JP2016137828A - ステアリング装置 - Google Patents

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大輝 折原
daiki Orihara
大輝 折原
宏 垣田
Hiroshi Kakita
宏 垣田
修 栗原
Osamu Kurihara
修 栗原
丈田 雅也
Masaya Takeda
雅也 丈田
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Abstract

【課題】ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によるステアリングコラムの落下を抑制できるステアリング装置を提供する。
【解決手段】ステアリング装置は、第1孔51hが開けられたインナーコラム51と、スリット541を有するアウターコラム54と、テレスコ摩擦板と共にアウターコラム54を締め付けるアウターコラムブラケット52と、テレスコ摩擦板を支持するロッド33と、テレスコ摩擦板に支持され第2孔43hが開けられているインナーコラムブラケット4と、第1孔51hと第2孔43hとに跨る位置でインナーコラム51およびインナーコラムブラケット4を離脱可能に連結するシェアピン8と、インナーコラム51hとの連結面に低摩擦材を被覆したインナーコラムブラケット4を備える。
【選択図】図14

Description

本発明は、ステアリング装置に関する。
ステアリングホイールの回転に伴って車輪に舵角を付与するステアリング装置の支持構造として、カプセルを用いた技術が広く知られている。例えば、特許文献1には、車体にカプセルを介して取り付けられたステアリングコラムに過大荷重が加わり、ステアリングコラムが車体前方に押されると、カプセルの一部が切断されることでステアリングコラムが車体前方に移動して、運転者(操作者)をステアリングホイールの突き上げ(2次衝突)から保護するようになっている技術が記載されている。
特開2007−69800号公報
特許文献1に記載の技術のようにステアリングコラムがカプセルを介して車体に取り付けられている場合、カプセルが切断されるとステアリングコラムが落下する。このため、体重の軽い操作者を2次衝突からより保護するために、ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げた場合、誤動作によるステアリングコラムの落下が起こりやすくなる。誤動作によってステアリングコラムが落下すると、以後ステアリング操作を行うことが困難になる。このため、離脱荷重の設定値を下げることが困難であった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであって、ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によるステアリングコラムの落下を抑制できるステアリング装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明に係るステアリング装置は、ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持し、第1孔が開けられた筒状のインナーコラムと、前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状であって、前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いたスリットを有するアウターコラムと、車体側部材に固定され、前記アウターコラムを支持し、板材であるテレスコ摩擦板と共に前記アウターコラムを締め付けるアウターコラムブラケットと、前記テレスコ摩擦板および前記アウターコラムブラケットを貫通し、前記テレスコ摩擦板を支持するロッドと、前記テレスコ摩擦板に支持され、少なくとも前記インナーコラムとの連結面に低摩擦材を被覆し、第2孔が開けられたインナーコラムブラケットと、前記第1孔と前記第2孔とに跨る位置にあって、前記インナーコラムおよび前記インナーコラムブラケットを離脱可能に連結するシェアピンと、を備えることを特徴とする。
これにより、本発明に係るステアリング装置において、ステアリングホイールに過大荷重が加えられると、当該荷重は、入力軸を介してインナーコラムに伝わることで、インナーコラムを前方に移動させる。一方、テレスコ摩擦板に支持されているインナーコラムブラケットは移動しない。このため、シェアピンにせん断力が加わるので、当該荷重がシェアピンの許容せん断力を超える場合、シェアピンは切断される。シェアピンが切断されると、インナーコラムとインナーコラムブラケットとの連結が解除される。インナーコラムとインナーコラムブラケットとの連結が解除されると、インナーコラムは、インナーコラムとアウターコラムとの間に生じている摩擦力によって軸方向に支持される状態となる。このため、ステアリングコラムのうちインナーコラムが車体前方に移動することができるようになる。また、シェアピンが切断されても、アウターコラムは、車体側部材に固定されたアウターコラムブラケットによって支持されたままである。また、インナーコラムは、アウターコラムによって支持されたままである。このため、シェアピンが切断されても、ステアリングコラムは落下しない。よって、本発明に係るステアリング装置は、ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によるステアリングコラムの落下を抑制できる。
さらに、2次衝突時にインナーコラムブラケットの前記インナーコラムとの連結面に低摩擦材を被覆し衝撃吸収する。これにより、インナーコラムが車体前方に移動する際にインナーコラムブラケットとの摩擦抵抗を抑制できる。このため、2次衝突時の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。したがって、本発明に係るステアリング装置は、インナーコラムブラケットとインナーコラムの摩擦抵抗による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本発明の望ましい態様として、インナーコラムとの連結面の後端にガイド斜面を有することが望ましい。
これにより、2次衝突時にインナーコラムブラケットの前記インナーコラムとの連結面にガイド斜面を設けて衝撃吸収する。これにより、インナーコラムが車体前方に移動する際にインナーコラムブラケットとの干渉が生じても、エッジ当たりによりインナーコラムブラケットがインナーコラムに食い付くことを抑制さできる。このため、2次衝突時の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。したがって、本発明に係るステアリング装置は、インナーコラムブラケットとインナーコラムとの干渉による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本発明の望ましい態様として、2次衝突時にテレスコ摩擦板が回転すると、回転止めがテレスコ摩擦板に接触することが好ましい。
これにより、テレスコ摩擦板の回転が規制されるので、テレスコ摩擦板と連結されているインナーコラムブラケットの回転が規制される。このため、インナーコラムブラケットがインナーコラムに接触しにくくなるので、インナーコラムの前方への移動がインナーコラムブラケットに妨げられにくくなる。したがって、本発明に係るステアリング装置は、インナーコラムブラケットの回転による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本発明の望ましい態様として、2次衝突が生じる前、前記回転止めは、前記テレスコ摩擦板との間に隙間を空けて配置されていることが好ましい。
これにより、通常時においてはテレスコ摩擦板と回転止めとが干渉していないため、テレスコ位置の調整が回転止めによって阻害されない。したがって、ステアリング装置は、2次衝突時にはインナーコラムブラケットの回転による衝撃吸収能力の低下を抑制でき、且つ通常時にはテレスコ位置の調整を滑らかにできる。
本発明の望ましい態様として、前記テレスコ摩擦板は、前記アウターコラムの両側に配置され、前記回転止めは、前記テレスコ摩擦板が前記ロッドを中心に回転すると、前記アウターコラムの両側にある前記テレスコ摩擦板のそれぞれに接することが好ましい。
これにより、インナーコラムブラケットの回転が、アウターコラムの両側から規制される。したがって、回転規制部がアウターコラムの片側だけに設けられている場合に比較して、インナーコラムブラケットの回転がより規制されやすくなる。
本発明の望ましい態様として、前記回転止めは、前記アウターコラムと一体に設けられることが好ましい。
