JP5334148B2 - 排水処理方法 - Google Patents

排水処理方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5334148B2
JP5334148B2 JP2006237247A JP2006237247A JP5334148B2 JP 5334148 B2 JP5334148 B2 JP 5334148B2 JP 2006237247 A JP2006237247 A JP 2006237247A JP 2006237247 A JP2006237247 A JP 2006237247A JP 5334148 B2 JP5334148 B2 JP 5334148B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
wastewater
ozone
amount
reaction
hydrogen peroxide
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006237247A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008055366A (ja
Inventor
英麗 林田
孝 河野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Precision Products Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Precision Products Co Ltd filed Critical Sumitomo Precision Products Co Ltd
Priority to JP2006237247A priority Critical patent/JP5334148B2/ja
Publication of JP2008055366A publication Critical patent/JP2008055366A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5334148B2 publication Critical patent/JP5334148B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Treatment Of Water By Oxidation Or Reduction (AREA)

Description

本発明は、生物処理が困難な難分解性物質と共にアンモニア性窒素を含有する排水の処理方法に関し、更に詳しくはオゾンによる排水処理方法に関する。
各種産業排水や埋立地浸出水等には生物処理が困難な難分解性物質が多量に含まれており、同時にアンモニア性窒素が含まれる場合が少なくない。アンモニア性窒素を含有する排水の場合、生物処理によってそのアンモニア性窒素を分解処理することは可能であるが、難分解性物質が同時に含まれると、生物処理ではその難分解性物質を分解処理することが困難である。
一方、難分解性物質を含む排水の効率的な処理方法としてはオゾンによる方法が知られている。これはオゾンの強力な酸化作用により排水中の難分解性物質を酸化分解処理するものであり、その処理能力、処理効率の高さから多方面で採用が増加している。しかしながらアンモニア性窒素は安定性が高いためにオゾンによる酸化分解処理は困難である。したがって、難分解性物質を含む排水でも、アンモニア性窒素が含まれる場合はオゾン処理は採用されない。
このような状況下で開発された排水処理方法が、臭素イオンの存在下でオゾンを反応させる方法である。この方法によると、化学式1中の式(1)及び式(2)により、アンモニアが脱窒分解されることが知られている。すなわち、まずオゾン(O3 )が臭素イオン(Br- )と反応して次亜臭素酸〔HBrO(H+ +BrO- )〕が生成される〔式(1)〕。次に、その次亜臭素酸〔HBrO(H+ +BrO- )〕がアンモニア(NH3 )と反応して窒素(N2 )が生成され、アンモニアの脱窒分解が完了する〔式(2)〕。
Figure 0005334148
また、化学式2に式(3)で示す反応、すなわち次亜臭素酸がアンモニアと反応して、中間生成物であるブロラミン(NH2 Br)が生成される反応の速いことが知られており、臭素とオゾンによるアンモニアの脱窒プロセスはこの反応を経由していることが推測される。
Figure 0005334148
しかしながら、臭素イオンの存在下でオゾンを反応させる脱窒によるアンモニア分解方法には次のような問題がある。第1の問題は、発ガン性が指摘されている臭素酸(BrO3 - )が副生することである。これは化学式3に示すように、次亜臭素酸イオン(BrO- )がオゾン(O3 )と反応することにより生成すると考えられている。
