JPWO2017110278A1 - 情報処理装置及び情報処理方法 - Google Patents

情報処理装置及び情報処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JPWO2017110278A1
JPWO2017110278A1 JP2017557777A JP2017557777A JPWO2017110278A1 JP WO2017110278 A1 JPWO2017110278 A1 JP WO2017110278A1 JP 2017557777 A JP2017557777 A JP 2017557777A JP 2017557777 A JP2017557777 A JP 2017557777A JP WO2017110278 A1 JPWO2017110278 A1 JP WO2017110278A1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damage
information
vector
degree
inspection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2017557777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6563038B2 (ja
Inventor
樹彦 苅部
樹彦 苅部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Publication of JPWO2017110278A1 publication Critical patent/JPWO2017110278A1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6563038B2 publication Critical patent/JP6563038B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/0002Inspection of images, e.g. flaw detection
    • G06T7/0004Industrial image inspection
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/8851Scan or image signal processing specially adapted therefor, e.g. for scan signal adjustment, for detecting different kinds of defects, for compensating for structures, markings, edges
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T7/00Image analysis
    • G06T7/0002Inspection of images, e.g. flaw detection
    • G06T7/0004Industrial image inspection
    • G06T7/001Industrial image inspection using an image reference approach
    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N21/00Investigating or analysing materials by the use of optical means, i.e. using sub-millimetre waves, infrared, visible or ultraviolet light
    • G01N21/84Systems specially adapted for particular applications
    • G01N21/88Investigating the presence of flaws or contamination
    • G01N21/8851Scan or image signal processing specially adapted therefor, e.g. for scan signal adjustment, for detecting different kinds of defects, for compensating for structures, markings, edges
    • G01N2021/8883Scan or image signal processing specially adapted therefor, e.g. for scan signal adjustment, for detecting different kinds of defects, for compensating for structures, markings, edges involving the calculation of gauges, generating models
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30108Industrial image inspection
    • G06T2207/30132Masonry; Concrete
    • GPHYSICS
    • G06COMPUTING; CALCULATING OR COUNTING
    • G06TIMAGE DATA PROCESSING OR GENERATION, IN GENERAL
    • G06T2207/00Indexing scheme for image analysis or image enhancement
    • G06T2207/30Subject of image; Context of image processing
    • G06T2207/30181Earth observation
    • G06T2207/30184Infrastructure

Landscapes

  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Computer Vision & Pattern Recognition (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Quality & Reliability (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Theoretical Computer Science (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Signal Processing (AREA)
  • Investigating Materials By The Use Of Optical Means Adapted For Particular Applications (AREA)
  • Management, Administration, Business Operations System, And Electronic Commerce (AREA)
  • Image Analysis (AREA)
  • Bridges Or Land Bridges (AREA)

Abstract

本発明は、構造物の維持管理を支援するために経時的に進行する損傷の状態を適切に把握し、損傷状態の進行の予測を可能にする情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。本発明の情報処理装置の一態様であるコンピュータ装置(10)は、点検対象構造物の画像から抽出された損傷をベクトル化したベクトルを含む損傷情報を生成する損傷情報生成部(122)と、モデル構造物の損傷状態と損傷度との対応関係を示す進行モデルに基づいて点検対象構造物の損傷情報のうち少なくともベクトルを解析して、点検対象構造物の損傷状態に対応する点検対象構造物の損傷度を取得する損傷解析部(124)と、点検対象構造物の点検時期が異なる複数の画像を元にそれぞれ取得された複数の損傷度を比較して、点検対象構造物の損傷進行速度を取得する損傷進行速度取得部(130)を備える。

