JP3573322B2 - ダイオキシンを含有する汚水の処理方法及び装置 - Google Patents

ダイオキシンを含有する汚水の処理方法及び装置 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は最終処分場の浸出水、産業廃水、下水、工場排水等の汚水のうち、有機塩素化合物ダイオキシンを含有する汚水、または有機塩素化合物に汚染された河川水、湖沼水等の自然環境中の水を処理する処理方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
トリクロロエチレン、有機塩素系農薬、PCB、ダイオキシン等の有機塩素化合物は、いずれも発ガン性、催奇形性があり、毒性が高いことが知られている。中でもダイオキシン異性体のひとつである2,3,7,8−四塩化PCDD(2,3,7,8−四塩化ポリクロロダイペンゾ パラダイオキシン)は、モルモットに対するLD50が、0.0006mg/kg、成人の致死量が数十μgと推定されており、極めて危険な物質である。近年、上記のような有機塩素化合物、特にダイオキシンが汚水、排水中に検出されるようになり、問題となっている。これらは自然環境中で分解されにくく、長期間残留する性質を持っており、効果的な処理法が望まれていた。
【0003】
有機塩素化合物を処理する従来技術としては、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応と光化学的反応によって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を同時に行うものが知られている。代表的なものとしては、有機塩素化合物を含有する汚水に対して紫外線とオゾンガスを同時に投入し、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応と紫外線とオゾンガスの反応によって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を同時に行う処理法がある。
しかし、有機塩素化合物を含有する汚水には紫外線透過率が低いものが多く、このような水を処理する場合では、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応及び酸化分解反応が効率よく進まず、紫外線と未反応のオゾンガス即ち廃オゾンガスが増加して、オゾン注入量あたりの有機塩素化合物の分解効率が悪化するという欠点があった。よって、この方法で確実な処理を行う場合に必要な紫外線照射量、紫外線ランプ本数及び酸化剤投入量は膨大なものとなってしまう欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、前記従来の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法における高額な処理コストを伴わず、効率が良く高度な処理を可能とする方法及び装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、従来の技術において確実な処理を行う場合に必要な紫外線照射量、紫外線ランプ本数及び酸化剤投入量が膨大なものとなった原因の一つとして、有機塩素化合物を含有する汚水の多くが紫外線透過率が極めて低いことに着目した。例えば、最終処理場の浸出水の紫外線透過率は、例えば波長が254nmの場合で僅か0.1〜35%と極めて低かった。
ここで、紫外線は、(i)オゾンまたは過酸化水素と反応することによりヒドロキシラジカルを発生させる。(ii)有機塩素化合物の脱塩素化反応を生じさせるなどの有機塩素化合物の分解に重要な性質をもつことから、紫外線を有効に活用することにより有機塩素化合物の分解を高効率で行うべく数多くの実験を実施した。 本発明は前記の各実験の結果を基に創作されたものであり、その目的は、紫外線を有効に活用することにより高効率な有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法を提供することである。
【0006】
本発明による有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法は、有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法において、
(1)ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する方法において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水にオゾン含有気体を流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上となるオゾンの量を作用させる第一処理工程により、紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上である第一処理工程流出水を得るとともに、次いで該流出水を第二処理工程に供し、(C)紫外線照射及び過酸化水素添加、又は(D)紫外線照射、オゾン含有気体添加及び過酸化水素添加を行なうことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
(2)ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する方法において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水にオゾン含有気体及び過酸化水素を、流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率より高めるオゾン量及び過酸化水素量を作用させる第一処理工程により、紫外線透過率が高くなった第一処理工程流出水を得るとともに、次いで(C)紫外線照射及び過酸化水素添加、又は(D)紫外線照射、オゾン含有気体添加及び過酸化水素添加を行なうことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
(3)オゾン含有気体を第一処理工程に導入し、第一処理工程から取出したオゾン含有気体を第二処理工程に添加し処理することを特徴とする前記(1)又は(2)記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
