JP6910850B2 - 散気装置、該散気装置を備える中空糸膜モジュール、及び水処理方法 - Google Patents

散気装置、該散気装置を備える中空糸膜モジュール、及び水処理方法 Download PDF

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Description

本発明は、中空糸膜を用いた水処理に用いられる散気装置、該散気装置を備える中空糸膜モジュール、及び水処理方法に関する。
従来より、浄水処理や下水処理、工業廃水処理等の水処理に使用され、処理対象の水(以下、「被処理水」という。)に含まれる懸濁物質等の汚染物質を分離する中空糸膜モジュールが知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1の中空糸膜モジュールは、表面に細孔を有する複数の中空糸膜を備え、被処理水が各中空糸膜の外部から内部に流れる浸漬型吸引濾過用又は外圧濾過用の膜モジュールである。このような中空糸膜モジュールを用いた処理においては、被処理水は各中空糸膜の表面の細孔を透過するが、被処理水に含まれる懸濁物質等の汚染物質は細孔を通過することができず、各中空糸膜の表面に抑留されるので、きれいな処理水を得ることができる。しかし、汚染物質が各中空糸膜の表面に蓄積すると、被処理水が中空糸膜を透過する透過性能が低下する。
このような透過性能の低下を防止するため、特許文献1の中空糸膜モジュールは、中空糸膜モジュールの一端の中央付近に散気装置を設け、散気装置は各中空糸膜に対して気泡を供給している。これにより、各中空糸膜は過度に振動することなく気泡が各中空糸膜の表面に衝突し、各中空糸膜の表面に付着した汚染物質が除去される。
特開2011−110499号公報
しかしながら、散気装置から供給される気泡は、散気装置周辺の中空糸膜には直接接触するが、中空糸膜モジュール全体には拡散されにくく、散気装置周辺以外の中空糸膜に付着した汚染物質を確実に除去することができない。
また、散気装置から供給される気泡が散気装置周辺の中空糸膜に接触して中空糸膜に付着した汚染物質を除去しても、除去された汚染物質は散気装置周辺に滞留するため、再度中空糸膜に付着する場合がある。すなわち、従来は、中空糸膜に付着した汚染物質を確実に除去することができないという問題があった。
さらに、近年、水処理装置の省エネ化がクローズアップされ、膜ろ過処理に要するエネルギーの中でもエアスクラビング(散気装置による汚染物質の除去)に要するエネルギーの割合が高いことから、散気装置についてもエネルギー効率を高め、省エネ化することが求められている。
本発明は、中空糸膜に付着した汚染物質を確実に除去することができるとともに、エネルギー効率を高めることができる散気装置、該散気装置を備える中空糸膜モジュール、及び水処理方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の散気装置は、処理対象の水である被処理水を処理する中空糸膜モジュールに空気の気泡を供給する散気装置において、前記散気装置は、下端部に前記被処理水を取り込む取込孔と、上端部に前記取込孔から取り込まれた被処理水を放出する放出孔と、前記取込孔及び前記放出孔の間に配置される空気導入孔と、を備えた導管であり、前記空気導入孔は前記取込孔及び前記放出孔の間に介在する被処理水に対して空気を導入し、前記放出孔の口径は前記取込孔の口径よりも小さいことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の中空糸膜モジュールは、複数の中空糸膜の一端を固定する第1の固定部材と、前記複数の中空糸膜の他端を固定する第2の固定部材と、前記第2の固定部材を介して前記第1の固定部材に対向し且つ前記第2の固定部材に隣接する集水室と、前記第2の固定部材及び前記集水室を貫通するとともに、前記第1の固定部材及び前記第2の固定部材の間の前記複数の中空糸膜に空気の気泡を供給する散気装置と、を備える中空糸膜モジュールにおいて、前記散気装置は、下端部に処理対象の水である被処理水を取り込む取込孔と、上端部に前記取込孔から取り込まれた被処理水を放出する放出孔と、前記取込孔及び前記放出孔の間に配置される空気導入孔と、を備えた