JP4662327B2 - 排水処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は、有機化合物が含有している排水の処理方法及び装置に関し、詳しくは、水酸基イオンとオゾンとを反応させることによって発生するOHラジカルを利用して有機物、特に難分解性有機化合物を分解除去する水処理方法及び装置に関し、特に、下水処理、屎尿処理、畜産排水処理、水産食品加工排水処理、洗浄排水処理、工場排水処理、湖水浄化処理等に有効に適用できる排水処理装置に関する。
従来から、水中の有機化合物を除去する方法として、活性汚泥法に代表されるような微生物作用を利用する方法が用いられている。しかしながら、上記方法においては生物難分解性有機物の分解が困難であった。
上記の欠点を補う水処理方法として、オゾン単独処理や、オゾンよりも酸化力の強いOHラジカルを発生させるオゾン過酸化水素併用処理(特許文献1)、オゾン紫外線併用処理(特許文献2)などの化学処理の適用が検討され、実際に使用されている。
しかしながら、オゾン単独処理は有機化合物を分解し、低分子化することは可能であるが、無機化して完全除去するまでには至らない。また、オゾン過酸化水素併用処理では、過酸化水素を薬剤として常に投入し続ける必要があった。さらにまた、下水道排水、屎尿排水、畜産排水、水産食品加工排水には、着色物質やSS成分更にはBOD成分が多く含まれており、又埋立地浸出水には着色物質が含まれていることが多く、更にゴミ焼却炉の煙突内を洗浄した洗煙排水は、しかもpHも中性付近ではないため、これらの成分が紫外線照射の効率や過酸化水素からのOHラジカル生成効率を著しく低下させ、処理が困難になるという問題がある。
かかる欠点を解消するために、処理対象の排水を収容する放電槽、該放電槽内に互いに対向して配置された放電電極、該放電電極に電気的に連絡された高電圧パルス電源、放電槽の底部に設けられた発泡器、及び発泡器に連絡したオゾナイザーを有し、高電圧パルス電源により生成されたOHラジカルの生成反応域にオゾンを供給する技術が提案されている(特許文献3)。
特公昭60−006718 特開平7−108285 特開2001−293478
特許文献3は、オゾン単独処理による欠点を改良し、高電圧パルス電源により生成されたOHラジカルの生成反応域にオゾンを供給する技術であるが、排水処理設備中に高電圧パルス電源を付設することは排水処理系に作業者が誤って接触した場合に危険な恐れがあり、その対策が必要であるとともに、高電圧パルス電源は、電用インダクタンスを挟んで直流充電電源と高電圧発生用コンデンサを並列接続させた高電圧パルス発生回路とが間欠高電圧発生用スイッチと直流ブロッキングコンデンサ等から構成されているために装置構成が複雑且つ大きくなり、コスト高につながりやすい。
又前記技術は同公報の段落0005に記載されているように高電圧パルスを用いても有効にOHラジカル生成が促進されることなく、該放電槽内には、pH調整装置や光触媒機能部材を付設して、OHラジカル生成を促進することが実際上必要となる。
そこで本発明は、薬剤を投入することなく難分解性有機物の処理が可能で、かつ着色成分やSS成分の存在下であっても、また処理対象排水のpHが酸性やアルカリ性を示しても分解効率を低下させることのない有機物含有排水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
又、本発明の他の目的は高効率でしかも作業者に危険がなく、しかも高効率にOHラジカル生成を可能にした有機物含有排水の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
本願発明は、前記従来技術のように、高電圧パルス電源等の単独電源により直接OHラジカルを発生させるのではなく、前記排水中に直流安定化電源により制御された電流密度の直流電圧を印加してその電気分解により水酸基イオン(OH)を発生させる工程と該水酸基イオンにより生成されたアルカリ性水塊域にオゾンを作用させてOHラジカルを生成して該OHラジカルにより難分解性有機化合物を酸化分解処理する2つの段階を踏むものである。
OHラジカルは、以下のような反応を経て生成される。
O→H+OH(電気分解工程) (1)
OH+O→・O +・OH(オゾン接触工程) (2)
