JP2022117162A - 廃水処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来よりも薬剤添加量を極力抑え、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオン等の鉄シアノ錯体が存在するような廃水であっても、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法を提供することを課題とする。【解決手段】シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程と、紫外線を照射する工程とを有し、前記シアン含有廃水中のシアンを除去することを特徴とするシアン含有廃水の処理方法。【選択図】なし

Description

本発明は、シアン含有廃水の処理方法に関する。
シアンは生態系に強い悪影響を及ぼすため、シアン含有廃水(「シアン廃水」ともいう)を自然界にそのまま放出することはできない。水質汚濁防止法に基づきシアンの排水基準が定められ、この基準(1mg/L以下)を満たすようにシアン除去処理を行い、無害化した廃水でなければ下水などに排出できない。また、地域によっては、条例により、上記の排水基準値よりもさらに低い上乗せ排水基準が定められている。
シアンは、廃水の由来にも因り、含有量の多少はあるが、難分解性シアン錯体、易分解性シアン錯体およびシアン化物イオンの3種の形態で廃水中に存在している。
従来からシアン含有廃水中のシアンの除去処理として様々な方法が提案され、実用化されているが、いずれも一長一短があり、廃水の状況に応じて使い分けられている。
例えば、(1)シアン含有廃水をアルカリ性に調整した後、塩素を注入してシアンを酸化分解するアルカリ塩素法、(2)強力なオゾンの酸化力でシアンを窒素ガスと炭酸水素塩に酸化分解するオゾン酸化法および(3)非溶解性の電極を用いてシアンを電気分解し、酸化反応を行なう電解酸化法(電解法)などの酸化分解法;(4)シアン含有廃水中に、鉄イオンの供給化合物として、例えば硫酸第一鉄を添加し、難溶性のフェリ/フェロシアン化物を生成させ、これを沈殿除去する紺青法、(5)塩化亜鉛と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する亜鉛白法および(6)2価の銅塩と還元剤とを添加し、生成した不溶錯体を沈殿除去する還元銅塩法などの不溶錯体法;(7)シアンに対して馴養させた微生物(シアン分解菌)にシアンを分解させる生物処理法;(8)シアン含有廃水を高温に保持してシアン化合物をアンモニアと蟻酸に加水分解させ、共存する重金属類を単体または酸化物として析出させる熱加水分解法および(9)シアンの分解以外に有機汚濁物をも酸化分解させる湿式酸化法などの熱水反応などがある。
また、本発明の出願人は、次のようなシアン含有廃水の処理方法を提案してきた。
(A)シアン含有廃水に、次亜塩素酸塩および水に可溶であり、水中でマンガンイオンを形成し得るマンガン化合物を添加し、生成した水不溶性のマンガン塩を廃水から除去して、廃水中のシアンを除去するシアン含有廃水の処理方法(特許文献1)。
(B)シアン化合物含有廃水に含有シアン化合物量の1.4モル以上に相当する量のホルムアルデヒドを添加して第1段の反応を行った後、次いで実質的に有効反応量の過酸化水素を含有シアン化合物量の3.0モル以上添加し、pH7.0以上で第2段の反応を行うシアン化合物含有廃水の処理方法(特許文献2)。
しかしながら、上記の先行技術では、煩雑な工程や操作が必要であり、それに伴い複数の反応槽が必要となる場合もある。また、チオシアン酸イオンやアンモニウムイオンが存在する廃水など、廃水の種類によってはシアン除去の効果が充分でなく、処理後の廃水のシアン濃度を排水基準(1mg/L以下)にすることができず、処理廃水をそのまま下水などに排出することができない場合もある。
また、水質汚濁防止法に基づき水素イオン濃度(pH)の排水基準は、海域では5.0~9.0、海域外では5.8~8.6と定められている。上記の先行技術において、廃水のpHを酸性やアルカリ性に調整した場合には、下水などに排出する前に、廃水のシアン濃度だけではなく、pHも排水基準範囲内に調整する中和処理が必要になる場合もある。
特許第4106415号公報 特開平02-35991号公報 特開2020-025955号公報 特公昭47-009794号公報 特開昭48-027571号公報 特開昭48-036963号公報 特開昭48-037956号公報 特開2004-024995号公報
例えば、上記の特許文献1の方法(A)では、シアン含有廃水に対して過剰量の薬剤を添加すれば、シアン濃度を規定値以下にすることができるが、薬剤添加量を極力抑えて、より安全なシアン処理を行うことが求められている。
ここで例えば、特許文献3では、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオン等の鉄シアノ錯体が存在するような廃水の処理方法として、該廃水に酸化剤を含有させ、かつ、紫外線及び可視光線のいずれか一方又は両方の電磁波を照射した条件下で反応させるシアン含有廃水の処理方法が提案されている。
