JP6894361B2 - コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラム - Google Patents

コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラム Download PDF

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Description

本発明は、コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラムに関する。
現在、道路や橋梁、トンネルといった様々なインフラ施設の老朽化が進んでおり、改修工事が各地で行われ、また改修計画が進められている。インフラ施設の多くは鉄筋コンクリート構造物(RC構造物)や鋼構造物であるが、例えば竣工から40年以上が経過したRC構造物や鋼構造物の表面上には、様々な損傷部が存在している。この損傷部の具体例として、コンクリート表面上においては、ひび割れ、白華、遊離石灰、錆汁等が挙げられ、鋼材表面上においては、鋼材腐食や亀裂、塗膜の劣化等が挙げられる。
RC構造物や鋼構造物の改修工事や改修計画に際しては、まず、インフラ施設の技術担当者や業務委託された調査会社もしくは建設会社の技術担当者により、RC構造物や鋼構造物の表面の点検が実施される。この点検では、ひび割れ等の損傷部の定量評価が重要となる。たとえば、ひび割れの幅や長さ、遊離石灰等の形状や面積などが定量的に評価され、この定量評価に基づいて、構造物の改修施工の有無やメンテナンスの有無等が判断されることになる。
ひび割れに関してさらに言及すると、例えば、橋梁定期点検要領(平成26年6月、国土交通省 道路局)によれば、道路橋の床版ひび割れの損傷程度を評価区分している。この評価区分では、ひび割れをその延設方向によって一方向ひび割れと二方向ひび割れに分類することにしている。ひび割れの方向把握が、コンクリート構造物の状態把握に繋がるとの理由からである。しかしながら、従来の点検方法では、上記する様々な点検者が近接目視により、ひび割れの方向から一方向ひび割れと二方向ひび割れの分類を行っていることから、定量的にひび割れの方向を特定することができず、点検者による評価のばらつきも問題となっていた。
ところで、RC構造物のコンクリート表面におけるひび割れを定量的に検出する方法が種々提案されている。これらのひび割れ検出方法はいずれも、ウェーブレット変換処理と二値化処理を実行する方法を共通の工程とした上で、必要に応じてノイズ除去処理を実行してひび割れを特定し、ひび割れ幅を推定する方法である。
特許第4006007号明細書 特許第4870016号明細書 特許第4980739号明細書 特許第5385593号明細書 特許第5421192号明細書 特許第5705711号明細書 特許第5812705号明細書
特許文献1乃至7に記載のひび割れ特定方法によれば、コンクリート表面の汚れや照明条件などによりひび割れの検出が困難な場合においても、高精度にひび割れの検出を行うことができる。しかしながら、これらの文献に記載の特定方法には、ひび割れの方向を特定する技術の開示がなく、従って、ひび割れの方向から一方向ひび割れと二方向ひび割れの分類を定量的に行うことは難しい。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、コンクリート表面上のひび割れ方向を定量的に特定することのできる、コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラムを提供することを目的としている。
前記目的を達成すべく、本発明によるコンクリート表面上のひび割れ方向特定方法の一態様は、ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像をコンピュータに入力して入力画像を作成する入力画像作成工程と、
前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成するウェーブレット画像作成工程と、
ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルを用いて、前記ウェーブレット画像の各画素を二値化して二値化画像を作成する二値化画像作成工程と、
前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類するひび割れ方向分類工程と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、ウェーブレット画像の各画素を二値化してなる二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類することにより、各ひび割れの方向を高い精度で定量的に特定することができる。
また、本発明によるコンクリート表面上のひび割れ方向特定方法の他の態様は、一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類工程をさらに有し、
前記ひび割れ状態分類工程では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類することを特徴とする。