これにより、ステアリング装置は、インナーコラムブラケットの回転による衝撃吸収能力の低下を抑制でき、且つ部品点数の増大を防ぐことができる。また、アウターコラムと一体であることにより、回転止めの剛性を高めることができる。
本発明の望ましい態様として、前記回転止めは、前記スリットよりも後方に位置し、且つ前記インナーコラムを全周に亘って囲む環状部材であることが好ましい。
これにより、締め付け時のアウターコラムの変形が、スリットの後方端部に集中しにくくなる。すなわち、締め付け時のアウターコラムの変形が、ロッドの前方側と後方側とで均等になりやすくなる。このため、締め付け時におけるインナーコラムとアウターコラムとの摩擦力の設定が容易になる。
本発明によれば、ステアリングコラムが車体前方に移動する離脱荷重の設定値を下げても、誤動作によるステアリングコラムの落下を抑制できるステアリング装置を提供することができる。
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の周辺を模式的に示す図である。 図2は、本実施形態に係るステアリング装置の側面図である。 図3は、本実施形態に係るステアリング装置の平面図である。 図4は、本実施形態に係るステアリング装置を車体上方側から見た斜視図である。 図5は、図2におけるA−A断面図である。 図6は、図2におけるB−B断面図である。 図7は、本実施形態に係るアウターコラムブラケットの周辺を車体前方側から見た斜視図である。 図8は、本実施形態に係るアウターコラムを車体上方側から見た斜視図である。 図9は、本実施形態に係るアウターコラムを車体下方側から見た斜視図である。 図10は、図2におけるC−C断面図である。 図11は、図4のうちストッパーの周辺を拡大して示す図である。 図12は、図2におけるD−D断面図である。 図13は、図3におけるE−E断面図である。 図14は、図13のうちインナーコラムブラケットの周辺を拡大して示す図である。 図15は、図14におけるF矢視図である。 図16は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットの斜視図である。 図17は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットのインナーコラムとの接触面を上面にした斜視図である。 図18は、図14のうちシェアピンの周辺を拡大して示す図である。 図19は、図17においてシェアピンのみを側面図として示す図である。 図20は、切断された後のシェアピンの状態を説明するための図である。 図21は、比較例について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示すグラフである。 図22は、本実施形態について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。 図23は、2次衝突時のテレスコ摩擦板の動作を説明する説明図である。 図24は、図2のうち回転止めの周辺を拡大して示す図である。 図245、図6のうち回転止めの周辺を拡大して示す図である。
本発明を実施するための形態(実施形態)につき、図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の実施形態に記載した内容により本発明が限定されるものではない。また、以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。
(実施形態)
図1は、本実施形態に係るステアリング装置の周辺を模式的に示す図である。図2は、本実施形態に係るステアリング装置の側面図である。図3は、本実施形態に係るステアリング装置の平面図である。図4は、本実施形態に係るステアリング装置を車体上方側から見た斜視図である。以下の説明において、ステアリング装置100を車体VBに取り付けた場合の車体VBの前方は、単に前方Dfと記載され、ステアリング装置100を車体VBに取り付けた場合の車体VBの後方は、単に後方Dbと記載される。また、ステアリング装置100を車体VBに取り付けた場合の車体VBの上方は、単に上方と記載され、ステアリング装置100を車体VBに取り付けた場合の車体VBの下方は、単に下方と記載される。図2において、図中の左側が前方Dfであり、図中の右側が後方Dbであり、図中の上側が上方であり、図中の下側が下方である。
(ステアリング装置)
ステアリング装置100は、操作者から与えられる力が伝達する順に、ステアリングホイール14と、ステアリングシャフト15と、ユニバーサルジョイント16と、ロアシャフト17と、ユニバーサルジョイント18と、を備え、ピニオンシャフト19と接合している。
ステアリングシャフト15は、入力軸151と、出力軸152とを含む。入力軸151は、一方の端部がステアリングホイール14に連結され、他方の端部が出力軸152に連結される。例えば、入力軸151の表面には樹脂コーティングが施されている。これにより、入力軸151は樹脂を介して出力軸152に連結されている。出力軸152は、一方の端部が入力軸151に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント16に連結される。本実施形態では、入力軸151及び出力軸152は、機械構造用炭素鋼(SC材)、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)または冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等から形成される。
ロアシャフト17は、一方の端部がユニバーサルジョイント16に連結され、他方の端部がユニバーサルジョイント18に連結される。ピニオンシャフト19は、一方の端部がユニバーサルジョイント18に連結される。
また、ステアリング装置100は、入力軸151が回転中心軸Zrを中心に回転可能に支持する筒状のインナーコラム51と、インナーコラム51の少なくとも一部が内側に挿入される筒状のアウターコラム54と、を含むステアリングコラム5を備える。インナーコラム51は、アウターコラム54よりも後方Dbに配置されている。例えば、インナーコラム51およびアウターコラム54は、機械構造用炭素鋼鋼管(STKM材)またはダイカスト用アルミニウム合金(ADC材)等で形成される。
ステアリング装置100は、車体側部材13に固定されてアウターコラム54を支持するアウターコラムブラケット52を備える。アウターコラムブラケット52は、冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等で形成される。アウターコラムブラケット5は、車体側部材13に固定される取付板部522と、取付板部522に一体に形成された枠状支持部521と、を備えている。アウターコラムブラケット52の取付板部522は、図3および図4に示すように取付孔522hを有しており、取付孔522hおよびボルト等の固定部材を用いて車体側部材13に固定される。アウターコラムブラケット52の枠状支持部521は、アウターコラム54の両側に配置され、アウターコラム54を締め付けている。また、枠状支持部521には、車体VBの上下方向に長い長穴であるチルト調整孔521hが設けられている。
また、アウターコラム54は、前方端部に設けられるピボットブラケット55を有する。ピボットブラケット55は、回転軸551を中心として回転可能に車体側部材12に支持されている。回転軸551は、例えば水平方向に平行である。これにより、アウターコラム54は、鉛直方向に揺動可能に支持されている。
図5は、図2におけるA−A断面図である。図5に示すように、アウターコラム54は、2つのロッド貫通部31と、第1スリット541と、第2スリット542を有する。ロッド貫通部31は、例えばインナーコラム51の外壁から下方に突出する部材であり、丸孔であるロッド貫通孔31hを有する。2つのロッド貫通部31が有するそれぞれのロッド貫通孔31hは、第1スリット541を挟んで対向している。また、ロッド貫通部31の一部は、枠状支持部521と対向している。ロッド33は、2つのロッド貫通孔31hを貫通すると共に枠状支持部521のチルト調整孔521hを貫通し、操作レバー53と連結されている。
第1スリット541は、アウターコラム54のうちインナーコラム51の挿入側の一端を切り欠いた長穴である。第1スリット541は、2つのロッド貫通部31の間の位置に設けられている。アウターコラム54は、第1スリット541を有するので、締め付けられると内径が小さくなる。これにより、アウターコラム54が締め付けられている状態では、アウターコラム54がインナーコラム51を覆う部分において、アウターコラム54の内壁とインナーコラム51の外壁とは接触している。このため、アウターコラム54とインナーコラム51との間に摩擦力が生じている。例えば本実施形態においては、インナーコラム51の外壁にアウターコラム54との摩擦を低減するための低摩擦材によるコーティングが施されている。
