JP2006088127A - 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法 - Google Patents

静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2006088127A
JP2006088127A JP2004280422A JP2004280422A JP2006088127A JP 2006088127 A JP2006088127 A JP 2006088127A JP 2004280422 A JP2004280422 A JP 2004280422A JP 2004280422 A JP2004280422 A JP 2004280422A JP 2006088127 A JP2006088127 A JP 2006088127A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
liquid
tip
section
electrostatic atomizer
main body
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2004280422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4196007B2 (ja
Inventor
Yasuhiko Suehiro
康彦 末廣
Hideo Nakanishi
秀雄 中西
Mikio Shinagawa
幹夫 品川
Hiroshi Suda
洋 須田
Tomohiro Yamaguchi
友宏 山口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2004280422A priority Critical patent/JP4196007B2/ja
Publication of JP2006088127A publication Critical patent/JP2006088127A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4196007B2 publication Critical patent/JP4196007B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Electrostatic Spraying Apparatus (AREA)

Abstract

【課題】静電霧化装置において、液搬送部の先端の耐薬品性を向上すると共に、液体を安定的に静電霧化させることができるようにする。
【解決手段】静電霧化装置1は、液溜め部2と、液体Wを搬送する液搬送部3と、液体W及び液搬送部3に電圧を印加する液印加電極4と、液搬送部3の先端に対向して配置された対向電極5と、液印加電極4と対向電極5の間に電圧を印加する電圧印加部6を備え、液搬送部3は、液溜め部2から先端付近までの本体部31と本体部31に一体化された先端部32とを有し、本体部31は毛細管構造を有する多孔質体等で形成され、先端部32は液体Wがその外表面を搬送されるように内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されている。液体Wは先端部32の外表面のみを介して搬送されるので、先端部32に多孔質体を用いる場合に比べて液体Wによる先端部32の材料劣化を抑制でき、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法に関するものである。
従来から、図9に示されるように、液溜め部102に溜まった液体Wを、セラミック多孔質体により構成された液搬送部103により毛細管現象を利用して搬送し、電圧印可部106により液印加電極104と対向電極105と間に高電圧を印加して、液搬送部103の先端130から液体Wを静電霧化させる静電霧化装置101が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような静電霧化装置101は、活性種を持ったナノサイズのミストを液搬送部103の先端130から噴霧することによって、例えば、室内の空気や室内壁面等の付着物を脱臭するために使用される。静電霧化装置101において、液溜め部102に溜められた液体Wは、毛細管現象により液搬送部103の下端や外周面から吸い込まれ、多孔質構造(例えば、平均気孔径0.65μm、気孔率30%)を有する液搬送部103のなかを略円錐状に形成された先端130付近まで搬送されて、液印加電極104と対向電極105の間に印加された電圧(例えば、5000V〜6000V)により静電霧化される。
このような多孔質構造を有する液搬送部103は、例えば、セラミック粉末のスラリーを押出し成形して所定形状の成形体を作製し、この成形体を緻密化させない温度(例えば、材料としてコージエライトを使用する場合には約1300℃)で焼成して、得られた多孔質体の先端を略円錐形状に加工することにより製造される。このため、このように製造された液搬送部103は、円錐形状に形成された先端130付近も多孔質構造を有していた。
特許第3260150号公報