Description

本発明は、点検対象の構造物の画像を元に生成した損傷情報を解析して損傷の進行速度を取得する情報処理を行う情報処理装置及び情報処理方法に関する。
社会的なインフラストラクチャーとして、橋梁、道路、トンネル、ダム、ビル等、各種の構造物が存在する。これらの構造物には損傷が発生し、その損傷は時間の経過と共に進行する性質を持つため、所定の頻度で構造物の点検を行うことが求められている。例えば、道路橋の場合、五年に一回の頻度で定期点検を行うことが義務付けられている。国土交通省の道路局から公開された橋梁定期点検要領には、標準的な維持管理フローとして、点検計画、近接目視点検、損傷状態の把握、対策区分の判定、健全性の診断、補修等の維持管理計画という順で、道路橋の定期点検に関する業務を行うことが示されている。
近年、コンピュータ装置により構造物維持管理の支援が行われるようになってきた。
特許文献1には、点検員により目視点検が行われ且つ橋梁の部位ごとに損傷の判定区分の評価が行われると、コンピュータ装置により経過年数に対する判定区分の変化(劣化度)を示す劣化曲線を算出することが記載されている。特許文献1には、点検員による損傷の判定区分の例として、OK:「点検の結果から、損傷は認められない。」、 I:「損傷が認められ、その程度を記録する必要がある。」、II:「損傷が認められ、追跡調査を行う必要がある。」、III:「損傷が大きく、詳細点検を実施し補修の要否の検討を行う必要がある。」、IV:「損傷が著しく、交通安全保障の支障となるおそれがある。」の五段階が記載されている。
特許文献2には、コンピュータ装置を用いて構造物の撮影画像に対して画像処理を行うことにより、コンクリート構造物に発生したひび割れを線分の集合とみなし、線分の端点を座標としてテキストデータで記録し、ひび割れの計測情報を時系列に沿って解析することで、コンクリート構造物のライフサイクルコストを算出することが記載されている。ひび割れの計測情報として、ひび割れの位置、長さ、及び幅を用いている。
特許文献3には、コンピュータ装置により、トンネル内壁の撮影画像からひび割れを抽出し、今回の撮影画像と前回の撮影画像又は基準画像との相違点を抽出し、かつベクトル化処理を実行することによりひび割れの面積、長さ、曲率等を数値化してグラフ化することで、ひび割れの進展具合を判断することが記載されている。
特許文献4は、空中移動機器から橋梁を撮影し、コンピュータ装置により、撮影データとデータベースに蓄積された五段階の劣化傾向データとを比較して、橋梁が如何なる劣化レベルに該当するのかを判断することを開示している。特許文献4には、劣化傾向データの例として、潜伏期:「橋軸直角方向ひび割れを示す画像」、進展期:「直交方向ひび割れを示す画像」、加速期前期:「亀甲状ひび割れを示す画像」、加速期後期:「角落ち及びひび割れのスリットを示す画像」、劣化期:「抜け落ちを示す画像」が記載されている。
特許文献5は、コンピュータ装置により、鉄筋腐食メカニズムが表現されたモデルを用い、所定のランクの鉄筋の腐食状態となる確率である鉄筋腐食確率を予測することを開示している。
特開2008−291440号公報 特開2015−138467号公報 特開2009−133085号公報 特開2015−34428号公報 特開2005−17157号公報
社会的なインフラストラクチャーである構造物の点検は、構造物又は点検に関して専門知識及び実務経験を持つ技術者により行うことが求められる。例えば、道路橋の場合、「道路橋に関する相応の資格又は相当の実務経験」、「道路橋の設計、施工、管理に関する相当の専門知識」、及び「道路橋の点検に関する相当の技術と実務経験」のうちいずれかを持つ技術者により点検することが求められている。
その一方で、長年に亘り構造物が建造され続けた結果、大量の構造物の老朽化と熟練した技術者の不足が問題になっている。つまり、点検対象の構造物の数に対して、熟練した技術者の数が不足している。従って、現実的には、「豊富な専門知識及び長年の実務経験を持つ」熟練した技術者とまでは言えなくても、構造物の点検に必要な相応の専門知識及び実務経験を持つ技術者であれば誰でも、熟練した技術者と同様に適切に損傷状態を把握でき且つ適切に報告できることが求められる。
また、構造物の材料及び構造の多様化に因り、多種の構造物が建造されてきている。長い実務経験を持つ技術者であっても、その技術者が知らない未知の損傷進行メカニズムがある場合、その未知の損傷進行メカニズムに従って進行した損傷を適切に評価することは、難しい。しかしながら、その損傷進行メカニズムを既知の技術者が点検した場合と同様に適切に損傷状態の把握及び報告を行うことが求められている。
特許文献1に記載された技術では、点検員により五段階の判定区分が評価されるので、実際には同程度の損傷状態であっても、熟練者の判定と非熟練者の判定とで判定区分が異なる可能性がある。また、点検員にとって未知のメカニズムに従って進行した損傷である場合、実際には重度の状況であっても軽度であると評価される可能性がある。損傷の評価が不適切である場合には、不適切な劣化曲線が算出されてしまう。
特許文献2に記載された技術では、ひび割れの計測情報(位置、長さ、幅など)を時系列に沿って解析することで構造物のライフサイクルコストを算出しており、損傷進行のメカニズムを示す情報を用いていない。つまり、損傷進行メカニズムを示す情報を未使用なので、計測情報が正しくても損傷状態の把握が不適切になる可能性がある。例えば、ひび割れは幅が小さくても看過できない重要なひび割れである場合がある。しかしながら、ひび割れの位置、長さ及び幅を含む計測情報の全てを具体的にどのように扱って評価すればよいのか技術者が知識及び経験を持たない場合、例えば「幅」の大小だけで損傷が評価されると、重要なひび割れが看過されることになる。
特許文献3に記載された技術では、ひび割れの計測情報(面積、長さ、曲率など)を時系列に沿って解析することでひび割れの進展具合を判断しているが、損傷進行メカニズムを示す情報を用いていない。つまり、損傷進行メカニズムを示す情報を未使用なので、計測情報が正しくても損傷の評価が不適切になる可能性がある。
また、構造物の損傷は時間の経過と共に進行していくが、定期点検の間隔が長くなると、損傷の性状によっては適切な損傷評価結果を得られない場合がある。
特許文献4に記載された技術では、橋梁の撮影データと五段階の劣化傾向データとを比較して橋梁が如何なる劣化レベルに該当するのかを判断しているが、損傷のベクトルで比較を行っていない。つまり、撮影画像と比較可能な画像(ラスタデータである)を劣化傾向データとして用いているにすぎず、ベクトルを用いて損傷評価を行わないので、劣化レベルの評価の精度には限度がある。
特許文献5に記載された技術では、鉄筋腐食メカニズムが表現されたモデルを用いて鉄筋腐食確率を予測しているが、ベクトルを用いて損傷評価を行わなければ鉄筋腐食確率の予測精度に限度がある。
以上のように、構造物の損傷は時間の経過と共に進行する性質があり、且つその損傷に特有の損傷進行メカニズムに従って進行するが、ベクトルを用いた損傷解析と損傷進行のメカニズムを示す情報に基づく損傷解析とを有意義に結合した情報処理が行われていないため、非熟練者による点検、又は点検員にとって未知のメカニズムで進行する損傷に関する点検が行われる場合には、不適切な損傷状態の把握が行われる可能性があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、構造物の維持管理を支援するために経時的に進行する損傷の状態を適切に把握し、損傷状態の進行の予測を可能にする情報処理装置及び情報処理方法を提供することを目的とする。
上述した目的を達成するため、本発明の第1の態様に係る情報処理装置は、点検対象構造物の画像から損傷を抽出する損傷抽出部と、損傷をベクトル化したベクトルを含む損傷情報を生成する損傷情報生成部と、モデル構造物の損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す進行モデルを取得する進行モデル取得部と、進行モデルに基づいて点検対象構造物の損傷情報のうち少なくともベクトルを解析して、点検対象構造物の損傷状態に対応する点検対象構造物の損傷度を取得する損傷解析部と、点検対象構造物の少なくとも損傷度をデータベースに記憶させるデータベース制御部と、点検対象構造物の点検時期が異なる複数の画像を元にそれぞれ取得された複数の損傷度を比較して、点検対象構造物の損傷進行速度を取得する損傷進行速度取得部と、を備える。
本態様によれば、点検対象構造物の画像から抽出された損傷がベクトル化され、且つ損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す進行モデルに基づいて、損傷情報に含まれるベクトルが解析されて点検対象構造物の損傷度が取得され、点検対象構造物の点検時期が異なる複数の画像を元にそれぞれ取得された複数の損傷度に基づいて損傷進行速度が取得されるので、点検員が熟練者であるか非熟練者であるかに依らず、且つ点検員が損傷進行のメカニズムを既知であるか未知であるかに依らず、経時的に進行する損傷に応じた的確な損傷進行速度が取得されることになり、損傷状態を適切に把握し、損傷状態の進行の予測を可能にする。
本発明の第2の態様に係る情報処理装置は、損傷進行に影響する損傷進行パラメータと、点検対象構造物とは別の構造物の点検結果情報とを関連付けて記憶したデータベースから、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物の点検結果情報を検索する第1の検索部と、検索された別の構造物の点検結果情報を用いて、点検対象構造物の損傷進行パラメータに対応する進行モデルを生成する進行モデル生成部と、を備える。本態様によれば、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物の点検結果情報が検索されて進行モデルが生成されるので、データベースに未記憶の進行モデル(未知の損傷進行メカニズムを示す進行モデルを含む)に基づいて、損傷度及び損傷進行速度を得ることが可能となる。
本発明の第3の態様に係る情報処理装置において、点検対象構造物の損傷進行パラメータは、点検対象構造物の自然環境に関する自然環境情報、点検対象構造物の利用状況に関する利用状況情報、点検対象構造物の構造に関する構造情報、点検対象構造物の材料に関する材料情報、及び、点検対象構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報、及び点検対象構造物の補修実績と補強実績に関する維持管理実績情報のうち少なくとも一つを含む。
本発明の第4の態様に係る情報処理装置において、データベース制御部は、損傷進行速度を損傷情報及び損傷度と関連付けてデータベースに記憶させる。本態様によれば、互いに関連付けられた損傷進行速度、損傷情報及び損傷度の利用が可能になる。
本発明の第5の態様に係る情報処理装置において、点検対象構造物の損傷情報に類似する他の損傷情報である類似損傷情報をデータベースから検索する第2の検索部を備え、損傷進行速度取得部は、データベースで類似損傷情報に関連付けて記憶された損傷進行速度を用いて、点検対象構造物の損傷進行速度を推定する。本態様によれば、類似損傷情報に関連付けられた損傷進行速度を用いて、点検対象構造物の未来の損傷進行速度を推定することが可能になる。
本発明の第6の態様に係る情報処理装置において、損傷進行速度取得部は、点検対象構造物の最新の点検時期よりも過去の時期での点検対象構造物の損傷度がデータベースに無い場合、データベースで類似損傷情報に関連付けられた損傷進行速度及び損傷度のうち少なくとも一方を用いて、点検対象構造物の最新の点検時期又は当該最新の点検時期よりも過去の時期での点検対象構造物の損傷進行速度を推定する。本態様によれば、点検対象構造物の損傷度がデータベースに無い場合でも、類似損傷情報に関連付けられた損傷進行速度及び損傷度を利用することができる。
本発明の第7の態様に係る情報処理装置において、損傷情報生成部は、ベクトルの階層構造に関する階層構造情報、及び点検対象構造物とベクトルとの方向に関する相対方向情報のうち少なくとも一つを含む損傷情報を生成する。
本発明の第8の態様に係る情報処理装置において、損傷情報生成部は、一の損傷ベクトルが属するベクトルグループの情報と、一の損傷ベクトルと連結する他の損傷ベクトルの情報と、一の損傷ベクトルの固有情報と、を含む階層構造情報を生成する。
本発明の第9の態様に係る情報処理装置において、損傷情報生成部は、空間的に分離した複数のベクトルを連結させて1つのベクトルを生成する。本態様によれば、本来一つの損傷として解析するべき損傷を分けて解析することが防止されるので、損傷状態を適切に把握することが可能となる。
本発明の第10の態様に係る情報処理装置において、点検時期が異なる複数の画像及び複数の画像から生成されるベクトルのうち少なくとも一方に対して補正を行うことにより、複数の画像からそれぞれ生成されたベクトルの座標位置及び方向の対応付けを行う補正部を備える。本態様によれば、点検時期が異なる画像間で撮影装置の撮影位置及び撮影方向が異なる場合でも損傷進行速度を精度良く取得することができる。
本発明の第11の態様に係る情報処理装置において、損傷解析部は、点検対象構造物の自然環境に関する自然環境情報、点検対象構造物の利用状況に関する利用状況情報、点検対象構造物の構造に関する構造情報、及び、点検対象構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報、及び点検対象構造物の補修と補強に関する維持管理実績情報のうち少なくとも一つに基づいて損傷情報を解析することにより損傷度を取得する。
本発明の第12の態様に係る情報処理装置において、点検対象構造物の損傷情報のうち少なくともベクトルに基づいて、進行モデルの損傷状態及び損傷度を細分化する進行モデル細分化部を備える。本態様によれば、点検対象構造物の損傷情報のうち少なくともベクトルに基づいて進行モデルが細分化されるので、点検対象構造物での損傷進行メカニズムに対応して細分化された適切な進行モデルを取得することが可能になる。より好ましくは。階層構造情報にも基づいて進行モデルを細分化することが、好ましい。
本発明の第13の態様に係る情報処理装置において、進行モデルは、モデル構造物の損傷状態のうち少なくとも一部がベクトルで表されたモデル損傷情報と損傷度との対応関係を示す。本態様によれば、ベクトルで表されたモデル損傷情報を含む進行モデルに基づいて損傷度を容易且つ適切に取得することが可能になる。より好ましくは、モデル損傷情報が階層構造情報をも用いて表されていることが、好ましい。
本発明の第14の態様に係る情報処理装置において、点検対象構造物の損傷情報に基づいて取得された損傷度及び損傷進行速度に基づいて、点検対象構造物の損傷に対する対策を判定する対策判定部を備える。
本発明の第15の態様に係る情報処理装置において、少なくとも損傷進行速度と対策とに基づいて、点検対象構造物の補修及び補強のうち少なくとも一方を含む維持管理の計画情報を生成する維持管理計画部を備える。
本発明の一の態様に係る情報処理方法は、点検対象構造物の画像から損傷を抽出する工程と、損傷をベクトル化したベクトルを含む損傷情報を生成する工程と、モデル構造物の損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す進行モデルを取得する工程と、進行モデルに基づいて点検対象構造物の損傷情報のうち少なくともベクトルを解析して、点検対象構造物の損傷状態に対応する点検対象構造物の損傷度を取得する工程と、点検対象構造物の点検時期が異なる複数の画像を元にそれぞれ取得された複数の損傷度を比較して、点検対象構造物の損傷進行速度を取得する工程と、を含む。
本発明よれば、構造物の維持管理を支援するために経時的に進行する損傷の状態を適切に把握し、損傷状態の進行の予測を可能にする。
図1は、構造物の例である橋梁の構造を示す斜視図である。 図2は、第1の実施形態の情報処理装置の一例であるコンピュータ装置を含む構造物維持管理システムの構成例を示すブロック図である。 図3は、損傷情報生成部の内部構成例を示すブロック図である。 図4は、進行モデルの一例を模式的に示す図である。 図5は、進行モデルの他の例を模式的に示す図である。 図6は、構造物の維持管理の一例の流れを示す概略フローチャートである。 図7は、損傷状態の把握における一例の処理の流れを示すフローチャートである。 図8は、損傷情報生成の詳細を示すフローチャートである。 図9は、損傷状態の把握における他の例の処理の流れを示すフローチャートである。 図10は、第2の実施形態におけるデータベースのデータ構成例の説明に用いる説明図である。 図11は、第2の実施形態の情報処理装置の一例であるコンピュータ装置を含む構造物維持管理システムの構成例を示すブロック図である。 図12は、第3の実施形態の情報処理装置の一例であるコンピュータ装置を含む構造物維持管理システムの構成例を示すブロック図である。 図13は、第3の実施形態における進行モデルの細分化の説明に用いる説明図である。 図14は、損傷進行速度の取得のバリエーションの説明に用いる説明図である。 図15は、曲線状の損傷を分割して複数の損傷ベクトルを生成する様子を示す図である。 図16は、損傷ベクトルの始点を決める様子を説明するための図である。 図17は、損傷ベクトルの始点を決める様子を説明するための他の図である。 図18は、分離した損傷ベクトルの連結を示す図である。 図19は、分離した損傷ベクトルの連結を示す他の図である。 図20は、階層構造情報に含まれる画像情報を示す表である。 図21は、階層構造情報に含まれる損傷ベクトルの情報の例(階層決定手法の例1に対応)を示す図である。 図22は、損傷ベクトルの階層決定手法の例1を説明するための図である。 図23は、損傷ベクトルの階層決定手法の例2を説明するための他の図である。 図24は、階層決定手法の例2に対応した階層構造情報の例を示す表である。 図25は、損傷ベクトルの階層決定手法の例3を説明するための図である。 図26は、損傷ベクトルの階層決定手法の例3を説明するための他の図であり、図25よりも時間的に後に撮影した画像を示す図である。 図27は、損傷ベクトルの階層決定手法の例3を説明するためのさらに他の図であり、図26よりも時間的に後に撮影した画像を示す図である。 図28は、階層決定手法の例3に対応した階層構造情報の例を示す表である。 図29は、損傷ベクトルの階層決定手法の例4を説明するための図である。 図30は、階層決定手法の例4に対応した階層構造情報の例を示す表である。
