JP2016198756A - エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】エレクトロスプレー現象を生じさせるに必要な放電ノズルへの印加電圧を低くすることができ、キャピラリー先端付近でのコロナ放電の発生抑止に効果のあるエレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルを提供する。
【解決手段】放電ノズルは金属製の円筒状細管と金属製の針を備えて構成する。針は円筒状細管に電気的に接続された状態で円筒状細管の中心に取り付け、その先端は円筒状細管の放電側開口から突出させる。突出長さは円筒状細管の先端部に生ずるテイラーコーンの内部に納まる寸法にしておく。
【選択図】図5

Description

本発明はキャピラリー(細管)を備えた放電ノズルと対向電極との間に高電圧を印加してキャピラリーを通して供給した液体を過剰電荷を帯びた微細液滴にし、対向電極に向けて噴霧させるエレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルに関する。
エレクトロスプレーイオン化法は静電噴霧とも呼ばれるエレクトロスプレー現象を利用した液体噴霧技術であり、点状の液体と対向電極との間に高電圧を印加して液体を過剰電荷を帯びた微細液滴にして対向電極に向けて噴霧させる技術である。近年、有機ELや生体高分子の基板上へのコーティング、ナノメートルサイズのファイバーの形成、静電塗装、質量分析計における試料導入等に応用範囲が拡大している。
エレクトロスプレー現象は未解明な点も多いが大略次のように考えられている。図12の原理図に示すように、金属キャピラリー(細管)50と対向電極51との間に数千Vの高電圧を印加し、キャピラリー50に試料液体52を流す。キャピラリー先端に出た液体52は液だまり52aを形成する。キャピラリー先端部には対向電極51に向かう強い電場が存在する。キャピラリー50側が正電位の場合、液だまり中の正イオンは液表面側に、負イオンは内側に電気泳動する。内側に電気泳動した負イオンは、金属キャピラリー50の表面に到達して高電場の下で酸化反応を起こし、負電荷(電子)を金属キャピラリー50に与えて中性化する。先端の液だまり表面に電気泳動した正イオンは、対向電極51に向けて強い電磁吸引力を受け、液だまり52aの先端部が対向電極51方向に伸びようとする。一方、液だまり52aの液体52には表面張力が働く。表面張力は液体表面積を小さくする力のため、液だまり52aの先端部が伸びるのを阻止する方向に働く。電磁吸引力と表面張力による力とが釣り合ったとき、キャピラリー先端の液だまり52aは頭頂角90°の円錐形状(テイラーコーンと呼ばれる。)を呈する。電磁吸引力がテイラーコーンが形成される電圧より高いと、テイラーコーン先端は対向電極51に向けて伸びていき、遂には過剰電荷を帯電した液滴53となって分離する。分離により過剰電荷が排出されると液だまり52aの先端は丸みを帯びた形に一旦、戻る。その後、再びテイラーコーンを形成し、過剰電荷を帯電した液滴53を分離、放出させる。分離して飛び出した液滴53上の過剰正イオンは、クーロン力で反発しあって液滴53の表面に集まる。液滴53の体積は小さく、過剰電荷は多いため、液滴53表面には外向きに大きな力が働く。液滴53は飛行中に溶媒が気化して体積が減少する。体積が減少すると電荷密度が増加し、表面の外向きの力は大きくなっていく。そしてRaylrigh極限と呼ばれる極限に達すると、多数の微細な液滴53aに分裂する。分裂で生じた微細液滴も過剰電荷を帯電しているため、溶媒気化により再びRaylrigh極限に達して再分裂する。このような分裂の繰り返しにより、最終的に気相イオンが生成されて対向電極51に噴霧される。このような分裂の繰り返しによる気相イオンの生成はクーロン斥力によるためクーロン爆発とも呼ばれる。
こうしたエレクトロスプレー現象を生じさせるには、キャピラリー50と対向電極51との間に高電圧を印加してキャピラリー先端部に強力な電場を発生させ、表面張力に打ち勝つ電磁吸引力を液だまり52aに生じさせる必要がある。必要な電圧は数千Vになる。水のような液体は表面張力が強いため、特に高い電圧を必要とする。印加電圧は電源装置54の構成上、低い方が好ましい。また、キャピラリー50に印加する電圧が高いと、キャピラリー先端付近でコロナ放電が発生し、安定したテイラーコーンの形成が妨げられる。
