JP4256484B2 - 吸水剤、吸水性物品および吸水剤の製造方法 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は、吸水剤、吸水性物品およびその製造方法に関するものであり、さらに詳しくは、加圧下においても非常に高い吸収倍率を示し、かつ吸水性樹脂の散布密度が高く膨潤ゲルが層状に存在した場合においても層の各位置による膨潤倍率の差が少なく均一な膨潤挙動を示し、紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料にも好適に用いられる吸水剤、この吸水剤を含む衛生材料用の吸水性物品、およびこの吸水剤を提供するための製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、体液を吸収させることを目的として吸水性樹脂が紙オムツや生理用ナプキン、失禁パット等の衛生材料の構成材料の一つとして幅広く利用されている。
上記吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸部分中和物架橋体、澱粉−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、澱粉−アクリル酸グラフト重合体の中和物、酢酸ビニル−アクリル酸エステル共重合体のケン化物、カルボキシメチルセルロース架橋体、アクリロニトリル共重合体若しくはアクリルアミド共重合体の加水分解物またはこれらの架橋体、カチオン性モノマーの架橋体、架橋イソブチレン−マレイン酸共重合体、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸とアクリル酸の架橋体等が知られている。
【0003】
上記の吸水性樹脂に備えるべき特性としては従来より、体液等の水性液体に接した際の高い吸収倍率や優れた吸収速度、通液性、膨潤ゲルのゲル強度、水性液体を含んだ基材から水を吸い上げる吸引量等が求められている。しかしながら、これらの特性間の関係は必ずしも正の相関関係を示さず、たとえば吸収倍率の高いものほど通液性、ゲル強度、吸収速度等の物性は低下してしまう。そこで、このような吸水性樹脂の吸水諸特性をバランス良く改良する方法として吸水性樹脂の表面近傍を架橋する技術が知られており、これまでに様々な方法が提案されている。例えば、架橋剤として、多価アルコールを用いる方法、多価グリシジル化合物、多価アジリジン化合物、多価アミン化合物、多価イソシアネート化合物を用いる方法、グリオキサールを用いる方法、多価金属を用いる方法、シランカップリング剤を用いる方法、エポキシ化合物とヒドロキシ化合物を用いる方法、アルキレンカーボネートを用いる方法等が知られている。
【0004】
また架橋反応時に、架橋剤を吸水性樹脂表面により均一に分布させ、均一な表面架橋を行う試みとして架橋剤の添加時に、不活性無機粉末を存在させる方法、二価アルコールを存在させる方法、エーテル化合物を存在させる方法、水溶性ポリマーを存在させる方法、1価アルコールのアルキレンオキサイド付加物、有機酸塩、ラクタム等を存在させる方法等も知られている。
【0005】
これらの方法によって、吸水性樹脂の諸物性のバランスの改良はなされるもののいまだに十分とはいい難い。衛生用品における吸収体に用いられる上記従来の吸水性樹脂としては、例えば、吸水量や加圧下の吸水量、ゲル破壊強度を特定した吸水性樹脂を含有する吸水性衛生用品(特開昭63−99861号公報)、吸水量や加圧下の吸水速度を特定した吸水性樹脂を含有する紙おむつ(特開平2−34167号公報)、加圧下の吸水量・その粒径を特定した吸水性樹脂を含有する吸収剤(欧州特許第339461号)、吸水速度や短時間での加圧下の吸水量を特定した吸水性樹脂を特定量以上含有する吸水性樹脂(欧州特許第443627号)等が知られているが、さらなる高品質化が求められている。特に近年のトレンドである、吸水性樹脂を多量に使用し薄型化された衛生用品における吸収体に用いられる吸水性樹脂の必要特性を考えた場合、上記の従来方法では、まだまだ十分な物性レベルにまで到達していないのが現状である。
【0006】
すなわち、吸水性樹脂を高濃度に含有する薄型の吸収体に用いられる吸水性樹脂の必要特性の一つである「装着時により重い荷重がかかっても十分吸収能力を発揮できるような高荷重下(例えば50g/cm2)での優れた吸収倍率(以後加圧下の吸収倍率という場合がある。)」については上記の表面架橋方法により比較的高くすることが可能であるが、吸収体全体として見てみると十分な吸収能力を発揮できていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、吸水性樹脂を高濃度に含有する薄型の吸収体に用いた場合に、加圧下の吸収倍率が高いだけでなく、吸収体が十分な吸収能力を発揮できるような吸水剤、この吸水剤を含む衛生材料用の吸水性物品、およびこの吸水剤を提供するための製造方法を提供することにある。
【0008】
【発明を解決するための手段】
本発明者らの知見によると、加圧下の吸収倍率の高い吸水剤であっても、吸水性樹脂が高濃度、高散布密度で存在した場合の膨潤ゲル層の上下位置による膨潤倍率の差が大きく、樹脂が本来有する吸収能力まで均一に膨潤できていない場合には、吸収体が十分な吸収能力を発揮できない。
【0009】
そこで、加圧下の吸収倍率が高いとともに、吸水性樹脂が高濃度、高散布密度で存在した場合にも膨潤ゲル層の上下位置による膨潤倍率の差が少なく樹脂が本来有する吸収能力まで均一に膨潤できる特性(以後加圧下の吸収効率という場合がある。)を有する吸水性樹脂を得るべく、本発明者らはさらに検討を行い、本発明に到達したものである。
【0010】
すなわち、本発明によると、加圧下の吸収倍率が高くしかも加圧下の吸収効率にも優れ、衛生材料等に用いた場合に吸水性樹脂の樹脂濃度を高くしても優れた吸水特性を示すことができ、吸水性樹脂の保有する吸水能を、高濃度下においても効率的に発揮できるものである。
本発明は、「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収倍率が30(g/g)以上であり、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.70以上であることを特徴とする吸水剤
(ただし、人工尿は、硫酸ナトリウム0.2重量%、塩化カリウム0.2重量%、塩化マグネシウム六水和物0.05重量%、塩化カルシウム二水和物0.025重量%、リン酸二水素アンモニウム0.085重量%、リン酸水素二アンモニウム0.015重量%の水溶液であり、加圧下の吸収効率は下記式(1)で表されるものである。)」、
【0011】
【数5】
【0012】
「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が45(g/g)以上であり、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.4以上であることを特徴とする吸水剤
(ただし、人工尿は上述のとおりの組成であり、加圧下の吸収効率は上記式(1)で表されるものである。)」、
【0014】
「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が30(g/g)以上であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm 2 (約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.3以上の範囲で、かつ、
前記加圧下の吸収効率と前記加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が下記式(2)をみたすことを特徴とする吸水剤。
【0016】
【数6】
(ただし、人工尿は上述のとおりの組成であり、加圧下の吸収効率は上記式(1)で表されるものである。)」
「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤の製造方法であって、
0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間での吸収倍率が40倍以上であり、且つ溶出成分量が吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下の吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理することを特徴とする吸水剤の製造方法」、
「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤の製造方法であって、
水溶性連鎖移動剤の存在下で重合された吸水性樹脂を親水性溶液で処理した後、表面架橋剤の存在下加熱処理することを特徴とする吸水剤の製造方法」、および
「アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤の製造方法であって、
溶出成分の重量平均分子量が20万以下である吸水性樹脂を親水性溶液で処理した後、表面架橋剤の存在下加熱処理することを特徴とする吸水剤の製造方法」である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下本発明の吸水剤について、その製造方法と共に詳しく説明する。
本発明は、特定値以上の吸収倍率を有しかつ非飽和状態の膨潤ゲル表面から外側に滲み出す溶出成分量が特定値以下に低減された吸水性樹脂をまず得、この吸水性樹脂を表面架橋処理するといったこれまでにない新しい手法によるものである。
【0018】
従来より吸水性樹脂には一般に溶出成分が含まれている事は知られているが、非飽和状態の膨潤ゲル表面からゲルの外側への該溶出成分の滲み出し量をあるレベル以下に低減させた樹脂をさらに表面架橋処理するという試みはなされていなかった。本発明で用いる吸水性樹脂は非飽和状態の膨潤ゲル表面からゲルの外側にしみ出すこの溶出成分量を特定手法によって特定値以下に低減された吸水性樹脂を表面架橋処理することを最大の特徴とするものである。
【0019】
吸水性樹脂を表面架橋処理する場合に、溶出成分が特定量以上含んでいても高荷重下における加圧下の吸収倍率は特定のレベルたとえば30(g/g)以上に向上させることは可能であるが、加圧下の吸収効率の高い値は得られにくい。しかし本方法により、加圧下の吸収倍率および加圧下の吸収効率いずれにも優れた吸水剤を初めて得ることが可能となった。
【0020】
以下本発明をさらに詳しく説明する。
本発明に用いることのできる吸水性樹脂は、多量の水、生理食塩水、尿等を吸収膨潤して実質水不溶性のヒドロゲルを形成するものであり、後述する生理食塩水での吸収倍率40倍以上で溶出成分量が吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下に低減されてなるものである。またより好ましくは含水率が吸水性樹脂に対し10重量%以下、最も好ましくは含水率が5重量%以下の粉体として取り扱いが可能なものである。
【0021】
本発明で用いられる吸水性樹脂は、その典型的な例であるアクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られる架橋構造を有する親水性重合体である。このようなものは例えば、部分中和架橋ポリアクリル酸重合体、架橋され部分的に中和された澱粉−アクリル酸グラフトポリマー、酢酸ビニル−アクリル酸共重合体のケン化物等で例示される。中でも好ましいものはポリアクリル酸塩架橋重合体である。ポリアクリル酸塩架橋重合体としては、重合体中の酸基の50〜95モル%が中和されていることが好ましく、60〜90モル%が中和されていることがより好ましい。塩としてはアルカリ金属塩、アンモニウム塩、アミン塩などを例示する事ができる。この中和は重合前の単量体で行っても良いし、重合中や重合後の含水ゲル状重合体で行っても良い。
【0022】
本発明に用いられる吸水性樹脂は、単量体主成分として好ましく用いられる上記アクリル酸またはその塩以外の他の単量体を(共)重合させたものであってもよい。他の単量体の具体例としては、メタクリル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、スチレンスルホン酸、2−(メタ)アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルエタンスルホン酸、2−(メタ)アクリロイルプロパンスルホン酸などのアニオン性不飽和単量体およびその塩;アクリルアミド、メタアクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−n−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、N−アクリロイルピペリジン、N−アクリロイルピロリジンなどのノニオン性の親水基含有不飽和単量体;N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミドおよびそれらの四級塩などのカチオン性不飽和単量体などを挙げることができる。これらのアクリル酸以外の他の単量体の使用量は通常全単量体中0〜50モル%未満、好ましくは0〜30モル%であるがこれに限定されるものではない。
【0023】
本発明に用いられる吸水性樹脂の架橋構造として、架橋剤を使用しない自己架橋型のものや、2個以上の重合性不飽和基或は2個以上の反応性基を有する内部架橋剤を共重合または反応させた型のものが例示でき、内部架橋剤を共重合または反応させた架橋構造を有するものがより好ましいが、生理食塩水での吸収倍率が40倍以上となるようにその架橋密度を調整する必要がある。
【0024】
これらの内部架橋剤の具体例としては、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、グリセリンアクリレートメタクリレート、エチレンオキサイド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルホスフェート、トリアリルアミン、ポリ(メタ)アリロキシアルカン、(ポリ)エチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールジグリシジルエーテル、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、エチレンジアミン、ポリエチレンイミン、グリシジル(メタ)アクリレートなどを挙げることが出来る。またこれらの内部架橋剤は2種以上使用してもよい。中でも得られる吸水性樹脂の吸水特性などから、2個以上の重合性不飽和基を有する化合物を内部架橋剤として必須に用いることが好ましく、その使用量としては前記単量体成分に対して0.005〜3モル%、より好ましくは0.01〜1.5モル%である。
【0025】
なお重合に際しては、澱粉・セルロース、澱粉・セルロースの誘導体、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、ポリアクリル酸(塩)架橋体等の親水性高分子や、次亜リン酸(塩)等の連鎖移動剤を添加してもよい。
本発明に用いられる吸水性樹脂を得る為に上記したアクリル酸またはその塩等を主成分とする単量体を重合するに際しては、バルク重合や沈澱重合を行うことも可能であるが、性能面や重合の制御の容易さから、単量体を水溶液として、水溶液重合、または逆相懸濁重合を行うことが好ましい。
【0026】
また重合を行うにあたり、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、t−ブチルハイドロパーオキサイド、過酸化水素、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩等のラジカル重合開始剤、紫外線や電子線などの活性エネルギー線等を用いることができる。また、酸化性ラジカル重合開始剤を用いる場合、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、硫酸第一鉄、L−アスコルビン酸等の還元剤を併用してレドックス重合としても良い。これらの重合開始剤の使用量は通常前記単量体成分に対して0.001〜2モル%、好ましくは0.01〜0.5モル%である。
【0027】
上記の重合により得られた吸水性樹脂の形状は不定形破砕状、球状、繊維状、棒状、略球状、偏平状等種々のものが本発明には使用できるが好ましくはその平均粒子径が200〜600μmでありより好ましくは150μm以下の粒子の割合が10重量%以下、さらに好ましくは150μm以下の粒子の割合が5重量%以下のものである。
【0028】
本発明の目的を達成させるためにはこのようにして得られた吸水性樹脂の非飽和状態の膨潤ゲル表面から外側にしみ出す溶出成分量を吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下に低減させる必要がある。生理食塩水での吸収倍率40倍以上の吸水性樹脂は通常水可溶成分等の溶出成分を有しておりこれまでに良く知られているように多量の水や、多量の生理食塩水中で飽和膨潤させることによりこれらの溶出成分はゲルの外側に抽出される。しかし後述する条件下において吸水性樹脂が非飽和状態で膨潤している場合にもゲルの表面にこれらの溶出成分が滲みだし移行してくる。その量は飽和膨潤時に抽出される量とはその化合物の分子量、分岐度、粘度等の影響を受け必ずしも相関関係にないが、通常吸水性樹脂100重量部に対し2〜20重量部程度である。しかし本発明者らはこの溶出成分量が多いと加圧下の吸収効率があるレベル以上に向上しないことを見いだした。すなわち本発明の目的とする加圧下の吸収効率レベルに到達させるためには吸水性樹脂の非飽和状態の膨潤ゲル表面から外側にしみ出す溶出成分量を吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下、好ましくは0.5重量部以下、さらに好ましくは0.1重量部以下というきわめて低いレベルまで低減させることが必須となる。