導管であり、前記空気導入孔は前記取込孔及び前記放出孔の間に介在する被処理水に対して空気を導入し、前記放出孔の口径は前記取込孔の口径よりも小さいことを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明の水処理方法は、複数の中空糸膜の一端を固定する第1の固定部材と、前記複数の中空糸膜の他端を固定する第2の固定部材と、前記第2の固定部材を介して前記第1の固定部材に対向し且つ前記第2の固定部材に隣接する集水室と、前記第2の固定部材及び前記集水室を貫通するとともに、前記第1の固定部材及び前記第2の固定部材の間の前記複数の中空糸膜に空気の気泡を供給する、本発明の散気装置と、を備える水処理装置を用いて、処理対象の水である被処理水を処理する水処理方法において、(i)前記散気装置が被処理水を取り込む被処理水取込ステップと、(ii)前記散気装置に空気を導入する気体導入ステップと、(iii)前記散気装置に導入された空気を、前記散気装置に取り込んだ被処理水とともに前記複数の中空糸膜に供給する供給ステップと、を有することを特徴とする。
本発明によれば、中空糸膜に付着した汚染物質を確実に除去することができるとともに、エネルギー効率を高めることができる。
本発明の実施の形態に係る散気装置及び中空糸膜モジュールを備える水処理装置を概略的に示す断面図である。 図1における散気装置を概略的に示す断面図である。 図2の散気装置の第1の変形例を概略的に示す断面図である。 図2の散気装置の第2の変形例を概略的に示す断面図である。 図1における中空糸膜モジュールの下部拡大図(断面図)である。 図5の中空糸膜モジュールの変形例を示す図である。 図1及び図5におけるA−A線に沿う断面図であって、中空糸膜モジュールを上部固定部材の方向から眺めた図である。 図1における中空糸膜モジュールの底面図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は、本発明の実施の形態に係る散気装置30及び中空糸膜モジュール14を備える水処理装置11を概略的に示す断面図である。
図1の水処理装置11は、被処理水12が満たされた浸漬槽13、浸漬槽13に浸漬された中空糸膜モジュール14を備え、中空糸膜モジュール14は複数の中空糸膜15を有する。複数の中空糸膜15は、浸漬槽13の底部(下部)から浸漬槽13を満たす被処理水の水面(上部)に関する方向(以下、「上下方向」という。)に関して延在し、複数の中空糸膜15の一端(上部)が上部固定部材16(第1の固定部材)によって固定されるとともに、その他端(下部)が下部固定部材17(第2の固定部材)によって固定されている。また、各中空糸膜15は表面に細孔を有し、被処理水12に対して露出している。そのため、被処理水12が各中空糸膜15の細孔の表面を外部から内部に透過するとき、被処理水12に含まれる懸濁物質等の汚染物質はその細孔を通過することなく各中空糸膜15の表面に付着し、被処理水から除去される。
上部固定部材16の上部には、集水室18aが隣接して設けられるとともに、下部固定部材17の下部には、集水室18bが隣接して設けられ、複数の中空糸膜15は上部固定部材16及び下部固定部材17を貫通して集水室18a,18bに開口している。
集水室18a,18bは処理水取出管20を経て吸引ポンプ21に接続されている。吸引ポンプ21が駆動すると、集水室18a,18bの内部が吸引されるとともに、中空糸膜15の内部側が減圧される。これにより、各中空糸膜15の外部から内部に透過した被処理水12、すなわち、処理済みの水(以下、「処理水」という。)は集水室18a,18bに集水され、浸漬槽13の外に取り出される。
集水室18bの下部には、気体貯留室19が隣接して設けられ、気体貯留室19は気体供給管22を経て気体圧縮機23に接続されている。気体圧縮機23が駆動すると、加圧された空気等の気体が気体供給管22を経て気体貯留室19に供給される。
中空糸膜モジュール14の下部は、複数の散気装置30を備え、各散気装置30は下部固定部材17、集水室18、及び気体貯留室19を貫通している。各散気装置30は各中空糸膜15に対して気泡と被処理水12を同時に供給する。
図2は、図1における散気装置30を概略的に示す断面図である。