Figure 0005334148
第2の問題は、アンモニア性窒素と共に排水中に含まれる難分解性物質の分解効率が低いことである。第3の問題は、前述した中間生成物であるブロラミン(NH2 Br)を始めとして、有害なオキシダントが多量に発生することである。これは、化学式4に示すように次亜臭素酸(HBrO)が各種の中間生成物と反応することが原因である。
Figure 0005334148
第1の問題を解決するために、排水中の窒素量を測定し、その測定値に応じて臭素量及びオゾン量を制御することにより、余剰の次亜臭素酸イオン(BrO- )及びオゾンを発生させないようにする方法が特許文献1により提示されている。また、特許文献2には、オゾン添加後の排水をオゾン添加前の排水に循環させることにより、次亜臭素酸イオン(BrO- )をアンモニアと反応させて、臭素酸(BrO3 - )の系外への流出を抑制する方法が提示されている。
特開平6−218384号公報 特開平7−195087号公報
これらの方法により発ガン性の指摘のある臭素酸(BrO3 - )の副生は抑制されるが、その一方で次のような二次的な問題が発生する。すなわち、前者の方法では排水中の窒素量に応じた臭素量が必要となるため、排水中の窒素量を測定することが必要になる。また、排水が臭素を多量に含有する場合は臭素量が過剰になるおそれがあり、適正な臭素量が得られない場合が生じる。一方、後者の方法では排水の循環操作が必要となり、処理効率が低下すると共にシステムが複雑化する。
本発明の目的は、生物処理が困難な難分解性物質及びアンモニア性窒素を含有し、更には臭素をも含む排水についても、難分解性物質及びアンモニア性窒素を効率的に分解処理できると共に、有害な臭素酸及びオキシダントの副生を抑制でき、更には処理対象物による制限、システム複雑化等の二次的な問題の発生を回避できる効率的、合理的な排水処理方法を提供することにある。
生物処理が困難な難分解性物質及びアンモニア性窒素を含有する排水を処理するためには、臭素イオン存在下でのオゾン処理が不可欠である。しかし、臭素イオンは排水中に含まれる場合が少なくなく、その添加量をコントロールすることは合理的な方法と言えない。そこで本発明者らは、臭素イオン存在下でのオゾン処理に伴う問題、すなわち臭素酸及びオキシダントの発生、並びに難分解性物質が十分に処理されない事態を回避するために、反応促進物質の添加を考え、様々な物質のなからか過酸化水素を選択し添加を試みた。その結果、臭素イオン存在下でのオゾン処理に伴う諸問題を一挙に解決できることが判明した。
オゾンと過酸化水素を組み合わせた複合処理はAOP処理(促進酸化処理)として知られている。このAOP処理としては他にオゾンと紫外線を組み合わせた処理、オゾンと過酸化水素、紫外線を組み合わせた処理などがある。また、臭素を含む排水をオゾン処理する場合に問題となる臭素酸の発生を防止するために、過酸化水素を使用することは特許文献3及び4に記載されている。
特開2005−329312号公報 特開2003−62583号公報
特許文献3及び4に記載された排水処理方法では、排水中にアンモニア性窒素は含まれていない。この場合、オゾンと共に添加された過酸化水素は、AOP処理のためのOH
ラジカルを生成する(第1機能)と共に、排水中の余剰の次亜臭素酸を還元して低減する還元剤として機能することにより、臭素酸の生成を抑制する(第2機能)。ところが、排水中にアンモニア性窒素が含まれている場合は、オゾンと共に添加された過酸化水素の機能が一変し、前述した第1機能及び第2機能に次の第3機能が加わる。これらの機能を図1により詳しく説明する。
排水中へのオゾン(O3 )の添加により排水中の臭素イオン(Br- )がオゾンと反応し、水素イオン(H+ )の濃度(pH)に応じて次亜臭素酸〔HBrO(H+ +BrO- )〕が生成される。化学式2に式(3)で示すブロラミン生成反応の反応速度は8×107 M−ls−lと非常に速く、次亜臭素酸(HBrO)はアンモニア存在下では瞬時にブロラミン(NH2 Br)に変化すると考えられる。このため、排水中にアンモニア性窒素が含まれている場合は、その次亜臭素酸〔HBrO(H+ +BrO- )〕はアンモニア(NH3 )と反応して、中間生成物であるブロラミン(NH2 Br)となる(化学式2)。そして、化学式5に示すように、このブロラミン(NH2 Br)が再び次亜臭素酸〔HBrO(H+ +BrO- )〕と反応して窒素(N2 )が生成され、アンモニアの脱窒による分解が完了すると考えられる。簡略示したのが図1中の(A)に示す反応であり、化学式1である。
