JPWO2019004319A1 - 固体撮像装置 - Google Patents

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Abstract

固体撮像装置は、第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、ガラス基材と、ガラス基材の少なくとも一方に誘電体多層膜と、を有し、固体撮像素子は、半導体基板と、半導体基板に設けられた第1受光素子と、第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、光学フィルタは、第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、誘電体多層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる。【選択図】図1

Description

本発明は、固体撮像装置に関する。
デジタルカメラ等の撮像装置には、CCDイメージセンサや、CMOSイメージセンサ等の半導体固体撮像素子が搭載されている。これらの固体撮像素子の感度は、可視領域から赤外線領域にわたるため、撮像装置においては、撮像レンズと固体撮像素子との間に、赤外線を遮断するための赤外線カットフィルタが設けられている。この赤外線カットフィルタにより、固体撮像素子の感度を人間の視感度に近づくように補正することができる。
例えば、特許文献1には、ガラス基材に誘電体多層膜を設けることで、形成される赤外線カットフィルタについて開示されている。また、ガラス基材に、塗布層を設け、塗布層上に誘電体多層膜が設けられた構成について開示されている。
国際公開第2014/030628号
特許文献1に記載の固体撮像装置において、近赤外線カットフィルタの誘電体多層膜は、高屈折率の誘電体膜と、低屈折率の誘電体膜とが交互に積層されている。しかしながら、近赤外線カットフィルタに使用する膜の層数が増加すると、近赤外線カットフィルタ全体に生じる反りが大きくなる。また、製造工程が増えるため、製造コストが上昇するとともに、歩留まりが低下してしまう。
そこで、本発明は、高品質な固体撮像装置を歩留まり良く提供することを目的の一とする。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置は、第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、ガラス基材と、ガラス基材の少なくとも一方に誘電体多層膜と、を有し、固体撮像素子は、半導体基板と、半導体基板に設けられた第1受光素子と、第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、光学フィルタは、第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、誘電体多層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる。
上記構成において、ガラス基材は、CuO含有フツリン酸塩ガラスまたはCuO含有リン酸塩ガラスである。
上記構成において、光学フィルタは、第2近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する。
上記構成において、光学フィルタは、カラーフィルタ層と、第2近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する。
上記構成において、半導体基板に設けられた第2受光素子と、第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する。
上記構成において、誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる。
上記構成において、第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置は、第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、基材と、基材の第1面に設けられた第1誘電体多層膜と、基材の第2面に設けられた樹脂層と、基材の第2面に樹脂層を介して設けられた第2誘電体多層膜と、を有し、固体撮像素子は、半導体基板と、半導体基板に設けられた第1受光素子と、第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、光学フィルタは、第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、第1近赤外線カットフィルタの樹脂層は、第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、第1誘電体多層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる。
上記構成において、光学フィルタは、第1近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する。
上記構成において、光学フィルタは、カラーフィルタ層と、第1近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する。
上記構成において、半導体基板に設けられた第2受光素子と、第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する。
上記構成において、第1誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる。
上記構成において、第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む。
本発明の一実施形態に係る固体撮像装置は、第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、近赤外線吸収剤を含む樹脂基材と、樹脂基材の少なくとも一方に誘電体多層膜と、を有し、固体撮像素子は、半導体基板と、半導体基板に設けられた第1受光素子と、第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、光学フィルタは、第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、第1近赤外線カットフィルタは、第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、誘電体積層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる。第2近赤外線カットフィルタと併用することで、入射角依存性を低減できる。
上記構成において、光学フィルタは、第1近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する。
上記構成において、光学フィルタは、カラーフィルタ層と、第1近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する。
上記構成において、半導体基板に設けられた第2受光素子と、第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する。
上記構成において、誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる。
上記構成において、第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む。
本発明によれば、入射角依存性を低減でき、高品質な固体撮像装置を歩留まり良く提供することができる。
本発明の各実施の形態に適用される固体撮像装置の一例の概略構成である。 本発明の各実施の形態に適用される固体撮像装置の一例の概略構成である。 本発明の各実施の形態に適用される固体撮像装置の一例の概略構成である。 本発明の実施例に係るサンプルの構成を示す図である。 本発明の実施例に係るサンプルの構成を示す図である。 本発明の実施例に係るサンプルの構成を示す図である。 本発明の実施例に係るサンプルについて透過率を測定した結果を示す図である。
(第1実施形態)
本実施形態に係る固体撮像装置の断面図について、図1に示す。図1に示すように、固体撮像装置210は、固体撮像素子110及び近赤外線カットフィルタ130を有する。
[固体撮像素子の構成]
まず、固体撮像素子110の構成について説明する。固体撮像素子110は、入射光を光電変換する受光部を有する半導体基板111と、半導体基板111上に設けられた光学フィルタ層114と、を有する。
半導体基板111には、画素部101が設けられている。画素部101には、複数の画素が、行方向及び列方向に配置されている。図1においては、行方向の複数の画素の断面図を示している。
図1に示すように、画素部101には、可視光検出用画素102と、赤外光検出用画素103とを有する。可視光検出用画素102は、第1画素104a〜104cを有し、赤外光検出用画素103は、第2画素105を有する。画素部101は、半導体基板111上に、半導体層112と、配線層113と、光学フィルタ層114と、マイクロレンズアレイ115と、が積層されている。
半導体基板111としては、例えば、シリコン基板や、絶縁層上にシリコン層が設けられた基板(SOI基板)等を用いることができる。なお、半導体層112は、半導体基板111の半導体領域に設けられる。例えば、半導体基板111がシリコン基板である場合、当該シリコン基板の上部に、半導体層112が含まれる。半導体層112には、各画素に対応して、フォトダイオード106a〜106dが設けられる。
本明細書等では、フォトダイオード106a〜106cを第1受光素子、フォトダイオード106dを第2受光素子とも呼ぶ。なお、第1受光素子及び第2受光素子は、フォトダイオードに限定されず、光起電力効果により電流や電圧を発生させる機能を有する素子であれば、他の素子で代用することもできる。また、半導体層112には、複数のフォトダイオード106a〜106dのそれぞれから検出信号を取得するための回路が、トランジスタ等の能動素子を用いて形成されている。
