JPWO2017141689A1 - ナノダイヤモンド分散液、及びその製造方法 - Google Patents
ナノダイヤモンド分散液、及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JPWO2017141689A1 JPWO2017141689A1 JP2018500017A JP2018500017A JPWO2017141689A1 JP WO2017141689 A1 JPWO2017141689 A1 JP WO2017141689A1 JP 2018500017 A JP2018500017 A JP 2018500017A JP 2018500017 A JP2018500017 A JP 2018500017A JP WO2017141689 A1 JPWO2017141689 A1 JP WO2017141689A1
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- nanodiamond
- compound
- dispersion
- weight
- treatment
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Classifications
-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B02—CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING; PREPARATORY TREATMENT OF GRAIN FOR MILLING
- B02C—CRUSHING, PULVERISING, OR DISINTEGRATING IN GENERAL; MILLING GRAIN
- B02C19/00—Other disintegrating devices or methods
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01B—NON-METALLIC ELEMENTS; COMPOUNDS THEREOF; METALLOIDS OR COMPOUNDS THEREOF NOT COVERED BY SUBCLASS C01C
- C01B32/00—Carbon; Compounds thereof
- C01B32/25—Diamond
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C09—DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
- C09K—MATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
- C09K3/00—Materials not provided for elsewhere
- C09K3/14—Anti-slip materials; Abrasives
Landscapes
- Chemical & Material Sciences (AREA)
- Organic Chemistry (AREA)
- Engineering & Computer Science (AREA)
- Materials Engineering (AREA)
- Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- General Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
- Geology (AREA)
- Inorganic Chemistry (AREA)
- Food Science & Technology (AREA)
- Carbon And Carbon Compounds (AREA)
- Crushing And Grinding (AREA)
Abstract
本発明のナノダイヤモンド分散液の製造方法は、下記工程を経て、粒子径D50(メディアン径)が10nm以下のナノダイヤモンド分散液であって、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が、分散液に含まれるナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下であるナノダイヤモンド分散液を得る。
工程1:ナノダイヤモンドを粉砕機を使用した解砕処理に付す
工程2:解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す
工程3:加熱処理後の混合物から硫酸根を除去する
Description
工程1:ナノダイヤモンドを粉砕機を使用した解砕処理に付す
工程2:解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す
工程3:加熱処理後の混合物から硫酸根を除去する
[1] 下記工程を経て、粒子径D50(メディアン径)が10nm以下のナノダイヤモンド分散液であって、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が、分散液に含まれるナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下であるナノダイヤモンド分散液を得る、ナノダイヤモンド分散液の製造方法。
工程1:ナノダイヤモンドを粉砕機を使用した解砕処理に付す
工程2:解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す
工程3:加熱処理後の混合物から硫酸根を除去する
