JPWO2016084243A1 - 高強度、高ヤング率を有し疲労特性、衝撃靭性に優れるチタン合金 - Google Patents

高強度、高ヤング率を有し疲労特性、衝撃靭性に優れるチタン合金 Download PDF

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Abstract

質量%で、Al:4.7〜5.5%、Fe:0.5〜1.4%、N:0.03%以下、Si:0.15〜0.40%、かつSi/Oの比率が0.80〜2.80、式(1)の[O]eqが0.13%以上0.25%未満、残部Tiおよび不純物からなり、熱圧板の法線方向をND方向、板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、c軸方位がND方向から30°の範囲に入るものの最も強い強度をXNDとし、TD方向の±10度/±10度に入るものの最も強い強度をXTDとし、XTD/XNDが4.0以上であり、板幅方向のヤング率が135GPa以上、板幅方向の引張強さ1100MPa以上のα+β型チタン合金熱延板。[O]eq=[O]+2.77[N]・・・式(1)

Description

本発明は、板面内の一方向で高強度、高ヤング率を有し、疲労特性および/または衝撃靭性に優れると共に、良好な熱間加工性を有するチタン合金板に関する。
これまで、航空機用部材を始めとして、高比強度、高耐食性などの優れた特性を生かしてチタン合金製品が数多く使用されてきた。そのうち、民生品用途として、自動車・自動二輪用マフラー材、眼鏡フレームや各種スポーツ用道具(ゴルフクラブフェース、スパイク用部品、金属バット・・・)などに幅広く使用されてきている。
チタン合金の欠点の一つとして、鉄鋼材料等に比べヤング率が低いことが挙げられる。ヤング率が低いことにより、構造用材料、部品として使用される場合は弾性変形しやすい(剛性が低い)ことが問題になることがある。また、例えば、ゴルフクラブフェースとして使用される場合、フェースがたわみやすくなるため、反発係数が大きくなりやすく、反発係数規制を満足することが困難となることが問題となっている。
この時、製品の形状が楕円形もしくは矩形の板状である場合に、短辺方向でヤング率が高くなるとたわみにくくなり、板の剛性を高める手段として有効であることが分かっている。このような状態を得るべく、α+β型チタン合金を一方向熱延して集合組織を制御することにより、板幅方向の強度およびヤング率を高める技術が特許文献1に開示されている。これは、α+β合金を特定の条件で一方向熱延することにより、チタンα相の底面が板幅方向に強く配向したTransverse-textureと呼ばれる熱延集合組織を発達させ、板幅方向への強度、ヤング率を高めたものである。その場合に、熱延板の板幅方向を楕円形もしくは矩形の板状製品の短辺側に設定することにより、板状製品がたわみにくくすることが可能となる。
こうして、例えば、ゴルフクラブフェース向けでは、反発係数規制が厳しくなった環境下で、上記のようにヤング率の高いα+β型チタン合金の適用が主流となってきている。ヤング率の高いα+β型チタン合金を使用することにより、フェースを薄くしても反発係数は高くなりにくく、ヤング率の低いβ型チタン合金に比べ、反発係数規制をクリアする板厚自由度が高まる。また、β型チタン合金に比べ比重が小さく、同じ質量でもクラブヘッドの容量を大きくすることが可能である上、β型合金に比べ高価な合金元素の含有量が低いことから、素材コストも低いといった多くのメリットがある。α+β型チタン合金としては、Ti−6%Al−4%Vが代表的であるが、他にも、例えば、Ti−5%Al−1%Fe、Ti−4.5%Al−3%V−2%Fe−2%Mo、Ti−4.5%Al−2%Mo−1.6%V−0.5Fe−0.3%Si−0.03%C、Ti−6%Al−6%V−2%Sn、Ti−6%Al−2%Sn−4%Zr−6%Mo、Ti−8%Al−1%Mo−1%V、Ti−6%Al−1%Feなどが使用されている。
さらに、ゴルフクラブフェース向け用途では、フェース加工時に成形加工度が小さく、形状制御による反発係数規制対応への自由度の少ない薄板状素材等では、板面内の一方向でヤング率135GPa以上、引張強さ1100MPa以上を有することが望ましい。この時、ヤング率は反発係数規制をクリアするため、引張強さと延性は良好な疲労特性を得るために、それぞれ上記の値を満足することが望ましい。しかし、一般的にα+β型合金は加工性が良好でなく、板厚を薄くしても優れた疲労特性および反発係数規制を満足する高強度、高ヤング率と、良好な熱間加工性を両立する合金は限られる。また、ゴルフクラブフェースの耐久性に影響を与える疲労特性および/または衝撃靭性についても、高い値を得ることはできていない。即ち、高ヤング率と高疲労強度および/または衝撃靭性を両立するチタン合金に関する技術は開示されていない。
また、チタン合金に含有される酸素は、インゴットの製造時に偏析しやすい元素として知られており、酸素を多く含むチタン合金は高強度ではあるが、インゴット内で濃度が異なることによる強度の違いが問題となっていた。更に、過度に酸素を含有させると延性が極端に低下するという問題もあった。
例えば、最汎用のα+β型合金であるTi−6%Al−4%V合金は、十分な強度、ヤング率を有し、航空機用部品を始めとする構造部材として、既に幅広く使用されている。しかし、この合金は、高温で固溶強化能を示し熱間加工時の変形抵抗を増大させるAlを6%含有しており、熱間加工性が良くないこと、また、高価なβ安定化元素であるVを4%含有し、素材コストが比較的高いこと、後述するが、Oの固溶強化により強化しているため疲労強度が十分でないという問題があった。
特許文献2には、Ti−6%Al−4%V合金と同様に高い比強度を有し、低コストの合金が提案されている。これは比重が軽いα安定化元素であるAlを多く添加することにより、高比強度かつ低コストを狙ったα+β型合金である。しかし、この合金は、Alを5.5〜7%含有し、熱間加工しにくいという難点を有する。フェース素材への加工コストを下げるには、軽いプレス成形と研磨工程のみによりフェース形状に加工できる板製品での供給が望まれるが、当該合金の熱延板を製造する際、高い熱間変形抵抗により適正な熱延温度範囲は狭く、それより少しでも温度が低下すると、耳割れが発生しやすく、成品歩留が低いという問題があった。また、酸素の偏析による強度の違いも存在していた。
