JPWO2017002906A1 - アルコール吸収抑制用組成物 - Google Patents

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Abstract

アルコール吸収抑制用組成物、アルコール吸収を抑制するための当該組成物の使用、及びアルコール吸収を抑制する方法を提供する。植物由来ペプチドの熱処理物が、非常に高いアルコール吸収抑制作用を有することを見出した。本発明は、植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有するアルコール吸収抑制用組成物、アルコール吸収を抑制するための植物由来ペプチド熱処理物の使用、及び植物由来ペプチド熱処理物を利用したアルコール吸収を抑制する方法を提供する。

Description

本発明は、アルコール吸収抑制用組成物に関する。さらに詳しくは、本発明は、植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有するアルコール吸収抑制用組成物、アルコール吸収を抑制するための植物由来ペプチド熱処理物の使用、及び植物由来ペプチド熱処理物を利用したアルコール吸収の抑制方法に関する。
体外より摂取されたアルコールは、主に胃及び小腸上部で吸収される。アルコールは、消化を受けることなく吸収される。その吸収は全般的に早く、飲酒をした場合であれば、消化管内のアルコールは飲酒後1〜2時間でほぼ吸収されると言われている。アルコールの吸収とともにその分解も速やかに開始される。しかし、アルコールの分解速度は個人差が非常に大きいことが知られている。アルコールの吸収と分解には多くの要因が関係していると言われている。
アルコールは、少量であれば気持ちをリラックスさせたり会話を増やしたりする効果があるが、大量になると麻酔薬のような効果をもたらし、運動機能を麻痺させたり意識障害の原因になる。アルコールの摂取量が過剰になると、酩酊状態や中毒症状を呈する場合もある。アルコールは体内の様々な部位に作用することが知られており、過度のアルコール摂取は、中枢神経、循環器、脂質、血液凝固、内分泌等に対して悪影響を及ぼす場合がある。
アルコール摂取に伴って生じる好ましくない疾患や症状を軽減するためにも、体外より摂取したアルコールの吸収を抑制する技術開発は強く望まれている。このような技術としては、例えば、グリシルグリシンというジペプチドを利用する技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、これまでにアルコール吸収抑制技術が報告されている事例はそれほど多いわけではなく、さらに効果が高く且つ利用価値の高い技術が望まれているのが現状である。
一方、アルコールの吸収抑制とは異なるが、アルコール摂取後の血中アルコールの蓄積を防ぐための技術として、トウモロコシ蛋白質の酵素加水分解処理物を利用する技術(特許文献2)や、大豆蛋白質の酵素加水分解処理物を利用する技術(特許文献3)等が開示されている。これらはいずれもアルコールの代謝促進に関する技術であり、アルコールの吸収よりもむしろ分解の方に着目した技術である。
特開平3−127739 特開平7−285881 国際公開第2006/106704号パンフレット
アルコールが吸収されてから分解されるまでには時間差があり、さらに、アルコールの分解に関する酵素活性には個人差があることから、アルコールの代謝促進よりも初期の段階をターゲットとするアルコールの吸収抑制方法の開発が望まれる。本発明の課題は、アルコール吸収抑制用組成物、アルコール吸収を抑制するための当該組成物の使用、及びアルコール吸収を抑制する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記問題点に鑑み鋭意検討した結果、植物由来ペプチドの熱処理物が極めて効果的に血中のアルコール濃度を抑制することを見出した。さらに、本発明者らは、かかる植物由来ペプチド熱処理物が、アルコール代謝に関連するアルコールデヒドロゲナーゼ活性やアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性には特に影響を及ぼさないことを見出し、その結果、植物由来ペプチド熱処理物が極めて高いアルコール吸収抑制作用を有すると考えられ、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下のものに関するが、これらに限定されない。
(1)植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有する、アルコール吸収抑制用組成物。
(2)植物由来ペプチド熱処理物の環状ジペプチド又はその塩の含有量が、20000μg/100g/Bx以上である、(1)に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(3)植物由来ペプチド熱処理物の環状ジペプチド又はその塩の含有量が、30000μg/100g/Bx以上である、(1)又は(2)に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(4)植物由来ペプチドが、麦芽、茶又は大豆由来のペプチドである、(1)〜(3)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(5)熱処理物が、100℃以上且つ0.101MPa以上での処理物である、(1)〜(4)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(6)血中アルコール濃度の上昇抑制用である、(1)〜(5)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(7)血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状の治療又は予防用である、(1)〜(6)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(8)アルコールの吸収を抑制することにより発揮される機能の表示を付した、(1)〜(7)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(9)機能の表示が、「アルコールの吸収を抑える」、「アルコールの吸収を穏やかにする」、「二日酔を防止する」、「肝臓にやさしい」、「肝臓を保護する」、及び「肝機能を維持する」からなる群から選択されるものである、(8)に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(10)前記組成物が剤である、(1)〜(9)のいずれかに記載のアルコール吸収抑制用組成物。
(11)アルコール吸収を抑制するための、植物由来ペプチド熱処理物の使用。
(12)植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として使用する、アルコール吸収を抑制する方法。
本発明によって、非常に効果的なアルコール吸収抑制作用を有する組成物を提供することができる。本発明の組成物に含まれる植物由来ペプチド熱処理物は、飲食品に利用可能な植物から入手することができるため、安全性も高く、市場において利用価値が高いと言える。また、本発明の組成物を利用することによって、効果的にアルコール吸収を抑制する方法も提供することができ、これにより、アルコール摂取に伴って生じる好ましくない疾患や症状の軽減を図ることができる。