本態様によれば、一方向ひび割れと二方向ひび割れを定量的に分類することができる。なお、主たるひび割れ方向のひび割れの割合に関する「所定割合」は、過去の文献や経験則等に基づき、例えば55%、60%等に設定することができる。すなわち、例えば、60%を所定割合に設定した際に、この60%を超える割合のひび割れ方向のひび割れがある場合(例えば、橋軸方向をひび割れ方向とするひび割れ群が全体の60%を超える場合等)は、解析対象のひび割れ群を一方向ひび割れとすることができる。一方、全てのひび割れのひび割れ方向が60%以下の場合は、解析対象のひび割れ群を二方向ひび割れとすることができる。また、本明細書において、「二方向ひび割れ」とは、必ずしも二方向のみに延びる単数もしくは複数のひび割れのみを指称するものではなく、3以上の方向に延びる単数もしくは複数のひび割れを包含する。例えば、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下である場合に、3方向以上の様々な方向に延びる複数のひび割れが存在する場合も、これらのひび割れは「二方向ひび割れ」に含まれる。
また、本発明によるコンクリート表面上のひび割れ方向特定装置の一態様は、ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像が入力される入力部と、
ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像をコンピュータに入力して入力画像を作成する入力画像作成部と、
前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成するウェーブレット画像作成部と、
ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルを用いて、前記ウェーブレット画像の各画素を二値化して二値化画像を作成する二値化画像作成部と、
前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類するひび割れ方向分類部と、を有することを特徴とする。
本態様によれば、ウェーブレット画像の各画素を二値化してなる二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類することにより、各ひび割れの方向を高い精度で定量的に特定することができる。
また、本発明によるコンクリート表面上のひび割れ方向特定装置の他の態様は、一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類部をさらに有し、
前記ひび割れ状態分類部では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類することを特徴とする。
本態様によれば、一方向ひび割れと二方向ひび割れを定量的に分類することができる。
また、本発明によるコンクリート表面上のひび割れ方向特定システムの一態様は、前記ひび割れ方向特定装置と、
前記撮影画像を撮像する撮像装置と、を有し、
前記撮影画像が前記ひび割れ方向特定装置の前記入力部に入力されることを特徴とする。
本態様によれば、例えば、撮像装置で撮像した撮像画像データをひび割れ方向特定装置に送信し、受信した撮像画像データに基づいてひび割れ方向特定装置にて撮像画像中のひび割れ方向を迅速に定量的に特定することができる。
また、本発明によるプログラムの一態様は、コンクリート表面上のひび割れのひび割れ方向を算出するコンピュータに以下の処理を実行させるプログラムであって、
前記コンピュータに入力された、ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像を用いて、入力画像を作成する工程と、
前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成する工程と、
ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルと、前記ウェーブレット画像の各画素とを比較して二値化画像を作成する工程と、
前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類する工程と、を実行させることを特徴とする。
本態様のプログラムの各工程をコンピュータに実行させることにより、コンクリート表面上の各ひび割れの方向を高い精度で定量的に特定することができる。
また、本発明によるプログラムの他の態様は、一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類工程をさらに有し、
前記ひび割れ状態分類工程では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類する処理をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
本態様のプログラムの各工程をコンピュータに実行させることにより、一方向ひび割れと二方向ひび割れを定量的に分類することができる。
以上の説明から理解できるように、本発明のコンクリート表面上のひび割れ方向特定方法、ひび割れ方向特定装置、ひび割れ方向特定システム及びプログラムによれば、コンクリート表面上のひび割れ方向を定量的に特定することができる。
