JPWO2016181786A1 - 光センサ装置、光センサ装置を含む電子機器及び赤外線吸収性組成物、並びに赤外線カットフィルタ層の作製方法 - Google Patents

光センサ装置、光センサ装置を含む電子機器及び赤外線吸収性組成物、並びに赤外線カットフィルタ層の作製方法 Download PDF

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Abstract

外光の入射角依存性が低減された光センサ装置、当該光センサ装置を含む電子機器を提供することを目的の一つとする。可視光線波長帯域から赤外線波長帯域にかけて分光感度を有する受光素子と、受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長帯域の光を遮断して可視光線波長帯域の光を透過させる赤外線カットフィルタ層とを含むことを特徴とする光センサ装置が提供される。赤外線カットフィルタ層は赤外線遮蔽材、バインダー樹脂、重合性化合物を含む組成物を、受光素子の受光面上に塗布して形成されたものであることが好ましい。

Description

本発明の一実施形態は、光センサ装置及び光センサ装置を含む電子機器に関する。本発明の一実施形態は、光センサ装置に用いられる赤外線吸収性組成物に関する。また、本発明の一実施形態は、赤外線カットフィルタ層の作製方法に関する。
スマートフォンと呼ばれる高機能携帯電話、タブレット型の端末装置に設けられる表示パネルは、情報を視覚化して表示する表示装置としての機能と、タッチパッドのような入力装置としての機能を兼ね備えている。これらの電子機器は、表示パネルの明るさ制御や動作を制御するために、光センサ装置が搭載されているものが多い。
光センサ装置は入射光量に応じた信号を出力する特性を有している。電子機器は、光センサ装置の特性を利用して、照度センサとして、あるいは近接センサやカラーセンサとして光センサ装置を機能させている。例えば、照度センサとしては、電子機器が置かれている空間の明るさを検知して、画面の明るさを制御するために用いられている。電子機器は、光センサ装置によって画面の明るさを制御することで、視認性の向上や消費電力の削減を図っている。また、近接センサとしては、電子機器の本体とそれに近接する物体の距離を検知することで、機器の誤動作を防止するのに用いられている。例えば、電子機器は、利用者が通話をする際に、表示パネルが頭部に近接したときに、表示パネルを消灯し、タッチパネルが誤動作をしないように、近接センサを用いて動作を制御している。更に、カラーセンサとしては、工場での良品・不良品の判定や洗浄後の汚れ度合いの検査等に利用するための簡易色検出用として、あるいは携帯電話等の電子機器の色補正、液晶ディスプレイの色監視、可視光通信、野菜や果物の成熟度判定等に用いられる。このように、光センサ装置は電子機器において重要な機能を果たしている。
光センサ装置の利用形態として、例えば、基板に実装された発光素子と同一面に実装され、受光面に光学フィルタが設けられた照度検知用の受光素子及び距離検知用受光素子を有する近接照度センサが開示されている(特許文献1)。この近接照度センサ装置は、照度検知用の受光素子をモールドする透光性樹脂の上面に、金属多層膜でなる赤外線カットフィルタが設けられている。
特開2011−060788号公報
スマートフォン等の電子機器は、薄型化により当該機器に内蔵される光センサ装置も低背化がされ、赤外線カットフィルタと光センサ装置との間隔が小さくなっている。その影響で光センサ装置にはより広い角度からの光が入射する。
ところで、光学多層膜による光学フィルタは、光の入射角度の増加に伴い、光学多層膜の分光波形が紫外域側にシフトする傾向がある。例えば、赤外線カットフィルタのカットオフ波長帯域がずれることにより、照度センサの出力に影響を与え、正確な照度を検知できないことが問題となる。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、外光の入射角依存性が低減された光センサ装置、当該光センサ装置を含む電子機器を提供することを目的の一つとする。また、本発明は、光センサ装置に用いることのできる赤外線吸収性組成物を提供することを目的の一つとする。
本発明の一実施形態によれば、可視光線波長帯域から赤外線波長帯域にかけて分光感度を有する受光素子と、受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長帯域の光を遮断して可視光線波長帯域の光を透過させる赤外線カットフィルタ層と、を含む光センサ装置が提供される。
本発明の一実施形態によれば、可視光線波長帯域から赤外線波長帯域にかけて分光感度を有する第1受光素子及び第2受光素子と、第1受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長帯域の光を遮断して可視光線波長帯域の光を透過させる赤外線カットフィルタ層と、第2受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長領域に透過帯域を有する赤外線パスフィルタ層と、を含む光センサ装置が提供される。
本発明の一実施形態において、受光素子の受光面を被覆する硬化膜が設けられていてもよく、赤外線カットフィルタ層は硬化膜に接して設けられていてもよい。
本発明の一実施形態において、光センサ装置が、照度センサ、近接センサ又はカラーセンサであってもよい。
本発明の一実施形態において、受光素子の受光面上にカラーフィルタ層が設けられ、赤外線カットフィルタ層はカラーフィルタ層に接して設けられていてもよい。
本発明の一実施形態において、赤外線カットフィルタ層は、膜厚が0.1〜50μmであってもよい。赤外線カットフィルタ層は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材を含み、且つ赤外線遮蔽材の割合が、全固形分質量に対して0.1〜80質量%であってもよい。赤外線カットフィルタ層は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む赤外線吸収性組成物を用いて形成されたものであってもよい。
本発明の一実施形態において、バインダー樹脂はアクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびポリシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種であってもよい。赤外線遮蔽材は、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、金属酸化物、金属ホウ化物、貴金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物であってもよい。
本発明の一実施形態によれば、光センサ装置を有する電子機器が提供される。
本発明の一実施形態によれば、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む、光センサ装置に用いることのできる、赤外線カットフィルタ層の形成に用いられる赤外線吸収性組成物が提供される。
本発明の一実施形態によれば、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む赤外線吸収性組成物によって塗膜を形成する工程、塗膜の一部に放射線を照射する工程、放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び現像された塗膜を加熱する工程を含む赤外線カットフィルタ層の作製方法が提供される。
なお、本発明において電子機器には、映像・音声を含む各種情報をデジタル処理又はアナルグ処理をする機能を有する機器であって、電子工学に属する技術を応用した電気製品が含まれるものとする。
本発明によれば、受光素子の受光面上に赤外線カットフィルタ層を積層させることにより、外光の入射角依存性が低減された光センサ装置を得ることができる。
本発明の一実施形態に係る光センサ装置の平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサ装置の断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサモジュールの平面図を示す。 本発明の一実施形態に係る光センサモジュールの断面図を示す。 本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を示す上面図である。 本発明の一実施形態に係る電子機器の一例を示す正面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面等を参照しながら説明する。但し、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に例示する実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。図面は説明をより明確にするため、実際の態様に比べ、各部の幅、厚さ、形状等について模式的に表される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。また、本明細書と各図において、既出の図に関して前述したものと同様の要素には、同一の符号を付して詳細な説明を適宜省略することがある。
本明細書において、ある部材又は領域が他の部材又は領域の「上に(又は下に)」あるとする場合、特段の限定がない限りこれは他の部材又は領域の直上(又は直下)にある場合のみでなく他の部材又は領域の上方(又は下方)にある場合を含み、すなわち、他の部材又は領域の上方(又は下方)において間に別の構成要素が含まれている場合も含む。
[光センサ装置の構成1]
図1A及び図1Bは、本発明の一実施形態に係る光センサ装置100aを示す。図1Aは光センサ装置の平面概略図を示し、図1Bは平面概略図に示されるA−B線に対応する断面構造を示す。
光センサ装置100aは、受光素子102及び赤外線カットフィルタ層118を含む。受光素子102は受光部に光が入射すると光起電力効果により電流や電圧を発生する。赤外線カットフィルタ層118は、受光素子102の受光面上に設けられている。
受光素子102は、光電変換層と、光電変換層から電流、電圧を取り出す電極によって構成されている。受光素子102の光電変換層には半導体材料が用いられる。半導体材料としては、シリコン又はゲルマニウムなどの典型的な半導体材料、GaP、GaAsP、CdS、CdTe、CuInSe2などの化合物半導体材料が用いられる。受光素子102は、これらの半導体材料を用いて、ダイオード型の素子構造(フォトダイオード)又は光導電型の素子構造(フォトレジスタ、光依存性抵抗、光導電体、フォトセルとも呼ばれる)の素子構造を有している。
図1Bは、受光素子102がフォトダイオード型である場合の一例を示す。受光素子102は、第1電極104、光電変換層106、第2電極112を有している。光電変換層106は、一導電型の半導体で構成される基体に、一導電型とは反対の導電型の不純物が添加された領域が設けられている。図1Bは、n型半導体領域110に、p型半導体領域108が設けられている態様を例示する。このうち、受光素子102の受光面側にp型半導体領域108が配置されている。受光素子102は光電変換層106にpn接合を含むことにより、光入射によって起電力が生じ、電圧又は電流が発生する。なお、n型半導体領域とp型半導体領域との関係は図1Bに示すものと逆の関係であってもよく、p型半導体領域の受光面側にn型半導体領域が設けられていてもよい。また、フォトダイオード型の素子構造において、半導体接合はpn接合に限定されず、pin接合を有していてもよい。また、受光素子102はフォトダイオード型、光導電型に限定されず、フォトトランジスタ型のように3端子素子であってもよい。
図1A及び図1Bで示す受光素子102において、第1電極104は、受光面を遮らないように、p型半導体領域108の一端と接触している。第2電極112は、光電変換層106の裏面側(受光面とは反対側)で、n型半導体領域110と接触している。受光素子102は、光電変換層106を保護するため、受光面側の略全面に絶縁層114が設けられている。受光素子102の受光面側に設けられる絶縁層114は、保護膜としての機能と、反射防止膜としての機能を兼ね備えている。なお、絶縁層114は、酸化シリコン、窒化シリコンなどによって形成される。絶縁層114の厚さは、100nm〜1000nmの厚さを有していればよい。
受光素子102は、可視光線帯域から赤外線帯域の光に対して感度を有する。例えば、光電変換層106としてシリコン半導体を用いた場合、バンドギャップエネルギーは1.12eVであるので、原理的には光の波長で1100nmより短い波長の光を吸収し得る。受光素子102は、広い波長範囲の光に対して感度を有するという利点を有する一方、特定の波長又は特定の波長帯域の光を検知することはできない。
本実施形態に係る光センサ装置100aは、赤外線カットフィルタ層118が受光素子102の受光面上に近接して配置されている。赤外線カットフィルタ層118は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材を含む。赤外線カットフィルタ層118は、赤外線遮蔽材を含む組成物を、受光素子102の受光面上に塗布し硬化することによって形成される。このような赤外線カットフィルタ層118は膜状であり、厚さは通常0.1〜50μmである。赤外線カットフィルタ層の厚さは、赤外線遮蔽材を含む組成物の粘度や塗布条件を変えることにより制御することができ、0.1〜15μm、更に0.2〜3μm、更には0.3〜2μm、更に0.5〜1.5μmの厚さであっても、赤外線波長帯域の光を十分に遮断することができ、光センサ装置100aの薄型化が可能となる。
