JPWO2016114034A1 - ステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

ステアリング装置は、ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持する筒状のインナーコラムと、インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状のアウターコラムと、入力軸に連結される出力軸を回転可能に支持し、ダッシュパネルに支持される筒状のロアコラムと、を備える。1次衝突時にはロアコラムが後方に移動し、2次衝突時にはインナーコラムおよびアウターコラムが相対移動する。

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリングホイールの回転に伴って車輪に舵角を付与するステアリング装置の支持構造として、ステアリング装置がダッシュパネル(トーボード)に支持される構造が知られている。例えば、特許文献1には、ステアリングコラム装置が、ダッシュパネルに設けられた挿通孔とダッシュパネルよりも後方に位置する固定部との2箇所で車体に固定されている。また、特許文献1には、運転者(操作者)がステアリングホイールに衝突する2次衝突時の際に、第1ロアジャケットが第2ロアジャケットに対して相対移動することによりエネルギー吸収を行うことが記載されている。
特開2006−182062号公報
ところで、衝突事故の被害を軽減するために、ステアリング装置は、車体が衝突する1次衝突に対するエネルギー吸収構造と2次衝突に対するエネルギー吸収構造とを備えることが望ましい。1次衝突の際、ダッシュパネルに後方向きの衝突荷重が加わるので、ステアリング装置のダッシュパネルとの取付部分が後方向きに押される。このため、1次衝突のエネルギーを吸収するために、ロアコラム(ダッシュパネルに取り付けられるコラム)が中間コラム(ロアコラムに前方側で嵌合するコラム)に対して相対移動する構造が用いられる。一方、エネルギー吸収能力の向上のためには、1次衝突時および2次衝突時のストローク(コラムの移動可能量)が長い方が望ましい。しかしながら、従来技術においては、1次衝突時のストロークおよび2次衝突時のストロークは、ロアコラムと中間コラムとの相対移動により得られる。このため、2次衝突に対するストロークを長くすると、その分1次衝突に対するストロークが短くなり、1次衝突に対するストロークが十分でなくなる可能性があった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るステアリング装置は、ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持するインナーコラムと、前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入されるアウターコラムと、前記入力軸に連結される出力軸を回転可能に支持し、ダッシュパネルに支持されるロアコラムと、を備え、1次衝突時には前記ロアコラムが後方に移動し、2次衝突時には前記インナーコラムおよび前記アウターコラムが相対移動する。
これにより、ロアコラムの移動により1次衝突時の衝撃が吸収され、且つインナーコラムの移動により2次衝突時の衝撃が吸収される。また、2次衝突時のインナーコラムの移動可能量を長くしても、1次衝突時のロアコラムの移動可能量が短くならない。よって、本発明に係るステアリング装置は、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができる。
本発明の望ましい態様として、ステアリング装置は、前記インナーコラムに設けられた第1孔と、前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いた前記アウターコラムの第1スリットと、車体側部材に固定され、保持力増加部材と共に前記アウターコラムを締め付けて支持するアウターコラムブラケットと、前記保持力増加部材に支持され、第2孔が開けられたインナーコラムブラケットと、前記第1孔と前記第2孔とに跨る位置にあって、前記インナーコラムおよび前記インナーコラムブラケットを離脱可能に連結するシェアピンと、を備え、前記アウターコラムが締め付けられている状態では前記アウターコラムの内壁が前記インナーコラムの外壁に接し、前記アウターコラムに対する締め付けが解除された状態では前記インナーコラムのテレスコ位置の調整が可能であることを特徴とする。
本発明に係るステアリング装置において、1次衝突時にはダッシュパネルに衝突荷重が加わると、ロアコラムが後方へ移動する。また、2次衝突時にステアリングホイールに衝突荷重が加わると、衝突荷重は、入力軸を介してインナーコラムに伝わる。一方、保持力増加部材に支持されているインナーコラムブラケットは移動しない。このため、シェアピンにせん断力が加わるので、衝突荷重がシェアピンの許容せん断力を超える場合、シェアピンは切断される。シェアピンが切断されると、インナーコラムとインナーコラムブラケットとの連結が解除されるので、インナーコラムとアウターコラムとの間の摩擦力によってインナーコラムが支持される状態となる。これにより、インナーコラムおよびアウターコラムが相対移動できるようになる。したがって、本発明に係るステアリング装置においては、ロアコラムの後方への移動により1次衝突時のストロークが得られ、且つインナーコラムの前方への移動により2次衝突時のストロークが得られる。すなわち、2次衝突時のエネルギー吸収機構が、1次衝突時のエネルギー吸収機構とは異なる位置で異なる部材により構成されている。よって、本発明に係るステアリング装置は、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができる。
本発明の望ましい態様として、前記アウターコラムは、前記第1スリットとは異なる位置に前記アウターコラムの軸方向に沿う長穴である第2スリットを備え、前記第2スリットで露出する前記インナーコラムにストッパーが取り付けられ、前記ストッパーは、2次衝突後に前記第2スリットの前方端部の内壁である第2端部内壁に接することが好ましい。
これにより、2次衝突時のストロークが所定値以下に規制されるので、2次衝突時におけるインナーコラムの前方への過剰な移動が抑制される。このため、2次衝突後におけるステアリングホイールの位置が所定の範囲内に保たれる。したがって、ステアリング装置は、2次衝突後のステアリングホイールの操作を容易にすることができる。
本発明の望ましい態様として、前記インナーコラムのテレスコ位置の調整に応じて、前記インナーコラムブラケットは前記第1スリットの前方端部の内壁である第1端部内壁に接し、前記インナーコラムブラケットが前記第1端部内壁に接した状態で、前記ストッパーは前記第2端部内壁から離れた位置にあることが好ましい。
これにより、インナーコラムのテレスコ位置が最前方になっている場合でも、2次衝突時にはインナーコラムが前方に移動できる。すなわち、インナーコラムのテレスコ位置に関わらず、2次衝突時にはインナーコラムが前方に移動できる。したがって、ステアリング装置は、インナーコラムのテレスコ位置に関わらず、2次衝突時のエネルギー吸収能力を向上させることができる。
本発明の望ましい態様として、前記アウターコラムの前方側に嵌合し、且つ前記ロアコラムの後方側に嵌合する中間コラムを備えることが好ましい。
1次衝突時にロアコラムを案内するため、ロアコラムの前方で嵌合する部材は一定以上の長さが必要となる。ステアリング装置においては、中間コラムがロアコラムを案内する。これにより、ステアリング装置においては、アウターコラムの軸方向の長さが短くなるので、アウターコラムの製造が容易である。
本発明の望ましい態様として、前記ロアコラムは、前記ダッシュパネルに設けられた貫通孔に対応する位置に、環状の弾性部材であるブッシュを備えることが好ましい。
これにより、ブッシュが弾性変形可能であるので、ロアコラムは前方端部を中心として揺動可能である。すなわち、ロアコラムは、ブッシュの弾性変形の範囲でチルト方向に揺動できる。このため、ステアリング装置は、チルト位置の調整が可能となる。
本発明の望ましい態様として、前記保持力増加部材は、前記アウターコラムの軸方向に沿う長穴を有する板状部材であることが好ましい。
これにより、保持力増加部材の製作において必要となる加工が少なくなる。このため、ステアリング装置の製造がより容易になる。
本発明の望ましい態様として、前記保持力増加部材は、前記アウターコラムの両側に配置され、前記インナーコラムブラケットは、前記アウターコラムの両側に配置される前記保持力増加部材のそれぞれに連結されることが好ましい。
これにより、インナーコラムブラケットに荷重が加わったとき、インナーコラムブラケットは、アウターコラムの両側からの締付力を受ける。このため、シェアピンが切断されるときのインナーコラムブラケットの姿勢が安定する。したがって、インナーコラムが移動を始める際の姿勢は、軸方向に対して真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラムが軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなる。
本発明の望ましい態様として、前記シェアピンは、一端から他端まで貫通するガイド孔を備える筒状の部材であって前記第1孔および前記第2孔を貫通するアウターピンと、前記ガイド孔を貫通し前記ガイド孔の内壁を前記ガイド孔の径方向外側に押すインナーピンと、を備えることが好ましい。
これにより、ステアリング装置は、アウターピンによって第1孔および第2孔の位置決めをした後にインナーピンを挿入して組み立てられるので、容易に組み立てることができる。
本発明の望ましい態様として、前記インナーコラムブラケットに取り付けられて、前記第1スリットの前方端部の内壁と前記アウターコラムの軸方向で対向するダンパーを備えることが好ましい。
