JPWO2016143734A1 - 水性液体吸収性樹脂の製造方法 - Google Patents

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Abstract

保水量が大きく、かつ着色や臭気が少ない水性液体吸収性樹脂の製造方法を提供する。本発明は、アクリル酸を主成分とするラジカル重合性モノマー(a)を、内部架橋剤(b)及び水の存在下でラジカル重合する工程を含む水性液体吸収性樹脂の製造方法であって、ラジカル重合を次亜リン酸(塩)(c)の存在下で行い、前記モノマー(a)の仕込み濃度の上限が重合液の重量を基準として30重量%未満であり、かつ重合時の重合液の最高到達温度がその沸点未満であることを特徴とする水性液体吸収性樹脂の製造方法である。

Description

本発明は水性液体の吸収性能に優れた樹脂の製造方法に関する。詳しくは、保水量が高く、更に臭気や着色の少ない水性液体吸収性樹脂の製造方法に関する。
従来、水性液体に対して吸収能を有する粉粒状吸収剤として、吸水性樹脂と呼ばれる親水性架橋ポリマーが使用され、紙オムツ、生理用品等の衛生用品や、結露防止剤、農業・園芸用保水剤等の各種産業分野用にその応用範囲は拡大している。これらの用途に使用される水性液体吸収性樹脂は保水量が高いことが要望されている。
一般に、水性液体吸収性樹脂の常圧下での吸水能力(保水量)は、概念的に、「(イオン浸透圧+高分子鎖の水への親和力)/高分子の架橋密度」に比例する。即ち、水性液体吸収性樹脂の性能には架橋密度が関与する。保水量を高める方法として、架橋剤の使用量を少なくすることは通常実施されている手段であるが、更に、ラジカル重合性モノマーと架橋剤を含有するモノマー水溶液を水溶液重合するに当たり、連鎖移動剤を共存させる方法が提案されている(例えば特許文献1参照)。
特開平3−179008号公報
しかしながら、従来の連鎖移動剤を使用する方法は、保水量の向上に関してはある程度の効果が認められるものの、性能上更なる改善が要望されている。又、従来の連鎖移動剤を使用する方法では、得られる水性液体吸収性樹脂粒子に臭気や着色が発生しやすくなるといった問題があった。この臭気や着色の原因は定かではないが、ポリマー鎖に組み込まれた連鎖移動剤の残基及び連鎖移動剤使用に伴い増加する低分子成分に由来すると考えられている。特に紙オムツ等の衛生用品用途では、更に改善された吸収性能に加え、安全性や清潔感の観点で臭気や着色が発生しにくい水性液体吸収性樹脂の出現が望まれていた。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、特定の連鎖移動剤の存在下に特定の条件で重合を実施することで、保水量が高く、更に臭気や着色の少ない水性液体吸収性樹脂を得られることを見出した。即ち本発明は、アクリル酸を主成分とするラジカル重合性モノマー(a)を、内部架橋剤(b)及び水の存在下でラジカル重合する工程を含む水性液体吸収性樹脂の製造方法であって、ラジカル重合を次亜リン酸(塩)(c)の存在下で行い、前記モノマー(a)の仕込み濃度の上限が重合液の重量を基準として30重量%未満であり、かつ重合時の重合液の最高到達温度がその沸点未満であることを特徴とする水性液体吸収性樹脂の製造方法である。
本発明の製造方法で得られる水性液体吸収性樹脂は、保水量が高く、更に臭気や着色が少ない。
本発明の製造方法は、アクリル酸を主成分とするラジカル重合性モノマー(a)を、内部架橋剤(b)及び水の存在下でラジカル重合する工程を含む水性液体吸収性樹脂の製造方法であって、ラジカル重合を次亜リン酸(塩)(c)の存在下で行い、前記モノマー(a)の仕込み濃度の上限が重合液の重量を基準として30重量%未満であり、かつ重合時の重合液の最高到達温度がその沸点未満である。
本発明の製造方法で用いるラジカル重合性モノマー(a)(以下単に上記モノマー(a)ともいう)は、アクリル酸を主成分とする。上記モノマー(a)中におけるアクリル酸の含有率は、水性液体吸収性樹脂の吸収特性を向上させるために、70〜100モル%であることが好ましく、更に好ましくは80〜100モル%、特に好ましくは90〜100モル%である。
上記モノマー(a)は、必要に応じてアクリル酸以外のモノマーを含有していてもよい。アクリル酸以外のモノマーとしては、特に限定されるものではないが、具体的には、例えば、アクリル酸ナトリウム、アクリル酸カリウム及びアクリル酸アンモニウム塩等のアクリル酸塩;メタクリル酸、(無水)マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、アリルトルエンスルホン酸、ビニルトルエンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリロイルフォスフェート、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸及び2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸等の酸基含有モノマー及びその塩;メルカプタン基含有不飽和モノマー;フェノール性水酸基含有不飽和モノマー;(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジン及びN−ビニルアセトアミド等のノニオン性の親水基含有不飽和モノマー;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート及びN,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のカチオン性基形成性不飽和モノマー並びにこれらの塩等のカチオン性不飽和モノマー等が挙げられる。