各種錯体といった公知の触媒を用いればよい。例えば、アルミナ、シリカ、カーボンブラック等の担体に白金を担持させた触媒;塩化白金酸;塩化白金酸とアルコールやアルデヒドやケトン等とからなる塩化白金酸錯体;白金−オレフィン錯体[例えばPt(CH=CH(PPh)、Pt(CH=CHCl];白金−ビニルシロキサン錯体[Pt{(vinyl)MeSiOSiMe(vinyl)}、Pt{Me(vinyl)SiO}];白金−ホスフィン錯体[Ph(PPh、Pt(PBu];白金−ホスファイト錯体[Pt{P(OPh)]等を用いることができる。
(ii)の方法で使用できる水酸基と反応する基および加水分解性シリル基の両方を有する化合物としては、例えば3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、イソシアネートメチルトリエトキシシラン等のイソシアネートシラン類;3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプトシラン類;3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類等が使用可能である。
(iii)の方法で使用できるポリイソシアネート化合物としては、トルエン(トリレン)ジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等の芳香族系ポリイソシアネート;イソフォロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂肪族系ポリイソシアネート等を挙げることができる。
(iii)の方法で使用できるイソシアネート基と反応する基および加水分解性シリル基の両方を有する化合物としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−(N−フェニル)アミノプロピルトリエトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルトリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノメチルジエトキシメチルシラン、等のアミノ基含有シラン類;γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン等のヒドロキシ基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;等が挙げられる。
<4価のモノアルキル錫(B)>
硬化性組成物は、4価のモノアルキル錫(B)を含有する。
4価のモノアルキル錫(B)としては、具体的には、一般式(2)
SnR (2)
(式中、Rは、炭素数1〜20の置換または無置換のアルキル基を表す。Xは、同一または異なって、アルキル基以外の配位子を表す。)で表される化合物が挙げられる。
としてのアルキル基は鎖状または分枝状いずれでもよい。アルキル基の炭素数は、1〜10が好ましい。置換基としては、例えば、ハロゲン原子等が挙げられる。Rの具体例としては、メチル基、エチル基、ブチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられ、ブチル基、オクチル基が好ましく、ブチル基がより好ましい。
Xとしては、R以外のスズ原子に配位しうる配位子であれば特に限定されない。具体的には、炭素数1〜20(好ましくは炭素数1〜10)のカルボン酸残基、ジカルボン酸モノエステル残基、アルコキシシリケート基、ハロゲン基等が挙げられるが、カルボン酸残基がより好ましい。具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、ピバリン酸、オクタン酸、2−エチルヘキサン酸、ネオデカン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、オレイン酸等のカルボン酸残基;モノアルキルマレイン酸等のジカルボン酸モノエステル残基;トリメトキシシリケート基、トリエトキシシリケート基、トリプロポキシシリケート基、トリブトキシシリケート基、ジメトキシメチルシリケート基、メトキシジメチルシリケート基等のアルコキシシリケート基;が挙げられる。
一般式(2)においてXは3つ含まれるが、このうち2つまたは3つが互いに結合して、配位数が2または3の配位子を形成していてもよい。例えば、アセチルアセトンが挙げられる。
