JPWO2016171126A1 - 二色性色素を含有する組成物、及びこれを用いて作製した色素膜並びに該色素膜を有する偏光素子 - Google Patents

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Abstract

本発明は、塗工性に優れ、かつ高品質で偏光性能に優れた偏光素子を製造できる色素膜の形成に有用な二色性色素を含有する組成物及びこれを用いて作製した色素膜、並びに当該色素膜を有する偏光素子を提供することを目的とする。(A)少なくとも1種の二色性色素と、(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(C)溶媒とを含有し、前記界面活性剤のHLB値が、12.5以上17.5以下であることを特徴とする組成物。

Description

本発明は、高い偏光度を示す偏光素子を製造できる色素膜の形成に有用な二色性色素を含有する組成物、及びこれを用いて作製した色素膜に関する。また、本発明は該色素膜を有する偏光性能に優れた偏光素子に関する。
液晶表示装置、サングラス、ゴーグルなどに使用されている偏光素子は、一般的には、ポリビニルアルコールのような高分子物質から作製した膜にヨウ素又は二色性染料などの二色性色素を吸着させ、次いで得られた膜を一軸延伸し、二色性色素分子を一定方向に配向させるか、又は、高分子膜を一軸延伸した後に二色性色素を吸着させる方法によって製造される。しかしながら、これらの方法によって得られる偏光素子の偏光軸と吸収軸は、互いに垂直であるため、偏光素子の形状は、通常、平板状に限定される。さらに、このような偏光素子の製造には、ポリビニルアルコールフィルムを膨潤、染色し、引き続き、これをホウ酸水溶液中で延伸処理し、さらに、水洗処理及び乾燥処理をした後、得られたフィルムに接着剤を用いて保護フィルムを貼合させるといった煩雑な工程が必要であった。また、より簡易的に所望とする部分に偏光素子を設けること、さらには、液晶表示を含む多様な表示素子を製造するために、微細なパターン状に任意の方向の偏光性を設けた偏光素子や曲面状の偏光素子が求められていた。
このような従来の偏光素子の問題点に鑑み、非特許文献1は、ラビング処理により二色性色素分子を一定方向に配向させて偏光素子を作製する方法を開示している。しかしながら、ラビング処理における擦り工程により生じる基板上の傷及び塵、さらには静電気が原因で発生する電気的な傷等により、基板上への色素溶液の塗工性が低下してしまう。そのため、得られた色素膜上に塗工されていない箇所が存在し、その結果、当該色素膜を有する偏光素子において偏光性能の品質は満足がいくものではなかった。
特許文献1は、光配向膜を用いて当該光配向膜に接する二色性色素分子を任意の方向に配向させることにより、より偏光性能が高い偏光素子を得る技術を開示している。しかしながら、偏光素子の色素膜の表面を原子間力顕微鏡(AFM)で観察すると、二色性色素が均一に配向している部分と、二色性色素が殆ど存在せず、配向していない部分(クレーター)が存在する。そのため、得られた偏光素子の偏光性能は、表示素子用の偏光素子における実用水準としては、十分な要求に応えられていなかった。
特許文献2には、二色性色素分子の配向の均一性及び得られる偏光素子の偏光性能のさらなる改善のため、クレーターの発生を極力減らし、二色性色素化合物の配向を全体的に高めて表示素子用として実用水準にある偏光素子を製造する方法が開示されている。偏光素子は光活性基を有する液晶性高分子薄膜を配向膜とし、該薄膜に直線偏光を照射し、偏光照射部分の光活性基の分子軸を一定方向に配列させ、次いで別のマイクロパターン状のマスクを介して異なる偏光軸を有する直線偏光を照射した後、該薄膜上に基板に対して垂直方向に特定の範囲の圧力が懸かるように二色性色素溶液をロールコーターで塗布することにより製造される。しかしながら、基材となる配向膜が特殊かつ非常に高価であり、さらには、偏光素子の作製において、ロールと基板間に特定の圧力が懸かるように押し圧を調整する必要がある。したがって特定の基材に限定されることなく、様々な基材を用いて製造可能な偏光素子の開発が望まれている。
特開平7−261024号公報 特許第4175455号公報
「電子情報通信学会論文誌」、1988年、JJ71-C、p.1188
従来の二色性色素を含有する組成物を塗布して得られた色素膜、及び当該色素膜から得られた偏光素子は、十分に満足できる品質には至っていないため、さらにその品質を向上させる必要がある。また、特殊な基材を使用しなくとも、簡便に製造できる偏光素子の開発も望まれている。
したがって、本発明の目的は、塗工性に優れ、かつ高品質で偏光性能に優れた偏光素子を製造できる色素膜の形成に有用な二色性色素を含有する組成物及びこれを用いて作製した色素膜、並びに当該色素膜を有する偏光素子を提供することにある。
本発明者は、前記課題を解決すべく鋭意検討の結果、
(A)少なくとも1種の二色性色素と、(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(C)溶媒とを含有し、前記界面活性剤のHLB値が、12.5以上17.5以下である組成物を用いることで、偏光不良のない高品質で偏光性能に優れた偏光素子を製造できる色素膜が得られることを新規に見出した。
すなわち、本発明の要旨構成は、以下の通りである。
(1)(A)少なくとも1種の二色性色素と、(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(C)溶媒とを含有し、前記界面活性剤のHLB値が、12.5以上17.5以下であることを特徴とする組成物。
(2)前記二色性色素が、水溶性アゾ色素であることを特徴とする(1)に記載の組成物。
(3)前記二色性色素が、下記式(1)で表される化合物又はその塩であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の組成物。
Figure 2016171126
(式(1)中、
は、1つ若しくは2つのスルホン酸基と、水酸基若しくは炭素数が1乃至3のアルコキシ基を有するフェニル基又はナフチル基を表し、
及びXは、それぞれ独立して、フェニレン基又はナフチレン基を表し、当該フェニレン基又はナフチレン基は、炭素数が1乃至3のアルキル基、炭素数が1乃至3のアルコキシ基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選択される1種又は2種の置換基を1つ又は2つ有しており、
は、水素原子、炭素数が1乃至3のアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、或いは、非置換のフェニル基又は炭素数が1乃至4のアルキル基、炭素数が1乃至4のアルコキシ基、アミノ基、スルホ基若しくは炭素数が1乃至4のアルキル基を有するアミノ基で置換されたフェニル基を表し、