ところで、静電霧化される液体Wとして、例えばNaCl水溶液を用いた場合、液体Wが電気分解されることにより、先端130付近の液体WのpHが3以下になることがある。従来の静電霧化装置101においては、液搬送部103の先端130付近が多孔質構造を有するため、図10(a)に示されるように、先端130付近において粒界Iが溶解し、液搬送部103を形成する粒子が液搬送部103からこぼれ落ちる虞があり、耐薬品性の面で問題があった。また、液搬送部103の先端130が多孔質構造を有するため、液体Wは先端130において連通した気孔から噴出されることとなるが、平均気孔径が数十μm以下の場合、安定した噴出が行われずに液体Wが途絶え、図10(b)に示されるように、液搬送部103の粒子の尖端から不要な放電d’が生じることがあった。このため、液体Wを静電霧化させる際に、安定したテイラーコーンTが形成されず、液体Wからの放電dが安定的に起きないという問題があった。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、液搬送部の先端の耐薬品性を向上させて液搬送部の信頼性を高めると共に、液体を静電霧化させる際、液搬送部の先端に安定的にテイラーコーンを形成させることにより、静電霧化を安定させることができる静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために請求項1の発明は、霧化させる液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部から延出され、該液溜め部の外部に液体を搬送する液搬送部と、液体及び前記液搬送部に電圧を印加する液印加電極と、前記液搬送部の先端に対向するように、且つ、液搬送部に触れないように配置された対向電極と、前記液印加電極と前記対向電極との間に電圧を印加する電圧印加部とを備えた静電霧化装置において、前記液搬送部は、前記液溜め部から先端付近までの本体部と、この本体部に一体化された先端部とを有し、前記本体部は、毛細管構造を有する多孔質体、又は液溜め部から液溜め部の外部に位置する先端側まで延設された連通孔若しくはスリットを有する構造体、又はこれらの複合体で形成され、前記先端部は、液体がその外表面を搬送されるように、内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の静電霧化装置において、前記先端部が、耐薬品性及び絶縁性を有するセラミックの緻密体により形成されていることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載の静電霧化装置において、前記先端部が、その表面において、液搬送方向に延びる複数のヒダを有することを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の静電霧化装置において、前記先端部の表面に、親水性のコーティングが施されていることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1に記載の静電霧化装置において、前記先端部が金属アルミニウムにより形成され、且つ、その表面に比表面積100m/g以上のγ−アルミナが形成されていることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1又は請求項2に記載の静電霧化装置の液搬送部を製造する方法であって、金属又はセラミックの粉末材料を前記液搬送部の形状に成形する成形工程と、前記成形工程により得られた成形体を連通した気孔が残る状態に焼結して、前記液搬送部の本体部を構成する多孔質体を形成する焼結工程と、前記焼結工程により得られた焼結体の先端部分に光ビームを照射することにより、該焼結体の先端部分を、連通した気孔が存在しない状態まで粒成長させ、前記液搬送部の先端部を構成する緻密体を形成する先端部形成工程とを備えることを特徴とする。
請求項1によれば、液搬送部は、液溜め部から先端付近までの本体部と、この本体部に一体化された先端部とを有し、本体部が多孔質体等により形成され、先端部が内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されているので、毛細管現象により本体部を通って先端部付近まで搬送された液体は、先端部において、外表面のみを通って搬送され、静電霧化される。このため、搬送される液体が強酸性又は強アルカリ性であって、この液体が先端部を腐食させるようなことがあっても、先端部は外表面以外のところから溶解することがない。従って、先端部に多孔質体を使用するよりも材料劣化を抑制でき、液搬送部の寿命を高めることができる。
請求項2によれば、先端部が、耐薬品性及び絶縁性を有するセラミックの緻密体により形成されているので、溶解による先端部の劣化をより効果的に抑制することができる。
請求項3によれば、先端部が、その表面において、液搬送方向に延びる複数のヒダを有するので、先端部の外表面の表面張力を増大させることができる。このため、先端部の外表面における液体の搬送量を安定化させることができ、液搬送部の先端に安定的にテイラーコーンを形成させて、液体を安定的に静電霧化させることができる。
請求項4によれば、先端部の表面に、親水性のコーティングが施されているので、先端部の外表面の表面張力を増大させることができる。このため、液体の搬送量を安定化させることができ、液体を安定的に静電霧化させることができる。