赤外線カットフィルタ層118は、受光面においてp型不純物領域を覆うように設けられている。赤外線カットフィルタ層118の作用により、p型半導体領域108に入射する光は赤外線波長帯域、時に近赤外線波長帯域(800nm〜2500nm)の光が受光素子102に入射されなくなる。それにより、受光素子102は可視光線帯域の光にのみ反応できるようになり、人間の視感度に対応した外光強度を検知対象とすることができる。
本実施形態において、赤外線カットフィルタ層118は、絶縁層114に接して配置することができる。すなわち、受光素子102の受光面であるp型半導体領域108に近接して配置することができる。また、赤外線カットフィルタ層118が膜状であることにより、光センサ装置100aの薄型化が可能となる。赤外線カットフィルタ層118が受光素子102の受光面に近接して配置されることにより、斜め入射光に対しても光路長の変化が抑制され、入射光スペクトルの短波長側へのシフトが軽減される。それにより、広角で入射する外光に対しても、正確な照度を検知することができる。
なお、本実施形態に係る光センサ装置100aにおいて、赤外線カットフィルタ層118と受光素子102との間に、他の透光性の層が介在していてもよい。図2Aは、赤外線カットフィルタ層118と受光素子102との間に硬化膜120が設けられた態様を示す。硬化膜120は、受光素子102の受光面上に直接設けられていてもよいし、絶縁層114を介して設けられていてもよい。硬化膜120は有機膜である。有機膜は平坦化膜形成用硬化性組成物を用いて形成されることが好ましい。それにより、受光素子102上に硬化膜120を設けることにより、赤外線カットフィルタ層118を形成する下地面を平坦化することが可能となる。
硬化膜120上に設けられる赤外線カットフィルタ層118は、下地面が平坦であることにより、表面も平坦化される。赤外線カットフィルタ層118の上面及び下面に段差や凹凸がないことにより、表面及び下面で入射光が散乱することを防ぐことができる。硬化膜120は、赤外線カットフィルタ層118の下地側に設けられることにより、光センサ装置100aの出力特性に対し、入射光の角度依存性を低減するように作用する。また、赤外線カットフィルタ層118は、下地面の段差の影響を受けないので、薄膜化を図ることができる。
図2Bは、カラーフィルタ層122が設けられた光センサ装置100aの一態様を示す。光センサ装置100aにおいて、カラーフィルタ層122は、受光素子102と赤外線カットフィルタ層118との間に設けられている。カラーフィルタ層122は可視光線帯域において、特定の波長帯域の光を透過するバンドパスフィルタとしての機能を有している。カラーフィルタ層122は、バインダー樹脂及び硬化剤等の樹脂材料に、特定の波長帯域に吸収を有する色素(顔料や染料)を加えて形成される。樹脂材料に含有させる色素は一種類又は複数種類を組み合わせて用いられる。
カラーフィルタ層122は、例えば、光の三原色である赤色光(概ね波長610〜780nm)、緑色光(概ね波長500〜570nm)、青色光(概ね波長430〜460nm)に対応するものを適宜選択して設けることができる。光センサ装置100aは、カラーフィルタ層122が設けられることにより、特定の波長帯域の光強度を検知するのに利用することができる。
本実施形態に係る光センサ装置100aは、図3Aに示すように、カラーフィルタ層122と、赤外線カットフィルタ層118との間には硬化膜120が設けられていてもよい。硬化膜120は、カラーフィルタ層122による表面の凹凸を緩和する、平坦化膜として用いられる。硬化膜120により、赤外線カットフィルタ層118を、下地面の段差や凹凸の影響を受けず、平坦な層として設けることができる。また、図3Bで示すように、赤外線カットフィルタ層118の上面にさらに第2硬化膜121を設けてもよい。第2硬化膜121により赤外線カットフィルタ層118を保護することができる。
図4A及び図4Bは、光センサ装置100aに、封止材130及びリード端子126a、126bが付加された態様を示す。なお、図4Aは光センサ装置100aの平面図を示し、図4Bは、C−D線に対応する断面構造を示す。
受光素子102及び赤外線カットフィルタ層118は、透光性の封止材130に封入されている。受光素子102はフレーム124に載置されている。フレーム124の裏面側(受光素子102とは反対側)には端子126a、126bが設けられている。一対の端子126a、126bは、一方が第1電極104と電気的に接続され、他方が第2電極112と電気的に接続される。図4A及び図4Bでは、第1電極104と一方の端子126aがボンディングワイヤ128で接続される態様を示す。
封止材130には、透光性の樹脂材料が用いられる。樹脂材料としては、例えば、エポキシ樹脂などが用いられる。封止材130は、受光素子102と赤外線カットフィルタ層118の双方を封止している。このように、本実施形態によれば、受光素子102の受光面上に、赤外線カットフィルタ層118を膜状に設けることにより、双方の部材を封止材130の内部に設けることが可能となる。本実施形態に係る光センサ装置100aは、赤外線カットフィルタを別部材として封止材の外側に設ける場合に比べ、赤外線カットフィルタ層118を受光素子102に近接して設けることができる。本実施形態に係る光センサ装置100aは、斜め方向から入射する光に対しても、入射光スペクトルの変化が抑制され、明るさを正確に検知できる。
[光センサ装置の構成2]
図5A及び図5Bは、複数の受光素子を有する光センサ装置100bの一例を示す。図5Aは平面図を示し、図5Bは、E−F線に沿った断面構造を示す。
光センサ装置100は、第1受光素子102と第2受光素子103が設けられている。第1受光素子102の受光面には赤外線カットフィルタ層118が設けられている。一方、第2受光素子103の受光面には赤外線パスフィルタ層132が設けられている。第1受光素子102及び赤外線カットフィルタ層118は、図1A及び図1Bと同じ構造を有している。また、第2受光素子103は、第1受光素子102と同様の構成を有している。
図5Bに示すように、第1受光素子102と、第2受光素子103は素子分離絶縁層116で分離されている。第1受光素子102は、光電変換層106、第1電極104、第2電極112によって構成されている。第1電極104はp型半導体領域108と接触し、第2電極112はn型半導体領域110と接触している。第2受光素子103は、第1電極105、光電変換層106、第2電極112によって構成されている。第1電極105はp型半導体領域109と接触し、第2電極112はn型半導体領域110と接触している。第1受光素子102と、第2受光素子103は第2電極112を共通にしている。
第2受光素子102の受光面に近接して設けられる赤外線パスフィルタ層132は、近赤外線波長領域の光を透過するパスフィルタである。赤外線パスフィルタ層132は、バインダー樹脂や重合性化合物等に可視光線波長領域の波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を加えて形成される。赤外線パスフィルタ層132は、概略700nm未満、好ましくは750nm未満、より好ましくは800nm未満の光を吸収(カット)し、波長700nm以上、好ましくは750nm以上、より好ましくは800nm以上の光を透過する分光透過特性を有している。このような赤外線パスフィルタ層132は、バインダー樹脂、重合性化合物、可視光線波長領域の波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を含む組成物を第2受光素子103上に塗布し、硬化することで作製することができる。
本実施形態によれば、赤外線カットフィルタ層118及び赤外線パスフィルタ層132を、組成物を塗布する工程により作製することで、光センサ装置100に2つの受光素子を集積化することが可能となる。図5A及び図5Bで示すように、可視光線帯域の光を検知する第1受光素子102と赤外線波長帯域の光を検知する第2受光素子103を隣接して配置した場合でも、赤外線カットフィルタ層118が第1受光素子102に近接して配置されることで、赤外光が入射するのを防ぐことができる。同様に、赤外線パスフィルタ層132が第2受光素子103に近接して設けられることで、可視光が入射するのを防ぐことができる。
図6A及び図6Bは、光センサ装置100cの一例を示す。光センサ装置100cは、第1受光素子102a〜102cと、カラーフィルタ層122a〜122c、赤外線カットフィルタ層118、第2受光素子103、赤外線パスフィルタ層132を含んでいる。図6Aは光センサ装置100cの平面図を示し、図6BはG−H線に沿った断面図を示す。
第1受光素子102aの受光面上には赤色光帯域の光を透過するカラーフィルタ層122aが設けられ、第1受光素子102bの受光面上には緑色光帯域の光を透過するカラーフィルタ層122bが設けられ、第1受光素子102cの受光面上には青色光帯域の光を透過するカラーフィルタ層122cが設けられている。さらに、カラーフィルタ層122a〜122c上には、赤外線カットフィルタ層118が設けられている。これら第1受光素子102a〜102cの構成は、相互に素子分離絶縁層116で絶縁されていることを除き、図3A及び図3Bで示すものと同様の構成を備えている。
第1受光素子102a〜102cは、カラーフィルタ層122a〜122c及び赤外線カットフィルタ層118と一体となることにより、カラーセンサとして用いることが可能となる。カラーセンサは、周囲光を複数の波長帯域の光に分光して検知するこができるだけでなく、従来のカラーセンサでは赤外線の影響を受けて正確に検知ができなくなっていた暗い(透過率の低い)光学窓にも適用できるようになる。
第2受光素子103の受光面には、赤外線パスフィルタ層132が設けられている。図6A及び図6Bで示すように、第1受光素子102a〜102cの受光面に近接して赤外線カットフィルタ層118を設け、これらに隣接して第2受光素子103の受光面上に赤外線パスフィルタ層132を設けている。このように、本実施形態によれば、可視光線帯域の光を検知する第1受光素子102a〜102cと、赤外光線帯域の光を検知する第2受光素子103と、を近接して配置することができる。
図7A及び図7Bは、光センサ装置100bと、発光ダイオード134、および駆動回路138を備えた光センサモジュール101の一例を示す。なお、図7Aは光センサモジュール101の平面図を示し、図7BはI−J線に沿った断面構造を示す。
光センサモジュール101は、光センサ装置100bにおいて、第1受光素子102が周囲光の明るさを検知し、照度センサとして機能する。発光ダイオード134は赤外光を出射し、その反射光を第2受光素子103が受光する。すなわち、発光ダイオード134と第2受光素子103は協働することにより近接センサとして機能する。駆動回路部138は、第1受光素子102及び第2受光素子103の出力信号を読取り、また発光ダイオード134の動作を制御する。第1受光素子102及び第2受光素子102と、発光ダイオード134との間は遮光部材136で仕切られている。
このような光センサモジュール101は、電子機器140に実装されて、照度センサとしての機能により周囲光の明るさを検知し、近接センサとしての機能により、電子機器の本体に近接する物体を検知することが可能となる。光センサモジュール101におけるこれらの機能により、タッチパネル一体型表示画面を有する電子機器140は、周囲環境の明るさに応じて画面の明るさを制御し、物体との距離に応じて表示画面の消灯及び、タッチパネル機能をオフにして、画面を消灯する動作する動作を支援することが可能となる。
あるいは、光センサモジュール101は電子機器140に実装されて、カラーセンサとしての機能により周囲光を複数の波長帯域の光に分光して検知することが可能となる。光センサモジュール101におけるこれらの機能により、電子機器140は、例えば植物工場における野菜や果実の成熟度のモニタリングを支援することが可能となる。
なお、図7A及び図7Bで示す光センサモジュール101において、光センサ装置100bを、図6A及び図6Bで示す光センサ装置100cに置き換えて、照度センサとしての機能を、カラーセンサとしての機能に置き換えてのよい。それにより、周囲光の分光強度比(RGB比)を検出して、画面の明るさや画質をきめ細かく制御することができる。
本実施形態によれば、受光素子に赤外線カットフィルタの被膜を積層させることで、赤外線カットフィルタ層を受光面上に近接して設けることができる。それにより、光センサ装置に垂直に入射する光のみならず、斜め方向から入射する光に対しても、波長シフトの影響を受けずに正確に光強度(例えば、照度)を検知することができる。次に、本実施形態で用いるのに好適な赤外線カットフィルタ層について例示する。
[赤外線カットフィルタ層]
赤外線カットフィルタ層118は、可視光線波長領域の光を透過し、赤外線波長領域の光を遮断するパスフィルタである。赤外線カットフィルタ層118は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する化合物(以下、「赤外線遮蔽材」とも称する。)を含むことが好ましく、例えば、赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む赤外線吸収性組成物を用いて形成することができる。なお、赤外線遮蔽材は、波長650〜1500nmの範囲内に極大吸収波長を有することが好ましく、波長700〜1200nmの範囲内に極大吸収波長を有することがより好ましい。
