JP2018195384A - 渦輪送出装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせられるようにする。【解決手段】噴射口81が形成されるとともに噴射口81の周囲に広がる面状の板状部材80を有する筐体10と、筐体10内の気体に圧力変化を発生させることにより噴射口81から渦輪を送出させる圧力変化発生部60、70と、を備える。板状部材80は、噴射口81から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部82を有している。流速分布変化部により、噴射口から送出された前記渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせる。【選択図】図1
Description
本発明は、渦輪を送出する渦輪送出装置に関するものである。
従来、搬送流を所定方向に生成する搬送流生成手段と、機能性成分を搬送流内に導入する機能性成分導入手段と、を備え、搬送流により該機能性成分を所望位置まで搬送する搬送装置がある(例えば、特許文献1参照)。この搬送装置は、搬送流生成手段に、複数の気筒を備えて気流を整流する搬送流整流器と、この搬送流整流器を所定方向に向ける把持具と、搬送流の流速を調整する流速調整手段とが備えられている。この搬送装置は、把持具により搬送流整流器を所定方向に向けるよう構成されている。
しかしながら、上記特許文献1に記載されたものは、把持具により搬送流整流器を所定方向に向けることは可能であるが、噴射口から送出された渦輪の向きを所望の方向にカーブさせるといったことはできない。
また、噴射口から送出される空気の空気流れ下流側にルーバーを設け、噴射口から送出された渦輪をルーバーによって所望の方向にカーブさせることも考えられる。しかし、このような構成では、噴射口から送出された渦輪が崩壊してしまうといった問題がある。
本発明は上記問題に鑑みたもので、噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせられるようにすることを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、噴射口(81、811、812)から渦輪を送出する渦輪送出装置であって、噴射口が形成されるとともに噴射口の周囲に広がる面状の板状部材(80)を有する筐体(10、10a〜10c)と、筐体内の気体に圧力変化を発生させることにより噴射口から渦輪を送出させる圧力変化発生部(20、30、40、50、60、70)と、を備え、板状部材は、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部(81、82、86、821〜824)を有している。
このような構成によれば、板状部材は、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部を有しているので、噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせることができる。
なお、この欄および特許請求の範囲で記載した各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る渦輪送出装置について図1〜図5を用いて説明する。渦輪送出装置は、車両内の乗員の快適性を向上するため、車両の乗員の顔または頭部に向けて噴射口81から渦輪Vを送出するものであり、車両の天井、メータの周囲、ステアリング、ヘッドレスト等に配置される。各図中に示す上下方向の矢印DR1は、渦輪送出装置の車両搭載時における上下方向を示しており、各図中に示す左右方向の矢印DR2は、渦輪送出装置の車両搭載時における左右方向を示している。
本発明の第1実施形態に係る渦輪送出装置について図1〜図5を用いて説明する。渦輪送出装置は、車両内の乗員の快適性を向上するため、車両の乗員の顔または頭部に向けて噴射口81から渦輪Vを送出するものであり、車両の天井、メータの周囲、ステアリング、ヘッドレスト等に配置される。各図中に示す上下方向の矢印DR1は、渦輪送出装置の車両搭載時における上下方向を示しており、各図中に示す左右方向の矢印DR2は、渦輪送出装置の車両搭載時における左右方向を示している。
渦輪送出装置は、筐体10、空気砲発生装置60および制御部70を備えている。本実施形態では、空気砲発生装置60および制御部70が圧力変化発生部を構成している。
筐体10は、中空円筒形状をなしており、絶縁性部材により構成されている。筐体10は、噴射口81が形成されるとともに噴射口81の周囲に広がる面状の板状部材80を有している。板状部材80には、渦輪Vを送出する噴射口81と、この噴射口81から送出された渦輪Vをカーブさせるための開口穴82とが形成されている。噴射口81は、その中心が筐体10の軸と一致するよう形成されている。開口穴82は、噴射口81より定距離離れた下方の位置に形成されている。噴射口81と開口穴82は、それぞれ円形状を成している。また、噴射口81と開口穴82の直径は同じになっている。
筐体10は、その軸方向一端側は遮蔽されており、軸方向他端側には板状部材80が配置されている。また、筐体10内の軸方向一端側には、空気砲発生装置60が配置されている。
空気砲発生装置60は、図2に示すように、筐体61、空気室成分チャンバ62、圧縮部材63、磁石64およびコイル65を備えている。
筐体61の一方側の端面には、空気砲の放出口610が形成されている。空気室成分チャンバ62は、図示しないポンプにより筐体10の外部から筐体61内に送り込まれる空気を貯蔵する空間であり、筐体61の放出口610と連通している。
圧縮部材63は、ゴム、シリコン、エラストマー等の自己復帰力を有する薄板状部材で構成されている。磁石64は、円筒形状を成しており、その一端面が圧縮部材63に当接している。コイル65は、磁石64の周囲に取り巻くように配置されている。コイル65に電流が流れると、コイル65の電磁力により磁石64が圧縮部材63側へ張り出して、圧縮部材63を変形させ、空気室成分チャンバ62の容積を縮小させる。
図2において、圧縮部材63が面状に広がった状態の圧縮部材63を実線で示してある。また、磁石64が圧縮部材63側へ張り出して、圧縮部材63が変形した状態の圧縮部材63を二点鎖線で示してある。
コイル65に流れる電流は、制御部70(図1参照)により制御される。制御部70は、操作部の操作に応じてコイル65への通電を開始すると、コイル65の電磁力により磁石64が圧縮部材63側へ張り出して、圧縮部材63が変形する。これにより、空気室成分チャンバ62の容積が縮小し、筐体61内の空気が放出口610から空気砲として送出される。
