JP5382351B2 - 液晶配向処理剤、及びそれを用いた液晶表示素子 - Google Patents

液晶配向処理剤、及びそれを用いた液晶表示素子 Download PDF

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Description

本発明は、液晶配向膜を作製する際に用いる液晶配向処理剤、及びそれを用いた液晶表示素子に関するものである。
現在、液晶表示素子の液晶配向膜としては、ポリアミド酸などのポリイミド前駆体や可溶性ポリイミドの溶液を主成分とする液晶配向処理剤(液晶配向剤とも云う)を塗布し焼成した、いわゆるポリイミド系の液晶配向膜が主として用いられている。
液晶配向膜に求められる特性のひとつとして、基板面に対する液晶分子の配向傾斜角を任意の値に保つ、いわゆる液晶のプレチルト角制御がある。このプレチルト角の大きさは、液晶配向膜を構成しているポリイミドの構造を選択することで変更できることが知られている。
ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミンをポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミンの使用割合に応じてプレチルト角が大きくなるので、目的のプレチルト角に制御することが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である。液晶のプレチルト角を大きくするジアミンの側鎖構造としては、ステロイド骨格(例えば特許文献1参照)、フェニル基やシクロヘキシル基などの環構造を含むものが提案されている(例えば特許文献2参照)。更には、このような環構造を側鎖に3個から4個有するジアミンも提案されている(例えば特許文献3参照)。
一方で、液晶配向膜作製の工程において、ポリアミド酸の溶液や溶媒可溶性ポリイミドの溶液を基板に塗布する場合、工業的にはフレキソ印刷などで行うことが一般的であり、塗布液の溶媒は、ポリマーの溶解性に優れるN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどに加えて、均一で欠陥の無い薄膜を形成させる目的でブチルセロソルブなどが混合されている。しかしながら、ブチルセロソルブなどの溶媒は、ポリアミック酸やポリイミドを溶解させる能力に劣る為、多量に混合すると析出が発生するという問題を有している(例えば特許文献4参照)。特に、溶媒可溶性ポリイミドの溶液では、この問題が顕著に表れる。また、前記したような側鎖を有するジアミンを使用して得られたポリイミドは、溶液の塗布均一性が低下する傾向にあるため、ブチルセロソルブなどの塗布性改善溶媒の混合量を多くする必要があり、このような溶媒の混合許容量もポリイミドの重要な特性となる。
また、液晶表示素子の高精細化に伴い、液晶表示素子のコントラスト低下の抑制や残像現象の低減といった観点から、そこに使用される液晶配向膜においても電圧保持率が高いことや、直流電圧を印加した際の蓄積電荷が少なく、また、直流電圧により蓄積した残留電荷の緩和が早いといった特性が次第に重要となってきている。
ポリイミド系の液晶配向膜において、直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やイミド基含有ポリアミド酸に加えて特定構造の3級アミンを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献5参照)や、ピリジン骨格などを有する特定ジアミンを原料に使用した可溶性ポリイミドを含有する液晶配向剤を使用したもの(例えば特許文献6参照)などが知られている。また、電圧保持率が高く、かつ直流電圧によって発生した残像が消えるまでの時間が短いものとして、ポリアミド酸やそのイミド化重合体などに加えて分子内に1個のカルボン酸基を含有する化合物、分子内に1個のカルボン酸無水物基を含有する化合物および分子内に1個の3級アミノ基を含有する化合物から選ばれる化合物を極少量含有する液晶配向剤を使用した液晶配向剤(例えば特許文献7参照)が知られている。
しかしながら、近年では大画面で高精細の液晶テレビが広く実用化されており、このような用途における液晶表示素子では、それまでの文字や静止画を主として表示するディスプレイ用途と比較して、残像に対する要求はより厳しくなり、かつ過酷な使用環境での長期使用に耐えうる特性が要求されている。従って、そこに使用される液晶配向膜は従来よりも信頼性の高いものが必要となってきており、液晶配向膜の電気特性に関しても、初期特性が良好なだけでなく、例えば、高温下に長時間曝された後、さらにバックライトの紫外線に長時間曝された後であっても、良好な特性を維持することが求められている。
特開平4−281427号公報 特開平9−278724号公報 特開2004−67589号公報 徳開平2−37324号公報 特開平9−316200号公報 特開平10−104633号公報 特開平8−76128号公報
本発明は、液晶配向膜にした際に、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができ、また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい液晶配向処理剤を提供する。これらの特性に加え、電圧保持率が高く、更に高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速く、かつバックライトの紫外線に長時間曝された後でも電圧保持率の低下を抑制できる液晶配向膜が得られる液晶配向処理剤を提供することにある。更には過酷な使用環境での長期使用に耐えうる信頼性の高い液晶表示素子を提供することにある。
本発明者は、上記の目的を達成するべく鋭意研究を進めたところ、これを達成する新規な液晶配向処理剤を見出した。本発明はかかる知見に基づくもので、以下の要旨を有する。
(1)下記の(A)成分及び下記の(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
(A)成分:下記の式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体の分子内にカルボキシル基を有するポリイミド。
(B)成分:分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物。
Figure 0005382351

(式[1]中、Rは4価の有機基であり、Rは下記の式[2]を含む2価の有機基である。)
Figure 0005382351
(式[2]中、Xは、1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンであり、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基のいずれかである。)
(2)式[1]中のRが、下記の式[3]を含む2価の有機基である前記(1)記載の液晶配向処理剤。
Figure 0005382351
(式[3]中、nは2〜11の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
(3)式[1]中のRが、下記の式[4]を含む2価の有機基である前記(1)記載の液晶配向処理剤。
Figure 0005382351
(式[4]中、nは2〜11の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
(4)(A)成分が、式[1]で表される繰り返し単位の構造式からなるポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体のカルボキシル基の量が、該重合体の繰り返し単位に対する平均値で0.1〜3個である前記(1)〜(3)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(5)(A)成分が、前記の式[1]で表される繰り返し単位の構造式中、繰り返し単位の一部が下記の式[5]で表される単位を有する構造式からなるポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体のカルボキシル基の量が、該重合体の繰り返し単位に対する平均値で0.1〜3個である前記(1)〜(4)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
Figure 0005382351
(式中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R又はRの少なくとも一方はカルボキシル基を有する。)
(6)(B)成分が、下記の式[6]で表されるアミン化合物である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
Figure 0005382351
(式[6]中、Yは脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基を有する2価の有機基であり、Yは窒素含有芳香族複素環である。)
(7)(B)成分が、下記の式[7]で表されるアミン化合物である前記(1)〜(5)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
Figure 0005382351
(式[7]中、Yは炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基であり、Yは、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−又は炭素数1〜19の2価の有機基である。また、YとYが有する炭素原子の合計は1〜20である。Yは窒素含有芳香族複素環である。)
(8)(B)成分が、式[7]のY、Y、及びYがそれぞれ下記に記載の基又は環から選択される組み合わせからなるアミン化合物である前記(7)に記載の液晶配向処理剤。
但し、Yは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1〜10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、及びアダマンタン環からなる群から選ばれる1種である;
が、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−、炭素数1〜19の炭化水素基、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−CF−、−C(CF−、−CH(OH)−、−C(CH−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環、オキサゾール環、ピペラジン環、ピペリジン環、ジオキサン環、及びモルフォリン環からなる群から選ばれる1種である;
が、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、及びアクリジン環からなる群から選ばれる1種である。
(9)(A)成分のポリイミド中に含まれるカルボキシル基の1モル量に対して、(B)成分を0.01〜2モル倍量の割合で含有する前記(1)〜(8)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(10)(A)成分のポリイミドと(B)成分のアミン化合物とを含有する有機溶媒を加熱下に混合して得られる前記(1)〜(9)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤。
(11)前記(1)〜(10)のいずれか一項に記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜
(12)前記(11)に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