配線層113は、画素部101に設けられるアドレス線や信号線などの配線を含む層である。配線層113は、複数の配線が層間絶縁膜によって分離され、多層化されていてもよい。例えば、アドレス線と信号線は、行方向と列方向に延びて交差するため、絶縁層を挟んで異なる層に設けられている。
光学フィルタ層114は、光学的特性が異なる複数の層により構成されている。本実施形態では、配線層113上に、フォトダイオード106a〜106cと重なる領域に、可視光線波長領域の透過帯域を有するカラーフィルタ層107a〜107cが設けられ、フォトダイオード106d上と重なる領域に、赤外線パスフィルタ層108が設けられている。
カラーフィルタ層107a〜107cと重なる領域に、近赤外線波長領域の光を遮断して、可視光線波長領域の光を透過する近赤外線カットフィルタ122が設けられている。言い換えると、近赤外線カットフィルタ122は、カラーフィルタ層107a〜107c上に設けられ、赤外線パスフィルタ層108上には設けられない。すなわち、近赤外線カットフィルタ122は、フォトダイオード106dが設けられる領域上に開口部を有している。
図1で示すように、カラーフィルタ層107a〜107c及び赤外線パスフィルタ層108と、近赤外線カットフィルタ122との間には硬化膜121が設けられている。硬化膜121を設けることで、カラーフィルタ層107a〜107c及び赤外線パスフィルタ層108の表面凹凸を緩和して、平坦な表面上に近赤外線カットフィルタ122を設けることができる。これにより、近赤外線カットフィルタ122の薄膜化を図ることが可能となる。
近赤外線カットフィルタ122の上面には、さらに硬化膜123が設けられている。近赤外線カットフィルタ122は、フォトダイオード106a〜106cの受光面上に設けられ、フォトダイオード106dの受光面上には設けられていない。そのため、近赤外線カットフィルタ122による段差部が出来てしまう。しかし、硬化膜123を設けることで、この段差部を埋め、マイクロレンズアレイ115下地面を平坦にすることができる。
マイクロレンズアレイ115は光学フィルタ層114の上面に設けられている。マイクロレンズアレイ115は、個々のマイクロレンズの位置が各画素の位置に対応しており、各マイクロレンズで集光された入射光が、それぞれ対応する各画素(具体的には、各フォトダイオード)に受光される。マイクロレンズアレイ115は、樹脂材料を用いて形成することができるため、オンチップで形成することが可能である。例えば、硬化膜123の上に塗布した樹脂材料を加工してマイクロレンズアレイ115を形成することができる。
[近赤外線カットフィルタ]
次に、近赤外線カットフィルタ130の構成について説明する。近赤外線カットフィルタ130は、基材131と、誘電体多層膜132と、誘電体多層膜133と、を有する。近赤外線カットフィルタ130は、近赤外線カットフィルタ122に対向する位置に設けられている。
≪基材≫
基材131として、ガラス基材又は樹脂基材を使用することができる。ガラス基材としては、例えば、石英ガラス基材、ホウケイ酸ガラス基材、ソーダガラス基材などを使用することができる。また、CuO含有フツリン酸塩ガラスまたはCuO含有リン酸塩ガラスからなる近赤外線吸収ガラスを使用することができる。基材131として、CuO含有ガラスを使用することにより、可視光に対し、高い透過率を有し、また近赤外線に対しても高い遮蔽性を有するため、好ましい。
ガラス基材の厚みは、好ましくは、30μm以上1000μm以下、さらに好ましくは、50μm以上750μm以下、特に好ましくは、50μm以上700μm以下とする。ガラス基材の厚みは、30μmより薄い場合には、ガラス基材そのものが割れやすくなってしまうため、ハンドリングが極めて困難となる場合がある。また、ガラス基材1000μmよりも厚い場合には、近赤外線カットフィルタの薄膜化という目的が達成できなくなってしまう場合がある。
ガラス基材の厚みが上記範囲にあると、近赤外線カットフィルタを、小型化、軽量化することができ、固体撮像装置等さまざまな用途に好適に用いることができる。特に、カメラモジュール等レンズユニットに用いた場合には、レンズユニットの低背化を図ることができる。
≪誘電体多層膜≫
誘電体多層膜は、近赤外線を反射する機能を有する膜である。誘電体多層膜は、基材131の片面に設けてもよいし、両面に設けてもよい。片面に設ける場合には、製造コストや製造容易性に優れ、両面に設ける場合には、高い強度を有し、反りが生じにくい近赤外線カットフィルタを得ることができる。
図1においては、基材131の両面に、誘電体多層膜132、133を設ける場合について説明する。また、基材131において、固体撮像素子110の受光面に対向する側を第1面とし、第1面とは反対側を第2面として説明する。
誘電体多層膜としては、例えば、セラミックを使用することができる。光の干渉の効果を利用した近赤外線カットフィルタを形成するためには、屈折率が異なるセラミックを2種類以上使用することが好ましい。
また、近赤外域に吸収を有する貴金属膜を近赤外線カットフィルタの透過率に影響がないよう、厚みと層数を考慮して使用することが好ましい。誘電体多層膜としては、高屈折率材料層と、低屈折率材料層とを交互に積層した構成とすることが好ましい。
高屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.7以上の材料を使用することができ、屈折率の範囲は、1.7〜2.5の材料が選択される。この材料としては、例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、五酸化タンタル、五酸化ニオブ、酸化ランタン、酸化イットリウム、酸化亜鉛、硫化亜鉛、又は酸化インジウムを主成分とし、酸化チタン、酸化錫及び/又は酸化セリウムなどを少量含有させたものが挙げられる。
低屈折率材料層を構成する材料としては、屈折率が1.6以下の材料を使用することができ、屈折率の範囲は、1.2〜1.6の材料が選択される。この材料としては、例えば、シリカ、アルミナ、フッ化ランタン、フッ化マグネシウム、及び六フッ化アルミニウムナトリウムが挙げられる。
基材131に、誘電体多層膜を形成する方法としては、例えば、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成し、これを基材131に接着剤で貼り合わせる方法や、基材131に、直接、CVD法、スパッタリング法、真空蒸着法などにより、高屈折率材料層と低屈折率材料層とを交互に積層した誘電体多層膜を形成する方法を挙げることができる。
高屈折率材料層及び低屈折率材料層の各層の厚みは、遮断しようとする近赤外線波長λ(nm)の0.1λ〜0.5λの厚みである。厚みが上記範囲外になると、屈折率(n)と、膜厚(d)との積(n×d)がλ/4で算出される光学的膜厚と大きく異なってしまう。これにより、反射と屈折との光学的特性の関係が崩れてしまい、特定波長の遮断と透過とをコントロールしにくい傾向がある。
基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数よりも少ないことが好ましい。また、基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、10層以下、好ましくは7層以下とする。基材131の第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数は、好ましくは、10層以上40層未満であり、より好ましくは、20層以上40層未満であり、特に好ましくは、20層以上30層以下である。
誘電体多層膜132又は誘電体多層膜133を蒸着した際に、基材131に反りが生じてしまう場合には、これを解消するために、基材131両面へ誘電体多層膜を蒸着してもよいし、基材131の誘電体多層膜を蒸着した面に紫外線等の放射線を照射してもよい。なお、放射線を照射する場合、誘電体多層膜132又は誘電体多層膜133の蒸着を行いながら照射してもよいし、蒸着後別途照射してもよい。
図1では、基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133は、例えば、7層以下とすることが好ましい。また、基材131の第2面側に設けられる誘電体多層膜132は、例えば、20層以上30層以下とすることが好ましい。近赤外線カットフィルタ130をこのような構成とすることにより、近赤外線カットフィルタ130の全体の反りを低減することができる。基材131として樹脂基材を用いる場合には、樹脂基材の反りを低減できるため好ましい。また、誘電体多層膜132の層数及び誘電体多層膜133の層数を低減することができるため、製造工程が低減され、歩留まりを向上させることができる。
なお、図1では、基材131の両面に、誘電体多層膜132、133を設ける場合について説明したが、本発明の一実施形態はこれに限定されない。基材131が充分な剛性を有する場合には、基材131の第1面に誘電体多層膜133を設けず、第2面に誘電体多層膜132を設ける構成であってもよい。近赤外線カットフィルタ130を、基材131の一方の面のみに、誘電体多層膜133を設ける構成とすることにより、誘電体多層膜の全体の層数を低減することができるため、製造工程がより低減され、歩留まりを向上させることができる。
[固体撮像装置の動作]
図1に示す固体撮像装置210には、近赤外線カットフィルタ130を介して光が入射することで、近赤外線がカットされる。次に、マイクロレンズアレイ115を介して入射した光は、近赤外線カットフィルタ122により近赤外線がさらにカットされ、可視光がカラーフィルタ層107a〜107cに入射する。一方、赤外光検出用画素103においては、赤外線パスフィルタ層108にそのまま入射する。
第1画素104a〜104cでは、カラーフィルタ層107a〜107cに入射した可視光線波長領域の光が、それぞれの光学的特性に応じて透過した可視光線が、フォトダイオード106a〜106cに入射する。これにより、近赤外線によるノイズの影響を受けずに精度よく可視光線を検出することができる。第2画素105では、赤外線パスフィルタ層108により、可視光線波長領域の光がカットされ、赤外線波長領域(特に、近赤外線波長領域)の光がフォトダイオード106dに入射する。これにより、可視光に起因するノイズ等の影響を受けずに、精度良く近赤外線を検出することができる。
