JPWO2016151957A1 - 防汚塗料組成物、及びそれによって被覆された物品 - Google Patents
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Abstract
Description
(項1) ポリエステル樹脂(A)、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)及び防汚剤(C)を含む防汚塗料組成物であって、前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)が、2価の金属原子を、前記樹脂(B)の固形分質量を基準として0.04〜3.50モル/Kgの範囲内の濃度で含み、前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との質量比が3/97〜80/20の範囲内であり、かつ、前記防汚剤(C)の含有量が前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との合計質量を基準として50〜500質量%の範囲内であることを特徴とする、前記防汚塗料組成物。
(項2) 前記ポリエステル樹脂(A)の酸価が0〜120KOHmg/gの範囲内である、項1に記載の防汚塗料組成物。
(項3) 前記ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量が190〜15000の範囲内である、項1又は2に記載の防汚塗料組成物。
(項4) 前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との質量比が、7/93〜60/40の範囲内である、項1〜3のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
(項5) 前記ポリエステル樹脂(A)が金属カルボキシレート構造を有しないものである、項1〜4のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
(項6) 前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)が、下記一般式(1)で表される金属カルボキシレート構造を有する特性基を含むものである、項1〜5のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
(項7) 前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)に含まれる前記2価の金属原子が、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、鉄及びテルルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子である、項1〜6のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
(項8) 項1〜7のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物によって基材の表面が被覆されている、物品。
本発明の防汚塗料組成物に用いられるポリエステル樹脂(A)は、酸成分(a1)とアルコール成分(a2)とを主要成分として用い、これら各成分のエステル化反応及び/又はエステル交換反応によって製造することができる。
本発明において、酸成分(a1)は、ポリエステル樹脂の製造に通常使用される酸成分を使用することができる。そのような酸成分としては、例えば、脂環族多塩基酸、脂肪族多塩基酸、芳香族多塩基酸、芳香族モノカルボン酸、脂肪族モノカルボン酸、脂環族モノカルボン酸、並びにこれらの酸のエステル化物、無水物及びハロゲン化物が挙げられる。
本発明において、アルコール成分(a2)は、ポリエステル樹脂の製造に通常使用されるアルコール成分を使用することができる。そのようなアルコール成分としては、脂環族ジオール、脂肪族ジオール、芳香族ジオールなどの2価アルコール及び/又は3価以上の多価アルコールを含むものが好ましく、例えば、エチレングリコ−ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレングリコール、1,2−プロピレングリコ−ル、ジ−1,2−プロピレングリコール、トリ−1,2−プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコ−ル、2,3−ブチレングリコ−ル、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ジヒドロキシシクロヘキサン、3−エトキシプロパン−1,2−ジオール、3−フェノキシプロパン−1,2−ジオール、ネオペンチルグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,3−ブタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−フェノキシプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−フェニルプロパン−1,3−ジオール、1,3−プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2−エチル−1,3―オクタンジオール、1,3−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,4−ブタンジオール、1,4−ジヒドロキシシクロヘキサン、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ジメチロ−ルシクロヘキサン、トリシクロデカンジメタノール、2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピル−2,2−ジメチル−3−ヒドロキシプロピオネート(ヒドロキシピバリン酸とネオペンチルグリコールとのエステル化物)、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)−2,2−プロパン、ビス(4−ヒドロキシヘキシル)メタン、3,9−ビス(1,1−ジメチル−2−ヒドロキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール化合物、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニット、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、これらの多価アルコールにε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させたポリラクトンポリオール化合物などが挙げられ、これらは、それぞれ単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の防汚塗料組成物は、上記ポリエステル樹脂(A)のほかに、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)(本明細書においては、この「金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)」を、単に「樹脂(B)」と記すことがある。)を更に含む。前記樹脂(B)は、金属カルボキシレート構造を有する樹脂であれば、樹脂の種類及び組成等に制限されることなく、公知のものを用いることができる。
前記一般式(1)における2価の金属原子Mとしては、例えば、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、鉄及びテルル等を挙げることができ、好ましくは亜鉛又は銅である。
また、この反応は、適当な有機溶剤の存在下で行ってもよい。このような有機溶剤としては、例えば、アルコ−ル系、ケトン系、エステル系、エ−テル系溶剤などが挙げられ、これらは1種類又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
本発明の防汚塗料組成物は、前記ポリエステル樹脂(A)及び前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)のほかに、防汚剤(C)を更に含む。かかる防汚剤(C)としては、従来より公知のものを用いることができ、例えば、無機化合物、金属を含む有機化合物及び金属を含まない有機化合物などが挙げられる。
上記したとおり、本発明の防汚塗料組成物は、ポリエステル樹脂(A)、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)及び防汚剤(C)を含む防汚塗料組成物であって、前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)が、2価の金属原子を、前記樹脂(B)の固形分質量を基準として0.04〜3.50モル/Kgの範囲内の濃度で含み、前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との質量比が3/97〜80/20の範囲内であり、かつ、前記防汚剤(C)の含有量が前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との合計質量を基準として50〜500質量%の範囲内であることを特徴とするものである。
本発明の防汚塗料組成物にロジン系化合物を配合する場合、前記防汚塗料組成物中のロジン系化合物の含有量は、特に限定されるものではないが、例えば、ポリエステル樹脂(A)と金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との合計質量を基準として50質量%以下が好ましく、30質量%以下が更に好ましい。
(製造例1) ポリエステル樹脂(A1)の製造
温度計、攪拌機及び精留塔を具備した2Lの反応装置に、PAを527.2部、NPGを267.2部、DEGを269.7部仕込み、反応装置の内容物温度を160℃まで昇温した。次いで、反応装置の内容物温度を160℃から230℃まで3時間で昇温し、230℃で2時間、内容物温度を保持した後、精留塔を水分離器と置換し、反応装置にキシレンを約50.0部仕込み、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去しながら重縮合を進めた。生成したポリエステル樹脂の酸価が1.0mgKOH/g以下であることを確認した後、加熱を停止して冷却を開始し、キシレンを添加して希釈することにより、固形分70%のポリエステル樹脂(A1)溶液を得た。なお、上述の樹脂の酸価は、トルエンとイソプロパノールとの混合液(質量比1/1)を溶媒として測定試料を溶解し、1/10規定の水酸化カリウムのアルコール系溶液の滴定によって測定した。
PA;無水フタル酸、iPA;イソフタル酸、AD;アジピン酸、HHPA;ヘキサヒドロ無水フタル酸、EG;エチレングリコール、PG;プロピレングリコール、NPG;ネオペンチルグリコール、1,6−HD;1,6−ヘキサンジオール、BEPG;2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、CHDM;1,4−シクロヘキサンジメタノール、DEG;ジエチレングリコール、TEG;トリエチレングリコール、テトラEG;テトラエチレングリコール、DPG;ジプロピレングリコール、TMP;トリメチロールプロパン、G;グリセリン、PE;ペンタエリスリトール
製造例1における酸成分とアルコール成分とを表1に示す配合としたこと以外は、製造例1と同様にして固形分70%の各ポリエステル樹脂(A2)〜(A12)、(A16)、(A17)の樹脂溶液を得た。なお、製造例17においては、生成するポリエステル樹脂の酸価を1.0mgKOH/g以下にすることが困難であったため、やや高めの酸価で反応を終了した。