特許文献3には、高強度・低反発チタン合金フェースを含むゴルフクラブヘッドが提案されている。フェースを構成するチタン合金において、AlおよびFeの含有量が規定されており、それにより高いヤング率と引張強度が得られるとある。特許文献3にこの合金の具体的な製造方法は記載されていないが、特許請求範囲に示されるAlおよびFeを含み、残部不可避的不純物からなる合金組成で、特許請求範囲に記載される引張強度1200〜1600MPaを得るには、製造方法がかなり限定される。すなわち、熱延、鍛造などの熱間加工まま、あるいは、熱間加工または冷間加工後に焼鈍処理を行う場合にはこのような強度を得ることはできない。さらに、熱間あるいは冷間加工品に時効熱処理を行った場合においても、この強度範囲の製品を得ることはできず、唯一、強加工度まで冷間加工したままの状態でのみ得られる可能性がある。しかし、冷間加工まま材をゴルフクラブフェースに使用すると、高強度は得られるが疲労特性は著しく低下するため、フェースにいったん疲労亀裂が発生すると、その伝播を抑えることはできない。こうして、ゴルフクラブフェースに要求される優れた疲労特性を確保できない問題があった。
特許文献4には、溶接部を含むゴルフクラブヘッドで熱影響部の疲労特性が高く、ヤング率および強度を熱処理により調整可能なフェース用チタン合金板が提案されている。Al、Fe、O、Nを適正量添加することで強度を調整し、熱影響部の疲労特性を向上させると共に、時効強化熱処理などの熱処理条件をコントロールすることでヤング率を制御することを特徴とする。しかし、特許文献4が出願された後に反発係数規制が施行され、ヤング率の高い合金のみが求められるようになり、特許文献4に記載される請求範囲の合金組成および製造条件により製造した板製品では、反発係数規制を満足する高いヤング率が得られない場合もあるという問題があった。また、特許文献2と同様な酸素の偏析による強度の違いも存在していた。
特許文献5には、Al、Fe、O、Nを含むチタン合金を一方向熱延することにより、上述のTransverse-textureと呼ばれる集合組織を発達させ、コイル巻取り時の板破断発生を抑制するなど、冷間でのコイル取扱性を向上させる技術が開示されている。これは、Transverse-texture発達に伴い、板破断の起点となる耳割れが発生しても、亀裂伝播経路が斜行して長くなるためである。しかしながら、高ヤング率、高疲労特性、強度の不均一性等についての技術課題の解決は考慮されていない。
また、特許文献6には、Al、Fe、Siを含むα+β型チタン合金が開示されており、従来のAl−Fe系チタン合金と同等の疲労強度と耐クリープ特性を有することが開示されている。しかしながら、高ヤング率、強度の不均一性等についての技術課題は考慮されていない。
特許文献7には、Al,Fe,Si、Oを含有し、さらに、MoやVを選択的に含有したチタン合金をβ変態点温度以上に加熱し、β変態点以下で熱間圧延を開始し、主に900℃以上の温度で熱延するα+β型チタン合金の製造方法が開示されている。このようにして製造されたチタン合金は、熱延板表面に発生する表面疵を低減することができるとあるが、高ヤング率、高強度、及び優れた疲労特性、及び均一な強度を有するチタン合金に関する技術の開示は無い。
特許文献8には、Siを添加して破壊靭性に優れたニアβ型のα+β型合金およびその製造方法が開示されている。ただし、シャルピー試験などによる高歪速度での変形を含む衝撃靭性に関する特性ではなく、破壊靭性値で靭性を評価している。また、ミクロ組織は針状組織に限定されている。
ここで、破壊靭性とは、一般的には、比較的低歪速度の元で亀裂伝播のしにくさを示す材料特性であり、一般的には、破壊靭性試験を行い評価される。例えば、非特許文献1等に示されるような除荷弾性コンプライアンス法等を用いて評価される。一方、衝撃靭性とは高歪速度の元での破壊し難さを示す特性であり、シャルピー衝撃試験の吸収エネルギーなどを使って簡便に評価することが可能である。ゴルフクラブや自動車部品などは高速の変形にさらされることから、衝撃靭性が高いことが望ましい。
即ち、高グレードなゴルフクラブフェースや、一部の自動車部品等に要求される高ヤング率、高強度、優れた疲労特性および衝撃靭性を同時に満たすα+β型チタン合金に関する技術は開示されていない。また、インゴット内における酸素の偏析による強度の違いを考慮した技術も開示されていない。
特開2012−132057号公報 特開2004−10963号公報 特開2006−212092号公報 特開2005−220388号公報 WO2012/115243A1 特開平7−62474号公報 特開2012−149283号公報 特開平11−343529号公報
「材料」第25巻第276号、昭和51年9月、第91〜95頁
本発明は、上記課題を解決し、板面内の一方向で高いヤング率および強度を有すると共に、高い疲労特性および/あるいは、衝撃靭性を有するα+β型チタン合金を提供することを目的とするものである。
発明者らは、α相を固溶強化するAl、O、N、および、Oと逆の偏析傾向を示すSiを添加すると共にSiとOのバランスを考慮し、β安定化元素として安価かつβ安定化能の高いFeを選び、それら元素の添加量を適正に制限して、室温でのβ相分率を低減させヤング率低下を抑えた。さらに、この合金を一方向熱延することにより、冷間加工強化あるいは時効強化熱処理に頼ることなく、板面内の一方向で高い強度と、高いヤング率および均一な強度を両立できることを見出した。同時に、高い強度を示すと共に、疲労特性および/あるいは、衝撃靭性も高くなることを見出した。SiはOと逆の偏析傾向を示すことから、SiとOを複合添加すること、SiとOの含有量を適正に制御すること及び酸素の上限を適正な範囲とすることにより、Oを単独添加した場合に生じるOの凝固偏析に伴う、元のインゴットのTop側に相当する位置での過度の高強度・低延性化を防ぐことが可能となった。また、SiはOと逆の偏析傾向を示すことやSi、Oの含有量を適正に制御することから、疲労試験および衝撃試験において、破壊の起点となるか、発生した亀裂が伝播しやすい、過度に高硬度の部分を生じさせにくい特徴を有する。こうして、疲労特性および/あるいは、衝撃靭性に悪影響を及ぼさない程度のSi及びOを適正量バランスを考慮し添加することにより、疲労特性、衝撃靭性に加えて、均一な強度確保が可能となった。
特に、この合金を一方向熱延して、チタンα相のc軸が板幅方向に強く配向したTransverse-textureと呼ばれる集合組織を発達させることにより、板幅方向の引張強さおよびヤング率を高めると共に、板幅方向に曲げ変形を繰返す場合の疲労特性および/あるいは、衝撃靭性を高めることも可能である。特に、前述の機構により、Si,Oを複合添加し且つこれらの元素のバランスを考慮した場合にその効果が高いことを見出した。
また、この合金は、比重も軽く、ゴルフクラブフェースを含む幅広い用途に最適な素材である。さらには、Ti−6%Al−4%V合金を主とする他のα+β型合金に比べ、熱間加工性を低下させるAlの含有量を低く制限しており、熱間圧延時の圧延負荷が低く、熱間圧延時のキズや耳割れが発生しにくいことから、薄板を含む、あらゆる形状の製品への製造性が良好であるという利点を有する。
本発明は上記知見に基づいてなされたものであり、以下の手段を骨子とする。
(1)質量%で、Al:4.7〜5.5%、Fe:0.5〜1.4%、N:0.03%以下、式(1)より計算される[O]eqが0.13%以上0.25%未満、Si:0.15〜0.40%、Si/Oの比率が0.80〜2.80、残部Tiおよび不純物からなり、熱延板の圧延面法線方向をND方向、熱間圧延方向をRD方向、熱延板の板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、c軸方位がND方向となす角度をθ、c軸方位とND方向を含む面がND方向とTD方向を含む面となす角度をφとし、角度θが0度以上、30度以下であり、かつφが全周(−180度〜180度)に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、角度θが80度以上、100度未満であり、φが±10度に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとした場合、XTD/XNDが4.0以上であり、板幅方向のヤング率が135GPa以上、板幅方向の引張強さ1100MPa以上である、熱間加工性に優れたα+β型チタン合金熱延板。
ここで、板幅方向とは、熱延方向に対して板面内で直角な方向である。
[O]eq=[O]+2.77[N]・・・式(1)
ここで、[O]は、酸素濃度(質量%)、[N]は、窒素濃度(質量%)である。
(2)質量%で、Al:4.7〜5.5%、Fe:0.5〜1.4%、N:0.03%以下、式(1)より計算される[O]eqが0.13%以上0.25%未満、Si:0.2〜0.40%、Si/Oの比率が0.80〜2.80、残部Tiおよび不純物からなり、熱延板の圧延面法線方向をND方向、熱間圧延方向をRD方向、熱延板の板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、c軸方位がND方向となす角度をθ、c軸方位とND方向を含む面がND方向とTD方向を含む面となす角度をφとし、角度θが0度以上、30度以下であり、かつφが全周(−180度〜180度)に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、角度θが80度以上、100度未満であり、φが±10度に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとした場合、XTD/XNDが4.0以上であり、板幅方向のヤング率が135GPa以上、板幅方向の引張強さ1100MPa以上である、熱間加工性に優れたα+β型チタン合金熱延板。
ここで、板幅方向とは、熱延方向に対して板面内で直角な方向である。
[O]eq=[O]+2.77[N]・・・式(1)
ここで、[O]は、酸素濃度(質量%)、[N]は、窒素濃度(質量%)である。
本発明により、板幅方向で、高い強度・延性バランスおよびヤング率を有すると共に、疲労特性および/あるいは衝撃靭性、且つ強度の均一性に優れた、α+β型チタン合金板を提供できる。
結晶方位を説明する図 X線極点図を説明する図
本発明者らは上記課題を解決すべく、チタン合金の材質特性に及ぼす成分元素および製造方法の影響を詳しく調査した結果、Fe、Al、O、N、Si添加量をコントロールすることにより、高い強度・延性バランスと、高いヤング率を具備し、良好な熱間加工性を有するα+β型チタン合金を製造することが可能であることを見出した。特に、α相に固溶して強化する働きのあるOとNの添加量を、式(1)より計算される[O]eqで適正な範囲に規定するとともに、Siを適正量添加することおよびSiとOの比を適正に制御することにより、ハイエンドのゴルフクラブフェースとして要求される高い均一な強度とヤング率、および疲労特性を確保できることを見出した。さらに、Alを主としてO、N、Siを複合添加して強化した本発明合金では、板製品を製造する場合、一方向熱延もしくは冷延により、材質異方性をもたらす集合組織が適正に発達し、圧延方向に垂直な方向である板幅方向のヤング率及び強度が、圧延方向よりも増大する材質異方性が生じる。さらに、疲労特性および/あるいは衝撃靭性が優れているという特徴も有する。
ゴルフクラブフェース面において、ヤング率と引張強度は、ゴルフクラブフェース面の縦方向において目標値を実現すれば十分である。従って、板の少なくとも一方向で必要とされるヤング率と引張強度を実現すればよい。ここで、薄板製品においては、一方向圧延を行うことにより、板幅方向についてヤング率と引張強度について目標を実現することが可能である。即ち、ゴルフクラブフェース面の縦方向を前記板幅方向にとれば、ゴルフクラブフェースに必要とされる一方向(ゴルフクラブフェース面の縦方向)での高いヤング率と引張強度を得ることができる。また、板幅方向に繰返し曲げ変形を行う場合の曲げ疲労特性や、ノッチを板幅方向に入れた場合のシャルピー衝撃特性も向上させることができる。
本発明は以上の知見に基づいてなされたものである。以下に、本発明に示した各種含有元素を選択した理由と、その含有量範囲を限定した理由を示す。以下、特に指定しない限り、%は質量%を意味する。
Feは、β相安定化元素のうちで安価な含有元素であり、β相を強化する働きを有する。かつ、β安定化能が高いため、比較的低い含有量でもβ相を安定化できる特性を有する。自動車部品や民生品などの用途、例えば、ゴルフクラブフェースとして必要な強度を得るには、0.5%以上のFeの含有が必要である。一方、FeはTi中で凝固偏析しやすく、また、多量に含有すると、α相に比べてヤング率の低いβ相の体積分率が増えるため、バルクのヤング率が低下してしまい、板面内の一方向でヤング率135GPa未満となって、ゴルフクラブフェースとして使用される場合に反発係数規制をクリアすることが困難となる。更に、Fe含有率の上昇により強度が上昇し、結果として、衝撃靭性の低下も見られることが分かった。それらの影響を考慮して、Feの含有量の上限を1.4%とした。なお、強度特性を重視するとともに、ヤング率低下による反発係数規制を確実にクリアするには、Fe添加量の下限として0.7%、上限として1.2%が望ましい。
Alはチタンα相の安定化元素であり、高い固溶強化能を有すると共に、安価な含有元素である。後述するO、Nとの複合含有により、高グレードのゴルフクラブフェース等の用途として優れた疲労特性を確保できる必要な強度レベルである、薄板製品の板幅方向で引張強さ1100MPa以上を得るため、含有量の下限を4.7%とした。一方、5.5%を超えてAlを含有すると、熱間変形抵抗増大により熱間加工性の低下をもたらすと共に、凝固偏析等によりα相を過度に固溶強化して局所的に硬い領域を生成し、疲労強度の低下をもたらすとともに、衝撃靭性の低下ももたらす。したがって、Alの含有量は5.5%以下にする必要がある。
OおよびNはいずれもα相中に侵入型固溶して、室温付近の温度でα相を固溶強化する作用を有する。Alとの複合含有により、高強度さらには高ヤング率を達成することが可能となる。その一方で、Alと異なり、熱間変形抵抗を上昇させないため、O、N、Siを複合含有することによりAl含有量を抑えることが可能となる。特許文献4〜6に記載されているように、Tiに及ぼすOとNの強化機構の類似性から、室温での強度に及ぼすOおよびNの働きは、前記式(1)に示す[O]eqにより一義的に表すことができる。Siを含有した場合であっても、[O]eqが0.13%未満となるO、Nの含有では、例えば、高グレードのゴルフクラブフェースとしてが十分な疲労特性を示す、薄板製品で板面内の一方向で引張強さ1100MPa以上の強度を安定して得ることはできない。特許文献7において、O単独で0.08%を下限としており、十分な強度を得ることを目的としていないことが分かる。また、Siを複合含有していることにより、[O]eqが0.25%以上となる範囲のO、Nを含有すると、凝固偏析によるα相の過度の固溶強化に伴い、局所的に硬い領域が生成され、疲労強度および/あるいは、衝撃靭性が低下してしまう。したがって、式(1)で示される[O]eqの下限を0.13%以上、上限を0.25%未満とした上で、強度の均一化を図る目的でSi/Oを適正に制御する必要がある。
N含有量については、高濃度のNを含有するスポンジチタンを使用する通常の方法により、0.030%を超えるNを含有すると、LDI(Low density Inclusion)と呼ばれる未溶解介在物が生成しやすくなり、製品の歩留が低くなるため、0.030%を上限とした。Nは含有しなくてもよい。
Siはチタンβ相の安定化元素であるが、α相中にも固溶して高い固溶強化能を有すると共に、安価な含有元素である。O、Nとの複合含有により、例えば、高グレードのゴルフクラブフェースとして疲労特性を確保するのに必要な強度レベルである、薄板製品の板幅方向で引張強さ1100MPa以上を得るため、含有量の下限を0.15%とした。好ましくは0.25%以上である。また、SiはOと逆の偏析傾向があることから、適正量のSiをOと複合含有することにより、高い疲労強度と高い均一な引張強度を両立することが可能である。この点が、Si含有効果の特徴である。ここで、特許文献6、7では、本発明に類似の成分系で、疲労強度低下の観点から、Si含有量は0.25%未満に規定されている。しかし、Siが0.25%以上含有されていても、局所的に高濃度のSiを含む偏析部、もしくは、粗大なシリサイドが生成しなければ疲労特性の低下は起らず、Oの含有量が高い場合には均一な強度が得られない。また、Siが0.2%以上になると、衝撃靭性も向上することが分かった。即ち、0.2%以上のSiの組成領域において、より良い疲労特性および衝撃靭性に優れた特性が得られる。一方、0.40%を超えてSiを含有すると、熱延あるいは熱間鍛造中、もしくは、冷却中に粗大なシリサイドが生成して、強度が低下すると共に、疲労破壊の起点となりやすくなることから、例えばゴルフクラブフェースや一部の自動車用部品等として十分な疲労特性を確保できなくなる上、衝撃靭性の低下を招く。さらに、Siは熱間変形抵抗を増大させる作用を有し、0.40%を超えるSiを含有させると急激に熱間変形抵抗が高くなり、熱間加工性が低下する。したがって、Siの含有量は0.40%以下にする必要がある。衝撃靭性へのSiの効果について、含有量が0.40%を超えると悪化させ、0.2%未満では効果が認められない。Si含有量が0.2〜0.40%の範囲では、含有量が多いほど衝撃靭性を向上させることが可能である。
Si/Oの比を0.80〜2.80とすることによって強度の均一化が図れる。これは、インゴット中の偏析傾向が逆であるOとSiを複合含有することにより強度ばらつきを抑制する効果に加え、両元素の固溶強化能の比を考慮することで、さらに、インゴット各部位における強度のばらつきを抑えることが可能となるためである。発明者らは多くの実験結果に基づき、同じ含有量のSiに比べ、Oの固溶強化能が大きいことをつきとめた。そこで、Oに比べてSiを多めに含有することで強度ばらつきを抑えられることを見出した。ここで、Si/Oが0.80未満となるとOによる固溶強化の影響が強くなりすぎて、O濃度の高い領域で強度が高くなる。一方、Si/Oが2.80を超えるとSiによる固溶強化の影響が強くなりすぎて、Si濃度の高い領域で強度が高くなる。したがって、Si/Oの下限を0.80、上限を2.80に規定した。
ゴルフクラブフェース用途を考慮すると、フェース形状への成形加工度が軽く、フェース形状により反発係数を低く抑える余地の少ない薄板製品をフェース用素材として製造する場合、Transverse-textureを発達させると、板幅方向の引張強さ及びヤング率が高くなり、フェース用素材として好ましい。この時、図1(a)に示すように、熱間圧延板の圧延面法線方向をND方向、熱間圧延方向をRD方向、熱間圧延板の板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、c軸方位がND方向となす角度をθ、c軸方位とND方向を含む面がND方向とTD方向を含む面となす角度をφとして定める。次に、図1(b)に示すように、角度θが0度以上、30度以下であり、かつφが全周(−180度〜180度)に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、図1(c)に示すように、角度θが80度以上、100度未満であり、φが±10度に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとする。そして、XTD/XNDが4.0以上である場合に、板幅方向の引張強さは1100MPa、ヤング率は135GPaを満足することから、ハイエンド機種のゴルフクラブフェースに要求される特性をクリアできる。したがって、上に記載したXTD/XNDの範囲を4.0以上と規定した。
上記組成を有するチタン合金において、上記のようにTransverse-textureを発達させ、ハイエンド機種のゴルフクラブフェース用素材として必要とされる、板幅方向の強度およびヤング率を高めるための製造条件の一例について説明する。上記組成を有するチタン合金スラブを、β変態点−20℃以上からβ変態点+150℃以下の熱延加熱温度に加熱した後、全板厚減少率90%以上、うち、α+β域での板厚減少率80%以上で、熱延仕上温度をβ変態点−50℃以下からβ変態点−250℃以上として、一方向熱間圧延を行う。
熱間圧延工程後の熱延板の板面方向の集合組織を強いT-textureとし、高い材質異方性を確保するには、熱間圧延工程において、所定の組成のスラブをβ単相域の熱延加熱温度に加熱して例えば30分以上保持することで、一旦β単相状態とし、その後、熱延加熱温度からα+β2相の高温域である熱延仕上温度まで、全板厚減少率90%以上、うち、α+β域での板厚減少率80%以上の大圧下を加える一方向熱間圧延を行うことが必要である。
なおここで、β変態温度は、示差熱分析法により測定できる。予め、製造予定範囲内でFe、Al、N、Oの成分組成を変化させた素材を10種以上、実験室レベルの少量真空溶解、鍛造した試験片を用い、それぞれ1150℃のβ単相領域から徐冷する示差熱分析法でβ→α変態開始温度と変態終了温度を調査しておくことで、実際の製造時に、製造材の化学成分組成と放射温度計による逐次温度測定により、その場でβ単相域にあるか、α+β領域にあるか、判定できる。また、熱延温度は、熱間圧延機各スタンド間に設置した放射温度計により測定した。各スタンド入側での被熱延板の温度がα+β2相域の場合、そのスタンドではα+β2相域で熱延されたとして、そのスタンドでの圧下率を測定した。
熱延加熱温度がβ変態点−20℃未満、つまりα+β2相域の場合であり、あるいはさらに、熱延仕上温度がβ変態点−250℃未満の場合、熱間圧延の途中でβ→α相変態が多く起り、α相分率が高い状態で強圧下が加わることとなる。その結果、β単相およびβ相分率が高い2相状態での圧下が不十分となるため、T-textureが十分に発達しない。さらに、熱延仕上温度がβ変態点−250℃未満になると急激に熱間変形抵抗が高まり熱間加工性は低下するため、耳割れなどが多発して、歩留低下を招く問題がある。そこで、熱延加熱温度の下限はβ変態点、熱延仕上温度の下限はβ変態点−250℃以上にする必要がある。特に、本発明合金はSiを含んでおり、加熱温度でβ相を少量含むα+β2相になるとSiがβ相に濃縮して、局所的に偏析、もしくは、冷却途中にシリサイドを生成し、疲労破壊の起点となって疲労特性が劣化してしまう。そのようなβ相分率をもたらす温度はβ変態点−20℃未満であるため、熱延加熱温度はβ変態点−20℃以上である必要がある。
この時のβ単相域からα+β2相域にかけて(熱延加熱温度から熱延仕上温度まで)の板厚減少率が90%未満の場合には、導入される加工歪が十分でなく、歪が板厚全体に渡って均一に導入されにくいため、板厚全体に渡ってβ相の配向性を得ることが出来ずT-textureが十分に発達しない場合がある。特に、α+β域での板厚減少率が80%未満の場合、β相の配向性が十分に得られず、変態して生成するα相の結晶方位が一部ランダム化してしまうため、板長手方向の曲げ加工性を改善し高い造管性をもたらすと共に、板幅方向、すなわち、造管後の軸方向の剛性が高くなるような、高い板面内材質異方性をもたらす程には、T-textureは発達しない。したがって、熱間圧延工程における板厚減少率として90%以上、そのうち、α+β域での板厚減少率は80%以上が必要である。
また、熱延加熱温度がβ変態点+150℃を超えると、β粒は急激に粗大化する。この場合、熱延は殆どβ単相域で行われ、粗大なβ粒が圧延方向に延伸し、そこからβ→α相変態が起るため、T-textureは発達出来にくい。同時に、熱延用素材表面の酸化が激しくなり、熱間圧延工程後に熱延板表面にヘゲキズを生じやすいなど製造上の問題が生じる。したがって、熱延加熱温度域は、β変態点+150℃を上限、β変態点を下限とすべきである。
一方、熱延時の熱延仕上温度がβ変態点−50℃を超える場合には、熱延の大部分がβ単相域で行われることとなり、初期組織が粗大なβ粒となるため、熱間加工による歪はβ粒の結晶方位により不均一に導入される。これにより、β→α変態後のα相の方位集積は十分でなく、一部ランダムな結晶方位を有するα相を生成するため、T-textureが十分に発達しにくい問題がある。したがって、熱延仕上温度上限は、β変態点−50℃とする必要がある。よって、熱延仕上温度は、β変態点−50℃以下からβ変態点−250℃以上の温度域である必要がある。
また、上記条件での熱間圧延工程では、α+β型チタン合金の熱延条件の一つとされるα+β域加熱熱延に比べて高温であるため、板両端の温度低下は低く抑えられる。こうして、板両端でも良熱間加工性が維持され、耳割れ発生が抑制されると言う利点がある。
熱延終了後、仕上温度から600℃までを遅い速度で冷却すると、シリサイドが析出して、疲労強度を損ねてしまうことがある。熱延終了後、600℃までを1℃/s以上の速度で冷却すればシリサイドの析出が抑えられることから、冷却速度の下限とした。
なお、熱延開始から終了まで、一貫して一方向にのみ圧延する一方向熱間圧延を行う理由は、板幅方向を管長手方向にして、曲げ加工により管状に成型し溶接管を製造する場合に、本発明が目的とする、曲げ加工時の変形抵抗を下げて曲げ加工性が改善されると共に、管長手方向が高強度かつ高ヤング率となるT-textureを効率的に得るためである。こうして、板幅方向の均一な強度が1100MPaを超えるとともに、ヤング率が135GPa以上と高く、疲労特性および衝撃靭性に優れた、高級グレードのゴルフクラブフェース向けチタン合金板を得ることが可能となる。
ここで、高い疲労特性とは、10万回繰り返し3点曲げ疲労試験を行った場合の疲労強度が800MPa以上であることで定義される。
また、高い衝撃靭性とは、シャルピー吸収エネルギーが25J/cm2であることと定義した。
こうして、高いヤング率と均一な強度を有する該チタン合金薄板をゴルフクラブフェース用素材として使用する場合、板幅方向をフェースの縦方向かそれに近い方向に配置することにより、反発係数規制に対応し、かつ、高い疲労特性、すなわち、高い疲労特性を具備するフェースを製造することが可能となる上、衝撃靭性にも優れる。
<実施例1>
真空アーク溶解法により、表1に示す化学組成のチタン材を溶解し、これを熱間鍛造して厚さ180mmのスラブとした。このスラブを1060℃に加熱して、試験番号1および22以外のものについては、一方向に熱間圧延して、厚さ4mmの熱延板を製造した。試験番号1および22では、スラブを1060℃に加熱して、板幅方向への熱間圧延を含むクロス圧延により、厚さ4mmの熱延板を製造した。これをショットブラスト処理後、酸洗して酸化スケールを除去した。
酸化スケールを除去した際に表面キズ深さをデプスゲージで測定し、熱間加工性を評価した(○:最大キズ深さ≦0.3mm、×:最大キズ深さ≧0.3mm)。その結果と、引張特性を調べた結果も併せて表1に示す。
さらに、この熱延酸洗板の板面方向の集合組織をX線回折により測定し、熱間圧延面よりND方向からのα相の(0001)面極点図において、図2のハッチング部(領域B)に示したように、c軸方位とND方向のなす角度θが30度未満である結晶粒(図1(b)に示す領域)によるX線のα相(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、図2のハッチング部(領域C)に示すように、c軸方位とND方向のなす角度θが80度以上、100度以下であって、前記φが±10度の範囲にある結晶粒(図1(c)に示す領域)によるX線のα相(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとし、それらの比XTD/XNDをX線異方性指数として、集合組織の発達程度を評価した。
表中には、室温において三点曲げ疲労試験を実施した時の10万回疲労強度を示す。疲労特性評価用試験片には、熱延板の板厚中央部付近から、板幅方向を長手方向とするt2.0(mm)×w15(mm)×L60(mm)を加工して表面を平滑に仕上げたものを使用した。3点曲げの要領で、先端にR=2mmの曲率を持つ冶具(ポンチ)を試験片の長手方向中央部に押込むことにより、応力比0.1で6Hzの繰返し荷重を与え、疲労試験を行った。即ち、繰り返し3点曲げ疲労試験である。荷重点と両側の各支点との間の距離を各々20mmとした。即ち、両側の支点間距離が40mmであって、その中央に、曲げ応力負荷を与えるポンチが位置するという配置である。ここで、応力比とは、試験片にかける最大負荷応力に対する最小負荷応力の比で定義される。試験片にかける応力は、ポンチの押し込み荷重を測定すると共に、試験片の各寸法を、材料力学のたわみの式に代入することにより求められる。曲げにより発生する歪は、上記の材料力学の式から求めてもよいし、試料に歪みゲージを貼り、その長手方向に発生する歪を実測して求めてもよい。最大応力と最小応力に対応するポンチの押し込み量が、ポンチのストロークの上限および下限を決めることとなる。この上限と下限の間をポンチが繰り返し往復することによって繰り返し荷重が与えられる。応力比0.1で疲労試験を行うということは、最大応力と最小応力の比が0.1ということである。例えば、最大応力が800MPaの場合、最小応力は80MPaとなるように押し込み荷重を調整し、繰り返し応力をかけることとなる。本発明では、10万回疲労強度(105回疲労強度)を、105回の繰り返し荷重付与で破断しない最大負荷応力と定義し、それが800MPa以上を維持することを特徴とする。これは非常に高い疲労特性を有していることを示し、ハイグレードのゴルフクラブフェースに必要とされる高い耐久性を有することを示す。逆に、800MPa以下の最大負荷応力で繰り返し荷重を与えた場合に、105回以下の繰り返し回数で破断すれば、本発明の目的とする疲労特性を満たさないことになる。105回以上の繰り返し荷重付与でも破断しなかった試料については、同一素材で異なる試験片について最大負荷応力を増加させ、繰り返し荷重付与を行い、再び105回でも破断しなかった場合は、さらに最大負荷応力を増加させた条件で、新たな試験片で繰り返し荷重試験を行い、破断が見られるまで、この手続を繰り返して疲労試験を行った。
また、Siを含有しない比較例である表1の試験番号18と、Siを含有する発明例である表1の試験番号20を比較すると、105回疲労強度において、比較例が劣っており、本発明の特徴の一つであるSiと酸素、窒素の複合添加効果が示されることが分かる。
さらに、熱延板の長手方向より、JIS Z2242に規定されるシャルピー衝撃試験片(サブサイズ、t2.5(mm)×w10(mm)×L55(mm))を加工して、シャルピー衝撃試験を行い、衝撃靭性を評価した。衝撃試験片には、深さ2mmのVノッチを元の熱延板の板幅方向に相当する向きに加工した。シャルピー衝撃試験は22℃で行い、ハンマーの上った高さより求められる吸収エネルギーを試験片の断面積で除した値をシャルピー衝撃吸収エネルギーとして評価した。
また、OおよびSiの局所的な偏析に伴い損なわれる強度の均一性については、インゴットのTop部、Middle部およびBottom部に相当する部位におけるマイクロビッカース硬さの最大値(HVmax)と最小値(HVmin)の比(HVmax/HVmin)により規定した。この時、マイクロビッカース硬さの押し込み荷重は50gf(HV0.05)とし、T断面の硬さを比較した。この時、最大硬さと最小硬さの比が1.15未満であれば、Si、Oの凝固偏析等に伴う微小硬さの差、および、それに伴う強度の不均一性は低くなり、疲労強度および/または衝撃靭性の低下は抑えられる。
Figure 2016084243
表1において、試験番号1はTi−6%Al−4%V合金を板幅方向への熱間圧延を含むクロス圧延した場合の結果、試験番号2はTi−7%Al−1%Feを一方向熱延した場合の結果である。試験番号1のXTD/XNDは3.0を下回り、板幅方向の引張強さは1100MPaに達していない。また、試験番号2ではXTD/XNDは3.0を上回っており、板幅方向の引張強さ(TS)は1100MPa以上、ヤング率は135GPa以上を満たしているが、0.5mm以上の深さの熱延キズが発生しており、熱間加工性は悪い上に、シャルピー衝撃吸収エネルギーも25J/cm2を下回っており、衝撃靭性も低い。この衝撃靭性の低下は、Al含有量が高いためである。また、試験番号18、19は本発明で規定したSi量を下回る添加量であり、ヤング率135GPa、引張強さ1100MPaを満たし、熱間圧延性も良好であるが、105回疲労強度は800MPaを下回っており、疲労特性は十分ではない。また、衝撃靭性も低い。
これに対し、本発明の実施例である試験番号4、5、8、9、12、13、15、16、20、23、24は、板幅方向で1100MPa以上の高い引張強さ(EL)を示す上、800MPaを超える高い105回疲労強度を示している。これらの特性から、例えば、ゴルフクラブフェースとして使用される場合に優れた特性を有する。さらにSi含有量が0.2%以上である試験番号4、5、12、13、15、16、20、23、24は、25J/cm2を超える高いシャルピー衝撃吸収エネルギーも有している。特に、Si添加量の高い試験番号4、5、12、13、20、23、24ではシャルピー衝撃吸収エネルギーは30J/mm2を超えており、極めて良好な衝撃靭性を有している。
一方、試験番号3、7、7A、11では、板幅方向の引張強さが1100MPa以下であり、フェースに使用するには十分な強度を有していない。試験番号3、7、7A、11の順に、それぞれ、Al、Fe、Fe、[O]eq量が本発明の下限値を下回っていたため、固溶強化能が十分でなく、引張強さが低くなったためである。
試験番号14では、本発明例に比べて105回疲労強度が低く、十分な疲労特性を付与できていない。また、シャルピー衝撃吸収エネルギーも低い。試験番号14では[O]eqが上限を超えたため、Oの凝固偏析により局所的に硬さの高い領域が生成し、疲労強度ならびに衝撃靭性が低下したためである。また、試験番号17では、Nが本発明の上限を越えて添加されており、LDI発生が確認されたため、試験を中断した。
また、試験番号6、17、21では、熱延後に0.5mmを超える深さの表面欠陥が多発した。試験番号6、21ではそれぞれ、熱間加工性を低下させるAl、Siが本発明の上限を超えて添加されており、熱延キズが発生したためである。試験番号17では、過剰のN含有によりLDIが生成し表面近傍の物が欠陥として認識されたためである。試験番号21では、過剰のSi含有によりSiが局所的に濃化して硬化した領域が生成もしくは粗大なシリサイドが析出し、熱間加工中に、Si偏析部もしくはシリサイドと母相の間にボイドが生成・連結して表面欠陥となったためである。試験番号6ではシャルピー衝撃吸収エネルギーも25J/cm2を下回っており、衝撃靭性も低い。これはAl添加量が高く、強度が高過ぎたためである。さらに、試験番号21では105回疲労強度が800MPaを下回っていた。シャルピー衝撃吸収エネルギーも25J/cm2を下回っており、衝撃靭性も低い。いずれも、Siが局所的に濃化して硬化した領域もしくは粗大なシリサイドが起点となり、これらの特性が低下したためである。
試験番号10、10Aでは、Fe量が高すぎ、ヤング率が135GPaを下回った。また、強度が高いために衝撃靭性の低下も見られた。
また、試験番号22では板幅方向への熱間圧延を含むクロス圧延をした結果、XTD/XNDは3.0を下回り、引張強さ1100MPa、ヤング率135GPaは得られていない上、疲労強度も低くなっている。これはクロス圧延によりTransverse-textureが発達しなかったためである。
また、Siが0.15%以上で0.20%未満添加されており、他の合金元素が本発明の含有量の範囲内で添加され、かつ本発明に規定されたXTD/XNDを有する試験番号8、9、8A、9Aでは、高い105疲労強度を示すが、シャルピー衝撃吸収エネルギーは25J/cm2を僅かに下回っていた。これは、Si添加量が、疲労強度を上昇させるには十分であるが、衝撃靭性を上昇させるには不足していたためである。
また、試験番号11、19、21、25を除く場合、強度が均一であることを示すHVmax/HVmin<1.15を満足していた。これは、試験番号19、25はSi/Oが本発明の下限を下回ると共に、試験番号11、21は上限を上回っており、それ以外は本発明の範囲内であったためである。これにより、試験番号11、19、21では疲労強度が低く、試験番号25ではシャルピー衝撃特性が低い結果に終わっている。
以上の結果より、本発明に規定された元素含有量およびXTD/XNDを有するチタン合金熱延板は、板幅方向の引張強さとヤング率が高く、ハイエンドのゴルフクラブフェース向け素材として優れた材質特性を有すると共に、良好な熱間加工性を有する。一方、本発明に規定された合金元素量を外れると、熱間加工性が低下すると共に、板幅方向の引張強さ、ヤング率、疲労強度および/または衝撃靭性といったゴルフクラブフェースに必要な材質特性を満足することはできない。
また、本発明材と、一般的に用いられているTi−Al−V系従来材との比較を行った。Ti−6%Al−4%Vをベース組成として添加酸素量を変化させたものは、汎用的に用いられているチタン合金であり、その強度(引張強さ)は、添加酸素量によって調整することができる。そこで、強度が約1000MPaのTi−6%Al−4%Vに酸素を含有させて強度を1100〜1200MPa程度に調整することで本発明合金と同程度の強度となる合金を製造し、同程度の強度の本発明の合金と疲労特性を比較した。Ti−6%Al−4%V従来材は、熱間圧延時に割れが発生する場合が多く、また、すべての試料で105回疲労強度において本発明になる合金より低く、劣っていた。
<実施例2>
真空アーク溶解法により、表1の試験番号5、9に示す化学組成のチタン材を溶解し、これを熱間鍛造して厚さ180mmのスラブとした。このスラブを表2、表3に示す条件により一方向に熱間圧延して、厚さ4mmの熱延板を製造した。これをショットブラスト処理後、酸洗して酸化スケールを除去した。
酸化スケールを除去した際に表面キズ深さをデプスゲージで測定し、熱間加工性を評価した(○:最大キズ深さ≦0.3mm、×:最大キズ深さ>0.3mm)。その結果と、引張特性を調べた結果も併せて表2、表3に示す。
さらに、この熱延酸洗板の板面方向の集合組織をX線回折により測定し、熱間圧延面よりND方向からのα相の(0001)面極点図において、図2のハッチング部(領域B)に示したように、c軸方位とND方向のなす角度θが30度未満である結晶粒によるX線のα相(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、図2のハッチング部(領域C)に示すように、c軸方位とND方向のなす角度θが80度以上、100度以下であって、前記φが±10度の範囲にある結晶粒によるX線のα相(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとし、それらの比XTD/XNDをX線異方性指数として、集合組織の発達程度を評価した。
また、表中には、室温において三点曲げ疲労試験を実施した時の105回疲労強度を示す。試験片には、熱延板の板厚中央部付近から、板幅方向を長手方向とするt2.0(mm)×w15(mm)×L60(mm)を加工して表面を平滑に仕上げたものを使用した。先端にR=2mmの曲率を持つ冶具を試験片の長手方向中央に押込むことにより、応力比0.1で6Hzの繰返し荷重を与え、疲労試験を行った。荷重点と両側の支点間の距離を20mmとした。105回疲労強度は、800MPa以上であり、疲労強度は十分に高く、優れた疲労特性を持つといえる。
Figure 2016084243
Figure 2016084243
