JP2018108913A - ナノダイヤモンドの塩添加超音波脱凝集 - Google Patents

ナノダイヤモンドの塩添加超音波脱凝集 Download PDF

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Abstract

【課題】ナノダイヤモンド材料に不要な不純物を導入することのないナノダイヤモンドの脱凝集方法の提供。【解決手段】溶媒を含む液状媒体中で、凝集ナノダイヤモンドクラスターと脱凝集剤とを脱凝集剤が溶解限度を超える濃度で溶媒中に存在する状態で組み合わせて、溶媒、脱凝集剤およびナノダイヤモンドクラスターの混合物を得る工程、および混合物を、凝集ナノダイヤモンドクラスターのメジアン粒子径未満のメジアン粒子径を有するナノダイヤモンド粒子を製造するのに十分な時間、超音波処理する工程を含み、液状媒体中の脱凝集剤とナノダイヤモンド粒子の質量比が、約10:1〜約100:1である脱凝集法。【選択図】なし

Description

本明細書において、ナノダイヤモンドクラスターを脱凝集させるための方法、およびこれら方法を用いて製造される組成物が提供される。
ナノダイヤモンドは、潤滑用からポリマー複合体および金属複合体用ナノフィラーおよび医療用途にわたる数多くの有用な特性を有する。デトネーションプロセスを通じて製造されたナノダイヤモンドは、生体適合的であり、製造が安価であり、かつ拡張可能である。近年、ナノダイヤモンドの水性分散液の調製における進歩により、生物医学分野およびポリマー複合体の両方において、これらの使用が容易となっている。
生物医学および製薬分野における多くの既存のあるいは潜在的な用途は、平均粒子径が非常に小さいナノダイヤモンドに特に依存している。例えば、10〜100ナノメートルの範囲内の粒子径を有するナノ粒子は、血液内で懸濁および循環させることが可能であり、腎臓によって血液流から容易に除去される。10ナノメートルよりも小さいナノ粒子は、血液脳関門または細胞の核膜孔複合体を透過する能力といった、生物医学用途においては非常に望ましいいくつかのさらなる特性を有する。
あいにく、ナノダイヤモンドは、凝集し、10個、20個またはさらには100個以上のナノダイヤモンド一次粒子を含む強固に結合した凝集体を形成する傾向が強い。デトネーション/ナノダイヤモンド粒子は、特に、超音波処理やミリングといった従来の手段によって破壊することができない凝集体を形成することが知られている。したがって、ナノダイヤモンドクラスターを脱凝集させ、一桁(single-digit)ナノダイヤモンド(すなわち、10ナノメートルよりも小さい直径を有する一桁ナノダイヤモンド)を得る方法の開発が強く望まれる。
ボールミリング、アトリションミリングおよびビーズ添加音波破壊(BASD)をはじめとする、ナノダイヤモンド懸濁液のためのいつかの脱凝集方法が当該技術分野において公知である。これらの手法のそれぞれを用いて、一桁ナノダイヤモンド懸濁液を得ることが可能である。あいにく、これら公知の脱凝集手法は、それぞれ、1つまたは複数の重大な欠点を有する。例えば、公知の脱凝集手法の多くは、ナノダイヤモンド材料中に不純物を導入するが、これにより、生物医学の文脈において大きな懸念を生じる。加えて、多くの公知の脱凝集方法は複雑であり、高価な特注の機器を必要とし、かつ/または一桁ナノダイヤモンドを得るためのコストを著しく増加させる。
米国特許出願公開第2015/0038593号(本願に引用して援用する)は、塩化ナトリウムやスクロースなどの結晶性ミリング媒体を利用してナノダイヤモンドクラスターを脱凝集させる乾式媒体添加アトリションミリングプロセスを最近開示した。このプロセスは、ミリング媒体としてジルコニアの使用が必要であった周知の湿式ミリングプロセスと比較して、いくつかの大きな改善をもたらした。
あいにく、’593号公報に開示されるプロセスは、生物医学用途に用いられる脱凝集ナノダイヤモンドの調製におけるその有用性を制限する多くの欠点を依然として呈している。比較的高価であり維持コストが高いことに加え、アトリションミルは、鋼製のジャー、軸およびボールを使用するが、これらは、金属汚染物質源となり、特に、塩の存在下でのミリングプロセスの際に深刻な摩耗および腐食にさらされる。その結果、’593号公報に記載のプロセスを用いて製造されたナノダイヤモンドは、鉄や鋼の他の構成要素を含む金属不純物によって汚染される場合が多い。金属不純物の多くは酸に可溶である一方、これらは、全般的な効率を低減させ、処理のコストと複雑性を増大させる追加の精製工程を用いることを必要とする。さらに、’593号公報に記載のプロセスは、ナノダイヤモンド凝集体のサイズを30〜50ナノメートルの平均直径まで減少させることができるが、ミリング完了時に分散液のpHをおよそ11に調整しない限り、一桁ナノダイヤモンドを得ることはできない。このため、さらにまた別の処理工程の導入が必要となり、コストおよび複雑性がさらに増大する。
したがって、安価かつ実施が容易であるとともに、ナノダイヤモンド材料に不要な不純物を導入することのないナノダイヤモンドの脱凝集方法の開発が強く望まれる。
したがって、簡潔には、ナノダイヤモンドクラスターの脱凝集方法であって、脱凝集剤用の溶媒である液体中で、凝集ナノダイヤモンドクラスターを脱凝集剤と脱凝集剤がその溶解限度を超える濃度で溶媒中に存在する状態で組み合わせて、溶媒、固体脱凝集剤、溶解した脱凝集剤、およびナノダイヤモンドクラスターの混合物を形成する工程およびスラリーを、凝集ナノダイヤモンドクラスターのメジアン粒子径未満のメジアン粒子径を有するナノダイヤモンド粒子を製造するのに十分な時間、超音波処理する工程を含み、液状媒体中の脱凝集剤とナノダイヤモンド粒子の質量比が、約10:1〜約100:1、または約25:1〜約75:1、例えば、約35:1〜約50:1である方法が本明細書において提供される。
以下、他の目的および特徴について、その一部を明らかにするとともに、その一部を指摘する。
実施例1に記載のナノダイヤモンド水性分散液の粒子径分布を示す図である。
実施例2に記載のFTIRデータを示す図である。
実施例6に記載の当初の脱凝集ナノダイヤモンド組成物の粒子径分布および写真を示す図である。
実施例4に記載のナノダイヤモンド組成物のゼータ電位を示す図である。
実施例7に記載のナノダイヤモンド組成物のTEM画像を示す図である。
実施例8に記載のナノダイヤモンド水性分散液の粒子径分布を示す図である。
塩添加超音波脱凝集(Salt-Assisted Ultrasonic Disaggregation,SAUD)によるナノダイヤモンドクラスターの脱凝集方法が本明細書において提供される。本明細書に記載の方法は、例えば、直径10ナノメートル未満の平均粒子径を有するナノダイヤモンドを含む組成物の製造に有用である。
本明細書に記載の方法は、周知のナノダイヤモンド脱凝集方法と比較して多数の利点をもたらすことができる。例えば、ナノダイヤモンド分散液のpH調整が不要である。より重要なことには、本方法は、結果として得られるナノダイヤモンドに除去不能または除去が困難な不純物を導入させることがなく、このことは、高純度ナノダイヤモンドが必要となる用途、特に、生物医学用途においては重要な利点である。本明細書に記載のプロセスは、ジルコニアマイクロビーズやアトリションミルといったコストのかかる材料や高価な機器を概して必要とせず、実質上あらゆる実験室において実施することが可能であるか、あるいは、例えば、連続フロー超音波処理セルを用いることよって大規模生産向けに拡張することが可能である。さらに、本明細書に記載のプロセスを用いて製造されたナノダイヤモンドは、乾燥し、次いで、再分散して、比較的小さい粒子径を保持するナノダイヤモンドのコロイド分散液を形成することができ、これは、周知の脱凝集手法と比較したさらなる利点である。