温度計、攪拌機及び精留塔を具備した2Lの反応装置に、iPAを377.8部、BEPGを364.2部、TEGを227.6部仕込み、反応装置の内容物温度を160℃まで昇温した。次いで、反応装置の内容物温度を160℃から230℃まで3時間で昇温し、230℃で2時間、内容物温度を保持した後、精留塔を水分離器と置換し、反応装置にキシレンを約45部仕込み、水とキシレンとを共沸させて縮合水を除去しながら重縮合を進めた。生成したポリエステル樹脂の酸価が1.0mgKOH/g以下であることを確認した後、内容物温度を160℃まで冷却した。さらに、PAを112.3部添加し、160℃で1時間保持して付加反応(ハーフエステル化)した後、冷却を開始した。130℃まで冷却した後、キシレンを添加して希釈することにより、固形分70%のポリエステル樹脂(A13)の樹脂溶液を得た。
製造例13における酸成分とアルコール成分とを表1に示す配合としたこと以外は、製造例13と同様にして固形分70%のポリエステル樹脂(A14)の樹脂溶液を得た。
温度計、攪拌機及び水分離機を具備した2Lの反応装置に、PAを237.5部、EGを29.3部、PEを198.2部、大豆油脂肪酸を602.6部、キシレンを50.0部仕込み、反応装置の内容物温度を160℃まで昇温し、1時間保持した。次いで、反応装置の内容物温度を160℃から240℃まで4時間で昇温し、240℃のまま、生成した縮合水を除去しながら重縮合を進めた。生成したポリエステル樹脂の酸価が約3.0mgKOH/gであることを確認した後、加熱を停止して冷却を開始し、キシレンを添加して希釈することにより、固形分70%のポリエステル樹脂(A15)の樹脂溶液を得た。
(製造例18) 金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B1)の製造
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下ポンプを具備した反応容器に、キシレンを241.7部、酢酸ブチルを197.5部、n−ブタノールを241.7部仕込み、反応容器内の内容物を撹拌しながら該内容物の温度を105℃まで昇温した。その後、メタクリル酸を104.2部、アクリル酸エチルを304.4部、アクリル酸メトキシエチルを272.4部、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を54.5部含む混合溶液を、105℃に保持され且つ均一に撹拌している反応容器内に、滴下ポンプを利用して一定速度で4時間掛けて滴下した。前記混合溶液の滴下終了後、引き続き1時間、反応容器内の内容物の温度を105℃に保つことにより、アクリル樹脂溶液を得た。
さらに、得られた樹脂溶液に、酸化亜鉛を49.7部、脱イオン水を34.0部加え、100℃で20時間撹拌を続けることにより、不揮発分約52%の金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B1)の樹脂溶液を得た。
製造例18における不飽和単量体を表2に示す配合としたこと以外は、製造例18と同様の反応条件で合成を行うことにより、固形分50%の金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B2)、(B3)の樹脂溶液を得た。
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下ポンプを具備した反応容器に、キシレンを563.0部、n−ブタノールを140.7部仕込み、反応容器内の内容物(溶液)の温度を110℃から120℃の間に保ちながら、この溶液中に、アクリル酸エチルを281.5部、アクリル酸2−エチルヘキシルを117.3部、アクリル酸を70.4部、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を37.5部含む混合溶液を、一定速度で3時間掛けて滴下した。前記混合溶液の滴下終了後、引き続き2時間、反応容器内の内容物の温度を110℃から120℃の間に保持することによりアクリル樹脂溶液を得た。
さらに、得られた樹脂溶液に、ナフテン酸を236.4部、水酸化銅を82.8部加えた後、120℃に昇温し、この状態を、生成する水を除去しながら(脱水量約30部)2時間保持することにより、不揮発分約50%の金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B4)の樹脂溶液を得た。
製造例21における不飽和単量体を表2に示す配合としたこと以外は、製造例21と同様の反応条件で合成を行うことにより、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B5)、(B6)の樹脂溶液を得た。
温度計、サーモスタット、撹拌機、還流冷却器及び滴下ポンプを具備した反応容器に、キシレンを255.2部、酢酸ブチルを208.4部、n−ブタノールを255.2部仕込み、反応容器内の内容物を撹拌しながら該内容物の温度を105℃まで昇温した。その後、亜鉛のジアクリレート塩(日本油脂製)を115.0部、アクリル酸エチルを321.3部、アクリル酸メトキシエチルを287.5部、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)を57.5部含む混合溶液を、一定速度で4時間掛けて反応容器内に滴下した。前記混合溶液の滴下終了後、引き続き3時間、反応容器内の内容物の温度を105℃に保持することにより、不揮発分約52%の金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B7)の樹脂溶液を得た。
撹拌機、水分離器及び温度計を具備した反応容器に、エチレングリコールを177.7部、ヘキサヒドロ無水フタル酸を441.4部、無水トリメリット酸を121.1部仕込み、反応容器内の内容物を180℃まで徐々に昇温した。次いで、反応容器内の内容物を、生成する縮合水を除去しながら、180℃から200℃まで2時間掛けて昇温した。その後、200℃で4時間反応を行い、樹脂の酸価が150mgKOH/gであるポリエステルを得た。得られたポリエステルを冷却し、キシレンを233.6部、酢酸ブチルを233.6部、n−ブタノールを233.6部、脱イオン水を34.1部、酸化亜鉛を76.6部加えた後、100℃で8時間反応を行うことにより、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B8)を得た。この樹脂(B8)に含まれる金属含有量は、1.26mol/Kgであった。