(4)オゾン含有気体を第二処理工程に導入し、第二処理工程から取出したオゾン含有気体を第一処理工程に添加し処理することを特徴とする前記(1)又は(2)記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
(5)第二処理工程流出水の一部を第二処理工程又は第一処理工程の流入部に循環させることを特徴とする前記(1)〜(4)のいずれか1項記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
【0007】
(6)ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する装置において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水を導入する導入部、オゾン含有気体の導入手段及び流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上となるオゾンの量を供給するオゾン含有気体の供給量の制御手段を有し、オゾン含有気体による作用で紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上である第一処理工程流出水を得る第一処理部を設けるとともに、第一処理部流出水を導入する導入部、並びに(C)紫外線照射手段及び過酸化水素添加手段、又は(D)紫外線照射手段、オゾン含有気体添加手段及び過酸化水素添加手段を有する第二処理部を設けたことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
(7)ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する装置において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水を導入する導入部、オゾン含有気体の導入手段及び過酸化水素の添加手段、並びに流出水の紫外線透過率を汚水の紫外線透過率より高めるオゾン量及び過酸化水素量を供給するオゾン含有気体及び過酸化水素の供給量の制御手段を有し、オゾン含有気体及び過酸化水素による作用で紫外線透過率が高くなった第一処理工程流出水を得る第一処理部を設けるとともに、第一処理部流出水を導入する導入部、並びに(C)紫外線照射手段及び過酸化水素添加手段、又は(D)紫外線照射手段、オゾン含有気体添加手段及び過酸化水素添加手段を有する第二処理部を設けたことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
(8)前記第一処理部が反応槽の下部に、前記第二処理部が反応槽の上部に設けられていることを特徴とする前記(6)又は(7)記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
(9)前記第一処理部が反応槽の上部に、前記第二処理部が反応槽の下部に設けられていることを特徴とする前記(6)又は(7)記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
(10)第二処理部流出水の一部を第二処理部又は第一処理部の流入部に循環させる循環手段を設けたことを特徴とする前記(6)〜(9)のいずれか1項記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
【0008】
本発明の処理方法は、下記の実施態様を取ることができる。
(a)有機塩素化合物を含有する汚水と過酸化水素とを予め混合し、該混合液を第一処理工程に導入することを特徴とする前記(2)ないし(5)のいずれか1項記載の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法。
(b)第一処理工程又は第二処理工程において、反応槽に過酸化水素注入箇所を一つ以上設けることを特徴とする前記(1)ないし(10),(a)のいずれか1項記載の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法。
(c)第一処理工程又は第二処理工程において、反応槽にオゾン含有気体の注入箇所を一つ以上設けることを特徴とする前記(1)ないし(10),(a)のいずれか1項記載の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法。
(d)第二処理工程において設置する紫外線ランプの長手方向と水及びオゾン含有気体の流れ方向とを互いに垂直とすることを特徴とする前記(1)ないし(10)、(a)ないし(c)のいずれか1項記載の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法。
(e)前記有機塩素化合物がダイオキンシンを含有するものであることを特徴とする前記(1)ないし(10)、(a)ないし(d)のいずれか1項記載の有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法。
本発明では、以上の工程を行うことにより、以下に示す作用により有機塩素化合物の分解が効率良く行われる。
【0009】
先ず第一処理工程で、オゾンガスによる処理を行う場合の作用を以下に示す。 第一処理工程ではオゾンと有機塩素化合物を含有する汚水(以下「原水」ともいう)中の有機物の反応が行われる。オゾンは有機物中の不飽和結合部分と選択的に反応する性質を持ち、これまでにも下水、排水の色度除去に利用されていたが、不飽和結合の光の吸収波長が紫外域を含むことにより原水の紫外線透過率も改善することができる。よって、第一処理工程を設けることにより、後述する第二処理工程に紫外線の透過率が高くなった水を導入することが可能となる。紫外線透過率の改善は、第一処理工程の流出水の紫外線透過率が原水の紫外線透過率の約2.1倍以上であることが好ましい。また、原水中にオゾンと反応し易い有機物が含まれている場合には、これらを第一処理工程で分解することができ、第二処理工程にかかる有機物負荷を軽減することができる。