[2] 工程1に付すナノダイヤモンドが、爆轟法ナノダイヤモンドである、[1]に記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[3] 解砕処理に付すナノダイヤモンドが、pH8以上(好ましくは8〜12、特に好ましくは9〜11、更に好ましくは9.5〜11.5)のナノダイヤモンド分散液である、[1]又は[2]に記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[4] 粉砕機としてビーズミルを使用する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[5] 粉砕機として金属ビーズを用いたビーズミルを使用する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[6] 粉砕機として、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物から選択される少なくとも1種を含む素材で形成されたビーズミルを使用する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[7] 粉砕機として、ジルコニアビーズを用いたビーズミル、又はミル容器内壁がジルコニアコーティングされているビーズミルを使用する、[1]〜[3]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[8] 工程2における硫酸として、50重量%以上(好ましくは55重量%以上、特に好ましくは60重量%以上)の濃度の硫酸を使用する、[1]〜[7]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[9] 硫酸の使用量が、ナノダイヤモンド(固形分換算)の2体積倍以上(好ましくは10体積倍以上、特に好ましくは20体積倍以上)である、[1]〜[8]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[10] ナノダイヤモンドと硫酸の混合物を200℃以上(好ましくは220℃以上、特に好ましくは240℃以上)の温度で加熱処理する、[1]〜[9]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[11] 硫酸根が、硫酸、硫酸イオン、及び金属の硫酸塩から選択される少なくとも1種である、[1]〜[10]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[12] 硫酸根の除去を、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物から選択される少なくとも1種が溶出した硫酸を、水洗処理及び/又は中和処理により分離・除去することにより行う、[1]〜[11]の何れか1つに記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[13] 水洗処理が、ナノダイヤモンド分散液のpHが6以上となるまで繰り返し水洗する処理である、[12]に記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[14] 中和処理が、ナノダイヤモンド分散液のpHが12以上となるまで塩基性物質又はその水溶液を添加して硫酸根を塩として析出させる処理である、[12]又は[13]に記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
[15] ナノダイヤモンドの分散液であって、分散液中のナノダイヤモンドの粒子径D50(メディアン径)が10nm以下であり、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が分散液中のナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下である、ナノダイヤモンド分散液。
[16] ナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンドのpH8〜12におけるゼータ電位が−60〜−20mVである、[15]に記載のナノダイヤモンド分散液。
[17] ナノダイヤモンドを分散する分散媒が、水又は水を50重量%以上含む水系分散媒である、[15]又は[16]に記載のナノダイヤモンド分散液。
本発明のナノダイヤモンド分散液の製造方法は、下記工程を経て、粒子径D50(メディアン径)が10nm以下のナノダイヤモンド分散液であって、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が、分散液に含まれるナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下であるナノダイヤモンド分散液を得るものである。
工程1:ナノダイヤモンドを粉砕機を使用した解砕処理に付す(以後、「解砕処理工程」と称する場合がある)
工程2:解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す(以後、「硫酸処理工程」と称する場合がある)
工程3:加熱処理後の混合物から硫酸根を除去する(以後、「硫酸根除去工程」と称する場合がある)
ナノダイヤモンドは、例えば爆轟法によって製造することができる。前記爆轟法には、空冷式爆轟法と水冷式爆轟法が含まれる。本発明においては、なかでも、空冷式爆轟法が水冷式爆轟法よりも一次粒子が小さいナノダイヤモンドを得ることができるうえで好ましい。尚、爆轟は大気雰囲気下で行っても良く、窒素雰囲気、アルゴン雰囲気等の不活性ガス雰囲気下で行っても良い。従って、上記工程1の解砕処理に付すナノダイヤモンドは、爆轟法ナノダイヤモンド、すなわち爆轟法によって生成したナノダイヤモンドが好ましく、より好ましくは空冷式爆轟法ナノダイヤモンド、すなわち空冷式爆轟法によって生成したナノダイヤモンドである。
