JPWO2016157769A1 - 電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆う第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆う第2導電性高分子層とを備える。第1導電性高分子層は、第1導電性高分子と、第1高分子ドーパントとを含む。第2導電性高分子層は、第2導電性高分子と、第2高分子ドーパントとを含む。第1導電性高分子層および第2導電性高分子層の少なくとも一方は、更に、ヒドロキシル化合物を含む。ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有するとともに、40℃以上150℃以下の融点を有する。

Description

本開示は、固体電解質層として導電性高分子層を有する電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
近年、電子機器の小型化および軽量化に伴って、小型かつ大容量の高周波用コンデンサが求められている。このようなコンデンサとして、等価直列抵抗(ESR)が小さく、周波数特性に優れている電解コンデンサの開発が進められている。電解コンデンサは、タンタル、ニオブ、チタン、アルミニウムなどの弁作用金属を含む陽極体と、陽極体上に形成された誘電体層と、陰極体とを含む。中でも、誘電体層上に陰極部材として導電性高分子を含む固体電解質層が形成された電解コンデンサは、固体電解コンデンサとも呼ばれている。
導電性高分子を含む固体電解質層は、導電性高分子以外の成分を添加剤として含む場合がある。例えば特許文献1では、固体電解質層に多種多様な水溶性化合物、アルカリ性化合物などを添加することが提案されている。
特開2008−109069号公報
電解コンデンサの設計において、ESRの低減は重要である。しかし、特許文献1のように無作為に添加剤を固体電解質層に添加しても、固体電解質層の膜質が低下することがある。そのため、ESRを十分に低減できず、漏れ電流が大きくなる場合もある。
本開示は、固体電解質層を有する電解コンデンサにおいて、漏れ電流を抑制しつつ、ESRを低減することを目的とする。
本開示の一局面における電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシル化合物を含む固体電解質層とを備える。固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆うとともに、第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆うとともに、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層とを備える。少なくとも第2導電性高分子層は、高分子ドーパントと、ヒドロキシル化合物とを含む。ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有するとともに、40℃以上、150℃以下の融点を有する。
本開示の別の局面における電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ導電性高分子と、高分子ドーパントと、ヒドロキシル化合物と、を含む固体電解質層とを備える。ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有するとともに、40℃以上、150℃以下の融点を有する。
本開示の更に別の局面における電解コンデンサの製造方法は、誘電体層を有する陽極体を準備する第1ステップと、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシ化合物を含む固体電解質層を形成する第2ステップとを備える。第2ステップは、第1処理液を用いて、誘電体層の少なくとも一部を覆うとともに、第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層を形成するステップAと、第2処理液を用いて、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆うとともに、第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層を形成するステップBとを有する。少なくとも第2処理液は、高分子ドーパントと、ヒドロキシル化合物とを含む。ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有するとともに、40℃以上、150℃以下の融点を有する。
ヒドロキシル化合物としては、例えば、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびカテコールからなる群より選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
本開示によれば、漏れ電流を抑制しつつ、ESRが低減された電解コンデンサを提供することができる。
図1は、本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。 図2は、図1の実線αで囲まれた領域の拡大図である。
以下、図面を参照しながら、本開示に係る電解コンデンサおよびその製造方法の実施形態について説明する。ただし、本開示は以下の実施形態に限定されるものではない。
(電解コンデンサ)
本開示の一実施形態に係る電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極体と、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシル化合物を含む固体電解質層とを備える。固体電解質層は、少なくとも1層の導電性高分子と高分子ドーパントとヒドロキシル化合物とを含む層を含む。ただし、ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有し、かつ40℃以上、150℃以下の融点を有する。
固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆い、かつ第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層とを備えることが好ましい。ただし、少なくとも第2導電性高分子層は、第2導電性高分子に加え、高分子ドーパントと、ヒドロキシル化合物とを含むことが好ましい。一方、第1導電性高分子層は、ヒドロキシル化合物を含まなくてもよい。なお、第1導電性高分子層とは、誘電体層に最も近接する導電性高分子層である。
第1導電性高分子層および第2導電性高分子層が、それぞれヒドロキシル化合物を含む場合、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度よりも、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度が高いことが望ましい。
上記電解コンデンサは、例えば、誘電体層を有する陽極体を準備する第1ステップと、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシ化合物を含む固体電解質層を形成する第2ステップとを備える製造方法により製造される。ここで、第2ステップは、少なくとも、導電性高分子と高分子ドーパントとヒドロキシル化合物とを含む処理液を用いて、導電性高分子と高分子ドーパントとヒドロキシル化合物とを含む層を形成するステップを有する。これにより、ESRが低減された電解コンデンサが得られる。また、このような方法は、容易に実施することができるため、製造コストの低減に有利である。
好ましくは、第2ステップは、第1処理液を用いて、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層を形成するステップAと、第2処理液を用いて、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆い、かつ第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層を形成するステップBとを有する。このとき、少なくとも第2処理液には、第2導電性高分子と高分子ドーパントとヒドロキシル化合物とを含ませることが好ましい。一方、第1処理液は、ヒドロキシル化合物を含まなくてもよい。
第1処理液および第2処理液が、それぞれヒドロキシル化合物を含む場合、第1処理液に含まれるヒドロキシル化合物の濃度よりも、第2処理液に含まれるヒドロキシル化合物の濃度を高くすることが好ましい。これにより、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度よりも、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度を高くすることができる。