図1は、麦芽ペプチド熱処理物及び茶ペプチド熱処理物が血中エタノール濃度に与える影響を示す図である。 図2は、血中エタノール濃度の測定結果から得られた120分間のアルコール面積値を示す図である。グラフの縦軸は、エタノール投与後120分のアルコール面積値を示す。 図3は、大豆ペプチド熱処理物が血中エタノール濃度に与える影響を示す図である。 図4は、血中エタノール濃度の測定結果から得られた240分間のアルコール面積値を示す図である。グラフの縦軸は、エタノール投与後240分のアルコール面積値を示す。 図5は、植物由来ペプチド熱処理物の投与とアルコール代謝関連酵素の活性との関係を示す図である。ADHはアルコールデヒドロゲナーゼであり、ALDHはアセトアルデヒドデヒドロゲナーゼである。各種酵素のグラフの縦軸は酵素活性を示し、血中エタノールAUC(Area Under Curve)のグラフの縦軸は、エタノール投与後120分のアルコール面積値を示す。また、各グラフの横軸は被験試料を示し、その中で「茶EH」は、茶を酵素処理し、さらに高温高圧処理した試料を意味する。 図6は、大豆ペプチド熱処理物がヒト血中アルコール濃度に与える影響を示す図である。グラフの縦軸は血中エタノール濃度(mg/mL)を示し、グラフの横軸はエタノール負荷後の時間(分)を示す。 図7は、ヒト血中アルコール濃度の測定結果から得られた180分間のアルコール面積値を示す図である。グラフの縦軸は、アルコール負荷後180分のアルコール面積値を示す。 図8は、ヒト血中アセトアルデヒドの濃度を示す図である。グラフの縦軸は血中アセトアルデヒド濃度(mg/L)を示し、グラフの横軸はエタノール負荷後の時間(分)を示す。 ヒト血中アセトアルデヒド濃度の測定結果から得られた180分間のアセトアルデヒド面積値を示す図である。グラフの縦軸は、アルコール負荷後180分のアセトアルデヒド面積値を示す。
本発明の一態様は、植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有するアルコール吸収抑制用組成物である。
1.植物由来ペプチド
本明細書において「植物由来ペプチド」とは、特に断りがない限り、植物由来のタンパク質又はタンパク質を含む植物体に既知の分解処理(熱や圧力による分解処理、酸やアルカリによる分解処理、酵素による分解処理等)を施して低分子化することにより生じるペプチドを意味する。
植物由来ペプチドは、植物由来のタンパク質又はタンパク質を含む植物体から得られる1種類のペプチドであってもよいし、2種類以上のペプチドの混合物であってもよい。植物由来ペプチドを構成するアミノ酸の個数は、特に限定されないが、2〜数十個が好ましく、2〜数個(即ち、オリゴペプチド)がより好ましい。
本発明において植物由来ペプチドは、分子量5000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのが好ましく、分子量3000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのがより好ましく、分子量1000以下のペプチドの割合が高いものを用いるのが特に好ましい。ここで、「ペプチドの割合が高い」とは、植物由来ペプチド全体の少なくとも50%がそのペプチドに該当している状態を意味する。当該分子量の測定は、当業者に周知の方法及び装置(HPLC等)を用いて行うことができる。
植物由来ペプチドには、特に限定されないが、種子類、葉類、豆類、又は芋類等の植物由来のペプチドが利用可能である。種子類としては、例えば、大麦、小麦(小麦胚芽を含む)、麦芽、胡麻、米、コーヒー等が挙げられる。葉類としては、例えば、茶(緑茶、紅茶、烏龍茶)等が挙げられる。豆類としては、例えば、大豆、小豆、黒豆等が挙げられる。芋類としては、例えば、さつまいも、じゃがいも等が挙げられる。これらの植物の中で、本発明では麦芽、茶、大豆が好適に用いられる。茶の中では、緑茶が好適に用いられる。なお、本明細書では、特定の植物に由来する植物由来ペプチドについて「由来の」の記載を省略する場合がある。例えば、麦芽由来のペプチドの場合、これを麦芽ペプチドと称することがある。このとき、両者は互換可能に使用される。
植物由来ペプチドは、植物由来のタンパク質又はタンパク質を含む植物体を従来公知の方法で分解処理することにより得ることができる。かかる分解処理としては、熱や圧力による分解処理、酸やアルカリによる分解処理、酵素による分解処理等が挙げられる。いずれの処理においても、水やエタノール等が溶媒として使用可能であり、例えば加熱による分解処理であれば、100℃以上の温度で30分〜数時間の条件が示される。なお、この加熱処理は、上述した植物由来ペプチド熱処理物の加熱処理と同時に行うことも可能である。また、酵素による分解処理であれば、種々のタンパク質分解酵素(プロテアーゼ)をその目的に応じて適宜使用することができる。本発明における植物由来ペプチドは、自体公知の方法を用いて自ら調製したものを用いてもよいし、或いは市販品を用いてもよい。
2.植物由来ペプチド熱処理物
植物由来ペプチド熱処理物は、植物由来ペプチドを液体中で高温加熱処理することによって得られる。かかる加熱処理は、特に限定されないが、高温条件のみならず高圧条件も加えた上での処理が好ましい。そのため、本発明における植物由来ペプチド熱処理物は、好ましくは植物由来ペプチドの高温高圧処理物(より具体的には、植物由来ペプチドの液体中での高温高圧処理物)である。
本明細書でいう「高温高圧」とは、100℃以上の温度かつ大気圧を越える圧力を意味する。当該温度は、好ましくは105℃以上、110℃以上、115℃以上、120℃以上、125℃以上、130℃以上、又は135℃以上である。また、当該温度は、好ましくは170℃以下、165℃以下、160℃以下、155℃以下、150℃以下、145℃以下、又は140℃以下である。なお、この温度は、加熱装置として耐圧性抽出装置を用いた場合には抽出カラムの出口温度を測定した値を示し、加熱装置としてオートクレーブを用いた場合には、圧力容器内の中心温度の温度を測定した値を示す。
高温高圧条件下での圧力については、大気圧を越える圧力である限りその数値は特に限定されないが、好ましくは0.101MPa以上、0.15MPa以上、0.2MPa以上、0.25MPa以上、又は0.3MPa以上である。また、当該圧力は、好ましくは0.79MPa以下、0.75MPa以下、0.7MPa以下、0.65MPa以下、0.6MPa以下、0.55MPa以下、0.5MPa以下、又は0.48MPa以下である。
植物由来ペプチド熱処理物を得るための処理時間は、本発明の効果を奏する処理物が得られる限り特に限定されない。その処理時間は、例えば、15分〜600分程度であり、好ましくは30分〜500分程度であり、より好ましくは60分〜300分程度である。なお、本発明において植物由来ペプチド熱処理物を得るためのより適した加熱処理条件は、例えば、横軸を時間(min.)、縦軸を温度(℃)とした座標系において、次の座標系(i)〜(vi)によって囲まれる時間及び温度の範囲内で保持される加熱処理である。(i)(170℃, 30 min.)、(ii)(150℃, 30 min.)、(iii)(115℃, 180 min.)、(iv)(105℃, 480 min.)、(v)(135℃, 480 min.)、(vi)(150℃, 180 min.)
