JPWO2017030078A1 - 噴流発生装置および噴流発生システム - Google Patents

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Abstract

噴流発生装置は、放電電極(20)と、前記放電電極と離れて配置された基準電極(30)と、前記放電電極と前記基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路(40)と、前記電源回路の出力電圧を、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部(50)と、少なくとも前記基準電極を収容するとともに前記コロナ放電により発生したイオンによるイオン風を噴射させる噴出口(12)を有するケース(10)と、を備える。

Description

関連出願への相互参照
本出願は、2015年8月19日に出願された日本特許出願番号2015−162068号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
本開示は、噴流を噴射する噴流発生装置および噴流発生システムに関するものである。
特許文献1には、空気室とこれに連通する発射口とを備え、空気砲と、ロッドと、カムとを備えた装置が記載されている。空気砲は、空気室の容積を変化させて空気渦を発射する。ロッドは、空気砲に設けられ、空気室を縮小する前進位置と空気室を拡大する後退位置とに移動自在となる。カムは、ロッドに対して回転中心を傾斜させて組み付けられ、ロッドを前進位置と後退位置とに移動させる。この装置では、カムの回転によりロッドが瞬時的に移動して、空気室の空気が発射口から噴射することで空気渦輪が生成する。
特許第5038869号公報
上記特許文献1に記載された装置は、瞬時的に機械機構であるロッドを高速で移動させる構成となっているので衝撃音が発生する。また、カムの回転速度以外の要素を制御することができないため、発射口から噴射される噴流の特性を細かく変化させることができない。
本開示は上記問題に鑑みたもので、静音性を確保しつつ、噴流の特性を細かく変化させられるようにすることを目的とする。
本開示の1つの観点によれば、噴流発生装置は、放電電極と、放電電極と離れて配置された基準電極と、放電電極と基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路と、第1電源回路の出力電圧を、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部と、少なくとも基準電極を収容するとともにコロナ放電により発生したイオンによるイオン風を噴射させる噴出口を有するケースと、を備える。
上記した構成によれば、制御部により電源回路の出力電圧が、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替えられると、噴出口からコロナ放電により発生したイオンによるイオン風が噴流となって噴射されるので、静音性を確保しつつ、噴流の特性を細かく変化させることができる。
また、他の観点によれば、噴流発生システムは、噴流発生装置を複数備え、さらに、噴流発生装置の各々の噴出口から噴射される噴流を合流させる合流部と、噴流発生装置の各々の噴出口から噴射する噴流を合流部へと導く誘導路と、を備える。
第1実施形態に係る噴流発生装置の構成を示した図である。 第1実施形態に係る噴流発生装置の電源回路の出力波形を示した図である。 イオン風の発生について説明するための図である。 渦輪の発生について説明するための図である。 第2実施形態に係る噴流発生装置の構成を示した図である。 第2実施形態に係る噴流発生装置の電源回路の出力波形を示した図である。 第2実施形態に係る噴流発生装置のイオン風の発生について説明するための図である。 第3実施形態に係る噴流発生装置の電源回路の出力波形を示した図である。 第3実施形態に係る噴流発生装置のイオン風の発生について説明するための図である。 第4実施形態に係る噴流発生システムの構成を示した図である。 第4実施形態に係る噴流発生装置の電源回路の出力波形を示した図である。 複数の放電電極と平行線状に配置された複数の基準電極を備えた変形例を示した図である。 複数の放電電極と平行線状に配置された複数の基準電極を備えた変形例を示した図である。 複数の放電電極とメッシュ状の基準電極を備えた変形例を示した図である。 第5実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 放電電極およびその周辺の部材の斜視図である。 図15のXVII−XVII断面図である。 第6実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第7実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第8実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 図20のXXI−XXI断面図である。 第9実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第10実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第11実施形態に係る噴流発生装置の電源回路の出力波形を示した図である。 第12実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第13実施形態に係る噴流発生装置における制御部の処理を示すフローチャートである。 第14実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す図である。 第14実施形態における制御部の処理を示すフローチャートである。 第15実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 第15実施形態における制御部の処理を示すフローチャートである。 第16実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す図である。 第16実施形態に係る電極回復モード時の作動内容示すタイミング図である。 第17実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す断面図である。 図33のXXXIV−XXXIV断面図である。 第18実施形態に係る噴流発生装置の構成を示す図である。 電源回路の作動タイミングの他の例を示す図である。
以下、本開示の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る噴流発生装置の構成を図1に示す。本噴流発生装置は、快適性向上のため、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射し、空気渦輪を送出するよう車両のメータ等に取り付けられる。
本噴流発生装置は、ケース10、放電電極20、基準電極30、電源回路40および制御部50を備えている。なお、図1におけるケース10の部分は、ケース10の内部を透視した状態が示されている。
ケース10は、基準電極30および放電電極20を収容するものであり、中空円筒状の胴体部11と、後述するコロナ放電により発生したイオンによるイオン風を噴射させる筒状の噴射ノズル12と、支持部13と、を有している。胴体部11、噴射ノズル12および支持部13は、絶縁性部材により構成されている。噴射ノズル12は、噴出口に対応する。
胴体部11における長手方向の一端側には、ケース10の外部の空気を当該ケース10内に取り込む開口部13aが形成されている。この開口部13aには支持部13が形成されている。また、胴体部11における長手方向の他端側には円筒状の噴射ノズル12が形成されている。噴射ノズル12は胴体部11よりも縮径している。すなわち、噴射ノズル12内の空気流路の水力直径は、胴体部11内の空気流路の水力直径よりも、小さい。また、胴体部11における放電電極20と噴射ノズル12の間には、導電金属製の基準電極30が設けられている。
放電電極20は、針状の先端部20aを有する放電電極である。放電電極20は、導電金属製(例えば、銅)の部材により構成されている。放電電極20は、先端部20aがケース10の内面側に位置するよう支持部13により支持されている。放電電極20とケース10の間には不図示の絶縁部材が設けられており、放電電極20とケース10は絶縁されている。
基準電極30は、中空円筒形状をなす基準電極である。基準電極30は、基準電極30の外周面がケース10の内周面と接触するようケース10内に配置されている。
電源回路40は、放電電極20と基準電極30の電位差を制御する出力電圧を発生させる。電源回路40は、正極端子および負極端子を有している。電源回路40の負極端子は配線40aを介して放電電極20に接続されている。また、電源回路40の正極端子は配線40bを介して放電電極20および接地端子GNDに接続されている。電源回路40は、3kV以上の出力電圧を出力することが可能となっている。また、電源回路40は、矩形形状の電圧を出力することが可能となっている。
制御部50は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するコンピュータとして構成され、CPUはROMに記憶されたプログラムにしたがって各種処理を実施する。
本実施形態の制御部50は、電源回路40の出力電圧を、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える。これにより、コロナ放電により発生したイオン風が噴射ノズル12から噴流として噴射される。本実施形態では、第1電圧は−2キロボルトであり、第2電圧は、−3キロボルトである。
次に、噴流発生装置の作動について図2、図3を参照して説明する。まず、図2に示すように、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、電源回路40の出力電圧が−2kVになっても放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。
制御部50は、次に、一定期間、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。この一定期間は、本実施形態では0.2秒である。これにより、放電電極20の電位は−3kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、放電電極20と基準電極30の間に−3kVの電圧が印加されると、放電電極20の先端部20aの近傍に強電界が生じ、図3中の範囲R1で示すように、放電電極20の周囲にコロナ放電が誘起され、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生する。
そして、図3中の範囲R2で示すように、コロナ放電の発生により放電電極20の周囲の空気が電離して空気イオンが発生する。具体的には、放電電極20の周囲の空気が電離して正イオンと負イオンが生成される。
そして、図3中の範囲R3で示すように、負のイオンが電極間の電界によって加速され基準電極30側に移動する。また、図3中の範囲R4で示すように、負のイオンが基準電極30側に移動する過程で放電電極20および基準電極30の周囲の空気を巻き込みイオン風が発生し、このイオン風はケース10に形成された噴射ノズル12から噴射される。なお、ケース10内の負のイオンの一部は接地端子GNDを介して吸収され、ケース10内の負のイオンの一部はケース10内にイオンの状態で留まり、ケース10内の負のイオンの残りの一部は周囲の空気とともに噴射ノズル12からケース10外に噴射される。
このとき、図3中の範囲R5で示すように、円筒状の空気噴流のコア70が噴射ノズル12から吹き出される。この噴射ノズル12から吹き出された空気噴流のコア70は、図3中の範囲R6で示すように、周囲の止まっている空気との摩擦で渦輪を形成する。このように、空気の渦輪が発生する。
制御部50が、再度、電源回路40の出力電圧が−2kVになるよう電源回路40を制御すると、放電電極20と基準電極30の間に−2kVの電圧が印加される。このとき、放電電極20の近傍の電界は小さくなり、コロナ放電は終息し、イオン風も発生しなくなる。上記した処理を繰り返すことにより、ケース10に形成された噴射ノズル12から間欠的にイオン風が噴射される。
なお、ケース10内から噴射ノズル12を通ってイオン風が噴射された後、ケース10内には、ケース10に形成された開口部13aからケース10外の空気が導入される。すなわち、胴体部11における長手方向の一端側に形成された開口部13aを通ってケース10外の空気がケース10内に導入され、胴体部11における長手方向の他端側に形成された噴射ノズル12からイオン風が噴射される。
次に、渦輪の発生について図4を参照して説明する。図4は、段ボール箱71に丸い穴71aを開けて、段ボール箱71を叩いたときに丸い穴71aから空気が出る様子を示している。
このように、穴から吹き出される流体の流れは噴流と呼ばれる。また、穴から円筒状に出る空気はコアと呼ばれる。コアは、吹き出しが瞬間的であることと周囲の静止した流れ間の粘性摩擦により急激に減速し、短時間、かつ、短距離で弱まる。
また、空気が段ボール箱から出る際に、コアの高速の流れと周りの止まっている空気との間で粘性摩擦がはたらいて周りの空気を回転させようとする力がはたらき渦ができる。
この渦はコアのまわりに輪のようにつながっていて渦輪と呼ばれる。このようにしてできた渦輪は、コアが減衰した後でも自らの回転のはたらきにより前に進むことができ、比較的長距離でも移動することが可能である。
本噴流発生装置は、図1に示したように、コロナ放電により発生したイオン風を噴射ノズル12から噴流として噴射させる。これにより、空気の渦輪が発生し、この渦輪は円筒状の噴射ノズル12の軸方向へと伝搬する。
上記した構成によれば、制御部50により電源回路40の出力電圧が、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替えられると、噴射ノズル12からコロナ放電により発生したイオンによるイオン風が噴流となって噴射されるので、静音性を確保しつつ、噴流の特性を細かく変化させることができる。
本実施形態では、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧を0.2秒間、印加するようにした。しかし、放電電極20と基準電極30の間に第2電圧を印加する期間を変化させることもできる。また、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧として電源回路40の出力電圧を−3kVに設定した。しかし、この第2電圧を変化させることもできる。また、放電電極20と基準電極30の間に第2電圧を印加する周期を変化させることもできる。