【0029】
このようなレベルまで溶出成分量を低減する好ましい方法としては、
▲1▼得られた吸水性樹脂を水、有機溶剤、水と有機溶剤との混合液等の溶出成分を溶解させうる処理液と繰り返し接触させたのち、これらの処理液と吸水性樹脂とを分離する方法
▲2▼水溶性連鎖移動剤の存在下で吸水性樹脂の重合を行った後、親水性溶液で処理する方法
等が例示できる。
【0030】
▲1▼の方法における有機溶媒としては疎水性有機溶媒を用いることもできるがメチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等の親水性有機溶剤が好適に例示される。しかし溶出成分量の低減効果からすれば処理液として水と有機溶剤との混合液を用いることが好ましく、また処理液として水を単独で用いることがさらに好ましい。
【0031】
さらに好ましい態様は処理液を吸水性樹脂に繰り返し接触させる場合に吸水性樹脂が膨潤する様に処理液の組成を選択することである。その処理中における吸水性樹脂の好ましい膨潤倍率は2〜500倍、より好ましくは5〜300倍程度である。
この場合に使用される処理液の量は、吸水性樹脂の種類や粒度によってその最適量は異なるが、通常、吸水性樹脂の固形分1重量部に対して、0.5〜10,000,000重量部、好ましくは5〜500,000重量部の範囲である。
【0032】
吸水性樹脂を処理液に接触させる場合には上記接触を連続あるいは非連続の回分式で行うことができる。例えば該吸水性樹脂を処理液中で、必要により攪拌しながら接触させ、その後吸水性樹脂をデカンテーションや吸引濾過により処理液から分離する方法等が例示される。また連続で洗浄を行う場合吸水性樹脂と処理液の向きは併流、向流は特に問わないが、溶出成分量の低減効果からすると併流がより好ましい。また回分式で行う場合、処理回数は特に問わない。これらの処理温度は10℃〜100℃、好ましくは20℃〜60℃である。また処理液から分離した後は必要によりさらに乾燥しても良いが樹脂の劣化等により一度低減された溶出成分量が再び増加する可能性があるため注意を要する。
【0033】
▲2▼の方法では水溶性連鎖移動剤の存在下で重合を行うので、得られる吸水性樹脂の1分子が比較的短いものとなる。そのため重合が終了した段階での溶出成分量は比較的多いが、溶出成分の重量平均分子量が小さく、例えば20万以下程度であるので、親水性溶液での処理により容易に除去することができる。
本発明に使用する水溶性連鎖移動剤としては、水または親水性単量体に溶解するものであれば特に制限されず、チオール類、チオール酸類、2級アルコール類、アミン類、次亜燐酸(塩)類などを挙げることができ、具体的にはメルカプトエタノール、メルカプトプロパノール、ドデシルメルカプタン、チオグリコール酸、チオリンゴ酸、3−メルカプトプロピオン酸、イソプロパノール、次亜燐酸、蟻酸、及びそれらの塩類が使用され、これらの群から選ばれる1種または2種以上が用いられるが、その効果から次亜燐酸ナトリウムなどの次亜燐酸(塩)、チオール類を用いることが好ましい。
【0034】
水溶性連鎖移動剤の使用量は水溶性連鎖移動剤の種類や使用量、親水性単量体水溶液の濃度にもよるが、親水性単量体に対して0.001〜1モル%が好ましく、より好ましくは0.005〜0.3モル%である。
上記▲1▼、▲2▼以外で溶出成分量を低減させる方法として、得られた吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理する方法も挙げられる。
【0035】
このようにして得られた溶出成分量の低い吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理するのに用いることのできる表面架橋剤は吸水性樹脂の有する官能基たとえば酸性基と反応し得る官能基を有するものであり、通常、該用途に用いられている公知の架橋剤が例示される。吸水性樹脂の官能基がカルボキシル基である場合には、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタジオール、ポリプロピレングリコール、グリセリン、ポリグリセリン、2−ブテン−1,4−ジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,2−シクロヘキサノール、トリメチロールプロパン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリオキシプロピレン、オキシエチレンオキシプロピレンブロック共重合体、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどの多価アルコール化合物;エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレンジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、グリシドール等の多価エポキシ化合物;エチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等の多価アミン化合物;2,4−トリレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート等の多価イソシアネート化合物;1,2−エチレンビスオキサゾリン等の多価オキサゾリン化合物;1,3−ジオキソラン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,5−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4,4−ジメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−エチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、4−ヒドロキシメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,3−ジオキサン−2−オン、4−メチル−1,3−ジオキサン−2−オン、4,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−2−オン等のアルキレンカーボネート化合物;エピクロロヒドリン、エピブロムヒドリン、α−メチルエピクロロヒドリン等のハロエポキシ化合物;亜鉛、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、鉄、ジルコニウム等の水酸化物及び塩化物等の多価金属化合物;等より選ばれる1種または2種以上のものが例示できる。好ましくは多価アルコール化合物、多価アミン化合物、多価エポキシ化合物、及びアルキレンカーボネート化合物から選ばれる少なくとも1種を含むものである。
【0036】
これらの表面架橋剤は、単独で用いてもよいし、二種以上用いてもよい。二種以上の表面架橋剤を用いる場合は、二段階以上にわけて表面処理を行うこともできるが、表面処理によって吸水倍率が低下する傾向があるため一度に二種以上の表面架橋剤を混合して用いる方が好ましい場合がある。
本発明に於いて使用される表面架橋剤の使用量は、用いる架橋剤の種類や、その目的によっても異なるが、通常本発明の吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0.001〜10重量部、好ましくは0.01〜5重量部の範囲であり、この範囲内の量であれば加圧下の吸収倍率や、加圧下の吸収効率に優れた吸水剤が得られる。架橋剤の使用量が10重量部を越える場合、不経済となるばかりか、適正な表面架橋効果を達成する上で過剰量となりやすく、過度に吸収倍率が低下しすぎる場合がある。逆に0.001重量部未満の少ない量では、これら加圧下の吸収特性の改良効果が得られにくい場合がある。
【0037】
本発明において吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に使用する装置としては、通常の装置でよく、例えば、円筒型混合機、スクリュー型混合機、スクリュー型押出機、タービュライザー、ナウター型混合機、V型混合機、リボン型混合機、双腕型ニーダー、流動式混合機、気流型混合機、回転円盤型混合機、ロールミキサー、転動式混合機などを挙げることができ、混合の際の速度は高速、低速を問わない。
【0038】