請求項5によれば、金属アルミニウムの表面に比表面積100m/g以上のγ−アルミナが形成された先端部を有しているので、先端部の外表面の表面張力を増大させることができる。このため、液体の搬送量を安定化させることができ、液体を安定的に静電霧化させることができる。
請求項6によれば、本体部と先端部を接合するための接合材料を用いることなく、本体部と一体的に先端部を形成させることができるので、より容易に液搬送部を製造することが可能となる。
本発明の第1の実施形態に係る静電霧化装置について、図1乃至図4を参照して説明する。静電霧化装置1は、液体表面の電界が大きくなると表面に働く静電気力によって液体が微粒子化する、いわゆる静電霧化現象を利用して液体を霧化させる装置であり、霧化させる液体Wを溜める液溜め部2と、液溜め部2から延出され、この液溜め部2の外部に液体Wを搬送する液搬送部3と、液体W及び液搬送部3に電圧を印加する液印加電極4と、液搬送部3の先端30に対向するように、且つ、液搬送部3に触れないように配置された対向電極5と、液印加電極4と対向電極5の間に電圧を印加する電圧印加部6とを備えている。
液溜め部2には水等の液体Wが収容されており、この液体Wと接する位置に、液搬送部3の下部と液印加電極4が配置されている。液搬送部3は、液溜め部2から先端30付近までの本体部31と、この本体部31に一体化された先端部32とを有している。なお、本実施形態において、液搬送部3の外径は、例えば、100〜1000μm程度である。図2乃至図4に示されるように、本体部31は、毛細管構造を有する多孔質体(図2)、液溜め部2から液溜め部2の外部に位置する先端30側まで延設された連通孔33(図3)若しくはスリット34を有する構造体(図4)、又はこれらの複合体で形成される。先端部32は、液体Wがその外表面を搬送されるように、内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されている。先端部32を形成する材料としては、特に限定されるものではないが、SiO、TiO、Al、ZrO、YSZ(Yttria Stabilized Zirconia)等のような耐薬品性及び絶縁性を有するセラミックの緻密体を用いることが望ましい。先端部32として耐薬品性及び絶縁性を有するセラミックの緻密体を用いることにより、溶解による先端部32の劣化をより効果的に抑制することができる。
このような液搬送部3は、本体部31と先端部32を別々に作製した後、これらを接着剤等により接合することにより製造することが可能である。このような製造方法において、本体部31は、例えば、セラミック粉末をプレス成形や射出成形等により略円柱状に成形し、得られた成形体を、連通した気孔が残る多孔質体が形成される温度で熱処理することにより作製され、先端部32は、セラミック粉末をプレス成形や射出成形等により略円錐形状に成形し、得られた成形体を、内部に連通した気孔を有しない緻密体が形成される温度(例えば、材料としてYSZを使用する場合、約1450℃)で熱処理することにより作製される。
また、セラミック粉末をプレス成形や射出成形等により液搬送部3の形状に成形し(成形工程)、得られた成形体を連通した気孔が残る状態に焼結して、液搬送部3の本体部31を構成する多孔質体を形成し(焼結工程)、更に、得られた焼結体の先端部分に光ビームを照射することにより、この焼結体の先端部分を、連通した気孔が存在しない状態まで粒成長させて、液搬送部3の先端部32を構成する緻密体を形成する(先端部形成工程)ことにより液搬送部3を製造してもよい。このような工程によれば、接着剤等の接合材料を用いることなく、本体部31と一体的に先端部32を形成させることができるので、より容易に液搬送部3を製造することが可能となる。
液印加電極4は、液搬送部3及び液体Wに接するように配置されており、液搬送部3及び液体Wに電圧を印加する。対向電極5は、液搬送部3の先端30から所定間隔(2〜3mm)だけ隔てて配置され、霧化された液体Wが通過する開口部51が電極の中央に形成されている。電圧印加部6は、液印加電極4と対向電極5との間に所定電圧(2〜10kV)を印加する直流電源を有しており、例えば、液印加電極4にマイナス電圧を印加し、対向電極5にプラス電圧を印加する。
液体Wを静電霧化させる際、液溜め部2内の液体Wは、表面張力による毛細管現象により、多孔質体内の連通した気孔、連通孔33又はスリット34を介して流路f1で本体部31の内部を先端部32付近まで上昇する。先端部32付近まで搬送された液体Wは、先端部32において外表面のみを通って流路f2で搬送され、液印加電極4と対向電極5の間に印加された電圧により先端30付近において静電霧化される。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、液搬送部3は、液溜め部2から先端30付近までの本体部31と、この本体部31に一体化された先端部32とを有し、本体部31が多孔質体等により形成され、先端部32が内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されているので、毛細管現象により本体部31を通って先端部32付近まで搬送された液体Wは、先端部32において、外表面のみを通って搬送され、静電霧化される。このため、搬送される液体Wが強酸性又は強アルカリ性であって、この液体Wが先端部32を腐食させるようなことがあっても、先端部32は外表面以外のところから溶解することがない。従って、先端部32に多孔質体を使用するよりも材料劣化を抑制でき、液搬送部3の寿命を高めることができる。