実施形態に係るひび割れ方向特定システムの全体構成の一例を示す図である。 ひび割れ方向特定装置のハードウェア構成の一例を示す図である。 ひび割れ方向特定装置の機能構成の一例を示す図である。 実施形態に係るひび割れ方向特定方法を示すフローチャートである。 撮影画像の一例を示す写真図である。 二値化画像の一例を示す写真図である。 ウェーブレット変換処理における、入力画像と局所領域の関係の一例を示す図である。 ウェーブレット変換処理における、局所領域と注目画素の関係の一例を示す図である。 擬似画像の一例を示す図である。 図7の擬似画像のウェーブレット係数の鳥瞰図の一例を示す図である。 ウェーブレット係数テーブルの一例を示す図である。 各ひび割れを構成する画素毎のひび割れ方向情報データの一例を示す図である。 ひび割れの方向カテゴリーを説明する図である。 ひび割れの発生から進展の状態を時系列的に説明するとともに、一方向ひび割れと二方向ひび割れを模擬した図である。 実施例1の撮影画像を示す図である。 実施例1の二値化画像を示す図である。 実施例2の撮影画像を示す図である。 実施例2の二値化画像を示す図である。
以下、各実施形態について添付の図面を参照しながら説明する。
[実施形態]
<1.ひび割れ方向特定システムの全体構成>
はじめに、ひび割れ方向特定システムの全体構成について説明する。図1は、ひび割れ方向特定システムの全体構成の一例を示す図である。図1に示すように、ひび割れ方向特定システム1000は、撮像装置100と、ひび割れ方向特定装置300とを有する。ひび割れ方向特定装置300はサーバ装置であり、撮像装置100とひび割れ方向特定装置300とはそれぞれ、インターネットやLAN(Local Area Network)等に代表されるネットワーク200を介して接続されている。
撮像装置100は、CCDカメラやデジタルカメラ(一眼レフを含む)、デジタルカメラ(ハイビジョン)、デジタルビデオカメラ等の撮像部と、撮像部で取り込まれた画像データを送信する通信部とを有している。なお、撮像装置100が撮影部のみを有し、撮像装置100を携帯端末等に接続し、携帯端末等から画像データを送信する形態であってもよい。撮像装置100で撮影した画像データは、ネットワーク200を介してひび割れ方向特定装置300に送信される。なお、この画像データには、コンクリート表面の画像情報が含まれる。例えば、建設から数十年が経過した鉄筋コンクリート製の道路橋やトンネル等のインフラ施設に関し、その改修施工の必要性の有無を判断するべく、撮像装置100にてコンクリート表面が撮像される。
ひび割れ方向特定装置300には、データ収集プログラム、データ解析プログラムがインストールされており、ひび割れ方向特定装置300はこれらのプログラムを実行することにより、データ収集部301及びデータ解析部302として機能する。
データ収集部301は、撮像装置100で撮像され、撮像装置100もしくは撮像装置100に接続された携帯端末等から送信された画像データを受信し、データ格納部303に格納する。また、データ解析部302は、データ格納部303に格納された画像データに基づいて解析を実行する。
<2.ひび割れ方向特定装置のハードウェア構成>
次に、ひび割れ方向特定装置のハードウェア構成について説明する。図2は、ひび割れ方向特定装置300のハードウェア構成の一例を示す図である。図2に示すように、ひび割れ方向特定装置300は、CPU(Central Processing Unit)401、ROM(Read Only Memory)402、RAM(Random Access Memory)403、補助記憶部404、表示部405、及び通信部406を有する。なお、ひび割れ方向特定装置300の各部は、バス407を介して相互に接続されている。
CPU401は、補助記憶部404にインストールされた各種プログラムを実行する。ROM402は不揮発性メモリであり、補助記憶部404に格納された各種プログラムをCPU401が実行するために必要な各種プログラムやデータ等を格納する主記憶部として機能する。RAM403は揮発性メモリであり、主記憶部として機能する。RAM403は、補助記憶部404に格納された各種プログラムがCPU401に実行される際の作業領域として機能する。補助記憶部404は、ひび割れ方向特定装置300にインストールされた各種プログラムや、各種プログラムを実行する際に用いるデータ等を格納する。
表示部405は、各種画面を表示する。例えば、撮像装置100から送信されてきた画像データを撮影画像として表示し、その他、ウェーブレット画像や二値化画像、ひび割れ方向分類テーブル等を表示する。
通信部406は、撮像装置100もしくは撮像装置100と接続される携帯端末等と接続し、撮像装置100等から画像データを受信したり、ひび割れ方向特定装置300にて特定され、作成されたひび割れ方向分類データ等を撮像装置100に接続された携帯端末等に送信したりする。
<3.ひび割れ方向特定装置の機能構成>
次に、コンクリート表面上のひび割れのひび割れ方向を特定するひび割れ方向特定装置の機能構成について説明する。図3は、ひび割れ方向特定装置300の機能構成の一例を示す図である。図3に示すように、撮像装置100から送信された画像データは、データ収集部301にて受信され、データ収集部301からデータ格納部303に一時的に格納される。データ解析部302による解析の実行に当たり、データ格納部303で格納されている画像データが入力部501に取り込まれる。
データ解析部302は、入力部501、入力画像作成部502、ウェーブレット画像作成部503、ウェーブレット係数テーブル作成部504、二値化画像作成部505、ひび割れ方向分類部506、及びひび割れ状態分類部507を有する。