本発明において吸水性樹脂と表面架橋剤との混合時または混合後、架橋反応を行わせる前にさらに水、水蒸気、または水と親水性有機溶媒からなる水性液等を添加してもよい。架橋剤が多価アルコールや多価エポキシ化合物、アルキレンカーボネート化合物など、吸水性樹脂と共有結合で反応するものの場合には水、水蒸気や水性液を後添加することにより加圧下の吸収特性が大きく向上する場合があり好ましい。この場合に用いられる親水性有機溶媒としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、iso−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、iso−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類を挙げることができる。この場合に使用される水の量は、吸水性樹脂の種類や粒度によってその最適量は異なるが、通常、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは1〜5重量部の範囲である。また使用される親水性有機溶媒の量は、同様に通常、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、10重量部以下、好ましくは0.1〜5重量部の範囲である。
【0039】
本発明では、吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、架橋剤の種類により必要により更に加熱処理を行い吸水性樹脂の表面近傍を架橋させる。
本発明で加熱処理を行う場合、処理温度は60℃以上230℃以下程度が好ましい。加熱処理温度が60℃未満では、加熱処理に時間がかかり生産性の低下をひき起こすのみならず、均一な架橋が達成されず、本発明の目的とする加圧下の吸水特性の高い樹脂が得られない場合がある。また230℃を越えた場合には低減された溶出成分量が増加し加圧下の吸収効率が向上しにくい場合がある。使用する架橋剤の種類にもよるが、加熱処理温度はより好ましくは80〜200℃、さらに好ましくは120〜180℃の範囲である。
【0040】
加熱処理は通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができ、例えば溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、および赤外線乾燥機等が例示できる。
以上において、本発明の加圧下の吸収倍率および加圧下の吸収効率いずれにも優れた吸水剤を得る方法として、特定値以上の吸収倍率を有しかつ非飽和状態の膨潤ゲル表面から外側に滲み出す溶出成分量が特定値以下に低減された吸水性樹脂をまず得、この吸水性樹脂を表面架橋処理するといった製法について説明を行ったが、本発明の吸水剤を得る方法はこれに限定されない。例えば、特定粒度範囲を有する粒子表面近傍を特定の手法により架橋させ、特異な架橋密度勾配を持たせる方法によっても得ることができる。以下にこの手法について説明する。
【0041】
すなわち、本発明にかかる吸水剤は、好ましくは水溶液重合によって得られる吸水性樹脂を粒径を実質的に106μm以上500μm未満の範囲内となるように分級等の操作により調整した後、溶解度パラメータ範囲の異なる2種類以上の表面架橋剤の存在下に加熱処理することによっても得ることができる。
ここで言う「実質的に106μm以上500μm未満」とは、吸水性樹脂の粒子全体のうち106μm以上500μm未満の粒度範囲に存在する粒子の重量%が全体に対して大部分であることを意味する。好ましくは、全体に対して90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。
【0042】
上記吸水性樹脂は、所定形状に造粒されていてもよく、また、球状、鱗片状、不定形破砕状、顆粒状等の種々の形状であってもよい。さらに、吸水性樹脂は、1次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であってもよい。なお、粒径が実質的に106μm以上500μm未満でない場合には、加圧下の吸収効率等の性能が優れた吸水剤を得ることが困難である。
【0043】
上記吸水性樹脂として、単量体としてアクリル酸を用い、重合したゲルを後中和して得られた吸水性樹脂を用いることで、さらに加圧下の吸収倍率、吸収効率および下層の吸収倍率に優れた吸水剤を得ることができる。
また、上記の溶解度パラメータとは、化合物の極性を表すファクターとして一般に用いられる値である。本発明においては、上記の溶解度パラメータとして、ポリマーハンドブック第3版(WILEY INTERSCIENCE社発行)527〜539頁に記載されている溶媒の溶解度パラメータδ[(cal/cm3)1/2]の値を適用することとする。また、上記の頁に記載されていない溶媒の溶解度パラメータに関しては、該ポリマーハンドブックの524頁に記載されているSmallの式に、同525頁に記載されているHoyの凝集エネルギー定数を代入して導かれる値を適用することとする。
【0044】
溶解度のパラメータ範囲の異なる2種類以上の表面架橋剤とは、第一表面架橋剤が、溶解度パラメータ(SP値)12.5〜15.0[(cal/cm3)1/2]でカルボキシル基と反応し得るものであり、第二表面架橋剤が、溶解度パラメーターが12.5[(cal/cm3)1/2]未満でカルボキシル基と反応し得るものである。これら溶解度パラメータが互いに異なる第一表面架橋剤および第二表面架橋剤を組み合わせることにより加圧下の吸収倍率と吸収効率に優れた吸水剤が得られる理由は定かではないが、架橋剤の吸水性樹脂表面へのしみ込みや、架橋の厚みがコントロールされるためだと思われる。
【0045】
このような第一表面架橋剤としては、具体的には、エチレングリコール、プロピレングリコール、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等が例示され、これらの群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。また、第二表面架橋剤としては、具体的には、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、ジグリセロールポリグリシジルエーテル、ポリグリセロールポリグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、エピクロロヒドリン等が例示され、これらの群より選ばれる1種または2種以上を用いることができる。
【0046】
第一表面架橋剤と第二表面架橋剤は分けて用いることもできるが、同時に用いるのが簡便であるため好ましい。
表面架橋剤の使用量は、用いる化合物やそれらの組み合わせ等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、第一表面架橋剤の使用量が0.01〜5重量部、第二表面架橋剤の使用量が0.001〜1重量部の範囲内が好ましく、第一表面架橋剤の使用量が0.1〜2重量部、第二表面架橋剤の使用量が0.005〜0.5重量部の範囲内がより好ましい。表面架橋剤の使用量が多すぎる場合には不経済となり好ましくない。また、表面架橋剤の使用量が少なすぎる場合には、吸水性樹脂における加圧下の吸収効率を向上させる上で、その改良効果が得られ難いため、好ましくない。
【0047】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、溶媒として水を用いることが好ましい。水の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、0を越え、20重量部以下が好ましく、0.5〜10重量部の範囲内がより好ましい。
また、吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、必要に応じて、溶媒として親水性有機溶媒を用いてもよい。上記の親水性有機溶媒としては、例えば、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール等の低級アルコール類;アセトン等のケトン類;ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類;N,N’−ジメチルホルムアミド等のアミド類;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド類等が挙げられる。親水性有機溶媒の使用量は、吸水性樹脂の種類や粒径等にもよるが、吸水性樹脂の固形分100重量部に対して、20重量部以下が好ましく、0.1重量部〜10重量部の範囲内がより好ましい。