Figure 0005334148
以上の反応によってアンモニアが脱窒分解され、溶存しなくなると、次亜臭素酸(HBrO)は過剰のオゾンによって臭素酸(BrO3 - )となる。溶存オゾンのみで酸化が進むためには、次亜臭素酸のイオン解離が必要となるが、中性付近では次亜臭素酸のイオン解離が進みにくい(次亜臭素酸イオンは次亜臭素酸として存在する)ので、次亜臭素酸(HBrO)が臭素酸(BrO3 - )になる反応にはOHラジカルが寄与していると考えられる。臭素酸(BrO3 - )は発ガン性の危険も指摘され、人体に有害であるため、その生成を抑制する必要がある。これが特許文献3及び4に記載された方法であり、過酸化水素を使用して余剰の次亜臭素酸(HBrO)を還元する。ただし、ここでは排水中にアンモニア性窒素は存在しない。
ここで、排水中にアンモニア性窒素と共に過酸化水素(H2 2 )が存在すると、余剰の次亜臭素酸(HBrO)は還元されて臭素イオン(Br- )に戻る(第2機能)。これと同時に、次亜臭素酸(HBrO)から生成したブロラミン(NH2 Br)が過酸化水素(H2 2 )と反応して脱窒され、窒素(N2 )が生成される。これは酸化反応であり、ブロラミン(NH2 Br)が過酸化水素(H2 2 )によって酸化されることによってもアンモニアの脱窒分解反応が進む。ここにおける反応を化学式6に示す。また図1中に(B)で示す。
Figure 0005334148
ここで重要なのは、排水中に臭素、アンモニア性窒素及び過酸化水素が共存すると、 図1中の(A)による反応、すなわちブロラミン(NH2 Br)の次亜臭素酸(HBrO)による脱窒反応と、図1中の(B)による反応、すなわちブロラミン(NH2 Br)の過酸化水素(H2 2 )による脱窒反応の2反応が同時並行して進行すること、そして前者の脱窒反応(A)より後者の脱窒反応(B)が優先的に起きること、すなわち前者の反応速度をKa、後者の反応速度をKbとすると、Ka<Kbとなり、前者の脱窒反応(A)よりも更に速い高効率な脱窒反応(B)が新たに発生することである。この新たな酸化脱膣反応(B)が過酸化水素の第3機能であり、これにより、次亜臭素酸(HBrO)の消費が促進され、前述した次亜臭素酸(HBrO)の還元分解反応(A)と相乗して、余剰の次亜臭素酸(HBrO)の生成が抑制される。
かくして、アンモニア性窒素を含む排水を臭素存在下でオゾン及び過酸化水素により複合処理することにより、排水中のアンモニア性窒素は効率的に脱窒分解処理される。また、次亜臭素酸(HBrO)の残留が効果的に抑制されることにより、オキシダント及び臭素酸の生成が抑制される。更に、OHラジカルによるAOP処理にて難分解性物質が効果的に分解され、COD及びTOCも効率よく低減する。
これから分かるように、難分解性物質及びアンモニア性窒素を含む排水を臭素イオン存在下でオゾン処理する際に過酸化水素を添加すると、その過酸化水素はオゾンと反応してOHラジカルを生成し、難分解性物質の分解を促進すると共に、次亜臭素酸(HBrO)の還元剤及びブロラミン(NH2 Br)の酸化剤として機能し、有害なオキシダント及び臭素酸の生成を抑制するのである。後者の機能はOHラジカルによるAOP処理とは直接関係ない。
ちなみに、OHラジカルによるAOP処理としては、前述したとおり、オゾンと紫外線を組み合わせたものもあるが、紫外線の併用では、難分解性物質の分解処理は進みアンモニアの分解処理も進むが、有害なオキシダント及び臭素酸の生成は抑制されない。これは、前述した第2機能及び第3機能が紫外線の併用では得られず、AOP処理とは直接関係のない過酸化水素に固有の機能であることの証左といえる。
本発明の排水処理方法はかかる知見を基礎として完成されたものであり、難分解性有機物及びアンモニア性窒素を含有する排水を臭素イオン存在下でオゾンにより処理する際に、オゾンと反応してOHラジカルを生成し且つ次亜臭素酸に対しては還元剤、ブロラミンに対しては酸化剤としてそれぞれ機能する反応促進物質を前記排水に添加し、この状態で当該排水をオゾンにより処理するものであり、反応促進物質は過酸化水素である。また、排水中の臭素量(mg/L)、排水へのオゾン添加量(mg/L)及び排水への過酸化水素添加量(mg/L)については、下記の三つの反応(i)〜(iii)が同時進行するように、排水中の臭素量(mg/L)は排水中のアンモニア量(mg/L)の0.1〜5倍の範囲内で、排水へのオゾン添加量(mg/L)は排水中のアンモニア量(mg/L)の1〜10倍の範囲内で、排水への過酸化水素添加量(mg/L)は排水へのオゾン添加量(mg/L)の0.01〜0.5倍の範囲内でそれぞれ設定することにより、排水中の難分解性有機物及びアンモニア性窒素を分解処理すると共に、オキシダント及び臭素酸の生成を抑制する。

