JPWO2017104829A1 - ハイドロフルオロオレフィンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

低沸点でも希釈ガスを容易に分離し、生産性に優れるHFOの製造方法の提供。下記式(2)で表されるHFOの沸点よりも高い沸点を有する、ガス状の含フッ素化合物の存在下に、下記式(1)で表されるHFCを、式(2)で表されるHFOに転化し、前記HFOと前記含フッ素溶媒とを含む第1のガス組成物を得る反応工程と、前記第1のガス組成物から前記含フッ素溶媒を分離し、前記HFOを含む第2のガス組成物を得る分離工程と、を有するHFOの製造方法。CR1R2X1CR3R4X2(1)CR1R2=CR3R4(2)(式(1)および式(2)中、R1〜R3は、HまたはF、R4は、H、F、CH3、CH2F、CHF2またはCF3、R1〜R4の合計フッ素原子数は1以上、R1〜R4の合計水素原子数は1以上である。X1およびX2は一方がHであり、他方がFである。)

Description

本発明は、ハイドロフルオロオレフィンの製造方法、特に、ハイドロフルオロカーボンからハイドロフルオロオレフィンを効率的に製造する方法に関する。
トリフルオロエチレン(HFO−1123)や2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf)などのハイドロフルオロオレフィン(HFO)は、地球温暖化係数(GWP)が小さいため、温室効果ガスであるジフルオロメタン(HFC−32)や1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)に代わる新しい冷媒として、近年大きな期待が寄せられている。
従来から、HFO−1123の製造方法として、比較的安価な1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)を原料とする方法が知られている。また、HFO−1234yfの製造方法として、1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)や1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)等のハイドロフルオロカーボン(HFC)を原料とする方法が知られている。
例えば、特許文献1には、金属フッ化物や金属酸化物を触媒として用い、HFC−134aを脱フッ化水素反応させてHFO−1123を製造する方法が開示されている。特許文献1に開示される製造方法は、原料であるHFC−134aと希釈ガスである窒素ガスとを含む原料ガスを加熱反応帯域に供給し、加熱反応帯域内の触媒存在下でHFC−134aを脱フッ化水素反応させることにより、HFO−1123を含む組成物を製造している。
特表平10−505337号公報
しかしながら、特許文献1に開示される製造方法では、得られる組成物中にHFO−1123と原料のHFC−134aの希釈ガスである窒素ガスが含まれる。HFO−1123の沸点は低いため、組成物中のHFO−1123と窒素ガスとを分離するために、低温かつ高圧の過酷な条件が必要となる。そのため、希釈ガスとして窒素ガスを用いた場合、反応後にHFO−1123と窒素ガスを分離するために、反応器内を低温かつ高圧にできる設備が必要となる。さらに、このような設備は、電気代等の製造コストが極めて高い。
すなわち、HFO−1123と窒素ガスとの分離の際に、上記のような過酷な条件が達成されない場合には、HFO−1123と窒素ガスが分離できない。そのため、特許文献1に開示される製造方法では、HFO−1123の精製効率が低すぎて、例えば工業的に大量生産しようとする場合に実現性が極めて低い。
本発明が解決しようとする課題は、製造目的の化合物であるHFOの沸点(標準沸点)が低い場合であっても、HFOと希釈ガスとを容易に分離することができ、生産性に優れたHFOの製造方法を提供することを目的とする。
なお、本明細書において、ハロゲン化炭化水素については、化合物名の後の括弧内にその化合物の略称を記すが、本明細書では必要に応じて化合物名に代えてその略称を用いる。また、特に言及せずに化合物名や略称を記載した場合には、化合物名や略称は、E体および/またはZ体であることを示す。また、化合物名や略称の後に(E)を付した場合には、化合物名や略称はE体であり、化合物名や略称の後に(Z)を付した場合には、化合物名や略称はZ体であることを示す。また、飽和のハイドロフルオロカーボンをHFCといい、HFOとは区別して用いる。
本発明は、以下の[1]〜[13]に記載の構成を有するHFOの製造方法を提供する。
[1]下記式(2)で表されるHFOの標準沸点よりも高い標準沸点を有する含フッ素化合物の存在下に、下記式(1)で表されるHFCを、下記式(2)で表される前記HFOに転化し、前記HFOと前記含フッ素化合物とを含有する第1のガス組成物を得る反応工程と、
前記第1のガス組成物から前記含フッ素化合物を分離し、前記HFOを含有する第2のガス組成物を得る分離工程と
を有し、
前記反応工程において、前記含フッ素化合物が不活性であり、ガス状であるHFOの製造方法。
CRCR ・・・(1)
CR=CR ・・・(2)
(上記式(1)および式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、Rは、水素原子、フッ素原子、CH、CHF、CHFまたはCFであり、R〜Rの合計のフッ素原子数は1以上であり、R〜Rの合計の水素原子数は1以上である。XおよびXは、一方が水素原子であり、他方がフッ素原子である。)。
[2]前記含フッ素化合物は、飽和または不飽和の、炭素数が4〜10の炭化水素化合物(但し、炭素−炭素結合間に酸素原子、硫黄原子、セレン原子および窒素原子からなる群より選択される1種以上を有していてもよい。)において、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された化合物であり、前記含フッ素化合物の隣接する2つの炭素において、一方が炭素−フッ素結合を有し、かつ他方が炭素−水素結合を有することがなく、前記含フッ素化合物に含まれるフッ素原子の数は、前記含フッ素化合物中の元素濃度で45%以上である、[1]に記載のHFOの製造方法。
[3]前記含フッ素化合物の標準沸点と前記HFOの標準沸点との差は10℃以上である、[1]または[2]に記載のHFOの製造方法。
[4]前記含フッ素化合物は、パーフルオロカーボン、パーフルオロアルキルエーテル、アルキルパーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルチオエーテル、アルキルパーフルオロアルキルチオエーテル、パーフルオロアルケンおよびパーフルオロ芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[3]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[5]前記含フッ素化合物は、パーフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−2−メチルヘキサン、パーフルオロへプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロエチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロエチルパーフルオロペンチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、プロピルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、[1]〜[4]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[6]前記分離工程は、圧力が−0.1MPa以上4.0MPa以下、温度が−30℃以上100℃以下で、前記第1のガス組成物に含まれる前記含フッ素化合物を液化することにより分離する工程を含む、[1]〜[5]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[7]前記反応工程における前記HFCと前記含フッ素化合物のモル比(HFC/含フッ素化合物)は、0.5/99.5以上60/40以下である、[1]〜[6]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[8]前記HFCは1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、前記HFOはトリフルオロエチレンである、[1]〜[7]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[9]前記HFCは1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンおよび/または1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパンであり、前記HFOは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである、[1]〜[7]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[10]前記反応工程は、前記HFCと触媒とを接触させる工程を含む、[1]〜[9]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