なお、固体電解質層の構造は、特に限定されない。例えば、固体電解質層は、単層の導電性高分子層でもよく、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層とを有してもよく、更なる導電性高分子層を1層以上有してもよい。
以下、固体電解質層が、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層とを有する場合について、更に詳細に説明する。図1は、本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの断面模式図である。図2は、図1の実線αで囲まれた領域の拡大図である。
電解コンデンサ1は、コンデンサ素子11と、コンデンサ素子11を封止する樹脂外装体12と、樹脂外装体12の外部にそれぞれ露出する陽極端子13および陰極端子14と、を備えている。コンデンサ素子11は、例えば箔状または板状の陽極体2と、陽極体2を覆う誘電体層3と、誘電体層3を覆う陰極部15とを含む。陽極端子13は、陽極体2と電気的に接続し、陰極端子14は、陰極部15と電気的に接続している。樹脂外装体12はほぼ直方体の外形を有しており、これにより、電解コンデンサ1もほぼ直方体の外形を有している。
陽極体2と陰極部15とは、誘電体層3を介して対向している。陰極部15は、誘電体層3を覆う固体電解質層4と、固体電解質層4を覆う陰極層5とを有している。図示例の陰極層5は、2層構造であり、固体電解質層4と接触するカーボン層5aと、カーボン層5aの表面を覆う銀ペースト層5bと、を有している。
陰極部15から突出した陽極体2の端部のうち、陰極部15に隣接する領域には、陽極体2の表面を帯状に覆うように絶縁性の分離部16が形成され、陰極部15と陽極体2との接触が規制されている。陰極部15から突出した陽極体2の端部は、陽極端子13の第1端部13aと、溶接などにより電気的に接続されている。一方、陰極部15の最外層に形成された陰極層5は、陰極端子14の第1端部14aと、導電性接着材17を介して、電気的に接続されている。陽極端子13の第2端部13bおよび陰極端子14の第2端部14bは、それぞれ樹脂外装体12の異なる側面から引き出され、一方の主要平坦面(図1では下面)まで露出状態で延在している。この平坦面における各端子の露出箇所は、電解コンデンサ1を搭載すべき基板(図示せず)との半田接続などに用いられる。
誘電体層3は、多孔質な陽極体2を構成する導電性材料の表面の一部に形成されている。具体的には、誘電体層3は、陽極体2を構成する導電性材料の表面を陽極酸化することにより形成することができる。従って、誘電体層3は、図2に示すように、陽極体2を構成する多孔質体の表面(細孔の内壁面を含む)に沿って形成されている。
誘電体層3を覆うように形成される固体電解質層4は、誘電体層3を覆う第1導電性高分子層4aと、第1導電性高分子層4aを覆う第2導電性高分子層4bと、を有する。第1導電性高分子層4aは、必ずしも誘電体層3の全体(表面全体)を覆う必要はなく、誘電体層3の少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。同様に、第2導電性高分子層4bは、必ずしも第1導電性高分子層4aの全体(表面全体)を覆う必要はなく、第1導電性高分子層4aの少なくとも一部を覆うように形成されていればよい。
(陽極体)
陽極体としては、導電性を有する多孔質体が使用できる。多孔質体を形成する導電性材料としては、弁作用金属、弁作用金属を含む合金、弁作用金属を含む化合物などが例示できる。これらの材料は一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。弁作用金属としては、例えば、チタン、タンタル、アルミニウムおよび/またはニオブが好ましく使用される。これらの金属は、その酸化物も含め、誘電率が高いため、陽極体の構成材料として適している。
弁作用金属を含む合金としては、例えば、2種類以上の弁作用金属を含む合金、弁作用金属と典型元素(バナジウム、ケイ素、ホウ素など)との合金などが挙げられる。合金は、弁作用金属を主成分とするものが好ましく、合金に占める弁作用金属の比率は、50原子%以上であることが好ましい。
多孔質体は、例えば、導電性材料で形成された基材(箔状または板状の基材など)の表面を粗面化したり、導電性材料の粒子を所定形状に成形し、成形体を焼結したりすることで得られる。
(誘電体層)
誘電体層は、陽極体の表面の導電性材料を、化成処理などにより陽極酸化することで形成される。よって、誘電体層は、導電性材料(特に弁作用金属)の酸化物を含む。例えば、弁作用金属としてタンタルを用いた場合、誘電体層はTa25を含む。弁作用金属としてアルミニウムを用いた場合、誘電体層はAl23を含む。なお、誘電体層はこれらに限られない。
(固体電解質層)
固体電解質層は、誘電体層の少なくとも一部を覆う第1導電性高分子層と、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆う第2導電性高分子層とを含む。この場合、第2導電性高分子層は、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆うように形成されていればよく、第1導電性高分子層の表面全体を覆うように形成されていてもよい。また、誘電体層の表面に第1導電性高分子層が形成されていない領域では、第2導電性高分子層が誘電体層と接触していてもよい。
固体電解質層に含まれる第1導電性高分子層と第2導電性高分子層のうち、少なくとも第2導電性高分子層は、高分子ドーパントとヒドロキシル化合物とを含むことが好ましい。第1導電性高分子層は、ヒドロキシル化合物を含まなくてもよい。第2導電性高分子層は、誘電体層に隣接する第1導電性高分子層に比べて絶対量が多いため、少なくとも第2導電性高分子層にヒドロキシル化合物を含ませることで、導電性を向上させる効果が大きくなる。
(ヒドロキシル化合物)
ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有し、かつ40℃以上150℃以下の融点を有する。このようなヒドロキシル化合物は、導電性高分子の結晶性を高め、導電性を向上させるとともに、ESRを低減する効果を有する。その理由は明らかではないが、分子量の大きさが適度であること、分子量に対するOH基の密度が高いこと、常温で固体であることなどが、導電性の向上に関連していると考えられる。
ヒドロキシル化合物は、例えば、電解コンデンサの製造時、様々な熱的雰囲気に曝される。このとき、40℃以上150℃以下の融点を有するヒドロキシル化合物は、急激に揮散することがない。そのため、導電性高分子および/またはその周囲の部材に対するストレスが発生しにくい。また、40℃以上150℃以下の融点を有するヒドロキシル化合物は、常温で固体であるため、導電性高分子層の内部を移動しにくい。そのため、層内に均一に分布しやすい。よって、均質で結晶性の高い導電性高分子層が形成され、導電性が向上するものと考えられる。
常温で固体であるヒドロキシル化合物は、導電性高分子層の内部を移動しにくいため、導電性高分子層から外部への浸み出しも発生しにくい。よって、ヒドロキシル化合物が固体電解質層の周囲に与える影響は小さくなる。一方、40℃未満の融点を有するヒドロキシル化合物は、固体電解質層から浸み出しやすいため、例えば、陰極部材の層間に浸入して、剥離を生じさせることがある。
ヒドロキシル化合物は、300℃以下の沸点を有することが好ましい。ヒドロキシル化合物の沸点が過度に高くないことで、固体電解質層の形成時には、ヒドロキシル化合物が適度に揮散する。これにより、電解コンデンサの耐リフロー性が向上する。また、40℃以上150℃以下の融点を有するとともに、300℃以下の沸点を有するヒドロキシル化合物は、固体電解質層の内部に適度に残留する。これにより、導電性高分子の結晶性が更に高められると考えられる。
ヒドロキシル化合物が一分子内に有するヒドロキシル基の数は、2以上であればよいが、融点と沸点をより好ましい範囲にする観点から、ヒドロキシル基の数は、5以下が好ましく、4以下がより好ましく、2〜3であることが更に好ましい。
ヒドロキシル化合物の融点は、40℃以上150℃以下であればよいが、固体状態を維持しやすい点で、50℃以上であることが好ましく、55℃以上であることがより好ましい。また、ヒドロキシル化合物が熱的雰囲気に曝されたときに液状化しやすく、導電性高分子の結晶性を向上させる効果が高い点で、融点は130℃以下であることが好ましく、110℃以下であることがより好ましい。ヒドロキシル化合物の沸点は、300℃以下であればよく、250℃以下でもよい。