【0048】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際には、例えば、上記の親水性有機溶媒中に吸水性樹脂を分散させた後、表面架橋剤を混合してもよいが、混合方法は特に限定されるものではない。種々の混合方法のうち、必要に応じて水および/または親水性有機溶媒に溶解させた表面架橋剤を、吸水性樹脂に直接、噴霧、若しくは滴下して混合する方法が好ましい。また、水を用いて混合する場合には、水に不溶な微粒子状の粉体や、界面活性剤等を共存させてもよい。
【0049】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合する際に用いられる混合装置は、両者を均一かつ確実に混合するために、大きな混合力を備えていることが好ましい。上記の混合装置としては、例えば、円筒型混合機、二重壁円錐型混合機、V字型混合機、リボン型混合機、スクリュー型混合機、流動型炉ロータリーデスク型混合機、気流型混合機、双腕型ニーダー、内部混合機、粉砕型ニーダー、回転式混合機、スクリュー型押出機等が好適である。
【0050】
吸水性樹脂と表面架橋剤とを混合した後、加熱処理を行い、吸水性樹脂の表面近傍を架橋させる。上記加熱処理の処理温度は、用いる表面架橋剤にもよるが、90℃以上、250℃以下が一般的である。処理温度が90℃未満の場合には、均一な架橋構造が形成されず、したがって、拡散吸収倍率等の性能に優れた吸水剤を得ることができないため、好ましくない。処理温度が250℃を越える場合には、吸水剤の劣化を引き起こし、吸水剤の性能が低下するため、好ましくない。より好ましくは160℃以上、250℃以下である。
【0051】
上記の加熱処理は、通常の乾燥機または加熱炉を用いて行うことができる。上記の乾燥機としては、例えば、溝型混合乾燥機、ロータリー乾燥機、デスク乾燥機、流動層乾燥機、気流型乾燥機、赤外線乾燥機等が挙げられる。
このようにして得られた本発明の吸水剤は、(i)加圧下の吸収倍率が30(g/g)以上で該測定における膨潤ゲルの高さ方向の吸収倍率比で定義される加圧下の吸収効率が0.7以上であるか、および/または、(ii)上記測定後の膨潤ゲルの吸液部分に近い層部分の吸収倍率(加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率)が45(g/g)以上であり、上記加圧下の吸収効率が0.4以上であるものである。膨潤ゲルの高さ方向の吸収倍率比というのはゲルが加圧下で層状に膨潤する状態で液との接触部分に近い層部分と、液と直接接触せず液から最も遠い層部分のゲルの吸収倍率の比であり、本発明においては、下記式(1)で表されるように、後述する加圧下の吸収倍率の測定がなされた後の吸液部分に近い下層1/3重量のゲルの吸収倍率に対する吸液部分から遠い上層1/3重量のゲルの吸収倍率の比と定義され、またこれを加圧下の吸収効率ともよぶ。
【数7】
従来知られている吸水性樹脂は加圧下の吸収倍率は高くても膨潤ゲルの高さ方向の吸収倍率比で定義される加圧下の吸収効率は高々0.5−0.6程度でしかなかった。本発明の吸水剤(i)はこの膨潤ゲルの高さ方向の吸収倍率比で定義される加圧下の吸収効率が0.70以上、好ましくは0.75以上というように従来にない高い値を示し、かつ加圧下の吸収倍率も30(g/g)以上、好ましくは35(g/g)以上と高いものである。
【0052】
また、従来知られている吸水性樹脂は通常加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が高々35〜40(g/g)程度でしかなく、45(g/g)をこえるものはなかった。本発明の吸水剤(ii)はこの加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が45(g/g)以上と非常に高い値を示すので、加圧下の吸収効率が0.4以上という比較的高いという程度であれば全体の加圧下の吸収倍率も高くなるものである。
【0053】
本発明では全体としての加圧下の吸収倍率が高い吸水剤を、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率と加圧下の吸収効率との関係から規定した吸水剤(iii)をも提供する。すなわち、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率と加圧下の吸収効率との関係が、下記式(2)
【数8】
を満たす場合、吸水剤全体としての加圧下の吸収倍率が高いものとなる。ただし、あまりにも加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が低いと加圧下の吸収効率が高くても全体の吸収倍率は低くなってしまうので、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率の下限は30(g/g)とし、同様にあまりにも吸収効率が低いと加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が高くても全体の吸収倍率は低くなってしまうので、加圧下の吸収効率の下限は0.3とした。
【0054】
本発明の吸水剤は加圧下の優れた吸収特性に加え、膨潤ゲル層の上下位置による膨潤倍率の差が少なく樹脂が本来有する吸収能力まで均一に膨潤できる特性を有し樹脂全体が非常に効率よく使用されるものとなりうる。したがって、本発明の吸水剤を、吸水性樹脂を高濃度に含有する薄型の吸収性物品(例えば紙おむつ)に適用した場合にも高荷重下での優れた吸収倍率および吸収効率を示すため、漏れまでの吸収量が向上する。
【0055】
【実施例】
以下、実施例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。なお、本発明において、吸水剤の諸性能は、以下の方法で測定した。
(a)吸収倍率
吸水剤0.2gを不織布製の袋(60mm×60mm)に均一に入れ、0.9重量%塩化ナトリウム水溶液(生理食塩水)中に浸漬した。60分後に袋を引き上げ、遠心分離機を用いて250Gで3分間水切りを行った後、袋の重量W1(g)を測定した。また、同様の操作を吸水剤を用いないで行い、そのときの重量W0(g)を測定した。そして、これら重量W1、W0から、次式、
吸収倍率(g/g)=(重量W1(g)−重量W0(g))/吸水剤の重量(g)
に従って吸収倍率(g/g)を算出した。
(b)加圧下の吸収倍率
先ず、加圧下の吸収倍率の測定に用いる測定装置について、図1を参照しながら、以下に簡単に説明する。
【0056】
図1に示すように、測定装置は、天秤1と、この天秤1上に載置された所定容量の容器2と、外気吸入パイプ3と、導管4と、ガラスフィルタ6と、このガラスフィルタ6上に載置された測定部5とからなっている。上記の容器2は、その頂部に開口部2aを、その側面部に開口部2bをそれぞれ有しており、開口部2aに外気吸入パイプ3が嵌入される一方、開口部2bに導管4が取り付けられている。また、容器2には、所定量の人工尿11(組成;硫酸ナトリウム0.2重量%、塩化カリウム 0.2重量%、塩化マグネシウム六水和物0.05重量%、塩化カルシウム二水和物0.025重量%、リン酸二水素アンモニウム0.085重量%、リン酸水素二アンモニウム0.015重量%の水溶液)が入っている。外気吸入パイプ3の下端部は、人工尿11中に没している。上記のガラスフィルタ6は直径70mmに形成されている。そして、容器2およびガラスフィルタ6は、導管4によって互いに連通している。また、ガラスフィルタ6の上部は、外気吸入パイプ3の下端に対してごく僅かに高い位置になるようにして固定されている。
【0057】
上記の測定部5は、濾紙7と、支持円筒8と、この支持円筒8の底部に貼着された金網9と、重り10とを有している。そして、測定部5は、ガラスフィルタ6上に、濾紙7、支持円筒8(つまり、金網9)がこの順に載置されると共に、支持円筒8内部、即ち、金網9上に重り10が載置されてなっている。支持円筒8は、内径60mmに形成されている。金網9は、ステンレスからなり、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されている。そして、金網9上に所定量の吸水剤が均一に撒布されるようになっている。重り10は、金網9、即ち、吸水剤に対して、50g/cm2 (約 4.9kPa )の荷重を均一に加えることができるように、その重量が調整されている。
【0058】
上記構成の測定装置を用いて加圧下の吸収倍率を測定した。測定方法について以下に説明する。
先ず、容器2に所定量の人工尿11を入れる、容器2に外気吸入パイプ3を嵌入する、等の所定の準備動作を行った。次に、ガラスフィルタ6上に濾紙7を載置した。一方、これらの載置動作に並行して、支持円筒内部、即ち、金網9上に吸水剤0.9gを均一に撒布、この吸水剤上に重り10を載置した。
【0059】
次いで、濾紙7上に、金網9、つまり、吸水剤および重り10を載置した上記支持円筒8を載置した。
そして、濾紙7上に支持円筒8を載置した時点から、60分間にわたって吸水剤が吸収した人工尿11の重量W2(g)を、天秤1を用いて測定した。