[11]前記触媒は、金属、金属酸化物および金属ハロゲン化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[10]に記載のHFOの製造方法。
[12]前記触媒は、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化チタン、酸化フッ化鉄、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化クロム、塩化クロムおよび酸化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種を含む、[10]または[11]に記載のHFOの製造方法。
[13]前記HFCを前記HFOに転化する温度は、200℃以上1200℃以下である、[1]〜[12]のいずれかに記載のHFOの製造方法。
本発明によれば、HFOの沸点(標準沸点)が低い場合であっても、HFOと、原料のHFCの希釈ガスとを容易に分離することができ、生産性に優れるHFOの製造方法を提供することができる。
本発明のHFOの製造方法に使用される反応装置の一例を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のHFOの製造方法は、以下の反応工程および分離工程を有する。
反応工程:標準沸点が式(2)で表されるHFO(以下、「HFO(2)」という。)の標準沸点よりも高い標準沸点を有する含フッ素化合物(以下、「含フッ素化合物(Q)」という。)の存在下に、式(1)で表される少なくとも1種のHFC(以下、「HFC(1)」という。)を、HFO(2)に転化し、HFO(2)と含フッ素化合物(Q)とを含有する第1のガス組成物を得る工程。
分離工程:第1のガス組成物から含フッ素化合物(Q)を分離し、HFO(2)を含有する第2のガス組成物を得る工程。
式(1)はCRCRであり、式(2)はCR=CRである。ここで、式(1)および式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、Rは、水素原子、フッ素原子、CH、CHF、CHFまたはCFである。また、R〜Rの合計のフッ素原子数は1以上であり、R〜Rの合計の水素原子数は1以上である。XおよびXは一方が水素原子であり、他方がフッ素原子である。すなわち、Xが水素原子であるときXはフッ素原子、またはXがフッ素原子であるときXは水素原子である。
反応工程において、式(1)で表されるHFC(1)から式(2)で表されるHFO(2)が生成される反応は、下記反応式(3)で表すことができる。
Figure 2017104829
HFC(1)を所定の条件下で適宜処理すると、HFC(1)のXとXとが同時に脱離する脱フッ化水素反応を生じる。そして、このような反応式(3)で表されるHFC(1)の脱フッ化水素反応により、HFO(2)とフッ化水素とが同時に生成する。
本発明のHFOの製造方法において、HFC(1)およびHFO(2)の炭素数は2〜3個である。
本発明のHFOの製造方法において、目的物である式(2)で示される化合物の標準沸点は、好ましくは−104〜32℃であり、より好ましくは0℃未満である。
本発明のHFOの製造方法において、原料であるHFC(1)から、目的物であるHFO(2)を製造する方法の組み合わせとしては、例えば、トリフルオロエタン(1,1,1−トリフルオロエタン(HFC−143a)、1,1,2−トリフルオロエタン(HFC−143)、またはHFC−143aおよびHFC−143の混合物)から1,1−ジフルオロエチレン(HFO−1132a、標準沸点:−83℃)を製造する方法、テトラフルオロエタン(1,1,2,2−テトラフルオロエタン(HFC−134)、1,1,1,2−テトラフルオロエタン(HFC−134a)、またはHFC−134およびHFC−134aの混合物)からトリフルオロエチレン(HFO−1123、標準沸点:−56℃)を製造する方法、ペンタフルオロプロパン(1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパン(HFC−245cb)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)またはHFC−245cbおよびHFC−245ebの混合物)から2,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234yf、標準沸点:−28.3℃)を製造する方法、ペンタフルオロプロパン(1,1,1,3,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245fa)、1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパン(HFC−245eb)またはHFC−245faおよびHFC−245ebの混合物)から1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(E)、標準沸点:−16℃)、シス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(HFO−1234ze(Z)、標準沸点:−16℃)、またはHFO−1234ze(E)およびHFO−1234ze(Z)の混合物)を製造する方法などが挙げられる。これらの中でも、HFO(2)を効率的に製造することができる点で、HFC−134aからHFO−1123を製造する方法、またはペンタフルオロプロパン(HFC−245cb、HFC−245eb、ならびにHFC−245cbおよびHFC−245ebの混合物)からHFO−1234yfを製造する方法が好ましい。
なお、上記HFO−1234ze(Z)およびHFO−1234ze(E)の沸点は、公知文献(Journal of Fluorine Chemistry、Journal of the Chemical Society等)に記載された値である。
本発明のHFOの製造方法は、反応工程および分離工程をこの順で行う方法であれば、反応工程および分離工程が連続的に行われる全連続式の製造方法であってもよいし、反応工程および分離工程がともにバッチ式工程である全バッチ式の製造方法であってもよい。
また、反応工程は、連続式工程であってもよいし、バッチ式工程であってもよい。分離工程についても、反応工程と同様に、連続式工程であってもよいし、バッチ式工程であってもよい。整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、気化させた含フッ素化合物(Q)を液化分離する分離工程は連続式工程であることが好ましい。
本発明のHFOの製造方法は、第1のガス組成物に含まれるフッ化水素を分離する工程(以下、「工程(A)」ともいう。)をさらに有してもよい。工程(A)は、反応工程と分離工程との間に行われてもよく、分離工程と同時であってもよく、分離工程の後に行われてもよい。工程(A)により反応式(3)で生成されるフッ化水素を分離することで、目的物としてのHFO(2)の精製や、HFC(1)および含フッ素化合物(Q)等の回収プロセスの負荷が低減でき、生産性に優れる。
本発明のHFOの製造方法が反応工程および分離工程に加えて工程(A)も有する場合、当該製造方法は、全連続式の製造方法であってもよいし、全バッチ式の製造方法であってもよいし、これら工程のうちの一部の工程がバッチ式工程で、その他の工程が連続的に行われる一部連続式の製造方法であってもよい。整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、フッ化水素を分離する工程(A)は連続式工程であることが好ましい。
以下、反応工程、分離工程および工程(A)についてさらに説明する。
<反応工程>