これらのモノマーは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明において、アクリル酸以外のモノマーを用いる場合、その量は、上記モノマー(a)の総モル数を基準として、好ましくは30モル%以下、更に好ましくは20モル%以下、特に好ましくは10モル%以下である。上記アクリル酸以外のモノマーを上記の割合で用いることにより、最終的に得られる水性液体吸収性樹脂の吸収特性がより一層向上すると共に、水性液体吸収性樹脂をより一層安価に得ることができる。
本発明の製造方法で用いる内部架橋剤(b)としては、2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)、上記モノマー(a)の官能基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、かつ少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b2)及び上記モノマー(a)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物(b3)等が挙げられる。
2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)としては、例えば、N,N’−メチレンビスアクリルアミド等のビス(メタ)アクリルアミド類;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン等のジビニル化合物;(ポリ)アルキレングリコール、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリスリトール及びソルビトール等の多価アルコールのポリ(メタ)アリルエーテル、テトラアリロキシエタン並びにトリアリルイソシアヌレート等の多価(メタ)アリル化合物等が挙げられる。
上記モノマー(a)の官能基と反応し得る官能基を少なくとも1個有し、かつ少なくとも1個のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b2)としては、カルボン酸(塩)基、ヒドロキシル基又はアミノ基等と反応し得る官能基を有するラジカル重合性化合物等が挙げられ、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びN−メチロール(メタ)アクリルアミド等の水酸基を有するラジカル重合性モノマー並びにグリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するラジカル重合性モノマー等が例示される。
上記モノマー(a)の官能基と反応し得る官能基を2個以上有する化合物(b3)としては、カルボン酸(塩)基、ヒドロキシル基又はアミノ基等と反応し得る官能基を2個以上有する多官能性化合物が挙げられ、グリオキザール;フタル酸及びアジピン酸等のポリカルボン酸;(ポリ)アルキレングリコール、グリセリン及びソルビトール等の多価アルコール;エチレンジアミン等の(ポリ)アルキレンポリアミン;エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル及びソルビトールポリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル等が例示される。
これらのうち好ましいのは、2個以上のラジカル重合性二重結合を有する化合物(b1)であり、更に好ましいのは、得られる水性液体吸収性樹脂の保水量を高くできる観点から、多価(メタ)アリル化合物、特に好ましいのは多価アリル化合物、最も好ましいのは炭素数8〜20の多価アリル化合物である。これら内部架橋剤(b)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
内部架橋剤(b)の使用量は、上記モノマー(a)の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは、0.01〜2重量%である。(b)の量が0.001重量%未満では、得られた樹脂は吸水時のゲル強度が小さくゾル状になり、生産性が悪くなる場合があり、かつ水可溶性成分量が多くなる。一方、5重量%を越えると逆にゲル強度が過大となりすぎ、保水量が低下する場合がある。