次に、本発明の第2の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。本実施形態における静電霧化装置1は、液搬送部3の本体部31が電気伝導性を有する点で第1の実施形態と異なり、他の構成は第1の実施形態と同様である。
本実施形態において、液搬送部3の本体部31は、金属等の電気伝導度が10−9S・cm−1以上となる材料により形成される。このような本体部31は、例えば、金属粉末をプレス成形や射出成形等により略円柱状に成形し、得られた成形体を、連通した気孔が残る多孔質体が形成される温度で熱処理することにより作製される。
また、プラスチック等の絶縁性材料を略円柱状に成形し、その表面に電気伝導度が10−9S・cm−1以上となる電気伝導性材料をメッキ処理やコーティング処理することにより、本体部31を形成するようにしてもよい。このようにプラスチック等の絶縁性材料の表面を電気伝導性材料で表面処理することにより、本体部31全体を電気伝導性材料で形成する場合と比べて、より安価に本体部31を製造することができる。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、液搬送部3の本体部31が電気伝導性を有するので、図5に示されるように、本体部31と先端部32の接合位置まで電子を移動させることが可能となる。このため、液体Wの電気分解がこの接合位置付近で起こることとなり、電気分解により液体Wが酸性又はアルカリ性になった場合においても、その液量は、先端部32の外表面にある液体Wと、テイラーコーンを形成している液体Wを合わせた量となり、本体部31から供給される電気分解されていない中性付近の液体Wにより、先端部32近傍の液体Wが強酸性や強アルカリ性で存在し難くなる。このため、液体Wによる先端部32の溶解を抑制することができ、先端部32の劣化を防止することができる。
次に、本発明の第3の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。本実施形態における静電霧化装置1は、液搬送部3の先端部32が電気伝導性を有する点で第2の実施形態と異なり、他の構成は第2の実施形態と同様である。
本実施形態において、液搬送部の先端部32は、例えば、金属等の電気伝導度が10−9S・cm−1以上となる材料により形成される。このような先端部32は、例えば、金属粉末をプレス成形や射出成形等により略円錐形状に成形し、得られた成形体を、内部に連通した気孔を有しない緻密体が形成される温度で熱処理することにより作製される。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、本体部31に加えて先端部32にも電気伝導性を有する材料を用いたので、第2の実施形態より更に先端部32近傍の液体Wが強酸性や強アルカリ性で存在し難くなる。このため、液体Wによる先端部32の溶解を抑制することができ、先端部32の劣化を防止することができる。
次に、本発明の第4の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。図6に示されるように、本実施形態における静電霧化装置1は、先端部32が、その表面において、液搬送方向(流路f2の方向)に延びる複数のヒダ35を有する点で他の実施形態と異なる。
本実施形態において、液搬送部3の先端部32は、例えば、金属又はセラミック粉末をプレス成形や射出成形等により略円錐形状に成形し、得られた成形体を、内部に連通した気孔を有しない緻密体が形成される温度で熱処理することにより略円錐形状の緻密体を作製し、これに切削加工を施してヒダ35を形成することにより作製される。また、プレス成形や射出成形等によりヒダ35が形成された略円錐形状の成形体を作製し、これを熱処理することにより先端部32を作製するようにしてもよい。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、先端部32が、その表面において、液搬送方向に延びる複数のヒダ35を有するので、先端部32の外表面の表面張力を増大させることができる。このため、先端部32の外表面における液体Wの搬送量を安定化させることができ、液搬送部3の先端に安定的にテイラーコーンを形成させて、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。
次に、本発明の第5の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。本実施形態における静電霧化装置1は、先端部32の表面に、親水性のコーティングが施されている点で他の実施形態と異なる。このような親水性のコーティングは、例えば、先端部32の外表面に親水性のコーティング剤を塗布することにより形成される。
本実施形態の静電霧化装置1においても、先端部32の外表面の表面張力を増大させることができるので、上記第4の実施形態と同様に、先端部32の外表面における液体Wの搬送量を安定化させることができ、液搬送部3の先端に安定的にテイラーコーンを形成させて、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。なお、第4の実施形態に係る静電霧化装置1の先端部32のヒダ35表面に親水性のコーティング剤を塗布して、先端部32の外表面の表面張力を更に増大させるようにしてもよい。
