JPWO2016052651A1 - 化粧用ゲルシート - Google Patents
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Abstract
密着性、保湿性、及び肌の張り感に優れる化粧用ゲルシートを提供する。化粧用ゲルシート(10L及び10R)は、不織布又は織布からなる基材と、化粧料組成物を含有するゲル層とを有する化粧用ゲルシートであって、厚み方向に直交する一方向をDA方向、前記厚み方向及び前記一方向の両方に直交する方向をDB方向とすると、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率が5%以下であり、DB方向の伸長率が2%以下である。
Description
本発明は、密着性、保湿性、及び肌の張り感に優れ、顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートとして好適な化粧用ゲルシートに関する。
スキンケアに用いられる化粧用ゲルシートとして、不織布とゲル層とを積層してゲル層に化粧料組成物を含有させた化粧用パックが知られている。このような化粧用パックは、顔面の肌に貼り付けて使用される。
従来、このような化粧用パックとして、肌への密着性やリフトアップ効果の向上を図るために、非エラストマー性繊維層とエラストマー層とを積層一体化した積層体で構成し、顔面の上下方向へ伸縮性を有するようにした化粧用マスクが知られている(特許文献1参照)。
また、他の化粧用パックとして、フィット性、密着性や取扱い易さを向上させるとともに、使用時につっぱり感等の違和感をなくすために、伸縮性を有する基布と、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ソーダ、及び精製水を含む粘付剤組成物とからなり、顔面に貼着して使用するシート状化粧料において、顔面に貼着するときの縦方向及び横方向の伸長率が、50mm幅の短冊状試料について1ニュートン荷重時に測定した場合に、縦方向で7.3〜12%、かつ横方向で17〜20%としたシート状化粧料が知られている(特許文献2の実施例を参照)。
しかしながら、特許文献1に記載の化粧用マスクは、顔面下向き方向に引き伸ばしながら顔面に装着されたときに、伸長回復率の高いエラストマー層の作用により顔面上向き方向への大きな収縮力が発生し、肌を顔面上向き方向へ吊り上げることで、リフトアップ効果を発揮するものである。特許文献1に記載の化粧用マスクは、肌を顔面上向き方向へ大きく吊り上げて、肌を物理的に強張らせた状態(肌が突っ張った状態)にしてしまうので、優れた装着感が得られない。すなわち、特許文献1に記載の化粧用マスクは、皺を伸ばして肌本来の自然な張りを引き出す感じ(以下、「肌の張り感」と称する)が劣る。また、特許文献1に記載の化粧用マスクは、優れた装着感が得られない結果として、十分な潤いを肌に供給することができず、保湿性に劣る。
また、特許文献2に記載のシート状化粧料は、縦方向の伸長率及び横方向の伸長率が何れも7.3%以上と比較的高いため、形状保持性が悪い(いわゆる「コシ」が弱い)ものであり、肌に装着したときに形状が大きく崩れるので、優れた装着感が得られない。すなわち、特許文献2に記載のシート状化粧料は、皺を伸ばして肌本来の自然な張りを引き出す感じ(肌の張り感)に劣る。また、特許文献2に記載のシート状化粧料は、優れた装着感が得られない結果として、十分な潤いを肌に供給することができず、保湿性に劣る。
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであって、密着性、保湿性、及び肌の張り感に優れる化粧用ゲルシートを提供することを目的としている。
本発明の化粧用ゲルシートは、不織布又は織布からなる基材と、化粧料組成物を含有するゲル層とを有する化粧用ゲルシートであって、厚み方向に直交する一方向をDA方向、前記厚み方向及び前記一方向の両方に直交する方向をDB方向とすると、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率が5%以下であり、DB方向の伸長率が2%以下であることを特徴としている。
前記構成によれば、DA方向の伸長率が10%〜40%であるので、化粧用ゲルシートをDA方向に適度に伸長させながら肌の形状に追従するように肌に貼り付けることができ、優れた密着性を有している。さらに、前記構成によれば、DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率が5%以下であるので、DA方向に伸長させながら肌に貼り付けたときに、元の状態への回復が抑制される。それゆえ、肌に自然な張りを与えて皺を伸ばした状態で保持することができ、優れた肌の張り感及び保湿性を得ることができる。また、前記構成によれば、DB方向の伸長率が2%以下であるので、DA方向に伸長させながら肌に貼り付けられたときに形状が崩れにくく、優れた装着感が得られる。その結果、肌に自然な張りを与えて皺を伸ばした状態で保持することができ、優れた肌の張り感及び保湿性を得ることができる。
本発明によれば、密着性、保湿性、及び肌の張り感に優れる化粧用ゲルシートを提供することができる。
以下、本発明をより詳細に説明する。
〔化粧用ゲルシート〕
本発明の化粧用ゲルシートは、不織布又は織布からなる基材と、化粧料組成物を含有するゲル層とを有する化粧用ゲルシートであって、厚み方向に直交する一方向をDA方向、前記厚み方向及び前記一方向の両方に直交する方向をDB方向とすると、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率(以下、単に「DA方向の伸長回復率」と称する)が5%以下であり、DB方向の伸長率が2%以下である。前記化粧用ゲルシートは、ゲル層の面を肌に貼り付けて使用される。前記化粧用ゲルシートを肌に貼り付ける際、前記化粧用ゲルシートは、DA方向の伸長率が10%〜40%と高いので、DA方向に伸長させながら肌に密着させるように貼り付けることができる。
〔化粧用ゲルシート〕
本発明の化粧用ゲルシートは、不織布又は織布からなる基材と、化粧料組成物を含有するゲル層とを有する化粧用ゲルシートであって、厚み方向に直交する一方向をDA方向、前記厚み方向及び前記一方向の両方に直交する方向をDB方向とすると、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率(以下、単に「DA方向の伸長回復率」と称する)が5%以下であり、DB方向の伸長率が2%以下である。前記化粧用ゲルシートは、ゲル層の面を肌に貼り付けて使用される。前記化粧用ゲルシートを肌に貼り付ける際、前記化粧用ゲルシートは、DA方向の伸長率が10%〜40%と高いので、DA方向に伸長させながら肌に密着させるように貼り付けることができる。
前記化粧用ゲルシートのDA方向の伸長率は、10%〜40%であればよいが、好ましくは15〜35%である。DA方向の伸長率が10%未満の場合、DA方向への伸長が不足し肌の形状への追従性が不足するので、密着性が悪くなる。DA方向の伸長率が40%を超えると、形状保持性が悪くなり、肌に貼り付けたときに形状が大きく崩れるので、肌の張り感及び保湿性が悪くなる。なお、DA方向の伸長率は、実施例で述べる測定方法によって測定されるものとする。
前記化粧用ゲルシートのDA方向の伸長回復率は、5%以下であればよいが、好ましくは3%以下である。DA方向の伸長回復率が5%を超えると、DA方向に伸長させながら肌に貼り付けたときに、大きく戻るので、肌を物理的に強張らせた状態(肌が突っ張った状態)にしてしまうので、肌の張り感及び保湿性が悪くなる。なお、DA方向の伸長回復率は、実施例で述べる測定方法によって測定されるものとする。