これにより、テレスコ位置が最前方になるとダンパーが第1端部内壁に接する。ダンパーが第1端部内壁に接した状態でインナーコラムに力が加えられている場合、ダンパーには第1端部内壁からの反力が加わる。これにより、ダンパーが弾性変形するので、ダンパーに加わった力の一部はダンパーを弾性変形させるために消費される。そして、ダンパーに加わった力よりも小さい力がインナーコラムブラケットへと伝達し、インナーコラムブラケットへ伝達された力に略等しい大きさのせん断力がシェアピンに作用する。このため、シェアピンに作用するせん断力が、インナーコラムに加えられた力よりも小さくなる。したがって、ステアリング装置は、テレスコ調整を行う際のシェアピンの切断を抑制し、離脱機構を保護することができる。
本発明によれば、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができるステアリング装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の周辺を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係るステアリング装置の側面図である。 図3は、本実施形態に係るステアリング装置の断面図である。 図4は、本実施形態に係るステアリング装置を車体下方側から見た斜視図である。 図5は、図2におけるA−A断面図である。 図6は、図2におけるB−B断面図である。 図7は、本実施形態に係るストッパーの周辺を車体前方側から見た斜視図である。 図8は、図2におけるC−C断面図である。 図9は、図3のうちインナーコラムブラケットの周辺を拡大して示す図である。 図10は、図9におけるD矢視図である。 図11は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットを車体上方側から見た斜視図である。 図12は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットを車体下方側から見た斜視図である。 図13は、図9のうちシェアピンの周辺を拡大して示す図である。 図14は、図13においてシェアピンのみを側面図として示す図である。 図15は、切断された後のシェアピンの状態を説明するための図である。 図16は、比較例について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示すグラフである。 図17は、本実施形態について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。 図18は、比較例に係るステアリング装置の衝突前の状態を示す断面図である。 図19は、比較例に係るステアリング装置の1次衝突後の状態を示す断面図である。 図20は、比較例に係るステアリング装置の2次衝突後の状態を示す断面図である。 図21は、本実施形態に係るステアリング装置の衝突前の状態を示す断面図である。 図22は、本実施形態に係るステアリング装置の1次衝突後の状態を示す断面図である。 図23は、本実施形態に係るステアリング装置の2次衝突後の状態を示す断面図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の周辺を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係るステアリング装置の側面図である。図3は、本実施形態に係るステアリング装置の断面図である。図4は、本実施形態に係るステアリング装置を車体下方側から見た斜視図である。以下の説明において、ステアリング装置100を車体10に取り付けた場合の車体10の前方は、単に前方と記載され、ステアリング装置100を車体10に取り付けた場合の車体10の後方は、単に後方と記載される。また、ステアリング装置100を車体10に取り付けた場合の車体10の上方は、単に上方と記載され、ステアリング装置100を車体10に取り付けた場合の車体10の下方は、単に下方と記載される。図2において、図中の左側が前方であり、図中の右側が後方であり、図中の上側が上方であり、図中の下側が下方である。
(ステアリング装置)
図1に示すように、ステアリング装置100は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール14と、ステアリングシャフト15と、ユニバーサルジョイント16と、ロアシャフト17と、ユニバーサルジョイント18と、を備え、ピニオンシャフト19と接合している。
ステアリングシャフト15は、入力軸151と、出力軸152とを含む。入力軸151は、一方の端部がステアリングホイール14に連結され、他方の端部が出力軸152に連結される。例えば、入力軸151の表面には樹脂コーティングが施されている。これにより、入力軸151は樹脂を介して出力軸152に連結されている。出力軸152は、一方の端部が入力軸151に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント16に連結される。本実施形態では、入力軸151及び出力軸152は、機械構造用炭素鋼(SC材)、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)または冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等から形成される。
ロアシャフト17は、一方の端部がユニバーサルジョイント16に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント18に連結される。ピニオンシャフト19は、一方の端部がユニバーサルジョイント18に連結される。
ステアリング装置100は、ステアリングシャフト15を支持するステアリングコラム5を備える。ステアリングコラム5は、例えば、インナーコラム51と、アウターコラム54と、中間コラム55と、ロアコラム58と、を備える。後方から前方に向かってインナーコラム51、アウターコラム54、中間コラム55、ロアコラム58の順に配置されている。図2に示すように、インナーコラム51は、入力軸151を支持する筒状部材である。アウターコラム54は、インナーコラム51の少なくとも一部が内側に挿入される筒状部材である。中間コラム55は、アウターコラム54の内側に挿入される筒状部材であって、例えば締まり嵌めによりアウターコラム54に連結されている。中間コラム55の前方端部は、アウターコラム54の内壁に設けられた段差部543に接している。ロアコラム58は、中間コラム55の内側に挿入される筒状部材であって、中間コラム55に設けられた加締め部551により中間コラム55と連結されている。例えば、インナーコラム51、アウターコラム54、中間コラム55およびロアコラム58は、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)またはダイカスト用アルミニウム合金(ADC材)等で形成される。
図3に示すように、インナーコラム51は、例えば軸受511および中間軸受512を介して入力軸151を支持する。軸受511は、例えば深溝玉軸受であって、インナーコラム51の後方端部に配置されている。中間軸受512は、例えば合成ゴム等で覆われたニードル軸受または合成樹脂製のブッシュであって、インナーコラム51の前方端部に配置されている。これにより、インナーコラム51は、回転中心軸Zrを中心として回転可能に入力軸151を支持できる。また、入力軸151にはキーロックカラー1511が取り付けられている。例えば、操作者がキーを抜くとインナーコラム51からキーロックカラー1511に向かってピンが突出し、ピンがキーロックカラー1511に嵌合する。これにより、インナーコラム51と入力軸151とが相対回転できないように固定されるので、キーが抜かれた状態ではステアリングホイール14の操作ができなくなる。
図3に示すように、ロアコラム58は、例えば軸受581を介して出力軸152を支持する。軸受581は、例えば深溝玉軸受であって、ロアコラム58の前方端部に配置されている。これにより、ロアコラム58は、回転中心軸Zrを中心として回転可能に出力軸152を支持できる。また、ロアコラム58は、ブッシュ59を介してダッシュパネル11の貫通孔111に取り付けられている。すなわち、ロアコラム58は、貫通孔111に対応する位置にブッシュ59を備える。ダッシュパネル11は、乗員室とエンジンルームとを隔てる隔壁板であり、トーボードを含む。ブッシュ59は、例えば合成樹脂等の弾性体で形成された環状部材である。ブッシュ59は、ロアコラム58の前方端部を覆っており、貫通孔111とロアコラム58の外壁との間の隙間を埋めている。ブッシュ59が弾性変形可能であるので、ロアコラム58は前方端部を中心として揺動可能である。すなわち、ステアリングコラム5は、ブッシュ59の弾性変形の範囲でチルト方向に揺動できる。
なお、ステアリング装置100は、必ずしも中間コラム55を備えていなくてもよい。例えば、中間コラム55がアウターコラム54と一体に形成されていればよい。すなわち、中間コラム55の長さを補うようにアウターコラム54が長く形成されていればよい。このような場合、アウターコラム54の前方側にロアコラム58が嵌合する。
ステアリング装置100は、車体側部材13に固定されてアウターコラム54を支持するアウターコラムブラケット52を備える。アウターコラムブラケット52は、例えば冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等で形成される。アウターコラムブラケット52は、車体側部材13に固定される取付板部522と、取付板部522に一体に形成された枠状支持部521と、を備えている。アウターコラムブラケット52の取付板部522は、図4に示すように取付孔522hを有しており、取付孔522hおよびボルト等の固定部材を用いて車体側部材13に固定される。アウターコラムブラケット52の枠状支持部521は、アウターコラム54の両側に配置され、アウターコラム54を締め付けている。また、枠状支持部521には、車体10の上下方向に長い長穴であるチルト調整孔521hが設けられている。