例えば、初期に噴射ノズル12から噴射される噴流の速度が高速となるよう放電電極20と基準電極30の間に印加する電圧を制御し、所定期間が経過した後、噴流の速度を低下させるよう放電電極20と基準電極30の間に印加する電圧を制御し、再び、噴流の速度を高速となるよう放電電極20と基準電極30の間に印加する電圧を制御するといったことが可能である。このように、望ましい渦輪の形成および推進を制御することが可能である。
また、ケース10は、噴射ノズル12とは異なる位置に、当該ケース10の外部の空気を当該ケース内に取り込む開口部13aを有しているので、噴射ノズル12からケース10の外部の空気を当該ケース内に取り込む必要がなく、ケース10の外部の空気を開口部13aから速やかにケース10内に取り込み、噴流として噴射ノズル12から噴射させることができる。
(第2実施形態)
第2実施形態に係る噴流発生装置の構成を図5に示す。本実施形態の噴流発生装置の構成は、上記第1実施形態の構成と比較して、更に、制御電極31および電源回路41を備えた点が異なる。
制御電極31は、基準電極30とケース10に形成された噴射ノズル12の間に配置されている。制御電極31は、中空円筒形状をなす制御電極であり、導電金属製部材(例えば、銅)により構成されている。基準電極30は、基準電極30の外周面がケース10の内周面と接触するようケース10内に配置されている。
電源回路41は、基準電極30と制御電極31の電位差を制御する出力電圧を発生させる。電源回路41は、正極端子および負極端子を有している。電源回路41の負極端子は配線40bを介して基準電極30、電源回路40の正極端子および接地端子GNDに接続されている。また、電源回路41の正極端子は配線40cを介して制御電極31に接続されている。また、正極端子とケース10の間および負極端子とケース10の間は絶縁されている。
電源回路41は、−3kV以上かつ3kV以下の出力電圧を出力することが可能となっている。また、電源回路41は、矩形形状の電圧を出力することが可能となっている。
また、本実施形態の制御部50は、電源回路40の出力電圧および電源回路41の出力電圧を制御する。
次に、噴流発生装置の作動について図6、図7を参照して説明する。まず、図6に示すように、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、電源回路40の出力電圧が−2kVになっても放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。
それと同時に、制御部50は、電源回路41の出力電圧を0Vとするよう電源回路41を制御する。これにより、制御電極31および基準電極30の電位はそれぞれ0Vとなる。
その後、制御部50は、一定期間、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御するとともに、同じ一定期間、電源回路41から3kVの電圧が出力されるよう電源回路41を制御する。この一定期間は、本実施形態では、0.2秒間である。なお、制御部50は、電源回路40の出力電圧と電源回路41の出力電圧が同時に切り替わるよう電源回路40および電源回路41を制御する。これにより、放電電極20の電位は−3kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなり、制御電極31の電位は3kVとなる。
このように、放電電極20と基準電極30の間に−3kVの電圧が印加されると、放電電極20の先端部20aの近傍に強電界が生じ、図7中の範囲R11に示すように、放電電極20の周囲にコロナ放電が誘起され、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生する。
そして、図7中の範囲R12に示すように、コロナ放電の発生により放電電極20の周囲の空気が電離して空気イオンが発生する。具体的には、放電電極20の周囲の空気が電離して正イオンと負イオンが生成される。
そして、図7中の範囲R13に示すように、負のイオンが電極間の電界によって加速され基準電極30側に移動する。また、図7中の範囲R14に示すように、負のイオンが基準電極30側に移動する過程で放電電極20および基準電極30の周囲の空気を巻き込みイオン風が発生する。
さらに、制御電極31の電位は3kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなっているので、基準電極30と制御電極31の間に電界が発生する。したがって、基準電極30を通過した負のイオンは、制御電極31側に移動する過程で加速され、より大きなイオン風が発生する。そして、制御電極31を通過したイオン風は、噴射ノズル12から噴流として吹き出される。なお、ケース10内の負のイオンの一部は接地端子GNDを介して吸収され、ケース10内の負のイオンの一部はケース10内にイオンの状態で留まり、ケース10内の負のイオンの残りの一部は周囲の空気とともに噴射ノズル12からケース10外に噴射される。
上記したように、本噴流発生装置は、ケース10内において基準電極30と噴射ノズル12の間に配置された制御電極31と、基準電極30と制御電極31の間に印加する電圧を出力する電源回路41と、を備えている。そして、制御部50は、電源回路40の出力電圧を、第1電圧から第2電圧に切り替えている期間中に、ケース10内でコロナ放電により発生したイオン風を噴射ノズル12へ向けて加速させるよう電源回路41の出力電圧を制御している。これにより、基準電極30と制御電極31の間の電界によってコロナ放電によって発生した負のイオンが加速され、より大きなイオン風を発生させることができる。すなわち、上記第1実施形態の噴流発生装置と比較して、噴射ノズル12から噴射される噴流をより高速にすることができる。
また、本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係る噴流発生装置について説明する。本実施形態の噴流発生装置の構成は、上記第2実施形態の構成と同じである。
上記第2実施形態の噴流発生装置は、電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替えて−3kVに維持している間、電源回路41の出力電圧を0Vから3kVに切り替えて3kVに維持するよう電源回路41を制御する。これに対し、本実施形態の噴流発生装置は、図8に示すように、電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替えて−3kVに維持している間、電源回路41の出力電圧を−3kVから3kVに切り替えて3kVに維持するよう電源回路41を制御する。この点が、第1実施形態と異なる。
放電電極20と基準電極30の間に間欠的にコロナ放電を発生させる場合、ケース10の内部に前回のコロナ放電により生成された負のイオンが取り残される場合がある。
そこで、本実施形態の制御部50は、電源回路40の出力電圧が−2kVとなっている期間に、電源回路41の出力電圧が−3kVとなるよう電源回路40および電源回路41を制御する。このように、制御電極31の電位が基準電極30よりも低くなるようにして、前回のコロナ放電により生成された負のイオンであって、基準電極30と制御電極31の間に存在するイオンを基準電極30側に移動させる。すなわち、基準電極30と制御電極31の間に存在するイオンを基準電極30側に蓄積させる。
次に、制御部50は、電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替えると同時に電源回路41の出力電圧を−3kVから3kVに切り替える。
これにより、放電電極20の周囲にコロナ放電が誘起され、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生し、このコロナ放電の発生により放電電極20の周囲の空気が電離して空気イオンが発生する。
具体的には、放電電極20の周囲の空気が電離して正イオンと負イオンが生成される。そして、負のイオンが電極間の電界によって加速され基準電極30側に移動する。また、負のイオンが基準電極30側に移動する過程で放電電極20および基準電極30の周囲の空気を巻き込みイオン風が発生する。
さらに、制御電極31の電位は3kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなっているので、基準電極30を通過した負のイオンは、制御電極31側に移動する過程で加速され、より大きなイオン風が発生する。そして、制御電極31を通過したイオン風は、噴射ノズル12から吹き出される。
また、本実施形態の制御部50は、コロナ放電により発生した負のイオンを噴射ノズル12へ向けて加速させるよう電源回路41の出力電圧を制御する前に、図9中の範囲R21に示すように、基準電極30と制御電極31の間に存在する負のイオンを基準電極30側に移動させるよう電源回路41の出力電圧を制御するようにしている。
これにより、基準電極30と制御電極31の間から基準電極30側に押し戻されるよう負のイオンが移動、蓄積される。したがって、コロナ放電により発生した負のイオンを噴射ノズル12へ向けて加速させるよう電源回路41の出力電圧を制御する際に、これらの負のイオンも、制御電極31側に移動する過程で加速される。その結果、さらに大きなイオン風が発生し、このイオン風が噴射ノズル12から噴流として吹き出される。すなわち、上記第2実施形態の噴流発生装置と比較して、噴射ノズル12から噴射される噴流をより高速にすることができる。また、噴射ノズル12からケース10の外部に噴射させる負のイオンの量を多くすることもできる。
また、本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係る噴流発生システムの構成を図10に示す。本実施形態の噴流発生システムは、噴流発生装置1a〜1c、誘導路12a〜12c、合流部14およびタイミング調整部60を備えている。
噴流発生装置1a〜1cは、コロナ放電により発生したイオン風を噴流として噴射するものであり、上記第1実施形態の噴流発生装置と同じ構成となっている。
噴流発生装置1aと合流部14の間には、誘導路12aが設けられている。この誘導路12aは、噴流発生装置1aから噴射した空気の噴流を合流部14へ誘導する空気流路である。
噴流発生装置1bと合流部14の間には、誘導路12bが設けられている。この誘導路12bは、噴流発生装置1bから噴射した空気の噴流を合流部14へ誘導する空気流路である。
噴流発生装置1cと合流部14の間には、誘導路12cが設けられている。この誘導路12cは、噴流発生装置1cから噴射した空気の噴流を合流部14へ誘導する空気流路である。
本実施形態においては、誘導路12a〜12cの長さが異なっている。具体的には、誘導路12bの長さが最も長く、誘導路12aの長さは誘導路12bよりも短く、誘導路12cの長さは誘導路12aよりも短くなっている。
合流部14は、噴射ノズル14aを有する。合流部14は、噴流発生装置1aから誘導路12aを介して流入する噴流と、噴流発生装置1bから誘導路12bを介して流入する噴流と、噴流発生装置1cから誘導路12cを介して流入する噴流とを合流させて噴射ノズル14aから噴射させる。
タイミング調整部60は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するコンピュータとして構成され、CPUはROMに記憶されたプログラムにしたがって各種処理を実施する。なお、RAMおよびROMのいずれも、非遷移的実体的記録媒体である。
タイミング調整部60は、噴流発生装置1a〜1cの各制御部50と通信線を介して接続されている。
本実施形態のように、誘導路12a〜12cの長さが異なる場合、噴流発生装置1a〜1cの各々でコロナ放電により発生したイオン風が一斉に合流部14に到達せず、噴流の強さが一定とならず、渦輪の生成が阻害される。
そこで、本噴流発生システムは、タイミング調整部60が、各噴流発生装置1a〜1cの電源回路40の出力電圧の切り替えタイミングを調整する。具体的には、タイミング調整部60が、噴流発生装置1a〜1cの各々の噴射ノズルから噴射される噴流が合流部14に到達するタイミングを一致させるよう、誘導路12a〜12cの長さに応じて、各電源回路40の出力電圧の切り替えタイミングを調整する。
本噴流発生システムにおける噴流発生装置1a〜1cの各電源回路40の出力電圧の出力波形を図11に示す。図11に示すように、タイミング調整部60は、誘導路12a〜12cの長さが長いほど噴流発生装置1a〜1cの各電源回路40の出力電圧の立ち下がりが速くなるよう噴流発生装置1a〜1cの各電源回路40を制御する。
すなわち、時刻t0にて、噴流発生装置1aの電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替えた後、時刻t1にて、噴流発生装置1bの電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替える。そして、時刻t2にて、噴流発生装置1cの電源回路40の出力電圧を−2kVから−3kVに切り替える。
上記した構成によれば、噴流発生装置1a〜1cの各々でコロナ放電により発生したイオン風が一斉に合流部14に到達するため、噴流の強さを強力とすることが可能となり、渦輪の生成を良好に行うことが可能となる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(第5実施形態)
次に第5実施形態について、図15、図16、図17を用いて説明する。本実施形態に係る噴流発生装置は、第1実施形態の噴流発生装置に対して、支持部13、放電電極20の構成が変更され、かつ、状態応答部材15、架台16が追加されている。本実施形態の噴流発生装置の他の構成は、第1実施形態と同じである。以下、本実施形態の噴流発生装置について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
図15は、ケース10の中心軸を含む面で噴流発生装置を切断した断面図である。図16は、噴流発生装置のうち、支持部13、放電電極20、状態応答部材15、架台16のみを示す斜視図である。図17は、図15のXVII−XVII断面図である。
図15、図16に示すように、支持部13のうちケース10の中心軸に重なる部分およびその近傍には、ネジ穴13bが形成されている。また、放電電極20は、導電金属製かつ円柱形状の円柱形状部と、導電金属製かつ円錐形状の円錐形状部とを有する。そして円柱形状部の一方側の底面と円錐形状部の底面とが接触している。円柱形状部と円錐形状部とは一体に形成されている。そして、円柱形状部の外周(すなわち側面)の一部には、上述のネジ穴13bに対応する雄ネジ20bが形成されている。
ネジ穴13bと雄ネジ20bは、図15に示すように螺合する。そして、放電電極20は、このネジ穴13bを通って支持部13を貫通する。そして、円錐形状部の全体がケース10の内部に配置され、円柱形状部の一部がケース10の外部に配置される。そして、放電電極20は、放電電極20の中心軸を中心として回転すると、ネジ穴13bと雄ネジ20bの作用により、ケース10の中心軸の方向に移動する。本実施形態では、放電電極20の中心軸は、ケース10の中心軸と一致する。