本発明の液晶配向処理剤は比較的簡便な方法で得ることができる。また、本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際に、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。さらに、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜を得ることができる。
また、本発明の液晶配向処理剤から得られた液晶配向膜を有する液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
本発明の液晶配向処理剤は、(A)成分である、前記の式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体の分子内にカルボキシル基を有するポリイミド(以下、特定ポリイミドと称することもある。)、及び(B)成分である、分子内にアミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族系環式炭化水素基に結合しているアミン化合物(以下、特定アミン化合物と称することもある。)を含有する液晶配向処理剤である。なお、本明細書において、上記したアミノ基(−NH)は1級アミノ基と同義であり、以下1級アミノ基とも言う。
本発明の液晶配向処理剤における特定ポリイミドは、側鎖にプレチルト角を高める特性がある置換基を有する特定ジアミン(以下、特定ジアミンと称することもある。)を原料に用いる。そのため、この特定ジアミンを使用した場合、得られる液晶配向処理剤が少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。また、使用割合を少なくすることで、重合体の有機溶媒溶解性が高くなり、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。
本発明の液晶配向処理剤において、特定アミン化合物中のアミノ基は、特定ポリイミド中のカルボキシル基と塩形成をしているか、特定ポリイミド中のカルボキシル基やカルボキシエステル基に対して水又はアルコールの脱離を伴うアミド結合をしているか、特定ポリイミド中のイミド基に対してイミド基の開環を伴う結合反応をしていると考えられる。更に、液晶配向膜を作製する際の焼成工程によって、特定ポリイミド中のカルボキシル基と塩形成をしているアミノ基は、水の脱離によりアミド結合を形成すると考えられる。その結果、本発明の液晶配向処理剤は、有機溶媒中で混合するという簡便な手段にも係わらず、得られる液晶配向膜中では、特定アミン化合物と特定ポリイミドとが効率良く結合していると考える。
一方、特定アミン化合物中の窒素含有芳香族複素環は、その共役構造により電子のホッピングサイトとして機能するので、得られる液晶配向膜中の電荷の移動を促進する。また、液晶配向膜とした際に、窒素含有芳香族複素環と特定ポリイミド中のカルボキシル基とが塩形成や水素結合といった静電的相互作用で結ばれることで、特定ポリイミド中のカルボキシル基と特定アミン化合物中の窒素含有芳香族複素環との間で電荷の移動が起こる。更には、この特定アミン化合物は特定ポリイミドと化学結合しているため、窒素含有芳香族複素環部位に移動した電荷は、ポリイミド分子内や分子間を効率的に移動することができる。
以上のことにより、本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができる。また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。さらに、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する残留電荷の緩和が速い液晶配向膜を得ることができる。
<(A)成分/特定ポリイミド>
本発明において、(A)成分である特定ポリイミドは、式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体の分子内にカルボキシル基を有するポリイミドであればその構造は特に限定されない。このポリイミドは、テトラカルボン酸二無水物とジアミンとを原料とすることで比較的簡便に得られるために、式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体が好ましい。
Figure 0005382351
(式[1]中、Rは4価の有機基であり、Rは下記の式[2]を含む2価の有機基である。)
Figure 0005382351
式[2]中、Xは、1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンである。1,4−フェニレン又は1,4−シクロへキシレンの環には、必要に応じて置換基を有していてもよい。Xは炭素数3〜12、好ましくは3〜6のアルキル基、炭素数3〜12、好ましくは3〜6のフルオロアルキル基、炭素数3〜12、好ましくは3〜6のアルコキシ基、又は炭素数3〜12、好ましくは3〜6のフルオロアルコキシ基である。アルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基、およびフルオロアルコキシ基は直鎖状又は分岐状でもよいが、直鎖状が好ましく、また、適宜の置換基を有していてもよい。
式[2]中の主鎖のベンゼン環は、式[1]の重合体の−NH−に結合されるが、ベンゼン環のおける−NH−が結合する結合位置は限定されない。具体例としては、下記の式[8]に示されるように、式[2]のZに対して、2,3の位置、2,4の位置、2,5の位置、2,6の位置、3,4の位置、3,5の位置が挙げられる。なかでも、ポリアミック酸を合成する際の反応性の観点から、2,4の位置、2,5の位置、3,5の位置が好ましい。ジアミン合成の容易性も加味すると、2,4の位置、又は2,5の位置が好ましい。
Figure 0005382351
式[2]の中でも、Xが1,4−トランス−シクロへキシレンである、下記の式[3]及び[4]で表される構造は、液晶のプレチルト角を高くすることができる効果が大きいことから好ましい。特に式[3]で表される構造が、その効果が優れているのでより好ましい。
Figure 0005382351
式[3]中、nは2〜11の整数、好ましくは2〜6の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。
Figure 0005382351
式[4]中、nは2〜11の整数で、好ましくはnが2〜6の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。
本発明の式[2]で表される構造の好ましい具体例は下記の式[9]〜[12]で示すことができる。なお、式[9]〜[12]中のnは、それぞれ独立して2〜11の整数が好ましく、2〜6の整数が特に好ましい。また、式[9]〜[12]中の1,4−シクロへキシレンのシス−トランス異性は、それぞれトランス異性体である。
Figure 0005382351
式[2]の構造を含む特定ポリイミドは、下記の式[13]に示す特定ジアミンを原料に用いることで得ることができる。
Figure 0005382351
(式[13]中、X及びXは式[2]で定義したものと同定義である。)
式[13]で表されるジアミンを製造する方法は特に限定されないが、好ましい方法としては以下の方法が挙げられる。
Figure 0005382351
(式[14]中、X及びXは式[2]で定義したものと同定義である。)
式[14]のジニトロ化合物を合成し、通常の方法でニトロ基を還元してアミノ基に変換することで得られる。
式[14]のジニトロ化合物は、下記の式[15]で表わされる水酸基含有化合物とジニトロクロロベンゼンなどとの反応により得ることができる。
Figure 0005382351
(式[15]中、X及びXは式[2]で定義したものと同定義である。)
式[3]、[4]、[9]〜[12]の構造を含む特定ポリイミドも、上記と同様の手法で得ることができる。
式[1]中においてR及びRはそれぞれ1種類であっても、それぞれ異なったR及びRを有し、繰り返し単位として異なった複数種を組み合わせたものでもよい。
液晶のプレチルト角を大きくするという目的では、式[2]の構造を1モル%以上用いることが好ましい。液晶を垂直に配向させるという目的では、10モル%以上用いることが好ましく、より好ましくは、15モル%以上である。式[3]、[4]、及び[9]〜[12]の構造を含む特定ポリイミドも同様である。
特定ポリイミドは、上記ポリアミド酸をイミド化させる際のイミド化率を通常は100%未満に制御することで得ることができる。
また、特定ポリイミドは、式[1]で表される繰り返し単位の構造式中に、繰り返し単位に下記の式[5]で表される構造単位を含むポリアミド酸をイミド化したものを含んでもよい。
Figure 0005382351
(式[5]中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R又はRの少なくとも一方はカルボキシル基を有する。)
その際、イミド化率は100%であってもよい。
特定ポリイミドのイミド化率は、高い電圧保持率が得られるという理由から20%以上であることが好ましく、より好ましくは40%以上である。
特定ポリイミド中のカルボキシル基の量は、本発明の効果が効率よく得られるという理由から、ポリイミドとしての構造式の繰り返し単位に対する平均値で0.1〜4個であることが好ましく、より好ましくは0.3〜3個であり、特に好ましくは0.5〜2.5個である。この時の繰り返し単位とは、イミド化されていないアミド酸基を含んでいる単位も合わせたものである。例えば、式[1]表される繰り返し単位からなるポリアミド酸をイミド化して得られるポリイミドの場合、イミド化率が100%未満では下記の式[16a]〜[16d]の構造の組合せから構成されることが考えられるが、上記でカルボキシル基の量を算出する場合の繰り返し単位には式[16a]〜[16d]の全てが含まれる。
Figure 0005382351
本発明において、特定ポリイミド中のカルボキシル基の量(以下、カルボキシル基の平均値ともいう。)は、下記(i)のPと、(ii)のQとの和として求められる。
(i)イミド化していないアミド酸由来のカルボキシル基の、ポリイミドとしての構造式の繰り返し単位に対する平均値:P
(ii)前記式[5]のR、Rに含まれるカルボキシル基の、ポリイミドとしての構造式の繰り返し単位に対する平均値:Q
そして、上記(i)のPは、イミド化率(z)を用いて下記の式(1)から算出できる。なお、イミド化率(z)は、例えば、後記する<イミド化率の測定>から求められる。
P=2×(1−z/100) (1)
一方、上記(ii)のQは、式[5]のRに含まれるカルボキシル基の、ポリイミドとしての構造式の繰り返し単位に対する平均値:QとRに含まれるカルボキシル基の、ポリイミドとしての構造式の繰り返し単位に対する平均値:Qとの和で求められる。
上記のR、Rは、それぞれ、特定ポリイミドを得るために用いる原料の1部又は全部であるテトラカルボン酸二無水物残基(R)、ジアミン残基(R)である。
そのため、上記Qは、特定ポリイミドを得るために用いるテトラカルボン酸二無水物の合計モル量中における下記の式[V1]で表されるテトラカルボン酸二無水物のモル分率を用いて、下記の式(3)から算出される。
Figure 0005382351

=β×W/W (3)
ここで、βはRに含有されるカルボキシル基の個数を表し、Wは式[V1]のテトラカルボン酸二無水物のモル量であり、Wはテトラカルボン酸二無水物の合計モル量を表す。
また、上記Qは、特定ポリイミドを得るために用いるジアミンの合計モル量における下記の式[V2]で表されるジアミンのモル分率を用いて、下記の式(4)から算出される。
Figure 0005382351

=β×W/W (4)
ここで、βはRに含有されるカルボキシル基の個数を表し、Wは式[V2]で表されるジアミンのモル量であり、Wはジアミンの合計モル量を表す。
かくして、カルボキシル基の量は下記の式(5)で求められる。