図5は、図2におけるA−A断面図である。図5に示すように、アウターコラム54は、2つのロッド貫通部31と、第1スリット541と、第2スリット542を有する。ロッド貫通部31は、例えばインナーコラム51の外壁から下方に突出する部材であり、丸孔であるロッド貫通孔31hを有する。2つのロッド貫通部31が有するそれぞれのロッド貫通孔31hは、第1スリット541を挟んで対向している。また、ロッド貫通部31の一部は、枠状支持部521と対向している。ロッド33は、2つのロッド貫通孔31hを貫通すると共に枠状支持部521のチルト調整孔521hを貫通し、操作レバー53と連結されている。
第1スリット541は、アウターコラム54のうちインナーコラム51の挿入側の一端を切り欠いた長穴である。第1スリット541は、2つのロッド貫通部31の間の位置に設けられている。アウターコラム54は、第1スリット541を有するので、締め付けられると内径が小さくなる。これにより、アウターコラム54が締め付けられている状態では、アウターコラム54がインナーコラム51を覆う部分において、アウターコラム54の内壁とインナーコラム51の外壁とは接触している。このため、アウターコラム54とインナーコラム51との間に摩擦力が生じている。例えば本実施形態においては、インナーコラム51の外壁にアウターコラム54との摩擦を低減するための低摩擦材によるコーティングが施されている。
図5に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5に対する締付保持力を強固にするために、保持力増加部材として、第1テレスコ摩擦板21と、第2テレスコ摩擦板22と、を有する。例えば、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22は、冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等で形成される。第1テレスコ摩擦板21は、回転中心軸Zr方向を長手方向とする長穴であるテレスコ調整孔21hを有する板状部材である。第1テレスコ摩擦板21は、例えばアウターコラム54の両側に配置されている。より具体的には、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521とロッド貫通部31との間の位置に2つずつ重ねて配置される。第2テレスコ摩擦板22は、例えば、板材を曲げて形成された部材であって、回転中心軸Zr方向から見て略U字形状である。第2テレスコ摩擦板22は、2つの第1テレスコ摩擦板21の間に配置される2つの摩擦部221と、2つの摩擦部221を連結する連結部222と、連結部222に設けられる屈曲部223と、を含む。
摩擦部221は、丸孔であるロッド貫通孔22hを有する。ロッド33は、テレスコ調整孔21hおよびロッド貫通孔22hを貫通している。連結部222が2つの摩擦部221を連結して一体にしているので、摩擦部221を2つの第1テレスコ摩擦板21の間に配置する作業が容易になる。また、連結部222は、屈曲部223を有することで、たわんだ状態を保つことができる。これにより、連結部222は、アウターコラムブラケット52の締め付け状態が変化して2つの摩擦部221同士の距離が変化した場合でも、摩擦部221を引っ張りにくくなっている。このため、摩擦部221が連結部222に引っ張られることによって摩擦部221と第1テレスコ摩擦板21との間に隙間が生じる可能性が低減される。
なお、第1テレスコ摩擦板21は、必ずしも枠状支持部521とロッド貫通部31との間の位置に配置されていなくてもよい。例えば、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521の外側に配置されていてもよい。すなわち、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521を挟んでロッド貫通部31と反対側に配置されていてもよい。
なお、本実施形態においては、ステアリングコラム5に対する締付保持力を強固にするための保持力増加部材として、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22)が用いられているが、例えば、ギア噛み合い式等の公知の手段が用いられてもよい。
枠状支持部521が締め付けられると、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22の摩擦部221は、枠状支持部521によってアウターコラム54のロッド貫通部31に押し付けられる。これにより、枠状支持部521と第1テレスコ摩擦板21との間、第1テレスコ摩擦板21と第2テレスコ摩擦板22の摩擦部221との間、第1テレスコ摩擦板21とロッド貫通部31との間においてそれぞれ摩擦力が生じる。このため、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22がない場合に比較して、摩擦力が生じる面が増加する。枠状支持部521は、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22によってより強固にアウターコラム54を締め付けることができる。
操作レバー53が回転させられると、枠状支持部521に対する締め付け力が緩められ、枠状支持部521とアウターコラム54との間の摩擦力がなくなるまたは小さくなる。これにより、アウターコラム54のチルト位置の調整が可能となる。本実施形態において、ステアリング装置100は、図2に示すように第1バネ56と、第2バネ57と、を備える。第1バネ56および第2バネ57は、例えばコイルバネである。第1バネ56の一端は取付板部522に取り付けられ、第1バネ56の他端はアウターコラム54に取り付けられている。第1バネ56は、チルト調整時におけるステアリングコラム5の上下動を補助するとともに、ステアリングコラム5の落下を抑制している。第2バネ57の一端は取付板部522に取り付けられ、第2バネ57の他端は操作レバー53に取り付けられている。第2バネ57は、操作レバー53を介してロッド33に予圧を加えている。具体的には、第2バネ57は、チルト調整孔521hの長手方向に対して交差する方向の予圧をロッド33に加えている。これにより、チルト調整時におけるロッド33のガタつきが抑制される。
また、操作レバー53が回転させられると、枠状支持部521に対する締め付け力が緩められ、アウターコラム54の第1スリット541の幅が大きくなる。これにより、アウターコラム54がインナーコラム51を締め付ける力がなくなるため、インナーコラム51が摺動する際の摩擦力がなくなる。これにより、操作者は、操作レバー53を回転させた後、ステアリングホイール14を介してインナーコラム51を押し引きすることで、テレスコ位置を調整することができる。
図6は、図2におけるB−B断面図である。図7は、本実施形態に係るストッパーの周辺を車体前方側から見た斜視図である。図6および図7に示すように、ステアリング装置100は、ストッパー7を備える。ストッパー7は、インナーコラム51のうち第2スリット542で露出する位置に取り付けられている。
ストッパー7は、例えば、ボルト71と、当て板72と、座金73と、スペーサー74と、通電プレート75と、を備える。当て板72は、円筒状の突起部を備えた金属製の板状部材である。当て板72の円筒状の突起部が、インナーコラム51のうち第2スリット542で露出する位置に設けられた貫通孔に対してインナーコラム51の内側から嵌め込まれている。当て板72は、円筒状の突起部の内壁に雌ネジを有する。ボルト71は、当て板72の雌ネジに締結される。座金73は、ボルト71のボルト頭部と当て板72との間に配置されている。座金73の底面は、インナーコラム51の外壁の形状に沿う形状となっている。これにより、ボルト71の姿勢が安定する。スペーサー74は、第2スリット542の内壁とボルト71との隙間および第2スリット542の内壁と当て板72との隙間を埋めるための部材である。スペーサー74は、例えば貫通孔を備える樹脂製部材である。ボルト71および当て板72がスペーサー74の貫通孔の内側に配置されている。通電プレート75は、例えば金属製の板状部材である。通電プレート75は、例えばボルト71の頭部とスペーサー74に挟まれて固定され、且つアウターコラム54に接している。これにより、インナーコラム51は、当て板72、ボルト71および通電プレート75を介してアウターコラム54と通電状態となっている。本実施形態において、例えばホーンのためにボディアースを行う場合、入力軸151から車体10側に電気を流す必要がある。しかし、入力軸151が樹脂コーティングを介して出力軸152に連結されているので、入力軸151から出力軸152へ電気が流れない。また、インナーコラム51の外壁に低摩擦材によるコーティングが施されているので、インナーコラム51の外壁からアウターコラム54には電気が流れない。そこで、本実施形態においては、入力軸151からインナーコラム51に伝達した電気をアウターコラム54に流す機能をストッパー7が担っている。
ストッパー7は、インナーコラム51に取り付けられており、テレスコ調整が行われる際には第2スリット542の内壁に対向した状態で摺動することができる。スペーサー74が樹脂製であることにより、ストッパー7は、第2スリット542に対して滑らかに摺動する。ストッパー7は、テレスコ位置の調整時に第2スリット542の後方端部である第3端部内壁542bに接することで、テレスコ位置の調整範囲を規制している。また、スペーサー74が第2スリット542の内壁に接することで、ストッパー7は、回転中心軸Zrを中心としたインナーコラム51の回転を抑制している。