以下、添付図面に従って本発明を実施するための好ましい形態について詳説する。
<点検対象構造物>
図1は、本発明に係る情報処理装置及び情報処理方法が適用される点検対象の構造物の例である橋梁1の構造を示す斜視図である。図1に示す橋梁1(構造物)は主桁3を有し、主桁3は接合部3Aで接合されている。主桁3は橋台または橋脚の間に渡され、床版2上の車輌の荷重を支える部材である。また主桁3の上部には、車輌が走行するための床版2が打設されている。床版2は一般的な鉄筋コンクリート製のものとする。なお橋梁1は、床版2及び主桁3の他に図示せぬ横桁、対傾構、及び横構等の部材を有する。
本発明が適用される点検対象の構造物(以下「点検対象構造物」という場合もある)は、本例では橋梁であるが、道路、トンネル、ダム、建築物など、橋梁とは種類が異なる他の構造物であってもよい。また、人工の構造物に限定されず、自然の構造物でもよい。
<画像の取得>
橋梁1を点検する場合、点検員は撮影装置20(図2参照)を用いて橋梁1を下方から撮影し(図1のC方向)、点検範囲について撮影画像を取得する。撮影は、橋梁1の延在方向(図1のA方向)及びその直交方向(図1のB方向)に適宜移動しながら行う。なお橋梁1の周辺状況により点検員の移動が困難な場合は、橋梁1に沿って移動可能な移動体に撮影装置20を設置して撮影を行ってもよい。このような移動体には、撮影装置20の昇降機構及びパンチルト機構を設けてもよい。なお移動体の例としては車輌、ロボット、及びドローン(飛翔体)を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
[第1の実施形態]
図2は、本発明に係る情報処理装置の第1の実施形態の一例であるコンピュータ装置を含む構造物維持管理システムの構成例を示すブロック図である。
コンピュータ装置10は、本発明に係る情報処理装置の一例であって、撮影装置20(例えばデジタルカメラ)で構造物1を撮影して得られた撮影画像を取得し、この撮影画像に対して画像処理を行うことにより、構造物1の損傷の特徴量を示す損傷情報を生成する。
また、コンピュータ装置10は、画像処理により得られた構造物1の損傷情報を解析して、構造物1の維持管理(「メンテナンス」ともいう)を支援するための各種の情報処理を行う。
例えば、コンピュータ装置10は、構造物1の損傷情報を解析して損傷の進行速度(以下「損傷進行速度」という)を取得する情報処理を行う。つまり、コンピュータ装置10は、構造物1の損傷進行速度を取得する進行速度取得機能を有する。
コンピュータ装置10の例としてはパーソナルコンピュータ、タブレット端末、及びスマートフォンを挙げることができるが、これらの装置に限定されるものではない。サーバ装置によりコンピュータ装置10を構成してもよい。また、複数の装置でコンピュータ装置10を構成してもよい。
撮影装置20は、撮影機能を有する。尚、撮影装置20は、コンピュータ装置10が移動端末である場合、その移動端末に内蔵されたデジタルカメラでもよい。例えば、タブレット端末又はスマートフォンに内蔵されたデジタルカメラでもよい。ロボット又はドローンに搭載されたデジタルカメラでもよい。
データベース30は、構造物1の維持管理を支援するための各種の情報を記憶する。尚、データベース30は、コンピュータ装置10に内蔵されていてもよい。
コンピュータ装置10は、コンピュータ装置10の外部の装置又は記録媒体との間で各種情報の入力及び出力を行う外部入出力部102と、各種情報の表示を行う表示部104と、人の操作を受け付ける操作部106と、各種情報を記憶する記憶部108と、コンピュータ装置10の全体を制御するCPU(Central Processing Unit)110と、を含んで構成される。
外部入出力部102は、有線通信又は無線通信の通信インタフェースと接触型又は非接触型の記録媒体インタフェースとを有する。
外部入出力部102は、撮影装置20及びデータベース30並びに記憶媒体から撮影画像を入力可能である。撮影画像は点検範囲に応じて複数入力され、また入力される撮影画像には、撮影装置20により撮影日時の情報が付加されている。なお撮影日時は必ずしも同じ点検時期の全ての撮影画像において同一である必要はなく、複数日に亘っていてもよい。複数の撮影画像を一括して入力してもよいし、一度に1つの撮影画像を入力するようにしてもよい。なお、本発明において点検対象構造物の「画像」は、撮影装置20により生成された状態の撮影画像でもよいし、撮影装置20により生成された撮影画像に対して何らかの画像処理が施された後の画像でもよい。
また、外部入出力部102は、データベース30に蓄積された各種情報をデータベース30から入力可能であり、かつコンピュータ装置10で生成された各種情報をデータベース30に対して出力可能である。
表示部104は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)などの画像表示可能な表示デバイスによって構成されており、撮影画像、データベース30から入力された各種情報、及びコンピュータ装置10で生成された各種情報を表示する。
操作部106は、例えばタッチパネルなどのタッチ操作可能な操作デバイスによって構成されており、表示部104に表示された各種情報に対する人の操作を受け付ける。
記憶部108は、不揮発性の記憶デバイスを含んで構成されており、構造物の維持管理を支援するための各種プログラム、及び各種プログラムの実行に必要な各種情報を記憶する。
データベース30又は記憶部108は、進行モデル記憶部の一形態として、進行モデルを記憶する。尚、進行モデルの具体例については、後に詳細に説明する。
CPU110は、記憶部108に記憶されたプログラムに従って、構造物維持管理支援のための各種処理(例えば、損傷抽出、損傷情報生成、損傷解析、データベース制御、検索、損傷進行速度取得、対策判定、健全性診断、維持管理計画などの後述する情報処理)を実行することにより、構造物維持管理支援のための各種機能を発揮する。
CPU110は、点検対象構造物の撮影画像から損傷を抽出する損傷抽出部120と、撮影画像から抽出された損傷に基づいて損傷情報を生成する損傷情報生成部122と、進行モデルに基づいて点検対象構造物の損傷情報を解析して、点検対象構造物の損傷度を取得する損傷解析部124と、点検対象構造物の撮影画像、損傷情報、及び損傷度を互いに関連付けてデータベース30に記憶させるデータベース制御部126と、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物の点検結果情報を検索する機能、及び点検対象構造物の損傷情報に類似する他の損傷情報(以下「類似損傷情報」という)をデータベース30から検索する機能を有する検索部128と、点検時期が異なる複数の損傷度を比較して点検対象構造物の損傷進行速度を取得する損傷進行速度取得部130と、点検対象構造物の損傷に対する対策を判定する対策判定部132、点検対象構造物の健全性を診断する健全性診断部134と、点検対象構造物の維持管理の計画情報を生成する維持管理計画部136とを含む。
損傷抽出部120は、種々の方法により損傷の抽出を行うことができる。例えば特許4006007号公報に記載されたひび割れ検出方法を用いることができる。この方法は、対比される2つの濃度に対応したウェーブレット係数を算定すると共に、その2つの濃度をそれぞれ変化させた場合のそれぞれのウェーブレット係数を算定してウェーブレット係数テーブルを作成し、ひび割れ検出対象であるコンクリート表面を撮影した入力画像をウェーブレット変換することによってウェーブレット画像を作成する工程と、ウェーブレット係数テーブル内において、局所領域内の近傍画素の平均濃度と注目画素の濃度に対応するウェーブレット係数を閾値として、注目画素のウェーブレット係数と該閾値とを比較することによりひび割れ領域とひび割れでない領域を判定する工程とからなるひび割れ検出方法である。
なお、損傷抽出部120による損傷の抽出は、撮影画像から損傷の部分画像(以下「損傷部分画像」という)を抽出する場合に限定されない。損傷抽出部120による損傷の抽出には、撮影画像内の損傷の領域を識別するだけの場合が含まれ、この場合には損傷抽出部120により撮影画像内の損傷の領域のうち少なくとも一部を示す情報(以下「損傷領域情報」という)が抽出される。
損傷情報生成部122は、撮影画像と撮影画像から抽出された損傷(損傷部分画像及び損傷領域情報のうち少なくとも一方である)とに基づいて、損傷の特徴量を示す損傷情報を生成する。損傷情報生成部122は、抽出された損傷に関する種々の特徴量を損傷情報として生成する。本例の損傷情報生成部122は、ベクトルの階層構造に関する階層構造情報、及び点検対象構造物とベクトルとの方向に関する相対方向情報のうち、少なくとも一つを含む損傷情報を生成する。
図3は、損傷情報生成部122の内部構成例を示すブロック図である。本例の損傷情報生成部122は、ベクトル化部122A、相対角度算出部122B、階層構造情報生成部122C、補正部122D、相対方向情報生成部122E、ベクトル連結部122F、及び属性情報付加部122Gを含んで構成される。
損傷情報生成部122のベクトル化部122Aは、損傷抽出部120で抽出された損傷(損傷部分画像又は損傷領域情報)をベクトル化して損傷のベクトルデータ(以下「損傷ベクトル」又は単に「ベクトル」という)を生成する。
損傷情報生成部122の相対角度算出部122Bは、複数のベクトル同士の相対角度を算出する。つまり、一のベクトルと他のベクトルとが成す角度を算出する。
損傷情報生成部122の階層構造情報生成部122Cは、ベクトルの階層構造を示す階層構造情報を生成する。階層構造情報は、ベクトル同士の連結関係を階層的に表現した情報である。階層構造情報は、複数のベクトルによって構成されるベクトルグループのうちで各ベクトルがどの階層に属するかを示す階層識別情報(「所属階層情報」ともいう)を含む。階層識別情報は、例えば、数字で表現された階層番号を用いることができる。数字以外のコード(例えば英字、記号を含む)で表現してもよい。
損傷情報生成部122の補正部122Dは、撮影時期が異なる複数の撮影画像からそれぞれ生成される複数のベクトルのうち、少なくとも一方に対して補正を行うことにより、撮影時期が異なる複数の撮影画像からそれぞれ生成される複数のベクトル同士で座標位置及び方向の対応付けを行う。なお、本例の補正部122Dはベクトルに対して補正を行う態様であるが、本発明における「補正部」は撮影時期が異なる複数の撮影画像に対して補正を行う態様でもよい。
損傷情報生成部122の相対方向情報生成部122Eは、構造物の方向とベクトルの方向との相対的な関係を示す相対方向情報を生成する。例えば、構造物の基準線の方向とベクトルの方向とで決まる角度が、相対方向情報として生成される。
損傷情報生成部122のベクトル連結部122Fは、空間的に分離した複数のベクトルを連結させる。
損傷情報生成部122の属性情報付加部122Gは、損傷情報に対して各種の属性情報(「付加情報」ともいう)を付加する。例えば、ひび割れの場合、ひび割れが生じている位置及び方向だけでなく、ひび割れの長さ、幅、ひび割れ同士の間隔、及びひび割れの密度をそれぞれ示す各種の属性情報が損傷情報に対して付加される。
損傷解析部124は、データベース30から外部入出力部102(「進行モデル取得部」の一形態である)により入力された進行モデルに基づいて、点検対象構造物の損傷情報を解析することにより、点検対象構造物の損傷状態に対応する損傷進行程度の評価区分である損傷度を取得する。本例の損傷進行速度取得部130は、損傷度を取得する際に、損傷情報のうち少なくともベクトルを解析する。より好ましくは、少なくとも階層構造情報を解析する。
本例の損傷解析部124は、点検対象構造物の自然環境に関する自然環境情報、点検対象構造物の利用状況に関する利用状況情報、点検対象構造物の構造に関する構造情報、点検対象構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報、及び、点検対象構造物の補修実績と補強実績に関する維持管理実績情報のうち、少なくとも一つに基づいて損傷情報を解析することにより損傷度を取得する。
データベース制御部126は、各種のデータベース制御機能を有する。本例のデータベース制御部126は、損傷進行速度を他の点検結果情報(撮影画像、損傷情報、及び損傷度を含む)と関連付けてデータベース30に記憶させる。また、本例のデータベース制御部126は、構造物の損傷進行に影響する損傷進行パラメータを、構造物の点検結果情報(撮影画像、損傷情報、損傷度、及び損傷進行速度を含む)と関連付けてデータベース30に記憶させる。
検索部128は、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物の点検結果情報をデータベース30から検索する機能(第1の検索部としての機能)を有する。例えば、検索部128は、点検対象構造物とは別の構造物における点検結果情報の少なくとも一部(撮影画像、損傷情報、損傷度、又は損傷進行速度を含む)を損傷進行パラメータに基づいて検索する。
また、検索部128は、点検対象構造物の損傷情報に類似する他の損傷情報である類似損傷情報をデータベース30から検索する機能(第2の検索部としての機能)を有する。また、検索部128は、類似損傷情報に関連付けられた点検結果情報をデータベース30から検索する機能を有する。つまり、検索部128は、損傷のベクトル及び階層構造情報を含む損傷情報を用いて類似損傷情報をデータベース30から検索し、且つ類似損傷情報に関連付けられてデータベース30に記憶されている点検結果情報のうちの少なくとも一部(撮影画像、損傷度、又は損傷進行速度を含む)をデータベース30から検索する。
また、検索部128は、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物に対応する進行モデルをデータベース30から検索する機能(第3の検索部としての機能)を有する。
損傷進行速度取得部130は、点検対象構造物の点検時期(本例では撮影時期である)が異なる複数の撮影画像を元にそれぞれ取得された複数の損傷度を比較して、点検対象構造物の損傷進行速度を取得する。
また、損傷進行速度取得部130は、点検対象構造物の最新の撮影時期よりも過去の時期での点検対象構造物の損傷度がデータベース30に無い場合、データベース30で類似損傷情報に関連付けられた進行速度及び損傷度のうち少なくとも一方を用いて、点検対象構造物の最新の点検時期又は最新の点検時期よりも過去の時期での点検対象構造物の損傷進行速度を推定する。
また、損傷進行速度取得部130は、データベース30で類似損傷情報に関連付けて記憶された進行速度を用いて、点検対象構造物の最新の点検時期よりも先の時期での点検対象構造物の損傷進行速度を推定する。
対策判定部132は、損傷度及び損傷進行速度に基づいて、点検対象構造物の損傷に対する対策(本例では対策区分)を判定する。
健全性診断部134は、損傷度、損傷進行速度、及び対策区分のうち少なくとも一つに基づいて、点検対象構造物の健全性を診断する。
維持管理計画部136は、点検結果情報(損傷度、損傷進行速度、対策区分、及び健全性)のうち少なくとも一部に基づいて、点検対象構造物の補修及び補強のうち少なくとも一方を含む維持管理の計画情報を生成する。
<進行モデル>
進行モデルの例として、道路橋梁のRC(Reinforced Concrete)床版の損傷進行メカニズムを示す進行モデルを紹介する。
図4は、進行モデルの一例を模式的に示す図である。この進行モデルでは、損傷進行程度の評価区分が、損傷度1〜損傷度5で表される。各損傷度と損傷状態との対応関係は次の通りである。
損傷度1:損傷なし。
損傷度2:横方向(車輌の通行方向に直交する短手方向)に沿って複数のひび割れが並列に発生した状態である。乾燥収縮による複数のひび割れが並列の梁状になる段階である。
損傷度3:縦方向(車輌の通行方向に平行な長手方向)のひび割れ及び横方向のひび割れが互いに交差した状態である。活荷重による複数のひび割れが格子状になり、その格子状の領域のひび割れ密度が増加する段階である。後半時期には、ひび割れが床版の上下方向(床版下面に直交する垂直方向)で貫通する。
損傷度4:格子状の領域のひび割れ密度が規定値を超え、貫通した複数のひび割れの破面同士が平滑化された状態である。摺り磨き作用により床版がせん断抵抗を失う段階である。