前記化粧用ゲルシートのDB方向の伸長率は、2%以下であればよいが、好ましくは1.5%以下である。DB方向の伸長率が2%を超えると、形状保持性が悪くなり、DA方向に伸長させながら肌に貼り付けられたときに形状が大きく崩れるので、肌の張り感及び保湿性が悪くなる。なお、DB方向の伸長率は、実施例で述べる測定方法によって測定されるものとする。
また、化粧用ゲルシートは、垂直粘着力が0.020〜5.00N/12mmφであることが好ましく、0.020〜2.00N/12mmφであることがより好ましい。垂直粘着力が0.020N/12mmφ未満の場合、化粧用ゲルシートを肌に貼り付けたときの肌への密着性が不足する恐れがある。垂直粘着力が5.00N/12mmφを超える場合、化粧用ゲルシートを肌に貼り付けたときに肌を物理的に強張らせた状態(肌が突っ張った状態)にしてしまって肌の張り感が悪くなったり、化粧用ゲルシート自体のハンドリング性が悪くなったりする恐れがある。なお、垂直粘着力は、実施例で述べる測定方法によって測定されるものとする。
本発明の化粧用ゲルシートは、顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートとして好適である。次に、顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートの形状の幾つかの実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明に係る化粧用ゲルシートの実施の一形態としての1対の目下用の化粧用ゲルシートを示す平面図である。
図1に示す1対の化粧用ゲルシート10L及び10Rは、それぞれ左目下用及び右目下用の化粧用ゲルシートである。化粧用ゲルシート10Lは、図1における下側の略円弧状の輪郭が左目の下瞼に沿う形状となっており、その輪郭が左目の下瞼に沿うように左目のすぐ下の肌に貼り付けて使用されるものである。化粧用ゲルシート10Rは、図1における上側の略円弧状の輪郭が右目の下瞼に沿う形状となっており、その輪郭が右目の下瞼に沿うように右目のすぐ下の肌に貼り付けて使用されるものである。化粧用ゲルシート10L及び10Rの場合、DA方向が水平方向(図1の横方向)となるようにすることが好ましい。これにより、肌の張り感をさらに向上させることができる。
顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートの形状は、図1に示す形状に限定されるものではなく、図2に示すように顔面全体に対応する形状であってもよい。図2に示す化粧用ゲルシート20は、顔面全体に該当する大きさに形成された全顔用の化粧用ゲルシートであって、目に対応する部分に設けられた2つの貫通孔22と、口に対応する部分に設けられた貫通孔23と、鼻に対応する部分に設けられたスリット24と、顎に対応する部分に設けられたスリット25とを有する略円形のシート状に形成され、顔の曲面に沿って顔の全面に貼り付けることができるように貫通孔22、23及びスリット24、25の位置が調整されている。化粧用ゲルシート20の場合にも、DA方向が水平方向(図2の横方向)となるようにすることが好ましい。これにより、肌の張り感をさらに向上させることができる。
さらに、顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートは、図3に示すように顔面の上半部に該当する大きさに形成された化粧用ゲルシート20Uであってもよく、図4に示すように、顔面の下半部に該当する大きさに形成された化粧用ゲルシート20Lであってもよい。この場合、顔面の上半部に該当する大きさに形成された化粧用ゲルシート20Uと、下半分に該当する大きさに形成された化粧用ゲルシート20Lとは、個別に使用するものであってもよいし、互いを組み合わせて使用することで、顔面全体に貼り付けるものであってもよい。ここで、顔面の上半部に該当する大きさとは、顎部分及び頬部分を含まないが、少なくとも額部分を含む大きさを言い、顔面の下半部に該当する大きさとは、額部分を含まないが、少なくとも顎部分及び頬部分を含む大きさを言う。図3及び図4において、図2と同部材には同符号を付して説明を省略する。化粧用ゲルシート20U及び20Lの場合にも、DA方向が水平方向(図3及び図4の横方向)となるようにすることが好ましい。これにより、肌の張り感をさらに向上させることができる。
なお、以上の説明では、顔面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートについて説明したが、本発明の化粧用ゲルシートは、顔以外の部位、例えば手の表面に貼り付けて使用される化粧用ゲルシートであってもよい。
〔基材〕
前記基材を構成する織布又は不織布の目付は、本発明の化粧用ゲルシートが有する所定の物性を満たすことができるものであれば特に限定されないが、40〜150g/m2であることが好ましく、50〜130g/m2であることがより好ましい。前記織布又は不織布の目付が、40g/m2未満の場合は、ゲルの裏抜け(ゲル層を構成するゲルが、織布又は不織布を透過して、基材におけるゲル層が形成された面の裏面へ抜ける現象)が発生する恐れがある。ゲルの裏抜けが発生すると、基材がゲルの中に埋め込まれたような状態になり、基材が伸縮しにくくなり、DA方向の伸長率が低下する恐れがある。一方、前記織布又は不織布の目付が、150g/m2を超える場合には、基材が硬くなりすぎて、肌への密着性が損なわれる恐れがある。また、前記織布又は不織布を構成する繊維の繊度は、特に限定されないが、0.5〜3.0dtexであることが好ましい。また、前記織布又は不織布の厚みは、0.20mm〜0.80mmであることが好ましい。
前記基材を構成する織布又は不織布の目付は、本発明の化粧用ゲルシートが有する所定の物性を満たすことができるものであれば特に限定されないが、40〜150g/m2であることが好ましく、50〜130g/m2であることがより好ましい。前記織布又は不織布の目付が、40g/m2未満の場合は、ゲルの裏抜け(ゲル層を構成するゲルが、織布又は不織布を透過して、基材におけるゲル層が形成された面の裏面へ抜ける現象)が発生する恐れがある。ゲルの裏抜けが発生すると、基材がゲルの中に埋め込まれたような状態になり、基材が伸縮しにくくなり、DA方向の伸長率が低下する恐れがある。一方、前記織布又は不織布の目付が、150g/m2を超える場合には、基材が硬くなりすぎて、肌への密着性が損なわれる恐れがある。また、前記織布又は不織布を構成する繊維の繊度は、特に限定されないが、0.5〜3.0dtexであることが好ましい。また、前記織布又は不織布の厚みは、0.20mm〜0.80mmであることが好ましい。
前記織布又は不織布を構成する繊維としては、本発明の化粧用ゲルシートが有する所定の物性を満たすことができるものであれば、特に限定されず、天然繊維及び化学繊維の何れも使用できる。前記天然繊維としては、例えば、コットン、パルプ、麻等の天然セルロース繊維が挙げられる。前記化学繊維としては、例えば、合成繊維、天然繊維を改質した半合成繊維、植物のセルロースを化学的に取り出し繊維に再生した再生セルロース繊維、植物のセルロースを精製して製造される精製セルロース繊維等が挙げられる。前記合成繊維としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(以下「PET」と略記する)繊維等のポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維等が挙げられる。前記再生セルロース繊維としては、例えば、キュプラ(銅アンモニアレーヨン)、ビスコースレーヨン、ポリノジックレーヨン等が挙げられ、前記再生セルロース繊維の原料としては、例えば、コットンリンター、パルプ等が挙げられる。前記精製セルロース繊維としては、例えば、リヨセル(テンセル)が挙げられる。