なお、このように、コイル65の電磁力により磁石64を変位させて圧縮部材63を変形させることにより筐体61の放出口610から空気砲を送出する技術は、公知技術(例えば、特開2006−282082号公報)である。したがって、ここでは、その詳細な説明を省略する。
噴射口81は、筐体10内の軸方向他端面の中央に位置するように板状部材80に形成されている。筐体10内の空気砲発生装置60から空気砲が送出されると、筐体10内の気体の圧力が上昇し、筐体10内の気体が板状部材80の噴射口81から渦輪Vとなって送出される。
開口穴82は、板状部材80における噴射口81の下方に形成されている。開口穴82は、噴射口81から送出された渦輪Vの流速分布に局所的な変化を生じさせる。開口穴82については、後で詳細に説明する。
次に、渦輪の発生について図3を参照して説明する。図3(a)〜(d)は、一面に丸穴91が形成されたケース90内の気体圧力を瞬時的に高圧にしたときに丸穴91から気体が吹き出る様子を示している。
ケース90内の気体の圧力を瞬時的に上昇させると、図3(a)に示すように、ケース90内の気体が丸穴91から高速で吹き出される。この丸穴91から吹き出される気体の流れは噴流と呼ばれる。この噴流が丸穴91から吹き出る際、この気体の流れに、丸穴91の周囲の静止した空気による粘性摩擦がはたらいて、図3(b)に示すように、この噴流の周りの空気を回転させようとする力がはたらき渦ができる。
この渦は、図3(c)に示すように、噴流の周りに輪のようにつながっていて渦輪と呼ばれる。このようにしてできた渦輪は、図3(d)に示すように、自らの回転のはたらきにより、比較的遠方まで直進することが可能である。
次に、噴射口から送出された渦輪の進行方向を制御するメカニズムについて図4〜図5を用いて説明する。図4は、板状部材80に噴射口81が形成されており、板状部材80に開口穴82が形成されていない比較例を示している。このような構成では、噴射口81から渦輪Vが送出された直後、渦輪Vの内側から外側に回り込んだ気体が板状部材80側へと向かうため、この渦輪Vの回転圧力により、板状部材80より渦輪V側の開口穴82の周囲の気体が全周囲で均一に所定圧力となるまで上昇する。
このため、噴射口81から送出された渦輪Vの回転速度が全周囲で均一となり、噴射口81から送出された渦輪Vの流速分布も全周囲で均一となる。この場合、渦輪Vは、自らの回転のはたらきにより、噴射口81から遠方まで直進する。
これに対し、本実施形態の渦輪送出装置は、図5に示すように、板状部材80に噴射口81が形成されており、さらに、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82が形成されている。
このような構成では、噴射口81から渦輪Vが送出された直後、渦輪Vの内側から外側に回り込んだ気体が板状部材80へと向かう際に、その気体の一部が板状部材80に形成された開口穴82を通り抜ける。
このため、板状部材80より渦輪V側の開口穴82側の周囲の気体のうち、開口穴82側の一部が所定圧力まで上昇しない。したがって、噴射口81から送出された渦輪Vの回転速度が不均一となり、噴射口81から送出された渦輪Vの流速分布に局所的な変化が生じる。
具体的には、噴射口81から送出された渦輪Vにおける開口穴82側の一部の流速が、噴射口81から送出された渦輪Vにおける他の部位の流速より遅くなる。これにより、噴射口81から送出された渦輪Vは、渦の状態を維持したまま、開口穴82側、すなわち、下方向にカーブする。
このように、板状部材80に開口穴82を形成することにより、噴射口81から送出された渦輪Vの流速分布に局所的な変化を生じさせ、噴射口81から送出された渦輪Vを下方にカーブさせることができる。
次に、本実施形態の渦輪送出装置の作動について説明する。
まず、空気砲発生装置60の空気室成分チャンバ62へ筐体10の外部から空気を送り込む図示しないポンプを作動させる。これにより、空気室成分チャンバ62へ筐体10の外部から空気が送り込まれる。
次に、制御部70は、操作部の操作部の操作に応じてコイル65への通電を開始する。これにより、コイル65の電磁力により磁石64が圧縮部材63側へ張り出して、圧縮部材63が変形する。このため、空気室成分チャンバ62の容積が縮小し、筐体61内の空気が放出口610から空気砲として送出される。
この空気砲により、筐体10内の気体の圧力が急激に上昇し、板状部材80に形成された噴射口81から噴流が吹き出され、この噴流の周りの空気を回転させようとする力がはたらき渦輪Vとなって進む。
ここで、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82が形成されているため、噴射口81から送出された直後では、渦輪Vの内側から外側に回り込んだ気体が板状部材80へと向かう際に、その気体の一部が板状部材80に形成された開口穴82を通り抜ける。
このため、噴射口81から送出された渦輪Vにおける開口穴82側の一部の流速が、噴射口81から送出された渦輪Vにおける他の部位の流速より速くなる。これにより、噴射口81から送出された渦輪Vは、渦輪Vの形状を維持したまま、開口穴82側、すなわち、下側にカーブする。
上述したように、本渦輪送出装置は、噴射口81から渦輪を送出する渦輪送出装置であって、噴射口81が形成されるとともに噴射口81の周囲に広がる面状の板状部材80を有する筐体10と、筐体10内の気体に圧力変化を発生させることにより噴射口81から渦輪を送出させる圧力変化発生部60、70と、を備え、板状部材80は、噴射口81から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部82を有している。
このような構成によれば、板状部材80は、噴射口81から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部82を有しているので、噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせることができる。
また、圧力変化発生部60、70は、筐体内に収納された磁石64と、通電によって磁界を発生させるコイル65と、磁石が発生する磁界とコイルに電流が流れたときにコイルに発生する磁界により磁石とコイルに作用する力により変形させられることにより、筐体内の気体に圧力変化を発生させる圧縮部材63と、を備えている。
したがって、磁石64が発生する磁界とコイル65に電流が流れたときにコイル65に発生する磁界により磁石64とコイル65に作用する力を利用して圧縮部材63を振動させて筐体10内の気体に圧力変化を発生させることができる。