また、図15、図16、図17に示すように、放電電極20の円柱形状部のうち、放電電極20から遠い側の端部の側面は、状態応答部材15に固定されている。
状態応答部材15は、状態応答部材15の周囲にある気体の湿度に応じて形状が変化する。状態応答部材15の周囲にある気体は、噴流発生装置の作動時に、ケース10内に吸い込まれてイオン風となって噴射ノズル12から吹き出される。状態応答部材15の周囲にある気体は、当然に、噴流発生装置の周囲にある気体でもある。
状態応答部材15は、第1部材151および第2部材152を有する。第1部材151は、感湿材を主に含む部材である。感湿材としては、樹脂を用いてもよいし紙を用いてもよい。第1部材151は、細長い板形状を有する。
第2部材152は、非感湿材を主に含む部材である。非感湿材としては、金属製(例えば、真鍮製、42アロイ製)の部材を用いてもよい。第2部材152は、第1部材151とほぼ同じ細長い板形状を有する。
このようになっていることで、第1部材151と第2部材152は、同じ湿度の変化量に対する長手方向の伸長量が、互いに異なる。具体的には、状態応答部材15の周囲の気体(すなわち空気)の湿度が第1湿度から第2湿度まで上昇した場合、第1部材151の長手方向の伸長量は、第2部材152の長手方向の伸長量よりも大きくなる。また、状態応答部材15の周囲の気体の湿度が第2湿度から第1湿度まで低下した場合、第1部材151の長手方向の収縮量は、第2部材152の長手方向の収縮量よりも大きくなる。
図15、図16、図17に示すように、第1部材151の厚み方向の第2部材152側の面と第2部材152の厚み方向の第1部材151側の面とが、互いに張り合わされている。したがって、第1部材151と第2部材152は両者の厚み方向に積層されている。
そして、図15、図16、図17に示すように、第1部材151および第2部材152は共に、両者の長手方向に沿って渦巻き形状に伸びている。この渦巻き形状において、第1部材151が外周側に配置され、第2部材152が内周側に配置される。
そして、第1部材151および第2部材152の螺旋の外側の端部は、架台16に固定される。また、図17に示すように、第2部材152の螺旋の中央部側の端部のうち、第1部材151と張り合わされた面とは反対側の面が、放電電極20の円柱形状部の側面に固定されている。
架台16は、噴流発生装置の取り付け対象の部材(例えば、車室内の天井、メータ、ステアリング、ヘッドレスト)に固定される。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第1実施形態と異なる部分を中心に説明する。
本実施形態の噴流発生装置においても、第1実施形態と同じ電圧が、第1実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に、印加される。
電源回路40から−3kVの高電圧が出力される期間(すなわち、図2における0.2秒の期間)には、放電電極20の先端部20a近傍に強電界が生じ、コロナ放電が発生するため、第1実施形態と同様、イオン風が発生する。
ここで、コロナ放電を発生させるために印加した高電圧による強電界が大きくなり過ぎると、放電電極20と基準電極30の間に火花放電が発生する。火花放電が発生すると、放電電極20、基準電極30における電極の欠損やオゾンの発生といった望ましくない状態が生じてしまう。
発明者は、火花放電の発生は印加する電圧だけでなく、電極間の距離および放電電極20、基準電極30の周囲の気体(例えば大気)の状態によっても影響を受けることに着目した。特に、電極間距離や電極間に印加される電圧が同じでも、電極の周囲の気体の湿度が高い場合は、絶縁破壊しやすくなるため火花放電が発生し易くなる。
特開2010−010138号公報に記載された従来技術では、火花放電が発生する直前のスパイク状に増加する電流をセンサが検出したとき、制御回路が、放電電極の電圧を瞬時に低下させて火花放電を防ぐ。
しかし、このような従来技術では、スパイクの検出のための複雑な回路、および、瞬時に電圧を低下させるための回路の追加が、必要になる。
これに対し、本実施形態の噴流発生装置では、状態応答部材15が、同じ湿度の変化量に対する長手方向の伸長量が、互いに異なる第1部材151、第2部材152を有している。そしてその結果、状態応答部材15は、状態応答部材15の周囲にある気体の湿度に応じて形状が変化する。
具体的には、状態応答部材15の周囲の気体の湿度が上昇すると、第1部材151が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。このとき、第2部材152は、第1部材151ほど膨潤しないので、長手方向の長さの増大量が第1部材151よりは小さい。
その結果、状態応答部材15が形成する螺旋形状において、外周側が内周側よりも伸びる。すると、当該螺旋形状の巻き数が増加する向きに、状態応答部材15が変形する。その結果、放電電極20が、支持部13に対して、放電電極20の中心軸を中心として、図17の矢印Wに示す方向に回転する。
このように放電電極20が回転すると、ネジ穴13bと雄ネジ20bの作用により、放電電極20が基準電極30から遠ざかる側に、ケース10の中心軸の方向に沿って、移動する。その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が上昇した場合でも、放電電極20と基準電極30の間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
また、状態応答部材15の周囲の気体の湿度が低下すると、第1部材151が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。このとき、第2部材152は、第1部材151ほど収縮しないので、長手方向の長さの減少量が第1部材151よりは小さい。
その結果、状態応答部材15が形成する螺旋形状において、外周側が内周側よりも縮む。すると、当該螺旋形状の巻き数が減少する向きに、状態応答部材15が変形する。その結果、放電電極20が、支持部13に対して、放電電極20の中心軸を中心として、図17の矢印Wに示す方向とは反対方向に、回転する。
このように放電電極20が回転すると、ネジ穴13bと雄ネジ20bの作用により、放電電極20が基準電極30に近付く側に、ケース10の中心軸の方向に沿って、移動する。その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が低下した場合、放電電極20と基準電極30の間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30の間に発生させることができる。
なお、第1部材151、第2部材152の長さおよび形状は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第6実施形態)
次に第6実施形態について、図18を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第5実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材15が状態応答部材17に置き換えられ、かつ、ばね部材17xが追加されている。その他の構成は、第5実施形態と同じである。ばね部材17xは弾性部材に対応する。
図18は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸に垂直かつ架台16、状態応答部材17、ばね部材17x、放電電極20を含む断面で切った断面図である。ただし、ばね部材17xについては記載を簡略化している。
状態応答部材17は、第5実施形態と同様の感湿材を主に含む膨潤部材である。状態応答部材17の長手方向の一端は架台16に固定されている。状態応答部材17の長手方向の他端は、放電電極20の円柱形状部の側面に、図18中で時計回りに巻き付くように、固定されている。
ばね部材17xは、状態応答部材17よりも弾性率の低い弾性部材である。ばね部材17xの長手方向の一端は架台16に固定されている。ばね部材17xの長手方向の他端は、放電電極20の円柱形状部の側面に、図18中で反時計回りに巻き付くように、固定されている。
ばね部材17xは、常に自然長よりも伸びた状態にある。したがって、ばね部材17xは、放電電極20を図18中時計回りに回転させる方向の力を、放電電極20に対して常に及ぼしている。したがって、ばね部材17xは、放電電極20を介して、状態応答部材17の長手方向の長さが増大する向きに状態応答部材17を付勢している。このようになっていることで、状態応答部材17の伸長時のたるみを抑えて、放電電極20を適切に移動させることができる。
状態応答部材17の周囲の気体(すなわち空気)の湿度が第1湿度から第2湿度まで上昇した場合、状態応答部材17が長手方向に伸長する。また、状態応答部材17の周囲の気体の湿度が第2湿度から第1湿度まで低下した場合、状態応答部材17が長手方向に収縮する。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第5実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の噴流発生装置においても、第5実施形態と同じ電圧が、第5実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に、印加される。その結果、コロナ放電が発生し、イオン風が発生する。
本実施形態では、状態応答部材17の周囲の気体の湿度が上昇すると、状態応答部材17が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。その結果、放電電極20は、ばね部材17xから受ける付勢力によって、支持部13に対して、放電電極20の中心軸を中心として、図18の矢印Wの向きに、回転する。
このように放電電極20が回転すると、ネジ穴13bと雄ネジ20bの作用により、放電電極20が基準電極30から遠ざかる側に、ケース10の中心軸の方向に沿って、移動する。その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が上昇した場合に、放電電極20と基準電極30の間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
また、状態応答部材17の周囲の気体の湿度が低下すると、状態応答部材17が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。その結果、放電電極20は、状態応答部材17によって引っ張られる。したがって、放電電極20は、ばね部材17xから受ける付勢力に抗して、支持部13に対して、放電電極20の中心軸を中心として、図18の矢印Wの向きとは反対の向きに、回転する。
このように放電電極20が回転すると、ネジ穴13bと雄ネジ20bの作用により、放電電極20が基準電極30に近付く側に、ケース10の中心軸の方向に沿って、移動する。その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が低下した場合、放電電極20と基準電極30の間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30の間に発生させることができる。
なお、状態応答部材17の長さおよびばね部材17xの弾性率は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第7実施形態)
次に第7実施形態について、図19を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第6実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材17が状態応答部材18に置き換えられ、かつ、ばね部材17xがばね部材18xに置き換えられている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第6実施形態の噴流発生装置に対して、放電電極20と架台16の接続形態が変更になっている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第6実施形態の噴流発生装置に対して、ネジ穴13bと雄ネジ20bが廃されている。その他の構成は、第6実施形態と同じである。ばね部材18xは弾性部材に対応する。
図19は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸を含み、架台16、状態応答部材18、ばね部材18x、放電電極20を含む断面で切った断面図である。ただし、ばね部材18xについては記載を簡略化している。
状態応答部材18は、第6実施形態と同様の感湿材を主に含む膨潤部材である。状態応答部材18の長手方向の一端は架台16に固定されている。状態応答部材18の長手方向の他端は、支持部13に固定されている。状態応答部材18は、長手方向の一端から他端まで、放電電極20の中心軸に平行に伸びている。
ばね部材18xは、状態応答部材18よりも弾性率の低い弾性部材である。ばね部材18xの長手方向の一端は架台16に固定されている。ばね部材18xの長手方向の他端は、支持部13に固定されている。ばね部材18xは、長手方向の一端から他端まで、放電電極20の中心軸に平行に伸びている。
ばね部材18xは、常に自然長よりも縮んだ状態にある。したがって、ばね部材18xは、架台16を支持部13から遠ざける向きの力を、架台16に対して常に及ぼしている。したがって、ばね部材18xは、架台16を介して、状態応答部材18の長手方向の長さが増大する向きに状態応答部材18を付勢している。このようになっていることで、状態応答部材18の伸長時のたるみを抑えて、放電電極20を適切に移動させることができる。
状態応答部材18の周囲の気体(すなわち空気)の湿度が第1湿度から第2湿度まで上昇した場合、状態応答部材18が長手方向に伸長する。また、状態応答部材18の周囲の気体の湿度が第2湿度から第1湿度まで低下した場合、状態応答部材18が長手方向に収縮する。
また、放電電極20の円柱形状部の底面のうち、円錐形状部から遠い方の底面は、架台16に固定されている。本実施形態の架台16は、第5、第6実施形態と異なり、固定されておらず、移動可能となっている。