また、前記織布又は不織布を構成する繊維の形態としては、短繊維及び長繊維の何れであってもよいが、長繊維であることが好ましく、連続長繊維であることがより好ましい。これにより、本発明の化粧用ゲルシートが有する所定の物性を容易に満たすことができる。前記連続長繊維としては、例えば、キュプラ連続長繊維等の再生セルロース連続長繊維が挙げられる。前記織布又は不織布は、2種以上の繊維を組み合わせたもの、例えば、合成繊維に天然繊維、半合成繊維、再生セルロース繊維、又は精製セルロースを混紡した糸からなる織布又は不織布、合成繊維と天然繊維、半合成繊維、再生セルロース繊維、又は精製セルロースとを混合して製造した不織布等であってもよい。
また、前記不織布の形態の具体例としては、ニードルパンチ製法により製造された不織布、スパンボンド製法及びスパンレース製法により製造された不織布、捲縮糸からなる捲縮不織布等が挙げられる。
〔ゲル層〕
前記ゲル層は、該ゲル層を形成するためのゲル組成物を前記基材の片面上に塗工し、ゲル組成物を硬化させてゲルとすることによって、形成できる。このとき、通常、ゲル組成物の一部は、基材中に浸透して硬化することによって基材と一体化し、中間層を形成する。前記ゲル層を構成するゲルは、網目構造を有する高分子及び増粘剤(粘剤)の少なくとも一方に、水及び化粧料組成物を配合したものとすることができる。
前記ゲル層は、該ゲル層を形成するためのゲル組成物を前記基材の片面上に塗工し、ゲル組成物を硬化させてゲルとすることによって、形成できる。このとき、通常、ゲル組成物の一部は、基材中に浸透して硬化することによって基材と一体化し、中間層を形成する。前記ゲル層を構成するゲルは、網目構造を有する高分子及び増粘剤(粘剤)の少なくとも一方に、水及び化粧料組成物を配合したものとすることができる。
前記ゲル層は、25〜95重量%の水を含有するハイドロゲル層であることが好ましい。水の含有量が25重量%未満の場合、化粧用ゲルシートを肌に貼り付けたときの潤い感が十分に得られない。水の含有量が95重量%を超えると、ゲル強度が低下し、取り扱い性が悪くなる。
また、前記の網目構造を有する高分子としては、水と親和性があり、従来、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられるものであれば特に限定されず、種々の網目構造を有する合成高分子及び天然高分子を用いることができる。その中でも、カルボキシル基、スルホン酸基等のアニオン性官能基を有する重合性不飽和単量体の重合体又はそれら重合体の塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等)を高分子骨格として、架橋剤と共にゲル組成物に配合し架橋剤と反応させることにより形成される、網目構造を有する合成高分子が好ましい。
前記のカルボキシル基を有する重合性不飽和単量体の重合体又はその塩としては、例えば、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩等を挙げることができる。また、前記のスルホン酸基を有する重合性不飽和単量体の重合体又はその塩としては、例えば、ポリt−ブチルアクリルアミドスルホン酸又はその塩を挙げることができる。
また、前記架橋剤としては、例えば、水酸化アルミニウム、カリミョウバン、硫酸アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、塩化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ポリエチレンイミン、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、トリグリシジルイソシアヌレート等が挙げられる。
なお、前記架橋剤が配合されたゲル組成物には、ゲル組成物のpHを前記架橋剤が作用する最適なpHに調整して架橋を促進するための架橋促進剤、例えば、酒石酸、乳酸、クエン酸、グリコール酸等の各種有機酸や、塩酸等の無機酸等を配合してもよい。この場合、架橋促進剤が配合された後のゲル組成物のpHを4〜6、より好ましくは4〜5に調整することが好ましい。
また、前記の網目構造を有する高分子として、(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体と、架橋性単量体との共重合体を用いてもよい。前記(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体としては、架橋性単量体でないものであれば特に限定されず、例えば、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸(TBAS)、tert−ブチルアクリルアミドスルホン酸塩、N,N−ジメチルアミノエチルアクリルアミド(DMAEAA)塩酸塩、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)塩酸塩、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、アクリロイルモルホリン等の非電解質系(メタ)アクリルアミドまたはその誘導体が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
前記架橋性単量体としては、特に限定されないが、分子内に重合性を有する二重結合を2つ以上有するものが好ましく、例えば、N,N’−メチレンビス(メタ)アクリルアミド、N,N’−エチレンビス(メタ)アクリルアミド、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリセリントリ(メタ)アクリレート、テトラアリロキシエタン、ジアリルアンモニウムクロライド等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
前記増粘剤としては、例えば、ヒドロキシプロピルグアーガム、寒天、ゼラチン、カラギーナン、キサンタンガム、セルロース類(カルボキシメチルセルロース(CMC)、メチルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)等)、ポリアクリル酸又はその塩、ポリメタクリル酸又はその塩、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、アルギン酸又はその塩、ポリアクリルアミド、それら重合体の2種以上を形成する単量体同士の共重合体、それら重合体を形成する単量体と他の単量体との共重合体等を挙げることができる。
前記ゲル層に含有される化粧料組成物としては、例えば、ブリード促進剤、保湿剤、冷涼剤、温感剤、植物・動物抽出エキス(薬効成分)、生体高分子、油性成分、抗炎症剤、ビタミン類、活性成分、抗酸化剤、血行促進剤、創傷治癒剤、その他の成分等の各種成分とを配合したものを使用することができる。なお、前記ゲル層には、前記化粧料組成物以外に、従来、化粧品や医薬品等の皮膚外用剤に用いられる成分、例えば、香料、着色剤、安定剤、酸化防止剤、紫外線剤、粘着性付与剤、キレート剤、防腐剤(例えば、フェノキシエタノール)、抗菌剤、乳化剤、電解質等が配合されていてもよい。