ヒドロキシル化合物の分子量は、特に限定されず、融点と沸点が上記範囲となるように選択すればよい。ヒドロキシル化合物の具体例としては、例えば、エリスリトール、ネオペンチルグリコール、カテコール、キシリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、ピロガロール、ピナコール、2,5−ヘキサンジオールなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、ネオペンチルグリコール、2,5−ヘキサンジオール、カテコールおよびトリメチロールプロパンなどが好ましい。
固体電解質層に含まれるヒドロキシル化合物の量は、固体電解質層に含まれる導電性高分子(例えば第1導電性高分子と第2導電性高分子の合計)100質量部に対して、5〜500質量部であることが好ましく、10〜100質量部であることがさらに好ましい。
第1導電性高分子層および第2導電性高分子層が、それぞれヒドロキシル化合物を含む場合、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度よりも、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度が高いことが望ましい。すなわち、ヒドロキシル化合物は、第2導電性高分子の内部に偏在していることが好ましい。なお、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物と、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物とは、同じでもよく、異なってもよい。
ヒドロキシル化合物が、第2導電性高分子層の内部に偏在し、第1導電性高分子層の内部に存在しないか、低濃度で存在することで、誘電体層の劣化が抑制され、漏れ電流が小さくなり、耐電圧特性が向上しやすい。これは、電解コンデンサが高温に曝されたとき、ヒドロキシル化合物が誘電体層に与えるストレスを、より小さくできるためである。通常、陽極体の表面は粗面化され、微細構造が形成されている。そのため、誘電体層にストレスがかかると、微細構造が損傷を受ける可能性がある。
常温で固体であるヒドロキシル化合物は、急激に揮散することはないものの、高温環境下では膨張圧力が発生する。よって、誘電体層を保護する観点からは、誘電体層に最も近接する第1導電性高分子層には、ヒドロキシル化合物が存在しないことが望ましい。第1導電性高分子層が、多量のヒドロキシル化合物を含む場合、電解コンデンサの製造ステップやリフロー時に、第1導電性高分子層および誘電体層に付与されるストレスが大きくなる。
(第1導電性高分子層)
第1導電性高分子層は、第1導電性高分子を含み、ヒドロキシル化合物を含んでもよく、更にドーパント(以下、第1ドーパント)を含んでもよい。
(第1導電性高分子)
第1導電性高分子としては、電解コンデンサに使用される公知のもの、例えば、π共役系導電性高分子などが使用できる。このような導電性高分子としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリフラン、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレン、ポリフェニレンビニレン、ポリアセンおよび/またはポリチオフェンビニレンなどを基本骨格とする高分子が挙げられる。このような高分子には、単独重合体、二種以上のモノマーの共重合体、およびこれらの誘導体(置換基を有する置換体など)も含まれる。例えば、ポリチオフェンには、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)などが含まれる。このような導電性高分子は、導電性が高く、ESR特性に優れている。導電性高分子は、一種を単独で用いてもよく、二種以上を組み合わせて用いてもよい。導電性高分子の重量平均分子量は、特に限定されないが、例えば1000〜1,000,000である。
(第1ドーパント)
第1ドーパントとしては、例えば、酸性基(またはアニオン性基)を有する低分子化合物(低分子ドーパント)または高分子化合物(以下、第1高分子ドーパント)が使用される。高分子ドーパントを用いることで、均質な第1導電性高分子層を容易に形成することができる。第1ドーパントは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。
低分子ドーパントとしては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基および/またはホスホン酸基などのアニオン性基を有する低分子化合物(モノマー化合物)を用いることができる。このような化合物としては、例えば、ベンゼン、ナフタレン、およびアントラセンなどの芳香環(C6-14芳香環など)、または芳香環と脂肪族環との縮合環に、アニオン性基が結合した環状化合物を用いることができる。アニオン性基としては、スルホン酸基が好ましく、スルホン酸基とスルホン酸基以外のアニオン性基との組み合わせでもよい。環状化合物を構成する芳香環および/または脂肪族環は、アニオン性基以外の置換基(例えば、メチル基などのアルキル基、オキソ基(=O)など)を有していてもよい。このような化合物の具体例としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸などのアルキルベンゼンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、アントラキノンスルホン酸などが挙げられる。
第1高分子ドーパントとしては、例えば、スルホン酸基、リン酸基および/またはホスホン酸基などのアニオン性基を有する高分子化合物を用いることができる。アニオン性基のうち、スルホン酸基が好ましい。スルホン酸基を有する第1高分子ドーパントとしては、スルホン酸基を有するモノマー(例えば、スルホン酸基を有するビニルモノマーやジエンモノマー)の単独重合体または共重合体が例示できる。スルホン酸基を有するビニルモノマーとしては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸などのスルホン酸基を有する脂肪族ビニルモノマー、スチレンスルホン酸などのスルホン酸基を有する芳香族ビニルモノマーなどが例示できる。これらのビニルモノマーは、一種を単独でまたは二種以上を組み合わせて使用できる。共重合体は、二種類以上のスルホン酸基を有するモノマーを用いた共重合体であってもよく、スルホン酸基を有するモノマーと他のモノマーとの共重合体であってもよい。
第1高分子ドーパントの重量平均分子量は、例えば、1,000〜1,000,000であり、好ましくは10,000〜500,000である。このような分子量を有する第1高分子ドーパントを用いると、第1導電性高分子層を均質化し易い。スルホン酸基を有するモノマーの単独重合体および共重合体では、重量平均分子量は、10,000〜500,000であることがより好ましい。
第1導電性高分子層に含まれるドーパントの量は、第1導電性高分子100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがさらに好ましい。
(第2導電性高分子層)
第2導電性高分子層は、第2導電性高分子を含み、ドーパント(以下、第2ドーパント)とヒドロキシル化合物とを含むことが好ましい。少なくとも第2導電性高分子層にヒドロキシル化合物を含ませることで、固体電解質層の導電性を向上させる効果が大きくなる。
(第2導電性高分子)
第2導電性高分子としては、電解コンデンサに使用される公知のものが使用でき、例えば、第1導電性高分子について例示した導電性高分子から適宜選択して使用することができる。第2導電性高分子の重量平均分子量も、第1導電性高分子について例示した範囲から適宜選択できる。第1導電性高分子と、第2導電性高分子とは、同じでもよく、異なってもよい。
(第2ドーパント)
第2ドーパントとしては、電解コンデンサで使用される公知のものが使用でき、具体的には、第1導電性高分子層について例示したものから適宜選択することができる。第1ドーパントと、第2ドーパントとは、同じでもよく、異なってもよい。第2ドーパントとしては、高分子ドーパント(以下、第2高分子ドーパント)を用いることが望ましい。
第2導電性高分子層に含まれる第2高分子ドーパントの量は、第2導電性高分子100質量部に対して、10〜1000質量部であることが好ましく、50〜200質量部であることがさらに好ましい。
第2導電性高分子層の平均厚みは、例えば、5〜100μm、好ましくは10〜50μmである。また、第1導電性高分子層の平均厚みに対する第2導電性高分子層の平均厚みの比は、例えば、5倍以上、好ましくは10倍以上である。平均厚みがこのような範囲である場合、固体電解質層の導電性をさらに高めやすくなる。