また、特許文献4~8にもシアン含有廃水に酸化剤を含有させ、かつ、紫外線を照射することでシアン含有廃水を処理する方法が提案されている。
上記特許文献3~8のいずれにおいても酸化剤と紫外線を併用することによるシアン含有廃水の処理方法が提案されているが、実際の処理においては、酸化剤として次亜塩素酸塩、次亜臭素酸塩、又は、過酸化水素等が使用されていた。過酸化水素や次亜塩素酸ナトリウムは、水質汚濁防止法の指定物質である理由から、他の物質に比べて施設での取扱いに注意が必要であるとともに、公共用水域への放流や排水処理設備に流す前に、分解する工程が別途要となる。また、次亜塩素酸塩や次亜臭素酸塩は有害な塩素系化合物や臭素系化合物を発生させる恐れがある。
近年では、作業環境面や公共用水域の環境面に対する高い安全性が求められており、これらの負荷を低減させることができるシアン処理方法が求められている。
そこで、本発明は、従来よりも薬剤添加量を極力抑え、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオン等の鉄シアノ錯体が存在するような廃水であっても、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法を提供することを課題とする。
本発明の発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させ、かつ、紫外線を照射することにより、意外にも、薬剤添加量を極力抑え、簡便な操作で安全にかつ安価に廃水中のシアンを除去し得る事実を見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、シアン含有廃水中のシアンを除去するシアン含有廃水の処理方法であって、シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程と、紫外線を照射する工程とを有することを特徴とするシアン含有廃水の処理方法である。
また本発明は、上記紫外線の波長が100~400nmであることが好ましい。
また、本発明の処理方法では、シアン含有廃水中のシアン含有量に対して、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比が0.8以上になるように、前記亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素をシアン含有廃水に含有させることが好ましい。
本発明によれば、従来用いられていた酸化剤よりも安全性の高い酸化剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を用い、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオン等の鉄シアノ錯体が存在するような廃水についても、簡便な操作で安全かつ安価に廃水中のシアンを除去し得るシアン含有廃水の処理方法を提供することができる。
すなわち、本発明によれば、各種形態で廃水中に含有するすべてのシアン、すなわち難分解性シアン錯体、易分解性シアン錯体およびシアン化物イオンを、従来よりも安全な薬剤を用い、また、薬剤添加量を極力抑え、簡便な操作で処理することができる。
また、本発明の処理方法によると処理段階で有害物質の発生が抑制され、本発明の方法で処理した廃水をそのまま自然界に放出しても、環境に対する影響が非常に少なく、また処理後に発生する水不溶性塩(廃棄物)の量も少なくできることから、本発明の方法は産業上極めて有用である。
本発明のシアン含有廃水の処理方法の一試験例を示す模式図である。
以下、本発明を詳細に説明するが、本発明は以下の説明に限定されるものではない。
本発明は、シアン含有廃水中のシアンを除去するシアン含有廃水の処理方法であって、シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程と、紫外線を照射する工程とを有することを特徴とするシアン含有廃水の処理方法である。
本発明におけるシアン含有廃水からのシアンの除去は、「廃水中のシアンの分解」が関与するが、その分解機構は明らかでない。
本発明の発明者らは、「廃水中のシアンの分解」は、添加された亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素によりシアンが酸化され、さらに生成されたシアン酸が加水分解により炭酸水素アンモニウムを生成することによるものと考えている。
上記のように、また実施例の結果からも明らかなように、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素と、紫外線との併用効果により、シアンの分解に効果的に作用することから、従来使用されていた次亜塩素酸塩等の酸化剤よりも酸化力の弱い酸化剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を用い、従来よりも少ない薬剤添加量であっても廃水中のシアンを除去できるものと考えられる。