生成工程を経て得られた粗ナノダイヤモンドには、生成反応に用いた容器等に含まれるAl、Fe、Co、Cr、Ni等の金属の酸化物(例えば、Fe2O3、Fe3O4、Co2O3、Co3O4、NiO、Ni2O3等)が金属性不純物として含まれ、前記金属性不純物はナノダイヤモンドの凝着の原因となる。また、グラファイト等の副生物が含まれる場合もあり、このグラファイトは使用爆薬が部分的に不完全燃焼を起こして遊離した炭素のうちナノダイヤモンド結晶を形成しなかった炭素に由来するものであるが、これもナノダイヤモンドの凝着の原因となる。精製工程は、これらの不純物を除去する工程である。
酸処理工程は、生成工程を経て得られた粗ナノダイヤモンドに混入する前記金属性不純物を除去する工程であり、前記粗ナノダイヤモンドを水中に分散して得られる粗ナノダイヤモンド分散液に、酸を添加して前記金属性不純物を酸に溶出させ、その後、金属性不純物が溶出した酸を分離・除去することで、金属性不純物を除去する。この酸処理に用いられる酸(特に、強酸)としては鉱酸が好ましく、例えば、塩酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸、王水等が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸処理に使用される酸の濃度は例えば1〜50重量%である。酸処理温度は例えば70〜150℃である。酸処理時間は例えば0.1〜24時間である。また、酸処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。金属性不純物が溶出した酸を分離・除去する方法としては、例えばデカンテーションにより行うことが好ましい。また、デカンテーションの際には、固形分(ナノダイヤモンドを含む)の水洗を行うことが好ましく、特に、沈殿液のpHが例えば2〜3に至るまで、水洗を反復して行うことが好ましい。
酸化処理工程は、生成工程を経て得られた粗ナノダイヤモンドに混入するグラファイト(黒鉛)を除去する工程であり、前記粗ナノダイヤモンドを水中に分散して得られる粗ナノダイヤモンド分散液(好ましくは、上記酸処理工程を経て得られるナノダイヤモンド分散液)に酸化剤を作用させることによりグラファイトを除去する。前記酸化剤としては、例えば、クロム酸、無水クロム酸、二クロム酸、過マンガン酸、過塩素酸、及びこれらの塩が挙げられる。これらは、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。酸化処理で使用される酸化剤の濃度は例えば3〜50重量%である。酸化処理における酸化剤の使用量は、酸化処理に付される粗ナノダイヤモンド100重量部に対して例えば300〜500重量部である。酸化処理温度は、例えば100〜200℃である。酸化処理時間は例えば1〜24時間である。酸化処理は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。また、酸化処理は、グラファイトの除去効率向上の観点から、酸(特に、鉱酸。酸処理工程で使用の鉱酸と同様の例を挙げることができる)の共存下で行うことが好ましい。酸化処理に酸を用いる場合、酸の濃度は例えば5〜80重量%である。このような酸化処理の後、例えばデカンテーションにより上澄みを除去することが好ましい。また、デカンテーションの際には、固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)の水洗を行うことが好ましい。水洗当初の上澄み液は着色しているが、上澄み液が目視で透明になるまで、当該固形分の水洗を反復して行うことが好ましい。
酸化処理工程を経て得られたナノダイヤモンド凝着体を含有する溶液に、アルカリおよび過酸化水素を反応させる工程である。前記アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、アンモニア、水酸化カリウム等が挙げられる。アルカリの濃度は、好ましくは0.1〜10重量%、より好ましくは0.2〜8重量%、更に好ましくは0.5〜5重量%である。過酸化水素の濃度は、好ましくは1〜15重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量%である。前記反応を行う際の温度は例えば40〜95℃であり、反応時間は例えば0.5〜5時間である。また、前記反応は、減圧下、常圧下、または加圧下で行うことが可能である。反応後は、デカンテーションによって上澄みを除去することが好ましい。
工程1は、例えば、上記方法により得られたナノダイヤモンド(例えば、ナノダイヤモンド凝着体含有分散液中のナノダイヤモンド)を、粉砕機を使用した解砕処理に付す工程である。上述の精製工程を経て精製された後であっても、例えば爆轟法ナノダイヤモンドは、一次粒子間が非常に強く相互作用して集成している凝着体(二次粒子)の形態をとるものであるが、解砕処理に付すことによりナノダイヤモンド凝着体(二次粒子)からナノダイヤモンドの一次粒子を分離することができる。
工程2は、工程1を経て得られた解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す工程である。工程1において、粉砕機を使用した解砕処理に付すことにより、ナノダイヤモンドに粉砕機由来の成分(粒子径D50(メディアン径)が、例えば50nm以下の微粉末)が混入することは避けられない。工程1を経て得られた解砕処理後のナノダイヤモンドに含まれるZr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)は、ナノダイヤモンド(重量)の例えば3,000ppm以上(例えば3,000〜15,000ppm)である。そこで、工程2、3において、工程1で混入した粉砕機由来の成分の除去を行う。