次に、本発明の第6の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。本実施形態における静電霧化装置1は、先端部32が金属アルミニウムにより形成され、且つ、その表面に比表面積100m/g以上のγ−アルミナが形成されている点で他の実施形態と異なる。
本実施形態において、液搬送部3の先端部32は、例えば、金属アルミニウム粉末をプレス成形や射出成形により略円錐形状に成形し、得られた成形体を、内部に連通した気孔を有しない緻密体が形成される温度で熱処理することにより略円錐形状の緻密体を作製し、これを煮沸することにより金属アルミニウム表面に水酸化アルミニウムを形成させ、更に、常温と300℃乃至400℃の間で熱処理を繰り返すことにより、金属アルミニウムの表面にγ−アルミナを析出させることにより製造される。
本実施形態の静電霧化装置1においても、先端部32の外表面に比表面積100m/g以上のγ−アルミナを形成させることにより、先端部32の外表面の表面張力を増大させることができるので、上記第4及び第5の実施形態と同様に、先端部32の外表面における液体Wの搬送量を安定化させることができ、先端部32におけるテイラーコーンの発生をより安定化させて、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。
次に、本発明の第7の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。図7に示されるように、本実施形態における静電霧化装置1は、絶縁性材料により形成された略円錐形状の先端部32の中心付近に、電気伝導性のピン36が埋設されている点で他の実施形態と異なる。
ピン36は、直径0.01mm以上、1.0mm以下の電気伝導性を有する材料により形成されており、本体部31側から先端30側まで延びるように先端部32の中心付近に埋設されている。ピン36を構成する材料は、電気伝導性を有する材料であれば、特に限定されるものではないが、耐腐食性の高い白金や金が望ましい。先端部32のピン36以外の部分は、絶縁性材料により形成されており、液搬送部3の本体部31は、電気伝導性の材料により形成されている。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、絶縁性の先端部32の中心付近に電気伝導性のピン36が埋没されているので、先端部32の中心付近に放電を集中させて、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。
次に、本発明の第8の実施形態に係る静電霧化装置について説明する。図8に示されるように、本実施形態における静電霧化装置1は、先端部32の中心付近に突起部37が形成されている点で他の実施形態と異なる。
突起部37は略円錐形状を有しており、底面の直径0.01mm〜0.1mm、高さ0.1mm以下となるように形成されている。このような突起部37は、例えば、金属又はセラミック粉末をプレス成形又は射出成形等し、緻密体が形成される温度で熱処理することにより先端部32の先端に一体的に形成させることが可能である。また、略円錐形状の先端部32を製造した後に、切削加工等することにより先端部32の中心付近に突起部37を形成させるようにしてもよい。なお、突起部37の形状は、略円錐形状に限定されるものではなく、例えば、四角錐等のような多角錐であってもよい。
本実施形態の静電霧化装置1によれば、突起部37に電荷が集中し、突起部37の周囲にテイラーコーンTが1つだけ形成され易くなるので、突起部37付近に放電dを集中させることができ、液体Wを安定的に静電霧化させることができる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を変更しない範囲で種々の変形が可能である。
本発明の第1の実施形態に係る静電霧化装置の全体構成を示す断面図。 同装置の液搬送部の本体部として毛細管構造を有する多孔質体を使用した場合における、垂直方向に分断した先端部付近の断面図。 (a)は同本体部として先端部付近まで延設された連通孔を有する構造体を使用した場合における、水平方向に分断した本体部の断面図、(b)は垂直方向に分断した同先端部付近の断面図。 (a)は同本体部として先端部付近まで延設されたスリットを有する構造体を使用した場合における、水平方向に分断した本体部の断面図、(b)は垂直方向に分断した同先端部付近の断面図。 第2の実施形態に係る静電霧化装置の液搬送部の先端部付近を垂直方向に分断した断面図。 (a)は第4の実施形態に係る静電霧化装置の液搬送部の上面図、(b)は同液搬送部の先端部付近の側面図。 第7の実施形態に係る静電霧化装置の液搬送部の先端部付近を垂直方向に分断した断面図。 第8の実施形態に係る静電霧化装置の液搬送部の先端部付近を垂直方向に分断した断面図。 従来例による静電霧化装置の全体構成を示す断面図。 (a)(b)は従来例による静電霧化装置の液搬送部の先端付近を示す図。
符号の説明
1 静電霧化装置
2 液溜め部
3 液搬送部
4 液印加電極
5 対向電極
6 電圧印加部
30 先端
31 本体部
32 先端部
33 連通孔
34 スリット
35 ヒダ
36 ピン
37 突起部