なお、二酸化塩素によるシアン含有廃水の処理方法は既に知られており、例えば、特開昭52-123976号公報にて、二酸化塩素を用いたシアン含有廃水の処理方法が開示されている。しかしながら、シアン含有廃水中の全シアン濃度を1mg/L以下にするためには、二酸化塩素を大量に使用する必要があり(上記文献では、例えば、対液10%量)、実用化のために二酸化塩素の使用量を低減しても廃水中のシアン分解効果を発揮する方法が望まれていた。
また、亜塩素酸塩によるシアン含有廃水の処理については、従来ほとんど検討されていなかった。これは、亜塩素酸塩は次亜塩素酸塩と比べると酸化力が弱く、シアン含有廃水中のシアン除去又は分解効果が低い、又は、ほとんどないと考えられていたためである。
しかしながら、二酸化塩素及び亜塩素酸塩のいずれも、次亜塩素酸塩と比較しその酸化力は弱いものの、塩素に対し2.63倍の酸素を含むので、処理に際してはハロゲン化塩の生成が少なく、処理後の廃液を再利用することができるという効果を有している。
亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素と、紫外線照射とを組み合わせたシアン含有廃水処理方法を実用化したのは本発明が初めてである。
(亜塩素酸塩)
本発明において用いられる亜塩素酸塩は、水中で亜塩素酸または亜塩素酸イオンを生成し得る化合物であれば特に限定されず、例えば、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウム、亜塩素酸カルシウム、亜塩素酸マグネシウムなどの亜塩素酸のアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩、ヒダントイン誘導体が挙げられる。特に、亜塩素酸ナトリウム、亜塩素酸カリウムは工業的に入手し易く、本発明において好適に用いられる。
(二酸化塩素)
本発明において用いられる二酸化塩素は、極めて不安定な化学物質であるため、その貯蔵や輸送は非常に困難である。したがって、二酸化塩素または廃水中で二酸化塩素を発生し得る化合物を廃水に直接添加してもよいが、その場で公知の方法により二酸化塩素を製造(生成)するか、または廃水中で二酸化塩素を発生し得る化合物を水に添加して二酸化塩素を発生させ、所望の添加濃度に調整して用いるのが好ましい。
例えば、次のような反応により二酸化塩素を製造することができ、市販の二酸化塩素発生器(装置)を用いることもできる。
(1)次亜塩素酸ナトリウムと塩酸と亜塩素酸ナトリウムとの反応
NaOCl+2HCl+2NaClO → 2ClO+3NaCl+H
(2)亜塩素酸ナトリウムと塩酸との反応
5NaClO+4HCl → 4ClO+5NaCl+2H
(3)塩素酸ナトリウム、過酸化水素および硫酸との反応
2NaClO+H+HSO → 2ClO+NaSO+O+2H
(シアン含有廃水)
本発明において処理対象となるシアン含有廃水としては、製鉄工場、化学工場、メッキ工場、コークス製造工場、金属表面処理工場などから排出される金属のシアン化合物、シアンイオン、シアン錯体、シアノ錯イオンなどを含むシアン含有廃水、放射能汚染水の処理工程において排出されるシアン含有廃水、土壌の処理装置から排出されるシアン含有廃水が挙げられる。特に、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオン等の鉄シアノ錯体が存在するような廃水の処理に好適である。
本発明において処理対象となるシアン含有廃水におけるシアンの含有量は、特に限定されないが、上記のシアン含有廃水は、一般に全シアン濃度で2~500mg/L程度である。
また、本発明のシアン含有廃水の処理方法は、分解が困難なフェリ/フェロシアン化物イオンなどの鉄シアノ錯体が存在するような廃水の処理に好適であるため、鉄シアノ錯体が存在する廃水であってもよい。
本発明において処理対象となるシアン含有廃水の懸濁物質の濃度が、100mg/L未満であることが好ましく、50mg/L未満であることがより好ましく、10mg/L未満であることが更に好ましい。
本発明の処理方法では、処理対象となるシアン含有廃水に紫外線を照射する工程を有するため、紫外線がシアン含有廃水中のシアン化合物、シアンイオン、シアン錯体、シアノ錯体イオンに照射されるよう、該廃水中の懸濁物質濃度が上記範囲であることが好ましい。
シアン含有廃水に紫外線を照射する工程において、紫外線の波長は100~400nmであることが好ましく、265nm~310nmであることがより好ましい。
また、処理対象のシアン含有廃水に対する紫外線照射は、紫外線ランプ等の紫外線照射装置を用いることにより行われる。紫外線照射装置は特に限定されるものではなく、例えば、日機装技研(株)製、PAQ-QEM 12C等の市販品を使用することができる。
(薬剤の添加方法)