なお、本実施形態では、第6実施形態のネジ穴13bと雄ネジ20bが廃されているが、支持部13のうちケース10の中心軸に重なる部分には、貫通孔20cが形成されている。放電電極20は、この貫通孔20cを通って支持部13を貫通する。そして、放電電極20の円柱形状部は、貫通孔20cにおいて、支持部13に対して摺動可能に、支持部13に支持されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第6実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の噴流発生装置においても、第6実施形態と同じ電圧が、第6実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に、印加される。その結果、コロナ放電が発生し、イオン風が発生する。
状態応答部材18の周囲の気体の湿度が上昇すると、状態応答部材18が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。すると、ばね部材18xが伸長可能になる。その結果、架台16が、ばね部材18xに押されることで、支持部13から遠ざかる向きに移動する。そして、放電電極20も、架台16と共に移動する。したがって、放電電極20が基準電極30から遠ざかる向きに、ケース10の中心軸に沿って移動し、その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が上昇した場合に、放電電極20と基準電極30の間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
また、状態応答部材18の周囲の気体の湿度が低下すると、状態応答部材18が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。その結果、架台16が、状態応答部材18に引っ張られることで、ばね部材18xの付勢力に抗して、支持部13に近付く向きに移動する。そして、放電電極20も、架台16と共に移動する。したがって、放電電極20が基準電極30に近付く向きに、ケース10の中心軸に沿って移動し、その結果、先端部20aと基準電極30の最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30の周囲の湿度が低下した場合、放電電極20と基準電極30の間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30の間に発生させることができる。
なお、状態応答部材18の長さおよびばね部材18xの弾性率は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第8実施形態)
次に第8実施形態について、図20、図21を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材18が状態応答部材19に置き換えられ、かつ、ばね部材18xがばね部材19xに置き換えられている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、放電電極20と架台16の接続形態、および、支持部13と架台16の接続形態が変更になっている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、胴体部11と支持部13の接続形態が変更になっている。また、本実施形態の噴流発生装置においては、基準電極30が基準電極30aに置き換わっている。その他の構成は、第7実施形態と同じである。ばね部材19xは弾性部材に対応する。
図20は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸を含み、かつ、架台16、状態応答部材19、ばね部材19x、放電電極20を含む断面で切った断面図である。ただし、ばね部材19xについては記載を簡略化している。
状態応答部材19は、第7実施形態と同様の感湿材を主に含む膨潤部材である。状態応答部材19の長手方向の一端は架台16に固定されている。状態応答部材19の長手方向の他端は、放電電極20の円柱形状部の側面に固定されている。状態応答部材19は、長手方向の一端から他端まで、放電電極20の中心軸に対して垂直に伸びている。
ばね部材19xは、状態応答部材19よりも弾性率の低い弾性部材である。ばね部材19xの長手方向の一端は架台16に固定されている。ばね部材19xの長手方向の他端は、放電電極20の円柱形状部の側面に固定されている。ばね部材19xは、長手方向の一端から他端まで、放電電極20の中心軸に対して垂直に伸びている。
ばね部材19xは、常に自然長よりも縮んだ状態にある。したがって、ばね部材19xは、放電電極20を架台16から遠ざける向きの力を、放電電極20に対して常に及ぼしている。したがって、ばね部材19xは、放電電極20を介して、状態応答部材19の長手方向の長さが増大する向きに状態応答部材19を付勢している。このようになっていることで、状態応答部材19の伸長時のたるみを抑えて、放電電極20を適切に移動させることができる。なお、本実施形態の架台16は、第7実施形態と異なり、車両内の他の部分に固定されている。
状態応答部材19の周囲の気体(すなわち空気)の湿度が第1湿度から第2湿度まで上昇した場合、状態応答部材19が長手方向に伸長する。また、状態応答部材19の周囲の気体の湿度が第2湿度から第1湿度まで低下した場合、状態応答部材19が長手方向に収縮する。
また、放電電極20は、支持部13に対して固定されている。また、支持部13は、ケース10の胴体部11に固定されておらず、ケース10に対して、ケース10の中心軸に直交する方向に、摺動可能となっている。また、支持部13は、架台16に形成された溝内に嵌っている。このようになっていることで、支持部13は、架台16によって、架台16に対して摺動可能に、保持される。
基準電極30aは、図20、図21に示すように、無底中空円筒形状の部材を、当該円筒形状の中心軸を含む断面で2つに切断したうちの一方の部材と同形状である。言い替えれば、基準電極30aは、胴体部11の内周面に沿って、ケース10の中心軸を中心として半円を描くようにカーブした板部材である。この基準電極30aは、導電性金属製であり、第1実施形態と同様、電源回路40の正極端子および接地端子GNDに接続されている。ケース10の内部において基準電極30aは、図20、図21に示すように、胴体部11の内周面のうち下側の半分を覆っており、胴体部11の内周面のうち上側の半分を覆っていない。このように、基準電極30aは、放電電極20の中心軸に関して非軸対象に配置されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第7実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の噴流発生装置においても、第7実施形態と同じ電圧が、第7実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30aの間に、印加される。その結果、コロナ放電が発生し、イオン風が発生する。
状態応答部材19の周囲の気体の湿度が上昇すると、状態応答部材19が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。すると、ばね部材19xが伸長可能になる。その結果、放電電極20および支持部13が、ばね部材19xに押されることで、架台16から遠ざかる向きに移動する。すなわち、放電電極20および支持部13が、ケース10の中心軸に直交する方向、かつ、図20中上向きに移動する。この際、支持部13は、架台16および胴体部11によって支持されながら、姿勢を変えずにスライドする。したがって、放電電極20が、ケース10内の下部に位置する基準電極30aから遠ざかる向きに移動し、その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が上昇した場合に、放電電極20と基準電極30aの間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
また、状態応答部材19の周囲の気体の湿度が低下すると、状態応答部材19が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。その結果、放電電極20および支持部13が、状態応答部材19に引っ張られることで、ばね部材19xの付勢力に抗して、架台16に近付く向きに移動する。すなわち、放電電極20および支持部13が、ケース10の中心軸に直交する方向、かつ、図20中下向きに移動する。この際、支持部13は、架台16および胴体部11によって支持されながら、姿勢を変えずにスライドする。したがって、放電電極20が、ケース10内の下部に位置する基準電極30aに近付く向きに移動し、その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が低下した場合、放電電極20と基準電極30aの間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30aの間に発生させることができる。
なお、状態応答部材19の長さおよびばね部材19xの弾性率は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第9実施形態)
次に第9実施形態について、図22を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材18が状態応答部材22に置き換えられ、かつ、ばね部材18xがばね部材22xに置き換えられている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、軸部材21および追加保持部材161が追加されている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、放電電極20と架台16の接続形態が変更になっている。また、本実施形態の噴流発生装置においては、基準電極30が基準電極30aに置き換わっている。その他の構成は、第7実施形態と同じである。ばね部材22xは弾性部材に対応する。
図22は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸を含み、かつ、架台16、状態応答部材22、ばね部材22x、放電電極20、軸部材21を含む断面で切った断面図である。ただし、ばね部材22xについては記載を簡略化している。
軸部材21は、放電電極20の円柱形状部を、放電電極20の中心軸に直交するように、かつ、図22の紙面に直交する方向に、貫通している。そして、軸部材21の両端は、図示しない車内の支持部材によって、回転可能に支持されている。
また、軸部材21は放電電極20に固定されている。また、放電電極20は支持部13に固定されている。また、放電電極20の円柱形状部の2つの底面のうち、先端部20aから遠い側の底面は、追加保持部材161に固定されている。また、支持部13は胴体部11に対して固定されてない。したがって、軸部材21、放電電極20、支持部13、追加保持部材161は、軸部材21を軸として共に回転可能となっている。
状態応答部材22は、第7実施形態と同様の感湿材を主に含む膨潤部材である。状態応答部材22の長手方向の上端は架台16に固定されている。状態応答部材22の長手方向の下端は追加保持部材161に固定されている。状態応答部材22は、長手方向の一端(すなわち上端)から他端(すなわち下端)まで、放電電極20の中心軸に対して垂直に伸びている。
ばね部材22xは、状態応答部材22よりも弾性率の低い弾性部材である。ばね部材22xの長手方向の上端は架台16に固定されている。ばね部材22xの長手方向の下端は追加保持部材161に固定されている。ばね部材22xは、長手方向の一端(すなわち上端)から他端(すなわち下端)まで、放電電極20の中心軸に対して垂直に伸びている。
ばね部材22xは、常に自然長よりも縮んだ状態にある。したがって、ばね部材22xは、追加保持部材161を架台16から遠ざける向きの力を、追加保持部材161に対して常に及ぼしている。したがって、ばね部材22xは、追加保持部材161を介して、状態応答部材22の長手方向の長さが増大する向きに状態応答部材22を付勢している。このようになっていることで、状態応答部材22の伸長時のたるみを抑えて、放電電極20を適切に移動させることができる。なお、本実施形態の架台16は、第7実施形態と異なり、車両内の他の部分に固定されている。
状態応答部材22の周囲の気体(すなわち空気)の湿度が第1湿度から第2湿度まで上昇した場合、状態応答部材22が長手方向に伸長する。また、状態応答部材22の周囲の気体の湿度が第2湿度から第1湿度まで低下した場合、状態応答部材22が長手方向に収縮する。
基準電極30aは、第8実施形態の基準電極30aと同じ材質、形状および同じ配置の部材である。具体的には、基準電極30aは、無底中空円筒形状の部材を、当該円筒形状の中心軸を含む断面で2つに切断したうちの一方の部材と同形状である。また、基準電極30aは、導電性金属製であり、第1実施形態と同様、電源回路40の正極端子および接地端子GNDに接続されている。ケース10の内部における基準電極30aは、胴体部11の内周面のうち下側の半分を覆っており、胴体部11の内周面のうち上側の半分を覆っていない。このように、基準電極30aは、放電電極20の中心軸に関して非軸対象に配置されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第7実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の噴流発生装置においても、第7実施形態と同じ電圧が、第7実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30aの間に、印加される。その結果、コロナ放電が発生し、イオン風が発生する。
状態応答部材22の周囲の気体の湿度が上昇すると、状態応答部材22が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。すると、ばね部材22xが伸長可能になる。その結果、追加保持部材161が、ばね部材22xに押されることで、架台16から遠ざかる向きに移動する。すなわち、追加保持部材161が、図20中概ね下向きに移動する。これに伴い、追加保持部材161、放電電極20、支持部13、および軸部材21が、軸部材21を中心に矢印Wの向きに(すなわち図22中半時計回りに)回転する。
したがって、放電電極20の先端部20aが、ケース10内の下部に位置する基準電極30aから遠ざかる向きに移動する。その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が上昇した場合に、先端部20aと基準電極30aの間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
