JPWO2017086313A1 - 中空糸膜モジュール及びその洗浄方法 - Google Patents

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Abstract

中空糸膜モジュール10は、束状の複数の中空糸膜14を有する中空糸膜束15と、中空糸膜束15が収容される内部空間S1が形成されたハウジング13と、内部空間S1に中空糸膜14の洗浄用の気体を分散させる気体供給部2と、を備える。内部空間S1は、中空糸膜14の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間S11と、中空糸膜14の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間S12と、を有する。気体供給部2には、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させる管用通気孔54A,54B(上側気体供給部)と、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させる散気用通気孔43(下側気体供給部)と、が設けられている。

Description

本発明は、中空糸膜モジュール及びその洗浄方法に関する。
従来、水中の不純物を除去する水処理において、束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜モジュールが用いられている。水処理の濾過工程では、中空糸膜モジュールに設けられた原水入口を通じて原水(濾過前の水)がモジュール内に供給され、膜を通過した濾過水がモジュールに設けられた濾過水出口を通じてモジュール外に排出される。
中空糸膜モジュールでは、水処理の濾過工程が行われると、水中から除去された物質(浮遊汚濁物質(SS:Suspended Solids))が膜表面に堆積する。このように、膜表面に堆積した浮遊汚濁物質を効率的に除去することは重要な課題の一つである。
一般に、浮遊汚濁物質の除去は、いわゆる逆洗(逆圧洗浄)によって行われる。逆洗工程では、膜表面に付着した浮遊汚濁物質を膜から浮かせるために、濾過工程とは逆方向の流体の流れがモジュール内に形成される。すなわち、濾過水出口を通じて気体や液体などの流体がモジュール内に供給され、膜を通過した流体が原水入口を通じてモジュール外に排出される。
このように、逆洗工程が行われることによって膜表面から部分的に浮いた状態となった浮遊汚濁物質は、その後、バブリング工程が行われることによって膜表面から剥がれ落とされる。このバブリング工程では、モジュール内に水が充填された状態で空気が供給され、供給された空気の気泡によって膜が揺らされることで、膜表面の浮遊汚濁物質が剥がれ落ちる。下記特許文献1及び2には、バブリング工程においてモジュール内に空気を分散させるための構成を備えた中空糸膜モジュールが開示されている。
下記特許文献1の中空糸膜モジュールでは、中空糸膜の下端よりも下方に給気ヘッダー及び空気分散器が設けられており、給気ヘッダーから供給された空気が空気分散器によって分散誘導される。下記特許文献2では、中空糸膜束の中央に配置されたパイプの下部側面に細孔が形成されており、当該細孔からハウジング内に空気が供給される。
下記特許文献1では、中空糸膜の下端よりも下方に給気ヘッダー及び空気分散器が設けられており、当該空気分散器によって中空糸膜の下端側で気体が分散される。この場合、中空糸膜の下端から上昇する気体によりバブリングが行われるが、下端においては膜表面に付着した浮遊汚濁物質を除去することができる一方で、上端においては除去効果が不十分になる。
また下記特許文献2では、中空糸膜の下端近傍に位置する細孔からバブリング用の気体を供給する構造となっている。そのため、下記特許文献1と同様に、中空糸膜の下端においては浮遊汚濁物質を除去できる一方で、上端においては十分に除去することができない。従って、従来の中空糸膜モジュールでは、バブリング工程において中空糸膜の全体に亘って膜表面を洗浄することが困難であった。
特開平11−33367号公報 特開平7−136469号公報
本発明の目的は、バブリング工程において中空糸膜全体を洗浄することを可能とする中空糸膜モジュール及びその洗浄方法を提供することである。
本発明の一局面に係る中空糸膜モジュールは、外圧濾過式の中空糸膜モジュールであって、束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束と、前記中空糸膜束が収容される内部空間が形成されたハウジングと、前記内部空間に中空糸膜の洗浄用の気体を分散させる気体供給部と、を備える。前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有する。前記気体供給部には、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる上側気体供給部と、前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる下側気体供給部と、が設けられている。
本発明の他の局面に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法は、束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束がハウジングの内部空間に収容された構成の外圧濾過式の中空糸膜モジュールにおいて、充水された前記内部空間に気体を分散させて前記中空糸膜を洗浄する中空糸膜モジュールの洗浄方法である。前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有する。上記中空糸膜モジュールの洗浄方法は、前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する下側バブリング工程と、前記下側バブリング工程が実施された後、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する上側バブリング工程と、を備える。
本発明の実施形態1における濾過装置の構成を示す模式図である。 本発明の実施形態1における中空糸膜モジュールの構成を示す図である。 上記中空糸膜モジュールに備えられた散気部材の平面構造を示す図である。 図3中の線分IV−IVに沿った散気部材の断面構造を示す図である。 図2中の線分V−Vに沿った導水管の断面構造を示す図である。 図2中の領域VIにおける導水管の拡大図である。 上記濾過装置の基本的な運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態2における中空糸膜モジュールの構成を示す図である。 本発明の実施形態3における中空糸膜モジュールの構成を示す図である。 本発明の実施形態3における散気部材の構成を示す図である。 本発明の実施形態4における濾過装置の構成を示す図である。 本発明の実施形態4における中空糸膜モジュールの構成を示す図である。 本発明の実施形態5における中空糸膜モジュールの構成を示す図である。 本発明の実施形態5の変形例における導水管の構成を示す断面図である。 本発明の実施形態6における導水管の構成を示す断面図である。 本発明のその他実施形態における導水管の構成を示す図である。 本発明の実施形態7の中空糸膜モジュールの洗浄方法における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態7の中空糸膜モジュールの洗浄方法における向流バブリング工程を説明するための図である。 ハウジング内において液面が下がる様子を説明するための模式図である。 ハウジング内において液面が下がる様子を説明するための模式図である。 ハウジング内において液面が下がる様子を説明するための模式図である。 本発明の実施形態7の変形例における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態8の中空糸膜モジュールの洗浄方法における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態9の中空糸膜モジュールの洗浄方法における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態10の中空糸膜モジュールの洗浄方法における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態10の変形例における濾過装置の運転プログラムを示す図である。 本発明の実施形態10の変形例における濾過装置の運転プログラムを示す図である。
以下、図面に基づいて、本発明の実施形態につき詳細に説明する。
(実施形態1)
[濾過装置、中空糸膜モジュール]
まず、本発明の実施形態1に係る中空糸膜モジュール10を備えた濾過装置1の構成について、図1及び図2を参照して説明する。図1は、濾過装置1の構成を示す概略図である。図2は、中空糸膜モジュール10の構成を示す概略図である。
濾過装置1は、中空糸膜の外表面側に原液を供給し、内表面側から濾液を取り出す外圧濾過式の装置である。濾過装置1は、外圧濾過式の中空糸膜モジュール10と、送液ポンプ20と、エアーコンプレッサー30と、これらを接続する配管及び当該配管に設けられた開閉バルブと、制御装置40と、を有する。
図2に示すように、中空糸膜モジュール10は、複数の中空糸膜14が上端14Bにおいて固定部材3により束状に固定された中空糸膜束15と、中空糸膜束15が収容される内部空間S1が形成されたハウジング13と、ハウジング13内に原水を導入するための導水管(管部材)5と、ハウジング13内に供給された気体を分散させるための散気部材4と、を有する。
中空糸膜束15は、複数の中空糸膜14の上端14Bが開口した状態で固定部材3により固定され、下端14Aが1本ずつ固定されない状態で封止された片端フリータイプである。固定部材3は、複数の中空糸膜14の上端14Bを収束固定する。固定部材3は、中空糸膜14を濾過膜として機能させるため、ハウジング13内の空間を原水側の内部空間S1と濾液側の空間S2とに液密に仕切る。固定部材3には、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂などの熱硬化性樹脂が使用される。中空糸膜束15と固定部材3との接着方法としては、遠心接着法、静置接着法などがある。
中空糸膜14の素材としては、種々の材料を用いることができ、特に限定されない。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアクリロニトリル、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホン、酢酸セルロース、ポリビニルアルコール及びポリエーテルスルホンからなる群から選ばれる少なくとも1種類を含んでいるのが好ましく、膜強度や耐薬品性の観点でポリフッ化ビニリデン(PVDF)がより好ましい。
中空糸膜14は、親水化されていることが好ましい。中空糸膜14は、0.1重量%以上10重量%以下の親水性樹脂を含有することにより、親水化されている。親水性樹脂としては、ポリビニルピロリドン、セルロースエステル、エチレン−ビニルアルコール、ポリビニルアルコールなどの樹脂を用いることができるが、親水性が高いという観点からポリビニルアルコールが特に好ましい。
中空糸膜14は、アセタール化により高温の水に対して不溶性とされることが好ましい。アセタール化することにより、抽出処理時及び実際の使用時における親水性樹脂の過度の溶出を防ぐことができる。アセタール化は、アルデヒド化合物を含有する酸水溶液中で中空糸膜14を処理することにより行うことができる。アルデヒドとしては、ホルムアルデヒド、グリオキサール、グルタルアルデヒド、マロンジアルデヒド、ノナンジアールなどのアルデヒドを用いることができる。また酸としては、硫酸、塩酸、硝酸などの強酸を用いることが好ましい。
中空糸膜14は、純水透過速度が下記の式を満たすフッ化ビニリデン系樹脂多孔中空糸膜であることが好ましい。
(FLUXd/FLUXw)×100≧40.0