本発明のシアン含有廃水の処理方法では、シアン含有廃水へ亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程を有するが、亜塩素酸塩又は二酸化塩素のいずれを含有させてもよく、また、亜塩素酸塩及び二酸化塩素を含有させてもよい。シアン含有廃水に亜塩素酸塩及び二酸化塩素を含有させる場合、その配合比率は特に限定されず、例えば、亜塩素酸塩と二酸化塩素との配合比が1:9~9:1であってもよい。
亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の添加量は、シアン含有廃水に含まれるシアンの種類およびその濃度(又はシアンの含有量)の影響を受けるので、これらの条件に応じて適宜決定すればよい。具体的には、例えば、処理前(処理直前から約3時間前まで)のシアン含有廃水のシアンの種類及びシアン濃度(又はシアン含有量)などを予め測定しておき、この測定結果に基づいて、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の添加量を決定してもよい。また、シアン含有廃水に含まれるシアンの種類及びその濃度(又はシアン含有量)が経時的に大きく変化しないような廃水では、既に測定されているシアンの種類及びシアン濃度(又はシアン含有量)に基づき、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の添加量を決定してもよい。
上記のように亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の添加量は、対象となるシアン含有廃水中に含まれるシアンの種類やシアンの含有量により異なるが、廃水中のシアン含有量に対して、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比が、0.8以上であることが好ましい。例えば、本発明のシアン含有廃水の処理方法として、亜塩素酸塩又は二酸化塩素が用いられる場合は、いずれかの薬剤の添加量が、廃水中のシアン含有量に対して、モル比が0.8以上であればよく、また、亜塩素酸塩及び二酸化塩素が用いられる場合は、これら亜塩素酸塩及び二酸化塩素を合計した総モル比が、廃水中のシアン含有量に対して、0.8以上であればよい。
廃水中のシアン含有量に対する、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比は、0.9以上であることがより好ましく、1以上であることがさらに好ましい。また、廃水中のシアン含有量に対する亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比は、10以下であることが好ましく、5以下であることがより好ましく、2以下であることがさらに好ましい。
亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比が0.8未満では、廃水の種類によっては亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素が消費(分解)されるため、シアン除去の効果が不充分になることがある。
また、シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程(以下、薬剤添加工程ともいう)と、紫外線を照射する工程(以下、紫外線照射工程ともいう)とは、その工程が実施される順序は特に限定されず、薬剤添加工程の後に紫外線照射工程があってもよく、紫外線照射工程の後に薬剤添加工程があってもよく、薬剤添加工程と紫外線照射工程とが同時に行われてもよい。また、薬剤添加工程と紫外線照射工程とが同一の位置にあってもよく、別々の位置にあってもよい。
本発明の一形態として、薬剤添加工程と紫外線照射工程とが同一又は近い位置にあることが好ましい。薬剤添加工程と紫外線照射工程とが近い位置にあるとは、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有しているシアン含有廃水に対し、紫外線照射工程が実施される程度、薬剤添加工程と紫外線照射工程との距離が離れていることを意味する。シアン含有廃水中のシアンの形態は、工場ごとに異なり、また、同じ工場であっても日によって異なることが考えられるため、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有しているシアン含有廃水に対し、紫外線照射工程が実施されることが好適である。
薬剤添加工程において、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の添加時、及び/又は、これらの薬剤が添加された後、シアンの除去効果の点で、薬剤とシアン含有廃水が混合するよう攪拌するのが好ましい。この撹拌は薬剤の添加毎に実施することが好ましい。
また、撹拌時の反応を促進する意味で、処理対象であるシアン含有廃水の液温は20~80℃程度であることが好ましく、より好ましくは、30~60℃である。
シアン含有廃水は、シアン除去効果の点で、pH6~9であることが好ましい。シアン含有廃水がpH6未満では、有害なシアン化水素ガスが気散する危険性がある。一方、シアン含有廃水がpH9を超えると、廃水基準を超えるため、さらなるpH調整が必要となる。なお、シアン含有廃水は、pH6~9に調整された廃水であってもよい。