図2の散気装置30は、被処理水12を取り込む取込孔31と、取込孔31から取り込まれた被処理水12を放出する放出孔32と、取込孔31及び放出孔32の間に配置される2つの気体導入孔33とを備えた導管であり、2つの気体導入孔33は導管の下部側方に対向するように形成されている。下部固定部材17、集水室18b、及び気体貯留室19を貫通する散気装置30は、下部固定部材17により固定される上部と、集水室18bを貫通する中間部と、気体貯留室19を貫通し且つ気体貯留室19に対して開口する気体導入孔33を有する下部から構成されている(後述する図5も参照)。散気装置30は、取込孔31から取り込まれた被処理水12が放出孔32から放出されればよく、散気装置30の上下方向に直交する方向(以下、「横方向」という。)に関する断面の形状は円形、矩形、多角形等であればよい。
本実施の形態の散気装置30はその横方向に関する断面の形状は円形であり、取込孔31及び放出孔32のそれぞれの口径はほぼ同一であるとともに、散気装置30の内径はこれらの口径とほぼ同一である。取込孔31及び放出孔32のそれぞれの口径は、2〜20mmであるのが好ましい。2mm未満では被処理水12が散気装置30を継続的に通過すると、詰まりが発生する可能性があり、20mm超えると、後述のエアリフト効果が低減する可能性がある。また、気体導入孔33の口径は、通常、1〜10mmである。
さらに、散気装置30の大きさ(取込孔31から放出孔32までの長さ)は、中空糸膜15の長さや、固定部材、集水室18b及び気体貯留室19の大きさ等に応じて適宜設定できるが、例えば、5〜25cmとすることができる。また、散気装置30は2つの気体導入孔33を有することを前提としたが、後述するように、気体導入孔33は一つでもよい。
散気装置30の上部と中間部の間には、下部固定部材17と集水室18bの間を仕切る仕切り部材が設けられてもよく、その仕切り部材を固定するための段差34が設けられていてもよい。また、散気装置30の中間部と下部の間には、集水室18bと気体貯留室19との間を仕切る仕切り部材が設けられてもよく、その仕切り部材に散気装置30を固定するための突起部35が設けられていてもよい。
散気装置30は、被処理水12を取り込む取込孔31と、取込孔31から取り込まれた被処理水12を放出する放出孔32と、取込孔31及び放出孔32の間に配置される2つの気体導入孔33とを備え、例えば、2つの気体導入孔33から散気装置30の内部に導入された空気は、散気装置30の内部を上昇して放出孔32から放出される。これにより、被処理水12が散気装置30の内部を上昇する空気に伴って取込孔31から放出孔32に移動するエアリフト効果を得ることができる。
図3は、図2の散気装置30の第1の変形例を概略的に示す断面図である。図3の散気装置40は、その構成、作用が上述した図2の散気装置30と基本的に同じであり、気体導入孔33を1つ備える点で図2の散気装置30と異なる。以下、重複した構成、作用については説明を省略し、異なる構成、作用についての説明を行う。
図3の散気装置40は下部側方に1つの気体導入孔33を備え、気体導入孔33には気体通路37が接続されている。気体圧縮機23から加圧下で供給された空気等の気体が気体通路37を経て気体導入孔33に導入される。気体通路37は、例えば、弾性を有する合成樹脂からなるチューブ状の導入管である。また、気体導入孔33と気体通路37を分離せずに、一体化してもよい。散気装置40は気体導入孔33を1つ備え、気体通路37を介して気体圧縮機23から発生した空気は確実に気体導入孔33に供給される。したがって、気体導入孔33に供給される空気の量は気体圧縮機23から発生した空気の量に基づいて決定されるので、気体導入孔33に供給される空気の量を簡単に制御することができる。
図4は、図2の散気装置30の第2の変形例を概略的に示す断面図である。図4の散気装置50は、その構成、作用が上述した図2の散気装置30と基本的に同じであり、取込孔31の口径と放出孔32の口径とが異なる点で図2の散気装置30と異なる。以下、重複した構成、作用については説明を省略し、異なる構成、作用についての説明を行う。