図8は、図2におけるC−C断面図である。図9は、図3のうちインナーコラムブラケットの周辺を拡大して示す図である。図10は、図9におけるD矢視図である。図11は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットを車体上方側から見た斜視図である。図12は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットを車体下方側から見た斜視図である。ステアリング装置100は、例えばアルミニウム合金または鋼材等の金属で形成されたインナーコラムブラケット4を備える。
図9に示すように、インナーコラムブラケット4は、例えばインナーコラム51の下方に配置されている。図11および図12に示すように、インナーコラムブラケット4は、例えば、腕部41と、差込部42と、首部44と、脚部43と、を含む。腕部41は、図10に示すように、アウターコラム54の両側で対向する2組の第1テレスコ摩擦板21を接続する棒状の部分である。差込部42は、腕部41の両端に設けられ、第1テレスコ摩擦板21に設けられた孔に差し込まれる部分である。差込部42は、腕部41よりも細く形成されている。首部44は、腕部41の一部から腕部41の長手方向に対して直交方向に向かって突出する部分である。脚部43は、首部44の腕部41とは反対側の端部に設けられる板状の部分であって、インナーコラム51に接触している。図12に示すように、脚部43のインナーコラム側表面431は、インナーコラム51の外壁の形状に沿った形状にされている。脚部43は、例えば、インナーコラム51に対向する表面とは反対側の表面に円形の凹部45を2つ備える。
また、腕部41は、首部44と第1テレスコ摩擦板21との間の位置でインナーコラム51に近付く方向に湾曲する湾曲部46を備える。腕部41は2つの湾曲部46を備えており、2つの湾曲部46が首部44を挟んだ両側に配置されている。これにより、腕部41が湾曲部46を有さない場合に比較して、差込部42の位置がインナーコラム51に近くなる。また、腕部41は、インナーコラム51の軸方向に対して直交方向に突出するリブ47を備える。リブ47は、例えば腕部41の長手方向に沿う方向に長く形成されている。また、図12に示すように、リブ47は、腕部41の下方側表面から突出しており、且つ腕部41の前方端部に配置されている。腕部41にリブ47が設けられることにより、腕部41の剛性が向上する。
また、インナーコラムブラケット4は、図9に示すように、切欠き部49と、貫通孔49hと、を備える。切欠き部49は、インナーコラムブラケット4の前方端部でインナーコラム51に対向する表面に形成された切欠きである。貫通孔49hは、腕部41をインナーコラム51の径方向に貫通している。切欠き部49には、ダンパー9が配置される。
インナーコラムブラケット4は、図10に示すように、アウターコラム54の両側に配置された第1テレスコ摩擦板21に連結されている。インナーコラムブラケット4は、差込部42が第1テレスコ摩擦板21に設けられた孔に差し込まれることによって、第1テレスコ摩擦板21に支持されている。また、アウターコラム54の両側に配置される第1テレスコ摩擦板21は、インナーコラムブラケット4の腕部41を挟んで対向している。また、インナーコラムブラケット4は、脚部43でインナーコラム51に連結されている。
インナーコラムブラケット4とインナーコラム51とを離脱可能に連結するため、図9に示すようにインナーコラム51には第1孔51hが開けられ、脚部43の凹部45の底面には第2孔43hが開けられている。第1孔51hと第2孔43hとは、連通している。例えば本実施形態において、第1孔51hおよび第2孔43hは、それぞれ2つずつ設けられており、内周は全て同じである。第1孔51hと第2孔43hとに跨る位置にシェアピン8が挿入されることで、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51とが離脱可能に連結されている。また、第1孔51hおよび第2孔43hは、アウターコラム54の両側に配置されたそれぞれの第1テレスコ摩擦板21からの距離が等しい位置に配置される。
また、インナーコラムブラケット4は、少なくとも一部がアウターコラム54の第1スリット541に嵌まるように配置されている。具体的には、インナーコラムブラケット4の脚部43が第1スリット541の内壁に対向するように嵌まっている。
インナーコラムブラケット4は、インナーコラム51に取り付けられており、テレスコ調整が行われる際には第1スリット541の内壁に対向した状態で摺動することができる。インナーコラムブラケット4は、テレスコ位置の調整時に第1スリット541の前方端部の内壁である第1端部内壁541fに接することで、テレスコ位置の調整範囲を規制している。また、図3に示すように、ストッパー7から第2スリット542の前方の第2端部内壁542fまでの距離が、インナーコラムブラケット4から第1端部内壁541fまでの距離よりも長くなっている。これにより、インナーコラムブラケット4がインナーコラム51から離脱した後において、インナーコラム51の前方への移動量(ストローク量)が所定量以上に確保される。したがって、本実施形態においては、テレスコ位置の前方の限界がインナーコラムブラケット4および第1端部内壁541fで規制されており、テレスコ位置の後方の限界がストッパー7および第3端部内壁542bで規制されている。
図13は、図9のうちシェアピンの周辺を拡大して示す図である。図14は、図13においてシェアピンのみを側面図として示す図である。本実施形態において、シェアピン8は、アウターピン81と、インナーピン82と、を備える。アウターピン81およびインナーピン82は、例えばポリアセタール等の樹脂で形成されている。
図13に示すように、アウターピン81は、第1孔51hおよび第2孔43hを貫通する筒状の部材である。アウターピン81は、例えば、本体部811と、抜止部812と、アウターフランジ部813と、ガイド孔81hと、を備える。本体部811は、円筒状であって、第1孔51hおよび第2孔43hを貫通している。抜止部812は、本体部811の一端に設けられ、インナーコラム51の内側に位置している。抜止部812は、円筒状であって、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、抜止部812がインナーコラム51の内壁に接するので、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hから抜け落ちにくくなる。アウターフランジ部813は、本体部811の他端に設けられ、インナーコラム51の径方向で第2孔43hよりも外側に位置している。アウターフランジ部813は、例えば円盤状であって、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、アウターフランジ部813が凹部45の底面に接するので、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hから抜け落ちにくくなる。ガイド孔81hは、アウターフランジ部813から抜止部812までを貫通する貫通孔である。
本実施形態において、アウターピン81は、圧入により第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されている。アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されることで、第1孔51hおよび第2孔43hが位置決めされる。例えば、抜止部812が第2孔43h側から第1孔51hおよび第2孔43hに挿入される。抜止部812は、本体部811とは反対側の端部81eにおける外周が第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも小さくなるように形成されている。これにより、抜止部812は、第2孔43hに挿入しやすくなっている。
なお、アウターピン81は、第1孔51h側から第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されてもよい。また、アウターピン81は、本体部811の外壁にリブ等を設けた上で圧入されてもよい。
図14に示すように、アウターピン81は、抜止部812からアウターフランジ部813に向かって設けられるノッチ81sを1つ備える。抜止部812が第2孔43hに挿入されると、アウターピン81の周方向におけるノッチ81sの幅dsが小さくなることで、抜止部812の外周が小さくなる。これにより、抜止部812は、第1孔51hおよび第2孔43hを通過しやすくなっている。以下の説明において、アウターピン81の周方向におけるノッチ81sの幅dsは、単にノッチ81sの幅dsと記載される。
なお、アウターピン81は、ノッチ81sを複数備えていてもよい。ノッチ81sが複数である場合、複数のノッチ81sは、アウターピン81の周方向で等間隔に配置されることが好ましい。
アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hを貫通する前の状態において、本体部811の外周は、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きい。そして、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hを貫通している状態において、本体部811が弾性変形することで、本体部811の外周が第1孔51hの内周および第2孔43hの内周に等しくなっている。これにより、本体部811が第1孔51hの内壁および第2孔43hの内壁を押している。このため、本体部811と第1孔51hの内壁との間の隙間および本体部811と第2孔43hの内壁との間の隙間が生じにくくなっている。これにより、アウターピン81のガタつきが抑制されている。
インナーピン82は、アウターピン81のガイド孔81hに挿入される部材である。インナーピン82は、例えば、胴体部821と、突出部822と、インナーフランジ部823と、ガイド部824と、を備える。