前記電解質としては特に限定されず、例えば、ハロゲン化ナトリウム(例えば塩化ナトリウム)、ハロゲン化カリウム、ハロゲン化マグネシウム、ハロゲン化カルシウム等のハロゲン化アルカリ金属、ハロゲン化アルカリ土類金属及びその他の金属ハロゲン化物;次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、硫酸、硝酸、燐酸等の無機酸と、各種金属との塩、又はこれら無機酸のアンモニウム塩;各種錯塩;酢酸、安息香酸、乳酸等の一価有機カルボン酸と、各種金属との塩、又はこれら一価有機カルボン酸のアンモニウム塩;フタル酸、コハク酸、アジピン酸、クエン酸、酒石酸等の多価カルボン酸と、1つ又は2つ以上の各種金属やアンモニアとの塩;スルホン酸、アミノ酸等の有機酸と、各種金属との塩、又はこれら有機酸のアンモニウム塩;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリビニルスルホン酸、ポリtert−ブチルアクリルアミドスルホン酸、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等の高分子酸と、各種金属との塩、又はこれら高分子酸のアンモニウム塩(高分子電解質塩)等が挙げられる。これらの化合物は、単独で用いられてもよいし、2種以上が併用されてもよい。
前記ブリード促進剤の具体例としては、非水溶性の成分であって、ゲル層に馴染まずに、当該ゲル層から吐き出され易い成分、例えば、ポリエチレングリコール1000、ポリエチレングリコール1500、ポリエチレングリコール2000、ポリエチレングリコール3000等を使用することができる。前記ブリード促進剤は、例えばPET繊維等からなる不織布を基材として化粧用ゲルシートを構成する場合、ゲル層を形成するためのゲル組成物に対して1〜2重量%添加することが好ましい。
前記保湿剤の具体例としては、例えば、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、3−メチル−1,3−ブタンジオール(イソプレングリコール)、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ペンタエリスリトール、ネオペンチルグリコール、マルチトール、還元水あめ、蔗糖、ラクチトール、パラチニット、エリスリトール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、キシロース、グルコース、ラクトース、マンノース、マルトース、ガラクトース、フルクトース、イノシトール、ラフィノース、トレハロース、トリメチルグリシン、シクロデキストリン、ヒアルロン酸及びその塩等のポリオール類、アミノ酸、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウム、ベタイン、ホエイ、オリーブスクワラン等が挙げられる。これらは単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記冷涼剤の具体例としては、メントール、メントン、カンファー、プレゴール、イソプレゴール、シネオール、ハッカオイル、ペパーミントオイル、スペアーミントオイル、ユーカリプタスオイル、3−l−メントキシプロパン−1,2−ジオール、N−アルキル−p−メンタン−3−カルボキサミド、3−l−メントキシ−2−メチルプロパン−1,2−ジオール、p−メンタン−3,8−ジオール、2−l−メントキシエタン−1−オール、3−l−メントキシプロパン−1−オール、4−l−メントキシブタン−1−オール、3−ヒドロキシブタン酸メンチル、乳酸メンチル、メントングリセリンケタール、2−(2−l−メンチルオキシエチル)エタノール、グリオキシル酸メンチル、N−メチル−2,2−イソプロピルメチル−3−メチルブタンアミド、2−ピロリドン−5−カルボン酸メンチル、コハク酸モノメンチル、コハク酸モノメンチルのアルカリ金属塩、及びコハク酸モノメンチルのアルカリ土類金属塩等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記温感剤の具体例としては、バニリルエチルエーテル、バニリルプロピルエーテル、バニリンプロピレングリコールアセタール、エチルバニリンプロピレングリコールアセタール、カプサイシン、ジンゲロール、バニリルブチルエーテル、バニリルブチルエーテル酢酸エステル、4−(l−メントキシメチル)−2−フェニル−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシメチル)−2−(3’,4’−ジヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシメチル)−2−(2’−ヒドロキシ−3’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシ−メチル)−2−(4’−メトキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メントキシメチル)−2−(3’,4’−メチレンジオキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、4−(l−メトキシメチル)−2−(3’−メトキシ−4’−ヒドロキシフェニル)−1,3−ジオキソラン、トウガラシ油、トウガラシオレオレジン、ジンジャーオレオレジン、ノニル酸バニリルアミド、ジャンブーオレオレジン、サンショウエキス、サンショール−I、サンショール−II、サンショウアミド、黒胡椒エキス、カビシン、ピペリン、及びスピラントール等をあげることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記植物・動物エキスの具体例としては、アシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オオムギエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クマザサエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、スイカズラエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、ゼニアオイエキス、センブリエキス、タイソウエキス、タイムエキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、パセリエキス、蜂蜜、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユズエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス、アスタキサンチン等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記生体高分子の具体例としては、デオキシリボ核酸、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、キチン、キトサン、加水分解卵殻膜等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記油性成分の具体例としては、スフィンゴ脂質、セラミド、コレステロール、コレステロール誘導体、リン脂質、シリコーンポリマー、ミネラルオイル、パラフィン、流動パラフィン、イソパラフィン、水素化ポリデセン、イソヘキサデカンなどの炭化水素類、トリメチロイルプロパントリカプリレート/トリカプリレート、炭素原子数12ないし15のアルキルベンゾエート、エチルヘキシルステアレート、カプリルカプリントリグリセリド、スクアラン、エチルヘキシルココエート、デシルオレエート、デシルココエート、エチルオレエート、イソプロピルミリステート、エチルヘキシルパーラゴネート(ethylhexyl