JPWO2016190108A1 - シアン含有廃水の処理方法 - Google Patents

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Abstract

シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加して、該廃水中のシアンの分解および/またはシアンとの水不溶性の化合物の生成を生じさせて該廃水からシアンを除去することからなるシアン含有廃水の処理方法。

Description

本発明は、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法に関する。
本発明では、各種形態で廃水中に含有するすべてのシアン、すなわち難分解性シアン錯体、易分解性シアン錯体およびシアン化物イオンを簡便な操作で処理することができる。
シアンは生態系に強い悪影響を及ぼすため、シアン含有廃水(「シアン廃水」ともいう)を自然界にそのまま放出することはできない。水質汚濁防止法に基づきシアンの排水基準が定められ、この基準(1mg/L以下)を満たすようにシアン除去処理を行い、無害化した廃水でなければ下水などに排出できない。また、地域によっては、条例により、上記の排水基準値よりもさらに低い上乗せ排水基準が定められている。
シアンは、廃水の由来にも因り、含有量の多少はあるが、難分解性シアン錯体、易分解性シアン錯体およびシアン化物イオンの3種の形態で廃水中に存在している。
従来からシアン含有廃水中のシアンの除去処理として様々な方法が提案され、実用化されているが、いずれも一長一短があり、廃水の状況に応じて使い分けられている。
例えば、(1)シアン含有廃水をアルカリ性に調整した後、塩素を注入してシアンを酸化分解するアルカリ塩素法、(2)強力なオゾンの酸化力でシアンを窒素ガスと炭酸水素塩に酸化分解するオゾン酸化法および(3)非溶解性の電極を用いてシアンを電気分解し、酸化反応を行なう電解酸化法(電解法)などの酸化分解法;(4)シアン含有廃水中に、鉄イオンの供給化合物として、例えば硫酸第一鉄を添加し、難溶性のフェリ/フェロシアン化物を生成させ、これを沈殿除去する紺青法、(5)塩化亜鉛と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する亜鉛白法および(6)2価の銅塩と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する還元銅塩法などの不溶錯体法;(7)シアンに対して馴養させた微生物(シアン分解菌)にシアンを分解させる生物処理法;(8)シアン含有廃水を高温に保持してシアン化合物をアンモニアと蟻酸に加水分解させ、共存する重金属類を単体または酸化物として析出させる熱加水分解法および(9)シアンの分解以外に有機汚濁物をも酸化分解させる湿式酸化法などの熱水反応などがある。
また、本発明の出願人は、次のようなシアン含有廃水の処理方法を提案してきた。
(A)シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および水に可溶であり、水中でマンガンイオンを形成し得るマンガン化合物を添加し、生成した水不溶性のマンガン塩を廃水から除去して、廃水中のシアンを除去するシアン含有廃水の処理方法(特許第4106415号公報:特許文献1参照)
(B)シアン化合物含有廃水に含有シアン化合物量の1.4モル以上に相当する量のホルムアルデヒドを添加して第1段の反応を行った後、次いで実質的に有効反応量の過酸化水素を含有シアン化合物量の3.0モル以上添加し、pH7.0以上で第2段の反応を行うシアン化合物含有廃水の処理方法(特開平02−35991号公報:特許文献2参照)
しかしながら、上記の先行技術では、煩雑な工程や操作が必要であり、それに伴い複数の反応槽が必要となる場合もある。また、チオシアン酸イオンやアンモニウムイオンが存在する廃水など、廃水の種類によってはシアン除去の効果が十分でなく、処理後の廃水のシアン濃度を排水基準(1mg/L以下)にすることができず、処理廃水をそのまま下水などに排出することができない場合もある。
また、水質汚濁防止法に基づき水素イオン濃度(pH)の排水基準は、海域では5.0〜9.0、海域外では5.8〜8.6と定められている。上記の先行技術において、廃水のpHを酸性やアルカリ性に調整した場合には、下水などに排出する前に、廃水のシアン濃度だけではなく、pHも排水基準範囲内に調整する中和処理が必要になる場合もある。
特許第4106415号公報 特開平02−35991号公報
例えば、上記の特許文献1の方法(A)では、シアン含有廃水に対して過剰量の薬剤を添加すれば、シアン濃度を規定値以下にすることができるが、薬剤添加量を極力抑えて、より安全なシアン処理を行うことが求められている。
そこで、本発明は、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、チオシアン酸イオンやアンモニウムイオンが存在するような廃水の種類に関係なく、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、有効量の次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加することにより、意外にも、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得る事実を見出し、本発明を完成するに到った。