図5に示すように、ステアリング装置100は、ステアリングコラム5に対する締付保持力を強固にするために、第1テレスコ摩擦板21と、第2テレスコ摩擦板22と、を有する。例えば、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22は、冷間圧延鋼板(SPCC材)等の一般的な鋼材等で形成される。第1テレスコ摩擦板21は、回転中心軸Zr方向を長手方向とする長穴であるテレスコ調整孔21hを有する板状部材である。第1テレスコ摩擦板21は、例えばアウターコラム54の両側に配置されている。より具体的には、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521とロッド貫通部31との間の位置に2つずつ重ねて配置される。第2テレスコ摩擦板22は、例えば、板材を曲げて形成された部材であって、回転中心軸Zr方向から見て略U字形状である。第2テレスコ摩擦板22は、2つの第1テレスコ摩擦板21の間に配置される2つの摩擦部221と、2つの摩擦部221を連結する連結部222と、連結部222に設けられる屈曲部223とを含む。
摩擦部221は、丸孔であるロッド貫通孔22hを有する。ロッド33は、テレスコ調整孔21hおよびロッド貫通孔22hを貫通している。連結部222が2つの摩擦部221を連結して一体にしているので、摩擦部221を2つの第1テレスコ摩擦板21の間に配置する作業が容易になる。また、連結部222は、屈曲部223を有することで、たわんだ状態を保つことができる。これにより、連結部222は、アウターコラムブラケット52の締め付け状態が変化して2つの摩擦部221同士の距離が変化した場合でも、摩擦部221を引っ張りにくくなっている。このため、摩擦部221が連結部222に引っ張られることによって摩擦部221と第1テレスコ摩擦板21との間に隙間が生じる可能性が低減される。
なお、第1テレスコ摩擦板21は、必ずしも枠状支持部521とロッド貫通部31との間の位置に配置されていなくてもよい。例えば、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521の外側に配置されていてもよい。すなわち、第1テレスコ摩擦板21は、枠状支持部521を挟んでロッド貫通部31と反対側に配置されていてもよい。
枠状支持部521が締め付けられると、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22の摩擦部221は、枠状支持部521によってアウターコラム54のロッド貫通部31に押し付けられる。これにより、枠状支持部521と第1テレスコ摩擦板21との間、第1テレスコ摩擦板21と第2テレスコ摩擦板22の摩擦部221との間、第1テレスコ摩擦板21とロッド貫通部31との間においてそれぞれ摩擦力が生じる。このため、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22がない場合に比較して、摩擦力が生じる面が増加する。枠状支持部521は、第1テレスコ摩擦板21および第2テレスコ摩擦板22によってより強固にアウターコラム54を締め付けることができる。
操作レバー53が回転させられると、枠状支持部521に対する締め付け力が緩められ、枠状支持部521とアウターコラム54との間の摩擦力がなくなるまたは小さくなる。これにより、アウターコラム54のチルト位置の調整が可能となる。本実施形態において、ステアリング装置100は、図4に示すように第1バネ56と、第2バネ57と、を備える。第1バネ56および第2バネ57は、例えばコイルバネである。第1バネ56の一端は取付板部522に取り付けられ、第1バネ56の他端はアウターコラム54に取り付けられている。第1バネ56は、チルト調整時におけるステアリングコラム5の上下動を補助するとともに、ステアリングコラム5の落下を抑制している。第2バネ57の一端は取付板部522に取り付けられ、第2バネ57の他端は操作レバー53に取り付けられている。第2バネ57は、操作レバー53を介してロッド33に予圧を加えている。具体的には、第2バネ57は、チルト調整孔521hの長手方向に対して交差する方向の予圧をロッド33に加えている。これにより、チルト調整時におけるロッド33のガタツキが抑制される。
また、操作レバー53が回転させられると、枠状支持部521に対する締め付け力が緩められ、アウターコラム54の第1スリット541の幅が大きくなる。これにより、アウターコラム54がインナーコラム51を締め付ける力がなくなるため、インナーコラム51が摺動する際の摩擦力がなくなる。これにより、操作者は、操作レバー53を回転させた後、ステアリングホイール14を介してインナーコラム51を押し引きすることで、テレスコ位置を調整することができる。
図6は、図2におけるB−B断面図である。図7は、本実施形態に係るアウターコラムブラケットの周辺を車体前方側から見た斜視図である。図8は、本実施形態に係るアウターコラムを車体上方側から見た斜視図である。図9は、本実施形態に係るアウターコラムを車体下方側から見た斜視図である。図6〜図9に示すように、ステアリング装置100は、回転止め543を備える。
回転止め543は、例えばアウターコラム54と一体に形成されており、アウターコラム54の後方端部に配置されている。回転止め543は、インナーコラム51を周方向の全周に亘って覆う環状部材である。図8および図9に示すように、回転止め543は、ロッド貫通部31および第1スリット541よりも後方Dbに位置している。第1スリット541よりも後方Dbに環状の回転止め543が配置されていることで、第1スリット541は両端を閉じられた長穴になっている。これにより、締め付け時のアウターコラム54の変形が、第1スリット541の後方端部に集中しにくくなる。すなわち、締め付け時のアウターコラム54の変形が、ロッド33の前方Df側と後方Db側とで均等になりやすくなる。このため、締め付け時におけるインナーコラム51とアウターコラム54との摩擦力の設定が容易になる。
図8および図9に示すように、ロッド貫通部31と回転止め543との間には、アウターコラム54の周方向に沿った溝である第3スリット547が設けられている。第3スリット547は、ロッド貫通部31と回転止め543とを分断することで、締め付け時のロッド貫通部31の変位を容易にしている。このため、アウターコラム54がインナーコラム51を締め付けるために必要となる力が小さくなる。したがって、締め付け時の操作レバー53の操作が容易になる。
より具体的には、回転止め543は、図6に示すように基部546と、ブリッジ部544と、回転規制部545と、を備える。基部546は、例えばインナーコラム51の上方側を覆う部材である。回転中心軸Zr方向で見て、基部546は略U字形状であり、基部546の両側面は枠状支持部521の内側に接している。ロッド33の軸方向での基部546の幅は、対向する2つの枠状支持部521間の距離に略等しい。ブリッジ部544は、例えばインナーコラム51の下方側を覆う部材であって、基部546の端部同士を連結している。回転中心軸Zr方向で見て、ブリッジ部544は略U字形状であって、インナーコラム51に対して隙間を空けて対向している。ロッド33の軸方向でのブリッジ部544の幅は、基部546の幅よりも小さい。これにより、基部546の下方側端部には、段差部としての回転規制部545がアウターコラム54の両側に形成されている。回転規制部545は、第1テレスコ摩擦板21の上方端部212に対して隙間を空けて対向している。このように、通常時においては第1テレスコ摩擦板21と回転止め543とが干渉していないため、テレスコ位置の調整が回転止め543によって阻害されない。
ブリッジ部544は、基部546の端部同士を連結し且つ第1スリット541の後方Dbに位置している。すなわち、ブリッジ部544が第1スリット541の開口を塞いでいる。これにより、アウターコラム54に対してインナーコラム51が摺動するときの、第1スリット541への異物の進入が抑制される。また、ブリッジ部544により基部546の端部同士が連結されていることにより、締め付け時の基部546の変形量がブリッジ部544の両側で均等になりやすくなる。
なお、回転止め543は、必ずしもアウターコラム54と一体に形成されていなくてもよく、例えばアウターコラム54の後方端部に別部材として取り付けられていてもよい。また、仮にステアリング装置100がチルト調整機能を有さない場合、回転止め543は、枠状支持部521のアウターコラム54に対向する表面(内側表面)から突出する突起として設けられてもよい。また、ブリッジ部544は、必ずしも回転止め543の一部として設けられていなくてもよく、回転止め543とは異なる位置に配置されていてもよい。さらに、ブリッジ部544はなくてもよい。