perlagonate)、ペンタエリトリチルテトラカプリレート/テトラカプレート、PPG−3ベンジルエーテルミリステート、プロピレングリコールジカプリレート/ジカプレート、エチルヘキシルイソステアレート、エチルヘキシルパルミテートのようなエステル、及び大豆油、ヒマワリ油、ホホバ油、ベニバナ油、アカハナ油及びナタネ油のような天然油さらにはこれらの誘導体等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記抗炎症剤の具体例としては、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、グリチルリチン酸ジカリウム、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
また、前記ビタミン類の具体例としては、ビタミンA、B2、B6、D、E;パントテン酸カルシウム;ビオチン;ニコチン酸アミド;アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体又はその塩等が挙げられる。なお、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体又はその塩の具体例としては、アスコルビン酸又はアスコルビン酸誘導体又はその塩としては、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸Na、L−アスコルビン酸K、L−アスコルビン酸Ca、L−アスコルビン酸リン酸エステル、L−アスコルビン酸リン酸エステルのマグネシウム塩、L−アスコルビン酸硫酸エステル、L−アスコルビン酸硫酸エステル2ナトリウム塩、L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル、L−アスコルビン酸2−グルコシド、L−アスコルビル酸パルミチン酸エステル、テトライソパルミチン酸L−アスコルビル等が挙げられる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記活性成分の具体例としては、アラントイン、ジイソプロピルアミンジクロロアセテート、4−アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記抗酸化剤の具体例としては、トコフェロール、カロチノイド、フラボノイド、タンニン、リグナン、サポニン等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記血行促進剤の具体例としては、γ−オリザノール、ビタミンE誘導体等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記創傷治癒剤の具体例としては、レチノール、レチノール誘導体等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記その他の成分の具体例としては、セファランチン、トウガラシチンキ、ヒノキチオール、ヨウ化ニンニクエキス、塩酸ピリドキシン、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸、ニコチン酸誘導体、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、アセチルパントテニルエチルエーテル、ビオチン、アラントイン、イソプロピルメチルフェノール、エストラジオール、エチニルエステラジオール、塩化カプロニウム、塩化ベンザルコニウム、塩酸ジフェンヒドラミン、タカナール、カンフル、サリチル酸、ノニル酸バニリルアミド、ノナン酸バニリルアミド、ピロクトンオラミン、ペンタデカン酸グリセリル、モノニトログアヤコール、レゾルシン、γ−アミノ酪酸、塩化ベンゼトニウム、塩酸メキシレチン、オーキシン、女性ホルモン、カンタリスチンキ、シクロスポリン、ヒドロコルチゾン、モノステアリン酸ポリオキシエチレンソルビタンや、鎮痛剤、精神安定剤、抗高血圧剤、抗生物質、抗ヒスタミン剤、抗菌性物質等を挙げることができる。これらは、単独又は2種以上を混合して用いることができる。
前記ゲル層の厚み(中間層の厚みを含む)は、0.3〜1.5mmであることが好ましい。前記ゲル層の厚みが0.3mm未満の場合には、肌への密着性やゲル感が不足する恐れがある。前記ゲル層の厚みが1.5mmを超えると、化粧用ゲルシート自身の自重が大きくなり、皮膚から剥がれてしまうおそれがある。また、前記ゲル層の厚みが1.5mmを超えると、皮膚へ貼りつけた時の違和感が生じるおそれがある。
前記ゲル層の厚み(中間層の厚みを含む)は、化粧用ゲルシートの全体の厚みに対して10〜90%であることが好ましく、35〜80%であることがより好ましい。前記ゲル層の厚みが化粧用ゲルシートの全体の厚みの10%未満の場合には、肌への密着性やゲル感が不足する恐れがある。前記ゲル層の厚みが化粧用ゲルシートの全体の90%を超える場合には、ゲル層によって基材の伸長率等の物性が損なわれたり、ゲルの裏抜けが発生したり、化粧用ゲルシートの製造時に裏抜けしたゲルが生産ラインを汚したりすることが懸念される。
前記ゲル層は、当該ゲル層を形成するためのゲル組成物を上記基材上に塗工した後、養生硬化させることで形成することができる。高分子骨格及び架橋剤を含むゲル組成物は、ゲル組成物中の架橋剤による架橋反応及びそれによる硬化が速いため、架橋剤による架橋反応を開始させた時点から、所定時間内に当該ゲル組成物を十分に混ぜ合わせ基材上に塗工される。この際、どの程度の架橋反応が進んだ状態でゲル組成物を塗工するかによって、基材中に浸透するゲル(中間層を構成するゲル)の量と、基材の表面に形成されるゲル(ゲル層のうちで中間層以外の部分)の量との割合が決定される。したがって、架橋による反応開始時点、例えば架橋促進剤の添加によって架橋による架橋反応を開始させる場合には、架橋促進剤の添加からすぐにゲル組成物を基材上に塗工すると、中間層が厚くなり、時間を空けすぎてしまうと、中間層が形成されず、基材からゲル層が剥離し易くなってしまう。したがって、このような場合には、反応開始時点から5分以内に、より好ましくは反応開始時点から1〜3分経過後に、ゲル組成物を基材上に塗工することが好ましい。
前記ゲル層の貼付面は、当該ゲル層に含有される化粧料組成物が他に移行しないように、保護フィルムで保護されていてもよい。前記保護フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル等からなるフィルムを挙げることができる。
このようにして構成された化粧用ゲルシートは、個別又は数枚まとめて包装される。この際、包装は、化粧用ゲルシートをそのままフィルム包装するものであってもよいし、収納凹部を形成したトレーの当該収納凹部に化粧用ゲルシートを収納してからフィルム包装するものであってもよい。ただし、化粧用ゲルシートをそのままフィルム包装したものの場合、保管、運送時などに外部からの応力が加わったりすると、ゲル層からフィルム包装内に化粧料組成物が流れ出してしまうことが懸念される。また、倉庫や運搬時などの寒暖の変化が大きい場合、化粧料組成物の揮発性成分は、高温時の飽和蒸気圧分だけゲル層から蒸発してフィルム包装内に充満し、低温時に凝縮して再度ゲル層に吸収されるといったことを繰り返し、日にちを追うごとに徐々に劣化してしまうことが懸念される。したがって、包装は、化粧用ゲルシートを密閉し、内部を減圧した真空包装とすることが好ましい。なお、化粧料組成物の種類によっては、上記した流れ出しによる混合や、蒸発凝縮による混合の程度が緩和されるので、化粧料組成物の種類に応じて包装形態は決定される。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。まず、化粧用ゲルシートの特性測定方法及び評価方法について説明する。
〔DA方向の伸長率及びDB方向の伸長率の測定方法〕
化粧用ゲルシートのDA方向の伸長率及びDB方向の伸長率は、以下のようにして測定する。化粧用ゲルシートから幅50mm×長さ60mmの第1の試験片を第1の試験片の長手方向が化粧用ゲルシートにおける基材のTD方向(機械流れ方向に直交する方向)と一致するように切り出す。また、化粧用ゲルシートから幅50mm×長さ60mmの第2の試験片を第2の試験片の長手方向が化粧用ゲルシートにおける基材のMD方向(機械流れ方向)と一致するように切り出す。次いで、第1の試験片及び第2の試験片をそれぞれ40mmの間隔でチャックし、その試験片の長手方向へ伸長速度80mm/分で引き伸ばして1Nの荷重時の長さLを測定する。次式
伸長率(%)=[(L−40)/40]×100
により第1の試験片及び第2の試験片の伸長率を算出し、これら伸長率のうちで大きい方をDA方向の伸長率とし、これら伸長率のうちで小さい方をDB方向の伸長率とする。
化粧用ゲルシートのDA方向の伸長率及びDB方向の伸長率は、以下のようにして測定する。化粧用ゲルシートから幅50mm×長さ60mmの第1の試験片を第1の試験片の長手方向が化粧用ゲルシートにおける基材のTD方向(機械流れ方向に直交する方向)と一致するように切り出す。また、化粧用ゲルシートから幅50mm×長さ60mmの第2の試験片を第2の試験片の長手方向が化粧用ゲルシートにおける基材のMD方向(機械流れ方向)と一致するように切り出す。次いで、第1の試験片及び第2の試験片をそれぞれ40mmの間隔でチャックし、その試験片の長手方向へ伸長速度80mm/分で引き伸ばして1Nの荷重時の長さLを測定する。次式
伸長率(%)=[(L−40)/40]×100
により第1の試験片及び第2の試験片の伸長率を算出し、これら伸長率のうちで大きい方をDA方向の伸長率とし、これら伸長率のうちで小さい方をDB方向の伸長率とする。
〔DA方向の伸長回復率の測定方法〕
化粧用ゲルシートのDA方向の伸長回復率は、以下のようにして測定する。化粧用ゲルシートから幅25mm×長さ60mmの試験片を、前述した伸長率の測定方法によって決定された化粧用ゲルシートのDA方向と一致するように切り出す。次いで、当該試験片を長さ40mmの間隔でチャックし、その試験片の長手方向へ伸長速度300mm/分でチャック間距離が60mmの長さとなるまで伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持する。その後、伸長速度と同じ速度でチャック間距離を元に戻していき、荷重−伸び曲線を得る。得られる荷重−伸び曲線より残留応力が0となる時の伸びL’(残留応力が0になる時のチャック間距離−測定前のチャック間距離(40mm))を求める。そして、求められた残留応力が0となる時の伸びL’から、次式
伸長回復率(%)=[[(60−40)−L’]/(60−40)]×100
によりDA方向の伸長回復率を算出する。
化粧用ゲルシートのDA方向の伸長回復率は、以下のようにして測定する。化粧用ゲルシートから幅25mm×長さ60mmの試験片を、前述した伸長率の測定方法によって決定された化粧用ゲルシートのDA方向と一致するように切り出す。次いで、当該試験片を長さ40mmの間隔でチャックし、その試験片の長手方向へ伸長速度300mm/分でチャック間距離が60mmの長さとなるまで伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持する。その後、伸長速度と同じ速度でチャック間距離を元に戻していき、荷重−伸び曲線を得る。得られる荷重−伸び曲線より残留応力が0となる時の伸びL’(残留応力が0になる時のチャック間距離−測定前のチャック間距離(40mm))を求める。そして、求められた残留応力が0となる時の伸びL’から、次式
伸長回復率(%)=[[(60−40)−L’]/(60−40)]×100
によりDA方向の伸長回復率を算出する。
〔垂直粘着力の測定方法〕
化粧用ゲルシートの垂直粘着力は、以下のようにして測定する。30mm×30mm角に切断した化粧用ゲルシートのゲル層の面に、直径12mmのステンレス鋼SUS304製円柱の底面を、1mm/分の速度で0.294Nの荷重となるように押し当て10秒間接触させた後、300mm/分の速度で引きはがし、その際の引きはがしに要した力を垂直粘着力として測定する。そして、測定された垂直粘着力を、以下の評価基準で3段階評価する。
化粧用ゲルシートの垂直粘着力は、以下のようにして測定する。30mm×30mm角に切断した化粧用ゲルシートのゲル層の面に、直径12mmのステンレス鋼SUS304製円柱の底面を、1mm/分の速度で0.294Nの荷重となるように押し当て10秒間接触させた後、300mm/分の速度で引きはがし、その際の引きはがしに要した力を垂直粘着力として測定する。そして、測定された垂直粘着力を、以下の評価基準で3段階評価する。
<垂直粘着力の評価基準>
◎:0.020〜2.00N/12mmφ
○:2.00N/12mmφを超えて5.00N/12mmφ以下
×:0.020N/12mmφ未満
◎:0.020〜2.00N/12mmφ
○:2.00N/12mmφを超えて5.00N/12mmφ以下
×:0.020N/12mmφ未満
〔密着感、保湿感、及び肌の張り感の評価方法〕
化粧用ゲルシートを、図1に示す形状で長手方向(図1の横方向)の寸法が71mm、短手方向(図1の縦方向)の寸法が30mmとなるように、かつ、長手方向がDA方向と一致するように加工した。そして、モニター7名に、目のすぐ下の肌に加工後の化粧用ゲルシートを15分間貼り付けたときの密着感、保湿感、及び肌の張り感を、以下の評価基準により2段階又は3段階で評価してもらった。そして、2段階又は3段階の評価のうちで、その評価をしたモニターの人数がより多い又は最も多い評価を最終的な評価とした。
化粧用ゲルシートを、図1に示す形状で長手方向(図1の横方向)の寸法が71mm、短手方向(図1の縦方向)の寸法が30mmとなるように、かつ、長手方向がDA方向と一致するように加工した。そして、モニター7名に、目のすぐ下の肌に加工後の化粧用ゲルシートを15分間貼り付けたときの密着感、保湿感、及び肌の張り感を、以下の評価基準により2段階又は3段階で評価してもらった。そして、2段階又は3段階の評価のうちで、その評価をしたモニターの人数がより多い又は最も多い評価を最終的な評価とした。
<密着感の評価基準>
○:貼付後に化粧用ゲルシートが肌へ追従している感覚がある
×:貼付後に化粧用ゲルシートが肌へ追従している感覚がない
<保湿性の評価基準>
○:化粧用ゲルシートを剥がした後に肌へのみずみずしさが感じられる
×:化粧用ゲルシートを剥がした後に肌へのみずみずしさが感じられない
<肌の張り感>
◎:化粧用ゲルシート貼付部の肌全体が特に引き伸ばされ、リフトアップしている感覚が特に感じられる
○:化粧用ゲルシート貼付部の肌全体が引き伸ばされ、リフトアップしている感覚が感じられる
×:化粧用ゲルシートの貼付により肌全体が引き伸ばされた感覚がなく、肌が強張っている感覚がある