図1は、本発明のシアン含有廃水の処理方法の一試験例を示す模式図である。図1に示したように、薬剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を含有するシアン含有廃水を500mL含むビーカー1から、マグネットポンプ2(イワキ(株)製 MD-30R-N)を介して、処理対象のシアン含有廃水が紫外線照射装置3(日機装技研(株)製、PAQ-QEM 12C)に送られ、紫外線が照射されている。
以下、実施例を用いて本発明をさらに説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(試験水の水質)
下記試験例で使用するシアン含有廃水は、以下の表1に示す水質を有するシアン含有廃水(pH8.3)を用いた。シアン含有廃水は、シアン化カリウム水溶液(富士フィルム和光純薬社製)、塩化ナトリウム(キシダ化学社製)、硫酸ナトリウム(キシダ化学社製)、塩化アンモニウム(キシダ化学社製)及び炭酸水素ナトリウム(キシダ化学社製)を用いて調製した。
Figure 2022117162000001
(実施例1~3、比較例1~6)
容量500mLのビーカーに、シアン含有廃水を500mL分注し、各実施例及び比較例で使用されるシアン含有廃水を取り分けた。次に、表2に示す濃度になるように、二酸化塩素及び/又は亜塩素酸ナトリウムを添加して各実施例及び比較例に係る試験水を得た。
一部の試験水には、硫酸水溶液または水酸化ナトリウム水溶液を添加して、試験水のpHが表2に示す値になるように調整した。
次いで、マグネットポンプ(イワキ(株)製、型番:MD-30R-N)1台と紫外線照射装置(日機装技研(株)製、製品名:PAQ-QEM、型番:12C)5台とを接続し、ここに得られた各実施例及び比較例に係る試験水を送液し、吐液をビーカーに戻して循環させた。この時、流量を2.25L/分に調整した。また、試験中の試験条件を以下に示す。
(試験条件)
水温:25±5℃
pH:7.5±0.5
UV波長:280nm
UV照度:40mW/cm
合計60分間の循環終了後、試験水中の残留薬剤(亜塩素酸塩、二酸化塩素)をL-アスコルビン酸を用いて除去した後、全シアン濃度(T-CN)をJIS K0102に準拠して測定し、各試験水におけるシアン化合物の除去効果を評価した。
本試験においては、紫外線を照射せず、二酸化塩素および亜塩素酸ナトリウムを添加しないブランク試験(比較例6)を同時に行った。
得られた結果を、添加薬剤とその添加量と共に下記表2に示す。
Figure 2022117162000002
表2の結果から、実施例1~3に係る、薬剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を含有した試験水に紫外線を照射した場合には、処理液のシアン含有量が1mg/L未満となっており、充分なシアン除去効果が得られたことを確認した。
これに対し、比較例2~4に係る、薬剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を含有した試験水に紫外線を照射していない場合には、処理液のシアン含有量が2mg/L以上であり、充分なシアン除去効果が得られなかった。特に、亜塩素酸ナトリウムを対シアンモル比1でシアン含有廃水に含有させた比較例3においては、全くシアン除去効果が示されていなかった。
また、比較例1に係る、薬剤を含有しない試験水に紫外線を照射した場合にも、全くシアン除去効果が示されていなかった。
また、比較例5に係る、薬剤(亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素)を含有した試験水に紫外線を照射した場合であっても、シアン含有量に対して、亜塩素酸塩及び二酸化塩素の総モル比が0.7モルであると、処理液のシアン含有量が2mg/L以上であり、充分なシアン除去効果が得られなかった。
1 ビーカー
2 マグネットポンプ
3 紫外線照射装置

Claims (3)

  1. シアン含有廃水中のシアンを除去するシアン含有廃水の処理方法であって、
    シアン含有廃水に、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素を含有させる工程と、紫外線を照射する工程とを有することを特徴とするシアン含有廃水の処理方法。
  2. 紫外線の波長が100~400nmである請求項1記載のシアン含有廃水の処理方法。
  3. シアン含有廃水中のシアン含有量に対して、亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素の総モル比が0.8以上になるように、前記亜塩素酸塩及び/又は二酸化塩素をシアン含有廃水に含有させる請求項1又は2記載のシアン含有廃水の処理方法。
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