本実施形態に係る固体撮像装置210は、固体撮像素子110上に、近赤外線カットフィルタ122と、近赤外線カットフィルタ122上に、さらに近赤外線カットフィルタ130が設けられている。固体撮像素子110上に設けられた近赤外線カットフィルタによっても、近赤外線をカットすることができる。これにより、誘電体多層膜132、133の層数を低減することができる。誘電体多層膜132、133の層数を低減することで、近赤外線カットフィルタ130の反りを低減することができる。また、誘電体多層膜132、133の層数を低減することができるため、製造工程が低減され、歩留まりが向上する。
次に、光学フィルタ層114に設けられる各層について詳細に説明する。
≪カラーフィルタ層≫
カラーフィルタ層107a〜107cは、それぞれ異なる波長帯域の可視光線を透過するパスフィルタである。例えば、カラーフィルタ層107aは赤色光(概ね波長610〜780nm)の波長帯域の光を透過し、カラーフィルタ層107bは緑色光(概ね波長500〜570nm)の波長帯域の光を透過し、カラーフィルタ層107cは青色光(概ね波長430〜460nm)の波長帯域の光を透過することができるパスフィルタによって、それぞれを構成することができる。複数のフォトダイオードの各々には、それぞれカラーフィルタ層107a〜107cの透過光が入射される。
カラーフィルタ層107a〜107cは、バインダー樹脂及び硬化剤等の樹脂材料に、特定の波長帯域に吸収を有する色素(顔料や染料)を含有した組成物によって形成することができる。このような色素は一種類又は複数種類を組み合わせて用いることができる。
フォトダイオードがシリコンフォトダイオードであれば、可視光線波長領域から赤外線波長領域の広い範囲にわたって感度を有する。そのため、フォトダイオードに対応してカラーフィルタ層107a〜107cを設けることで、各色に対応した複数の画素に設けることができる。
≪赤外線パスフィルタ層≫
赤外線パスフィルタ層108は、少なくとも近赤外線波長領域の光を透過するパスフィルタである。赤外線パスフィルタ層108は、バインダー樹脂や重合性化合物等に、可視光線波長領域の波長に吸収を有する色素(顔料や染料)を加えて形成することができる。赤外線パスフィルタ層108は、概略700nm未満、好ましくは750nm未満、より好ましくは800nm未満の光を吸収(カット)し、波長700nm以上、好ましくは750nm以上、より好ましくは800nm以上の光を透過する分光透過特性を有している。
赤外線パスフィルタ層108は、上記したような所定波長未満(例えば、波長750nm未満)の光を遮断し、所定波長領域(例えば、750〜950nm)の近赤外線を透過することで、フォトダイオード106dに近赤外線が入射されるようにすることができる。これにより、フォトダイオード106dは、可視光に起因するノイズ等の影響を受けずに、精度良く近赤外線を検出することができる。このように、赤外線パスフィルタ層108を設けることで、第2画素105を赤外光検出用画素103として用いることができる。赤外線パスフィルタ層108は、例えば、特開2014−130332号公報に記載の感光性組成物を用いて形成することができる。
≪近赤外線カットフィルタ≫
近赤外線カットフィルタ122は、可視光線波長領域の光を透過し、近赤外線波長領域の光を遮断するパスフィルタである。近赤外線カットフィルタ122は、波長600〜2000nmの範囲内に極大吸収波長を有する化合物(以下、「赤外線吸収剤」とも称する。)を含むことが好ましく、例えば、赤外線吸収剤と、バインダー樹脂及び重合性化合物から選ばれる少なくとも1種とを含む赤外線吸収性組成物を用いて形成することができる。
<赤外線吸収剤>
赤外線吸収剤としては、例えば、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、アゾ系化合物、アントラキノン系化合物、ポルフィリン系化合物、ピロロピロール系化合物、オキソノール系化合物、クロコニウム系化合物、ヘキサフィリン系化合物、金属ジチオール系化合物、銅化合物、タングステン化合物、金属ホウ化物からなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物を用いることができる。これらは、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
赤外線吸収剤として用いることのできる化合物を以下に例示する。
ジイミニウム(ジインモニウム)系化合物の具体例としては、例えば、国際公開第2007/148595号、特開2011−038007号公報、国際公開第2011/118171号の段落[0118]等に記載の化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、EPOLIGHT1178等のEPOLIGHTシリーズ(Epolin社製)、CIR−1085等のCIR−108Xシリーズ及びCIR−96Xシリーズ(日本カーリット社製)、IRG022、IRG023、PDC−220(日本化薬社製)等を挙げることができる。
スクアリリウム系化合物の具体例としては、例えば、特開平1−228960号公報、特開2012−215806号公報の段落[0178]等に記載の合物が挙げられる。
シアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開2012−215806号公報の段落[0160]、特開2013−155353号公報の段落[0047]〜[0049]等に記載の化合物が挙げられる。市販品としては、例えば、Daito chmix 1371F(ダイトーケミックス社製)、NK−3212、NK−5060等のNKシリーズ(林原生物化学研究所製)等を挙げることができる。
フタロシアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開2004−18561号公報、特開2005−220060号公報、特開2007−169343号公報、特開2013−195480号公報の段落[0026]〜[0027]等に記載の化合物等が挙げられる。市販品としては、例えば、FB−22、24等のFBシリーズ(山田化学工業社製)、Excolorシリーズ、Excolor TX−EX 720、同708K(日本触媒製)、Lumogen IR788(BASF製)、ABS643、ABS654、ABS667、ABS670T、IRA693N、IRA735(Exciton製)、等を挙げることができる。
ナフタロシアニン系化合物の具体例としては、例えば、特開2009−215542号公報の段落[0046]〜[0049]等に記載の化合物が挙げられる。
銅化合物としては銅錯体が好ましく、具体例としては、例えば、特開2014−139616号公報、特開2014−139617号公報等に記載の化合物が挙げられる。
タングステン化合物としては酸化タングステン化合物が好ましく、セシウム酸化タングステン、ルビジルム酸化タングステンがより好ましく、セシウム酸化タングステンが更に好ましい。セシウム酸化タングステンの組成式としてはCs0.33WO3等が挙げられ、またルビジルム酸化タングステンの組成式としてはRb0.33WO3等を挙げることができる。酸化タングステン系化合物は、例えば、住友金属鉱山株式会社製のYMF−02A等のタングステン微粒子の分散物としても、入手可能である。
金属ホウ化物の具体例としては、例えば、特開2012−068418号公報の段落[0049]等に記載の化合物が挙げられる。その中でも、ホウ化ランタンが好ましい。
なお、上記した赤外線吸収剤が、後掲の有機溶媒に可溶である場合には、それをレーキ化して有機溶媒に不溶な赤外線吸収剤として用いることもできる。レーキ化する方法は公知の方法を採用することが可能であり、例えば、特開2007−271745号公報等を参照することができる。
このような赤外線吸収剤の中でも、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物、金属ジチオール系化合物等の有機色素系化合物、銅化合物及びタングステン化合物等無機化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。これらのうち、特に、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素とを併用することで、高い赤外線吸収領域の高い遮断性を示す点において好ましい。
このような態様により、受光素子に入射する赤外線をより効率的に遮断することができる。
ところで、近赤外線カットフィルタ122は、赤外線吸収剤の種類及び含有割合が一定であれば、膜厚を増加させるほど赤外線の吸収特性を向上させることができる。それによって、固体撮像装置はより高いS/N比を得ることができ、高感度の撮像を行うことが可能となる。しかし、近赤外線カットフィルタ122の膜厚を増加させると、固体撮像装置230の薄膜化を図ることができないという問題がある。固体撮像装置の薄型化を図るため、近赤外線カットフィルタ122を薄膜化すると、赤外線遮断能力が低下してしまい可視光検出用画素が赤外線によるノイズの影響を受けやすくなってしまうという問題がある。
一方、赤外線吸収剤の含有割合を増加させると、例えば、近赤外線カットフィルタを形成する他の成分の一つである重合性化合物の割合が減ってしまい、近赤外線カットフィルタ122の硬度が低下してしまう。そうすると光学フィルタ層114が脆くなってしまい、近赤外線カットフィルタ122と接する層の剥離や、クラックが発生する原因となる。例えば、近赤外線カットフィルタ122と接する硬化膜121及び硬化膜123との密着性が低下し、剥離しやすくなることが問題となる。
上記から選択される赤外線吸収剤の割合は、近赤外線カットフィルタ122中に0.1〜80質量%の割合であることが好ましく、より好ましくは1〜70質量%、更に好ましくは3〜60質量%であることが好ましい。
なお、赤外線吸収性組成物を用いて近赤外線カットフィルタを作製する場合の、赤外線吸収性組成物の全固形分質量に対する赤外線吸収剤の好ましい含有割合は、近赤外線カットフィルタ122中の赤外線吸収剤の割合と同様である。この場合の固形分とは、赤外線吸収性組成物を構成する、溶媒以外の成分である。
以下、本発明に係る近赤外線カットフィルタ122の作製に好適に用いることのできる赤外線吸収性組成物を構成する、他の成分について説明する。
<バインダー樹脂>