かくして、本発明によれば、シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加して、該廃水中のシアンの分解および/またはシアンとの水不溶性の化合物の生成を生じさせて該廃水からシアンを除去することからなるシアン含有廃水の処理方法が提供される。
本発明によれば、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、チオシアン酸イオンやアンモニウムイオンが存在する廃水の種類に関係なく、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、各種形態で廃水中に含有するすべてのシアン、すなわち難分解性シアン錯体、易分解性シアン錯体およびシアン化物イオンを、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、簡便な操作で処理することができる。
よって、本発明の方法で処理した廃水をそのまま自然界に放出しても、環境に対する影響が非常に少なく、また処理後に発生する水不溶性塩(廃棄物)の量も少なくできることから、本発明の方法は産業上極めて有用である。
また、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、次の条件のいずれか1つを満たす場合に、上記の効果をより発揮する。
(1)シアン含有廃水中のシアン含有量を予め測定し、測定した含有量に対して、次亜塩素酸塩を有効塩素濃度として0.1モル当量以上かつ過酸化水素を0.1モル当量以上添加する、
(2)シアン含有廃水がマンガンイオン、鉄イオンおよび銅イオンから選択される1種以上の金属イオンを元々含有する、
(3)マンガン化合物、鉄化合物および銅化合物から選択される1種以上の金属化合物をさらに添加する、および
(4)シアン含有廃水がpH9以下である
本発明のシアン含有廃水の処理方法は、シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加して、該廃水中のシアンの分解および/またはシアンとの水不溶性の化合物の生成を生じさせて該廃水からシアンを除去することを特徴とする。
本発明におけるシアン含有廃水からのシアンの除去は、「廃水中のシアンの分解」および「廃水中のシアンとの水不溶性の化合物の生成」が関与するが、その分解/生成機構は明らかでない。
本発明の発明者らは、「廃水中のシアンの分解」は、添加された次亜塩素酸および過酸化水素によりシアンが酸化され、さらに生成されたシアン酸が加水分解により炭酸水素アンモニウムを生成することによるものと考えている。
また、本発明の発明者らは、「廃水中のシアンとの水不溶性の化合物の生成」は、廃水中に金属イオンが存在する場合、シアン成分と金属イオンとによる水不溶性塩の生成によるものと考えている。
上記のように、また実施例の結果からも明らかなように、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、次亜塩素酸塩と過酸化水素との併用効果により、また元々シアン含有廃水中に存在する金属イオンもしくはさらに添加する金属イオンとの併用効果により、これらの化合物および金属イオンがシアンの分解および/またはシアンとの水不溶性の化合物の生成に効果的に作用することから、従来よりも少ない薬剤添加量でも廃水中のシアンを除去できるものと考えられる。
(次亜塩素酸塩)
本発明において用いられる次亜塩素酸塩は、水中で次亜塩素酸を生成し得る化合物であれば特に限定されず、例えば、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウム、次亜塩素酸カルシウム、次亜塩素酸マグネシウムなどの次亜塩素酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、ヒダントイン誘導体が挙げられる。特に、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カリウムは工業的に入手し易く、本発明において好適に用いられる。また、食塩水や海水を電解槽で電解することによって得られる次亜塩素酸塩であってもよい。
(過酸化水素)
本発明において用いられる過酸化水素としては、主に工業用として市販されている濃度3〜60%の過酸化水素水溶液が挙げられる。
また、過酸化水素供給化合物(「過酸化水素発生剤」ともいう)から発生させた過酸化水素や、用水またはアルカリ溶液の電気分解などで発生させた過酸化水素を用いることもできる。
過酸化水素供給化合物としては、過酸化水素を水中で放出し得る過炭酸、過ホウ酸、ペルオキシ硫酸などの無機過酸、過酢酸のような有機過酸およびこれらの塩類が挙げられる。これら塩類としては、過炭酸ナトリウム、過ホウ酸ナトリウムなどが挙げられる。
上記の過酸化水素および過酸化水素供給化合物は、添加に際して所望の過酸化水素濃度になるように水で希釈または溶解して用いてもよい。
(化合物の添加)
本発明の方法によれば、シアン含有廃水に、該廃水中のシアンの分解および/または該廃水中のシアンと水不溶性の化合物の生成を生じさせて該廃水からシアンを除去するための次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加する。