図4の散気装置50は、放出孔32の口径が取込孔31の口径よりも小さくなるように構成されている。これに対応して、散気装置50は細径部である放出孔32と広径部である取込孔31を連通するために、テーパ部36を有する。したがって、散気装置50の内径は取込孔31から放出孔32に対して緩やかに変化する。このように散気装置50の放出孔32の口径は、取込孔31の口径よりも小さいので、取込孔31及び放出孔32のそれぞれの口径が同一の場合に比べ、散気装置50の内部を上昇する気体と被処理水12の流速は速い。これにより、散気装置50の内部に汚泥が付着してもその汚泥を放出孔32から散気装置50の外部に放出することができ、もって、散気装置50が詰まるリスクを低減することができる。広径部である取込孔31の口径は5〜50mmとするのが好ましく、細径部である放出孔32の口径は2〜20mmとするのが好ましい。
図5は、図1における中空糸膜モジュール14の下部拡大図(断面図)である。図5の中空糸膜モジュール14は散気装置30を備える。図5において、吸引ポンプ21が集水室18bの内部を吸引すると、集水室18bに集水された処理水は処理水取出管20を経て浸漬槽13の外に取り出される。このとき、中空糸膜15は減圧されるので、被処理水12は中空糸膜15の外部から内部に透過し、被処理水12に含まれていた汚染物質等は中空糸膜15の外部に付着して被処理水12から除去される。中空糸膜15を透過した処理水は集水室18bに集水され、処理水取出管20を経て浸漬槽13の外に取り出される。
また、汚染物質等が中空糸膜15の外部に付着したままにすると、中空糸膜15の表面の細孔は汚染物質等で塞がれ、中空糸膜15は目詰まりして被処理水12の透過を妨げる。これに対応して、気体圧縮機23は気体、例えば、空気を気体供給管22を介して気体貯留室19に供給する。気体貯留室19に供給された空気は散気装置30の気体導入孔33から導入される。このとき、散気装置30の内部は被処理水12で満たされており、気体導入孔33から散気装置30の内部に導入された空気は気泡となって被処理水12の中を放出孔32に向けて上昇するとともに、被処理水12は気体導入孔33から放出孔32に上昇する気泡に伴って取込孔31から放出孔32に移動する。
すなわち、散気装置30がエアリフトポンプの役割を果たし、散気装置30の内部では、気泡の上昇に伴って被処理水12も取込孔31から放出孔32に移動するエアリフト効果が生じるため、散気装置30の内部では被処理水12が取込孔31から放出孔32に流れる上向流が形成される。その結果、散気装置30上部の放出孔32から空気と被処理水12が放出され、中空糸膜モジュール14全体に拡散される。被処理水12にとともに中空糸膜モジュール14全体に拡散された空気は中空糸膜15の表面に衝突し、中空糸膜15の表面に付着した汚染物質等を除去する。
中空糸膜15の表面から除去された汚染物質等は散気装置30のエアリフト効果によって形成された被処理水12の上向流に乗って、各中空糸膜15の間を通過し、その後、中空糸膜モジュール14の外部に移出される。中空糸膜モジュール14の外部に移出された汚染物質等は、例えば、水処理装置11の底部に余剰汚泥として堆積し、水処理装置11の汚染物質等の濃度が所定の濃度を越えたときに水処理装置11から排出される。
なお、下部固定部材17の表面からの放出孔32の高さは、放出孔32よりも低位にある中空糸膜に付着した汚染物質を十分に除去するため、出来るだけ近くなるように設置するのが好ましい。
図6は、図5の中空糸膜モジュール14の変形例を示す図である。図6の中空糸膜モジュール14は散気装置40を備え、気体通路37が気体導入孔33に接続されている。
散気装置40の気体導入孔33には気体通路37が接続されているため、集水室18bの下方には気体貯留室19を設けなくてもよい。図6の中空糸膜モジュール14は、上記の構成以外は図5の中空糸膜モジュール14と同様の構成を示す。なお、図6の中空糸膜モジュール14は散気装置40を備えることを前提としたが、散気装置40に代えて散気装置50を使用してもよい。
図7は、図1及び図5におけるA−A線に沿う断面図であって、中空糸膜モジュール14を上部固定部材16の方向から眺めた図である。図7において、散気装置30は等間隔に位置するとともに、複数の中空糸膜15は、散気装置30の放出孔32を囲むように位置し、中空糸膜15と散気装置30の放出孔32は、下部固定部材17(ポッティング剤)により固定されている。