mは、0又は1であり、かつ
nは、1又は2である)
(4)Xが、置換基として下記式(3)で表される化合物又はその塩であることを特徴とする(3)に記載の組成物。
Figure 2016171126
(式(3)中、jは1又は2である。)
(5)前記ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーであることを特徴とする(1)乃至(4)のいずれか1つに記載の組成物。
(6)溶媒100質量部に対して、前記二色性色素を合計0.1〜15質量部含有することを特徴とする(1)乃至(5)のいずれか1つに記載の組成物。
(7)溶媒が少なくとも水を含むことを特徴とする(1)乃至(6)のいずれか1つに記載の組成物。
(8)(1)乃至(7)のいずれか1つに記載の組成物を用いて作製された色素膜。
(9)(8)に記載の色素膜を有する偏光素子。
(10)二色比が、5以上であることを特徴とする(9)に記載の偏光素子。
本発明における二色性色素を含有する組成物は、塗工性に優れている。そのため、本発明の組成物を用いて色素膜を作製する際、例えば、基材にラビング処理が施されていても、従来生じていた基材への塗工不良が改善された色素膜を形成することができる。また、当該色素膜を用いることにより、偏光不良のない高品質で偏光性能に優れた偏光素子を得ることができる。また、本発明の色素膜において、基材となる材料は、特殊な材料に限定されないため、より簡便に色素膜及びこれを備える偏光素子を製造することができる。
以下に、本発明を詳細に説明する。以下において、「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。また、特に言及されない限り、式(1)〜式(3)で表される化合物(置換基)は、遊離酸の形で表し、遊離酸の塩とは、ヒドロキシル基やスルホン酸基等の親水性基の塩を意味する。また、以下の説明において、特に言及されない限り、煩雑さを避けるため、「式(1)で表される化合物又はその塩」、「式(2)で表される化合物又はその塩」、「式(3)で表される化合物又はその塩」は、それぞれ、「式(1)で表される化合物」、「式(2)で表される化合物」、「式(3)で表される化合物」と便宜上記載する。
まず、本発明の組成物中に含まれる各成分について説明する。本発明の組成物は、(A)少なくとも1種の二色性色素と、(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(C)溶媒とを含有し、前記界面活性剤のHLB値が、12.5以上17.5以下である組成物である。
(A)二色性色素
本発明の組成物は、色素膜形成のための主成分として、二色性色素を含有する。二色性色素は、それ自身又は集合体で一定方向に配列することにより偏光性を示す化合物であり、このような二色性色素として、例えば、アゾ系色素、スチルベン系色素、ピラゾロン系色素、トリフェニルメタン系色素、キノリン系色素、オキサジン系色素、チアジン系色素、アントラキノン系色素等の色素系化合物等が挙げられる。本発明で用いられる二色性色素は、一定の溶媒組成、色素濃度、温度条件下でリオトロピック液晶性を示す化合物であり、例えば、入江正浩監修,「機能性色素の応用」,第1刷発行版,株式会社CMC,2002年6月,p.102−104に記載の二色性色素が挙げられる。また、二色性色素は、水溶性アゾ系色素を用いることが好ましく、その中でも、芳香族系環構造を有する化合物がより好ましい。芳香族系環構造としては、例えば、ベンゼン、ナフタリン、アントラセン、フェナントレンの他にチアゾール、ピリジン、ピリミジン、ピリダジン、ピラジン、キノリン等の複素環又はこれらの4級塩、更にはこれらとベンゼンやナフタリン等との縮合環が挙げられ、特に、これらの芳香族系環にスルホン酸基、カルボン酸基、アミノ基、水酸基等の親水性置換基、又はスルホン酸基若しくはカルボン酸基の塩が導入されていることが好ましい。
このような二色性色素の具体例として、例えば、C.I.Direct Orange 39、C.I.Direct Orange 41、C.I.Direct Orange 49、C.I.Direct Orange 72、C.I.Direct Red 2、C.I.Direct Red 28、C.I.Direct Red 39、C.I.Direct Red 79、C.I.Direct Red 81、C.I.Direct Red 83、C.I.Direct Red 89、C.I.Direct Violet 9、C.I.Direct Violet 35、C.I.Direct Violet 48、C.I.Direct Violet 57、C.I.Direct Blue 1、C.I.Direct Blue 15、 C.I.Direct Blue 67、C.I.Direct Blue 78、C.I.Direct Blue 83、C.I.Direct Blue 90、C.I.Direct Blue 98、C.I.Direct Blue 151、C.I.Direct Blue 168、C.I.Direct Blue 202、C.I.Direct Green 42、C.I.Direct Green 51、C.I.Direct Green 59、C.I.Direct Green 85、C.I.Direct Yellow 4、C.I.Direct Yellow 12、C.I.Direct Yellow 26、C.I.Direct Yellow 44、C.I.Direct Yellow 50、モルダントイエロー 26、C.I.No.27865、C.I.No.27915、C.I.No.27920、C.I.No.29058、C.I.No.29060等が挙げられ、さらに特開平1−161202号公報、特開平1−172906号公報、特開平1−172907号公報、特開平1−183602号公報、特開平1−248105号公報、特開平1−265205号公報、特開平9−230142号公報等の各公報記載の二色性色素が挙げられる。
上記の具体例に示した二色性色素の中でも、特に、以下の式(1)又は式(2)で表される化合物が好ましく、特に、式(1)で表される化合物が好ましい。式(1)及び式(2)で表される化合物は、遊離酸又はその塩として存在する。当該遊離酸の塩は、特に限定されるものではなく、例えば、Li、Na、K等のアルカリ金属塩や、4級アンモニウム塩などの任意の塩であってよい。このような二色性色素を使用することにより、得られる偏光素子の偏光性能を向上させることができる。
Figure 2016171126
(式(1)中、
は、1つ若しくは2つのスルホン酸基と、水酸基若しくは炭素数が1乃至3のアルコキシ基を有するフェニル基又はナフチル基を表し、