本明細書で用いる場合、「ナノダイヤモンド凝集体」、「凝集ナノダイヤモンド」および「凝集ナノダイヤモンドクラスター」という用語は、それぞれ、多数個のナノダイヤモンド一次粒子、例えば、少なくとも10個、20個、30個、40個、50個、100個または1000個以上のナノダイヤモンド一次粒子を含むナノダイヤモンド凝集体を含むものを指す。
本明細書で用いる場合、「脱凝集させる(disaggregating)」という用語は、上記の凝集体クラスターをより小さく(すなわち、より少ない一次粒子を含有する)かつ個々のナノダイヤモンド一次粒子を含むクラスターに分割することを指す。
本明細書で用いる場合、「粒子径」という用語は、粒子(粒子の凝集体を含む)が自由に通過可能な最小の円形孔の直径であると定義される。例えば、球状の凝集体の粒子径は当該凝集体の直径に等しく、楕円形の凝集体の粒子径は、その最も長い短軸長さに相当する。
本明細書に記載の方法において、凝集ナノダイヤモンドクラスターは、液状媒体中で脱凝集剤と組み合わせてもよい。得られる組成物は、次いで、当初の凝集ナノダイヤモンドクラスターのメジアン粒子径未満のメジアン粒子径を有するナノダイヤモンド粒子を製造するのに十分な時間、超音波処理してもよい。このプロセスは、本明細書において、塩添加超音波脱凝集とも呼ばれる。
以下により詳細に示すように、液状媒体は、分散液、懸濁液またはスラリーの形態を有し、分散したあるいは不連続の固相は、脱凝集剤およびナノダイヤモンドを含む。
組成物をナノダイヤモンドのメジアン粒子径を所望の範囲に減少させるのに十分な時間超音波処理した後、脱凝集剤の少なくとも一部をナノダイヤモンドから分離してもよい。この分離は、例えば、ナノダイヤモンドが比較的不溶であるが、脱凝集剤が可溶である溶離溶媒中で脱凝集剤を溶解させることによって行うことができる。この溶離溶媒は、脱凝集が行われる一次溶媒と同じであっても異なっていてもよい。ナノダイヤモンドは、次いで、脱凝集剤を含む溶液から分離してもよい。適した分離手法の非限定的な例としては、遠心分離、静電分離、流体力学分離、フロス浮選および磁力分離が特に挙げられる。
溶離溶媒に対する脱凝集剤の可溶性により、脱凝集プロセス後の脱凝集ナノダイヤモンド一次粒子からの脱凝集剤の完全な分離(溶解による)が容易となる。これは、ジルコニア球や金属球などの不溶性ミリング媒体を用いる従来技術のプロセスとは対照的である。したがって、好適な実施形態において、脱凝集プロセスは、選択される一次溶媒および/または溶離溶媒に不溶である、セラミック製または金属製のミリング媒体などの不溶性ミリング媒体の非存在下で行われる。このプロセスは、ジルコニウムを含むミリング媒体の非存在下で行われることが特に好ましい。
得られたナノダイヤモンド製品における不純物としての脱凝集剤の存在をさらに低減するため、分離工程を複数回繰り返して、所望のレベルの純度を達成してもよい。脱凝集剤の少なくとも約50%、より好ましくは少なくとも約75%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、さらには少なくとも約99%が除去されることが好ましい。実質的に全ての脱凝集剤がナノダイヤモンド製品から除去されることが最も好ましい。
上述のように、超音波処理は、ナノダイヤモンドのメジアン粒子径を所望の範囲に減少させるのに十分な時間行ってもよい。超音波処理の適した周波数、強度および持続時間は、所望のナノダイヤモンド粒子径および使用される特定の機器に依存することとなる。このような最適化は、十分に当業者の技量の範囲内である。
例えば、超音波処理の時間は、約5分〜約300分の範囲内であってもよい。超音波処理は、少なくとも約5分、約10分、約15分、約20分、約30分または約60分行ってもよい。例示的な範囲としては、約5分〜約180分、約5分〜約120分および約30分〜約120分が挙げられる。
超音波処理の周波数は、約20kHz〜約100kHzの範囲内であってもよい。例えば、超音波処理の周波数は、少なくとも約30kHz、約40kHzまたは約50kHzであってもよい。例示的な範囲としては、約20kHz〜約80kHz、約20kHz〜約60kHzおよび約50kHz〜約100kHzが挙げられる。
超音波処理器によって供給される電力は、例えば、約50ワット〜約1500ワットの範囲内であってもよい。超音波処理の電力は、少なくとも約100ワット、少なくとも約250ワット、約500ワットまたは約1000ワットであってもよい。例示的な範囲としては、約500ワット〜約1500ワット、約50ワット〜約1000ワットおよび約250ワット〜約1500が挙げられる。
<ナノダイヤモンド表面の官能化>
本明細書に記載のプロセスにおいては、精製され、かつ概して不純物を含まないナノダイヤモンドを用いることが望ましい。親水性表面基を含むナノダイヤモンド、特に、表面カルボキシル基を含むナノダイヤモンドを利用することがさらに望ましい。
いくつかの実施形態において、ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド1グラム当たり少なくとも約0.5mmolのカルボキシル基、例えば、ナノダイヤモンド1グラム当たり少なくとも約0.1mmolのカルボキシル基、ナノダイヤモンド1グラム当たり少なくとも約0.5mmolのカルボキシル基、ナノダイヤモンド1グラム当たり少なくとも約1mmolのカルボキシル基またはナノダイヤモンド1グラム当たり少なくとも約2mmolのカルボキシル基を含む。例えば、ナノダイヤモンドは、ナノダイヤモンド1グラム当たり約0.1mmol〜約10mmolのカルボキシル基、ナノダイヤモンド1グラム当たり約0.5mmol〜約5mmolのカルボキシル基、ナノダイヤモンド1グラム当たり約1mmol〜約3mmolのカルボキシル基を含んでもよい。
いかなる理論にも拘束されるものではないが、本明細書に記載のプロセスは、表面に多数のカルボキシル基を有する親水性ナノダイヤモンドに適用された場合により効率的であると考えられる。幸い、実質上あらゆるナノダイヤモンドは、非ダイヤモンド炭素を除去し、カルボキシル(COOH)基を表面に形成する単純な空気酸化工程の後に、塩添加超音波脱凝集に適用可能とすることができる。ナノダイヤモンドに表面カルボキシル基を導入する他の手法が当業者に一般に公知であり、これらは、液体酸化、マイクロ波アシスト液体酸化および気相(例えば、オゾン)酸化技術を含む。
したがって、本明細書に記載の方法は、脱凝集工程の前にナノダイヤモンド凝集体を精製する空気酸化工程を含んでもよい。空気酸化は、当業者によって常規的に行うことができ、典型的には、空気中で十分な時間(例えば、少なくとも約5分間、少なくとも約15分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間または少なくとも約2時間)ナノダイヤモンド試料を加熱する(例えば、少なくとも約350℃、少なくとも約375℃または少なくとも約420℃の温度で)ことを含む。
いくつかの実施形態において、ナノダイヤモンドは表面カルボキシル基を含み、脱凝集剤は塩を含む。脱凝集剤が液状媒体に乖離する塩を含む場合、カチオンは表面カルボキシル基と反応して、対応する塩を形成し得ると考えられる。一例として、脱凝集剤が塩化ナトリウムを含む場合、ナノダイヤモンドの表面にカルボン酸ナトリウム基が形成され得る。