上記の式において、「FLUXd」は、乾燥中空糸膜の純水透過速度(L/m/hr/98kPa)を示し、「FLUXw」は、湿潤中空糸膜の純水透過速度(L/m/hr/98kPa)を示す。
中空糸膜モジュール10では、二次側から空気による加圧洗浄が行われる。ここで、中空糸膜14の純水透過速度が上記の式の範囲を満たさない場合には、膜が乾燥し、SS排出性が低下する場合がある。即ち、(FLUXd/FLUXw)×100が40より小さい場合には、繰り返し使用する間に中空糸膜14が乾燥してしまう。そして、乾燥した膜部分には水が透過しなくなるため濾過機能が失われ、一方で濾過機能を有する膜部分への負荷が大きくなり、排出性能が低下する傾向がある。
中空糸膜14は、膜間差圧0.1MPaにおける透水量が1000〜40000L/m/時であることが好ましく、1000〜30000L/m/時であることがより好ましく、1000〜20000L/m/時であることがさらに好ましい。透水量が少な過ぎると、透過性能が劣る傾向がある。一方で透水量が多過ぎると、分画特性が低下する傾向がある。よって、透水量を上記範囲内にすることで、透過性能及び分画特性により優れた中空糸膜14を得ることができる。
中空糸膜14の透水量は、以下のようにして測定することができる。まず、有効膜長さが20cmである中空糸膜14を20本束ねた中空糸膜モジュール10が作製される。この時、中空状の上端14Bが固定部材3に貫通し、一方で下端14Aの中空部がエポキシ系樹脂により封止される。この中空糸膜モジュール10を用いて、中空糸膜14の外周面側から純水が濾過され、上端14Bの内周面側から濾過水が得られる。この時、膜間差圧が0.1MPaになるように調整され、その時得られた透過性能を膜間差圧0.1MPaにおける中空糸膜14の透水量として測定することができる。
中空糸膜モジュール10は、外圧濾過式のものであり、膜分離処理の条件や要求される性能に応じて外圧全量濾過式又は外圧循環濾過式であってもよい。膜寿命の点では、濾過膜の表面洗浄を同時に行うことができる外圧循環濾過式が好ましく、設備の単純さ、設置コスト、運転コストの点では外圧全量濾過式が好ましい。
中空糸膜束15は、中空糸膜14の本数が多くなるに従いモジュール当たりの膜面積が高くなるため、濾過流量を高くして運転することができるが、一方で洗浄時における浮遊汚濁物質の排出効率が低下する。そのため、中空糸膜14の外径di(m)、中空糸膜14の本数n(本)及びハウジング13の断面積S(m)により計算される膜充填率100πndi/4S(%)が10〜60%であることが好ましく、20〜50%であることがより好ましい。
ハウジング13は、上面13A及び下面13Cと、これらを接続する側面13Bと、を有する筒形状からなる。ハウジング13は中空糸膜束15が収容される内部空間S1を有し、当該内部空間S1は中空糸膜14の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間S11と、中空糸膜14の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間S12と、に分けられる。
ハウジング13の上面13Aには、濾液を取り出すための濾液配管51が接続され、当該濾液配管51には濾液出口52及び濾液側気体入口53が設けられている。側面13Bにおいて固定部材3の直下には、内部空間S1内の気体を系外に排出するための気体抜き口11が設けられている。気体抜き口11は、上部空間S11の開口部である。側面13Bにおいて下面13Cの真上には、内部空間S1内の液体を系外に排出するためのドレン抜き口12が設けられている。下面13Cの中央近傍には、内部空間S1内に気体を供給するための散気用気体入口7が設けられている。
気体抜き口11には気体抜き配管61が接続され、これを介してハウジング13内の気体が系外に排出される。気体抜き配管61には気体排出口バルブ62が設けられ、これを開くことでハウジング13内から気体が抜かれる。また、ドレン抜き口12にはドレン配管41が接続され、これを介してハウジング13内の液体が外に排出される。ドレン配管41には原液排出口バルブ42が設けられ、これを開くことでハウジング13から液体が排出される。
ハウジング13の材質としては、SUS、変性PPE、ポリ塩化ビニル、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリオレフィン、ABS樹脂などが用いられる。ハウジング13の内面に固定部材3が接着固定されることにより、いわゆる一体型モジュールが構成されていてもよい。また、固定部材3の外周部にO−リングやパッキングなどが取り付けられ、固定部材3がハウジング13に対して着脱可能かつ液密に装着されていてもよい。この場合、固定部材3を取り外して中空糸膜束15を交換し、ハウジング13を繰り返し使用することができる。
導水管5は、ハウジング13の下面13C中央を貫通すると共に上面13Aに向かって延びる姿勢で配置され、上端が固定部材3に接続されている。導水管5は、下端側に原液入口9が設けられ、かつ側面に導水管用気体入口8が設けられている。導水管5によれば、原液入口9から導入された濾過前の原水のみをハウジング13内に供給することができ、また導水管用気体入口8から導入された気体のみをハウジング13内に供給することができ、また原水及び気体の両方をハウジング13内に供給することができる。
散気部材4は、散気用気体入口7からハウジング13内に供給された気体を、中空糸膜束15の径方向に広がるように分散させるための部材である。散気部材4は、下部空間S12よりも下側の位置に配置されており、中央部に導水管5が貫通している。導水管5及び散気部材4の詳細な構造については後述する。
送液ポンプ20は、原液導入配管21を介して導水管5の原液入口9に接続されている。原液導入配管21には、配管内における原液の流通及び遮断を切り替える原液導入バルブ22が設けられている。送液ポンプ20は、原液導入配管21を介して導水管5内に原液を供給する。
エアーコンプレッサー30は、第1気体導入配管31を介して濾液側気体入口53に接続され、第2気体導入配管32を介して散気用気体入口7に接続され、第3気体導入配管33を介して導水管用気体入口8に接続されている。第1気体導入配管31には配管内における気体の流通及び遮断を切り替える第1気体導入バルブ34が設けられ、第2及び第3気体導入配管32,33にも同様に第2及び第3気体導入バルブ35,36が設けられている。このように、本実施形態では、導水管5に対する気体供給手段としての第3気体導入配管33及び第3気体導入バルブ36と、散気部材4に対する気体供給手段としての第2気体導入配管32及び第2気体導入バルブ35と、が別々に設けられている。
制御装置40は、送液ポンプ20及びエアーコンプレッサー30の駆動を制御し、かつ各バルブの開閉動作を制御する。制御装置40は、例えばパーソナルコンピュータなどによって構成されている。制御装置40は、濾過プロセスにおいて順次実行される各工程(充水、濾過、逆洗、バブリング、排水など)のシーケンス情報が格納された記憶部と、当該シーケンス情報に従って各装置の駆動及びバルブの開閉を制御する制御部と、を有する。
[散気部材、導水管]
次に、散気部材4及び導水管5の詳細な構造について、図2〜図5を参照して説明する。図3は、散気部材4の平面構造を示している。図4は、図3中の線分IV−IVに沿った散気部材4の断面構造を示している。図5は、図2中の線分V−Vに沿った導水管5の断面構造を示している。上記中空糸膜モジュール10は、ハウジング13の内部空間S1に中空糸膜14の洗浄用の気体(例えば空気)を分散させる気体供給部2を有し、当該気体供給部2は、散気部材4と、導水管5と、を有する。
散気部材4は、中空糸膜14の下端14Aよりも下側に配置されている。散気部材4は、中空糸膜束15の径方向に広がった形状を有し、周縁部が中空糸膜束15よりも径方向外側に位置している。散気部材4には、ハウジング13内に気体を分散させるための複数の散気用通気孔43が径方向に間隔を空けて形成されている。
散気部材4は、中空糸膜束15の径方向に広がった形状を有し、複数の散気用通気孔43が形成された円板状の本体部44と、本体部44の周縁部に接続された周壁部47と、本体部44の下面に接続された円筒状の気体受け部45と、を有し、これらが一体に形成されている。
散気用通気孔43は、本体部44を厚み方向に貫通するように形成されている。散気用通気孔43は、本体部44の径方向及び周方向に互いに間隔を空けて形成されており、その一部は中空糸膜束15よりも径方向外側に位置している。これにより、中空糸膜束15に対して径方向に広い範囲で気体を分散させることができる。また本体部44には、導水管5が貫通する貫通孔44Aが中央に形成されている。なお、本体部44は、図3に示すような円板状のものに限定されず、種々の形状のものであってもよい。
気体受け部45は、散気用気体入口7からハウジング13内に供給された気体を一時的に収容するための部分である。気体受け部45は、筒形状を有し、上端(一方端)が本体部44の下面に接続されると共に、下端(他方端)側に気体の受け口45Aが形成されている。本実施形態では、気体受け部45は、上端から下端に向かって内径が略一定となるように構成されている。気体受け部45は、導水管5の外径よりも内径が大きく、導水管5の外周面との間の隙間において気体を収容する。
気体受け部45は、散気用気体入口7よりも径方向外側に位置し、これにより散気用気体入口7からハウジング13内に供給された気体を筒内に収容することができる。また図2に示すように、気体受け部45の下端とハウジング13の下壁との間には隙間が形成されており、ハウジング13内の液体が当該隙間を流通することができる。これにより、ハウジング13の下部における液溜まりを防ぐことができる。
気体受け部45の上端側の部位には、複数の分散孔46が周方向に間隔を空けて形成されている。分散孔46は、気体受け部45を貫通するように形成されている。分散孔46により、気体受け部45に収容された気体を当該気体受け部45よりも径方向外側へ逃がし、散気用通気孔43へ導くことができる。分散孔46は、周方向に等間隔で形成されていてもよいし、異なる間隔で形成されていてもよい。
周壁部47は、本体部44の周縁部から下方に延びる筒形状を有する。周壁部47により、分散孔46から気体受け部45の外側に放出された気体が、本体部44よりも外側に広がることを抑制できる。これにより、散気用通気孔43から気体が分散される前において、本体部44の下面に気体を留めることができる。
散気部材4によれば、バブリング工程において、散気用気体入口7からハウジング13内に供給された気体を気体受け部45により一時的に収容した後、分散孔46から外側へ逃がし、その後散気用通気孔43から下部空間S12に分散させることができる。つまり、本実施形態では、散気用通気孔43が、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させる下側気体供給部として機能する。
導水管5は、中空糸膜束15の中心を上下方向に延びるように配置されている。導水管5は、円筒形状からなるが、特に限定されない。導水管5は、図2に示すように、散気部材4(本体部44)を貫通し、下端が任意のシール部材(図示しない)を介して原液導入配管21(図1)に固定されている。また導水管5の固定方法はこれに限られず、本体部44の上面よりも上方に突出する別配管が設けられ、当該突出部分が導水管5の内側に位置するように導水管5が本体部44の上面に載せられてもよい。
導水管5において本体部44の上面よりも上側に突出した部位には、長手方向全体に亘って複数の管用通気孔54が間隔を空けて形成されている。より具体的には、導水管5において上部空間S11に位置する部位に複数の管用通気孔54が互いに間隔を空けて形成され、下部空間S12に位置する部位にも複数の管用通気孔54が互いに間隔を空けて形成されている。これらの管用通気孔54によって、バブリング用の気体をハウジング13内に供給することができ、また中空糸膜14により濾過される原水をハウジング13内に供給することができる。なお、管用通気孔54は、長手方向に等間隔で形成されていてもよいし、異なる間隔で形成されていてもよい。また管用通気孔54は、円形状からなるが、特に限定されない。