OH+O→・O +・OOH (3)
・OOH⇔H+・O (4)
+・O →・O +O (5)
・O +H→・OH (6)
・OH→・OH+O (7)
また、電極上に吸着したオゾンは、下記(8)のような反応で・O と・OOHを生成する。ここで生成した・O と・OOHの場合は、上記(4)〜(7)式の反応により、OHラジカルを生成する。
+HO+e→1/2H+・O +・OOH (8)
上記反応により生成したOHラジカルは酸化還元電位が2.85Vと非常に強い酸化剤であり、大部分の難分解性有機化合物を分解・無機化することが可能である。オゾンがOHと反応あるいは、オゾンが電極上で直接電子を受け取っても生成するOHラジカルに違いはない。
従って本発明は、有機化合物含有排水中にOHラジカルを生成させて該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する排水処理方法において、
着色成分やSS成分が存在している排水処理経路に、滞留させたオゾン曝気域を設け、該オゾン曝気域に、直流安定化電源に接続された電極を配置し、前記オゾン曝気域に、紫外線を照射することなく前記電極より「0.2〜10mA/cm」に制御された電流密度の直流電圧を所定時間印加して、その電気分解により陰極電極にて水酸基イオンを発生させて該陰極電極近傍に局所的にアルカリ性の水塊を生成するとともに、該アルカリ性の水塊域にオゾンを供給して、前記水酸基とオゾンとを反応させてOHラジカルを生成させ、該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する有機物処理工程と、
前記排水経路のオゾン曝気域の上流側に、前記排水中の窒素成分を除去する工程と、
前記オゾン曝気域の排水処理経路下流側に、前記難分解性有機化合物を分解除去した処理水の着色成分の除去を行う工程と
存在することを特徴とする。
この場合に、電気化学的処理による電気分解とオゾン接触は同時に且つ所定時間必要なために、前記排水処理経路に形成されたオゾン曝気槽内に直流安定化電源に接続された電極を介してオゾン曝気域に所定密度の直流電流を流すのがよい。
又本発明は水溶液中に溶解している有機系物質に有利に作用するために、前記排水中の窒素成分を除去した後の排水処理経路に設けるのがよく、更に有機物処理工程の下流側で処理水の着色成分の除去処理がおこなわれる。
請求項に記載の発明は前記発明を具体化した装置に関するものであり、有機化合物含有排水中にOHラジカルを生成させて該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する排水処理装置において、
着色成分やSS成分が存在している前記排水経路中に、滞留させたオゾン曝気域を設け、該曝気域に、直流安定化電源に接続された陽極と陰極とよりなる前記排水の電気分解用の直流電極を浸漬配置し、前記オゾン曝気域に、紫外線を照射することなく前記電極より「0.2〜10mA/cm」に制御された電流密度の直流電圧を所定時間印加し、その電気分解により陰極電極にて水酸基イオンを発生させて該陰極電極近傍に局所的にアルカリ性の水塊を生成するとともに、該アルカリ性の水塊域にオゾンを供給して、前記水酸基とオゾンとを反応させてOHラジカルを生成させて、該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する有機物処理域を存在させ、
又前記排水経路のオゾン曝気域の上流側に、前記排水中の窒素成分を除去する手段を、
更に、前記排水経路のオゾン曝気域の下流側に、前記難分解性有機化合物を分解除去した処理水の着色成分の除去を行う手段を夫々設けたことを特徴とする。
そして本発明においても、前記オゾン曝気域が処理排水を所定時間貯溜させるオゾン曝気槽であり、該曝気槽内でオゾン曝気と該曝気槽に浸漬配置されている直流電極間の電圧印加が同時におこなわれるように構成しているのがよく、更には前記排水経路のオゾン曝気域の上流側に、前記排水中の窒素成分を除去する工程は例えば活性汚泥槽等の生物処理槽と沈殿槽の組み合わせ若しくは活性汚泥槽とアンモニアストリッピングと沈殿槽の組み合わせ工程等が存在し、該オゾン曝気域の下流側にOHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去した処理水の着色成分の除去処理工程、例えば活性炭処理槽が存在するのがよい。