上記実施形態では、固体電解質層が、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層とを有する2層構造である場合について説明した。しかし、固体電解質層は、3層以上の構造を有するものであってもよい。この場合、第1導電性高分子層以外は、全て第2導電性高分子層と考えることができる。
固体電解質層は、必要に応じて、さらに、公知の添加剤および/または導電性高分子以外の公知の導電性材料(二酸化マンガン、TCNQ錯塩など)を含んでもよい。
誘電体層と第1導電性高分子層との間および/または第1導電性高分子層と第2導電性高分子層との間には、第3の層を介在させてもよい。第3の層としては、例えば、第1導電性高分子層または第2導電性高分子層の被覆性を高める層や、各層間の密着性を高める層などが挙げられる。
(電解コンデンサの製造方法)
本開示の一実施形態に係る電解コンデンサの製造方法は、誘電体層を有する陽極体を準備する第1ステップと、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシ化合物を含む固体電解質層を形成する第2ステップとを含む。
ここで、第2ステップは、第1導電性高分子層を形成するステップAと、第2導電性高分子層を形成するステップBとを含む。
以下に、各ステップについてより詳細に説明する。
(第1ステップ)
第1ステップでは、まず、陽極体の種類に応じて、公知の方法により陽極体を形成する。陽極体は、多孔質体であり、例えば、導電性材料で形成された箔状または板状の基材の表面を粗面化することにより準備することができる。粗面化は、基材表面に凹凸を形成できればよく、例えば、基材表面をエッチングすればよい。
次に、陽極体上に誘電体層を形成する。誘電体層は、陽極体の表面を陽極酸化することにより形成される。陽極酸化は、公知の方法、例えば、化成処理などにより行うことができる。化成処理は、例えば、陽極体を化成液中に浸漬することにより、陽極体の表面(多孔質体の細孔の内壁面を含む表面)まで化成液を含浸させ、陽極体をアノードとして、化成液中に浸漬したカソードとの間に電圧を印加することにより行うことができる。化成液としては、例えば、リン酸水溶液、リン酸アンモニウム水溶液、またはアジピン酸アンモニウム水溶液などを用いることが好ましい。
(第2ステップ)
(ステップA)
ステップAでは、第1処理液を用いて、誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層を形成する。例えば、誘電体層を有する陽極体を第1処理液に浸漬することにより、誘電体層の海綿体構造の凹凸の内壁面まで第1処理液を含浸させる。その後、陽極体を第1処理液から取り出して、乾燥する。乾燥の際、必要に応じて、陽極体を加熱してもよい。なお、第1処理液を誘電体層の海綿体構造の凹凸の内壁面まで含浸させる方法は、特に限定されない。
第1処理液としては、例えば、第1導電性高分子と、第1高分子ドーパントと、第1溶媒(または分散媒)とを含む溶液または分散液を用いることができる。第1処理液として、このような溶液または分散液を用いる場合、品質が安定した第1導電性高分子層を容易に形成することができる。分散液中の分散質(第1導電性高分子および/または第1高分子ドーパント)の形態は、特に制限されないが、粒子状であることが好ましい。分散液中の分散質の粒子の平均粒径は、5〜100nmであることが好ましい。平均粒径は、例えば、動的光散乱法による粒径分布から求めることができる。
第1処理液には、更にヒドロキシ化合物を含ませてもよいが、後述する第2処理液にヒドロキシ化合物を含ませる場合には、第2処理液における濃度より低濃度の量であることが望ましい。また、第1処理液には、必ずしもヒドロキシ化合物を含ませなくてもよい。
第1処理液に含まれる溶媒(または分散媒)としては、水、有機媒体、およびこれらの混合物が例示できる。有機媒体としては、例えば、炭素数1〜5の脂肪族アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、1−ブタノールなど);アセトンなどの脂肪族ケトン;アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル;N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド;ジメチルスルホキシドなどのスルホキシドなどが挙げられる。
第1導電性高分子層は、誘電体層を有する陽極体に、第1導電性高分子の原料を含む第1処理液を含浸させ、重合(化学重合または電解重合)させることにより形成された重合膜であってもよい。第1導電性高分子の原料としては、第1導電性高分子の前駆体、例えば、第1導電性高分子を構成するモノマーおよび/またはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどが例示できる。
重合膜の形成には、第1導電性高分子の原料を重合させるために酸化剤が使用される。酸化剤は、第1処理液に添加してもよい。また、酸化剤は、誘電体層が形成された陽極体を第1処理液に浸漬する前または後に、陽極体に塗布してもよい。このような酸化剤としては、スルホン酸金属塩が例示できる。スルホン酸金属塩は、酸化剤としての機能に加え、ドーパントとしての機能も有する。スルホン酸金属塩のスルホン酸を構成する部分としては、アルキルスルホン酸、および/または芳香族スルホン酸(ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ナフタレンジスルホン酸など)などが挙げられる。金属塩を構成する金属部分としては、鉄(III)、銅(II)、クロム(IV)、および/または亜鉛(II)などが例示できる。
重合膜の形成に使用される第1処理液は、必要に応じて、第1導電性高分子の原料および酸化剤以外の成分(例えば低分子ドーパント)を含むことができる。
(ステップB)
ステップBでは、ステップAの後、第2処理液を用いて、第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆い、かつ第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層を形成する。ステップBは、第2処理液を用いること以外は、ステップAと同様に、またはステップAに準じた手順で実施することができる。
第2処理液としては、例えば、第2導電性高分子と、第2高分子ドーパントと、第2溶媒(または分散媒)とを含む溶液または分散液を用いることができる。第2処理液には、ヒドロキシ化合物を含ませることが好ましい。分散液中の分散質(第2導電性高分子および/または第2高分子ドーパント)の形態は、特に制限されないが、粒子状であることが好ましく、分散質の粒子の平均粒径は、第1処理液の分散質より大きくてもよく、小さくてもよい。
第2溶媒(または分散媒)としては、第1処理液について例示したものから適宜選択することができる。第1溶媒(または分散媒)と、第2溶媒(または分散媒)とは、同じでもよく、異なってもよい。
第2導電性高分子層は、第2導電性高分子の原料を重合することにより形成された重合膜であってもよい。重合膜を形成する第2処理液は、第2導電性高分子の原料を含み、更にヒドロキシ化合物を含むことが好ましい。第2導電性高分子の原料としては、第2導電性高分子の前駆体、例えば、第2導電性高分子を構成するモノマーおよび/またはモノマーがいくつか連なったオリゴマーなどが例示できる。
第1導電性高分子層の場合と類似して、重合膜の形成には、第2導電性高分子の原料を重合させるための酸化剤が使用される。酸化剤は、第2処理液に添加してもよく、第2処理液への浸漬の前または後に、陽極体に塗布してもよい。酸化剤としては、第1導電性高分子層について例示したものから適宜選択できる。重合膜の形成に使用される第2処理液は、必要に応じて、第2導電性高分子の原料および酸化剤以外の成分(例えば低分子ドーパント)を含むことができる。
第1処理液および/または第2処理液が、導電性高分子と、高分子ドーパントと、ヒドロキシ化合物と、溶媒(または分散媒)とを含む溶液または分散液である場合、陽極体を第1処理液および/または第2処理液に浸漬し、取り出してから乾燥する際、陽極体を100〜200℃で、1分〜1時間かけて加熱することが望ましい。これにより、ヒドロキシ化合物は、加熱期間中、導電性高分子に作用しながらゆっくりと揮散し、適量が導電性高分子層に残存する。ヒドロキシ化合物が導電性高分子に十分に作用することで、導電性高分子の結晶性が高められる。これにより、導電性高分子層の膜質が向上し、導電性が向上するとともに、固体電解質層に亀裂が発生しにくくなる。よって、電解コンデンサの使用中における導電性の低下も抑制される。
(ドーパントのスルホン化度)