次に第二処理工程では、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応、及びオゾンガスと紫外線と過酸化水素のうちいずれか2つ以上の組み合わせによる反応の結果生成するヒドロキシラジカルによって有機塩素化合物の酸化分解反応が行われる。ここで、第二処理工程で行われる反応には、紫外線が極めて重要な役割を果しているが、第一処理工程で水の紫外線透過率が改善されているために、紫外線の照射効率が高くなり、有機塩素化合物の脱塩素化反応の効率、ヒドロキシラジカル生成効率が向上する効果が生まれる。また、紫外線照射量を過剰とする必要がなく、適切な範囲とすることが可能となる。また、第一処理工程で、オゾンと反応し易い有機物があらかじめ分解されているため、第二処理工程で生成したヒドロキシラジカルがこれらの有機物の分解に使われることがなく、ヒドロキシラジカルを有機塩素化合物の分解に有効に利用することができる。
【0010】
特に、第二処理工程でオゾン及び過酸化水素を併用する場合には紫外線とオゾンあるいは紫外線と過酸化水素との反応に加えて過酸化水素とオゾンの反応によるヒドロキシラジカル生成が可能となり、ヒドロキシラジカル生成効率が格段に向上し、紫外線照射量を更に低くすることが可能となる。また、オゾンガス、過酸化水素の利用効率も格段に向上する。また、これらの効率は第一処理工程で水の紫外線透過率が改善されていることにより一層高められる。
【0011】
次に、第一処理工程でオゾンガスと過酸化水素による処理を行う場合の作用を以下に示す。
第一処理工程ではオゾンと原水中の有機物の反応に加え、オゾンと過酸化水素の反応によって生成したヒドロキシラジカルと原水中の有機物の反応が加わり原水の紫外線透過率が更に向上する。これは、オゾンと有機物中の不飽和結合部との選択的な反応で不飽和結合が切断されるのに加え、ヒドロキシラジカルが有機物中のあらゆる部分を酸化分解する過程においても紫外線透過率が向上するからである。よって、第一処理工程でオゾンガスのみを使用する場合よりも紫外線透過率が更に向上した水を、紫外線を利用する第二処理工程に導入することが可能となる。
【0012】
また第一処理工程に過酸化水素を添加することによって、オゾンと過酸化水素が反応しヒドロキシラジカルが生成する。このようにヒドロキシラジカルを発生させることにより、第一処理工程においても有機塩素化合物の酸化分解反応を進行させることができる。ここで、特にダイオキシンを処理する場合においては、ヒドロキシラジカルによるダイオキシンの酸化分解反応では、特に四塩素化物、五塩素化物、六塩素化物等の低塩素化物の酸化分解反応が特に進行し、紫外線によるダイオキシンの脱塩素化反応では主に七塩素化物、八塩素化物等の高塩素化物の脱塩素化反応が特に進行するが、第一処理工程でオゾンガス、過酸化水素による処理を行うことで、予め低塩素化物を分解でき、第二処理工程における処理対象を主に高塩素化物とすることができる。また、第二処理工程流入水中のダイオキシン濃度または有機塩素化合物濃度を低くすることができる。この様な作用によっても第二処理工程における反応の効率化、負担の軽減化が行われ、紫外線照射量をさらに低減化させることができる。紫外線照射量は第一処理工程と第二処理工程にオゾン及び過酸化水素を添加する場合に最小となる。
以上のような効果により、本発明による有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法を用いることにより汚水中の有機塩素化合物が低コストかつ高度に処理され、安全な処理水を得ることができる。
【0013】
紫外線を供給する光源としては、低圧水銀ランプ、中圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、エキシマレーザーなど、170nm〜380nmの範囲の比較的低波長の紫外線を照射可能なもの、あるいは自然光、蛍光灯などを挙げることができるがこれらに限るものではない。紫外線の強度、処理コストを考慮した場合、低圧水銀ランプのような水銀ランプが望ましい。
紫外線ランプの破損防止のために保護管を使用する場合、材質は普通石英でも使用可能であるが、254nm以下の低波長の紫外線を多く通す場合には、170〜254nmの紫外線透過率が高い合成石英が望ましい。
紫外線ランプの設置方法としては、水またはオゾンガスの流れに対して紫外線ランプの長手方向を垂直または水平として並べる方法のいずれでも良いが、水及びオゾンガスと紫外線との接触効率を考慮した場合、水及びオゾンガスの流れに対して垂直方向に並べる方法が接触効率のむらが少なくなり好適である。
【0014】
オゾンガスの注入方法としては、ディフューザー方式、イジェクタ方式、Uチューブ方式、オゾンガスを0.5〜10kg/cm の加圧状態で溶解させる方式等を挙げることができいずれでも良いがこれに限るものではない。また、反応槽内に注入した酸素含有気体に対して電気的なエネルギーを加えてオゾンを発生させる方法も可能である。
過酸化水素の注入方法としては、第一処理工程あるいは第二処理工程の水の流入配管に直接注入する方法、第一処理工程あるいは第二処理工程の反応槽に直接注入する方法、オゾンガスを注入するイジェクターの水の流入配管あるいはイジェクターの内部に注入する方法などを挙げることができ、いずれの方法でも良い。
【0015】
第一処理工程あるいは第二処理工程の反応槽内の攪拌方法としては、オゾン気泡、あるいは攪拌翼による攪拌の他、反応槽の上下端、左右端または前後端を配管で結び、ポンプで循環させる方法も可能である。特に反応槽に紫外線ランプを複数本設置し、ランプ同士の間隔が広くなる場合には、処理の安定のため強い攪拌を行うことが有効である。
処理の安定化のため第一処理工程、第二処理工程それぞれに固有の反応槽を設け、それぞれの反応槽が複数の反応槽より構成されていても良い。この場合は、複数の反応槽を直列に連結する構成が水の流れがプラグフローとなり、処理効率がより効率的に行われる。
本発明による処理水を第一処理工程に循環することによって、処理水の水質を一層向上させることも可能である。この方法は、ダイオキシンを処理対象とした場合、特に第一処理工程では低塩素化物が酸化分解され、第二処理工程では脱塩素化反応により高塩素化物が低塩素化物に変化する処理法の組み合わせ、つまり第一処理工程でオゾン及び過酸化水素による処理を行い、第二処理工程で紫外線処理のみを行う場合に、第二処理工程で生成した低塩素化物が第一処理工程で分解されるので効果的である。
【0016】
本発明による処理水を脱酸化剤工程に導入し、後段の処理の安定性、処理水の安全性を高めることも可能である。また、第一処理工程と第二処理工程の間に脱酸化剤工程を設けて第一処理工程流出水中のオゾンを分解することで、第二処理工程で過酸化水素を注入する場合における過酸化水素流入配管中の過酸化水素の無効な分解を抑えることも可能である。