及びXは、それぞれ独立して、フェニレン基又はナフチレン基を表し、当該フェニレン基又はナフチレン基は、炭素数が1乃至3のアルキル基、炭素数が1乃至3のアルコキシ基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選択される1種又は2種の置換基を1つ又は2つ有しており、
は、水素原子、炭素数が1乃至3のアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、或いは、非置換のフェニル基又は炭素数が1乃至4のアルキル基、炭素数が1乃至4のアルコキシ基、アミノ基、スルホ基若しくは炭素数が1乃至4のアルキル基を有するアミノ基で置換されたフェニル基を表し、
mは、0又は1であり、かつ
nは、1又は2である。)
Figure 2016171126
(式(2)中、
は、スルホン酸基を1つ又は2つ有し、さらに水酸基又は炭素数が1及至3のアルコキシ基を有していてもよいナフチル基を表し、
及びYは、それぞれ独立して、フェニレン基又はナフチレン基を表し、当該フェニレン基又はナフチレン基は、炭素数が1及至3のアルキル基、炭素数1及至3のアルコキシ基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選択される1種又は2種の置換基を1つ又は2つ有しており、
は、水素原子、炭素数が1及至3のアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、或いは、非置換のフェニル基又は炭素数が1乃至4のアルキル基、炭素数が1乃至4のアルコキシ基、アミノ基、スルホ基若しくは炭素数が1乃至4のアルキル基を有するアミノ基で置換されたフェニル基を表し、
フェニルアゾ基としての
Figure 2016171126
は、末端ナフチル基の5位、6位、7位又は8位のいずれかに置換されており、
及びRは、それぞれ独立して、水素原子、水酸基、スルホン酸基、炭素数が1及至3のアルキル基又は炭素数が1及至3のアルコキシ基を表し、
qは、0又は1であり、かつ
pは1又は2である。)
上記式(1)で表される化合物の具体例としては、例えば、
Figure 2016171126
等が挙げられる。
また、式(2)で表される化合物の具体例としては、例えば、
Figure 2016171126
等が挙げられる。
式(1)又は式(2)で表される化合物の中でも、式(1)中のX又は式(2)中のYが、置換基として下記式(3)で表される化合物を有することによって、更に偏光性能を向上させることができ、特に、単独で高い二色比を有する点で、置換基として下記式(3)で表される化合物を有する式(1)で表される化合物の使用が好ましい。当該置換基も、式(1)及び式(2)で表される化合物と同様、遊離酸又はその塩として存在する。当該遊離酸の塩は、特に限定されるものではなく、例えば、Li、Na、K等のアルカリ金属塩や、4級アンモニウム塩などの任意の塩であってよい。
Figure 2016171126
(式(3)中、jは1又は2である。)
本発明の二色性色素は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。このような2種以上の二色性色素の併用は、特に限定されるものではないが、追加の二色性色素を使用することにより、二色性色素の二色比をさらに向上させることができる。また、本発明の組成物中に含まれる全ての二色性色素の総含有量は、特に制限されるものではないが、色素膜に高い異方性を付与させるために、下記(C)溶媒100質量部に対し、合計で0.1乃至15質量部、好ましくは0.3乃至10質量部で、より好ましくは0.5乃至7重量部ある。
(B)界面活性剤
本発明の組成物は、色素膜の作製における他の成分として、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択され、かつHLB値が、12.5以上17.5以下である少なくとも1種の界面活性剤を含有する。このような界面活性剤を使用することにより、従来、基材上への色素膜の作製において、塗布時に生じていた塗工不良を改善することができる。また、特許文献2に記載されている偏光素子の製造方法においては、塗布時の基板に平行なズリ応力を軽減するため、偏光素子の作製において、ロールと基板間に特定の圧力が懸かるように圧力を調整する必要があったものの、本発明の組成物が、特定の界面活性剤を含むことにより、このような特殊な工程は、本発明の組成物の基材への塗布時には不要となる。さらに、ラビング処理された基材、光配向膜が付与された基材、摩擦により傷をつけた基材、又は延伸された基材等に本発明の組成物を塗布しても、得られる色素膜中に目視で確認できる大きさ、例えば50μm以上の大きさで生じ得る塗工されていない箇所が低減され、その結果、塗工不良が改善された色素膜を作製することができる。
本発明で使用される界面活性剤は、12.5以上17.5以下のHLB値を有しており、好ましくは、HLB値は、13.0以上17.0以下である。HLB値が12.5未満であると、色素膜中に生じる塗工不良を改善することができず、一方、HLB値が17.5より大きいと、色素膜中に二色性色素を配向させることができなくなる。上記HLB値を有するポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例として、例えば、花王社製 エマルゲン1108(HLB値13.4)、花王社製 エマルゲン1118S−70(HLB値16.4)等が挙げられる。
ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルとしては、特に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーであることが好ましい。上記HLB値を有するポリオキシエチレンアルキレンアルキレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとして、花王社製 エマルゲンLS−106(HLB値12.5)、花王社製 エマルゲンLS−110(HLB値13.4)、花王社製 エマルゲンLS−114(HLB値14.0)、花王社製 エマルゲンMS−110(HLB値12.7)が挙げられ、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、例えば、三洋化成社製 ニューポールPE−68(HLB値15.7)、三洋化成社製 ニューポールPE−78(HLB値15.6)、三洋化成社製 ニューポールPE−108(HLB値15.5)、三洋化成社製 ニューポールPE−128(HLB値15.6)が挙げられる。この中でも、特に、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテルとしては、花王社製 エマルゲンLS−106、花王社製 エマルゲンLS−110、花王社製 エマルゲンLS−114、花王社製 エマルゲンMS−110が好ましく、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーとしては、三洋化成社製 ニューポールPE−68が好ましい。