反応工程では、含フッ素化合物(Q)の存在下で、原料ガス中のHFC(1)をHFO(2)に転化させる。HFC(1)からHFO(2)への転化は、HFC(1)を触媒と接触させて行うことが好ましい。原料ガスと触媒との接触において、触媒は、固体の状態(固相)であることが好ましい。
また、反応工程が連続式の工程である場合、反応成分としてのHFC(1)を含む原料ガスおよび含フッ素化合物(Q)の反応場(例えば、加熱した反応器)への供給について、原料ガスと触媒のいずれの供給も連続的に行ってもよいし、原料ガスと触媒の一方の供給のみを連続的に行い、もう一方はバッチ式で供給してもよい。整備する時間を短縮し生産性を高めるという観点から、触媒をバッチ式で反応器に供給した後、その反応器にHFC(1)を含む原料ガスを連続的に供給することが好ましい。
以下、反応工程について、気相の原料ガスを反応器内に連続的に供給して、反応器内にバッチ式で投入された固相の触媒と接触させる態様について説明するが、本発明のHFOの製造方法における反応工程は、このような態様に限定されない。
(原料ガス)
原料ガスは、原料であるHFC(1)および含フッ素化合物(Q)を含む。さらに、原料ガスは、本発明の効果を損なわない範囲において、HFC(1)および希釈ガス以外に、その他の化合物を含んでもよい。また、原料ガスは、一部液化していてもよい。原料ガスは、原料ガスに含まれる化合物のモル量の合計に対してHFC(1)の含有割合が1モル%以上のガス組成物であることが好ましい。
さらに、原料ガスは、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)、および任意に含有されるその他の化合物以外に、HFO(2)を含んでもよい。そのため、各種のHFOの製造方法で得られる生成ガス組成物が、HFC(1)を含有する場合、当該生成ガス組成物は反応工程で原料ガスとして使用することができる。また、本発明のHFOの製造方法により得られる第2のガス組成物がHFC(1)を含有する場合、これを反応工程における原料ガスとして用いてもよい。
ただし、HFO(2)が原料ガス中に含まれる場合、原料ガス中に含まれるHFO(2)は、反応式(3)で表される平衡反応において、HFO(2)が生成する反応の逆反応が生起する要因となる。このような観点から、原料ガス中にHFO(2)は含まれないことが好ましい。HFO(2)が含まれる場合には、原料ガス中のHFO(2)の含有割合は、原料ガスに含まれる化合物のモル量の合計に対して0.001〜55モル%が好ましく、0.001〜20モル%がより好ましく、0.001〜5モル%が最も好ましい。
本発明における含フッ素化合物(Q)は、HFC(1)を希釈するための希釈ガスとして作用する。含フッ素化合物(Q)は、炭素数が4〜10の炭化水素化合物または当該炭化水素化合物の炭素原子と炭素原子の間に酸素原子、硫黄原子、セレン原子および窒素原子からなる群より選ばれる1種以上のヘテロ原子を有する有機化合物において、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された含フッ素有機化合物である。含フッ素化合物(Q)は、その標準沸点が、HFO(2)の標準沸点よりも高い化合物である。また、含フッ素化合物(Q)は、反応工程において不活性であって、かつガス状の化合物である。
ここで、含フッ素化合物(Q)が「不活性」であるとは、反応工程において、含フッ素化合物(Q)が脱フッ化水素反応を起こさないことをいう。すなわち、本発明の含フッ素化合物(Q)は、隣接する2つの炭素において、一方がC−F結合を有し、かつ他方がC−H結合を有することがない。このような場合、隣接する2つの炭素に結合したフッ素原子と水素原子による脱フッ化水素反応が起こらないため「不活性」であるといえる。含フッ素化合物(Q)は1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素化合物(Q)は、上記したように炭素、水素およびフッ素のみを構成元素とする化合物に限られず、炭素、水素およびフッ素以外に、例えば、酸素、硫黄、セレン、窒素等の元素を含んでいてもよい。含フッ素化合物(Q)が、酸素、硫黄、セレン、窒素等の元素を含む場合、これらは、炭素原子と炭素原子の間に位置することが好ましい。
含フッ素化合物(Q)の標準沸点は、0℃以上であることが好ましい。また、含フッ素化合物(Q)の標準沸点は、目的物であるHFO(2)の標準沸点よりも、10℃以上高いことが好ましい。この標準沸点の差は、15℃以上がより好ましく、20℃以上がさらに好ましく、30℃以上が特に好ましく、40℃以上がもっとも好ましい。含フッ素化合物(Q)の標準沸点が目的物の標準沸点よりも高いほど、第1のガス組成物から含フッ素化合物(Q)を分離し易い。
含フッ素化合物(Q)は、飽和であっても不飽和であってもよい。また、含フッ素化合物(Q)は、鎖状であってもよく、分枝や環構造を有していてもよい。含フッ素化合物(Q)の炭素数は、好ましくは4以上10以下、より好ましくは5以上8以下である。
含フッ素化合物(Q)のフッ素数(n)は、含フッ素化合物(Q)が有する炭素数をmとして、m≦n≦2m+2で表される範囲の数である。含フッ素化合物(Q)中のフッ素数は、含フッ素化合物中の元素濃度で45%以上であることが好ましく、70%以上であることがより好ましい。
飽和の含フッ素化合物(Q)としては、パーフルオロカーボン、パーフルオロアルキルエーテル、アルキルパーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルチオエーテル、アルキルパーフルオロアルキルチオエーテル等が挙げられる。不飽和の含フッ素化合物(Q)としては、パーフルオロアルケン、パーフルオロ芳香族化合物等が挙げられる。含フッ素化合物(Q)は、上記した飽和または不飽和の含フッ素化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
飽和の含フッ素化合物(Q)のうち、パーフルオロカーボンの具体例としては、パーフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−2−メチルヘキサン、パーフルオロへプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン等が挙げられる。飽和の含フッ素化合物(Q)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
パーフルオロアルキルエーテルの具体例としては、パーフルオロエチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロエチルパーフルオロペンチルエーテル等が挙げられる。
アルキルパーフルオロアルキルエーテルの具体例としては、エチルパーフルオロブチルエーテル、プロピルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテル等が挙げられる。
パーフルオロアルキルチオエーテルの具体例としては、パーフルオロエチルパーフルオロブチルチオエーテル、パーフルオロエチルパーフルオロペンチルチオエーテル等が挙げられる。
アルキルパーフルオロアルキルチオエーテルの具体例としては、エチルパーフルオロブチルチオエーテル、プロピルパーフルオロブチルチオエーテル、エチルパーフルオロペンチルチオエーテル等が挙げられる。
不飽和の含フッ素化合物(Q)のうち、パーフルオロアルケンとしては、パーフルオロ−2−ヘキセン、パーフルオロシクロヘキセン等が挙げられる。パーフルオロ芳香族化合物としては、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、テトラフルオロフラン、テトラフルオロチオフェン等が挙げられる。不飽和の含フッ素化合物(Q)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
含フッ素化合物(Q)としては、分離工程の効率や、コストの点から、パーフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−2−メチルヘキサン、パーフルオロへプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロエチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロエチルパーフルオロペンチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、プロピルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテルから選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。その中でも特にパーフルオロペンタン、パーフルオロヘキサン、エチルパーフルオロブチルエーテルが特に好ましい。