脱酸化剤工程は、曝気処理、触媒処理、活性炭処理、紫外線処理あるいはこれらの組み合わせを挙げることができる。触媒には二酸化マンガン、貴金属含有固体、金属含有固体、金属イオンなど、二酸化チタン含有固体などを使用することができる。
さらに本発明による処理水を活性炭処理することで処理水の水質を一層向上させることも可能である。
【0017】
本発明による処理方法を適用することができる原水は、汚水より生物学的に分解または分離可能な有機物を生物学的に除去する前、あるいは除去した後の水、汚水より物理化学的に分解または分離可能な有機物を物理化学的に除去する前、あるいは除去した後の水、汚水より物理化学的、生物学的に分解または分離可能な有機物を物理化学的、生物学的に除去する前、あるいは除去した後の水を用いることができる。
生物学的に除去する方法としては、活性汚泥処理、接触酸化処理、生物膜ろ過処理、嫌気処理などが挙げられ、物理化学的に除去する方法としては、沈殿分離処理、浮上分離処理、膜分離処理、ろ過処理、凝集沈殿処理、活性炭処理、電気透析などが挙げられる。
前記の水を逆浸透膜により濃縮した水も原水として用いることができる。逆浸透膜によって有機塩素化合物が濃縮された水を原水として使用する場合にはヒドロキシラジカル生成量あたりの有機塩素化合物除去量が多くなり、ヒドロキシラジカルがより有効に利用される。
【0018】
汚水より生物学的、また物理化学的に分解または分離可能な有機物が除去された水を原水とする場合には、これら有機物によるヒドロキシラジカルと有機塩素化合物の反応の阻害が少なくなり、生成したヒドロキシラジカルが有機塩素化合物の分解有効に利用される。
汚水より生物学的、また物理化学的に分解可能な有機物が除去される前の水を原水とする場合には、本発明による処理水を生物学的または物理化学的に分解する方法の原水として用いてもこれらの処理で生じる汚泥中に有機塩素化合物が含まれることがなく、汚泥も安全なものとなる。また、本発明による処理では、有機物の生物分解性、凝集分離性が良くなるので、生物処理、凝集沈殿処理の処理性能が向上する。
【0019】
本発明による処理条件は、処理対象原水の性状、例えば有機塩素化合物濃度、COD濃度などによって種々選定することができる。例えば、原水のCODMnが約30〔mg/リットル〕、総ダイオキシン量が100〜10000〔pg/リットル〕、TEQが5.0〜200〔pg/リットル〕の場合を以下に記載する。 第一処理工程におけるオゾン注入率は通常10〜100〔mg/リットル〕、好ましくは10〜50〔mg/リットル〕、過酸化水素注入率は3〜30、好ましくは3〜15〔mg/リットル〕の範囲から選定される。
第二処理工程における紫外線照射量は低圧水銀ランプを用いる場合は通常0.1〜4.0〔W・hr/リットル〕、好ましくは0.1〜2.0〔W・hr/リットル〕の範囲から選定される。紫外線が透過する水層の厚みは通常1〜5〔cm〕、好ましくは2〜4〔cm〕の範囲から選定される。オゾン注入率は通常10〜100〔mg/リットル〕、好ましくは10〜50〔mg/リットル〕、過酸化水素注入率は通常1〜30〔mg/リットル〕、好ましくは1〜15〔mg/リットル〕、オゾン注入率と過酸化水素注入率の比は3:1〜10:1の範囲から選定される。また、第一処理工程における反応時間は通常1〜30〔min〕、好ましくは2〜15〔min〕、第二処理工程における反応時間は通常1〜30〔min〕、好ましくは2〜15〔min〕である。
【0020】
【発明の実施の形態】
本発明の具体的構成の一例を図1に基づいて説明する。
図1は、オゾンガス5、およびオゾンガス5と過酸化水素6の反応により生じたヒドロキシラジカルにより原水1の紫外線透過率を向上させ、かつヒドロキシラジカルにより原水1に含まれる有機塩素化合物を酸化分解する第一処理工程3と、第一処理工程3により得られた紫外線透過率が高く有機塩素化合物濃度が減少した水に対して、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応及びオゾンガス5と紫外線の組み合わせによって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を行う第二処理工程4からなるものである。
一つの反応槽の下部において第一処理工程3を行い、前記反応槽の上部で第二処理工程4を行い、オゾンガス5を第一処理工程3に導入し、第一処理工程3から流出したオゾンガス5を第二処理工程4で利用する構成となっている。第一処理工程3では、紫外線透過率を向上させ、また活性種を生成させるための過酸化水素6及びオゾンガス5が各々槽の入口及び槽内に供給されている。第二処理工程4では、活性種を生成させるためのオゾンガス5が槽内に供給され、活性種の生成及び有機塩素化合物の脱塩素化反応に必要な紫外線ランプ7が槽内に設置されている。この場合、紫外線ランプ7は横向きに設置されている。
【0021】
このような構成とすることで、オゾンガス5を外部から導入する箇所を第一処理工程3のみとすることができ、反応槽の構造が簡略化される。また、第一処理工程3で利用されなかったオゾンガス5を第二処理工程4で有効利用することができ、廃オゾンガスを少なくすることができる。オゾンガス流入管の高さは、原水流入管の高さより低くなるように設置されているが、この様にすることで反応槽のデッドスペースを少なくすることができる。過酸化水素6の流入管は原水流入管に接続されているが、この様にすることで原水1中の有機塩素化合物と過酸化水素6を予め混合した状態で第一処理工程3に導入することができ、第一処理工程3でオゾンガス5と過酸化水素6が反応して生成したヒドロキシライカルと有機塩素化合物の反応効率が向上する。紫外線ランプ7は水及びオゾンガス5の流れの方向に対して紫外線ランプ7の長手方向が垂直になるように設置されているが、この様にすることで反応槽下部から浮上してきたオゾンガス5が紫外線ランプ7近傍を通過する確率をより高くすることができ、オゾンの利用率がより高くなり、廃オゾンガスがより減少する。また、有機塩素化合物が紫外線ランプ7近傍を通過する確率をより高くすることができ、脱塩素反応をより効率的に行うことができる。
また、第二処理工程4においては、外部から過酸化水素6の注入を行わなくても、第一処理工程流出水(第二処理工程流入水)中に過酸化水素6が残留するように第一処理工程3の過酸化水素注入率を制御することで、第二処理工程で紫外線、オゾンガス5、過酸化水素6による処理を行うことも可能である。
【0022】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図2に基づいて説明する。