4価のモノアルキル錫(B)の具体例としては、モノメチル錫トリアセテート、モノメチル錫トリピバレート、モノメチル錫トリオクトエート、モノメチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)、モノメチル錫トリネオデカネート、モノメチル錫トリラウレート、モノメチル錫トリステアレート、モノブチル錫トリアセテート、モノブチル錫トリピバレート、モノブチル錫トリオクトエート、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)、モノブチル錫トリネオデカネート、モノブチル錫トリラウレート、モノブチル錫トリステアレート、モノオクチル錫トリアセテート、モノオクチル錫トリピバレート、モノオクチル錫トリオクトエート、モノオクチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)、モノオクチル錫トリネオデカネート、モノオクチル錫トリラウレート、モノオクチル錫トリステアレート、モノラウリル錫トリアセテート等のモノアルキル錫カルボン酸塩;モノオクチル錫トリス(ブチルマレート)、モノブチル錫トリス(ベンジルマレート)等のモノアルキル錫モノエステルマレート塩;モノブチル錫トリス(トリエトキシシリケート)、モノブチル錫トリス(ジメトキシメチルシリケート)、モノオクチル錫トリス(トリエトキシシリケート)等のモノアルキル錫アルコキシシリケート塩;モノメチル錫トリクロライド、モノブチル錫トリクロライド、モノオクチル錫トリクロライド等のモノアルキル錫ハロゲン化物、が挙げられる。
これらの中でモノアルキル錫カルボン酸塩がより好ましく、モノブチル錫カルボン酸塩がさらに好ましく、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)が最も好ましい。
4価のモノアルキル錫(B)は単独で使用してもよく、2種以上併用してもよい。
4価のモノアルキル錫(B)の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対し0.1〜10重量部であり、塗料密着性の点で1〜6重量部が好ましく、3〜5重量部がより好ましい。10重量部を超えると、室温での安定性が低下するため好ましくない。
また、貯蔵安定性を向上させる点で0.5〜6重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。0.5重量部未満であると、加熱硬化時に十分に硬化しなくなる場合がある。
<酸化カルシウム(C)>
硬化性組成物は、酸化カルシウム(C)を含むのが好ましい。酸化カルシウムは湿分で硬化する本発明においても硬化を遅延させることなく、加熱硬化時の発泡を抑えることができる。
酸化カルシウムは、特に限定されない。例えば、粗砕した石灰石を1000℃以上で焼成して得られる酸化カルシウム等を用いることができる。
酸化カルシウムの使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、5〜200重量部が好ましく、20〜100重量部がより好ましい。5重量部より少ないと発泡低減が難しくなり、200重量部より多いと、硬化物の物性が低下する。
<その他の添加剤>
硬化性組成物には、ポリオキシアルキレン系重合体(A)の他に添加剤として、(C)成分以外の充填剤、接着性付与剤、可塑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、を添加してもよい。また、ポリオキシアルキレン系以外の加水分解性シリル基を有する重合体を添加してもよい。重合体としてはアクリル系重合体、飽和炭化水素系重合体等が挙げられる。さらに、硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を添加してもよい。このような添加物の例としては、例えば、(B)成分以外のシラノール縮合触媒、溶剤、希釈剤、タレ防止剤、物性調整剤、粘着付与樹脂、光硬化性物質、酸素硬化性物質、表面性改良剤、エポキシ樹脂、その他の樹脂、難燃剤、硬化性調整剤、ラジカル禁止剤、金属不活性化剤、オゾン劣化防止剤、リン系過酸化物分解剤、滑剤、顔料、防かび剤等が挙げられる。
<(C)成分以外の充填剤>
硬化性組成物には、(C)成分以外の種々の充填剤を配合することができる。充填剤としては、重質炭酸カルシウム、膠質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、クレー、タルク、酸化チタン、ヒュームドシリカ、沈降性シリカ、結晶性シリカ、溶融シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸、カーボンブラック、酸化第二鉄、アルミニウム微粉末、酸化亜鉛、活性亜鉛華、PVC粉末、PMMA粉末、ガラス繊維、フィラメント、有機バルーン、無機バルーン等が挙げられる。
充填剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、1〜300重量部が好ましく、特に10〜250重量部が好ましい。
<接着性付与剤>
硬化性組成物には、接着性付与剤を添加することができる。
接着性付与剤としては、シランカップリング剤、シランカップリング剤の反応物を添加することができる。