Claims (6)

  1. 霧化させる液体を溜める液溜め部と、前記液溜め部から延出され、該液溜め部の外部に液体を搬送する液搬送部と、液体及び前記液搬送部に電圧を印加する液印加電極と、前記液搬送部の先端に対向するように、且つ、液搬送部に触れないように配置された対向電極と、前記液印加電極と前記対向電極との間に電圧を印加する電圧印加部とを備えた静電霧化装置において、
    前記液搬送部は、前記液溜め部から先端付近までの本体部と、この本体部に一体化された先端部とを有し、
    前記本体部は、毛細管構造を有する多孔質体、又は液溜め部から液溜め部の外部に位置する先端側まで延設された連通孔若しくはスリットを有する構造体、又はこれらの複合体で形成され、前記先端部は、液体がその外表面を搬送されるように、内部に連通した気孔を有しない緻密体により形成されていることを特徴とする静電霧化装置。
  2. 前記先端部が、耐薬品性及び絶縁性を有するセラミックの緻密体により形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  3. 前記先端部が、その表面において、液搬送方向に延びる複数のヒダを有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の静電霧化装置。
  4. 前記先端部の表面に、親水性のコーティングが施されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の静電霧化装置。
  5. 前記先端部が金属アルミニウムにより形成され、且つ、その表面に比表面積100m/g以上のγ−アルミナが形成されていることを特徴とする請求項1に記載の静電霧化装置。
  6. 請求項1又は請求項2に記載の静電霧化装置の液搬送部を製造する方法であって、
    金属又はセラミックの粉末材料を前記液搬送部の形状に成形する成形工程と、
    前記成形工程により得られた成形体を、連通した気孔が残る状態に焼結して、前記液搬送部の本体部を構成する多孔質体を形成する焼結工程と、
    前記焼結工程により得られた焼結体の先端部分に光ビームを照射することにより、該焼結体の先端部分を、連通した気孔が存在しない状態まで粒成長させ、前記液搬送部の先端部を構成する緻密体を形成する先端部形成工程とを備えることを特徴とする液搬送部の製造方法。
JP2004280422A 2004-09-27 2004-09-27 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法 Expired - Fee Related JP4196007B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004280422A JP4196007B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004280422A JP4196007B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006088127A true JP2006088127A (ja) 2006-04-06
JP4196007B2 JP4196007B2 (ja) 2008-12-17