(i)次亜臭素酸の過酸化水素による臭素イオンへの還元反応
(ii) 次亜臭素酸がアンモニアと反応して生成したブロラミンの次亜臭素酸による脱窒反応(次亜臭素酸の還元分解反応)
(iii)前記ブロラミンの過酸化水素による酸化脱窒反応
本発明の排水処理方法においては排水中の臭素量(mg/L)、排水中へのオゾン添加量(mg/L)及び過酸化水素添加量(mg/L)、並びに排水のpHが重要である。
排水中の臭素は脱窒反応に寄与するのでアンモニア量に対して過少はよくない。しかし、多すぎると臭素によるオゾンの無効消費、臭素酸化還元サイクルにおける反応障害等が起こる危険性がある。このようなことから臭素量はアンモニア量の0.1〜5倍とし、0.2〜1倍が更に好ましい。この臭素は排水中に含まれる場合が少なくない。含まれていない場合は外部から積極添加する必要があり、排水中の含有量が少ない場合も不足分を外部から積極添加する必要がある。
オゾン量及び過酸化水素量が少なすぎると十分な反応が起きず、オキシダントが残量し、過酸化水素も残留する。オキシダントの生成を抑制しつつ脱窒し、難分解性物質を分解するために、オゾン量はアンモニア量の1〜10倍とし、過酸化水素量はオゾン量の0.01〜0.5倍とする。アンモニア量に対し1〜10倍程度のオゾンを注入することによってアンモニアの脱窒が完了する。過酸化水素が過多の場合は処理水中に残留し、生物阻害、CODとして働いてしまう。ただし、COD、TOC等の有機物はアンモニアを脱窒分解してから低減できることから、有機物が多ければその分オゾン量及び過酸化水素量を増やす必要がある。
排水のpHについては、オゾンとの反応による臭素酸(BrO3 - )の生成速度は、次亜臭素酸(HBrO)からは0.013M−1S−1以下、次亜臭素酸イオン(BrO- )から100M−1s−1でであることから、次亜臭素酸の状態である方が遅い。したがってpHは高い方がよい(酸性はよくない)。しかし、過酸化水素とオゾンとの反応、また過酸化水素の点からはアルカリ性が好都合である。これらのことから、排水のpH(6〜8)は中性に保つのがよい。
本発明の排水処理方法は、難分解性有機物及びアンモニア性窒素を含有する排水を臭素イオン存在下でオゾンにより処理する際に、オゾンと反応してOHラジカルを生成し且つ次亜臭素酸に対しては還元剤、ブロラミンに対しては酸化剤としてそれぞれ機能する過酸化水素からなる反応促進物質を前記排水に添加してオゾン処理を行うことにより、第1に、OHラジカルを生成し、AOP処理により難分解性物質を効率的に処理すると共に、排水中のアンモニア性窒素を効率的に脱窒分解処理する。第2に、反応促進物質による次亜臭素酸(HBrO)の還元分解反応により、次亜臭素酸(HBrO)の残留を抑制し、オキシダント及び臭素酸の生成を抑制する。第3に、反応促進物質による高効率な次亜臭素酸(HBrO)の酸化脱窒反応により、脱窒効果を高めると同時に、次亜臭素酸(HBrO)の残留を抑制し、オキシダント及び臭素酸の生成を効果的に抑制する。第4に、排水中の窒素量を測定するとか排水を必要以上に循環させるといった操作が不要になり、実施が容易である。
かくして、排水中の難分解性物質及びアンモニア性窒素を効率的に且つ簡易に分解処理すると共に、有害なオキシダント及び臭素酸の生成を効率的に且つ簡易に抑制する。
以下に本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図2は本発明の一実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。
本実施形態の排水処理方法は、生物処理では分解処理が困難な難分解性物質、アンモニア性窒素及び臭素を含む排水を処理するのに使用される。この排水は、反応塔1内に塔上部から導入される。塔内の排水は、循環ポンプ2により塔下部から抜き出され、塔上部に戻されることにより、所定比率で反応塔1に循環し、塔下部から所定比率で塔外へ排出される。
反応塔1内の排水には、PSA型オゾン発生装置5により発生させたオゾンガスが塔内下部の散気管より所定量注入される。排水には又、塔外の排水循環経路において過酸化水素がタンク3から添加ポンプ4により所定量添加される。
排オゾンは反応塔1の上部から分解器6に送られ、酸素として大気中に放出される。
排水中の難分解性物質及びアンモニア性窒素が、排水中の臭素、新たに添加するオゾン及び過酸化水素により効率的に処理され、なおかつ有害なオキシダントの生成及び臭素酸の生成が抑制されることは前述したとおりである。
図3は本発明の別の実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。本実施形態の排水処理方法は、図2の排水処理方法とはオゾンの注入方法が相違する。すなわち、本実施形態では、塔外の排水循環経路において排水に過酸化水素及びオゾンが添加される。具体的には、PSA型オゾン発生装置5により発生させたオゾンガスが、過酸化水素の添加位置より下流側でエジェクタ7により排水に注入される。他の構成は図2の排水処理方法と同じである。