入力部501は、データ格納部303で格納されている画像データに基づく撮影画像を取り込む(入力する)。データ格納部303には、様々なコンクリート表面の画像データが格納されているが、解析者による指定により、解析対象となる画像データに基づく撮影画像が選択され、入力部501に取り込まれて入力される。
入力画像作成部502は、入力部501に入力された撮影画像に対し、必要に応じて撮影画像の輝度を補正して入力画像を作成する。例えば、輝度は輝度値0乃至255の256階調を有しているが、入力画像作成部502には、予め、解析者によって所定の輝度補正値が入力されている。例えば、入力画像作成部502に輝度補正値として150が入力されている場合、入力画像作成部502は、入力部501から取り込んだ撮影画像の輝度を特定し、撮影画像の輝度が輝度補正値である150になるように輝度補正処理をおこない、入力画像を作成する。なお、このような輝度補正は任意である。
ウェーブレット画像作成部503は、入力画像に対し、ウェーブレット変換処理を実行してウェーブレット画像を作成する。ウェーブレット(wavelet)とは、小さな波という意味であり、局在性を持つ波の基本単位を、ウェーブレット関数を用いた式で表現することができる。このウェーブレット関数を拡大または縮小することにより、時間情報や空間情報と周波数情報を同時に解析することが可能となる。このウェーブレット係数を、ひび割れを有するコンクリート表面に適用する場合のこの係数の特徴としては、コンクリート表面の濃度と、ひび割れの濃度と、ひび割れの幅(もしくは広さ)に依存するということである。例えば、ひび割れの幅が大きくなるにつれてウェーブレット係数の値は大きくなる傾向があり、また、ひび割れの濃度が濃くなるにつれて(黒色に近づくにつれて)ウェーブレット係数の値は大きくなる傾向がある。ウェーブレット変換処理によって算定されるウェーブレット係数を用いて、二値化画像を作成するアルゴリズムについては以下で詳説する。
ウェーブレット係数テーブル作成部504は、ウェーブレット画像から二値化画像を作成する際の閾値となるウェーブレット係数を作成する。ウェーブレット係数は、上記するようにひび割れの幅やひび割れの濃度、コンクリート表面の濃度によって変化することから、擬似的に作成されたデータを用いてひび割れの濃度とコンクリート表面の濃度に関するウェーブレット係数を各階調毎に算定しておき、ウェーブレット係数テーブルを作成する。例えば、対比される2つの濃度(一方の濃度をコンクリート表面の濃度、他方の濃度をひび割れの濃度と仮定することができる)に対応するウェーブレット係数(閾値)が、ウェーブレット係数テーブルを参照すれば一義的に決定される。
二値化画像作成部505は、ウェーブレット画像作成部503で作成されたウェーブレット画像の各画素と、ウェーブレット係数テーブル作成部504で作成された閾値となるウェーブレット係数とを比較演算する二値化処理を実行する。例えば、ウェーブレット画像を構成する各画素のウェーブレット係数値が、ウェーブレット係数テーブルの閾値よりも大きい場合は当該画素がひび割れであると判断して1を割り当て、閾値よりも小さい場合は当該画素がひび割れでないと判断して0を割り当てる二値化処理を実行する。したがって、二値化画像は、各画素が0と1のいずれかで表現された画像となる。
ひび割れ方向分類部506は、二値化画像作成部505にて作成された二値化画像中のひび割れ群の中にある各ひび割れを構成する各画素に対して、ひび割れの方向を二次元平面内にて作成する。この二次元平面内では、ひび割れ方向に関する複数の方向カテゴリーが設定されており、作成されたひび割れがどの方向カテゴリーに分類されるかが特定される。この各画素におけるひび割れ方向の分類方法は、以下で詳説する。
ひび割れ状態分類部507は、ひび割れ方向分類部506にて作成された、ひび割れを構成する各画素の有するひび割れ方向カテゴリー情報を用いて、ひび割れが一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれの状態であるかを特定し、分類する。この一方向ひび割れと二方向ひび割れの特定方法に関しても、以下で詳説する。
ひび割れ方向分類部506において分類されたデータ、及び、ひび割れ状態分類部507において分類されたデータはいずれも、データ格納部303に格納される。また、上記する各部で作成された画像もデータ格納部303に格納される。また、各部で作成された画像や作成されたテーブルは表示部405にて適宜表示され、解析者は都度所望の画像やテーブルを確認することができる。
解析者は、ひび割れ状態分類部507にて作成され、表示されたひび割れ状態に関するテーブル等に基づいて、検査対象である鉄筋コンクリート構造物等の改修施工の要否等の判断を、客観的な指標に基づいて実行することが可能になる。
<4.ひび割れ方向特定方法>
次に、コンクリート表面上のひび割れのひび割れ方向特定方法について説明する。図4は、ひび割れ方向特定方法を示すフローチャートであり、ひび割れ方向特定装置300における処理の流れを示している。
ステップS700において、入力部501に撮影画像の入力が実行される。図5Aにおいて、撮影画像の一例を写真図として示す。