特開2014−223491号公報
本発明は、従来技術のこうした問題点を解決するためになされたもので、その課題はエレクトロスプレー現象を生じさせるに必要な放電ノズルへの印加電圧を低くすることができ、キャピラリー先端付近でのコロナ放電の発生抑止にも効果のあるエレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルを提供することにある。
前記課題を解決するための請求項1に記載の発明は、エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルであって、金属製の円筒状細管と、金属製の針とを備えて構成され、該針は円筒状細管に電気的に接続された状態で円筒状細管の中心に取り付けられ、その先端は円筒状細管の放電側開口から突出し、突出長さは円筒状細管の先端部に生ずるテイラーコーンの内部に納まる寸法にしてあることを特徴とする放電ノズルである。
このような構成によれば、円筒状細管であるキャピラリー先端から突出した針先端部は曲率が大きく、且つキャピラリー先端よりも対向電極に近い距離にあるためキャピラリー先端の円筒端よりも強い電界が形成される。これにより従来型の針のないノズルに比べて印加電圧が同じでも強い電界が生ずる。そのためエレクトロスプレー現象を生じさせる電圧を従来型よりも低くすることができ電源の負担を軽減できる。また、放電ノズルへの印加電圧を低くできるので放電ノズル先端付近でのコロナ放電の発生も抑制される効果を奏する。
また、請求項2に記載の発明は、エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルであって、金属製の円筒状細管と、金属製の針とを備えて構成され、該針は外径を該円筒状細管の内径より僅かに小さくして円筒状細管内面との間に試料液体を通過させる隙間が形成してあり、円筒状細管の開口から突出する先端部分は円錐台形形状に形成してあることを特徴とする放電ノズルである。
このような構成とすれば、供給する試料液体の流量を大幅に増加させることができる。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の放電ノズルにおいて、前記円筒状細管は金属製に代えて非導電性材料で形成してあり、印加電圧は前記針に供給されるように構成してあることを特徴とする放電ノズルである。
このように放電ノズルの円筒状細管(キャピラリー)を非導電性材料で形成した構成とすれば、キャピラリー先端近くでのコロナ放電の発生を一層効果的に抑制することができる。
第1の実施形態に係る放電ノズルの縦断面図である。 キャピラリー2の先端に試料液体の液だまり7が形成された状態である。 テイラーコーン形状になった液だまり7の先端から帯電液滴8が飛び出した状態である。 中心に針が設けてない従来の放電ノズル10における電界発生状況である。 中心に針3を設けた放電ノズル1における電界発生状況である。 試作した放電ノズル1の先端部の写真である。 試作した放電ノズル1の先端にテイラーコーンが形成されて液滴が放出されている状態の写真である。 放電ノズル1から放出された液滴がクーロン爆発を起こして無数の微細液滴となって対向電極に噴霧されている状態の全体写真である。 印加電圧を変化させた場合のテイラーコーンの比較実験図である。 第3の実施形態に係る放電ノズル10の縦断面図である。 第3の実施形態に係る放電ノズル10を使用してエレクトロスプレー現象を生じさせている状態の写真である。 エレクトロスプレー現象の説明図である。
以下、本発明に係るエレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルの構成例を実施形態に分けて図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は第1の実施形態に係る放電ノズルの縦断面図である。放電ノズル1はキャピラリー2、針3、支持ブロック4を備えて構成される。本実施形態のキャピラリー2は金属製の細い円筒管であり、金属製の支持ブロック4に取り付けて支持されている。針3は先端が尖った形状に形成された金属製の細い針で、支持ブロック4を貫通してキャピラリー2の中心に挿入されている。その先端はキャピラリー2の開口より僅かに突出させてある。支持ブロック4はキャピラリー2と針3を電気的に接続した状態で支持する。その内部にはキャピラリー2に供給される試料液体を通す流路5が形成されている。支持ブロック4には電源6より直流高電圧が印加される。
この放電ノズル1と対向電極(図示せず。)との間に電源6より直流高電圧を印加する。その状態で支持ブロック4に形成された流路5を通してキャピラリー2内に試料液体を供給する。試料液体は図2に示すようにキャピラリー2の先端に液だまり7を形成する。放電ノズル1のキャピラリー2と針3との間には高電圧が印加されているので放電ノズル1の先端部には高電界が生じている。放電ノズル1への印加電圧が正の場合、その電界は対向電極に向かう。液だまり7の中に存在する正イオンは、この高電界により液だまり7の対向電極側表面に移動する。負イオンは反対にキャピラリー2と針3側に向かう。
金属製キャピラリー2と針3の表面に到達した負イオンは高電界の下で酸化反応を起こし、電子をキャピラリー2、針3に与えて中性化する。例えば、水酸化イオンの場合、4個の水酸化イオンの酸化反応により2個の水分子、1個の酸素分子、4個の電子が生成される。4個の電子はノズル1に移り、後述する正イオンに帯電した液滴の対向電極に向けての飛翔に伴って配線ケーブル経由で電源6、対向電極と移動し、正イオンに帯電した液滴により対向電極に運ばれた正電荷を中和する。
液だまり7の対向電極側表面に移動した正イオンには、強い電界により対向電極に向かう強い吸引力が働く。この強い吸引力により液だまり7の先端部は対向電極に向けて伸びる。一方、液だまり7には表面張力が働き、その表面張力は液だまり先端部が対向電極に向けて伸びるのを阻止する方向に働く。両者の力が釣り合ったとき、液だまり7はテイラーコーンと呼ばれる頭頂角90°の円錐形状をなす(図2)。印加電圧がこのテイラーコーンが形成される電圧より高いと、テイラーコーンの先端が対向電極に向けて更に伸びる。そして、遂には先端部の液が液だまり7から分離し、正イオンで帯電した液滴8となって対向電極に向かって飛び出す(図3)。エレクトロスプレー現象の開始である。帯電した液滴8が飛び出すと、液だまり7は帯電量が減少するため吸引力が弱まって先端が丸みを帯びる。その後、再びテイラーコーンが形成され、正イオンで帯電した液滴8が再び対向電極に向かって放出される。このような動作が繰り返される。
本実施形態の放電ノズル1の特徴は、キャピラリー2の中心に金属製の針3が設けてある点にある。針3の先端を尖った形状にしてキャピラリー2の開口から先端部を突出させてある。この放電ノズル1に正電位を与えた場合、放電ノズル1の金属表面は正に帯電して対向電極に向かう電界が生ずる。金属表面上の電界は曲率の大きい尖った部分ほど、また負電位にある対向電極に近い部分ほど強くなる。中心に針3が設けてない図4に示す従来の放電ノズル10では、キャピラリー2先端の円筒端に矢印で示す強い電界が生ずる。これに対して本実施形態の放電ノズル1では、図5に示すようにキャピラリー先端の円筒端に加え、針先端部に矢印で示す強い電界が生ずる。そして、この針3の先端部は尖った形状にしてあり、更にキャピラリー先端よりも対向電極に近い距離にあるため、キャピラリー先端の円筒端よりも強い電界が形成される。このため液だまり中の正イオンは、より強い電界が発生している針3の先端部に集中しやすい。即ち、針3を有する本実施形態の放電ノズル1では、従来型の針3のないノズルに比べて印加電圧が同じでも強い電界が針3の先端部に生ずる。
これは、裏返せばエレクトロスプレー現象を生じさせる電圧は従来型よりも低い電圧で済むことを意味する。放電ノズル1への印加電圧を低くできれば、電源6の負担は軽減される。また、放電ノズル1への印加電圧を低くできれば、放電ノズル先端付近でのコロナ放電の発生も抑制される。このように本実施形態の針3を有する放電ノズル1では、エレクトロスプレー現象を生じさせる電圧を従来型より低くでき、コロナ放電の発生も抑制できる効果を奏する。