複数の管用通気孔54は、導水管5の長手方向においてそれぞれ同じ大きさで形成されている。管用通気孔54の内径は、バブリングの効果を高めるために30mm以下に設計されることが好ましい。また管用通気孔54の内径は、通水時の圧力損失を小さくするため、各孔からの原水の吐出流速の合計が4m/s以下となるように設計されることが好ましく、3m/s以下となるように設計されることがより好ましい。
図2に示すように、導水管5の最上部に形成された管用通気孔54Aは気体抜き口11の下面11Aよりも上側に位置しており、上から2番目の管用通気孔54Bは当該下面11Aよりも下側に位置している。つまり、導水管5には、気体抜き口11の下面11Aを上下方向に挟む位置に管用通気孔54A,54Bが形成されている。
図5に示すように、管用通気孔54は、導水管5の周方向において等間隔に4つ形成されている。本実施形態では、上部空間S11に位置する部位及び下部空間S12に位置する部位のいずれにおいても管用通気孔54が90°間隔で4つ形成されているが、その数や周方向の間隔は特に限定されない。また後述する他の実施形態のように、上部空間S11に位置する部位と下部空間S12に位置する部位とで管用通気孔54の数や周方向の間隔が互いに異なっていてもよい。
図6は、図2中の領域VIにおける導水管5の拡大図である。導水管5における管用通気孔54の開孔率は、以下のように定義できる。図6の斜線部に示すように、最上部の管用通気孔54Aの中間高さ位置からその下の管用通気孔54Bの中間高さ位置までの範囲における導水管5の外周面の面積をS1とし、当該範囲の外周面に形成された全ての管用通気孔54A,54Bの合計の開孔面積をS2としたときに、管用通気孔の開孔率は、S2/S1×100、として定義できる。本実施形態では、当該開孔率が1%以上20%以下に設計されることが好ましい。
導水管5によれば、管用通気孔54からハウジング13内に原水を供給できると共に、導水管用気体入口8から導入された気体を浮力により上昇させ、上部空間S11に位置する管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に分散させることができる。つまり、本実施形態では、管用通気孔54A,54Bが、当該上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させる上側気体供給部として機能する。
ハウジング13内に挿入された導水管5の長さは、中空糸膜モジュール10を嵩張らせないようにするため、中空糸膜14の長さの1〜2倍であることが好ましく、1〜1.5倍であることがより好ましい。
導水管5の内径は、通水時の圧力損失を小さくするため、通水時の流束が4m/s以下となるように設計されることが好ましく、3m/s以下となるように設計されることがより好ましい。
[中空糸膜モジュールの洗浄方法]
次に、上記濾過装置1による濾過運転、及び当該運転中に実施される本実施形態に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法について、図7を参照して説明する。図7には、図1に示す濾過装置1の基本的な運転方法について、各工程とバルブの開閉状態との関係が示されている。図7中の丸印は、該当するバルブが開いていることを意味する。
はじめに、充水工程(濾過前)が実施される。この工程では、濾過装置1の全バルブが閉じた状態から制御装置40によって原液導入バルブ22及び気体排出口バルブ62が開かれ、送液ポンプ20が作動する。これにより、送液ポンプ20から原液導入配管21を介して導水管5内に原液が導入され、管用通気孔54からハウジング13内に原水が供給される。これにより、ハウジング13の内部空間S1が充水される。
次に、濾過工程が実施される。この工程では、気体抜き口11から原液が溢れた後、制御装置40によって濾液出口バルブ71が開かれ、かつ気体排出口バルブ62が閉じられる。そして、内部空間S1に満たされた原水が中空糸膜14の外表面側から壁面を通過して内表面側へ浸透し、濾液側の空間S2から濾液として取り出される。
濾過時間の経過に伴って中空糸膜14の外表面には原水中の浮遊汚濁物質が付着し、これにより濾過能力が低下する。そのため、一定時間濾過が実施された後、以下に説明する本実施形態に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法を実施することにより、中空糸膜14の膜表面が洗浄される。
まず、逆洗工程が実施される。この工程では、制御装置40によって原液排出口バルブ42及び第1気体導入バルブ34が開かれ、エアーコンプレッサー30を作動させる。これにより、濾液側気体入口53からハウジング13の濾液側の空間S2に気体(例えば空気)が導入され、当該気体によって濾液が加圧される。濾液は、中空糸膜14の内表面側から外表面側に押し出され、その結果内部空間S1の液体の一部がドレン抜き口12から系外に排出される。このようにして、中空糸膜14の逆洗が行われる。その後、濾液側圧抜きバルブ81を開くことにより、濾液側の空間S2の圧力を低下させる。
次に、充水工程(下側バブリング前)が実施される。この工程では、上記逆洗工程において低下した内部空間S1内の液面を上昇させるため、制御装置40によって気体排出口バルブ62及び原液導入バルブ22が開かれ、送液ポンプ20を作動させる。これにより、内部空間S1内に液体が導入され、液面が上昇する。その後、送液ポンプ20を停止させ、原液導入バルブ22が閉じられ、液体の供給が停止される。
次に、下側バブリング工程が実施される。この工程では、内部空間S1が充水された状態において、制御装置40によって第2気体導入バルブ35が開かれ、エアーコンプレッサー30が作動する。これにより、第2気体導入配管32を介して散気用気体入口7からハウジング13内に気体が供給される。そして、当該気体は、気体受け部45に収容された後、散気用通気孔43から下部空間S12へ分散される。そして、中空糸膜14の下端14Aから上部空間S11まで上昇する気体によって中空糸膜14が揺らされ、その作用で膜表面に付着した浮遊汚濁物質が剥がれ落とされる。このように、下側バブリング工程では、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させ、当該気体を上部空間S11まで上昇させることにより、下部空間S12及び上部空間S11の下側部分に位置する中空糸膜14が洗浄される。
次に、排水工程が実施される。この工程では、制御装置40によって第2気体導入バルブ35が閉じられると共に原液排出口バルブ42が開かれる。これにより、下側バブリング工程で膜表面から剥がれた浮遊汚濁物質を含む液体がドレン抜き口12を介して系外に排出される。
次に、充水工程(上側バブリング前)が実施される。この工程では、気体排出口バルブ62及び原液導入バルブ22が開かれ、送液ポンプ20を作動させることにより、再び内部空間S1に液体が満たされる。
次に、上側バブリング工程が実施される。この工程は、下側バブリング工程において洗浄が不十分であった中空糸膜14の上端14Bにおいて、膜表面に付着した浮遊汚濁物質をより確実に除去する目的で実施される。
まず、制御装置40によって原液導入バルブ22が閉じられると共に第3気体導入バルブ36が開かれる。これにより、第3気体導入配管33を介して導水管用気体入口8から導水管5内に気体が導入される。そして、当該気体は、管内において浮力により上昇し、上部空間S11に位置する管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に分散される。これにより、中空糸膜14の上端14B近傍を中心にバブリング洗浄することができ、下側バブリング工程では十分に除去できなった上端14B周辺の膜表面に付着した浮遊汚濁物質をより確実に除去することができる。このように、上側バブリング工程では、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させることにより、中空糸膜14が洗浄される。
また上側バブリング工程において、バブリング開始直後においては内部空間S1全体が充水されているため、最上部の管用通気孔54A及びその下の管用通気孔54Bから吐出される気体によってバブリング洗浄することができる。そして、バブリング開始から一定時間経過すると、気体抜き口11から気体を含んだ液体が排出され、内部空間S1の液面が下面11Aまで低下する。この状態においても、導水管5に供給される気体の浮力によって導水管5内の水を抜き口11の下面11Aよりも上側の管用通気孔54Aから気体と共に噴出させ、ハウジング13内の水を抜き口11の下面11Aよりも下側の管用通気孔54Bから導水管5内に流入させることができる。これにより、液体と気体の混合流体を抜き口11の下面11Aよりも上側の管用通気孔54Aから継続的に噴出させてバブリングすることができるため、中空糸膜14の上端14Bまで効果的に洗浄することができる。
次に、排水工程が実施される。この工程では、第3気体導入バルブ36が閉じられると共に原液排出口バルブ42が開かれる。これにより、上側バブリング工程で膜表面から剥がれた浮遊汚濁物質を含む液体がドレン抜き口12から系外に排出される。以上のようにして中空糸膜モジュール10の洗浄が行われた後、濾過運転が再開される。
上側及び下側バブリング工程のいずれにおいても、気体の供給量は20000NL/h以下であることが好ましく、500〜10000NL/hの範囲内であることが好ましい。また下側バブリング工程では、気体の供給量が過剰になると中空糸膜14同士が絡まり合って膜表面が傷付いてしまうのに対し、上側バブリング工程ではこのような問題が生じ難い。そのため、上側バブリング工程では、下側バブリング工程よりも気体の供給量を高く設定することができる。
[作用効果]
次に、上記本実施形態に係る中空糸膜モジュール10及びその洗浄方法の特徴及び作用効果について説明する。
中空糸膜モジュール10は、中空糸膜束15と、中空糸膜束15が収容される内部空間S1が形成されたハウジング13と、内部空間S1に中空糸膜洗浄用の気体を分散させる気体供給部2と、を備える。気体供給部2には、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させる上側気体供給部としての管用通気孔54A,54Bと、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させる下側気体供給部としての散気用通気孔43と、が設けられている。
上記中空糸膜モジュール10によれば、内部空間S1が充水された状態で散気用通気孔43から気体を分散させ、当該気体が中空糸膜14の下端14Aから上昇して中空糸膜14が振動することにより、膜表面に付着した浮遊汚濁物質を剥がれ落とすことができる。また散気用通気孔43からだけではなく、管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に気体を分散させることができる。そのため、散気用通気孔43から気体を分散させた場合に行き渡り難い中空糸膜14の上端14Bにまで気体を行き渡らせることができる。これにより、当該上端14Bにおいても膜表面に付着した浮遊汚濁物質の除去効果を高めることができる。従って、上記中空糸膜モジュール10によれば、バブリング工程において中空糸膜14全体を洗浄することができる。
上記気体供給部2は、中空糸膜束15の径方向に広がった形状を有し、複数の散気用通気孔43が形成された散気部材4と、中空糸膜束15の内側を上下方向に延びるように配置され、上部空間S11に位置する部位に複数の管用通気孔54A,54Bが形成された導水管5と、を含む。
これにより、中空糸膜14の下端14A側において、中空糸膜束15の径方向に広がるように気体を分散させてバブリング洗浄することができる。また中空糸膜14の上端14B側においては、管用通気孔54A,54Bによって中空糸膜束15の内側から外側に向けて気体を分散させてバブリング洗浄することができる。
上記管用通気孔54は、上部空間S11及び下部空間S12に位置する部位に形成されている。また上記中空糸膜モジュール10は、中空糸膜14により濾過される原水が、上部空間S11及び下部空間S12に位置する管用通気孔54を通ってハウジング13内に供給されるように構成されている。