工程3は、硫酸処理後の混合物から硫酸根を除去する工程である。より詳細には、工程2における硫酸処理において、硫酸中に粉砕機由来の成分が溶出することにより生成した硫酸根を分離・除去する工程である。尚、前記硫酸根には、硫酸処理工程で使用した硫酸の未反応分、硫酸イオン、金属の硫酸塩等が含まれる。
本発明のナノダイヤモンド分散液は、ナノダイヤモンドの分散液であって、分散液中のナノダイヤモンドの粒子径D50(メディアン径)が10nm以下であり、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が分散液中のナノダイヤモンド(重量)の例えば200ppm以下(好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下)である。本発明のナノダイヤモンド分散液は、例えば、上記ナノダイヤモンド分散液の製造方法により製造できる。
<精製工程>
(酸処理工程)
ナノダイヤモンドの一次粒子径が4〜6nmである空冷式爆轟法ナノダイヤモンド煤((株)ダイセル製)を200g秤量し、10重量%塩酸水溶液を2L加えた後、還流下で1時間加熱処理を行った。冷却後、デカンテーションにより、沈殿液のpHが2になるまで水洗を行い、上澄みをできるだけ除いた。
デカンテーションによって得られた沈殿液に、60重量%硫酸水溶液2L、及び50重量%クロム酸水溶液2Lを加えた後、還流下で5時間加熱処理を行った。冷却後、デカンテーションにより、上澄みの着色が消えるまで洗水洗を行い、上澄みをできるだけ除いた。得られた沈殿液中のナノダイヤモンド凝着体の粒子径D50(メディアン径)は2μmであった。
次に、解砕前処理を行った。具体的には、まず、上述の酸化処理工程におけるデカンテーションによって得られた沈殿液に、10重量%水酸化ナトリウム水溶液1Lと30重量%過酸化水素水溶液1Lとを加えてスラリーとした後、このスラリーに対し、常圧条件での還流下で1時間の加熱処理を行った。この加熱処理温度は50〜105℃であった。冷却後、デカンテーションによって上澄みを除いた。次に、このデカンテーションによって得られた沈殿液に塩酸を加えて沈殿液のpHを2.5に調整した後、この沈殿液中の固形分(ナノダイヤモンド凝着体を含む)について遠心沈降法による水洗を行った。具体的には、遠心分離装置を使用して当該沈殿液ないし懸濁液について固液分離を行う操作、その後に沈殿物と上清液とを分ける操作、及び、その後に沈殿物に超純水を加えて懸濁する操作を含む一連の過程を、固形分濃度(ナノダイヤモンド濃度)を6重量%に調整したときの懸濁液の電気伝導度が56μS/cmとなるまで、反復して行った。このような水洗後の溶液のpHは4.3であった。
次に、解砕処理を行った。具体的には、解砕前処理工程を経て得られたスラリー(ナノダイヤモンド凝着体含有分散液)300mLに水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10に調整した後、当該スラリーについて、ビーズミル分散を行った。装置は、アイメックス株式会社製ビーズミルRMBを使用した。解砕メディアである直径0.03mmのジルコニアビーズを300mL充填した後、pHを10に調整したスラリー300mLを加え、周速を8m/sに設定して120分間の解砕を行った。
解砕液を回収し、遠心分離による分級操作で粗大粒子を除去して、ナノダイヤモンド分散液を得た。得られたナノダイヤモンド分散液の固形分濃度は5.8%、粒子径D50(メディアン径)は4.3nm、電気伝導度は680μS/cm、pHは9.34、ナノダイヤモンドのゼータ電位は−48mVであった。
ナノダイヤモンド粉体(1)を300mg秤量し、そこに、64重量%硫酸を10mL加えて混合物(1)を得、得られた混合物(1)について250℃に設定したサンドバス上で還流処理を40分間行った。
還流処理後の混合物(1)について、遠心分離装置を使用して遠心分離処理(遠心力;4,000×g、遠心時間;10分)を行い沈殿物(1)と上清液(1)に分け、上清液(1)中に含まれる金属成分についてICP発光分光分析を行った。その結果を表1に示す。なお、上清液(1)の分析結果は、ナノダイヤモンド粉体中の金属成分含有量へ換算した値を記載した。
ナノダイヤモンド分散液中のナノダイヤモンド含有量は、秤量した分散液3〜5gの当該秤量値と、当該秤量分散液から加熱によって水分を蒸発させた後に残留する乾燥物(粉体)について精密天秤によって秤量した値とに基づき、算出した。
ナノダイヤモンド分散液に含まれるナノダイヤモンドの粒子径D50(メディアン径)は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、動的光散乱法(非接触後方散乱法)によって測定した。測定試料には、ナノダイヤモンド濃度が0.5〜2.0重量%となるように超純水で希釈した後に、超音波洗浄機による超音波照射を行って得られたナノダイヤモンド分散液を使用した。
ナノダイヤモンド分散液に含まれるナノダイヤモンドのゼータ電位は、スペクトリス社製の装置(商品名「ゼータサイザー ナノZS」)を使用して、レーザードップラー式電気泳動法によって測定した。測定試料には、ナノダイヤモンド濃度が0.2重量%となるように超純水で希釈した後に超音波洗浄機による超音波照射を行って得られたナノダイヤモンド分散液を使用した。また、測定に付されたナノダイヤモンド分散液のpHは、pH試験紙(商品名「スリーバンドpH試験紙」、アズワン株式会社製)を使用して確認した。
ナノダイヤモンド粉体(1)、(2)の場合は粉体100mgを測定試料として使用し、上清液(1)の場合は上清液1mLを超純水にて10mLに希釈したものを測定試料として使用した。