−赤外線遮蔽材−
赤外線遮蔽材としては、例えば、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、金属酸化物、金属ホウ化物、貴金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
赤外線遮蔽材として用いることのできる化合物を以下に例示する。
ジイミニウム(ジインモニウム)系化合物の具体例としては、例えば、特開平1−113482号公報、特開平10−180922号公報、国際公開第2003/5076号、国際公開第2004/48480号、国際公開第2005/44782号、国際公開第2006/120888号、特開2007−246464号公報、国際公開第2007/148595号、特開2011−038007号公報、国際公開第2011/118171号の段落[0118]等に記載の化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、EPOLIGHT1178等のEPOLIGHTシリーズ(Epolin社製)、CIR−1085等のCIR−108Xシリーズ及びCIR−96Xシリーズ(日本カーリット社製)、IRG022、IRG023、PDC−220(日本化薬社製)等を挙げることができる。
スクアリリウム系化合物の具体例としては、例えば、特許第3094037号明細書、特開昭60−228448号公報、特開平1−146846号明細書、特開平1−228960号公報、特開2012−215806号公報の段落[0178]等に記載の合物が挙げられる。
シアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開2007−271745号公報の段落[0041]〜[0042]、特開2007−334325号公報の段落[0016]〜[0018]、特開2009−108267号公報、特開2009−185161号公報、特開2009−191213号公報、特開2012−215806号公報の段落[0160]、特開2013−155353号公報の段落[0047]〜[0049]等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えば、Daito chmix 1371F(ダイトーケミックス社製)、NK−3212、NK−5060等のNKシリーズ(林原生物化学研究所製)等を挙げることができる。
フタロシアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開昭60−224589号公報、特表2005−537319号公報、特開平4−23868号公報、特開平4−39361号公報、特開平5−78364号公報、特開平5−222047号公報、特開平5−222301号公報、特開平5−222302号公報、特開平5−345861号公報、特開平6−25548号公報、特開平6−107663号公報、特開平6−192584号公報、特開平6−228533号公報、特開平7−118551号公報、特開平7−118552号公報、特開平8−120186号公報、特開平8−225751号公報、特開平9−202860号公報、特開平10−120927号公報、特開平10−182995号公報、特開平11−35838号公報、特開2000−26748号公報、特開2000−63691号公報、特開2001−106689号公報、特開2004−18561号公報、特開2005−220060号公報、特開2007−169343号公報、特開2013−195480号公報の段落[0026]〜[0027]等に記載の化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、FB−22、24等のFBシリーズ(山田化学工業社製)、Excolorシリーズ、Excolor TX−EX 720、同708K(日本触媒製)、Lumogen IR788(BASF製)、ABS643、AB
S654、ABS667、ABS670T、IRA693N、IRA735(Exciton製)、SDA3598、SDA6075、SDA8030、SDA8303、SDA8470、SDA3039、SDA3040、SDA3922、SDA7257(H.W.SANDS製)、TAP−15、IR−706(山田化学工業製)等を挙げることができる。
ナフタロシアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開平11−152413号公報、特開平11−152414号公報、特開平11−152415号公報、特開2009−215542号公報の段落[0046]〜[0049]等に記載の化合物が挙げられる。
クアテリレン系化合物の具体例としては、例えば、特開2008−009206号公報の段落[0021]等に記載の化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、Lumogen IR765(BASF社製)等を挙げることができる。
アミニウム系化合物の具体例としては、例えば、特開平08−027371号公報の段落[0018]、特開2007−039343号公報等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えばIRG002、IRG003(日本化薬社製)等を挙げることができる。
イミニウム系化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2011/118171号の段落[0116]等に記載の化合物が挙げられる。
アゾ系化合物の具体例としては、例えば、特開2012−215806号公報の段落[0114]〜[0117]等に記載の化合物が挙げられる。
アントラキノン系化合物の具体例としては、例えば、特開2012−215806号公報の段落[0128]及び[0129]等に記載の化合物が挙げられる。
ポルフィリン系化合物の具体例としては、例えば、特許第3834479号明細書の式(1)で表される化合物が挙げられる。
ピロロピロール系化合物の具体例としては、例えば、特開2011−068731号公報、特開2014−130343号公報の段落[0014]〜[0027]等に記載の化合物が挙げられる。
オキソノール系化合物の具体例としては、例えば、特開2007−271745号公報の段落[0046]等に記載の化合物が挙げられる。
クロコニウム系化合物の具体例としては、例えば、特開2007−271745号公報の段落[0049]、特開2007−31644号公報、特開2007−169315号公報等に記載の化合物が挙げられる。
ヘキサフィリン系化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2002/016144号パンフレットの式(1)で表される化合物が挙げられる。
金属ジチオール系化合物の具体例としては、例えば、特開平1−114801号公報、特開昭64−74272号公報、特開昭62−39682号公報、特開昭61−80106号公報、特開昭61−42585号公報、特開昭61−32003号公報等に記載の化合物が挙げられる。
銅化合物としては金属銅、銅錯体、リン酸銅が挙げられる。中でも銅錯体が好ましく、具体例としては、例えば、特開2013−253224号公報、特開2014−032380号公報、特開2014−026070号公報、特開2014−026178号公報、特開2014−139616号公報、特開2014−139617号公報等に記載の化合物が挙げられる。なおリン酸銅としては、KCuPO4等が挙げられる。また金属銅は、銅粒子として利用することも可能である。
金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化ケイ素、酸化アルミニウム、二酸化ジルコニウム、酸化チタン、二酸化セリウム、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化インジウム、酸化スズ、およびこれらの金属酸化物が他の金属でドープされた化合物が挙げられる。中でも酸化タングステンが好ましく、セシウム酸化タングステン、ルビジルム酸化タングステンがより好ましく、セシウム酸化タングステンが更に好ましい。セシウム酸化タングステンの組成式としてはCs0.33WO3等が挙げられ、またルビジルム酸化タングステンの組成式としてはRb0.33WO3等を挙げることができる。酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02A等のタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
なお、他の金属でドープされた金属酸化物としては、ITO(スズがドープされた酸化インジウム)、ATO(アンチモンがドープされた酸化スズ)、AZO(アンチモンがドープされた酸化亜鉛)等が挙げられ、これらは1〜1000nm、更に1〜100nmの粒子状であることが好ましい。
金属ホウ化物の具体例としては、例えば、特開2012−068418号公報の段落[0049]等に記載の化合物が挙げられる。その中でも、ホウ化ランタンが好ましい。
貴金属としては金、銀、白金、パラジウム、ロジウム、イリジウム、ルテニウム、オスミウムが挙げられ、中でも金、銀、パラジウムが好ましい。これらは粒子状またはコロイド状であることが好ましい。
上記例示した赤外線遮蔽材以外にも、特開2000−302972号公報の段落0083に記載の化合物を利用することもできる。
なお、上記した赤外線遮蔽材が、後掲の有機溶媒に可溶な化合物である場合には、それをレーキ化して有機溶媒に不溶な赤外線遮蔽材として用いることもできる。レーキ化する方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2007−271745号公報等を参照することができる。
このような赤外線遮蔽材の中でも、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物及び金属酸化物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。更に好ましくは、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物、金属ジチオール系化合物及び銅化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と酸化タングステンとを含むか、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物、金属ジチオール系化合物及び銅化合物よりなる群から選ばれる2種以上を含むことが好ましい。このような態様により、受光素子に入射する赤外線をより効率的に遮断することができる。
ところで、赤外線カットフィルタ層118は、赤外線遮蔽材の種類及び含有割合が一定であれば、膜厚を増加させるほど赤外線の吸収特性を向上させることができる。それによって、光センサ装置はより高いS/N比を得ることができ、高感度の測光を行うことが可能となる。しかし、赤外線カットフィルタ層118の膜厚を増加させると、光センサ装置100の薄型化を図ることができないという問題がある。光センサ装置の薄型化を図るため、赤外線カットフィルタ層118を薄膜化すると、赤外線遮断能力が低下してしまい可視光検出用画素が赤外線によるノイズの影響を受けやすくなってしまうという問題がある。
一方、赤外線遮蔽材の含有割合を増加させると、例えば、赤外線カットフィルタ層を形成する他の成分の一つである重合性化合物の割合が減ってしまい、赤外線カットフィルタ層118の硬化性が低下してしまう。そうすると、赤外線カットフィルタ層118と接する層の剥離や、クラックが発生する原因となる。例えば、赤外線カットフィルタ層118と接する下地との密着性が低下し、剥離しやすくなることが問題となる。
上記から選択される赤外線遮蔽材の割合は、赤外線カットフィルタ層118中に0.1〜80質量%の割合であることが好ましく、より好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは3〜60質量%であることが好ましい。このような範囲で化合物を含ませることにより、赤外線カットフィルタ層118の膜厚を薄くしても、十分に赤外線を遮蔽することができる赤外線カットフィルタ層118を作製することができる。
なお、赤外線吸収性組成物を用いて赤外線カットフィルタを作製する場合の、赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対する赤外線遮蔽材の好ましい含有割合は、赤外線カットフィルタ層118中の赤外線遮蔽材の割合と同様である。この場合の固形分とは、赤外線吸収性組成物を構成する、溶媒以外の成分である。
以下、本発明に係る赤外線カットフィルタ層118の作製に好適に用いることのできる赤外線吸収性組成物を構成する、他の成分について説明する。
−バインダー樹脂−
赤外線吸収性組成物は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂としては特に限定されるものではないが、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