本発明の製造方法で用いる次亜リン酸(塩)(c)としては、次亜リン酸、次亜リン酸のアルカリ金属塩(次亜リン酸ナトリウム及び次亜リン酸カリウム等)、次亜リン酸のアルカリ土類金属塩(次亜リン酸カルシウム及び次亜リン酸バリウム等)、次亜リン酸アンモニウム及びこれらの水和物が例示される。これら次亜リン酸(塩)(c)は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
次亜リン酸(塩)(c)の使用量は、上記モノマー(a)の重量に基づいて、好ましくは0.001〜1重量%、更に好ましくは0.005〜0.3重量%である。(c)の使用量が0.001重量%未満では、(c)を使用した効果、すなわち水性液体吸収性樹脂の保水量を向上させる効果が不十分となる場合がある。一方、1重量%を超えると、上記モノマー(a)の重合率が十分上がらない、あるいは重合速度が遅くなることがあり、重合時間を長くする、あるいは熟成時間を長くする必要が生じる場合があり、生産性が悪くなることがある。また、得られる水性液体吸収性樹脂に臭気や着色が発生しやすくなる場合がある。
本発明において、上記モノマー(a)は水の存在下でラジカル重合される。重合濃度、すなわち、重合液中の上記モノマー(a)の仕込み濃度の上限は、重合液の重量、すなわち、通常、上記モノマー(a)、水、内部架橋剤(b)及び次亜リン酸(塩)の合計重量、に基づいて、30重量%未満である。上記モノマー(a)の仕込み濃度範囲は、重合後の水の乾燥除去の観点から、好ましくは10〜29.5重量%、更に好ましくは、20〜29重量%である。
重合濃度が30重量%を越えると、得られる重合体の分子量が低いものとなること及び自己架橋等の副反応が起こることにより、得られる水性液体吸収性樹脂の保水量が低下する。
本発明において、重合時の重合液の最高到達温度はその(すなわち重合液の)沸点未満であり、好ましくは100℃以下である。最高到達温度が重合液の沸点を超えると、得られる重合体の分子量が低いものとなること及び自己架橋等の副反応が起こることにより、得られる水性液体吸収性樹脂の保水量が低下し、また、得られる水性液体吸収性樹脂に臭気や着色が発生する。
重合液の沸点は、重合液から重合開始剤を除いた非反応性混合物の10%留出温度として測定でき、具体的にはJISK0066「化学製品の蒸留試験方法」で定められる公知の加熱式蒸留試験器を用いた方法により測定できる。
なお、上記方法以外に、重合時の最高到達温度が重合液の沸点を超えると重合液の界面から水蒸気が激しく噴出したり、重合ゲルの発泡が起こるので、目視で判別することもできる。
本発明において、重合開始温度は、重合濃度や使用する重合触媒、重合時の最高到達温度等の諸条件に対応して適宜選択されるが、好ましくは15℃以下、更に好ましくは10℃以下である。
本発明における重合方法は、従来知られている水の存在下で行われるいずれの方法でもよく、例えば、通常、ラジカル重合触媒を用いた、水溶液重合法、懸濁重合法及び逆相懸濁重合法等が挙げられる。また、放射線、電子線及び紫外線等を照射して重合を開始させる方法を取ることもできる。これらのうち、有機溶媒等を使用する必要がなく、生産コスト面で有利なことから水溶液重合法が好ましい。特に、保水量が大きく、かつ水可溶性成分量の少ない水性液体吸収性樹脂が得られ、重合時の温度コントロールが不要である点から、水溶液断熱重合法が好ましい。
ラジカル重合触媒を用いて重合する際に用いられる重合触媒としては、従来公知の触媒が使用可能であり、例えば、アゾ化合物[アゾビスイソブチロニトリル、アゾビスシアノ吉草酸及び2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ハイドロクロライド等]、無機過酸化物[過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム及び過硫酸ナトリウム等]、有機過酸化物[過酸化ベンゾイル、ジ−t−ブチルパーオキサイド、クメンヒドロパーオキサイド、コハク酸パーオキサイド及びジ(2−エトキシエチル)パーオキシジカーボネート等]及びレドックス触媒[アルカリ金属の亜硫酸塩又は重亜硫酸塩、亜硫酸アンモニウム、重亜硫酸アンモニウム及びアスコルビン酸等の還元剤と、アルカリ金属の過硫酸塩、過硫酸アンモニウム、過酸化水素及び有機過酸化物等の酸化剤との組み合わせよりなるもの]等が挙げられる。これらの触媒は、単独で使用してもよく、これらの2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合触媒の使用量は、上記モノマー(a)の重量に基づいて、好ましくは0.0005〜5重量%、更に好ましくは0.001〜2重量%である。
本発明において、重合後に得られる含水ゲル重合体は、通常、中和される。重合体中の酸基の中和度は、50〜80モル%であることが好ましい。中和度が50モル%未満の場合、得られる含水ゲル重合体の粘着性が高くなり、製造時及び使用時の作業性が悪化する場合がある。更に得られる水性液体吸収性樹脂の保水量が低下する場合がある。一方、中和度が80%を超える場合、得られた樹脂のpHが高くなり人体の皮膚に対する安全性が懸念される場合がある。