図10は、図2におけるC−C断面図である。図11は、図4のうちストッパーの周辺を拡大して示す図である。図10および図11に示すように、ステアリング装置100は、ストッパー7を備える。ストッパー7は、インナーコラム51のうち第2スリット542で露出する位置に取り付けられている。
ストッパー7は、例えば、ボルト71と、当て板72と、座金73と、スペーサー74と、通電プレート75と、を備える。当て板72は、円筒状の突起部を備えた金属製の板状部材である。当て板72の円筒状の突起部が、インナーコラム51のうち第2スリット542で露出する位置に設けられた貫通孔に対してインナーコラム51の内側から嵌め込まれている。当て板72は、円筒状の突起部の内壁に雌ネジを有する。ボルト71は、当て板72の雌ネジに締結される。座金73は、ボルト71のボルト頭部と当て板72との間に配置されている。座金73の底面は、インナーコラム51の外壁の形状に沿う形状となっている。これにより、ボルト71の姿勢が安定する。スペーサー74は、第2スリット542の内壁とボルト71との隙間および第2スリット542の内壁と当て板72との隙間を埋めるための部材である。スペーサー74は、例えば貫通孔を備える樹脂製部材である。ボルト71および当て板72がスペーサー74の貫通孔の内側に配置されている。通電プレート75は、例えば金属製の板状部材である。通電プレート75は、例えばボルト71の頭部とスペーサー74に挟まれて固定され、且つアウターコラム54に接している。これにより、インナーコラム51は、当て板72、ボルト71および通電プレート75を介してアウターコラム54と通電状態となっている。本実施形態において、例えばホーンのためにボディアースを行う場合、入力軸151から車体VB側に電気を流す必要がある。しかし、入力軸151が樹脂コーティングを介して出力軸152に連結されているので、入力軸151から出力軸152へ電気が流れない。また、インナーコラム51の外壁に低摩擦材によるコーティングが施されているので、インナーコラム51の外壁からアウターコラム54には電気が流れない。そこで、本実施形態においては、入力軸151からインナーコラム51に伝達した電気をアウターコラム54に流す機能をストッパー7が担っている。
ストッパー7は、インナーコラム51に取り付けられており、テレスコ調整が行われる際には第2スリット542の内壁に対向した状態で摺動することができる。スペーサー74が樹脂製であることにより、ストッパー7は、第2スリット542に対して滑らかに摺動する。ストッパー7は、テレスコ位置の調整時に第2スリット542の後方端部である第2端部内壁542eに接することで、テレスコ位置の調整範囲を規制している。また、スペーサー74が第2スリット542の内壁に接することで、ストッパー7は、回転中心軸Zrを中心としたインナーコラム51の回転を抑制している。
図12は、図2におけるD−D断面図である。図13は、図3におけるE−E断面図である。図14は、図13のうちインナーコラムブラケットの周辺を拡大して示す図である。図15は、図14におけるF矢視図である。図16は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットの斜視図である。図17は、本実施形態に係るインナーコラムブラケットのインナーコラムとの接触面を上面にした斜視図である。ステアリング装置100は、例えばアルミニウム合金または鋼材等の金属で形成されたインナーコラムブラケット4を備える。例えば、図14に示すように、インナーコラムブラケット4は、インナーコラム51の下方に配置されている。図16に示すように、インナーコラムブラケット4は、例えば、腕部41と、差込部42と、首部44と、脚部43と、を含む。腕部41は、図15に示すように、アウターコラム54の両側で対向する2組の第1テレスコ摩擦板21を接続する棒状の部分である。差込部42は、腕部41の両端に設けられ、第1テレスコ摩擦板21に設けられた孔に差し込まれる部分である。差込部42は、腕部41よりも細く形成されている。首部44は、腕部41の一部から腕部41の長手方向に対して直交方向に向かって突出する部分である。脚部43は、首部44の腕部41とは反対側の端部に設けられる板状の部分であって、インナーコラム51に接触している。図16、図17に示すように、脚部43のインナーコラム側表面431は、インナーコラム51の外壁の形状に沿った形状にされ、低摩擦材C(例えば金属石鹸処理、ポリアミド樹脂、ポリ四フッ化エチレン樹脂等)を被覆している。脚部43は、例えば、インナーコラム51に対向する表面とは反対側の表面に円形の凹部45を2つ備える。脚部43の後端にはガイド斜面432を備える。また、図14に示すように、テレスコ位置によっては、インナーコラムブラケット4の後方端部49がロッド33よりも後方Dbに位置する。尚、低摩擦材Cはインナーコラム側表面431のみならず脚部43の全体や、インナーコラムブラケット4全体に被覆しても良い。
また、インナーコラムブラケット4は、図14に示すように、切欠き部46と、凹部48と、貫通孔47と、を備える。切欠き部46は、インナーコラムブラケット4の前方端部でインナーコラム51に対向する表面に形成された切欠きである。凹部48は、例えば切欠き部46の底部に形成された略直方体状の窪みである。貫通孔47は、凹部48の底部に設けられており、腕部41をインナーコラム51の径方向に貫通している。切欠き部46、凹部48および貫通孔47には、ダンパー9が配置される。
インナーコラムブラケット4は、図15に示すように、アウターコラム54の両側に配置された第1テレスコ摩擦板21に連結されている。インナーコラムブラケット4は、差込部42が第1テレスコ摩擦板21に設けられた孔に差し込まれることによって、第1テレスコ摩擦板21に支持されている。また、アウターコラム54の両側に配置される第1テレスコ摩擦板21は、インナーコラムブラケット4の腕部41を挟んで対向している。また、インナーコラムブラケット4は、脚部43でインナーコラム51に連結されている。
インナーコラムブラケット4とインナーコラム51とを離脱可能に連結するため、図14に示すようにインナーコラム51には第1孔51hが開けられ、脚部43の凹部45の底面には第2孔43hが開けられている。第1孔51hと第2孔43hとは、連通している。例えば本実施形態において、第1孔51hおよび第2孔43hは、それぞれ2つずつ設けられており、内周は全て同じである。第1孔51hと第2孔43hとに跨る位置にシェアピン8が挿入されることで、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51とが離脱可能に連結されている。また、第1孔51hおよび第2孔43hは、アウターコラム54の両側に配置されたそれぞれの第1テレスコ摩擦板21からの距離が等しい位置に配置される。
また、インナーコラムブラケット4は、少なくとも一部がアウターコラム54の第1スリット541に嵌まるように配置されている。具体的には、インナーコラムブラケット4の脚部43が第1スリット541の内壁に対向するように嵌まっている。
インナーコラムブラケット4は、インナーコラム51に取り付けられており、テレスコ調整が行われる際には第1スリット541の内壁に対向した状態で摺動することができる。インナーコラムブラケット4は、テレスコ位置の調整時に第1スリット541の前方端部の内壁である第1端部内壁541eに接することで、テレスコ位置の調整範囲を規制している。また、図13に示すように、ストッパー7から第2スリット542の前方端部までの距離が、インナーコラムブラケット4から第1端部内壁541eまでの距離よりも長くなっている。これにより、インナーコラムブラケット4がインナーコラム51から離脱した後において、インナーコラム51の前方Dfへの移動量(ストローク量)が所定量以
上に確保される。したがって、本実施形態においては、テレスコ位置の前方Dfの限界がインナーコラムブラケット4および第1端部内壁541eで規制されており、テレスコ位置の後方Dbの限界がストッパー7および第2端部内壁542eで規制されている。
図18は、図14のうちシェアピンの周辺を拡大して示す図である。図19は、図18においてシェアピンのみを側面図として示す図である。本実施形態において、シェアピン8は、アウターピン81と、インナーピン82と、を備える。アウターピン81およびインナーピン82は、例えばポリアセタール等の樹脂で形成されている。