赤外線吸収性組成物は、バインダー樹脂を含有することが好ましい。バインダー樹脂としては特に限定されるものではないが、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサンよりなる群から選ばれる少なくとも1種が好ましい。
まず、アクリル樹脂について説明する。アクリル樹脂の中でも、カルボキシル基、フェノール性水酸基等の酸性官能基を有するアクリル樹脂が好ましい。酸性官能基を有するアクリル樹脂を用いることにより、赤外線吸収性組成物から得られる近赤外線カットフィルタを所定のパターンに形成すべく露光を行った場合、未露光部をアルカリ現像液でより確実に除去することができ、アルカリ現像によってより優れたパターンを形成できる。酸性官能基を有するアクリル樹脂としては、カルボキシル基を有する重合体が好ましい。カルボキシル基を有する重合体を用いることで、アルカリ現像性、塗膜形成に優れた赤外線吸収性組成物を得ることができる。
このようなカルボキシル基を有する重合体の具体例としては、例えば、特開平11−258415号公報、特開2000−56118号公報、特開2004−101728号公報等に開示されている共重合体を挙げることができる。
また、例えば、特開平11−140144号公報、特開2008−181095号公報等に開示されているように、側鎖に(メタ)アクリロイル基等の重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有重合体を、バインダー樹脂として使用することもできる。これにより、硬化膜との密着性に優れる近赤外線カットフィルタ122を形成することができる。
側鎖に重合性不飽和基を有するカルボキシル基含有重合体としては、例えば、下記(a)〜(d)の重合体が挙げられる。
(a)不飽和単量体(1)及び水酸基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和イソシアネート化合物を反応させて得られる重合体、
(b)不飽和単量体(1)を含有してなる単量体の(共)重合体に、オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を反応させて得られる(共)重合体、
(c)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物及び不飽和単量体(1)を含有してなる単量体の共重合体に、不飽和単量体(1)を反応させて得られる重合体、
(d)オキシラニル基を有する重合性不飽和化合物を含有してなる単量体の(共)重合体に、不飽和単量体(1)を反応させ、更に多塩基酸無水物を反応させて得られる(共)重合体。
なお本明細書において「(共)重合体」とは、重合体及び共重合体を包含する用語である。
アクリル樹脂は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(以下、「GPC」と略す。)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)が、通常1,000〜100,000、好ましくは3,000〜50,000、より好ましくは5,000〜30,000である。また、Mwと数平均分子量(Mn)との比(Mw/Mn)は、通常1.0〜5.0、好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることで、硬化性、密着性に優れる近赤外線カットフィルタを形成することができる。なお、ここでいうMw、Mnは、GPC(溶出溶媒:テトラヒドロフラン)で測定したポリスチレン換算の重量平均分子量、数平均分子量をいう。
酸性官能基を有するアクリル樹脂の酸価は、硬化膜との密着性の観点から、好ましくは10〜300mgKOH/g、より好ましくは30〜250mgKOH/g、更に好ましくは50〜200mgKOH/gである。このような態様により、接触角が低く、濡れ性に優れる近赤外線カットフィルタを形成できるので、硬化膜との密着性を高めることができる。ここで、本明細書において「酸価」とは、酸性官能基を有するアクリル樹脂1gを中和するのに必要なKOHのmg数である。
アクリル樹脂は、公知の方法により製造することができるが、例えば、特開2003−222717号公報、特開2006−259680号公報、国際公開第2007/029871号パンフレット等に開示されている方法により、その構造やMw、Mw/Mnを制御することもできる。
ポリアミド樹脂およびポリイミド系樹脂の具体例としては、特開2012−189632号公報の段落[0118]〜[0120]に記載の化合物を挙げることができる。
ポリウレタン樹脂は、繰り返し単位としてウレタン結合を有するものであれば特に限定されず、ジイソシアネート化合物とジオール化合物の反応により生成することができる。ジイソシアネート化合物としては、特開2014−189746号公報の段落[0043]に記載の化合物が挙げられる。ジオール化合物としては、例えば、特開2014−189746号公報の段落[0022]に記載の化合物が挙げられる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂を挙げることができ、その中でもビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。
このようなエポキシ樹脂は市販品として入手でき、例えば特許5213944号明細書の段落[0121]に記載の市販品が挙げられる。
ポリシロキサンは、加水分解性シラン化合物の加水分解縮合物であることが好ましい。加水分解性シラン化合物としては、オキシラニル基、オキセタニル基、エピスルフィド基、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリロイル基、カルボキシル基等を有する加水分解性シラン化合物が好適に用いることができる。
このような加水分解性シラン化合物の具体例としては、特開2010−055066号公報の段落[0047]〜[0051]および段落[0060]〜[0069]に記載の化合物を挙げることができる。
ポリシロキサンは公知の方法により合成することができる。GPCによるMwは、通常500〜20,000、好ましくは1,000〜10,000、より好ましくは1,500〜7,000、更に好ましくは2,000〜5,000である。また、Mw/Mnは、好ましくは1.0〜4.0、より好ましくは1.0〜3.0である。このような態様とすることにより、塗布性に優れるとともに、十分な密着性を発現することができる。
本発明の一実施形態において、バインダー樹脂は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。その中でも、硬化膜との密着性に優れる近赤外線カットフィルタを形成する観点から、赤外線吸収性組成物を構成するバインダー樹脂としては、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂、ポリシロキサンが好ましく、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂がより好ましく、アクリル樹脂が更に好ましい。
本発明の一実施形態において、バインダー樹脂の含有量は、赤外線吸収剤100質量部に対して、通常5〜1,000質量部、好ましくは10〜500質量部、より好ましくは20〜150質量部である。このような態様とすることで、塗布性及び保存安定性に優れる赤外線吸収性組成物を得ることができ、アルカリ現像性を付与した場合には、アルカリ現像性に優れる赤外線吸収性組成物とすることができる。
<重合性化合物>
赤外線吸収性組成物は、重合性化合物(但し、前記バインダー樹脂を除く。)を含有することが好ましい。本明細書において重合性化合物とは、2個以上の重合可能な基を有する化合物をいう。重合性化合物の分子量は、4,000以下、更に2,500以下、更に1,500以下であることが好ましい。重合可能な基としては、例えば、エチレン性不飽和基、オキシラニル基、オキセタニル基、N−ヒドロキシメチルアミノ基、N−アルコキシメチルアミノ基等を挙げることができる。本発明において、重合性化合物としては、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、又は2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましい。
これらの重合性化合物のうち、2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物、2個以上のN−アルコキシメチルアミノ基を有する化合物が好ましく、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性された多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレート、N,N,N’,N’,N’’,N’’−ヘキサ(アルコキシメチル)メラミン、N,N,N’,N’−テトラ(アルコキシメチル)ベンゾグアナミンがより好ましく、3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレート、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレート、多官能ウレタン(メタ)アクリレート、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートが更に好ましい。3価以上の脂肪族ポリヒドロキシ化合物と(メタ)アクリル酸を反応させて得られる多官能(メタ)アクリレートの中では、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートが、アルキレンオキサイド変性された多官能(メタ)アクリレートの中では、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド及びプロピレンオキサイドから選ばれる少なくとも1種により変性されたジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレートが、カルボキシル基を有する多官能(メタ)アクリレートの中では、ペンタエリスリトールトリアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートと無水こはく酸を反応させて得られる化合物が、近赤外線カットフィルタの強度、表面平滑性に優れ、かつ、赤外線吸収性組成物にアルカリ現像性を付与した場合には、未露光部の基板上に地汚れ、膜残り等を発生し難い点で特に好ましい。本発明の一実施形態において、重合性化合物は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明の一実施形態における重合性化合物の含有量は、赤外線吸収剤100質量部に対して、10〜1,000質量部が好ましく、15〜500質量部がより好ましく、20〜150質量部が好ましい。このような態様とすることで、硬化性、密着性がより高められる。