また、流速分布変化部は、板状部材80に形成された開口穴82により構成することができる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る渦輪送出装置について図6〜図8を用いて説明する。本実施形態の渦輪送出装置は、上記第1実施形態の渦輪送出装置と比較して、さらに、開口穴82と連通する筐体10cを備えた点が異なる。
本発明の第2実施形態に係る渦輪送出装置について図6〜図8を用いて説明する。本実施形態の渦輪送出装置は、上記第1実施形態の渦輪送出装置と比較して、さらに、開口穴82と連通する筐体10cを備えた点が異なる。
筐体10cは、筐体10と同様の形状を成しており、絶縁性部材により構成されている。筐体10cの内部空間は、板状部材80に形成された開口穴82と連通している。
図7に示すように、筐体10に対応するケースAと筐体10cに対応するケースBを並べて配置した状態で、ケースA内に配置された圧力変化発生部でケースA内の気体の圧力を瞬時的に高圧にしたときの渦輪の進む方向をシミュレーションした結果を図8に示す。
ケースAおよびケースBは、一辺が10センチメートルの四角柱となっている。ケースAに形成された噴射口aは、円形状をなしており、その直径は2センチメートルとなっている。ケースBに形成された噴射口bは、円形状をなしており、その直径は2センチメートルとなっている。また、噴射口aの中心と噴射口bの中心との距離は10センチメートルとなっている。
ケースB内において、噴射口bと反対側の面に、圧力変化発生部cが配置されている。ここで、噴射口aの中心から噴射口bより離れる方向をx、噴射口aの中心から渦輪の送出方向をyとして、圧力変化発生部cでケースB内の気体を瞬時的に高圧にしたときの噴射口aから送出された渦輪の軌跡をシミュレーションした。
この結果、噴射口aから送出された渦輪の中心は、図8に示す軌跡をたどる結果が得られた。具体的には、渦輪がy方向に70センチメートル進んだときに、−x方向に8センチメートルカーブすることが確認された。つまり、噴射口aから送出された渦輪が、噴射口b側に大きくカーブすることが確認された。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、本実施形態のように、板状部材80に形成された開口穴82と連通する筐体10cを備えることもできる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(第3実施形態)
本発明の第3実施形態に係る渦輪送出装置について図9を用いて説明する。上記第1実施形態の渦輪送出装置は、流速分布変化部として、板状部材80に開口穴82が形成されている。これに対し、本実施形態の渦輪送出装置は、流速分布変化部として、板状部材80の筐体10側の面と反対面から渦輪の送出方向へ突出する突出部86が設けられている。
本発明の第3実施形態に係る渦輪送出装置について図9を用いて説明する。上記第1実施形態の渦輪送出装置は、流速分布変化部として、板状部材80に開口穴82が形成されている。これに対し、本実施形態の渦輪送出装置は、流速分布変化部として、板状部材80の筐体10側の面と反対面から渦輪の送出方向へ突出する突出部86が設けられている。
突出部86は、三角錐形状を成しており、上記第1実施形態の渦輪送出装置の開口穴82が形成された位置に設けられている。
本実施形態の渦輪送出装置は、板状部材80における噴射口81の下方に突出部86が形成されている。
このような構成では、噴射口81から渦輪Vが送出された直後、渦輪Vの内側から外側に回り込んだ気体が板状部材80へと向かう際に、その気体の一部が板状部材80に形成された突出部86に衝突する。
このため、板状部材80より渦輪V側の開口穴82側の周囲の気体のうち、開口穴82側の一部が所定圧力よりも高くなる。したがって、噴射口81から送出された渦輪Vの回転速度が不均一となり、噴射口81から送出された渦輪Vの流速分布に局所的な変化が生じる。
具体的には、噴射口81から送出された渦輪Vにおける突出部86側の一部の流速が、噴射口81から送出された渦輪Vにおける他の部位の流速より速くなる。これにより、噴射口81から送出された渦輪Vは、渦の状態を維持したまま、突出部86側と反対側、すなわち、上方向にカーブする。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、流速分布変化部は、板状部材80から渦輪の送出方向側へ突出する突出部86として構成することができる。
(第4実施形態)
本発明の第4実施形態に係る渦輪送出装置について図10を用いて説明する。上記第1実施形態では、空気砲発生装置60および制御部70が圧力変化発生部を構成したが、本実施形態では、放電電極20、基準電極30、電源回路40および制御部50を有するイオン発生装置が圧力変化発生部を構成している。
本発明の第4実施形態に係る渦輪送出装置について図10を用いて説明する。上記第1実施形態では、空気砲発生装置60および制御部70が圧力変化発生部を構成したが、本実施形態では、放電電極20、基準電極30、電源回路40および制御部50を有するイオン発生装置が圧力変化発生部を構成している。
筐体10は、中空円筒形状をなしており、絶縁性部材により構成されている。筐体10は、基準電極30および放電電極20を収容している。
本実施形態の筐体10における軸方向一端側には、筐体10の外部の空気を当該筐体10内に取り込む開口部13aが形成されている。この開口部13aには支持部13が形成されている。また、筐体10における長手方向の他端側には板状部材80が配置されている。
筐体10内の軸方向一端側には、放電電極20が配置されている。筐体10における放電電極20と板状部材80との間には、導電金属製の基準電極30が設けられている。
放電電極20は、針状の先端部を有する放電電極である。放電電極20は、導電金属製(例えば、銅)の部材により構成されている。放電電極20は、針状の先端部が板状部材80側を向くよう支持部13により支持されている。放電電極20と支持部13の間には絶縁部材(図示せず)が設けられており、放電電極20と筐体10は絶縁されている。
基準電極30は、中空円筒形状をなす基準電極である。基準電極30は、この基準電極30の外周面が筐体10の内周面と接触するよう筐体10内に配置されている。