導電性高分子へのドープを効率的に行い、十分な導電性を導電性高分子に付与する観点から、高分子ドーパントは、少なくともスルホン酸基を有することが望ましい。また、処理液の物性(粘度、ポットライフなど)を安定化させ、処理液に含まれる導電性高分子の分散性を向上させる観点から、少なくとも第2導電性高分子層に含まれる第2高分子ドーパントのスルホン化度を50〜90%にしてもよい。
なお、高分子ドーパントのスルホン化度とは、高分子ドーパントの分子を構成する繰り返し単位全体に占める、スルホン酸基(その塩またはそのエステルも含む)を有する繰り返し単位の割合(モル%)を意味する。高分子ドーパントは、1つの繰り返し単位当たり2個またはそれ以上のスルホン酸基(その塩またはそのエステルも含む)を含んでいてもよいが、1つの繰り返し単位当たりスルホン酸基(その塩またはそのエステルも含む)を1個有することが好ましい。
第1導電性高分子層および第2導電性高分子層は、それぞれスルホン化度の異なる複数種の高分子ドーパントを含んでもよい。スルホン化度が低くなると、ドーパントの分散性が低くなり易く、導電性高分子層におけるドーパントおよび導電性高分子の分布が均一な導電性高分子層を形成し難くなる場合がある。スルホン化度が低い高分子ドーパントと高い高分子ドーパントとを併用することで、膜質がより均質となり、導電性が高まり、ESRを低減しやすくなる。
例えば、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層に、それぞれスルホン化度S1
を有する高分子ドーパントを含ませるとともに、第1導電性高分子層または第2導電性高分子層に、スルホン化度S2を有する高分子ドーパントをさらに含ませてもよい。ただし
、スルホン化度S1およびスルホン化度S2は、S1<S2を満たす。また、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層に、それぞれスルホン化度S1を有する高分子ドーパント
を含ませるとともに、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層に、スルホン化度S2を有する高分子ドーパントをさらに含ませてもよい。例えばスルホン化度S1が50〜90%である場合、スルホン化度S2は、90%を超えることが好ましい。
スルホン化度S2を有する高分子ドーパントとしては、ポリスチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有する芳香族ビニルポリマーが好ましく、スルホン化度S1を有する高分子ドーパントとしては、誘電体層の修復性が高く、漏れ電流を抑制する効果が期待できる点で、スルホン酸基を有するモノマーユニットと、カルボキシル基を有するモノマーユニットとを含む共重合体が好ましい。
スルホン酸基を有するモノマーユニットとしては、ビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、スチレンスルホン酸、イソプレンスルホン酸などが例示できる。これらは一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。
カルボキシル基を有するモノマーユニットとしては、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸などが例示できる。カルボキシル基は、塩や、エステル結合を有する誘導体を形成してもよく、誘導体に含まれるエステル基がカルボキシル基を含んでもよい。これらは一種を単独で、または二種以上を組み合わせて使用できる。
(水溶性高分子)
固体電解質層には、更に、上記以外の成分として、水溶性高分子を含ませることができる。水溶性高分子は、導電性高分子に対する親和性が高いため、導電性高分子層におけるひび割れの形成を抑制して、膜質を緻密化することができる。よって、導電性を高めることができ、ESRをより低減することができる。
水溶性高分子は、例えば、親水性基を有する親水性モノマーユニットを含む共重合体である。親水性基は、カルボキシル基、酸無水物基、フェノール性ヒドロキシル基、およびC2-3アルキレンオキサイド基よりなる群から選択される少なくとも一種である。なお、C2-3アルキレンオキサイド基は、鎖状である。水溶性高分子が共重合体であることにより、単独重合体に比べて、ポリマー鎖の三次元的なネットワークが形成され易い。また、水溶性高分子は、上記の親水性基を含むため、ポリビニルアルコールなどと比べて、導電性高分子に対する親和性が高い。共重合体は、ランダム共重合体であることが好ましい。
以下、カルボキシル基、酸無水物基およびフェノール性ヒドロキシル基よりなる群から選択される少なくとも一種を有する親水性モノマーユニットを第1親水性モノマーユニットと称する。
第1親水性モノマーユニットに対応する第1親水性モノマーとしては、アクリル酸、2−C1-4アルキル−2−プロペン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、およびフマル酸よりなる群から選択される少なくとも一種が好ましい。
また、C2-3アルキレンオキサイド基を有する親水性モノマーユニットを第2親水性モノマーユニットと称する。第2親水性モノマーユニットに対応する第2親水性モノマーとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどが好ましい。
水溶性高分子は、さらに上記以外の第3のモノマーユニットを含むことができる。第3のモノマーユニットに対応する第3モノマーとしては、エステル基を有するビニルモノマーおよび芳香族ビニルモノマーよりなる群から選択される少なくとも一種が挙げられる。より具体的には、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、スチレン、ビニルトルエンなどが例示できる。
水溶性高分子の具体例としては、アクリル酸−メタクリル酸共重合体、アクリル酸−マレイン酸共重合体、ビニルフェノール−スチレン共重合体などが挙げられる。
親水性モノマーユニットに対応する親水性モノマーは、上記の親水性基と、重合性基または重合性部位とを含む。親水性モノマーは、親水性基と、重合性基とが直接連結したものであってもよく、親水性基と、重合性基(または重合性部位)と、これらを連結する連結基(エチレン基、プロピレン基、シクロヘキサンジイル基、フェニレン基など)を有するものであってもよい。親水性モノマーは、脂肪族、脂環族、および芳香族のいずれであってもよい。芳香族親水性モノマーユニットを含む水溶性高分子を用いる場合、芳香環の存在により、導電性高分子との親和性が高まるため、導電性高分子層の成膜性を高めることが期待できる。
共重合体に占める親水性モノマーユニット(特に第1親水性モノマーユニット)の比率は、例えば30mol%以上、好ましくは40mol%以上であり、65mol%以上であってもよい。水溶性高分子の重量平均分子量は、例えば10,000〜500,000である。水溶性高分子がこのような重量平均分子量を有する場合、固体電解質層の補強効果をさらに高めることができ、漏れ電流を抑制しつつ、ESRを低減し易い。水溶性高分子は、25℃において、水100gに溶解する水溶性高分子の質量が、例えば、1g以上または5g以上であるものが好ましい。
水溶性高分子が二種以上の第1親水性モノマーユニットを含む場合、一種の第1親水性モノマーユニットが水溶性高分子に占める割合を20〜80モル%とし、残りを、他の一種以上の第1親水性モノマーユニットで構成することが好ましい。
固体電解質層が、第1導電性高分子層および第2導電性高分子層を有する場合、第1導電性高分子層は、誘電体層の被覆率を高める観点から、第1ドーパント以外に水溶性高分子を含まないことが望ましい。第1導電性高分子層が水溶性高分子を含む場合でも、第1導電性高分子層における水溶性高分子の含有量は、第2導電性高分子層に含まれる水溶性高分子の含有量より少ないことが好ましい。
水溶性高分子の量は、固体電解質層に含まれる導電性高分子(例えば第1導電性高分子および第2導電性高分子の合計)100質量部に対して、例えば1〜100質量部である。
(アミン化合物)
固体電解質層には、アミン化合物を含ませてもよい。アミン化合物は、固体電解質層の被覆性を高めることから、電解コンデンサの耐電圧の向上やESRの低減に有効である。アミン化合物としては、第1級アミノ基、第2級アミノ基、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基などを有する有機化合物が好ましい。好ましいアミン化合物としては、窒素原子に1〜3個の置換基(例えばアルキル基、シクロアルキル基、アリール基など)を有する第1級〜第3級アミン、窒素原子に1または2個のアルキル基を有してもよいジアミンなどが例示できる。