ステップS702において、入力部501から入力画像作成部502に取り込まれた撮影画像に基づいて、入力画像作成部502にて入力画像を作成する。以上、ステップS700、S702が入力画像作成工程となる。入力画像に関し、例えば撮影画像の輝度の補正処理を要する場合は輝度補正処理を実行して入力画像を作成し、輝度の補正処理が不要な場合は撮影画像をそのまま入力画像とする。256階調の輝度のうち、その中央値である128を含む120乃至160程度の範囲内で解析者が最適と判断する輝度を設定しておく。撮影画像の輝度が設定されている輝度と符合しない場合、撮影画像に対して輝度の補正処理を実行し、設定されている輝度を有する入力画像を作成する。
ステップS704において、ウェーブレット画像作成部503に入力画像を取り込み、入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行することにより、ウェーブレット画像を作成する(ウェーブレット画像作成工程)。
ここで、ウェーブレット変換処理について説明する。図6Aは、ウェーブレット変換処理における、入力画像と局所領域の関係の一例を示す図である。また、図6Bは、ウェーブレット変換処理における、局所領域と注目画素の関係の一例を示す図である。入力画像1における広域領域2の中心である局所領域3においてウェーブレット変換をおこない、当該局所領域3の中心でひび割れの検出を行うものである。入力画像1内をくまなく広域領域2を上下左右に平行移動して、入力画像1内におけるひび割れの検出を行う。
図6Bは局所領域3を拡大した図である。図示する実施形態では、例えば3×3の9つの画素(8つの近傍画素31,31,…と、中央に位置する注目画素32)の中心でひび割れの判定を行う。なお、ウェーブレット係数の算定は、図6Aにおける局所領域3を対象として行う。ここで、ウェーブレット関数(マザーウェーブレット関数)を用いたウェーブレット変換を行うことによりウェーブレット係数を算定する算定式を以下に示す。
Figure 0006894361
Figure 0006894361
Figure 0006894361
ここで、f(x、y)は、入力画像(ここで、x、yは2次元入力画像中の任意の座標である)を、Ψは、マザーウェーブレット関数(ガボール関数)を、(x、y)はΨの平行移動量を、それぞれ示している。また、aは、Ψの拡大や縮小を(ここで、aは周波数の逆数であって、幾つかの周波数領域について計算するための周波数幅を整数kで示した値)、fは、中心周波数を、σは、ガウス関数の標準偏差を、それぞれ示している。さらに、θは、波の進行方向を表す回転角を、(x'、y')は、(x、y)を角度θだけ回転させた座標を、それぞれ示している。
数式1を用いて計算した複数のθ、kに対して、ウェーブレット係数Ψの累計値C(x、y)を求める式が以下の数式4となる。
Figure 0006894361
上記のパラメータは任意に設定できるが、例えば、σを0.5乃至2に、aは0乃至5に、fは0.1に、回転角は0乃至180度に、それぞれ設定できる。数式4における平行移動量(x、y)は、注目画素の位置に対応するものであり、注目画素の位置を順次移動させることにより、ウェーブレット係数の連続量(C(x、y))が算定できる。
局所領域3を構成する全画素に対して、ウェーブレット係数を上算定式に基づいて算定した後、注目画素を一つ左右または上下に移動させてできる広域領域2の全画素において同様にウェーブレット係数を算定する。
ステップS706において、ウェーブレット係数テーブル作成部504にてウェーブレット係数テーブルの作成を実行する。ウェーブレット係数テーブルの作成では、入力画像とは何らの関係もない、対比する2つの濃度からなる擬似画像に対して、ウェーブレット係数の算定を行う。例えば、図7に示すように、コンクリート表面と仮定される背景色a(例えば、背景色のR、G、Bが、255,255,255とする)と、ひび割れと仮定される線分b1〜b5からなる擬似画像のウェーブレット係数を求める。ここで、線分b1〜b5は、線幅が順に1ピクセル〜5ピクセルまで変化しており、さらに、各線分は、3種類の濃度を備えている(例えば、線分b1では、濃度の濃い順に、b11(黒色)、b12(薄い黒色)、b13(灰色)と変化している)。この擬似画像に対してウェーブレット変換を行うことにより算定されるウェーブレット係数の鳥瞰図を図8に示す。図8において、X軸は線分の幅を、Y軸は線分の色の濃度を、Z軸はウェーブレット係数をそれぞれ示している。同時に、対比する2つの濃度の組み合わせをそれぞれ0乃至255の256階調で行うことにより、図9に示すようなウェーブレット係数テーブルの作成が行われる。なお、ウェーブレット係数テーブルの作成のタイミングは、後述する二値化画像の作成までのいずれのタイミングでもよい。例えば、撮影画像の入力後に行ってもよいし、ウェーブレット画像の作成と並行して行ってもよいし、ウェーブレット画像を作成した後でかつ二値化画像の作成前に行ってもよい。
ステップS708において、二値化画像作成部505にて二値化画像の作成を実行する(二値化画像作成工程)。ウェーブレット係数テーブル内において、局所領域内の近傍画素の平均濃度と注目画素の濃度に対応するウェーブレット係数をウェーブレット係数に関する閾値とする。そして、注目画素のウェーブレット係数が閾値よりも大きな場合は注目画素をひび割れと判定し(画面上では例えば白色)、小さな場合は注目画素をひび割れでないと判定する(画面上では例えば黒色)。局所領域および注目画素を変化させながら、注目画素のウェーブレット係数と閾値との比較演算を実行することにより、二値化画像が作成される。