まず、アクリル樹脂について説明する。アクリル樹脂の中でも、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有するアクリル樹脂が好ましい。酸性官能基を有するアクリル樹脂を用いることにより、赤外線吸収性組成物から得られる赤外線カットフィルタ層を所定のパターンに形成すべく露光を行った場合、未露光部をアルカリ現像液でより確実に除去することができ、アルカリ現像によってより優れたパターンを形成できる。酸性官能基を有するアクリル樹脂としては、カルボキシル基を有する重合体(以下、「カルボキシル基含有重合体」とも称する。)が好ましく、例えば、1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(1)」とも称する。)と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(以下、「不飽和単量体(2)」とも称する。)との共重合体を挙げることができる。
上記不飽和単量体(1)としては、例えば、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート、p−ビニル安息香酸等を挙げることができる。これらの不飽和単量体(1)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
また、上記不飽和単量体(2)としては、例えば、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のN−位置換マレイミド、スチレン、α−メチルスチレン、p−ヒドロキシスチレン、p−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル、アセナフチレン等の芳香族ビニル化合物;メチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;ビニル(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート等の不飽和アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等のアリール(メタ)アクリレート;ポリエチレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングルコール(重合度2〜10)メチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(重合度2〜10)モノ(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート等の多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート等の脂環式炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステル;4−ヒドロキシフェニル(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート等のアリールアルコールの(メタ)アクリル酸エステル;シクロヘキシルビニルエーテル、イソボルニルビニルエーテル、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イルビニルエーテル、ペンタシクロペンタデカニルビニルエーテル、3−(ビニルオキシメチル)−3−エチルオキセタン等のビニルエーテル;ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー;1,3−ブタジエン等の共役ジエン化合物等を挙げることができる。
また、上記不飽和単量体(2)として、含酸素飽和複素環基を有する(メタ)アクリル酸エステルを使用することもできる。ここで、「含酸素飽和複素環基」とは、ヘテロ環を構成するヘテロ原子として酸素原子を有する飽和複素環基を意味し、環を構成する原子数が3〜7個の環状エーテル基が好ましい。環状エーテル基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基等を挙げられる。その中でも、オキシラニル基、オキセタニル基が好ましく、オキシラニル基がより好ましい。
含酸素飽和複素環基を有する(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレートグリシジルエーテル、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート等のオキシラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕オキセタン、3−〔(メタ)アクリロイルオキシメチル〕−3−エチルオキセタン等のオキセタニル基を有する(メタ)アクリル酸エステル;テトラヒドロフルフリルメタクリレート等のテトラヒドロフラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを挙げることができる。
更に、上記不飽和単量体(2)として、ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルを使用することもできる。ブロックイソシアネート基は、加熱によりブロック基が脱離し、反応性に富む活性なイソシアネート基に変換される。これにより、架橋構造を形成することができる。ブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、特開2012−118279号公報の段落[0024]に記載されている化合物を挙げることができるが、その中でも、メタクリル酸2−(3,5−ジメチルピラゾリルカルボニルアミノ)エチル、メタクリル酸2−(1−メチルプロピリデンアミノオキシカルボニルアミノ)エチルが好ましい。
これらの不飽和単量体(2)は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
不飽和単量体(1)と不飽和単量体(2)の共重合体において、該共重合体中の不飽和単量体(1)の共重合割合は、好ましくは5〜50質量%、更に好ましくは10〜40質量%である。このような範囲で不飽和単量体(1)を共重合させることにより、アルカリ現像性、保存安定性に優れた赤外線吸収性組成物を得ることができる。
不飽和単量体(1)と不飽和単量体(2)の共重合体の具体例としては、例えば、特開平7−140654号公報、特開平8−259876号公報、特開平10−31308号公報、特開平10−300922号公報、特開平11−174224号公報、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、例えば、特開平5−19467号公報、特開平6−230212号公報、特開平7−207211号公報、特開平9−325494号公報、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。これにより、絶縁層114や硬化膜120、硬化膜121、カラーフィルタ層122との密着性に優れる赤外線カットフィルタ層118を形成することができる。
側鎖に重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有重合体としては、例えば、下記(a)〜(d)の重合体が挙げられる。
(a)不飽和単量体(1)及び水酸基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和イソシアネート化合物を反応させて得られる重合体、
(b)不飽和単量体(1)を含有してなる単量体の(共)重合体に、オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を反応させて得られる(共)重合体、
(c)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物及び不飽和単量体(1)を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和単量体(1)を反応させて得られる重合体、
(d)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の(共)重合体に、不飽和単量体(1)を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させて得られる(共)重合体。
なお本明細書において「(共)重合体」とは、重合体及び共重合体を包含する用語である。
水酸基を有する重合性不飽和化合物としては、前記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等の、分子内に水酸基及びエチレン性不飽和基を有する化合物を用いることができる。不飽和イソシアネート化合物としては、2−(メタ)アクリロイルオキシフェニルイソシアネートの他、特開2014−098140号公報の段落[0049]に記載の化合物を挙げることができる。オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物としては、前記オキシラニル基を有する(メタ)アクリル酸エステルを用いることができる。多塩基酸無水物としては、後述する重合性化合物のところに例示する二塩基酸の無水物、四塩基酸二無水物の他、特開2014−142582号公報の段落[0038]に記載の化合物を挙げることができる。
アクリル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。また、Mwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることで、硬化性、密着性に優れる赤外線カットフィルタを形成することができる。なお、ここでいうMw、Mnは、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量をいう。
酸性官能基を有するアクリル樹脂の酸価は、硬化膜との密着性の観点から、好ましくは10〜300mgKOH/g、より好ましくは30〜250mgKOH/g、更に好ましくは50〜200mgKOH/gである。このような態様により、接触角が低く、濡れ性に優れる赤外線カットフィルタ層を形成できるので、絶縁層114や硬化膜120、硬化膜121、カラーフィルタ層122との密着性を高めることができる。ここで、本明細書において「酸価」とは、酸性官能基を有するアクリル樹脂1gを中和するのに必要なKOHのmg数である。
アクリル樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
アクリル樹脂の中では、以下の(1−I)〜(1−IV)のいずれかであることが好ましい。
(1−I)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と含酸素飽和複素環基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、
(1−II)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体とブロックイソシアネート基を有する(メタ)アクリル酸エステルとの共重合体、
(1−III)側鎖に(メタ)アクリロイル基を有するカルボキシル基含有重合体、
(1−IV)1個以上のカルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と他の共重合可能なエチレン性不飽和単量体との共重合体であって、酸価が10〜300mgKOH/gである共重合体。
これら(1−I)〜(1−IV)における好ましい態様は、それぞれ上記した通りである。
次に、ポリアミド樹脂およびポリイミド樹脂について説明する。ポリアミド樹脂としては、ポリアミド酸(ポリアミック酸)を挙げることができる。また、ポリイミド樹脂としては、ケイ素含有ポリイミド樹脂、ポリイミドシロキサン樹脂、ポリマレイミド樹脂等が挙げられ、例えば、前駆体としての前記ポリアミック酸を加熱閉環イミド化することによって形成される。ポリアミド樹脂およびポリイミド系樹脂の具体例としては、特開2012−189632号公報の段落[0118]〜[0120]に記載の化合物を挙げることができる。
ポリウレタン樹脂は、繰り返し単位としてウレタン結合を有するものであれば特に限定されず、ジイソシアネート化合物とジオール化合物の反応により生成することができる。ジイソシアネート化合物としては、特開2014−189746号公報の段落[0043]に記載の化合物が挙げられる。ジオール化合物としては、例えば、特開2014−189746号公報の段落[0022]に記載の化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができ、その中でもビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。好ましいエポキシ樹脂のうち、ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂等が挙げられる。またノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂が挙げられる。このようなエポキシ樹脂は市販品として入手でき、例えば特許5213944号明細書の段落[0121]に記載の市販品が挙げられる。
ポリシロキサンは、加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。具体的には、下記式(1)で表される加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物を挙げることができる。
Figure 2016181786
なお式(1)において、xは0〜3の整数を示し、R1およびR2は、相互に独立に、1価の有機基を示す。
