JPWO2016098747A1 - 水中油型乳化組成物 - Google Patents

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Abstract

べたつきのなさ、仕上がり後のなめらかさに優れ、また経時安定性に優れる水中油型乳化組成物の提供を課題とする。当該課題を解決した水中油型乳化組成物は、次の成分(A)〜(C);(A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル(B)炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜9の一価アルコールとのエステル(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有することを特徴とする。

Description

本発明は、特定のデキストリン脂肪酸エステル、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を含有する水中油型乳化組成物に関し、更に詳しくはべたつきのなさ、仕上がり後のなめらかさに優れ、また経時安定性に優れる水中油型乳化組成物に関するものである。
近年、ヘアケアへの意識の高まりから、リンスやコンディショナー等のトリートメント用の毛髪化粧料には、仕上がりのなめらかさ、しなやかさ、エモリエント感等のコンディショニング効果のより高いものが望まれており、そのために様々な技術が開示されている。例えば、カチオン性ポリマーやシリコーン誘導体を用いて、仕上がりのしなやかさ等を高める技術(例えば、特許文献1〜3参照)や、炭化水素油を用いて、仕上がりにエモリエント感等を付与する技術(例えば、特許文献4参照)等がある。
一方、分岐飽和脂肪酸の割合が高いデキストリン脂肪酸エステルは、付着性(タック性)に優れる素材として口紅、アイライナー、マスカラ、ファンデーション等に配合されている(例えば、特許文献5参照)。
特開平6−312915号公報 特表2001−504136号公報 特開平6−80538号公報 特開平6−135823号公報 国際公開2011/102123号パンフレット
しかしながら、特許文献1のカチオン性ポリマーを用いる技術では、よりなめらかさやしなやかさを付与する目的で多量に配合すると、毛髪へのカチオン性ポリマーの吸着により、却ってごわつきを生じる場合があった。また、特許文献2や特許文献3にあるシリコーン誘導体を用いる技術では、シリコーン誘導体自体が一般的な油に溶解しにくく、含有できる剤型が限られる場合があり、予め水に乳化した乳化物として含有する必要があるため、製造工程が複雑になる場合があった。更に、特許文献4にある炭化水素油を用いる技術では、エモリエント感を得ることはできるが、油に由来する使用後のべたつきを感じたり、重い仕上がりとなったりして、良好な使用感が得られ難かった。
一方、特許文献5の技術では、分岐飽和脂肪酸の割合が高いデキストリン脂肪酸エステルは、タック性に優れる素材として口紅、アイライナー、マスカラ、ファンデーション等が例示されているが、本発明にある特定の油剤及び特定の界面活性剤を組み合わせた技術については、何ら開示されていない。
このように、上記した化粧料は、水中油型乳化組成物の一態様であるものの、毛髪用途に関わらず従来の技術では、なめらかでありながらも、べたつきがなく、使用後のまとまり感やしなやかさに優れた水中油型乳化組成物を得ることは困難であった。
このため、べたつきがなく、使用後のまとまり感やしなやかさに優れ、毛髪表面になめらかさが得られる水中油型乳化組成物の開発が求められており、本発明はこれを解決することを課題とする。
かかる実情に鑑み、本発明者は、毛髪化粧料における仕上がり後のなめらかさを寄与する成分として毛髪表面をコートし、しっとり感も与えることができる油剤が重要であると考えた。そこで種々の油剤(液状油、固形油、樹脂、ワックス等)を検討した結果、分岐脂肪酸の割合が高く疎水化されたデキストリン脂肪酸エステルが、特に有用であるとの知見を得た。該デキストリン脂肪酸エステルは、付着性(タック性)に富む素材であるため、使用時のベタつきを感じる場合があったが、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステルと同時に含有させておくことにより、ベタつきのなさだけでなく、仕上がり後のなめらかさが向上することを見出した。そして、これらの油剤を化粧料等に用いるために、乳化組成物とすべく、種々の界面活性剤を検討した結果、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油を用いて乳化することで、乳化後の経時安定性にも優れる水中油型乳化組成物とすることが得られることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は、
次の成分(A)〜(C);
(A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
(B)炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステル
(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しないデキストリン脂肪酸エステルである水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルが、デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであるデキストリン脂肪酸エステルである水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、HLBが6〜13の範囲のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である水中油型乳化組成物を提供するものである。
前記成分(A)と成分(B)の含有質量比(B)/(A)が、1〜100の範囲である水中油型乳化組成物を提供するものである。
さらに成分(D)として25℃にて液状の炭化水素を含有する水中油型乳化組成物を提供するものである。
乳化滴の平均粒子径が500nm以下である水中油型乳化組成物を提供するものである。
ミスト状に噴霧して使用する水中油型乳化組成物を提供するものである。
毛髪用化粧料である水中油型乳化組成物を提供するものである。
本発明によれば、べたつきのなさ、仕上がり後のなめらかさに優れ、また経時安定性に優れる水中油型乳化組成物を提供することができる。
以下、本発明について特にその好ましい形態を中心に具体的に説明する。なお、本明細書において、「〜」はその前後の数値を含む範囲を意味するものとする。
本発明の水中油型乳化組成物に使用される成分(A)デキストリン脂肪酸エステルは、デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が全脂肪酸に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸を50mol%より多く含有するグルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0である物質で、後述する成分(B)と組み合わせることで水中油型乳化組成物中に安定に分散することができるものである。
本発明に使用される成分(A)デキストリン脂肪酸エステルは、次の特性を有する。
(1)デキストリン脂肪酸エステルを液状油に混合したときに液状油がゲル化しない。
「液状油がゲル化しない」とは、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンを液状油とする場合、デキストリン脂肪酸エステルを5質量%(以下単に「%」で示す。)含有する該流動パラフィンを100℃で溶解し、24時間後25℃で粘度を測定したとき、粘度が、Yamco DIGITAL VISCOMATE粘度計VM−100A(振動式)(山一電機社製)の検出限界以下であることを意味する。なお、ゲル化する場合には、粘度が検出されることで確認できる。