これにより、導水管5に供給される気体の浮力によって導水管5内の水を上部空間S11に位置する管用通気孔54から気体と共に噴出させ、続いてハウジング13内の水を下部空間S12に位置する管用通気孔54から導水管5内に流入させることができる。これにより、液体と気体の混合流体を上部空間S11に位置する管用通気孔54から継続的に噴出させてバブリングすることができる。
上記中空糸膜モジュール10では、導水管5と散気部材4とに対して各々異なる気体供給手段が設けられている。これにより、上側及び下側バブリング工程を実施する際に、導水管5及び散気部材4の各々に対する気体の供給量などの条件を容易に調整することができる。
上記ハウジング13には、内部空間S1内の気体及び液体を系外へ排出するための抜き口11が設けられている。管用通気孔54Aは当該抜き口11の下面11Aの上側に形成され、かつ管用通気孔54Bは当該抜き口11の下面11Aの下側に形成されている。
これにより、上側バブリング工程の開始直後で内部空間S1全体が充水された状態において、管用通気孔54A,54Bから分散される気体によってバブリング洗浄することができる。そして、バブリング開始から一定時間経過して抜き口11から気体を含む液体が排出され、内部空間S1の液面位置が抜き口11の下面11Aの高さ位置まで下がった状態でも、導水管5に供給される気体の浮力によって導水管5内の水を抜き口11の下面11Aよりも上側の管用通気孔54Aから気体と共に噴出させ、ハウジング13内の水を抜き口11の下面11Aよりも下側の管用通気孔54Bから導水管5内に流入させることができる。これにより、液体と気体の混合流体を気体抜き口11の下面11Aよりも上側の管用通気孔54Aから継続的に噴出させてバブリングすることができるため、中空糸膜14の上端14Bまで効果的に洗浄することができる。
上記中空糸膜束15は、中空糸膜14の上端14Bが固定されると共に、下端14Aにおいて中空糸膜14が一本ずつ固定されない片端フリータイプである。これにより、バブリング工程において中空糸膜14を容易に振動させることが可能となり、膜表面の洗浄効果をより向上させることができる。
上記中空糸膜モジュールの洗浄方法は、充水された内部空間S1に気体を分散させて中空糸膜14を洗浄する方法であって、下側バブリング工程と、当該下側バブリング工程の後に実施される上側バブリング工程と、を備える。下側バブリング工程では、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させることにより中空糸膜14が洗浄される。上側バブリング工程では、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させることにより中空糸膜14が洗浄される。
上記中空糸膜モジュールの洗浄方法では、まず下側バブリング工程において、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させ、当該気体が中空糸膜14の下端14Aから上昇して中空糸膜14を振動させることにより、膜表面に付着した浮遊汚濁物質を剥がれ落とすことができる。その後、上側バブリング工程において、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させることにより、下側バブリング工程では洗浄が不十分な中空糸膜14の上端14Bにおいても確実に膜表面を洗浄することができる。
また上側バブリング工程の後に下側バブリング工程を行った場合には、上側バブリング工程において中空糸膜14の上端14Bが洗浄された後、下側バブリング工程において膜表面から除去された浮遊汚濁物質が上昇し、当該上端14Bに再付着してしまう。これに対して、下側バブリング工程後に上側バブリング工程を行うことにより、中空糸膜14の上端14Bへの浮遊汚濁物質の再付着を防ぎ、中空糸膜14全体を洗浄することができる。
(実施形態2)
次に、本発明の実施形態2に係る中空糸膜モジュール10Aの構造について、図8を参照して説明する。実施形態2に係る中空糸膜モジュール10Aは、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、導水管5に形成される管用通気孔54の数及び位置が上記実施形態1と異なっている。
図8に示すように、導水管5において上部空間S11に位置する部位にのみ複数の管用通気孔54が間隔を空けて形成されており、下部空間S12に位置する部位には管用通気孔が形成されていない。つまり、導水管5の下部空間S12に位置する部位は、切れ目のない閉じた外周面を有する。この実施形態によれば、上記実施形態1のように上部空間S11及び下部空間S12の両方に位置する部位に管用通気孔54が形成される場合に比べて、導水管5の加工に要する手間をより少なくすることができる。
(実施形態3)
次に、本発明の実施形態3に係る中空糸膜モジュール10Bの構造について、図9及び図10を参照して説明する。実施形態3に係る中空糸膜モジュール10Bは、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、散気部材の形状が上記実施形態1と異なっている。
図9及び図10に示すように、散気部材4Bは、散気用通気孔43が形成された円板状の本体部44と、本体部44の下面に接続される気体受け部45Bと、本体部44の周縁部に接続された周壁部47と、が一体に構成されている。この実施形態では、気体受け部45Bは、本体部44の下面に接続される上端から気体受け口45Aが形成された下端に向かって内径が徐々に広がるフレア状に形成されている。図10の断面視において、気体受け部45Bの筒壁は、本体部44の下面に対して鋭角を成しており、その角度は特に限定されない。
この実施形態では、散気用気体入口7からハウジング13内に供給された気体が気体受け部45Bよりも外側へ逃げ難く、気体受け部45B内に取り込み易くなる。そのため、上記実施形態1のように気体受け部45を内径が一定の円筒形状に構成した場合に比べて、下側バブリング工程をより効率的に行うことができる。なお、この実施形態でも、導水管5の下部空間S12に位置する部位において管用通気孔54が省略されてもよい。
(実施形態4)
次に、本発明の実施形態4に係る中空糸膜モジュール10Cの構造について、図11及び図12を参照して説明する。実施形態4に係る中空糸膜モジュール10Cは、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、導水管5と散気部材4とに対して共通の気体供給手段が設けられている点で上記実施形態1と異なっている。
図12に示すように、ハウジング13の下面13Cは散気用気体入口7(図2)が形成されずに閉じている。導水管5の内側領域には、仕切部55が設けられている。仕切部55は、複数の貫通孔が形成された板体であり、導水管5において気体受け部45により取り囲まれた部位に配置されている。また導水管5において仕切部55よりも下側でかつ気体受け部45により取り囲まれた部位には、管壁を貫通する通気孔5Aが形成されている。また図11に示すように、濾過装置1Cにおいては、中空糸膜モジュール10Cの原液側空間への気体供給手段として第3気体導入配管33及び第3気体導入バルブ36のみが設けられており、第2気体導入配管32及び第2気体導入バルブ35(図1)は省略されている。
この実施形態では、導水管用気体入口8から導水管5内に導入された気体は、浮力によって上昇して仕切部55の貫通孔を通過し、上部空間S11に位置する管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に放出される。また一部の気体は、上昇途中において仕切部55により堰き止められ、通気孔5Aから管外へ放出される。そして、放出された気体は、気体受け部45内に収容された後、散気用通気孔43を通って下部空間S12に分散される。このように、実施形態4では、導水管5及び散気部材4に対する共通の気体供給手段として第3気体導入配管33及び第3気体導入バルブ36を用いることにより、上記実施形態1のように別々の気体供給手段を設ける場合に比べて設備を簡略化することができ、装置コストを低減することができる。なお、この実施形態でも、導水管5の下部空間S12に位置する部位において管用通気孔54が省略されてもよい。
(実施形態5)
次に、本発明の実施形態5に係る中空糸膜モジュール10Dの構造について、図13を参照して説明する。実施形態5に係る中空糸膜モジュール10Dは、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、散気部材4が省略されている点で上記実施形態1と異なっている。
図13に示すように、導水管5においてハウジング13内に挿入された部位には、複数の管用通気孔54が長手方向に間隔を空けて形成されている。導水管5の内側領域には、板状の仕切部55が設けられている。この仕切部55によって、導水管5の管内空間は、下部空間S12よりも下側に位置する下側管内空間P2と、当該下側管内空間S12よりも上側に位置する上側管内空間P1と、に仕切られている。仕切部55は、導水管5の内側領域を塞いでいるため、上側管内空間P1と下側管内空間P2とは互いに連通しない別の空間として隔離されている。
導水管用気体入口8には、下側管内空間P2に気体を供給するための気体供給手段として、図1に示す第3気体導入配管33及び第3気体導入バルブ36が設けられている。また上側管内空間P1に面する部位には、上側管内空間P1に気体を供給するための気体供給手段として、図1に示す第2気体導入配管32及び第2気体導入バルブ35が設けられている。このように、実施形態5では、上側管内空間P1及び下側管内空間P2の各々に対して気体を供給するための気体供給手段が設けられている。
導水管用気体入口8から導水管5内に導入された気体は、下側管内空間P2に面する部位に形成された管用通気孔54Cからハウジング13内に分散される。つまり、当該管用通気孔54Cは、下部空間S12よりも下側の位置でハウジング13内に気体を分散させる下側気体供給部として機能する。一方、第2気体導入配管32から上側管内空間P1に導入された気体は、浮力により上昇し、管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に分散される。管用通気孔54A,54Bは、上側管内空間P1に面し、かつ上部空間S11に位置する部位に形成されており、上部空間S11の位置でハウジング13内に気体を分散させる上側気体供給部として機能する。
この実施形態では、導水管5の管内空間を仕切部55によって上側管内空間P1と下側管内空間P2とに分離し、各管内空間P1,P2に対して気体供給できるようにすることで、散気部材4を用いることなく導水管5のみによって中空糸膜14全体をバブリング洗浄することができる。そのため、導水管5及び散気部材4の両方を備える場合に比べて設備をより簡略化することができ、コスト削減を図ることができる。
また仕切部55は、導水管5の内側領域を完全に塞ぐものに限定されず、図14に示すように複数の貫通孔55Bが形成されたものであってもよい。この場合、導水管用気体入口8から導水管5に導入された気体は、その一部が仕切部55の板体部55Aにより堰き止められて管用通気孔54Cからハウジング13内に分散され、残りが貫通孔55Bを通って上側管内空間P1に流入し、管用通気孔54A,54Bからハウジング13内に分散される。そのため、上側管内空間P1及び下側管内空間P2の各々に対して別々の気体供給手段を設ける必要がなく、第2気体導入配管32及び第2気体導入バルブ35(図1)を省略することができる。またこの場合、仕切部55より上側において下部空間S12に位置する管用通気孔54を省略することもできる。
(実施形態6)
次に、本発明の実施形態6について、図15を参照して説明する。実施形態6に係る中空糸膜モジュールは、基本的に上記実施形態1の場合と同様の構成を備え、かつ同様の効果を奏するが、導水管5において上部空間S11に位置する部位と下部空間S12に位置する部位とで管用通気孔54の数及び周方向の間隔が異なっている。