中空糸膜モジュール14に設置する散気装置30の本数や設置間隔は、中空糸膜15の本数、中空糸膜モジュール14の横方向に関する断面形状又はその断面積等の条件に応じて適宜設定することができ、特に限定されない。例えば、1つの散気装置の周囲には中空糸膜を144本まで設置することができ、隣り合う散気装置の放出孔32の間隔は、例えば、2cm〜20cmとすることができる。また、散気装置の大きさ(取込孔31から放出孔32までの長さ)と中空糸膜の長さ(上部固定部材16と下部固定部材17の間の長さ)の比率は、適宜設定可能であるが、例えば、1:100〜1:400とすることができる。
中空糸膜15と散気装置30の配置は、散気装置30の周辺以外の中空糸膜15に付着した汚染物質を除去できる配置であれば特に限定されない。例えば、図7のように散気装置30の放出孔32を中心とした正方形において、対角線上に空隙が形成されるように中空糸膜15を配置してもよいし、各中空糸膜15を放出孔32の周囲に均等に配置してもよい。
下部固定部材17によって中空糸膜15の端部と散気装置30上部を固定する方法は、例えば、図7とほぼ同形状の孔を有する仕切り部材を少なくとも1つ用い、予め中空糸膜と散気装置上部を当該仕切り部材に挿入して仮固定した後で、固定部材用の樹脂(ポッティング剤)を注入し硬化させることにより行うことができる。
固定部材の樹脂(ポッティング剤)の種類は、特に限定されないが、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂等の熱硬化性樹脂や、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂や塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂を使用することができる。
図8は、図1における中空糸膜モジュール14の底面図である。図8において、散気装置30の取込孔31は浸漬槽13内の被処理水12に対し開放され、取込孔31から被処理水12が取り込まれる。なお、本実施の形態では、水処理装置11は複数の中空糸膜モジュール14を備えることを前提とする。
中空糸膜モジュール14の全体形状は特に限定されない。図1及び図8に示すように、膜モジュールの横方向断面が矩形状となるように中空糸膜15を集束させ、全体として直方体の形状としてもよいし、横方向断面が円形となるように中空糸膜15を集束させ、全体として円筒状の形状としてもよい。
次に、散気装置30と、散気装置30を有する中空糸膜モジュール14と、を備える水処理装置11によって実行される水処理方法について説明する。
本実施の形態では、水処理装置11は、被処理水12で満たされ、散気装置30を備えた中空糸膜モジュール14は被処理水12に浸漬されている。また、中空糸膜モジュール14には、集水室18a,18bを介して吸引ポンプ21が接続されているとともに、気体貯留室19を介して気体圧縮機23が接続されている。
吸引ポンプ21が駆動すると、集水室18a,18bの内部が吸引され、中空糸膜15の内部側が減圧される。これにより、被処理水12は各中空糸膜15の外部から内部に透過して処理され、その後、処理水は集水室18a,18bに集水され、浸漬槽13の外に取り出される。また、これと同時に、気体圧縮機23が駆動し、加圧された気体、例えば、空気が気体貯留室19に供給される。
気体貯留室19に供給された空気は気体導入孔33から散気装置30の内部に導入され(気体導入ステップ)、導入された気体は気泡として放出孔32に向けて上昇し、その後、放出孔32から散気装置30の外部に放出される。気体が気体導入孔33から放出孔32に移動する際、被処理水12は移動する気体とともに放出孔32から散気装置30の方向に移動する。このとき、散気装置30は取込孔31を有するため、被処理水12は取込孔31から散気装置30の内部に取り込まれる。すなわち、気体が気体導入孔33から散気装置30の内部に導入されると、散気装置30が被処理水12を取り込み(被処理水取込ステップ)、散気装置30に導入された気体及び散気装置30の内部に取り込まれた被処理水12は放出孔32から散気装置30の外部に放出され、放出された気体及び被処理水12は複数の中空糸膜15に供給される(供給ステップ)。