(2)デキストリン脂肪酸エステルが形成する皮膜が特定範囲の付着力(タック性)を有する。
「タック性」を、支持体に該デキストリン脂肪酸エステルを塗布し、もうひとつの支持体を相互に離れた状態から面接触させた後に、後退させて別離させ、後退を開始してから完全に別離するまでの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)で表す場合、該デキストリン脂肪酸エステルを40%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザー、たとえば、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、100gの荷重をかけ10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの荷重変化、すなわちタック性が30〜1,000gである。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルに用いられるデキストリンは、グルコース平均重合度3〜150、特に10〜100のデキストリンが好ましい。グルコース平均重合度が2以下では、得られたデキストリン脂肪酸エステルがワックス様となって油剤への溶解性が低下する。また、グルコース平均重合度が150を超えると、デキストリン脂肪酸エステルの油剤への溶解温度が高くなる、又は溶解性が悪くなる等の問題を生ずることがある。デキストリンの糖鎖は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸は、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を必須とし、さらに炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸、及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これら炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸以外の脂肪酸をまとめて表すときは「その他の脂肪酸」という)を含有してもよいものである。本発明の(A)デキストリン脂肪酸エステルは、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸のみ、または、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸のみから構成される。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルにおける脂肪酸の組成割合は、全脂肪酸に対して、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上が50mol%より多く100mol%以下、好ましくは55mol%以上100mol%以下であり、その他の脂肪酸は、0mol%以上50mol%未満、好ましくは、0mol%以上45mol%以下である。
該炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸としては、例えば、イソ酪酸、イソ吉草酸、2−エチル酪酸、エチルメチル酢酸、イソヘプタン酸、2−エチルヘキサン酸、イソノナン酸、イソデカン酸、イソトリデカン酸、イソミリスチン酸、イソパルミチン酸、イソステアリン酸、イソアラキン酸、イソヘキサコサン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜選択又は組み合わせて使用することができる。これらのうち、炭素数12〜22のものが好ましく、特にイソステアリン酸が好ましく、構造の違い等の限定は特にない。
本発明において、イソステアリン酸とは、分岐したステアリン酸の1種、又は2種以上の混合物を意味する。例えば5,7,7−トリメチル−2−(1,3,3−トリメチルブチル)−オクタン酸は、イソブチレン2量体のオキソ反応により炭素数9の分岐アルデヒドとし、次いでこのアルデヒドのアルドール縮合により炭素数18の分岐不飽和アルデヒドとし、次いで水素添加、酸化することにより製造することができ(以下、「アルドール縮合型」と略す)、これは例えば日産化学工業社より市販されている。2−ヘプチルウンデカン酸はノニルアルコールをガーベット反応(Guerbet反応、ゲルベ反応ともいう)により二量化し、酸化することにより製造することができ、これは例えば三菱化学社より市販されており、分岐位置の若干異なる類似混合物として、日産化学工業社より市販され、さらに出発アルコールが直鎖飽和ではない2箇所メチル分岐したタイプも同様に日産化学工業社より市販されている(以下総じて「ガーベット反応型」と略す)。また、メチル分岐イソステアリン酸は、例えばオレイン酸のダイマー製造時の副産物として得られるもので〔例えばJ.Amer.Oil Chem.Soc.51,522(1974)に記載〕、例えば米国エメリー社などから市販されていたものがあげられる(以下「エメリー型」と略す)。エメリー型イソステアリン酸の出発物質であるダイマー酸のさらに出発物質は、オレイン酸だけでなく、リノール酸、リノレン酸等も含まれる場合がある。本発明においては特にこのエメリー型がより好ましい。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸としては、例えば、酢酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を適宜、選択又は組み合わせて使用することができる。これらの中でも、炭素数8〜22のものが好ましく、特に炭素数12〜22のものが好ましい。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸としては、例えば、モノエン不飽和脂肪酸としては、シス−4−デセン(オブツシル)酸、9−デセン(カプロレイン)酸、シス−4−ドデセン(リンデル)酸、シス−4−テトラデセン(ツズ)酸、シス−5−テトラデセン(フィセテリン)酸、シス−9−テトラデセン(ミリストレイン)酸、シス−6−ヘキサデセン酸、シス−9−ヘキサデセン(パルミトレイン)酸、シス−9−オクタデセン(オレイン)酸、トランス−9−オクタデセン酸(エライジン酸)、シス−11−オクタデセン(アスクレピン)酸、シス−11−エイコセン(ゴンドレイン)酸、シス−17−ヘキサコセン(キシメン)酸、シス−21−トリアコンテン(ルメクエン)酸等が挙げられ、ポリエン不飽和脂肪酸としては、ソルビン酸、リノール酸、ヒラゴ酸、プニカ酸、α−リノレン酸、γ−リノレン酸、モロクチ酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ニシン酸、ステアロール酸、クレペニン酸、キシメニン酸等が挙げられる。
本発明において、成分(A)デキストリン脂肪酸エステルに用いられる脂肪酸のうち炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸は、環状構造を基本骨格の少なくとも一部に有する炭素数6〜30の飽和又は不飽和脂肪酸を意味し、例えば9,10−メチレン−9−オクタデセン酸;アレプリル酸、アレプリン酸、ゴルリン酸、α−シクロペンチル酸、α−シクロヘキシル酸、α−シクロペンチルエチル酸、α−シクロヘキシルメチル酸、ω−シクロヘキシル酸、5(6)−カルボキシ−4−ヘキシル−2−シクロヘキセン−1−オクタン酸、マルバリン酸、ステルクリン酸、ヒドノカルピン酸、ショールムーグリン酸などが挙げられる。
本発明において、脂肪酸として分岐飽和脂肪酸を単独で用いた成分(A)デキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のものが挙げられる。