電源回路40は、放電電極20と基準電極30の電位差を制御する出力電圧を発生させる。電源回路40は、正極端子+および負極端子−を有している。電源回路40の負極端子−は配線41aを介して放電電極20に接続されている。また、電源回路40の正極端子+は配線41bを介して放電電極20および接地端子GNDに接続されている。電源回路40は、3kV以上の出力電圧を出力することが可能となっている。また、電源回路40は、矩形形状の電圧を出力することが可能となっている。
制御部50は、CPU、RAM、ROM、I/O等を有するコンピュータとして構成され、CPUはROMに記憶されたプログラムにしたがって各種処理を実施する。
本実施形態の制御部50は、電源回路40の出力電圧を、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧(本実施形態では、−2キロボルト)と、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧(本実施形態では、−3キロボルト)との間で切り替える。これにより、コロナ放電により発生したイオン風が噴射口81から噴流として噴射される。
次に、本実施形態の渦輪送出装置の作動について説明する。
まず、制御部50は、電源回路40から−2kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−2kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、電源回路40の出力電圧が−2kVになっても放電電極20の周囲にコロナ放電は発生しない。
次に、制御部50は、一定期間(本実施形態では、0.2秒間)、電源回路40から−3kVの電圧が出力されるよう電源回路40を制御する。これにより、放電電極20の電位は−3kVとなり、基準電極30の電位は0Vとなる。このように、放電電極20と基準電極30の間に−3kVの電圧が印加されると、放電電極20の針状の先端部の近傍に強電界が生じ、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電が発生する。
そして、コロナ放電の発生により放電電極20の周囲の空気が電離して空気イオンが発生する。具体的には、放電電極20の周囲の空気が電離して正イオンと負イオンが生成される。
そして、負のイオンが電極間の電界によって加速され基準電極30側に移動する。また、負のイオンが基準電極30側に移動する過程で放電電極20および基準電極30の周囲の空気を巻き込みイオン風が発生し、このイオン風は板状部材80に形成された噴射口81から噴流として送出され、この噴流の周りの空気を回転させようとする力がはたらき渦輪Vとなって進む。
ここで、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82が形成されているので、噴射口81から送出された直後では、渦輪Vの内側から外側に回り込んだ気体が板状部材80へと向かう際に、その気体の一部が板状部材80に形成された開口穴82を通り抜ける。
このため、噴射口81から送出された渦輪Vにおける開口穴82側の一部の流速が、噴射口81から送出された渦輪Vにおける他の部位の流速より速くなる。これにより、噴射口81から送出された渦輪Vは、渦輪Vの形状を維持したまま、開口穴82側、すなわち、下側にカーブする。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、圧力変化発生部は、放電電極20と、放電電極20と離れて配置された基準電極30と、を備えている。さらに、放電電極20と基準電極30の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路40と、電源回路40の出力電圧を、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部50と、を備えている。そして、コロナ放電により発生したイオンにより筐体10内の気体に圧力変化を発生させる。このように、コロナ放電により発生したイオンにより筐体10内の気体に圧力変化を発生させることもできる。また、イオンを含む渦輪を送出することもできる。
(第5実施形態)
本発明の第5実施形態に係る渦輪送出装置について図11を用いて説明する。上記第1実施形態では、板状部材80に形成された噴射口81の下方に流速分布変化部として開口穴82が形成されている。これに対し、本実施形態では、板状部材80に形成された噴射口81の上下左右の4方向に流速分布変化部として開口穴821〜824が形成されている。さらに、各開口穴821〜824を遮蔽する遮蔽部材831〜834を備えている。
本発明の第5実施形態に係る渦輪送出装置について図11を用いて説明する。上記第1実施形態では、板状部材80に形成された噴射口81の下方に流速分布変化部として開口穴82が形成されている。これに対し、本実施形態では、板状部材80に形成された噴射口81の上下左右の4方向に流速分布変化部として開口穴821〜824が形成されている。さらに、各開口穴821〜824を遮蔽する遮蔽部材831〜834を備えている。
開口穴821〜824は、円形状をなしており、その直径は、噴射口81と同じになっている。また、各開口穴821〜824の中心と噴射口81の中心との距離は等しくなっている。
遮蔽部材831は、板状部材831aとレール部材831bを有しており、遮蔽部材832は、板状部材832aとレール部材832bを有している。また、遮蔽部材833は、板状部材833aとレール部材833bを有しており、遮蔽部材834は、板状部材834aとレール部材834bを有している。
レール部材831bは、開口穴821を挟むように配置された2本のレールにより構成されている。板状部材831aは、レール部材831bを構成する2本のレールに沿って移動し、開口穴821を遮蔽または開口させる。
レール部材832bは、開口穴822を挟むように配置された2本のレールにより構成されている。板状部材832aは、レール部材832bを構成する2本のレールに沿って移動し、開口穴822を遮蔽または開口させる。
レール部材833bは、開口穴823を挟むように配置された2本のレールにより構成されている。板状部材833aは、レール部材833bを構成する2本のレールに沿って移動し、開口穴823を遮蔽または開口させる。
レール部材834bは、開口穴824を挟むように配置された2本のレールにより構成されている。板状部材834aは、レール部材834bを構成する2本のレールに沿って移動し、開口穴824を遮蔽または開口させる。
本実施形態では、作業者の操作により各遮蔽部材831〜834を移動させる。
上記した構成において、板状部材832aにより開口穴822を遮蔽し、板状部材833aにより開口穴823を遮蔽し、板状部材834aにより開口穴824を遮蔽し、開口穴821を開口させた場合、上記第1実施形態と同様に、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82が形成された状態と同様になり、噴射口81から送出された渦輪Vは下方にカーブする。
また、図11に示すように、板状部材831aにより開口穴821を遮蔽し、板状部材833aにより開口穴823を遮蔽し、板状部材834aにより開口穴824を遮蔽し、開口穴822を開口させた場合、噴射口81から送出された渦輪Vは左方にカーブする。
また、板状部材833aにより開口穴823を遮蔽し、板状部材834aにより開口穴824を遮蔽し、開口穴821と開口穴822を開口させた場合、噴射口81から送出された渦輪Vは左下方にカーブする。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、板状部材80には、噴射口81の周囲に複数の開口穴821〜824が形成されており、複数の開口穴821〜824を開口または遮蔽する遮蔽部材831〜834を備えている。したがって、好みの開口穴を遮蔽部材831〜834で開口させることにより、好みの方向に渦輪をカーブさせることができる。
本実施形態では、作業者の操作により各遮蔽部材831〜834を移動させるようにしたが、板状部材831a〜板状部材834aを移動させるアクチュエータと、各アクチュエータを制御する制御部を備え、制御部によるアクチュエータの制御により各遮蔽部材831〜834を移動させるようにしてもよい。
(第6実施形態)
本発明の第6実施形態に係る渦輪送出装置について図12を用いて説明する。本実施形態の渦輪送出装置は、板状部材80を、噴射口81の中心周りに回転させる回転機構814を備えている。また、本実施形態の開口穴82の直径は、噴射口81の直径よりも短くなっている。
本発明の第6実施形態に係る渦輪送出装置について図12を用いて説明する。本実施形態の渦輪送出装置は、板状部材80を、噴射口81の中心周りに回転させる回転機構814を備えている。また、本実施形態の開口穴82の直径は、噴射口81の直径よりも短くなっている。
板状部材80における噴射口81の周縁部には、筐体10の反対面側に突出する突出部813が形成されている。突出部813は、円筒形状を成している、
本渦輪送出装置は、突出部813を外周側から回転可能に支持する回転機構814を備えている。回転機構814は、円筒形状を成している。
本渦輪送出装置は、突出部813を外周側から回転可能に支持する回転機構814を備えている。回転機構814は、円筒形状を成している。
突出部813は、回転機構814の内部空間に配置され、噴射口81の中心周りに回転可能となっている。
作業者によって回転機構814が回転させられると、開口穴82が噴射口81の回転中心周りに回転する。したがって、回転機構814を回転させ、噴射口81に対する開口穴82の相対位置を変えることにより、噴射口81から送出された渦輪Vをカーブさせる方向を変化させることができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、渦輪送出装置は、板状部材80を、噴射口81の周りに回転させる回転機構814を備えているので、板状部材80を好みの位置に回転させることで、好みの方向に渦輪をカーブさせることができる。
(第7実施形態)
本発明の第7実施形態に係る渦輪送出装置について図13を用いて説明する。上記第4実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した筐体10を1つ備えているが、本実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した2つの筐体10a、10bを備えている。また、板状部材80には、第1噴射口811と、この第1噴射口811の下方に噴射口812が形成されている。
本発明の第7実施形態に係る渦輪送出装置について図13を用いて説明する。上記第4実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した筐体10を1つ備えているが、本実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した2つの筐体10a、10bを備えている。また、板状部材80には、第1噴射口811と、この第1噴射口811の下方に噴射口812が形成されている。
本実施形態の渦輪送出装置は、第1筐体10a、第1放電電極20a、第1基準電極30a、第1電源回路40a、第2筐体10b、第2放電電極20b、第2基準電極30b、第2電源回路40bおよび制御部50を備えている。
第1放電電極20aおよび第1基準電極30aは、第1筐体10a内に収納されている。第1電源回路40aは、第1放電電極20aと第1基準電極30aの電位差を制御する出力電圧を発生させる。
第2放電電極20bおよび第2基準電極30bは、第2筐体10b内に収納されている。第2電源回路40bは、第2放電電極20bと第2基準電極30bの電位差を制御する出力電圧を発生させる。
制御部50は、第1電源回路40aの出力電圧を、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える。さらに、制御部50は、第2電源回路40bの出力電圧を、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える。
第1筐体10aは、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間に発生したコロナ放電により生じたイオンを含む渦輪を第1噴射口311から送出する。
第2筐体10bは、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間に発生したコロナ放電により生じたイオンを含む渦輪を第1噴射口311から送出する。
次に、本実施形態の渦輪送出装置の作動について説明する。
まず、制御部50は、第1電源回路40aの出力電圧を、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧から、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧に切り替える。
これにより、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電が誘起され、このコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪が第1噴射口311から送出される。
このとき、板状部材80に形成された噴射口812からは渦輪は送出されない。したがって、この噴射口812は、上記第1実施形態の渦輪送出装置における開口穴82と同様に、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部として機能する。つまり、第1噴射口311から送出された渦輪は、噴射口812側にカーブする。
次に、制御部50は、第2電源回路40bの出力電圧を、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧から、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧に切り替える。
これにより、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電が誘起され、このコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪が第2噴射口312から送出される。
このとき、板状部材80に形成された噴射口811からは渦輪は送出されない。したがって、第2噴射口312から送出された渦輪は、噴射口811側にカーブする。
上記したように、第1噴射口311から送出された渦輪を、噴射口812側にカーブすさせ、第2噴射口312から送出された渦輪を、噴射口811側にカーブさせることができる。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
また、渦輪送出装置は、第1放電電極20a、第1基準電極30a、第1電源回路40a、第2放電電極20b、第2基準電極30b、第2電源回路40bを備えている。さらに、少なくとも第1基準電極30aを収容するとともにコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪を第1噴射口811から送出する第1筐体10aと、少なくとも第2基準電極30bを収容するとともにコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪を第2噴射口812から送出する第2筐体10bと、を備えている。また、板状部材80は、第1噴射口811および第2噴射口812の周囲に広がるよう配置されており、制御部50は、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にしたときに、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にするとともに、第1放電電極20aと第1基準電極30aの間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にしたときに、第2放電電極20bと第2基準電極30bの間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にするよう制御する。
したがって、第2噴射口812が流速分布変化部となって第1噴射口811から送出された渦輪をカーブさせるともに、第1噴射口811が流速分布変化部となって第2噴射口812から送出された渦輪をカーブさせることができる。
(第8実施形態)
本発明の第8実施形態に係る渦輪送出装置について図14を用いて説明する。上記第4実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した筐体10を5つ備えている。
本発明の第8実施形態に係る渦輪送出装置について図14を用いて説明する。上記第4実施形態の渦輪送出装置は、放電電極20および基準電極30を収納した筐体10を5つ備えている。
5つの筐体10は、1つの筐体10を中心として、その上下左右方向にそれぞれ1つずつ配置されている。図14中には図示してないが、各筐体10内には、上記第4実施形態の渦輪送出装置と同様に、放電電極20および基準電極30が収納されており、放電電極20および基準電極30には、電源回路40および制御部50が接続されている。
さらに、板状部材80には、各筐体10に対応させて噴射口81が形成されている。また、各噴射口81には、それぞれ板状部材83a、レール部材83bおよびアクチュエータ83cを有する遮蔽部材83と、を備えている。アクチュエータ83cは、制御部50によって制御される。
レール部材83bは、噴射口81を挟むように配置された2本のレールにより構成されている。板状部材83aは、アクチュエータ83cの動作に応じてレール部材831bを構成する2本のレールに沿って移動し、開口穴821を遮蔽または開口させる。
制御部50は、各筐体10のうちの1つの筐体10内に配置された放電電極20と基準電極30の間にコロナ放電を誘起させるように、電源回路40の出力電圧を制御するとともに、この筐体10の噴射口81と、残りの各筐体10のうちの1つの筐体10に対応する噴射口81を開口させ、残りの筐体10に対応する噴射口81を板状部材83aへ遮蔽するよう各アクチュエータ83cを制御する。
このようにして、所望の噴射口81から渦輪を送出させるとともに、所望の方向に渦輪をカーブさせることが可能である。
本実施形態では、上記第1実施形態と共通の構成から奏される同様の効果を上記第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上記各実施形態では、渦輪送出装置を車両の天井、メータの周囲、ステアリング、ヘッドレスト等に搭載する例を示したが、運転者とのユーザインタフェース、眠気覚ましといった用途に用いることもできる。
(1)上記各実施形態では、渦輪送出装置を車両の天井、メータの周囲、ステアリング、ヘッドレスト等に搭載する例を示したが、運転者とのユーザインタフェース、眠気覚ましといった用途に用いることもできる。
(2)圧力変化発生部として、空気砲発生装置および放電電極20、基準電極30、電源回路40および制御部50を有するイオン発生装置を用いたが、例えば、筐体内に配置されたピストンを往復移動させることにより、筐体内の空気の圧力を変化させるピストン式の圧力変化装置を用いることもできる。
(3)上記各実施形態では、板状部材80に円形状の噴射口81および開口穴82が形成されているが、噴射口81および開口穴82の形状は円形状に限定されるものではなく、例えば、楕円形状とすることもできる。
(4)上記第3実施形態では、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部として、板状部材80に三角錐形状を成す突出部86を設けたが、突出部86の形状は、例えば、立方体形状、長方体形状、円筒形状、円柱形状、円錐形状など、三角錐形状以外の形状とすることもできる。
(5)上記各実施形態の板状部材80を、より面積の広いものとすることもできる。
(6)上記第5実施形態では、板状部材831a〜834aとレール部材831b〜834bにより遮蔽部材831〜834を構成し、上記第8実施家形態では、板状部材83aとレール部材83bにより遮蔽部材を構成したが、このような構成に限定さえるものではなく、例えば、片持ちドアにより遮蔽部材を構成してもよい。
(7)上記第5実施形態では、板状部材831〜834のいずれか1つで開口穴821〜824のいずれか1つのみを開口させるようにしたが、例えば、板状部材831〜834のうち、複数の板状部材で開口穴821〜824の周方向に隣り合う2つの開口穴を開口させ、残りの開口穴遮蔽するようにしてもよい。このようにすることで、上下左右の4方向だけでなく、さらに、斜め4方向に渦輪をカーブさせることができる。
(8)上記第1実施形態では、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82を形成し、上記第3実施形態では、板状部材80における噴射口81の下方に突出部86を形成したが、板状部材80における噴射口81と離れて開口穴82を形成し、この開口穴82より噴射口81と反対側に突出部86を形成してもよい。例えば、板状部材80における噴射口81の下方に開口穴82を形成するとともに、板状部材80における噴射口81の上方に突出部86を形成することもできる。この場合、第1、第3実施形態の渦輪送出装置と比して、より急峻に渦輪をカーブさせることができる。
(9)上記各実施形態では、平板状の板状部材80を備えた構成を示したが、板状部材80を曲面状にしてもよい。
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した範囲内において適宜変更が可能である。また、上記各実施形態は、互いに無関係なものではなく、組み合わせが明らかに不可な場合を除き、適宜組み合わせが可能である。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。
(まとめ)
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、噴射口から渦輪を送出する渦輪送出装置であって、噴射口が形成されるとともに噴射口の周囲に広がる面状の板状部材を有する筐体と、を備えている。さらに、筐体内の気体に圧力変化を発生させることにより噴射口から渦輪を送出させる圧力変化発生部と、を備え、板状部材は、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部を有している。
上記各実施形態の一部または全部で示された第1の観点によれば、噴射口から渦輪を送出する渦輪送出装置であって、噴射口が形成されるとともに噴射口の周囲に広がる面状の板状部材を有する筐体と、を備えている。さらに、筐体内の気体に圧力変化を発生させることにより噴射口から渦輪を送出させる圧力変化発生部と、を備え、板状部材は、噴射口から送出された渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部を有している。
また、第2の観点によれば、圧力変化発生部は、筐体内に収納された磁石と、通電によって磁界を発生させるコイルと、を備えている。さらに、磁石が発生する磁界とコイルに電流が流れたときにコイルに発生する磁界により磁石とコイルに作用する力により変形させられることにより、筐体内の気体に圧力変化を発生させる圧縮部材と、を備えている。
このように、圧力変化発生部は、筐体内に収納された磁石と、通電によって磁界を発生させるコイルと、磁石が発生する磁界とコイルに電流が流れたときにコイルに発生する磁界により磁石とコイルに作用する力により変形させられることにより、筐体内の気体に圧力変化を発生させる圧縮部材と、を備えた構成とすることができる。
また、第3の観点によれば、圧力変化発生部は、放電電極と、放電電極と離れて配置された基準電極と、放電電極と基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路と、を備えている。また、電源回路の出力電圧を、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部と、を備えている。そして、コロナ放電により発生したイオンにより筐体内の気体に圧力変化を発生させる。
このように、電源回路の出力電圧を、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、放電電極と基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部を備え、コロナ放電により発生したイオンにより筐体内の気体に圧力変化を発生させるよう構成することもできる。
また、第4の観点によれば、流速分布変化部は、板状部材に形成された開口穴である。このように、流速分布変化部は、板状部材に形成された開口穴により構成することができる。すなわち、簡素な構成で、噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせられるようにすることができる。
また、第5の観点によれば、筐体は、第1筐体であり、板状部材には、開口穴より第1筐体側に、開口穴と連通する第2筐体が設けられている。このように、板状部材における開口穴より第1筐体側に、開口穴と連通する第2筐体を設けることもできる。
また、第6の観点によれば、流速分布変化部は、板状部材から渦輪の送出方向側へ突出する突出部である。このように、流速分布変化部は、板状部材から渦輪の送出方向側へ突出する突出部により構成することができる。すなわち、簡素な構成で、噴射口から送出された渦輪を崩壊させることなく渦輪の向きを所望の方向にカーブさせられるようにすることができる。
また、第7の観点によれば、板状部材には、噴射口の周囲に複数の開口穴が形成されており、さらに、複数の開口穴を開口または遮蔽する遮蔽部材を備えている。したがって、好みの開口穴を遮蔽部材で開口させることにより、好みの方向に渦輪をカーブさせることができる。
また、第8の観点によれば、板状部材を、噴射口の周りに回転させる回転機構を備えている。したがって、板状部材を好みの位置に回転させることで、好みの方向に渦輪をカーブさせることができる。