図15は、最上部に形成された管用通気孔54A又はその下の管用通気孔54Bを含む導水管5の断面構造を示している。図15に示すように、管用通気孔54A,54Bは周方向において等間隔で(45°間隔で)8つ形成されている。一方で、その他の管用通気孔54は、上記実施形態1と同様に周方向において等間隔で(90°間隔で)4つ形成されている。このように、実施形態6では、管用通気孔54は、周方向において上部空間S11に位置する部位に下部空間S12に位置する部位よりも多数形成されている。これにより、中空糸膜14の上端14B側において周方向の全体に亘ってバブリング洗浄の効果を向上させることができる。
(その他実施形態)
導水管5において長手方向に隣り合う管用通気孔54A,54Bは、当該長手方向から見たときの周方向の位置が互いに異なるように形成されてもよい。具体的には、図16に示すように、隣り合う管用通気孔54A,54Bは、長手方向から見たときの周方向の位置が互いに45°ずれていてもよい。これにより、ハウジング13の内部空間S1に対して原水及び気体を周方向により均一に供給することができる。
上記実施形態では片端フリータイプの中空糸膜束15が用いられる場合についてのみ説明したが、両端固定タイプのものが用いられてもよい。
(実施形態7)
次に、本発明の実施形態7に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法について説明する。実施形態7に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、上記実施形態1で説明した通り、充水工程、濾過工程、逆洗工程、下側バブリング工程及び上側バブリング工程が順次実施されるが、下側バブリング工程において向流バブリングを実施する点で上記実施形態1と異なっている。
実施形態7では、図17に示すように、下側バブリング工程において制御装置40により原液排出口バルブ42が開かれる。上記実施形態1では下側バブリング工程において原液排出口バルブ42が閉じられていたが(図7)、当該原液排出口バルブ42を開くことにより、内部空間S1内の原水がドレン抜き口12に向かって流れる。これにより、図18に示すように、内部空間S1において中空糸膜14の長手方向に沿って原水が上側から下側に流れる下向き水流92が発生する。
なお、気体排出口バルブ62は開状態であるが、下向きの水流92を形成するため、ドレン抜き口12からの排水量が気体抜き口11からの排水量よりも多くなるようにバルブ開度を調整する必要がある。具体的には、原液排出口バルブ42の開度を気体排出口バルブ62の開度よりも大きくする必要がある。
このようにしてハウジング13内に下向きの水流92を発生させる一方、制御装置40によって第2気体導入バルブ35を開くと共にエアーコンプレッサー30を作動させる。これにより、第2気体導入配管32を介して散気用気体入口7からハウジング13内に空気が供給される。そして、当該空気は、気体受け部45に収容された後、散気用通気孔43から下部空間S12へ分散される。これにより、図18に示すように、内部空間S1において中空糸膜14の長手方向に沿って水流92に対して反対向き(上向き)の気泡流91が発生する。
この時、水流92と気泡流91とが衝突することによって強いせん断力が発生する(向流バブリング)。このせん断力は、ハウジング13内の気液界面において最も大きくなる。本実施形態に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、この強いせん断力によって中空糸膜14の外表面を効果的に洗浄することができ、これによって上記濾過工程において中空糸膜14の外表面に付着した懸濁物質を効率的に除去することができる。
このように、本実施形態に係る中空糸膜モジュールは、内部空間S1において中空糸膜14の長手方向に沿って原水の水流92を発生させると共に、内部空間S1において中空糸膜14の長手方向に沿って水流92に対して反対向きの気泡流91を発生させる向流バブリング手段を有する。向流バブリング手段は、水流92を発生させる水流発生手段と、気泡流91を発生させる気泡流発生手段と、を含む。水流発生手段は、中空糸膜14の長手方向の中央よりも下側において内部空間S1から原水を排出するドレン抜き口12(排出部)を有する。気泡流発生手段は、中空糸膜14の長手方向の中央よりも下側の位置において内部空間S1に空気を分散させる散気部材4を有する。
次に、図19〜図21に示すように、ハウジング13の内部空間S1における原水の液面93を中空糸膜14の長手方向に沿って下向きに移動させ、これによって中空糸膜14の外表面をさらに効果的に洗浄することができる。具体的には、制御装置40によって気体排出口バルブ62を閉じた状態で第2気体導入配管32からハウジング13内に空気を供給し続ける。そうすると、内部空間S1の上部に満たされる空気量が次第に増加し、これに伴ってドレン抜き口12からの排水量が増加する。この過程において、図19〜図21に順に示すように、内部空間S1における液面93が下側に向かって徐々に移動する。液面93は最もせん断力が大きくなる部分であり、洗浄効果に優れる。このため、液面93を中空糸膜14の長手方向に沿って徐々に下げることにより、中空糸膜14を長手方向の広い範囲に亘って効率的に洗浄することができる。
また上述のように液面93を一旦下げた後、再び液面93を上げてもよい。具体的には、送液ポンプ20の動力や原液導入バルブ22及び原液排出口バルブ42の開度を調整してハウジング13への給水量を排水量よりも多くすることにより、液面93を上向きに移動させてもよい。またこのような液面93の上下移動を複数回繰り返し行ってもよい。これにより、中空糸膜14の洗浄効果を一層高めることができる。
またこの工程において、第2気体導入配管32からハウジング13内に供給する空気の流量(バブリング流量)は、強いせん断力を発生させるという観点で3Nm/h以上20Nm/h以下に設定されることが好ましく、エアーコンプレッサー30の容量などの観点で5Nm/hに設定されることが好ましい。
次に、排水工程が実施されてもよい。なお、上述のような液面93の上昇が行われない場合には、向流バブリングと同時に、中空糸膜14の外表面から剥がれた懸濁物質を含む液体がドレン抜き口12を介して系外に排出される。このように懸濁物質を含む液体が向流バブリング時に既に排出されている場合には、排水工程は不要である。
排水工程を実施する場合には、制御装置40によって第2気体導入バルブ35が閉じられると共に原液排出口バルブ42が開かれる。これにより、上記向流バブリング工程において中空糸膜14の外表面から剥がれた懸濁物質を含む液体が、ドレン抜き口12を介して系外に排出される。
また図22に示すように、向流バブリング工程において気体排出口バルブ62が閉じられてもよい。これにより、向流バブリング中においてハウジング13内の水が気体抜き口11から排出されなくなるため、ドレン抜き口12からの排水量が増加し、ハウジング13内において下向きの水流92がより形成され易くなる。
(実施形態8)
次に、本発明の実施形態8に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法について説明する。実施形態8に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、上記実施形態1で説明した通り、充水工程、濾過工程、逆洗工程、下側バブリング工程及び上側バブリング工程が順次実施されるが、上側バブリング工程において気液洗浄を実施する点で上記実施形態1と異なっている。
図23に示すように、実施形態8では、上記実施形態1のように制御装置40によって気体排出口バルブ62及び第3気体導入バルブ36を開いて上側バブリングを行うと共に、さらに制御装置40によって送液ポンプ20を動作させ且つ原液導入バルブ22を開く。これにより、原液導入配管21を介して導水管5内に原水が供給されると共に第3気体導入配管33を介して導水管5内に空気が供給され、導水管5内に原水と空気の混合体が生成する。そして、導水管5の複数の管用通気孔54(上部空間S11に位置する孔)からハウジング13の上部空間S11に向けて原水及び空気が同時に噴出される(気液洗浄)。
これにより、噴出された気液混合体によって上部空間S11において強いせん断力が発生し、当該せん断力によって中空糸膜14の上端14B側の部分を効果的に洗浄することができる。この時、上部空間S11に対して原水と空気を均一に噴出することが、モジュール内の均一な洗浄という観点から好ましい。なお、洗浄中においては、気体抜き口11からモジュールの系外に空気が排出されると共に、ドレン抜き口12からモジュールの系外に原水が排水される。
このように、本実施形態に係る中空糸膜モジュールは、導水管5内に原水及び気体を同時に供給するための気液供給手段を備えている。気液供給手段は、原液導入配管21と、送液ポンプ20と、原液導入バルブ22と、エアーコンプレッサー30と、第3気体導入配管33と、第3気体導入バルブ36と、制御装置40と、により構成されている。制御装置40により、送液ポンプ20及びエアーコンプレッサー30を同時に作動させると共に、原液導入バルブ22及び第3気体導入バルブ36を同時に開くことができる。これにより、送液ポンプ20によって原液導入配管21を介して導水管5内に原水を供給すると同時に、エアーコンプレッサー30により第3気体導入配管33を介して導水管5内に気体を供給することができる。そして、導水管5の管用通気孔54から原水と空気を同時に噴出することができる。
その後、排水工程が実施される。この工程では、上記実施形態1と同様に、気体排出口バルブ62及び原液排出口バルブ42が開かれる。そして、上記気液洗浄工程において中空糸膜14の表面から剥がれた浮遊汚濁物質を含む水がドレン抜き口12を介して系外に排出される。
(実施形態9)
次に、本発明の実施形態9に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法について説明する。実施形態9に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、上記実施形態1で説明した通り、充水工程、濾過工程、逆洗工程、下側バブリング工程及び上側バブリング工程が順に実施された後、シャワー洗浄工程がさらに実施される。
図24に示すように、シャワー洗浄工程では、制御装置40は、送液ポンプ20を駆動するとともに、原液導入バルブ22を開放し、また気体排出口バルブ62を開放する制御を行う。このとき、原液排出口バルブ42は開放された状態に維持される。これにより、ハウジング13の内部空間S1内が空気で満たされている状態となっている。この状態において、送液ポンプ20から原液導入配管21を通して導水管5に原水が供給される。導水管5内を流れる原水は、導水管5の管用通気孔54を通して中空糸膜束15に向かって噴出される。即ち、送液ポンプ20と、原液導入配管21と、導水管5と、ドレン抜き口12とは、水が抜かれた状態で、水供給源から供給された水を複数の管用通気孔54から内部空間S1内に噴出させるシャワー洗浄手段を構成している。
シャワー洗浄工程では、中空糸膜束15に直接的に水流を当てることにより、中空糸膜束15に強いせん断力を発生させることができる。これにより、中空糸膜束15の洗浄効果を高めることができる。また、中空糸膜束15に当たった水は重力によって膜表面を流れ落ちるため、流れ落ちる水のせん断力によっても中空糸膜束15を効率よく洗浄することができる。中空糸膜束15に沿って流れ落ちた水は、ハウジング13下部のドレン抜き口12から外部に排出される。
(実施形態10)
次に、本発明の実施形態10に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法について説明する。実施形態10に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、上記実施形態1で説明した通り、充水工程、濾過工程、逆洗工程、下側バブリング工程及び上側バブリング工程が順次実施されるが、下側バブリング工程及び上側バブリング工程において間欠バブリングを実施する点で上記実施形態1と異なっている。本実施形態では、下側バブリング工程及び上側バブリング工程の両方において間欠バブリングを実施する場合について説明する。