中和は、水性液体吸収性樹脂の製造において重合以降のいずれの段階で行ってもよく、例えば、重合生成物である含水ゲル重合体の状態で中和する等の方法が好ましい例として例示される。
本発明において、必要により、得られた重合体中和物を含水ゲルの状態でカルボン酸(塩)基と反応しうる基を少なくとも2個有する化合物(例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物、エチレングリコール、ジエチレングリコール及びグリセリン等の多価アルコール、エチレンジアミン等の(ポリ)アルキレンポリアミン並びにイオン架橋を形成しうる多価金属化合物類等)で更に均一架橋せしめることもできる。この架橋により、高いゲル強度を有し、水可溶性成分量の少ない水性液体吸収性樹脂が製造できる。
本発明において、得られる含水ゲル重合体は、必要により、乾燥、粒子状に粉砕される。
乾燥する方法は、80〜230℃での温度の熱風で乾燥する方法、100〜230℃に加熱されたドラムドライヤー等の使用による薄膜乾燥法、(加熱)減圧乾燥法、凍結乾燥法及び赤外線による乾燥法等、通常の方法でよい。
水性液体吸収性樹脂の粉砕される粒子形状については特に限定はなく、不定形破砕状、リン片状、パール状及び造粒状等が挙げられる。紙オムツ用途等での繊維状物とのからみが良く、繊維状物からの脱落の心配がない点で、水溶液重合で得られる不定形破砕状が好ましい。
粉砕方法についても特に限定はなく、ハンマー式粉砕機、衝撃式粉砕機、ロール式粉砕機、シェット気流式粉砕機等通常の装置が使用できる。得られた粉砕物は、必要により篩別される。
粉砕された水性液体吸収性樹脂粒子の平均粒径は、通常100〜600μm、好ましくは200〜500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、通常、100μm以下の粒子の含有量は3%以下であり、好ましくは、150μm以下の粒子の含有量が3%以下である。
本発明の製造方法により得られる水性液体吸収性樹脂の生理食塩水に対する保水量は、好ましくは50g/g以上であり、更に好ましくは55g/g以上である。尚、保水量は後述する方法で測定される。
本発明において、得られる水性液体吸収性樹脂を表面架橋することによりゲル強度を向上させることができ、実使用において望ましい保水量と荷重下における吸収量とを満足させることができる。
水性液体吸収性樹脂を表面架橋する方法としては、従来公知の方法、例えば、水性液体吸収性樹脂を粒子状とした後、表面架橋剤(d)、水及び溶媒の混合溶液をと混合し、加熱反応する方法が挙げられる。
表面架橋剤(d)としては、例えば、エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル及びポリグリセロールポリグリシジルエーテル等のポリグリシジル化合物、グリセリン及びエチレングリコール等の多価アルコール、エチレンカーボネート等のアルキレンカーボネート、ボリアミン並びに硫酸アルミニウム、ナトリウムミョウバン、カリウムミョウバン、塩化アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、乳酸アルミニウム、酢酸ジルコニウム、炭酸ジルコニウムアンモニウム、オキシ塩化ジルコニウム、硝酸ジルコニウム及び硫酸ジルコニウム等の多価金属化合物等が挙げられる。これらの内、比較的低い温度で架橋反応を行うことができる点で好ましいのは、ポリグリシジル化合物である。これらの表面架橋剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
表面架橋剤(d)の使用量は、架橋前の水性液体吸収性樹脂の重量に基づいて、好ましくは0.001〜5重量%、更に好ましくは0.005〜2重量%である。表面架橋剤(d)の使用量が0.001重量%未満の場合は、表面架橋度が不足し、荷重下における吸収量の向上効果が不充分となる場合がある。一方、(d)の使用量が5重量%を超える場合は、表面の架橋度が過度となりすぎて保水量が低下する場合がある。
表面架橋時の水の使用量は、架橋前の水性液体吸収性樹脂の重量に基づいて、好ましくは1〜10重量%、更に好ましくは2〜7重量%である。水の使用量が1重量%未満の場合、表面架橋剤(d)の水性液体吸収性樹脂粒子内部への浸透度が不充分となり、荷重下における吸収量の向上効果が乏しくなる場合がある。一方、水の使用量が10重量%を越えると、表面架橋剤(d)の内部への浸透が過度となり、荷重下における吸収量の向上は認められるものの、保水量が低下する場合がある。