植物由来ペプチド熱処理物を得るための植物由来ペプチドの温度、圧力及び時間に関する処理条件は、特に限定されないが、例えば以下の通り設定することができる:
(温度、圧力、時間)=
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(105℃〜170℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(105℃〜170℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(110℃〜150℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(110℃〜150℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、15分〜600分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、30分〜500分)、
(120℃〜140℃、0.101MPa〜0.79MPa、60分〜300分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、15分〜600分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、30分〜500分)、
(120℃〜140℃、0.15MPa〜0.48MPa、60分〜300分)等。
本発明において植物由来ペプチド熱処理物は、上述した処理条件を提供できる装置を用いて調製することができる。そのような装置としては、例えば、当業者に周知の耐圧性抽出装置、圧力鍋、及びオートクレーブ等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。また、植物由来ペプチド熱処理物は、加熱処理の前及び/又は後において固液分離を行ったものであってもよい。固液分離の処理を行うことにより液部を回収することができ、固体のみで取り扱うことが可能となる。固液分離には、ろ過及び/又は遠心分離等の手段が用いられる。また、植物由来ペプチド熱処理物は、加熱処理後に精製処理をさらに施したものであってもよい。精製処理を行うことにより、植物由来ペプチド熱処理物に含まれる特定の成分を濃縮することができる。植物由来ペプチド熱処理物の精製処理は、自体公知の方法及び装置を用いて行うことができる。また、植物由来ペプチド熱処理物は、加熱処理の前及び/又は後において清澄化処理をさらに行ったものであってもよい。清澄化処理は、自体公知の方法及び装置を用いて行うことができ、当該処理により植物由来ペプチド熱処理物を添加する飲食物の設計の自由度を増すことができる。また、植物由来ペプチド熱処理物は、自体公知の方法及び装置を用いて凍結乾燥又は粉末化したものであってもよい。その他、本発明における植物由来ペプチド熱処理物の製造方法は、国際公開第2014/200000号に記載の方法を参考にすることができる。
3.環状ジペプチド又はその塩
植物由来ペプチド熱処理物は植物由来ペプチドを加熱処理することにより得られるが、このとき、当該加熱処理によって多量の環状ジペプチド又はその塩が植物由来ペプチド熱処理物の中に含まれるようになる。即ち、本発明において植物由来ペプチド熱処理物は、その特徴の一つとして環状ジペプチド又はその塩を含有する。特定の理論に拘束されることを望むものではないが、植物由来ペプチド熱処理物には多量の環状ジペプチド又はその塩が含まれることから、当該環状ジペプチド又はその塩がアルコール吸収抑制用組成物の有効成分となり得る。なお、本明細書では、環状ジペプチド又はその塩をまとめて単に環状ジペプチドと称する場合がある。
本明細書でいう環状ジペプチドとは、アミノ酸を構成単位とすることを特徴とし、アミノ酸のアミノ基とカルボキシル基とが脱水縮合することにより生成したジケトピペラジン構造を有するジペプチドのことをいう。そのため、環状ジペプチドは、鎖状のジペプチドとは区別される。
環状ジペプチドにはあらゆるアミノ酸の組み合わせが含まれ、2種類のアミノ酸は同一であってもよいし、異なっていてもよい。環状ジペプチドの種類としては、特に限定されないが、例えば、シクロアラニルグルタミン(CAS Registry Number:268221-76-7;Cyclo(Ala-Gln))、シクロヒスチジルプロリン(CAS Registry Number:53109-32-3;Cyclo(His-Pro))、シクロアラニルアラニン(CAS Registry Number: 5845-61-4;Cyclo(Ala-Ala))、シクログリシルプロリン(CAS Registry Number:3705-27-9;Cyclo(Gly-Pro))、シクロセリルチロシン(CAS Registry Number:21754-31-4;Cyclo(Ser-Tyr))、シクロプロリルスレオニン(CAS Registry Number:227777-31-3;Cyclo(Pro-Thr))、シクロヒスチジルフェニルアラニン(CAS Registry Number:56586-95-9;Cyclo(His-Phe))、シクロアラニルプロリン(CAS Registry Number:65556-33-4;Cyclo(Ala-Pro))、シクロフェニルアラニルセリン(CAS Registry Number:35591-00-5;Cyclo(Phe-Ser))、シクログリシルロイシン(CAS Registry Number:5845-67-0;Cyclo(Gly-Leu))、シクログリシルフェニルアラニン(CAS Registry Number:10125-07-2;Cyclo(Gly-Phe))、シクロプロリルプロリン(Cyclo(Pro-Pro))、シクログリシルトリプトファン(Cyclo(Gly-Trp))、シクロアスパルチルフェニルアラニン(CAS Registry Number:5262-10-2;Cyclo(Asp-Phe))、シクロバリルプロリン(Cyclo(Val-Pro))、シクロプロリルチロシン(Cyclo(Pro-Tyr))、シクロメチオニルプロリン(Cyclo(Met-Pro))、シクロメチオニルメチオニン(Cyclo(Met-Met))、シクロバリルバリン(Cyclo(Val-Val))、シクロロイシルプロリン(CAS Registry Number:2873-36-1;Cyclo(Leu-Pro))、シクロトリプトファニルチロシン(Cyclo(Trp-Tyr))、シクロフェニルアラニルプロリン(CAS Registry Number:3705-26-8;Cyclo(Phe-Pro))、シクロロイシルトリプトファン(CAS Registry Number:15136-34-2;Cyclo(Leu-Trp))、シクロフェニルアラニルトリプトファン(CAS Registry Number:82597-82-8;Cyclo(Phe-Trp))、シクロロイシルフェニルアラニン(CAS Registry Number:7280-77-5;Cyclo(Leu-Phe))、シクロロイシルロイシン(CAS Registry Number:952-45-4;Cyclo(Leu-Leu))、シクロフェニルアラニルフェニルアラニン(CAS Registry Number:2862-51-3;Cyclo(Phe-Phe))等が挙げられる。環状ジペプチドは1種類のみであってもよいし、2種類以上の組み合わせであってもよい。なお、環状ジペプチドについては、2種類のアミノ酸の構成が同じであればそれらの記載順序はいずれが先でも構わず、例えば、〔Cyclo(Pro-Hyp)〕と〔Cyclo(Hyp-Pro)〕は同じ環状ジペプチドを表すものである。
環状ジペプチドの塩には、薬理学的に許容される任意の塩(無機塩及び有機塩を含む)が含まれる。そのような塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩、アンモニウム塩、塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、燐酸塩、有機酸塩(酢酸塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、シュウ酸塩、乳酸塩、コハク酸塩、フマル酸塩、プロピオン酸塩、蟻酸塩、安息香酸塩、ピクリン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等)等が挙げられるが、これらに限定されない。