損傷度5:抜け落ちが生じた状態である。低下した押抜きせん断強度を超える輪荷重により抜け落ちが生じる。
次に、第1の進行モデルを用いる場合の損傷解析部124による損傷解析例を説明する。
(損傷解析例1)複数のひび割れが発生した状態(損傷度2以上)である場合、損傷情報のうち少なくともベクトルの方向(ひび割れ方向を示す)に基づいて、床版の部位ごとの損傷度が損傷度2であるか損傷度3以上であるかを判別する。
(損傷解析例2)複数のひび割れが格子状に発生した状態(損傷度3以上)である場合、損傷情報のうち少なくともひび割れ密度に基づいて、床版の部位ごとの損傷度が損傷度3であるか損傷度4以上であるかを判別する。
(損傷解析例3)撮影画像から抜け落ち部分が検出された場合、損傷度5である。
図5は、進行モデルの他の例を模式的に示す図である。この進行モデルでは、損傷進行程度の評価区分が、損傷度1〜損傷度5で表される。各損傷度と損傷状態との対応関係は次の通りである。
まず、一方向ひび割れに対する、損傷度と損傷状態との対応関係を説明する。
損傷度1:損傷なし。
損傷度2:ひび割れは主として一方向のみである。最小ひび割れ間隔Dminは1m以上である。最大ひび割れ幅Wmaxは0.05mm以下である。遊離石灰はない。
損傷度3:ひび割れは主として一方向のみである。ひび割れ間隔は問わない。ひび割れ幅Wは0.1mm以下である。一部には0.1mmを超えるひび割れも存在する場合が含まれる。遊離石灰はない。
損傷度4:ひび割れは主として一方向のみである。ひび割れ間隔は問わない。最大ひび割れ幅Wmaxは0.2mm以下である。一部には0.2mmを超えるひび割れも存在する場合が含まれる。
損傷度5:ひび割れは主として一方向のみである。ひび割れ間隔は問わない。ひび割れ幅Wは0.2mm以上であり、部分的な角落ちが存在する。
次に、二方向ひび割れに対する、損傷度と損傷状態との対応関係を説明する。
損傷度3:ひび割れは格子状である。格子の大きさSrは0.5m以上である。ひび割れ幅Wは0.1mm以下である。一部には0.1mmを超えるひび割れも存在する場合が含まれる。
損傷度4:ひび割れは格子状である。遊離石灰なしの場合、格子の大きさSrは0.2m〜0.5mである。遊離石灰ありの場合、格子の大きさは問わない。ひび割れ幅Wは0.2mm以下である。一部には0.2mmを超えるひび割れも存在する場合が含まれる。
損傷度5:ひび割れは格子状である。遊離石灰なしの場合、格子の大きさSrは0.2m以下である。遊離石灰ありの場合、格子の大きさは問わない。ひび割れ幅Wは0.2mm以上であり、部分的な角落ちが存在する。
なお、進行モデルは、モデル構造物の損傷状態がベクトルで表されたモデル損傷情報と損傷度との対応関係を示すことが好ましい。つまり、損傷情報に含まれるベクトルとの対比が容易となるように、進行モデル内の損傷状態を示すデータがベクトル形式で記述される。このような場合、損傷解析部124は、損傷情報に含まれるベクトルと進行モデルに含まれるベクトルとを比較することで、点検対象構造物の損傷情報に対応する進行モデル内の損傷状態を示すデータを容易に探索し、そのデータに対応付けられた損傷度を取得す
ることができる。
<構造物の維持管理フロー>
図6は、図2のコンピュータ装置10を用いた構造物の維持管理の一例の流れを示す概略フローチャートである。以下では、図6に従って、点検対象の構造物1が橋梁である場合について、定期点検に関連する標準的な維持管理の流れを説明する。
まず、構造物1の点検計画を行う(ステップS2)。本ステップは、コンピュータ装置10の支援により実施可能であるが、人がコンピュータ装置10を用いないで実施することも可能である。
次に、作成された点検計画情報に基づいて、構造物1の点検作業を行う(ステップS4)。構造物1の点検には、撮影装置20による構造物1の撮影が含まれる。構造物1の撮影は、点検員により構造物1の近接目視の際に手動で行われる場合と、ロボット又はドローンにより自動で行われる場合がある。橋梁の点検では、点検員が例えば橋梁下面の床版を撮影して床版画像を構造物1の撮影画像として取得する。
次に、点検結果に基づいて、損傷状態の把握(「損傷状態の認識」ともいう)を行う(ステップS6)。損傷状態の把握は、構造物1の撮影画像に基づいて、一般に、構造物の部位ごと(あるいは部材ごと)に行われる。点検(ステップS4)で目視点検が行われた場合、撮影画像と併せて目視点検結果にも基づいて、損傷状態の把握を行うことが、好ましい。
損傷状態の把握(ステップS6)には、後に詳説するが、コンピュータ装置10により行われる、撮影画像に基づく損傷情報生成、及び損傷情報に基づく損傷進行速度取得が含まれる。
以降の処理(ステップS8〜S14)は、コンピュータ装置10の支援により実施可能であるが、人がコンピュータ装置10を用いないで実施することも可能である。
損傷状態の把握結果に基づいて、対策区分の判定を行う(ステップS8)。対策区分の判定は、一般に、構造物の部材ごとの損傷状態に基づいて、構造上の部材区分ごと、部位ごと(あるいは部材ごと)、及び損傷種類ごとのうち、少なくともいずれか一つで行われる。
次に、損傷状態の把握結果及び対策区分の判定結果に基づいて、構造物の健全性の診断を行う(ステップS10)。健全性の診断は、一般に、損傷が構造物の機能に及ぼす影響の観点から行う。例えば、損傷なし、又は損傷が発生していても構造物の機能に未だ支障が生じていない、と診断した場合には、健全性の区分を「健全」とする。構造物の機能に未だ支障が生じていないが予防保全の観点から何らかの措置を講ずることが望ましい、と診断した場合には、健全性の区分を「予防保全段階」とする。構造物の機能に将来支障が生じる可能性があり早期に措置を講ずべき状態である、と診断した場合には、健全性の区分を「早期措置段階」とする。構造物の機能に既に支障が生じている、又は将来支障が生じる可能性が著しく高く緊急に措置を講ずべき状態である、と診断した場合には、健全性の区分を「緊急措置段階」とする。
次に、点検結果の記録を行う(ステップS12)。本例では、点検員の点検作業(ステップS4)で一次的に得られた点検結果情報である点検作業結果(撮影画像、点検作業員の近接目視レポートなど)、損傷状態の把握(ステップS6)で二次的に得られた点検結果情報である情報処理結果、対策区分の判定(ステップS8)で得られた対策判定結果、及び健全性の診断(ステップS10)で得られた健全性診断結果が、点検結果として、データベース30に記録される。
コンピュータ装置10又は点検員により作成されるレポートには、損傷図が含まれる。損傷図には、例えばひび割れ及び遊離石灰が損傷として記載される。損傷図の形式例として、撮影画像上に記載する形式、及び模式図に記載する形式が挙げられる。レポート作成の際、同じ橋梁を点検した過去のレポートがデータベース30に存在する場合には、その過去のレポートに対して損傷の進行内容を記載してもよい。過去のレポートに対して、今回のレポートに付加される撮影画像とは異なる画像処理が用いられていてもよい。また、過去のレポートを異なる点検業者が作成している場合、損傷図の形式が異なっていてもよい。
次に、データベースに記録された点検結果情報に基づいて、構造物の維持あるいは補修等の計画を行う(ステップS14)。ここで「補修等」とは、構造物の補修及び補強のうち少なくとも一つを含む。
図7は、第1の実施形態における損傷状態の把握(ステップS6)において実行される情報処理の一例の流れを示すフローチャートである。本処理は、コンピュータ装置10のCPU110によりプログラムに従って実行される。
まず、外部入出力部102により、点検対象構造物の撮影画像を入力する(ステップS102)。外部入出力部102は、撮影装置20との無線通信又は有線通信により、撮影装置20から直接的に撮影画像を入力することができる。データベース30に撮影画像が記憶されている場合、外部入出力部102はデータベース30から撮影画像を入力することができる。記録媒体に撮影画像が記憶されている場合、外部入出力部102は記録媒体から撮影画像を入力することができる。
次に、損傷抽出部120により、点検対象構造物の撮影画像から損傷を抽出する(ステップS104)。
次に、損傷情報生成部122により、抽出された損傷の特徴を示す損傷情報を生成する(ステップS106)。
図8は、損傷情報生成(ステップS106)の詳細を示すフローチャートである。
図7のステップS104で抽出された損傷は、損傷情報生成部122のベクトル化部122Aによりベクトル化されて、ベクトルが生成される(ステップS142)。
また、損傷情報生成部122の相対角度算出部122Bにより複数のベクトル同士の相対角度が算出され(ステップS144)、損傷情報生成部122の階層構造情報生成部122Cによりベクトルの階層構造を示す階層構造情報が生成される(ステップS146)。
また、損傷情報生成部122の補正部122Dにより、階層構造情報を用いて損傷のベクトルに対して補正が行われる(ステップS148)。これにより、損傷のベクトルの座標位置及び方向のズレが高精度で補正される。なぜなら、損傷進行程度は時間経過により進行するため、損傷部分画像同士を単純に比較して差分を補正するというラスタデータの補正処理では座標位置ズレ及び方向ズレが補正困難となる場合が考えられるが、階層構造情報を用いてベクトル同士を比較した補正(ベクトルデータの補正)が行われるので、撮影時期が異なることにより損傷の進行程度が異なっていても、座標位置ズレ及び方向ズレを確実に補正できるからである。
また、損傷情報生成部122の相対方向情報生成部122Eにより、構造物1の方向と各ベクトルの方向との相対的な関係を示す相対方向情報が生成される(ステップS150)。
以上のステップS142〜S150により、本例では、ベクトル、ベクトル同士の相対角度、階層構造情報、及び相対方向情報を含む損傷情報が生成される。
また、損傷情報生成部122のベクトル連結部122Fにより、空間的に分離した複数のベクトルが連結される(ステップS152)。つまり、ステップS146で階層構造化されたベクトルは、ベクトル連結部122Fにより必要に応じて連結され、階層構造が再構築される。
また、損傷情報生成部122の属性情報付加部122Gにより、損傷情報に対して各種の属性情報(付加情報)が付加される(ステップS154)。
図7に戻って、図7のステップS108〜S120を説明する。
外部入出力部102により、進行モデルを取得する(ステップS108)。進行モデルは、モデル構造物の損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す。ここで、「損傷進行程度」とは点検時に損傷がどの程度まで進んでいたのかを示す。
次に、損傷解析部124により、進行モデルに基づいて点検対象構造物の損傷情報を解析して、点検対象構造物の損傷状態に対応する損傷進行程度の評価区分(損傷度)を取得する(ステップS110)。
次に、データベース制御部126により、撮影画像を元に取得された損傷情報及び損傷度を、外部入出力部102を介してデータベース30に記憶させる(ステップS112)。
次に、今回の点検対象構造物の過去の点検結果情報がデータベース30にあるか否かを判定する(ステップS114)。
過去の点検結果情報がある場合(ステップS114でYESの場合)、ステップS116〜S120が実行される。
まず、外部入出力部102を介して、データベース30から、過去の撮影画像を元に取得された過去の損傷度を取得する(ステップS116)。
次に、損傷進行速度取得部130により、最新の撮影画像を元に取得された損傷度と過去の撮影画像を元に取得された損傷度とを比較して、構造物の損傷進行速度を取得する(ステップS118)。
尚、「過去の撮影画像」とは、最新の撮影時期(例えば今年)よりも過去の時期(例えば五年前)に撮影された撮影画像である。撮影時期が異なる過去の複数の撮影画像を元(ソース)にそれぞれ取得された複数の損傷度を比較する場合であってもよい。例えば、1年前の撮影画像を元にした損傷度(1年前の損傷度)と6年前の撮影画像を元にした損傷度(6年前の損傷度)とを比較して、1年前の進行速度の算出又は現在の進行速度の算出を行うという損傷進行速度取得も可能である。
次に、データベース制御部126により、データベース30に損傷進行速度を損傷情報及び損傷度を関連付けて記憶させる(ステップS120)。
本例の情報処理によれば、点検対象構造物の損傷進行速度の算出結果を利用することで、例えば予防の観点での補修計画を立案できる。例えば、点検対象構造物の損傷進行速度を同種類の他の構造物の損傷進行速度の平均値と比較することで、補修の要否の判断及び補修計画の検討を適切に行うことができる。
なお、図7のフローチャートでは、過去の点検結果情報が存在しない場合(ステップS114でNOの場合)には損傷進行速度の取得を行わないが、図9のフローチャートに示すように、別の構造物に関して求められた損傷進行速度を利用する情報処理を行うことが好ましい。
図9のステップS102〜S120は、図7と同様であり、説明を省略する。本例では、過去の点検結果情報が存在しない場合(ステップS114でNOの場合)、ステップS202〜206が実行される。
まず、検索部128により、点検対象構造物とは別の構造物(本例では橋梁である)の過去の類似損傷情報をデータベース30から検索する(ステップS202)。ここで、点検対象構造物の損傷情報に類似する他の損傷情報であって点検対象構造物とは別の構造物の過去の損傷情報が検索される。
次に、外部入出力部102により、点検対象構造物とは別の構造物の損傷進行速度をデータベース30から取得する(ステップS204)。ここで、検索されて類似損傷情報に関連付けてデータベース30に記憶されている損傷進行速度が、データベース30から取得される。
次に、データベース制御部126により、データベース30に対して、取得された損傷進行速度を点検対象構造物の他の点検結果情報に関連付けさせる制御が行われる(ステップS206)。
本例の情報処理によれば、点検対象構造物の過去の点検結果が存在しない場合でも、別の構造物の損傷進行速度の予測結果を利用することで、例えば予防の観点での補修計画を立案できる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態におけるコンピュータ装置10は、構造物の損傷進行に影響するパラメータ(以下「損傷進行パラメータ」という)を用いて、データベース30から点検対象構造物とは別の構造物の過去の点検結果情報を検索する機能と、その検索の結果に基づいて点検対象構造物の進行モデルを生成する機能を有する。
図10は、データベース30の進行モデルに関するデータ構成例を示す模式図である。
図10に示すように、データベース30は、構造物の自然環境に関する自然環境情報PP1、構造物の利用状況に関する利用状況情報PP2、構造物の構造に関する構造情報PP3、構造物の材料に関する材料情報PP4、構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報PP5、及び構造物の補修実績と補強実績に関する維持管理実績情報PP6といった損傷進行パラメータPPを、構造物の損傷情報DI、構造物の損傷度DD及び構造物の損傷進行速度DSを含む点検結果情報と、進行モデルMとに関連付けて記憶する。つまり、データベース30は、点検対象構造物とは別の構造物の損傷進行パラメータPPと点検結果情報と進行モデルを関連付けて記憶している。また、データベース30は、点検対象構造物が未点検であり点検対象構造物の過去の点検結果情報が未蓄積の状態であっても、点検対象構造物の少なくとも損傷進行パラメータPP1〜PP5を点検計画情報と関連付けて記憶している。
図11は、第2の実施形態のコンピュータ装置10の構成例を示すブロック図である。図11において、図2に示した第1の実施形態と同じ構成要素には同じ符号を付してあり、第1の実施形態で既に説明した内容は以下では省略する。
検索部128は、データベース30から、点検対象構造物とは別の構造物の過去の点検結果情報(損傷情報DI、損傷度DD及び損傷進行速度DSを含む)であって、損傷進行パラメータが点検対象構造物と同一又は類似する別の構造物の点検結果情報を検索する機能を有する。
進行モデル生成部152は、検索された別の構造物の点検結果情報を用いて、点検対象の構造物の損傷進行パラメータに対応する進行モデルMを生成する。
データベース制御部126は、生成された進行モデルMを、損傷進行パラメータPPと関連付けてデータベース30に記憶させる。生成された進行モデルMを、点検対象構造物の点検計画情報と関連付けてデータベース30に記憶させてよい。
損傷解析部124は、点検対象物の点検時に、点検対象構造物とは別の構造物の過去の点検結果情報に基づいて生成された進行モデルMを、データベース30から外部入出力部102を介して取得し、その取得した進行モデルMに基づいて、点検対象構造物の損傷度DDを取得することができる。例えば、データベース30に点検対象の構造物の点検計画情報と関連付けられて記憶された点検対象構造物の損傷進行パラメータPPをデータベース30から取得し、データベース30に点検対象構造物の損傷進行パラメータPPと関連付けられて記憶された進行モデルMを取得する。生成された進行モデルMを点検対象構造物の点検計画情報と関連付けてデータベース30に記憶させた場合には、点検対象構造物の点検計画情報に基づいて直接的にデータベース30から進行モデルMを取得することもできる。