含フッ素化合物(Q)は、HFO(2)の標準沸点に応じて、HFO(2)との標準沸点の差が上記した好ましい範囲となるように適宜選択することができる。例えば、HFO(2)が、HFO−1132a、HFO−1123、HFO−1234yf、HFO−1234ze等である場合には、含フッ素化合物(Q)としてパーフルオロヘキサン(標準沸点:56.6℃)、エチルパーフルオロブチルエーテル(標準沸点:76℃)を用いることが好ましい。
含フッ素化合物(Q)は、反応工程においてガス状である。反応工程において、含フッ素化合物(Q)の全てがガス状であっても、一部がガス状であってもよい。HFC(1)の転化率に優れる点と、触媒活性の点から、含フッ素化合物(Q)の全てがガス状であることが好ましい。以下、本発明の製造方法について、反応工程において含フッ素化合物(Q)の全てがガス状であるものとして説明するが、これに限定されない。
含フッ素化合物(Q)の供給方法としては、反応工程において含フッ素化合物(Q)を添加してもよいし、反応工程において、副生物として含フッ素化合物(Q)が生成する場合、当該含フッ素化合物(Q)を、希釈ガスの全量または一部として反応工程に使用してもよい。反応工程における希釈ガスの量を調整できる点から、反応工程において含フッ素化合物(Q)を添加することが好ましい。
原料ガス中の含フッ素化合物(Q)の含有割合については、HFC(1)と、反応工程に供給される含フッ素化合物(Q)とのモル比(HFC/含フッ素化合物(Q))が0.5/99.5〜80/20であることが好ましい。触媒の劣化を抑制する点、含フッ素化合物(Q)の分解によるコスト増を抑制する点および転化率の向上の点からは、HFC/含フッ素化合物(Q)の上限は、60/40以下がより好ましく、50/50以下がさらに好ましく、30/70以下が特に好ましい。また、含フッ素化合物(Q)の分解による不純物の低減、および昇温・降温のコストの低減の点からは、HFC/含フッ素化合物(Q)の下限は5/95以上がより好ましい。当該モル比は、添加率の向上、触媒の劣化の抑制、気化させた含フッ素化合物(Q)の分解による不純物の低減や昇温・降温のコストなどを総合すると、5/95〜50/50であることが特に好ましい。
なお、気相の原料ガスを固相の触媒と連続的に接触させて反応させる実施形態においては、原料ガス中の各気相成分および含フッ素化合物(Q)の単位時間当たりの流量を制御することで、原料ガス中のHFC(1)および含フッ素化合物(Q)とのモル比を制御することができる。
原料ガス中に含まれ得る、HFC(1)、含フッ素化合物(Q)およびHFO(2)以外のその他の化合物は、例えば、HFO(1)の製法等に由来する不純物や、含フッ素化合物(Q)以外の希釈ガス等が挙げられる。
不純物としては、トリフルオロメタン(HFC−23)、ジフルオロメタン(HFC−32)、HFC−134、HFC−143a、HFO−1132a、トランス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(E))、シス−1,2−ジフルオロエチレン(HFO−1132(Z))、フッ化ビニル(HFO−1141)、HFO−1234yf、メタン、エタン、エチレン、プロパン、プロピレン、アセトン、フッ素、フッ化水素、塩素、塩化水素等が挙げられる(但し、原料ガスに含まれるHFC(1)、含フッ素化合物(Q)および目的物であるHFO(2)を除く。)。
原料ガス中に含まれ得る含フッ素化合物(Q)以外の希釈ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、四塩化炭素、酸素、二酸化炭素、窒素ガス等の、反応工程において原料ガス中に含まれる成分に対して不活性なガスが挙げられる。
原料ガス中のその他の化合物は、触媒劣化を抑制するという観点や、不要な副生物の発生を抑制してその後に行われるHFOの精製の工程の負荷を減らすという観点から、含まれないことが好ましい。その他の化合物が含まれる場合には、原料ガスに含まれる化合物のモル量の合計に対して0.001〜40モル%が好ましく、0.001〜10モル%がより好ましく、0.001〜1モル%が最も好ましい。
(触媒)
反応工程で用いられる触媒は、HFC(1)の脱フッ化水素反応に対して触媒作用を有する。触媒としては、金属(金属単体または合金)、金属酸化物、金属ハロゲン化物等が挙げられ、これらからなる群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。これらの中でも、HFC(1)を効率よくHFO(2)に転化できることから、金属酸化物または金属ハロゲン化物が好ましい。触媒は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属単体、合金、金属酸化物、金属ハロゲン化物を構成する金属としては、遷移金属元素、第12族金属元素、第13族金属元素、第14族金属元素が挙げられる。中でも、第3族金属元素、第4族金属元素、第6族金属元素、第8族金属元素、第10族金属元素、第12族金属元素、第13族金属元素が好ましく、スカンジウム、チタン、ジルコニウム、クロム、鉄、亜鉛、アルミニウムがさらに好ましい。
合金は、上記金属のうち2種の金属の合金であってもよく、3種以上の金属の合金であってもよい。
金属酸化物は、上記した金属の1種の酸化物であってもよく、2種以上の金属の複合酸化物であってもよい。
金属ハロゲン化物は、上記した金属の1種のハロゲン化物であってもよく、2種以上の金属の複合ハロゲン化物であってもよい。
触媒としては、具体的には、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、イリジウム、ルテニウム、ロジウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化スズ、フッ化鉄、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化クロム、塩化クロム、酸化ケイ素等が挙げられ、これらの群より選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。酸化ケイ素はシリカゲルが好ましい。これらの中でも、HFC(1)を効率よくHFO(2)に転化できる点で、亜鉛、白金、パラジウム、酸化アルミニウム、フッ化アルミニウム、酸化ジルコニウムおよび酸化クロムが好ましい。
触媒のBET法により測定した比表面積(以下、BET比表面積と示す。)は、30〜400m/gが好ましい。触媒のBET比表面積が上記範囲であれば、HFC(1)が高い反応速度で反応し、反応効率が良好であるうえに、触媒の粒子の密度が小さすぎることがないので、飛散しにくくハンドリング性が良好である。触媒のBET比表面積は、150〜400m/gがより好ましい。
触媒は、担体に担持されていてもよい。担体としては、例えば、アルミナ担体、ジルコニア担体、シリカ担体、シリカアルミナ担体、活性炭に代表されるカーボン担体、硫酸バリウム担体、炭酸カルシウム担体等が挙げられる。活性炭としては、例えば、木材、木炭、果実ガラ、ヤシガラ、泥炭、亜炭、石炭等の原料から調製した活性炭等が挙げられる。担体としては、アルミナ担体を用いることが好ましい。
触媒は、転化率向上の観点から、予め活性化処理されていることが好ましい。活性化処理の方法としては、加熱下または非加熱下で触媒を活性化処理剤と接触させる方法が挙げられる。活性化処理剤としては、例えば、酸素、フッ化水素、塩化水素、フッ素含有化合物等が挙げられ、これらの中でもフッ素含有化合物が好ましい。フッ素含有化合物としては、例えば、HFC−143、HFC−143a、HFC−134、HFC−134a、HFC−245cb、HFC−245eb、HFC−245fa、HFO−1132a、HFO−1132(E)、HFO−1132(Z)、HFO−1123、HFO−1234yf、HFO−1234ze、トリクロロフルオロメタン(HFC−11)、ジクロロフルオロメタン(HFC−21)、クロロジフルオロメタン(HFC−22)、HFC−32、テトラフルオロエチレン(FO−14)、1,1,1,2,2−ペンタフルオロエタン(HFC−125)等が挙げられる。
触媒は、このような反応前の活性化処理の他に、再活性化処理を行うことが好ましい。すなわち、転化反応において触媒の活性が低下し、原料成分であるHFC(1)の転化率や、目的物であるHFO(2)の選択率が低下したときには、触媒を再活性化処理することが好ましい。再活性化処理により、触媒の活性を再生させて触媒を再利用することが好ましい。