はじめに、下側バブリング工程において実施される間欠バブリングについて説明する。まず、制御装置40によって第2気体導入バルブ35及び気体排出口バルブ62を開き、エアーコンプレッサー30を作動させる(下側間欠バブリング(ON))。これにより、第2気体導入配管32を介して散気用気体入口7からハウジング13の充水された内部空間S1に空気が供給される。そして、当該空気は、気体受け部45に収容された後、散気用通気孔43から下部空間S12へ分散される。これにより、内部空間S1において中空糸膜14の長手方向に沿って上向きの気泡流91が発生する。このようにして、ハウジング13内に空気(気体)が予め定められた時間供給される。
この時、内部空間S1に供給された気体による浮力に起因して、中空糸膜束15(エレメント)の膨みが生じる。そして、気体の供給時間が長くなるに従って中空糸膜束15の膨らみが大きくなり、中空糸膜束15とハウジング13の内壁との間の隙間が小さくなる。その結果、内部空間S1に供給された気体が中空糸膜束15の外周部を通過し難くなる。そのため、気体の供給時間が長くなるに従って、気体の供給量に対する中空糸膜束15の外周部における洗浄効果が小さくなる。
そこで、一定時間気体を供給した後、第2気体導入バルブ35を閉じ、ハウジング13の充水された内部空間S1への気体の供給を予め定められた時間停止する(下側間欠バブリング(OFF))。これにより、ハウジング13内に供給された気体の浮力に起因する中空糸膜束15の膨らみが解消する。また気泡流91により中空糸膜束15内に形成されていた気体が流れ易い経路がリセットされる。
その後、ハウジング13の内部空間S1への気体の供給を再度開始することにより(下側間欠バブリング(ON))、中空糸膜束15の外周部に対してより効果的に気体を供給することが可能になり、中空糸膜束15の外周部の洗浄効果を高めることができる。
また上述のように、内部空間S1への気体の供給を一旦停止することにより(下側間欠バブリング(OFF))、気泡流91により中空糸膜束15内に形成されていた気体が流れ易い経路がリセットされる。これにより、モジュール断面で見た場合において、気体の通過量、即ち洗浄効果のムラが生じ難くなるため、中空糸膜束15全体を均一に洗浄することが可能になる。しかも、ハウジング13内に気体を間欠的に供給することにより、中空糸膜束15の膨らみ及び萎みの動きが繰り返されるため、気泡流91による膜の揺動とは異なる洗浄効果を与えることができ、洗浄効果をさらに高めることができる。これらの工程(下側間欠バブリング(ON)と下側間欠バブリング(OFF))を複数回繰り返すことによって、より高い洗浄効果を見込むことができる。
次に、上側バブリング工程では、図25に示すように気体排出口バルブ62を常時開いた状態で第3気体導入バルブ36の開閉が繰り返される。第3気体導入バルブ36が開いた状態では、第3気体導入配管33を介して導水管5内に空気が供給され、当該空気が導水管5の上部にある管用通気孔54からハウジング13内に供給される(上側間欠バブリング(ON))。一方、第3気体導入バルブ36が閉じた状態では、導水管5の管用通気孔54からハウジング13内への空気の供給が停止される(上側間欠バブリング(OFF))。
このように、本実施形態に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法では、充水された内部空間S1に気体(空気)を予め定められた時間供給するバブリングオン(下側間欠バブリング(ON)、上側間欠バブリング(ON))と、充水された内部空間S1への気体の供給を予め定められた時間停止するバブリングオフ(下側間欠バブリング(OFF)、上側間欠バブリング(OFF))と、を繰り返す間欠バブリングが実施される。
また図25に示すように、下側バブリング工程の後に排水工程が実施され、その後上側バブリング工程が実施されるのが通常であるが、これに限定されない。図26に示すように、排水工程を省略し、下側バブリング工程の後に続けて上側バブリング工程が実施されてもよい。
また上述した間欠バブリングは、下側バブリング工程及び上側バブリング工程のいずれか一方のみにおいて実施されてもよい。図27に示すように、下側バブリング工程においてのみ間欠バブリングが実施され、上側バブリング工程において間欠バブリングが実施されなくてもよい。また逆に、上側バブリング工程においてのみ間欠バブリングが実施され、下側バブリング工程において間欠バブリングが実施されなくてもよい。
(実施例1)
まず、本実施例に使用した中空糸膜モジュール10について、図2を参照して説明する。
中空糸膜束15としては、膜面積が28mである片端フリータイプのものを使用した。中空糸膜14としては、ポリビニルアルコールにより親水化処理されたポリフッ化ビニリデン系樹脂からなり、平均孔径が0.02ミクロンであり、有効長が890mmのものを使用した。
膜面積は、中空糸膜14の有効長(m)と、中空糸膜14の外径di(m)と、ハウジング13に導入されている中空糸膜14の本数(本)により、di×π×有効長×本数、のように定義される。
有効長は、濾過処理において中空糸膜14が有効に機能する長さであり、中空糸膜14と固定部材3の界面から下端14Aまでの長さである。上端14Bは、固定部材3により固定された開口部であるが、固定部材3で固定された空間は水の濾過処理において機能しないため、上記部分の長さを有効長として定義する。
平均孔径は、以下のようにして測定した。まず、異なる粒子径を有する少なくとも2種類の粒子(日揮触媒化成株式会社製、カタロイドSI−550、カタロイドSI−45P、カタロイドSI−80P等)の阻止率を測定した。そして、この測定値に基づいて、下記の近似式において、Rが90となる場合のSの値を求め、これを平均孔径とした。
R=100/(1−m×exp(−a×log(S)))
上記式中の「a」及び「m」は、中空糸膜14により定まる定数であって、2種類以上の阻止率の測定値に基づいて算出した。
中空糸膜14の親水性樹脂(ポリビニルアルコール)含有率は、以下のようにして測定した。まず、フッ化ビニリデン樹脂を溶媒で溶解及び抽出した。その後、残存した未溶解物量の乾燥重量を測定することにより親水性樹脂含有率を算出した。本実施例では、親水性樹脂含有率は、5.7%であった。
中空糸膜14の純水透過速度の比率((FLUXd/FLUXw)×100)は、99%であった。また中空糸膜14の膜間差圧0.1MPaにおける透水量は、1500L/m/時であった。
導水管5としては、長さが985mm、内径が40mmの円筒状のものを使用した。導水管5は、中空糸膜束15の中心に配置し、固定部材3により中空糸膜束15と共に固定した。導水管5において、固定部材3から長手方向に70mm離れた位置から100mmの間隔で複数(合計36個)の管用通気孔54を形成した。管用通気孔54は、周方向に90°の間隔で形成し、孔径は10mmとした。
散気部材4は、固定部材3から長手方向に915mm離れた位置に取り付けた。散気部材4は、複数の散気用通気孔43が形成された円板状の本体部44と、気体受け部45と、周壁部47と、からなる。導水管5への気体供給口として導水管用気体入口8を設け、散気部材4の気体受け部45への気体供給口として散気用気体入口7を設けた。
上記中空糸膜モジュール10を使用し、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施し、その後、図7に記載のバブリング洗浄を実施した。散気部材4側、導水管5側共にバブリング用の空気流量は1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、99%であった。
(比較例1)
導水管5の代替として、外周が21.7mm、長さが940mmの棒状の支持部材を中空糸膜束15の中央に配置した。その他条件は、上記実施例と同様とした。
上記実施例と同様に、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した後、バブリング洗浄を実施した。比較例1では、導水管を用いなかったため、図7における「充水(上側バブリング前)」、「上側バブリング」及び「排水」の工程を省略した。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄において排出されたSS排出量の比率は、82%であった。
(比較例2)
上記実施例と同様に、長さが985mm、内径が40mmの円筒状の導水管5を中空糸膜束15の中心に配置した。導水管5において、固定部材3から長手方向に470mm離れた位置から100mmの間隔で複数(合計20個)の管用通気孔54を形成した。管用通気孔54は、周方向に90°の間隔で形成し、孔径は10mmとした。その他条件は、上記実施例と同様とした。
上記実施例と同様に、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した後、バブリング洗浄を実施した。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対し、バブリング洗浄において排出されたSS排出量の比率は63%であった。以上の結果より、上記実施例では、比較例1,2に比べて中空糸膜表面に付着した浮遊汚濁物質の排出性に優れることが分かった。
(実施例2)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図25のように下側バブリング工程と上側バブリング工程の両方において間欠バブリングを実施した。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、99%であった。
(実施例3)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例2と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、96%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、上側及び下側バブリング工程において間欠バブリングを実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
(実施例4)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図26のように下側バブリング工程と上側バブリング工程の両方において間欠バブリングを実施した。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、97%であった。
(実施例5)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例4と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、93%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、上側及び下側バブリング工程において間欠バブリングを実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
(実施例6)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図27のように下側バブリング工程において間欠バブリングを実施すると共に、上側バブリング工程を間欠バブリングなしで行った。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、99%であった。
(実施例7)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例6と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、96%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、下側バブリング工程において間欠バブリングを実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