損傷進行速度取得部130は、進行モデル生成部152により生成された進行モデルMに基づく損傷度DDを用いて、点検対象の構造物の損傷進行速度を取得することができる。
[第3の実施形態]
第3の実施形態におけるコンピュータ装置10は、進行モデルを細分化する機能を有する。
図12は、第3の実施形態のコンピュータ装置10の構成例を示すブロック図である。図12において、図2又は図11と同じ構成要素には同じ符号を付してあり、第1の実施形態又は第2の実施形態で既に説明した内容は以下では省略する。
進行モデル細分化部154は、点検対象構造物の損傷情報に基づいて、進行モデルを細分化する。進行モデル細分化部154は、例えば、損傷情報を構成するベクトル及び階層構造情報を用いて、進行モデルにおける損傷状態及び損傷度を細分化する。
図13は、進行モデルの細分化例の説明に用いる説明図である。図13において、細分化前の進行モデルMbは、三段階の損傷度(損傷度1、損傷度2、及び損傷度3)で損傷状態を判定するための進行モデルである。本例は、進行モデル細分化部154により、複数の損傷度のそれぞれが二つに細分化された場合であり、細分化後の進行モデルMaは、六段階の損傷度(損傷度1−1、損傷度1−2、損傷度2−1、損傷度2−2、損傷度3−1、及び損傷度3−2)で損傷状態を判定するための進行モデルである。
進行モデル細分化部154による進行モデル細分化の態様には、各種ある。
第1に、データベース30に蓄積された点検結果情報を分析し、その分析結果に基づいて進行モデルを細分化する態様がある。例えば、進行モデル細分化部154により、点検結果情報を分析して、まず対策区分を分割するか否かを判定し、対策区分を分割すると判定した場合には、分割する対策区分に対応した損傷度を分割後の対策区分に応じて分割し、さらに分割する損傷度に対応した損傷情報を分割後の損傷度に応じて分割する。そして分割後の損傷情報と分割後の損傷度との対応関係を進行モデルに反映させることで、進行モデルを細分化する。対策区分を分割するか否かを人が判定してもよいが、進行モデル細分化部154が自動的に判定してもよい。
第2に、細分化の指示入力を受け付け、その指示入力に従って進行モデルを細分化する態様がある。例えば、操作部106又は外部入出力部102により、分割対象の損傷度を示す指示入力を受け付け、分割する損傷度に対応した損傷情報を分割後の損傷度に応じて分割する。そして分割後の損傷情報と分割後の損傷度との対応関係を進行モデルに反映させることで、進行モデルを細分化する。
第3に、損傷度を判定するためのパラメータを増やすことで、進行モデルを細分化する態様がある。例えば、損傷状態と損傷度との対応関係を示す進行モデルから、損傷状態と損傷進行速度と損傷度との対応関係を示す進行モデルに変更することで、進行モデルを細分化する。
[損傷進行速度の取得のバリエーション]
損傷進行速度の取得には、各種のバリエーションがある。
前述の第1の実施形態から第3の実施形態では、点検対象の構造物での損傷進行程度の評価区分である損傷度の経時的な差分を算出することで、その「損傷度の経時的な差分」を損傷進行速度(以下「第1の損傷進行速度」という)として取得する場合を説明したが、損傷度以外の情報の経時的な差分も算出することで、第1の損傷進行速度とは別の損傷進行速度も併せて取得することが好ましい。
第1に、損傷の特徴量ごとの経時的な差分を算出することで、その「損傷の特徴量ごとの経時的な差分」を第2の損傷進行速度として取得し、その第2の損傷進行速度を第1の損傷進行速度と関連付けてデータベース30に記憶させることができる。
例えば、点検対象の構造物に多様な複数種類の特徴量(例えば、異なる長さ、異なる幅、及び異なる間隔)で複数のひび割れが生じた場合、画像処理によって、ひび割れの状態を特徴量(例えば、長さ、幅、及び間隔)ごとに定量化し、ひび割れの特徴量ごとの経時的な差分(例えば、長さの経時的な差分、幅の経時的な差分、及び間隔の経時的な差分)を第2の損傷進行速度として算出する。
第2に、損傷パターンの経時的な差分を算出することで、その「損傷パターンの経時的な差分」を第3の損傷進行速度として取得し、その第3の損傷進行速度を第1の損傷進行速度と関連付けてデータベース30に記憶させることができる。
例えば、点検対象の構造物に複雑なパターン(例えば蜘蛛の巣形状)でひび割れが生じた場合、ひび割れの状態を適切に把握するためには、ひび割れの一本ずつを個別に評価するのではなく、複数本のひび割れを「束」(グループ)として評価する必要がある。例えば、過去と現在で「階層構造情報の経時的な差分」(例えば階層番号の最大値の変化)を第3の損傷進行速度として算出する。
つまり、損傷情報を利用した解析を行うことにより、損傷進行速度を更に適切に取得することができる。
図14は、損傷進行速度の取得の第1のバリエーション及び第2のバリエーションを同時に行う場合の説明に用いる説明図である。図中上側のひび割れパターンCP1は、前回の点検時に抽出されたひび割れCv(Lv1)のパターンである。図中下側のひび割れパターンCP2は、今回の点検時に抽出されたひび割れCv(Lv1)及びCv(Lv2)のパターンである。なお、図中のひび割れCv(Lv1)及びCv(Lv2)は、撮影画像中のひび割れを線分近似して得られるベクトル(損傷ベクトル)で表されている。また、図中のL1、W1、Gi1、及びLv1はそれぞれ、前回の点検時のひび割れの長さ、幅、ベクトルグループ同士の間隔、及び階層番号の最大値である。また、図中のL2、W2、Gi2、及びLv2はそれぞれ、今回の点検時のひび割れの長さ、幅、ベクトルグループ同士の間隔、及び階層番号の最大値である。そうすると、損傷進行速度取得部130は、前回と今回とのひび割れCv(Lv1)の長さの差分(L2−L1)及び幅の差分(W2−W1)と、ベクトルグループ同士の間隔の差分(Gi2−Gi1)を、第2の損傷進行速度として算出し、且つ階層番号の最大値の差分(Lv2−Lv1)を第3の損傷進行速度として算出し、これらの第2の損傷進行速度及び第3の損傷進行速度を第1の損傷進行速度と共にデータベース30に記憶させる。前回の点検時と今回の点検時との損傷度の経時的な差分(第1の損傷進行速度である)が「0」(ゼロ)になる場合でも、第2の損傷進行速度(L2−L1、W2−W1、Gi2−Gi1)及び第3の損傷進行速度(Lv2−Lv1)は「0」(ゼロ)よりも大きいので、これらの第2の損傷進行速度及び第3の損傷進行速度のうち少なくとも一方を参照することにより、第1の損傷進行速度がゼロとなる初期段階での損傷進行であっても、適切に損傷進行程度を把握することが可能になる。
また、損傷進行速度の算出は、構造物の部位ごとの点検結果情報をパラメータとして組み込んでもよい。つまり、損傷情報以外の情報も利用して、損傷進行速度の予測精度を高める。
[損傷進行速度の検索のバリエーション]
損傷進行速度の検索には、各種のバリエーションがある。
第1に、損傷進行パラメータを検索キーとして損傷進行速度を検索する。具体的には、損傷進行パラメータと損傷進行速度とを関連付けて、複数の損傷進行速度をデータベース30に記憶させておく。検索部128は、損傷進行パラメータを検索キーとして、必要な損傷進行速度をデータベース30から検索する。なお、損傷進行パラメータの例は、第2の実施形態において説明したので、ここでは説明を省略する。
第2に、同一の損傷進行パラメータに関連付けられた複数の損傷進行速度から、代表的な損傷進行速度を検索する。例えば、同一の損傷進行パラメータに対して複数の損傷進行速度が関連付けられている場合、検索部128により、平均値から一定値以上離れた損傷進行速度又は最頻領域から一定値以上離れた損傷進行速度は除外して、代表的な損傷進行速度(平均値又は最頻領域から一定値以内の損傷進行速度)のみをデータベース30から検索する。
第3に、学習機能により統計的手法で算出した結果を利用して、検索部128により、損傷進行速度を検索する。学習機能には様々な態様が考えられる。例えば、第2の実施形態において説明したように、点検対象構造物に適した損傷進行モデルを学習機能で生成する場合、その生成された損傷進行モデルに関連付けられている損傷進行速度をデータベース30から検索する。
第4に、類似尺度を設定して、検索部128により、点検対象の構造物に最も類似した別の構造物の損傷進行速度、あるいは点検対象構造物の損傷情報に類似した損傷情報(類似損傷情報)に関連付けられている損傷進行速度を検索する。
[損傷進行速度の利用のバリエーション]
損傷進行速度の利用には、各種のバリエーションがある。
第1に、コンピュータ装置10により、点検結果レポートを作成する場合、損傷進行速度を点検結果レポートに含めることができる。損傷進行速度以外の情報(例えば構造物の損傷状態だけ)をレポートする場合と比較して、その損傷状態と共に損傷進行速度を参照できるようになるので、補修計画を適切に立案し易くなる。
第2に、コンピュータ装置10により、データベース30に記憶された各種の情報に損傷進行速度を関連付けることにより、各種の統計に利用できるようになる。構造物の維持管理以外の用途(例えば構造物の設計)にも利用できる。
第3に、構造物に関するハザードマップの作成に損傷進行速度を利用できる。例えば、同種類あるいは同条件の別の構造物と比較して損傷進行速度が大きい構造物は、危険性が高い可能性があり、そのような構造物の利用を制限するなどの対策を立てることが可能となる。
また、損傷進行速度だけでなく、損傷情報生成部122で生成された損傷情報に含まれる各種の情報(例えば、階層構造情報及び相対方向情報)を、データベース30に記憶させることで、構造物の維持管理だけでなく様々な用途での利便性を図ることができる。
[損傷情報の生成のバリエーション]
<損傷ベクトルの生成>
以下では、損傷がコンクリート構造物のひび割れである場合を例に説明する。
損傷情報生成部122のベクトル化部122Aによるベクトル化に際しては、抽出した損傷(ひび割れ)を必要に応じ2値化及び/または細線化する。なお「ベクトル化」とは、損傷に対し始点及び終点で定まる線分を求めることであり、損傷(ひび割れ)が曲線状の場合、曲線と線分の距離が閾値以下になるように損傷を複数の区間に分割し、複数の区間のそれぞれについて損傷ベクトルを生成する。図15の例では、曲線状の損傷Crを4つの区間Cr1〜Cr4に分割し、それぞれの区間について損傷ベクトルCv1〜Cv4を生成することで、区間Cr1〜Cr4における損傷と損傷ベクトルCv1〜Cv4との距離d1〜d4が閾値以下になるようにしている。
損傷ベクトルの生成に際しては、例えば床版2の特徴点を座標系の原点とし、損傷ベクトルのグループ(ベクトルグループ)について、原点からの距離が最小になる端点を第1の始点とし、以下損傷ベクトルの走行方向に沿って順次終点、始点を決定することができる。図16の例では、床版2上の点P0を座標系の原点、図の右方向及び下方向をそれぞれ座標系のX軸方向、Y軸方向としたときに、ベクトルグループC7の点P13,P14,P15,P16のうち点P0からの距離dが最も短くなる点P13を損傷ベクトルC7−1の始点とし、以下、点P14を損傷ベクトルC7−1の終点(かつ損傷ベクトルC7−2,C7−3の始点)、点P15,P16をそれぞれ損傷ベクトルC7−2,C7−3の終点とすることができる。
しかしながら、同様の手法でベクトルグループC8の始点を決定すると、点P17が損傷ベクトルC8−1の始点、点P18が損傷ベクトルC8−2,C8−3の始点となり、損傷ベクトルC8−3の走行方向(点P18から点P20へ向かう方向)が損傷ベクトルC8−1の走行方向と逆行してしまう。そこでこのような場合は、図17に示すように点P19を損傷ベクトルC8A−1の始点とし、以下、点P18を損傷ベクトルC8A−1の終点(かつ損傷ベクトルC8A−2,C8A−3の始点)、点P17,P20をそれぞれ損傷ベクトルC8A−2,C8A−3の終点とするようにしてもよい。なおこの場合の損傷ベクトルの集合体をベクトルグループC8Aと表記する。このような処理はベクトル化部122Aがユーザの指示入力を介さずに行うようにしてもよいし、操作部106を介したユーザの指示入力に基づいてベクトル化部122Aが行うようにしてもよい。
<分離した損傷ベクトルの連結>
上述のようにして損傷ベクトルを生成する場合、損傷が床版2の内部では連続しているが表面では分離していると、分離した損傷ベクトルとして認識されてしまう可能性がある。そこで本実施形態に係るコンピュータ装置10では、そのような複数の損傷ベクトルを連結して1または複数のベクトルを生成する。
図18は損傷ベクトルの連結の例を示す図であり、損傷ベクトルC3−1(点P21、点P22がそれぞれ始点、終点)を含むベクトルグループC3と、損傷ベクトルC4−1(点P23、点P24がそれぞれ始点、終点)を含むベクトルグループC4とが抽出された状況を示している。また、損傷ベクトルC3−1が点P22及び点P23を結ぶ線分となす角をα1とし、点P22及び点P23を結ぶ線分が損傷ベクトルC4−1となす角をα2とする。このとき、角α1及び角α2が共に閾値以下ならば、損傷ベクトルC3−1及びC4−1を連結し、またベクトルグループC3及びC4を融合させる。具体的には、図19に示すように新たな損傷ベクトルC5−2を生成してその他の損傷ベクトルC5−1(損傷ベクトルC3−1と同一)及びC5−3(損傷ベクトルC4−1と同一)と連結させ、これら損傷ベクトルC5−1,C5−2,及びC5−3を含む新たなベクトルグループをベクトルグループC5とする。
なお上述の手法は損傷ベクトル連結手法の一例であり、他の方法を用いてもよい。また、上述のように損傷ベクトル同士を連結させるか否かは、ユーザの指示入力によらずに損傷情報生成部122が判断するようにしてもよいし、操作部106を介したユーザの指示入力に基づいて損傷情報生成部122が判断するようにしてもよい。
このように本実施形態に係るコンピュータ装置10では、空間的に(床版2の表面で)分離した損傷ベクトルを適宜連結させることにより、損傷ベクトル同士の連結関係を正確に把握することができる。
<階層構造情報の生成>
ベクトル化部122Aで損傷ベクトルが生成されると、生成した損傷ベクトルに基づいて、階層構造情報生成部122Cが階層構造情報を生成する。階層構造情報は損傷ベクトル同士の連結関係を階層的に表現した情報であり、画像情報(図20を参照)及び損傷ベクトル情報(図21,図24,図28,及び図30を参照)により構成される。これら画像情報及び損傷ベクトル情報は、損傷ベクトル(ひび割れベクトル)の集合体であるベクトルグループを介して関連づけられている。したがって損傷の画像からベクトルグループのID(Identification)を参照して損傷ベクトルを抽出することもできるし、逆に損傷ベクトルに基づいて画像を抽出することもできる。なお、階層構造情報は損傷ベクトルが所属する階層(レベル)によらず同一の項目及び形式で生成されるので(図21,図24,図28,及び図30を参照)、ユーザは階層構造情報を容易に認識及び把握することができる。
<画像情報>
上述した画像情報とは、損傷が撮像された撮影画像についての情報であり、損傷ベクトルのグループについて、撮影画像の識別情報(ID)及び画像データ、画像取得日時等を規定したものである。図20は画像情報の例を示す表であり、ベクトルグループC1(図22参照)について、画像のID、画像データ、取得日時、画像の幅及び高さ、チャンネル数、ビット/ピクセル、解像度が規定されている。チャンネル数はRGB(R:赤、G:緑、B:青)カラー画像なら3チャンネルであり、モノクロ画像なら1チャンネルである。なお図20ではベクトルグループC1についてのみ記載しているが、ベクトルグループが複数存在する場合は、各グループについて同様の情報が生成される。
<損傷ベクトル情報>
図21は、損傷ベクトル情報の例である。損傷ベクトル情報は、損傷ベクトルが所属するベクトルグループの情報と、各損傷ベクトルの固有情報と、ベクトルグループ内において各損傷ベクトルに連結する他の損傷ベクトルの情報と、付加情報と、から構成される。
ベクトルグループ(図21の表の場合ベクトルグループC1;図22参照)の情報はグループのIDを含む。損傷ベクトルの固有情報は、損傷ベクトルのID(識別情報)、階層(レベル:所属階層情報)、始点及び終点(点番号及び位置座標)、及び長さを含む。ここで階層(レベル)は、レベル1が最上位であり、数字が大きくなるほど下位の階層になる。具体的な階層の決定方法については詳細を後述する。他の損傷ベクトルの情報は、以下に説明するように親ベクトル、兄弟ベクトル、及び子ベクトルのID(識別情報)を含む。付加情報は、損傷の幅、削除操作フラグ、追加操作フラグ、点検日、及び補修情報を含む。
<親ベクトル、兄弟ベクトル、及び子ベクトル>
本実施形態において、一の損傷ベクトルの終点が他の損傷ベクトルの始点となっている場合、そのような一の損傷ベクトルを「親ベクトル」といい、他の損傷ベクトルを「子ベクトル」という。親ベクトルは1つの損傷ベクトルについてゼロまたは1つとなるように決めるものとするが、子ベクトルは1つの親ベクトルに対しゼロ以上の任意の数だけ存在していてよい。また、親ベクトルの終点が複数の子ベクトルの始点となっている場合、それら複数の子ベクトルは互いに「兄弟ベクトル」という。兄弟ベクトルも、ゼロ以上の任意の数だけ存在していてよい。