いかなる理論にも拘束されるものではないが、アニオン性表面基(例えば、カルボキシル基)によって付与される静電反発力は、脱凝集プロセスを補助するとともに、ナノダイヤモンド粒子の再凝集を防止し得ると考えられる。表面カルボン酸塩基(例えば、カルボン酸ナトリウム)は、表面カルボキシル基よりも高い度合いで乖離することができ、したがって、脱凝集プロセスをさらに向上させることができる。
<脱凝集剤>
本明細書に記載のプロセスにおいて、脱凝集剤は、ナノダイヤモンド凝集体に接触して、これらを分断し、その有効粒子径を減少させる。典型的には、脱凝集剤は結晶性材料である。
脱凝集剤は、結晶性無機塩を含んでいてもよい。例えば、脱凝集剤は、重炭酸塩、重硫酸塩、炭酸塩、ハロゲン化物、炭酸水素塩、硫酸水素塩、メタ重亜硫酸塩、硝酸塩、亜硫酸塩、水酸化物、硫酸塩またはチオ硫酸塩のアルカリ金属、アルカリ土類金属またはアンモニウム塩を含んでいてもよい。脱凝集剤は、臭化アンモニウム、炭酸アンモニウム、塩化アンモニウムおよびメチルアミン塩酸塩を含むがこれに限定されない、1種以上のアミン塩またはアンモニウム塩を含んでいてもよい。脱凝集剤は、薬学的に許容されるナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウムおよびバリウム(これらに限定されるものではないが)を含むアルカリ金属の結晶性水酸化物、炭酸水素塩または炭酸水素塩の1種以上;硫酸水素ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム;硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、グラウバー塩、重硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、塩化カリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、重炭酸カリウム、臭化カリウムおよびカリ石を含んでもよい。
脱凝集剤は、好ましくは、アルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物塩などのハロゲン化物塩、より好ましくは、塩化ナトリウムなどの塩化物塩を含む。塩化ナトリウムは、デンドライト状、粒状または通常の立方体状の形態で用意されてもよい。
あるいは、脱凝集剤は、結晶性糖類、有機酸または有機酸塩を含んでもよい。適した結晶性糖類の非限定的な例としては、ラクトース、マルトース、スクロースおよびこれらの混合物を含むものが挙げられる。適した有機酸および塩の非限定的な例としては、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、乳酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸およびそれらの誘導体、パラートルエンスルホン酸、フェノール、尿酸、トリフルオロメタンスルホン酸、ホスホン酸、アミノメチルホスホン酸ならびに薬学的に許容されるそれらの塩および混合物が挙げられる。例えば、脱凝集剤は、スクロースを含んでもよい。
さらなる代替例として、脱凝集剤は、糖類以外の有機結晶性化合物を含んでもよい。例えば、脱凝集剤は、フェノールまたはキノンを含んでもよい。
ナノダイヤモンドを用いて金属−マトリクス複合体を形成する用途においては、それが金属の機械的特性を改善用であれ、磁気映像法や抗がん治療などの生物医学用途であれ、あるいは他の用途であれ、脱凝集剤は、金属塩を含んでいてもよい。例えば、脱凝集剤は、ガドリニウム、銅、ニッケル、鉄またはコバルトの塩化物、硫酸塩または硝酸塩を含んでいてもよい。適した脱凝集剤の非限定的な例としては、塩化銅(I)、塩化銅(II)、硫酸銅(II)、硝酸銅(II)、酢酸銅(I)、酢酸銅(II)、塩化ニッケル、硫酸ニッケル、硝酸ニッケル、酢酸ニッケル、塩化鉄(II)、塩化鉄(III)、硫酸鉄(II)、硫酸鉄(III)、硝酸鉄(III)、酢酸鉄(III)、酢酸鉄(II)、塩化コバルト(II)、硫酸コバルト(II)、酢酸コバルト(II)および硝酸コバルト(II)が挙げられる。
好ましくは、脱凝集剤の粒子または結晶の大きさは、凝集ナノダイヤモンドクラスターのメジアン粒子径と同様である。例えば、脱凝集剤の結晶または粒子の当初の大きさは、0.1〜10ミクロン程度であってもよく、これは、特定の実施形態において、凝集ナノダイヤモンドクラスターの当初のメジアン粒子径と同様であってもよい。脱凝集剤および凝集ナノダイヤモンドは、次いで、同等の割合で大きさを減少させてもよく、これにより、超音波処理プロセス全体を通じて比較的同様の粒子径が維持される。
上述のように、脱凝集剤は、ナノダイヤモンドが比較的不溶である溶離溶媒に可溶であることが好ましく、この特性により、当業者によって実行可能な遠心分離および/または洗浄によってナノダイヤモンド製品から脱凝集剤を完全にあるいはほぼ完全に除去することが容易となる。
ナノダイヤモンドが生物医学用途または薬学用途における使用に供される場合、脱凝集剤は、ナノダイヤモンド製品中に不純物として残存する脱凝集剤のいかなる部分も有害であると考えられない程度に、製薬業界によって概して安全である(GRAS)と認識されることが望ましい。
<溶媒>
一局面において、脱凝集プロセスは、溶媒を含む液状媒体中で、凝集ナノダイヤモンドクラスターを脱凝集剤と脱凝集剤がその溶解限度を超える濃度で溶媒中に存在する状態で組み合わせることを含む。好適な実施形態において、この混合物は、上記クラスター、脱凝集剤および溶媒という3つの成分から実質的になり、クラスターを脱凝集させる機構に対して著しい影響を与える他の成分は存在しない。別の好適な実施形態において、混合物は、これら3つの成分のみによってなる。本明細書に記載の方法は、脱凝集剤が少なくとも部分的に可溶であり、かつナノダイヤモンドが比較的不溶である溶媒を使用してもよい。水は、好適な溶媒である。
あるいは、本方法は、非水性有機溶媒を使用してもよい。適した溶媒の非限定的な例としては、テトラヒドロフラン、クロロホルム、2-メチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、ジクロロメタン、ジクロロエタン、酢酸ブチル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、エタノール、メタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジグライム、ヘキサン、ヘプタン、オクタンおよび他の高級炭化水素、炭酸ジエチル、ベンゼンおよびトルエン、イオン性液体、アセトニトリル、プロピレンカーボネートが特に挙げられる。
超音波処理に供されるクラスターおよび脱凝集剤と組み合わされる超音波処理混合物の成分である一次溶媒に加え、脱凝集/超音波処理操作後に脱凝集クラスターから脱凝集剤を分離するために用いられる上述のような溶離溶媒が多くの実施形態において存在する。好適な実施形態において、この溶離溶媒は水である。他の実施形態において、この溶離溶媒は、例えば、グリセリン、ジメチルホルムアミドおよびプロピレングリコールであってもよい。
<成分比>