本発明においては、高電圧パルス電源等の単独電源により直接OHラジカルを発生させるのではなく排水中に直流安定化電源により制御された電流密度の直流電圧を印加して、その電気分解により前記排水中に水酸基イオンを発生させて陰極電極近傍に局所的にアルカリ性の水塊を生成する単なる電気分解工程であるので、安全であるとともに、直流安定化電源は高電圧パルス電源に比較して装置構成が簡単且つ小型であり、大幅なコストダウンとなる。
又電気化学的処理により排水の電気分解を行い、陰極電極にて水酸基イオンを発生させて電極近傍を局所的にアルカリ性とするために基本的には、pH調整剤等の薬剤は原則不要であり、メンテナンスの手間も軽減できる。
又水酸基イオンにより生成されたアルカリ性水塊域にオゾンを作用させてOHラジカルを生成して該OHラジカルにより難分解性有機化合物を酸化分解処理するためにオゾン供給域が陰極電極近傍のアルカリ性水塊域であるのがよく、これにより処理槽全域に供給する必要がないために効率的であるとともに、オゾンと水酸基イオンとが直接反応してOHラジカルを生成するために高効率である。
本発明によるOHラジカル発生効率とOHラジカル発生方法であるオゾンと紫外線併用方法およびオゾンと過酸化水素併用方法によるものとを比較したものを表1に示す。
本表に記載の通り、理論効率としてオゾンと紫外線を用いた方法のOHラジカル発生効率は高い。しかし、紫外線の吸収効率はSS成分や着色成分に大きく左右されるため、結果として、オゾンと水酸化物イオンによるOHラジカル発生の効率が高くなる。一方、オゾンと過酸化水素併用では、低pH範囲ではより多量の過酸化水素が必要であり、高pHではOHラジカルの消費要因である炭酸イオンが卓越し、OHラジカルが無効消費される。本発明の方法によれば、アルカリ性の水塊中でオゾンと水酸化物イオンが反応するため、SSや着色成分さらにはpHといった処理対象液の性状に影響されないことから、OHラジカル生成効率は最も高くなる。
Figure 0004662327
従って本発明によれば、OHラジカルの生成に紫外線を用いないので、排水中に着色成分やSS成分が存在していても、効率よくOHラジカルを生成させることができ、OHラジカルにより難分解性有機化合物まで効率よく分解処理することができるのみならず、エネルギー効率の点からも従来の方法と同等以上で、コストパフォーマンスに優れる。
又本発明は、直流電極間の電流密度が、0.2mA/cmになるように直流安定化電源の電力制御がなされていると特定した理由は図3に示す実験結果に基づく。
図3は本実験を行った処理対象物の減少速度を擬一次反応速度(電気分解速度)と電流値の関係を示し、本実験結果によれば、直流電極間の電流密度が、0.2〜0.3mA/cm付近で擬一次反応速度は横ばい傾向になっている。
オゾンと水酸基の反応によりOHラジカルが生成していることをしていることを考慮すれば、0.2〜0.3mA/cm以上ではオゾンの電極表面への供給が反応律速になっていることが理解される。又、直流電極間の電流密度の上限は特に言及しないがエネルギー効率及び作業者の安全上の配慮から5〜10mA/cm程度と理解される。
又本発明は、水酸基の生成とオゾンと前記水酸基の反応ラジカル連鎖反応を生じさせるもので、所定の処理時間(例30分以上)が必要なために処理対象排水が滞留する滞留部の存在が必要であり、このため、前記有機物処理工程は、前記排水処理経路に形成されたオゾン曝気槽(処理槽)内に直流安定化電源に接続された電極を介してオゾン曝気域に所定密度の直流電流を流すことにより、難分解性有機化合物の分解率を向上させることができる。
この場合に処理対象排水を所定量毎に処理槽に収容し、処理槽内で排水を循環させながらラジカル連鎖反応を生じさせるのがよく、排水中の難分解性有機化合物濃度に対応して排水の循環を制御して、OHラジカルにより効率よく所定の基準値まで難分解性有機化合物を分解させることができる。また、排水中の難分解性有機化合物をほぼ完全に酸化分解することもできる。