1およびR2における1価の有機基としては、置換若しくは非置換の脂肪族炭化水素基、置換若しくは非置換の脂環式炭化水素基、置換若しくは非置換の芳香族炭化水素基を挙げることができる。なお「脂環式炭化水素基」とは、環状構造を有さない炭化水素基を指す。
脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基および芳香族炭化水素基における置換基としては、オキシラニル基、オキセタニル基、エピスルフィド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基、スルファニル基、イソシアネート基、アミノ基、ウレイド基等を挙げることができる。その中でも、オキシラニル基、(メタ)アクリロイル基及びスルファニル基よりなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基が好ましい。
このような加水分解性シラン化合物の具体例としては、特開2010−055066号公報の段落[0047]〜[0051]および段落[0060]〜[0069]に記載の化合物を挙げることができる。また、前記置換基を有する加水分解性シラン化合物としては、特開2008−242078号公報の段落[0077]〜[0088]に記載された加水分解性シラン化合物が挙げられる。このほか、ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン等の6官能の加水分解性シラン化合物も併用できる。
ポリシロキサンは公知の方法により合成することができる。GPCによるMwは、通常500〜20,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,500〜7,000、更に好ましくは2,000〜5,000である。また、Mw/Mnは、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることにより、塗布性に優れるとともに、十分な密着性を発現することができる。
本実施形態において、バインダー樹脂は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。その中でも、硬化膜との密着性に優れる赤外線カットフィルタ層を形成する観点から、赤外線吸収性組成物を構成するバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサンが好ましく、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、アクリル樹脂が更に好ましい。
本実施形態において、バインダー樹脂の含有量は、赤外線遮蔽材100質量部に対して、通常5〜1,000質量部、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは20〜150質量部である。このような態様とすることで、塗布性及び保存安定性に優れる赤外線吸収性組成物を得ることができ、アルカリ現像性を付与した場合には、アルカリ現像性に優れる赤外線吸収性組成物とすることができる。
−重合性化合物−
赤外線吸収性組成物は、重合性化合物(但し、前記バインダー樹脂を除く。)を含有することが好ましい。本明細書において重合性化合物とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合性化合物の分子量は、4,000以下、更に2,500以下、更に1,500以下であることが好ましい。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
重合性化合物における好ましい化合物のうち、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物の具体例としては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと多官能イソシアネートを反応させて得られる多官能ウレタン(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレートと酸無水物を反応させて得られるカルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
ここで、脂肪族ポリヒドロキシ化合物としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールの如き2価の脂肪族ポリヒドロキシ化合物;グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールの如き3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物を挙げることができる。上記水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、グリセロールジメタクリレート等を挙げることができる。上記多官能イソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジフェニルメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等を挙げることができる。酸無水物としては、例えば、無水こはく酸、無水マレイン酸、無水グルタル酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸の如き二塩基酸の無水物、無水ピロメリット酸、ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物の如き四塩基酸二無水物を挙げることができる。
また、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、例えば、特開平11−44955号公報の段落[0015]〜[0018]に記載されている化合物を挙げることができる。上記アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートとしては、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたイソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物としては、例えば、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造、ウレア構造を有する化合物等を挙げることができる。なお、メラミン構造、ベンゾグアナミン構造とは、1以上のトリアジン環又はフェニル置換トリアジン環を基本骨格として有する化学構造をいい、メラミン、ベンゾグアナミン又はそれらの縮合物をも含む概念である。2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物の具体例としては、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)グリコールウリル等を挙げることができる。
上記の他、重合性化合物として、エポキシ基を有する脂肪族化合物、エポキシ基を有する脂環式化合物を用いることもできる。エポキシ基を有する脂肪族化合物としては2〜4個のエポキシ基を有する脂肪族化合物が好ましく、具体的には、特開2010−053330号公報の段落[0042]に記載の化合物が挙げられる。エポキシ基を有する脂環式化合物としては2〜4個のエポキシ基を有する脂環式化合物が好ましく、具体的には、特開2010−053330号公報の段落[0043]に記載の化合物が挙げられる。また、ヘキサメチロールメラミン等の2個以上のN−ヒドロキシメチルアミノ基を有する化合物を用いることもできる。
これらの重合性化合物のうち、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンがより好ましく、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが更に好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートの中では、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、赤外線カットフィルタの強度、表面平滑性に優れ、かつ、赤外線吸収性組成物にアルカリ現像性を付与した場合には、未露光部の基板上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。本実施形態において、重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本実施形態における重合性化合物の含有量は、赤外線遮蔽材100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、15〜500質量部がより好ましく、20〜150質量部が好ましい。このような態様とすることで、硬化性、密着性がより高められる。
−溶媒−
赤外線吸収性組成物は、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。溶媒としては、赤外線吸収性組成物を構成する成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
このような溶媒としては、例えば、
エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル;
乳酸メチル、乳酸エチル等の乳酸アルキルエステル;
メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソプロパノール、イソブタノール、t−ブタノール、オクタノール、2−エチルヘキサノール、シクロヘキサノール等の(シクロ)アルキルアルコール;
ジアセトンアルコール等のケトアルコール;
エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート;
ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル等のグリコールエーテル;
テトラヒドロフラン等の環状エーテル;
メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等のケトン;
プロピレングリコールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート等のジアセテート;
3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エトキシ酢酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート等のアルコキシカルボン酸エステル;
酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸n−プロピル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸n−プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オ キソブタン酸エチル等の脂肪酸アルキルエステル;
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素;
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド又はラクタム;
等を挙げることができる。
これらの溶媒のうち、溶解性、塗布性等の観点から、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、1,3−ブチレングリコールジアセテート、1,6−ヘキサンジオールジアセテート、乳酸エチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−3−メトキシブチルプロピオネート、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル、ぎ酸n−アミル、酢酸i−アミル、プロピオン酸n−ブチル、酪酸エチル、酪酸i−プロピル、酪酸n−ブチル、ピルビン酸エチル等が好ましい。
本実施形態において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、赤外線吸収性組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、10〜30質量%となる量がより好ましい。このような態様とすることにより、塗布性の良好な赤外線吸収性組成物を得ることができる。
−感光剤−
本実施形態において、赤外線吸収性組成物には、感光剤を含有することができる。ここで、本明細書において「感光剤」とは、光照射により赤外線吸収性組成物の溶媒に対する溶解性を変化させる性質を有する化合物をいう。このような化合物としては、例えば、光重合開始剤、酸発生剤等を挙げることができる。感光剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤としては、光により酸又はラジカルを発生できるものであれば特に限定されないが、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