胴体部821は、円柱状であってガイド孔81hを貫通している。胴体部821は、大径部8211と、小径部8212と、を備える。大径部8211は、例えば円柱状であり、ガイド孔81hの内周に等しい外周を有する。小径部8212は、第1孔51hおよび第2孔43hに跨る位置に設けられる。小径部8212は、例えば、大径部8211と同心の回転体の形状をしている。小径部8212の外周は、大径部8211の外周よりも小さい。小径部8212は、例えば、胴体部821の一部を周方向の全周に亘って切り欠くことにより形成されている。すなわち、小径部8212は、胴体部821の表面を周方向に沿って凹ませた溝である。小径部8212の表面の底部は、例えば曲面状である。すなわち、回転中心軸Zrを含む平面でインナーピン82を切った断面(図13で示す断面)において、小径部8212の表面が円弧を描いている。より具体的には、小径部8212の表面が半円を描いている。例えば、図13で示す断面において、小径部8212のうち外周が最小である部分を通る直線L1は、インナーコラム51の外壁の延長線上、すなわち脚部43のインナーコラム側表面431の延長線上に位置している。
突出部822は、胴体部821のインナーコラム51の内部側の端部に設けられている。すなわち、突出部822は、インナーコラム51の内部であってガイド孔81hの外部である位置に配置されている。突出部822は、ガイド孔81hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、突出部822がガイド孔81hの一端の縁に接するので、インナーピン82がアウターピン81から抜け落ちにくくなる。
インナーフランジ部823は、例えば胴体部821と同心の円盤状であって、胴体部821のうち突出部822とは反対側の端部に設けられている。インナーフランジ部823は、凹部45の内部であってガイド孔81hの外部である位置に配置されている。インナーフランジ部823の外周は、ガイド孔81hの内周よりも大きい。これにより、インナーフランジ部823がガイド孔81hの他端の縁に接するので、インナーピン82がアウターピン81から抜け落ちにくくなる。
ガイド部824は、例えば胴体部821と同心の円柱状であって、突出部822のうち胴体部821とは反対側の端部に設けられている。すわなち、胴体部821とガイド部824との間に、突出部822が配置されている。ガイド部824の外周は、胴体部821の外周よりも小さい。また、図13に示すように、アウターピン81の端部81eからガイド部824の先端までの距離l1は、端部81eから入力軸151までの距離l2よりも小さい。
なお、ガイド孔81hは、端部に内周を拡大した段差部を備えていてもよい。この場合、突出部822が段差部の縁に接するので、インナーピン82がガイド孔81hの端部から突出しにくくなる。
本実施形態において、インナーピン82は、ガイド部824側からガイド孔81hに挿入されている。まず、ガイド部824が、アウターフランジ部813側からガイド孔81hに挿入される。ガイド部824の外周が胴体部821の外周よりも小さいので、ガイド部824とガイド孔81hの内壁との間には隙間が生じる。これにより、ガイド部824は容易にガイド孔81h内に進入できる。その後、例えば突出部822がガイド孔81hの縁に接してから、インナーピン82に圧力が加えられ、インナーピン82がガイド孔81hに押し込まれる。すなわち、インナーピン82がガイド孔81hに圧入される。インナーピン82は、ガイド部824が予めガイド孔81h内に挿入された状態で、ガイド孔81hに押し込まれる。
インナーピン82がガイド孔81hに押し込まれる際、インナーピン82の中心軸がガイド孔81hの中心軸に対して傾斜する可能性がある。すなわち、インナーピン82が倒れる可能性がある。しかしながら、本実施形態においては、仮にインナーピン82が倒れた場合であっても、ガイド部824の縁8241がガイド孔81hの内壁に接触する。これにより、インナーピン82の中心軸とガイド孔81hの中心軸とのなす角度、すなわちインナーピン82の倒れる角度が所定の角度以下に規制される。これにより、ガイド孔81h内に押し込まれるときのインナーピン82の姿勢が安定しやすくなる。
なお、ガイド部824の縁8241には、面取りが施されていることが好ましい。面取りは、例えば断面形状が直線状になるように切り取る面取り(C面取り)であってもよいし、断面形状が曲線状になるように切り取る面取り(R面取り)であってもよい。これにより、インナーピン82がガイド孔81hに挿入されるときに、ガイド部824がガイド孔81hに進入しやすくなる。
インナーピン82がガイド孔81hに挿入される前の状態において、大径部8211の外周は、ガイド孔81hの内周よりも大きい。そして、胴体部821がガイド孔81hを貫通している状態において、大径部8211が弾性変形することで、大径部8211の外周がガイド孔81hの内周に等しくなっている。これにより、大径部8211がガイド孔81hの内壁を径方向外側に押している。このため、胴体部821とガイド孔81hの内壁との間の隙間が生じにくくなっている。これにより、インナーピン82のガタつきが抑制されている。
大径部8211がガイド孔81hの内壁を径方向外側に押すことで、ノッチ81sの幅dsを拡げる力がアウターピン81に作用する。これにより、アウターピン81と第1孔51hの内壁および第2孔43hの内壁との間に生じる摩擦力が大きくなる。さらに、抜止部812におけるノッチ81sの幅dsが大きくなるので、抜止部812の外周が大きくなる。このため、アウターピン81とインナーピン82とが一体となったシェアピン8は、第1孔51hおよび第2孔43hに跨る位置に固定され、インナーコラム51およびインナーコラムブラケット4を連結している。
ステアリング装置100は、アウターピン81によって第1孔51hおよび第2孔43hの位置決めをした後にインナーピン82を挿入して組み立てられるので、容易に組み立てることができる。
また、図13で示したように距離l1が距離l2よりも小さいので、インナーピン82のガイド部824が入力軸151に接触しにくくなる。これにより、入力軸151とガイド部824との接触による入力軸151の回転抵抗の増加が抑制される。
また、本実施形態に係るステアリング装置100は、第1孔51hおよび第2孔43hにシェアピン8を用いることで、樹脂部材を第1孔51hおよび第2孔43hに充填する場合に比較して、樹脂部材を充填するための装置および樹脂部材を受けるための部材が不要となる。このため、本実施形態に係るステアリング装置100は、組み立てを容易にすることができる。
なお、図13に示すように、凹部45の深さd1は、シェアピン8の第2孔43hから突出する部分の長さd2以上であることが好ましい。これにより、シェアピン8がインナーコラムブラケット4の表面よりも突出しなくなる。このため、シェアピン8が外力によって破損する可能性が低減される。
ステアリングホイール14に衝突荷重が加えられると、衝突荷重は、入力軸151を介してインナーコラム51に伝わることで、インナーコラム51を前方に移動させる。一方、第1テレスコ摩擦板21に支持されているインナーコラムブラケット4は移動しない。このため、シェアピン8にせん断力が加わるので、衝突荷重がシェアピン8の許容せん断力を超える場合、シェアピン8は切断される。シェアピン8が切断されると、インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除される。インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除されると、インナーコラム51は、インナーコラム51とアウターコラム54との間に生じている摩擦力によって軸方向に支持される状態となる。よって、操作者がステアリングホール14に衝突して衝突荷重が加わった場合、衝突荷重が加わった直後にインナーコラム51を移動させるための力が低減し衝撃を吸収する。
また、シェアピン8が切断されても、アウターコラム54は、車体側部材13に固定されたアウターコラムブラケット52によって支持されたままである。また、インナーコラム51は、アウターコラム54によって支持されたままである。このため、シェアピン8が切断されても、ステアリングコラム5は落下しない。
図15は、切断された後のシェアピンの状態を説明するための図である。図15に示すように、シェアピン8は切断面BKで切断される。切断面BKは、シェアピン8のうち第1孔51hおよび第2孔43hに跨る部分に生じる。図15で示す断面において、切断面BKは、インナーコラム51の外壁の延長線上、すなわち脚部43のインナーコラム側表面431の延長線上に位置している。
シェアピン8の許容せん断力は、切断面BKの断面積に依存する。小径部8212の外周が大径部8211の外周よりも小さいため、インナーピン82にせん断力が加えられたとき、応力集中が発生し小径部8212で亀裂が生じやすい。これにより、インナーピン82は小径部8212で切断されやすくなる。すなわちインナーピン82における切断面BKが小径部8212内に納まりやすくなる。このため、インナーピン82における切断面BKの面積がバラつきにくくなる。したがって、シェアピン8の許容せん断力が安定する。
また、上述したように小径部8212の表面の底部が曲面状であることにより、小径部8212の表面の底部が尖った形状である場合に比較して、加工が容易になっている。このため、本実施形態に係る小径部8212は、加工の精度を高くすることができる。
また、図14に示すように、アウターフランジ部813からノッチ81sの先端81sbまでの距離d3は、アウターフランジ部813からインナーコラム51の外壁までの距離d4よりも大きいことが好ましい。これにより、シェアピン8が切断する時の切断面BKにノッチ81sが含まれなくなる。このため、切断面BKにおける本体部811の断面にノッチ81s分の欠損部分がなくなるので、シェアピン8の許容せん断力のバラつきが抑制される。