図2は、オゾンガス5、およびオゾンガス5と過酸化水素6の反応により生じたヒドロキシラジカルにより原水1の紫外線透過率を向上させ、かつヒドロキシラジカルにより原水1に含まれる有機塩素化合物を酸化分解する第一処理工程3と、第一処理工程3により得られた紫外線透過率が高く、有機塩素化合物濃度が減少した水に対して、紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応及びオゾンガス5と紫外線と過酸化水素6のうちいずれか2つ以上の組み合わせによって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を行う第二処理工程4からなる構成のものである。
第一処理工程3では、原水1の紫外線透過率を向上させ、また活性種を生成させるための過酸化水素6及びオゾンガス5が各々槽の入口及び槽内に供給されている。
【0023】
第二処理工程4では、活性種を生成させるための過酸化水素6及びオゾンガス5が各々槽の入口及び槽内に供給され、活性種の生成及び有機塩素化合物の脱塩素化反応に必要な紫外線ランプ7が槽内に設置されている。
図1のような構成では、第二処理工程4に過酸化水素6を残留させようとする場合に第一処理工程3への過酸化水素6の注入量が多くなり、この結果、第一処理工程3で過酸化水素6と反応するオゾンガス5の量が多くなってしまい、第二処理工程4で消費させるオゾンガス量を制御することが困難となる。しかし、図2に示すような構成では、過酸化水素6の注入箇所が第一処理工程3及び第二処理工程4となっており、各工程に注入する過酸化水素6の注入量を自由に変化させることができる。これにより、オゾンガス5の注入箇所が第一処理工程3のみであっても第一処理工程3、第二処理工程4で消費させるオゾンガス量を制御することが可能となる。また、第一処理工程3、第二処理工程4で消費させる過酸化水素量を制御することも可能となる。
【0024】
次に汚水処理方法の参考例を図3に基づいて説明する。
図3は、オゾンガス5により原水1の紫外線透過率を向上させる第一処理工程3と第一処理工程3により得られた紫外線透過率が高い水に対して紫外線によるダイオキシンの脱塩素化反応及びオゾンガス5と紫外線の組み合わせによって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を行う第二処理工程4からなる構成のものである。
第一処理工程3では、原水1の紫外線透過率を向上させるためオゾンガス5が槽内に供給されている。
第二処理工程4では、活性種を生成させるためオゾンガス5が槽内に供給され、活性種の生成及び有機塩素化合物の脱塩素化反応に必要な紫外線ランプ7が槽内に設置されている。
【0025】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図4に基づいて説明する。
図4は、オゾンガス5により原水1の紫外線透過率を向上させる第一処理工程3と第一処理工程3により得られた紫外線透過率が高い水に対して紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応、及びオゾンガス5と紫外線と過酸化水素6のうちいずれか2つ以上の組み合わせによって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を行う第二処理工程4からなる構成のものである。第一処理工程3では、原水1の紫外線透過率を向上させるためオゾンガス5が槽内に供給されている。
第二処理工程4では、活性種を生成させるため過酸化水素6及びオゾンガス5が各々槽の入口及び槽内に供給され、活性種の生成及び有機塩素化合物の脱塩素化反応に必要な紫外線ランプ7が槽内に設置されている。
【0026】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図5に基づいて説明する。
図5は、一つの反応槽の上部において第一処理工程3を行い、前記反応槽の下部で第二処理工程4を行い、オゾンガス5を第二処理工程4に導入し、第二処理工程4から流出したオゾンガス5を第一処理工程3に導入する構成となっている。このような構成とすることで、注入されたオゾンガス5を有機塩素化合物の分解に優先的に使用することができ、第二処理工程4で消費されるオゾン量が確実に確保される。また、第二処理工程4で有機塩素化合物の分解に利用されなかったオゾンガス5を第一処理工程3で有効利用することができる。また、第二処理工程4におけるオゾンガス濃度が高いため、オゾンガス5と紫外線、オゾンガス5と過酸化水素6の反応が早く進み、第二処理工程4の反応容積を小さくすることが可能になる。
次に本発明の具体的構成の別の一例を図6に基づいて説明する。
図6は、過酸化水素6を複数箇所から反応槽に直接注入する構成となっている。このような構成とすることで、過酸化水素6を少量ずつ広い範囲にわたって注入することができ、反応速度のばらつきを解消することができる。また、これにより過酸化水素6を有効利用することができる。
【0027】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図7に基づいて説明する。
図7は、第一処理工程3を行う反応槽に隣接して第二処理工程4を行う反応槽を設置し、オゾンガス5及び過酸化水素6を第一処理工程3及び第二処理工程4にそれぞれ導入し、第一処理工程流出水を底部より第二処理工程4に導入する構成となっている。このような構成とすることで、反応槽の高さを抑えることができ、高さの制限されるスペースにおける処理が可能となる。第一処理工程流出水を第二処理工程4に導入する高さは、オゾンガス5を導入する部分より低くすることが望ましい。このような構成とすることで、第一処理工程3に導入されたオゾンガス5が第一処理工程流出水と共に第二処理工程4に導入されることを防ぐことができる。
次に本発明の具体的構成の別の一例を図8に基づいて説明する。
図8は、第一処理工程3を行う反応槽に隣接して第二処理工程4を行う反応槽を設置する場合において、オゾンガス5を第一処理工程3に導入し、第一処理工程3から流出したオゾンガス5を第二処理工程4に導入する構成としたものである。このような構成とすることで、第一処理工程3から流出したオゾンガス5を第二処理工程4で有効利用することができる。
【0028】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図9に基づいて説明する。