デキストリンイソ酪酸エステル
デキストリンエチルメチル酢酸エステル
デキストリンイソヘプタン酸エステル
デキストリン2−エチルヘキサン酸エステル
デキストリンイソノナン酸エステル
デキストリンイソデカン酸エステル
デキストリンイソパルミチン酸エステル
デキストリンイソステアリン酸エステル
デキストリンイソアラキン酸エステル
デキストリンイソヘキサコサン酸エステル
デキストリン(イソ吉草酸/イソステアリン酸)エステル
本発明において、脂肪酸として分岐飽和脂肪酸とその他の脂肪酸との混合脂肪酸を用いた場合の成分(A)デキストリン脂肪酸エステルとしては、例えば以下のもの等が挙げられる。
デキストリン(イソ酪酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸)エステル
デキストリン(エチルメチル酢酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/ラウリン酸)エステル
デキストリン(イソヘプタン酸/ラウリン酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(イソヘキサコサン酸/ミリスチン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/イソ吉草酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/パルミチン酸/カプロン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/パルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソデカン酸/パルミチン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/ステアリン酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチルヘキサン酸/アラキン酸)エステル
デキストリン(2−エチル酪酸/ベヘン酸)エステル
デキストリン(イソノナン酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/アラキドン酸)エステル
デキストリン(イソパルミチン酸/カプリル酸/リノール酸)エステル
デキストリン(イソステアリン酸/ステアリン酸/オレイン酸)エステル
デキストリン(イソアラキン酸/パルミチン酸/ショールムーグリン酸)エステル
成分(A)デキストリン脂肪酸エステルのデキストリンへの脂肪酸の置換度は、グルコース単位当たり1.0〜3.0であり、好ましくは1.2〜2.8である。この置換度が1.0未満であると液状油等への溶解温度が100℃以上と高くなり、着色や特異な臭いが生じ、好ましくない。
(デキストリン脂肪酸エステルの製造方法)
次に、本発明に使用される成分(A)デキストリン脂肪酸エステルの製造方法について説明する。
製造方法としては、特に限定されず、公知の製法を採用することができるが、たとえば以下のようにして製造することができる。
(1)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を全脂肪酸誘導体に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸誘導体、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸誘導体及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸誘導体よりなる群から選ばれる1種又は2種以上(以下、これらの脂肪酸誘導体をまとめて表すときは「その他の脂肪酸誘導体」という)を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満を含有する脂肪酸誘導体とを反応させる。
(2)グルコースの平均重合度が3〜150であるデキストリンと、炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上とを反応させ、次いで、その生成物とその他の脂肪酸誘導体とを反応させる。
その場合、全脂肪酸誘導体に対して炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸誘導体の1種又は2種以上を50mol%より多く100mol%以下、及び、その他の脂肪酸誘導体を全脂肪酸誘導体に対して0mol%以上50mol%未満使用する。
本発明において、上記デキストリンとのエステル化反応に使用される脂肪酸誘導体としては、例えば、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等が用いられる。
(1)及び(2)のいずれの場合も、まず、デキストリンを反応溶媒に分散し、必要に応じて触媒を添加する。これに、上記脂肪酸のハロゲン化物、酸無水物等を添加して反応させる。(1)の製造法の場合は、これらの脂肪酸誘導体を混合して同時に添加反応させ、(2)の製造法の場合は、まず反応性の低い分岐飽和脂肪酸誘導体を反応させた後、次いでその他の脂肪酸誘導体を添加反応させる。
製造にあたり、これらのうちの好ましい方法を採用することができる。反応溶媒にはジメチルホルムアミド、ホルムアミド等のホルムアミド系;アセトアミド系;ケトン系;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族化合物系;ジオキサン等の溶剤を適宜使用することができる。反応触媒としてはピリジン、ピコリン等の3級アミノ化合物などを用いることができる。反応温度は原料脂肪酸等により適宜選択されるが、0℃〜100℃の温度が好ましい。
本発明における成分(A)の市販例としては、例えば、ユニフィルマHVY(千葉製粉製)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物に用いられる成分(A)デキストリン脂肪酸エステルの含有量は、特に限定されるものではないが、0.02〜10%が好ましく、0.03〜5%がより好ましく、0.03〜1%が特に好ましい。この範囲であれば、仕上がりのなめらかさに優れながらも、べたつきのなさに優れる水中油型乳化組成物を得ることができ好適である。特に、本発明の成分(A)デキストリン脂肪酸エステルは、極少量の配合や、インバス使用の洗い流しタイプの製品であっても、高いコンディショニング効果を発揮する優れたものである。
本発明の成分(B)は、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステルである。本発明においては、成分(A)との相溶性に優れるだけでなく、ベタつきのなさを良好にするために、特に好ましいものである。炭素数が上記数値範囲にないものとして、炭素数が8未満の脂肪酸や炭素数が2未満の一価アルコールが構成要素となったエステルの場合は、エステルとしての分子量が小さくなるため、毛髪へのなじみが良すぎるなど使用性が損なわれる場合や、毛髪等への付着性が落ち、適度な残り感が出ず、結果として毛髪のしなやかさが得られない場合がある。一方でエステルを構成する脂肪酸の炭素数が18より大きい場合や、一価アルコールの脂肪酸の炭素数が16より大きい場合は、べたつきや使用時に重たさを感じる場合があり、また成分(A)との相溶性においても好ましくない場合がある。
かくして成分(B)は、炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステルとなるが、より好ましくは、成分(B)の脂肪酸の炭素数は9〜16であり、9〜14が特に好ましい。また、一価のアルコールに関しては、炭素数3〜8がより好ましく、特に3〜6が好ましい。これらのより好ましい炭素数の範囲の脂肪酸及び一価アルコールを組み合わせたエステルとすることにより、さらに毛髪のしなやかさの点で好ましいものとなる。