シランカップリング剤の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−アミノエチル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、(2−アミノエチル)アミノメチルトリメトキシシラン等のアミノ基含有シラン類;γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルメチルジメトキシシラン、α−イソシアネートメチルトリメトキシシラン、α−イソシアネートメチルジメトキシメチルシラン等のイソシアネート基含有シラン類;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン等のメルカプト基含有シラン類;γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類、が挙げられる。
上記接着性付与剤は1種類のみで使用してもよいし、2種類以上混合使用してもよい。また、各種シランカップリング剤の反応物も使用できる。
シランカップリング剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、特に0.5〜10重量部が好ましい。
<可塑剤>
硬化性組成物には、可塑剤を添加することができる。可塑剤の具体例としては、ジブチルフタレート、ジイソノニルフタレート(DINP)、ジヘプチルフタレート、ジ(2−エチルヘキシル)フタレート、ジイソデシルフタレート(DIDP)、ブチルベンジルフタレート等のフタル酸エステル化合物;ビス(2−エチルヘキシル)−1,4−ベンゼンジカルボキシレート等のテレフタル酸エステル化合物;1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジイソノニルエステル等の非フタル酸エステル化合物;アジピン酸ジオクチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチル、コハク酸ジイソデシル、アセチルクエン酸トリブチル等の脂肪族多価カルボン酸エステル化合物;オレイン酸ブチル、アセチルリシノール酸メチル等の不飽和脂肪酸エステル化合物;アルキルスルホン酸フェニルエステル(具体的には、商品名:Mesamoll(LANXESS製));リン酸エステル化合物;トリメリット酸エステル化合物;塩素化パラフィン;アルキルジフェニル、部分水添ターフェニル等の炭化水素系油;プロセスオイル;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ系可塑剤;ビニル系重合体、ポリエステル系可塑剤、ポリエーテルポリオール等の高分子可塑剤、等を挙げることができる。
上記可塑剤の中でも、エポキシ系可塑剤が塗料密着性の点で好ましい。
可塑剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、5〜150重量部が好ましく、10〜120重量部がより好ましく、特に20〜100重量部が好ましい。5重量部未満では可塑剤としての効果が発現しなくなり、150重量部を超えると硬化物の機械強度が不足する。可塑剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
<酸化防止剤>
硬化性組成物には、酸化防止剤(老化防止剤)を使用することができる。酸化防止剤を使用すると硬化物の耐候性を高めることができる。酸化防止剤としてはヒンダードフェノール系、モノフェノール系、ビスフェノール系、ポリフェノール系が例示できる。酸化防止剤の具体例は特開平4−283259号公報や特開平9−194731号公報にも記載されている。
酸化防止剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜15重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
<光安定剤>
硬化性組成物には、光安定剤を使用することができる。光安定剤を使用すると硬化物の光酸化劣化を防止できる。光安定剤としてベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が例示できるが、特にヒンダードアミン系が好ましい。
光安定剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。
<紫外線吸収剤>
硬化性組成物には、紫外線吸収剤を使用することができる。紫外線吸収剤を使用すると硬化物の表面耐候性を高めることができる。紫外線吸収剤としてはベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、置換トリル系および金属キレート系化合物等が例示できるが、特にベンゾトリアゾール系が好ましく、市販名チヌビンP、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン327、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン571(以上、BASF製)が挙げられる。