アルキル基としては、例えばメチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、1−ブチル、tert−ブチル、ヘキシル、2−エチルヘキシル、オクチル、デシル、ドデシルなどのC1-16アルキル基が挙げられる。アルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよい。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチルなどのC4-10シクロアルキル基が例示できる。アリール基としては、フェニル、ナフチルなどのC6-14アリール基が例示できる。アルキル基、シクロアルキル基およびアリール基はそれぞれ、ヒドロキシル基および/またはアルコキシ基などの置換基を有してもよい。
第1級アミンとしては、オクチルアミン、デシルアミンなどのC4-16アルキルアミンなどが例示できる。第3級アミンとしては、N,N−ジメチル−オクチルアミンなどのN,N−ジC1-10アルキル−N−C4-16アルキルアミン、N,N−ジC4-16アルキル−N−C1-10アルキルアミン、トリC4-16アルキルアミンなどが例示できる。ジアミンとしては、ジアミノアルカン、ジアミノシクロアルカン、ジアミノアレーンなどが例示できる。これらのジアミンは、アルカン、シクロアルカンまたはアレーン部位に、ヒドロキシル基および/またはアルコキシ基などの置換基を有してもよい。ジアミノアルカンとしては、1,4−ジアミノブタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、1,10−ジアミノデカンなどが例示できる。これらのジアミンの個々の窒素原子は、1または2個のアルキル基を有してもよい。アルキル基としては、上記で例示したアルキル基が挙げられる。
アミン化合物の量は、固体電解質層に含まれる導電性高分子(例えば第1導電性高分子および第2導電性高分子の合計)100質量部に対して、例えば10〜100質量部である。
(陰極層を形成するステップ)
電解コンデンサの製造方法は、さらに陰極層を形成するステップ(第3ステップ)を含むことができる。第3ステップでは、第2ステップで得られた固体電解質層の表面に、カーボン層と銀ペースト層とを順次積層することにより陰極層が形成される。
カーボン層は、カーボン(例えば、黒鉛などの導電性炭素材料)の水分散液中に固体電解質層が形成された誘電体層を有する陽極体を浸漬したり、カーボンペーストを固体電解質層の表面に塗布したりすることにより形成することができる。カーボンペーストは、黒鉛などの導電性炭素材料を含む組成物である。カーボン層の厚さは、例えば、1〜20μmである。
銀ペーストは、銀粒子と樹脂(バインダ樹脂)とを含む組成物である。樹脂としては、熱可塑性樹脂を用いることもできるが、熱硬化性樹脂を用いることが好ましい。銀ペースト層の厚さは、例えば、50〜100μmである。
なお、陰極層の構成は、これに限られず、集電機能を有する構成であればよい。
以下、本開示を実施例および比較例に基づいて具体的に説明するが、本開示は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
下記の要領で、図1に示す電解コンデンサ1を作製し、その特性を評価した。
(1)陽極体2を準備するステップ
基材としてのアルミニウム箔(厚み:100μm)の両方の表面をエッチングにより粗面化することで、陽極体2を作製した。
(2)誘電体層3を形成するステップ
陽極体2の一端部側の部分(分離部から一端部までの部分)を、化成液に浸漬し、70Vの直流電圧を、20分間印加して、酸化アルミニウムを含む誘電体層3を形成した。
(3)第1導電性高分子層4aを形成するステップ(ステップA)
攪拌下、ポリスチレンスルホン酸(重量平均分子量:75,000)の水溶液に3,4−エチレンジオキシチオフェンモノマーを添加し、次いで、酸化剤(硫酸鉄(III)および過硫酸ナトリウム)を添加して、化学酸化重合を行った。得られた重合液を、イオン交換装置によりろ過して不純物を除去することにより、第1導電性高分子としてのポリ3,4−エチレンジオキシチオフェン(PEDOT)と、第1高分子ドーパントとしてのポリスチレンスルホン酸(PSS)とを含む溶液(PEDOT/PSS)を得た。
得られた溶液に、純水を加えて、高圧ホモジナイザーでホモジナイズし、さらにフィルターでろ過することにより第1処理液(分散液)を調製した。
上記(2)で得られた誘電体層3が形成された陽極体2を、第1処理液に浸漬した後、第1処理液から取り出し、さらに120℃で10〜30分の乾燥を行った。第1処理液への浸漬と、乾燥とをさらに1回ずつ繰り返すことで、誘電体層3の表面を覆うように第1導電性高分子層4aを形成した。第1導電性高分子層4aの平均厚みを走査型電子顕微鏡(SEM)により測定したところ、約1μmであった。
(4)第2導電性高分子層4bを形成するステップ(ステップB)
上記(3)と同様にして、第2導電性高分子としてのPEDOTと、第2高分子ドーパントとしてのPSS(重量平均分子量:75,000)とを含む溶液を得た。得られた溶液に、純水を加えて、高圧ホモジナイザーでホモジナイズし、さらにフィルターでろ過することにより分散液を調製した。得られた分散液に、ヒドロキシ化合物としてのネオペンチルグリコール(NPG、融点128℃、沸点210℃)を添加し、攪拌することにより第2処理液を調製した。なお、第2処理液中のヒドロキシ化合物(NPG)の量は、PEDOT100質量部に対して70質量部とした。
上記(3)で得られた第1導電性高分子層4aで覆われた誘電体層3を有する陽極体2を、第2処理液に浸漬した後、第2処理液から取り出し、さらに150℃で10〜30分の乾燥を行った。第2処理液への浸漬と乾燥とを交互にさらに2回ずつ繰り返すことで、第1導電性高分子層4aの表面を覆うように第2導電性高分子層4bを形成した。第2導電性高分子層4bの平均厚みを、第1導電性高分子層4aの場合と同様にして測定したところ、約30μmであった。
このようにして、第1導電性高分子層4aおよび第2導電性高分子層4bを含む固体電解質層4を誘電体層3の表面を覆うように形成した。
(5)陰極層5の形成ステップ
上記(4)で得られた固体電解質層4で覆われた誘電体層3を有する陽極体2を、黒鉛粒子を水に分散した分散液に浸漬し、分散液から取り出し後、乾燥することによりカーボン層5aを形成した。乾燥は、130〜180℃で10〜30分間行った。
次いで、カーボン層5aの表面に、銀粒子とバインダ樹脂(エポキシ樹脂)とを含む銀ペーストを塗布し、150〜200℃で10〜60分間加熱することでバインダ樹脂を硬化させ、銀ペースト層5bを形成した。こうして、カーボン層5aと銀ペースト層5bとで構成される陰極層5を形成した。
上記のようにして、コンデンサ素子11を作製した。
(6)電解コンデンサの組み立て
上記(5)で得られたコンデンサ素子11の陰極層5と、陰極端子14の第1端部14aとを導電性接着剤17で接合した。コンデンサ素子11から突出した陽極体2の他端部と、陽極端子13の第1端部13aとをレーザ溶接により接合した。
次いで、トランスファモールド法により、コンデンサ素子11の周囲に、絶縁性樹脂で形成された樹脂外装体12を形成した。このとき、陽極端子13の第2端部13bと、陰極端子14の第2端部14bとは、樹脂外装体12から引き出した状態とした。
このようにして、電解コンデンサ1を完成させた。上記と同様にして、電解コンデンサ1を合計250個作製した。
(7)評価
(a)ESR
電解コンデンサからランダムに120個選び、4端子測定用のLCRメータを用いて、電解コンデンサの周波数100kHzにおけるESR値(mΩ)を測定し、平均値を求めた。
(b)漏れ電流(LC)
電解コンデンサの陽極体2と陰極層5との間に10Vの電圧を印加し、40秒後の漏れ電流を測定した。そして、所定の基準値と対比することにより、良否判定を行い、歩留まりを求めた。
(実施例2〜6)
ステップBにおいて、NPGに代えて、以下に示すヒドロキシ化合物を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
<実施例2>
2,5−ヘキサンジオール(HEDOL、融点50〜53℃、沸点212〜215℃)
<実施例3>
トリメチロールプロパン(TMP、融点58℃、沸点292〜297℃)
<実施例4>
キシリトール(XYTOL、融点92℃)
<実施例5>
カテコール(CTEOL、融点106℃、沸点246℃)
(実施例6)
第2処理液中のヒドロキシ化合物(NPG)の量を、PEDOT100質量部に対して20質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例7)