このような成分(B)としては通常の化粧料に用いられるものであれば特に限定されない。具体的には、オクタン酸オクチル、オクタン酸パルミチル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸オクチルラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸エチル、ミリスチン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸オクチル、オレイン酸イソプロピル、オレイン酸エチル等が挙げられ、これらを一種又は二種以上用いることが出来る。成分(B)としては特に好ましくは、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、オレイン酸エチル、ミリスチン酸イソプロピル、エチルヘキサン酸セチル、パルミチン酸エチルヘキシルが挙げられ、最も好ましくはミリスチン酸イソプロピルである。
本発明における成分(B)の市販例としては、例えば、サラコス99、同816、同913、同P−8(日清オイリオ社製)、CRODAMOL TN−LQ(CRODA JAPAN社製)、PALMESTER 1543(PALM OLEO社製)、IPM−EX(日本サーファクタント工業社製)等が挙げられる。
本発明における成分(B)の含有量は、特に限定されるものではないが、0.02〜20%が好ましく、0.03〜10%がより好ましく、0.03〜5%が特に好ましく、さらに0.05〜1%が好ましい。この範囲とすることにより、ベタつきのなさに優れるだけでなく、仕上がり後のなめらかさにも優れる水中油型乳化組成物を得ることができ好適である。
本発明において、上記した成分(A)、成分(B)を含有することに仕上がりがなめらかになる等のより優れた効果を有するものとなるが、これらの含有質量比を特定の範囲とすることにより、効果をより高めることが可能となる。このような成分(A)及び成分(B)の含有質量比は、特に限定されるものではないが、成分(B)/成分(A)として、1〜100であることが好ましく、1〜50の範囲がより好ましい。この範囲であれば、なめらかさを維持しながら、べたつきがなく、まとまり感やしなやかさに優れるため、より好ましい。
本発明に用いられる成分(C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油は、乳化を行うために用いられる界面活性剤であり、成分(C)を含有することで、本発明の水中油型乳化組成物の経時安定性を向上する効果が得られる。このような成分(C)としては、通常化粧料に用いられるものであれば、特に限定されるものではないが、HLBが6〜13の範囲にあるポリオキシエチレン硬化ヒマシ油がより好ましい。具体的には、ポリオキシエチレン(10E.O.)硬化ヒマシ油(HLB6.5)、ポリオキシエチレン(20E.O.)硬化ヒマシ油(HLB10.5)、ポリオキシエチレン(40E.O.)硬化ヒマシ油(HLB12.5)が挙げられ、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。2種以上を用いる場合、HLBの計算値(加重平均値)が上記6〜13に含まれるものであってもよいが、単独でこの範囲に含まれるものを含有していることがより好ましく、特に全てがこの範囲に含まれるものであることが好ましい。このように、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油の中でも中HLBのタイプを選択して用いることで、乳化滴を微細にすることができ、乳化剤として有用である。
本発明における成分(C)の市販例としては、例えば、EMALEX HC-10、同20、同40(日本エマルジョン社製)、NIKKOL HCO−10、同20、同40(日光ケミカルズ社製)、ユニオックスHC−20、同40(日油社製)、マーポンHC−40A(松本油脂製薬社製)等が挙げられる。
本発明における成分(C)の含有量は、特に限定されるものではないが、0.003〜5%が好ましく、0.005〜2.5%がより好ましく、0.005〜1%が特に好ましい。この範囲とすることにより、経時安定性上好ましく、またベタつきのなさに優れる水中油型乳化組成物を得ることができ好適である。
本発明は上記した成分(A)〜(C)を含有することにより得られる水中油型乳化組成物であるが、さらに成分(D)として25℃にて液状の炭化水素を含有することも可能である。成分(D)は、水中油型乳化組成物の被乳化油として、乳化滴の安定性に寄与し、これを含有することにより、成分(B)と相溶し、乳化滴を微細化した場合でも経時安定性上好ましいものとなる。このような成分(D)としては、特に限定されず、動物油、植物油、合成油等の起源は問わない。例えば、流動パラフィン、軽質流動イソパラフィン、ドデカン、イソドデカン、テトラデカン、イソテトラデカン、ヘキサデカン、イソヘキサデカン、スクワラン、植物性スクワラン、ポリイソブチレン、ポリブテン等の炭化水素類等を例示することができ、これらのうち1種または2種以上を用いることができる。そのなかでも、分子量が200〜800の炭化水素油が好ましく、イソドデカン、イソテトラデカン、イソヘキサデカン、スクワランなどが、経時安定性上より好ましい。これは、成分(B)のような極性の高い油剤は一般にオストワルド熟成を引き起こしやすく、クリーミングを起こすなどして被乳化時の安定性が高くないことが知られているが、成分(D)のような非極性の油剤を組み合わせることで、オストワルド熟成を効果的に抑制することができ、経時安定性が向上するためと考えられる。
本発明における成分(D)の含有量は、特に限定されるものではないが、0.0001〜1%が好ましく、0.001〜0.1%がより好ましい。この範囲とすることにより、経時安定性に優れるだけでなく、ベタつきのなさに優れる水中油型乳化組成物を得ることができ好適である。
本発明における成分(D)の市販例としては、例えば、パールリーム4(日油社製)、精製ポリブテンHV−100F(SB)(日本ナチュラルプロダクツ社製)、日石ポリブテン HV−35/HV−100(以上、JX日光日石エネルギー社製)、ノムコートHP30/HP100(以上、日清オイリオグループ社製)、KLEAROL WHITE MINERAL OIL(SONNEBORN社製)、IPソルベント2028MU(出光興産社製)、クロラータムLES(クローダジャパン社製)SQUALANE(岸本特殊肝油工業所社製)、精製オリーブスクワラン(日光ケミカルズ社製)等が挙げられる。
本発明には、上記成分(A)〜(D)以外にも、水中油型乳化組成物として水を含有する。ここでの水は、通常化粧料に使用されるものであれば、特に限定されない。具体的には、精製水、温泉水、深層水、或いは植物の水蒸気蒸留水でもよく、必要に応じて1種または2種以上を適宜選択して用いることができる。また配合量は、特に限定されず、適宜、他の成分量に応じて配合することができるが、概ね20〜99.9%、好ましくは20〜90%の範囲で用いることができる。
本発明においては、上記した成分(C)を用いることで水中油型乳化組成物とすることができるが、成分(C)に加え、さらにカチオン界面活性剤を含有することできる。このようなカチオン界面活性剤は、毛髪に対しコンディショニング効果を期待することができる成分であり、通常化粧料に使用できるカチオン界面活性剤であれば特に限定されない。具体的には、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2E.O.)、塩化ベンザルコニウム、塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ジココイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ジステアロイルエチルヒドロキシエチルモニウムメトサルフェート、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明の水中油型乳化組成物におけるカチオン界面活性剤の含有量は、特に限定はされないが、0.01〜10%が好ましく、0.1〜5%がより好ましい。この範囲内であれば、化粧料が安定であり、使用性においてより良好なものが得られる。