紫外線吸収剤の使用量は、ポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部に対して、0.1〜10重量部が好ましく、特に0.2〜5重量部が好ましい。
<硬化性組成物の調製>
硬化性組成物は、加熱により硬化する硬化性組成物であり、すべての配合成分を混合した1液成分として調製することが好ましい。硬化性組成物は、室温では水分があっても硬化することはない触媒を使用しており、完全に密閉する必要はないが、長期保存をする場合には、カートリッジのような密閉容器に保存することが好ましい。また、室温で硬化する触媒を使用した場合に必要である、配合成分からの水分除去、および脱水剤の添加は本発明の硬化性組成物には必要ない。
上記の通り、硬化性組成物は、室温では実質的に硬化しない。具体的には、調整直後の硬化性組成物を、密閉された容器内で23℃で一週間保存しても硬化しないのが好ましい。
<加熱硬化>
ポリオキシアルキレン系重合体(A)を含有する硬化性組成物は、塗布された後、加熱することによって硬化する。加熱温度は120℃以上が好ましく、140℃以上がより好ましく、160℃以上がさらに好ましく、180℃以上が最も好ましい。160℃以上ではより短時間で十分に硬化した硬化物を得ることができる。なお、120℃未満では硬化せず、硬化物が得られない場合がある。また、加熱する際の温度の上限は250℃以下が好ましい。250℃超では硬化物の熱劣化が進行する場合がある。
加熱時間としては、特に限定されないが、1分以上5時間以下が好ましく、2分以上2時間以下がより好ましく、5分以上1時間以下がさらに好ましい。
加熱の方法としては、熱風乾燥や赤外線加熱等の従来公知の手段が用いられる。
<用途>
硬化性組成物の適用対象としては、自動車の車体・部品、トラック、バス等の大型車両の車体・部品、列車の車両・部品、航空機用部品、船舶用部品、コンテナ、電機・電子部品、家電製品、各種機械部品、サッシ等の建材等が挙げられる。
以下に、本発明の方法の実施例を挙げて具体的に説明するが、本実施例は本発明を限定するものではない。
実施例中の数平均分子量、分子量分布は以下の条件で測定したGPC分子量、分子量分布である。
送液システム:東ソー製HLC−8220GPC
カラム:東ソー製TSK−GEL Hタイプ
溶媒:THF
分子量:ポリスチレン換算
測定温度:40℃
実施例中の末端基換算分子量は、水酸基価をJIS K 1557の測定方法により、ヨウ素価をJIS K 0070の測定方法により求め、有機重合体の構造(使用した重合開始剤によって定まる分岐度)を考慮して求めた分子量である。
(合成例1)
数平均分子量が約3,000のポリオキシプロピレントリオールを開始剤とし、亜鉛ヘキサシアノコバルテートグライム錯体触媒にてプロピレンオキサイドの重合を行い、末端に水酸基を有する数平均分子量16400(末端基換算分子量12200)、分子量分布Mw/Mn=1.31のポリオキシプロピレン(P−1)を得た。得られた水酸基末端ポリオキシプロピレン(P−1)の水酸基に対して1.2モル当量のナトリウムメトキシドを28%メタノール溶液として添加した。真空脱揮によりメタノールを留去した後、重合体(P−1)の水酸基に対して、さらに1.5モル当量の塩化アリルを添加して末端の水酸基をアリル基に変換した。未反応の塩化アリルを減圧脱揮により除去した。得られた未精製のアリル基末端ポリオキシプロピレン100重量部に対し、n−ヘキサン300重量部と、水300重量部を混合撹拌した後、遠心分離により水を除去し、得られたヘキサン溶液にさらに水300重量部を混合撹拌し、再度遠心分離により水を除去した後、ヘキサンを減圧脱揮により除去した。以上により、末端部位にアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体(Q−1)を得た。この重合体(Q−1)500gに対して白金ジビニルジシロキサン錯体溶液25μlを加え、撹拌しながら、トリエトキシシラン14.6gをゆっくりと滴下した。90℃で2時間反応させた後、未反応のトリエトキシシランを減圧下留去することにより、末端にトリエトキシシリル基を有する数平均分子量約16400のポリオキシプロピレン(A−1)を得た。重合体(A−1)はトリエトキシシリル基を1分子中に平均2.2個有することが分かった。
(合成例2)