状態応答部材22の周囲の気体の湿度が低下すると、状態応答部材22が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。その結果、追加保持部材161が、状態応答部材22に引っ張られることで、ばね部材22xの付勢力に抗して、架台16に近付く向きに移動する。すなわち、追加保持部材161が、図20中概ね上向きに移動する。これに伴い、追加保持部材161、放電電極20、支持部13、および軸部材21が、軸部材21を中心に矢印Wの向きと反対の向きに(すなわち図22中時計回りに)回転する。
したがって、放電電極20の先端部20aが、ケース10内の下部に位置する基準電極30aに近付く向きに移動する。その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が低下した場合、先端部20aと基準電極30aの間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30aの間に発生させることができる。
なお、本実施形態では、放電電極20は、状態応答部材22の形状が変化することで、先端部20aから離れた位置にある軸部材21を中心として回転する。したがって、軸部材21と追加保持部材161の間の距離を調整することで、湿度変化に応じた先端部20aの位置変化を容易に調整することができる。また、軸部材21と追加保持部材161の間の距離を長くすることで、状態応答部材22、ばね部材22xによる付勢力によって発生するトルクを適宜増大させることができる。
なお、状態応答部材22の長さおよびばね部材22xの弾性率は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第10実施形態)
次に第10実施形態について、図23を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第9実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材22、部材18x、および追加保持部材161を、第5実施形態で説明した状態応答部材15に置き換えたものである。その他の構成は、第9実施形態と同じである。図23は、本実施形態の噴流発生装置を、状態応答部材15を含む断面で切った断面図である。ただし、図23では、ケース10および基準電極30aの図示を省略している。
状態応答部材15の構成は、第5実施形態で説明した通りである。ただし、本実施形態の状態応答部材15においては、第2部材152の螺旋の中央部側の端部のうち、第1部材151と張り合わされた面とは反対側の面が、軸部材21の側面に固定されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について、第9実施形態と異なる部分を中心に説明する。本実施形態の噴流発生装置においても、第9実施形態と同じ電圧が、第5実施形態と同じタイミングで、放電電極20と基準電極30aの間に、印加される。その結果、コロナ放電が発生し、イオン風が発生する。
状態応答部材15の周囲の気体の湿度が上昇すると、第1部材151が吸湿して膨潤し、長手方向の長さが増大する。このとき、第2部材152は、第1部材151ほど膨潤しないので、長手方向の長さの増大量が第1部材151よりは小さい。
その結果、状態応答部材15が形成する螺旋形状において、外周側が内周側よりも伸びる。すると、当該螺旋形状の巻き数が増加する向きに、状態応答部材15が変形する。その結果、軸部材21が、ケース10に対して、軸部材21を中心として、図23の矢印Wに示す向き(すなわち、図23における反時計回り)に回転する。そして、支持部13および放電電極20も、軸部材21と同様に回転する。
したがって、放電電極20の先端部20aが、ケース10内の下部に位置する基準電極30aから遠ざかる向きに移動する。その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が長くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が上昇した場合に、先端部20aと基準電極30aの間の距離が伸びる。したがって、湿度が上昇する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、火花放電が起こる可能性は低くなる。
また、状態応答部材15の周囲の気体の湿度が低下すると、第1部材151が放湿して収縮し、長手方向の長さが減少する。このとき、第2部材152は、第1部材151ほど収縮しないので、長手方向の長さの減少量が第1部材151よりは小さい。
その結果、状態応答部材15が形成する螺旋形状において、外周側が内周側よりも縮む。すると、当該螺旋形状の巻き数が減少する向きに、状態応答部材15が変形する。その結果、軸部材21が、ケース10に対して、軸部材21を中心として、図23の矢印Wに示す向きと反対の向き(すなわち、図23における時計回り)に回転する。そして、支持部13および放電電極20も、軸部材21と同様に回転する。
したがって、放電電極20の先端部20aが、ケース10内の下部に位置する基準電極30aに近付く向きに移動する。その結果、先端部20aと基準電極30aの最短距離が短くなる。
このように、放電電極20と基準電極30aの周囲の湿度が低下した場合、放電電極20と基準電極30aの間の距離が縮まる。したがって、湿度が低下する前と同じ電圧が放電電極20と基準電極30aの間に印加されたとしても、十分なコロナ放電を実現する程度に強い電界を放電電極20と基準電極30aの間に発生させることができる。
なお、第1部材151、第2部材152の長さおよび形状は、噴流発生装置において、多くの湿度で−3kVの電圧印加で火花放電が発生せず、かつ多くの湿度で−3kVの電圧印加で適切なコロナ放電が発生するように、適宜調整することができる。
(第11実施形態)
次に第11実施形態について、図24を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第1実施形態の噴流発生装置に対して、制御部50の制御内容が変更されている。その他の構成は、第1実施形態と同じである。
本実施形態では、制御部50は通常モードと電極回復モードの2つのモードで作動する。通常モードにおいては、制御部50は、第1実施形態と同様に、まず、図24に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、コロナ放電が発生し、第1実施形態と同様、イオン風が発生する。
コロナ放電によってイオン風を発生させる噴流発生装置では、放電電極20と基準電極30の間に高電圧を印加することでコロナ放電を生じさせ、電極間のイオン移動によって空気の流れを生じさせる。このとき、本実施形態の様に、基準電極30に対して放電電極20側を負電圧とすることが多い。しかし、他の例としては、基準電極30に対して放電電極20側を負電圧とする場合もある。
コロナ放電でイオン風を発生させる装置では、コロナ放電中に負電圧を印加する電極に、当該電極の空気中をただようシリコーンやフッ素樹脂などが引き寄せられ吸着することが知られている。
このため、本実施形態では、時間経過とともにコロナ放電を生じる放電電極20の先端にシリコーンなどが堆積する。この堆積を放置していると、コロナ放電を発生させる時間の増加とともに、堆積が増大し、最終的にコロナ放電が不可能となる場合がある。
これに対する対応策としては、従来は、放電電極20を交換可能とすること、噴流発生装置を分解可能として放電電極20を清掃可能とすること、堆積物を除去するブラシなどの掃除機構を噴流発生装置に内蔵すること等が行われてきた。これらも有効ではあるが、利便性やコスト面でのデメリットがある。
そこで、制御部50は、電極回復モードにおいて、放電衝撃や火花などで堆積物が除去される程度の短時間、火花放電可能なレベルの電圧を放電電極20と基準電極30の間に印加する。これにより、放電電極20の先端が再度露出しコロナ放電が可能となる。
具体的には、制御部50は、図24に示すように、電極回復モードにおいて、まず、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、電源回路40の出力電圧が−2kVのとき放電電極20の周囲にコロナ放電も火花放電も発生しない。
制御部50は、電極回復モードにおいて次に、図24に示すように、一定期間(本実施形態では、0.2秒間)、電源回路40から−5kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−5kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、放電電極20と基準電極30の間に−5kVの電圧が印加されると、放電電極20の先端部20aの近傍に強電界が生じ、火花放電が発生する。この火花放電により、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。その結果、通常モードにおいてコロナ放電が可能となる。
電極回復モードにおいてその後、制御部50は、図24に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。これにより、火花放電が終息し、コロナ放電も発生しない。
なお、制御部50は、通常モードと電極回復モードの切り替えを、図示しない操作部に対するユーザの切り替え操作に基づいて切り替えてもよい。
以上の通り、制御部50は、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させるため、電源回路40の出力電圧を−5kVの第3電圧に切り替える。この第3電圧の絶対値は、第2電圧である−3kVの絶対値よりも大きい。これにより、放電電極20に付着した堆積物の除去が可能になる。
特開2007−293066号公報には、放電電極のコロナ放電を用いた複写機において、放電電極に回転機構を設けブラシにこすりつける構造が開示されている。このような構成では、放電プロセスに不要なブラシ、回転機構の追加が必須であり、筐体のサイズ増、コスト増が生じる。これに対し、本実施形態では、複雑な構成要素を追加せずに低コストで放電電極に堆積した異物を除去することができる。
(第12実施形態)
次に第12実施形態について、図25を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第7実施形態の噴流発生装置に対して、状態応答部材18、ばね部材18xが廃され、架台16がアクチュエータ23および出力軸23xに置き換えられている。その他の構成は、第7実施形態と同じである。
図25は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸を含み、アクチュエータ23、出力軸23xを含む断面で切った断面図である。ただし、アクチュエータ23については記載を簡略化している。
アクチュエータ23は、制御部50によって制御されて作動する電動アクチュエータである。アクチュエータ23は、作動時に、出力軸23xを、放電電極20およびケース10の中心軸に平行な方向に移動させる。アクチュエータ23は、例えば、リニアモータであってもよい。
出力軸23xの一端は、放電電極20の円筒形状部の底面のうち先端部20aから遠い方の底面に、接続されている。出力軸23xの他端は、アクチュエータ23に接続されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は通常モードと電極回復モードの2つのモードで作動する。通常モードにおいては、制御部50は、アクチュエータ23を制御することで、出力軸23xおよび放電電極20の位置を所定の通常位置に配置する。放電電極20がこの通常位置にある場合、先端部20aと基準電極30の最短距離は、第1実施形態と同じになる。
さらに制御部50は、通常モードにおいて、第1実施形態と同様に、まず、図2に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、コロナ放電が発生し、第1実施形態と同様、イオン風が発生する。
また、制御部50は、電極回復モードにおいては、アクチュエータ23を制御することで、出力軸23xおよび放電電極20の位置を所定の回復位置に配置する。これによって、放電電極20が、ケース10の中心軸に沿って、矢印Wに示す向きに移動する。放電電極20がこの回復位置にある場合の先端部20aと基準電極30の最短距離は、放電電極20が通常位置にある場合に比べて、短くなる。
さらに制御部50は、電極回復モードにおいて、第1実施形態と同様に、まず、図2に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電も火花放電も発生しない。
制御部50は、次に、図2に示すように、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、火花放電が発生する。ここでコロナ放電ではなく火花放電が発生するのは、通常モード時と比べて、先端部20aと基準電極30の最短距離が短くなっているからである。
この火花放電により、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。その結果、通常モードにおいてコロナ放電が可能となる。
電極回復モードにおいてその後、制御部50は、図2に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、火花放電が終息する。
なお、制御部50は、通常モードと電極回復モードの切り替えを、図示しない操作部に対するユーザの切り替え操作に基づいて切り替えてもよい。
以上の通り、制御部50は、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させるため、放電電極20の先端部20aと基準電極30の間の最短距離を、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を発生させる場合に比べて、短くする。これにより、放電電極20に付着した堆積物の除去が可能になる。また、通常のイオン風発生のための電圧制御のまま火花放電を生じさせることができる。
(第13実施形態)
次に第13実施形態について、図26を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、制御部50の処理内容が変更になっている。その他の構成は、第11実施形態と同じである。
制御部50は、通常モードにおいては、所定のタイミングで、図24に示した通りの方法を間欠的に繰り返すことで、間欠的に繰り返し(例えば1秒間隔で)コロナ放電を実現する。
また制御部50は、上記処理と同時並行で、図26に示す処理を実行する。制御部50は、図5の処理においては、まずステップS10で、自装置がコロナ放電を実行したか否かを判定するまで待機する。そして、自装置がコロナ放電を実行した場合、ステップS20に進む。
ステップS20では、直前の(すなわち最新の)コロナ放電が行われた期間の長さを、コロナ放電の累積時間に加算する。コロナ放電の累積時間は、最後に回復モードで火花放電が行われた後にコロナ放電が行われた累積時間である。ただし、噴流発生装置の新規使用開始後にコロナ放電が一度も行われていない場合は、コロナ放電の累積時間は、噴流発生装置の新規使用開始後にコロナ放電が行われた累積時間である。なお、噴流発生装置の新規使用開始時における累積時間の初期値は、ゼロである。