<溶媒>
赤外線吸収性組成物は、通常、溶媒を配合して液状組成物として調製される。溶媒としては、赤外線吸収性組成物を構成する成分を分散又は溶解し、かつこれらの成分と反応せず、適度の揮発性を有するものである限り、適宜に選択して使用することができる。
これらの溶媒のうち、溶解性、塗布性等の観点から、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、乳酸アルキルエステル類、(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、他のエーテル類、ケトン類、ジアセテート類、アルコキシカルボン酸エステル類、他のエステル類が好ましく、特にプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル等が好ましい。
本発明の一実施形態において、溶媒は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
溶媒の含有量は、特に限定されるものではないが、赤外線吸収性組成物の溶媒を除いた各成分の合計濃度が、5〜50質量%となる量が好ましく、10〜30質量%となる量がより好ましい。このような態様とすることにより、塗布性の良好な赤外線吸収性組成物を得ることができる。
<感光剤>
本発明の赤外線吸収性組成物には、感光剤を含有することができる。ここで、本明細書において「感光剤」とは、光照射により赤外線吸収性組成物の溶媒に対する溶解性を変化させる性質を有する化合物をいう。このような化合物としては、例えば、光重合開始剤、酸発生剤等を挙げることができる。感光剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
光重合開始剤としては、光により酸又はラジカルを発生できるものであれば特に限定されないが、例えば、チオキサントン系化合物、アセトフェノン系化合物、ビイミダゾール系化合物、トリアジン系化合物、O−アシルオキシム系化合物、オニウム塩系化合物、ベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン系化合物、α−ジケトン系化合物、多核キノン系化合物、ジアゾ系化合物、イミドスルホナート系化合物等を挙げることができる。光重合開始剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
酸発生剤としては、熱又は光により酸を発生する化合物であれば特に限定されないが、スルホニウム塩、ベンゾチアゾリウム塩、アンモニウム塩、ホスホニウム塩等のオニウム塩、N−ヒドロキシイミドスルホネート化合物、オキシムスルホネート、o−ニトロベンジルスルホネート、キノンジアジド化合物等を挙げられる。酸発生剤は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。オキシムスルホネートの具体例としては、例えば、特開2014−115438号公報の段落[0122]〜[0131]に記載の化合物を挙げることができる。キノンジアジド化合物の具体例としては、例えば、特開2008−156393号公報の段落[0040]〜[0048]に記載の化合物、特開2014−174406号公報の段落[0172]〜[0186]に記載の化合物を挙げることができる。
感光剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の固形分中に、好ましくは0.03〜10質量%、より好ましくは0.1〜8質量%、更に好ましくは0.5〜6質量%である。このような態様とすることで、硬化性、密着性をより一層良好にすることができる。
<分散剤>
赤外線吸収性組成物には、分散剤を含有せしめることができる。分散剤としては、例えば、ウレタン系分散剤、ポリエチレンイミン系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル系分散剤、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル系分散剤、ポリ(アルキレングリコール)ジエステル系分散剤、ソルビタン脂肪酸エステル系分散剤、ポリエステル系分散剤、(メタ)アクリル系分散剤等が挙げられる。
これらの中でも、赤外線吸収性組成物にアルカリ現像性を付与した場合には、現像残渣の少ない近赤外線カットフィルタ122を形成する観点から、アルキレンオキサイド構造を有する繰り返し単位を含む分散剤が好ましい。
分散剤は単独で又は2種以上を混合して使用することができる。分散剤の含有量は、赤外線吸収性組成物の全固形分100質量部に対して、5〜200質量部が好ましく、10〜100質量部がより好ましく、20〜70質量部が更に好ましい。
<添加剤>
赤外線吸収性組成物には、必要に応じて、種々の添加剤を含有することもできる。添加剤としては、例えば、ガラス、アルミナ等の充填剤;ポリビニルアルコール、ポリ(フロオロアルキルアクリレート)類等の高分子化合物;フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等の界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤等を挙げることができる。
≪硬化膜≫
硬化膜144は、カラーフィルタ層107a〜107cとマイクロレンズアレイ115との間に設けられる。硬化膜144は可視光線波長領域及び赤外線波長領域の双方に対し透光性を有することが好ましい。マイクロレンズアレイ115を介して入射した光は、近赤外線カットフィルタ122、赤外線パスフィルタ層108、カラーフィルタ層107a〜107cによって特定の波長帯域の光がフォトダイオード106a〜106dに入射されるが、入射光の光路において前述の各種フィルタ層以外の領域ではなるべく光が減衰しないようにすることが好ましい。
また、硬化膜144は、例えば、配線層113との間で寄生容量が生じないように、絶縁性を有していることが好ましい。硬化膜144は、光学フィルタ層114の略前面に設けられるため、仮に硬化膜144に導電性があると、配線層113との間で意図しない寄生容量が生じてしまう。寄生容量が生じると、フォトダイオード106a〜106dの検出動作に支障をきたすため、硬化膜144は絶縁性を有していることが好ましい。
また、硬化膜144は、それと接する層との密着性に優れていることが望まれる。例えば、硬化膜144と近赤外線カットフィルタ122との密着性が悪いと、剥離が起こり、光学フィルタ層114が損傷してしまう。
さらに、硬化膜144は、近赤外線カットフィルタ122、赤外線パスフィルタ層108、カラーフィルタ層107a〜107c等を埋め込み、その上にマイクロレンズアレイ115を設けるため、表面が平坦化されていることが望ましい。すなわち、硬化膜144は平坦化膜としても用いられることが好ましい。
このように要求される特性に対して、硬化膜144としては、有機膜を用いることが、透光性を有し、かつ絶縁性を有する硬化膜を得る観点から好ましい。有機膜は更に、平坦化膜形成用硬化性組成物を用いて得られる平坦化膜であることが好ましい。即ち、平坦化膜形成用硬化性組成物を塗布した後のレベリング作用により、下地面に凹凸を含んでいても平坦な表面を有する平坦化膜(硬化膜)を得ることができる。
硬化膜144を作製するための組成物としては、硬化性化合物及び溶媒を含む硬化性組成物、特に硬化性化合物及び溶媒を含む平坦化膜形成用硬化性組成物が好ましい。硬化性組成物における溶媒としては、赤外線吸収性組成物における溶媒として記載したものと同様のものを用いることができ、好ましい態様も、前述と同様である。
以下、硬化性組成物を構成する硬化性化合物について説明する。
<硬化性化合物>
硬化性組成物を構成する硬化性化合物としては、光又は熱により硬化しうる化合物であればよく、例えば、含酸素飽和複素環基を有する樹脂、側鎖に重合性不飽和基を有する樹脂、ポリシロキサン、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、重合性化合物等を挙げることができる。
含酸素飽和複素環基を有する樹脂における含酸素飽和複素環基としては、前述と同様のものを挙げることができ、その中でも、オキシラニル基、オキセタニル基が好ましく、オキシラニル基がより好ましい。
含酸素飽和複素環基を有する樹脂としては、含酸素飽和複素環基を有するアクリル樹脂が好ましく、具体的には、含酸素飽和複素環基を有する(メタ)アクリル酸エステルの(共)重合体を挙げることができる。このような(共)重合体は、赤外線吸収性組成物のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、重合性化合物としては、赤外線吸収組成物のところで説明したものと同様のものが挙げられる。
このような硬化性組成物を構成する重合性化合物の中でも、近赤外線カットフィルタとの密着性に優れる硬化膜を形成する観点からは、含酸素飽和複素環基を有する樹脂、側鎖に重合性不飽和基を有する樹脂、ポリシロキサン、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂が好ましく、含酸素飽和複素環基を有する樹脂、側鎖に重合性不飽和基を有する樹脂、ポリシロキサンがより好ましい。
<感光剤>
硬化性組成物には、更に感光剤を含有することができる。感光剤としては前述と同様のものを挙げることができ、具体的な化合物及び態様は、前述と同様である。
<添加剤>
硬化性組成物には、更に添加剤を含有することができる。添加剤としては前述と同様のものを挙げることができる。その中でも、密着促進剤、ブロックイソシアネート化合物が好ましい。