第2処理液中のヒドロキシ化合物(NPG)の量を、PEDOT100質量部に対して200質量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例8)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(TMP)を、PEDOT100質量部に対して20質量部添加したこと以外、実施例3と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例9)
第1処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して70質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例10)
第1処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して200質量部に変更したこと以外は、実施例8と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例11)
第2処理液中にヒドロキシ化合物(TMP)を添加しなかったこと以外は、実施例9と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例12)
第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して50質量部のアミン化合物(トリエチルアミン)を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例13)
第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して50質量部の水溶性高分子(ポリアクリル酸)を添加したこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例14)
第2処理液中の第2高分子ドーパントを、下記の共重合体(スルホン化度90%、D−1)に変更したこと以外は、実施例3と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。なお、第2高分子ドーパント(D−1)には、スチレンスルホン酸とアクリル酸との共重合体を用いた。
(実施例15)
第2高分子ドーパントである共重合体のスルホン化度を70%(D−2)に変更したこと以外は、実施例14と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例1)
第2処理液中にヒドロキシ化合物(NPG)を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例2)
NPGに代えて、エチレングリコール(EG、融点−13℃、沸点196℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例3)
NPGに代えて、1,4−ブタンジオール(BDOL、融点19℃、沸点228℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例4)
NPGに代えて、ペンタエリスリトール(PETOL、融点250℃、沸点419℃)を用いる以外は、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
実施例2〜15および比較例1〜4を実施例1と同様に評価した。上記全ての実施例および比較例の結果を、実施例1〜15をそれぞれA1〜A15、比較例1〜4をそれぞれB1〜B4として、表1に示す。
Figure 2016157769
表1に示すように、比較例1〜3では、漏れ電流が大きく、ESR値が著しく大きくなっている。これは、固体電解質層の膜質が悪く、ひび割れが生じ、固体電解質層の導電性が低下したためと考えられる。それに対し、各実施例では、比較例1〜3と比べて、漏れ電流が小さく、ESR値も低くなった。これは、実施例では、比較例1〜3に比べて、固体電解質層(特に、第2導電性高分子層)の膜質が向上し、ひび割れも抑制されたことで、固体電解質層の強度が高くなったためと考えられる。
(実施例16)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(NPG)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例17)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(XYTOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、実施例4と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例18)
第1処理液および第2処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して200質量部に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例19)
第1処理液および第2処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して300質量部に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例20)
第1処理液および第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して70質量部のアミン化合物(トリエチルアミン)を添加したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例21)
第1処理液および第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して70質量部の水溶性高分子(ポリアクリル酸)を添加したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例22)
第1処理液および第2処理液中の第1高分子ドーパントおよび第2高分子ドーパントを、それぞれ実施例14で調製した共重合体(スルホン化度90%、D−1)に変更したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例5)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(EG)を、PEDOT100質量部に対して70量部添加したこと以外、比較例2と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例6)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(BDOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、比較例3と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例7)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(PETOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、比較例4と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
実施例16〜22および比較例5〜7を実施例1と同様に評価した。これらの実施例および比較例の結果を、実施例16〜22をそれぞれA16〜A22、比較例5〜7をそれぞれB5〜B7として、表2に示す。
Figure 2016157769

表2に示すように、実施例16〜22でも、実施例1と同様に、比較例1、5、6と比べ、LCが低く、ESR値が低減されている。比較例7では、LCは良好であるが、ESRが非常に大きくなった。
今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本開示は、固体電解コンデンサの漏れ電流を抑制しつつ、ESRを低減するために広く利用することができる。
1:電解コンデンサ
2:陽極体
3:誘電体層
4:固体電解質層
4a:第1導電性高分子層
4b:第2導電性高分子層
5:陰極層
5a:カーボン層
5b:銀ペースト層
11:コンデンサ素子
12:樹脂外装体
13:陽極端子
13a:陽極端子の第1端部
13b:陽極端子の第2端部
14:陰極端子
14a:陰極端子の第1端部
14b:陰極端子の第2端部
15:陰極部
16:分離部
17:導電性接着剤