図4は本発明の更に別の実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。本実施形態の排水処理方法は、図2の排水処理方法において、紫外線処理を加えたものである。具体的には、塔外の排水循環経路(過酸化水素の添加位置より下流側)に紫外線反応塔8が設けられている。紫外線反応塔8は内部を通過する排水に紫外線を照射する。他の構成は図2の排水処理方法と同じである。
図3及び図4の排水処理方法でも、図2の排水処理方法と同様に、難分解性物質、アンモニア性窒素及び臭素を含む排水が、排水中の臭素、新たに添加するオゾン及び過酸化水素により効率的に処理され、なおかつ有害なオキシダントの生成及び臭素酸の生成が抑制される。特に、図3の排水処理方法ではオゾン注入にエジェクタ7を使用しているので、その注入効率が高い。また図4の排水処理方法では、紫外線照射の併用により、更に高効率なAOP処理を行うことができる。紫外線照射は、図3の排水処理方法(エジェクタによるオゾン注入)に組み合わせることも可能である。
排水として、生物処理を終えた埋立地浸出水を用いた。その排水中の臭素イオン量は320mg/L、アンモニア量は450mg/L、CODは230mg/L、TOCは180mg/Lであった。図2に示すシステムをクローズドタイプにして、排水を反応塔に循環させ、この過程でオゾンガスの注入及び過酸化水素の注入を行うことにより、これらの注入量(mg/L)を変化させた。使用したオゾンガスのオゾン濃度は120g/m3 (N)、オゾン注入速度は20mg/L・min、過酸化水素注入速度は2mg/L・minとした。すなわち、過酸化水素量は常にオゾン量の1/10とした。
比較のために、過酸化水素を添加せずに同じ試験を行った。すなわち前記排水をオゾンのみで処理した。また、過酸化水素を添加する代わりに紫外線を照射し、オゾンと紫外線との組合せによるAOP処理を行った。紫外線の照射は、図3に示すように、塔外の排水循環経路で実施した。使用した紫外線ランプの出力は110Wである。
それぞれについて排水の循環時間を変化させ、オゾン注入量(mg/L)を変化させた。過酸化水素量はオゾン量の1/10であるので、オゾン量の変化に追従して変化する。このときのCOD値の変化、TOC値の変化、アンモニア濃度の変化及びオキシダント濃度の変化を図5〜8にそれぞれ示す。
図5及び図6から分かるように、オゾン単独処理ではCOD値もTOC値も十分に低下しない。しかし、オゾンに過酸化水素や紫外線を組合せると、OHラジカルが生成しAOP処理が行われることにより、これらの値は低下する。すなわち難分解性物質の分解は進む。一方、アンモニア性窒素については、図7に示すように、オゾン単独処理の場合でも、臭素の存在により、複合処理と同様に十分にアンモニア濃度を低下させることができる。ところが、図8に示すように、オゾン単独処理の場合及びオゾンと紫外線を組み合わせたAOP処理の場合は、オゾンの注入量を増やすにしたがって有害なオキシダントの生成量も増加する。これに対し、オゾンと過酸化水素を組み合わせたAOP処理の場合は、このオキシダントの生成量の増加が生じない。
臭素酸(BrO3 - )については、オゾン単独処理及びオゾンと紫外線とを組み合わせたAOP処理では、アンモニアが脱窒された後、オキシダンド量がピークとなり、その後、減少して臭素酸(BrO3 - )が多量に生成するが、オゾンと過酸化水素を組み合わせたAOP処理では、オキシダントの生成が抑制されているため、臭素酸(BrO3 - )の生成も殆どない。
なお、図2〜図4の排水処理方法では、実験装置として使用するために(オゾン注入量を広範囲に変更するため)に反応塔1に排水を循環させているが、実際の設備では排水の循環は特には必要でない。
本発明の排水処理方法における脱窒反応及び過酸化水素の機能の説明図である。 本発明の一実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。 本発明の別の実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。 本発明の更に別の実施形態を示す排水処理方法のシステム図である。 処理の種類がCOD値に及ぼす影響を示すグラフである。 処理の種類がTOC値に及ぼす影響を示すグラフである。 処理の種類がアンモニア濃度に及ぼす影響を示すグラフである。 処理の種類がオキシダント生成量に及ぼす影響を示すグラフである。
符号の説明
1 反応塔
2 循環ポンプ
3 過酸化水素タンク
4 添加ポンプ
5 オゾン発生装置
6 排オゾン分解分解器
7 エジェクタ
8 紫外線反応塔