このように、本実施形態では階層構造情報に親ベクトル、兄弟ベクトル、及び子ベクトルのID(識別情報)が含まれるので、任意の損傷ベクトルに基づいて、ベクトルのIDを参照して親ベクトル、兄弟ベクトル、及び子ベクトルを順次特定することができる。例えば、ある損傷ベクトルの親ベクトルを特定し、その親ベクトルの親ベクトルをさらに特定することができる。このようにして本実施形態に係るコンピュータ装置10では、損傷ベクトル同士の連結関係を容易に把握でき、また損傷ベクトルの分析及び検索を容易に行うことができる。
<付加情報(属性情報)>
付加情報に含まれる「幅」は、各損傷ベクトルに対応するひび割れの幅を示す。削除操作フラグは削除操作が行われたベクトルであるかどうかを示し、削除操作が行われた場合は“1”、行われていない場合は“0”である。この削除操作フラグを参照して、損傷ベクトルの表示と非表示とを切り替えることができる。追加操作フラグは、損傷ベクトルの検出態様に関連しており、自動で検出されたベクトルである場合は“0”、手動で(ユーザの指示入力により)追加されたベクトルである場合は“1”、手動で追加され異なるIDのベクトルを接続して生成されたベクトルである場合は“2”である。
「点検日」には損傷の画像を撮像した日を設定するが、操作部106を介したユーザの指示入力により編集することもできる。また「補修」の情報は、操作部106を介したユーザの指示入力(補修の種類及び補修日)に基づいて生成することができる。補修の種類は例えば、セメントで埋める、樹脂で埋める、放置(経過観察)など(図21の表ではそれぞれR1,R2,R3と記載している)がある。
<損傷ベクトルの階層>
次に、損傷ベクトルが所属する階層(レベル)について説明する。損傷ベクトルの階層は、例えば以下の例1〜4で説明するように、種々の手法で決定することができる。
<階層決定手法(例1)>
図22は、ベクトルグループC1を示す図である。ベクトルグループC1は、損傷ベクトルC1−1〜C1−6により構成されており、これら損傷ベクトルは点P1〜P7を始点または終点としている。このような状況において例1では、損傷ベクトルが分岐する(ある損傷ベクトルの終点が他の複数の損傷ベクトルの始点となっている)ごとに階層が下位になるとしている。具体的には損傷ベクトルC1−1の階層を最も上位の“レベル1”として、損傷ベクトルC1−1の終点である点P2を始点とする損傷ベクトルC1−2及びC1−3の階層は、損傷ベクトルC1−1よりも下位である“レベル2”とする。同様に、損傷ベクトルC1−3の終点である点P4を始点とする損傷ベクトルC1−5及びC1−6の階層は、損傷ベクトルC1−3よりも下位である“レベル3”とする。一方、損傷ベクトルC1−2の終点である点P3は損傷ベクトルC1−4の始点であるが、点P3を始点とする損傷ベクトルは損傷ベクトルC1−4だけであり分岐はないので、損傷ベクトルC1−4の階層はC1−2と同じ“レベル2”とする。このようにして決定した各損傷ベクトルの階層は、図21の表に示すように階層構造情報に含まれる。
<階層決定手法(例2)>
図23は、ベクトルグループC1(損傷ベクトル同士の連結関係は図22に示すものと同一)を示す図である。例2では、連結する損傷ベクトルのうち他の損傷ベクトルとなす角度が閾値以下であるもの(木構造における「幹」に相当する損傷ベクトル)は同一の階層に属するものとしている。具体的には図23の点線内(参照符号Lv1で示す範囲)に存在する損傷ベクトルC1−1,C1−2,及びC1−4は同一の階層である“レベル1”(最上位)とする。また、それ以外の損傷ベクトルC1−3,C1−5,及びC1−6については、例1と同様に損傷ベクトルが分岐するごとに階層が下位になるとしており、損傷ベクトルC1−3(木構造における「枝」に相当)を“レベル2”、損傷ベクトルC1−5及びC1−6(木構造における「葉」に相当)を“レベル3”としている。このようにして決定した各損傷ベクトルの階層及び種別(幹、枝、あるいは葉)は、図24の表に示すように、階層構造情報に含まれる。
<階層決定手法(例2の変形例)>
上述した階層決定手法(例2)の変形例について説明する。階層決定手法(例2)のように損傷ベクトルを木構造における幹、枝、及び葉に相当するものとして階層を決定するに際して、一般に「枝」は「幹」よりも短いと考えられるため、最長の損傷ベクトルを「幹」(レベル1)とし、その他の損傷ベクトルを「枝」または「葉」として階層を決定するようにしてもよい。この場合、例えば図24の表に示す損傷ベクトル情報では、長さ100mmの損傷ベクトルC1−1が「幹」(レベル1)となる。損傷ベクトルC1−2及びC1−3は「枝」(レベル2)とし、損傷ベクトルC1−4は「枝」(レベル2)または「葉」(レベル3)、損傷ベクトルC1−5,及び6は「葉」(レベル3)とすることができる。
なお、「最長の損傷ベクトル」ではなく「最長のひび割れ」を構成する損傷ベクトルを「幹」(レベル1)とし、「幹」から分岐しているひび割れに対応する損傷ベクトルを「枝」または「葉」としてもよい。この場合、「最長のひび割れ」とは「太いひび割れも細いひび割れも全て繋がった状態において、ひび割れとして最長である」ことを意味するものとする。
また、損傷ベクトルの長さに加え幅(損傷ベクトルに対応する損傷の幅)をも考慮して種別(幹、枝、及び葉)及び階層を決定するようにしてもよい。例えば、「長さ×幅」が最大になる損傷ベクトルを「幹」とし、その他の損傷ベクトルを「枝」または「葉」として階層を決定するようにしてもよい。この場合、例えば図24の表に示す損傷ベクトル情報では、「長さ×幅」が最大(100mm)である損傷ベクトルC1−1が「幹」となる。損傷ベクトルC1−2及びC1−3は「枝」(レベル2)とし、損傷ベクトルC1−4は「枝」(レベル2)または「葉」(レベル3)、損傷ベクトルC1−5,及び6は「葉」(レベル3)とすることができる。
上述した変形例のように損傷ベクトルの長さ、または「長さ×幅」を考慮して損傷ベクトルの階層を決定することで、階層化の精度を向上させることができる。
<階層決定手法(例3)>
図25〜図27は、ベクトルグループC1(損傷ベクトル同士の連結関係は図22,32に示すものと同一)を示す図である。例3では、損傷ベクトルが生じた時間の先後を橋梁1の画像の撮影日時に基づいて判断し、損傷ベクトルが時間的に後に生じたものであるほど下位の階層に属するものとしている。図25〜図27の場合、最初に撮影した画像では損傷ベクトルC1−1を含むベクトルグループC1Aが生じており(図25)、次に撮影した画像では損傷ベクトルC1−2及びC1−3が新たに発生してベクトルグループC1Bとなり(図26)、最後に撮影した画像ではさらに損傷ベクトルC1−4,C1−5,及びC1−6が発生してベクトルグループC1となった(図27)ものとする。
このような状況において例3では、最初の画像で生じている損傷ベクトルC1−1(図25において参照符号Lv1で示す範囲)を最も上位の“レベル1”とし、次の画像で生じている損傷ベクトルC1−2及びC1−3(図26において参照符号Lv2で示す範囲)を“レベル2”とし、最後の画像で生じている損傷ベクトルC1−4,C1−5,及びC1−6(図27において参照符号Lv3で示す範囲)を“レベル3”とする。
このようにして決定した各損傷ベクトルの階層は、図28の表に示すように階層構造情報に含まれる。
<階層決定手法(例4)>
図29は、ひび割れC2A及びこれに対応するベクトルグループC2を示す図である。例4では、一の損傷ベクトルに連結している他の損傷ベクトルが1つのみである場合、そのような他の1つの損傷ベクトルは一の損傷ベクトルと同じ階層に属するものとしている。具体的には、図29に示すように一本の曲線状のひび割れC2Aが複数のひび割れC2A−1〜C2A−4に分割されており、これらひび割れが点P8〜点P12を始点または終点とする損傷ベクトルC2−1〜C2−4にそれぞれ対応している場合を考えると、損傷ベクトルC2−1〜C2−3の終点にはそれぞれ1つの損傷ベクトル(損傷ベクトルC2−2〜C2−4)しか連結していない。このような場合、例4では損傷ベクトルC2−1〜C2−4(図29において参照符号Lv1で示す範囲)は実質的に1つであると考え、全て同一の階層である“レベル1”(最上位)に属するものとする。
このようにして決定した各損傷ベクトルの階層は、図30の表に示すように階層構造情報に含まれる。
以上、損傷ベクトルの所属階層決定手法の例1〜4について説明したが、これらの手法は具体的な損傷の態様に応じて適宜使い分けることができ、また必要に応じて複数の手法を組み合わせて用いてもよい。例えば連結のパターンが複雑な損傷ベクトルのグループに対し、ある部分は例1を用いて階層を決定し、他の部分は例4を用いて階層を決定するようにしてもよい。このような階層手法の組合せは階層構造情報生成部122Cが判断して行うようにしてもよいし、操作部106を介したユーザの指示入力に基づいて行うこともできる。
<階層構造情報の項目及び形式>
本実施形態では、図21,図24,図28,及び図30の表に示すように階層構造情報が損傷ベクトルの属する階層によらず同一の項目及び形式なので、損傷ベクトル同士の連結関係を迅速かつ容易に把握することができる。
<損傷ベクトルの抽出>
次に、損傷ベクトルの抽出について説明する。本実施形態において、階層構造情報には損傷ベクトルが所属するベクトルグループ、損傷ベクトルのID(識別番号)、所属階層、連結する他の損傷ベクトル(親ベクトル、兄弟ベクトル、及び子ベクトル)のID等が含まれているので(図21,図24,図28,及び図30参照)、これらの項目について所望の条件を指定して損傷ベクトルを抽出することができる。指定する条件としては、例えば「損傷ベクトルが所属する階層」及び「特定のベクトルを親ベクトル、兄弟ベクトル、あるいは子ベクトルとするベクトル」を挙げることができるが、指定しうる条件はこれらの例に限定されるものではない。
例えば図21に示す損傷ベクトル情報の場合、「損傷ベクトルの階層(レベル)がレベル2」を条件として指定すると、階層構造情報の「階層(レベル)」の欄を参照して損傷ベクトルC1−2,C1−3,及びC1−4が抽出され、「損傷ベクトルC1−2と連結し、損傷ベクトルC1−2よりも上位の階層に属する損傷ベクトル」を条件として指定すると、損傷ベクトルC1−1(親ベクトル)が抽出される。また、「損傷ベクトルC1−2と連結し、損傷ベクトルC1−2と同じ階層に属する損傷ベクトル」を条件として指定すると、損傷ベクトルC1−3(兄弟ベクトル)及び損傷ベクトルC1−4(子ベクトル)が抽出され、「損傷ベクトルC1−3と連結し、損傷ベクトルC1−3よりも下位の階層に属する損傷ベクトル」を条件として指定すると、損傷ベクトルC1−5及びC1−6(子ベクトル)が抽出される。このような損傷ベクトルの抽出は、操作部106を介したユーザの指示入力に基づいて、損傷抽出部120が行う。
このように、コンピュータ装置10では損傷ベクトルの検索、分析、及び評価を容易に行うことができる。なお抽出した損傷ベクトルは、個々の情報及び/または線画の形式で表示することができる(後述)。
<損傷ベクトル及び階層構造情報の表示>
階層構造情報は表示部104に表示される。階層構造情報の表示は、例えば図20,図21,図24,図28,及び図30に示す表の形式で行ったり、それらの表から抽出した一部の情報により行ったりすることができる。そのような「一部の情報」の一例としては、「指定した条件で抽出した損傷ベクトルの情報」及び「点検日及び/または補修日等、特定の項目についての情報」を挙げることができる。
また、階層構造情報に基づいて損傷ベクトルを示す線画を描画し、表示部104に表示するようにしてもよい。図21,図24,図28,図30の表に示すように、階層構造情報には損傷ベクトルの始点及び終点、並びに連結する他の損傷ベクトルの情報が含まれているので、これらの情報に基づいて損傷ベクトルを示す線画(例えば図22,図23,図25〜図27を参照)を描画し、表示することができる。損傷ベクトルを示す線画には、損傷ベクトルの向き(始点から終点へ向かう方向)が識別できるように矢印を付してもよい(図22,図23,図25〜図27を参照)。損傷ベクトルの線画を描画及び表示する場合、階層構造情報に含まれる全ての損傷ベクトルを描画及び表示してもよいし、一部の損傷ベクトル(例えば、上述のように指定された条件で抽出したもの)のみを表示するようにしてもよい。
なお、損傷ベクトルを示す線画を表示する場合、階層構造情報に含まれる情報のうち特定の情報に応じて損傷ベクトルの色、太さ、及び線種(実線、点線等)等の表示条件を変えるようにしてもよい。そのような情報としては、例えば損傷ベクトルの階層(レベル)、種別(幹、枝、葉)、発生日時、削除操作フラグ、及び追加操作フラグの値等を挙げることができ、階層構造情報に含まれる項目のうちから適宜設定してよい。このように損傷ベクトルの特徴に応じた態様で表示することにより、損傷ベクトル同士の連結関係及び/または時間変化の様子を容易に把握することができる。
上述した損傷ベクトルの線画と階層構造情報とは、いずれか一方を表示するようにしてもよいし、両方を同時に表示するようにしてもよい。また、上述の表示において損傷(ひび割れ)を撮像した画像(例えば図20の表に示す画像“img_2015-001”)を損傷ベクトルの線画と重ね合わせて、あるいは並べて表示し、両者が比較できるようにしてもよい(例えば図29を参照)。
本実施形態では、このようにして損傷ベクトル及び/または階層構造情報を表示するので、損傷ベクトルの情報及び損傷ベクトル同士の連結関係を容易に把握することができる。
<損傷ベクトル及び階層構造情報の記録>
階層構造情報はデータベース30に記録される。記録された階層構造情報は、損傷の分析及び評価などの目的に使用することができる。なお階層構造情報から一部の情報(例えば指定した条件を満たす損傷ベクトル)を抽出した場合、そのようにして抽出した情報は全て元の階層構造情報に含まれるため、抽出結果は必ずしも記録しておかなくてもよいが、抽出結果についてもデータベース30に記録しておくことで、必要に応じ迅速に参照することができる。
<階層構造情報の修正>
上述のように、本実施形態では階層構造情報生成部122Cが階層構造情報を生成するが、操作部106を介したユーザの指示入力に基づいて、階層構造情報生成部122Cが階層構造情報を修正することができるようにしてもよい。
以上説明したように、本例のコンピュータ装置10及び情報処理方法によれば、損傷ベクトル同士の連結関係を容易に把握でき、また階層構造情報により損傷ベクトルの分析及び/または検索を容易に行うことができる。
<階層構造情報のまとめ>
階層構造情報生成部122Cにより生成される階層構造情報は、損傷ベクトル同士の連結関係を階層的に表現した情報である。
階層構造情報生成部122Cにより生成される階層構造情報は、一の損傷ベクトルが属するベクトルグループの情報と、一の損傷ベクトルと連結する他の損傷ベクトルの情報と、一の損傷ベクトルの固有情報とを含むことが好ましい。
階層構造情報の例1において、階層構造情報生成部122Cは、一の損傷ベクトルに他の複数の損傷ベクトルが連結している場合、他の複数の損傷ベクトルは一の損傷ベクトルよりも下位の階層に属するものとして階層構造情報を生成する。
階層構造情報の例2において、階層構造情報生成部122Cは、一の損傷ベクトルと一の損傷ベクトルに連結している他の損傷ベクトルとのなす角度が閾値以下であるときは、他の損傷ベクトルは一の損傷ベクトルと同じ階層に属するものとして階層構造情報を生成する。
階層構造情報の例3において、階層構造情報生成部122Cは、一の損傷ベクトルに連結する他の損傷ベクトルが一の損傷ベクトルよりも時間的に後に生じた損傷ベクトルである場合は、他の損傷ベクトルは一の損傷ベクトルよりも下位の階層に属するものとして階層構造情報を生成する。
階層構造情報の例4において、階層構造情報生成部122Cは、一の損傷ベクトルに連結している他の損傷ベクトルが1つのみである場合、他の1つの損傷ベクトルは一の損傷ベクトルと同じ階層に属するものとして階層構造情報を生成する。
固有情報は、一の損傷ベクトルの識別情報と、一の損傷ベクトルが階層構造のどの階層に属するかを示す所属階層情報(「階層識別情報」ともいう)と、始点及び終点の位置と、を含む。
階層構造情報生成部122Cは、損傷ベクトルの属する階層によらず同一の項目及び形式により階層構造情報を生成する。
階層構造情報を利用すると類似損傷情報を容易に検索することができる。なぜなら、損傷は時系列で進行する性質を持つため一般に類似するのか否かの判定が難しいけれども、階層構造情報を利用することにより、指定した階層以上のベクトル(例えばレベル1〜2のベクトルのみ)を指定して検索することが可能になるからである。
以上、本発明を実施するための形態に関して説明してきたが、本発明は上述した実施形態及び変形例に限定されず、本発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変形が可能である。
1 構造物
2 床版
3 主桁
3A 接合部
10 コンピュータ装置
20 撮影装置
30 データベース
102 外部入出力部
104 表示部
106 操作部
108 記憶部
110 CPU
120 損傷抽出部
122 損傷情報生成部
122A ベクトル化部
122B 相対角度算出部
122C 階層構造情報生成部
122D 補正部
122E 相対方向情報生成部
122F ベクトル連結部
122G 属性情報付加部
124 損傷解析部
126 データベース制御部
128 検索部
130 損傷進行速度取得部
132 対策判定部
134 健全性診断部
136 維持管理計画部
152 進行モデル生成部
154 進行モデル細分化部