本明細書に記載の方法が効率的に行われるために十分に緻密な環境を準備するために、脱凝集剤はナノダイヤモンドに対して大幅に過剰に存在する必要がある。例えば、脱凝集剤とナノダイヤモンドの質量比は、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約20:1、少なくとも約30:1、少なくとも約40:1、少なくとも約50:1、少なくとも約75:1、少なくとも約100:1、少なくとも約125:1、少なくとも約150:1または少なくとも約200:1であってもよい。好適な実施形態において、脱凝集剤とナノダイヤモンドの質量比は、10:1〜約300:1、例えば約10:1〜約100:1、または約25:1〜約75:1、例えば約35:1〜約50:1である。ここでの一つの好適な比は、約40:1である。この比が低すぎる(すなわち、脱凝集剤の相対的な割合が小さすぎる)場合、上記プロセスは、クラスターを効率的かつ完全にナノダイヤモンド一次粒子へと脱凝集させることができない。この比が高すぎる場合、上記媒体は厚くなりすぎ、クラスターに対する超音波エネルギーの伝達が非効率となって損なわれる。
液状媒体中のナノダイヤモンドの濃度もまた、効率的な脱凝集を可能とするのに十分に高くする必要がある。例えば、ナノダイヤモンドは、液状媒体1リットル当たり少なくとも10グラム、例えば、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約40g/Lまたは少なくとも約50g/Lの量で存在していてもよい。
いくつかの実施形態において、脱凝集剤は、溶媒成分に不溶である。他の実施形態において、脱凝集剤は溶媒成分に少なくとも部分的に可溶であり、液状媒体は脱凝集剤を溶媒成分中のその溶解限度を超える量で含む。例えば、脱凝集剤がその溶解限度の100%より大きい量、例えば、125%より大きい量、150%より大きい量、175%より大きい量、または200%より大きい量で存在するように、液状媒体を過飽和させてもよい。
溶媒と脱凝集剤の比もまた重要である。なぜなら、この比は、脱凝集剤の相当の部分が溶解されずにスラリーまたは分散液の状態となるのに十分なほど低く、それによって、脱凝集剤の相当な未溶解部分を、脱凝集させるクラスターとの物理的衝突に利用できるようにすることが重要であるからである。例えば、溶媒の質量と脱凝集剤の質量の比は、典型的には、約4:1未満、例えば、約3:1未満、約2:1未満または約1.5:1未満である。この比の例示的な範囲は、約0.25:1と4:1の間および約0.5:1と約1.5:1の間である。例えば、溶媒が水を含み、脱凝集剤が塩化ナトリウムを含む実施形態においては、水と塩化ナトリウムの質量比は、約0.25:1〜約2:1、より好ましくは約0.5:1〜約1.5:1、最も好ましくは約1:1であってもよい。
一局面において、本発明は、慎重に制御された溶媒と脱凝集剤とナノダイヤモンドクラスターとの全般的な三元重量比を含む。実施形態において、例えば、溶媒:脱凝集剤:クラスターの重量比は、約20:40:1の間であり、別の実施形態においては、これは約40:40:1である。一つの一般的な提案として、特定の実施形態において、この比は、25:100:1と40:10:1の間、例えば、40:75:1と40:25:1との間の範囲となるように制御される。これらの三元重量比は、溶媒が水であり、脱凝集剤が塩化ナトリウムである実施形態において特に好適である。
<粒子径の縮小>
本明細書に記載の方法は、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約25nm未満、約20nm未満、または約15nm未満のメジアン粒子径を有するナノダイヤモンド粒子を製造するために用いることができる。ナノダイヤモンド粒子は、少なくとも約2nm、好ましくは10nm未満、例えば約9nm未満、約8nm未満、約7nm未満、約6nm未満、さらには約5nm未満の有効メジアン粒子径を有する。
本明細書で用いる場合、「有効メジアン粒子径」および「メジアン粒子径」という用語は、ナノダイヤモンド粒子の50%が上記値より小さい粒子径を有することを意味する。本明細書に記載の方法は、ナノダイヤモンド粒子を製造するために用いてもよく、当該粒子の50%超が上記に挙げた値のうち1つの値より小さい粒子径を有する。例えば、ナノダイヤモンド粒子の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%が、上記に挙げた値のいずれかよりも小さい粒子径を有していてもよい。
ナノダイヤモンドコロイドの動的粘度は、当業者に公知である従来の方法で測定することができる。例えば、本明細書に記載の方法を用いて調製した脱凝集ナノダイヤモンドのスラリーの動的粘度は、約25℃の温度で少なくとも約0.8mPa・s〜5mPa・sの範囲内であってもよい。
非限定的な例として、第1の一連の実施形態において、本明細書に記載の方法は、ナノダイヤモンド粒子を製造するために用いてもよく、当該ナノダイヤモンド粒子の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%が約20nm未満、例えば、2nmと約20nmとの間の粒子径を有する。第2の一連の実施形態において、本明細書に記載の方法は、ナノダイヤモンド粒子を製造するために用いてもよく、当該ナノダイヤモンド粒子の少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%が約10nm未満、例えば、2nmと約10nmとの間の粒子径を有する。
任意の試料におけるナノダイヤモンド粒子の大きさは、当業者に公知である従来の粒子径測定手法によって測定することができる。適した粒子径測定手法の非限定的な例としては、沈降場流動分画、光子相関分光法、ディスク遠心分離、ならびに静的および動的光散乱が挙げられる。
<ナノダイヤモンド粒子および組成物>
他の局面において、本発明は、本明細書に記載の方法を用いて調製されたナノダイヤモンド粒子に関する。さらなる局面は、上記ナノダイヤモンド粒子を含む組成物に関する。本発明の範囲に含まれる組成物の非限定的な例としては、上記ナノダイヤモンド粒子を含む乾燥粉末、水性分散液およびコロイド分散液が挙げられる。
例えば、本明細書に記載の方法を用いて調製されたナノダイヤモンド粒子を含む薬学的組成物は、本発明の範囲に含まれる。
上記ナノダイヤモンドは、上記範囲に含まれるメジアン粒子径を特徴とすることができる。同様に、上記組成物は、これらが上記範囲に含まれるメジアン粒子径を有するナノダイヤモンドを含むことを特徴とすることができる。
本明細書に記載の方法に従って調製されたナノダイヤモンドの水性分散液は、約250nmよりも大きい、約200よりも大きい、約100nmよりも大きい、約90nmよりも大きい、約70nmよりも大きい、約60nmよりも大きい、または約50nmよりも大きい粒子径を有する凝集体を実質的に含まなくてもよい。本明細書で用いる場合、「凝集体を実質的に含まない」という用語は、分散液は、分散液中に存在するナノダイヤモンドの全固形物体積に対して、当該凝集体を10体積%未満、例えば、5体積%未満、2体積%未満、さらには1体積%未満含むことを意味する。
本明細書に記載の方法に従って調製されたナノダイヤモンド粒子は、約7未満、約6未満、約5未満、約4未満、さらには約3未満の等電点(IEP)をさらなる特徴としてもよい。
本明細書に記載の方法に従って調製されたナノダイヤモンドの水性分散液は、有利な貯蔵安定性をさらなる特徴としてもよい。例えば、上記水性分散液は、周囲条件にて少なくとも約1日、少なくとも約1週間、少なくとも約1ヶ月または少なくとも約4ヶ月貯蔵された際、ナノダイヤモンド相の目に見える析出を示さないものであってもよい。