ステップS710において、ひび割れ方向分類部506に二値化画像を取り込み、二値化画像中に存在する複数のひび割れからなるひび割れ群を構成する各ひび割れに関して、ひび割れ方向を分類する(ひび割れ方向分類工程)。
図10は、各ひび割れを構成する画素毎のひび割れ方向情報データの一例を示す図である。二値化画像の作成に当たり、コンピュータ内には、図10に示す各ひび割れを構成する各画素のX座標データ及びY座標データが作成され、データ格納部303に格納されている。図10において、例えばNo.1ひび割れを構成する画素情報が、コラムの2乃至12までに作成されている。コラム2から次のコラム3へのひび割れ方向について説明すると、X座標は4285から4284へと1減少し、Y座標は2から3へと1増加することから、この区間でのひび割れ方向はX軸から反時計周りに135度の方向であることが分かる。そして、画素間ひび割れ長さは、斜め45度方向のひび割れ長さであることから、1画素が1×1の正方形として、1.414の長さとなる。
一方、例えば、コラム6から次のコラム7へのひび割れ方向について説明すると、X座標は4281から4281へと増減はなく、Y座標は4から5へと1増加することより、この区間でのひび割れ方向はY軸方向(X軸に直交する方向)であることが分かる。図10より、No.1ひび割れは、Y軸方向に延びる区間と、斜め45度方向に延びる区間を有するひび割れであることが分かる。
また、No.2ひび割れについては、図10のコラム13乃至19までの画素情報に基づけば、各画素ともにX座標に増減はなく、Y座標が1ずつ増加することから、Y軸方向(鉛直方向)に延びるひび割れであることが分かる。
図11は、ひび割れの方向カテゴリーを説明する図である。検査対象を道路橋とした場合を想定し、図11では、X軸方向を橋軸方向とし、Y軸方向を橋軸直角方向としている。図示するように、ひび割れの方向カテゴリーの一例として、X軸方向(X軸から反時計周りにθ=0度、180度で、橋軸方向)、Y軸方向(X軸から反時計周りにθ=90度、270度で、橋軸直角方向)、斜め方向(X軸から反時計周りにθ=45度、135度、225度、315度)とすることができる。従って、より大きく分類すれば、X軸方向、Y軸方向、斜め方向の三方向に分類することができる。
図11に示すひび割れは、画素1から画素7まで延びているが、画素1乃至3の区間はX軸方向に延び、画素3乃至5の区間はY軸方向に延び、画素5乃至7の区間は斜め45度方向に延びている。従って、図示するひび割れは、X軸方向、Y軸方向、斜め45度方向の各割合を33%ずつ備えたひび割れであることが分かる。ステップS710では、各ひび割れに関してそのひび割れ方向の詳細を上記するように特定し、特定された各ひび割れに関する方向情報をデータ格納部303に格納する。
以上、ステップS700乃至S710までの各工程により、撮影画像に内包される複数のひび割れから構成されるひび割れ群に関し、各ひび割れの方向がカテゴライズされるとともに、ひび割れ群全体としてのひび割れ方向の割合が特定される。具体的には、各ひび割れのX軸方向の長さ、Y軸方向の長さ、斜め方向の長さを例えばひび割れ方向分類部506にて合計し、ひび割れ群全体の長さに対する各方向の長さの割合を算定する。この算定結果に基づき、撮影画像中のひび割れ群のひび割れ方向を、定量的に把握することができる。
本実施形態に係るひび割れ方向特定方法では、さらに、ステップS712において、ひび割れ状態分類部507に各ひび割れに関する方向情報を取り込み、撮影画像中のひび割れ群が一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれであるかを分類する(ひび割れ状態分類工程)。
一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれであるかを分類するに当たり、主たるひび割れ方向が全体に占める割合を設定しておく必要がある。本実施形態では、この割合の設定に当たり、RC床版の補強設計・施工管理要領(案)(首都高速道路公団保全施設部、平成6年5月)の図−解1.3.1を適用する。この図−解1.3.1を、図12に示す。
図12に示すように、一般にコンクリート表面上にあるひび割れは、状態Cの一方向ひび割れの発生からはじまり、経時変化により、状態B2の二方向ひび割れの発生に移行する。当初の一方向ひび割れは、主として主鉄筋方向に生じる。そして、主鉄筋方向にある程度のひび割れ(例えば1m/m)が生じた後、配力筋方向にもひび割れが生じ、二方向ひび割れとなる。
二方向ひび割れが発生した後、経時変化により、状態B1に示すように、二方向ひび割れの発達細網化、漏水や遊離石灰の発生に移行する。図示するように、二方向ひび割れが床板全体に拡大していくと、次に、角落ちやすりへり現象を伴い、ひび割れの幅と深さが拡大していく。さらにひび割れが拡大すると、床版上下面のひび割れが貫通し、漏水や遊離石灰の発生に至り得る。20cm乃至30cm角程度の亀甲状ひび割れになると、ひび割れ密度は滞留するが、一方でひび割れ幅が拡大し、漏水や遊離石灰が一般に著しくなる。
状態B1からさらに経時変化すると、状態Aに示すように、漏水の増加、泥水、錆汁の浸出を経て、鉄筋と分離したコンクリートが部分的に剥離し、抜け落ちを起こし得る。
本発明者等は、図12の画像を用いて、上記する、ウェーブレット画像作成工程と、二値化画像作成工程と、ひび割れ方向分類工程を順に実行し、図12に示す各状態のひび割れ方向の全体に対する割合を特定した。この特定結果を以下の表1に示す。