散気装置30に導入する気体の風量は、気体圧縮機23により供給される気体の風量を調節して変化させることができる。散気装置30に導入する気体の風量を多くすれば、該気体及び被処理水12が散気装置30の内部を通過して放出孔32から放出されるまでに必要な時間を短縮することができるが、本実施の形態では、散気装置30に導入される気体の風量は、気体(気泡)が放出孔32から放出されて中空糸膜モジュール14全体に拡散される程度であればよい。
本実施の形態の散気装置30は、被処理水12を散気装置30に取り込む取込孔31と、取込孔31から取り込まれた被処理水12を散気装置30から放出する放出孔32とを備え、取込孔31及び放出孔32の間に配置される気体導入孔33から散気装置30の内部に気体が導入される。気体導入孔33から散気装置30の内部に導入された気体は、放出孔32に向けて移動し、その後、放出孔32から放出されるが、このとき、取込孔31から取り込まれた被処理水12も気体導入孔33から放出孔32に向けて移動する気体とともに放出孔32に向けて移動して放出孔32から放出される。
すなわち、本実施の形態によれば、放出孔32から気体及び被処理水12が放出されるとき、被処理水12には水流が形成され、その水流に基づいて気体及び被処理水12は放出孔32から放出されて中空糸膜モジュール14全体に拡散し、中空糸膜15の表面に衝突して中空糸膜15の表面に付着した汚染物質を除去することができる。このとき、被処理水12の水流を利用して中空糸膜15の表面に付着した汚染物質を除去しているので、従来の散気装置から中空糸膜表面に気体のみを供給して汚染物質を除去する場合よりも散気装置30に供給する空気量を削減することができる。その結果、散気装置30に空気を供給するために必要なエネルギーを削減することができる。また、中空糸膜15の表面から除去された汚染物質は散気装置30のエアリフト効果によって形成された被処理水12の上向流によって中空糸膜モジュール14の外部に移出されるので、中空糸膜15の表面から除去された汚染物質が、再度、中空糸膜の表面に付着するのを防止することができる。これにより、中空糸膜15の周辺に汚染物質が滞留して中空糸膜15の表面に蓄積し、中空糸膜15の濾過能力が低下するのを防止することができる。つまり、本実施の形態の散気装置30を被処理水12の処理に使用することにより、中空糸膜15に付着した汚染物質を確実に除去することができるとともに、エネルギー効率を高めることができる。
なお、中空糸膜15の材質には、特に限定されないが、ポリスルフォン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、セルロース系樹脂、ポリエチレンやポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂、ポリテトラフルオロエチレンやポリフッ化ビニリデン等のフッ素樹脂、ポリイミド樹脂等の有機材料が用いられる。また、これらの樹脂の共重合体や一部に置換基を導入した樹脂が用いられてもよく、二種以上の樹脂を混合した樹脂が用いられてもよい。さらに、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン等の無機材料が用いられてもよい。
散気装置30,40,50の材質は、機械的強度及び耐久性を有する材質であれば特に限定されず、中空糸膜モジュール14の集水室18bや気体貯留室19を形成する材質と同様の材質、例えば、ポリカーボネート樹脂、ポリスルフォン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、アクリル樹脂、ABS樹脂、変性PPE樹脂等を使用することができる。
図1の水処理装置11においては、中空糸膜モジュール14を浸漬槽13に浸漬して、ろ過水出口側の吸引ポンプ21から吸引してろ過を行なう浸漬型の中空糸膜モジュール14を示したが、本発明は、被処理水12の供給側から加圧してろ過を行なう加圧型の中空糸膜モジュール14に適用することもできる。
また、必要であれば、吸引ポンプ21による吸引とは逆に、集水室18a,18bを加圧して、中空糸膜15の内側から外側に透過水を透過させて汚染物質等を除去する逆洗浄を行ってもよい。