なお、上記樹脂中の亜鉛、銅等の金属含有量は、蛍光X線法により定量した。
(実施例1〜27)及び(比較例1〜5)
評価
ポリエステル樹脂(A1)〜(A17)の樹脂溶液、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B1)〜(B8)の樹脂溶液、防汚剤、顔料等を、表3及び表4に示す配合組成にて配合し、ホモミキサーを用いて約2,000rpmの攪拌速度により混合分散した。分散後、ディスパロンA630−20XN(楠本化成社製、タレ止剤)及び溶剤を添加し、ディスパー撹拌して塗料組成物(E1)〜(E32)を調製した。調製した塗料組成物を、下記の防汚性能試験、密着性試験、及び耐クラック性試験に供した。これらの各試験の結果も、表3及び表4に示す。
サンドブラスト処理鋼板(100mm×300mm×2mm)の両面に、エポキシ系防錆塗料を200μmの乾燥膜厚となるようにスプレー塗装し、さらに、エポキシ系バインダーコートを、乾燥膜厚が100μmとなるように塗装した。この塗装板の両面に、各塗料組成物を、乾燥膜厚が片面480μmとなるようにスプレー塗装により4回塗装し、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させて、試験片を作製した。この試験片を用いて、三重県尾鷲湾にて48ケ月の海水浸漬を行い、試験塗膜上の付着生物の占有面積の割合(付着面積)を経時的に測定した。
◎:(合格)付着生物が観察されなかった
○:(合格)付着生物の占有面積が5%未満
△:(不合格)付着生物の占有面積が5%以上、30%未満
×:(不合格)付着生物の占有面積が30%以上
円筒形のドラム(直径500mm×高さ240mm)に装着可能なように湾曲性を持たせた、サンドブラスト処理鋼板(120mm×120mm×1mm)に、エポキシ系防錆塗料を200μmの乾燥膜厚となるようにスプレー塗装し、さらに、エポキシ系バインダーコートを乾燥膜厚が100μmとなるように塗装した。この塗装後の鋼板の片面に、各塗料組成物を、乾燥膜厚が片面480μmとなるようにスプレー塗装により4回塗装し、温度20℃、湿度75%の恒温恒湿室にて1週間乾燥させて、試験片を作製した。この試験片を上記の円筒形ドラムに装着し、該円筒形ドラムを兵庫県由良湾の海面下500mmにて16ノットで24ヶ月間回転させた。海中から試験片を経時的に回収し、5mm間隔のゴバン目試験を実施した。評価はISO 2409:1992に準拠するものとした。
◎:(合格)Table1 Classification 0・1
○:(合格)Table1 Classification 2
△:(不合格)Table1 Classification 3
×:(不合格)Table1 Classification 4・5
上記密着性試験に供した試験片にて、その塗膜を目視観察し、クラックの発生の有無を調べた。
◎:(合格)クラックが観察されなかった
○:(合格)微細なクラックが塗膜表面の一部の範囲で観察された
△:(不合格)微細又は明確なクラックが塗膜表面の広い範囲で観察された
×:(不合格)下地に至るクラックが観察された
Claims (8)
- ポリエステル樹脂(A)、金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)及び防汚剤(C)を含む防汚塗料組成物であって、
前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)が、2価の金属原子を、前記樹脂(B)の固形分質量を基準として0.04〜3.50モル/Kgの範囲内の濃度で含み、
前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との質量比が3/97〜80/20の範囲内であり、かつ、前記防汚剤(C)の含有量が前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との合計質量を基準として50〜500質量%の範囲内であることを特徴とする、前記防汚塗料組成物。 - 前記ポリエステル樹脂(A)の酸価が0〜120KOHmg/gの範囲内である、請求項1に記載の防汚塗料組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)の重量平均分子量が190〜15000の範囲内である、請求項1又は2に記載の防汚塗料組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)と前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)との質量比が7/93〜60/40の範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
- 前記ポリエステル樹脂(A)が金属カルボキシレート構造を有しないものである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
- 前記金属カルボキシレート構造を有する樹脂(B)に含まれる前記2価の金属原子が、亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム、鉄及びテルルからなる群より選ばれる少なくとも1種の金属原子である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物。
- 請求項1〜7のいずれか一項に記載の防汚塗料組成物によって基材の表面が被覆されている、物品。
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