以上説明した、平坦化膜形成用硬化性組成物の中でも、近赤外線カットフィルタとの密着性に優れる硬化膜を形成する観点からは、以下のいずれかであることが好ましい。
(2−I)含酸素飽和複素環基を有する樹脂及び溶媒を含む硬化性組成物、
(2−II)側鎖に重合性不飽和基を有する樹脂及び溶媒を含む硬化性組成物、
(2−III)ポリシロキサン及び溶媒を含む硬化性組成物。
これら(2−I)〜(2−III)における好ましい態様は、それぞれ上記した通りである。
なお、本実施形態に係る固体撮像装置210は、上記の構成に加え、マイクロレンズアレイ115上に2バンドパスフィルタを設けてもよい。すなわち、近赤外線カットフィルタ122及び赤外線パスフィルタ層108の上面に、波長430〜580nmの範囲における平均透過率が75%以上、波長720〜750nmの範囲における平均透過率が15%以下、波長810〜820nmに範囲における平均透過率が60%以上、および波長900〜2000nmの範囲における平均透過率が15%以下である2バンドパスフィルタを設けてもよい。2バンドパスフィルタを付加することで、可視光線波長領域と赤外線波長領域とにおけるフィルタリング能力をさらに高めることができる。なお、本件明細書等における光線透過率とは、日立分光光度計U−4100を用いて測定した値をいう。そして、分光光度計は、所与の波長範囲における透過率の平均値を自動的に算出することができる。平均透過率は、具体的には、所与の波長範囲において、1nm刻みで各波長における透過率を測定し、その透過率の合計を、測定した透過率の数(波長範囲)で除した値である。
(第2実施形態)
本実施形態に係る固体撮像装置220の構成について、図2に示す。第1実施形態と異なる点は、近赤外線カットフィルタ140の構成について、酸化シリコン層134と、樹脂層135と、をさらに有する点である。固体撮像素子110の構成については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[近赤外線カットフィルタ]
図2に示すように、近赤外線カットフィルタ140は、基材131と、誘電体多層膜132と、誘電体多層膜133と、酸化シリコン層134と、樹脂層135と、を有する。基材131の一方の面に、誘電体多層膜133が設けられている。また、基材131の他方の面に、酸化シリコン層134と、樹脂層135と、誘電体多層膜133と、が設けられている。また、近赤外線カットフィルタ140の樹脂層135は、近赤外線カットフィルタ122と対向する位置に設けられている。
基材131として、ガラス基材又は樹脂基材を使用することができる。基材131としてガラス基材を使用する場合には、第1実施形態で説明したガラス基材を使用することができる。
このようなガラス基材の具体例としては、主成分として、珪酸塩を含む基板であれば、特に限定されるものではなく、結晶構造を有する石英ガラス基板等が挙げられる。ほかに、ホウ珪酸ガラス基板、ソーダガラス基板および色ガラス基板等を用いることができるが、とりわけ、無アルカリガラス基板、低α線ガラス基板等のガラス基板は、固体撮像素子への影響が少ないため、それら基板を固体撮像素子に近接させて配置することが可能であり、好ましい。
ガラス基材の厚みは、好ましくは30〜1000μm、さらに好ましくは50〜750μm、特に好ましくは50〜700μmである。ガラス基板の厚みが30μmより薄い場合には、ガラス基板そのものが割れやすくなってしまうため、ハンドリングが極めて困難となる場合がある。また、ガラス基板の厚みが1000μmより厚い場合には、近赤外線カットフィルタの薄膜化という本来の目的が達成できなくなってしまう場合がある。
ガラス基板の厚みが上記範囲にあると、近赤外線カットフィルタを、小型化、軽量化することができ、固体撮像装置等さまざまな用途に好適に用いることができる。特にカメラモジュール等レンズユニットに用いた場合には、レンズユニットの低背化を実現することができるため好ましい。
このようなガラス基材としては、特にCuO含有フツリン酸塩ガラスまたはCuO含有リン酸塩ガラスが好ましく、具体的には特開2006−342024号公報等記載のガラス基材を用いることができる。
基材131の上に直接、樹脂層135を形成すると、樹脂と基材の密着性が劣るため、樹脂層の剥がれが生じやすい。基材131の上に酸化シリコン層134を設けることで、樹脂層の剥がれを防止することができる。この酸化物による層は、酸化シリコンに限定されるものでないが、光線透過率の観点から酸化シリコンが好ましい。また、密着性向上の観点からはガラス基材の表面を紫外線洗浄することもできる。
樹脂層135は、近赤外線吸収剤を有している。近赤外線吸収剤は、吸収極大波長(以下「λmax」ともいう)を600〜800nmの間に有することが好ましく、640〜770nmの間に有することがより好ましく、660〜720nmの間に有することが特に好ましい。λmaxを上記波長範囲に有することで、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものとなる。
また、樹脂層135は、はんだリフロー工程に適用可能な耐熱性を有する樹脂を有することが好ましい。
基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数よりも少ないことが好ましい。また、基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、10層以下、好ましくは7層以下とする。基材131の第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数は、好ましくは、10層以上40層未満であり、より好ましくは、20層以上40層未満であり、特に好ましくは、20層以上30層以下である。また、基材131が充分な剛性を有する場合には、誘電体多層膜133を省略してもよい。誘電体多層膜132及び誘電体多層膜133の構成については、第1実施形態を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る固体撮像装置220は、酸化シリコン層134及び樹脂層135を有する近赤外線カットフィルタ140を有することにより、はんだリフロー工程に適用可能な耐熱性を有するとともに、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものとなる。
本実施形態に係る固体撮像装置220は、固体撮像素子110上に、近赤外線カットフィルタ122と、近赤外線カットフィルタ122上に、さらに近赤外線カットフィルタ140が設けられている。固体撮像素子110上に設けられた近赤外線カットフィルタ及び樹脂層135によって、赤外線をよりカットすることができる。これにより、誘電体多層膜132、133の層数を低減することができる。また、誘電体多層膜132、133の層数が低減されても、近赤外線カットフィルタ140の反りを低減することができる。また、誘電体多層膜132、133の層数を低減することができるため、製造工程が低減され、歩留まりが向上する。
次に、近赤外線カットフィルタ140に設けられる、樹脂層135について詳細に説明する。
≪樹脂層≫
本発明に用いられる樹脂層135は、ハンダリフロー工程に適用可能な耐熱性を有する樹脂と、吸収極大を波長600〜800nmの間に有する近赤外線吸収剤を含むことが好ましい。
<耐熱性を有する樹脂>
耐熱性を有する樹脂は、ガラス転移温度(Tg)が、0〜380℃であることが好ましい。Tgの下限は、40℃以上がより好ましく、60℃以上がより一層好ましく、70℃以上がさらに好ましく、100℃以上が特に好ましい。また、Tgの上限は、370℃以下がより好ましく、360℃以下がより一層好ましい。透明樹脂のTgが0〜380℃の範囲であれば、本光学フィルタの製造プロセスや使用中において、熱による劣化や変形を抑制できる。
このような樹脂の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、ポリオレフィン樹脂、環状オレフィン樹脂、ポリカーボネート樹脂、エン・チオール樹脂、エポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリサルホン樹脂、ポリエーテルサルホン樹脂、ポリパラフェニレン樹脂、ポリアリーレンエーテルフォスフィンオキシド樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、または環状オレフィン樹脂が好ましい。ポリエステル樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂等が好ましい。また、耐熱性が求められる用途では、Tgが高いポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂が好ましい。透明樹脂は、原料成分の分子構造を調整する等により、屈折率を調整できる。具体的には、原料成分のポリマーの主鎖や側鎖に特定の構造を付与する方法が挙げられる。ポリマー内に付与する構造は特に限定されないが、例えば、フルオレン骨格が挙げられる。透明樹脂は複数の異なる樹脂を組み合わせたポリマーアロイであってもよい。
上記樹脂として、市販品を用いてもよい。市販品としては、アクリル樹脂として、オグソール(登録商標)EA−F5003(大阪ガスケミカル(株)製、商品名)、ポリメチルメタクリレート、ポリイソブチルメタクリレート、BR50(三菱レイヨン(株)製、商品名)等が挙げられる。
また、ポリエステル樹脂として、OKPH4HT、OKPH4、B−OKP2、OKP−850(以上、いずれも大阪ガスケミカル(株)製、商品名)、バイロン(登録商標)103(東洋紡(株)製、商品名)、ポリカーボネート樹脂として、LeXan(登録商標)ML9103(sabic社製、商品名)、EP5000(三菱ガス化学(株)社製、商品名)、SP3810(帝人化成(株)製、商品名)、SP1516(帝人化成(株)製、商品名)、TS2020(帝人化成(株)製、商品名)、xylex(登録商標)7507(sabic社製、商品名)等が挙げられる。
さらに、環状オレフィン樹脂として、ARTON(登録商標)(JSR(株)製、商品名、Tg:165℃)、ZEONEX(登録商標)(日本ゼオン(株)製、商品名、Tg:138℃)等が挙げられる。
<近赤外線吸収剤>