次亜塩素酸塩および過酸化水素はそれぞれ水溶液の形態で添加するのがよい。各水溶液の濃度は、それらをシアン含有廃水に添加する際の作業性、シアンと添加した化合物との反応性などを考慮して決定すればよく、具体的には、次亜塩素酸塩の濃度は10〜7000mg/L程度、過酸化水素の濃度は10〜3500mg/L程度である。
次亜塩素酸塩および過酸化水素の添加量は、シアン含有廃水に含まれるシアンの種類およびその濃度のほかに、シアン含有廃水に含まれる他の金属イオンの種類およびその濃度などの影響を受けるので、これらの添加量は条件に応じて適宜決定すればよい。具体的には、処理前のシアン含有廃水のシアン濃度などを予め測定しておき、この測定値に基づいて、各添加剤の添加量を決定すればよい。
上記のように化合物の添加量は対象となるシアン含有廃水中に含まれるシアンの含有量により異なるが、廃水中のシアン含有量に対して、次亜塩素酸塩が有効塩素濃度として0.1モル当量以上かつ過酸化水素が0.1モル当量以上であるのが好ましい。より好ましくは、廃水中のシアン含有量に対して、次亜塩素酸塩が有効塩素濃度として0.5モル当量以上かつ過酸化水素が0.5モル当量以上である。
次亜塩素酸塩が有効塩素濃度として0.1モル当量未満では、廃水中のチオシアン酸イオンやアンモニウムイオンなど、廃水の種類によっては次亜塩素酸塩が消費(分解)されるため、シアン除去の効果が不十分になることがある。また、過酸化水素が0.1モル当量未満では、シアン除去の効果が不十分になることがある。
具体的な好ましい次亜塩素酸塩の有効塩素濃度の下限値(モル当量)は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5である。
具体的な好ましい過酸化水素の下限値(モル当量)は、例えば、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.5である。
(シアン含有廃水)
本発明において処理対象となるシアン含有廃水としては、製鉄工場、化学工場、メッキ工場、コークス製造工場、金属表面処理工場などから排出される金属のシアン化合物、シアンイオン、シアン錯体、シアノ錯イオンなどを含むシアン含有廃水、放射能汚染水の処理工程において排出されるシアン含有廃水、土壌の処理装置から排出されるシアン含有廃水が挙げられる。特に、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、コークス炉廃水のような、緩衝作用の強いシアン含有廃水、すなわちアンモニウムイオンを含有するシアン含有廃水の処理に好適である。
本発明において処理対象となるシアン含有廃水におけるシアンの含有量は、特に限定されないが、上記のシアン含有廃水は、一般に全シアン濃度で2〜500mg/L程度である。このようなシアン含有廃水を処理する場合には、次亜塩素酸塩を、シアン含有廃水に対して有効塩素濃度として10〜7000mg/L、好ましくは10〜2000mg/Lとなるように、かつ過酸化水素を10〜3500mg/L、好ましくは10〜1000mg/Lとなるように、シアン含有廃水に添加すればよい。
シアン含有廃水は、マンガンイオン、鉄イオンおよび銅イオンから選択される1種以上の金属イオンを元々含有するのが好ましい。
シアン含有廃水が上記の金属イオンを元々含有することにより、廃水中のシアンとの反応で水不溶性のマンガン塩、鉄塩および銅塩をそれぞれ生成して本発明のシアンの除去効果を促進することになる。
金属イオンは、金属種によって種々の価数を取り得るが、本発明では、マンガンイオンは2価、鉄イオンは2価、銅イオンでは1価および2価であるのが好ましい。
シアン含有廃水に含有するマンガンイオン濃度は、0.1〜500mg/L程度である。
マンガンイオン濃度が0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分になることがある。一方、マンガンイオン濃度が500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解マンガンが残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的なマンガンイオン濃度(mg/L)は、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましいマンガンイオン濃度は、0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは5〜100mg/Lである。
シアン含有廃水に含有する鉄イオン濃度は、0.1〜500mg/L程度である。
鉄イオン濃度が0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分になることがある。一方、鉄イオン濃度が500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解鉄が残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的な鉄イオン濃度(mg/L)は、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましい鉄イオン濃度は、0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは2〜100mg/Lである。