図18に示すように、アウターピン81は、第1孔51hおよび第2孔43hを貫通する筒状の部材である。アウターピン81は、例えば、本体部811と、抜止部812と、フランジ部813と、ガイド孔81hと、を備える。本体部811は、円筒状であって、第1孔51hおよび第2孔43hを貫通している。抜止部812は、本体部811の一端に設けられ、インナーコラム51の内側に位置している。抜止部812は、円筒状であって、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、抜止部812がインナーコラム51の内壁に接するので、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hから抜け落ちにくくなる。フランジ部813は、本体部811の他端に設けられ、インナーコラム51の径方向で第2孔43hよりも外側に位置している。フランジ部813は、例えば円盤状であって、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、フランジ部813が凹部45の底面に接するので、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hから抜け落ちにくくなる。ガイド孔81hは、フランジ部813から抜止部812までを貫通する貫通孔である。
本実施形態において、アウターピン81は、圧入により第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されている。アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されることで、第1孔51hおよび第2孔43hが位置決めされる。例えば、抜止部812が第2孔43h側から第1孔51hおよび第2孔43hに挿入される。抜止部812は、本体部811とは反対側の端部81eにおける外周が第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも小さくなるように形成されている。これにより、抜止部812は、第2孔43hに挿入しやすくなっている。
なお、アウターピン81は、第1孔51h側から第1孔51hおよび第2孔43hに挿入されてもよい。また、アウターピン81は、本体部811の外壁にリブ等を設けた上で圧入されてもよい。
図19に示すように、アウターピン81は、抜止部812からフランジ部813に向かって設けられるノッチ81sを1つ備える。抜止部812が第2孔43hに挿入されると、アウターピン81の周方向におけるノッチ81sの幅dsが小さくなることで、抜止部812の外周が小さくなる。これにより、抜止部812は、第1孔51hおよび第2孔43hを通過しやすくなっている。以下の説明において、アウターピン81の周方向におけるノッチ81sの幅dsは、単にノッチ81sの幅dsと記載される。
なお、アウターピン81は、ノッチ81sを複数備えていてもよい。ノッチ81sが複数である場合、複数のノッチ81sは、アウターピン81の周方向で等間隔に配置されることが好ましい。
アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hを貫通する前の状態において、本体部811の外周は、第1孔51hの内周および第2孔43hの内周よりも大きい。そして、アウターピン81が第1孔51hおよび第2孔43hを貫通している状態において、本体部811が弾性変形することで、本体部811の外周が第1孔51hの内周および第2孔43hの内周に等しくなっている。これにより、本体部811が第1孔51hの内壁および第2孔43hの内壁を押している。このため、本体部811と第1孔51hの内壁との間の隙間および本体部811と第2孔43hの内壁との間の隙間が生じにくくなっている。これにより、アウターピン81のガタつきが抑制されている。
インナーピン82は、アウターピン81のガイド孔81hに挿入される部材である。インナーピン82は、例えば、胴体部821と、大径部822と、を備える。胴体部821は、円柱状であってガイド孔81hを貫通している。大径部822は、胴体部821の両端に設けられて、ガイド孔81hの外部に位置している。大径部822は、ガイド孔81hの内周よりも大きな外周を有する。これにより、大径部822がガイド孔81hの両端の縁に接するので、インナーピン82がアウターピン81から抜け落ちにくくなる。
なお、ガイド孔81hは、端部に内周を拡大した段差部を備えていてもよい。この場合、大径部822が段差部の縁に接するので、インナーピン82がガイド孔81hの端部から突出しにくくなる。
本実施形態において、インナーピン82は、圧入によりガイド孔81hに挿入されている。例えば、大径部822がフランジ部813側からガイド孔81hに挿入される。大径部822は、胴体部821とは反対側の端部82eにおける外周がアウターピン81の内周よりも小さくなるように形成されている。これにより、大径部822は、ガイド孔81hに挿入しやすくなっている。また、インナーピン82は、両端に同じ大径部822を備えているので、どちらの端部からでもガイド孔81hに挿入することができる。これにより、シェアピン8の組み立てが容易になっている。
インナーピン82がガイド孔81hに挿入される前の状態において、胴体部821の外周は、ガイド孔81hの内周よりも大きい。そして、胴体部821がガイド孔81hを貫通している状態において、胴体部821が弾性変形することで、胴体部821の外周がガイド孔81hの内周に等しくなっている。これにより、胴体部821がガイド孔81hの内壁を径方向外側に押している。このため、胴体部821とガイド孔81hの内壁との間の隙間が生じにくくなっている。これにより、インナーピン82のガタつきが抑制されている。
胴体部821がガイド孔81hの内壁を径方向外側に押すことで、ノッチ81sの幅dsを拡げる力がアウターピン81に作用する。これにより、アウターピン81と第1孔51hの内壁および第2孔43hの内壁との間に生じる摩擦力が大きくなる。さらに、抜止部812におけるノッチ81sの幅dsが大きくなるので、抜止部812の外周が大きくなる。このため、アウターピン81とインナーピン82とが一体となったシェアピン8は、第1孔51hおよび第2孔43hに跨る位置に固定され、インナーコラム51およびインナーコラムブラケット4を連結している。
ステアリング装置100は、アウターピン81によって第1孔51hおよび第2孔43hの位置決めをした後にインナーピン82を挿入して組み立てられるので、容易に組み立てることができる。
また、本実施形態に係るステアリング装置100は、第1孔51hおよび第2孔43hにシェアピン8を用いることで、樹脂部材を第1孔51hおよび第2孔43hに充填する場合に比較して、樹脂部材を充填するための装置および樹脂部材を受けるための部材が不要となる。このため、本実施形態に係るステアリング装置100は、組み立てを容易にすることができる。
なお、図18に示すように、凹部45の深さd1は、シェアピン8の第2孔43hから突出する部分の長さd2以上であることが好ましい。これにより、シェアピン8がインナーコラムブラケット4の表面よりも突出しなくなる。このため、シェアピン8が外力によって破損する可能性が低減される。
ステアリングホイール14に過大荷重が加えられると、当該荷重は、入力軸151を介してインナーコラム51に伝わることで、インナーコラム51を前方Dfに移動させる。一方、第1テレスコ摩擦板21に支持されているインナーコラムブラケット4は移動しない。このため、シェアピン8にせん断力が加わるので、当該荷重がシェアピン8の許容せん断力を超える場合、シェアピン8は切断される。シェアピン8が切断されると、インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除される。インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除されると、インナーコラム51は、インナーコラム51とアウターコラム54との間に生じている摩擦力によって軸方向に支持される状態となる。よって、操作者がステアリングホール14に衝突して過大荷重が加わった場合、過大荷重が加わった直後にインナーコラム51を移動させるための力が低減し衝撃を吸収する。
また、シェアピン8が切断されても、アウターコラム54は、車体側部材13に固定されたアウターコラムブラケット52によって支持されたままである。また、インナーコラム51は、アウターコラム54によって支持されたままである。このため、シェアピン8が切断されても、ステアリングコラム5は落下しない。
図20は、切断された後のシェアピンの状態を説明するための図である。図20に示すように、シェアピン8は切断面BKで切断される。切断面BKは、シェアピン8のうち第1孔51hおよび第2孔43hに跨る部分に生じる。図20で示す断面において、切断面BKは、インナーコラム51の外壁の延長線上、すなわち脚部43のインナーコラム側表面431の延長線上に位置している。アウターピン81は本体部811で切断され、インナーピン82は胴体部821で切断される。このため、シェアピン8の許容せん断力は、切断面BKにおける本体部811の断面積および胴体部821の断面積に依存する。