(実施例8)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図22のように下側バブリング工程において向流バブリングを実施した。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、94%であった。
(実施例9)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例8と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、93%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、下側バブリング工程において向流バブリングを実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
(実施例10)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図23のように上側バブリング工程において気液洗浄を実施した。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。また気液洗浄時における原水の流量は、原液導入バルブ22を調整することにより3000L/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄により排出されたSS排出量の比率は、98%であった。
(実施例11)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例10と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、96%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、上側バブリング工程において気液洗浄を実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
(実施例12)
実施例1と同様の中空糸膜モジュール10を使用した。この中空糸膜モジュール10を用いて、水酸化第二鉄の懸濁液からなり、SS濃度が250mg/Lのモデル水を原水として、外圧全濾過方式により流量4700L/hの条件で16分間定流量濾過を行った。そして、濾過運転後、中空糸膜モジュール10の濾液側から0.2MPaの圧縮空気により逆圧洗浄を実施した。その後、図24のようにシャワー洗浄をさらに追加で実施した。シャワー洗浄時における原水の流量は、原液導入バルブ22を調整することにより3000L/hとした。バブリング用の空気の流量は、散気部材4側及び導水管5側において共に1700NL/hとした。濾過運転中に中空糸膜モジュール10に供給されたSS供給量に対して、バブリング洗浄とシャワー洗浄により排出されたSS排出量の比率は、99%であった。
(実施例13)
原水のSS濃度を500mg/Lに変更し、定流量濾過の時間を30分間に変更した点以外は、上記実施例12と同様に濾過処理及び洗浄を行った。この時のSS排出量の比率は、99%であった。なお、これと同じ条件で濾過処理を行った後、上記実施例1の形態で洗浄を行った場合には、SS排出量の比率は83%であった。この結果より、シャワー洗浄を実施することによる洗浄効果の向上が確認された。
なお、上記実施形態を概説すると以下の通りである。
(1)本実施形態に係る中空糸膜モジュールは、外圧濾過式の中空糸膜モジュールであって、束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束と、前記中空糸膜束が収容される内部空間が形成されたハウジングと、前記内部空間に中空糸膜の洗浄用の気体を分散させる気体供給部と、を備える。前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有する。前記気体供給部には、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる上側気体供給部と、前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる下側気体供給部と、が設けられている。
上記中空糸膜モジュールによれば、ハウジングの内部空間が充水された状態で下側気体供給部から気体を分散させ、当該気体が中空糸膜の下端から上昇して中空糸膜が振動することにより、膜表面に付着した浮遊汚濁物質を剥がれ落とすことができる。また上記中空糸膜モジュールによれば、下側気体供給部からだけではなく、上側気体供給部からハウジング内に気体を分散させることができる。そのため、従来のようにバブリング工程において中空糸膜の下端側でのみ気体を分散させる場合と異なり、下端側から気体を分散させた場合に行き渡り難い中空糸膜の上端にまで気体を行き渡らせることができる。これにより、当該上端においても膜表面に付着した浮遊汚濁物質の除去効果を高めることができる。従って、上記中空糸膜モジュールによれば、バブリング工程において中空糸膜全体を洗浄することができる。
(2)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記気体供給部は、前記下部空間よりも下側の位置に配置され、前記中空糸膜束の径方向に広がった形状を有し、前記径方向に間隔を空けて複数の散気用通気孔が形成された散気部材と、前記中空糸膜束の内側を上下方向に延びるように配置され、少なくとも前記上部空間に位置する部位において複数の管用通気孔が間隔を空けて形成された管部材と、を含んでいてもよい。前記上側気体供給部は、前記管部材の前記上部空間に位置する部位に形成された前記管用通気孔により構成されていてもよい。前記下側気体供給部は、前記散気部材に形成された前記散気用通気孔により構成されていてもよい。
上記構成によれば、中空糸膜の下端側において、散気部材に形成された通気孔から中空糸膜束の径方向に広がるように気体を分散させてバブリング洗浄することができる。また中空糸膜の上端側においては、管部材に形成された通気孔によって、中空糸膜束の内側から外側に向かって気体を分散させてバブリング洗浄することができる。
(3)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記管用通気孔は、前記上部空間及び前記下部空間に位置する部位に形成されていてもよい。また上記中空糸膜モジュールは、前記中空糸膜により濾過される原水が、前記上部空間及び前記下部空間に位置する前記管用通気孔を通って前記ハウジング内に供給されるように構成されていてもよい。
上記構成によれば、濾過工程において、管部材に形成された通気孔から中空糸膜の長手方向の全体に対して原水を供給することができる。これにより、原水の濾過を行いつつ、当該原水の流れによって膜表面に付着した浮遊汚濁物質を中空糸膜の全体に亘って除去することができる。
(4)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記管用通気孔は、前記上部空間に位置する部位においてのみ形成されていてもよい。
上記構成によれば、管部材の全体に通気孔が形成される場合に比べて、管部材の加工に要する手間を少なくすることができる。
(5)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記管部材と前記散気部材とに対して各々異なる気体供給手段が設けられていてもよい。
上記構成によれば、管部材及び散気部材の各々に対する気体の供給量や供給タイミングなどの条件を目的に応じて適宜切り替えることができる。
(6)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記散気部材は、前記中空糸膜束の径方向に広がった形状を有し、前記散気用通気孔が前記径方向に間隔を空けて複数形成された板状の本体部と、一方端が前記本体部の下面に接続されると共に他方端側に気体の受け口が形成された筒形状を有し、前記筒内に収容された気体を前記散気用通気孔へ導くための分散孔が形成された気体受け部と、を含んでいてもよい。前記気体受け部は、前記一方端から前記他方端に向かって内径が広がる形状を有していてもよい。
上記構成によれば、バブリング工程においてハウジング内に供給される気体を気体受け口から取り込み易くなる。そのため、気体受け部が一定の内径を有する筒形状からなる場合に比べて、バブリング洗浄をより効率的に行うことができる。
(7)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記気体供給部は、前記中空糸膜束の内側を上下方向に延びるように配置され、複数の管用通気孔が間隔を空けて形成された管部材を含んでいてもよい。前記管部材には、前記下部空間よりも下側に位置する下側管内空間と、前記下側管内空間よりも上側に位置する上側管内空間と、を仕切る仕切部が設けられていてもよい。上記中空糸膜モジュールには、前記上側管内空間及び前記下側管内空間の各々に気体を供給するための気体供給手段が設けられていてもよい。前記上側気体供給部は、前記上側管内空間に面し、かつ前記上部空間に位置する前記管部材の部位に形成された前記管用通気孔により構成されていてもよい。前記下側気体供給部は、前記下側管内空間に面する前記管部材の部位に形成された前記管用通気孔により構成されていてもよい。
上記構成によれば、管部材の内部を仕切部によって上側管内空間と下側管内空間とに分離し、各管内空間に対して気体供給可能に構成することで、散気部材を用いることなく管部材のみによって中空糸膜全体をバブリング洗浄することができる。そのため、設備をより簡略化することができ、コスト削減を図ることができる。
(8)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記ハウジングには、前記内部空間の気体及び液体を系外へ排出するための抜き口が設けられていてもよい。前記管用通気孔は、前記抜き口の下面よりも上側及び下側に形成されていてもよい。
上記構成によれば、バブリングの開始直後でハウジングの内部空間全体が充水された状態において、上記抜き口の下面よりも上側及び下側の通気孔から分散される気体によってバブリング洗浄することができる。そして、バブリング開始から一定時間経過して上記抜き口から水及び気体が排出され、ハウジング内の液面位置が上記抜き口の下面の高さ位置まで下がった状態でも、管部材に供給される気体の浮力によって管部材内の水を上記抜き口の下面よりも上側の通気孔から気体と共に噴出させ、続いてハウジング内の水を上記抜き口の下面よりも下側の通気孔から管部材内に流入させることができる。これにより、液体と気体の混合流体を上記抜き口の下面よりも上側の通気孔から継続的に噴出させることができるため、中空糸膜上端まで効果的に洗浄することができる。また上記抜き口の下面より上側まで充水された状態では、上記抜き口の下面より上側の位置から分散される気体によって中空糸膜上端まで効果的に洗浄することができる。
(9)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記管用通気孔は、周方向において前記上部空間に位置する部位に前記下部空間に位置する部位よりも多数形成されていてもよい。
上記構成によれば、中空糸膜の上端側において周方向の全体に亘って膜表面の洗浄効果を向上させることができる。
(10)上記中空糸膜モジュールにおいて、前記中空糸膜束は、前記中空糸膜の上端が固定されると共に、下端において前記中空糸膜が一本ずつ固定されない片端フリータイプであってもよい。
上記構成によれば、中空糸膜をバブリングにより容易に振動させることが可能となり、膜表面の洗浄効果をより向上させることができる。
(11)本発明の他の局面に係る中空糸膜モジュールの洗浄方法は、束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束がハウジングの内部空間に収容された構成の外圧濾過式の中空糸膜モジュールにおいて、充水された前記内部空間に気体を分散させて前記中空糸膜を洗浄する中空糸膜モジュールの洗浄方法である。前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有する。上記中空糸膜モジュールの洗浄方法は、前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する下側バブリング工程と、前記下側バブリング工程が実施された後、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する上側バブリング工程と、を備える。