本明細書に記載の方法に従って調製された乾燥ナノ粒子状組成物もまた、本発明の範囲に含まれる。有利には、本明細書に記載されるように脱凝集した乾燥ナノダイヤモンドは、容易に水に再分散させて、ほんのわずかに大きい平均粒子径(例えば、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約25nm未満、約20nm未満、または約15nm未満の平均粒子径)を有する水性分散液を形成することができる。乾燥ナノダイヤモンド組成物のこの特徴は、乾燥およびそれに続く再分散によって平均粒子径が1μm以上の凝集体が形成される従来技術の脱凝集手法を用いて調製されたナノダイヤモンドと比較して、著しく有利である。
本開示の本文は凝集ナノダイヤモンドおよび脱凝集ナノダイヤモンドに着目したものであるが、同様の原理および考察は、他の硬質材料の脱凝集に適用可能であることが理解される。
本発明を詳細に説明したが、添付の請求項に定義される本発明の範囲を逸脱することなく、修正および改変が可能であることは明らかである。
[実施例]
以下の非限定的な実施例は、本発明をさらに詳細に説明するために示される。
<材料および手順>
これらの実験において使用したナノダイヤモンドは、全てデトネーションによって製造した。3つの異なる製造業者から入手したナノダイヤモンド試料は、下記表1に示すように、それぞれ、ND1、ND2およびND3と称した。
各試料から得られたナノダイヤモンドの一部を、セラミックス製の坩堝中で425℃で2時間、空気中で精製した。得られた精製試料は、それぞれ、カルボキシル基で終端したナノダイヤモンドを約95〜97重量%含んでいた。これらの空気酸化ナノダイヤモンド試料は、その主要な表面化学特性を反映させるため、それぞれ、ND1−COOH、ND2−COOHおよびND3−COOHのラベルを付した(表1を参照)。
以下に記載する方法のそれぞれにおいて、試薬グレードの塩化ナトリウムをSigma−Aldrich社から購入し、受け取ったままの状態で使用した。
塩添加超音波脱凝集(SAUD)
表1に記載のナノダイヤモンド試料のそれぞれを用いて試験組成物を調製した。
各試料について、10グラムの塩化ナトリウムと0.250グラムのナノダイヤモンド粉末との混合物を磁器モルタルおよび乳棒を用いて粉砕し、5mLのDI水と共に、20mLのガラス製シンチレーションバイアルに入れた。調製した組成物を、BRANSON SONIFIERTM250 ULTRASONICATORを用いて、60kHzの周波数にて60%の出力電力および50%のデューティサイクルで100分間、超音波処理した。
超音波処理の後、組成物を50mLのプラスチック製FALCON遠心分離管の間で均等に分割し、全容積が100mL(2×50mL)になるまで蒸留水に分散させた。次いで、EPPENDORF CENTRIFUGE 5810−Rを用いて、各組成物を4000rpm、25℃で10分間、遠心分離し、透明な上澄みを廃棄した。次いで、湿ったナノダイヤモンド析出物を蒸留水(全容積100mL)に再分散させ、12000rpm、25℃で1時間、二回目の遠心分離を行った。ここでもまた、透明な上澄みを廃棄し、湿ったナノダイヤモンド析出物を5mLの蒸留水に再分散させ、特性評価を行った。
標準のAgNOアッセイは、脱凝集ナノダイヤモンド中にClが全く存在しないことを示した。試料から水を蒸発させた後、黒色の固体ナノダイヤモンド「チップ」が〜200mgの収率で形成されていることが観察された。これは、各試料のナノダイヤモンドの当初の質量に対して80%の収率である。
<フーリエ変換赤外分光法>
塩添加超音波脱凝集が異なる供給源からの異なるナノダイヤモンドグレードに対して作用することを実証するため、試料ND2およびND3、ならびに空気酸化試料ND2−COOHおよびND3−COOHから得られたナノダイヤモンドをフーリエ変換赤外(FTIR)分光法を用いて調べた。
THERMO NICOLET NEXUS 470 FTIR分光計を用いて、1cm−1の解像度にて800〜4000cm−1の範囲でFTIRスペクトルを記録した。ナノダイヤモンドのFTIRスペクトルは、100mgのKBrと1mgのNDの混合物を15トンの荷重下で圧縮することにより作製した臭化カリウムペレットにおいて記録した。
ナノダイヤモンドND2およびND3の塩添加超音波脱凝集では、いずれも、一桁ナノダイヤモンド粒子は製造されなかったことが観察された。しかし、ND2−COOHおよびND3−COOHの塩添加超音波脱凝集では、いずれも、安定した一桁ナノダイヤモンドが得られることが観察された。
図2cおよび図2dに示すように、FTIRは、ND2とND2−COOHとの間、およびND3とND3−COOHとの間に著しい表面化学特性の差異が存在することを示している。ND2およびND3のFTIRスペクトルは、C=Oストレッチ(酸化NDの対応するスペクトルにおいて1812cm−1および1788cm-1に現れる)が全く存在しないことおよびC−Hストレッチの振動ピーク(ND2は2867cm−1、2939cm−1、ND3は2867cm−1、2981cm−1)が存在することを明らかにしている。このことは、ND2およびND3上にCOOH基が存在せず(CH2/CH3基の含有率が高い)、OHが存在する(ND表面に化学的に付着しているか、吸着された水中で付着しているかのいずれか)。
これらの結果は、塩添加超音波脱凝集は、多数のカルボキシル基を表面に有する親水性ナノダイヤモンドに対してより良好に作用することを示唆している。幸い、実質上あらゆるナノダイヤモンド試料は、非ダイヤモンド炭素を除去し、COOH基を表面に形成する単純な空気酸化工程の後に、塩添加超音波脱凝集に適用可能とすることができる。
図2aおよび図2bに示すように、当初のナノダイヤモンドクラスターと比較して、脱凝集ナノダイヤモンドND1およびND1−COOHのFTIRスペクトルには変化が観察されなかった。したがって、上記の実験条件下では、塩添加超音波脱凝集はナノダイヤモンドの表面化学特性を変えないことが観察された。
<プロセスの反応速度および粒子径分布>
実施例1に記載の塩添加超音波脱凝集プロセスの反応速度を、試験組成物から得た1mLのアリコートを30分、60分および100分間隔で超音波処理プロセスに供することによって調べた。アリコートを2つの連続した水洗工程および遠心分離工程に供してNaClを除去し、続いて、〜0.2重量%のナノダイヤモンドに希釈してから、粒子径分布を測定した。
ZETASIZER NANO ZSによって得た動的光散乱(DLS)測定値を用いて、ナノダイヤモンド分散液の粒子径分布を求めた。同じ機器を使用し、電気泳動移動度よってナノダイヤモンドのゼータ電位を測定した。測定された粒子径分布は、溶液粘度に対して感受性を有することが分かった。溶液粘度は、ナノダイヤモンドの濃度に依存する。各測定値を3つずつ取り、図1および図3に平均値をプロットした。MPT−2自動滴定器を用いて、pHに対する粒子径およびゼータ電位を測定した。
DLSによって測定した、純粋なND1ナノダイヤモンドの水性懸濁液の粒子径分布は、800nmおよび150nmを中心とする2つのブロードなピーク(図1a、0分)を典型的に示しており、これらのピークは、それぞれ、「中間」ナノダイヤモンド凝集体および「コア」ナノダイヤモンド凝集体に対応している。純粋なND1−COOHの懸濁液は、より小さい平均粒子径を示し、70〜80nmを中心とする単一のピークを有していた(図1b、0分)。この観察は、空気精製されたナノダイヤモンドは、表面カルボキシル基の含有率が高いために、受け取ったままの状態のナノダイヤモンドよりもより均一かつ親水性の高い表面を有するという先に報告されたデータと合致している。