また、シェアピン8が切断された後において、インナーコラム51が軸方向に対して真っ直ぐ移動することが望ましい。インナーコラム51の移動する方向がアウターコラム54の軸方向に対して角度をなす方向である場合、インナーコラム51の移動が妨げられる可能性またはインナーコラム51とアウターコラム54との間に生じる摩擦力が所定値よりも大きくなる可能性が高くなるためである。
本実施形態において、インナーコラムブラケット4は、図10に示したようにアウターコラム54の両側に配置された第1テレスコ摩擦板21に接合されている。これにより、インナーコラムブラケット4に軸方向荷重が加わったとき、インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側からの締付力を受ける。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。したがって、インナーコラム51が移動を始める際の姿勢は、軸方向に対して真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラム51が軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなる。
また、図9に示すように、第1孔51hおよび第2孔43hは、それぞれ2つずつ軸方向で異なる位置に設けられている。このため、シェアピン8は、軸方向で異なる位置に2つ配置されている。仮に、第1孔51hおよび第2孔43hがそれぞれ1つずつ設けられる場合、すなわちシェアピン8が1つ配置される場合には、インナーコラムブラケット4がシェアピン8を中心に回転する可能性がある。これに対して、本実施形態においては、シェアピン8が軸方向で異なる位置に2つ配置されていることにより、インナーコラムブラケット4の回転が抑制される。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢がより安定する。
また、第1孔51hおよび第2孔43hは、インナーコラムブラケット4を挟んだ両側で対向する第1テレスコ摩擦板21からの距離が等しい位置に配置されている。これにより、インナーコラムブラケット4に軸方向荷重が加わったとき、インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側からの締付力をより均等に受けるので、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。したがって、インナーコラム51が移動を始める際の姿勢は、軸方向に対してより真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラム51が軸方向に対してより真っ直ぐ移動しやすくなる。
また、仮にインナーコラムブラケット4が、アウターコラム54の両側からの締付力を均等に受けることができなかった場合であっても、ストッパー7が第2スリット542に嵌まっているので、インナーコラム51は、第2スリット542の長手方向すなわち軸方向に案内される。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。
なお、シェアピン8の許容せん断力は、第1孔51hおよび第2孔43hの個数、第1孔51hおよび第2孔43hの断面積、シェアピン8の材料を変更することで調節することができる。例えば、第1孔51hおよび第2孔43hの個数は、それぞれ1個でもよいし3個以上であってもよい。また、シェアピン8は、例えば、非鉄金属を含む金属、またはゴム等で形成されていてもよい。
なお、シェアピン8は、必ずしも上述したアウターピン81およびインナーピン82で構成されていなくてもよい。例えば、シェアピン8は、第1孔51hおよび第2孔43hに跨る位置に充填された樹脂等が固まることによって形成されていてもよい。
図16は、比較例について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示すグラフである。図17は、本実施形態について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。図16および図17において、横軸はステアリングコラムの前方への変位量であり、縦軸はステアリングコラムを前方へ移動させるために必要な荷重である。
比較例は、特許文献1に記載の技術のように、アウターコラムが車体に対して離脱可能に取り付けられている場合の例である。比較例においては、アウターコラムがインナーコラムよりも後方に配置されており、アウターコラムに衝突荷重が加わると、アウターコラムに設けられたテレスコ調整孔の端部にロッドが接触することで、ブラケットと車体側部材との接合部材であるカプセルに荷重が伝わる。図16に示す力F2cは、カプセルの許容せん断力を示している。
比較例において、アウターコラムは、ブラケットの締め付けによってインナーコラムとの間に生じる摩擦力によって軸方向に支持されている。図16で示す力F1cは、アウターコラムを支持している当該摩擦力を示している。力F1cは、力F2cよりも小さい。通常使用において加わるような荷重によってアウターコラムが移動しないようにするために、力F1cは、所定値以上に保たれる必要がある。
比較例において、アウターコラムに力F2c以上の荷重が加わると、カプセルが切断されアウターコラムが車体から離脱する。その後、アウターコラムが、インナーコラムとの摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。しかし、上述したように、力F1cが所定値以上に保たれているので、アウターコラムの移動を滑らかにして操作者を2次衝突からより保護しやすくすることが難しい。
一方、本実施形態において、インナーコラム51は、アウターコラムブラケット52の締め付けによってアウターコラム54との間に生じる第1摩擦力と、第1テレスコ摩擦板21と第1テレスコ摩擦板21に接触する部材(アウターコラムブラケット52、第2テレスコ摩擦板22およびアウターコラム54)との間に生じる第2摩擦力と、によって軸方向に支持されている。図17に示す力F1は、第1摩擦力を示しており、力F3は、第1摩擦力と第2摩擦力との和を示している。また、図17に示す力F2は、シェアピン8の許容せん断力を示している。力F2は、力F3より小さくかつ力F1よりも大きい。
本実施形態において、インナーコラム51に力F2以上の荷重が加わると、シェアピン8が切断され、インナーコラム51がインナーコラムブラケット4から離脱する。これにより、インナーコラム51と第1テレスコ摩擦板21との連結が解除されるので、上述した第2摩擦力がインナーコラム51に対して作用しなくなる。このため、シェアピン8が切断された後において、インナーコラム51は、上述した第1摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力を小さく設定すると、インナーコラム51の移動を滑らかにして操作者を2次衝突からより保護しやすくすることができる。
本実施形態においては、仮に第1摩擦力の設定値を小さくしたとしても、インナーコラム51を軸方向に支持するための力のうち、第1摩擦力を小さくした分を第2摩擦力が補完することができる。このため、本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力の設定値と第2摩擦力の設定値を調節することで、通常使用において加わるような荷重によってインナーコラム51が移動することを抑制でき、かつ操作者を2次衝突からより保護しやすくすることができる。
ところで、通常使用において、操作レバー53を操作してからテレスコ調整を行う際、インナーコラムブラケット4が第1端部内壁541fに接すると、シェアピン8にはせん断力が作用する。このため、テレスコ調整時にインナーコラム51に加えられる力が過大である場合、テレスコ調整によってシェアピン8が切断される可能性がある。そこで、本実施形態に係るステアリング装置100は、上述したようにダンパー9を備える。図9に示すように、ダンパー9は、例えば合成ゴムで形成されており、インナーコラムブラケット4の前方端部に取り付けられる。より具体的には、ダンパー9は、インナーコラムブラケット4の貫通孔49hを貫通してインナーコラムブラケット4に固定されている。
操作レバー53を操作してからテレスコ調整を行う際、テレスコ位置が最前方になるとダンパー9が第1端部内壁541fに接する。ダンパー9が第1端部内壁541fに接した状態でインナーコラム51に力が加えられている場合、ダンパー9には第1端部内壁541fからの反力が加わる。これにより、ダンパー9が弾性変形するので、ダンパー9に加わった力の一部はダンパー9を弾性変形させるために消費される。そして、ダンパー9に加わった力よりも小さい力がインナーコラムブラケット4へと伝達し、インナーコラムブラケット4へ伝達された力に略等しい大きさのせん断力がシェアピン8に作用する。このため、シェアピン8に作用するせん断力が、インナーコラム51に加えられた力よりも小さくなる。したがって、本実施形態に係るステアリング装置100は、テレスコ調整を行う際のシェアピン8の切断を抑制し、離脱機構を保護することができる。
図18は、比較例に係るステアリング装置の衝突前の状態を示す断面図である。図19は、比較例に係るステアリング装置の1次衝突後の状態を示す断面図である。図20は、比較例に係るステアリング装置の2次衝突後の状態を示す断面図である。比較例に係るステアリング装置100Cにおいては、車体側部材13とアウターコラムブラケット52とがカプセル等で離脱可能に連結されている。また、ステアリング装置100Cにおいては、上述したインナーコラムブラケット4が設けられておらず、2次衝突時においてインナーコラム51がアウターコラム54に対して摺動しない。ステアリング装置100Cにおいては、1次衝突時のストロークおよび2次衝突時のストロークは、ロアコラム58と中間コラム55との相対移動により得られる。例えば図18に示すように、衝突前における中間コラム55の前方端部55fからブッシュ59までの距離は、1次衝突時のストロークに等しい距離S1Cおよび2次衝突時のストロークに等しい距離S2Cの和に等しくなっている。