図9は、第一処理工程3を行う反応槽に隣接して第二処理工程4を行う反応槽を設置する場合において、オゾンガス5を第一処理工程3に導入し、第一処理工程3及び第二処理工程4から流出したオゾンガス5を第二処理工程4に導入し、第一処理工程流出水を上部より第二処理工程4に導入する構成となっている。このような構成とすることで、第一処理工程3の底部では、高濃度のオゾンガス5、高濃度の過酸化水素6を反応させることができ、反応速度を向上させることができる。また、反応槽の高さが制限されている場合においても、オゾンガス5の吸収効率を高くすることができる。
次に本発明の具体的構成の別の一例を図10に基づいて説明する。
図10は、一つの反応槽の下部において第一処理工程3を行い、前記反応槽の上部で第二処理工程4を行い、オゾンガス5を第一処理工程3に導入し、第一処理工程3から流出したオゾンガス5を第二処理工程4で利用する構成となっているもののうち、第二処理工程流出水を少なくとも一部を第一処理工程3に導入し、水を循環させる構成のものである。このような構成とすることで水の攪拌が促進され、第二処理工程4における紫外線と有機塩素化合物との接触がより向上する。また、第二処理工程4の脱塩素化反応によって生成した低塩素化物を第一処理工程3でも分解することが可能になる。
【0029】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図11に基づいて説明する。
図11は、第一処理工程3を行う反応槽に隣接して第二処理工程4を行う反応槽を設置し、オゾンガス5を第一処理工程3に導入し、第一処理工程3から流出したオゾンガス5を第二処理工程4に導入する構成とし、第二処理工程流出水の少なくとも一部を第二処理工程流入部に返送する構成のものである。このような構成とすることで第一処理工程3のオゾン吸収の効率に悪影響を与えることなく第二処理工程4における紫外線と有機塩素化合物との接触効率を向上させることが可能になる。
次に本発明の具体的構成の別の一例を図12に基づいて説明する。
図12は、一つの反応槽の下部において第一処理工程3を行い、前記反応槽の上部で第二処理工程4を行い、オゾンガス5及び過酸化水素6を第一処理工程3及び第二処理工程4に導入する構成となっている。このような構成とすることにより、オゾンガス5及び過酸化水素6の注入条件を第一処理工程3及び第二処理工程4それぞれに対して最適とすることが可能となる。また、オゾンガス5の曝気量は第一処理工程3より第二処理工程4が多くなり、第二処理工程4における紫外線と有機塩素化合物との接触効率を高くすることができる。
【0030】
次に本発明の具体的構成の別の一例を図13に基づいて説明する。
図13は、第一処理工程3及び第二処理工程4それぞれが複数の反応槽により構成されており、直列に接続されている。このような構成とすることによりプラグフロー的な流れが得られ、処理水2の水質を一層向上させることが可能になる。
次に本発明の具体的構成の別の一例を図14に基づいて説明する。
図14は、第一処理工程3はイジェクター式の反応槽になっており、原水1、過酸化水素6、オゾンガス5が混合され、第一処理工程3を流出した水及びオゾンガス5は第二処理工程4に導入される構成となっている。第二処理工程流出水の一部はイジェクター9に導入されているが、これはイジェクター9の特性上水の流速が必要なためである。第一処理工程3の反応槽がイジェクター式であるので気液の混合効率が格段に良く、反応時間が短く反応槽がコンパクトとなり、省スペース化が可能となる。
【0031】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0032】
実施例1
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図1に示すフローに従って処理した。
Figure 0003573322
以上のような条件で処理した結果を第1表に示す。第1表において、「TEQ」は、2,3,7,8−TCDD毒性等価換算濃度を示す。第一処理工程流出水の紫外線透過率は2.48倍高くなった。
【0033】
【表1】
Figure 0003573322
【0034】
比較例1
前記実施例1で用いた原水を下記条件で図15に示すフローに従って処理した。
処理条件
・オゾン注入率 :100〔mg/リットル〕
・過酸化水素注入率: 10〔mg/リットル〕
・滞留時間 : 5〔min〕
・紫外線照射量 :0.5〔W・hr/リットル〕
・紫外線波長 :254nm、 185nm
・原水流量 :1.0〔リットル/min〕
以上のような条件で処理した結果を第2表に示す。
【0035】
【表2】
Figure 0003573322
【0036】
比較例2
前記実施例1で用いた原水を下記条件で図16に示すフローに従って処理した。
処理条件
・オゾン注入率 :150〔mg/リットル〕
・滞留時間 : 10〔min〕
・紫外線照射量 :0.5〔W・hr/リットル〕
・紫外線波長 :254nm、 185nm
・原水流量 :1.0〔リットル/min〕
以上のような条件で処理した結果を第3表に示す。
【0037】
【表3】
Figure 0003573322
【0038】
ここで、第1表〜第3表により、本発明による処理方法ではダイオキシン及びTEQの除去量が最も大きく、酸化剤注入率あたりのダイオキシン及びTEQの除去量も多いことがわかる。この結果より、2段階に分けた本発明においてはダイオキシンの除去が効率的に行われることが認められた。
【0039】
実施例2
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図2に示すフローに従って処理した。
Figure 0003573322
以上のような条件で処理した結果を第4表に示す。第一処理工程流出水の紫外線透過率は2.42倍高くなった。
【0040】
【表4】
Figure 0003573322
【0041】
ここで、第1表と第4表より、第二処理工程で紫外線、オゾン及び過酸化水素を同時に作用させることで、紫外線及びオゾンを同時に作用させる場合よりも高いダイオキシン処理性能が得られることが確認された。
【0042】
参考例1
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図3に示すフローに従って処理した。
Figure 0003573322
以上のような条件で処理した結果を第5表に示す。