その中でも、光重合開始剤としては、ビイミダゾール系化合物、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物の群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。なお、ビイミダゾール系化合物を用いる場合、2−メルカプトベンゾチアゾール等の水素供与体を併用してもよい。ここでいう「水素供与体」とは、露光によりビイミダゾール系化合物から発生したラジカルに対して、水素原子を供与することができる化合物を意味する。また、ビイミダゾール系化合物以外の光重合開始剤を用いる場合には、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の増感剤を併用することもできる。
酸発生剤としては、熱又は光により酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、N−ヒドロキシイミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネート、キノンジアジド化合物等を挙げられる。酸発生剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。その中でも、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、オキシムスルホネート、キノンジアジド化合物が好ましい。スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩の具体例としては、例えば、4−アセトキシフェニルジメチルスルホニウムヘキサフルオロアルセネート、4−ヒドロキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニル・ベンジル・メチルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−ヒドロキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、4−アセトキシフェニルジベンジルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、3−ベンジルベンゾチアゾリウムヘキサフルオロアンチモネート、1−(4,7−ジブトキシ−1−ナフタレニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホナート等を挙げることができる。オキシムスルホネートの具体例としては、例えば、特開2014−115438号公報の段落[0122]〜[0131]に記載の化合物を挙げることができる。キノンジアジド化合物の具体例としては、例えば、特開2008−156393号公報の段落[0040]〜[0048]に記載の化合物、特開2014−174406号公報の段落[0172]〜[0186]に記載の化合物を挙げることができる。
感光剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の固形分中に、好ましくは0.03〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜6質量%である。このような態様とすることで、硬化性、密着性をより一層良好にすることができる。
−分散剤−
赤外線吸収性組成物には、分散剤を含有せしめることができる。分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリ(アルキレングリコール)ジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、(メタ)アクリル系分散剤等が挙げられ、市販品として、例えば、Disperbyk−2000、Disperbyk−2001、BYK−LPN6919、BYK−LPN21116、BYK−LPN22102(以上、ビックケミー(BYK)社製)等の(メタ)アクリル系分散剤、Disperbyk−161、Disperbyk−162、Disperbyk−165、Disperbyk−167、Disperbyk−170、Disperbyk−182(以上、ビックケミー(BYK)社製)、ソルスパース76500(ルーブリゾール(株)社製)等のウレタン系分散剤、ソルスパース24000(ルーブリゾール(株)社製)等のポリエチレンイミン系分散剤、アジスパーPB821、アジスパーPB822、アジスパーPB880、アジスパーPB881(以上、味の素ファインテクノ(株)社製)等のポリエステル系分散剤の他、BYK−LPN21324(ビックケミー(BYK)社製)を使用することができる。
これらの中でも、赤外線吸収性組成物にアルカリ現像性を付与した場合には、現像残渣の少ない赤外線カットフィルタ層118を形成する観点から、アルキレンオキサイド構造を有する繰り返し単位を含む分散剤が好ましい。
分散剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。分散剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の全固形分100質量部に対して、5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、20〜70質量部が更に好ましい。
−添加剤−
赤外線吸収性組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等の密着促進剤;2,2−チオビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,6−ジ−t−ブチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサ−スピロ[5・5]ウンデカン、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等の酸化防止剤;2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤;ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤;マロン酸、アジピン酸、イタコン酸、シトラコン酸、フマル酸、メサコン酸、2−アミノエタノール、3−アミノ−1−プロパノール、5−アミノ−1−ペンタノール、3−アミノ−1,2−プロパンジオール、2−アミノ−1,3−プロパンジオール、4−アミノ−1,2−ブタンジオール等の残渣改善剤;こはく酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、フタル酸モノ〔2−(メタ)アクリロイロキシエチル〕、ω−カルボキシポリカプロラクトンモノ(メタ)アクリレート等の現像性改善剤;ブロックイソシアネート化合物等を挙げることができる。
絶縁層114や硬化膜120、硬化膜121、カラーフィルタ層122との密着性を向上する観点からは、密着促進剤、重合性不飽和基を有する界面活性剤、多官能チオール、ブロックイソシアネート化合物を含有することが好ましい。
密着促進剤の中では、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のオキシラニル基を有するシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−メタクリロイロキシプロピルトリメトキシシラン等のエチレン性不飽和結合を有するシラン化合物が好ましい。密着促進剤の含有量としては、バインダー樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましい。
重合性不飽和基を有する界面活性剤の具体例としては、例えば、特許4965083号明細書の段落[0041]〜[0055]に記載の化合物を挙げることができ、市販品としては、特許5626063号明細書の段落[0032]に記載の化合物、特許5552364号明細書の段落[0057]に記載の化合物等を挙げることができる。重合性不飽和基を有する界面活性剤の含有量としては、赤外線遮蔽材100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。
多官能チオールは2個以上のスルファニル基を有する化合物であり、例えば、置換基として2個以上のスルファニル基を有する炭化水素類、多価アルコールのポリ(メルカプトアセテート)類、多価アルコールのポリ(3−メルカプトプロピオネート)類、多価アルコールのポリ(2−メルカプトプロピオネート)類、多価アルコールのポリ(3−メルカプトブチレート)類、置換基として2個以上のスルファニル基を有する複素環類、2個以上のスルファニル基を有するポリシロキサン類等を挙げることができる。具体的には、特開2013−083932号公報の段落[0073]〜[0079]に記載の化合物を挙げることができる。多官能チオールの含有量としては、バインダー樹脂100質量部に対して、1〜50質量部が好ましい。
ブロックイソシアネート化合物は、イソシアネート基を活性水素基含有化合物(ブロック剤)と反応させて常温で不活性としたものであり、これを加熱するとブロック剤が解離してイソシアネート基が再生されるという性質を持つものである。市販品としては、例えばイソシアネート基をメチルエチルケトンのオキシムでブロックしたものとして、デュラネートTPA−B80E、TPA−B80X、E402−B80T、MF−B60XN、MF−B60X、MF−B80M(以上、旭化成工業社);イソシアネート基を活性メチレンでブロックしたものとして、デュラネートMF−K60X(旭化成工業社);(メタ)アクリロイル基を有するイソシアネート化合物のブロック体として、カレンズMOI−BP、カレンズMOI−BM(以上、昭和電工社)が挙げられる。ブロックイソシアネート化合物の含有量としては、バインダー樹脂100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。
−赤外線カットフィルタ層の製造方法−
本実施形態に係る赤外線カットフィルタ層118は、例えば、上記した赤外線吸収性組成物を用いて形成することができ、赤外線波長領域における遮光性(赤外線遮蔽性)が高く、絶縁層114や硬化膜120、硬化膜121、カラーフィルタ層122との密着性にも優れる。
赤外線吸収性組成物を用いて赤外線カットフィルタ層118を形成する方法について、工程毎に説明する。本実施形態に係る赤外線カットフィルタ層118は、以下の工程(1)〜(4)の順に行うか、工程(1)及び(4)を含む工程の後に工程(5)を行って形成することができる。
(1)本実施形態において、赤外線吸収性組成物を基板上に塗布して塗膜を形成する工程、
(2)塗膜の少なくとも一部に放射線を照射する工程、
(3)塗膜を現像する工程(現像工程)、
(4)塗膜を加熱する工程(加熱工程)、
(5)工程(4)で得られた赤外線カットフィルタ層の一部を除去する工程。
−工程(1)−
まず、基板上に、赤外線吸収性組成物を塗布し、好ましくは塗布面を加熱(プレベーク)することにより溶媒を除去して、塗膜を形成する。ここでいう基板とは、光電変換層106、又は、絶縁層114、硬化膜120、硬化膜121若しくはカラーフィルタ層122が形成されたフォトダイオードの受光面等を包括する概念であり、実施形態に応じて適宜変更されうる。
赤外線吸収性組成物の塗布方法としては特に限定されず、例えば、スプレー法、ロールコート法、回転塗布法(スピンコート法)、スリットダイ塗布法、バー塗布法等の適宜の方法を採用することができる。特に、スピンコート法が好ましい。
必要に応じて行われるプリベークは、オーブン、ホットプレート、IRヒーター等公知の加熱手段を用いることが可能であり、減圧乾燥と加熱乾燥を組み合わせて行ってもよい。加熱条件は、各成分の種類、配合割合等によっても異なるが、例えば、温度60〜200℃で30秒〜15分程度とすることができる。
−工程(2)−
工程(2)は、工程(1)で形成された塗膜の一部又は全部に放射線を照射する工程である。この場合、塗膜の一部を露光する際には、例えば、所定のパターンを有するフォトマスクを介して露光する。前述の通り、光センサ装置の構成1における赤外線カットフィルタ118に隣接して第1電極104が配置されている。従って、赤外線カットフィルタ118を、アルカリ現像性を付与した赤外線吸収性組成物を用いて形成する場合には、フォトマスクのパターンを第1電極104のパターンに対応するものとすればよい。
露光に使用される放射線としては、電子線、KrF、ArF、g線、h線、i線等の紫外線や可視光が挙げられ、その中でも、KrF、g線、h線、i線が好ましい。露光方式としては、ステッパー露光や高圧水銀灯による露光等が挙げられる。露光量は、5〜3000mJ/cm2が好ましく、10〜2000mJ/cm2がより好ましく、50〜1000mJ/cm2が更に好ましい。露光装置としては特に制限はなく、公知の装置を適宜選択することができるが、例えば、超高圧水銀灯等のUV露光機が挙げられる。
−工程(3)−
工程(3)は、工程(2)で得られた塗膜を、アルカリ現像液を用いて現像することにより、不要な部分(ポジ型の場合は放射線の照射部分。ネガ型の場合は放射線の非照射部分。)を溶解除去する工程である。
アルカリ現像液としては、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等の水溶液が好ましい。
アルカリ現像液には、例えば、メタノール、エタノール等の水溶性有機溶剤や界面活性剤等を適量添加することもできる。なお、アルカリ現像後は、通常、水洗する。
現像処理法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。現像条件は、常温で5〜300秒が好ましい。