植物由来ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の量は、植物由来ペプチド熱処理物の種類等に応じて異なり、特に限定されない。例えば、その含有量は、Cyclo(Ala-Gln)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Leu-Trp)及びCyclo(Phe-Phe)のいずれか一つ以上が、ブリックス(Bx)あたりの含有量として10μg/100g/Bx以上である。別の例としては、植物由来ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx以上、25000μg/100g/Bx以上、30000μg/100g/Bx以上、より好ましくは35000μg/100g/Bx以上である。また、当該総量は、好ましくは10000mg/100g/Bx以下、5000mg/100g/Bx以下、2000mg/100g/Bx以下、より好ましくは1000mg/100g/Bx以下である。典型的には、本発明における植物由来ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx〜10000mg/100g/Bx、より好ましくは30000μg/100g/Bx〜5000mg/100g/Bx、さらにより好ましくは35000μg/100g/Bx〜1000mg/100g/Bxである。環状ジペプチドが塩の形態である場合は、遊離体(フリー体)に換算した上で上記含有量を算出するものとする。なお、本明細書では、特に断りがない限り、環状ジペプチド又はその塩の総量は、Cyclo(X-Y)で表記される任意の環状ジペプチドの合計値を表すものとする。但し、X、Yはグリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アスパラギン、グルタミン、アルギニン、リジン、システイン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシン、トリプトファン、ヒスチジン、プロリン、ヒドロキシプロリン等からなる群から選ばれる任意のアミノ酸であり、XとYは同じであっても異なっていてもよい。本明細書において「ブリックス(Bx)あたりの含有量」は、20℃のショ糖溶液(ショ糖のみを溶質として含む水溶液)の質量百分率に相当する値で定められる量を意味する。なお、特に断りがない限り、本明細書において用いる「ppm」は、重量/容量(w/v)のppmを意味し、1.0ppm/Brixは溶媒の比重が1の場合、0.1mg/mLと換算され、0.01重量%と換算されるものである。Bxあたりの環状ジペプチド又はその塩の含有量は、市販のBx測定計測器にて計測することができる。
本発明における植物由来ペプチド熱処理物の好適な態様として、茶ペプチド熱処理物、大豆ペプチド熱処理物及び麦芽ペプチド熱処理物が例示できる。以下、これらの熱処理物における環状ジペプチドについて詳述する。
(茶ペプチド熱処理物)
抽出原料となる茶としては、茶樹(学名:Camellia sinensis)を用いて製造された茶の葉、茎など、抽出して飲用可能な部位を使用することができる。また、その形態も大葉、粉状など制限されない。茶の収穫期についても、所望する香味に合わせて適宜選択できる。
本発明における茶ペプチド熱処理物は、発酵過程を経ずに製造することで副生成物の生成を抑え、香味のよいものが得られることを特徴とする。この香味の観点から、茶は、煎茶、番茶、ほうじ茶、玉露、かぶせ茶、甜茶等の蒸し製の不発酵茶(緑茶)や、嬉野茶、青柳茶、各種中国茶等の釜炒茶等の不発酵茶を用いることが好ましい。
本発明者らは、市販の茶から得られた抽出物中の環状ジペプチドの濃度を測定している。その結果、発酵茶に極微量(0〜200μg/100g/Bx程度)含まれること、また緑茶には殆ど含まれないことを確認している。
一方、本発明における茶ペプチド熱処理物は、従来の茶類には含まれていなかった環状ジペプチドであるCyclo(Ala-Gln)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Leu-Trp)及びCyclo(Phe-Phe)のいずれか一以上を、10μg/100g/Bx以上の濃度で含有する。
また、本発明における茶ペプチド熱処理物は、Cyclo(Ala-Gln)、Cyclo(His-Pro)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Gly-Pro)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Pro-Thr)、Cyclo(His-Phe)、Cyclo(Ala-Pro)、Cyclo(Phe-Ser)、Cyclo(Gly-Leu)、Cyclo(Gly-Phe)、Cyclo(Pro-Pro)、Cyclo(Asp-Phe)、Cyclo(Val-Pro)、Cyclo(Pro-Tyr)、Cyclo(Met-Pro)、Cyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)、Cyclo(Leu-Phe)、及びCyclo(Leu-Leu)をそれぞれ0.1ppm/Bx(10μg/100g/Bx)以上の濃度で含有する。好ましくは上記の環状ジペプチドそれぞれを0.2ppm/Bx以上、より好ましくは0.3ppm/Bx以上、さらに好ましくは0.4ppm/Bx以上、特に好ましくは0.5ppm/Bx以上の濃度で含有する茶ペプチド熱処理物である。さらに、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Leu-Trp)、Cyclo(Phe-Trp)及びCyclo(Phe-Phe)を、それぞれ0.1ppm/Bx(10μg/100g/Bx)以上、好ましくは0.2ppm/Bx以上、より好ましくは0.3ppm/Bx以上の濃度で含有させることができる。
苦味が強い環状ジペプチドとして、コーヒー飲料中の環状ジペプチドであるCyclo(Leu-Pro)やCyclo(Phe-Pro)(特開2010-166911号公報参照)、カゼインの分解処理物であるCyclo(Leu-Trp)(蛋白質研究奨励会ペプチド研究所報,No.2,1974)が知られている。本発明における茶ペプチド熱処理物は、これら強い苦味を有する環状ジペプチドを含有するにも関わらず、当該熱処理物自体は苦味をほとんど有さない。茶ペプチド熱処理物と同じ濃度のCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)を含有する水溶液を調製した場合には、強い苦味が感じられたことから、共存する他の環状ジペプチドや茶由来の成分が相加的又は相乗的にCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)の苦味を低減していると考えられる。特に、Cyclo(Leu-Leu)とCyclo(Leu-Phe)の総量(A)に対する苦味を有する環状ジペプチドCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)の総量(B)の割合[(B)/(A)]が、1.0以下(好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.4以下)となる茶ペプチド熱処理物は、苦味を始めとする味を伴わない環状ジペプチド含有熱処理物であり、経口適用することが可能である。
本発明における茶ペプチド熱処理物中の環状ジペプチドの総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx以上、25000μg/100g/Bx以上、30000μg/100g/Bx以上、より好ましくは35000μg/100g/Bx以上である。また、当該総量は、好ましくは10000mg/100g/Bx以下、5000mg/100g/Bx以下、2000mg/100g/Bx以下、より好ましくは1000mg/100g/Bx以下である。典型的には、本発明における茶ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx〜10000mg/100g/Bx、より好ましくは30000μg/100g/Bx〜5000mg/100g/Bx、さらにより好ましくは35000μg/100g/Bx〜1000mg/100g/Bxである。
本発明における茶ペプチド熱処理物は、好適にはCyclo(Leu-Leu)、Cyclo(Leu-Phe)、及びCyclo(Ala-Ala)を高濃度に含有する。具体的には、茶ペプチド熱処理物中の環状ジペプチド全量に対して、Cyclo(Leu-Leu)が10%以上(重量基準)、Cyclo(Leu-Phe)が10%以上、Cyclo(Ala-Ala)が7%以上となる熱処理物である。これらを濃度で表わすと、それぞれ5.0ppm/Bx(500μg/100g/Bx)以上、好ましくは8.0ppm/Bx以上、より好ましくは10.0ppm/Bx以上の濃度となる茶ペプチド熱処理物となる。これらの上限は、50.0ppm/Bx以下、好ましくは40.0ppm/Bx以下、より好ましくは35.0ppm/Bx以下、さらに好ましくは30.0ppm/Bx以下程度である。