再活性化処理の方法としては、使用前に行われる上述の活性化処理と同様に、使用後の触媒を加熱下または非加熱下で活性化処理剤と接触させる方法が挙げられる。再活性化処理剤としては、活性化処理剤と同様の化合物を用いることができる。
なお、副反応の抑制および触媒の耐久性向上等の点から、活性化処理剤を希釈するために、窒素、二酸化炭素、アルゴン、ヘリウム等の不活性ガスを用いることが好ましい。
(反応器および反応条件)
反応工程で、原料ガスと触媒とを接触させて反応させる反応器としては、後述する温度および圧力に耐えることができるものであれば、形状および構造は特に限定されない。反応器は、例えば、円筒状の縦型反応器が挙げられる。反応器の材質としては、ガラス、鉄、ニッケル、鉄またはニッケルを主成分とする合金等が挙げられる。反応器は、反応器内を加熱する電気ヒータ等の加熱手段を備えてもよい。
反応器内に投入される固相をなす触媒は、固定床型、流動床型のいずれの形式で収容されてもよい。固定床型である場合、水平固定床型と垂直固定床型のいずれであってもよいが、原料ガスが多成分で構成される混合ガスの場合は、比重差による各成分の濃度分布の発生を防止しやすいことから、垂直固定床型であることが好ましい。
原料ガスは、常温で反応器に供給してもよいが、反応器内での反応性を高めるために、反応器に供給する前に原料ガスを加熱(予熱)してから供給することが好ましい。原料ガスの予熱を行う場合、原料ガスは好ましくは50℃〜1200℃、より好ましくは50〜400℃の温度に加熱してから反応器に供給することができる。
原料ガスを予熱して反応器に供給する場合、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)を別々に予熱してから反応器に供給してもよいし、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)を混合した後に予熱して反応器に供給してもよい。操作を簡素化して生産性を高める点から、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)を混合した後に予熱して反応器に供給することが好ましい。
また、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)を別々に予熱する場合、HFC(1)は、50〜400℃の温度に予熱することが好ましく、含フッ素化合物(Q)は50〜400℃の温度に予熱することが好ましい。HFC(1)と水蒸気は同程度の温度に予熱してもよいし、温度差を有するように予熱してもよい。また予熱されたHFC(1)と含フッ素化合物(Q)は混合してから反応器に供給してもよいし、別々に反応器に供給してもよい。
反応器に供給された原料ガスは、反応器内で固相をなす触媒と接触する。反応器内の温度は、反応性向上および触媒の寿命向上の観点から、200〜1200℃が好ましい。さらに、反応効率、副反応の抑制および生産設備の観点から、300〜1000℃がより好ましく、300〜800℃がさらに好ましい。また、反応器内の圧力は、臨界点付近の圧力ではなく、具体的には、−0.1〜2MPaが好ましく、−0.1〜0.5MPaがより好ましい。反応器内での原料ガスと触媒との接触時間は、0.001〜500秒間が好ましく、0.5〜50秒間がより好ましく、5〜30秒間が特に好ましい。なお、本明細書において、圧力は特に断らない限りゲージ圧で示す。
(第1のガス組成物)
反応工程では、反応器の出口ガスとして、HFO(2)と含フッ素化合物(Q)と未反応のHFC(1)とを含む第1のガス組成物を得ることができる。第1のガス組成物は、目的物であるHFO(2)、含フッ素化合物(Q)、未反応のHFC(1)以外に、原料ガス中に含まれ得るその他の化合物や、反応工程で生成される副生物を含んでもよい。第1のガス組成物に含有される副生物としては、例えば、HFC(1)がHFC−134aでありHFO(2)がHFO−1123である場合にはHFO−1141、HFO−1132a、HFO−1132(Z)、HFO−1132(E)、HFC−134、HFC−143、HFC−134a、HFC−125、HFC−23、HFC−32、メタン、エチレン、エタン、プロピレン、プロパン等が挙げられる。また、希釈ガスとして用いた含フッ素化合物(Q)は一部液体であってもよい。
<分離工程>
分離工程では、第1のガス組成物から含フッ素化合物(Q)の一部または全部を分離して、HFO(2)の含有割合の増加した第2のガス組成物を得る。含フッ素化合物(Q)を分離する方法としては、特に限定されず、反応条件や反応生成物に応じて任意に選択できる。例えば、含フッ素化合物(Q)の標準沸点以下に除熱することによる液化、高圧条件で当該圧力下における沸点以下に除熱することによる液化、物理的に吸収液に溶解させる物理吸収、抽出蒸留などが挙げられる。これらの方法は、単一の方法で行ってもよいし、複数の方法を組合せてもよい。単一の方法で行う場合には、1段階反応でもよいし、数段階に分けて反応させてもよい。含フッ素化合物(Q)を分離する方法としては、設備上の観点から微加圧条件下での除熱による液化が好ましい。なお、分離条件によっては含フッ素化合物(Q)に加えてフッ化水素も分離されることがある。たとえば、パーフルオロヘキサンを含フッ素化合物(Q)として転化反応させた場合では、第1のガス組成物を常温(25℃)でアルカリ水溶液に通過させることで、フッ化水素が溶け込んだアルカリ水溶液、パーフルオロヘキサン、第2のガス組成物の3相に分離させることが可能である。
含フッ素化合物(Q)を液化して分離する場合、液化の条件としては、圧力は−0.1〜4.0MPaであればよく、0.2MPa以下であることが好ましく、0.02MPa以下であることがより好ましい。温度は−30〜100℃であることが好ましく、−10〜100℃であることがより好ましく、0〜90℃であることがさらに好ましい。
(含フッ素化合物の回収方法)
分離工程において分離された含フッ素化合物(Q)は、回収することができる。回収された含フッ素化合物(Q)は、再度反応工程の希釈ガスとして再利用することができる。
(第2のガス組成物)
分離工程では、HFO(2)と未反応のHFC(1)とを含む第2のガス組成物を得ることができる。第2のガス組成物は、目的物であるHFO(2)および未反応のHFC(1)以外に、上記原料ガス中に含まれ得るその他の化合物や副生物と同じ化合物や成分を含んでもよい。分離工程では、第1のガス組成物に含まれるガス状の含フッ素化合物(Q)を選択的に分離する。このため、第2のガス組成物中のHFO(2)の含有割合は、第1のガス組成物中のHFO(2)の含有割合よりも高くなる。
第2のガス組成物は、そのまま各種の用途に使用することが可能であり、さらに精製を行うことが好ましい。精製の方法としては、蒸留、吸着や、酸性水溶液、塩基性水溶液または中性水溶液による洗浄等の公知の方法が挙げられる。第2のガス組成物に含まれるHFO(2)以外の物質は、公知の手段で除去し、所望の程度に分離することができる。好ましくは、精製の方法は、常圧下、加圧下または減圧下で蒸留する方法である。このような圧力下で蒸留を行うことにより、高純度のHFO(2)を得ることができる。また、第2のガス組成物から分離された未反応のHFC(1)は、反応工程の原料ガスの一部としてリサイクルが可能である。
<工程(A)>
さらに、本発明のHFOの製造方法は、第1のガス組成物中に含まれるフッ化水素を分離する工程(A)を有することが好ましい。工程(A)は、反応工程と分離工程との間に行われてもよく、分離工程と同時であってもよく、分離工程の後に行われてもよい。以下、工程(A)について、工程(A)を反応工程と分離工程の間に有する態様について説明する。工程(A)を有する場合、上述した分離工程で分離されるフッ化水素の量は、工程(A)で分離されるフッ化水素の量に比べて非常に少ない。
第1のガス組成物は、そのまま工程(A)に供給してもよいが、反応工程と工程(A)との間に他の処理工程を設け、第1のガス組成物に対して他の処理を行ったものを工程(A)に供給してもよい。ここで、他の処理とは、フッ化水素および含フッ素化合物(Q)の分離以外の処理、かつ、第1のガス組成物中に含まれる水分以外の物質の組成を変化させない処理である。他の処理としては、例えば、タンクへの保管、コンプレッサーによる圧縮、加熱、冷却、水分除去等の処理が挙げられる。
工程(A)において、第1のガス組成物からフッ化水素を分離する方法としては、蒸留、吸着、中和、二相分離等の方法が挙げられる。
蒸留は、第1のガス組成物を蒸留してフッ化水素を分離する方法である。蒸留は、常圧下、加圧下または減圧下で行うことができるが、分離効率向上の観点から、加圧下で実施することが好ましい。