図19に示すように、1次衝突時にはダッシュパネル11に衝突荷重C1が加わる。衝突荷重C1によって、ロアコラム58は、加締め部551における摩擦に抗いながら後方へ移動する。具体的には、ロアコラム58が後方に距離S1C移動する。これにより、1次衝突の衝撃が吸収される。ただし、2次衝突時にロアコラム58と中間コラム55とが相対移動できるように、1次衝突後の中間コラム55の前方端部55fとブッシュ59との間に所定の空間が必要である。より具体的には、1次衝突後の中間コラム55の前方端部55fからブッシュ59までの距離が、距離S2Cよりも大きい必要がある。このため、1次衝突時のストロークは一定以下に制限される。
図20に示すように、2次衝突時には入力軸151に衝突荷重C2が加わる。衝突荷重C2によって、車体側部材13とアウターコラムブラケット52との連結部材であるカプセルが切断され、ステアリングコラム5が車体側部材13から離脱する。そして、インナーコラム51、アウターコラム54および中間コラム55が一体となって、加締め部551における摩擦に抗いながら、中間コラム55の前方端部55fがブッシュ59に接するまで前方に移動する。すなわち、インナーコラム51、アウターコラム54および中間コラム55が前方に距離S2C移動する。これにより、2次衝突の衝撃が吸収される。
図21は、本実施形態に係るステアリング装置の衝突前の状態を示す断面図である。図22は、本実施形態に係るステアリング装置の1次衝突後の状態を示す断面図である。図23は、本実施形態に係るステアリング装置の2次衝突後の状態を示す断面図である。上述した比較例に対して、本実施形態に係るステアリング装置100においては、1次衝突時のストロークがロアコラム58と中間コラム55との相対移動により得られ、2次衝突時のストロークがインナーコラム51とアウターコラム54との相対移動により得られる。図21に示すように、衝突前における中間コラム55の前方端部55fからブッシュ59までの距離は、1次衝突時のストロークに等しい距離S1である。
図21〜図23中においては、インナーコラム51のテレスコ位置が最前方となっている。本実施形態に係るステアリング装置100においては、インナーコラム51のテレスコ位置が最前方の状態で、ストッパー7と第2端部内壁542fとの間に所定の空間が設けられている。より具体的には、インナーコラム51のテレスコ位置が最前方の状態で、ストッパー7は第2端部内壁542fから2次衝突時のストロークに等しい距離S2隔てた位置にある。距離S2は、比較例における距離S2C以上の距離である。
図22に示すように、1次衝突時にはダッシュパネル11に衝突荷重C1が加わる。衝突荷重C1によって、ロアコラム58は、加締め部551における摩擦に抗いながら、中間コラム55の前方端部55fがブッシュ59に接するまで後方へ移動する。すなわち、ロアコラム58が後方に距離S1移動する。これにより、1次衝突の衝撃が吸収される。本実施形態に係るステアリング装置100においては、上述した比較例のように中間コラム55の前方端部55fとブッシュ59との間に所定の空間を設けておく必要がない。このため、ステアリング装置100は、比較例よりも1次衝突時のストロークを大きくすることができる。このため、距離S1は比較例の距離S1Cより大きい距離となっている。
図23に示すように、2次衝突時には入力軸151に衝突荷重C2が加わる。衝突荷重C2によって、シェアピン8が切断され、インナーコラム51がインナーコラムブラケット4から離脱する。ストッパー7と第2端部内壁542fとの間に所定の空間が設けられているので、インナーコラム51は、アウターコラム54との間に生じる摩擦力(上述した第1摩擦力)に抗いながら前方に移動することができる。インナーコラム51は、ストッパー7が第2端部内壁542fに接するまで移動する。すなわち、インナーコラム51が前方に距離S2移動する。また、距離S2が比較例における距離S2C以上であるので、ステアリング装置100における2次衝突時のストロークは、比較例と同等以上である。このように、2次衝突時にはインナーコラム51のテレスコ位置に関わらずインナーコラム51が前方に移動できるので、2次衝突の衝撃が吸収される。
以上説明したように、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラム51と、アウターコラム54と、ロアコラム58と、を備える。インナーコラム51は、ステアリングホイール14に連結される入力軸151を回転可能に支持する筒状の部材である。アウターコラム54は、インナーコラム51の少なくとも一部が内側に挿入される筒状の部材である。ロアコラム58は、入力軸151に連結される出力軸152を回転可能に支持し、ダッシュパネル11に支持される筒状の部材である。1次衝突時にはロアコラム58が後方に移動し、2次衝突時にはインナーコラム51およびアウターコラム54が相対移動する。
これにより、ロアコラム58の移動により1次衝突時の衝撃が吸収され、且つインナーコラム51の移動により2次衝突時の衝撃が吸収される。また、2次衝突時のインナーコラム51の移動可能量を長くしても、1次衝突時のロアコラム58の移動可能量が短くならない。よって、本実施形態に係るステアリング装置100は、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができる。
より具体的には、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラム51と、アウターコラム54と、ロアコラム58と、アウターコラムブラケット52と、インナーコラムブラケット4と、シェアピン8と、を備える。インナーコラム51は、ステアリングホイール14に連結される入力軸151を回転可能に支持し、第1孔51hが開けられた筒状の部材である。アウターコラム54は、インナーコラム51の少なくとも一部が内側に挿入される筒状であって、インナーコラム51の挿入側の一端を切り欠いた第1スリット541を有する。ロアコラム58は、入力軸151に連結される出力軸152を回転可能に支持し、ダッシュパネル11に支持される筒状の部材である。アウターコラムブラケット52は、車体側部材13に固定され、保持力増加部材(第1テレスコ摩擦板21)と共にアウターコラム54を締め付けて支持する。インナーコラムブラケット4は、保持力増加部材(第1テレスコ摩擦板21)に支持され、第2孔43hが開けられている。シェアピン8は、第1孔51hと第2孔43hとに跨る位置にあって、インナーコラム51およびインナーコラムブラケット4を離脱可能に連結する。アウターコラム54が締め付けられている状態ではアウターコラム54の内壁がインナーコラム51の外壁に接し、アウターコラム54に対する締め付けが解除された状態ではインナーコラム51のテレスコ位置の調整が可能である。
本実施形態に係るステアリング装置100において、1次衝突時にはダッシュパネル11に衝突荷重が加わると、ロアコラム58が後方へ移動する。また、2次衝突時にステアリングホイール14に衝突荷重が加わると、衝突荷重は、入力軸151を介してインナーコラム51に伝わる。一方、第1テレスコ摩擦板21に支持されているインナーコラムブラケット4は移動しない。このため、シェアピン8にせん断力が加わるので、衝突荷重がシェアピン8の許容せん断力を超える場合、シェアピン8は切断される。シェアピン8が切断されると、インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除されるので、インナーコラム51とアウターコラム54との間の摩擦力によってインナーコラム51が支持される状態となる。これにより、インナーコラム51およびアウターコラム54が相対移動できるようになる。したがって、ステアリング装置100においては、ロアコラム58の後方への移動により1次衝突時のストロークが得られ、且つインナーコラム51の前方への移動により2次衝突時のストロークが得られる。すなわち、2次衝突時のエネルギー吸収機構が、1次衝突時のエネルギー吸収機構とは異なる位置で異なる部材により構成されている。よって、本実施形態に係るステアリング装置100は、1次衝突時のエネルギー吸収能力および2次衝突時のエネルギー吸収能力を共に向上させることができる。
さらに、シェアピン8が切断されても、アウターコラム54は、車体側部材13に固定されたアウターコラムブラケット52によって支持されたままである。また、インナーコラム51は、アウターコラム54によって支持されたままである。このため、シェアピン8が切断されても、ステアリングコラム5は落下しない。よって、本実施形態に係るステアリング装置100は、ステアリングコラム5が前方に移動する離脱荷重の設定値(シェアピン8の許容せん断力)を下げても、誤動作によるステアリングコラム5の落下を抑制できる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、アウターコラム54は、第1スリット541とは異なる位置にアウターコラム54の軸方向に沿う長穴である第2スリット542を備える。第2スリット542で露出するインナーコラム51にはストッパー7が取り付けられる。ストッパー7は、2次衝突後に第2スリット542の前方の第2端部内壁542fに接する。
これにより、2次衝突時のストロークが所定値以下に規制されるので、2次衝突時におけるインナーコラム51の前方への過剰な移動が抑制される。このため、2次衝突後におけるステアリングホイール14の位置が所定の範囲内に保たれる。したがって、ステアリング装置100は、2次衝突後のステアリングホイール14の操作を容易にすることができる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、テレスコ位置の調整に応じて、インナーコラムブラケット4は第1スリット541の前方端部の内壁である第1端部内壁541fに接する。インナーコラムブラケット4が第1端部内壁541fに接した状態で、ストッパー7は第2端部内壁542fから離れた位置にある。