また、上記HLB値を有するポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルの具体例としては、例えば、花王社製 エマルゲンA−60(HLB値12.8)、花王社製 エマルゲンA−90(HLB値14.5)が挙げられ、上記HLB値を有するポリオキエチレントリベンジルフェニルエーテルの具体例としては、例えば、花王社製 エマルゲンB−66(HLB値13.2)が挙げられる。
本発明の界面活性剤は、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、本発明の組成物中に含まれる全ての界面活性剤の総含有量は、二色性色素の配向性を阻害させない観点から、下記(C)溶媒100質量部に対し0.01乃至3質量部、好ましくは、0.05乃至2質量部である。
(C)溶媒
本発明の組成物は、塗布液として溶媒を含む。このような溶媒は、使用される二色性色素を溶解できれば、特に限定されるものではなく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ピリジン、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルフォキシド(DMSO)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ジメチルアセトアミド(DMAC)・ジメチルイミダゾリン(DMI)等が挙げられ、これらのうち、1種のみの溶媒が含まれていてもよく、或いは複数の溶媒が含まれていてもよい。特に、水溶性の二色性色素を使用する場合には、溶媒として、水又は水を主に含むと上記有機溶剤との混合溶媒が好ましい。水に対する有機溶媒の混合量は任意であるが、水に対して0〜50質量%、特に0〜20質量%が好ましい。
次に、本発明の組成物を用いて作製される色素膜及び偏光素子、並びにこれらの作製方法について説明する。本発明の色素膜は、基材に上記の組成物を塗布し、次いで乾燥させることにより作製される。本発明の色素膜を基材上に形成し、偏光素子として使用する際、基材と色素膜からなる積層体を偏光素子として使用してもよく、色素膜の表面にさらに保護層等が積層された積層体を偏光素子として使用してもよい。本発明の色素膜を形成する際に用いられる基材として、例えば、シリカ系ガラス、硬質ガラス等のガラス板、石英板等や、ポリシロキサン樹脂、ABS樹脂、シクロオレフィン樹脂、アセタール樹脂、(メタ)アクリル樹脂、酢酸セルロース、セルロースアセテート、塩素化ポリエーテル、エチレン−酢ビ共重合体、ふっ素樹脂、アイオノマー、メチルペンテンポリマー、ナイロン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリイミド、ポリアミド、ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリルスルホン、ポリアリレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリスルホン、シクロオレフィン樹脂、酢酸ビニル樹脂、塩化ビニリデン樹脂、AS樹脂、塩化ビニル樹脂、アルキド樹脂、アリル樹脂、アミノ樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン等の各種素材のプラスチック板やシート(フィルム)、上記特許文献1又は特許文献2に記載されているような光活性分子(通称、光配向膜)、又はこれらの樹脂が積層もしくは塗工されたフィルム若しくは板、あるいは表面に、酸化珪素、酸化スズ、酸化インジウム、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化クロム、酸化亜鉛などの金属酸化物や、窒化珪素、炭化珪素などが被覆された基材が挙げられる。また、反射能の高い金属薄膜で表面を被覆した基板(フィルム)も基材として用いることができる。これらの基材は、平面状のものであっても、曲面状のものであってもよい。また、基材の厚さは、1μm〜500μmであり、好ましくは10〜100μmである。
このような基材を、ラビング、光配向又は延伸させて用いることにより、偏光機能を有する本発明の色素膜を形成することができる。ラビングとは、特開平8−152515号公報、特開2002−90743号公報に記載されているように基材を特定の布で擦る方法や、特願2012−015492号や特願2012−064912号に記載されているように研磨剤若しくは研磨剤を含有する材料を用いて一軸研磨加工処理する方法が挙げられる。光配向とは、例えば、上記特許文献1又は特許文献2に記載されているように、光活性基を有するポリマー又は重合体(一般的には光配向膜と呼ばれる材料)に、偏光光を照射し、光活性分子が配向、重合又は分解することにより、当該分子に特定の軸に異方性を発現させることである。延伸とは、樹脂によって得られるポリマー若しくは基材を、加熱などにより伸ばすことによって、特定の軸に分子が配向することを示す。したがって、基材をラビング、光配向又は延伸させることにより、当該基材上に塗布された二色性色素を配向させることができる。
上記の基材に、コロナ放電処理や紫外線照射を行うことによって、後述する偏光素子の二色比が向上し、得られる偏光素子の偏光特性を高めることが可能である。コロナ放電処理は、コロナ放電処理を行う装置として、市販の各種コロナ放電処理機を用いることにより適用可能であり、特に、アルミヘッドを有するコロナ処理機の使用が好ましい。コロナ放電処理の条件は、1回当たりのコロナ放電処理に際しては、エネルギー密度として、20〜400W・min・m-2、好ましくは50〜300W・min・m-2程度である。また、1回のコロナ放電処理で不十分な場合には、2回以上コロナ放電処理を行ってもよい。紫外線照射も同様に、市販の各種紫外線照射装置を用いることにより適用可能である。使用する紫外線の波長は、特に制限はないが、例えば300nm以下の遠紫外線が好ましい。また、紫外線照射は、酸素気流下に行なうことが好ましく、紫外線の照射時間は、長くても数分程度で十分である。
二色性色素を含有する本発明の組成物(二色性色素を含む溶液)を、上記のような基材の表面に滴下し、コーターや回転塗布法により、基材上に均一の厚みを持つ二色性色素の塗布膜を設ける。二色性色素の塗布膜を設ける方法は、当該二色性色素を含有する溶液を塗布することができれば、特に限定されるものではないが、例えば、二色性色素を含む溶液に基材を浸漬させる方法、二色性色素の溶液をバーコーダー等で塗布する方法、家庭用途または商業用途で用いられるピエゾ方式、サーマル方式、バブルジェット(登録商標)方式などのインクジェットプリンタの塗布装置で塗布する方法、スピンコータにて回転塗布させる方法、ロールコーター塗布、フレキソ印刷、スクリーン印刷、グラビア印刷、カーテンコーター塗布、スプレイコーター塗布等が挙げられ、特に、ロールコーター塗布、カーテンコーター塗布、スプレイコーターにて噴霧塗布する方法が好ましい。