そして、上記の重量W2から、次式、
加圧下の吸収倍率(g/g)=重量W2(g)/吸水剤の重量(g)
に従って、吸収開始から60分後の加圧下の吸収倍率(g/g)を算出した。
(c)加圧下の吸収効率
上記加圧下の吸収倍率の測定を行った後すぐに、支持円筒8内部に人工尿を吸収し膨潤した吸水剤(膨潤ゲル)が存在した状態でかつ重り10をのせたまま加圧下の吸収倍率の測定装置(つまり濾紙7)から測定部5をはずし、直径90mmの濾紙(アドバンテック東洋株式会社製、No.2)を10枚重ねたものの上に2分間載置し、支持円筒内部および膨潤ゲル粒子間に存在する人工尿(吸水剤が吸収していない隙間人工尿)を取り除いた後、支持円筒内部に膨潤ゲルが存在した状態でかつ重り10をのせたまま重量W3(g)を測定した。あらかじめ測定しておいた支持円筒8の重量W4(g)と重り10の重量W5(g)をW3(g)から引き、隙間人工尿を取り除いたあとの膨潤ゲルの重量W6(g)を求めた。
【0060】
次に、支持円筒から重り10を取り、支持円筒内部にある膨潤ゲルを上から該膨潤ゲルの重量W6(g)の1/3重量づつ取り出し、ゲルの上層、中層、下層とした。取り出したゲルの上層をアルミカップにはかり取り、180℃3時間で乾燥させ、乾燥物の重量から加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率G1(g/g)を求めた。このとき、吸収剤に取り込まれた人工尿成分は50%としてゲルの吸収倍率を計算した。
【0061】
同様の操作を、取り出したゲルの下層についても行い加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率G2(g/g)を求めた。
そして加圧下の吸収効率を、次式に従い算出した。
加圧下の吸収効率=G1/G2
(d)溶出成分量
ポリアクリル酸部分中和物架橋体とそれ以外の吸水性樹脂により異なる方法で溶出成分量を測定する。ポリアクリル酸部分中和物架橋体の場合には、コロイド滴定法が使用され、それ以外の吸水性樹脂の場合には、重量測定法が使用される。
【0062】
*コロイド滴定法
0.9重量%塩化ナトリウム水溶液25(g)に吸水性樹脂1.000(g)を加え、均一に膨潤させた。1時間経過後、膨潤した吸水性樹脂を975gの脱イオン水中に分散させ、1分間攪拌した後、濾紙で濾過した。次に得られた濾液50(g)を100mlビーカーにとり、該濾液に0.1N−水酸化ナトリウム1ml、N/200−メチルグリコールキトサン水溶液を10.00ml、および、0.1重量%トルイジンブルー水溶液を4滴加えた。
【0063】
次いで、上記ビーカーの溶液を、N/400−ポリビニル硫酸カリウム水溶液を用いてコロイド滴定し、溶液の色が青色から赤紫色に変化した時点を滴定の終点として滴定量A(ml)を求めた。また、濾液50(g)の代わりに脱イオン水50(g)を用いて同様の操作を行い、ブランク滴定して滴定量B(ml)を求めた。そして、これら滴定量A、Bと、吸水性樹脂に供されたポリアクリル酸の中和率x(モル%)とから、次式
【0064】
【数7】
【0065】
に従って溶出成分量(重量%)を算出した。
*重量測定法
0.9重量%塩化ナトリウム水溶液25(g)に吸水性樹脂1.000(g)を加え、均一に膨潤させる。1時間経過後、膨潤した吸水性樹脂を975gの脱イオン水中に分散させ、1分間攪拌した後、濾紙で濾過した。次に得られた濾液50(g)を乾燥させ固形分を測定して、次式
【0066】
【数8】
【0067】
に従って溶出成分量(重量%)を算出した。
(e)溶出成分の分子量
市販されている分子量が既知のポリアクリル酸ナトリウム(ピーク分子量(Mp):1100000、782200、467300、392600、272900、193800、115000、28000、16000、7500、2950、1250)12種類を標準にして、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって、(d)の方法でサンプリングした溶出成分の重量平均分子量を求めた。
(f)吸収性物品での評価(キューピー人形テスト)
吸水剤75重量部と、木材粉砕パルプ25重量部とを、ミキサーを用いて乾式混合した。次いで、得られた混合物を、400メッシュ(目の大きさ38μm)に形成されたワイヤースクリーン上にバッチ型空気抄造装置を用いて空気抄造することにより、120mm×350mmの大きさのウエブに成形した。さらに、このウエブを圧力2kg/cm2で5秒間プレスすることにより、坪量が約500g/m2の吸収体を得た。
【0068】
続いて、液不透過性のポリプロピレンからなり、いわゆるレッグギャザーを有するバックシート(液不透過性シート)、上記の吸収体、および、液透過性のポリプロピレンからなるトップシート(液透過性シート)を、両面テープを用いてこの順に互いに貼着すると共に、この貼着物に2つのいわゆるテープファスナーを取り付けることにより、吸収性物品(つまり、紙オムツ)を得た。この吸収性物品の重量は44gであった。
【0069】
上記の吸収性物品を、いわゆるキューピー人形(体長55cmで重量5kgのものを3体)に各々装着し、該人形をうつ伏せ状態にした後、吸収性物品と人形との間にチューブを差込み、人体において排尿を行う位置に相当する位置に、1回当たり70mlの生理食塩水を、20分間隔で順次注入した。そして、注入した生理食塩水が吸収性物品に吸収されなくなって漏れ出した時点で、上記の注入動作を終了し、このときまでに注入した回数を測定した。
[参考例1]
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度33重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート3.56gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を攪拌しながら、過硫酸アンモニウム2.4gおよびL−アスコルビン酸0.12gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
【0070】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに分級操作で粒径が600μm未満300μm以上の範囲である吸水性樹脂(a)を得た。
このものの、吸収倍率は、58(g/g)、溶出成分量は、5.5(重量%)であった。溶出成分の重量平均分子量は、35万であった。
[参考例2]
100メッシュのナイロン製の袋(20×30cm)に、参考例1で得られた吸水性樹脂(a)3(g)入れたものを3つ用意し、内容積約16Lのピペット洗浄器中に入れ、脱イオン水1.6L/minの水流下1日放置した。
【0071】
放置後、ナイロン袋から膨潤した吸水性樹脂を取り出し、80℃24時間熱風乾燥し、さらに分級操作で粒径が600μm未満300μm以上の範囲である吸水性樹脂(b)を得た。
このものの、吸収倍率は、57(g/g)、溶出成分量は、0.5(重量%)、含水率は5.7(重量%)であった。
[参考例3]
参考例2の脱イオン水1.6L/minの水流下1日放置に代えて、脱イオン水1.6L/minの水流下7日放置した以外は、参考例2と同様の操作を行って、粒径が600μm未満300μm以上の範囲である吸水性樹脂(c)を得た。
【0072】
このものの、吸収倍率は、56(g/g)、溶出成分量は、0.1(重量%)、含水率は5.8(重量%)であった。
(実施例1)
参考例2で得られた吸水性樹脂(b)100重量部に、グリセリン0.03重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール5重量部と、乳酸0.5重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を180℃で20分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(1)を得た。この吸水剤(1)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(実施例2)
参考例3で得られた吸水性樹脂(c)100重量部に、グリセリン0.03重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール5重量部と、乳酸0.5重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を120℃で15分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(2)を得た。この吸水剤(2)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(比較例1)