本実施形態では、1回のコロナ放電が行われる期間は、図24に示す通り、0.2秒に固定されている。したがって、ステップS20では、制御部50は、コロナ放電の累積時間に、0.2秒を加算する。
続いてステップS30では、上記累積時間の現在値が、基準時間値を超えているか否かを判定する。基準時間値を超えていない場合、ステップS10に戻る。したがって、制御部50は、累積時間の現在値が基準時間値を超えるまでは、コロナ放電がある度に、当該コロナ放電の期間分だけ、累積時間を増加させる。
ステップS30で、上記累積時間の現在値が基準時間値を超えていると判定した場合、制御部50は、ステップS40に進む。ステップS40では、第11実施形態と同様に回復モードを実行する。その結果、放電電極20と基準電極30の間に火花放電が発生し、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。
続いてステップS50では、上述の累積時間をリセットする。これにより、累積時間がゼロに戻る。ステップS50に続いては、ステップS10に戻る。
このように、制御部は、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を発生させた累積時間が基準時間値を超えたときに、すなわち、当該累積時間に基づいたタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させる。
既に説明した通り、放電電極20における堆積物は、コロナ放電の度に増加する。したがって、制御部50が上記のように作動することで、適切なタイミングで自動的に放電電極20の堆積物を除去することができる。
(第14実施形態)
次に第14実施形態について、図27、図28を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第13実施形態の噴流発生装置に対して、電流計24が追加されている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第13実施形態の噴流発生装置に対して、制御部50の処理内容が変更になっている。その他の構成は、第13実施形態と同じである。
図27に示すように、電流計24は、電源回路40の負極端子に接続された配線40aを流れる電流の電流値を検出し、検出された電流値を制御部50に出力する回路である。
以下、噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は、第13実施形態において説明した図26の処理に代えて、図28の処理を実行する。図26と図28で同じ符号が付されたステップは、同じ処理を行う。
制御部50は、ステップS10で自装置がコロナ放電を実行したと判定した場合、ステップS20aに進む。コロナ放電が行われている際、電流計24は、配線40aを流れる電流の、電流値Ixを検出し、検出した電流値Ixを制御部50に出力する。制御部50は、電流計24から出力された電流値Ixを記憶する。なお、配線40aを流れる電流の電流値Ixは、放電電極20および基準電極30を流れる電流の電流値と同じである。
制御部50は、ステップS20aでは、直前の(すなわち最新の)コロナ放電時において電流計24が検出した電流値Ixを読み出す。コロナ放電が行われている際、電源回路40の出力電圧は、既に説明した通り、−3kVの一定電圧に維持される。
放電電極20に堆積物が付着していない状態では、適切にコロナ放電が行われる。しかし、放電電極20の堆積物が増加すると、コロナ放電が行われるけれども放電電極20、基準電極30に流れる電流の電流値の絶対値が小さくなっていく。この結果、イオン風の風量が低減されていく。そして、放電電極20の堆積物が更に増加すると、コロナ放電が行われなくなってしまう。したがって、制御部50は、コロナ放電時に電流計24によって検出された電流値Ixの絶対値が基準電流値よりも低下したタイミングで、電極回復モードを実行する。
具体的には、制御部50は、ステップS20aに続くステップS30aで、コロナ放電時に電流計24によって検出された電流値Ixの絶対値が基準電流値よりも低下しているか否かを判定する。そして当該電流値Ixの絶対値が基準電流値よりも低下していない場合、ステップS10に戻る。また、当該電流値Ixの絶対値が基準電流値よりも低下している場合、ステップS40に進んで回復モードを実行する。
その結果、放電電極20と基準電極30の間に火花放電が発生し、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。ステップS40に続いては、ステップS10に戻る。
このように、制御部50は、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を発生させる際に、放電電極20を流れる電流に基づいたタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させる。定電圧下において、放電電極20を流れる電流の低下は、放電電極20に付着した堆積物の増加を意味する。したがって、制御部50が上記のように作動することで、適切なタイミングで自動的に放電電極20の堆積物を除去することができる。
(第15実施形態)
次に第15実施形態について、図29、図30を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第13実施形態の噴流発生装置に対して、電圧計25が追加されている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第13実施形態の噴流発生装置に対して、制御部50の処理内容が変更になっている。また、本実施形態の噴流発生装置における電源回路40は、第1〜第14実施形態とは異なり、コロナ放電時に定電流源として機能する。
図29に示すように、電圧計25は、電源回路40の正極端子に接続された配線40bと電源回路40の負極端子に接続された配線40aの間に印加される電圧値を検出し、検出された電圧値を制御部50に出力する回路である。
以下、噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は、第13実施形態において説明した図26の処理に代えて、図30の処理を実行する。図26と図30で同じ符号が付されたステップは、同じ処理を行う。
制御部50は、ステップS10で自装置がコロナ放電を実行したと判定した場合、ステップS20bに進む。コロナ放電が行われている際、電圧計25は、配線40a、40b間に印加される電圧値Vxを検出し、検出した電圧値Vxを制御部50に出力する。制御部50は、電圧計25から出力された電圧値Vxを記憶する。
制御部50は、ステップS20bでは、直前の(すなわち最新の)コロナ放電時において電圧計25が検出した電圧値Vxを読み出す。コロナ放電が行われている際、電源回路40の出力電圧は、既に説明した通り、一定電流が流れるコロナ放電を実現するための電圧に維持される。放電電極20に堆積物が付着していない状態では、上述の−3kVの電圧が印加されることで、コロナ放電が発生する。
しかし、放電電極20の堆積物が増加すると、一定電流のコロナ放電を実現するために必要な電圧の絶対値が大きくなっていく。そして、放電電極20の堆積物が更に増加すると、電源回路40の能力上の最大の絶対値となる電圧が放電電極20と基準電極30の間に印加されても、コロナ放電が発生しない。したがって、制御部50は、コロナ放電時に電圧計25によって検出された電圧値Vxの絶対値が基準電圧値よりも大きくなったタイミングで、電極回復モードを実行する。
具体的には、制御部50は、ステップS20bに続くステップS30bで、コロナ放電時に電圧計25によって検出された電圧値Vxの絶対値が基準電圧値よりも高いか否かを判定する。そして当該電圧値Vxの絶対値が基準電圧値以下である場合、ステップS10に戻る。また、当該電圧値Vxの絶対値が基準電圧値以上である場合、ステップS40に進んで回復モードを実行する。
その結果、放電電極20と基準電極30の間に火花放電が発生し、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。ステップS40に続いては、ステップS10に戻る。
このように、制御部50は、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を発生させる際に、放電電極20と基準電極30の間に印加される電圧に基づいたタイミングで、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させる。定電流下において、放電電極20と基準電極30の間に印加される電圧の上昇は、放電電極20に付着した堆積物の増加を意味する。したがって、制御部50が上記のように作動することで、適切なタイミングで自動的に放電電極20の堆積物を除去することができる。
(第16実施形態)
次に第16実施形態について、図31、図32を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、基準電極30が基準電極30aに置き換えられている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、追加電極30bおよび切替回路42が追加されている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、電極回復モード時の作動が異なっている。
基準電極30aは、図31に示すように、無底中空円筒形状の部材を、当該円筒形状の中心軸を含む断面で2つに切断したうちの下側の一方の部材と同形状である。言い替えれば、基準電極30aは、胴体部11の内周面のうち下側部分に沿って、ケース10の中心軸を中心として半円を描くようにカーブした板部材である。この基準電極30aは、導電性金属製であり、配線40dに接続されている。このように、基準電極30aは、放電電極20の中心軸に関して非軸対象に配置されている。
追加電極30bは、図31に示すように、無底中空円筒形状の部材を、当該円筒形状の中心軸を含む断面で2つに切断したうちの上側の一方の部材と同形状である。言い替えれば、追加電極30bは、胴体部11の内周面のうち上側部分に沿って、ケース10の中心軸を中心として半円を描くようにカーブした板部材である。この追加電極30bは、導電性金属製であり、配線40eに接続されている。
このように、基準電極30aと追加電極30bは、互いに異なる位置に配置され、且つ、互いに電気的に導通していない。
切替回路42は、電源回路40の正極端子および接地端子GNDに接続されている配線40bの接続先を、配線40dと配線40eの間で切り替える回路である。この切替回路42の作動は、制御部50によって制御される。
以下、噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は、通常モードにおいては、配線40bが配線40dと接続するよう、切替回路42を制御する。したがって、基準電極30aが接地され、追加電極30bが接地されずフローティング状態になる。この場合、フローティング状態にある追加電極30bよりも、接地された状態になる基準電極30aの方が、放電電極20との電位差の絶対値が大きい。したがって、放電電極20と基準電極30aの間の方が、放電電極20と追加電極30bの間よりも、コロナ放電が発生し易い。
通常モードにおいては、制御部50は、第11実施形態と同様に、まず、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20と基準電極30aの間にコロナ放電が発生し、第11実施形態と同様、イオン風が発生する。
また、制御部50は、電極回復モードにおいて、図32に示すように、切替回路42を制御して、一定の所定周期T1で、配線40bと配線40dが接続される状態と、配線40bと配線40eが接続される状態とを、切り替える。
配線40bと配線40dが接続される状態では、基準電極30aが接地され、追加電極30bが接地されずフローティング状態になる。この場合、フローティング状態にある追加電極30bよりも、接地された状態になる基準電極30aの方が、放電電極20との電位差の絶対値が大きい。したがって、放電電極20と基準電極30aの間の方が、放電電極20と追加電極30bの間よりも、火花放電が発生し易い。
また、配線40bと配線40eが接続される状態では、追加電極30bが接地され、基準電極30aが接地されずフローティング状態になる。この場合、フローティング状態にある基準電極30aよりも、接地された状態になる追加電極30bの方が、放電電極20との電位差の絶対値が大きい。したがって、放電電極20と追加電極30bの間の方が、放電電極20と基準電極30aの間よりも、火花放電が発生し易い。
また、電極回復モードにおいては、制御部50は、図32に示すように、電源回路40の出力電圧を、期間T2の間−2kVに維持し、その後、0.2秒の期間T3の間、−5kVに維持する。この結果、電源回路40の出力電圧が−5kVになった時点で、火花放電が発生する。
これにより、ある期間T3においては、放電電極20と基準電極30aの間に火花放電が発生し、次の期間T3においては、放電電極20と追加電極30bの間に火花放電が発生する。そして、また次の期間T3においては、放電電極20と基準電極30aの間に火花放電が発生し、更に次の期間T3においては、放電電極20と追加電極30bの間に火花放電が発生する。つまり、放電電極20と基準電極30aの間の火花放電と、放電電極20と追加電極30bの間の火花放電とが、交互に発生する。
上述の通り、基準電極30aの位置と追加電極30bの位置は異なっている。したがって、放電電極20と基準電極30aの間で火花放電が発生する場合と、放電電極20と追加電極30bの間で火花放電が発生する場合とでは、放電経路が異なる。この結果、放電電極20と基準電極30aの間で火花放電が発生する場合と、放電電極20と追加電極30bの間で火花放電が発生する場合とでは、放電電極20上において堆積物が除去される位置が、異なる。
その結果、放電電極20に付着した堆積物のうち、特定の部分に付着した堆積物だけ偏って除去され、それ以外の部分に付着した堆積物が除去されない可能性が低減される。すなわち、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
以上の通り、制御部50は、ある期間において、放電電極20と基準電極30aの間に火花放電を発生させ、当該ある期間とは別の期間において、放電電極20と追加電極30bの間に火花放電を発生させる。そのために制御部50は、接地させる電極を基準電極30aと追加電極30bの間で交互に切り替える。これにより、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