吸着は、第1のガス組成物を吸着剤と接触させ、フッ化水素を吸着剤に吸着させて分離する方法である。吸着剤は、固相状態であってもよいし、吸着剤が溶解しない液状の媒体に分散された状態(液相)であってもよい。吸着剤としては、フッ化ナトリウム、フッ化カリウム、ゼオライト、活性炭等を用いることができる。フッ化水素を効率的に分離できることから、フッ化ナトリウムが特に好ましい。
中和は、第1のガス組成物を塩基性化合物と接触させ、フッ化水素を反応させて分離する方法である。塩基性化合物は、固相や液相、気相をなしてもよいし、液状の媒体に分散された状態であってもよい。塩基性化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、アンモニアなどを用いることができる。フッ化水素を効率的に分離できることから、水酸化カリウムが特に好ましい。
二相分離は、第1のガス組成物を加圧下で、液相にして、HFO(2)や二酸化炭素、HFC(1)を含む有機相とフッ化水素を含む酸相との二相に分離させ、相分離した酸相を分離する方法である。
フッ化水素の分離処理を行う工程(A)によって、第1のガス組成物に比べてフッ化水素の含有割合の低いガス組成物が得られる。すなわち、工程(A)により、フッ化水素の含有割合が低く、かつ、HFO(2)、含フッ素化合物(Q)および未反応のHFC(1)を含有するガス組成物が得られる。本発明のHFOの製造方法が工程(A)を有する場合には、当該ガス組成物が分離工程に供給される。工程(A)を有する場合、工程(A)で得られるガス組成物においては、塩化水素、酸フッ化物等の酸性成分の含有割合や、上記その他の化合物や副生物中に含まれる酸性成分以外の化合物の含有割合が、第1のガス組成物よりも低い場合がある。
なお、工程(A)で得られたガス組成物は、そのまま分離工程に供給してもよいが、工程(A)と分離工程との間に他の処理工程を設け、ガス組成物に対して他の処理を行ったものを分離工程に供給してもよい。ここで、他の処理とは、含フッ素化合物(Q)の分離以外の処理、かつ、ガス組成物中に含まれる水分以外の物質の組成を変化させない処理である。他の処理としては、例えば、タンクへの保管、コンプレッサーによる圧縮、加熱、冷却、水分除去等の処理が挙げられる。
<反応装置>
図1は、本発明のHFOの製造方法に使用される反応装置の一例を示す概略図である。反応装置1は、反応工程を行うための電気ヒータ等の加熱手段を備えた反応器2と、分離工程を行うための含フッ素化合物トラップ4を備える。なお、反応器2は、除熱手段を備えていていもよいが必須ではない。
また、反応装置1は、含フッ素化合物トラップ4の下流側に、工程(A)を行うためのフッ化水素トラップ3、第2のガス組成物中の水分を除去するための脱水装置13、第2のガス組成物を捕捉するサンプリングバッグ14、第2のガス組成物の含有成分を分析するガスクロマトグラフィー(GC)等の分析装置15を備えている。
フッ化水素トラップ3は、必須ではない。また、反応装置1においては、フッ化水素トラップ3は、含フッ素化合物トラップ4と脱水装置13の間に配置されているが、反応器2と含フッ素化合物トラップ4の間に配置されてもよい。
反応器2内には、触媒5が垂直固定床をなすように収容されている。また、反応器2の入口側である上部は、原料ガス供給ライン7によって、電気ヒータ等の加熱手段を備えた予熱混合器6に接続されている。原料ガス供給ライン7にも電気ヒータ等の加熱手段が設けられることが好ましい。
予熱混合器6には、HFC(1)を供給するHFC供給ライン8と希釈ガスである含フッ素化合物(Q)を供給する含フッ素化合物供給ライン9とが、それぞれ接続されている。HFC(1)および含フッ素化合物(Q)は、それぞれHFC供給ライン8および含フッ素化合物供給ライン9により予熱混合器6に導入され、予熱混合器6内で混合されかつ所定の温度に加熱された後、原料ガス供給ライン7によって反応器2に供給される。反応器2に供給されたHFCは、ガス状の含フッ素化合物(Q)の存在下で触媒5と接触して、HFO(2)に転化される。そして、HFO(2)や含フッ素化合物(Q)、フッ化水素、未反応のHFC(1)を含有する第1のガス組成物が得られる。なお、含フッ素化合物(Q)は液体のまま含フッ素化合物供給ライン9に供給してもよいし、事前に気化させて含フッ素化合物供給ライン9に供給してもよい。
なお、HFC供給ライン8と含フッ素化合物供給ライン9とを、予熱混合器6に接続する前で連結し、HFC(1)と含フッ素化合物(Q)とを混合してから予熱混合器6に供給してもよい。また、HFC供給ライン8および含フッ素化合物供給ライン9の少なくとも一方に、電気ヒータ等を備えた予熱器(プレヒータ)を設置し、予熱器を設置したラインで供給されるHFC(1)および含フッ素化合物(Q)の少なくとも一方を予熱してから、予熱混合器6に供給してもよい。
反応器2の出口側である下部は電気ヒータ等の加熱手段を備えた反応器出口ライン10により、含フッ素化合物トラップ4に接続されている。反応器2で得られた第1のガス組成物は、含フッ素化合物トラップ4に供給され、第1のガス組成物が、出口ライン10および含フッ素化合物トラップ4で除熱されることより、第1のガス組成物に含まれている含フッ素化合物(Q)が液化する。そして、第1のガス組成物に含まれる含フッ素化合物(Q)が分離された第2のガス組成物が得られる。
含フッ素化合物トラップ4の出口は、出口ライン11により、フッ化水素トラップ3に接続されている。含フッ素化合物トラップ4を通過した第2のガス組成物はフッ化水素トラップ3に供給されて、アルカリ水溶液の収容されたフッ化水素トラップ3を通過することにより、第2のガス組成物に含まれているフッ化水素が除去される。そして、フッ化水素の除去された第2のガス組成物が得られる。
フッ化水素トラップ3の出口は、出口ライン12により、脱水装置13に接続されている。フッ化水素トラップ3で得られた第2のガス組成物は脱水装置13に供給され、第2のガス組成物に含まれる水分が除去される。脱水装置13により水分を除去した第2のガス組成物は、サンプリングバッグ14に集められた後、ガスクロマトグラフィー(GC)等の分析装置15により、第2のガス組成物の含有成分が分析される。
本発明のHFOの製造方法によれば、HFOの沸点(標準沸点)が低い場合であっても、HFOと希釈ガスである含フッ素化合物(Q)とを容易に分離することができる。その結果、製造コストを抑えるとともに、HFOの生産性を上げることができる。
本発明の製造方法により製造されたHFO、例えばHFO−1123やHFO−1234yfは、温室効果ガスであるHFC−32やHFC−125に代わる冷媒として、また圧電素子やフィルムのような機能性材料の原料モノマーおよび合成用中間体として有用である。
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
<反応装置>
実施例および比較例では、図1に示すのと同様の反応装置(以下、反応装置(1)と示す。)を用いた。
(反応装置(1))
反応装置(1)において、反応器2はSUS316L(JIS規格)製で内径22.66mm×高さ300mmの垂直固定床反応器を用いた。反応器2内には、各実施例および比較例で示す触媒5を、100mmの高さで充填した。また、反応器2内は、電気炉により加熱した。
反応器2の入口側に接続された原料ガス供給ライン7は、リボンヒーターによって100℃〜140℃の範囲になるように加熱した。HFC(1)であるHFC−134aおよび希釈ガスである含フッ素化合物(Q)は、それぞれHFC供給ライン8に設置されたマスフローコントローラーおよび含フッ素化合物供給ライン9元のシリンジポンプ(図示を省略。)で流量を調整し混合した後、予熱混合器6に供給するように構成した。
反応器2の出口側に接続された反応器出口ライン10は、リボンヒーターによって100℃〜140℃の範囲になるように加熱し、含フッ素化合物トラップ4に接続した。含フッ素化合物トラップ4外では冷媒を循環させ、含フッ素化合物トラップ4を常圧で4℃に保ち、反応器2から流出される出口ガスの除熱を行った。含フッ素化合物トラップ4の出口側に接続された出口ライン11は、20質量%水酸化カリウム水溶液を収容しているフッ化水素トラップ3に接続した。フッ化水素トラップ3の出口側に接続された出口ライン12は、ペレット状のモレキュラーシーブス3A(純正化学株式会社製、1/8インチペレット)を120g充填した脱水装置13に接続した。また、脱水装置13を通過した第2のガス組成物は、脱水装置13に接続されたポリフッ化ビニリデン(PVdF)製のサンプリングバック14で採取された後、第2のガス組成物の組成分析を分析装置15で行うように構成した。
<分析条件>
分析装置15(GC-2010A、株式会社島津製作所製)において、第2のガス組成物の組成分析には、GCを用いた。カラムは、DB−1(アジレント・テクノロジー株式会社製、長さ60m×内径250μm×厚さ1μm)を用いた。検出器は水素炎イオン化検出器(FID)を用いた。