シアン含有廃水に含有する銅イオン濃度は、0.1〜500mg/L程度である。
銅イオン濃度が0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分になることがある。一方、銅イオン濃度が500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解銅が残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的な銅イオン濃度(mg/L)は、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましい銅イオン濃度は、0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは2〜100mg/Lである。
(金属化合物)
本発明においては、シアン含有廃水にマンガン化合物、鉄化合物および銅化合物から選択される1種以上の金属化合物をさらに添加するのが好ましい。
シアン含有廃水がマンガンイオン、鉄イオン、銅イオンを元々含有しない場合、もしくは含有しても低濃度である場合には、シアン含有廃水に上記の金属化合物を添加することにより、上記と同様の効果を得ることができる。
(マンガン化合物)
本発明において用いられるマンガン化合物は、水に可溶であり、水中でマンガンイオンを形成し得る化合物であれば特に限定されず、例えば、塩化マンガン、硫酸マンガン、硝酸マンガン、酢酸マンガンなどが挙げられる。これらの中でもシアン化合物の除去効果の点では、塩化マンガンおよび硫酸マンガンが特に好ましく、さらにシアン含有廃水の処理コストの点では、塩化マンガンが特に好ましい。
本発明において「水に可溶」とは、化合物が水100gに対して約1g以上の溶解度を有することを意味する。
(鉄化合物)
本発明において用いられる鉄化合物は、水に可溶であれば特に限定されず、例えば、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、硝酸第一鉄、酢酸第一鉄などの水中で2価の鉄イオンを形成し得る化合物が挙げられる。これらの中でもシアン化合物の除去効果の点では、塩化第一鉄および硫酸第一鉄が特に好ましく、さらにシアン含有廃水の処理コストの点では、塩化第一鉄が特に好ましい。
本発明の方法では、鉄化合物として、水中で3価の鉄イオンを形成し得る鉄化合物を還元剤と共にシアン含有廃水に添加するか、または還元性のシアン含有廃水に水中で3価の鉄イオンを形成し得る鉄化合物を添加して、該廃水中で3価の鉄イオンを形成し得る鉄化合物を還元させて生成した2価の鉄イオン供給化合物を含む。
上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
(銅化合物)
本発明において用いられる銅化合物は、水に可溶または易分散であり、水中で銅イオンを形成し得る銅化合物であれば特に限定されず、第一銅化合物および第二銅化合物が挙げられ、それらは有機銅化合物、無機銅化合物のいずれであってもよい。
有機銅化合物としては、例えば、酢酸第二銅、安息香酸第二銅、クエン酸第二銅、ナフテン酸銅、オレイン酸第二銅などの第二銅化合物が挙げられる。
無機銅化合物としては、例えば、塩化第一銅、フッ化第一銅、臭化第一銅、ヨウ化第一銅、硝酸第一銅、硫酸第一銅などの水中で1価の銅イオンを形成し得る第一銅化合物および塩化第二銅、フッ化第二銅、臭化第二銅、ヨウ化第二銅、硝酸第二銅、硫酸第二銅などの水中で2価の銅イオンを形成し得る第二銅化合物が挙げられる。
有機銅化合物は処理後のシアン含有廃水中のCODを上昇させることがあるため、上記の銅化合物の中でも、無機銅化合物が好ましく、シアンの除去効果およびシアン含有廃水の処理コストの点で、無機第一銅化合物がより好ましく、塩化第一銅および硫酸第一銅がさらに好ましく、塩化第一銅が特に好ましい。
また、第一銅化合物が第一銅塩である場合には、塩化水素水、ハロゲン化アルカリ金属水溶液またはエタノールを溶媒とする第一銅塩溶液とするのが、第一銅塩の安定性の点から好ましい。
本発明の方法では、銅化合物として、第二銅化合物を還元剤と共にシアン含有廃水に添加するか、または還元性のシアン含有廃水に第二銅化合物を添加して、該廃水中で第二銅化合物を還元させて生成した第一銅イオン供給化合物を含む。
上記の還元剤としては、例えば、亜硫酸塩、二価の鉄塩、ヒドラジンなどが挙げられる。
(化合物の添加形態と濃度)
上記の金属化合物は、シアン含有廃水への添加に際して所望の金属換算濃度となるように、金属捕集剤による処理を用いてもよい。また、工業用水などの水で希釈または溶解して用いてもよい。
上記の金属捕集剤としては、例えば、液体キレート剤などが挙げられる。
また、金属化合物は、水溶液の形態で添加するのがよい。水溶液の濃度は、それをシアン含有廃水に添加する際の作業性、シアンと添加した化合物との反応性などを考慮して決定すればよく、具体的には、マンガン化合物はマンガンイオン濃度として0.1〜500mg/L程度、鉄化合物は鉄イオン濃度として0.1〜500mg/L程度、銅化合物は銅イオン濃度として0.1〜500mg/L程度である。
シアン含有廃水がマンガンイオン、鉄イオン、銅イオンを含有する場合には、その含有量を考慮して、マンガン化合物、鉄化合物および銅化合物の添加量を設定すればよい。