図6は試作した放電ノズル1の写真、図7はその放電ノズル1の先端にテイラーコーン8が形成されて先端から液滴が放出されている状態の写真、図8は放電ノズル1から放出された液滴がクーロン爆発を起こして無数の微細液滴となって対向電極に噴霧されている状態の全体写真である。用いた放電ノズルの金属製キャピラリーは、外径0.64mm、内径0.34mm、中心の針の直径は0.12mm、キャピラリー先端からの突出長さは0.5〜0.6mmである。キャピラリーと対向電極間の距離を30mm、試料液体としてイソプロピルアルコールを流して実験してある。この条件下で安定したエレクトロスプレー現象が開始された電圧は2,900Vであった。これに対して針なしで同じキャピラリーを用いた場合のエレクトロスプレー現象の開始電圧は3,500Vであった。針を設けたことにより印加電圧を600Vも低下させることができた。
キャピラリー2の開口からの針3の突出長さは、キャピラリーの先端部に生ずるテイラーコーンの内部に納まる寸法とする。針3の突出長さが長すぎるとテイラーコーンは上手く形成されず、放電が不安定になる。一方、短すぎると印加電圧を下げる効果が十分には得られない。図9の(1)、(2)は、針3の突出長さを同じにして印加電圧を変化させた場合のテイラーコーンの状態を比較したものである。キャピラリー2の外径0.71mm、針3の突出長さ0.75mmとし、印加電圧を(1)は3250V、(2)は3050Vとした場合である。テイラーコーンは(2)の方が長くなっており、印加電圧が低い方がテイラーコーンは長くなる。これは印加電圧が高い場合は強電界により針3の先端近くで試料液体に十分な正電荷密度が与えられて早い段階で試料液体が液滴となって分離する。一方、印加電圧が低い場合は針3の先端近くでは十分な正電荷密度が与えられず、重力によりテイラーコーンが長く伸びて先端が尖ると先端部の正電荷密度が高まって対極からの電磁吸引力が高まり、同時に先細りにより引き上げようとする表面張力も弱まって分離するからではないかと思われる。
一方、図示しないが、印加電圧を同じにして針3の突出長さを変えた場合には、針3を長くした方がテイラーコーンは長くなる。但し、長すぎるとテイラーコーンは上手く形成されない。こうしたことから針3の突出長さと印加電圧とは、針3がテイラーコーンの内部に納まり、且つ、安定したテイラーコーンが形成されて放電が安定して生ずるような寸法と電圧に設定する。最適な設定値は試料液体の種類、ノズルと対向電極間の距離によっても変化する。
(第2の実施形態)
図10は第3の実施形態に係る放電ノズル10の縦断面図である。この放電ノズル10が図1に示した第1の実施形態に係る放電ノズル1と異なる点は、円筒状細管であるキピラリー2の中心に通す針13の形状にある。針13として太い針を使用し、先端部の形状を変えている。即ち、針13の外径はキャピラリー2の内径より僅かに小さい程度に太くしてある。針13の外面とキャピラリー2の内面との隙間は、試料液体の必要量を通過させられる程度にまで狭くしてある。そして、キャピラリー2の開口からから突出する針13の先端部分は、下向きの円錐台形形状に形成してある。
試料液体は針13の外表面とキャピラリー2の内面との間の狭い隙間を通過する際に試料液体は太い針13の広い外表面と接触する。隙間を通過してキャピラリー2の開口端に達した試料液体は、今度は針13の円錐台形部の広い側面に接触した状態で円錐台形先端部まで流れ下る。針13に高電圧が印加してあると円錐台形先端部に小さなテイラーコーン14が形成されてエレクトロスプレー現象が生じ、試料液体は帯電液滴となって対向電極に向かって飛び出してゆく。図11は、本実施形態の放電ノズル10を使用してエレクトロスプレー現象を起させ、放電を行なっている状態の写真である。
本実施形態の放電ノズル10を使用したエレクトロスプレー現象の特徴は、液滴となって飛びゆく前に試料液体が高電圧を印加された針13と広い面積で接触する点にある。針13の表面では電気化学反応が生ずる。即ち、印加電圧が正の場合、試料液体中の負イオンは電子を針13に与えて中性化する。中性分子は正イオンと負イオンに分離して負イオンの電子を針13に与え、正イオンはテイラーコーン先端部に向かう。この電気化学反応の生ずる量は、試料液体と針13との接触面積により決まる。広い面積で針13と接触させる本実施形態の放電ノズル10では、先端のテイラーコーン14に達するまでの間で生ずる電気化学反応の量が大きくなる。このため先端のテイラーコーン14に達した液滴が持つ単位流量当たり正イオンの量が、流量を同じとした場合には放電ノズルを有しない従来型放電ノズルや細い針3を使用する第1の実施形態に係る放電ノズル1に比べて非常に大きくなる。テイラーコーン先端から飛びだす1個の液滴が持ち去る正イオンの量はほぼ一定と考えられるので、このことは、本実施形態の放電ノズル10では大量の液滴を放出させられることを意味する。