前記測定試料を磁性るつぼに入れ、電気炉内にて乾式分解を行った。この乾式分解は、450℃で1時間の条件、これに続く550℃で1時間の条件、及びこれに続く650℃で1時間の条件の3段階で行った。このような乾式分解の後、磁性るつぼ内の残留物について、磁性るつぼに濃硫酸0.5mLを加えて蒸発乾固させた。そして、得られた乾固物を最終的に20mLの超純水に溶解させた。このようにして分析サンプルを調製した。
この分析サンプルを、ICP発光分光分析装置(商品名「CIROS120」,リガク社製)によるICP発光分光分析に供した。本分析の検出下限値が50重量ppmとなるように前記分析サンプルを調製した。また、本分析では、検量線用標準溶液として、SPEX社製標準液(XSTC-22;混合標準液)、及び関東化学株式会社製原子吸光用標準液(Hf1000、Y1000、Zr1000)を使用し、分析サンプルの硫酸濃度と同濃度の硫酸水溶液にて適宜希釈調製して用いた。そして、本分析では、空のるつぼで同様に操作および分析して得られた測定値を、測定試料についての測定値から差し引き、測定試料中の金属成分濃度を求めた。
Claims (3)
- 下記工程を経て、粒子径D50(メディアン径)が10nm以下のナノダイヤモンド分散液であって、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が、分散液に含まれるナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下であるナノダイヤモンド分散液を得る、ナノダイヤモンド分散液の製造方法。
工程1:ナノダイヤモンドを粉砕機を使用した解砕処理に付す
工程2:解砕処理後のナノダイヤモンドと硫酸の混合物を加熱処理に付す
工程3:加熱処理後の混合物から硫酸根を除去する - 工程1に付すナノダイヤモンドが、爆轟法ナノダイヤモンドである請求項1に記載のナノダイヤモンド分散液の製造方法。
- ナノダイヤモンドの分散液であって、分散液中のナノダイヤモンドの粒子径D50(メディアン径)が10nm以下であり、Zr化合物、Al化合物、Y化合物、Fe化合物、及びHf化合物の合計含有量(Zr、Al、Y、Fe、Hf元素換算;重量)が分散液中のナノダイヤモンド(重量)の50ppm以下である、ナノダイヤモンド分散液。
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016028004 | 2016-02-17 | ||
JP2016028004 | 2016-02-17 | ||
PCT/JP2017/003320 WO2017141689A1 (ja) | 2016-02-17 | 2017-01-31 | ナノダイヤモンド分散液、及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPWO2017141689A1 true JPWO2017141689A1 (ja) | 2018-12-06 |
JP6902015B2 JP6902015B2 (ja) | 2021-07-14 |
Family
ID=59625731
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2018500017A Active JP6902015B2 (ja) | 2016-02-17 | 2017-01-31 | ナノダイヤモンド分散液、及びその製造方法 |
Country Status (3)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6902015B2 (ja) |
TW (1) | TW201800337A (ja) |
WO (1) | WO2017141689A1 (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN108584943A (zh) * | 2018-06-20 | 2018-09-28 | 成都天成鑫钻纳米科技股份有限公司 | 一种纳米金刚石的提纯方法 |
JP2020029472A (ja) * | 2018-08-20 | 2020-02-27 | 株式会社ダイセル | 多結晶yag研磨用スラリー組成物 |
WO2020195999A1 (ja) * | 2019-03-26 | 2020-10-01 | 株式会社ダイセル | 第14族元素がドープされたナノダイヤモンドの製造方法及び精製方法 |
CN116457308A (zh) * | 2020-11-05 | 2023-07-18 | 港大科桥有限公司 | 用于纳米金刚石的高效纯化方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0925110A (ja) * | 1995-07-10 | 1997-01-28 | Ishizuka Kenkyusho:Kk | 親水性ダイヤモンド微細粒子及びその製造方法 |
JP2004238256A (ja) * | 2003-02-06 | 2004-08-26 | Japan Science & Technology Agency | ダイヤモンド粒子の精製方法及び高純度ダイヤモンド粒子 |
WO2008096854A1 (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-14 | Hiroshi Ishizuka | ダイヤモンド微細粉及びその捕集方法、並びに該ダイヤモンド微細粉を分散したダイヤモンドスラリー |
JP2013056805A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Vision Development Co Ltd | 磁性ダイヤモンド微粒子及びその製造方法 |
-
2017
- 2017-01-31 WO PCT/JP2017/003320 patent/WO2017141689A1/ja active Application Filing