Claims (16)

  1. 点検対象構造物の画像から損傷を抽出する損傷抽出部と、
    前記損傷をベクトル化したベクトルを含む損傷情報を生成する損傷情報生成部と、
    モデル構造物の損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す進行モデルを取得する進行モデル取得部と、
    前記進行モデルに基づいて前記点検対象構造物の前記損傷情報のうち少なくとも前記ベクトルを解析して、前記点検対象構造物の損傷状態に対応する前記点検対象構造物の損傷度を取得する損傷解析部と、
    前記点検対象構造物の前記損傷度をデータベースに記憶させるデータベース制御部と、
    前記点検対象構造物の点検時期が異なる複数の前記画像を元にそれぞれ取得された複数の前記損傷度を比較して、前記点検対象構造物の損傷進行速度を取得する損傷進行速度取得部と、
    を備える情報処理装置。
  2. 損傷進行に影響する損傷進行パラメータと、前記点検対象構造物とは別の構造物の点検結果情報とを関連付けて記憶した前記データベースから、前記損傷進行パラメータが前記点検対象構造物と同一又は類似する前記別の構造物の点検結果情報を検索する第1の検索部と、
    検索された前記別の構造物の点検結果情報を用いて、前記点検対象構造物の損傷進行パラメータに対応する前記進行モデルを生成する進行モデル生成部と、
    を備える請求項1に記載の情報処理装置。
  3. 前記点検対象構造物の前記損傷進行パラメータは、前記点検対象構造物の自然環境に関する自然環境情報、前記点検対象構造物の利用状況に関する利用状況情報、前記点検対象構造物の構造に関する構造情報、前記点検対象構造物の材料に関する材料情報、前記点検対象構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報、及び前記点検対象構造物の補修実績と補強実績に関する維持管理実績情報のうち少なくとも一つを含む、
    請求項2に記載の情報処理装置。
  4. 前記データベース制御部は、前記損傷進行速度を前記損傷情報及び前記損傷度と関連付けて前記データベースに記憶させる、
    請求項1から3のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  5. 前記点検対象構造物の損傷情報に類似する他の損傷情報である類似損傷情報を前記データベースから検索する第2の検索部を備え、
    前記損傷進行速度取得部は、前記データベースで前記類似損傷情報に関連付けて記憶された前記損傷進行速度を用いて、前記点検対象構造物の損傷進行速度を推定する、
    請求項1から4のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  6. 前記損傷進行速度取得部は、前記点検対象構造物の最新の点検時期よりも過去の時期での前記点検対象構造物の前記損傷度が前記データベースに無い場合、前記データベースで前記類似損傷情報に関連付けられた前記損傷進行速度及び前記損傷度のうち少なくとも一方を用いて、前記点検対象構造物の最新の点検時期又は当該最新の点検時期よりも過去の時期での前記点検対象構造物の損傷進行速度を推定する、
    請求項5に記載の情報処理装置。
  7. 前記損傷情報生成部は、前記ベクトルの階層構造に関する階層構造情報、及び前記点検対象構造物と前記ベクトルとの方向に関する相対方向情報のうち少なくとも一つを含む前記損傷情報を生成する、
    請求項1から6のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  8. 前記損傷情報生成部は、一の損傷ベクトルが属するベクトルグループの情報と、前記一の損傷ベクトルと連結する他の損傷ベクトルの情報と、前記一の損傷ベクトルの固有情報と、を含む前記階層構造情報を生成する、
    請求項7に記載の情報処理装置。
  9. 前記損傷情報生成部は、空間的に分離した複数のベクトルを連結させて1つのベクトルを生成する、
    請求項1から8のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  10. 点検時期が異なる複数の前記画像及び当該複数の画像から生成される前記ベクトルのうち少なくとも一方に対して補正を行うことにより、前記複数の画像からそれぞれ生成された前記ベクトルの座標位置及び方向の対応付けを行う補正部を備える、
    請求項1から9のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  11. 前記損傷解析部は、前記点検対象構造物の自然環境に関する自然環境情報、前記点検対象構造物の利用状況に関する利用状況情報、前記点検対象構造物の構造に関する構造情報、及び、前記点検対象構造物に付与された薬剤に関する薬剤情報、及び前記点検対象構造物の補修と補強に関する維持管理実績情報のうち少なくとも一つに基づいて前記損傷情報を解析することにより前記損傷度を取得する、
    請求項1から10のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  12. 前記点検対象構造物の前記損傷情報のうち少なくとも前記ベクトルに基づいて、前記進行モデルの前記損傷状態及び前記損傷度を細分化する進行モデル細分化部を備える、
    請求項1から11のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  13. 前記進行モデルは、前記モデル構造物の損傷状態のうち少なくとも一部がベクトルで表されたモデル損傷情報と前記損傷度との対応関係を示す、
    請求項1から12のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  14. 前記点検対象構造物の損傷情報に基づいて取得された前記損傷度及び前記損傷進行速度に基づいて、前記点検対象構造物の損傷に対する対策を判定する対策判定部を備える、
    請求項1から13のうちいずれか一項に記載の情報処理装置。
  15. 少なくとも前記損傷進行速度と前記対策とに基づいて、前記点検対象構造物の補修及び補強のうち少なくとも一方を含む維持管理の計画情報を生成する維持管理計画部を備える、
    請求項14に記載の情報処理装置。
  16. 点検対象構造物の画像から損傷を抽出する工程と、
    前記損傷をベクトル化したベクトルを含む損傷情報を生成する工程と、
    モデル構造物の損傷状態と損傷進行程度の評価区分である損傷度との対応関係を示す進行モデルを取得する工程と、
    前記進行モデルに基づいて前記点検対象構造物の前記損傷情報のうち少なくとも前記ベクトルを解析して、前記点検対象構造物の損傷状態に対応する前記点検対象構造物の損傷度を取得する工程と、
    前記点検対象構造物の点検時期が異なる複数の前記画像を元にそれぞれ取得された複数の前記損傷度を比較して、前記点検対象構造物の損傷進行速度を取得する工程と、
    を含む情報処理方法。
JP2017557777A 2015-12-25 2016-11-09 情報処理装置及び情報処理方法 Active JP6563038B2 (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2015254975 2015-12-25
JP2015254975 2015-12-25
PCT/JP2016/083190 WO2017110278A1 (ja) 2015-12-25 2016-11-09 情報処理装置及び情報処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPWO2017110278A1 true JPWO2017110278A1 (ja) 2018-11-15
JP6563038B2 JP6563038B2 (ja) 2019-09-04