試料ND1の塩添加超音波脱凝集の際、図1aは、30分後、〜800nmにおけるピークが消失し、〜150nmにおけるピークは、強度が減少し、小サイズ側の70nmにシフトしたことを示している。同じ期間中に、強く狭い新たなピークが21〜25nmに出現し、これは、それぞれが数個の粒子のみを有する小さいナノダイヤモンド凝集体に対応する。60分間の塩添加超音波脱凝集の後、これらのピークは、30分に比べて、小サイズ側にさらに移動した。100分間の塩添加超音波脱凝集の後、著しいサイズの減少が観察され、13nmにおける強いピークに続いて〜40nmにテールピークを示した。なお、スラリーの粘度が著しく増加し、超音波の伝播効率が低減したため、塩添加超音波脱凝集は、100分を超えると継続が困難であった。
ND1−COOHについての反応速度調査を同様に行った。結果を図1bに示す。同様の傾向が観察されたが、100分のSAUD後、ND1−COOHのサイズはさらに小さくなった。粒子径分布は、11nmにおいて強いピーク、それに続いて、30nmにおいてテールを示した。いかなる理論にも拘束されるものではないが、空気酸化ND1−COOHのより高い親水性により、このナノダイヤモンド試料は、ND1ナノダイヤモンド試料と比較して、同じ塩添加超音波脱凝集プロセス後に、より良好な粒子径分布を示したと考えられる。
DLSにおいて粘度が大きな役割を果たし、ナノダイヤモンド懸濁液の粒子径が任意の試料の濃度、したがって、粘度に依存することは周知である。0.01〜5重量%の濃度範囲における水性ナノダイヤモンド懸濁液のDLS研究によって、30〜5ナノメートルの粒子径では、0.9〜1.8mPaの範囲の粘度を有することが判明している。高濃度ナノダイヤモンド懸濁液の挙動は、ナノダイヤモンド粒子が各結晶間に10ナノメートルの距離で均一に分布したコロイド状結晶が形成され、試料粘度がより大きくなることによって説明され得る。しかし、希釈試料は、粒子間距離が増加し、したがって、ナノダイヤモンド二次凝集体の形成および凝集体のサイズ増加にとってより好ましい環境が形成されることを示している。
水中での4重量%ナノダイヤモンド懸濁液の粒子径分布は、上述の0.2重量%ナノダイヤモンド懸濁液とは異なることが分かった。4重量%ナノダイヤモンド懸濁液のDLS測定値のための粘度設定を2.0〜2.3cPに調整することにより、6〜8ナノメートルにピークを有し、20〜30ナノメートルに小さいテールを有する粒子径分布がND1、ND1−COOHおよびND2−COOHに同時に見られた。懸濁液は、それぞれ、非常に安定であるようであり、1ヶ月にわたって周囲条件での析出はなかった。
<ゼータ電位および等電点>
塩添加超音波脱凝集の前後にナノダイヤモンド試料のpHに対するゼータ電位を観察することにより、一桁ナノダイヤモンド懸濁液の形成のさらなる証拠を示す。
ナノダイヤモンドの当初のゼータ電位は、カルボキシル官能基および黒鉛シェルなどの表面基により、中性pHにおいては負電荷であった。しかし、各処理済み(脱凝集)試料は、未処理(凝集)ナノダイヤモンド試料と比べてより負のゼータ電位を示すようであった。いかなる理論にも拘束されるものではないが、これは、脱凝集試料においては、凝集試料と比べて表面基がより露出するということに起因する可能性がある。
図4は、pHに対するゼータ電位を破線で、pHに対するZ平均直径を実線で示す。円形のデータ点は、塩添加脱凝集(SAUD)前のナノダイヤモンド(ND)を示し、四角形のデータ点は、SAUD後のNDを示す。図4aは、ND1(円形)およびSAUD後のND1(四角形)についてのこれらのデータを示す。図4bは、ND1−COOH(円形)およびSAUD後のND1−COOH(四角形)についてのこれらのデータを示す。図4cは、ND2−COOH(円形)およびSAUD後のND2−COOH(四角形)についてのこれらのデータを示す。図4dは、ND3−COOH(円形)およびSAUD後のND3−COOH(四角形)についてのこれらのデータを示す。ゼータ電位データに関し、ND1試料およびND1−COOH試料についての等電点(IEP)は、2.8〜2.9であり、一方、SAUD処理後の対応する脱凝集試料は、それぞれ、およそ2.0のIEPを有していた。ND2−COOHの場合、pH2は、等電点に達するのに十分に酸性ではないことが観察された。SAUD処理の後、脱凝集ND2−COOH試料は、未処理の出発材料(図面4c)よりも11mV低いゼータ電位を有していた。
<pHおよび粒子径の解析>
凝集挙動に関し、SAUDの結果、NDのコロイド安定性はより良好となり、より低いpH値に達した。pHに対する粒子径の検討を図4において実線で示す。図4aは、ND1については、SAUDの前後のいずれの場合も、凝集は、pHが約3.2未満まで低下した際に開始することを示している。図4bおよび図4dは、ND1−COOHおよびND3−COOHについては、凝集は、SAUD処理を行った場合は、4.0よりも低いpHで開始するが、SAUD処理を行わない場合、4.0よりも高いpHで開始することを示している。図4cは、ND2−COOHについては、SAUD処理を行った場合は、安定性はpH2.7に及ぶ非常に高いものあるが、これに対して、SAUD処理を行わない場合、たった3.3、さらにはより高いpHにしか低下しない中程度の安定性であることを示している。未処理のNDとSAUD処理済みのNDとの差異は、SAUD処理を行った場合、より高い安定性およびより高いpH範囲安定性の両方においてコロイド挙動が改善されること示している。異なるSAUD処理済みND間のコロイド挙動の差異は、表面化学特性、特に、これらの試料中のCOOH基の数の役割を強調している。SAUDによって製造された、より広いpH範囲において高いコロイド安定性を有するND(例えば、ND2−COOH SAUD)は、より低いpHでの安定性がしばしば要求される生物医学用途において特に重要である。
SAUD処理済みND1の場合、凝集点は、より高いpH3.5で開始した。いかなる理論にも拘束されるものではないが、ナノダイヤモンド挙動の著しい差異は、塩添加超音波脱凝集プロセスに対する表面化学特性の影響を裏付けるものである。
<最適な測定値および色の観察>
VARIAN CARY 50 BIO UV可視分光光度計を用いて、上記実施例1に記載される通りに調製された脱凝集コロイド状ナノダイヤモンド溶液のUV−Visスペクトルを取得した。
SAUD処理済みの(脱凝集)ND1、ND1−COOH、ND2−COOHおよびND3−COOHのコロイド状組成物について、400〜800nmの範囲の吸光度スペクトルを記録した。ナノダイヤモンドの質量濃度に対する400nmでの吸光度をプロットし、計算した線形回帰曲線から、重量吸光係数を導出した。チンダル効果によって、水性組成物でのSAUD処理済みのナノダイヤモンドのコロイド状態が確認される。
SAUD処理の結果、検討された全てのナノダイヤモンド試料についてナノダイヤモンド懸濁液の色の劇的な変化も観察された(図3、下側の挿入写真の方が上側の挿入写真よりも色が濃い)。
水に十分に分散させたナノダイヤモンドが、凝集試料よりも濃い色を有することは公知である。一桁水性ナノダイヤモンドは、特徴的なほぼ黒色の外観を有する。水性ナノダイヤモンドコロイドの濃色の起源については、今なお議論がなされているが、pHを調整することにより、脱凝集の際の変色は黒鉛炭素不純物による光吸光度に関連しないことが文献において証明されている。表面状態による光散乱や吸光度を含む多くの要因が、バルク吸光度に加えて、一桁ナノダイヤモンドコロイドの色に寄与している。しかし、ナノダイヤモンドとの光相互作用の詳細な知識がなくとも、色の変化を用いて、ナノダイヤモンド分散液における粒子径についての定性的な結論を導き出すことが可能である。