特定ポリイミド中のカルボキシル基の量
=P+Q+Q
=2×(1−z/100)+β×W/W+β×W/W (5)
本発明において、特定ポリイミド中のカルボキシル基の量の調整は、
(1)イミド化率を制御することで調整する手段、
(2)式[5]のR又はRに含まれるカルボキシル基の数、及び式[1]で表される繰り返し単位の構造式中における式[5]の比率によって調整する手段、
のいずれであってもよい。更に、(1)と(2)の手段を併用することもできる。
式[1]におけるRおよびRの選択の自由度という観点から(1)の手段が好ましい。特定ポリイミドのイミド化率の選択の自由度という観点から(2)の手段が好ましい。また、液晶配向膜を作製する際の焼成工程によるイミド化反応によって、特定アミン化合物が脱離する又はポリイミド鎖が切断されるといった可能性が少ないという観点から(2)の手段が好ましい。
上記(1)の手段によって特定ポリイミド中のカルボキシル基の量を調整する場合は、式[1]におけるR及びRは特に限定されない。また、R及びRは式[1]中においてそれぞれ1種類であっても、それぞれ異なったR及びRの構造を有し、繰り返し単位として異なった複数種を組み合わせたものでもよい。
式[1]におけるRの具体例を挙げるとすれば以下の通りである。
Figure 0005382351
Figure 0005382351
これらのうち、A−6、A−16、A−18〜A−22、A−25、A−37、A−38は、イミド化率が高いポリイミドであっても有機溶媒に対する溶解性が高いので好ましい。
また、Rの10モル%以上が、A−1〜A−25のように脂環式構造又は脂肪族構造を有する場合は電圧保持率が向上するので好ましい。特に、RがA−1、A−16、A−19から選ばれる2種類を併用したものは、電荷の緩和がより速い液晶配向膜を得ることができるので好ましい。
式[1]において、Rは、式[2]で示される構造以外の有機基を含んでいてもよい。その具体例を挙げるとすれば以下の通りである。
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
(B−112及びB−113において、Qは−COO−,−OCO−,−CONH−,−NHCO−,−CH−,−O−,−CO−,−NH−のいずれかを表す。)
前記(2)の手段によって特定ポリイミド中のカルボキシル基の量を調整する場合、R又はRのいずれかにカルボキシル基を有していればその構造は特に限定されない。また、カルボキシル基の数は、R及びRにそれぞれ0〜2個(ただし、R又はRのいずれか一方には少なくとも1個のカルボキシル基を有する。)が好ましい。
ポリイミドの合成容易性、および原料の入手性の観点からはRにカルボキシル基を有している方が好ましい。カルボキシル基を有するR4としては、B−102〜B−113が挙げられる。その際、カルボキシル基を有するR4は1種類であっても2種類以上を併用していてもよい。また、Rがカルボキシル基を有している場合にはRの構造は特に限定されず、具体例としてはA−1〜A−45を挙げることができる。
<特定ポリイミドの製造方法>
本発明に用いる(A)成分である特定ポリイミドの製造方法は特に限定されないが、一般的には、テトラカルボン酸及びその誘導体から選ばれる1種又は複数種からなるテトラカルボン酸成分と、1種又は複数種のジアミン化合物からなるジアミン成分とを反応して、式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸を合成し、該ポリアミド酸をイミド化してポリイミドとする方法が用いられる。
その際、得られるポリアミド酸は、原料であるテトラカルボン酸成分とジアミン成分を適宜選択することによって単独重合体(ホモポリマー)又は共重合体(コポリマー)とすることができる。
ここで言うところのテトラカルボン酸及びその誘導体とは、テトラカルボン酸、テトラカルボン酸ジハライド又はテトラカルボン酸二無水物である。なかでも、テトラカルボン酸二無水物はジアミン化合物との反応性が高いので好ましい。
以下に、特定ポリイミドの製造方法の具体例を示す。
例えば、式[17]で表されるテトラカルボン酸二無水物から選ばれる少なくとも一種を含むテトラカルボン酸成分と、式[18]で表されるジアミン化合物から選ばれる少なくとも一種を含むジアミン成分とを、N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルアセトアミド、N,N’−ジメチルホルムアミド、γ-ブチロラクトンなどの有機溶媒中で重縮合反応させてポリアミド酸を得ることができる。
Figure 0005382351
なお、式[17]のRは、式[1]における定義と同意義である。
Figure 0005382351
なお、式[18]中のRは、式[1]における定義と同意義である。
その際、反応温度は、−20℃から150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃から100℃の範囲である。
テトラカルボン酸成分を構成する化合物の合計モル数と、ジアミン成分を構成するジアミン化合物の合計モル数との比は、好ましくは0.8:1〜1.2:1、特に好ましくは0.9:1〜1.1:1である。このモル比が1.0に近いほど生成する重合体の重合度は大きくなる。
また、式[1]で表される繰り返し単位の構造式中に、繰り返し単位の一部又は全てに式[5]で表される単位を有するポリアミド酸を得るためには、Rにカルボキシル基を有するテトラカルボン酸二無水物及び/又はRにカルボキシル基を有するジアミンを使用すればよい。
ポリアミド酸をイミド化させる方法としては、加熱による熱イミド化、触媒を使用する触媒イミド化が一般的であるが、比較的低温でイミド化反応が進行する触媒イミド化の方が、得られるポリイミドの分子量低下が起こりにくく好ましい。
触媒イミド化は、ポリアミド酸を有機溶媒中において、塩基性触媒と酸無水物の存在下で攪拌することにより行うことができる。このときの反応温度は−20〜250℃、好ましくは0〜180℃である。反応温度が高い方がイミド化は速く進行するが、高すぎるとポリイミドの分子量が低下する場合がある。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒や酸無水物の量が少ないと反応が十分に進行せず、また多すぎると反応終了後に完全に除去することが困難となる。この場合に用いる塩基性触媒としては、ピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミン、トリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。また、酸無水物としては無水酢酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。有機溶媒としては、ポリアミド酸が溶解するものであれば限定されないが、その具体例を挙げるならば、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトンなどを挙げることができる。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
生成したポリイミドは、上記反応溶液を貧溶媒に投入して生成した沈殿を回収することで得られる。その際、用いる貧溶媒は特に限定されないが、例えば、メタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセロソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。貧溶媒に投入して沈殿させたポリイミドは、濾過した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱乾燥して粉末とすることができる。そのポリイミド粉末を、更に有機溶媒に溶解して、再沈殿する操作を2〜10回繰り返すと、ポリイミドを精製することもできる。一度の沈殿回収操作では不純物が除ききれないときは、この精製工程を行うことが好ましい。
本発明に用いる特定ポリイミドの分子量は特に制限されないが、取り扱いのしやすさと、膜形成した際の特性の安定性の観点から重量平均分子量で2,000〜200,000が好ましく、より好ましくは4,000〜50,000である。分子量は、GPC(ゲルパーミエッションクロマトグラフィ)により求めたものである。
<(B)成分/特定アミン化合物>
本発明に用いる(B)成分である特定アミン化合物は、分子内にアミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記アミノ基が2価の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物である。
この特定アミン化合物は、分子内に含まれるアミノ基が1個のみであるので、液晶配向処理剤を調製する際や液晶配向剤の保管中に、ポリマーの析出やゲル化といった問題が起こる可能性を回避できる。
特定アミン化合物に含まれる1級アミノ基は、特定ポリイミドとの塩形成や結合反応のしやすさの観点から、分子内において2価の脂肪族炭化水素基又は、芳香族炭化水素を含まない非芳香族環式炭化水素基に結合している必要がある。
脂肪族炭化水素基の具体例としては、直鎖状アルキレン基、分岐構造を有するアルキレン基、不飽和結合を有する2価の炭化水素基等を挙げることができる。脂肪族炭化水素基の炭素数は好ましくは1〜20であり、より好ましくは1〜15であり、更に好ましくは1〜10である。
2価の非芳香族環式炭化水素基の具体例としてはシクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などが挙げられる。好ましくは炭素数が3〜20からなる環であり、より好ましくは炭素数が3〜15からなる環であり、更に好ましくは炭素数が3〜10からなる環の非芳香族環式炭化水素基である。
特定アミン化合物に含まれる窒素含有芳香族複素環は、下記の式[20a]、式[20b]及び式[20c]から選ばれる構造を少なくとも1個、好ましくは1個〜4個を有する芳香族環式炭化水素であり、より好ましくは1個〜4個である。
Figure 0005382351
(式中、Zは炭素数1〜5の直鎖または分岐アルキル基である。)
窒素含有芳香族複素環の具体例としては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環などを挙げることができる。さらに、これら窒素含有芳香族複素環の炭素原子には、ヘテロ原子を含む置換基を有していてもよい。
より好ましい特定アミン化合物としては、下記の式[6]で表されるアミン化合物である。
Figure 0005382351
(式中、Yは脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基を有する2価の有機基であり、Yは窒素含有芳香族複素環である。)
式[6]において、Yは脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基を有する2価の有機基であれば特に限定されない。
式[6]における好ましいYとしては、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜20の非芳香族環式炭化水素基から選ばれる1種を有する2価の有機基である。非芳香族環式炭化水素基としては、上述した構造を挙げることができる。より好ましくは炭素数1〜15の脂肪族炭化水素基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などが挙げられる。特に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキル基である。
また、Yに含まれる、アミノ基に隣接しない任意の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−S−、−S(O)−、−CF−、−C(CF−、−C(CH−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、2価の環状炭化水素基又は複素環で置き換えられてもよく、また、任意の炭素原子に結合している水素原子は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基、環状炭化水素基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、複素環、フッ素原子又は水酸基で置き換えられてもよい。
2価の環状炭化水素基の具体例としてはベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などが挙げられる。
また、2価の複素環の具体例としては、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環などを挙げることができる。
式[6]におけるYは、窒素含有芳香族複素環であり、上述したと同様に、式[20a]、式[20b]及び式[20c]から選ばれる少なくとも1個の構造を含有する芳香族環式炭化水素である。その具体例としては、上述した構造を挙げることができる。これらのうち、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環、アゼピン環、ジアゼピン環、ナフチリジン環、フェナジン環、フタラジン環が好ましい。
また、窒素含有芳香族複素環と特定ポリイミド中のカルボキシル基との塩形成や水素結合といった静電的相互作用のしやすさの観点から、YはYに含まれる式[20a]、式[20b]、又は式[20c]と隣り合わない置換基と結合していることが好ましい。
さらに、式[6]のYである窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
式[6]における好ましいY及びYの組み合わせは、Yが、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基及び炭素数3〜20の非芳香族環式炭化水素基から選ばれる1種を有する2価の有機基、Yが、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環、アゼピン環、ジアゼピン環、ナフチリジン環、フェナジン環、フタラジン環から選ばれる。なお、Yの窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
さらに好ましい特定アミン化合物としては、下記の式[7]で表されるアミン化合物である。
Figure 0005382351
(式中、Yは炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基であり、Yは、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−又は炭素数1〜19の2価の有機基である。また、YとYが有する炭素原子の合計は1〜20である。Yは窒素含有芳香族複素環である)
式[7]におけるYは、炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基である。その具体例を挙げると、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1〜10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環などである。より好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、ノルボルネン環又はアダマンタン環が挙げられる。特に好ましくは炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基である。
に含まれる、アミノ基に隣接しない任意の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基中の−CH−は、−O−、−NH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−S−、−S(O)−、−CF−、−C(CF−、−C(CH−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、2価の環状炭化水素基および複素環で置き換えられてもよく、また、任意の炭素原子に結合している水素原子は、炭素数1〜20の直鎖又は分岐アルキル基、環状炭化水素基、炭素数1〜10のフッ素含有アルキル基、複素環、フッ素原子又は水酸基で置き換えられてもよい。ここで言う環状炭化水素基及び複素環は、式[6]におけるYで述べた定義と同意義である。
式[7]におけるYは単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−又は炭素数1〜19の2価の有機基である。この炭素数1〜19の2価の有機基は、炭素原子を1〜19個有する2価の有機基であり、酸素原子、窒素原子、硫黄原子、珪素原子などを含んでいてもよい。
の具体例としては、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−、炭素数1〜19の炭化水素基、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−CF−、−C(CF−、−CH(OH)−、−C(CH−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環、オキサゾール環、ピペラジン環、ピペリジン環、ジオキサン環、モルフォリン環等が挙げられる。
として、これらを2種以上含んでいてもよい。この2種以上含んだ具体例としては、−NH−CH−、−NH−C−、−NH−C−、−NH−C−、−S−CH−、−S−C−、−S−C−、−S−C−、−O−CH−、−O−C−、−O−C−、−O−C−、−NH−CO−CH−、−NH−CO−C−、−NH−CO−C−、−NH−CO−C−、−CO−CH−、−CO−C−、−CO−C−、−CO−C−、−CO−NH−CH−、−CO−NH−C−、−CO−NH−C−、−CO−NH−C−、−NH−CH−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−S−CH−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−O−CH−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−NH−CO−CH−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−CH(OH)−CH−、−CH(OH)−C−、−CH(OH)−C−、−CH(OH)−C−、−CH(CHOH)−CH−、−CH(CHOH)−C−、−CH(CHOH)−C−、−CH(CHOH)−C−、−NH−CH(CHOH)−CH−、−CO−NH−CH(CHOH)−CH−、−NH−CO−CH(CHOH)−CH−、−CO−CH(CHOH)−CH−、−S−CH(CHOH)−CH−、−O−CH(CHOH)−CH−、−CH(N(CH)−、−C−O−、−C−NH−、−C−CO−NH−、−C−NH−CO−、−C−CO−、−C−CH−、−C−S−等が挙げられる。
式[7]におけるYは、窒素含有芳香族複素環であり、式[6]のおけるYの定義と同じであり、従って、YはYの定義と同じである。その具体例としては、上述したYと同じ構造を挙げることができる。これらのうち、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環、アゼピン環、ジアゼピン環、ナフチリジン環、フェナジン環、又はフタラジン環が好ましい。
また、窒素含有芳香族複素環と特定ポリイミド中のカルボキシル基との塩形成や水素結合といった静電的相互作用のしやすさの観点から、YはYに含まれる式[20a]、式[20b]又は式[20c]と隣り合わない炭素原子と結合していることが好ましい。
さらに、式[7]のYである窒素含有芳香族複素環の炭素原子はハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
式[7]におけるY、Y及びYの好ましい組み合わせは、Yが、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、ノルボルネン環、又はアダマンタン環であり、Yが、単結合、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、−O−、−NH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−S−、−SO−、−CF−、−C(CF−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、−CH(OH)−、−NH−CH−、−NH−C−、−NH−C−、−NH−C−、−S−CH−、−S−C−、−S−C−、−S−C−、−O−CH−、−O−C−、−O−C−、−O−C−、−NH−CO−CH−、−NH−CO−C−、−NH−CO−C−、−NH−CO−C−、−CO−CH−、−CO−C−、−CO−C−、−CO−C−、−CO−NH−CH−、−CO−NH−C−、−CO−NH−C−、−CO−NH−C−、−NH−CH−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−NH−C−CH(CH)−、−S−CH−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−S−C−CH(CH)−、−O−CH−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−O−C−CH(CH)−、−NH−CO−CH−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−NH−CO−C−CH(CH)−、−CH(OH)−CH−、−CH(OH)−C−、−CH(OH)−C−、−CH(OH)−C−、−CH(CHOH)−CH−、−CH(CHOH)−C−、−CH(CHOH)−C−、−CH(CHOH)−C−、−NH−CH(CHOH)−CH−、−CO−NH−CH(CHOH)−CH−、−NH−CO−CH(CHOH)−CH−、−CO−CH(CHOH)−CH−、−S−CH(CHOH)−CH−、−O−CH(CHOH)−CH−、−CH(N(CH)−、−C−O−、−C−NH−、−C−CO−NH−、−C−NH−CO−、−C−CO−、−C−CH−、−C−S−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、又はフェナレン環であり、Yが、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環、アゼピン環、ジアゼピン環、ナフチリジン環、フェナジン環、又はフタラジン環である。なお、Yの窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
式[7]におけるY、Y及びYのより好ましい組み合わせは、Yが、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環でありシクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、又はアダマンタン環であり、Yが、単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基、−O−、−NH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−S−、−S(O)−、−CH(OH)−、−NH−CH−、−S−CH−、−O−CH−、−O−C−、−NH−CO−CH−、−CO−CH−、−CO−NH−CH−、−NH−CH−CH(CH)−、−S−CH−CH(CH)−、−O−CH−CH(CH)−、−NH−CO−CH−CH(CH)−、−CH(OH)−CH−、−CH(OH)−C−、−CH(CHOH)−CH−、−NH−CH(CHOH)−CH−、−CO−NH−CH(CHOH)−CH−、−NH−CO−CH(CHOH)−CH−、−CO−CH(CHOH)−CH−、−S−CH(CHOH)−CH−、−O−CH(CHOH)−CH−、−CH(N(CH)−、−C−O−、−C−NH−、−C−CO−NH−、−C−NH−CO−、−C−CO−、−C−CH2−、−C−S−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、又はフェナレン環であり、Yが、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、キノキサリン環、アゼピン環、ジアゼピン環、ナフチリジン環、フェナジン環、又はフタラジン環である。なお、Yの窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
式[7]におけるY、Y及びYのさらに好ましい組み合わせは、Yが、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環であり、Yが、単結合、炭素数1〜5の直鎖又は分岐アルキレン基、−O−、−NH−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−CH(OH)−、−NH−CH−、−S−CH−、−O−CH−、−NH−CO−CH−、−CO−CH−、−CO−NH−CH−、−NH−CH−CH(CH)−、−S−CH−CH(CH)−、−O−CH−CH(CH)−、−NH−CO−CH−CH(CH)−、−CH(OH)−CH−、−CH(OH)−C−、−CH(CHOH)−CH−、−NH−CH(CHOH)−CH−、−CO−NH−CH(CHOH)−CH−、−NH−CO−CH(CHOH)−CH−、−CO−CH(CHOH)−CH−、−S−CH(CHOH)−CH−、−O−CH(CHOH)−CH−、−CH(N(CH)−、−C−O−、−C−NH−、−C−CO−NH−、−C−NH−CO−、−C−CO−、−C−CH−、−C−S−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、フルオレン環、又はアントラセン環であり、Yが、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、又はベンゾイミダゾール環である。なお、Yの窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
式[7]におけるY、Y及びYの特に好ましい組み合わせは、Yが、炭素数1〜5の直鎖若しくは分岐アルキレン基、シクロブタン環、又はシクロヘキサン環であり、Yが、単結合、−O−、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CH(OH)−、ベンゼン環、ナフタレン環、フルオレン環、アントラセン環であり、Yが、ピロール環、イミダゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、又はピリミジン環である。なお、Yの窒素含有芳香族複素環の炭素原子は、ハロゲン原子及び/又は有機基の置換基を有していてもよく、該有機基は酸素原子、硫黄原子、窒素原子等のヘテロ原子を含有してもよい。
本発明に用いる特定アミン化合物の具体例としては、M1〜M156の化合物が挙げられる。
Figure 0005382351
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より好ましい化合物としては、M6〜M8、M10、M16〜M21、M31〜M36、M40〜M45、M47〜M57、M59〜M63、M68、M69、M72〜M82、M95〜M98、M100〜M103、M108〜M125、M128〜M137、M139〜M143、M149〜M156が挙げられる。さらに好ましいのは、M6〜M8、M16〜M20、M32〜M36、M40、M41、M44、M49〜M54、M59〜M62、M68、M69、M75〜M82、M100〜M103、M108〜M112、M114〜M116、M118〜M121、M125、M134〜M136、M139、M140、M143、M150、M152〜M156である。
<液晶配向処理剤>
本発明の液晶配向処理剤は、通常、上記した(A)成分である特定ポリイミドと(B)成分である特定アミン化合物とを有機溶媒中で混合して得られる。混合する特定ポリイミド及び特定アミン化合物は、それぞれ、1種類でもよく、複数種類を併用してもよい。
混合方法としては、特定ポリイミドの前駆体であるポリアミド酸をイミド化した反応溶液(特定ポリイミドの溶液)を用いてもよいが、通常は、精製して得られた特定ポリイミドの粉体を有機溶媒に溶解させた溶液に、特定アミン化合物を添加する方法が挙げられる。その際に用いる有機溶媒は、特定ポリイミドを溶解させる溶媒であれば特に限定されない。かかる有機溶媒の具体例を以下に挙げる。
例えば、N,N’−ジメチルホルムアミド、N,N’−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチルピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライム、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらの溶媒は2種類以上を混合して用いてもよい。
特定ポリイミドを有機溶媒に溶解させる際に、特定ポリイミドの溶解を促進する目的で、加熱してもよい。加熱する温度が高すぎるとポリイミドの分子量が低下する場合があるので、温度30〜100℃が好ましい。特定ポリイミドの溶液の濃度は特に限定されないが、特定アミン化合物と均一に混合し易いので、溶液中の特定ポリイミド濃度として1〜20質量%が好ましく、より好ましくは3〜15質量%であり、特に好ましくは3〜10質量%である。
特定アミン化合物は、上記の特定ポリイミドの溶液に直接添加しても構わないが、適当な溶媒で濃度0.1〜10質量%の溶液にしてから添加することが好ましい。この溶媒としては、上記した特定ポリイミドの溶媒が挙げられる。
特定ポリイミドと特定アミン化合物とを有機溶媒中で混合した後に加熱することは好ましい。加熱することで、液晶配向処理剤の状態で既に結合している特定アミン化合物と特定ポリイミドの比率が増加し、液晶配向膜としたときにより効率的に電荷の移動が可能となる。混合後に加熱する場合の温度は10〜100℃が好ましく、より好ましくは20〜80℃である。
特定アミン化合物の使用量は、本発明の効果が効率よく得られ、かつ液晶配向処理剤の安定性を損なわないという理由から、特定ポリイミドに含まれるカルボキシル基の1モル量に対して0.01〜2モル倍が好ましく、より好ましくは0.05〜1モル倍であり、特に好ましくは0.08〜0.8モル倍である。
本発明の液晶配向処理剤は、特定ポリイミド、特定アミン化合物以外に、その他の成分として、液晶配向処理剤を塗布した際の膜厚均一性や表面平滑性を向上させる溶媒や化合物、液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物などを含有してもよい。その他の成分は、特定ポリイミドと特定アミン化合物を混合する途中に添加してもよいし、これらの混合溶液に後から添加してもよい。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる溶媒の具体例としては次のものが挙げられる。
例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステル、乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する溶媒などが挙げられる。
これらの溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような溶媒を用いる場合は、液晶配向処理剤に含まれる溶媒全体の5〜80質量%であることが好ましく、より好ましくは20〜60質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられる。
より具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ社製))、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ社製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム社製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子社製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、液晶配向処理剤に含有される(A)成分の100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
液晶配向膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、次に示す官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物であるものが挙げられる。
例えば、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどが挙げられる。
これら基板との密着を向上させる化合物を使用する場合は、液晶配向処理剤に含有される特定ポリイミド成分の100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
本発明の液晶配向処理剤には、上記の他、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、特定ポリイミド以外のポリマー成分や、液晶配向膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質、さらには、液晶配向膜にした際の膜の硬度や緻密度を高める目的の架橋性化合物を添加してもよい。
本発明の液晶配向処理剤における固形分の濃度は、目的とする液晶配向膜の膜厚によって適宜変更することができるが、欠陥のない塗膜を形成させ、且つ液晶配向膜として適切な膜厚を得ることができるという理由から1〜20質量%とすることが好ましく、より好ましくは2〜10質量%である。
<液晶配向膜・液晶表示素子>
本発明の液晶配向処理剤は、基板上に塗布、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜として用いることができる。この際、用いる基板としては透明性の高い基板であれば特に限定されず、ガラス基板、アクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などを用いることができる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。また、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。
液晶配向処理剤の塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
液晶配向処理剤を基板上に塗布した後の焼成は、ホットプレートなどの加熱手段により50〜300℃、好ましくは80〜250℃で溶媒を蒸発させて、塗膜を形成させることができる。焼成後の塗膜の厚みは、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜100nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により本発明の液晶配向剤から液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作成し、液晶表示素子としたものである。
液晶セル作成の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、片方の基板の液晶配向膜上にスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう片方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
以上のようにして、本発明の液晶配向処理剤を用いて作製された液晶表示素子は、信頼性に優れたものとなり、大画面で高精細の液晶テレビなどに好適に利用できる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例に限定されるものではない。
本実施例で使用する略号の説明。
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
Figure 0005382351
(ジアミン)
DBA:3,5−ジアミノ安息香酸
PBCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−〔トランス−4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)シクロへキシル〕フェノキシ}ベンゼン
BPCH5DAB:1,3−ジアミノ−4−{4−〔4−(トランス−4−n−ペンチルシクロへキシル)フェニル〕フェノキシ}ベンゼン
PCH7DAB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロへキシル)フェノキシ〕ベンゼン
Figure 0005382351

(特定アミン化合物)
3−AMP:3−アミノメチルピリジン
4−AMP:4−アミノメチルピリジン
AEP:4−(2−アミノエチル)ピリジン
API:1−(3−アミノプロピル)イミダゾール
2−AMMP:2−(アミノメチル)−5−メチルピラジン
Figure 0005382351
(比較化合物)
Py:ピリジン
AP:3−アミノピリジン
HA:へキシルアミン
Figure 0005382351
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
<ポリイミドの分子量測定>
合成例におけるポリイミドの分子量は、センシュー科学社製 常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(SSC−7200)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N’−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・H2O)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0ml/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約9000,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
<イミド化率の測定>
合成例におけるポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。ポリイミド粉末20mgをNMRサンプル管(草野科学社製 NMRサンプリングチューブスタンダード φ5)に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d、0.05%TMS混合品)0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液を日本電子データム社製NMR測定器(JNW−ECA500)にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、9.5〜10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
上記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基プロトン1個に対する基準プロトンの個数割合である。
<カルボキシル基量の算出方法>
先に記載した方法により算出した。
<合成例1>
BODA(14.11g,56.3mmol)、DBA(9.15g,60.1mmol)、側鎖ジアミンとしてPBCH5DAB(6.53g,15.0mmol)をNMP(740g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(3.23g,16.5mmol)とNMP(56.0)gを加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(30.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.79g)、ピリジン(2.94g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(408ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(A)を得た。このポリイミドのイミド化率は40%であり、数平均分子量は17,300、重量平均分子量は46,800であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して2.00個である。
<合成例2>
BODA(5.21g,20.8mmol)、DBA(3.37g,22.2mmol)、側鎖ジアミンとしてBPCH5DAB(2.38g,5.54mmol)をNMP(26.2g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(1.19g,6.07mmol)とNMP(20.0)gを加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(30.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(3.74g)、ピリジン(2.89g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(410ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(B)を得た。このポリイミドのイミド化率は41%であり、数平均分子量は18,300、重量平均分子量は49,200であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して1.98個である。
<合成例3>
BODA(33.87,135.3mmol)、DBA(19.23g,126.3mmol)、側鎖ジアミンとしてPBCH5DAB(23.53g,54.1mmol)をNMP(185.0g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(8.62g,43.9mmol)とNMP(155.8g)を加え、40℃で6時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(100.2g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(10.82g)、ピリジン(8.34g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1300ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(C)を得た。このポリイミドのイミド化率は45%であり、数平均分子量は19,100、重量平均分子量は50,800であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して1.80個である。
<合成例4>
合成例3で得たポリアミド酸溶液(251.2g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(53.91g)、ピリジン(41.8g)を加え、90℃で3.5時間反応させた。この反応溶液をメタノール(3200ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(D)を得た。このポリイミドのイミド化率は80%であり、数平均分子量は15,200、重量平均分子量は45,500であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して1.10個である。
<合成例5>
BODA(15.0g,60mmol)、DBA(9.74g,64mmol)、側鎖ジアミンとしてPCH7DAB(6.09g,16mmol)をNMP(131g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(3.88g,19.8mmol)とNMP(30g)を加え、40℃で3時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(10.0g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(1.27g)、ピリジン(0.98g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(140ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(E)を得た。このポリイミドのイミド化率は46%であり、数平均分子量は20,200、重量平均分子量は62,500であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して1.88個である。
<合成例6>
BODA(150.1g,600mmol)、DBA(60.9g,400mmol)、側鎖ジアミンとしてPCH7DAB(152.2g,400mmol)をNMP(1290g)中で混合し、80℃で5時間反応させた後、CBDA(38.8g,198mmol)とNMP(320g)を加え、40℃で3時間反応させポリアミド酸溶液を得た。
このポリアミド酸溶液(101.2g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(21.3g)、ピリジン(16.5g)を加え、90℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(13005ml)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(F)を得た。このポリイミドのイミド化率は81%であり、数平均分子量は20,400、重量平均分子量は63,000であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して0.88個である。
<実施例1>
合成例1で得たポリイミド粉末(A)(2.12g)にNMP(12.0g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(0.64g)(3−AMPとして0.064g)、NMP(4.41g)、BCS(15.9g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[1]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
<液晶セルの作製>
上記で得た液晶配向処理剤[1]を3×4cmITO電極付き基板のITO面にスピンコートし、80℃で5分間、210℃の熱風循環式オーブンで1時間焼成を行い、膜厚100nmのポリイミド塗膜を作製した。
この液晶配向膜付き基板を、ロール径120mm、レーヨン布のラビング装置にて、回転数300rpm、ロール進行速度20mm/sec、押し込み量0.3mmの条件にてラビング処理をし、液晶配向膜付き基板を得た。