合成例1で得られた末端部位にアリル基を有するポリオキシプロピレン重合体(Q−1)500gに対して白金ジビニルジシロキサン錯体溶液25μlを加え、撹拌しながら、ジメトキシメチルシラン8.9gをゆっくりと滴下した。100℃で2時間反応させた後、未反応のジメトキシメチルシランを減圧下留去することにより、末端にジメトキシメチルシリル基を有する数平均分子量約16400のポリオキシプロピレン(A’−1)を得た。重合体(A’−1)はジメトキシメチルシリル基を1分子中に平均2.1個有することが分かった。
(合成例3)
合成例1で得られたトリエトキシシリル基を有するポリオキシプロピレン(A−1)100重量部、メタノール15重量部、35wt%の塩酸水溶液18ppmを加えて70℃で1時間反応させた。その後、エポキシ化大豆油(新日本理化(株)製サンソサイザーE−2000H)を900ppm添加し、90℃で1時間撹拌した。得られたメタノール溶液からメタノールを減圧脱揮し、末端にトリメトキシシリル基を有する数平均分子量約16400のポリオキシプロピレン(A’−2)を得た。重合体(A’−2)はトリメトキシシリル基を1分子中に平均2.2個有することが分かった。
(実施例1)
表1に示す重合体(A−1)100重量部に対して、IRGANOX245(BASF・ジャパン(株)製、ヒンダードフェノール系酸化防止剤)5重量部、Saisosizer E−PS(新日本理化(株)製:4,5−エポキシヘキサヒドロフタル酸ジ2−エチルヘキシル)40重量部、PPG3000(武田薬品(株)製、商品名:アクトコールP−23)10重量部、ネオライトSP(竹原化学工業(株)製:沈降炭酸カルシウム)160重量部、LM2200(丸尾カルシウム(株)製:重質炭酸カルシウム)54重量部、Hi−Black 10(オリオン エンジニアドカーボンズ(株)製、:カーボンブラック)0.2重量部、SCAT−24(日東化成(株)製:モノブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート))4重量部、を自転公転ミキサーを用いて均一に混合した。得られた硬化性組成物をカートリッジに密閉した。得られた硬化性組成物を用いて、以下の評価を行った。
(貯蔵安定性)
得られたカートリッジを23℃で1週間、または50℃で2週間貯蔵した後の硬化性組成物の状態を確認した。カートリッジを市販のハンドガンに装填し、組成物が問題なく押し出されるものを未硬化とし、組成物が押し出されてこないものを硬化とした。
(硬化性)
23℃で1週間貯蔵したカートリッジから硬化性組成物を軟膏缶(深さ4.5mm、直径46mm)に詰め、表1に示す温度に調整した乾燥機内で30分養生して硬化の状態を触指と硬度計(アスカーA型)により確認した。さらに、硬化物をカッターで切断して内部の硬化状況を確認し、内部に流動する部分があるものは未硬化とした。
(耐熱発泡試験)
得られた硬化性組成物をアルミ板の上に20mm×120mm×5mm(厚み)のサイズに施工する。アルミに施工した硬化性組成物を23℃/50%RHの環境下で表1に記載の時間養生した後、直ちに180℃に調整した乾燥機内で1時間養生し、取り出した後10分間冷却した。硬化物の発泡状態を目視にて観察し、発泡の有無を確認した。硬化物の表面に膨れる様な発泡も無く、硬化物内部に細かい気泡も無い状態を○、硬化物内部に細かい気泡があるが硬化物の表面にシワや膨れがない場合を△、硬化物の表面にシワや膨れがある状態を×、とした。結果を表1に示す。
(耐熱劣化試験)
得られた硬化性組成物をアルミ板の上に20mm×120mm×5mm(厚み)のサイズに施工する。アルミに施工した硬化性組成物を23℃/50%RHの環境下で20分養生した後、直ちに180℃に調整した乾燥機内で1時間養生し、取り出した後10分間冷却した。硬化物の表面を確認し、劣化が確認されない物を○、硬化物の一部分に劣化によって硬くなった部分が確認された物を×とした。
(塗料密着性)
得られた硬化性組成物を3mmの厚さに塗布し、23℃(相対湿度50%)で20分養生し、180℃で1時間加熱硬化させた。硬化性組成物の硬化物の表面にエポキシ系プライマーを塗布し、すぐに100℃の乾燥機内で25分間養生させた。取り出して室温(23℃)に戻した後、JIS K5600に記載のクロスカット法および/または旧JIS K5400に記載の碁盤目試験法に準拠して、ニチバン製セロハンテープを用いて2mm間隔の碁盤目試験(25マス)を行った。評価は全碁盤目数(25マス)に対してプライマーが残存している碁盤目数(マス目数)で示した。結果を表1に示す。
(実施例2)
CML#35(近江化学工業(株)製:酸化カルシウム)40重量部をさらに添加した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。また、実施例1と同様にして硬化性組成物の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
SCAT−24を2重量部に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。また、実施例1と同様にして硬化性組成物の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