本発明の水中油型乳化組成物には、さらにホスホコリン基含有重合体を用いることができる。このホスホコリン基含有重合体としては、ホスホリルコリン基を有するものであれば、特に限定されない。ホスホコリン基含有重合体は、生体膜に由来するリン脂質類似構造に起因する性質を有していることから、化粧料に使用すると、皮膚に対しては保湿効果、毛髪に対しては被膜形成作用に基づく毛髪補修効果が期待される。このようなホスホコリン基含有重合体としては、より具体的に示すならば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)の単独重合体、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンと疎水性モノマーとの共重合体から選ばれる一種又は二種以上をあげることができる。本発明においては、ベタつき感を軽減し、それが持続する効果を期待できる。なお、本発明に含有するホスホコリン基含有重合体としては、特に限定されるものではないが、単独重合体の場合は、重量平均分子量が5000以上であることが好ましく、10000以上がより好ましい。疎水性モノマーとの共重合体の場合、疎水性モノマーの種類は、特に限定されないが、スチレン、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルであることが好ましい。疎水性モノマーとの共重合体の重量平均分子量も、5000以上であることが好ましく、10000以上がより好ましい。また、MPCと疎水性モノマーの構成モル比は、50:50〜97:3の範囲が好ましい。
本発明におけるホスホコリン基含有重合体の含有量は、特に限定されるものではないが、0.001〜5%が好ましく、0.005〜1%がより好まく、0.01〜0.5%がさらに好ましい。この範囲とすることにより、ベタつき感のなさの持続効果に優れる水中油型乳化組成物を得ることができ好適である。
ホスホコリン基含有重合体成分の市販例としては、例えば、MPCの単独重合体として、LIPIDURE−HM、LIPIDURE−HM−500、LIPIDURE−HM−600(いずれも日油社製)、MPCとメタクリル酸ブチルとの共重合体として、LIPIDURE−PMB、LIPIDURE A、LIPIDURE C、LIPIDURE−NA、LIPIDURE−NR、LIPIDURE−S(いずれも日油社製)等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物の製造方法は、特に限定されず、常法により調製されるが、例えば、成分(A)と成分(B)を含む油系区分を加温溶解させ、これと、水系区分とをミキサー等を用いて混合攪拌し、室温まで冷却することで得られるものである。なお、混合攪拌時に成分(C)を添加混合することで乳化安定性に優れる水中油型乳化組成物とすることができる。成分(C)は、水系区分、油系区分のいずれに混合しておいてもよい。
本発明の水中油型乳化組成物には、更に目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲内において、上記した成分の他に、通常の化粧料や医薬部外品、外用医薬品等の製剤に使用される成分、アルコール類、感触調整あるいは着色用等の粉体、界面活性剤等の汎用成分や、水溶性高分子、皮膜形成剤、パール光沢付与剤、金属セッケン、油性ゲル化剤、樹脂、包接化合物、保湿剤、抗菌・防腐剤、消臭剤、塩類、pH調整剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、キレート剤、退色防止剤、消泡剤、清涼剤、美容成分、噴射剤、香料、色素等を含有することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、特に限定されないが、乳化滴の平均粒子径が500nm以下であるものが特に好ましい。この範囲であれば、クリーミングを起こしにくく、経時安定性が良好で、肌や毛髪表面に均一に付着しやすくなり、特に均一性が要求される毛髪用として好適である。なお、本発明における乳化滴の平均粒子径は、レーザ回折・散乱式粒度分布測定装置(堀場製作所製レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA−910)を用いて測定したときの値である。
本発明の水中油型乳化組成物は、外用ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、リニメント剤、ローション剤、ハップ剤、硬膏剤等の皮膚外用剤として応用可能である。
本発明の水中油型乳化組成物は、化粧料として応用可能である。具体的には、化粧水、乳液、クリーム、アイクリーム、美容液、マッサージ料、パック料、ハンドクリーム、ボディクリーム、クレンジング料、洗浄料、日焼け止め料等のスキンケア化粧料、整髪料等の毛髪化粧料、パウダーファンデーション、リキッドファンデーション、化粧用下地化粧料を例示することが出来、その使用方法は、手又はコットンで使用する方法、不織布等に塗布して使用する方法等が挙げられる。
本発明の水中油型乳化組成物は、他の成分との組合せや容器の機構等により、液状、乳液状、クリーム状、ゲル状、フォーム状、ミスト状、固形状等、種々の形態にて実施することができ、中でも本発明の水中油型乳化組成物及び該組成物を含有する化粧料や、皮膚外用剤を霧状に噴霧することにより、肌や毛髪に対して薄く均一に塗布することが可能となり、本発明によるしっとり感や滑らかさを、メイクアップやヘアスタイルを崩すことなく付与する効果が最大限発揮される。そのために、本発明の化粧料をアトマイザー容器やトリガー式ミスト容器、エアゾールスプレー缶など、霧状に噴霧可能な容器に収容された形態とすることが好ましい。
また、本発明の水中油型乳化組成物は、目的に応じて本発明の効果を損なわない量的、質的範囲で各種の噴射剤と混合し、ヘアフォーム、スプレーフォーム、ヘアミスト、ヘアスプレー等のエアゾール製品とすることができる。噴射剤としては、液化石油ガス、窒素ガス、炭酸ガス、ジメチルエーテル等を使用することができる。
本発明の水中油型乳化組成物は、上記した種々の用途に用いることが可能であるが、中でも毛髪用として用いることが好適である。具体的には、インバス使用のヘアリンス、ヘアパック、ヘアトリートメントや、アウトバス使用のヘアコンディショナー、ヘアローション、枝毛コート剤、ヘアミルク、ヘアクリーム等の毛髪用製品として実施することができる。そして、毛髪用の中でも成分(A)の効果の点からは、整髪用として用いることがより好ましい。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
《本発明の成分(A)デキストリン脂肪酸エステルの参考製造例》
以下に本発明に用いるデキストリン脂肪酸エステルの参考製造例を示す。また、下記方法で置換度、構成脂肪酸のmol%、粘度、タック性を測定した。
(置換度、構成脂肪酸のmol%の測定方法)
参考製造例のデキストリン脂肪酸エステルのIRスペクトルを測定し、アルカリ分解後の脂肪酸量とガスクロマトグラフィーから、置換度と、構成脂肪酸のmol%を求めた。
(粘度の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)を5質量%含有する流動パラフィンを100℃で溶解し、室温(25℃)まで冷却する。25℃の恒温槽で24時間保温し、以下の測定機器を用いて粘度を測定した。
尚、流動パラフィンはASTM D445測定方法による40℃の動粘度が8mm/sのものを使用した。
[測定機器]Yamco DIGITAL VISCOMATE MODEL VM−100A(山一電機社製)
(タック性の測定方法)