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100重量部に、グリセリン0.03重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール5重量部と、乳酸0.5重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を180℃で20分間加熱処理することにより本発明の比較吸水剤(1)を得た。この比較吸水剤(1)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(比較例2)
参考例1で得られた吸水性樹脂(a)100重量部に、グリセリン0.7重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部と、水4重量部と、イソプロピルアルコール5重量部と、乳酸1重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を180℃で50分間加熱処理することにより本発明の比較吸水剤(2)を得た。この比較吸水剤(2)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
[参考例4]
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度39重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート23.43gと次亜燐酸ナトリウム1水和物5.79gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、参考例1記載の反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸アンモニウム2.4gおよびL−アスコルビン酸0.12gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
【0073】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに分級操作で粒径が600μm未満300μm以上の粒子である吸水性樹脂(d)を得た。このものの、吸収倍率は48(g/g)、溶出成分量は11.7(重量%)、溶出成分の重量平均分子量は12万であった。
【0074】
100メッシュのナイロン製の袋(20×30cm)に、得られた吸水性樹脂(d)3(g)入れたものを3つ用意し、内容積約16Lのピペット洗浄器中に入れ、脱イオン水1.6L/minの水流下1日放置した。放置後、ナイロン袋から膨潤した吸水性樹脂を取り出し、80℃24時間熱風乾燥し、さらに分級操作で粒径が600μm未満300μm以上の粒子である吸水性樹脂(e)を得た。
【0075】
このものの、吸収倍率は51(g/g)、溶出成分量は0.1(重量%)であった。
(実施例3)
参考例4で得られた吸水性樹脂(e)100重量部に、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.1重量部と、プロピレングリコール1重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール2重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を120℃で15分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(3)を得た。この吸水剤(3)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
[参考例5]
75モル%の中和率を有するアクリル酸ナトリウムの水溶液5500g(単量体濃度33重量%)に、ポリエチレングリコールジアクリレート4.96gを溶解し反応液とした。次に、この反応液を窒素ガス雰囲気下で30分間脱気した。次いで、シグマ型羽根を2本有する内容積10Lのジャケット付きステンレス製双腕型ニーダーに蓋を付けて形成した反応器に、上記反応液を供給し、反応液を30℃に保ちながら系を窒素ガス置換した。続いて、反応液を撹拌しながら、過硫酸ナトリウム2.46gおよびL−アスコルビン酸0.10gを添加したところ、凡そ1分後に重合が開始した。そして、30℃〜80℃で重合を行い、重合を開始して60分後に含水ゲル状重合体を取り出した。
【0076】
得られた含水ゲル状重合体は、その径が約5mmに細分化されていた。この細分化された含水ゲル状重合体を50メッシュの金網上に広げ、150℃で90分間熱風乾燥した。次いで、乾燥物を振動ミルを用いて粉砕し、さらに分級操作で粒径が500μm未満106μm以上の粒子が全体の98重量%である吸水性樹脂(f)を得た。
[参考例6]
アクリル酸160.0重量部、イオン交換水622.5重量部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.342重量部を均一に混合して得られたアクリル酸水溶液を円筒容器中に入れ、窒素ガスにて脱気した。次いで、上記アクリル酸水溶液を15℃に保ちながら、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(商品名V−50、和光純薬工業製)の5重量%水溶液9.6重量部、過酸化水素の3.5重量%水溶液を4.57重量部、L−アスコルビン酸の1重量%水溶液4.0重量部を重合開始剤として添加し混合したところ、約1分で重合が開始し、その後、静置断熱重合を1.5時間継続した。さらに、得られた含水ゲル状重合体を反応器より取り出し、70℃のジャケットを有したニーダーに入れ、ブレードを20分撹拌することで、含水ゲルを約1〜5mmに細断した。細断後、水酸化ナトリウムの6.5重量%水溶液1024.6重量部を用いて中和し、フェノールフタレインを指示薬としてフェノールフタレインの呈色が完全に見られなくなるまで均一に中和した。さらに、中和後の含水ゲルを160℃の熱風乾燥機で1時間乾燥した後、さらに卓上粉砕機で粉砕し、さらに分級操作で粒径が500μm未満106μm以上の粒子が全体の97重量%であり、中和度が75モル%の吸水性樹脂(g)を得た。
[参考例7]
アクリル酸160.0重量部、イオン交換水622.5重量部、N,N’−メチレンビスアクリルアミド0.342重量部を均一に混合して得られたアクリル酸水溶液を円筒容器中に入れ、窒素ガスにて脱気した。次いで、上記アクリル酸水溶液を15℃に保ちながら、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)2塩酸塩(商品名V−50、和光純薬工業製)の5重量%水溶液9.6重量部、過酸化水素の3.5重量%水溶液を4.57重量部、L−アスコルビン酸の1重量%水溶液4.0重量部を重合開始剤として添加し混合したところ、約1分で重合が開始し、その後、静置断熱重合を1.5時間継続した。さらに、得られた含水ゲル状重合体を反応器より取り出し、70℃のジャケットを有したニーダーに入れ、ブレードを20分撹拌することで、含水ゲルを約1〜5mmに細断した。細断後、炭酸ナトリウム88.2重量部を用いて中和し、フェノールフタレインを指示薬としてフェノールフタレインの呈色が完全に見られなくなるまで均一に中和した。さらに、中和後の含水ゲルを160℃の熱風乾燥機で1時間乾燥した後、さらに卓上粉砕機で粉砕し、さらに分級操作で粒径が500μm未満106μm以上の粒子が全体の97重量%であり、中和度が75モル%の吸水性樹脂(h)を得た。
(実施例4)
参考例5で得られた吸水性樹脂(f)100重量部に、プロピレングリコール0.1重量部と、グリセロールポリグリシジルエーテル0.03重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール1重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を195℃で50分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(4)を得た。この吸水剤(4)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(実施例5)
参考例5で得られた吸水性樹脂(f)100重量部に、プロピレングリコール1.0重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール1重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を185℃で35分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(5)を得た。この吸水剤(5)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(実施例6)