表面架橋時に水と併用して使用される溶媒としては従来公知のものが使用可能であり、表面架橋剤(d)の水性液体吸収性樹脂粒子内部への浸透度合い、表面架橋剤(d)の反応性等を考慮し、適宜選択して使用することができるが、好ましくは、低級アルコール(メタノール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、エチレングリコール及びジエチレングリコール等)及びエーテルアルコール(ジエチレングリコール等)等の水に溶解しうる親水性有機溶媒であり、更に好ましくは低級アルコールである。溶媒は単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
溶媒の使用量は、溶媒の種類により適宜調整できるが、表面架橋前の水性液体吸収性樹脂の重量に基づいて、好ましくは1〜10重量%である。また、水に対する溶媒の比率についても任意に調整することができるが、好ましくは重量基準で20〜80重量%、更に好ましくは30〜70重量%である。
表面架橋を行うには、表面架橋剤(d)と水と溶媒との混合溶液を従来公知の方法で水性液体吸収性樹脂粒子と混合し、加熱反応を行う。反応温度は、好ましくは100〜230℃、更に好ましくは120〜160℃である。反応時間は、反応温度により適宜調整することができるが、好ましくは3〜60分、更に好ましくは10〜40分である。表面架橋して得られる粒子状の水性液体吸収性樹脂を、最初に用いた表面架橋剤と同種又は異種の表面架橋剤を用いて、更に表面架橋することも可能である。
表面架橋して得られる粒子状の水性液体吸収性樹脂は、必要により篩別して粒度調整される。得られた粒子の平均粒経は、好ましくは100〜600μm、更に好ましくは200〜500μmである。微粒子の含有量は少ない方が好ましく、100μm以下の粒子の含有量は3重量%以下であることが好ましく、150μm以下の粒子の含有量が3重量%以下であることが更に好ましい。
本発明においては、必要により本発明の製造方法の任意の段階で、防腐剤、防かび剤、抗菌剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、芳香剤、消臭剤、無機質粉末及び有機質繊維状物等を添加することができ、その量は得られた水性液体吸収性樹脂の重量に基づいて、通常、5重量%以下である。また、必要により本発明の方法における任意の段階で発泡構造を形成するような処理を行ってもよいし、造粒や成型を行うこともできる。
以下、実施例により本発明を更に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。以下特に定めない限り、部は重量部、%は重量%を示す。なお、水性液体吸収性樹脂の保水量、40g/cm又は60g/cmの荷重下における吸収量、白色度及び臭気は以下の方法で測定される。
[保水量の測定方法]
250メッシュのナイロン網で作製したティーバッグ(縦20cm、横10cm)に水性液体吸収性樹脂1.000gを入れ、生理食塩水(NaCl濃度0.90%のイオン交換水溶液)中に60分間浸漬した後、引き上げて、15分間吊るして水切りしてから、ティーバッグごと遠心脱水機に入れて、150Gで90秒間遠心脱水を行い、余剰水を取り除いて、ティーバッグを含めた重量(h1)を測定した。測定試料を用いない以外は上記と同様にして、遠心脱水後のティーバッグの重量(h2)を測定し、次式から保水量を求めた。なお、使用した生理食塩水及び測定雰囲気の温度は25℃±2℃とした。
保水量(g/g)=(h1)−(h2)
[荷重下吸収量の測定方法]
250メッシュのナイロン網を底面に貼ったプラスチック製円筒(内縁25mm、高さ30mm)内に水性液体吸収性樹脂0.160gを入れて均一に均し、この水性液体吸収性樹脂の上に外縁25mmでスムーズに円筒内を上下する200gの分銅を乗せた。この時の荷重は約40g/cmに相当する。
生理食塩水60mlの入ったシャーレー(直径:12cm)の中に水性液体吸収性樹脂と分銅の入ったプラスチック円筒を、ナイロン網側を下面にして浸し、放置した。水性液体吸収性樹脂が生理食塩水を吸収して増加した重量を60分後に測定し、その値を水性液体吸収性樹脂1g当たりの値に換算して40g/cmの荷重下における吸収量とした。60g/cmの荷重下における吸収量は、同じ外径の300gの分銅を使用して同様の測定を行うことによって求められる。
[白色度(WB値)の測定方法]
水性液体吸収性樹脂の初期着色(製造直後の着色)及び長期保存又は応用製品中での着色の進行しやすさは、デジタル測色色差計(日本電色工業株式会社製ND−1001DP型)を用いて促進試験前後の白色度(WB値)を測定することにより評価した。白色度(WB)は、その値が大きいほど、着色が抑制されていることを示す。なお、着色促進試験の手順は以下の通りである。
内径90mmのガラスシャーレに10gの水性液体吸収性樹脂を入れ、表面が平坦になるように均一に均した。これを60±2℃、80±2%R.H.の恒温恒湿機内に14日間保存した。その後、恒温恒湿機内からシャーレを取り出して室温に戻した後、促進試験後の白色度(WB値)を測定した。
[臭気試験方法]
水性液体吸収性樹脂の臭気は以下の試験法により評価した。