Family

ID=59090092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017557777A Active JP6563038B2 (ja) 2015-12-25 2016-11-09 情報処理装置及び情報処理方法

Country Status (5)

Country Link
US (1) US20180292328A1 (ja)
EP (1) EP3396358B1 (ja)
JP (1) JP6563038B2 (ja)
CN (1) CN108431585B (ja)
WO (1) WO2017110278A1 (ja)

Families Citing this family (30)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3547068A4 (en) * 2017-05-29 2020-07-22 Hitachi Information & Telecommunication Engineering, Ltd. CONTROL DEVICE FOR CONDITION PREDICTION AND CONTROL METHOD FOR CONDITION PREDICTION
WO2019009214A1 (ja) * 2017-07-07 2019-01-10 キヤノン株式会社 画像から変状を検知する画像処理装置、画像処理方法及びプログラム
JP6807459B2 (ja) * 2017-07-25 2021-01-06 富士フイルム株式会社 損傷図作成方法、損傷図作成装置、損傷図作成システム、及び記録媒体
JP6894361B2 (ja) * 2017-12-08 2021-06-30 大成建設株式会社 コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラム
CN111566696A (zh) 2017-12-25 2020-08-21 富士通株式会社 图像处理程序、图像处理方法以及图像处理装置
WO2019163329A1 (ja) * 2018-02-21 2019-08-29 富士フイルム株式会社 画像処理装置及び画像処理方法
JP7330710B2 (ja) * 2018-04-26 2023-08-22 キヤノン株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JP6905956B2 (ja) * 2018-06-01 2021-07-21 富士フイルム株式会社 ひび割れ変化判定装置および方法
US11080838B1 (en) 2018-08-13 2021-08-03 State Farm Mutual Automobile Insurance Company Systems and methods for image labeling using artificial intelligence
US11954844B2 (en) * 2018-08-21 2024-04-09 University Of Kansas Fatigue crack detection in civil infrastructure
JP7261816B2 (ja) 2018-11-29 2023-04-20 富士フイルム株式会社 構造物の補修工法選定システム、補修工法選定方法、及び補修工法選定サーバ
WO2020121917A1 (ja) * 2018-12-13 2020-06-18 富士フイルム株式会社 損傷図作成支援装置、損傷図作成支援方法、損傷図作成支援プログラム及び損傷図作成支援システム
JP7235242B2 (ja) * 2019-04-01 2023-03-08 学校法人五島育英会 監視システム及び監視方法
WO2021014754A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 富士フイルム株式会社 ひび割れ評価装置、ひび割れ評価方法、及びひび割れ評価プログラム
US20220366292A1 (en) * 2019-09-30 2022-11-17 Hitachi Information & Telecommunication Engineering, Ltd. State Prediction System
CN111272764B (zh) * 2020-01-22 2023-04-28 哈尔滨工业大学 大型智能临时平台非接触图像识别移动管控系统及方法
JP7431063B2 (ja) * 2020-03-06 2024-02-14 日本国土開発株式会社 データ収集プログラム、及び評価プログラム
JP7564865B2 (ja) * 2020-04-01 2024-10-09 富士フイルム株式会社 3次元表示装置、3次元表示方法、及びプログラム
JP7547069B2 (ja) 2020-04-06 2024-09-09 キヤノン株式会社 情報処理装置、情報処理装置の情報処理方法およびプログラム
JP7507399B2 (ja) * 2020-05-26 2024-06-28 パナソニックIpマネジメント株式会社 施設保守管理システム、施設保守管理方法、及びプログラム
US12117974B2 (en) 2020-05-29 2024-10-15 Constellation Energy Generation, Llc Methods and systems for construct identification and analysis
JP2022062915A (ja) * 2020-10-09 2022-04-21 キヤノン株式会社 情報処理装置、情報処理方法及びプログラム
JPWO2022114006A1 (ja) * 2020-11-27 2022-06-02
JP7076932B1 (ja) 2021-03-02 2022-05-30 中日本高速道路株式会社 舗装健全度評価方法
JPWO2022209304A1 (ja) * 2021-03-30 2022-10-06
JP7195659B1 (ja) 2021-08-04 2022-12-26 株式会社日豊 動画生成装置、動画生成方法、プログラム、動画生成システム
CN114036258B (zh) * 2021-10-19 2022-06-24 东南大学 一种基于自然语言处理的桥梁技术状况等级快速识别方法
WO2023171398A1 (ja) * 2022-03-07 2023-09-14 住友重機械工業株式会社 画像検査装置、機械学習装置、画像検査方法、画像検査プログラム
JP7440855B1 (ja) 2023-01-26 2024-02-29 ナカシャ クリエイテブ株式会社 点検支援システム、撮影位置同定システム、及び、プログラム
CN116617616A (zh) * 2023-04-24 2023-08-22 深圳市筑乐科技有限公司 一种消防管道监测方法、系统、终端设备及存储介质

Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01182714A (ja) * 1988-01-14 1989-07-20 Tokyo Electric Power Co Inc:The ひび割れ自動計測装置
JPH01322069A (ja) * 1988-06-21 1989-12-27 Shinto Paint Co Ltd 建築物の補修診断方法
JP2000028541A (ja) * 1998-07-10 2000-01-28 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd コンクリート表面のクラック検出方法
JP2001141660A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Keisoku Kensa Kk トンネルの内部壁面のひび割れ検出方法及びその表示方法
JP2002257744A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Takenaka Komuten Co Ltd コンクリートの欠陥検査方法およびコンクリートの欠陥検査装置
JP2003035528A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Ohbayashi Corp ひび割れ画像計測による構造物の損傷度評価システム及び方法
JP2005062041A (ja) * 2003-08-15 2005-03-10 Junichi Izumo 健全度評価方法、評価プログラム、及び評価装置
JP2005180164A (ja) * 2004-06-21 2005-07-07 Yagi Corporation Kk 橋梁の管理システム
JP2008291440A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Hokkaido Electric Power Co Inc:The 構造物劣化曲線算出システムおよびライフサイクルコスト評価方法
JP2010121992A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Taisei Corp ひび割れ検出方法
JP2015111111A (ja) * 2013-10-29 2015-06-18 株式会社イクシスリサーチ 劣化診断支援システム、データベース、データベース作成装置および劣化診断支援方法
JP2015138467A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 デ・ファクト・スタンダード合同会社 コンクリート構造物維持管理システム

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4240096B2 (ja) * 2006-09-21 2009-03-18 ソニー株式会社 情報処理装置および方法、プログラム並びに記録媒体
WO2011105606A1 (ja) * 2010-02-26 2011-09-01 楽天株式会社 情報処理装置、情報処理方法、情報処理装置用のプログラム、および、記録媒体

Patent Citations (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01182714A (ja) * 1988-01-14 1989-07-20 Tokyo Electric Power Co Inc:The ひび割れ自動計測装置
JPH01322069A (ja) * 1988-06-21 1989-12-27 Shinto Paint Co Ltd 建築物の補修診断方法
JP2000028541A (ja) * 1998-07-10 2000-01-28 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd コンクリート表面のクラック検出方法
JP2001141660A (ja) * 1999-11-11 2001-05-25 Keisoku Kensa Kk トンネルの内部壁面のひび割れ検出方法及びその表示方法
JP2002257744A (ja) * 2001-03-02 2002-09-11 Takenaka Komuten Co Ltd コンクリートの欠陥検査方法およびコンクリートの欠陥検査装置
JP2003035528A (ja) * 2001-07-19 2003-02-07 Ohbayashi Corp ひび割れ画像計測による構造物の損傷度評価システム及び方法
JP2005062041A (ja) * 2003-08-15 2005-03-10 Junichi Izumo 健全度評価方法、評価プログラム、及び評価装置
JP2005180164A (ja) * 2004-06-21 2005-07-07 Yagi Corporation Kk 橋梁の管理システム
JP2008291440A (ja) * 2007-05-22 2008-12-04 Hokkaido Electric Power Co Inc:The 構造物劣化曲線算出システムおよびライフサイクルコスト評価方法
JP2010121992A (ja) * 2008-11-18 2010-06-03 Taisei Corp ひび割れ検出方法
JP2015111111A (ja) * 2013-10-29 2015-06-18 株式会社イクシスリサーチ 劣化診断支援システム、データベース、データベース作成装置および劣化診断支援方法
JP2015138467A (ja) * 2014-01-23 2015-07-30 デ・ファクト・スタンダード合同会社 コンクリート構造物維持管理システム

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
R.S. ADHIKARI: "'Image-based retrieval of concrete crack properties for bridge inspection'", AUTOMATION IN CONSTRUCTION, vol. 39, JPN6019027022, 1 April 2014 (2014-04-01), pages 180 - 194, ISSN: 0004075132 *

Also Published As

Publication number Publication date
EP3396358A1 (en) 2018-10-31
JP6563038B2 (ja) 2019-09-04
WO2017110278A1 (ja) 2017-06-29
US20180292328A1 (en) 2018-10-11
CN108431585B (zh) 2021-09-14
EP3396358A4 (en) 2019-01-16
CN108431585A (zh) 2018-08-21
EP3396358B1 (en) 2024-05-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6563038B2 (ja) 情報処理装置及び情報処理方法
JP6454422B2 (ja) 損傷情報抽出装置、損傷情報抽出方法および損傷情報抽出プログラム
JP7313517B2 (ja) 損傷情報処理装置、損傷情報処理方法、及び損傷情報処理プログラム
CN111143932A (zh) 一种桥梁健康状态的评估方法、装置、系统和设备
CN110516820B (zh) 一种基于bim的钢结构桥梁信息化运维系统及处理方法
JP2016090548A (ja) ひび割れ情報収集方法及びひび割れ情報収集プログラム
JP2007140608A (ja) 構造物補修施工計画支援システム
CN109490072A (zh) 一种土木工程建筑用检测系统及其检测方法
Hamidia et al. Machine learning-based seismic damage assessment of non-ductile RC beam-column joints using visual damage indices of surface crack patterns
JP2016090547A (ja) ひび割れ情報収集装置及びひび割れ情報を収集するためのサーバ装置
Wenner et al. The concept of digital twin to revolutionise infrastructure maintenance: The pilot project smartBRIDGE Hamburg
Bai et al. Detecting cracks and spalling automatically in extreme events by end-to-end deep learning frameworks
Bai et al. End-to-end deep learning methods for automated damage detection in extreme events at various scales
CN111259770A (zh) 一种基于无人机平台和深度学习的复杂背景下索力快速测试系统及方法
JP4601622B2 (ja) 長い物体の管理システム及びプログラム
CN115616067A (zh) 一种管道检测数字孪生系统
CN104504769A (zh) 轨道交通桥梁隧道结构电子病害采集系统及采集分析方法
JPWO2017110280A1 (ja) 類似損傷検索装置及び類似損傷検索方法
JP7348575B2 (ja) 劣化検出装置、劣化検出システム、劣化検出方法、およびプログラム
Samuel A Human-Centered Infrastructure Asset Management Framework Using BIM and Augmented Reality
Chen et al. Smart bridge maintenance using cluster merging algorithm based on self-organizing map optimization
CN111259494B (zh) 重机设备健康监测分析方法
Kadhim BIM And GIS Data Integration for The Evaluation of Building Performance
CN114936446B (zh) 基于时间序列模型系数与子结构的损伤识别方法及系统
Zaurin Structural health monitoring with emphasis on computer vision, damage indices, and statistical analysis

Legal Events

Date Code Title Description
A529 Written submission of copy of amendment under article 34 pct

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A5211

Effective date: 20180612

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20180618

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190712

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190723

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6563038

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250