以上、本発明について、上述した実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
本発明は、中空糸膜に付着した汚染物質等を確実に除去することができ、散気装置のエネルギー効率を高めることができる散気装置、中空糸膜モジュール及び水処理方法を提供することができる。
11 水処理装置
12 被処理水
13 浸漬槽
14 中空糸膜モジュール
15 中空糸膜
16 上部固定部材
17 下部固定部材
18a,18b 集水室
19 気体貯留室
20 処理水取出管
21 吸引ポンプ
22 気体供給管
23 気体圧縮機
30,40,50 散気装置
31 取込孔
32 放出孔
33 気体導入孔
34 段差
35 突起部
36 テーパ部
37 気体通路

Claims (7)

  1. 処理対象の水である被処理水を処理する中空糸膜モジュールに空気の気泡を供給する散気装置において、
    前記散気装置は、
    下端部に前記被処理水を取り込む取込孔と、
    上端部に前記取込孔から取り込まれた被処理水を放出する放出孔と、
    前記取込孔及び前記放出孔の間に配置される空気導入孔と、を備えた導管であり
    前記空気導入孔は前記取込孔及び前記放出孔の間に介在する被処理水に対して空気を導入し、
    前記放出孔の口径は前記取込孔の口径よりも小さいことを特徴とする散気装置。
  2. 前記散気装置はテーパ部を有することを特徴とする請求項1記載の散気装置。
  3. 複数の中空糸膜の一端を固定する第1の固定部材と、前記複数の中空糸膜の他端を固定する第2の固定部材と、前記第2の固定部材を介して前記第1の固定部材に対向し且つ前記第2の固定部材に隣接する集水室と、前記第2の固定部材及び前記集水室を貫通するとともに、前記第1の固定部材及び前記第2の固定部材の間の前記複数の中空糸膜に空気の気泡を供給する散気装置と、を備える中空糸膜モジュールにおいて、
    前記散気装置は、
    下端部に処理対象の水である被処理水を取り込む取込孔と、
    上端部に前記取込孔から取り込まれた被処理水を放出する放出孔と、
    前記取込孔及び前記放出孔の間に配置される空気導入孔と、を備えた導管であり
    前記空気導入孔は前記取込孔及び前記放出孔の間に介在する被処理水に対して空気を導入し、
    前記放出孔の口径は前記取込孔の口径よりも小さいことを特徴とする中空糸膜モジュール。
  4. 前記中空糸膜モジュールが、前記集水室を介して前記第2の固定部材に対向し且つ前記集水室に隣接する気体貯留室を更に備え、前記散気装置が、前記第2の固定部材、前記集水室、及び前記気体貯留室を貫通することを特徴とする請求項3記載の中空糸膜モジュール。
  5. 前記散気装置はテーパ部を有することを特徴とする請求項3又は4記載の中空糸膜モジュール。
  6. 複数の中空糸膜の一端を固定する第1の固定部材と、前記複数の中空糸膜の他端を固定する第2の固定部材と、前記第2の固定部材を介して前記第1の固定部材に対向し且つ前記第2の固定部材に隣接する集水室と、前記第2の固定部材及び前記集水室を貫通するとともに、前記第1の固定部材及び前記第2の固定部材の間の前記複数の中空糸膜に空気の気泡を供給する、請求項1又は2に記載の散気装置と、を備える水処理装置を用いて、処理対象の水である被処理水を処理する水処理方法において、
    (i)前記散気装置が被処理水を取り込む被処理水取込ステップと、
    (ii)前記散気装置に空気を導入する気体導入ステップと、
    (iii)前記散気装置に導入された空気を、前記散気装置に取り込んだ被処理水とともに前記複数の中空糸膜に供給する供給ステップと、
    を有することを特徴とする水処理方法。
  7. 前記水処理装置が、前記集水室を介して前記第2の固定部材に対向し且つ前記集水室に隣接する気体貯留室を更に備え、前記散気装置が、前記第2の固定部材、前記集水室、及び前記気体貯留室を貫通し、前記気体導入ステップが、前記気体貯留室の空気を前記散気装置に導入するステップであることを特徴とする請求項6記載の水処理方法。
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