本発明の近赤外線カットフィルタに用いることができる近赤外線吸収剤は、(iv)大気中で熱重量分析にて測定した5%重量減少温度が、好ましくは250℃以上であり、更に好ましくは260℃以上、特に好ましくは270℃以上である。重量減少温度が前記条件を満たすことで、高温条件下でも分解することなく、ハンダリフロー工程での使用に十分な熱性が確保され、安定した品質の近赤外線カットフィルタを提供することができる。
また本発明に用いられる近赤外線吸収剤は、波長600〜800nmに吸収極大があることが好ましく、さらに好ましくは640〜770(nm)、特に好ましくは660〜720(nm)の範囲に吸収極大を有することが望ましい。
このような近赤外線吸収剤を用いることで、上記(A)〜(D)および(i)を満たす積層板、近赤外線カットフィルタを得ることができる。
このような近赤外線吸収剤としては、例えば、シアニン系染料、フタロシアニン系染料、アミニウム系染料、イミニウム系色素、アゾ系色素、アンスラキノン系色素、ジイモニウム系色素、スクアリリウム系色素およびポルフィリン系色素が挙げられる。
このような近赤外線吸収剤を含有してなる樹脂層は、上記の耐熱性を有するためハンダリフロー工程への適用が可能となる。
前記近赤外線吸収剤の市販品としては、具体的には、たとえば、Lumogen IR765、Lumogen IR788(BASF製);ABS643、ABS654、ABS667、ABS670T、IRA693N、IRA735(Exciton製);SDA3598、SDA6075、SDA8030、SDA8303、SDA8470、SDA3039、SDA3040、SDA3922、SDA7257(H.W.SANDS製);TAP−15、IR−706(山田化学工業製);を挙げることができる。
これらの近赤外線吸収剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明において、前記近赤外線吸収剤の使用量は所望の特性に応じて適宜選択されるが、本発明に用いる樹脂100重量%に対して、通常0.01〜10.0重量%、好ましくは0.01〜8.0重量%、さらに好ましくは0.01〜5.0重量%である。
近赤外線吸収剤の使用量が上記範囲内にあると、吸収波長の入射角依存性が小さく、近赤外線カット能、430〜580nmの範囲における透過率および強度に優れた近赤外線カットフィルタを得ることができる。
近赤外線吸収剤の使用量が上記範囲より多いと、近赤外線吸収剤の特性がより強く表れる近赤外線カットフィルタを得ることができる場合もあるが、430〜580nmの範囲における透過率が所望の値より低下する恐れや、樹脂層や近赤外線カットフィルタとして強度が低下する恐れがあり、近赤外線吸収剤の使用量が上記範囲より少ないと、430〜580nmの範囲における透過率が高い近赤外線カットフィルタを得ることができる場合もあるが、近赤外線吸収剤の特性が表れにくく、吸収波長の入射角依存性が小さな近赤外線カットフィルタを得ることが困難になる場合がある。
<樹脂層の光学特性>
本発明の樹脂層は、(i)吸収極大波長(以下「λmax」ともいう)を600〜800(nm)の間に有し、好ましくは640〜770(nm)、より好ましくは660〜720(nm)に有する。前記λmaxを上記波長範囲に有することで、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものとなる。
<その他の成分>
前記樹脂層には、本発明の効果を損なわない範囲において、さらに、酸化防止剤、紫外線吸収剤および界面活性剤等のその他の成分を添加することができる。
酸化防止剤としては、例えば2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール、2,2'−ジオキシ−3,3'−ジ−t−ブチル−5,5'−ジメチルジフェニルメタンおよびテトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタンが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば2,4−ジヒドロキシベンゾフェノンおよび2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンが挙げられる。
溶液キャスティング法により樹脂層を製造する場合には、界面活性剤や消泡剤を添加することで樹脂層の製造を容易にすることができる。
なお、酸化防止剤、紫外線吸収剤および界面活性剤等の添加剤は、樹脂層を製造する際に、樹脂成分などとともに混合してもよいし、樹脂を合成する際に添加してもよい。また、添加量は、所望の特性に応じて適宜選択されるが、それぞれ樹脂100重量部に対して、通常0.01〜5.0重量部、好ましくは0.05〜2.0重量部である。
(第3実施形態)
本実施形態に係る固体撮像装置230の構成について、図3に示す。第2実施形態と異なる点は、近赤外線カットフィルタ150の構成において、基材131の代わりに、近赤外線吸収剤を含む樹脂基材141を設ける点と、赤外線を吸収する樹脂層135を設けていない点である。固体撮像素子110の構成については、第1実施形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。
[近赤外線カットフィルタ]
図3に示すように、近赤外線カットフィルタ150は、近赤外線吸収剤を含む樹脂基材141と、誘電体多層膜132と、誘電体多層膜133と、酸化シリコン層134と、を有する。樹脂基材141の一方の面に、誘電体多層膜133が設けられている。また、樹脂基材141の他方の面に、酸化シリコン層134と、誘電体多層膜133と、が設けられている。また、近赤外線カットフィルタ150は、近赤外線カットフィルタ122と対向する位置に設けられている。
樹脂基材141は、ハンダリフロー工程に適用可能な耐熱性を有する樹脂と、吸収極大波長(以下「λmax」ともいう)を波長600〜800nmの間に有する近赤外線吸収剤と、を含んでいる。λmaxを、上記波長範囲に有することで、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものにすることができる。
樹脂基材141が有する近赤外線吸収剤は、吸収極大波長を600〜800nmの間に有することが好ましく、640〜770nmの間に有することがより好ましく、660〜720nmの間に有することが特に好ましい。λmaxを上記波長範囲に有することで、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものとなる。
また、樹脂基材141は、はんだリフロー工程に適用可能な耐熱性を有する樹脂を有することが好ましい。
樹脂基材141は、上述の赤外線吸収剤と耐熱樹脂を含む組成物から形成される。樹脂基材141は、比較的短波長側の赤外線遮蔽性が高く、一方、比較的長波長側の赤外線遮蔽性は低い。このような樹脂基材141に対し、誘電体多層膜としては、比較的短波長側の赤外線遮蔽性が低く、かつ比較的長波長側の赤外線遮蔽性の高い光学特性を有するものが好適に用いられる。
誘電体多層膜は、下記式(i)を満たすことが好ましい。
x<y≦z/0.95 ・・・ (i)
(式(i)中、xは、波長700nm以上800nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。yは、波長800nm以上900nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。zは、波長900nm以上1200nm以下の範囲における誘電体多層膜の吸光度の平均値である。)
誘電体多層膜は、例えば特開2016−146619号公報等に記載の方法により製造することができる。
このような誘電体多層膜と上記赤外線吸収能を有する樹脂基材141とを組み合わせて用いることで、誘電体多層膜に生じうる入射角依存性を低減しつつ、広い波長範囲にわたって良好な赤外線吸収能を発揮することができる。樹脂基材141は、WO2016/117596号に記載の方法により製造することができる。
また、基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数よりも少ないことが好ましい。また、基材131の第1面側に設けられる誘電体多層膜133における積層数は、10層以下、好ましくは7層以下とする。基材131の第2面側に設けられる誘電体多層膜132における積層数は、好ましくは、10層以上40層未満であり、より好ましくは、20層以上40層未満であり、特に好ましくは、20層以上30層以下である。また、基材131が充分な剛性を有する場合には、誘電体多層膜133を省略してもよい。誘電体多層膜132及び誘電体多層膜133の構成については、第1実施形態を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。
本実施形態に係る固体撮像装置230は、酸化シリコン層134及び近赤外線吸収剤を含む樹脂基材141を有する近赤外線カットフィルタ150を有することにより、はんだリフロー工程に適用可能な耐熱性を有するとともに、近赤外光に感度を有する受光素子に入射される光の波長範囲が限定されるため、固体撮像素子により撮像された画像の色が、実際に目視で観察される色合いにより近いものとなる。
本実施形態では、近赤外線カットフィルタ150の樹脂基材141として、近赤外線を吸収する染料を有している。これにより、第2実施形態で説明した樹脂層135を設けることが不要となる。また、固体撮像素子110において、受光素子上に、近赤外線カットフィルタ122を設けることにより、固体撮像素子110側においても近赤外線カット効果を有することができる。近赤外線カットフィルタ150において、屈折率が異なる誘電体多層膜を多数積層する必要がなくなるため、近赤外線カットフィルタ150の全体に反りが生じることを抑制できる。また、近赤外線カットフィルタ150において、屈折率が異なる誘電体多層膜を多数積層する必要がなくなるため、製造工程が削減され、歩留まりが向上する。
本実施例では、誘電体多層膜の層数と赤外線カットフィルタ層との関係を確認するため、下記に示す代替実験(フィルムの透過率測定)を行った結果について説明する。
本実施例では、サンプルA〜Eを作製した。図4A乃至図4Cは、サンプルA〜Eの構成を示す図である。図4Aは、サンプルAの構成を示す図であり、図4Bは、サンプルB〜Dの構成を示す図であり、図4Cは、サンプルEの構成を示す図である。