また、別の好適な態様では、本発明における茶ペプチド熱処理物は、Cyclo(Leu-Leu)、Cyclo(Leu-Phe)、及びCyclo(Phe-Phe)を高濃度に含有する。
ところで、疎水性の官能基を有する環状ジペプチドは、環状化することにより、直鎖ペプチドより、その疎水性が高まることが知られている。Cyclo(Phe-Phe)は、最も疎水性が高い成分であるが、上記の茶ペプチド熱処理物を加速保存試験(55℃、2週間)した結果、Cyclo(Phe-Phe)が安定に維持されることを確認している。したがって、本発明における茶ペプチド熱処理物は、Cyclo(Phe-Phe)含有熱処理物としても有用なものである。茶ペプチド熱処理物中のCyclo(Phe-Phe)含量は、10μg/100g/Bx以上、20μg/100g/Bx以上、30μg/100g/Bx以上とすることが好ましい。
(大豆ペプチド熱処理物)
原料となる大豆(学名:Glycine max)は品種や産地などの制限なく用いることができ、粉砕品などの加工品段階のものを用いることもできる。大豆中のタンパク質は、約3割を占めると言われている。大豆タンパク質は、茶タンパク質のように水不溶性タンパク質が多くはないため、水溶性タンパク質を除去する前処理は必須ではなく、必要に応じて行えばよい。水溶性タンパク質を除去する前処理がない場合、ワンポット(One-Pot)反応で、より簡便に環状ジペプチドを高濃度に含有する大豆ペプチド熱処理物を製造することができる。
本発明における大豆ペプチド熱処理物は、従来の大豆タンパク分解物(大豆ペプチド)には含まれていなかった環状ジペプチドであるCyclo(Ala-Gln)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Leu-Trp)及びCyclo(Phe-Phe)のいずれか一以上を10μg/100g/Bx以上の含有量で含有する。
また、本発明における大豆ペプチド熱処理物は、Cyclo(Ala-Gln)、Cyclo(His-Pro)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Gly-Pro)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Pro-Thr)、Cyclo(His-Phe)、Cyclo(Ala-Pro)、Cyclo(Phe-Ser)、Cyclo(Gly-Leu)、Cyclo(Gly-Phe)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Asp-Phe)、Cyclo(Val-Pro)、Cyclo(Pro-Tyr)、Cyclo(Met-Pro)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Phe-Pro)、Cyclo(Leu-Trp)、Cyclo(Leu-Phe)、Cyclo(Leu-Leu)及びCyclo(Phe-Phe)をそれぞれ0.1ppm/Bx(10μg/100g/Bx)の濃度で含有する。好ましくは上記の環状ジペプチドそれぞれを0.5ppm/Bx以上、より好ましくは0.7ppm/Bx以上、さらに好ましくは0.9ppm/Bx以上、特に好ましくは1.0ppm/Bx以上、特に好ましくは1.2ppm/Bx以上の濃度で含有する大豆ペプチド熱処理物である。さらに、Cyclo(Pro-Pro)及びCyclo(Phe-Trp)を、それぞれ0.1ppm/Bx(10μg/100g/Bx)以上、好ましくは0.2ppm/Bx以上、より好ましくは0.3ppm/Bx以上の濃度で含有させることができる。
この大豆ペプチド熱処理物(特に、大豆又はその粉砕物を原料として得られる熱処理物)は、苦味が強い環状ジペプチドとして知られているCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)を含有するにも関わらず、その苦味が低減されている。同じ濃度のCyclo(Leu-Pro)及びCyclo(Phe-Pro)を含有する水溶液を調製した場合には、強い苦味が感じられたことから、共存する他の環状ジペプチドや大豆由来の成分が相加的又は相乗的にCyclo(Leu-Pro)、及びCyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)の苦味を緩和していると考えられる。特に、Cyclo(Leu-Leu)とCyclo(Leu-Phe)の総量(A)に対する苦味を有する環状ジペプチドCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)の総量(B)の割合[(B)/(A)]が、1.0以下(好ましくは0.8以下、より好ましくは0.6以下、特に好ましくは0.5以下)となる大豆ペプチド熱処理物は、苦味が顕著に低減された環状ジペプチド含有熱処理物であり、経口適用が可能である。
本発明における大豆ペプチド熱処理物中の環状ジペプチドの総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx以上、25000μg/100g/Bx以上、30000μg/100g/Bx以上、より好ましくは35000μg/100g/Bx以上である。また、当該総量は、好ましくは10000mg/100g/Bx以下、5000mg/100g/Bx以下、2000mg/100g/Bx以下、より好ましくは1000mg/100g/Bx以下である。典型的には、本発明における大豆ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx〜10000mg/100g/Bx、より好ましくは30000μg/100g/Bx〜5000mg/100g/Bx、さらにより好ましくは35000μg/100g/Bx〜1000mg/100g/Bxである。
本発明における大豆ペプチド熱処理物は、好適にはCyclo(Leu-Leu)、Cyclo(Leu-Phe)、Cyclo(Ser-Tyr)及びCyclo(Pro-Thr)を高濃度に含有する。具体的には、大豆ペプチド熱処理物中の環状ジペプチド全量に対して、Cyclo(Leu-Leu)が8%以上(重量基準)、Cyclo(Leu-Phe)が8%以上、Cyclo(Ser-Tyr)が6%以上となる熱処理物である。大豆ペプチド熱処理物において、これらの濃度はそれぞれ5.0ppm/Bx(500μg/100g/Bx)以上、好ましくは6.0ppm/Bx以上、より好ましくは7.0ppm/Bx以上である。特に、Cyclo(Leu-Leu)及びCyclo(Leu-Phe)の含有量は、10.0ppm/Bx以上、好ましくは12.0ppm/Bx以上であることが好ましい。これらの上限は、50.0ppm/Bx以下、好ましくは40.0ppm/Bx以下、より好ましくは35.0ppm/Bx以下、さらに好ましくは30.0ppm/Bx以下程度である。
(麦芽ペプチド熱処理物)
原料となる麦芽(malt)は、品種や産地などの制限なく用いることができるが、特に大麦の種子を発芽させた大麦麦芽が好適に用いられる。大麦麦芽は、皮部を除去してタンパク質含量の高い画分を分離して用いるのが実用的であり効率的である。タンパク質含量の高い画分は、麦芽を表面から徐々に削り、穀皮を除去し、その後、アリューロン層および胚乳といったタンパク質が多く含まれる画分を削りとるという方法が挙げられる。或いは、抽出残渣を利用することもでき、抽出残渣としては、ビール製造時に発生する麦芽の絞り粕を例示できる。なお本明細書においては、大麦麦芽のことを単に麦芽と表記することもある。
タンパク質含量の高い画分を原料とすれば、ワンポット(One-Pot)反応で、より簡便に環状ジペプチドを高濃度に含有する麦芽ペプチド熱処理物を製造することができる。
本発明における麦芽ペプチド熱処理物は、従来、抽出されにくかった環状ジペプチドであるCyclo(Ala-Gln)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Trp-Tyr)、Cyclo(Leu-Trp)及びCyclo(Phe-Phe)のいずれか一以上を、10μg/100g/Bx以上の濃度で含有する。