○:貼付後に化粧用ゲルシートが肌へ追従している感覚がある
×:貼付後に化粧用ゲルシートが肌へ追従している感覚がない
<保湿性の評価基準>
○:化粧用ゲルシートを剥がした後に肌へのみずみずしさが感じられる
×:化粧用ゲルシートを剥がした後に肌へのみずみずしさが感じられない
<肌の張り感>
◎:化粧用ゲルシート貼付部の肌全体が特に引き伸ばされ、リフトアップしている感覚が特に感じられる
○:化粧用ゲルシート貼付部の肌全体が引き伸ばされ、リフトアップしている感覚が感じられる
×:化粧用ゲルシートの貼付により肌全体が引き伸ばされた感覚がなく、肌が強張っている感覚がある
〔実施例1〕
ガラス製又はプラスチック製の第1の容器内で、水69.80重量部(69.80重量%;実施例及び比較例において、重量部の後の括弧内に記載の重量%は、全てゲル組成物100重量%に対する重量%を表す)、高分子骨格としてのポリアクリル酸ナトリウム3.5重量部(3.5重量%)、架橋剤としてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウム0.8重量部(0.8重量%)、保湿剤としてのジプロピレングリコール10重量部(10重量%)、ブリード促進剤としてのポリエチレングリコール1000 2.0重量部(2.0重量%)、保湿剤としてのグリセリン1.0重量部(1.0重量%)、保湿剤としてのジグリセリン4.0重量部(4.0重量%)、増粘剤としてのヒドロキシプロピルグアーガム0.3重量部(0.3重量%)、保湿剤としてのオリーブスクワラン2.0重量部(2.0重量%)、植物・動物エキスとしての加水分解コラーゲン0.1重量部(0.1重量%)、防腐剤としてのフェノキシエタノール0.5重量部(0.5重量%)の各成分を混ぜ合わせ、混合物を得た。
ガラス製又はプラスチック製の第1の容器内で、水69.80重量部(69.80重量%;実施例及び比較例において、重量部の後の括弧内に記載の重量%は、全てゲル組成物100重量%に対する重量%を表す)、高分子骨格としてのポリアクリル酸ナトリウム3.5重量部(3.5重量%)、架橋剤としてのメタケイ酸アルミン酸マグネシウム0.8重量部(0.8重量%)、保湿剤としてのジプロピレングリコール10重量部(10重量%)、ブリード促進剤としてのポリエチレングリコール1000 2.0重量部(2.0重量%)、保湿剤としてのグリセリン1.0重量部(1.0重量%)、保湿剤としてのジグリセリン4.0重量部(4.0重量%)、増粘剤としてのヒドロキシプロピルグアーガム0.3重量部(0.3重量%)、保湿剤としてのオリーブスクワラン2.0重量部(2.0重量%)、植物・動物エキスとしての加水分解コラーゲン0.1重量部(0.1重量%)、防腐剤としてのフェノキシエタノール0.5重量部(0.5重量%)の各成分を混ぜ合わせ、混合物を得た。
次いで、第2の容器内で、架橋促進剤としての酒石酸1.8重量部(1.8重量%)を水4.2重量部(4.2重量%)に溶解させて、酒石酸水溶液を調製した。その酒石酸水溶液を前記第1の容器内の前記混合物に加えて、pHが5のゲル組成物を調製した。
スパンボンド製法及びスパンレース製法により製造された、コットンリンターを原料とする連続長繊維再生セルロース(キュプラ)製の目付100g/m2の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材の上に、前記ゲル組成物を塗工した。前記ゲル組成物の塗工は、前記酒石酸水溶液を前記第1の容器内の混合物に加えてから塗工が完了するまでの時間が3分間となるように行った。さらに、保護フィルムとして厚み0.10mmのポリエステル製剥離フィルムをゲル組成物の上に被せ、ゲル組成物を24時間熟成して、ゲル層の厚みが0.85mmであり、全体の厚み(基材、ゲル層、及び剥離フィルムの合計の厚み)が1.3mmである化粧用ゲルシートを完成した。
〔実施例2〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が10%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付100g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.50mmであり、全体の厚みが1.0mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が10%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付100g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.50mmであり、全体の厚みが1.0mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例3〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が40%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付80g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が40%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付80g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例4〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が2%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付60g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が2%、DB方向の伸長回復率が0.5%の性能を有する目付60g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例5〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が5%の性能を有する目付50g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.3mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が5%の性能を有する目付50g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.3mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例6〕
(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体としてのアクリルアミド20重量部と、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2重量部と、保湿剤としてのグリセリン45重量部と、電解質としての塩化ナトリウム5重量部と、水とを、合計が100重量部になるように混合し、溶解攪拌して、モノマー配合液を得た。次に、モノマー配合液100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)を0.3重量部加え、さらに攪拌して溶解した。得られたモノマー配合液をPETフィルム上に薄く展開した。次いで、このモノマー配合液に50mW/cm2の強度の紫外線を照射することにより重合架橋反応を行い、厚み0.30mmのシート状含水ゲル組成物を調製した。