水性液体吸収性樹脂1gを100mlのビーカーに入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液20gを加えた後、フィルムでビーカーを密閉し37℃で1時間放置した。その後、成人の被験者10名による臭気官能試験を行い、以下の評点に基づき平均点を算出した。
0:不快な臭気なし
1:わずかに不快な臭気有り
2:不快な臭気有り
3:特に不快な臭気が強い
<実施例1>
アクリル酸270部、架橋剤としてのペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー製)0.88部及びイオン交換水712部を混合してモノマー水溶液を調製し、この混合液を断熱重合可能な重合槽に投入した。溶液中に窒素ガスを導入することにより、溶液中の溶存酸素量を0.2ppm以下とし、溶液温度を5℃とした。この重合溶液に、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.14部、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合した(モノマー濃度27%)。重合開始を示す温度上昇が確認されてから約2時間後に80℃でほぼ平衡に達し、更に5時間熟成して含水ゲル状重合体を得た。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
この含水ゲル状重合体を、ミートチョッパーを用いて小片に砕断しながら、49%のNaOH水溶液220部を添加し、重合体中のカルボキシル基の約72モル%をナトリウム塩とした。この中和された含水ゲルを、通気熱風乾燥機(井上金属製)を用い、供給風温150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥した。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、水性液体吸収性樹脂(A1−1)を得た。
<実施例2>
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム一水和物の量を0.14部から0.20部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液体吸収性樹脂(A1−2)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は80℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
<実施例3>
実施例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルの量を0.88部から1.2部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液体吸収性樹脂(A1−3)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は80℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
<実施例4>
実施例1において、重合開始時の溶液温度を5℃から15℃に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液体吸収性樹脂(A1−4)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は89℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
<実施例5>
実施例1において、イオン交換水の量を712部から643部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液体吸収性樹脂(A1−5)を得た。重合時のモノマー濃度は29%であり、平衡時の到達温度は90℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、103℃であった。
<実施例6>
実施例1において、イオン交換水の量を712部から643部に、次亜リン酸ナトリウム一水和物の量を0.14部から0.20部に、更に重合開始時の溶液温度を5℃から15℃に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、水性液体吸収性樹脂(A1−6)を得た。重合時のモノマー濃度は29%であり、平衡時の到達温度は99℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、103℃であった。
<比較例1>