図4Aに示すように、サンプルAは、ガラス基材201上に、近赤外線カットフィルタ202が設けられた構成である。近赤外線カットフィルタ202は、先の実施形態で説明した近赤外線カットフィルタ122に相当する。
図4Bに示すように、サンプルBは、ガラス基材201上に、近赤外線カットフィルタ202が設けられ、近赤外線カットフィルタ202上に10層の誘電体多層膜203が設けられた構成である。サンプルCは、20層の誘電体多層膜203を用いること以外は、サンプルBと同様の構成である。サンプルDは、30層の誘電体多層膜203を用いること以外は、サンプルBと同様の構成である。
図4Cに示すように、サンプルEは、近赤外線吸収剤を含む樹脂基材204上に40層の誘電体多層膜203が設けられた構成である。ここで、樹脂基材204は、先の実施形態で説明した樹脂基材141に相当する。サンプルEの詳細な構成については、特許5499669号を参照すればよい。
次に、サンプルA〜Eに対して、日立分光光度計U−4100を用いて透過率を測定した。分光光度計によって、所与の波長範囲における透過率の平均値を自動的に算出することができる。この平均透過率は、具体的には、所与の波長範囲において、1nm刻みで各波長における透過率を測定し、その透過率の合計を、測定した透過率の数(波長範囲)で除した値である。
サンプルA〜Eのそれぞれに対して、透過率を測定した結果を、図5に示す。図5において、横軸は、波長(Wavelength(nm))を示し、縦軸は、透過率(T(%))を示す。
図5に示すように、サンプルAは、波長700nm〜1000nmにおける平均透過率が、54.5%であった。また、サンプルEは、波長700nm〜1000nmにおける平均透過率が、0.2%であった。これに対し、サンプルB、C、Dは、波長700nm〜1000nmにおける平均透過率はそれぞれ、3.6%、0.9%、0.2%であった。サンプルB〜Dは、サンプルEと異なり、近赤外線カットフィルタ202が用いられている。近赤外線カットフィルタ202を用いることにより、誘電体積層膜が20層〜30層の少ない層数であっても、十分な赤外線カット性能が得られることが示された。
本発明に係る固体撮像装置は、デジタルスチルカメラ、携帯電話用カメラ、デジタルビデオカメラ、パーソナルコンピューター用カメラ、監視カメラ、自動車用カメラ、テレビ、カーナビゲーションシステム用車載装置、携帯情報端末、ビデオゲーム機、携帯ゲーム機、指紋認証システム用装置、デジタルミュージックプレーヤー等に好適に用いることができる。
101:画素部、102:可視光検出用画素、103:赤外光検出用画素、104a:第1画素、104b:第1画素、104c:第1画素、105:第2画素、106a:フォトダイオード、106b:フォトダイオード、106c:フォトダイオード、106d:フォトダイオード、107a:カラーフィルタ層、107b:カラーフィルタ層、107c:カラーフィルタ層、108:赤外線パスフィルタ層、110:固体撮像素子、111:半導体基板、112:半導体層、113:配線層、114:光学フィルタ層、115:マイクロレンズアレイ、121:硬化膜、122:近赤外線カットフィルタ、123:硬化膜、130:近赤外線カットフィルタ、131:基材、132:誘電体多層膜、133:誘電体多層膜、134:酸化シリコン層、135:樹脂層、140:近赤外線カットフィルタ、141:樹脂基材、150:近赤外線カットフィルタ、210:固体撮像装置、220:固体撮像装置、230:固体撮像装置

Claims (19)

  1. 第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタは、
    ガラス基材と、
    前記ガラス基材の少なくとも一方に誘電体多層膜と、を有し、
    前記固体撮像素子は、
    半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられた第1受光素子と、
    前記第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、
    前記光学フィルタは、
    前記第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、
    前記カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタは、前記第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、
    前記誘電体多層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる、固体撮像装置。
  2. 前記ガラス基材は、CuO含有フツリン酸塩ガラスまたはCuO含有リン酸塩ガラスである、請求項1に記載の固体撮像装置。
  3. 前記光学フィルタは、前記第2近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  4. 前記光学フィルタは、前記カラーフィルタ層と、前記第2近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  5. 前記半導体基板に設けられた第2受光素子と、
    前記第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する、請求項1に記載の固体撮像装置。
  6. 前記誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる、請求項1に記載の固体撮像装置。
  7. 前記第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む、請求項1に記載の固体撮像装置。
  8. 第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタは、
    基材と、
    前記基材の第1面に設けられた第1誘電体多層膜と、
    前記基材の第2面に設けられた樹脂層と、
    前記基材の第2面に前記樹脂層を介して設けられた第2誘電体多層膜と、を有し、
    前記固体撮像素子は、
    半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられた第1受光素子と、
    前記第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、
    前記光学フィルタは、
    前記第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、
    前記カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタの前記樹脂層は、前記第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、
    前記第1誘電体多層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる、固体撮像装置。
  9. 前記光学フィルタは、前記第1近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する、請求項8に記載の固体撮像装置。
  10. 前記光学フィルタは、前記カラーフィルタ層と、前記第1近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する、請求項8に記載の固体撮像装置。
  11. 前記半導体基板に設けられた第2受光素子と、
    前記第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する、請求項8に記載の固体撮像装置。
  12. 前記第1誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる、請求項8に記載の固体撮像装置。
  13. 前記第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む、請求項8に記載の固体撮像装置。
  14. 第1近赤外線カットフィルタと、固体撮像素子と、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタは、
    近赤外線吸収剤を含む樹脂基材と、
    前記樹脂基材の少なくとも一方に誘電体多層膜と、を有し、
    前記固体撮像素子は、
    半導体基板と、
    前記半導体基板に設けられた第1受光素子と、
    前記第1受光素子上に設けられた光学フィルタと、を有し、
    前記光学フィルタは、
    前記第1受光素子上に設けられたカラーフィルタ層と、
    前記カラーフィルタ層上に設けられた第2近赤外線カットフィルタと、を有し、
    前記第1近赤外線カットフィルタは、前記第2近赤外線カットフィルタと対向する位置に設けられ、
    誘電体積層膜の積層数は、10層以上40層未満で設けられる、固体撮像装置。
  15. 前記光学フィルタは、前記第1近赤外線カットフィルタ上に、第1硬化膜をさらに有する、請求項14に記載の固体撮像装置。
  16. 前記光学フィルタは、前記カラーフィルタ層と、前記第1近赤外線カットフィルタとの間に、第2硬化膜をさらに有する、請求項14に記載の固体撮像装置。
  17. 前記半導体基板に設けられた第2受光素子と、
    前記第2受光素子と重なるパスフィルタ層と、をさらに有する、請求項14に記載の固体撮像装置。
  18. 前記誘電体多層膜の積層数は、20層以上30層以下で設けられる、請求項14に記載の固体撮像装置。
  19. 前記第2近赤外線カットフィルタは、セシウム酸化タングステン化合物と、ジイミニウム系化合物、スクアリリウム系化合物、シアニン系化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、クアテリレン系化合物、アミニウム系化合物、イミニウム系化合物、ピロロピロール系化合物、クロコニウム系化合物の有機色素系化合物から選ばれる少なくとも一種の有機色素を含む、請求項14に記載の固体撮像装置。
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