また、本発明における麦芽ペプチド熱処理物は、Cyclo(Ala-Gln)、Cyclo(His-Pro)、Cyclo(Ala-Ala)、Cyclo (Gly-Pro)、Cyclo(Ser-Tyr)、Cyclo(Pro-Thr)、Cyclo(His-Phe)、Cyclo(Ala-Pro)、Cyclo (Phe-Ser)、Cyclo(Gly-Leu)、Cyclo(Gly-Phe)、Cyclo(Gly-Trp)、Cyclo(Asp-Phe)、Cyclo (Val-Pro)、Cyclo(Pro-Tyr)、Cyclo(Met-Pro)、Cyclo(Val-Val)、Cyclo(Leu-Pro)、Cyclo (Trp-Tyr)、Cyclo(Phe-Pro)、Cyclo(Leu-Trp)、Cyclo(Leu-Phe)、Cyclo(Leu-Leu) 及びCyclo(Phe-Phe)をそれぞれ0.1ppm/Bx(50μg/100g/Bx)以上の濃度で含有する。麦芽ペプチド熱処理物は、好ましくは上記の環状ジペプチドそれぞれを0.3ppm/Bx以上、より好ましくは0.4ppm/Bx以上、さらに好ましくは0.5ppm/Bx以上、特に好ましくは0.6ppm/Bx以上の濃度で含有する。
本発明における麦芽ペプチド熱処理物は、苦味が強い環状ジペプチドとして知られているCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)を含有するにも関わらず、その苦味が低減されている。特に、Cyclo(Leu-Leu)とCyclo(Leu-Phe)の総量(A)に対する苦味を有する環状ジペプチドCyclo(Leu-Pro)、Cyclo(Phe-Pro)及びCyclo(Leu-Trp)の総量(B)の割合[(B)/(A)]が、1.0以下(好ましくは0.8以下)となる麦芽ペプチド熱処理物は、苦味が顕著に低減された環状ジペプチド含有熱処理物であり、経口適用が可能である。
本発明における麦芽ペプチド熱処理物中の環状ジペプチドの総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx以上、25000μg/100g/Bx以上、30000μg/100g/Bx以上、より好ましくは35000μg/100g/Bx以上である。また、当該総量は、好ましくは10000mg/100g/Bx以下、5000mg/100g/Bx以下、2000mg/100g/Bx以下、より好ましくは1000mg/100g/Bx以下である。典型的には、本発明における麦芽ペプチド熱処理物に含まれる環状ジペプチド又はその塩の総量は、好ましくは20000μg/100g/Bx〜10000mg/100g/Bx、より好ましくは30000μg/100g/Bx〜5000mg/100g/Bx、さらにより好ましくは35000μg/100g/Bx〜1000mg/100g/Bxである。
本発明における麦芽ペプチド熱処理物は、好適にはCyclo(Leu-Leu)、Cyclo(Leu-Phe)及びCyclo(Ala-Ala)を高濃度に含有する。具体的には、これらの濃度は麦芽ペプチド熱処理物においてそれぞれ5.0ppm/Bx(500μg/100g/Bx)以上、好ましくは6.0ppm/Bx以上、より好ましくは7.0ppm/Bx以上である。これらの上限は、50.0ppm/Bx以下、好ましくは40.0ppm/Bx以下、より好ましくは30.0ppm/Bx以下、さらに好ましくは20.0ppm/Bx以下程度である。
4.アルコール吸収抑制用組成物
本発明において「アルコール吸収抑制用組成物」とは、体外より摂取したアルコールの体内への吸収を抑制するための組成物を意味する。本発明の組成物は、結果的に体内へのアルコールの吸収が抑えられればよいため、その用語として「アルコール吸収阻害用組成物」と称することもできる。なお、アルコールの吸収抑制とアルコールの代謝促進とは相互に異なる技術的思想であり、前者はアルコール摂取後の比較的初期の段階での作用であり、一方、後者はアルコール摂取後に一旦吸収されたアルコールをその後に分解(消失)させる作用である。本発明は、これらのうちアルコールの吸収抑制作用に特化した組成物である。
本発明の組成物における植物由来ペプチド熱処理物の含有量は、その投与形態、投与方法などを考慮し、本発明の所望の効果の発現が得られるような量であればよく、特に限定されるものではない。例えば、植物由来ペプチド熱処理物の含有量は、本発明の組成物の全重量に対して0.02重量%以上、好ましくは0.2重量%以上、より好ましくは2重量%以上である。また、植物由来ペプチド熱処理物の含有量は、本発明の組成物の全重量に対して99重量%以下、好ましくは50重量%以下、より好ましくは10重量%以下である。本明細書において用いる「重量%」は、特に断りがない限り、重量/重量(w/w)を意味する。また、植物由来ペプチド熱処理物の重量は、粉末化した植物由来ペプチド熱処理物の重量で規定することができる。環状ジペプチド又はその塩を有効成分とする場合は、植物由来ペプチド熱処理物中に含まれるその量を上記含有量に対応させることができる。
本発明のアルコール吸収抑制用組成物は、一例として、剤の形態で提供することができるが、本形態に限定されるものではない。当該剤をそのまま組成物として、或いは当該剤を含む組成物として提供することもできる。本発明の組成物としては、医薬組成物、飲食品組成物、食品組成物、飲料組成物、化粧用組成物等が挙げられるが、これらに限定されない。食品組成物の限定的でない例として、機能性食品、健康補助食品、栄養機能食品、特別用途食品、特定保健用食品、栄養補助食品、食事療法用食品、健康食品、サプリメント、食品添加剤等が挙げられる。
本発明の組成物は、例えば、植物由来ペプチド熱処理物に、所望により溶剤、分散剤、乳化剤、緩衝剤、安定剤、賦形剤、結合剤、崩壊剤、又は滑沢剤等を加えて、公知の方法に従って、錠剤、顆粒剤、散剤、粉末剤、又はカプセル剤等の固形剤や、通常液剤、懸濁剤、又は乳剤等の液剤等に製剤化することができる。これらの組成物はそのまま水等と共に摂取することができる。また、容易に配合することが出来る形態(例えば、粉末形態や顆粒形態)に調製後、例えば、医薬品の原材料として用いることができる。
5.用途
本発明の組成物は、体内へのアルコール吸収を抑制することにより、体内アルコール(特に、血中アルコール)濃度の上昇を効果的に抑えることができる。そのため、本発明の組成物は、体内アルコール(特に、血中アルコール)濃度の上昇抑制用の組成物として有用である。本明細書において「血中アルコール濃度」とは、血液100mLに含まれるアルコールの量を%(w/v)で表した割合を意味し、その測定は市販の装置やキットを用いて行うことができる。
本発明の組成物はまた、体内へのアルコール吸収を抑制することから、血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状の治療又は予防用の組成物としても用いることができる。血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状としては、特に限定されないが、例えば、アルコール中毒(急性、慢性)、アルコール依存症、胎児性アルコール症候群、アルコール性肝疾患(アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変)、アルコール性認知症、アルコール性ミオパチー、アルコール性心筋症、アルコール性ケトアシドーシス、アルコール性神経障害、アルコール性脳症、アルコール性低血糖、アルコール性てんかん、アルコール性脳萎縮、アルコール性うつ病等が挙げられる。なお、本明細書において「治療又は予防」には、現在の状態をより良い状態にすることと現在の状態よりも悪い状態になることを防ぐこととの両方の概念が包含されることから、改善、回復、軽減、緩和等の用語もこれに含まれ得る。
本発明の組成物は、治療的用途(医療用途)又は非治療用途(非医療用途)のいずれにも適用することができる。具体的には、医薬品、医薬部外品及び化粧料等としての使用が挙げられ、また、薬事法上はこれらに属さないが、アルコール吸収抑制効果を明示的又は暗示的に訴求する組成物としての使用が挙げられる。
本発明は、別の側面では、アルコールの吸収を抑制することにより発揮される機能の表示を付した、前記アルコール吸収抑制用組成物に関する。このような表示又は機能性表示は特に限定されないが、例えば、「アルコールの吸収を抑える」、「アルコールの吸収を穏やかにする」、「二日酔を防止する」、「肝臓にやさしい」、「肝臓を保護する」、「肝機能を維持する」等、或いは、これらと同視できる表示又は機能性表示が挙げられる。本明細書において、当該表示及び機能性表示のような表示は、組成物自体に付されてもよいし、組成物の容器又は包装に付されていてもよい。
本発明の組成物は、その形態に応じた適当な方法で摂取することができる。摂取方法としては、例えば、内用(経口用)、外用、注射等による方法が挙げられるが、本発明の所望の効果の発現が得られる限りその方法は特に限定されない。なお、本明細書において、摂取とは、摂取、服用、又は飲用の全態様を含むものとして用いられる。