Family

ID=36229602

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004280422A Expired - Fee Related JP4196007B2 (ja) 2004-09-27 2004-09-27 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4196007B2 (ja)

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274065A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 General Electric Co <Ge> 霧化用表面処理およびコーティング
JP2011131214A (ja) * 2011-03-11 2011-07-07 Mitsubishi Electric Corp 静電霧化装置及び空気調和機
JP2011153390A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法
JP2011194147A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Mitsubishi Electric Corp 電気掃除機
CN103706498A (zh) * 2012-09-28 2014-04-09 有限会社科技新领域 雾气放出销及静电雾化装置
WO2016163046A1 (ja) * 2015-04-09 2016-10-13 旭サナック株式会社 エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズル
JP2016198756A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 旭サナック株式会社 エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズル
WO2018008063A1 (ja) * 2016-07-04 2018-01-11 旭サナック株式会社 エレクトロスプレー用放電ノズル

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009274065A (ja) * 2008-05-14 2009-11-26 General Electric Co <Ge> 霧化用表面処理およびコーティング
JP2011153390A (ja) * 2010-01-27 2011-08-11 Panasonic Corp ナノファイバ製造装置およびナノファイバ製造方法
JP2011194147A (ja) * 2010-03-23 2011-10-06 Mitsubishi Electric Corp 電気掃除機
JP2011131214A (ja) * 2011-03-11 2011-07-07 Mitsubishi Electric Corp 静電霧化装置及び空気調和機
CN103706498A (zh) * 2012-09-28 2014-04-09 有限会社科技新领域 雾气放出销及静电雾化装置
JP2014069107A (ja) * 2012-09-28 2014-04-21 Frontier Sangyo Kk ミスト放出ピン及び静電霧化装置
WO2016163046A1 (ja) * 2015-04-09 2016-10-13 旭サナック株式会社 エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズル
JP2016198756A (ja) * 2015-04-09 2016-12-01 旭サナック株式会社 エレクトロスプレーイオン化法に用いる放電ノズル
WO2018008063A1 (ja) * 2016-07-04 2018-01-11 旭サナック株式会社 エレクトロスプレー用放電ノズル

Also Published As

Publication number Publication date
JP4196007B2 (ja) 2008-12-17

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4196007B2 (ja) 静電霧化装置及びこれに用いられる液搬送部の製造方法
US7591883B2 (en) Microfiber supported nanofiber membrane
EP2251092B1 (en) Electrostatic atomizer
WO2021073564A1 (zh) 雾化芯及电子雾化装置
US20070290080A1 (en) Electrostatic Spraying Device
KR101768265B1 (ko) 방출핀부재, 미스트 발생부재 및 이를 이용한 정전무화장치
CN205833498U (zh) 一种耐腐蚀超声换能器雾化片
JP6533155B2 (ja) 中空酸化チタン粒子の製造方法
JP2011031184A (ja) 静電噴霧装置
CN100400174C (zh) 静电雾化装置
JP4093282B1 (ja) 静電霧化装置
CN219108740U (zh) 雾化器和电子雾化装置
JP4195989B2 (ja) 静電霧化装置及びこれを備えた空気清浄機
JP2011183318A (ja) 放出ピン部材及びそれを用いた静電霧化装置
JP2008119908A (ja) インクジェット式液滴ノズル
JP2006125648A (ja) 超音波加湿器
JP4232713B2 (ja) 静電霧化装置
JP4609145B2 (ja) 静電霧化装置
JP5833781B1 (ja) 静電噴霧装置
KR101350152B1 (ko) 정전분무법을 이용한 금속 다공체 제조 시스템
CN220991489U (zh) 雾化芯、雾化结构及电子雾化装置
EP1075167A3 (de) Plasmaspritzvorrichtung
US20170137971A1 (en) Electrospinning
JP4305114B2 (ja) 静電霧化装置
KR20110020438A (ko) 동심의 중공관을 갖는 이중노즐

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070706

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080821

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20080826

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20080908

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent (=grant) or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111010

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121010

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131010

Year of fee payment: 5

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees