JPWO2016104636A1 - 液晶配向処理剤、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents
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Abstract
Description
液晶配向膜に求められる特性の一つとして、基板面に対する液晶分子の配向傾斜角を任意の値に保つ、いわゆる液晶のプレチルト角の制御がある。このプレチルト角の大きさは、液晶配向膜を構成しているポリイミドの構造を選択することで変更できることが知られている。ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミン化合物をポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミン化合物の使用割合に応じてプレチルト角が制御できるので、目的のプレチルト角を得ることが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である(特許文献1を参照)。また、このように液晶のプレチルト角を大きくするためのジアミン化合物は、プレチルト角の安定性やプロセス依存性を改善するための構造検討もされており、ここで用いられる側鎖構造としては、フェニル基やシクロヘキシル基等の環構造を含むものが提案されている(特許文献2を参照)。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて、特定構造の3級アミンを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(例えば特許文献3参照)や、ピリジン骨格等を有する特定ジアミン化合物を原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向処理剤を使用したもの(特許文献4参照)等が知られている。
(1)下記(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する液晶配向処理剤。
(A)成分:下記式[1]の構造を有するジアミン、及び下記式[2]の構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
(B)成分:下記式[2]の構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
(C):カルボキシ基(COOH基)及びヒドロキシ基(OH基)からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
(3)前記(A)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)を1.0にした際、前記(B)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)が、0.01〜0.8の比率である上記(1)に記載の液晶配向処理剤。
(4)前記(A)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)を1.0にした際、前記(C)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)が、0.01〜0.3の比率である上記(1)又は(3)に記載の液晶配向処理剤。
(5)前記カルボキシ基(COOH基)及びヒドロキシ基(OH基)からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するジアミンが、前記(C)成分におけるジアミン成分にのみ用いられる上記(1)〜(4)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(6)前記式[1]の構造を有するジアミンが、下記式[1a]で示される上記(1)〜(5)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(7)前記式[2]の構造を有するジアミンが、下記式[2a]で示される上記(1)〜上記(6)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(8)前記カルボキシ基及びヒドロキシ基からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するジアミンが、下記式[3a]で示される上記(1)〜(7)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(9)前記(A)成分、(B)成分及び(C)成分におけるテトラカルボン酸成分が、下記の式[4]のテトラカルボン酸二無水物を含む上記(1)〜(8)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(10)N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜(9)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(11)1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、1,2−エタンジオール、1,2−プロパンジオール、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル及び下記式[D1]〜式[D3]の溶媒からなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する上記(1)〜(10)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(12)前記液晶配向処理剤が、エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基及びシクロカーボネート基からなる群から選ばれる架橋性化合物、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群から選ばれる架橋性化合物、又は重合性不飽和結合基を有する架橋性化合物を含有する上記(1)〜上記(11)のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
(13)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
(14)上記(1)〜(12)のいずれかに記載の液晶配向処理剤をインクジェット法により塗布して得られる液晶配向膜。
(15)上記(13)又は(14)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(16)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられる上記(13)又は(14)に記載の液晶配向膜。
(17)上記(16)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
(18)電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられる上記(13)又は(14)に記載の液晶配向膜。
(19)上記(18)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
特定重合体(A)における特定構造(1)は、ベンゼン環、シクロヘキサン環、複素環又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の2価の有機基を有する。これら環及び有機基の側鎖構造は、液晶を垂直に配向させる従来技術である長鎖アルキル基に比べて剛直で、紫外線等の光に対して安定な構造である。そのため、特定構造(1)を有する液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜は、従来技術に比べて、高い垂直配向性を示し、更に、長時間光の照射に曝されても、垂直配向性の変化を抑制することができる。加えて、光の照射に曝されても、電圧保持率を低下させ、かつ直流電圧により残留電荷を蓄積させる側鎖成分の分解物を抑制できる。
加えて、特定重合体(A)及び(B)における特定構造(2)が有する窒素含有複素環は、特定重合体(C)におけるカルボキシ基やヒドロキシ基と、塩形成や水素結合といった静電的相互作用で結ばれることで、窒素含有芳香族複素環と、カルボキシ基又はヒドロキシ基との間で、電荷の移動が起こりやすくなる。それにより、移動した電荷が効率的にポリイミド系重合体の分子内及び分子間を移動することができ、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和を早くできる。かくして、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなる。
<特定構造(1)・特定ジアミン(1)>
本発明における特定ジアミン(1)は、下記式[1]の特定構造(1)を有する。
X2は、単結合又は−(CH2)b−(bは1〜10の整数である)が好ましい。
X3は、合成の容易さの点から、単結合、−(CH2)c−(cは1〜15の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−が好ましい。より好ましいのは、単結合、−(CH2)c−(cは1〜10の整数である)、−O−、−CH2O−又は−COO−である。
X4は、合成の容易さの点から、ベンゼン環、シクロへキサン環又はステロイド骨格を有する炭素数17〜51の有機基が好ましい。
X5は、ベンゼン環又はシクロへキサン環が好ましい。
X6は、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、炭素数1〜18のアルコキシ基又は炭素数1〜10のフッ素含有アルコキシ基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜18のアルケニル基又は炭素数1〜12のアルコキシ基である。特に好ましくは、炭素数1〜9のアルキル基、炭素数2〜12のアルケニル基又は炭素数1〜9のアルコキシ基である。
nは、原料の入手性や合成の容易さの点から、0〜3が好ましい。より好ましいのは、0〜2である。
n1は、1〜4の整数を示す。なかでも、1の整数が好ましい。
なかでも、好ましいジアミンは、安定なプレチルト角が発現でき、ODF方式で発生する液晶配向ムラを軽減でき、長時間光の照射に曝された後での電圧保持率の低下を抑制する効果が高い点から、国際公開公報WO2013/125595に記載される式[2−1]〜式[2−6]、式[2−9]〜式[2−13]又は式[2−22]〜式[2−31]のジアミンである。
また、特定ジアミン(1)は、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、液晶配向膜にした際の液晶配向性、更には、液晶表示素子の光学特性等の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
W1は、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCO−、−CON(CH3)−又は−N(CH3)CO−が好ましい。より好ましいのは、合成の容易さの点から、−O−、−NH−、−CONH−、−NHCO−、−CH2O−、−OCO−又は−CON(CH3)−である。特に好ましいのは、−O−、−CONH−又は−CH2O−である。
W2は、単結合、炭素数1〜20のアルキレン基、非芳香族環及び芳香族環からなる群から選ばれる少なくとも1種を示す。炭素数1〜20のアルキレン基は、直鎖状でも良いし、分岐していても良い。また、不飽和結合を有していても良い。なかでも、合成の容易さの点から、炭素数1〜10のアルキレン基が好ましい。
W2としては、単結合、炭素数1〜10のアルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環又はアントラセン環が好ましい。なかでも、合成の容易さの点及び長時間光の照射に曝された後での直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる点から、単結合、炭素数1〜5のアルキレン基、シクロヘキサン環又はベンゼン環が好ましい。
W4は、窒素含有芳香族複素環を示し、下記式[a]、式[b]及び式[c]からなる群から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する。
好ましいW1、W2、W3、及びW4の組み合わせを表1〜表31に示す。
また、特定ジアミン(2)は、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、液晶配向膜にした際の液晶配向性、更には、液晶表示素子の光学特性等の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における特定ジアミン(3)は、カルボキシ基(COOH基)及びヒドロキシ基(OH基)からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有する。
m1は、1〜4の整数を示す。
より具体的には、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール、2,4−ジアミノベンジルアルコール、4,6−ジアミノレゾルシノール、2,4−ジアミノ安息香酸、2,5−ジアミノ安息香酸又は3,5−ジアミノ安息香酸等が挙げられる。
なかでも、長時間光の照射に曝された後での電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる点から、2,4−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノフェノール、3,5−ジアミノベンジルアルコール又は3,5−ジアミノ安息香酸が好ましい。
また、特定ジアミン(3)は、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、液晶配向膜にした際の液晶配向性、更には、液晶表示素子の光学特性等の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
本発明における特定重合体(A)、(B)及び(C)は、それぞれ上記した(A)成分、(B)成分及び(C)成分を意味し、ポリイミド前駆体又はポリイミド(総称してポリイミド系重合体ともいう)である。それらは、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させて得られるポリイミド前駆体又はポリイミドであることが好ましい。
ポリイミド前駆体は、下記式[A]の構造を有する。
また、通常の合成手法で、上記で得られた式[D]の重合体に、式[A]中のA1及びA2の炭素数1〜8のアルキル基、及び式[A]中のA3及びA4の炭素数1〜5のアルキル基又はアセチル基を導入することもできる。
具体的には、下記の式[D1]〜式[D6]で示されるジアミンが挙げられる。
また、その他ジアミンは、ポリイミド系重合体の溶媒への溶解性、液晶配向膜にした際の液晶配向性、更には、液晶表示素子の光学特性等の特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
また、前記式[4e]、式[4f]、式[4g]又は式[4k]の構造のテトラカルボン酸成分を用いる場合、その使用量を、テトラカルボン酸成分全体の20モル%以上とすることで、所望の効果が得られる。好ましくは、30モル%以上である。更に、テトラカルボン酸成分の全てが、式[4e]、式[4f]、式[4g]又は式[4k]の構造のテトラカルボン酸成分であってもよい。
具体的には、国際公開公報WO2013/125595(2013.8.29公開)の27頁〜28頁に記載されるその他のテトラカルボン酸成分が挙げられる。 また、特定テトラカルボン酸成分及びその他のテトラカルボン酸成分は、各特性に応じて、1種又は2種以上を混合して使用することができる。
その際、特定ジアミン(1)及び特定ジアミンの使用割合は、下記の通りである。即ち、特定ジアミン(1)は、ジアミン成分全体に対して、10〜70モル%が好ましい。より好ましいのは、15〜70モル%であり、特に好ましいのは、20〜60モル%である。また、特定ジアミン(2)は、ジアミン成分全体に対して、1〜60モル%が好ましい。より好ましいのは、5〜50モル%であり、特に好ましいのは、10〜50モル%である。加えて、特定ジアミン(3)においては、ODF方式で発生する液晶配向ムラを軽減できる点から、特定ジアミン(3)は、ジアミン成分全体に対して、0〜20モル%が好ましい。より好ましいのは、0〜10モル%であり、特に好ましいのは、0モル%、すなわち、特定ジアミン(3)を用いないことである。
但し、特定重合体(B)における特定ジアミン(1)のジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)は、特定重合体(A)における特定ジアミン(1)の使用割合(モル%)を1.0にした際に、その比率が1.0未満となる使用割合(モル%)である。その際、その比率が0である場合、即ち、特定重合体(B)のジアミン成分に、特定ジアミン(1)を用いない場合は、長時間光の照射に曝された後での電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる点で好ましい。また、特定重合体(B)に特定ジアミン(1)を用いる場合は、前記比率が、0.01〜0.9が好ましい。より好ましいのは、0.01〜0.8であり、特に好ましいのは、0.05〜0.7である。
加えて、特定ジアミン(3)においては、ジアミン成分全体に対して、0〜20モル%が好ましい。より好ましいのは、0〜10モル%であり、特に好ましいのは、ODF方式で発生する液晶配向ムラを軽減できる点から、0モル%、すなわち、特定重合体(B)のジアミン成分に特定ジアミン(3)を用いないことである。
更に、特定ジアミン(3)は、ジアミン成分全体に対して、0〜20モル%が好ましい。より好ましいのは、0〜10モル%であり、特に好ましいのは、長時間光の照射に曝された後での電圧保持率の低下を抑制し、かつ直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が早くなる点から、0モル%、即ち、特定重合体(C)のジアミン成分に特定ジアミン(3)を用いないことである。
ポリイミドを得るには、前記のポリアミド酸又はポリアミド酸アルキルエステルを閉環させてポリイミドとする方法が用いられる。
ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との反応は、通常、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを有機溶媒中で行う。その際に用いる有機溶媒としては、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。下記に、反応に用いる有機溶媒の具体例を挙げるが、これらの例に限定されるものではない。
これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。更に、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、更には生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸成分の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重合反応と同様に、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン又はトリオクチルアミン等を挙げることができる。なかでも、ピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸又は無水ピロメリット酸等を挙げることができる。なかでも、無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量、反応温度及び反応時間を調節することにより制御することができる。
前記の通り、本発明における全ての特定重合体は、長時間高温及び光の照射に曝された後でも、安定な垂直安定性を示し、長時間光の照射に曝された後でも、電圧保持率の低下を抑制することができる点から、上述したポリイミド前駆体を触媒イミド化したポリイミドであることが好ましい。その際のイミド化率は、上述した範囲であることが好ましい。
液晶配向処理剤における特定重合体(A)、(B)及び(C)の使用割合は、特定重合体(A)100部に対して、特定重合体(B)は、30〜300部、特定重合体(C)は、60〜500部が好ましい。より好ましいのは、特定重合体(B)は、50〜250部、特定重合体(C)は、100〜350部であり、特に好ましいのは、特定重合体(B)は、50〜200部、特定重合体(C)は、100〜300部である。
液晶配向処理剤中の溶媒は、塗布により均一な液晶配向膜を形成するという点から、液晶配向処理剤中の溶媒の含有量が70〜99.9%が好ましい。この含有量は、目的とする液晶配向膜の膜厚によって適宜変更できる。
例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン又は4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン等が挙げられる。
なかでも、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン又はγ−ブチロラクトンを用いることが好ましい。
液晶配向処理剤における良溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の10〜100%であることが好ましい。より好ましいのは、20〜90%である。特に好ましいのは、30〜80%である。
液晶配向処理剤には、本発明の効果を損なわない限り、液晶配向処理剤を塗布した際の液晶配向膜の塗膜性や表面平滑性を向上させる溶媒(貧溶媒ともいう)を用いることができる。下記に貧溶媒の具体例を挙げるが、これらに限定されるものではない。
これら貧溶媒は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の1〜70%であることが好ましい。より好ましいのは、1〜60%である。特に好ましいのは、5〜60%である。
本発明の液晶配向処理剤には、液晶配向膜中の電荷移動を促進し、素子の電荷抜けを促進させるため、国際公開公報WO2011/132751(2011.10.27公開)の69頁〜73頁に掲載される、式[M1]〜式[M156]の窒素含有複素環アミンを添加できる。このアミンは、液晶配向処理剤に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度が0.1〜10%、好ましくは1〜7%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、特定重合体を溶解させる有機溶媒であれば特に限定されない。
液晶配向膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。具体的には、国際公開公報WO2013/125595(2013.8.29公開)の42頁〜43頁に記載される界面活性剤が挙げられる。
これら界面活性剤の使用量は、液晶配向処理剤に含有される全ての重合体成分100質量部に対して、0.01〜2質量部が好ましく、より好ましいのは、0.01〜1質量部である。
液晶配向処理剤には、上記以外の化合物の他に、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、液晶配向膜の誘電率や導電性等の電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射等で配向処理をして、液晶配向膜として用いることができる。また、垂直配向用途等の場合では配向処理なしでも液晶配向膜として用いることができる。この際に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板の他、アクリル基板やポリカーボネート基板等のプラスチック基板等も用いることができる。プロセスの簡素化の観点からは、液晶駆動のためのITO電極等が形成された基板を用いることが好ましい。また、反射型の液晶表示素子では、片側の基板のみにならばシリコンウェハ等の不透明な基板も使用でき、この場合の電極としてはアルミ等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後は、ホットプレート、熱循環型オーブン又はIR(赤外線)型オーブン等の加熱手段により、液晶配向処理剤に用いる溶媒に応じて、30〜300℃、好ましくは30〜250℃の温度で溶媒を蒸発させて液晶配向膜とすることができる。焼成後の液晶配向膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の液晶配向膜をラビング又は偏光紫外線照射等で処理する。
液晶セルの作製方法としては、例えば、液晶配向膜の形成された一対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又はスペーサを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法(ODF方式)等が例示できる。
上記の液晶表示素子は、PSA方式により、液晶分子のプレチルトを制御するものである。PSA方式では、液晶材料中に少量の光重合性化合物、例えば光重合性モノマーを混入しておき、液晶セルを組み立てた後、液晶層に所定の電圧を印加した状態で光重合性化合物に紫外線等を照射し、生成した重合体によって液晶分子のプレチルトを制御する。重合体が生成するときの液晶分子の配向状態が電圧を取り去った後においても記憶されるので、液晶層に形成される電界等を制御することにより、液晶分子のプレチルトを調整することができる。また、PSA方式では、ラビング処理を必要としないので、ラビング処理によってプレチルトを制御することが難しい垂直配向型の液晶層の形成に適している。すなわち、本発明の液晶表示素子は、上記した手法により液晶配向処理剤から液晶配向膜付き基板を得た後、液晶セルを作製し、紫外線の照射及び加熱の少なくとも一方により重合性化合物を重合することで液晶分子の配向を制御するものとすることができる。
SC−PVAモードの液晶セル作製の一例を挙げるならば、例えば次の通りである。すなわち、上述した作製方法にて液晶セルを作製する。その後、液晶セルに交流又は直流の電圧を印加しながら、熱や紫外線を照射することで、液晶分子の配向を制御することができる。
(特定ジアミン(1))
A1:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
A2:1,3−ジアミノ−5−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシメチル〕ベンゼン
A3:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
A4:下記式[A4]のジアミン
E1:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
E2:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
E3:下記式[E3]のテトラカルボン酸二無水物
E4:下記式[E4]のテトラカルボン酸二無水物
E5:下記式[E5]のテトラカルボン酸二無水物
NMP:N−メチル−2−ピロリドン、NEP:N−エチル−2−ピロリドン
γ−BL:γ−ブチロラクトン、 BCS:エチレングリコールモノブチルエーテル、PB:プロピレングリコールモノブチルエーテル、DME:ジプロピレングリコールジメチルエーテル、DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
「ポリイミド系重合体の分子量測定」
常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101、昭和電工社製)、カラム(KD−803,KD−805、Shodex社製)を用いて、以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L(リットル)、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量;約900,000、150,000、100,000及び30,000、東ソー社製)及びポリエチレングリコール(分子量:約12,000、4,000及び1,000、ポリマーラボラトリー社製)。
ポリイミド粉末20mgをNMR(核磁気共鳴)サンプル管(NMRサンプリングチューブスタンダード,φ5(草野科学社製))に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d6,0.05%TMS(テトラメチルシラン)混合品)(0.53ml)を添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定機(JNW−ECA500、日本電子データム社製)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5ppm〜10.0ppm付近に現れるアミド酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
(xはアミド酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミド酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミド酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。)
「ポリイミド系重合体の合成」
E2(2.17g,8.67mmol)、A1(2.67g,7.02mmol)、B1(1.28g,5.28mmol)及びD1(0.57g,5.27mmol)をNMP(16.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.70g,8.67mmol)及びNMP(8.39g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度(樹脂固形分濃度を示す。以下の例でも同じ)が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(1)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量(Mn)は17,400、重量平均分子量(Mw)は47,500であった。
E2(0.89g,3.56mmol)、A3(2.35g,5.43mmol)、B1(1.75g,7.22mmol)及びD1(0.59g,5.46mmol)をNMP(16.8g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.80g,14.3mmol)及びNMP(8.38g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(2)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは16,100、Mwは44,400であった。
E2(3.06g,12.2mmol)、A2(2.61g,6.61mmol)、B1(1.20g,4.95mmol)及びD1(0.54g,4.99mmol)をNEP(16.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(0.80g,4.08mmol)及びNEP(8.21g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(3)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは17,800、Mwは47,600であった。
E2(2.17g,8.67mmol)、A4(2.16g,4.38mmol)、B1(1.91g,7.88mmol)及びD1(0.57g,5.27mmol)をNMP(17.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.70g,8.67mmol)及びNMP(8.52g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(4)を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であり、Mnは15,300、Mwは42,100であった。
E3(3.80g,17.0mmol)、A2(2.03g,5.14mmol)、B1(1.66g,6.85mmol)及びD2(0.56g,5.18mmol)をNEP(24.2g)中で混合し、40℃で8時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(5)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは18,600、Mwは48,800であった。
E4(2.60g,8.66mmol)、A2(2.08g,5.27mmol)、B1(1.70g,7.02mmol)及びD1(0.57g,5.27mmol)をNMP(17.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.70g,8.67mmol)及びNMP(8.65g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(6)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、Mnは16,300、Mwは45,400であった。
E2(0.89g,3.56mmol)、A1(2.75g,7.23mmol)、B1(1.31g,5.41mmol)及びD2(0.59g,5.46mmol)をNMP(16.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.80g,14.3mmol)及びNMP(8.35g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(7)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは17,100、Mwは45,900であった。
E2(3.06g,12.2mmol)、A1(3.15g,8.28mmol)、B2(0.64g,2.47mmol)及びD2(0.63g,5.83mmol)をNEP(16.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(0.80g,4.08mmol)及びNEP(8.28g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(8)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは15,800、Mwは42,100であった。
E2(0.89g,3.56mmol)、B1(1.75g,7.22mmol)、D1(0.59g,5.46mmol)及びD3(2.04g,5.42mmol)をNMP(16.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.80g,14.3mmol)及びNMP(8.28g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(9)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは16,500、Mwは43,300であった。
E2(0.89g,3.56mmol)、A1(1.38g,3.63mmol)及びB1(3.50g,14.4mmol)をNMP(17.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.80g,14.3mmol)及びNMP(8.57g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(10)を得た。このポリイミドのイミド化率は90%であり、Mnは17,800、Mwは46,900であった。
E2(0.96g,3.84mmol)、A1(1.47g,3.86mmol)、B1(1.88g,7.76mmol)及びD1(0.84g,7.77mmol)をNMP(16.3g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(3.00g,15.3mmol)及びNMP(8.15g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(11)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは18,600、Mwは48,300であった。
E2(2.30g,9.19mmol)、B1(4.05g,16.7mmol)及びD2(0.20g,1.85mmol)をNMP(16.7g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.80g,9.18mmol)及びNMP(8.35g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で2.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(12)を得た。このポリイミドのイミド化率は65%であり、Mnは22,100、Mwは53,400であった。
E2(2.55g,10.2mmol)、A1(1.57g,4.13mmol)、B1(1.07g,4.13mmol)及びD2(1.34g,12.4mmol)をNMP(17.1g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.00g,10.2mmol)及びNMP(8.54g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(13)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは17,900、Mwは46,500であった。
E2(2.81g,11.2mmol)及びC1(3.46g,22.7mmol)をNMP(16.9g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.20g,11.2mmol)及びNMP(8.46g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(14)を得た。このポリイミドのイミド化率は75%であり、Mnは21,800、Mwは52,100であった。
E2(2.81g,11.2mmol)、C1(2.94g,19.3mmol)及びD2(0.37g,3.42mmol)をNMP(16.6g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.20g,11.2mmol)及びNMP(8.31g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(15)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは23,200、Mwは54,200であった。
E5(2.30g,10.8mmol)、C1(2.84g,18.7mmol)及びD2(0.36g,3.33mmol)をNEP(16.4g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(2.30g,10.8mmol)及びNEP(8.21g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NEPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(16)を得た。このポリイミドのイミド化率は70%であり、Mnは20,500、Mwは51,800であった。
E2(2.17g,8.67mmol)、A1(2.67g,7.02mmol)、B1(1.28g,5.28mmol)及びC1(0.80g,5.26mmol)をNMP(17.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、E1(1.70g,8.67mmol)及びNMP(8.62g)を加え、40℃で6時間反応させ、濃度が25%のポリアミド酸溶液を得た。
得られたポリアミド酸溶液(30.0g)に、NMPを加え6%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(4.50g)及びピリジン(3.30g)を加え、80℃で4時間反応させた。この反応溶液をメタノール(460ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(17)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、Mnは16,300、Mwは46,300であった。
各合成例で得られたポリイミド系重合体の仔細を表32、表33に纏めて示す。
後記する実施例3及び実施例8で得られた液晶配向処理剤を用いて、インクジェット塗布性の評価を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPA(イソプロピルアルコール)にて洗浄を行ったITO(酸化インジウムスズ)電極付き基板(縦100mm×横100mm,厚さ0.7mm)のITO面に、塗布面積が70×70mm、ノズルピッチが0.423mm、スキャンピッチが0.5mm、塗布速度が40mm/秒の条件で塗布を行った。その際、インクジェット塗布機には、HIS−200(日立プラントテクノロジー社製)を用いた。また、塗布から仮乾燥までの時間は60秒であり、仮乾燥はホットプレート上にて70℃で5分間の条件で行った。
塗布性の評価は、上記で得られた液晶配向膜付き基板の塗膜面を目視観察することで行った。具体的には、塗膜面をナトリウムランプの下で目視観察し、ピンホールの有無を確認した。その結果、いずれの実施例で得られた液晶配向膜とも、塗膜面上にピンホールは見られず、塗膜性に優れた液晶配向膜が得られた。
後記する実施例及び比較例で得られた液晶配向処理剤を用いて、液晶セルの作製及びプレチルト角の評価を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPAにて洗浄を行ったITO電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、実施例3及び実施例8の液晶配向処理剤は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板とした。
その後、ラビング処理後の基板を2枚用意し、塗膜面を内側にして6μmのスペーサー挟んで組み合わせ、シール剤で周囲を接着して空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、MLC−6608(メルク・ジャパン製)を注入し、注入口を封止して液晶セルを得た。
更に、上記と同様の条件で作製した液晶セルを、アイソトロピック処理を行い、その後、365nm換算で10J/cm2の紫外線を照射した後の液晶セルも測定した。なお、プレチルト角は、PAS−301(ELSICON製)を用いて室温で測定した。更に、紫外線の照射は、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1)(センライト製)を用いて行った。
評価は、液晶のアイソトロピック処理した後(初期ともいう。)のプレチルト角に対して、加熱処理した後(高温処理後ともいう。)及び紫外線を照射した後(紫外線照射後ともいう。)のプレチルト角の変化が小さいものほど、本評価に優れるとした。表37〜表39中に、各プレチルト角の値を示す。
後記する実施例及び比較例で得られた液晶配向処理剤を用いて、ODF方式で発生する液晶配向ムラの評価を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPAにて洗浄を行ったITO電極付き基板(縦100mm×横100mm、厚さ0.7mm)のITO面にスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、実施例3及び実施例8の液晶配向処理剤は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板とした。
その後、上記のラビング処理をした基板と処理をしていない基板の2枚用意し、処理をしていない基板の塗膜面に、6μmのスペーサーを散布した。その後、この基板の周囲に紫外線硬化型のシール剤を描画して、ODF法にて、ネマチック液晶(MLC−6608、メルク・ジャパン社製)を、シール剤の内側の塗膜面に、6点滴下し(縦2点×横3点とし、各点の間隔は、上下左右10mmとした)、ラビング処理をした基板を貼り合せて液晶セルを得た。その後、シール剤の硬化のため、液晶セルに、照度60mWのメタルハライドランプを用いて、310nm以下の波長をカットし、365nm換算で5J/cm2の紫外線を照射し、更に、熱循環型クリーンオーブン中にて120℃で60分間加熱処理をして、液晶セルを得た。
得られた液晶セルを用いて、液晶滴下痕ムラ、すなわち、液晶配向ムラの確認を行った。具体的には、液晶セルに、AC(交流駆動)5Vの電圧を印加し、偏光板とバックライトを用いて、上記の液晶を滴下した領域の液晶配向ムラの有無を、目視観察にて確認した。
本評価においては、上記において、液晶配向ムラが見られていないものを、本評価に優れるとした(表37〜表39中の良好表示)。
前記の「液晶セルの作製及びプレチルト角の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価を行った。具体的には、上記の手法で得られた液晶セルに、80℃の温度下で1Vの電圧を60μs印加し、50ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率(VHRともいう)として計算した。なお、測定は、電圧保持率測定装置(VHR−1、東陽テクニカ社製)を使用し、Voltage:±1V、Pulse Width:60μs、Flame Period:50msの設定で行った。
本評価においては、液晶セル作製直後の電圧保持率の値が高く、更に、液晶セル作製直後の電圧保持率の値(初期ともいう)に対して、紫外線照射後の値(紫外線照射後ともいう)の低下が小さいものほど、本評価に優れるとした。表40〜表42中に、各VHRの値を示す。
前記の「液晶セルの作製及びプレチルト角の評価(通常セル)」と同様の条件で作製した液晶セルを用いて、残留電荷の緩和の評価を行った。具体的には、液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そのなかで、50秒後の残留電荷の値を用いて、残留電荷の緩和の評価とした。なお、測定は、6254型液晶物性評価装置(東陽テクニカ社製)を用いた。
更に、上記の液晶セル作製直後の残留電荷の測定が終わった液晶セルに、卓上型UV硬化装置(HCT3B28HEX−1、センライト社製)を用いて、365nm換算で30J/cm2の紫外線を照射し、上記と同様の条件で残留電荷の測定を行った。
本評価では、液晶セル作製直後の値(初期ともいう)及び紫外線照射後の残留電荷の値(紫外線照射後ともいう)が小さいものほど、本評価に優れるとした。表40〜表42中に、各残留電荷の値を示す。
後記する実施例3及び実施例9で得られた液晶配向処理剤を用いて、液晶セルの作製及び液晶配向性の評価(PSAセル)を行った。具体的には、これら液晶配向処理剤を、細孔径1μmのメンブランフィルタで加圧濾過し、純水及びIPAにて洗浄した中心に10×10mmのパターン間隔20μmのITOが付いたITO付き電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)と中心に10×40mmのITOが付いたITO付き電極付き基板(縦40mm×横30mm、厚さ0.7mm)のITO面に、それぞれスピンコートし、ホットプレート上にて100℃で5分間、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板を得た。なお、実施例3の液晶配向処理剤は、上記の「液晶配向処理剤のインクジェット塗布性の評価」と同様の条件で基板を作製し、その後、熱循環型クリーンオーブンにて230℃で30分間加熱処理をして、膜厚が100nmの液晶配向膜付きのITO基板とした。
その後、この液晶セルの紫外線照射前と紫外線照射後の液晶の応答速度を測定した。応答速度は透過率90%から透過率10%までのT90→T10を測定した。
いずれの実施例で得られた液晶セルは、紫外線照射前の液晶セルに比べて、紫外線照射後の液晶セルの応答速度が早くなったことから、液晶の配向方向が制御されたことを確認した。また、いずれの液晶セルとも、偏光顕微鏡(ECLIPSE E600WPOL、ニコン社製)での観察により、液晶は均一に配向していることを確認した。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(9.79g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(1)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例2で得られたポリイミド粉末(2)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.35g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.53g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(2)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例3で得られたポリイミド粉末(3)(0.30g)、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.45g)及び合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(0.75g)に、NEP(16.5g)及びγ−BL(4.18g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.27g)、PB(8.27g)及びDME(4.14g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(3)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例4で得られたポリイミド粉末(4)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.02g)及びDME(1.25g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例12で得られたポリイミド粉末(12)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.02g)及びDME(1.25g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.07g)に、NMP(8.36g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(6.68g)及びDME(1.67g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(4)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例5で得られたポリイミド粉末(5)(0.80g)に、NEP(7.52g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.80g)に、NEP(7.52g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.07g)に、NEP(10.0g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.34g)及びPB(3.34g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(5)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例6で得られたポリイミド粉末(6)(0.50g)、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.75g)及び合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(21.5g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(17.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(6)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例7で得られたポリイミド粉末(7)(0.80g)に、NMP(3.76g)及びNEP(3.76g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.80g)に、NMP(3.76g)及びNEP(3.76g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.07g)に、NMP(5.02g)及びNEP(5.02g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.34g)及びPB(3.34g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(7)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例8で得られたポリイミド粉末(8)(0.30g)、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.45g)及び合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(0.75g)に、NEP(12.4g)及びγ−BL(6.21g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.27g)及びPB(14.5g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(8)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(5.09g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.18g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例11で得られたポリイミド粉末(11)(0.75g)に、NEP(7.64g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.76g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(12.7g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.94g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(9)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例5で得られたポリイミド粉末(5)(0.50g)に、NEP(4.70g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(3.13g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例12で得られたポリイミド粉末(12)(0.75g)に、NEP(7.05g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(4.70g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(11.8g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(7.83g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(10)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.50g)に、NEP(4.70g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(0.78g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例13で得られたポリイミド粉末(13)(0.75g)に、NEP(7.05g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.18g)及びPB(3.53g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(11.8g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.96g)及びPB(5.88g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(11)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)に、NMP(6.27g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.51g)及びPB(3.76g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.53g)に、NMP(4.18g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(1.67g)及びPB(2.51g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
更に、合成例15で得られたポリイミド粉末(15)(1.33g)に、NMP(10.4g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(4.18g)及びPB(6.27g)を加え、40℃で4時間攪拌して、溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、更に、M1(0.19g)を加え、40℃で6時間攪拌して、液晶配配向処理剤(12)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.80g)及び合成例16で得られたポリイミド粉末(16)(1.07g)に、NEP(20.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(8.36g)及びPB(12.5g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(13)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(0.80g)、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.80g)及び合成例16で得られたポリイミド粉末(16)(1.07g)に、NEP(20.9g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、PB(12.5g)及びDPM(8.36g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(22)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(14)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(15)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(2.50g)に、NEP(19.6g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(16)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(17)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例1で得られたポリイミド粉末(1)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