また、第9の観点によれば、放電電極は、第1放電電極であり、基準電極は、第1基準電極であり、電源回路は、第1電源回路である。また、噴射口は、第1噴射口であり、第2放電電極と、第2放電電極と離れて配置された第2基準電極と、第2放電電極と第2基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる第2電源回路と、を備えている。また、筐体は、少なくとも第1基準電極を収容するとともにコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪を第1噴射口から送出する第1筐体と、少なくとも第2基準電極を収容するとともにコロナ放電により発生したイオンを含む渦輪を第2噴射口から送出する第2筐体と、を備えている。また、板状部材は、第1噴射口および第2噴射口の周囲に広がるよう配置されている。そして、制御部は、電源回路の出力電圧を、第1放電電極と第1基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にしたときに、第2放電電極と第2基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にするとともに、第1放電電極と第1基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にしたときに、第2放電電極と第2基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にするよう制御する。
したがって、第2噴射口が流速分布変化部となって第1噴射口から送出された渦輪をカーブさせるともに、第1噴射口が流速分布変化部となって第2噴射口から送出された渦輪をカーブさせることができる。
10 筐体
60 空気砲発生部
70 制御部
80 板状部材
81 噴射口
82 開口穴
60 空気砲発生部
70 制御部
80 板状部材
81 噴射口
82 開口穴
Claims (9)
- 噴射口(81、811、812)から渦輪を送出する渦輪送出装置であって、
前記噴射口が形成されるとともに前記噴射口の周囲に広がる面状の板状部材(80)を有する筐体(10、10a〜10c)と、
前記筐体内の気体に圧力変化を発生させることにより前記噴射口から前記渦輪を送出させる圧力変化発生部(20、30、40、50、60、70)と、を備え、
前記板状部材は、前記噴射口から送出された前記渦輪の流速分布に局所的な変化を生じさせる流速分布変化部(81、82、86、821〜824)を有する渦輪送出装置。 - 前記圧力変化発生部は、前記筐体内に収納された磁石(64)と、
通電によって磁界を発生させるコイル(65)と、
前記磁石が発生する磁界と前記コイルに電流が流れたときに前記コイルに発生する磁界により前記磁石と前記コイルに作用する力により変形させられることにより、前記筐体内の気体に圧力変化を発生させる圧縮部材(63)と、を備えた請求項1に記載の渦輪送出装置。 - 前記圧力変化発生部は、放電電極(20)と、
前記放電電極と離れて配置された基準電極(30)と、
前記放電電極と前記基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる電源回路(40)と、
前記電源回路の出力電圧を、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧と、前記放電電極と前記基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧との間で切り替える制御部(50)と、を備え、
前記コロナ放電により発生したイオンにより前記筐体内の気体に圧力変化を発生させる請求項1に記載の渦輪送出装置。 - 前記流速分布変化部は、前記板状部材に形成された開口穴(82)である請求項1ないし3のいずれか1つに記載の渦輪送出装置。
- 前記筐体は、第1筐体であり、
前記板状部材には、前記開口穴より前記第1筐体側に、前記開口穴と連通する第2筐体(10c)が設けられている請求項4に記載の渦輪送出装置。 - 前記流速分布変化部は、前記板状部材から前記渦輪の送出方向側へ突出する突出部(86)である請求項1ないし4のいずれか1つに記載の渦輪送出装置。
- 前記板状部材には、前記噴射口の周囲に複数の前記開口穴(821〜824)が形成されており、
複数の前記開口穴を開口または遮蔽する遮蔽部材(831〜834)を備えた請求項4ないし6のいずれか1つに記載の渦輪送出装置。 - 前記板状部材を、前記噴射口の周りに回転させる回転機構(814)を備えている請求項1ないし7のいずれか1つに記載の渦輪送出装置。
- 前記放電電極は、第1放電電極(20a)であり、
前記基準電極は、第1基準電極(30a)であり、
前記電源回路は、第1電源回路(40a)であり、
前記噴射口は、第1噴射口(811)であり、
第2放電電極(20b)と、
前記第2放電電極と離れて配置された第2基準電極(30b)と、
前記第2放電電極と前記第2基準電極の電位差を制御する出力電圧を発生させる第2電源回路(40b)と、を備え、
前記筐体は、少なくとも前記第1基準電極を収容するとともに前記コロナ放電により発生したイオンを含む前記渦輪を前記第1噴射口から送出する第1筐体(10a)と、
少なくとも前記第2基準電極を収容するとともに前記コロナ放電により発生したイオンを含む前記渦輪を第2噴射口から送出する第2筐体(10b)と、を備え、
前記板状部材は、前記第1噴射口および前記第2噴射口の周囲に広がるよう配置されており、
前記制御部は、前記電源回路の出力電圧を、前記第1放電電極と前記第1基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にしたときに、前記第2放電電極と前記第2基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にするとともに、前記第1放電電極と前記第1基準電極の間にコロナ放電を誘起させない第1電圧にしたときに、前記第2放電電極と前記第2基準電極の間にコロナ放電を誘起させる第2電圧にするよう制御する請求項3に記載の渦輪送出装置。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017095789A JP2018195384A (ja) | 2017-05-12 | 2017-05-12 | 渦輪送出装置 |
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- 2017-05-12 JP JP2017095789A patent/JP2018195384A/ja active Pending
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