アクリル酸222gと水582gを混合し、外部冷却を行いながら、溶液温度が35℃を越えないようにして、49%NaOH水溶液181gを徐々に添加してアクリル酸の約72モル%を中和した。次いで、架橋剤としてペンタエリスリトールトリアリルエーテル(ダイソー製)0.88部を混合してモノマー水溶液を調製し、この混合液を断熱重合可能な重合槽に投入した。溶液中に窒素ガスを導入することにより、溶液中の溶存酸素量を0.2ppm以下、溶液温度を5℃とした。この重合溶液に、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.14部、1%過酸化水素水溶液1.1部、2%アスコルビン酸水溶液2.0部及び2%の2,2’−アゾビスアミジノプロパンジハイドロクロライド水溶液13.5部を添加・混合した(モノマー濃度27%)。重合開始を示す温度上昇が確認されてから約2時間後に80℃でほぼ平衡に達し、更に5時間熟成して含水ゲル状重合体を得た。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、103℃であった。
この含水ゲル状重合体を、ミートチョッパーを用いて小片に砕断した後、通気熱風乾燥機(井上金属製)を用い、供給風温150℃、風速1.5m/秒の条件下で含水率が4%となるまで通気乾燥した。乾燥体をジューサーミキサー(Oster社製OSTERIZER BLENDER)にて粉砕した後、ふるい分けして、目開き710〜150μmの粒子径範囲に調整して、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−1)を得た。
<比較例2>
比較例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.88部の代りにエチレングリコールジグリシジルエーテル0.88部を用いた以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−2)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は78℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、103℃であった。
<比較例3>
比較例1において、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル0.88部の代りにN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.88部を用いた以外は、比較例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−3)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は80℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、103℃であった。
<比較例4>
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム一水和物を添加しない以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−4)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は80℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
<比較例5>
実施例1において、次亜リン酸ナトリウム一水和物0.14部の代りにトリエチレングリコールジメルカプタン0.14部を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−5)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、平衡時の到達温度は80℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、102℃であった。
<比較例6>
実施例1において、重合開始時の溶液温度を5℃から30℃に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−6)を得た。重合時のモノマー濃度は27%であり、重合途中で混合物の温度が沸点に到達し発泡が起こった。
<比較例7>
実施例1において、イオン交換水の量を712部から643部に、次亜リン酸ナトリウム一水和物の量を0.14部から0.20部に、更に重合開始時の溶液温度を5℃から25℃に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−7)を得た。重合時のモノマー濃度は29%であり、重合途中で混合物の温度が沸点に到達し発泡が起こった。
<比較例8>
実施例1において、イオン交換水の量を712部から583部に変更する以外は、実施例1と同様の操作を行い、比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−8)を得た。重合時のモノマー濃度は31%であり、平衡時の到達温度は97℃であった。なお本重合液の沸点を、加熱式蒸留試験器を用いて実測したところ、104℃であった。