一方、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(18)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
一方、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.30g)に、NEP(10.2g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(10.2g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた2つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(19)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例9で得られたポリイミド粉末(9)(0.50g)に、NEP(3.92g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(2.35g)及びPB(1.57g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
一方、合成例10で得られたポリイミド粉末(10)(0.75g)に、NEP(5.88g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(3.53g)及びPB(2.35g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
更に、合成例14で得られたポリイミド粉末(14)(1.25g)に、NEP(9.79g)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(5.88g)及びPB(3.92g)を加え、40℃で4時間攪拌して溶液を得た。
上記で得られた3つの溶液を混合し、40℃で4時間攪拌して、液晶配配向処理剤(20)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
合成例17で得られたポリイミド粉末(17)(2.50g)に、NEP(19.6)を加え、70℃で24時間攪拌して溶解させた。この溶液に、BCS(19.6g)を加え、40℃で4時間攪拌して、液晶配向処理剤(21)を得た。この液晶配向処理剤に、濁りや析出等の異常は見られず、均一な溶液であることが確認された。
なお、表中、*1:全ての重合体100部に対する特定重合体(A)の導入量(部)を示す。
*2は全ての重合体100部に対する特定重合体(B)の導入量(部)、*3は全ての重合体100部に対する特定重合体(C)の導入量(部)、*4は全ての重合体100部に対するその他重合体の導入量(部)、*5は液晶配向処理剤中の全ての重合体の占める含有割合(固形分濃度)を示す。
また、実施例1と、特定ジアミン(1)、(2)及び(3)を全てを用いた比較例8との比較において、比較例8では、本発明の全ての効果、特に、ODF方式で発生する液晶配向ムラの発生と、長時間光の照射に曝された後での電圧保持率の低下に対して、劣る結果が得られた。
Claims (19)
- 下記の(A)成分、(B)成分及び(C)成分を含有する液晶配向処理剤。
(A)成分:下記式[1]の構造を有するジアミン、及び下記式[2]の構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
(B)成分:下記式[2]の構造を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
(C):カルボキシ基(COOH基)及びヒドロキシ基(OH基)からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するジアミンを含有するジアミン成分と、テトラカルボン酸成分との反応で得られるポリイミド前駆体又は該ポリイミド前駆体をイミド化したポリイミド。
- 前記式[1]の構造を有するジアミンが、前記(A)成分におけるジアミン成分にのみ用いられる請求項1に記載の液晶配向処理剤。
- 前記(A)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)を1.0にした際、前記(B)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)が、0.01〜0.8の比率である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
- 前記(A)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンの、ジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)を1.0にした際、前記(C)成分における前記式[1]で示される構造を有するジアミンのジアミン成分全体に対する使用割合(モル%)が、0.01〜0.3の比率である請求項1又は3に記載の液晶配向処理剤。
- 前記カルボキシ基(COOH基)及びヒドロキシ基(OH基)からなる群から選ばれる少なくとも1種の置換基を有するジアミンが、前記(C)成分におけるジアミン成分にのみ用いられる請求項1〜4のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
- N−メチル−2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン及びγ−ブチロラクトンからなる群から選ばれる少なくとも1種の溶媒を含有する請求項1〜9のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
- エポキシ基、イソシアネート基、オキセタン基及びシクロカーボネート基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する架橋性化合物、ヒドロキシ基、ヒドロキシアルキル基及び低級アルコキシアルキル基からなる群から選ばれる少なくとも1種の基を有する架橋性化合物、又は重合性不飽和結合基を有する架橋性化合物を含有する請求項1〜11のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
- 請求項1〜12のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤をインクジェット法により塗布して得られる液晶配向膜。
- 請求項13又は14に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
- 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性化合物を含む液晶組成物を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性化合物を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられる請求項13又は14に記載の液晶配向膜。
- 請求項16に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
- 電極を備えた一対の基板の間に液晶層を有してなり、前記一対の基板の間に活性エネルギー線及び熱の少なくとも一方により重合する重合性基を含む液晶配向膜を配置し、前記電極間に電圧を印加しつつ前記重合性基を重合させる工程を経て製造される液晶表示素子に用いられる請求項13又は14に記載の液晶配向膜。
- 請求項18に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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