上記のように化合物の添加量は対象となるシアン含有廃水により異なるが、添加するマンガン化合物の濃度は、マンガンイオン濃度として0.1〜500mg/L程度である。
マンガン化合物の濃度がマンガンイオン濃度として0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分であることがある。一方、マンガン化合物の濃度がマンガンイオン濃度として500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解マンガンが残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的なマンガ化合物の濃度は、マンガンイオン濃度(mg/L)として、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましいマンガン化合物の濃度は、マンガンイオン濃度として0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは5〜100mg/Lである。
上記のように化合物の添加量は対象となるシアン含有廃水により異なるが、添加する鉄化合物の濃度は、鉄イオン濃度として0.1〜500mg/L程度である。
鉄化合物の濃度が鉄イオン濃度として0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分であることがある。一方、鉄化合物の濃度が鉄イオン濃度として500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解鉄が残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的な鉄化合物の濃度は、鉄イオン濃度(mg/L)として、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましい鉄化合物の濃度は、鉄イオン濃度として0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは2〜100mg/Lである。
上記のように化合物の添加量は対象となるシアン含有廃水により異なるが、添加する銅化合物の濃度は、銅イオン濃度として0.1〜500mg/L程度である。
銅化合物の濃度が銅イオン濃度として0.1mg/L未満では、シアン除去の効果が不十分であることがある。一方、銅化合物の濃度が銅イオン濃度として500mg/Lを超えると、排水基準以上の溶解銅が残存し、環境に悪影響を与えるだけでなく、経済的にも好ましくない。
具体的な銅化合物の濃度は、銅イオン濃度(mg/L)として、例えば、0.1、0.5、1.0、2.0、5.0、10、25、50、75、100、125、150、200、250、300、350、400、450、500である。
好ましい銅化合物の濃度は、銅イオン濃度として0.1〜150mg/Lであり、より好ましくは2〜100mg/Lである。
(化合物の添加方法)
シアン含有廃水への次亜塩素酸塩および過酸化水素の添加順序は特に限定されず、両化合物を同時に、次亜塩素酸塩および過酸化水素の順または逆順で別々に添加してもよい。
また、金属化合物をさらに添加する場合にもその添加順序は特に限定されず、シアン含有廃水に次亜塩素酸塩、過酸化水素および金属化合物を同時に、3種の化合物をそれぞれ別々に、3種の内の2種を同時に残りの1種をその後に添加してもよい。
すなわち、添加方法としては、1段処理、2段処理および3段処理があり、次のような組み合わせが挙げられる。下記の「/」は処理の区切りを、「(A+B)」はAとBとの同時添加(同一段での処理)を意味する。
1段処理
(1−1)(次亜塩素酸塩+過酸化水素)
(1−2)(次亜塩素酸塩+過酸化水素+金属化合物)
2段処理
(2−1)(次亜塩素酸塩)/(過酸化水素)
(2−2)(過酸化水素)/(次亜塩素酸塩)
(2−3)(次亜塩素酸塩+金属化合物)/(過酸化水素)
(2−4)(過酸化水素+金属化合物)/(次亜塩素酸塩)
(2−5)(次亜塩素酸塩+過酸化水素)/(金属化合物)
(2−6)(次亜塩素酸塩)/(過酸化水素+金属化合物)
(2−7)(過酸化水素)/(次亜塩素酸塩+金属化合物)
(2−8)(金属化合物)/(次亜塩素酸塩+過酸化水素)
3段処理
(3−1)(次亜塩素酸塩)/(過酸化水素)/(金属化合物)
(3−2)(次亜塩素酸塩)/(金属化合物)/(過酸化水素)
(3−3)(過酸化水素)/(次亜塩素酸塩)/(金属化合物)
(3−4)(過酸化水素)/(金属化合物)/(次亜塩素酸塩)
(3−5)(金属化合物)/(過酸化水素)/(次亜塩素酸塩)
(3−6)(金属化合物)/(次亜塩素酸塩)/(過酸化水素)
これらの中でも、作業効率の点で1段処理または2段処理が好ましい。
また、複数段処理の場合、各段の間またはすべての処理後、特に金属化合物での処理後に、処理廃水を沈降分離するのが好ましい。各段の間に沈降分離した場合には、得られた上澄み液に次段の化合物を添加する。具体例としては、試験例3が挙げられる。
なお、COD(CODMn:酸性高温過マンガン酸法による化学的酸素要求量)値が50mg/L以上の比較的高いシアン廃水を現場で2段処理する場合には、次亜塩素酸塩を前段で添加することが望ましい。また、安全面の点において過酸化水素を後段で添加することが望ましい。
(シアン含有廃水および上澄み液のpH)