本発明の組成物の適用量は、その形態、適用方法、使用目的及び適用対象である患者又は患獣の年齢、体重、症状等によって適時設定され、一定ではない。本発明における植物由来ペプチド熱処理物の有効ヒト摂取量としては、一定ではないが、例えば、体重50kgのヒトで一日当たり200mg以上、好ましくは500mg以上である。また、対象への適用は所望の適用量範囲内において、一日内において単回又は数回に分けて行ってもよい。適用期間も任意である。なお、植物由来ペプチド熱処理物の有効ヒト摂取量とは、ヒトにおいて有効な効果を示す植物由来ペプチド熱処理物の摂取量のことを意味する。また、上記摂取量は、粉末化した植物由来ペプチド熱処理物の重量で規定することができる。
本発明の組成物の適用対象とは、好ましくはヒトであるが、ウシ、ウマ、ヤギ等の家畜動物、イヌ、ネコ、ウサギ等のペット動物、又は、マウス、ラット、モルモット、サル等の実験動物であってもよい。ヒト以外の動物を対象に適用する場合、マウス1個体当たり約20gに対して一日当たりの使用量は、組成物中の有効成分の含有量、適用対象の状態、体重、性別及び年齢等の条件により異なるが、通常、植物由来ペプチド熱処理物の配合量として200mg/kg以上、好ましくは500mg/kgを摂取できる量にするとよい。当該摂取量は、粉末化した植物由来ペプチド熱処理物の重量で規定することができる。その他の動物に適用する場合は、本発明の組成物の適用量は、動物の体重又は大きさ等に応じて適宜加減すればよい。
6.アルコール吸収を抑制するための植物由来ペプチド熱処理物の使用
本発明の一態様は、植物由来ペプチド熱処理物のアルコール吸収を抑制するための使用である。
本発明の植物由来ペプチド熱処理物の使用には、例えば、体内アルコール(特に、血中アルコール)濃度の上昇を抑制するための使用、及び血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状を治療又は予防するための使用等が含まれる。血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状としては、特に限定されないが、例えば、アルコール中毒(急性、慢性)、アルコール依存症、胎児性アルコール症候群、アルコール性肝疾患(アルコール性脂肪肝、アルコール性肝炎、アルコール性肝硬変)、アルコール性認知症、アルコール性ミオパチー、アルコール性心筋症、アルコール性ケトアシドーシス、アルコール性神経障害、アルコール性脳症、アルコール性低血糖、アルコール性てんかん、アルコール性脳萎縮、アルコール性うつ病等が挙げられる。本発明の植物由来ペプチド熱処理物の使用は、ヒト又は非ヒト動物における使用であり、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。ここで、「非治療的」とは、医療行為、即ち、治療による人体への処理行為を含まない概念である。
7.アルコール吸収を抑制する方法
本発明の一態様は、アルコール吸収の抑制を必要とする対象に、植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として治療有効量を投与することを含む、アルコール吸収を抑制する方法である。
なお、アルコール吸収の抑制を必要とする対象とは、本発明のアルコール吸収抑制の前記適用対象と同様である。
また、本明細書中において治療有効量とは、植物由来ペプチド熱処理物を上記対象に投与した場合に、投与していない対象と比較して、アルコール吸収が抑制される量のことである。具体的な有効量としては、投与形態、投与方法、使用目的及び対象の年齢、体重、症状等によって適時設定され一定ではない。アルコール吸収が抑制される量は、血中アルコール濃度を指標として測定又は評価することができ、血中アルコール濃度は、上述した通り市販の装置やキットを用いて測定することができる。また、アルコール吸収の抑制は、アルコール代謝に関連する酵素の活性を調べた上で評価してもよい。即ち、植物由来ペプチド熱処理物を投与した対象と投与していない対象とを比較して、アルコール代謝に関連する酵素の活性が両対象間で変わらない場合にアルコール吸収抑制が行われていると判定できる。
本発明の方法においては、前記治療有効量となるよう、植物由来ペプチド熱処理物をそのまま投与してもよく、或いは、植物由来ペプチド熱処理物を含有する組成物として投与してもよい。
本発明の方法によれば、副作用を生じることなくアルコール吸収を抑制することが可能になる。
以下、本発明を実施例によりさらに詳しく説明するが、これにより本発明の範囲を限定するものではない。当業者は、本発明の方法を種々変更、修飾して使用することが可能であり、これらも本発明の範囲に含まれる。
植物由来ペプチド熱処理物の調製
(1)麦芽ペプチド熱処理物
植物体として、市販の麦芽(大麦麦芽)を使用した。麦芽約50gに対して、水を45℃に保ちながら30分間撹拌した。その後、1分間に1℃ずつ温度を上昇させ(25分間)、70℃に達したら70℃の水100mLを添加した。70℃で60分間保ったあと、10分〜15分で室温まで温度を下げた。その後水を加えて450gとした。この液をろ紙でろ過し、麦芽の前処理とした。前処理後の麦芽100gに対して、熱湯2000gを加えて適宜攪拌し、5分間抽出を行った。水溶性タンパク低減処理後の麦芽100gに対して、酵素(商品名:プロチンNY100、大和化成社製)0.75gと水900mLを加え、55℃、6時間振とう混和した。その後、この酵素処理液を固液分離せずに加熱処理した。加熱処理はオートクレーブ(トミー精工社製)にて、135℃、3時間高温高圧処理を行った。このようにして得られた麦芽ペプチド熱処理物に含まれる環状ペプチドまたはその塩の総量は42228.68μg/100g/Brixであった。
(2)茶ペプチド熱処理物
植物体として、鹿児島県産の一番茶茶葉(品種:やぶきた、全窒素:6.3%)を用いた。この茶に対して、まず、水溶性タンパク質を低減する前処理(3回の前抽出)を行った。すなわち、茶10gに対して、熱湯200gを加えて適宜攪拌し、5分間抽出を行った。抽出終了後、140メッシュでろ過し、抽出残渣(茶滓)を回収した。この茶滓に対して、200gの熱湯を注ぎ5分間抽出を行って茶滓を回収した。再度、この茶滓に対して同様に抽出処理を行い茶滓を回収した。
次に、この前抽出を行った茶(茶滓)に対して、酵素による分解処理を行った。茶滓(全量)に対して50℃の湯を200g注ぎ、プロテアーゼ(商品名:プロチンNY100、大和化成社製)を1g添加し、攪拌子で攪拌(300rpm)しながら、55℃のウォーターバス内にて3時間反応させた。その後、95℃、30分間保持して酵素を失活させた。
この酵素処理液を固液分離せずに茶液体混合物の形態で、加熱処理を施した。加熱処理は、オートクレーブ(トミー精工社製)に入れて、135℃、3時間の高温高圧流体による加熱処理とした。処理後の液体を140メッシュでろ過し、茶ペプチド熱処理物(茶エキス)を得た。このようにして得られた茶ペプチド熱処理物に含まれる環状ペプチドまたはその塩の総量は78890.53μg/100g/Brixであった。
(3)大豆ペプチド熱処理物
植物由来ペプチドとして大豆ペプチドを用い、液体中にて高温高圧処理して大豆ペプチド熱処理物を製造した。具体的には、大豆ペプチド(ハイニュートAM、不二製油社製)3gに、それぞれ15mlの蒸留水を加え、オートクレーブ(トミー精工社製)に入れて、135℃、0.31MPa、3時間高温高圧処理を加えた。このようにして得られた大豆ペプチド熱処理物に含まれる環状ペプチドまたはその塩の総量は91386.43μg/100g/Brixであった。
実施例1
雄性SD系ラット(7週令)に対し、蒸留水、麦芽ペプチド(上記(1)における麦芽の酵素処理物)、麦芽ペプチド熱処理物または茶ペプチド熱処理物を、体重100gあたり1mLの投与量で強制胃内投与した。その直後にエタノール(40%w/v)を同ラットに対して体重100gあたり0.2gの投与量で強制胃内投与した。エタノール投与後0、30、60、90、120、180分時に尾静脈よりヘパリン加採血を行った。得られた血液は、F−キットエタノール(J.K.インターナショナル)を用いて、エタノール測定に供した。また、測定結果から120分間のアルコール面積値を算出した。