(第17実施形態)
次に第17実施形態について、図33、図34を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第12実施形態の噴流発生装置に対して、アクチュエータ23がアクチュエータ26に置き換えられ、出力軸23xが出力軸26xに置き換えられ、基準電極30が基準電極30aに置き換えられている。また、制御部50の制御内容が、第12実施形態と異なる。その他の構成は、第12実施形態と同じである。
図33は、本実施形態の噴流発生装置を、ケース10の中心軸を含み、アクチュエータ26、出力軸26xを含む断面で切った断面図である。ただし、アクチュエータ26については記載を簡略化している。
アクチュエータ26は、制御部50によって制御されて作動する電動アクチュエータである。アクチュエータ26は、作動時に、出力軸26xを、放電電極20およびケース10の中心軸を中心として、矢印Wに示す向きに回転させる。アクチュエータ26は、例えば、電動モータであってもよい。
出力軸26xの一端は、放電電極20の円筒形状部の底面のうち先端部20aから遠い方の底面に、接続されている。出力軸26xの他端は、アクチュエータ26に接続されている。したがって、出力軸26xが放電電極20およびケース10の中心軸を中心として、矢印Wに示す向きに回転すると、放電電極20も、出力軸26xと同様に回転する。このとき、放電電極20は、支持部13に対して摺動する。
基準電極30aは、図33、図34に示すように、無底中空円筒形状の部材を、当該円筒形状の中心軸を含む断面で2つに切断したうちの下側の一方の部材と同形状である。言い替えれば、基準電極30aは、胴体部11の内周面に沿って、ケース10の中心軸を中心として半円を描くようにカーブした板部材である。この基準電極30aは、導電性金属製であり、電源回路40の正極端子および接地端子GNDに接続されている。ケース10の内部において基準電極30aは、図33、図34に示すように、胴体部11の内周面のうち下側の半分を覆っており、胴体部11の内周面のうち上側の半分を覆っていない。このように、基準電極30aは、放電電極20の中心軸に関して非軸対象に配置されている。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は通常モードと電極回復モードの2つのモードで作動する。通常モードにおいては、制御部50は、アクチュエータ26を作動させずに、第11実施形態と同様に、まず、図24に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、コロナ放電が発生し、第11実施形態と同様、イオン風が発生する。
また、制御部50は、電極回復モードにおいては、アクチュエータ26を制御することで、出力軸26xおよび放電電極20を、放電電極20およびケース10の中心軸を中心として、矢印Wに示す向きに回転させる。
そして制御部50は、電極回復モードにおいて、上記の通り放電電極20を回転させながら、放電電極20と基準電極30aの間の火花放電を間欠的に発生させる。具体的には、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御し、その後、電源回路40から−5kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御するという処理を、複数回繰り返す。
これによって、特定の回の火花放電時における、放電電極20に対する基準電極30aの相対位置と、次の回の火花放電時における、放電電極20に対する基準電極30aの相対位置が、変化する。具体的には、当該特定の回の火花放電時における放電電極20の姿勢と、次の回の火花放電時における放電電極20の姿勢で、放電電極20の中心軸を中心とする回転角のずれが、360°の倍数以外の角度(例えば30°)である。
このようにすることで、放電電極20の先端部20a以外の表面のうち、基準電極30aに最も近くなって火花放電が発生する箇所が、当該特定の回の火花放電時と次の回の火花放電時とで異なる。したがって、放電電極20上において堆積物が除去される位置が、当該特定の回の火花放電時と次の回の火花放電時とで異なる。
その結果、放電電極20に付着した堆積物のうち、特定の部分に付着した堆積物だけ偏って除去され、それ以外の部分に付着した堆積物が除去されない可能性が低減される。すなわち、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
以上の通り、制御部50は、放電電極20に対する基準電極30aの相対位置を変えながら、放電電極20と基準電極30aの間に火花放電を発生させる。これにより、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
(第18実施形態)
次に第18実施形態について、図35を用いて説明する。本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、供給装置27が追加されている。また、本実施形態の噴流発生装置は、第11実施形態の噴流発生装置に対して、制御部50の制御内容が異なっている。
供給装置27は、ケース10内の放電電極20と基準電極30の間に水蒸気および霧状態の水28を吹き出す装置である。供給装置27は、制御部50によって制御される。水蒸気および霧状態の水28は、放電電極20と基準電極30の間にある空気に比べ、電気抵抗率が低い。したがって、供給装置27が放電電極20と基準電極30の間に水蒸気および霧状態の水28を供給することで、放電電極20と基準電極30の間の空間の電気抵抗が低減される。
以下、上記のような構成の噴流発生装置の作動について説明する。制御部50は通常モードと電極回復モードの2つのモードで作動する。通常モードにおいては、制御部50は、供給装置27を作動させない。したがって、通常モードにおいては、放電電極20と基準電極30の間の空間には、水蒸気および霧状態の水が供給されない。
さらに制御部50は、通常モードにおいて、第11実施形態と同様に、まず、図24に示すように、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、コロナ放電が発生し、第11実施形態と同様、イオン風が発生する。
また、制御部50は、電極回復モードにおいては、供給装置27を作動させる。したがって、電極回復モードにおいては、放電電極20と基準電極30の間の空間に、水蒸気および霧状態の水28が供給される。これにより、放電電極20と基準電極30の間の空間の電気抵抗が低減される。
さらに制御部50は、電極回復モードにおいて、通常モードと同様に、まず、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。このとき、放電電極20の周囲にコロナ放電も火花放電も発生しない。制御部50は、次に、一定期間(すなわち0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、電気抵抗が低減された空間を挟む放電電極20と基準電極30の間で、火花放電が発生する。この火花放電により、放電電極20に付着した堆積物の一部または全部が除去される。これにより、放電電極20の先端が再度露出する。その結果、通常モードにおいてコロナ放電が可能となる。
電極回復モードにおいてその後、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、火花放電が終息する。
なお、制御部50は、通常モードと電極回復モードの切り替えを、図示しない操作部に対するユーザの切り替え操作に基づいて切り替えてもよい。
以上の通り、供給装置27は、放電電極20と基準電極30の間に火花放電を発生させるため、放電電極20と基準電極30の間に、放電電極20と基準電極30の間の電気抵抗を低減する物質(すなわち水蒸気および霧)を供給する。このようにすることで、通常のイオン風発生のための電圧制御のまま火花放電を生じさせることができる。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、基準電極30よりも低い電圧が放電電極20に印加されて放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生する。しかし、基準電極30よりも高い電圧が放電電極20に印加されて放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生してもよい。
(2)上記各実施形態では、針状の先端部20aを有する1つの放電電極20と、中空円筒形状をなす1つの基準電極30を備えた構成を示した。しかし、噴流発生装置は、図12、図13に示すように、針状の先端部20aを有する複数の放電電極20と、互いに平行となるよう配置された複数の基準電極30を備えていてもよい。具体的には、アレー状に複数の放電電極20が配置されるとともに、各放電電極20に対する基準電極30が平行線状に配置されてもよい。このように、噴流発生装置は、複数の放電電極20と複数の基準電極30を備えることで、イオン風の風量を増加させ、より噴流の強さを強くすることができる。なお、図13に示した構成は、図12に示した構成と比較して、基準電極30がケース10の軸方向に対して90度回転している点が異なる。
(3)上記各実施形態では、針状の先端部20aを有する1つの放電電極20と、中空円筒形状をなす1つの基準電極30を備えた構成を示した。しかし、噴流発生装置は、図14に示すように、針状の先端部20aを有する複数の放電電極20と、メッシュ状の基準電極30を備えてもよい。具体的には、アレー状に複数の放電電極20が配置されるとともに、各放電電極20に対する基準電極30が平行線状に配置されてもよい。このように、噴流発生装置は、複数の放電電極20とメッシュ状の基準電極30を備えることで、イオン風の風量を増加させ、より噴流の強さを強くすることができる。
(4)上記各実施形態に示した構成に対して、さらに、ケース10の開口部13aあるいはケース10の内部等に、アロマオイル等の香り成分を放つプレートを格納するアロマユニットが備えられていてもよい。このように、アロマユニットに香り成分を放つプレートが格納されることで、噴射ノズル12から香り成分を放つようにすることが可能である。
(5)上記各実施形態において、快適性向上のため、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射するよう本噴流発生装置を車両のメータ等に取り付ける例を示した。しかし、空調のため、車両の乗員の顔等に向けて冷風または暖風を噴射するように、噴流発生装置が構成されてもよい。この場合、例えば、ケース10に形成された開口部13aからケース10内に空調装置により生成された冷風または暖風が取り込まれるように構成することができる。
(6)上記各実施形態において、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射するよう本噴流発生装置を車両のメータ等に取り付ける例を示した。しかし、車両の乗員の顔等に向けて湿度の高い空気を噴射するよう、噴流発生装置が構成されてもよい。この場合、例えば、ケース10に形成された開口部13aからケース10内に加湿器により生成された湿度の高い空気が取り込まれるように構成することができる。
(7)上記各実施形態において、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射するよう本噴流発生装置を車両のメータ等に取り付ける例を示した。しかし、車両の各乗員に対して個別に噴流を発生させるよう、例えば、本噴流発生装置を車両の各座席の乗員に対して個別に設けるようにしてもよい。
(8)上記各実施形態において、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射するよう本噴流発生装置を車両のメータ等に取り付ける例を示したが、本噴流発生装置を車両の天井、ステアリング、ヘッドレスト等に取り付けるようにしてもよい。また、車両のメータ、車両の天井、ステアリング、ヘッドレスト等に容易に取り付けられる取付部を備えるようにしてもよい。
(9)上記各実施形態において、車両の乗員の顔に向けて噴流を噴射するよう本噴流発生装置を車両のメータ等に取り付ける例を示したが、本噴流発生装置を眠気覚まし、エアーカーテンとして用いることもできる。
(10)上記各実施形態では、タイミング調整部60と噴流発生装置1a〜1cの各制御部50を別々に構成する例を示した。しかし、タイミング調整部60と噴流発生装置1a〜1cの各制御部50を1つのコンピュータで構成してもよい。
(11)上記第2、第3実施形態では、電源回路40の出力電圧の切替タイミングと電源回路41の出力電圧の切替タイミングを同期させるようにした。しかし、必ずしも同期させる必要はなく、例えば、電源回路41の出力電圧の切替タイミングを電源回路40の出力電圧の切替タイミングより若干遅らせるようにしてもよい。
具体的には、第2、第3実施形態に示した構成の噴流発生装置において、制御部50は、図36に示すタイミングで電源回路40、41を制御する。より具体的には、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、電源回路40の出力電圧が−2kVになっても放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。それと同時に、制御部50は、電源回路41の出力電圧を0Vとするよう電源回路41を制御する。これにより、制御電極31および基準電極30の電位はそれぞれ0Vとなる。
その後、制御部50は、一定期間、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御するとともに、同じ一定期間、電源回路41の出力電圧を0Vとするよう電源回路41を制御する。この一定期間は、例えば0.2秒間である。これにより、制御電極31および基準電極30の電位はそれぞれ0Vに維持される。したがって、この一定期間においては、制御電極31が無い第1実施形態と同等の作用でイオン風が発生する。
その後、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。それと同時に、制御部50は、電源回路41の出力電圧を0Vに維持とするよう電源回路41を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVに切り替わり、制御電極31および基準電極30の電位はそれぞれ0Vに維持される。このとき、放電電極20の近傍の電界は小さくなり、放電電極20と基準電極の間のコロナ放電は終息する。しかし、終息前のコロナ放電の効果により、放電電極20から基準電極30までの間、および基準電極30から制御電極31までの間において、イオン風が残っている。