この液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのビーズスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷した。もう1枚の基板を液晶配向膜面を内側にし、ラビング方向が逆向きになるようにして張り合わせた後、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、アンチパラレル配向のネマチック液晶セルを得た。
<プレチルト角の評価>
上記で作製した液晶セルのプレチルト角を、プレチルト角測定装置(ELSICON社製 モデル:PAS−301)を用いて室温でのプレチルト角を測定した。結果は、後述する表1に示す。
また、ラビング処理をしなかった以外は上記と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
<電圧保持率の評価>
プレチルト角測定後の液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μs印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。結果は、後述する表2に示す。
<残留電荷の緩和の評価>
電圧保持率測定後の液晶セルに、直流電圧10Vを30分印加し、1秒間短絡させた後、液晶セル内に発生している電位を1800秒間測定した。そして、50秒後及び1000秒後の残留電荷を測定した。なお、測定には東陽テクニカ社製6254型液晶物性評価装置を用いた。結果は、後述する表3に示す。
<高温放置後の評価>
残留電荷測定後の液晶セルを、100℃に設定した高温槽に7日間放置した後、電圧保持率及び残留電荷の測定を行った。結果は、後述する表2及び表3に示す。
<紫外線照射後の電圧保持率の評価>
上記で作製した液晶セルに、80℃の温度下で4Vの電圧を60μs印加し、16.67ms後及び1667ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。さらに、測定後、卓上型UV硬化装置(HCT3 B28 HEX−1(セン特殊光源製))により、365nmにおける照射量が10J/cmの紫外線を液晶セルに照射し、同様の条件で電圧保持率を測定した。結果は、後述する表4に示す。
<実施例2>
合成例2で得たポリイミド粉末(B)(2.02g)にNMP(11.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(0.61g)(3−AMPとして0.061g)、NMP(4.21g)、BCS(15.2g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[2]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[2]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例3>
合成例3で得たポリイミド粉末(C)(2.01g)にNMP(11.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(0.60g)(3−AMPとして0.060g)、NMP(4.18g)、BCS(15.1g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[3]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[3]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例4>
合成例3で得たポリイミド粉末(C)(1.98g)にNMP(11.2g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(1.98g)(3−AMPとして0.20g)、NMP(2.87g)、BCS(14.9g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[4]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[4]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例5>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(0.60g)(3−AMPとして0.060g)、NMP(4.16g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[5]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[5]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例6>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(1.00g)(3−AMPとして0.10g)、NMP(3.80g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[6]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[6]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例7>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.21g)にNMP(12.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(1.55g)(3−AMPとして0.16g)、NMP(3.80g)、BCS(16.6g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[7]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[7]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例8>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(2.00g)(3−AMPとして0.20g)、NMP(2.90g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[8]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[8]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例9>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.03g)にNMP(11.5g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に4−AMPの10質量%NMP溶液(1.42g)(4−AMPとして0.14g)、NMP(3.49g)、BCS(15.2g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[9]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[9]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例10>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にAEPの10質量%NMP溶液(1.40g)(AEPとして0.14g)、NMP(3.44g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[10]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[10]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例11>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にAPIの10質量%NMP溶液(1.40g)(APIとして0.14g)、NMP(3.44g)、BCS(15.1g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[11]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[11]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<実施例12>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.04g)にNMP(11.6g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に2−AMMPの10質量%NMP溶液(1.43g)(2−AMMPとして0.14g)、NMP(3.51g)、BCS(15.3g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[12]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[12]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例1>
合成例3で得たポリイミド粉末(C)(2.10g)にNMP(11.9g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(4.94g)、BCS(15.9g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[13]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[13]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例2>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.08g)にNMP(11.8g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(4.89g)、BCS(15.6g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[14]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[14]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例3>