図19に示すように、フランジ部813からノッチ81sの先端81sbまでの距離d3は、フランジ部813からインナーコラム51の外壁までの距離d4よりも大きいことが好ましい。これにより、シェアピン8が切断する時の切断面BKにノッチ81sが含まれなくなる。このため、切断面BKにおける本体部811の断面にノッチ81s分の欠損部分がなくなるので、シェアピン8の許容せん断力のバラつきが抑制される。
また、シェアピン8が切断された後において、インナーコラム51が軸方向に対して真っ直ぐ移動することが望ましい。インナーコラム51の移動する方向がアウターコラム54の軸方向に対して角度をなす方向である場合、インナーコラム51の移動が妨げられる可能性またはインナーコラム51とアウターコラム54との間に生じる摩擦力が所定値よりも大きくなる可能性が高くなるためである。
本実施形態において、インナーコラムブラケット4は、図15に示したようにアウターコラム54の両側に配置された第1テレスコ摩擦板21に接合されている。これにより、インナーコラムブラケット4に軸方向荷重が加わったとき、インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側からの締付力を受ける。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。したがって、インナーコラム51が移動を始める際の姿勢は、軸方向に対して真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラム51が軸方向に対して真っ直ぐ移動しやすくなる。
また、図14および図15に示すように、第1孔51hおよび第2孔43hは、それぞれ2つずつ軸方向で異なる位置に設けられている。このため、シェアピン8は、軸方向で異なる位置に2つ配置されている。仮に、第1孔51hおよび第2孔43hがそれぞれ1つずつ設けられる場合、すなわちシェアピン8が1つ配置される場合には、インナーコラムブラケット4がシェアピン8を中心に回転する可能性がある。これに対して、本実施形態においては、シェアピン8が軸方向で異なる位置に2つ配置されていることにより、インナーコラムブラケット4の回転が抑制される。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢がより安定する。
また、第1孔51hおよび第2孔43hは、インナーコラムブラケット4を挟んだ両側で対向する第1テレスコ摩擦板21からの距離が等しい位置に配置されている。これにより、インナーコラムブラケット4に軸方向荷重が加わったとき、インナーコラムブラケット4は、アウターコラム54の両側からの締付力をより均等に受けるので、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。したがって、インナーコラム51が移動を始める際の姿勢は、軸方向に対してより真っ直ぐに保たれやすくなる。よって、インナーコラム51が軸方向に対してより真っ直ぐ移動しやすくなる。
また、仮にインナーコラムブラケット4が、アウターコラム54の両側からの締付力を均等に受けることができなかった場合であっても、ストッパー7が第2スリット542に嵌まっているので、インナーコラム51は、第2スリット542の長手方向すなわち軸方向に案内される。このため、シェアピン8が切断されるときのインナーコラムブラケット4の姿勢が安定する。
なお、シェアピン8の許容せん断力は、第1孔51hおよび第2孔43hの個数、第1孔51hおよび第2孔43hの断面積、シェアピン8の材料を変更することで調節することができる。例えば、第1孔51hおよび第2孔43hの個数は、それぞれ1個でもよいし3個以上であってもよい。また、シェアピン8は、例えば、非鉄金属を含む金属、またはゴム等で形成されていてもよい。
なお、シェアピン8は、必ずしも上述したアウターピン81およびインナーピン82で構成されていなくてもよい。例えば、シェアピン8は、第1孔51hおよび第2孔43hに跨る位置に充填された樹脂等が固まることによって形成されていてもよい。
図21は、比較例について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示すグラフである。図22は、本実施形態について、ステアリングコラムの変位量とステアリングコラムを移動させるために必要な荷重との関係を示す図である。図21および図22において、横軸はステアリングコラムの前方Dfへの変位量であり、縦軸はステアリングコラムを前方Dfへ移動させるために必要な荷重である。
比較例は、特許文献1に記載の技術のように、アウターコラムがカプセルを介して車体に取り付けられている場合の例である。比較例においては、アウターコラムがインナーコラムよりも後方Dbに配置されており、アウターコラムに過大荷重が加わると、アウターコラムと一体に設けられたテレスコ調整孔の端部にロッドが接触し、ブラケットを介して荷重がカプセルに伝わるようになっている。図21に示す力F2cは、カプセルの許容せん断力を示している。
比較例において、アウターコラムは、ブラケットの締め付けによってインナーコラムとの間に生じる摩擦力によって軸方向に支持されている。図21で示す力F1cは、アウターコラムを支持している当該摩擦力を示している。力F1cは、力F2cよりも小さい。通常使用において加わるような荷重によってアウターコラムが移動しないようにするために、力F1cは、所定値以上に保たれる必要がある。
比較例において、アウターコラムに力F2c以上の荷重が加わると、カプセルが切断されアウターコラムが車体から離脱する。その後、アウターコラムが、インナーコラムとの摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。しかし、上述したように、力F1cが所定値以上に保たれているので、アウターコラムの移動を滑らかにして操作者を2次衝突からより保護しやすくすることが難しい。
一方、本実施形態において、インナーコラム51は、アウターコラムブラケット52の締め付けによってアウターコラム54との間に生じる第1摩擦力と、第1テレスコ摩擦板21と第1テレスコ摩擦板21に接触する部材(アウターコラムブラケット52、第2テレスコ摩擦板22)との間に生じる第2摩擦力と、によって軸方向に支持されている。図22に示す力F1は、第1摩擦力を示しており、力F3は、第1摩擦力と第2摩擦力との和を示している。また、図22に示す力F2は、シェアピン8の許容せん断力を示している。力F2は、力F3より小さくかつ力F1よりも大きい。
本実施形態において、インナーコラム51に力F2以上の荷重が加わると、シェアピン8が切断され、インナーコラム51がインナーコラムブラケット4から離脱する。これにより、インナーコラム51と第1テレスコ摩擦板21との連結が解除されるので、上述した第2摩擦力がインナーコラム51に対して作用しなくなる。このため、シェアピン8が切断された後において、インナーコラム51は、上述した第1摩擦力で衝撃を吸収しながら軸方向に移動する。本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力を小さく設定すると、インナーコラム51の移動を滑らかにして操作者を2次衝突からより保護しやすくすることができる。
本実施形態においては、仮に第1摩擦力の設定値を小さくしたとしても、インナーコラム51を軸方向に支持するための力のうち、第1摩擦力を小さくした分を第2摩擦力が補完することができる。このため、本実施形態に係るステアリング装置100は、第1摩擦力の設定値と第2摩擦力の設定値を調節することで、通常使用において加わるような荷重によってインナーコラム51が移動することを抑制でき、かつ操作者を2次衝突からより保護しやすくすることができる。
ところで、通常使用において、操作レバー53を操作してからテレスコ調整を行う際、インナーコラムブラケット4が第1端部内壁541eに接すると、シェアピン8にはせん断力が作用する。このため、テレスコ調整時にインナーコラム51に加えられる力が過大である場合、テレスコ調整によってシェアピン8が切断される可能性がある。そこで、本実施形態に係るステアリング装置100は、上述したようにダンパー9を備える。図14に示すように、ダンパー9は、例えば合成ゴムで形成されており、インナーコラムブラケット4の前方端部に取り付けられる。より具体的には、ダンパー9は、インナーコラムブラケット4の貫通孔47を貫通してインナーコラムブラケット4に固定されている。
操作レバー53を操作してからテレスコ調整を行う際、テレスコ位置が最前方になるとダンパー9が第1端部内壁541eに接する。ダンパー9が第1端部内壁541eに接した状態でインナーコラム51に力が加えられている場合、ダンパー9には第1端部内壁541eからの反力が加わる。これにより、ダンパー9が弾性変形するので、ダンパー9に加わった力の一部はダンパー9を弾性変形させるために消費される。そして、ダンパー9に加わった力よりも小さい力がインナーコラムブラケット4へと伝達し、インナーコラムブラケット4へ伝達された力に略等しい大きさのせん断力がシェアピン8に作用する。このため、シェアピン8に作用するせん断力が、インナーコラム51に加えられた力よりも小さくなる。したがって、本実施形態に係るステアリング装置100は、テレスコ調整を行う際のシェアピン8の切断を抑制し、離脱機構を保護することができる。