Claims (3)

  1. 難分解性有機物及びアンモニア性窒素を含有する排水を臭素イオン存在下でオゾンにより処理する際に、オゾンと反応してOHラジカルを生成し且つ次亜臭素酸に対しては還元剤、ブロラミンに対しては酸化剤としてそれぞれ機能する反応促進物質としての過酸化水素を前記排水に添加し、この状態で当該排水をオゾンにより処理する排水処理方法であって、排水中の臭素量(mg/L)、排水へのオゾン添加量(mg/L)及び排水への過酸化水素添加量(mg/L)を、下記の三つの反応(i)〜(iii)が同時進行するように、排水中の臭素量(mg/L)は排水中のアンモニア量(mg/L)の0.1〜5倍の範囲内で、排水へのオゾン添加量(mg/L)は排水中のアンモニア量(mg/L)の1〜10倍の範囲内で、排水への過酸化水素添加量(mg/L)は排水へのオゾン添加量(mg/L)の0.01〜0.5倍の範囲内でそれぞれ設定することにより、排水中の難分解性有機物及びアンモニア性窒素を分解処理すると共に、オキシダント及び臭素酸の生成を抑制することを特徴とする排水処理方法。

    (i)次亜臭素酸の過酸化水素による臭素イオンへの還元反応
    (ii) 次亜臭素酸がアンモニアと反応して生成したブロラミンの次亜臭素酸による脱窒反応(次亜臭素酸の還元分解反応)
    (iii)前記ブロラミンの過酸化水素による酸化脱窒反応
  2. 前記臭素イオンは排水中に処理対象物質として予め含有されている請求項1に記載の排水処理方法。
  3. 前記臭素イオンは排水中に含有されていないか、含有されていてもその含有量が必要量より不足している場合に、臭素イオンの不足分を外部から補充する請求項1に記載の排水処理方法。
JP2006237247A 2006-09-01 2006-09-01 排水処理方法 Active JP5334148B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237247A JP5334148B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 排水処理方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006237247A JP5334148B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 排水処理方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008055366A JP2008055366A (ja) 2008-03-13
JP5334148B2 true JP5334148B2 (ja) 2013-11-06