各試料(参考製造例のデキストリン脂肪酸エステル)をIPクリーンLX(軽質流動イソパラフィン)に40%溶解した溶液を、ガラス板に400μm厚のアプリケーターで塗布し、その皮膜を室温24時間乾燥後、70℃で12時間保存した後、室温25℃におけるタック性を、以下に示す機器および条件で評価した。
[測定機器]テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)
[プローブ]1/2 Cyl.Delrin(ポリアセタール樹脂(POM))P/0.5)、直径12.5mm円柱状
[測定条件]Test Speed:0.5mm/sec, Applied Force:100g, Contact Time:10sec
[参考製造例1:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
平均グルコース重合度30のデキストリン21.41g(0.132mol)をジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62g(0.666mol)とからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)120g(0.396mol)を30分かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質107gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
尚、エメリー型の出発原料はコグニス社製のEMARSOL873を用いた。本原料の脂肪酸組成は分岐飽和脂肪酸が60mol%、その他の脂肪酸が40mol%(パルミチン酸10mol%を含む)のものを用いた。(以下同様)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は161gであった。
[参考製造例2〜4:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステル]
参考製造例1記載の原料・方法に準じ、
参考製造例2は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.172mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.0、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は35gであった。
参考製造例3は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.224mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度1.4、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
参考製造例4は、平均グルコース重合度30のデキストリン0.132molに対し、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)を0.502mol用い、デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)エステルを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度2.6、分岐飽和脂肪酸60mol%、その他の脂肪酸40mol%(内パルミチン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は750gであった。
[参考製造例5:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(ガーベット反応型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質80gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、ガーベット反応型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸−Nを用いた。
置換度は1.8、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は173gであった。
[参考製造例6:デキストリンイソステアリン酸エステル]
イソステアリン酸クロライド(エメリー型)の代わりにイソステアリン酸クロライド(アルドール縮合型)を用いた以外は参考製造例1と同様に作成し、淡黄色の樹脂状物質60gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
尚、アルドール縮合型の出発原料は日産化学工業社製のファインオキソコール イソステアリン酸を用いた。
置換度は1.2、イソステアリン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は61gであった。
[参考製造例7:デキストリンイソアラキン酸/パルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度150のデキストリン51.28gをジメチルホルムアミド150g、ピリジン60gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソアラキン酸クロライド132gとパルミチン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質145gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は1.1、イソアラキン酸85mol%、パルミチン酸15mol%、粘度は0mPa・s、タック性は45gであった。
[参考製造例8:デキストリンイソ酪酸/カプリン酸エステル]
平均グルコース重合度5のデキストリン34.19gを3−メチルピリジン215gに70℃で分散させ、イソ酪酸クロライド50g及びカプリン酸クロライド60gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をエタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質98gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸60mol%)
置換度は2.9、イソ酪酸63mol%、カプリン酸37mol%、粘度は0mPa・s、タック性は255gであった。
[参考製造例9:デキストリンイソパルミチン酸エステル]
平均グルコース重合度100のデキストリン23.62gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド100gを30分間滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質90gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸100mol%)
置換度は2.0、イソパルミチン酸100mol%、粘度は0mPa・s、タック性は204gであった。
[参考製造例10:デキストリンイソノナン酸/ステアリン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン36.34gをジメチルホルムアミド120g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソノナン酸クロライド41g及びステアリン酸クロライド58gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸55mol%)
置換度は1.6、イソノナン酸51mol%、ステアリン酸49mol%、粘度は0mPa・s、タック性は64gであった。
[参考製造例11:デキストリン2−エチルヘキサン酸/ベヘン酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン54.56gをジメチルホルムアミド150g、3−メチルピリジン130gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、2−エチルヘキサン酸クロライド147g、次いでベヘン酸クロライド36gを計30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質95gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸90mol%)
置換度は2.3、2−エチルヘキサン酸95mol%、ベヘン酸5mol%、粘度は0mPa・s、タック性は138gであった。
[参考製造例12:デキストリンイソパルミチン酸/酢酸エステル]
平均グルコース重合度20のデキストリン22.56gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン70gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソパルミチン酸クロライド110g及び無水酢酸10gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質96gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸80mol%)
置換度は2.8、イソパルミチン酸79mol%、酢酸21mol%、粘度は0mPa・s、タック性は430gであった。
[参考製造例13:デキストリンイソステアリン酸(エメリー型)/オレイン酸エステル]
平均グルコース重合度40のデキストリン19.99gをジメチルホルムアミド71g、3−メチルピリジン62gとからなる混合溶媒に70℃で分散させ、イソステアリン酸クロライド(エメリー型)108gとオレイン酸クロライド12gの混合物を30分間かけて滴下した。滴下終了後、反応温度を80℃として5時間反応させた。反応終了後、反応液をメタノールに分散させ、上層を除去した。半固形分をメタノールで数回洗浄後、乾燥して淡黄色の樹脂状物質88gを得た。(仕込み時分岐飽和脂肪酸54mol%)
置換度は2.2、分岐飽和脂肪酸54mol%、その他の脂肪酸46mol%(内オレイン酸10mol%)、粘度は0mPa・s、タック性は350gであった。
実施例1:本発明品1〜17及び比較品1〜12のヘアミスト(アウトバス用)
表1〜表3に示す処方及び下記製造方法によりローション状ヘアミストを調製し、「経時安定性」、「ベタつきのなさ」、「仕上がり後のなめらかさ」について、以下に示す評価方法及び判定基準により評価判定し、結果を併せて表1〜表3に示した。
Figure 2016098747
Figure 2016098747
Figure 2016098747
(製造方法)
A:成分1〜24を80℃に加熱して均一混合する。
B:成分25を80℃に加熱する。
C:BにAを添加して均一に乳化混合し、冷却する。
D:Cを容器に充填してヘアミスト(アウトバス用)を得た。
〔評価方法〕
経時安定性は50℃に設定した恒温槽へ1ヶ月間静置して観察した結果を示す。評価は、以下の基準に則って行った。
[加速試験の結果] :[判定]
製造直後と比較して変化なし :◎
クリーミングが見られるが軽く振ると容易に再分散できる :○
分離や凝集が起こっており、振っても再分散しない :×
乳化が行えず評価不能 :−
化粧品評価専門パネル10名に、本発明品1〜17及び比較品1〜12のアウトバス用ヘアミストを使用してもらい、「使用感(べたつき感のなさ)」、「仕上がり後のなめらかさ」について、以下の評価基準に従って5段階評価してもらった。その後、全パネルの評点の平均点を以下の判定基準に従って判定した。
<評価基準>:
[評価結果] :[評点]
非常に良好 : 5点
良好 : 4点
普通 : 3点
やや不良 : 2点
不良 : 1点
<判定基準>:
[評点の平均点] :[判定]
4.0以上 : ◎
3.0以上4.0未満 : ○
2.0以上3.0未満 : △
2.0未満 : ×
本発明品1〜17のヘアミスト(アウトバス用)は、いずれも「経時安定性」、「使用感(べたつきのなさ)」、「仕上がり後のなめらかさ」に優れたヘアミストであった。
特に本発明品のイソステアリン酸デキストリンとミリスチン酸イソプロピルを組み合わせた本発明品1は、「使用感(べたつき感のなさ)」を維持ししたまま、「仕上がりのなめらかさ」の評点が高いものが得られた。しかし比較品1のように成分(A)として異なる種類のデキストリン脂肪酸エステルを使用した場合には、使用中にべたつきが感じられ、仕上がり後のなめらかさも優れない。また、本発明品2〜9のように、成分(B)は上記請求項の範囲内の種類であれば「使用感(べたつき感のなさ)」の評点が高いものが得られたが、比較品2〜8のように範囲外の成分(B)を用いた場合は使用中にべたつきが感じられるか、製造直後に乳化不良を起こし、安定して製造できなかった。また、成分(C)として乳化剤を選択しているが、発明品10〜13のような範囲で使用した場合は「使用感(べたつき感のなさ)」に優れつつも、「経時安定性」にも優れる。また比較品9〜11のように異なった種類の場合も安定して製造することができない。
一方、本発明品の成分(B)のエステル油に加えて成分(D)として炭化水素油を加えた発明品15〜17は、「使用感(べたつき感のなさ)」、「仕上がりのなめらかさ」を維持ししたまま、「経時安定性」に優れる結果となった。これは、成分(B)のような極性の高い油剤は一般にオストワルド熟成を引き起こしやすく、クリーミングを起こすなどして被乳化時の安定性が高くないことが知られているが、成分(D)のような非極性の油剤を組み合わせることで、オストワルド熟成などの乳化を不安定化する現象を効果的に抑制することができるためであると考えられる。
これら条件を備えた本発明品ではいずれも乳化滴の平均粒子径が500nm以下であって、低粘度で流動性が高く、ノンエアゾールタイプのトリガー型ミスト容器に充填し、使用する際にもミスト状で均一に噴霧可能な液状水中油型乳化組成物である。
実施例2:ヘアローション
(成分) (%)
1.ジプロピレングリコール 1
2.オレイルアルコール 0.1
3.塩化ジココイルジメチルアンモニウム 0.5
4.参考製造例2のデキストリン脂肪酸エステル 0.1
5.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.1
6.N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(2−オクチルドデシル)
0.1
7.エチルヘキサン酸セチル 0.2
8.エタノール 10
9.ヒドロキシエチルセルロース 0.1
10.精製水 残量
11.メチルパラベン 0.1
12.カチオン化セルロース 0.1
13.クエン酸 0.01
14.シリル化シルクペプチド *3 0.1
15.香料 0.1
*3:プロモイスS−700SIG(成和化成社製)
(製造方法)
A:成分1〜7を70℃にて均一に溶解する。
B:Aに成分8〜15を加え均一に混合する。
C:Bをボトル容器に充填してヘアローションを得た。
以上のようにして得られた実施例18のヘアローションは、「経時安定性」、「ベタつきのなさ」、「仕上がり後のなめらかさ」に優れた水中油型乳化組成物であった。参考製造例2のデキストリン脂肪酸エステルに代えて参考製造例7のデキストリン脂肪酸エステルを用いてもこれらの項目において良好なものが得られる。
実施例3:ヘアミルク
(成分) (%)
1 プロピレングリコール 0.5
2 エタノール 5.0
3 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.5
4 セトステアリルアルコール 1.0
5 モノステアリン酸グリセリル 0.5