二色性色素の溶液を塗布した基材を次いで乾燥し、固体状態の二色性色素の層を形成することにより、本発明の色素膜が得られる。溶媒の種類、二色性色素の種類、塗布した二色性色色素を含む溶液の量、二色性色素の濃度などに応じて乾燥条件は異なるものの、乾燥温度は、室温〜100℃、好ましくは室温〜50℃であり、湿度は、20〜95%RH、好ましくは30〜90%RH程度がよい。
本発明の色素膜の厚さは、偏光特性の向上という観点から、薄い方が好ましく、例えば、0.001〜10μm、特に、0.05〜2μmであることが好ましい。また、このような厚さの範囲内にある本発明の色素膜を形成するため、二色性色素を含む溶液を塗布した塗布膜の厚さは、2〜10μmであることが好ましく、3〜5μmであることがより好ましい。
さらに、二色性色素を含む溶液が塗布された基材に、さらに加熱処理及び/又は加湿処理を施してもよい。加熱処理及び/又は加湿処理を施すことによって、基材への二色性色素の密着性、得られる偏光子の偏光性能、二色比や耐久性を向上させることができる。加熱処理の温度は、室温〜110℃、好ましくは60〜90℃であり、加湿処理の湿度は、40〜95%RH、好ましくは50〜90%RH程度がよい。
このようにして得られた本発明の色素膜を、偏光素子として用いることができる。本発明の偏光素子は、二色比(Rd)を有しており、当該二色比は、一般的に、透過軸に沿った吸光度に対する吸収軸に沿った吸光度の比として定義される。本発明の偏光素子の二色比は、下記式(4)にて算出され、二色比が、5以上あれば、偏光機能を発揮することを意味する。本発明の偏光素子の二色比は、5以上であり、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、さらに好ましくは20以上ある。二色比が5未満になると、偏光度は65%未満となり、偏光素子としての機能が十分でない。偏光素子の偏光度としては、通常、65%以上必要であり、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上がよい。偏光度とは、全光強度に対する偏光した成分の光強度の割合であり、偏光度が高いほど、偏光性能が高いことを意味する。下記式(4)において、Kyとは偏光光を入射したした際に、最も光を透過する軸の透過率であり、Kzとは偏光光を入射した際に、最も光を吸収する軸の透過率である。
Figure 2016171126
本発明の偏光素子の二色比をより向上させる方法としては、基材となる延伸されたフィルムの表面に対して、当該フィルムの延伸軸と同一方向に、当該延伸フィルムの表面に付与された分子異方性よりも大きい分子異方性を発現させることにより、二色比をさらに向上させることができる。延伸されたフィルムよりも大きい分子異方性を発現させる方法としては、例えば、延伸フィルムをラビングする方法が挙げられる。このようなラビングは、例えば、特開平06−110059号公報、特開2002−90743号公報に例示されている。延伸フィルムの表面の分子異方性の測定は、特に限定されるものではないが、例えば、液晶用配向膜のアンカリング測定に用いられる測定方法によって計測される。また、このような分子異方性を測定する装置も、特に限定されるものではないが、例えば、MARITEX SCOTT社製 Lay Scan等を用いることができる。
フィルムの長軸方向とは異なる角度に位相差軸(遅相軸又は進相軸)を有するフィルムの表面に、長軸方向に分子異方性を示す偏光素子を作製することも可能である。具体的には、フィルムの長軸方向に対して任意の角度に位相差軸を有する延伸フィルムの表面にラビング等により分子異方性を付与させることによって、偏光素子の偏光軸又は吸収軸を任意に制御することができる。つまり、フィルムの長軸方向に対して、その角度とは異なる角度に位相差軸を有し、長軸方向の表面に分子異方性を示す延伸フィルムを用いることによって、基材となる延伸フィルムに位相差軸と、当該位相差軸とは異なる角度に吸収軸又は偏光軸を有する偏光素子を作製することが可能となる。基材となる延伸フィルムの位相差軸と、偏光素子の吸収軸又は偏光軸とのなす角度は、15°、45°、75°、90°のいずれかであることが最も好ましい。そのような角度が好ましい理由としては、一般的に、直線偏光を円偏光に制御したい場合、制御したい波長の長さに対して、1/4の位相差をもつフィルムを、偏光素子の吸収軸に対して45°に設置することが知られている。また、直線偏光の偏光軸を逆にする方法として、制御したい波長の長さに対して、1/2の位相差をもつフィルムを90°に設置することが知られている。当該フィルムを、偏光素子の吸収軸又若しくは偏光軸に対して15°又は75°に設置する理由としては、このような角度は、広範囲の波長に対して1/4の位相差を示す処方(一般的には広帯域アクロマティック位相差板とも呼ばれる)で用いられる軸角度であるからである。これにより、偏光素子の偏光軸又は吸収軸を任意に制御することが可能となる。
上記のように作製された本発明の色素膜は、アモルフォスや結晶等の固体状態にあるものの、当該色素膜は、通常、機械的強度に劣るため、色素膜の表面にレーキ処理、シランカップリング剤による架橋処理、又は保護層が設けられる。レーキ処理とは、水溶性を示す二色性色素に金属イオンなどを電気的に結合させることである。二色性色素をレーキにすることをレーキ化若しくは不溶化などと呼ぶこともある。レーキに適した化合物としては、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化カルシウム、塩化バリウム、塩化ニッケル、塩化マグネシウム、塩化銅、酢酸バリウム、酢酸ニッケルなどが挙げられるが、二色性色素に金属イオンなどを電気的に結合させることができ、二色性色素が水に不溶化できるものであれば特に限定されるものではない。また、シランカップリング剤による架橋処理も特に限定されるものではなく、例えば、特開2011−53234号公報に記載されているようなシランカップリング剤を用いて、加熱等により架橋処理をし、色素膜を固定化することができる。また、保護層は、通常、色素膜を紫外線硬化性や熱硬化性の透明な高分子膜によるコーティング、あるいはポリエステルフィルムや酢酸セルロースフィルム等の透明な高分子膜によるラミネート等の被覆法により設けられる。保護層は、ポリマーによる塗布層として、又はフィルムのラミネート層として設けることができる。透明保護層を形成する透明ポリマー又はフィルムとしては、機械的強度が高く、熱安定性が良好な透明ポリマー又はフィルムが好ましい。透明保護層として用いる物質として、例えば、トリアセチルセルロースやジアセチルセルロースのようなセルロースアセテート樹脂又はそのフィルム、アクリル樹脂又はそのフィルム、ポリ塩化ビニル樹脂又はそのフィルム、ナイロン樹脂またはそのフィルム、ポリエステル樹脂又はそのフィルム、ポリアリレート樹脂又はそのフィルム、ノルボルネンのような環状オレフィンをモノマーとする環状ポリオレフィン樹脂又はそのフィルム、ポリエチレン、ポリプロピレン、シクロ系若しくはノルボルネン骨格を有するポリオレフィン又はその共重合体、主鎖若しくは側鎖がイミド及び/又はアミドの樹脂又はポリマー又はそのフィルムなどが挙げられる。また、透明保護層として、液晶性を有する樹脂又はそのフィルムを設けることもできる。保護層の厚みは、例えば、0.5〜200μm程度である。保護層となる樹脂又はフィルムを、偏光素子の片面、又は両面に1層以上設けることができ、また、複数の保護層を使用する場合、これらの保護層は、同じであっても異なっていてもよい。