<線速度>
線速度は空塔速度を意味し、原料ガスを流通する反応器がその内部に充填物を充填していない空塔であると仮定し、流量(体積流量)を空塔である反応器の断面積で割ることで算出した。なお、この線速度は1cm/sで実験を行った。
線速度(空塔速度)(cm/s)=流量(cm/s)/断面積(cm
[実施例1]
反応装置(1)の反応器2に、アルミナ触媒(Al、日揮触媒化成株式会社製、商品名:ACBM−1、形状:粒径2mm球状)を40g充填し、窒素ガスを300mL/minで供給しながら350℃で48時間加熱して乾燥させた。
次いで、反応器2の器内温度を350℃とし、HFC−134aを20mol%および窒素を80mol%で混合した混合ガスを線速度1cm/sで反応器2に供給した。HFC−134aおよび窒素を連続的に流し続け、8時間後に、フッ化水素トラップ3を通過した出口ガスの組成が安定したことを確認した。
次いで、反応器2の器内温度を350℃とし、HFC−134aを20mol%および希釈ガスである含フッ素化合物(Q)としてのパーフルオロヘキサンC14(フッ素原子数の濃度(元素濃度)78.68%)を80mol%で混合して反応器2に供給した。HFC−134aおよび含フッ素化合物(Q)を連続的に流し続け、フッ化水素トラップ3を通過した出口ガスの組成が安定したことを確認した。次いで、フッ化水素トラップ3を通過した出口ガスを脱水装置13に供給し、含フッ素化合物トラップ4、フッ化水素トラップ3および脱水装置13を通過した出口ガス(以下、「トラップ通過出口ガス」という。)の組成が安定してから2時間毎に出口ガスのサンプルを採取した。なお、サンプル採取時の室温は15℃であった。
GCでの分析で得られたトラップ通過出口ガス中の各成分のモル比率(モル%)を基にして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率をそれぞれ次のようにして求めた。
以下の計算式において、(HFC−134a)in、(HFC−134a)out、(HFO−1123)outおよび(total)outは、それぞれ原料ガス中のHFC−134a、希釈ガスを除いたトラップ通過出口ガスにおけるHFC−134a、トラップ通過出口ガスにおけるHFO−1123およびトラップ通過出口ガス成分全体、のGC面積比から算出されたモル比率を表す。(ただし、含フッ素化合物(Q)の成分も一部検出される時があるが、それらは除いた。)なお、本実施例においては、(HFC−134a)in=(total)outと仮定して算出した。
なお、トラップ通過出口ガス中の各成分のモル比率は、GCで同定された各成分の面積比に対して、組成比が既知である標準物質を用いて測定した検出感度ファクターをかけることで算出した。また、原料ガス中のHFC−134aと含フッ素化合物(Q)のモル比率は、HFC−134aと含フッ素化合物(Q)の流量比より算出した。
[HFC−134aの転化率(モル%)]
HFC−134aの転化率とは、反応によりHFC−134aがHFO−1123を含む他の成分に転化し消費された割合をいう。HFC−134aの転化率は、以下の式により算出される。
HFC−134aの転化率(モル%)={1−(HFC−134a)out/(HFC−134a)in}×100
[HFO−1123の選択率(モル%)]
HFO−1123の選択率とは、反応したHFC−134aのうち、HFO−1123に転化した割合をいう。HFO−1123の選択率は、以下の式により算出される。
HFO−1123の選択率(モル%)=
(HFO−1123)out/{1−(HFC−134a)out/(HFC−134a)in}×100
なお、これらの結果は反応が安定してから反応終了までの間に採取したサンプルの分析の平均値とした。
HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率の算出結果を、反応条件(反応器に供給されるHFC−134a流量(mol%)、含フッ素化合物(Q)流量(mol%)、器内温度(℃)とともに、表1に示す。また、実施例1で用いた含フッ素化合物(Q)と得られたHFO(2)の標準沸点差(=含フッ素化合物(Q)の標準沸点−HFO(2)の標準沸点)を表1の右欄に示す。下記に示す表2〜4についても同様に含フッ素化合物(Q)とHFO(2)標準沸点差を示す。
なお、器内温度は、反応器2の器内温度であり、実測値である。また、線速度は、反応器に供給される原料ガスの線速である。
[実施例2〜4]
反応条件および含フッ素化合物(Q)の種類を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表1に示す。含フッ素化合物(Q)としては、C14またはエチルパーフルオロブチルエーテルCOC(フッ素原子数の濃度(元素濃度):64.75%)を用いた。
[実施例5、6]
反応装置(1)の反応器2に、三フッ化アルミニウム(AlF、関東化学株式会社製、商品名:Aluminium Trifluoride、形状:粉末)を40g充填し、反応条件を表1に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表1に示す。
[実施例7、8]
反応装置(1)の反応器2に、二酸化ジルコニウム(ZrO、関東化学株式会社製、商品名:Zirconium oxide、形状:ペレット)を50g充填し、反応条件を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表2に示す。
[実施例9、10]
反応装置(1)の反応器2に、5質量%のパラジウムを担持させた酸化アルミニウム(Pd/Al、純正化学株式会社製、形状:ペレット)を45g充填し、反応条件を表2に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表2に示す。
[実施例11]
原料ガスの組成および反応条件を表3に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−245ebの転化率およびHFO−1234yfの選択率を下記式から算出した。
以下の計算式において、(HFC−245eb)in、(HFC−245eb)out、(HFO−1234yf)outおよび(total)outは、それぞれ原料ガス中のHFC−245eb、希釈ガスを除いた、トラップ通過出口ガスにおけるHFC−245eb、トラップ通過出口ガスにおけるHFO−1234yfおよびトラップ通過出口ガス成分全体、のGC面積比から算出されたモル比率を表す。(ただし、含フッ素化合物(Q)も一部検出されるときがあるが、それらは除いた。)なお、本実施例においては、(HFC−245eb)in=(total)outと仮定して算出した。得られた結果を表3に示す。
HFC−245ebの転化率(モル%)={1−(HFC−245eb)out/(HFC−245eb)in}×100
HFO−1234yfの選択率(モル%)=
(HFO−1234yf)out/{1−(HFC−245eb)out/(HFC−245eb)in}×100
[実施例12]
原料ガスの組成および反応条件を表4に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−245cbの転化率およびHFO−1234yfの選択率を下記式から算出した。
以下の計算式において、(HFC−245cb)in、(HFC−245cb)out、(HFO−1234yf)outおよび(total)outは、それぞれ原料ガス中のHFC−245cb、トラップ通過出口ガスにおけるHFC−245cb、トラップ通過出口ガスにおけるHFO−1234yfおよびトラップ通過出口ガス成分全体、のGC面積比から算出されたモル比率を表す。(ただし、含フッ素化合物(Q)も一部検出される時があるが、それらは除いた。)なお、本実施例においては、(HFC−245cb)in=(total)outと仮定して算出した。得られた結果を表4に示す。
HFC−245cbの転化率(モル%)={1−(HFC−245cb)out/(HFC−245cb)in}×100
HFO−1234yfの選択率(モル%)=
(HFO−1234yf)out/{1−(HFC−245cb)out/(HFC−245cb)in}×100
[比較例1〜8]
原料ガスの組成および反応条件を表5に示すように変えた以外は実施例1と同様にして、連続的に反応を行った。そして、HFC−134aの転化率およびHFO−1123の選択率を、それぞれ実施例1と同様にして求めた。得られた結果を表5に示す。なお、希釈ガスとしては、含フッ素化合物(Q)に代えて窒素ガスを用いた。
Figure 2017104829
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Figure 2017104829