シアン含有廃水は、pH9以下であるのが好ましい。
シアン含有廃水がpH9を超えると、水不溶性の化合物の生成が不完全になり、効率的にシアンを除去できないことがある。
また、金属化合物をさらに添加する場合の上澄み液も、pH9以下であるのが好ましい。
上澄み液がpH9を超えると、同様に水不溶性の化合物の生成が不完全になり、効率的にシアンを除去できないことがある。
シアン含有廃水および上澄み液の好ましいpHの下限は6程度であるが、処理対象のシアン含有廃水のpHは、通常、6〜9程度であることからpH調整の必要はない。
しかしながら、シアン含有廃水および上澄み液がpH9を超える場合およびpH6未満の場合には、本発明の処理における反応を妨げない酸またはアルカリ、例えば硫酸または水酸化ナトリウムを処理廃水に添加すればよい。
次亜塩素酸塩、過酸化水素および金属化合物の添加時、およびこれらの添加された化合物とシアンとの反応時には、シアンの除去効果の点で、混合溶液を撹拌するのが好ましい。この撹拌は、各化合物の添加毎に実施するのが好ましい。
また、撹拌時の反応を促進する意味で、混合溶液は、添加した化合物が分解されない、ある程度加温された状態であるのが好ましく、その液温は20〜50℃程度である。
さらに、撹拌時の反応に要する時間は、シアン含有廃水の量、シアンの種類およびその濃度、処理装置の形態およびその規模などにより異なるが、シアンと添加した化合物とが十分に接触するように適宜決定すればよい。通常、撹拌時間は10分以上であればよく、20〜60分とするのがより好ましい。
(処理および沈殿分離)
化合物の添加、撹拌混合、沈降分離、水不溶性塩の除去などの一連の操作には、添加剤槽、反応処理槽、シックナーおよび除濁沈殿池などの公知の装置を用いることができ、既設の装置を転用してもよい。
本発明のシアン含有廃水の処理方法では、本発明の効果を阻害しない範囲で、防錆剤、腐食防止剤、スケール分散剤、スライムコントロール剤などの公知の薬剤を併用してもよい。
また、沈降分離においては、本発明の効果を阻害しない範囲で、界面活性剤や凝集剤を添加してもよい。
ここで、本発明において「水不溶性」とは、化合物(塩)が20℃における水100gに対して1g以下の溶解度を有し、その化合物は、沈降分離や濾別により液相と分離可能であることを意味する。
以上の処理により、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、チオシアン酸イオンやアンモニウムイオンが存在する廃水の種類に関係なく、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し、処理前のシアン濃度(全シアン含有量(mg/L))を排水基準値以下に顕著に低減させることができ、処理後の廃水を中和処理なしに、そのまま下水などに排出または再利用することができる。
本発明の方法において、処理排水をそのまま放流する場合には、全シアン濃度を排水基準値以下に低下させるのに必要な量の化合物を添加すればよいが、処理排水を他の排水で希釈して放流する場合には、希釈後の排水が上記の排水基準値以下になるように化合物を添加すればよい。
通常、工場などにおいては、処理排水を他の排水で希釈して放流する場合が多く、費用に対する効果を考慮して、各有効成分の添加量をコントロールするのが好ましい。
よって、処理後の全シアン濃度が1mg/L以下にならない場合、概ね5mg/L以下になる場合も本発明に含まれる処理であることが理解される。
本発明を試験例により具体的に説明するが、本発明はこれらの試験例により限定されるものではない。
下記の試験例1−1では、某製鉄所のコークス炉廃水ラインより採取した、表1に示す水質を有するシアン含有廃水A(pH8.3)を用いた。
Figure 2016190108
下記の試験例1−2では、某製鉄所の高炉集塵水の原水より採取した、表2に示す水質を有するシアン含有廃水B(pH7.8)を用いた。
Figure 2016190108
下記の試験例2−1、2−3および2−4では、次のように調製した、表3に示す水質を有するシアン含有廃水C(pH8.0)を用いた。
シアン含有廃水Cは、フェロシアン化カリウム水溶液、シアン化カリウム水溶液、チオシアン酸カリウム水溶液、塩化カルシウム2水和物水溶液、塩化ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液、塩化アンモニウム水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて調製した。
Figure 2016190108
下記の試験例2−2では、次のように調製した、表4に示す水質を有するシアン含有廃水D(pH8.0)を用いた。
シアン含有廃水Dは、シアン化カリウム水溶液、塩化カルシウム2水和物水溶液、塩化ナトリウム水溶液、硫酸ナトリウム水溶液および炭酸水素ナトリウム水溶液を用いて調製した。
Figure 2016190108
(試験例1−1)
容量300mLのビーカーに、それぞれシアン含有廃水Aを300mL分注し、表5に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素をそれぞれ添加して試験水を得た。
一部の試験水には、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが表5に示す値になるように調整した。