第1導電性高分子層および第2導電性高分子層が、それぞれヒドロキシル化合物を含む場合、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度よりも、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物の濃度が高いことが望ましい。すなわち、ヒドロキシル化合物は、第2導電性高分子の内部に偏在していることが好ましい。なお、第1導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物と、第2導電性高分子層に含まれるヒドロキシル化合物とは、同じでもよく、異なってもよい。
表1に示すように、比較例1〜3では、漏れ電流が大きく、ESR値が著しく大きくなっている。これは、固体電解質層の膜質が悪く、ひび割れが生じ、固体電解質層の導電性が低下したためと考えられる。それに対し、各実施例では、比較例1〜3と比べて、漏れ電流が小さく、ESR値も低くなった。これは、実施例では、比較例1〜3に比べて、固体電解質層(特に、第2導電性高分子層)の膜質が向上し、ひび割れも抑制されたことで、固体電解質層の強度が高くなったためと考えられる。
(実施例16)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(NPG)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、実施例1と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例17)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(XYTOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、実施例4と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例18)
第1処理液および第2処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して200質量部に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例19)
第1処理液および第2処理液中のヒドロキシ化合物(TMP)の量を、PEDOT100質量部に対して300質量部に変更したこと以外は、実施例9と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例20)
第1処理液および第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して70質量部のアミン化合物(トリエチルアミン)を添加したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例21)
第1処理液および第2処理液中に、更に、PEDOT100質量部に対して70質量部の水溶性高分子(ポリアクリル酸)を添加したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(実施例22)
第1処理液および第2処理液中の第1高分子ドーパントおよび第2高分子ドーパントを、それぞれ実施例14で調製した共重合体(スルホン化度90%、D−1)に変更したこと以外は、実施例16と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例5)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(EG)を、PEDOT100質量部に対して70量部添加したこと以外、比較例2と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例6)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(BDOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、比較例3と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。
(比較例7)
第1処理液中にもヒドロキシ化合物(PETOL)を、PEDOT100質量部に対して70質量部添加したこと以外、比較例4と同様にして、固体電解質層を形成し、電解コンデンサを作製した。

Claims (11)

  1. 誘電体層を有する陽極体と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシル化合物を含む固体電解質層と、を備え、
    前記固体電解質層は、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層と、
    前記第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆い、かつ第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層とを有し、
    少なくとも前記第2導電性高分子層は、高分子ドーパントと、前記ヒドロキシル化合物と、を含み、
    前記ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有し、かつ40℃以上150℃以下の融点を有する、
    電解コンデンサ。
  2. 前記第1導電性高分子層および前記第2導電性高分子層が、それぞれ前記ヒドロキシル化合物を含み、
    前記第1導電性高分子層に含まれる前記ヒドロキシル化合物の濃度よりも、前記第2導電性高分子層に含まれる前記ヒドロキシル化合物の濃度が高い、
    請求項1に記載の電解コンデンサ。
  3. 前記第1導電性高分子層は、前記ヒドロキシル化合物を含まない、
    請求項1に記載の電解コンデンサ。
  4. 前記ヒドロキシル化合物は、300℃以下の沸点を有する、
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  5. 前記ヒドロキシル化合物は、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびカテコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解コンデンサ。
  6. 誘電体層を有する陽極体と、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ導電性高分子と、高分子ドーパントと、ヒドロキシル化合物と、を含む固体電解質層とを備え、
    前記ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有し、かつ40℃以上150℃以下の融点を有する、
    電解コンデンサ。
  7. 前記ヒドロキシル化合物は、300℃以下の沸点を有する、
    請求項6に記載の電解コンデンサ。
  8. 前記ヒドロキシル化合物は、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパンおよびカテコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である、 請求項6または7に記載の電解コンデンサ。
  9. 誘電体層を有する陽極体を準備する第1ステップと、
    前記誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつヒドロキシ化合物を含む固体電解質層を形成する第2ステップと、を備え、
    前記第2ステップは、
    第1処理液を用いて、前記誘電体層の少なくとも一部を覆い、かつ第1導電性高分子を含む第1導電性高分子層を形成するステップAと、
    第2処理液を用いて、前記第1導電性高分子層の少なくとも一部を覆い、かつ第2導電性高分子を含む第2導電性高分子層を形成するステップBと、を有し、
    少なくとも前記第2処理液は、高分子ドーパントと、前記ヒドロキシル化合物と、を含み、
    前記ヒドロキシル化合物は、アルコール性またはフェノール性ヒドロキシル基を2以上有し、かつ40℃以上150℃以下の融点を有する、
    電解コンデンサの製造方法。
  10. 前記第1処理液および前記第2処理液が、それぞれ前記ヒドロキシル化合物を含み、
    前記第1処理液に含まれる前記ヒドロキシル化合物の濃度よりも、前記第2処理液に含まれる前記ヒドロキシル化合物の濃度が高い、
    請求項9に記載の電解コンデンサの製造方法。
  11. 前記第1処理液は、前記ヒドロキシル化合物を含まない、
    請求項9に記載の電解コンデンサの製造方法。
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