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表1〜5から、希釈ガスとして含フッ素化合物(Q)を用いた実施例1〜12は、希釈ガスとして窒素を用いた比較例1〜8と比較すると、転化率はやや劣るものの、選択率は同程度であったことが分かる。また、表1〜5から、原料ガス中のHFC−134aのモル比が小さいほど、または器内温度を高くするほど、HFC−134aの転化率が高くなることが分かる。
[実施例13]
実施例1で使用した反応装置(1)において、フッ化水素トラップ3としてNaFを充填したフッ化水素トラップ3を用い、フッ化水素トラップ3を、反応器2と含フッ素化合物トラップ4の間に配置した他は反応装置(1)と同様の装置を用いた。実施例1の条件において、含フッ素化合物トラップ4の除熱条件を常圧、室温(4〜15℃程度)に変更し、フッ化水素トラップ3から出てきたC14を室温で放置した含フッ素化合物トラップ4に回収した他は実施例1と同様の操作を行った。反応器2に供給したC14と含フッ素化合物トラップ4で回収したC14の質量はそれぞれ215.6g、208.2gであった。上記結果から、希釈ガスとして用いたC14の除熱による分離率は95%以上であった。
このことから、本発明の方法において希釈ガスとして用いられる含フッ素化合物(Q)は、除熱により分離できることが確認された。
[比較例9]
比較例6の操作において原料ガス供給ラインと希釈ガス供給ラインおよびフッ化水素トラップ3通過後のガス流量を乾式ガスメータ(シナガワ株式会社製)により測定した。その結果、原料ガスと希釈ガス供給ラインの合計ガス流量から算出されるガス流量が0.264mol/hであったのに対し、フッ化水素トラップ3通過後では0.262mol/hであった。上記結果から除熱により希釈ガスとして用いたNを分離することが困難であることが分かる。
本発明の製造方法によれば、HFCからHFOを効率よく安定的に製造することができる。また、希釈ガスである含フッ素化合物(Q)を分離回収して、再利用することができることから、工業的製造方法として有用である。
1…反応装置、2…反応器、3…フッ化水素トラップ、4…含フッ素化合物トラップ、5…触媒、6…予熱混合器、7…原料ガス供給ライン、8…HFC供給ライン、9…含フッ素化合物供給ライン、10…反応器出口ライン、11…出口ライン、12…出口ライン、13…脱水装置、14…サンプリングバッグ、15…分析装置

Claims (13)

  1. 下記式(2)で表されるハイドロフルオロオレフィンの標準沸点よりも高い標準沸点を有する含フッ素化合物の存在下に、下記式(1)で表されるハイドロフルオロカーボンを、下記式(2)で表される前記ハイドロフルオロオレフィンに転化し、前記ハイドロフルオロオレフィンと前記含フッ素化合物とを含有する第1のガス組成物を得る反応工程と、
    前記第1のガス組成物から前記含フッ素化合物を分離し、前記ハイドロフルオロオレフィンを含有する第2のガス組成物を得る分離工程と、
    を有し、
    前記反応工程において、前記含フッ素化合物が不活性であり、ガス状であるハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
    CRCR ・・・(1)
    CR=CR ・・・(2)
    (上記式(1)および式(2)中、R〜Rは、それぞれ独立に水素原子またはフッ素原子であり、Rは、水素原子、フッ素原子、CH、CHF、CHFまたはCFであり、R〜Rの合計のフッ素原子数は1以上であり、R〜Rの合計の水素原子数は1以上である。XおよびXは、一方が水素原子であり、他方がフッ素原子である。)
  2. 前記含フッ素化合物は、
    飽和または不飽和の、炭素数が4〜10の炭化水素化合物または前記炭化水素化合物の炭素原子と炭素原子の間に酸素原子、硫黄原子、セレン原子および窒素原子からなる群より選ばれる1種以上のヘテロ原子を有する有機化合物において、水素原子の一部または全部がフッ素原子に置換された含フッ素有機化合物であり、
    前記含フッ素化合物の隣接する2つの炭素において、一方が炭素−フッ素結合を有し、かつ他方が炭素−水素結合を有することがなく、
    前記含フッ素化合物に含まれるフッ素原子の数は、前記含フッ素化合物中の元素濃度で45%以上である、請求項1に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  3. 前記含フッ素化合物の標準沸点と前記ハイドロフルオロオレフィンの標準沸点との差は10℃以上である、請求項1または2に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  4. 前記含フッ素化合物は、パーフルオロカーボン、パーフルオロアルキルエーテル、アルキルパーフルオロアルキルエーテル、パーフルオロアルキルチオエーテル、アルキルパーフルオロアルキルチオエーテル、パーフルオロアルケンおよびパーフルオロ芳香族化合物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  5. 前記含フッ素化合物は、パーフルオロペンタン、パーフルオロ−2−メチルペンタン、パーフルオロヘキサン、パーフルオロ−2−メチルヘキサン、パーフルオロへプタン、パーフルオロシクロヘキサン、パーフルオロメチルシクロヘキサン、パーフルオロベンゼン、パーフルオロトルエン、パーフルオロエチルパーフルオロブチルエーテル、パーフルオロエチルパーフルオロペンチルエーテル、エチルパーフルオロブチルエーテル、プロピルパーフルオロブチルエーテル、エチルパーフルオロペンチルエーテルからなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  6. 前記分離工程は、圧力が−0.1MPa以上4.0MPa以下、温度が−30℃以上100℃以下で、前記第1のガス組成物に含まれる前記含フッ素化合物を液化することにより分離する工程を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  7. 前記反応工程における前記ハイドロフルオロカーボンと前記含フッ素化合物のモル比(ハイドロフルオロカーボン/含フッ素化合物)は、0.5/99.5以上60/40以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  8. 前記ハイドロフルオロカーボンは1,1,1,2−テトラフルオロエタンであり、前記ハイドロフルオロオレフィンはトリフルオロエチレンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  9. 前記ハイドロフルオロカーボンは1,1,1,2,2−ペンタフルオロプロパンおよび/または1,1,1,2,3−ペンタフルオロプロパンであり、前記ハイドロフルオロオレフィンは2,3,3,3−テトラフルオロプロペンである、請求項1〜7のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  10. 前記反応工程は、前記ハイドロフルオロカーボンと触媒とを接触させる工程を含む、請求項1〜9のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  11. 前記触媒は、金属、金属酸化物および金属ハロゲン化物からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項10に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  12. 前記触媒は、鉄、亜鉛、コバルト、ニッケル、パラジウム、白金、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、酸化クロム、酸化アルミニウム、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化ニオブ、酸化スズ、酸化チタン、酸化フッ化鉄、フッ化アルミニウム、塩化アルミニウム、フッ化クロム、塩化クロムおよび酸化ケイ素からなる群より選択される少なくとも1種を含む、請求項10または11に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
  13. 前記ハイドロフルオロカーボンを前記ハイドロフルオロオレフィンに転化する温度は、200℃以上1200℃以下である、請求項1〜12のいずれか1項に記載のハイドロフルオロオレフィンの製造方法。
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