ND1は、懸濁液において茶色がかった色を有し(図3a、上側の挿入写真)、一方、SAUD ND1の色は、同じ濃度において濃い黒茶色がかった色である(図3a、下側の挿入写真)。ND1−COOH、ND2−COOHおよびND3−COOHは、灰色または薄い灰色のように見える(図3、上側の挿入写真)一方、SAUD処理済みの試料は、すべて黒茶色がかっており(図3、下側の挿入写真)、これは一桁ナノダイヤモンドの存在を示すものである。
光吸光度を用いて、ナノダイヤモンド濃度を求めることができる。この目的のためには、ナノダイヤモンドの吸光係数を把握することが重要である。異なる濃度のSAUD処理済みナノダイヤモンドを用いて、400nmにおけるこれらの質量吸光係数を求めた。SAUD処理済みのND1、ND1−COOH、ND2−COOHおよびND3−COOHの計算された質量吸光係数は、それぞれ、1.880、0.841、0.999および1.206mg・mL−1・cm−1であった。
<透過型電子顕微鏡(TEM)およびエネルギー分散型X線(EDX)分光法>
200kVで動作するPHILIPS TECNAI F30電界放出電子顕微鏡を用いてTEMを行った。TEM試料は、炭素被覆Cu格子上にND水性コロイド溶液をドロップキャストし、続いて外気雰囲気中で乾燥することによって調製した。EDXは、Li−ドリフトSi検出器を用いて、エネルギー分解能が130eVのTEMにおいて行った。同じくTEMにおいて行った制限視野電子回折(SAED)によってさらなる構造情報を得た。
透過型電子顕微鏡(TEM)およびX線回折(XRD)により、SAUD処理済みナノダイヤモンドのさらなる特性評価を行った。図5aは、コロイド溶液から炭素被覆銅格子上にドロップキャストされたSAUD処理済みND1の代表的なTEM画像を示す。広視野・低解像度画像において、ナノダイヤモンドの緻密な色の濃い凝集体は見られない。試料は均一のようであり、ナノダイヤモンドは緩い単層を形成している。図5aの挿入写真は、制限視野電子回折(SAED)であり、これは、SAUD処理済みナノダイヤモンド粒子がそのダイヤモンド結晶構造を保持していることを確認するものである。SAUDのリングは、面間隔dが0.204(図5bに示すHR−TEMによっても確認される)、0.126および0.108nmのナノダイヤモンドの(111)、(220)および(311)面にそれぞれ対応する。測定された面間隔dの値は、立方体ダイヤモンドの構造と良く合致している。
エネルギー分散型X線分光法(EDX)により、上記粒子の化学組成を評価した。予想された通り、SAUD処理済みND1のEDX(図5c)は、主として炭素を示し、試料の高い純度を示している。EDXスペクトルにおいて観察された他の元素の信号は、TEM格子(Cu)およびTEM検出器(Si)から発せられている。
当初の凝集ND1(図5dの下側の線)のXRDパターンとは対照的に、SAUD処理済みND1(図5dの上側の線)のXRDパターンは、黒鉛シェルに関連する(002)および(004)ピークの位置において何ら強度を示していない。ダイヤモンドのコアに対応する、2θ=43.9°および75.3°における非常に顕著なピークは、先に報告されている回折データ(PDF Card 00−006−0675)とよく一致している。シェラーの方程式によれば、SAUD処理済みND1の結晶の大きさは、4.4nmであると計算されたが、これは、未処理(凝集)ND1(4.6nm)よりも若干小さい。EDX解析およびXRD解析はいずれも、他のナノダイヤモンド脱凝集手法とは対照的に、SAUDによって汚染物質(ZrO、SiO、鉄酸化物等のような)が導入されることがないことを確認するものである。
<追加の脱凝集剤>
塩化ナトリウム以外の脱凝集剤を用いたことを以外は、実施例1の記載の通りにナノダイヤモンド凝集体ND1の塩添加超音波脱凝集を行った。
NaClの代わりに塩化カリウムを用いた以外は、実施例1に記載のSAUDプロトコルに従うことにより(水と脱凝集剤とナノダイヤモンドとの質量比100:200:5を用いて)、7.2nmの平均粒子径を有する脱凝集ナノダイヤモンド粒子を得た(図6a)。脱凝集剤として酢酸ナトリウムを用いたこと以外は、同一のプロトコルを用いた結果、水中で3.8nmの平均粒子径を有する脱凝集ナノダイヤモンド粒子が得られた(図6b)。いずれの実験においても、粒子径分布は、コロイド溶液中のナノダイヤモンド濃度を4重量%とし、1.6mPa・sの粘度にて測定した。
<X線光電子分光法>
下記の表2〜表3の化学組成データは、アルカリ金属の含有率が0.72〜0.85原子%以内である一方で、塩素含有率が無視できる程度(〜0.06原子%)であることを示し、NaClおよびKClのSAUDの際にそれぞれのアルカリ金属のND塩が形成されるという仮説を裏付けるものである。さらに、ND−COOHが弱酸(HClよりも弱酸)であると仮定した場合(妥当な仮定であると思われる)、これらの状況においてはND−COO−Na+(ND−COO−K+)が形成されることが簡単な化学的考察に基いて予測される。
実施例1(脱凝集剤として塩化ナトリウムを用いる)および実施例8(脱凝集剤として塩化カリウムを用いる)に記載の通りに、ND1ナノダイヤモンド凝集体の塩添加超音波脱凝集を行った。X線光電子分光法(XPS)を用いて、得られたSAUD処理済みナノダイヤモンドの特性評価を行った。
表2のデータは、塩化ナトリウムを用いて処理したSAUD処理済みナノダイヤモンドの場合、液状媒体中のアルカリ金属の含有率は、約0.72〜約0.85原子パーセントの範囲内であるのに対し、塩素含有率は無視できる程度である(〜0.06原子%)であることを示している。表3に示すように、塩化カリウムを用いて処理されたSAUD処理済みナノダイヤモンドについても、同様の結果が観察された。塩化ナトリウムを用いて処理されたSAUD処理済みナノダイヤモンドのXPS定量分析報告を下記の表2に示し、塩化カリウムを用いて処理されたSAUD処理済みナノダイヤモンドの対応するデータを下記の表3に示す。
これらのデータは、それぞれのアルカリ金属(例えば、それぞれ、ナトリウムおよびカリウム)のナノダイヤモンド塩の形成を示している。いかなる理論にも拘束されるものではないが、ND−COOHが弱酸(HClよりも弱酸)であると仮定した場合(妥当な仮定であると思われる)、これらの状況においてはND−COONaおよびND−COOが形成されることが簡単な化学的考察に基づいて予測されるであろう。
本発明またはその実施形態に要素を導入する際、冠詞「a」、「an」、「the」および「said」は、当該要素が1つまたは複数存在することを意味することを意図している。「備える(comprising)」、「含む(including)」および「有する(having)」という用語は、列挙された要素以外の追加の要素が存在することを意味することを意図している。
上記に鑑みれば、本発明のいくつかの目的が達成されるとともに、他の有利な結果が得られることが理解される。
上記の組成およびプロセスおいては、本発明の範囲から逸脱することなく、種々の変更が可能であり、上記の説明に含まれ、添付の図面に示される全ての事項は、限定ではなく、例示として解釈されることを意図している。

Claims (39)

  1. ナノダイヤモンドクラスターの脱凝集方法であって、
    (a)溶媒を含む液状媒体中で、凝集ナノダイヤモンドクラスターと脱凝集剤とを前記脱凝集剤がその溶解限度を超える濃度で前記溶媒中に存在する状態で組み合わせて、溶媒、脱凝集剤およびナノダイヤモンドクラスターの混合物を得る工程、および