また本発明は、電気分解による水酸基の生成を条件としているために、生物処理により処理される固体成分は前もって除去するのがよく、又BODや燐系、窒素系物質の存在はOHラジカル無効消費の要因となりやすい排水中の窒素成分も前もって除去しておく方がよく、このため例えば活性汚泥槽等の生物処理槽と沈殿槽の組み合わせ若しくは活性汚泥槽とアンモニアストリッピングと沈殿槽の工程は上流側に設けるのがよく、又本発明は、着色成分の存在と無関係に有機物を処理できるために、着色成分の除去等に用いる砂ろ過処理や活性炭処理工程を後工程(処理水下流側)に配置することができ、これにより砂ろ過処理の砂洗浄頻度や活性炭処理に用いる活性炭の交換頻度を抑制し、ランニングコストを低減する事ができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を例示的に詳しく説明する。但しこの実施の形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対的配置等は特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれに限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の第1の実施例として適用される有機物含有排水処理槽の基本構成図で、図1中1は鉛直上下方向を長手方向とする縦長状の排水処理槽1で、排水入口1aを底部に排水出口1bを上部に設けているとともに、低電圧(例10〜20V)で後記電極間排水に所定の電流密度が得られるように陽極と陰極からなる板状電極対2を多数本、槽内全域にわたって垂設されている。
電極対2には直流電圧を印加する直流安定化電源3が、電極対2間の電圧、電流、抵抗値などを監視するマルチメータ4を介して接続されている。排水処理槽1は、循環ポンプ5と循環管路6が接続されており、該循環経路5〜6により所定時間液循環されるように構成されている。また循環管路6の排水処理槽1の下部の出口開口部近傍にはオゾン供給管7が接続されており、該オゾン供給管7を通じてオゾナイザー8で発生させたオゾンが処理槽1内に供給され、オゾンの供給状態がオゾンモニター9によって監視される構成となっている。
又排水槽中のオゾンモニタ10は槽上部に設けられ、比較排水10Aとの比較の上でオゾンをモニターしている。
かかる装置において、オゾンとの反応性が低くOHラジカルとの反応性の高い難難分解性有機物であるパラクロロ安息香酸(p−CBA)を1mg/L、リン酸緩衝液が0.1mMの試料水を処理槽内に投入して、該試料水を循環ポンプにより循環させた状態で、直流安定化電源よりの通電とオゾン曝気を行いながら、マルチモニターを介して直流安定化電源の通電電流をそれぞれ異ならせて処理対象物であるp−クロロ安息香酸の減少速度を擬一次反応速度(電気分解速度)と電流値の関係を求めた。
尚、循環時間は何れも30分、供給されるオゾン化酸素は、20mg/Lである。
本実験結果によれば、直流電極間の電流密度が、0.2〜0.3mA/cm付近でを擬一次反応速度は横ばい傾向になっている。
オゾンと水酸基の反応によりOHラジカルが生成していることをしていることを考慮すれば、0.2〜0.3mA/cm以上ではオゾンの電極表面への供給が反応律速になっていることが理解される。
図4は図1に示す排水処理装置で処理される処理水の一例として、下水膜ろ過水4.8Lに対して、有効電極面積3000cmの電極対2を浸漬し、電流密度1.0mA/cmで電流を通電し、濃度20mg/Lのオゾンガスを0.5L/minの流量で曝気したときの二クロム酸カリウム法による化学的酸素要求量(CODCr)の経時変化を示している。図4には比較のためにオゾン単独処理(ガス濃度20mg/L、流量0.5L/min)によるCODCrの経時変化も示した。オゾン単独処理では8時間の処理でCODCr除去率58.5%であったのに対し、前記水処理装置では8時間の処理でCODCr除去率95.8%が達成され、下水中の難分解性有機化合物の大部分を分解可能であることを示している。
図5は図4の適用条件において投与エネルギー当りのCODCr除去量(エネルギー効率)の経時変化を示したものである。処理開始後2時間までのエネルギー効率は本発明によるオゾン電解併用処理がオゾン単独処理を上回っている。処理開始2時間以降は逆にオゾン電解併用処理のエネルギー効率がオゾン単独処理のエネルギー効率を下回っているが、これはオゾン電解併用処理において2時間以内に易分解性難分解性有機化合物の大部分が分解除去され、難分解性有機化合物の比率が高まったためである。このように本発明によるオゾン電解併用処理はオゾン単独処理に比較して同等以上のエネルギー効率を有することが示されている。