上記中空糸膜モジュールの洗浄方法では、まず、下側バブリング工程において下部空間よりも下側の位置でハウジング内に気体を分散させ、当該気体が中空糸膜の下端から上昇して中空糸膜を振動させることにより、膜表面に付着した浮遊汚濁物質を剥がれ落とすことができる。その後、上側バブリング工程において上部空間の位置でハウジング内に気体を分散させることにより、下側バブリング工程では洗浄が不十分な中空糸膜の上端においても膜表面をより確実に洗浄することができる。
また上側バブリング工程の後に下側バブリング工程を行った場合には、上側バブリング工程において中空糸膜の上端が洗浄された後に、下側バブリング工程において膜表面から剥がれた浮遊汚濁物質が上昇して上端に再付着してしまう。これに対して、上記中空糸膜モジュールの洗浄方法では、下側バブリング工程の後に上側バブリング工程を行うことにより、中空糸膜の上端への浮遊汚濁物質の再付着を防ぎ、中空糸膜全体を洗浄することができる。
(12,13)上記中空糸膜モジュールの洗浄方法では、前記下側バブリング工程及び前記上側バブリング工程の少なくとも一方において、前記ハウジング内に気体を予め定められた時間供給するバブリングオンと、前記ハウジング内への気体の供給を予め定められた時間停止するバブリングオフと、を繰り返す間欠バブリングを実施してもよい。また前記下側バブリング工程のみにおいて前記間欠バブリングを実施してもよい。
この方法によれば、気体供給時における中空糸膜束の膨らみと気体供給の停止時における萎みとを繰り返しつつバブリング洗浄することができるため、ハウジング内に気体を継続的に供給する場合に比べて中空糸膜束の外周部の洗浄効果をより高めることができる。また中空糸膜束の膨らみと萎みとの繰り返しにより、膜の揺動とは異なる洗浄効果を与えることができる。しかも、ハウジング内に気体を間欠的に供給することにより、中空糸膜束において気泡流が通過する経路を気体供給のサイクル毎に変えることができる。このため、中空糸膜束の断面視において気体の通過量がより均一化され、洗浄効果のムラが生じ難くなる。
(14)上記中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記下側バブリング工程では、前記内部空間において前記中空糸膜の長手方向に沿って原水の水流を発生させると共に、前記内部空間において前記中空糸膜の長手方向に沿って前記水流に対して反対向きの気泡流を発生させる向流バブリングを実施してもよい。
この方法によれば、互いに反対向きの水流と気泡流が衝突することにより強いせん断力が発生し、当該せん断力によって中空糸膜を効果的に洗浄することが可能となる。これにより、中空糸膜の表面に付着した懸濁物質などを効率的に除去することができる。しかも、中空糸膜の長手方向に沿って水流及び気泡流を発生させることで、中空糸膜における長手方向の広い範囲に亘って強いせん断力を作用させることが可能となり、その結果中空糸膜を均一に洗浄することができる。従って、上記中空糸膜モジュールの洗浄方法によれば、強いせん断力によって中空糸膜を均一且つ効果的に洗浄することができる。
(15)上記中空糸膜モジュールの洗浄方法において、前記上側バブリング工程では、前記内部空間に配置された管部材の複数の孔から前記上部空間に向けて原水及び気体を同時に噴出する気液洗浄を実施してもよい。
この方法によれば、気液混合体によって内部空間に強いせん断力を発生させることが可能となり、当該せん断力によって中空糸膜の表面を効果的に洗浄することができる。その結果、中空糸膜の表面に付着した懸濁物質などを効率的に除去することができる。
(16)上記中空糸膜モジュールの洗浄方法は、前記ハウジング内の水が抜かれた状態で、前記内部空間に配置された管部材の複数の孔から前記内部空間に向けて水をシャワー状に噴出させて前記中空糸膜束を洗浄するシャワー洗浄工程をさらに備えていてもよい。
この方法によれば、中空糸膜束において、水が直接当たる部位は、水からの力を受けて動く。このとき、周囲の空間は空気で満たされているため、動きやすくなっている。このため、中空糸膜束にせん断力を発生させることができて、中空糸膜束を効果的に洗浄することができる。また、水が重力によって中空糸膜束の表面を流れ落ちることによっても、中空糸膜束にせん断力を発生させることができるため、中空糸膜束を流れ落ちる水によっても中空糸膜束を洗浄することができる。

Claims (16)

  1. 外圧濾過式の中空糸膜モジュールであって、
    束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束と、
    前記中空糸膜束が収容される内部空間が形成されたハウジングと、
    前記内部空間に中空糸膜の洗浄用の気体を分散させる気体供給部と、を備え、
    前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有し、
    前記気体供給部には、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる上側気体供給部と、前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させる下側気体供給部と、が設けられている、中空糸膜モジュール。
  2. 前記気体供給部は、
    前記下部空間よりも下側の位置に配置され、前記中空糸膜束の径方向に広がった形状を有し、前記径方向に間隔を空けて複数の散気用通気孔が形成された散気部材と、
    前記中空糸膜束の内側を上下方向に延びるように配置され、少なくとも前記上部空間に位置する部位において複数の管用通気孔が間隔を空けて形成された管部材と、を含み、
    前記上側気体供給部は、前記管部材の前記上部空間に位置する部位に形成された前記管用通気孔により構成され、
    前記下側気体供給部は、前記散気部材に形成された前記散気用通気孔により構成されている、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  3. 前記管用通気孔は、前記上部空間及び前記下部空間に位置する部位に形成され、
    前記中空糸膜により濾過される原水が、前記上部空間及び前記下部空間に位置する前記管用通気孔を通って前記ハウジング内に供給されるように構成されている、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  4. 前記管用通気孔は、前記上部空間に位置する部位においてのみ形成されている、請求項2に記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記管部材と前記散気部材とに対して各々異なる気体供給手段が設けられている、請求項2〜4の何れか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  6. 前記散気部材は、
    前記中空糸膜束の径方向に広がった形状を有し、前記散気用通気孔が前記径方向に間隔を空けて複数形成された板状の本体部と、
    一方端が前記本体部の下面に接続されると共に他方端側に気体の受け口が形成された筒形状を有し、前記筒内に収容された気体を前記散気用通気孔へ導くための分散孔が形成された気体受け部と、を含み、
    前記気体受け部は、前記一方端から前記他方端に向かって内径が広がる形状を有する、請求項2〜5の何れか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  7. 前記気体供給部は、前記中空糸膜束の内側を上下方向に延びるように配置され、複数の管用通気孔が間隔を空けて形成された管部材を含み、
    前記管部材には、前記下部空間よりも下側に位置する下側管内空間と、前記下側管内空間よりも上側に位置する上側管内空間と、を仕切る仕切部が設けられ、
    前記上側管内空間及び前記下側管内空間の各々に気体を供給するための気体供給手段が設けられ、
    前記上側気体供給部は、前記上側管内空間に面し、かつ前記上部空間に位置する前記管部材の部位に形成された前記管用通気孔により構成され、
    前記下側気体供給部は、前記下側管内空間に面する前記管部材の部位に形成された前記管用通気孔により構成されている、請求項1に記載の中空糸膜モジュール。
  8. 前記ハウジングには、前記内部空間の気体及び液体を系外へ排出するための抜き口が設けられ、
    前記管用通気孔は、前記抜き口の下面よりも上側及び下側にそれぞれ形成されている、請求項2〜7の何れか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  9. 前記管用通気孔は、周方向において前記上部空間に位置する部位に前記下部空間に位置する部位よりも多数形成されている、請求項2〜8の何れか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  10. 前記中空糸膜束は、前記中空糸膜の上端が固定されると共に、下端において前記中空糸膜が一本ずつ固定されない片端フリータイプである、請求項1〜9の何れか1項に記載の中空糸膜モジュール。
  11. 束状の複数の中空糸膜を有する中空糸膜束がハウジングの内部空間に収容された構成の外圧濾過式の中空糸膜モジュールにおいて、充水された前記内部空間に気体を分散させて前記中空糸膜を洗浄する中空糸膜モジュールの洗浄方法であって、
    前記内部空間は、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも上側部分が位置する上部空間と、前記中空糸膜の長手方向の中央よりも下側部分が位置する下部空間と、を有し、
    前記下部空間よりも下側の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する下側バブリング工程と、
    前記下側バブリング工程が実施された後、前記上部空間の位置で前記ハウジング内に気体を分散させることにより前記中空糸膜を洗浄する上側バブリング工程と、を備えた、中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  12. 前記下側バブリング工程及び前記上側バブリング工程の少なくとも一方において、前記ハウジング内に気体を予め定められた時間供給するバブリングオンと、前記ハウジング内への気体の供給を予め定められた時間停止するバブリングオフと、を繰り返す間欠バブリングを実施する、請求項11に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  13. 前記下側バブリング工程のみにおいて前記間欠バブリングを実施する、請求項12に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  14. 前記下側バブリング工程では、前記内部空間において前記中空糸膜の長手方向に沿って原水の水流を発生させると共に、前記内部空間において前記中空糸膜の長手方向に沿って前記水流に対して反対向きの気泡流を発生させる向流バブリングを実施する、請求項11〜13の何れか1項に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  15. 前記上側バブリング工程では、前記内部空間に配置された管部材の複数の孔から前記上部空間に向けて原水及び気体を同時に噴出する気液洗浄を実施する、請求項11〜14の何れか1項に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
  16. 前記ハウジング内の水が抜かれた状態で、前記内部空間に配置された管部材の複数の孔から前記内部空間に向けて水をシャワー状に噴出させて前記中空糸膜束を洗浄するシャワー洗浄工程をさらに備えた、請求項11〜15の何れか1項に記載の中空糸膜モジュールの洗浄方法。
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