これにより、インナーコラム51のテレスコ位置が最前方になっている場合でも、2次衝突時にはインナーコラム51が前方に移動できる。すなわち、インナーコラム51のテレスコ位置に関わらず、2次衝突時にはインナーコラム51が前方に移動できる。したがって、ステアリング装置100は、インナーコラム51のテレスコ位置に関わらず、2次衝突時のエネルギー吸収能力を向上させることができる。
本実施形態に係るステアリング装置100は、アウターコラム54の前方側に嵌合し、且つロアコラム58の後方側に嵌合する中間コラム55を備える。
1次衝突時にロアコラム58を案内するため、ロアコラム58の前方で嵌合する部材は一定以上の長さが必要となる。ステアリング装置100においては、中間コラム55がロアコラム58を案内する。これにより、ステアリング装置100においては、アウターコラム54の軸方向の長さが短くなるので、アウターコラム54の製造が容易である。
本実施形態に係るステアリング装置100において、ロアコラム58は、ダッシュパネル11に設けられた貫通孔111に対応する位置に、環状の弾性部材であるブッシュ59を備える。
これにより、ブッシュ59が弾性変形可能であるので、ロアコラム58は前方端部を中心として揺動可能である。すなわち、ロアコラム58は、ブッシュ59の弾性変形の範囲でチルト方向に揺動できる。このため、ステアリング装置100は、チルト位置の調整が可能となる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、保持力増加部材(第1テレスコ摩擦板21)は、アウターコラム54の軸方向に沿う長穴(テレスコ調整孔21h)を有する板状部材である。
これにより、保持力増加部材の製作において必要となる加工が少なくなる。このため、ステアリング装置100の製造がより容易になる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、保持力増加部材(第1テレスコ摩擦板21)は、アウターコラム54の両側に配置される。インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側に配置される保持力増加部材(第1テレスコ摩擦板21)のそれぞれに連結される。
これにより、インナーコラムブラケット4に荷重が加わったとき、インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側からの締付力を受ける。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。したがって、インナーコラム51が移動を始める際の姿勢は、軸方向に対して真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラム51が軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、シェアピン8は、一端から他端まで貫通するガイド孔81hを備える筒状の部材であって第1孔51hおよび第2孔43hを貫通するアウターピン81と、ガイド孔81hを貫通しガイド孔81hの内壁をガイド孔81hの径方向外側に押すインナーピン82と、を備える。
これにより、ステアリング装置100は、アウターピン81によって第1孔51hおよび第2孔43hの位置決めをした後にインナーピン82を挿入して組み立てられるので、容易に組み立てることができる。
本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4に取り付けられて、第1スリット541の前方端部の内壁である第1端部内壁541fとアウターコラム54の軸方向で対向するダンパー9を備える。
これにより、テレスコ位置が最前方になるとダンパー9が第1端部内壁541fに接する。ダンパー9が第1端部内壁541fに接した状態でインナーコラム51に力が加えられている場合、ダンパー9には第1端部内壁541fからの反力が加わる。これにより、ダンパー9が弾性変形するので、ダンパー9に加わった力の一部はダンパー9を弾性変形させるために消費される。そして、ダンパー9に加わった力よりも小さい力がインナーコラムブラケット4へと伝達し、インナーコラムブラケット4へ伝達された力に略等しい大きさのせん断力がシェアピン8に作用する。このため、シェアピン8に作用するせん断力が、インナーコラム51に加えられた力よりも小さくなる。したがって、ステアリング装置100は、テレスコ調整を行う際のシェアピン8の切断を抑制し、離脱機構を保護することができる。
10 車体
11 ダッシュパネル
111 貫通孔
13 車体側部材
14 ステアリングホイール
15 ステアリングシャフト
151 入力軸
152 出力軸
16 ユニバーサルジョイント
17 ロアシャフト
18 ユニバーサルジョイント
19 ピニオンシャフト
100 ステアリング装置
21 第1テレスコ摩擦板(保持力増加部材)
22 第2テレスコ摩擦板
31 ロッド貫通部
33 ロッド
4 インナーコラムブラケット
43h 第2孔
5 ステアリングコラム
51 インナーコラム
51h 第1孔
52 アウターコラムブラケット
53 操作レバー
54 アウターコラム
541 第1スリット
541f 第1端部内壁
542 第2スリット
542f 第2端部内壁
542b 第3端部内壁
55 中間コラム
551 加締め部
55f 前方端部
58 ロアコラム
59 ブッシュ
7 ストッパー
8 シェアピン
81 アウターピン
82 インナーピン
9 ダンパー
BK 切断面
C1、C2 衝突荷重
Zr 回転中心軸

Claims (10)

  1. ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持する筒状のインナーコラムと、
    前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状のアウターコラムと、
    前記入力軸に連結される出力軸を回転可能に支持し、ダッシュパネルに支持される筒状のロアコラムと、
    を備え、
    1次衝突時には前記ロアコラムが後方に移動し、2次衝突時には前記インナーコラムおよび前記アウターコラムが相対移動するステアリング装置。
  2. 前記インナーコラムに設けられた第1孔と、
    前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いた前記アウターコラムの第1スリットと、
    車体側部材に固定され、保持力増加部材と共に前記アウターコラムを締め付けて支持するアウターコラムブラケットと、
    前記保持力増加部材に支持され、第2孔が開けられたインナーコラムブラケットと、
    前記第1孔と前記第2孔とに跨る位置にあって、前記インナーコラムおよび前記インナーコラムブラケットを離脱可能に連結するシェアピンと、
    を備え、
    前記アウターコラムが締め付けられている状態では前記アウターコラムの内壁が前記インナーコラムの外壁に接し、前記アウターコラムに対する締め付けが解除された状態では前記インナーコラムのテレスコ位置の調整が可能である請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記アウターコラムは、前記第1スリットとは異なる位置に前記アウターコラムの軸方向に沿う長穴である第2スリットを備え、
    前記第2スリットで露出する前記インナーコラムにストッパーが取り付けられ、
    前記ストッパーは、2次衝突後に前記第2スリットの前方端部の内壁である第2端部内壁に接する請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 前記インナーコラムのテレスコ位置の調整に応じて、前記インナーコラムブラケットは前記第1スリットの前方端部の内壁である第1端部内壁に接し、
    前記インナーコラムブラケットが前記第1端部内壁に接した状態で、前記ストッパーは前記第2端部内壁から離れた位置にある請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記アウターコラムの前方側に嵌合し、且つ前記ロアコラムの後方側に嵌合する中間コラムを備える請求項1から4のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  6. 前記ロアコラムは、前記ダッシュパネルに設けられた貫通孔に対応する位置に、環状の弾性部材であるブッシュを備える請求項1から5のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  7. 前記保持力増加部材は、前記アウターコラムの軸方向に沿う長穴を有する板状部材である請求項2から6のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  8. 前記保持力増加部材は、前記アウターコラムの両側に配置され、
    前記インナーコラムブラケットは、前記アウターコラムの両側に配置される前記保持力増加部材のそれぞれに連結される請求項2から7のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  9. 前記シェアピンは、一端から他端まで貫通するガイド孔を備える筒状の部材であって前記第1孔および前記第2孔を貫通するアウターピンと、前記ガイド孔を貫通し前記ガイド孔の内壁を前記ガイド孔の径方向外側に押すインナーピンと、を備える請求項2から8のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  10. 前記インナーコラムブラケットに取り付けられて、前記第1スリットの前方端部の内壁と前記アウターコラムの軸方向で対向するダンパーを備える請求項2から9のいずれか1項に記載のステアリング装置。
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