その結果を図1および図2に示す。また、血中エタノール濃度の測定値および120分間のアルコール面積値を、それぞれ下記の表1及び表2に示す。麦芽ペプチドの投与により、エタノールの血中濃度Cmaxは0.547mg/mlとなり、蒸留水投与(Cmax=0.828mg/ml)に比して減少した。それに対して、麦芽ペプチド熱処理物の投与により、血中エタノールのCmaxは0.39mg/mlとなり、麦芽ペプチド投与に比べて更に血中エタノール濃度を低下させた。また、茶ペプチド熱処理物投与(Cmax=0.324mg/ml)も麦芽ペプチド熱処理物と同様に血中エタノール濃度を低下させた。120分間のアルコール面積値は、麦芽ペプチド熱処理物の投与により低下し(30.5:0-120min*mg/ml)、その面積値は、蒸留水投与(78.4:0-120min*mg/ml)および麦芽ペプチド投与(44.2:0-120min*mg/ml)に比べて大きく低下した。また、茶ペプチド熱処理物も麦芽ペプチド熱処理物(26.1:0-120min*mg/ml)とほぼ同様の効果を示した。
実施例2
雄性SD系ラット(8週令)に対し、蒸留水、大豆ペプチド(ハイニュートAM、不二製油社製)、又は大豆ペプチド熱処理物を、体重100gあたり1mLの投与量で強制胃内投与した。その直後にエタノール(40%w/v)を同ラットに対して体重100gあたり0.2gの投与量で強制胃内投与した。エタノール投与後0、30、60、90、120、180分時に尾静脈よりヘパリン加採血を行った。得られた血液は、F−キットエタノール(J.K.インターナショナル)を用いて、エタノール測定に供した。また、測定結果から240分間のアルコール面積値を算出した。
その結果を図3および図4に示す。大豆ペプチドの投与により、エタノールの血中濃度Cmaxは0.48mg/mlとなり、蒸留水投与(Cmax=0.86mg/ml)に比して減少した。それに対して、大豆ペプチド熱処理物の投与により、血中エタノールのCmaxは0.31mg/mlとなり、大豆ペプチド投与に比べて更に血中エタノール濃度を低下させた。240分間のアルコール面積値は、大豆ペプチド熱処理物の投与により最も低くなり(48.15:0-240min*mg/ml)、その面積値は、蒸留水投与(130.26:0-240min*mg/ml)および大豆ペプチド投与(66.7:0-240min*mg/ml)に比べて大きく低下した。
実施例3
雄性SD系ラット(8週令)に対し、蒸留水、茶ペプチド熱処理物を体重100gあたり1mLの投与量で1回強制胃内投与した。また、茶ペプチド熱処理物を同量、7日間連続投与する群を設けた。茶ペプチド熱処理物を投与した直後(7日間連続投与の場合は最後の投与の直後)にエタノール(40%w/v)を同ラットに対して体重100gあたり0.2gの投与量で強制胃内投与した。エタノール投与後0、30、60、90、120分時に尾静脈よりヘパリン加採血を行った。得られた血液は、F−キットエタノール(J.K.インターナショナル)を用いて、エタノール測定に供した。測定結果から120分間のアルコール面積値を算出した。また、エタノール投与後120分時の採血終了後、麻酔、脱血を施して肝臓を摘出した。摘出した肝臓重量測定後、外側左葉を分離して中心部より50mg採取し液体窒素にて凍結処理した。凍結処理した肝臓組織は、アルコール代謝酵素(ADH、ALDH)の活性測定に供した。ADHは、Alcohol Dehydrogenase Activity Colorimetric Assay Kit(BioVision)、ALDHはAldehyde Dehydrogenase Activity Colorimetric Assay Kit(BioVision)を用いて活性を測定した。
その結果を図5に示す。茶ペプチド熱処理物の投与により、120分間の血中アルコール面積値は、蒸留水投与に比べて大きく低下し、茶ペプチド熱処理物の7日間の連続投与はさらに血中アルコール面積値を低下させた。ADHおよびALDHについては、蒸留水投与に比べて有意な上昇は確認されなかった。
実施例4
ヒト被験者12名を2群に分けて、クロスオーバー法を用いて大豆ペプチド熱処理物の摂取試験を行った。具体的には、各群の被験者に対して、I期又はII期のいずれかで、大豆ペプチド熱処理物1000mgを負荷アルコール飲料(アルコール度数40%のウィスキー75mlと水75mlを混合したもの)に溶解したものを摂取させた。大豆ペプチド熱処理物を摂取させない期では、負荷アルコール飲料のみを摂取させた。なお、I期とII期の間には6日間のウォッシュアウト期間を設け、大豆ペプチド熱処理物は、上記(3)に記載の熱処理物をスプレードライ処理して粉末状にしたものを使用した。
被験者は試験前日21時までに夕食を終え、21時以降は水以外の飲食を禁止した。試験当日、アルコール負荷の120分前に食事として弁当及び水330mlを15分以内で飲食させた。アルコール負荷量は、エタノール30g/ヒト(負荷アルコール飲料150ml/ヒト)とした。アルコール負荷はアルコール度数40%のウィスキー75mlと水75mlとを混合したものを用い、10分以内に摂取させた。アルコールの負荷前、並びに負荷後30分、60分、90分、120分、150分、及び180分に採血を実施した。アルコール負荷後120分での採血及び各種検査の終了後に水100mLを飲ませた。得られた被験者の血液サンプルについて、ガスクロマトグラフィーを用いて血中エタノール濃度及び血中アセトアルデヒド濃度を測定した。
血中エタノール濃度の結果を図6および図7に示す。大豆ペプチド熱処理物を摂取させた場合は、摂取させていない場合よりも血中エタノール濃度が低くなることが明らかとなった。この結果は、大豆ペプチド熱処理物がアルコール吸収抑制作用を有することを示唆している。
一方、血中アセトアルデヒド濃度の結果は図8および図9に示される通りであり、大豆ペプチド熱処理物を摂取させた場合は、摂取させていない場合と比べて血中アセトアルデヒド濃度はアルコール負荷後30分及び90分で有意に低下した。この差は、上記の通り大豆ペプチド熱処理物を摂取させた場合ではアルコール吸収が抑制されて血中エタノール濃度が低かったため、その代謝物であるアセトアルデヒド濃度も低くなったと考えられる。
本発明は、植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有するアルコール吸収抑制用組成物を提供するものである。従って、本発明は、血中アルコール濃度の上昇抑制や血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状の予防又は治療に資する、効果的かつ新たな手段を提供することができるため、産業上の利用性が高い。

Claims (12)

  1. 植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として含有する、アルコール吸収抑制用組成物。
  2. 植物由来ペプチド熱処理物の環状ジペプチド又はその塩の含有量が、20000μg/100g/Bx以上である、請求項1に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  3. 植物由来ペプチド熱処理物の環状ジペプチド又はその塩の含有量が、30000μg/100g/Bx以上である、請求項1又は2に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  4. 植物由来ペプチドが、麦芽、茶又は大豆由来のペプチドである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  5. 熱処理物が、100℃以上且つ0.101MPa以上での処理物である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  6. 血中アルコール濃度の上昇抑制用である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  7. 血中アルコール濃度の上昇に関連する疾患又は症状の治療又は予防用である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  8. アルコールの吸収を抑制することにより発揮される機能の表示を付した、請求項1〜7のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  9. 機能の表示が、「アルコールの吸収を抑える」、「アルコールの吸収を穏やかにする」、「二日酔を防止する」、「肝臓にやさしい」、「肝臓を保護する」、及び「肝機能を維持する」からなる群から選択されるものである、請求項8に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  10. 前記組成物が剤である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のアルコール吸収抑制用組成物。
  11. アルコール吸収を抑制するための、植物由来ペプチド熱処理物の使用。
  12. 植物由来ペプチド熱処理物を有効成分として使用する、アルコール吸収を抑制する方法。
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