図23は、2次衝突時のテレスコ摩擦板の動作を説明する説明図である。図24は、図2のうち回転止めの周辺を拡大して示す図である。図25は、図6のうち回転止めの周辺を拡大して示す図である。
図23に示すように、2次衝突時にはステアリング装置100に対して前方Df向きの力faが加わり、力faがシェアピン8に伝わることでシェアピン8が切断される。一方、シェアピン8が切断されるとき、力faの少なくとも一部がシェアピン8を介してインナーコラム51からインナーコラムブラケット4に伝わる可能性がある。また、シェアピン8が切断された後、インナーコラム51がインナーコラムブラケット4に接触しながら前方Dfに移動する可能性もある。インナーコラムブラケット4において、力の作用点はインナーコラム51との連結部分すなわち図16で示したインナーコラム側表面431であり、支持点は第1テレスコ摩擦板21との連結部分すなわち図16で示した差込部42である。図23に示すように、作用点が支持点から距離d5離れている。このため、インナーコラム51からインナーコラムブラケット4に前方Df向きの力が加わると、インナーコラムブラケット4に前方Df向きに回転させるモーメント(図23では反時計回りのモーメント)fbが生じる。モーメントfbは、インナーコラムブラケット4および第1テレスコ摩擦板21を、ロッド33を中心として一体に回転させる。
また、本実施形態で示すように第1スリット541およびインナーコラムブラケット4が下方側に配置されている場合、シェアピン8が切断された後に、インナーコラムブラケット4および第1テレスコ摩擦板21が重力によって回転する可能性がある。
仮に第1テレスコ摩擦板21の回転が規制されていない場合、2次衝突時でのテレスコ位置によっては、モーメントfbによってインナーコラムブラケット4の後方端部49が上方に移動する可能性がある。これにより、後方端部49のエッジがインナーコラム51に接触する。このため、インナーコラム51の前方Dfへの移動が妨げられる可能性がある。すなわち、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51との摩擦力が増大することにより、ステアリング装置100の衝撃吸収能力が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51が連結するインナーコラム側表面431の表面に低摩擦材Cを被覆すると共に、インナーコラム側表面431の車両後端にガイド斜面432を備える。モーメントfbが生じると、図24に示すように、第1テレスコ摩擦板21のロッド33よりも後方Dbに位置する後方端部211が上方に移動する。後方端部211が上方に移動すると、それに伴いインナーコラムブラケット4が回転し、脚部43とインナーコラム51が干渉する可能性がある。したがって、ガイド斜面432を設ける事によって、インナーコラム51が車体前方に移動する際にインナーコラムブラケット4との干渉が生じても、インナーコラムブラケット4がインナーコラム51に食い付くことを抑制できる。また、インナーコラム51が車体前方に移動する際にインナーコラムブラケット4との間に摩擦抵抗が発生する可能性がある。したがって、インナーコラム側表面431の表面に低摩擦材Cを被覆することで、摩擦抵抗を抑制することができる。このため、2次衝突時の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。したがって、本発明に係るステアリング装置は、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51の接触による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
さらに、本実施形態に係るステアリング装置100は、上述したように回転止め543を備える。モーメントfbが生じると、図24に示すように、第1テレスコ摩擦板21のロッド33よりも後方Dbに位置する後方端部211が上方に移動する。後方端部211が上方に移動すると、上方端部212が回転止め543の回転規制部545に接触する。これにより、第1テレスコ摩擦板21の回転が規制されるので、第1テレスコ摩擦板21と連結されているインナーコラムブラケット4の回転が規制される。したがって、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4の回転による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
また、上述したように回転規制部545はアウターコラム54の両側にある。これにより、第1テレスコ摩擦板21がロッド33を中心に回転すると、アウターコラム54の両側にある第1テレスコ摩擦板21のそれぞれが回転止め543の回転規制部545に接する。このため、インナーコラムブラケット4の回転が、アウターコラム54の両側から規制される。したがって、回転規制部545がアウターコラム54の片側だけに設けられている場合に比較して、インナーコラムブラケット4の回転がより規制されやすくなる。
好ましくは、シェアピン8が切断された後において、インナーコラムブラケット4の後方端部49がインナーコラム51に接触する前に上方端部212が回転規制部545に接触するのがよい。このため、図23に示す回転規制部545から上方端部212までの隙間G1の大きさは所定の大きさに設定される。より具体的には、インナーコラムブラケット4の後方端部49とインナーコラム51との間に生じ得る隙間の大きさおよびテレスコ位置の調整可能範囲に応じて、隙間G1の大きさが設定される。
上述したように、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラム51と、アウターコラム54と、アウターコラムブラケット52と、ロッド33と、インナーコラムブラケット4と、シェアピン8と、を備える。インナーコラム51は、ステアリングホイール14に連結される入力軸151を回転可能に支持し、第1孔51hが開けられた筒状の部材である。アウターコラム54は、インナーコラム51の少なくとも一部が内側に挿入される筒状であって、インナーコラム51の挿入側の一端を切り欠いた第1スリット541を有する。板材であるテレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)は、アウターコラム54を締め付ける。アウターコラムブラケット52は、車体側部材13に固定され、アウターコラム54を支持し、ロッド33は、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)およびアウターコラムブラケット52を貫通し、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)を支持する。インナーコラムブラケット4は、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)に支持され、第2孔43hが開けられている。シェアピン8は、第1孔51hと第2孔43hとに跨る位置にあって、インナーコラム51およびインナーコラムブラケット4を離脱可能に連結する。インナーコラムブラケット4は、インナーコラム51との連結面であるインナーコラム側表面431には低摩擦材が被覆され、2次衝突時にテレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)がロッド33を中心に回転してインナーコラム51とインナーコラムブラケット4が干渉して発生する摩擦抵抗を抑制できる。
これにより、本実施形態に係るステアリング装置100において、ステアリングホイール14に過大荷重が加えられると、当該荷重は、入力軸151を介してインナーコラム51に伝わることで、インナーコラム51を前方Dfに移動させる。一方、第1テレスコ摩擦板21に支持されているインナーコラムブラケット4は移動しない。このため、シェアピン8にせん断力が加わるので、当該荷重がシェアピン8の許容せん断力を超える場合、シェアピン8は切断される。シェアピン8が切断されると、インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除される。インナーコラム51とインナーコラムブラケット4との連結が解除されると、インナーコラム51は、インナーコラム51とアウターコラム54との間に生じている摩擦力によって軸方向に支持される状態となる。このため、ステアリングコラム5のうちインナーコラム51が前方Dfに移動することができるようになる。また、シェアピン8が切断されても、アウターコラム54は、車体側部材13に固定されたアウターコラムブラケット52によって支持されたままである。また、インナーコラム51は、アウターコラム54によって支持されたままである。このため、シェアピン8が切断されても、ステアリングコラム5は落下しない。よって、本実施形態に係るステアリング装置100は、ステアリングコラム5が前方Dfに移動する離脱荷重の設定値(シェアピン8の許容せん断力)を下げても、誤動作によるステアリングコラム5の落下を抑制できる。