- 2017-01-31 JP JP2018500017A patent/JP6902015B2/ja active Active
- 2017-02-13 TW TW106104602A patent/TW201800337A/zh unknown
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0925110A (ja) * | 1995-07-10 | 1997-01-28 | Ishizuka Kenkyusho:Kk | 親水性ダイヤモンド微細粒子及びその製造方法 |
JP2004238256A (ja) * | 2003-02-06 | 2004-08-26 | Japan Science & Technology Agency | ダイヤモンド粒子の精製方法及び高純度ダイヤモンド粒子 |
WO2008096854A1 (ja) * | 2007-02-09 | 2008-08-14 | Hiroshi Ishizuka | ダイヤモンド微細粉及びその捕集方法、並びに該ダイヤモンド微細粉を分散したダイヤモンドスラリー |
JP2013056805A (ja) * | 2011-09-08 | 2013-03-28 | Vision Development Co Ltd | 磁性ダイヤモンド微粒子及びその製造方法 |
Non-Patent Citations (1)
Title |
---|
牧田 寛: "超微粒ダイヤモンドの精製とその評価", NEW DIAMOND, vol. 12, no. 3, JPN6017009835, July 1996 (1996-07-01), pages 8 - 13, ISSN: 0004388783 * |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
WO2017141689A1 (ja) | 2017-08-24 |
TW201800337A (zh) | 2018-01-01 |
JP6902015B2 (ja) | 2021-07-14 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6902015B2 (ja) | ナノダイヤモンド分散液、及びその製造方法 | |
EP3216758B1 (en) | Suspension of nanodiamond aggregates and single-nano-sized nanodiamond dispersion | |
JP2018108913A (ja) | ナノダイヤモンドの塩添加超音波脱凝集 | |
JP6483722B2 (ja) | 酸性官能基を有するナノダイヤモンド、及びその製造方法 | |
JP6802967B2 (ja) | 表面修飾ナノダイヤモンドおよびナノダイヤモンド分散液 | |
EP3608290A1 (en) | Surface-modified nanodiamond, surface-modified nanodiamond dispersion liquid, and resin dispersion | |
JP2017186234A (ja) | 表面修飾ナノダイヤモンド、及びその有機溶媒分散体 | |
JP6927687B2 (ja) | ナノダイヤモンド分散液製造方法およびナノダイヤモンド分散液 | |
WO2017203763A1 (ja) | ナノダイヤモンド有機溶媒分散液製造方法およびナノダイヤモンド有機溶媒分散液 | |
JP6887629B2 (ja) | 水潤滑剤組成物および水潤滑システム | |
JP2017202940A (ja) | ナノダイヤモンド製造方法 | |
JP2017001916A (ja) | ナノダイヤモンド粉体製造方法およびナノダイヤモンド粉体 | |
JP6472715B2 (ja) | ナノダイヤモンド分散液およびその製造方法 | |
JP6802077B2 (ja) | ナノダイヤモンドの製造方法 | |
JP2017075220A (ja) | Cmp用研磨材組成物 | |
JP6845085B2 (ja) | ナノダイヤモンドの製造方法 | |
JP6484146B2 (ja) | ナノダイヤモンド分散液およびナノダイヤモンド | |
JP2017088449A (ja) | ナノダイヤモンド分散液およびその製造方法 | |
WO2017038333A1 (ja) | 樹脂組成物 | |
JP2020089864A (ja) | ナノダイヤモンドの製造方法及びナノダイヤモンド | |
JP2010051887A (ja) | 超微粒子粉末の製造方法 | |
JP6939741B2 (ja) | 希土類化合物粒子の製造方法 | |
JP2019151498A (ja) | ナノダイヤモンド有機溶媒分散体の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20191204 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20201117 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20210114 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20210615 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20210618 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6902015 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |