JPWO2016098246A1 - 車両用エアクリーナ装置 - Google Patents
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Abstract
Description
しかし、部品点数が少なくて、構造が簡単な車両用エアクリーナ装置が求められるなか、このような要求を満足するような車両用エアクリーナ装置が望まれる。
図2に示されるように、車両用エアクリーナ装置60は、ケース本体81の内部をダーティーサイドS1とクリーンサイドS2に区画するエレメント70を備えているエアクリーナ80と、このエアクリーナ80から内燃機関16(図1参照)の吸気通路へ延びるコネクティングチューブ110とを有する。
図2に示されるように、コネクティングチューブフランジ部111は、一方側面111aでエレメントフランジ部75に当接し、他方側面111bで筒部85の内端87に当接している。この状態で、エレメントフランジ部75がエレメント支持部84に係合するので、同時にコネクティングチューブフランジ部111も支持することができる。さらに、コネクティングチューブフランジ部111を、筒部85とエレメント70で挟んで支持するので、別途の固定用部品を用いずに、コネクティングチューブ110及びエレメント70を支持することができ、部品点数を削減することができる。
図7に示されるように、車両用エアクリーナ装置60は、吸気ダクト61と、エアクリーナ80と、コネクティングチューブ110とを有する。エアクリーナ80は、ケース部材81及びカバー部材83で構成されるケース本体81と、エレメント70とを有する。メンテナンス開口部98及び環状の係合部103が、ケース本体81の凹部97に形成されている。蓋部材102が、ケース本体81にヒンジ101を介して設けられている。蓋部材102には、係合部103に嵌合する環状部104が形成される
図8に示されるように、外気は、矢印(3)のように吸入口96からダーティーサイドS1に入る。ダーティーサイドS1の空気は、矢印(4)のようにエレメント70を通過し、クリーンサイドS2に入る。クリーンサイドS2の空気は、矢印(5)のようにコネクティングチューブ110に流れ、内燃機関16(図1参照)に送られる。
図10及び図11に示されるように、コネクティングチューブ110を、筒部82の接続用開口部86に通す。エレメント70を移動させ、連通穴延出部122を第1の連通穴121に挿入し、さらにエレメントフランジ部75をケース部材82の壁82aに突き当てる。
発明が解決しようとする課題
[0006]
本発明は、エアクリーナに気液分離室を形成しても、部品点数を削減することができるとともに、ケース本体の構造を簡単にすることができる車両用エアクリーナ装置を提供することを課題とする。
課題を解決するための手段
[0007]
請求項1に係る発明によれば、ケース本体の内部をダーティーサイドとクリーンサイドに区画するエレメントを備えているエアクリーナと、このエアクリーナから内燃機関の吸気通路へ延びるコネクティングチューブとを備えている車両用エアクリーナ装置において、前記コネクティングチューブは、径方向に延出するコネクティングチューブフランジ部を有し、前記ケース本体の壁には、前記コネクティングチューブを囲むように筒部が形成され、この筒部には、前記ケース本体の内方に向けて開口する接続用開口部が形成され、前記エアクリーナには、前記内燃機関からのブローバイガスを気体と液体に分離する気液分離室が形成され、この気液分離室には、前記ブローバイガスを導くブローバイホースが接続され、前記気液分離室は、前記筒部の内端を前記コネクティングチューブフランジ部の側面に当接させ、前記接続用開口部を前記コネクティングチューブフランジ部で塞ぐとともに、前記筒部の外端部を前記コネクティングチューブの壁に当接させて形成し、前記エレメントは、フィルタと、このフィルタが装着されるエレメント基部と、このエレメント基部から径方向に延出するエレメントフランジ部とを有し、前記ケース本体の壁には、前記エレメントフランジ部と係合するエレメント支持部を有し、前記コネクティングチューブフランジ部は、前記筒部と前記エレメントとの間に挟まれるように配置され、一方側面で前記エレメントフランジ部に又は前記エレメント基部に当接し、他方側面で前記筒部の内端に当接し、前記コネクティングチューブフランジ部のうち前記気液分離室に臨む部位に、第1の連通穴を形成するとともに、前記エレメント基部のうち前記クリーンサイドに臨む部位に第2の連通穴を形成し、前記第1の連通穴を前記第2の連通穴に接続したことを特徴とする車両用エアクリーナ装置が提供される。
[0008]
[0009]
[0010]
[0011]
[0012]
請求項6に記載のごとく、好ましくは、第1の連通穴は、第2の連通穴よりも大径であり、エレメント基部には、第2の連通穴を延長するように、軸方向に延出する連通穴延出部が形成され、第1の連通穴に連通穴延出部が挿入されている。
[0013]
請求項7に記載のごとく、好ましくは、第1の連通穴は、正面視、長穴状に形成され、エレメントは、エレメントフランジ部をエレメント支持部に回転しつつ係合させることで取り付ける。
[0014]
請求項8に記載のごとく、好ましくは、ケース本体は、気液分離室と連通してブローバイホースを接続する接続部を有し、この接続部の気液分離室側の導出口と対向するように、ケース本体の壁から突出する突出壁を形成した。
[0015]
請求項9に記載のごとく、好ましくは、導出口は、第1の連通穴と、コネクティングチューブを挟んで反対側に配置されている。
[0016]
請求項10に記載のごとく、好ましくは、コネクティングチューブの壁のうち、コネクティングチューブフランジ部よりも下流側には、筒部の外端部を挟持するシール部が設けられている。
[0017]
請求項11に記載のごとく、好ましくは、ケース本体の壁の一部に、導出口が形成されるとともに、この導出口よりも接続部の導入口寄りの位置で、ケース本体の壁に、段差壁部が形成されている。
発明の効果
[0018]
請求項1に係る発明では、コネクティングチューブは、径方向に延出するコネクティングチューブフランジ部を有し、ケース本体の壁には、コネクテ
ィングチューブを囲むように筒部が形成される。気液分離室は、筒部の内端をコネクティングチューブフランジ部の側面に当接させ、接続用開口部をコネクティングチューブフランジ部で塞ぐとともに、筒部の外端部をコネクティングチューブの壁に当接させて形成した。このため、気液分離室を形成するために別途部品を必要としないので、エアクリーナに気液分離室を形成しても、部品点数を削減することができる。さらに、筒部の内端をコネクティングチューブフランジ部の側面に当接させ、筒部の外端部をコネクティングチューブの壁に当接させただけであるので、ケース本体の構造を簡単にすることができる。
[0019]
また、コネクティングチューブフランジ部を、筒部とエレメントとの間に挟んで固定することができるので、固定用の部品が不要であり、部品点数を削減できる。
[0020]
さらに、エレメントは、エレメント基部から径方向に延出するエレメントフランジ部とを有し、ケース本体の壁には、エレメントフランジ部と係合するエレメント支持部を有する。コネクティングチューブフランジ部は、一方側面でエレメントフランジ部に又はエレメント基部に当接し、他方側面で筒部の内端に当接する。エレメントフランジ部をエレメント支持部で係合することで、コネクティングチューブフランジ部を支持することができるので、別途部品を用いずに、コネクティングチューブ及びエレメントを支持することができ、部品点数を削減することができる。
[0021]
[0022]
さらにまた、コネクティングチューブフランジ部のうち気液分離室に臨む部位に、第1の連通穴を形成するとともに、エレメント基部のうちクリーンサイドに臨む部位に第2の連通穴を形成した。気液分離室とク
リーンサイドとの接続を、第1の連通穴を第2の連通穴に接続することによって行うので、別途接続部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できる。
[0023]
請求項6に係る発明では、第1の連通穴は、第2の連通穴よりも大径であり、エレメント基部には、第2の連通穴を延長するように、軸方向に延出する連通穴延出部が形成される。第1の連通穴に連通穴延出部が挿入されているので、別途接続部品を設ける必要がなく部品点数を削減できる。連通穴延出部によって、気液分離室とクリーンサイドが直結するので、機密性を向上することができる。
[0024]
請求項7に係る発明では、第1の連通穴は、正面視、長穴状に形成されるので、第2の連通穴が形成される連通穴延出部を、第1の連通穴に挿入した状態で、エレメントフランジ部をエレメント支持部に回転しつつ係合させることができる。連通穴延出部を第1の連通穴に挿入することで、組立時における位置合わせを行うことができる。
[0025]
請求項8に係る発明では、ケース本体は、ブローバイホースを接続する接続部を有する。接続部の気液分離室側の導出口と対向するように、ケース本体の壁から突出する突出壁を形成したので、ブローバイガスの気液分離を促進することができる。さらに、突出壁を形成するために、別途部品を不要とするので、部品点数を削減できる。
[0026]
請求項9に係る発明では、導出口は、第1の連通穴と、コネクティングチューブを挟んで反対側に配置されている。気液分離室におけるブローバイガスの導出口と、分離後の気体を導入する連通穴とを離間するように配置したので、気液分離を促進することができる。
[0027]
請求項10に係る発明では、コネクティングチューブの壁には、筒部の外端部を挟持するシール部が設けられているので、気密性を確保し、コネクティングチューブとケース本体のみで気液分離室を成形することができる。結果、部品点数を削減できる。
[0028]
請求項11に係る発明では、導出口よりも接続部の導入口寄りの位置で、ケース本体の壁に、段差壁部が形成されているので、ブローバイホースを接
の後方にて車体フレーム11に支持され乗員が着座するシート18とを有する。
[0034]
車体フレーム11は、ヘッドパイプ21と、このヘッドパイプ21から後方へ延びているメインフレーム22と、このメインフレーム22の後端から後方へ延びているシートレール23と、ヘッドパイプ21から下方へ延びているダウンフレーム24とを有する。
[0035]
さらに、車体フレーム11は、メインフレーム22に接合され下方に延びているピボットフレーム25と、シートレール23に接合され略三角形状を呈するリヤクッションブラケット26と、このリヤクッションブラケット26とピボットフレーム25に掛け渡されるサブフレーム27とを有する。
[0036]
前輪操舵手段13は、車体フレーム11のヘッドパイプ21に回転可能に支持されるステアリング軸31と、このステアリング軸31に設けられ乗員が操舵するハンドルバー32と、ステアリング軸31にボトムブリッジ33を介して設けられ前輪12を支持するフロントフォーク34とを有する。
[0037]
フロントフォーク34の上方には、ヘッドライト35及びメータ36が配置される。シートレール28の上部にシート18が支持される。シートレール23の後部にリヤフェンダ37が取り付けられ、このリヤフェンダ37にテールライト38が取り付けられる。
[0038]
後輪懸架手段15は、ピボットフレーム25に揺動可能に設けられるとともに後方に延びているスイングアーム41と、このスイングアーム41の後端部とリヤクッションブラケット26との間に掛け渡されるリヤクッション42とを有する。スイングアーム41の後端部に、後輪14が支持されている。
[0039]
内燃機関16は、クランクケース51と、このクランクケース51から前上がりに延びるシリンダ部52とを有する。シリンダ部52には、外気をシリンダ部52へ供給する吸気系53と、排気ガスを外部へ排出する排気系54とが接続されている。
[0040]
排気系54は、シリンダ部52の前壁から延びる排気管55と、この排気
持する外周支持部76が形成され、他方側にケース本体81に嵌る位置決め部77が形成されている。フィルタ71の他方端は、エレメントフランジ部75に支持されている。
[0047]
エアクリーナ80のケース本体81は、エレメント70が取り付けられるケース部材82と、このケース部材82と別体のカバー部材83とで構成される。ケース部材82の壁82aは、エレメントフランジ部75を係合するエレメント支持部84と、コネクティングチューブ110を囲うように形成された筒部85とを有する。
[0048]
ケース部材82には、外方に突出する凸部82bが形成されている。この凸部82bに、筒部85が設けられている。凸部82bは、筒部85の外側の途中に接続されているので、ケース本体81の内側において、筒部85と凸部82bとの間に略環状の空間S3が形成されている。
[0049]
筒部85には、ケース本体81の内方に開口する接続用開口部86が形成されている。コネクティングチューブ110は、径方向に延出するコネクティングチューブフランジ部111を有する。コネクティングチューブ110は、ケース本体81の内側から接続用開口部86に通され、コネクティングチューブフランジ部111が、筒部85の内端87に当接する。
[0050]
コネクティングチューブ110の壁112には、コネクティングチューブフランジ部111よりも下流側に、筒部85の外端部88を挟持するシール部113が設けられている。コネクティングチューブ110は、弾性部材で形成されており、シール部113を撓ませて外端部88に嵌合させるとともに、シール部113のシール性を向上させることができる。
[0051]
また、ケース部材82には、ケース側嵌合部89が形成され、カバー部材83には、カバー側嵌合部91が形成されている。カバー側嵌合部91はケース側嵌合部89に嵌合される。
[0052]
ケース部材82は、ブローバイホース62が接続される接続部92を有する。詳細には、接続部92は、後述する気液分離室120から延びている。ブローバイホース62は、内燃機関16(図1参照)からのブローバイガス
を導くものである。接続部92は、円筒形状であり、ブローバイホース62が接続される部分に導入口93が形成され、ケース部材82の壁82aに導出口94が形成される。具体的には、導出口94は、筒部85に形成されている。
[0053]
図3及び図4に示されるように、接続部92の導入口93近傍には、ブローバイホース62が抜けることを防止する返し部92aが形成されている。また、ケース部材82の壁82aには、導出口94よりも導入口93よりの位置で、ケース部材82の壁82aに、段差壁部95が形成されている。段差壁部95によって、ブローバイホース62を接続部92に接続する際のブローバイホース62の挿入量を規定することができる。
[0054]
図5に示されるように、カバー側嵌合部91はケース側嵌合部89に溶着されている。カバー側嵌合部91は、ケース側嵌合部89に溶着されているので、締結部材が不要となり、部品点数を削減できる。さらに、カバー側嵌合部91を、ケース側嵌合部89に溶着することによって、ケース本体81の気密性を向上することができる。
[0055]
カバー部材83には、吸気ダクト61(図1参照)を接続する吸入口96が形成されている。外気は吸入口96からケース本体81内に導入される。カバー部材83の壁83aには、内方に凹む凹部97が形成されている。この凹部97に、エレメント70を入れるために開口するメンテナンス開口部98が形成されている。
[0056]
カバー部材83には、ヒンジ101を介して蓋部材102が開閉可能に設けられている。蓋部材102によって、メンテナンス開口部98が覆われる。メンテナンス開口部98外側において、カバー部材83には、蓋部材102を係合する係合部103が設けられている。
[0057]
蓋部材102はカバー部材83と一体成形されている。このため、ヒンジを別部品にする必要がなく、部品点数を削減できる。さらに、蓋部材102の開閉をカバー部材83に設けた係合部103に係合させることで行うので、係合部103を別部品にする必要がなく、部品点数を削減できる。
[0058]
なお、実施例では、蓋部材102をカバー部材83に一体成形したが、これに限定されず、蓋部材102をカバー部材83とは別体に設け、ヒンジを介してカバー部材83に開閉可能に設けても差し支えない。さらには、蓋部材102をカバー部材83とは別体に設け、蓋部材102をメンテナンス開口部98に嵌合させる、又は、蓋部材102を係合部103に嵌合させても差し支えない。具体的には、蓋部材102とメンテナンス開口部98にねじ部を設け、嵌合させてもよい。この場合、締結部材が不要となり、部品点数を削減できる。
[0059]
また、コネクティングチューブ110は、ケース本体81に組み付けられ、コネクティングチューブフランジ部111が、筒部85の内端87に当接している。筒部85の外端部88は、シール部113に挟持されている。蓋部材102は開いている。エレメント70を、メンテナンス開口部98からケース本体81内に入れ、位置決め部77を空間S3に嵌め込む。コネクティングチューブフランジ部111は、筒部85よりも外径方向に延びているが、凸部82bの基端とコネクティングチューブフランジ部111との間には隙間が形成されており、この隙間に位置決め部77を挿入する。
[0060]
図6に示されるように、エレメントフランジ部75には、径方向に突出するフランジ爪部78が形成されている。エレメント70を矢印(1)のように移動させ、フランジ爪部78がエレメント支持部84に重ならないようにして、エレメントフランジ部75をケース部材82の壁82aに突き当てる。
[0061]
エレメント70を矢印(2)のように回転させ、フランジ爪部78を、断面L字形状のエレメント支持部84の内側にスライドさせる。ケース部材82には、エレメント支持部84の近傍にストッパ84aが形成されており、フランジ爪部78はストッパ84aに当たり止まる。このように、エレメント70は、エレメントフランジ部75をエレメント支持部84に回転しつつ係合することで取り付けられる。このため、エレメント70をケース部材82に締結する別途の締結部材が不要となり、部品点数を削減できる。さらに
、エレメントフランジ部75をエレメント支持部84に密着するように回転しつつ係合させるので、気密性を向上することができる。
[0062]
なお、フランジ爪部78に傾斜部を設け、エレメント支持部84の内側にスライドするにつれて、きつく保持されるようにしても差し支えない。また、エレメント支持部84の入口側に小さな突起を設け、この突起を乗り越えるようにして、フランジ爪部78をエレメント支持部84の内側にスライドさせても差し支えない。この場合、突起によりフランジ爪部78が容易に外れることを防止できる。
[0063]
次に各構成部品が組み付けられた状態について説明する。
図2に示されるように、コネクティングチューブフランジ部111は、一方側面111aでエレメントフランジ部75に当接し、他方側面111bで筒部85の内端87に当接している。この状態で、エレメントフランジ部75がエレメント支持部84に係合するので、同時にコネクティングチューブフランジ部111も支持することができる。さらに、コネクティングチューブフランジ部111を、筒部85とエレメント70で挟んで支持するので、別途の固定用部品を用いずに、コネクティングチューブ110及びエレメント70を支持することができ、部品点数を削減することができる。
[0064]
さらに、コネクティングチューブ110を弾性部材で形成することで、コネクティングチューブフランジ部111の弾性を利用して、エレメントフランジ部75をエレメント支持部84に付勢して支持することでき、部品点数を削減することができる。
[0065]
また、コネクティングチューブ110の壁112、コネクティングチューブフランジ部111、筒部85及び筒部85の外端部88に囲われる空間が、気液分離室120となる。気液分離室120は、筒部85の内端87をコネクティングチューブフランジ部111の他方側面111bに当接させ、接続用開口部86をコネクティングチューブフランジ部111で塞ぐとともに、筒部85の外端部88をコネクティングチューブ110の壁112に当接させることで形成される。
[0066]
このように、エアクリーナ80に内燃機関16(図1参照)からのブローバイガスを気体と液体に分離する気液分離室120が形成されるので、気液分離室120を形成するために別途部品を必要としない。結果、エアクリーナ80に気液分離室120を形成しても、部品点数を削減することができる。さらに、筒部85の内端87をコネクティングチューブフランジ部111の側面に当接させ、筒部85の外端部88をコネクティングチューブ110の壁112に当接させただけであるので、ケース本体81の構造を簡単にすることができる。
[0067]
一方側で、コネクティングチューブフランジ部111を筒部85の内端87に当接させ、他方側で、シール部113で筒部85の外端部88を挟持することで、気密性を確保し、コネクティングチューブ110とケース本体81のみで気液分離室120を成形することができる。
[0068]
また、コネクティングチューブ110の壁112には、コネクティングチューブフランジ部111よりも下流側で、且つ、気液分離室120に臨む領域に、気液分離室120と連通する連通穴114が形成されている。この連通穴114は、接続部92の導出口94と、コネクティングチューブ110を挟んで反対側に配置されている。
[0069]
気液分離室120におけるブローバイガスの導出口94と、分離後の気体を導入する連通穴114とを離間するように配置したので、気液分離を促進することができる。さらに、連通穴114を上部に設けることで、分離された液体を気液分離室120に溜める容量を大きくすることができる。さらに、気液分離室120とクリーンサイドS2との接続を、コネクティングチューブ110の壁112に連通穴114を設けるだけでよいので、連通用の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減するとともに、簡単な構成にすることができる。
[0070]
なお、実施例では、一方側面111aは、エレメントフランジ部75に当接したが、これに限定されず、一方側面111aは、エレメント基部72に当接しても差し支えない。
[0071]
また、エレメント70と対向する壁83aに、メンテナンス開口部98が形成されている。このメンテナンス開口部98を塞ぐ蓋部材102と、エレメント70との間に所定の空間S4が形成されている。このため、エアクリーナ80のダーティーサイドS1の容量を大きくすることができる。
[0072]
また、コネクティングチューブ110は、コネクティングチューブフランジ部111よりも上流に、シールリップ115を有する。シールリップ115は、エレメント基部72の筒状の内周面に当接しているので、シール性を向上することができる。さらに、別途シールリップを設ける必要がないので、部品点数を削減できる。
[0073]
次に全体の構成部品をまとめて以下に記載する。
図7に示されるように、車両用エアクリーナ装置60は、吸気ダクト61と、エアクリーナ80と、コネクティングチューブ110とを有する。エアクリーナ80は、ケース部材82及びカバー部材83で構成されるケース本体81と、エレメント70とを有する。メンテナンス開口部98及び環状の係合部103が、ケース本体81の凹部97に形成されている。蓋部材102が、ケース本体81にヒンジ101を介して設けられている。蓋部材102には、係合部103に嵌合する環状部104が形成される。
[0074]
ケース部材82にカバー部材83が溶着される。コネクティングチューブ110はケース本体81の内側から組み付けられる。エレメント70は、蓋部材102を開き、メンテナンス開口部98から投入され、ケース本体81に組み付けられる。
[0075]
以上に述べた車両用エアクリーナ装置60の作用を次に述べる。
図8に示されるように、外気は、矢印(3)のように吸入口96からダーティーサイドS1に入る。ダーティーサイドS1の空気は、矢印(4)のようにエレメント70を通過し、クリーンサイドS2に入る。クリーンサイドS2の空気は、矢印(5)のようにコネクティングチューブ110に流れ、内燃機関16(図1参照)に送られる。
[0076]
また、内燃機関16からのブローバイガスは、矢印(6)のようにブロー
らクリーンサイドS2まで通すことによって、気液分離室120とクリーンサイドS2が直結するので、機密性を向上することができる。
[0081]
また、筒部85の外端部88には、気液分離室120内に突出する突出壁124が形成されている。突出壁124は、導出口94と対向するように配置されている。突出壁124によって気液分離室120内に、いわゆるラビリンス構造を形成したので、ブローバイガスの気液分離を促進することができる。さらに、筒部85の外端部88、すなわちケース本体81と一体に突出壁124を形成したので、別途部品を不要とし、部品点数を削減できる。また、気液分離室120で分離された気体は、第2の連通穴123からコネクティングチューブ110に流れる。分離された液体は、導出口94からブローバイホース62に流れ、内燃機関16のクランクケース51(図7参照)に送られる。
[0082]
以上に述べた実施例2の車両用エアクリーナ装置60の作用を次に述べる。
図10及び図11に示されるように、コネクティングチューブ110を、筒部85の接続用開口部86に通す。エレメント70を移動させ、連通穴延出部122を第1の連通穴121に挿入し、さらにエレメントフランジ部75をケース部材82の壁82aに突き当てる。
[0083]
第1の連通穴121は、正面視、長穴状に形成されている。エレメント70を回転させ、フランジ爪部78を、エレメント支持部84の内側にスライドさせる。すると、想像線で示す連通穴延出部122は矢印(10)のように移動し、実線で示す連通穴延出部122の位置にくる。さらにエレメント70を回転させることで、エレメント70は、ケース本体81に取り付けられる。
[0084]
このように、連通穴延出部122を、第1の連通穴121に挿入した状態で、エレメントフランジ部75をエレメント支持部84に回転しつつ係合させることができる。さらに、連通穴延出部122を第1の連通穴121に挿入することで、組立時における位置合わせを行うことができる。
Claims (11)
- ケース本体の内部をダーティーサイドとクリーンサイドに区画するエレメントを備えているエアクリーナと、
このエアクリーナから内燃機関の吸気通路へ延びるコネクティングチューブとを備えている車両用エアクリーナ装置において、
前記コネクティングチューブは、径方向に延出するコネクティングチューブフランジ部を有し、
前記ケース本体の壁には、前記コネクティングチューブを囲むように筒部が形成され、
この筒部には、前記ケース本体の内方に向けて開口する内方開口部が形成され、
前記エアクリーナには、前記内燃機関からのブローバイガスを気体と液体に分離する気液分離室が形成され、
この気液分離室には、前記ブローバイガスを導くブローバイホースが接続され、
前記気液分離室は、前記筒部の内端を前記コネクティングチューブフランジ部の側面に当接させ、前記内方開口部を前記コネクティングチューブフランジ部で塞ぐとともに、前記筒部の外端部を前記コネクティングチューブの壁に当接させて形成したことを特徴とする車両用エアクリーナ装置。 - 前記コネクティングチューブフランジ部は、前記筒部と前記エレメントとの間に挟まれるように配置した、請求項1記載の車両用エアクリーナ装置。
- 前記エレメントは、フィルタと、このフィルタが装着されるエレメント基部と、このエレメント基部から径方向に延出するエレメントフランジ部とを有し、
前記ケース本体の壁には、前記エレメントフランジ部と係合するエレメント支持部を有し、
前記コネクティングチューブフランジ部は、一方側面で前記エレメントフランジ部に又は前記エレメント基部に当接し、他方側面で前記筒部の内端に当接する、請求項2記載の車両用エアクリーナ装置。 - 前記コネクティングチューブの壁は、前記コネクティングチューブフランジ部よりも下流側で、且つ、前記気液分離室に臨む領域に、この気液分離室と連通する連通穴が形成されている、請求項2又は請求項3記載の車両用エアクリーナ装置。
- 前記コネクティングチューブフランジ部のうち前記気液分離室に臨む部位に、第1の連通穴を形成するとともに、前記エレメント基部のうち前記クリーンサイドに臨む部位に第2の連通穴を形成し、
前記第1の連通穴を前記第2の連通穴に接続した、請求項3記載の車両用エアクリーナ装置。 - 前記第1の連通穴は、前記第2の連通穴よりも大径であり、
前記エレメント基部には、前記第2の連通穴を延長するように、軸方向に延出する連通穴延出部が形成され、
第1の連通穴に前記連通穴延出部が挿入されている、請求項5記載の車両用エアクリーナ装置。 - 前記第1の連通穴は、正面視、長穴状に形成され、
前記エレメントは、前記エレメントフランジ部を前記エレメント支持部に回転しつつ係合させることで取り付ける、請求項6記載の車両用エアクリーナ装置。 - 前記ケース本体は、前記気液分離室と連通して前記ブローバイホースを接続する接続部を有し、
この接続部の前記気液分離室側の導出口と対向するように、前記ケース本体の壁から突出する突出壁を形成した、請求項1〜7のいずれか1項記載の車両用エアクリーナ装置。 - 前記導出口は、前記連通穴と、前記コネクティングチューブを挟んで反対側に配置されている、請求項8記載の車両用エアクリーナ装置。
- 前記コネクティングチューブの壁のうち、前記コネクティングチューブフランジ部よりも下流側には、前記筒部の外端部を挟持するシール部が設けられている、請求項1〜9のいずれか1項記載の車両用エアクリーナ装置。
- 前記ケース本体の壁の一部に、前記導出口が形成されるとともに、
この導出口よりも前記接続部の導入口寄りの位置で、前記ケース本体の壁に、段差壁部が形成されている、請求項8〜10のいずれか1項記載の車両用エアクリーナ装置。
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