その後すぐ、制御部50は、一定期間、電源回路40から引き続き−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御するとともに、同じ一定期間、電源回路41から3kVの電圧が出力されるよう電源回路41を制御する。この一定期間は、例えば0.2秒間である。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなり、制御電極31の電位は3kVとなる。その結果、基準電極30と制御電極31の間に電界が発生する。したがって、この一定期間においては、コロナ放電が終息する前に発生して基準電極30と制御電極31の間を移動している負のイオンは、制御電極31側に移動する過程で加速され、より大きなイオン風が発生する。
このように制御部50は、電源回路40の電源回路40の出力電圧を第2電圧(例えば3kV)から第1電圧(例えば2kV)に切り替えた後に、コロナ放電により発生したイオンを噴射ノズル12へ向けて加速させるよう電源回路41の出力電圧を制御する。
(12)上記第2〜第3実施形態では、噴流発生装置は1段の制御電極31を備えるが、2段以上の制御電極31を備えてもよい。
(13)上記各実施形態では、噴流発生装置は噴出口として噴射ノズル12を有するが、噴射ノズル12の代わりに単なる開口(すなわちオリフィス)を有してもよい。
(14)上記第1実施形態では、ケース10が放電電極20および基準電極30を収容する。しかし、ケース10は、少なくとも基準電極30を収容すればよい。また、上記第2、第3実施形態では、ケース10が放電電極20、基準電極30および制御電極31を収容するが、ケース10は、少なくとも制御電極31を収容していればよい。
(15)上記第5〜第10実施形態では、噴流発生装置は、基準電極30の位置を変化させず、放電電極20の位置を変化させることで、先端部20aと基準電極30の最短距離を変化させている。しかし、逆に、噴流発生装置は、放電電極20の位置を変化させず、基準電極30の位置を変化させることで、先端部20aと基準電極30の最短距離を変化させてもよい。
(16)上記実施形態では、状態応答部材15、17、18、19、22は、周囲の気体の湿度変化に応じて変形する感湿材を含む感湿伸縮部材である。しかし、状態応答部材15、17、18、19、22は、このようなものに限られない。
例えば、状態応答部材15、17、18、19、22は、周囲の気体の温度変化に応じて変形する材料(例えばバイメタル)であってもよい。電極間距離や電極間に印加される電圧が同じでも、電極の周囲の気体の温度が高い場合は、絶縁破壊しやすくなるため火花放電が発生し易くなる。したがってこの場合、状態応答部材15、17、18、19、22は、噴流発生装置の周囲にある気体の温度の上昇に応じて変形することで、先端部20aと基準電極30の最短距離を長くする。また、状態応答部材15、17、18、19、22は噴流発生装置の周囲にある気体の温度の低下に応じて変形することで、先端部20aと基準電極30の最短距離を短くする。
また例えば、状態応答部材15、17、18、19、22は、周囲の気体の圧力変化に応じて変形する材料であってもよい。また例えば、状態応答部材15、17、18、19、22は、周囲の気体の組成(例えば酸素濃度)に応じて変形する材料であってもよい。
(17)上記第5〜第18実施形態の噴流発生装置に対して、第2〜第4実施形態の技術を適用してもよい。
(18)上記第11〜第18実施形態の噴流発生装置に対して、第5〜第10実施形態の技術を適用してもよい。なお、第5〜第10実施形態においては、火花放電の発生を抑える技術が開示されている。一方、第11〜第18実施形態においては、堆積物除去を目的として火花放電を積極的に起こす技術が開示されている。これら2種類の技術は、矛盾することなく併存可能である。火花放電を積極的に起こすといっても、コロナ放電を発生させたいときに火花放電が発生してしまっては不都合だからである。したがって、コロナ放電を発生させたいときには火花放電の発生を抑え、堆積物を除去したいときには火花放電を積極的に起こすことが好ましい。
(19)第11実施形態の噴流発生装置は、放電電極20と基準電極30の間に印加する電圧を高くすることで火花放電を発生させている。また、第12実施形態の噴流発生装置は、放電電極20の先端部20aと基準電極30の間の最短距離を縮めることで火花放電を発生させている。また、第18実施形態の噴流発生装置は、放電電極20と基準電極30の間に電気抵抗を減じる物質を供給することで火花放電を発生させている。火花放電を発生させるためのこれら3つの技術は、任意に組み合わせることができる。
(20)第13、第14、第15実施形態は、コロナ放電を行うタイミングを決める種々の技術を示している。これら種々の技術は、第12、16、17実施形態の噴流発生装置に適用されてもよい。
(21)上記第1〜第18実施形態において、円管形状の放電電極20、基準電極30、制御電極31の各々を平板形状の電極に変えてもよい。
(22)第17実施形態において、噴流発生装置は、火花放電時に、放電電極20を回転させるのではなく、基準電極30aをケース10の中心軸を中心として回転させてもよい。このようにしても、火花放電中に、基準電極30aに対する放電電極20の相対位置を変えることができる。したがって、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
(23)第17実施形態において、噴流発生装置は、火花放電時に、放電電極20を回転させるのではなく、放電電極20を放電電極20の中心軸に沿って移動させてもよい。あるいは、噴流発生装置は、火花放電時に、放電電極20を放電電極20の中心軸と交差する方向に沿って移動させてもよい。このようにしても、火花放電中に、基準電極30aに対する放電電極20の相対位置を変えることができる。したがって、放電電極20上において堆積物の除去位置の偏りを低減することができる。
(24)第18実施形態では、放電電極20と基準電極30の間の電気抵抗を減じる物質として水蒸気および霧が例示されている。しかし、放電電極20と基準電極30の間の電気抵抗を減じる物質は、他の物質(例えば気体)であってもよい。
(25)上述の空気の湿度は、相対湿度である。また、上述の気体の湿度は、当該気体に含まれる水蒸気の量が上昇するほど上昇する量である。
なお、本開示は上記した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
なお、上記実施形態において、電源回路40が第1電源回路に対応し、電源回路41が第2電源回路に対応する。
本開示の1つの観点によれば、噴流発生装置は、放電電極と、放電電極と離れて配置された基準電極と、放電電極と基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路と、第1電源回路の出力電圧を、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部と、少なくとも基準電極を収容するとともにコロナ放電により発生したイオンによるイオン風を噴射させる噴出口を有するケースと、を備え、前記電源回路の出力電圧を前記第1電圧と前記第2電圧との間で切り替えることで、前記噴出口から空気渦輪を送出する

Claims (18)

  1. 放電電極(20)と、
    前記放電電極と離れて配置された基準電極(30、30a)と、
    前記放電電極と前記基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路(40)と、
    前記電源回路の出力電圧を、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部(50)と、
    少なくとも前記基準電極を収容するとともに前記コロナ放電により発生したイオンによるイオン風を噴射させる噴出口(12)を有するケース(10)と、を備えた噴流発生装置。
  2. 前記電源回路を第1電源回路とし、
    当該噴流発生装置はさらに、前記ケース内において前記基準電極と前記噴出口の間に配置された制御電極(31)と、前記基準電極と前記制御電極の間に印加する電圧を出力する第2電源回路(41)と、を備え、
    前記制御部は、前記第1電源回路の出力電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に切り替えて前記第2電圧を維持している期間中、または、前記第1電源回路の出力電圧を前記第2電圧から前記第1電圧に切り替えた後に、前記コロナ放電により発生したイオンを前記噴出口へ向けて加速させるよう前記第2電源回路の出力電圧を制御する請求項1に記載の噴流発生装置。
  3. 前記制御部は、前記コロナ放電により発生したイオンを前記噴出口へ向けて加速させるよう前記第2電源回路の出力電圧を制御する前に、前記基準電極と前記制御電極の間に存在するイオンを前記基準電極側に移動させるよう前記第2電源回路の出力電圧を制御する請求項2に記載の噴流発生装置。
  4. 前記ケースは、前記噴出口とは異なる位置に、当該ケースの外部の空気を当該ケース内に取り込む開口部(13a)を有している請求項1または2に記載の噴流発生装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1つに記載の噴流発生装置を複数備え、
    さらに、噴流発生装置の各々の前記噴出口から噴射される前記噴流を合流させる合流部(14)と、
    前記噴流発生装置の各々の前記噴出口から噴射する前記噴流を前記合流部へと導く複数の誘導路(12a〜12c)と、を備えた噴流発生システム。
  6. 前記噴流発生装置の各々の前記噴出口から噴射する前記噴流が前記合流部に到達するタイミングを一致させるよう前記複数の誘導路の長さに応じて前記複数の噴流発生装置の前記第1電源回路の出力電圧の切り替えタイミングを調整するタイミング調整部(60)を備えた請求項5に記載の噴流発生システム。
  7. 当該噴流発生システムの周囲にある気体の状態変化に応じて形状が変化する状態応答部材(15、16、17、18、19、22)を備え、
    前記状態応答部材は、形状が変化することで前記放電電極と前記基準電極の間の距離を変化させる請求項1ないし4のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  8. 前記状態応答部材は、当該噴流発生システムの周囲にある気体の湿度が高くなると、前記放電電極と前記基準電極の間の距離を大きくすることを特徴とする請求項7に記載の噴流発生装置。
  9. 弾性部材(17x、18x、19x、22x)を備え、
    前記状態応答部材は、前記気体の状態変化に応じて長手方向の長さが変化し、
    前記弾性部材は、前記状態応答部材の長手方向の長さが増大する向きに前記状態応答部材を付勢する請求項7または8に記載の噴流発生装置。
  10. 前記放電電極は、前記状態応答部材の形状が変化することで、前記放電電極の先端部(20a)から離れた位置にある軸を中心として回転する請求項7ないし9のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  11. 前記制御部は、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させるため、前記電源回路の出力電圧を第3電圧に切り替え、
    前記第3電圧の絶対値は、前記第2電圧の絶対値よりも大きい請求項1ないし4および7ないし10のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  12. 前記制御部は、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させるため、前記放電電極と前記基準電極の間の距離を、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を発生させる場合に比べて、短くすることを特徴とする請求項1ないし4および7ないし11のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  13. 前記制御部は、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を発生させた累積時間に基づいたタイミングで、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させる請求項1ないし4および7ないし12のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  14. 前記制御部は、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を発生させる際に前記放電電極を流れる電流に基づいたタイミングで、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させる請求項1ないし4および7ないし13のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  15. 前記制御部は、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を発生させる際に前記放電電極と前記基準電極の間に印加される電圧に基づいたタイミングで、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させる請求項1ないし4および7ないし14のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  16. 前記基準電極とは異なる位置に配置されると共に前記基準電極と導通していない追加電極(30b)を備え、
    前記制御部は、ある期間において、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させ、前記ある期間とは別の期間において、前記放電電極と前記追加電極の間に火花放電を発生させる請求項1ないし4および7ないし15のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  17. 前記制御部は、前記放電電極に対する前記基準電極の相対位置を変えながら、前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させる請求項1ないし4および7ないし16のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
  18. 前記放電電極と前記基準電極の間に火花放電を発生させるため、前記放電電極と前記基準電極の間に、前記放電電極と前記基準電極の間の電気抵抗を低減する物質を供給する供給装置(27)を備えた請求項1ないし4および7ないし17のいずれか1つに記載の噴流発生装置。
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