<実施例7>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)100gを攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.14g、水4g及びメタノール6gからなる溶液を添加して混合し、140℃で40分加熱して表面架橋を行い、水性液体吸収性樹脂(A2−1)を得た。
<実施例8〜12>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)に代えて、水性液体吸収性樹脂(A1−2)〜(A1−6)を使用する以外は実施例7と同様にして、水性液体吸収性樹脂(A2−2)〜(A2−6)を得た。
<実施例13>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)100gを攪拌(ホソカワミクロン製高速攪拌タービュライザー:回転数2000rpm)しながら、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.14g、水3.6g及びプロピレングリコール2.8gからなる溶液を添加して混合し、140℃で40分加熱して表面架橋を行い、水性液体吸収性樹脂(A2−1P)を得た。
<実施例14>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)に代えて、水性液体吸収性樹脂(A1−2)を使用する以外は実施例13と同様にして、水性液体吸収性樹脂(A2−2P)を得た。
<比較例9〜16>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)に代えて比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−1)〜(R1−8)を使用する以外は実施例7と同様にして、比較用の水性液体吸収性樹脂(R2−1)〜(R2−8)を得た。
<比較例17>
水性液体吸収性樹脂(A1−1)に代えて比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−4)を使用する以外は実施例13と同様にして、比較用の水性液体吸収性樹脂(R2−4P)を得た。
得られた水性液体吸収性樹脂(A1−1)〜(A1−6)及び比較用の水性液体吸収性樹脂(R1−1)〜(R1−8)の保水量、白色度及び臭気の評価結果を表1に示した。
また、得られた水性液体吸収性樹脂(A2−1)〜(A2−6)、(A2−1P)、(A2−2P)及び比較用の水性液体吸収性樹脂(R2−1)〜(R2−8)、(R2−4P)の保水量、荷重下吸収量、白色度及び臭気の評価結果を表2に示した。
Figure 2016143734
Figure 2016143734
表1及び表2の結果から、本発明の製造方法で得られた水性液体吸収性樹脂は、比較例の水性液体吸収性樹脂に比べて、保水量が高く、かつ着色と臭気が低減されていることが分かる。特に、表2の結果から、比較例の水性液体吸収性樹脂に比べて同等以上の荷重下吸収量を有しながら保水量が向上しており、吸収性能が飛躍的に向上していることが分かる。
本発明の製造方法により、保水量が大きく、かつ着色や臭気が少ない水性液体吸収性樹脂を得ることができる。また、表面架橋して得られる粒子状の水性液体吸収性樹脂は、高い保水量を示し、かつ荷重下においても高い吸収量を示すことから、保水量と荷重下吸収量のバランスに優れるという特長がある。
以上の効果を奏することから、本発明の方法で得られる水性液体吸収性樹脂は、水性液体吸収性物品、特に紙おむつ等の衛生用品に好適に使用できる。

Claims (8)

  1. アクリル酸を主成分とするラジカル重合性モノマー(a)を、内部架橋剤(b)及び水の存在下でラジカル重合する工程を含む水性液体吸収性樹脂の製造方法であって、ラジカル重合を次亜リン酸(塩)(c)の存在下で行い、前記モノマー(a)の仕込み濃度の上限が重合液の重量を基準として30重量%未満であり、かつ重合時の重合液の最高到達温度がその沸点未満であることを特徴とする水性液体吸収性樹脂の製造方法。
  2. 前記次亜リン酸(塩)(c)の量が、前記モノマー(a)の重量を基準として0.001〜1重量%である請求項1記載の製造方法。
  3. 前記重合液の最高到達温度が100℃以下である請求項1又は2記載の製造方法。
  4. 重合開始温度は、15℃以下である請求項1〜3のいずれか記載の製造方法。
  5. 前記内部架橋剤(b)が多価アリル化合物である請求項1〜4のいずれか記載の製造方法。
  6. ラジカル重合して得られる含水ゲル重合体を中和する工程をさらに含む請求項1〜5のいずれか記載の製造方法。
  7. 水性液体吸収性樹脂を粒子状にする工程と、水性液体吸収性樹脂粒子を表面架橋剤(d)で表面架橋する工程をさらに含む請求項1〜6のいずれか記載の製造方法。
  8. 得られる水性液体吸収性樹脂の生理食塩水に対する保水量が50g/g以上である請求項1〜7のいずれか記載の製造方法。
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