【0043】
【表5】
Figure 0003573322
【0044】
ここで、第2表と第5表より、第一処理工程でオゾンによる処理を行う場合においても、参考例1による処理方法の方がダイオキシン処理性能が高いことが確認された。
【0045】
実施例
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図4に示すフローに従って処理した。
Figure 0003573322
以上のような条件で処理した結果を第6表に示す。第一処理工程流出水の紫外線透過率は2.27倍高くなった。
【0046】
【表6】
Figure 0003573322
【0047】
ここで、第3表と第6表より、第一処理工程でオゾンによる処理を行う場合においても、本発明による処理方法の方がダイオキシン処理性能が高いことが確認された。
【0048】
実施例
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図7に示すフローに従って処理した。
Figure 0003573322
以上のような条件で処理した結果を第7表に示す。第一処理工程流出水の紫外線透過率は2.12倍高くなった。
【0049】
【表7】
Figure 0003573322
【0050】
比較例3
前記実施例5で用いた原水を下記条件で図15に示すフローに従って処理した。
処理条件
・滞留時間 : 5〔min〕
・紫外線照射量 :0.5〔W・hr/リットル〕
・紫外線波長 :254nm、 185nm
・オゾン注入率 : 0〔mg/リットル〕
・過酸化水素注入率: 0〔mg/リットル〕
・原水流量 :1.0〔リットル/min〕
以上のような条件で処理した結果を第8表に示す。
【0051】
【表8】
Figure 0003573322
【0052】
ここで、第7表と第8表より、第二処理工程で紫外線処理を行った場合においても、本発明による処理方法ではダイオキシン及びTEQの除去量が多く、オゾン処理による第一処理工程を設けたことによってダイオキシンの除去が効率的に行われることが認められた。
【0053】
実施例
CODMnが約30〔mg/リットル〕のゴミ埋め立て地浸出水に総ダイオキシン量が1000〔pg/リットル〕、TEQが11〔pg/リットル〕となるようにダイオキシンを添加したものを原水とし、下記条件で図7に示すフローに従って処理した。
第一処理工程
・オゾン注入率 : 30〔mg/リットル〕
・過酸化水素注入率: 0〔mg/リットル〕
・滞留時間 : 5〔min〕
第二処理工程
・紫外線照射量 :0.5〔W・hr/リットル〕
・紫外線波長 :254nm、 185nm
・オゾン注入率 : 0〔mg/リットル〕
・過酸化水素注入率: 20〔mg/リットル〕
・滞留時間 : 5〔min〕
・原水流量 :1.0〔リットル/min〕
以上のような条件で処理した結果を第9表に示す。第一処理工程流出水の紫外線透過率は2.12倍高くなった。
【0054】
【表9】
Figure 0003573322
【0055】
比較例4
前記実施例6で用いた原水を下記条件で図15に示すフローに従って処理した。
処理条件
・滞留時間 : 5〔min〕
・紫外線照射量 :0.5〔W・hr/リットル〕
・紫外線波長 :254nm、 185nm
・オゾン注入率 : 0〔mg/リットル〕
・過酸化水素注入率: 20〔mg/リットル〕
・原水流量 :1.0〔リットル/min〕
以上のような条件で処理した結果を第10表に示す。
【0056】
【表10】
Figure 0003573322
【0057】
ここで、第9表と第10表より、第二処理工程で紫外線と過酸化水素を併用した場合においても、本発明による処理方法ではダイオキシン及びTEQの除去量が多く、オゾン処理による第一処理工程を設けたことによってダイオキシンの除去が効率的に行われることが認められた。
【0058】
【発明の効果】
本発明による有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法及び装置を用いることにより、汚水中の有機塩素化合物が低コストかつ高度に処理される。
つまり、第一処理工程ではオゾンと原水中の有機物の反応によって原水の紫外線透過率を向上させることができる。過酸化水素を添加する場合にはオゾンと過酸化水素の反応によって生成したヒドロキシラジカルと原水中の有機物の反応によって原水の紫外線透過率が更に向上し、またヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応を進行させることも可能となる。
【0059】
次に、第二処理工程では紫外線による有機塩素化合物の脱塩素化反応、及びオゾン、過酸化水素、紫外線のうちいずれか2つ以上の組み合わせの反応によって生成したヒドロキシラジカルによる有機塩素化合物の酸化分解反応が行われるが、第一処理工程によって原水の紫外線透過率が高くなっていることからヒドロキシラジカル発生効率及び脱塩素化反応の効率が飛躍的に高まる。よって、紫外線照射量あたりに生じる脱塩素化反応、ヒドロキシラジカル生成反応が増大し、紫外線照射量を低減させることができる。
また、第一処理工程で過酸化水素を添加する場合では、第二処理工程流入水中の有機塩素化合物濃度が低くなっているため第二処理工程にかかる有機塩素化合物負担が軽減され、紫外線照射量を更に低減させることができる。
これにより、本発明による有機塩素化合物を含有する汚水の処理方法では紫外線ランプから発せられた紫外線を効率的に利用することが可能であり、従来法では処理コストが高額となる原水に対しても低コストで処理することが可能となり、世の中に貢献すること極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の汚水の処理方法の実施形態を示すフロー図
【図2】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図3】汚水の処理方法の参考例の形態を示すフロー図