−工程(4)−
工程(4)では、ホットプレート、オーブン等の加熱装置を用い、工程(1)〜(3)により得られるパターニングされた塗膜、又は、工程(1)及び必要に応じて行われる工程(2)により得られるパターニングされていない塗膜を、比較的高温で加熱することによって、本実施形態における赤外線カットフィルタ層を形成する。これにより、赤外線カットフィルタ層の機械的強度、耐クラック性を高めることができる。
本工程における加熱温度は、例えば、120℃〜250℃である。加熱時間は、加熱機器の種類により異なるが、例えば、ホットプレート上で加熱工程を行う場合には1分間〜30分間、オーブン中で加熱工程を行う場合には5分間〜90分間とすることができる。また、2回以上の加熱工程を行うステップベーク法等を用いることもできる。
[絶縁層および硬化膜]
絶縁層114及び硬化膜120は可視光線波長領域及び赤外線波長領域の双方に対し透光性を有することが好ましい。光センサ装置100において、絶縁層114及び硬化膜120を透過する光はなるべく減衰しないことが好ましい。
また、絶縁層114及び硬化膜120は、それと接する層との密着性に優れていることが望まれる。例えば、硬化膜120と赤外線カットフィルタ層118との密着性が悪いと、剥離が起こり、赤外線カットフィルタ層118が損傷してしまう。
さらに、絶縁層114及び硬化膜120は、表面が平坦化されていることが望ましい。すなわち、絶縁層114及び硬化膜120は平坦化膜としても用いられることが好ましい。
このように要求される特性に対して、絶縁層114及び硬化膜120としては、有機膜を用いることが、透光性を有し、かつ平坦性を有する絶縁層114及び硬化膜120を得る観点から好ましい。即ち、後述する硬化性組成物を塗布した後のレベリング作用により、下地面に凹凸を含んでいても平坦な表面を有する平坦化膜(絶縁層及び硬化膜)を得ることができる。
絶縁層114及び硬化膜120を作製するための組成物としては、硬化性化合物及び溶媒を含む硬化性組成物が好ましい。硬化性組成物における溶媒としては、赤外線吸収性組成物における溶媒として記載したものと同様のものを用いることができ、好ましい態様も、前述と同様である。
−硬化性化合物−
硬化性組成物を構成する硬化性化合物としては、光又は熱により硬化しうる化合物であればよく、例えば、含酸素飽和複素環基を有する樹脂、側鎖に重合性不飽和基を有する樹脂、ポリシロキサン、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、重合性化合物等を挙げることができる。これらの各種樹脂や重合性化合物の具体例や好ましい態様は、前述と同様である。
−絶縁層及び硬化膜の製造方法−
本実施形態における光センサ装置100の絶縁層及び硬化膜は、例えば、上記した硬化性組成物を用いて形成することができる。
本実施形態における絶縁層及び硬化膜は、前述の工程(1)において赤外線吸収性組成物に代えて硬化性組成物を用いる以外は、前述の工程(1)及び(4)を含む工程により形成できる。また、必要に応じて工程(2)、(3)を行ってもよい。これら工程の詳細及び好ましい態様は、前述の工程(1)〜(4)と同様である。
上述の通り、本実施形態における光センサ装置100の赤外線カットフィルタ層118は十分に赤外線を吸収することができるため、赤外線カットフィルタ層118の膜厚を薄くすることが可能である。
また、赤外線カットフィルタ層118や絶縁層114、硬化膜120がそれぞれ薄膜化すると、それらの積層界面での密着性が低下し、剥離に繋がるおそれがある。しかし本実施形態における赤外線吸収性組成物や硬化性組成物を上記のようにすることで、赤外線カットフィルタ層118や絶縁層114、硬化膜120が薄膜であっても、積層界面での密着性に優れ、ひいては光センサ装置100の薄型化を図ることができるという点で、光センサ装置100の作製に好適である。
[カラーフィルタ層]
カラーフィルタ層122は、それぞれ異なる波長帯域の可視光線を透過するパスフィルタである。例えば、カラーフィルタ層122aは赤色光(概ね波長610〜780nm)の波長帯域の光を透過し、カラーフィルタ層122bは緑色光(概ね波長500〜570nm)の波長帯域の光を透過し、カラーフィルタ層122cは青色光(概ね波長430〜460nm)の波長帯域の光を透過することができるパスフィルタによって、それぞれを構成することができる。受光素子102a〜102cには、それぞれカラーフィルタ層122a〜122cの透過光が入射される。
カラーフィルタ層122a〜122cは、バインダー樹脂及び硬化剤等の樹脂材料に、特定の波長帯域に吸収を有する色素(顔料や染料)を加えて形成することができる。樹脂材料に含有させる色素は一種類又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
受光素子102a〜102cがシリコンフォトダイオードであれば、可視光線波長領域から赤外線波長領域の広い範囲にわたって感度を有する。そのため、受光素子102a〜102cに対応してカラーフィルタ層122a〜122cを設けることで、各色に対応した光を検知することができる。なお、カラーフィルタ層122a〜122cは、公知のカラーフィルタ層形成用組成物を用いて形成することができる。
[赤外線パスフィルタ層]
赤外線パスフィルタ層132は、少なくとも近赤外線波長領域の光を透過するパスフィルタである。赤外線パスフィルタ層132は、バインダー樹脂や重合性化合物等に、可視光線波長領域の波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を加えて形成することができる。赤外線パスフィルタ層132は、概略700nm未満、好ましくは750nm未満、より好ましくは800nm未満の光を吸収(カット)し、波長700nm以上、好ましくは750nm以上、より好ましくは800nm以上の光を透過する分光透過特性を有している。
赤外線パスフィルタ層132は、上記したような所定波長未満(例えば、波長750nm未満)の光を遮断し、所定波長領域(例えば、750〜950nm)の近赤外線を透過することで、第2受光素子103に近赤外線が入射されるようにすることができる。これにより、第2受光素子103は、可視光に起因するノイズ等の影響を受けずに、精度良く赤外線を検出することができる。このように、赤外線パスフィルタ層132を設けることで、第2受光素子103を赤外光検出用に使用することができる。赤外線パスフィルタ層132は、例えば、特開2014−130332号公報に記載の感光性組成物を用いて形成することができる。
[電子機器]
図8Aは電子機器140の一例を示す上面図であり、図8Bは正面図を示す。電子機器140は筐体142、表示パネル144、マイクロホン部146、スピーカ部148、光センサ装置100を含む。表示パネル144はタッチパネルが採用され、表示機能に加え入力機能を兼ね備えている。
光センサ装置100は、本実施形態で説明される光センサ装置100、または光センサモジュール101が設けられている。光センサ装置100は筐体142の表面パネルを通して光が入射する。光センサ装置100は電子機器140が置かれている周囲光の強度を検知する。また、光センサモジュール101の場合は周囲光の測光の他に、電子機器140の表面パネルに近接する物体までの距離を測距する。電子機器140は光センサ装置100により、表示パネル144の明るさを制御し、また、表示パネルのオンオフ、入力機能のオンオフを制御する。
電子機器140は、デザイン性を考慮して開孔を設けるのではなく、筐体142の表面パネルを透過させて光センサ装置100に光が当たる構造が採用されるようになっている。この場合、可視光線の透過光量が低下し、赤外線の情報に埋もれてしまうという問題が生じる。しかしながら、本実施形態によれば、光センサ装置100に赤外線カットフィルタ層118が設けられていることにより、赤外線のノイズを除外して、可視光線を検知することができる。そのため、光センサ装置100をカラーセンサとして機能させる場合でも、色調のずれを抑制し、正確に周囲光を検知することができる。
本実施形態によれば、光センサ装置100において、赤外線カットフィルタ層118が受光素子102の受光面に近接して設けられていることにより、広角で入射する光に対しても正確に照度を測定することができる。
以下、実施例を挙げて、本発明の実施の形態をさらに具体的に説明する。但し、本発明は、下記実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
赤外線遮蔽材としてYMF−02A(住友金属鉱山株式会社製。セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3、平均分散粒径800nm以下)の18.5質量%分散液)を24.0質量部、バインダー樹脂として下記方法により調製したバインダー樹脂溶液Aを45.0質量部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを10.7質量部、重合開始剤としてNCI−930(株式会社ADEKA製)を1.50質量部、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェントFTX−218(株式会社ネオス社製)を0.13質量部および下記方法により調製したフィラー分散液Aを35.7質量部混合し、赤外線吸収性組成物(S−118−1)を調製した。
図1A及び図1Bに係る光センサ装置100aを模式的に再現した評価用基板を、次の手順で作製した。
まず、2枚のガラス基板上に、自動塗布現像装置(東京エレクトロン(株)製クリーントラック、商品名「MARK−Vz」)を用いて、後述の方法により調製した硬化性組成物(S−114)をスピンコート法にてそれぞれ塗布した後、250℃で2分間ベークを行い、膜厚0.6μmの絶縁層114を形成した。
1枚のガラス基板について、絶縁層114上に赤外線吸収性組成物(S−118−1)をスピンコート法にて塗布した後、100℃のホットプレートで2分間プレベークを行って、塗膜を形成した。その後、200℃のホットプレートで5分間ポストベークを行うことにより、膜厚25μmの赤外線カットフィルタ層118を有するガラス基板を作製した。これをガラス基板Aとする。
また、赤外線カットフィルタ層118を形成していないガラス基板をガラス基板Bとする。
分光光度計(日本分光(株)製、V−7300)を用いて、波長400〜1600nmでの分光透過率(%T)を1nm刻みで測定し、ガラス基板Aの極大吸収波長における透過率を測定した。評価結果を表2に示す。なお、透過率はガラス基板B対比で算出し、ガラス基板に対して入射角0°の条件、即ちガラス基板に対して垂直に透過した光を測定した。極大吸収波長における透過率が2%以下であれば、実用上良好な赤外線遮蔽性を示すといえる。
この透過率測定において、入射角30°の条件、即ちガラス基板に対して30°の角度から分光透過率を測定したところ、入射角0°の条件で測定した分光透過率と一致することを確認した。即ち、実施例1においては、赤外線カットフィルタ層は入射角依存性を有さないといえる。
次に、赤外線カットフィルタ層118を形成したガラス基板Aについて、絶縁層114と赤外線カットフィルタ層118との密着性を、JISK5400における碁盤目セロハンテープ剥離試験に準拠し、1mm角、計100個の碁盤目における残膜率で以下の基準で密着性を評価した。評価結果を表2に示す。
残膜率が100〜90%の場合を「○」
残膜率が90未満〜50%の場合を「△」
残膜率が50未満〜0%の場合を「×」
バインダー樹脂溶液Aは次の手順により調製した。
1,000mL三口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール159gを入れ、窒素気流下、85℃まで加熱した。これに、ベンジルメタクリレート63.4g、メタクリル酸72.3g、V−601(和光純薬製)4.15gを1−メトキシ−2−プロパノール159gに添加して調製した溶液を、2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に5時間加熱して反応させた。
次いで、加熱を止め、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=30/70(モル比)の共重合体を得た。
次に、前記共重合体溶液の内、120.0gを300mL三口フラスコに移し、グリシジルメタクリレート16.6g、p−メトキシフェノール0.16gを加え、撹拌し溶解させた。溶解後、トリフェニルホスフィン3.0gを加え、100℃に加熱し、付加反応を行った。グリシジルメタクリレートが消失したことを、ガスクロマトグラフィーで確認し、加熱を止めた。1−メトキシ−2−プロパノール38gを加え、酸性官能基含有量2meq/g(酸価112mgKOH/g)、重合性不飽和基含有量2.23meq/g、重量平均分子量24,000(GPC法によりポリスチレン換算値)、固形分46質量%のバインダー樹脂溶液Aを調製した。
フィラー分散液Aは、シリカ(アドマテックス(株)製、SO−C2)(フィラー)30質量部と、前記バインダー樹脂溶液A48.2質量部と、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート59.0質量部とを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製した。