合成例5で得たポリイミド粉末(E)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にNMP(4.71g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[15]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[15]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例4>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にPyの10質量%NMP溶液(1.40g)(Pyとして0.14g)、NMP(3.44g)、BCS(15.2g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[16]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[16]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例5>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(1.98g)にNMP(11.2g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にAPの10質量%NMP溶液(1.39g)(APとして0.14g)、NMP(3.41g)、BCS(14.9g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[17]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[17]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例6>
合成例4で得たポリイミド粉末(D)(2.00g)にNMP(11.3g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液にHAの10質量%NMP溶液(1.40g)(HAとして0.14g)、NMP(3.44g)、BCS(15.0g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[18]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[18]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例7>
合成例5で得たポリイミド粉末(E)(2.01g)にNMP(11.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(0.60g)(3−AMPとして0.06g)、NMP(4.18g)、BCS(15.1g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[21]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[19]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は垂直配向していなかった。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
<比較例8>
合成例6で得たポリイミド粉末(F)(2.01g)にNMP(11.4g)を加え、70℃にて40時間攪拌して溶解させた。この溶液に3−AMPの10質量%NMP溶液(1.41g)(3−AMPとして0.14g)、NMP(3.46g)、BCS(15.1g)を加え、50℃にて15時間攪拌することで、液晶配向処理剤[20]を得た。この液晶配向処理剤に濁りや析出などの異常は見られず、樹脂成分は均一に溶解していることが確認された。
得られた液晶配向処理剤[20]を用い、実施例1と同様に液晶セルを作製し、プレチルト角の評価を行った。結果は、後述する表1に示す。なお、ラビング処理をしなかった以外は実施例1と同様に作製した液晶セルを偏光顕微鏡で観察したところ、液晶は均一に垂直配向していることが確認された。
また、実施例1と同様に作製した液晶セルを用いて、電圧保持率の評価、残留電荷の緩和の評価、高温放置後の評価及び紫外線照射後の電圧保持率の評価を行った。結果は、後述する表2、表3及び表4に示す。
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
Figure 0005382351
本発明の液晶配向処理剤は、液晶配向膜にした際、液晶のプレチルト角を大きくする特性を有しており、少ない使用割合でも液晶を垂直に配向させることができ、また、液晶配向処理剤の塗布液に貧溶媒を混合したときにも析出が発生しにくい。さらにこれら特性に加え、電圧保持率が高く、かつ高温下に長時間曝された後であっても、直流電圧により蓄積する電荷の緩和が速く、かつバックライトの紫外線に長時間曝された後でも電圧保持率の低下を抑制できる液晶配向膜が得られる液晶配向処理剤を提供することができる。その結果、TN素子、STN素子、TFT液晶素子、更には、垂直配向型の液晶表示素子などに有用である。

なお、2007年12月28日に出願された日本特許出願2007−340890号の明細書、特許請求の範囲、及び要約書の全内容をここに引用し、本発明の明細書の開示として、取り入れるものである。

Claims (13)

  1. 下記の(A)成分及び下記の(B)成分を含有することを特徴とする液晶配向処理剤。
    (A)成分:下記の式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体の分子内にカルボキシル基を有するポリイミド。
    (B)成分:分子内に1級アミノ基を1個と窒素含有芳香族複素環とを有し、かつ前記1級アミノ基が脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基に結合しているアミン化合物。
    Figure 0005382351
    (式[1]中、Rは4価の有機基であり、Rは下記の式[2]を含む2価の有機基である。)
    Figure 0005382351
    (式[2]中、Xは、1,4−フェニレン又は1,4−シクロヘキシレンであり、Xは炭素数3〜12のアルキル基、炭素数3〜12のアルコキシ基、炭素数3〜12のフルオロアルキル基、又は炭素数3〜12のフルオロアルコキシ基である。)
  2. 式[2]中のXが炭素数3〜6のアルキル基、炭素数3〜6のアルコキシ基、炭素数3〜6のフルオロアルキル基、又は炭素数3〜6のフルオロアルコキシ基である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
  3. 式[1]中のRが、下記の式[3]を含む2価の有機基である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0005382351
    (式[3]中、nは2〜11の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
  4. 式[1]中のRが、下記の式[4]を含む2価の有機基である請求項1に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0005382351
    (式[4]中、nは2〜11の整数であり、1,4−シクロヘキシレンのシス−トランス異性は、トランス異性体である。)
  5. (A)成分が、式[1]で表される繰り返し単位の構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体の有するカルボキシル基の量が、該重合体の繰り返し単位に対する平均値で0.1〜3個である請求項1〜4のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  6. (A)成分が、前記の式[1]で表される繰り返し単位の構造式中、繰り返し単位の一部が下記の式[5]で表される単位を有する構造式を有するポリアミド酸をイミド化させた重合体であり、該重合体のカルボキシル基の量が、該重合体の繰り返し単位に対する平均値で0.1〜3個である請求項1〜5のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0005382351
    (式中、Rは4価の有機基であり、Rは2価の有機基であり、R又はRの少なくとも一方はカルボキシル基を有する。)
  7. (B)成分が、下記の式[6]で表されるアミン化合物である請求項1〜6のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0005382351
    (式[6]中、Yは脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基を有する2価の有機基であり、Yは窒素含有芳香族複素環である。)
  8. (B)成分が、下記の式[7]で表されるアミン化合物である請求項7に記載の液晶配向処理剤。
    Figure 0005382351
    (式[7]中、Yは炭素数1〜10の2価の脂肪族炭化水素基又は非芳香族環式炭化水素基であり、Yは、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−又は炭素数1〜19の2価の有機基である。また、YとYが有する炭素原子の合計は1〜20である。Yは窒素含有芳香族複素環である。)
  9. (B)成分が、式[7]のY、Y、及びYがそれぞれ下記に記載の基又は環から選択される組み合わせからなるアミン化合物である請求項8に記載の液晶配向処理剤。
    但し、Yは、炭素数1〜10の直鎖又は分岐アルキレン基、炭素数1〜10の不飽和アルキレン基、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、及びアダマンタン環からなる群から選ばれる1種である;
    は、単結合、−O−、−NH−、−S−、−SO−、炭素数1〜19の炭化水素基、−CO−O−、−O−CO−、−CO−NH−、−NH−CO−、−CO−、−CF−、−C(CF−、−CH(OH)−、−C(CH−、−Si(CH−、−O−Si(CH−、−Si(CH−O−、−O−Si(CH−O−、シクロプロパン環、シクロブタン環、シクロペンタン環、シクロヘキサン環、シクロヘプタン環、シクロオクタン環、シクロノナン環、シクロデカン環、シクロウンデカン環、シクロドデカン環、シクロトリデカン環、シクロテトラデカン環、シクロペンタデカン環、シクロヘキサデカン環、シクロヘプタデカン環、シクロオクタデカン環、シクロノナデカン環、シクロイコサン環、トリシクロエイコサン環、トリシクロデコサン環、ビシクロヘプタン環、デカヒドロナフタレン環、ノルボルネン環、アダマンタン環、ベンゼン環、ナフタレン環、テトラヒドロナフタレン環、アズレン環、インデン環、フルオレン環、アントラセン環、フェナントレン環、フェナレン環、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、アクリジン環、オキサゾール環、ピペラジン環、ピペリジン環、ジオキサン環、及びモルフォリン環からなる群から選ばれる1種である;
    は、ピロール環、イミダゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、ピラゾール環、ピリジン環、ピリミジン環、キノリン環、ピラゾリン環、イソキノリン環、カルバゾール環、プリン環、チアジアゾール環、ピリダジン環、ピラゾリン環、トリアジン環、ピラゾリジン環、トリアゾール環、ピラジン環、ベンズイミダゾール環、ベンゾイミダゾール環、チノリン環、フェナントロリン環、インドール環、キノキサリン環、ベンゾチアゾール環、フェノチアジン環、オキサジアゾール環、及びアクリジン環からなる群から選ばれる1種である。
  10. (A)成分のポリイミドの有するカルボキシル基の1モル量に対して、(B)成分を0.01〜2モル倍量の割合で含有する請求項1〜9のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  11. (A)成分のポリイミドと(B)成分のアミン化合物とを含有する有機溶媒を加熱下に混合して得られる請求項1〜10のいずれかに記載の液晶配向処理剤。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載の液晶配向処理剤から得られる液晶配向膜。
  13. 請求項12に記載の液晶配向膜を有する液晶表示素子。
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