図6は、難分解性有機物として知られている前記パラクロロ安息香酸(p−CBA)1mg/L溶液4.8Lを対象として、前記水処理装置を図3と同じ適用条件で適用したときのp−CBA濃度変化を示している。オゾン単独処理では30分処理による除去率が36.6%であり、これは曝気に伴ってp−CBAが大気中へ揮散したためであった。本発明によるオゾン電解併用処理では30分処理によりp−CBAが完全に除去された。オゾン電解併用処理における曝気に伴うp−CBA揮散量はオゾン単独処理と同等であることから、この結果はオゾン電解併用処理においてp−CBAが実際に分解除去されたことを示している。p−CBAはオゾンとの反応速度が0.15M−1−1以下でOHラジカルとの反応速度が5×10−1−1程度と報告されている。これらの実験結果は、前記水処理装置が効率的にOHラジカルを生成し、難分解性有機物の除去に有効であることを示している。
尚、図1の排水処理槽1は、処理対象排水を所定量収容する処理槽とし、排水の処理を所定量毎に行うようにしたものである。まず、処理槽の排水出口を閉じておき、処理槽に排水を導入し、所定量の排水の導入後、処理槽の排水入口も閉じて、処理槽を独立させる。処理槽に収容された排水は、循環ポンプにより循環されながら、第1の実施形態と同様にOHラジカル処理が行われる。循環の速度、量を制御することで難分解性有機化合物の濃度、要求される処理基準に合わせた処理を行うことができるので、経済性を重視し、処理基準を満たす程度に処理をとどめてもよいし、反対に汚染物質がほぼ完全に分解されるまで徹底して処理を行うようにすることもできる。OHラジカル処理後には、排水出口を開けて排水を次処理工程に送った後、再度処理槽に排水を導入し、前記処理を繰り返すように構成している。
本発明の第2の実施例の排水処理槽1を図2を用いて説明する。第2の実施例の排水処理槽1は、図1の排水処理槽1を、処理対象排水が滞留する滞留構造としたものである。滞留構造は、単に筒状であった排水処理槽1に複数のしきり12を設けて流れの方向を一様ではなくしたり、穴の開いた板12を設けて管路抵抗を増加させたりして、排水処理槽1を排水が通りぬける時間を増加させ、同時に排水を撹拌することで、排水が均一に処理される構造とする。従って、排水が電極近傍にある時間が長くなり、また排水が撹拌されるので、OHラジカルと反応しないまま次工程へと抜けてしまう難分解性有機化合物を減らすことができる。積極的に排水の撹拌を行うために、別途プロペラなどの撹拌装置を設置してもよい。本実施例の場合は、排水を循環させる機構を設けていない。
次に本発明の処理槽を用いた第1の排水処理システムフローを図7を用いて説明する。図示しない排水排出施設から排出される有機化合物を含有する排水は、まず図7の生物処理工程21にて有機物及びアンモニア態(アンモニア窒素系)が生物学的に分解される。その後、排水内のSS成分を固液分離する沈殿槽22を経て、図1若しくは図2の排水処理槽1に供給される。そして、前記図1及び図2に示す排水処理槽1で生物処理工程を経ても分解されない難分解性の難分解性有機化合物を無機物にまで酸化分解する。
このOHラジカル処理工程を経た排水は排水処理槽1から混和槽23に送り、凝集剤(硫酸バンド、高分子ポリマーなど)を添加し、混和させる。凝集した成分は凝集沈殿槽24において凝集沈殿処理を行った後、凝集沈殿槽24において分離できなかった微量な固形成分(SS成分)を砂ろ過塔25で除去した後活性炭吸着塔26におくり、排水中の着色成分を除去する。一連の処理により排出基準を満たすまでに清浄になった排水は、処理排水として河川などに放流する。
また、図8に示すように、OHラジカル処理の処理槽1を、砂ろ過塔25と活性炭処理塔26の間で行うか砂ろ過塔25をバイパスさせた2系統にておこなうこととしてもよい。砂ろ過によるSS成分除去後にOHラジカル処理を行うので、OHラジカル処理がさらに効率よくなされる。また、要求される処理水質によっては、活性炭処理工程26を設けることなく、処理排水をOHラジカル処理後に直接河川などに放流することもできる。なお、SS成分が少ない場合には、砂ろ過工程25を設けることなく、OHラジカル処理を行うようにしてもよい。