Figure 0006894361
表1より、二方向ひび割れが発生する状態B2において、主たるひび割れ方向であるX方向の全体に対する割合は55%であり、状態B1、状態Aに移行するにつれて三方向の割合は均等値に近づいていく。なお、一方向ひび割れである状態Cでは、主たるひび割れ方向であるX方向の割合が70%以上と極めて高く、他の二方向に比べて卓越している。本実施形態ではこの解析結果に基づき、一方向ひび割れと二方向ひび割れの閾値(所定割合)を55%に設定する。なお、他の基準や指針を用いて同様にひび割れ方向分類工程までを実行し、所定割合を算定してもよいことは勿論のことである。
ステップS712において、主たるひび割れ方向の割合がこの所定割合を超えるか否かをひび割れ状態分類部507にて判定し、主たるひび割れ方向の割合が55%を超える場合は、ステップS714において一方向ひび割れに分類する。一方、主たるひび割れ方向の割合が55%以下の場合は、ステップS716において二方向ひび割れに分類する。そして、ステップS716において、解析結果に関するデータはデータ格納部303に格納する。
図示するひび割れ方向特定方法によれば、コンクリート表面上のひび割れ方向を定量的に特定することができ、一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれの状態であるかを定量的な根拠に基づいて判定することができる。なお、上記する状態B1を改修施工の目安とする場合には、解析対象のコンクリート表面のひび割れ群の三方向のひび割れ割合と、表1の状態B1のひび割れ割合を比較してもよい。
図4に示すひび割れ方向特定方法は、ひび割れ方向特定装置300において実行される一連の処理フローでもあるが、この一連の処理フローを含むプログラムがコンピュータにインストールされることにより、ひび割れ方向特定装置300が形成されてもよい。
[他の実施形態]
上記する実施形態では、ネットワーク200を介して撮像装置100とひび割れ方向特定装置300が接続され、撮像装置100もしくは撮像装置100に接続された携帯端末等から画像データがひび割れ方向特定装置300に送信されるひび割れ方向特定システム1000である。これに対し、ネットワーク200を介することなく、撮像装置100のインターフェイスとひび割れ方向特定装置300のインターフェイスを解析者が直接接続し、撮像装置100から直接的に画像データをひび割れ方向特定装置300に取り込む実施形態であってもよい。また、撮像装置100による撮像装置をSDカードやUSB(Universal Serial Bus)、CD−ROM等の記録媒体に記録し、これらの記録媒体をひび割れ方向特定装置300の入力インターフェイスを介して入力する実施形態であってもよい。
次に、本発明者等による、ひび割れ方向特定方法を実際に行った検証内容とその結果を説明する。この検証では、二つのコンクリート表面をそれぞれ撮影し、各撮影画像に対して本発明のひび割れ方向特定方法を実行し、X方向、Y方向、及び斜め方向の三方向のひび割れの割合を特定した。ここで、図13Aは、実施例1の撮影画像を示す図であり、図13Bは、実施例1の二値化画像を示す図である。また、図14Aは、実施例2の撮影画像を示す図であり、図14Bは、実施例2の二値化画像を示す図である。
実施例1,2に関する三方向のひび割れ方向の割合を求めた結果を以下の表2に示す。
Figure 0006894361
本実施例においても、一方向ひび割れと二方向ひび割れの閾値を55%に設定する。表2より、実施例1は三方向がほぼ均等な値を示し、55%を超えるひび割れ方向が存在しないことより、実施例1におけるひび割れ群は二方向ひび割れであると判定することができる。また、実施例1のひび割れ群は、三方向のひび割れがほぼ均等な割合を示しており、表1の状態B1もしくは状態Aの割合に近いことより、改修施工の必要が高いものと判断される。
一方、実施例2はY軸方向が55%を超えていることより、実施例2におけるひび割れ群は一方向ひび割れと判定することができる。また、実施例2のひび割れ群は、一方向ひび割れであることより、未だ改修施工の必要はないものと判断される。
以上、本発明の実施の形態を、図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更等があっても、それらは本発明に含まれるものである。
100 :撮像装置
200 :ネットワーク
300 :ひび割れ方向特定装置(サーバ装置)
301 :データ収集部
302 :データ解析部
303 :データ格納部
501 :入力部
502 :入力画像作成部
503 :ウェーブレット画像作成部
504 :ウェーブレット係数テーブル作成部
505 :二値化画像作成部
506 :ひび割れ方向分類部
507 :ひび割れ状態分類部
1000 :ひび割れ方向特定システム

Claims (4)

  1. ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像をコンピュータに入力して入力画像を作成する入力画像作成工程と、
    前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成するウェーブレット画像作成工程と、
    ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルを用いて、前記ウェーブレット画像の各画素を二値化して二値化画像を作成する二値化画像作成工程と、