次いで、得られた試験水を、撹拌装置(株式会社宮本製作所製、ジャーテスター(試水凝集反応装置)、型式:MJS−6、撹拌翼形状:2枚羽根、撹拌翼最大径60mm)を用いて回転数120rpmで30分間撹拌した。
次いで、試験水中の全シアン濃度(T-CN)をJIS K0102に準拠して測定し、各試験水におけるシアン化合物の除去効果を評価した。
この試験においては、次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素を添加しないブランク試験(比較例4)を同時に行った。
得られた結果を、添加化合物とその添加量および試験水のpHと共に表5に示す。
Figure 2016190108
表5の試験結果から次のことがわかる。
・pH7〜9における次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素との併用処理(実施例1〜3)、pH8および9における次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガン、および過酸化水素の併用処理(実施例4〜7)では、十分なシアン除去効果を有すること
・これに対して、次亜塩素酸ナトリウムのみを用いた処理(比較例1)では、ブランク(比較例4)よりも処理液のシアン含有量が増加すること(これは廃水に含まれるチオシアン酸イオンが酸化されてシアンになったものと考えられる)
・アルカリ塩素法による処理(比較例2)においては、過剰量の次亜塩素酸ナトリウムを添加したにも拘わらず、十分なシアン除去の効果が得られないこと
・次亜塩素酸ナトリウムと塩化マンガンとの併用処理(比較例3)では、シアン除去の効果が得られるものと想定していたが、薬剤添加量が不十分であることも考えられ、十分なシアン除去の効果が得られないこと
(試験例1−2)
容量1Lのビーカーに、シアン含有廃水Bを1L分注し、55℃に設定したウォーターバスで加温した。表6に示す濃度になるように塩化マンガンを添加して2分間撹拌し、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが8.0になるように調整した。
次いで、得られた試験水に、表6に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウムを添加し、撹拌装置(株式会社宮本製作所製、ジャーテスター(試水凝集反応装置)、型式:MJS−6、撹拌翼形状:2枚羽根、撹拌翼最大径60mm)を用いて回転数120rpmで1時間撹拌した。
試験水は、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが8.0になるように調整した。得られた試験水(1)のシアン含有量(T−CN)と化学的酸素要求量(CODMn)を測定した。
次いで、得られた試験水(1)に、無機凝集剤(ポリ塩化アルミニウム)を3mg/Lとなるように添加し、撹拌装置を用いて回転数200rpmで2分間撹拌した。さらに、高分子凝集剤(製品名:フロクランA−1240、株式会社片山化学工業研究所製)を1mg/Lとなるように添加し、撹拌装置を用いて回転数120rpmで30分間、その後回転数60rpmで1分30秒撹拌した。得られた試験水を5分間静置後、外観観察を行なった。
次いで、得られた試験水の上澄み液を250mL採取し、300mLのビーカーに移し、55℃に設定したウォーターバスで加温した。残りはNo.5Aの濾紙でろ過した。
得られた上澄み試験水に、表6に示す濃度になるように過酸化水素を添加し、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが8.0になるように調整後、撹拌装置を用いて回転数120rpmで2時間撹拌した。
撹拌後にNo.5Aの濾紙でろ過し、試験水(2)のシアン含有量(T−CN)と化学的酸素要求量(CODMn)を測定した。
得られた結果を、表6に示す。
Figure 2016190108
表6の試験結果から次のことがわかる。
・1段処理後では、シアン含有量(T−CN)は3mg/L程度に減少し、化学的酸素要求量(CODMn)も減少したこと
・実施例8および9では、過酸化水素を添加した後、シアン含有量(T−CN)は1mg/L未満となったこと
(試験例2−1/シアノ錯体を含有するシアン含有廃水の1段処理試験)
シアン含有廃水としてシアン含有廃水Cを用い、表7に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素をそれぞれ添加すること以外は、試験例1と同様にしてシアン含有廃水Cを処理した。
一部の試験水には、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが表7に示す値になるように調整した。
次いで、試験水中の水不溶性の生成物を濾別し、濾液中の全シアン濃度(T-CN)をJIS K0102に準拠して測定し、各試験水におけるシアン化合物の除去効果を評価した。
この試験においては、次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素を添加しないブランク試験(比較例11)を同時に行った。
得られた結果を、添加化合物とその添加量および試験水のpHと共に表7に示す。
Figure 2016190108
表7の試験結果から次のことがわかる。