    (b)前記混合物を、前記凝集ナノダイヤモンドクラスターのメジアン粒子径未満のメジアン粒子径を有するナノダイヤモンド粒子を製造するのに十分な時間、超音波処理する工程を含み、
    前記液状媒体中の脱凝集剤とナノダイヤモンド粒子の質量比が、約10:1〜約100:1、または約25:1〜約75:1、例えば、約35:1〜約50:1である方法。
  2. 前記脱凝集剤は結晶性無機塩を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記脱凝集剤はハロゲン化物塩を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記脱凝集剤はアルカリ金属ハロゲン化物またはアルカリ土類金属ハロゲン化物を含む、請求項3に記載の方法。
  5. 前記脱凝集剤は塩化物塩を含む、請求項3または4に記載の方法。
  6. 前記脱凝集剤は塩化ナトリウムを含む、請求項5に記載の方法。
  7. 前記脱凝集剤は結晶性糖類、有機酸または有機塩を含む、請求項1に記載の方法。
  8. 前記脱凝集剤はスクロースを含む、請求項7に記載の方法。
  9. 前記脱凝集剤は、ガドリニウム、銅、ニッケル、鉄またはコバルトの塩化物、硫酸塩または硝酸塩を含む、請求項1に記載の方法。
  10. 前記液状媒体は、前記脱凝集剤が不溶である溶媒を含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
  11. 前記液状媒体は、前記脱凝集剤が少なくとも部分的に可溶である溶媒を含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 前記脱凝集剤は、大部分が前記溶媒に溶解している、請求項11に記載の方法。
  13. 前記溶媒は水を含む、請求項11または12に記載の方法。
  14. 前記溶媒は水を含み、前記脱凝集剤は塩化ナトリウムを含む、請求項13に記載の方法。
  15. 前記液状媒体は非水性有機溶媒を含む、請求項11または12に記載の方法。
  16. 前記脱凝集剤は、前記溶媒成分に少なくとも部分的に可溶であり、前記液状媒体は、前記脱凝集剤を前記溶媒成分中でのその溶解限度を超える量で含む、請求項11〜15のいずれか一項に記載の方法。
  17. 前記液状媒体は、前記脱凝集剤を前記溶媒成分中でのその溶解限度の100%よりも大きい、例えば、125%よりも大きい、150%よりも大きい、175%よりも大きいまたは200%よりも大きい量で含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記液状媒体中の前記脱凝集剤と前記ナノダイヤモンドの質量比は、少なくとも約5:1、少なくとも約10:1、少なくとも約20:1、少なくとも約30:1、少なくとも約40:1、少なくとも約50:1、少なくとも約75:1、少なくとも約100:1、少なくとも約125:1、少なくとも約150:1または少なくとも約200:1である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の方法。
  19. 前記液状媒体は、ナノダイヤモンドを前記液状媒体1リットル当たり少なくとも10グラム、例えば、少なくとも約20g/L、少なくとも約30g/L、少なくとも約40g/Lまたは少なくとも約50g/Lの量で含む、請求項1〜18のいずれか一項に記載の方法。
  20. 前記液状媒体は、約5分〜約300分、約5分〜約180分、約5分〜約120分または約30分〜約120分間、超音波処理される、請求項1〜19のいずれか一項に記載の方法。
  21. 前記液状媒体は、少なくとも約5分、約10分、約15分、約20分、約30分または約60分間、超音波処理される、請求項1〜20のいずれか一項に記載の方法。
  22. 前記ナノダイヤモンド粒子は、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約25nm未満、約20nm未満、約15nm未満、約10nm未満、約9nm未満、約8nm未満、約7nm未満、約6nm未満または約5nm未満のメジアン粒子径を有する、請求項1〜21のいずれか一項に記載の方法。
  23. 前記ナノダイヤモンド粒子の少なくとも約50%、少なくとも約60%、少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、少なくとも約98%または少なくとも約99%は、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約25nm未満、約20nm未満、約15nm未満または約10nm未満の粒子径を有する、請求項1〜22のいずれか一項に記載の方法。
  24. 前記脱凝集剤の少なくとも一部を前記ナノダイヤモンド粒子から分離する分離工程をさらに含む、請求項1〜23のいずれか一項に記載の方法。
  25. 前記分離工程は、前記脱凝集剤の少なくとも一部を、前記ナノダイヤモンド粒子が実質的に不溶でありかつ前記脱凝集剤が可溶である溶離溶媒に溶解させることを含む、請求項24に記載の方法。
  26. 前記溶離溶媒は水を含む、請求項25に記載の方法。
  27. 前記脱凝集剤の少なくとも約50%、少なくとも約75%、90%超、少なくとも約95%または少なくとも約99%を前記ナノダイヤモンド粒子から分離させる、請求項24〜26のいずれか一項に記載の方法。
  28. 前記脱凝集工程の前に空気酸化工程を含み、該空気酸化工程は、前記凝集ナノダイヤモンドクラスターを空気中で少なくとも約350℃の温度で少なくとも約5分間、加熱することを含む、請求項1〜27のいずれか一項に記載の方法。
  29. 前記凝集ナノダイヤモンドクラスターを少なくとも約375℃または少なくとも約420℃の温度で加熱する、請求項28に記載の方法。
  30. 前記凝集ナノダイヤモンドクラスターを少なくとも約15分間、少なくとも約30分間、少なくとも約45分間、少なくとも約1時間または少なくとも約2時間加熱する、請求項28または29に記載の方法。
  31. 前記溶離溶媒に不溶であるミリング媒体の非存在下で行われる、請求項25または26に記載の方法。
  32. セラミック製または金属製のミリング媒体の非存在下で行われる、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  33. ジルコニウムを含むミリング媒体の非存在下で行われる、請求項1〜31のいずれか一項に記載の方法。
  34. 請求項1〜33のいずれか一項の記載に従って製造されたナノダイヤモンド粒子状物質を含む組成物。
  35. 前記ナノダイヤモンド粒子状物質は水性分散液中に存在している、請求項34に記載の組成物。
  36. 前記水性分散液は、約250nmよりも大きい、約200よりも大きい、約100nmよりも大きい、約90nmよりも大きい、約70nmよりも大きい、約60nmよりも大きいまたは約50nmよりも大きい粒子径を有する凝集体を実質的に含まない、請求項35に記載の組成物。
  37. 前記ナノダイヤモンド粒子状物質は、乾燥粒子状組成物の形態を有する、請求項34に記載の組成物。
  38. 請求項37に記載の前記乾燥粒子状組成物を水に分散させることによって調製された水性ナノダイヤモンド分散液。
  39. 前記分散ナノダイヤモンド粒子は、約50nm未満、約40nm未満、約30nm未満、約25nm未満、約20nm未満または約15nm未満の平均粒子径を有する、請求項38に記載の水性ナノダイヤモンド分散液。
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