本発明の偏光素子は、偏光サングラスやゴーグル等に用いることができる。本発明の偏光素子には、その製造過程でそれ自体が濃淡を有する階調を付与したり、多数の偏光軸を有するパターンを付与することもできる。階調を付与した階調表示偏光素子又は偏光板は、光活性分子層に偏光パターンを焼き付ける際、濃淡を有するマスクパターンや写真のネガフィルムを介した直線偏光を利用することにより製造できる。また、多数の偏光軸を有する多軸偏光素子又は偏光板は、光活性分子層に偏光パターンを焼き付ける際、偏光軸の異なる直線偏光を異なる部分に照射することにより製造できる。このような付加的な機能は、通常のポリビニルアルコール系フィルムを用いた場合と比較して、二色性色素を含む溶液を塗布するだけで付与することができるため、寸法変化や収縮もなく所望とする偏光板を得ることができる。寸法変化がない事は、特に、フレキシブルディスプレイや有機エレクトロルミネッセンスディスプレイ(通称、OLED)などの片面に偏光素子を設けることが必要なディスプレイには有効である。また、これまでの偏光板と異なり、色素の塗工には難しい条件が不要であり、塗布するだけで容易に所望の偏光素子を得ることができることから偏光素子の製造も非常に簡易である。
実施例
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、実施例に示す透過率の評価は以下のようにして行った。
各波長の透過率は、分光光度計(日立製作所社製“U−4100”)を用いて測定した。色素膜を1枚で測定した際の各波長の透過率を透過率Tsとし、2枚の色素膜を、その吸収軸方向が同一となるように重ねた場合の透過率を平行位透過率Tpとし、2枚の色素膜をその吸収軸が直交するように重ねた場合の透過率を直交位透過率Tcとした。
偏光度ρは、平行位透過率Tp及び直交位透過率Tcから、式(5)により求めた。
Figure 2016171126
二色比(Rd)は、日本分光社製 V−7100を用いて測定し、得られた値を測定結果とした。
実施例1
基材として100μmの厚さのポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡社製 A−4100、以下「PETフィルム」と省略)の非易接着処理面に、ラビング布(妙中パイル織物社製 MK0012)を巻いたロールで100rpmの速度で荷重5kgfでラビング処理を行った。そのラビング処理を行ったPETフィルム面に二色性色素としてC.I.Direct Blue 67を5質量部、界面活性剤としてポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンLS−106:HLB値12.5)を0.1質量部、溶媒として水を100質量部含んだ組成物を、PETフィルムとの間隔が3μmになるようにセットされたガラス棒を設けた塗工機を用いて塗布した。得られた塗布膜を25℃、湿度70%の環境で1分間放置し、溶媒を乾燥させた。さらに、乾燥させた塗布膜を60℃、湿度90%の環境で5分間加熱処理及び加湿処理し、色素分子のみで形成された本発明の色素膜を得た。得られた色素膜上に、アクリル樹脂系の紫外線硬化性の樹脂組成物(日本化薬社製 SPC−920C)を、硬化後の保護層の厚さが3μmになるようにスピンコータにて塗布し、次いで紫外線を照射することによって該樹脂組成物を硬化させ、色素膜上に保護層を設けた。このようにして得られた偏光素子を測定試料とした。
実施例2
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変え、かつ、その含有量を0.05質量部に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例3
実施例1で用いた組成物において、二色性色素としてのC.I.Direct Blue67の含有量を3質量部に変え、かつ、界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例4
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例5
実施例1で用いた色素組成物において、二色性色素として5質量部のC.I.Direct Blue 67と1質量部のC.I.Direct Orange 72とを混合した2種の二色性色素を併用し、かつ、界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例6
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変え、かつ、その含有量を1.0質量部に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例7
実施例1で用いた基材としてのPETフィルムを、80μmの厚さのトリアセチルセルロースフィルム(富士フィルム社製 TD−80U)に変え、さらに、実施例1で用いた組成物において、二色性色素としてのC.I.Direct Blue 67の含有量を10質量部に変え、かつ、界面活性剤としてのエマルゲン LS−106を、HLB値が12.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例8
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が15.7であるポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールブロックポリマー(三洋化成工業社製 ニューポールPE−68)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例9
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が16.4であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン1118S−70)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例10