参考例6で得られた吸水性樹脂(g)100重量部に、プロピレングリコール1.0重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.05重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール3重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を190℃で50分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(6)を得た。この吸水剤(6)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(実施例7)
参考例7で得られた吸水性樹脂(h)100重量部に、エチレンカーボネート1重量部と、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.03重量部と、水3重量部と、イソプロピルアルコール1重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を190℃で50分間加熱処理することにより本発明の吸水剤(7)を得た。この吸水剤(7)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(比較例3)
参考例5で得られた吸水性樹脂(f)100重量部に、グリセリン0.5重量部と、水2重量部と、イソプロピルアルコール2重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を190℃で50分間加熱処理することにより本発明の比較吸水剤(3)を得た。この比較吸水剤(3)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
(比較例4)
参考例7で得られた吸水性樹脂(h)100重量部に、グリセリン0.5重量部と、グリセロールポリグリシジルエーテル0.05重量部、水3重量部と、イソプロピルアルコール1重量部からなる表面架橋剤を混合した。上記の混合物を180℃で20分間加熱処理することにより本発明の比較吸水剤(4)を得た。この比較吸水剤(4)の吸収倍率、加圧下の吸収倍率、加圧下の吸収後の上層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率、加圧下の吸収効率およびキューピー人形テストの結果を表1に記載した。
【0077】
【表1】
【0078】
表1に記載された結果から明らかなように、本発明の吸水剤は高い加圧下の吸収効率を示すものである。このような吸水剤は、実施例1〜3のごとく、溶出成分量が吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下の吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理することにより、あるいは実施例4〜7のごとく、吸水性樹脂を粒径が実質的に106μm以上500μm未満の範囲内となるように分級等の操作により調整した後、溶解度パラメータ範囲の異なる2種類以上の表面架橋剤の存在下に加熱処理することにより初めて得られた。
【0079】
【発明の効果】
本発明の吸水剤およびその製造方法によれば、加圧下の吸収倍率が高くしかも加圧下の吸収効率にも優れる吸水剤を得ることができる。
従って本発明の吸水剤は、吸水性樹脂が例えば繊維質材料とともに複合化して得られる紙おむつや生理用ナプキンのごとき吸水性物品において、50重量%(吸水性樹脂とパルプのような繊維質材料の総和に対する比率)以上といった高濃度条件下で使用された場合に、より高荷重がかかっても十分吸収能力を発揮でき、加えて膨潤ゲル層の上下位置による膨潤倍率の差が少なく樹脂が本来有する吸収能力まで均一に膨潤できる特性を有し樹脂全体が非常に効率よく使用されることから、その使用量を低減でき、更なる薄型化の吸収性物品を提供することができる。さらに本発明の吸水剤は創傷保護材、創傷治癒材のような体液のための吸収物品、食品のためのドリップ吸収材、鮮度保持材、止水材、土壌保水材など種々の用途にまで好ましく使用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における吸水剤が示す性能の一つである加圧下の吸収倍率の測定に用いる測定装置の概略の断面図である。
【符号の説明】
1 天秤
2 容器
3 外気吸入パイプ
4 導管
5 測定部
6 ガラスフィルター
7 濾紙
8 支持円筒
9 金網
10 重り
11 人工尿
Claims (11)
- アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収倍率が30(g/g)以上であり、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.70以上であることを特徴とする吸水剤。
(ただし、人工尿は、硫酸ナトリウム0.2重量%、塩化カリウム0.2重量%、塩化マグネシウム六水和物0.05重量%、塩化カルシウム二水和物0.025重量%、リン酸二水素アンモニウム0.085重量%、リン酸水素二アンモニウム0.015重量%の水溶液であり、加圧下の吸収効率は下記式(1)で表されるものである。)
- アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が45(g/g)以上であり、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.4以上であることを特徴とする吸水剤。
(ただし、人工尿は、硫酸ナトリウム0.2重量%、塩化カリウム0.2重量%、塩化マグネシウム六水和物0.05重量%、塩化カルシウム二水和物0.025重量%、リン酸二水素アンモニウム0.085重量%、リン酸水素二アンモニウム0.015重量%の水溶液であり、加圧下の吸収効率は下記式(1)で表されるものである。)
- アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させてなる吸水剤であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が30(g/g)以上であって、
人工尿に対する60分間での50g/cm2(約4.9kPa)の加圧下の吸収効率が0.3以上の範囲で、かつ、
前記加圧下の吸収効率と前記加圧下の吸収後の下層1/3重量の吸収倍率が下記式(2)をみたすことを特徴とする吸水剤。
- 加圧下の吸収効率が0.75以上である、請求項1に記載の吸水剤。
- 吸水性樹脂の平均粒子径が200〜600μmであり、且つ150μm以下の粒子の割合が5重量%以下である、請求項1から4までのいずれかに記載の吸水剤。
- 吸水性樹脂の90重量%以上の粒径が106μm以上500μm未満である、請求項1から5までのいずれかに記載の吸水剤。
- 吸水性樹脂の下記1分間攪拌での溶出成分量が吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下である、請求項1から6までのいずれかに記載の吸水剤。
(ただし、溶出可溶分は、吸水性樹脂1gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液25gに膨潤後1時間放置し、さらに脱イオン水975g中で1分間攪拌して濾過後、濾液をコロイド滴定で測定。) - 請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤を含む衛生材料用の吸水性物品。
- 吸水性樹脂と繊維質材料の総和に対する吸水性樹脂の比率が50重量%以上である、請求項8に記載の衛生材料用の吸水性物品。
- アクリル酸またはその塩を主成分とする親水性単量体を重合して得られた架橋構造を有する吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理して、該吸水性樹脂の表面近傍をさらに架橋させる、請求項1から7までのいずれかに記載の吸水剤の製造方法であって、
0.9重量%塩化ナトリウム水溶液に対する60分間での吸収倍率が40倍以上であり、且つ下記1分間攪拌での溶出成分量が吸水性樹脂100重量部に対し1重量部以下である吸水性樹脂を表面架橋剤の存在下加熱処理することを特徴とする吸水剤の製造方法。
(ただし、溶出可溶分は、吸水性樹脂1gを0.9重量%塩化ナトリウム水溶液25gに膨潤後1時間放置し、さらに脱イオン水975g中で1分間攪拌して濾過後、濾液をコロイド滴定で測定。) - 吸水性樹脂の90重量%以上の粒径が106μm以上500μm未満である、請求項10に記載の吸水剤の製造方法。
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