本発明は、省スペースで且つ小型でしかも使用する直流電流密度も低いために安全で且つ高効率の難分解性有機化合物処理が可能であるために、有機物下水道処理、屎尿処理、畜産排水処理、水産食品加工排水処理、洗浄排水処理、工場排水処理、湖水浄化処理のいずれにも有効に適用でき、特にゴミ焼却炉の煙突内を洗浄した洗煙排水は酸性成分が多いが、かかる排水においても特別なアルカリ添加が不要若しくは少なくして使用でき、その産業上の利用可能性は極めて大である。
本発明の第1実施例に係る排水処置槽の概略構成図である。 本発明の第2実施例に係る排水処置槽の概略構成図である。 図1の処理槽でp−CBAを処理したときの擬一次反応速度(電気分解速度)と電流密度の関係を示すグラフ図である。 本実施例の下水ろ過水を処理したときのCODCrの経時変化図である。 本実施例の下水ろ過水を処理したときのエネルギー効率の経時変化図である。 本実施例のp−CBAを処理したときのp−CBA濃度の経時変化図である。 本発明の処理槽を用いた第1の排水処理システムフローの1を示す。 本発明の処理槽を用いた第1の排水処理システムフローの2を示す。
符号の説明
1 排水処理槽
2 電極対
3 直流安定化電源
5 循環ポンプ
6 循環管道
7 オゾン供給管
8 オゾナイザー

Claims (3)

  1. 有機化合物含有排水中にOHラジカルを生成させて該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する排水処理方法において、
    着色成分やSS成分が存在している排水処理経路に、滞留させたオゾン曝気域を設け、該オゾン曝気域に、直流安定化電源に接続された電極を配置し、前記オゾン曝気域に、紫外線を照射することなく前記電極より「0.2〜10mA/cm」に制御された電流密度の直流電圧を所定時間印加して、その電気分解により陰極電極にて水酸基イオンを発生させて該陰極電極近傍に局所的にアルカリ性の水塊を生成するとともに、該アルカリ性の水塊域にオゾンを供給して、前記水酸基とオゾンとを反応させてOHラジカルを生成させ、該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する有機物処理工程と、
    前記排水経路のオゾン曝気域の上流側に、前記排水中の窒素成分を除去する工程と、
    前記オゾン曝気域の排水処理経路下流側に、前記難分解性有機化合物を分解除去した処理水の着色成分の除去を行う工程と
    存在することを特徴とする排水処理方法。
  2. 有機化合物含有排水中にOHラジカルを生成させて該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する排水処理装置において、
    着色成分やSS成分が存在している前記排水経路中に、滞留させたオゾン曝気域を設け、該曝気域に、直流安定化電源に接続された陽極と陰極とよりなる前記排水の電気分解用の直流電極を浸漬配置し、前記オゾン曝気域に、紫外線を照射することなく前記電極より「0.2〜10mA/cm」に制御された電流密度の直流電圧を所定時間印加し、その電気分解により陰極電極にて水酸基イオンを発生させて該陰極電極近傍に局所的にアルカリ性の水塊を生成するとともに、該アルカリ性の水塊域にオゾンを供給して、前記水酸基とオゾンとを反応させてOHラジカルを生成させて、該OHラジカルにより難分解性有機化合物を分解除去する有機物処理域を存在させ、
    又前記排水経路のオゾン曝気域の上流側に、前記排水中の窒素成分を除去する手段を、
    更に、前記排水経路のオゾン曝気域の下流側に、前記難分解性有機化合物を分解除去した処理水の着色成分の除去を行う手段を夫々設けたことを特徴とする排水処理装置。
  3. 前記オゾン曝気域が処理排水を所定時間貯溜させるオゾン曝気槽であり、該曝気槽内でオゾン曝気と該曝気槽に浸漬配置されている直流電極間の電圧印加が同時におこなわれるように構成していることを特徴とする請求項記載の排水処理装置。
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