硬化性組成物(S−114)は、含酸素飽和複素環基を有するアクリル樹脂であるスチレン/メタクリル酸/ジシクロペンタニルメタクリレート/グリシジルメタクリレート=22.5/44.5/56.25/90(質量比)の共重合体を25質量部、及び溶媒としてジエチレングリコールジメチルエーテル75質量部を混合して調製した。
[実施例2]
赤外線吸収性組成物(S−118−1)に代えて、以下の方法で調製した赤外線吸収性組成物(S−118−2)を用いた以外は実施例1と同様にして、ガラス基板Aを作製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
赤外線吸収性組成物(S−118−2)は、メチルエチルケトン20質量部、下記の方法で合成したジチオールニッケル化合物を1質量部、ベンジルメタクリレート/メタクリル酸=30/70(質量比)の共重合体を24質量部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート1.5質量部、および2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン0.3質量部を混合して調製した。
ジチオールニッケル化合物は次の手順で合成した。
4−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)−1,2−ジクロロベンゼン66.7g(0.2モル)に、N,N−ジメチルホルムアミド146g、70%硫化水素ナトリウム33.6g(0.42モル)を加え、65℃で3時間反応させた。この溶液に鉄粉5.9g(0.11モル)および硫黄末6.7g(0.21モル)を添加し、110℃で6時間反応させた。
この反応液を室温まで冷却し、塩化ニッケル(II)6水和物22.9g(0.1モル)を添加して室温で3時間反応させた。更に、反応液にテトラブチルアンモニウムブロマイド32.2g(0.1モル)を添加し、室温で空気を吹き込みながら2時間反応させた。
得られた反応液を濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製を行い、目的とするジチオールニッケル化合物である、テトラ−n−ブチルアンモニウム ビス[4−(N,N−ジイソブチルアミノスルホニル)−1,2−ベンゼンジチオラート−S,S’]ニッケルを40.5g得た。
[実施例3]
赤外線吸収性組成物(S−118−1)に代えて、以下の方法で調製した赤外線吸収性組成物(S−118−3)を用いた以外は実施例1と同様にして、ガラス基板Aを作製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
赤外線吸収性組成物(S−118−3)は、赤外線遮蔽材としてKHF−7(住友金属鉱山株式会社製。ホウ化ランタン(平均分散粒径0.3μm)の3.5質量%分散液)を26.97質量部、バインダー樹脂として前記バインダー樹脂溶液Aを14.9質量部、重合性化合物としてジペンタエリスリトールヘキサアクリレートを7.72質量部、重合開始剤としてIrgacure 907を2.03質量部および2,4−ジエチルチオキサントン0.43質量部、添加剤としてフッ素系界面活性剤であるフタージェントFTX−218(株式会社ネオス社製)を0.14質量部、並びに下記方法により調製したフィラー分散液Bを45.09質量部混合して調製した。
フィラー分散液Bは、シリカ(アドマテックス(株)製、SO−C1)(フィラー)30質量部と、前記バインダー樹脂溶液A48.2質量部とを予め混合した後、モーターミルM−250(アイガー社製)で、直径1.0mmのジルコニアビーズを用い、周速9m/sにて3時間分散して調製した。
[実施例4]
赤外線吸収性組成物(S−118−1)に代えて、以下の方法で調製した赤外線吸収性組成物(S−118−4)を用いた以外は実施例1と同様にして、ガラス基板Aを作製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
赤外線吸収性組成物(S−118−4)は、赤外線遮蔽材として下記方法により合成した銅化合物Aを30質量部、バインダー樹脂としてベンジルメタクリレート/メタクリル酸=70/30(モル比)の共重合体を69.8質量部、界面活性剤であるF−781(DIC株式会社製)を0.2質量部、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルを100質量部混合して調製した。
銅化合物Aは次の方法により合成した。
無水安息香酸銅5g、およびビス(2−メタクリロイルオキシエチル)ホスフェート(城北化学工業株式会社製)7gをアセトン25mL中に溶解し、室温で4時間攪拌しながら反応を進行させた。得られた反応生成物を、ヘキサン中に滴下し、沈殿物を濾過により抽出、乾燥することで、錯体である銅化合物Aを得た。
[実施例5]
赤外線吸収性組成物(S−118−1)に代えて、以下の方法で調製した赤外線吸収性組成物(S−118−5)を用いた以外は実施例1と同様にして、ガラス基板Aを作製し、実施例1と同様にして評価した。評価結果を表2に示す。
赤外線吸収性組成物(S−118−5)は、赤外線遮蔽材としてフタロシアニン系化合物であるExcolor TX−EX 720(日本触媒株式会社製。極大吸収波長720nm)0.25質量部およびシアニン系化合物であるDaito chmix 1371F(ダイトーケミックス株式会社製。極大吸収波長805nm)0.25質量部、重合性化合物としてペンタエリスリトールテトラアクリレートを25質量部および下記式(2)で表される重合性化合物25質量部、並びにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート49.5質量部を混合して調製した。
Figure 2016181786
実施例2〜5における透過率測定において入射角30°の条件、即ちガラス基板に対して30°の角度から分光透過率を測定したところ、入射角0°の条件で測定した分光透過率と一致することを確認した。即ち、実施例2〜5においては、赤外線カットフィルタ層は入射角依存性を有さないといえる。
[比較例1]
実施例1において、YMF−02A(住友金属鉱山株式会社製。セシウムタングステン酸化物(Cs0.33WO3、平均分散粒径800nm以下)の18.5質量%分散液)を用いなかった以外は実施例1と同様にして赤外線吸収性組成物(S−118−6)を調製し、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。
なお、比較例1のガラス基板Aは赤外線カットフィルタ層を有さないので、入射角依存性の評価は行っていない。
[比較例2]
実施例1において、赤外線吸収性組成物(S−118−1)を用いて赤外線カットフィルタ層を形成する代わりに、下記方法により作製した誘電体多層膜を有する赤外線遮蔽フィルタを絶縁層114上に載置することにより、ガラス基板Aを作製した。そして得られたガラス基板Aについて、実施例1と同様にして評価を行った。評価結果を表2に示す。なお、赤外線カットフィルタ層の作製方法が実施例1〜5及び比較例1とは異なるため、密着性評価は行っていない。
誘電体多層膜を有する赤外線遮蔽フィルタの作製方法は次の通りである。
ポリエステル樹脂(東洋紡績株式会社製、商品名VYRONl03)0.75g、およびジイモニウム系化合物(日本化薬株式会社製、商品名IRG−0691。ジクロロメタン中における極大吸収波長1108nm。)0.0145gを、シクロヘキサノン4.25gに溶解して塗工液(1)を調製した。
この塗工液(1)を、銅含有弗燐酸塩ガラス(AGCテクノグラス(株)製、商品名NF−501、厚さ0.3mm。)からなるガラス基板の一方の主面側に、スピンコート法により塗布し、150℃で30分間加熱して赤外線吸収層を形成することにより、赤外線遮蔽フィルタを得た。赤外線吸収層の平均膜厚は、5.0μmであった。
次に、上記赤外線遮蔽フィルタの両主面(ガラス基板の赤外線吸収層が形成されていない面と赤外線吸収層上)にそれぞれ、スパッタリング法により、シリカ(SiO2、屈折率1.45(波長550nm))層とチタニア(TiO2、屈折率2.32(波長550nm))層とを交互に積層して、表1に示すような構成からなる誘電体多層膜(34層)を形成した。これにより、誘電体多層膜を有する赤外線遮蔽フィルタを得た。
Figure 2016181786
比較例2における透過率測定において入射角30°の条件、即ちガラス基板に対して30°の角度から分光透過率を測定したところ、入射角0°の条件で測定した分光透過率とは一致しないことを確認した。即ち、比較例2においては、赤外線カットフィルタ層は入射角依存性を有するため、低背化された光センサ装置の作製に適さないといえる。
Figure 2016181786
100・・・光センサ装置、101・・・光センサモジュール、102・・・受光素子、103・・・受光素子、104・・・第1電極、105・・・第1電極、106・・・光電変換層、108・・・p型半導体領域、109・・・p型半導体領域、110・・・n型半導体領域、112・・・第2電極、114・・・絶縁層、116・・・素子分離絶縁層、118・・・赤外線カットフィルタ層、120・・・硬化膜、121・・・第2硬化膜、122・・・カラーフィルタ層、124・・・フレーム、126・・・端子、128・・・ボンディングワイヤ、130・・・封止材、132・・・赤外線パスフィルタ層、134・・・発光ダイオード、136・・・遮光部材、138・・・駆動回路、140・・・電子機器、142・・・筐体、144・・・表示パネル、146・・・マイクロホン部、148・・・スピーカ部

Claims (13)

  1. 可視光線波長帯域から赤外線波長帯域にかけて分光感度を有する受光素子と、前記受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長帯域の光を遮断して可視光線波長帯域の光を透過させる赤外線カットフィルタ層と、を含むことを特徴とする光センサ装置。
  2. 可視光線波長帯域から赤外線波長帯域にかけて分光感度を有する第1受光素子及び第2受光素子と、前記第1受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長帯域の光を遮断して可視光線波長帯域の光を透過させる赤外線カットフィルタ層と、前記第2受光素子の受光面上に設けられた赤外線波長領域に透過帯域を有する赤外線パスフィルタ層と、を含むことを特徴とする光センサ装置。
  3. 前記受光素子の受光面を被覆する硬化膜が設けられ、前記赤外線カットフィルタ層は前記硬化膜に接して設けられている、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  4. 前記光センサ装置が、照度センサ、近接センサ又はカラーセンサである、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  5. 前記受光素子の受光面上にカラーフィルタ層が設けられ、前記赤外線カットフィルタ層は前記カラーフィルタ層に接して設けられている、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  6. 前記赤外線カットフィルタ層は、膜厚が0.1〜50μmである、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  7. 前記赤外線カットフィルタ層は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材を含み、且つ前記赤外線遮蔽材の割合が、全固形分質量に対して0.1〜80質量%である、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  8. 前記赤外線カットフィルタ層は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む赤外線吸収性組成物を用いて形成されたものである、請求項1又は2に記載の光センサ装置。
  9. 前記バインダー樹脂が、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂およびポリシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項8に記載の光センサ装置。
  10. 前記赤外線遮蔽材が、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、金属酸化物、金属ホウ化物、貴金属からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物である、請求項7又は8に記載の光センサ装置。
  11. 請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光センサ装置を有することを特徴とする電子機器。
  12. 波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する赤外線遮蔽材と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む、請求項1又は2に記載の赤外線カットフィルタ層の形成に用いられる赤外線吸収性組成物。
  13. 基板上に請求項12に記載の赤外線吸収性組成物によって塗膜を形成する工程、
    前記塗膜の一部に放射線を照射する工程、
    前記放射線が照射された塗膜を現像する工程、及び
    前記現像された塗膜を加熱する工程
    を含む赤外線カットフィルタ層の作製方法。
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