表2、3はそれぞれ、表1の試験番号5、9に示す化学組成の板製品を一方向熱延した場合における結果である。このうち、試験番号26、27、28、29、31、32、33、34の条件で製造した板はいずれも、熱延前の加熱温度がβ単相域(β変態点温度以上)、もしくは、β変態点直下(β変態点よりも20℃低い温度まで)のα+β2相温度域であったため、Transverse-textureが発達し、板幅方向の引張強さ(1100MPa以上)およびヤング率(135GPa以上)を十分に満足すると共に、高い疲労強度を有している。これらの板材をゴルフクラブフェースとして使用した場合、反発係数規制に適合する特性と優れた疲労特性を兼ね備える。また、これらの熱延酸洗板には0.3mmを超える深さの表面欠陥は発生しておらず、良好な熱延性を示す。したがって、これら薄板材はゴルフクラブフェース用素材として好適である。
一方、試験番号25、29A、29B、29C、29D、30、34A、34B、34C、34Dに示す熱延板では、XTD/XNDは3.0以下となっており、板幅方向で1100MPa以下の引張強さと、135GPa以下のヤング率を示し、例えば、ハイエンドのゴルフクラブフェース向け素材としては適当ではない。このうち、試験番号25、30では、熱延前の加熱温度がα+β2相域の比較的低い温度であったため、β単相域(β変態点温度以上)、もしくは、β変態点−20℃のα+β2相温度まで加熱した場合に比べてTransverse-texture発達が少なく、材質異方性が大きくならなかったためである。また、試験番号29A、34Aでは全板厚減少率が90%未満であったため、試験番号29B、34Bではα+β2相域での板厚減少率が80%未満であったため、それぞれTransverse-textureが発達しなかったためである。試験番号29C、34Cでは熱延加熱温度がβ変態点+150℃を超えていたため、加熱時に粗大なβ粒が生成し、集合組織が発達しなかったためである。試験番号29D、34Dでは、熱延仕上温度〜600℃での冷却速度が1℃/s未満であったため、シリサイドが析出し、疲労破壊の起点となったためである。また、試験番号30、35では、0.3mm以上の深さの熱延キズが多発していて、熱延キズ評点が低くなっていた。これは、試験番号25、30では熱延仕上温度がβ変態点−200℃未満と低かったため、熱間変形能が低かったためである。
以上の結果より、板幅方向で高いヤング率、引張強さ、および、優れた疲労特性および/または衝撃靭性を有するには、本発明に示す成分範囲の含有元素を有するチタン合金を、β変態点以上もしくは直下の温度域に加熱して一方向熱延することにより製造することができる。このチタン合金は、高い比強度や疲労特性を必要とする幅広い用途に使用できるが、特に、ゴルフクラブフェースや自動車部品用などとして優れた特性を有している。
尚、前記試験番号12の熱延板に用いたスラブを用いて、熱間圧延率90%未満の熱延板をいくつか製造したが、いずれも、本発明の目的とする強度、ヤング率、疲労特性や衝撃靭性が得られるほどの発達したTransverse-textureを得ることができなかった。ただしここで、圧延率(%)とは、「100×(圧延前の板厚―圧延後の板厚)/圧延前の板厚」で定義した。
本発明のチタン合金は、薄板製品の板面内の一方向でヤング率135GPa以上、引張強さ1100MPa以上が得られるとともに、優れた疲労特性および/または衝撃靭性も有する。また、良好な熱間加工性を有する。この合金は、優れた疲労特性を有すると共に、反発係数規制を満足し、例えば、高グレードのゴルフクラブフェースや自動車部品等の用途に適した材料を提供することができるものとなっている。

Claims (2)

  1. 質量%で、Al:4.7〜5.5%、Fe:0.5〜1.4%、N:0.03%以下、式(1)より計算される[O]eqが0.13%以上0.25%未満、Si:0.15〜0.40%、Si/Oの比率が0.80〜2.80、残部Tiおよび不純物からなり、熱延板の圧延面法線方向をND方向、熱間圧延方向をRD方向、熱延板の板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、c軸方位がND方向となす角度をθ、c軸方位とND方向を含む面がND方向とTD方向を含む面となす角度をφとし、角度θが0度以上、30度以下であり、かつφが全周(−180度〜180度)に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、角度θが80度以上、100度未満であり、φが±10度に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとした場合、XTD/XNDが4.0以上であり、板幅方向のヤング率が135GPa以上、板幅方向の引張強さ1100MPa以上である、熱間加工性に優れたα+β型チタン合金熱延板。
    ここで、板幅方向とは、熱延方向に対して板面内で直角な方向である。
    [O]eq=[O]+2.77[N]・・・式(1)
    ここで、[O]は、酸素濃度(質量%)、[N]は、窒素濃度(質量%)である。
  2. 質量%で、Al:4.7〜5.5%、Fe:0.5〜1.4%、N:0.03%以下、式(1)より計算される[O]eqが0.13%以上0.25%未満、Si:0.2〜0.40%、Si/Oの比率が0.80〜2.80、残部Tiおよび不純物からなり、熱延板の圧延面法線方向をND方向、熱間圧延方向をRD方向、熱延板の板幅方向をTD方向とし、α相の(0001)面の法線方向をc軸方位として、c軸方位がND方向となす角度をθ、c軸方位とND方向を含む面がND方向とTD方向を含む面となす角度をφとし、角度θが0度以上、30度以下であり、かつφが全周(−180度〜180度)に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXNDとし、角度θが80度以上、100度未満であり、φが±10度に入る結晶粒によるX線の(0002)反射相対強度のうち、最も強い強度をXTDとした場合、XTD/XNDが4.0以上であり、板幅方向のヤング率が135GPa以上、板幅方向の引張強さ1100MPa以上である、熱間加工性に優れたα+β型チタン合金熱延板。
    ここで、板幅方向とは、熱延方向に対して板面内で直角な方向である。
    [O]eq=[O]+2.77[N]・・・式(1)
    ここで、[O]は、酸素濃度(質量%)、[N]は、窒素濃度(質量%)である。
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