実施例1で用いた組成物において、二色性色素として4質量部のC.I.Direct Blue67と4質量部のC.I.Direct Orange 72とを混合した2種の二色性色素を併用し、界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が14.5であるポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(花王社製 エマルゲンA−90)に変え、かつ、その含有量を0.2質量部に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製した。
実施例11
実施例10で用いた界面活性剤としてのエマルゲンA−90を、HLB値が12.8であるポリオキシエチレンアルキルエーテルポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(花王社製 エマルゲンA−60)に変えた以外は、実施例10と同様に測定試料を作製した。
実施例12
実施例10で用いた界面活性剤としてのエマルゲンA−90を、HLB値が12.8であるポリオキシエチレントリベンジルフェニルエ−テル(花王社製 エマルゲンB−66)に変え、かつその含有量を0.1質量部に変えた以外は、実施例10と同様に測定試料を作製した。
実施例13
4−メタクリロイルオキシアゾベンゼンをベンゼンに溶解して20質量%溶液とし、当該アゾベンゼンを、アゾビスイソブチロニトリルを開始剤として脱気下で60℃で12時間重合させた。得られたアゾベンゼンを有する高分子10質量部とトルエン90質量部からなる溶液を、乾燥後の膜厚が0.1μmの膜厚になるように実施例1で用いたPETフィルム上に回転塗布し、次いでこのPETフィルム基材を100℃で1分加熱して乾燥させる。500W/hの超高圧水銀ランプを用意しカットオフフィルターで照射光を可視光(>400nm)に設定し、さらに偏光板を介して直線偏光とする。この直線偏光を、偏光板の偏光軸に対し平行に置いた上記基材の塗布面上に室温で、当該塗布面との間隔が50cmとなる距離から1分間照射した。このような光配向処理が施された基材の表面に、二色性色素としてC.I.Direct Blue 67を5質量部、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲンMS−110:HLB値12.7)を0.1質量部、水を100質量部含んだ組成物を、当該基材との間隔を3μmになるようにセットされたガラス棒を設けた塗工機を用いて塗布した。得られた塗布膜を25℃、湿度70%の環境で1分間放置し、溶媒を乾燥させた。さらに、乾燥させた塗布膜を60℃、湿度90%の環境で5分間加熱処理及び加湿処理し、本発明の色素膜を得た。得られた色素膜上に、実施例1と同じ保護層を設けた。このようにして得られた偏光素子を測定試料とした。
比較例1
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、上記特許文献1の実施例1で用いられているノニオン界面活性剤、すなわち、HLB値が12.1であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(花王社製 エマルゲン108)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例2
実施例1で用いた組成物において、二色性色素としてC.I.Direct Blue 67の含有量を、10質量部に変え、かつ、界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、比較例1のノニオン界面活性剤(花王社製 エマルゲン108)に変え、かつその含有量を1質量部に変えて、特許文献1の実施例1と同様の二色性色素水溶液を作製し、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例3
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、上記特許文献2の会合性二色性色素膜の作製1で用いられているアニオン界面活性剤、すなわちHLB値が25であるポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム(花王社製 エマール20C)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例4
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を用いなかったこと以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例5
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を用いず、二色性色素としてのC.I.Direct Blue 67の含有量を2質量部に変え、かつ、PETフィルムとの間隔を7μmになるようにセットされたガラス棒を設けた塗工機を用いて二色性色素を含有した塗工液を塗布した以外は、実施例1と同様に、色素膜、および、測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例6
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が18.0であるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル(花王社製 エマルゲンA−500)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例7
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が18.5であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン1150S−60)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
比較例8
実施例1で用いた界面活性剤としてのエマルゲンLS−106を、HLB値が17.9であるポリオキシエチレンアルキルエーテル(花王社製 エマルゲン1150S−70)に変えた以外は、実施例1と同様に測定試料を作製し、比較例サンプルとした。
表1には、実施例1〜13、比較例1〜8で得られたサンプルを測定して得られた偏光度が最も高い波長でのTs、Tp、Tc、ρ、Rdを示す。また、得られた色素膜の塗工性を評価した。塗工性については、10cm角の色素膜中に50μm以上の大きさの塗工されていない箇所を、目視で10個以上確認できた場合、色素膜中に塗工不良が生じているとみなし、表1中、「×」は塗工不良が生じていることを、「○」は塗工不良が生じていないことを示す。