Family

ID=39238747

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006237247A Active JP5334148B2 (ja) 2006-09-01 2006-09-01 排水処理方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5334148B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6703881B2 (ja) 2016-04-05 2020-06-03 メタウォーター株式会社 促進酸化処理方法及び促進酸化処理装置
CN107540117B (zh) * 2016-06-24 2020-03-20 锋霈环境科技股份有限公司 含氨废水处理装置
CN106698641A (zh) * 2016-11-25 2017-05-24 北京高能时代环境技术股份有限公司 一种强氧化装置

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001239279A (ja) * 2000-03-03 2001-09-04 Hitachi Zosen Corp 水中のアンモニア性窒素除去法
JP4230675B2 (ja) * 2001-03-02 2009-02-25 アタカ大機株式会社 臭素酸含有汚水の処理方法
JP2002263670A (ja) * 2001-03-05 2002-09-17 Ataka Construction & Engineering Co Ltd 汚水処理方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008055366A (ja) 2008-03-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Singh et al. Statistical analysis of optimum Fenton oxidation conditions for landfill leachate treatment
US8562828B2 (en) Wastewater treatment apparatus
KR101026641B1 (ko) 전기분해와 광-펜톤산화공정이 결합된 복합산화공정을이용한 난분해성 폐수 처리장치 및 방법
Huang et al. On the kinetics of organic pollutant degradation with Co2+/peroxymonosulfate process: when ammonium meets chloride
JP4673709B2 (ja) 水処理システム
Amr et al. Simultaneous removal of COD and color from municipal landfill leachate using Ozone/Zinc sulphate oxidation process
JP5334148B2 (ja) 排水処理方法
JP2006341229A (ja) シアン化合物含有排水の高度処理方法
JP2009022940A (ja) 難分解性成分を含む畜産排水および有色排水の脱色方法
JP2005279409A (ja) 有機金属化合物含有廃水の処理方法
US20200165144A1 (en) Ultraviolet treatment method and system
JP2004249258A (ja) 排水の処理方法
JP2005246109A (ja) アンモニア態窒素を含むシアン含有排水の処理方法
JP4662327B2 (ja) 排水処理方法及び装置
JP2008264668A (ja) 廃水の電解処理方法及びその装置
JP2012210580A (ja) 塩素系有機化合物の処理方法
JP2792481B2 (ja) スルホキシド類含有廃水の処理方法
KR101941943B1 (ko) 암모니아 폐수 처리 방법 및 장치
US10947137B2 (en) Process for treatment of mine impacted water
Zakaria et al. Influence of dosage, pH and contact time in stabilized landfill leachate treatment using ozone/zirconium tetrachloride catalytic oxidation
CN104773874A (zh) 一种处理含硫氰化合物废水的方法
TWI594956B (zh) 含氨廢水處理裝置
WO2019109168A1 (en) Process for treatment of mine impacted water
KR20110075378A (ko) 철강분진을 이용한 유기물을 함유하는 폐수 처리방법
Borralho et al. Study of catalytic processes for biodiesel production wastewater treatment

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090826

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110323

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110425

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110623

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120314

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120508

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20130220

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130517

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20130527

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130704

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130705

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130725

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130725

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5334148

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250