さらに、2次衝突時にインナーコラムブラケット4のインナーコラム51との連結面であるインナーコラム側表面431に低摩擦材Cを被覆し衝撃吸収する。これにより、インナーコラム51が車体前方に移動する際にインナーコラムブラケット4との摩擦抵抗を抑制できる。このため、2次衝突時の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。したがって、本発明に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51の摩擦抵抗による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、2次衝突時にインナーコラムブラケット4のインナーコラム51との連結面であるインナーコラム側表面431の後端にガイド斜面432を設けて衝撃吸収する。これにより、インナーコラム51が車体前方に移動する際にインナーコラムブラケット4との干渉が生じても、エッジ当たりによりインナーコラムブラケット4がインナーコラム51に食い付くことを抑制できる。このため、2次衝突時の衝撃吸収をスムーズに行うことができる。したがって、本発明に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4とインナーコラム51の干渉による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、2次衝突時にテレスコ摩擦板21が回転すると、回転止め543の回転規制部545がテレスコ摩擦板21に接触する。
これにより、2次衝突時に第1テレスコ摩擦板21が回転すると、回転止め543が第1テレスコ摩擦板21に接触する。これにより、第1テレスコ摩擦板21の回転が規制されるので、第1テレスコ摩擦板21と連結されているインナーコラムブラケット4の回転が規制される。このため、インナーコラムブラケット4がインナーコラム51に接触しにくくなるので、インナーコラム51の前方Dfへの移動がインナーコラムブラケット4に妨げられにくくなる。したがって、本実施形態に係るステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4の回転による衝撃吸収能力の低下を抑制できる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、2次衝突が生じる前、回転止め543の回転規制部545は、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)の上方端部212との間に隙間G1を空けて配置されている。
これにより、通常時においては第1テレスコ摩擦板21と回転止め543とが干渉していないため、テレスコ位置の調整が回転止め543によって阻害されない。したがって、ステアリング装置100は、2次衝突時にはインナーコラムブラケット4の回転による衝撃吸収能力の低下を抑制でき、且つ通常時にはテレスコ位置の調整を滑らかにできる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)は、アウターコラム54の両側に配置される。回転止め543は、テレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)がロッド33を中心に回転すると、アウターコラム54の両側にあるテレスコ摩擦板(第1テレスコ摩擦板21)のそれぞれに接する。
これにより、インナーコラムブラケット4の回転が、アウターコラム54の両側から規制される。したがって、回転規制部545がアウターコラム54の片側だけに設けられている場合に比較して、インナーコラムブラケット4の回転がより規制されやすくなる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、回転止め543は、アウターコラム54と一体に設けられる。
これにより、ステアリング装置100は、インナーコラムブラケット4の回転による衝撃吸収能力の低下を抑制でき、且つ部品点数の増大を防ぐことができる。また、アウターコラム54と一体であることにより、回転止め543の剛性を高めることができる。
本実施形態に係るステアリング装置100において、回転止め543は、第1スリット541よりも後方Dbに位置し、且つインナーコラム51を全周に亘って囲む環状部材である。
これにより、締め付け時のアウターコラム54の変形が、第1スリット541の後方端部に集中しにくくなる。すなわち、締め付け時のアウターコラム54の変形が、ロッド33の前方Df側と後方Db側とで均等になりやすくなる。このため、締め付け時におけるインナーコラム51とアウターコラムとの摩擦力の設定が容易になる。
12、13 車体側部材
14 ステアリングホイール
15 ステアリングシャフト
151 入力軸
152 出力軸
16 ユニバーサルジョイント
17 ロアシャフト
18 ユニバーサルジョイント
19 ピニオンシャフト
100 ステアリング装置
21 第1テレスコ摩擦板
211 後方端部
212、212A 上方端部
22 第2テレスコ摩擦板
31 ロッド貫通部
33 ロッド
4 インナーコラムブラケット
43h 第2孔
46 切欠き部
47 貫通孔
49 後方端部
50 ステアリングコラム
51 インナーコラム
51h 第1孔
52 アウターコラムブラケット
53 操作レバー
54 アウターコラム
541 第1スリット
541e 第1端部内壁
542 第2スリット
542e 第2端部内壁
543、543A 回転止め
544 ブリッジ部
545 回転規制部
546 基部
547 第3スリット
548 突出部
7 ストッパー
8 シェアピン
9 ダンパー
BK 切断面
G1、G2 隙間
L1 軌跡
VB 車体

Claims (7)

  1. ステアリングホイールに連結される入力軸を回転可能に支持し、第1孔が開けられた筒状のインナーコラムと、前記インナーコラムの少なくとも一部が内側に挿入される筒状であって、前記インナーコラムの挿入側の一端を切り欠いたスリットを有するアウターコラムと、車体側部材に固定され、前記アウターコラムを支持し、板材であるテレスコ摩擦板と共に前記アウターコラムを締め付けるアウターコラムブラケットと、前記テレスコ摩擦板および前記アウターコラムブラケットを貫通し、前記テレスコ摩擦板を支持するロッドと、前記テレスコ摩擦板に支持され、少なくとも前記インナーコラムとの連結面に低摩擦材を被覆し、第2孔が開けられたインナーコラムブラケットと、前記第1孔と前記第2孔とに跨る位置にあって、前記インナーコラムおよび前記インナーコラムブラケットを離脱可能に連結するシェアピンとを備えることを特徴とするステアリング装置。
  2. 前記インナーコラムブラケットは、前記インナーコラムとの連結面の後端にガイド斜面を有することを特徴とする請求項1に記載のステアリング装置。
  3. 前記アウターコラムは、前記ロッドよりも後方に設けられ、2次衝突時に前記テレスコ摩擦板が前記ロッドを中心に回転すると前記テレスコ摩擦板に接する回転止めを備えることを特徴とする請求項2に記載のステアリング装置。
  4. 2次衝突が生じる前、前記回転止めは、前記テレスコ摩擦板との間に隙間を空けて配置されていることを特徴とする請求項3に記載のステアリング装置。
  5. 前記テレスコ摩擦板は、前記アウターコラムの両側に配置され、前記回転止めは、前記テレスコ摩擦板が前記ロッドを中心に回転すると、前記アウターコラムの両側にある前記テレスコ摩擦板のそれぞれに接することを特徴とする請求項3または4に記載のステアリング装置。
  6. 前記回転止めは、前記アウターコラムと一体に設けられることを特徴とする請求項3から5のいずれか1項に記載のステアリング装置。
  7. 前記回転止めは、前記スリットよりも後方に位置し、且つ前記インナーコラムを全周に亘って囲む環状部材であることを特徴とする請求項3から6のいずれか1項に記載のステアリング装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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