第1の放電ノズル3と本実施形態の放電ノズル10を実験して比較したとこや次の結果が得られた。第1の実施形態の放電ノズル3はキャピラリー2の内径1.83mm、針3の外径0.12mm、本実施形態の放電ノズル10はキャピラリー2の内径1.83mm、畑13の外径1.0mmとし、突出長さ同じ、印加電圧同じ、試料液体にイソプロピルアルコールを使用して正常な放電を生じさせることができる試料液体の流量を比較したところ、第1の実施形態に係る放電ノズル1では0.02mmL/minであったのに対して、本実施形態の放電ノズル10では0.50mmL/minと25倍もの流量を流すことができた。このように本実施形態の放電ノズル10は、試料液体の流量を大きくできる大型の放電ノズルを製作できるという大きな効果を奏する。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る放電ノズルは、構造を第1の実施形態に係る図1の放電ノズル1、又は、第2の実施形態に係る図10の放電ノズル10と同じにし、キャピラリー2の材質のみを金属から非導電性材料に変えたものである。非導電性材料としてはガラスが適しているが非導電性の合成樹脂でもよい。放電ノズルのキャピラリーを非導電性材料で形成すればキャピラリー先端近くでのコロナ放電の発生を一層効果的に抑制することができる。
図面中、1、10は放電ノズル、2は円筒状細管(キャピラリー)、3は針、4は支持ブロック、5は流路、6は電源、7は液だまり、8は帯電液滴、14はテイラーコーンを示す。
本実施形態の放電ノズル10を使用したエレクトロスプレー現象の特徴は、液滴となって飛びゆく前に試料液体が高電圧を印加された針13と広い面積で接触する点にある。針13の表面では電気化学反応が生ずる。即ち、印加電圧が正の場合、試料液体中の負イオンは電子を針13に与えて中性化する。中性分子は正イオンと負イオンに分離して負イオンの電子を針13に与え、正イオンはテイラーコーン先端部に向かう。この電気化学反応の生ずる量は、試料液体と針13との接触面積により決まる。広い面積で針13と接触させる本実施形態の放電ノズル10では、先端のテイラーコーン14に達するまでの間で生ずる電気化学反応の量が大きくなる。このため先端のテイラーコーン14に達した液滴が持つ単位流量当たり正イオンの量が、流量を同じとした場合にはを有しない従来型放電ノズルや細い針3を使用する第1の実施形態に係る放電ノズル1に比べて非常に大きくなる。テイラーコーン先端から飛びだす1個の液滴が持ち去る正イオンの量はほぼ一定と考えられるので、このことは、本実施形態の放電ノズル10では大量の液滴を放出させられることを意味する。
特開2014−223591号公報

Claims (3)

  1. エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルであって、金属製の円筒状細管と、金属製の針とを備えて構成され、
    該針は、前記円筒状細管に電気的に接続された状態で該円筒状細管の中心に取り付けられ、その先端は円筒状細管の放電側開口から突出し、突出長さは円筒状細管の先端部に生ずるテイラーコーンの内部に納まる寸法にしてあることを特徴とする放電ノズル。
  2. エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズルであって、金属製の円筒状細管と、金属製の針とを備えて構成され、
    該針は外径を該円筒状細管の内径より僅かに小さくして円筒状細管内面との間に試料液体を通過させる隙間が形成してあり、円筒状細管の開口から突出する先端部分は円錐台形形状に形成してあることを特徴とする放電ノズル。
  3. 請求項1又は2に記載の放電ノズルにおいて、前記円筒状細管は金属製に代えて非導電性材料で形成してあり、印加電圧は前記針に供給されるように構成してあることを特徴とする放電ノズル。
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