    前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類するひび割れ方向分類工程と、
    一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類工程とを有し、
    前記ひび割れ状態分類工程では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類するものであり、
    前記所定割合の設定は、採用する基準もしくは指針において、ひび割れの経時変化に関する図面として例示される、一方向ひび割れと、二方向ひび割れに関する各図面に関する撮影画像をコンピュータに入力して入力画像を作成し、該入力画像に対して、前記ウェーブレット画像作成工程と、前記二値化画像作成工程と、前記ひび割れ方向分類工程を順に実行し、前記二方向ひび割れに関する解析結果における、主たるひび割れ方向の全体に対する割合を算定して前記所定割合とすることを特徴とする、コンクリート表面上のひび割れ方向特定方法。
  2. ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像が入力される入力部と、
    ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像をコンピュータに入力して入力画像を作成する入力画像作成部と、
    前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成するウェーブレット画像作成部と、
    ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルを用いて、前記ウェーブレット画像の各画素を二値化して二値化画像を作成する二値化画像作成部と、
    前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類するひび割れ方向分類部と、
    一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類部とを有し
    前記ひび割れ状態分類部では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類するものであり、
    前記所定割合の設定は、採用する基準もしくは指針において、ひび割れの経時変化に関する図面として例示される、一方向ひび割れと、二方向ひび割れに関する各図面の撮影画像が前記入力部に入力され、それぞれの該撮影画像に基づいて前記入力画像作成部にてそれぞれの入力画像が作成され、それぞれの該入力画像に基づいて前記ウェーブレット画像作成部にてそれぞれのウェーブレット画像が作成され、それぞれのウェーブレット画像に基づいて前記二値化画像作成部にてそれぞれの二値化画像が作成され、それぞれの二値化画像に対して前記ひび割れ方向分類部にてそれぞれの二値化画像における各ひび割れが複数の方向カテゴリー毎に分類され、前記二方向ひび割れに関する解析結果における、主たるひび割れ方向の全体に対する割合が算定されて前記所定割合とされることを特徴とする、コンクリート表面上のひび割れ方向特定装置。
  3. 請求項に記載のコンクリート表面上のひび割れ方向特定装置と、
    前記撮影画像を撮像する撮像装置と、を有し、
    前記撮影画像が前記ひび割れ方向特定装置の前記入力部に入力されることを特徴とする、コンクリート表面上のひび割れ方向特定システム。
  4. コンクリート表面上のひび割れのひび割れ方向を算出するコンピュータに以下の処理を実行させるプログラムであって、
    前記コンピュータに入力された、ひび割れを内包するコンクリート表面の撮影画像を用いて、入力画像を作成する工程と、
    前記入力画像に対してウェーブレット変換処理を実行し、各画素がウェーブレット係数を有するウェーブレット画像を作成する工程と、
    ウェーブレット係数の閾値となるウェーブレット係数テーブルと、前記ウェーブレット画像の各画素とを比較して二値化画像を作成する工程と、
    前記二値化画像における各ひび割れを、複数の方向カテゴリー毎に分類する工程と、
    一方向ひび割れと二方向ひび割れのいずれかを分類するひび割れ状態分類工程と、を実行させ、
    前記ひび割れ状態分類工程では、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合を超える場合に一方向ひび割れに分類し、主たるひび割れ方向のひび割れの割合が所定割合以下の場合に二方向ひび割れに分類する処理をさらにコンピュータに実行させ、
    前記所定割合の設定は、採用する基準もしくは指針において、ひび割れの経時変化に関する図面として例示される、一方向ひび割れと、二方向ひび割れに関する各図面の撮影画像を用いて、入力画像を作成する工程と、前記ウェーブレット画像を作成する工程と、前記二値化画像を作成する工程と、前記複数の方向カテゴリー毎に分類する工程とを順に実行させ、前記二方向ひび割れに関する解析結果における、主たるひび割れ方向の全体に対する割合を算定させて前記所定割合とすることを特徴とする、プログラム。
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