Figure 2016171126
表1の結果から明らかなように、本発明の組成物を用いて作製された色素膜は、実施例1〜12のように基材にラビング処理が施されていても、塗工不良が生じていないことから、本発明の組成物は塗工性に優れており、さらには塗工不良が改善された色素膜が得られていることがわかる。また、実施例13のように、基材に光配向処理が施されていても、実施例1〜12と同様、塗工性に優れた組成物、さらには塗工不良が改善された色素膜が得られていることがわかる。さらに、実施例1〜13に示されるように、本発明の色素膜を有する偏光素子は、高い透過率(Ts)に加えて、高い偏光度(ρ)、及び高い二色比(Rd)を示していることから、本発明においては、色素膜の塗工不良が改善されていることに伴い、偏光素子の偏光不良も改善されていることがわかる。
一方、界面活性剤として、HLB値が本発明の規定外であるポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルを用いた比較例1と2のサンプル、HLB値が本発明の規定外であると共に、本発明で特定された界面活性剤ではない界面活性剤を用いた比較例3のサンプル、界面活性剤を用いていない比較例4のサンプルは、それぞれ色素膜中に塗工不良が生じていた。このことから、これらのサンプルの色素膜の塗工不良を改善されておらず、当該色素膜を有する偏光素子にも偏光不良が生じることがわかる。
また、比較例4と同様に界面活性剤が含まれていない組成物を用い、かつ色素膜が比較的厚い比較例5のサンプルは、平行透過率(Tp)と直交透過率(Tc)から算出される偏光素子のコントラストは約2程度であり、HLB値が本発明の規定外であるポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテルを含んだ組成物を用いた比較例6のサンプル、HLB値が本発明の規定外であるポリオキシエチレンアルキルエーテルを含んだ組成物を用いた比較例7及び8のサンプルは、当該コントラストは約1程度であった。このことから、このような偏光素子をディスプレイに適用しても、ディスプレイのコントラストをほとんど呈さない偏光板になってしまうことがわかる。さらに、比較例5〜8のサンプルは、偏光度(ρ)が65%未満であり、かつ二色比(Rd)も5未満であることから、偏光素子としての機能が十分でないことがわかる。
以上の結果から、本発明の組成物を用いて作製された色素膜は、従来の二色性色素を含む組成物を塗布して得られる色素膜の塗工時の塗工不良を改善し、その結果、偏光不良のない高品質で偏光性能に優れた偏光素子が得られることがわかる。
本発明の偏光素子は、従来の偏光素子のようなポリビニルアルコール樹脂フィルムを用いた偏光素子ではなく、ラビングされた基材に二色性色素を含有する溶液を塗布することで偏光素子を作製できるため、従来の工程で必要であった膨潤、染色、延伸等のプロセスが不要ある。また、偏光機能を示す成分としては二色性色素のみで偏光素子の膜を作製できるため、超薄膜な偏光素子を形成することが可能である。さらに、二色性色素を含有する溶液の塗布によって偏光素子を作製できるため、従来の偏光板のような平板状の偏光素子の形状に限定されず、曲面形状や球面形状の偏光素子を形成することも可能である。特に、従来の延伸フィルムは、延伸方向に対して垂直な偏光を通過させる偏光板しか形成できなかったものの、本発明の偏光素子は、ラビングされてなる基材に対して配向方向を任意に設定できるため、微細なパターン状や任意の方向の偏光性を設けた偏光素子を形成することが可能である。

Claims (10)

  1. (A)少なくとも1種の二色性色素と、(B)ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンジスチレン化フェニルエーテル及びポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテルからなる群から選択される少なくとも1種の界面活性剤と、(C)溶媒とを含有し、前記界面活性剤のHLB値が、12.5以上17.5以下であることを特徴とする組成物。
  2. 前記二色性色素が、水溶性アゾ色素であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
  3. 前記二色性色素が、下記式(1)で表される化合物又はその塩であることを特徴とする請求項1又は2に記載の組成物。
    Figure 2016171126
    (式(1)中、
    は、1つ若しくは2つのスルホン酸基と、水酸基若しくは炭素数が1乃至3を有するアルコキシ基を有するフェニル基又はナフチル基を表し、
    及びXは、それぞれ独立して、フェニレン基又はナフチレン基を表し、当該フェニレン基又はナフチレン基は、炭素数が1乃至3のアルキル基、炭素数が1乃至3のアルコキシ基、水酸基及びスルホン酸基からなる群から選択される1種又は2種の置換基を1つ又は2つ有しており、
    は、水素原子、炭素数が1乃至3のアルキル基、アセチル基、ベンゾイル基、或いは、非置換のフェニル基又は炭素数が1乃至4のアルキル基、炭素数が1乃至4のアルコキシ基、アミノ基、スルホ基若しくは炭素数が1乃至4のアルキル基を有するアミノ基で置換されたフェニル基を表し、
    mは、0又は1であり、かつ
    nは、1又は2である)
  4. が、置換基として下記式(3)で表される化合物又はその塩であることを特徴とする請求項3に記載の組成物。
    Figure 2016171126
    (式(3)中、jは1又は2である)
  5. 前記ポリオキシエチレンアルキレンアルキルエーテルが、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル又はポリオキシエチレンポリオキシプロピレンブロックポリマーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 溶媒100質量部に対して、前記二色性色素を合計0.1〜15質量部含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の組成物。
  7. 溶媒が少なくとも水を含むことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の組成物を用いて作製された色素膜。
  9. 請求項8に記載の色素膜を有する偏光素子。
  10. 二色比が、5以上であることを特徴とする請求項9に記載の偏光素子。
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