【図4】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図5】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図6】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図7】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図8】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図9】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図10】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図11】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図12】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図13】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図14】本発明の汚水の処理方法の別の実施形態を示すフロー図
【図15】汚水の処理方法の比較例の実施形態を示すフロー図
【図16】汚水の処理方法の比較例の別の実施形態を示すフロー図
【符号の説明】
1 原水
2 処理水
3 第一処理工程
4 第二処理工程
5 オゾンガス
6 過酸化水素
7 紫外線ランプ
8 ポンプ
9 イジェクター

Claims (10)

  1. ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する方法において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水にオゾン含有気体を流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上となるオゾンの量を作用させる第一処理工程により、紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上である第一処理工程流出水を得るとともに、次いで該流出水を第二処理工程に供し、(C)紫外線照射及び過酸化水素添加、又は(D)紫外線照射、オゾン含有気体添加及び過酸化水素添加を行なうことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
  2. ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する方法において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水にオゾン含有気体及び過酸化水素を、流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率より高めるオゾン量及び過酸化水素量を作用させる第一処理工程により、紫外線透過率が高くなった第一処理工程流出水を得るとともに、次いで(C)紫外線照射及び過酸化水素添加、又は(D)紫外線照射、オゾン含有気体添加及び過酸化水素添加を行なうことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
  3. オゾン含有気体を第一処理工程に導入し、第一処理工程から取出したオゾン含有気体を第二処理工程に添加し処理することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
  4. オゾン含有気体を第二処理工程に導入し、第二処理工程から取出したオゾン含有気体を第一処理工程に添加し処理することを特徴とする請求項1又は請求項2記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
  5. 第二処理工程流出水の一部を第二処理工程又は第一処理工程の流入部に循環させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載のダイオキシンを含有する汚水の処理方法。
  6. ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する装置において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水を導入する導入部、オゾン含有気体の導入手段及び流出水の紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上となるオゾンの量を供給するオゾン含有気体の供給量の制御手段を有し、オゾン含有気体による作用で紫外線透過率が汚水の紫外線透過率の2.1倍以上である第一処理工程流出水を得る第一処理部を設けるとともに、第一処理部流出水を導入する導入部、並びに(C)紫外線照射手段及び過酸化水素添加手段、又は(D)紫外線照射手段、オゾン含有気体添加手段及び過酸化水素添加手段を有する第二処理部を設けたことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
  7. ダイオキシンを含有する汚水を物理化学的に処理する装置において、紫外線透過率が波長254nmで0.1〜35%であるダイオキシンを含有する汚水を導入する導入部、オゾン含有気体の導入手段及び過酸化水素の添加手段、並びに流出水の紫外線透過率を汚水の紫外線透過率より高めるオゾン量及び過酸化水素量を供給するオゾン含有気体及び過酸化水素の供給量の制御手段を有し、オゾン含有気体及び過酸化水素による作用で紫外線透過率が高くなった第一処理工程流出水を得る第一処理部を設けるとともに、第一処理部流出水を導入する導入部、並びに(C)紫外線照射手段及び過酸化水素添加手段、又は(D)紫外線照射手段、オゾン含有気体添加手段及び過酸化水素添加手段を有する第二処理部を設けたことを特徴とするダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
  8. 前記第一処理部が反応槽の下部に、前記第二処理部が反応槽の上部に設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
  9. 前記第一処理部が反応槽の上部に、前記第二処理部が反応槽の下部に設けられていることを特徴とする請求項6又は請求項7記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
  10. 第二処理部流出水の一部を第二処理部又は第一処理部の流入部に循環させる循環手段を設けたことを特徴とする請求項6〜9のいずれか1項記載のダイオキシンを含有する汚水の処理装置。
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