・次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素とを併用したpH6.5〜9の添加化合物(実施例10〜16)で処理した場合において、十分なシアン除去効果を有すること
・これに対して、pH8における次亜塩素酸ナトリウムのみを用いた処理(比較例5)およびpH8における塩化マンガンのみを用いた処理(比較例6)では、十分なシアン除去の効果が得られないこと
・pH8および9における次亜塩素酸ナトリウムと塩化マンガンとの併用処理(比較例7〜9)では、シアン除去の効果が得られるものと想定していたが、この廃水においてはその効果が十分ではないこと
・過酸化水素のみを用いた処理(比較例10)では、過剰量の過酸化水素を添加したにも拘わらず、ほとんど効果が得られないこと
(試験例2−2/シアン化物イオンを含有するシアン含有廃水の1段処理試験)
シアン含有廃水としてシアン含有廃水Dを用い、表8に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウムおよび過酸化水素をそれぞれ添加すること以外は、試験例2−1と同様にしてシアン含有廃水Dを処理した。
一部の試験水には、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが表8に示す値になるように調整した。
次いで、試験水中の水不溶性の生成物を濾別し、濾液中の全シアン濃度(T-CN)をJIS K0102に準拠して測定し、各試験水におけるシアン化合物の除去効果を評価した。
得られた結果を、添加化合物とその添加量および試験水のpHと共に表8に示す。
Figure 2016190108
表8の試験結果から次のことがわかる。
・次亜塩素酸ナトリウムと過酸化水素とを併用したpH8の添加化合物(実施例17〜19)で処理した場合において、十分なシアン除去効果を有すること
(試験例2−3/シアノ錯体を含有するシアン含有廃水の2段処理試験)
容量300mLのビーカーに、それぞれシアン含有廃水Cを300mL分注し、表9に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素から選択される1種または2種をそれぞれ添加して試験水を得た。
一部の試験水には、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが表9に示す値になるように調整した。
次いで、得られた試験水を、前記の撹拌装置を用いて回転数120rpmで30分間撹拌した。
次いで、試験水中の水不溶性の生成物を濾別し、容量200mLのビーカーに、それぞれ濾液(上澄み液)を分取し、表9に示す濃度になるように次亜塩素酸ナトリウム、塩化マンガンおよび過酸化水素から選択される1種または2種をそれぞれ添加して、前記の撹拌装置を用いて回転数120rpmで30分間撹拌した。
次いで、試験水中の全シアン濃度(T-CN)をJIS K0102に準拠して測定し、各試験水におけるシアン化合物の除去効果を評価した。
得られた結果を、添加化合物とその添加量および試験水のpHと共に表9に示す。
Figure 2016190108
表9の試験結果から、本発明の方法で使用する薬剤を2段階で使用した場合においても、十分なシアン除去効果を発揮することがわかる。
(試験例2−4/シアノ錯体を含有するシアン含有廃水の1段処理試験)
表10に示す濃度になるように、次亜塩素酸ナトリウム、金属化合物および過酸化水素をそれぞれ添加すること以外は、試験例2−1と同様にしてシアン含有廃水Cを処理した。なお、金属化合物については、塩化第一鉄4水和物(Fe2+)、塩化亜鉛(Zn2+)、塩化第一銅(Cu+)および硫酸第二銅5水和物(Cu2+)をそれぞれ用いた。
得られた結果を添加化合物とその添加量および試験水のpHと共に表10に示す。
Figure 2016190108
表10の試験結果から次のことがわかる。
・次亜塩素酸ナトリウムと特定の金属化合物(水中で2価の鉄イオンを形成し得る化合物および銅化合物)と過酸化水素とを併用した添加化合物(実施例27〜32)で処理した場合において、十分なシアン除去効果を有すること。

Claims (5)

  1. シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および過酸化水素を同時または別々に添加して、該廃水中のシアンの分解および/またはシアンとの水不溶性の化合物の生成を生じさせて該廃水からシアンを除去することからなるシアン含有廃水の処理方法。
  2. 前記シアン含有廃水中のシアン含有量を予め測定し、測定した含有量に対して、前記次亜塩素酸塩を有効塩素濃度として0.1モル当量以上かつ前記過酸化水素を0.1モル当量以上添加する請求項1に記載のシアン含有廃水の処理方法。
  3. 前記シアン含有廃水が、マンガンイオン、鉄イオンおよび銅イオンから選択される1種以上の金属イオンを元々含有する請求項1または2に記載のシアン含有廃水の処理方法。
  4. マンガン化合物、鉄化合物および銅化合物から選択される1種以上の金属化合物をさらに添加する請求項1〜3のいずれか1つに記載のシアン含有廃水の処理方法。
  5. 前記シアン含有廃水が、pH9以下である請求項1〜4のいずれか1つに記載のシアン含有廃水の処理方法。
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