SCAT−24を1重量部に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。また、実施例1と同様にして硬化性組成物の評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
SCAT−24を0.75重量部に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。また、実施例1と同様にして硬化性組成物の評価を行った。結果を表1に示す。
(比較例1)
重合体をA’−1に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。23℃で1週間貯蔵した後の硬化性組成物の状態を確認したところ、既に硬化しており、評価できなかった。
(比較例2)
重合体をA’−2に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。23℃で1週間貯蔵した後の硬化性組成物の状態を確認したところ、既に硬化しており、評価できなかった。
(比較例3)
触媒をU−220H(日東化成(株)製:ジブチル錫ビスアセチルアセトナート)2重
量部に変更した以外は実施例1と同様にして硬化性組成物を得た。23℃で1週間貯蔵した後の硬化性組成物の状態を確認したところ、既に硬化しており、評価できなかった。
Figure 2017188185
加水分解性シリル基としてジメトキシシリル基を有する重合体A’−1を含む比較例1の硬化性組成物と、加水分解性シリル基としてトリメトキシシリル基を有する重合体A’−2を含む比較例2の硬化性組成物と、触媒としてジブチル錫ビスアセチルアセトナートを含む比較例3の硬化性組成物と、はいずれも室温で硬化した。これに対し実施例1〜5の硬化性組成物は23℃での1週間の保管後も硬化しておらず貯蔵安定性が良いことが分かる。また、(B)成分の添加量を4重量部とした実施例1,2は表面の塗料密着性が向上している。さらに、(C)成分である酸化カルシウムを添加すると、硬化性組成物を塗布した後、室温で長時間養生した後に高温で加熱しても発泡しない。一方、実施例3から5において、(B)成分の量を2、1、0.75重量部とすると、50℃で2週間保管した後も未硬化であり、貯蔵安定性が向上する。

Claims (11)

  1. 一般式(1)に示す加水分解性シリル基を有するポリオキシアルキレン系重合体(A)100重量部、
    −Si(OR (1)
    (Rはそれぞれ独立に炭素数2〜6の炭化水素基を表す。)
    4価のモノアルキル錫(B)0.5〜6重量部、
    を含有する加熱硬化型の硬化性組成物。
  2. さらに酸化カルシウム(C)5〜200重量部を含む請求項1に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  3. 4価のモノアルキル錫(B)が3〜5重量部である請求項1または2に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  4. 4価のモノアルキル錫(B)が0.5〜3重量部である請求項1または2に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  5. 4価のモノアルキル錫(B)がモノブチル錫カルボン酸塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  6. 一般式(1)のRがエチル基である請求項1〜5のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  7. 調製直後の前記硬化性組成物を、密閉された容器内で23℃で一週間保存した場合に硬化しない請求項1〜6のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  8. 120℃以上で硬化する請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  9. 160℃以上で硬化する請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物。
  10. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物を120℃以上で加熱硬化させて得られる硬化物の製造方法。
  11. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加熱硬化型の硬化性組成物を160℃以上で加熱硬化させて得られる硬化物の製造方法。
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