6 参考製造例3のデキストリン脂肪酸エステル 0.3
7 流動パラフィン 1.0
8 ミリスチン酸イソプロピル 3.0
9 塩化アルキルトリメチルアンモニウム液(80%)*4 0.4
10 フェノキシエタノール 0.1
11 パラオキシ安息香酸メチル 0.1
12 塩化ステアリルトリメチルアンモニウム(80%)*5 0.2
13 精製水 残量
14 LIPIDURE−PMB 0.02
15 (ビスブチロキシアモジメチコン/PEG−60)コポリマー
0.2
16 ポリオキシエチレン(10)メチルグルコシド 2.0
17.アミノ変性シリコーンエマルション *6 3.0
18.ジラウロイルグルタミン酸リシンNa *7 0.2
*4:リポカード 22−80(ライオン社製)
*5:GENAMIN STAC(クラリアント・ジャパン社製)
*6:SM8904 COSMETIC EMULSION(東レ・ダウコーニング社製)
*7:ペリセアL−30 (旭化成ケミカルズ社製)
(製造方法)
A:成分3〜11を加熱し、均一に混合する。
B:成分12、13を加熱し、均一に混合する。
C:AとBを混合し、成分1,2および14〜18を添加しヘアミルクを得た。
本発明の実施品である実施例3のヘアクリームは、「経時安定性」、「ベタつきのなさ」、「仕上がり後のなめらかさ」に優れた水中油型乳化組成物であった。
実施例4:ヘアスプレー
(成分原液) (%)
1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(10E.O.) 2.5
2 参考製造例4のデキストリン脂肪酸エステル 0.1
3 アモジメチコン 1.0
4 イソノナン酸イソノニル 0.5
5 香料 0.5
6 椿油 0.5
7 メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 0.1
8 N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル・
ベヘニル・2−オクチルドデシル) 0.1
9 アルガニアスピノサ核油 0.1
10 L−セリン 0.5
11 1,3−ブチレングリコール 0.5
12 エタノール 残量
(製造方法)
A:成分1〜11を加熱し均一混合後35℃まで冷却し、12を加えて混合する。
B:Aの原液45部に対し、噴射剤(ジメチルエーテル)55部をエアゾール容器に充填し、ヘアスプレーを得た。
本発明の実施品である実施例4のヘアスプレーは、「経時安定性」、「ベタつきのなさ」、「仕上がり後のなめらかさ」に優れた水中油型乳化組成物であった。参考製造例4のデキストリン脂肪酸エステルに代えて参考製造例9のデキストリン脂肪酸エステルを用いてもこれらの項目において良好なものが得られる。
実施例5:日中用美容液
(成分) (%)
1 ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.1
2 1,3―ブチレングリコール 12.0
3 メチルパラベン 0.1
4 精製水 4.3
5 アクリル酸・アクリロイルジメチルタウリンナトリウム共重合体 *8
1.5
6 精製水 残量
7 エタノール 10.0
8 参考製造例5のデキストリン脂肪酸エステル 0.1
9 イソノナン酸イソトリデシル 1.0
10 メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 7.5
11 ジメチコン 2.5
12 シクロメチコン 1.0
13 アスタキサンチン *9 0.01
*8:SIMULGEL EG(SEPPIC社製)
*9:アスタキサンチン5−C (オリザ油化社製)
(製造方法)
A:成分1〜4を均一に加温溶解する。
B:成分5、6、7を膨潤する。
C:成分8〜13を80℃まで加熱し、均一に混合する。
D:AとBを均一分散し、80℃まで加熱する。
E:DにCを加え乳化し、冷却後、日中用美容液を得た。
本発明の実施品である実施例5の日中用美容液は、「経時安定性」、「ベタつきのなさ」、「仕上がり後のなめらかさ」に優れた水中油型乳化組成物であった。

Claims (11)

  1. 次の成分(A)〜(C);
    (A)デキストリンと脂肪酸とのエステル化物であって、デキストリンのグルコースの平均重合度が3〜150であり、脂肪酸が炭素数4〜26の分岐飽和脂肪酸の1種又は2種以上を全脂肪酸に対して50mol%より多く100mol%以下、及び、炭素数2〜22の直鎖飽和脂肪酸、炭素数6〜30の直鎖又は分岐の不飽和脂肪酸及び炭素数6〜30の環状の飽和又は不飽和脂肪酸よりなる群から選ばれる1種又は2種以上を全脂肪酸に対して0mol%以上50mol%未満含有し、グルコース単位当たりの脂肪酸の置換度が1.0〜3.0であるデキストリン脂肪酸エステル
    (B)炭素数8〜18の脂肪酸と炭素数2〜16の一価アルコールとのエステル
    (C)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油
    を含有する水中油型乳化組成物。
  2. 前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルを構成する分岐飽和脂肪酸が、炭素数12〜22の分岐飽和脂肪酸から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の水中油型乳化組成物。
  3. 前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルが、ASTM D445測定方法による40℃における動粘度が8mm/sである流動パラフィンをゲル化しないデキストリン脂肪酸エステルである請求項1又は2に記載の水中油型乳化組成物。
  4. 前記成分(A)のデキストリン脂肪酸エステルが、デキストリン脂肪酸エステルを40質量%含有する軽質流動イソパラフィン溶液をガラス板に400μm厚のアプリケーターで成膜し、乾燥させた皮膜に、テクスチャーアナライザーを用いて100gの荷重をかけ、10秒保持後に0.5mm/秒で離したときの接触点にかかる荷重変化(最大応力値)が30〜1000gであるデキストリン脂肪酸エステルである請求項1〜3のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  5. 前記成分(C)のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油が、HLBが6〜13の範囲のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油である請求項1〜4のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  6. 前記成分(A)と成分(B)の含有質量比(B)/(A)が、1〜100の範囲である請求項1〜5のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  7. さらに成分(D)として25℃にて液状の炭化水素を含有する請求項1〜6のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  8. 乳化滴の平均粒子径が500nm以下である請求項1〜7のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  9. ミスト状に噴霧して使用する請求項1〜8のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  10. 毛髪用化粧料である請求項1〜9のいずれかに記載の水中油型乳化組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかの項記載の水中油型乳化組成物を霧状に噴霧可能な容器に収容してなるミスト化粧料。
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