(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体としてのアクリルアミド20重量部と、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2重量部と、保湿剤としてのグリセリン45重量部と、電解質としての塩化ナトリウム5重量部と、水とを、合計が100重量部になるように混合し、溶解攪拌して、モノマー配合液を得た。次に、モノマー配合液100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)を0.3重量部加え、さらに攪拌して溶解した。得られたモノマー配合液をPETフィルム上に薄く展開した。次いで、このモノマー配合液に50mW/cm2の強度の紫外線を照射することにより重合架橋反応を行い、厚み0.30mmのシート状含水ゲル組成物を調製した。
ここで得たシート状含水ゲル組成物を実施例1で使用したゲル組成物に代えて使用したこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.30mmであり、全体の厚みが0.75mmである化粧用ゲルシートを完成した。
〔実施例7〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が15%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が3%の性能を有する目付130g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NR91130」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.65mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が15%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が3%の性能を有する目付130g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NR91130」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.65mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例8〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が15%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付100g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NM91100」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.75mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が15%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付100g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NM91100」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.75mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔実施例9〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が33%、DB方向の伸長率が2%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付120g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NM91120」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が33%、DB方向の伸長率が2%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付120g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NM91120」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.1mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔比較例1〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向、DB方向ともに伸長率が0%、DB方向の伸長回復率が0%の性能を有する基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.0mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向、DB方向ともに伸長率が0%、DB方向の伸長回復率が0%の性能を有する基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.0mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔比較例2〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が30%、DB方向の伸長回復率が2%の性能を有する目付60g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が30%、DB方向の伸長率が30%、DB方向の伸長回復率が2%の性能を有する目付60g/m2の不織布の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔比較例3〕
(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体としてのアクリルアミドを20重量部、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2重量部と、保湿剤としてのグリセリン45重量部と、電解質としての塩化ナトリウム5重量部と、粘度平均重合度1800、ケン化度88%のポリビニルアルコール3重量部と、水とを、合計が100重量部になるように混合し、溶解攪拌して、モノマー配合液を得た。次に、モノマー配合液100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)を0.3重量部加え、さらに攪拌して溶解した。得られたモノマー配合液をPETフィルム上に薄く展開した。次いで、このモノマー配合液に50mW/cm2の強度の紫外線を照射することにより重合架橋反応を行い、厚み0.5mmのシート状ゲル組成物を調製した。
(メタ)アクリルアミド及び/又は(メタ)アクリルアミド誘導体としてのアクリルアミドを20重量部、架橋性単量体としてのN,N’−メチレンビスアクリルアミド0.2重量部と、保湿剤としてのグリセリン45重量部と、電解質としての塩化ナトリウム5重量部と、粘度平均重合度1800、ケン化度88%のポリビニルアルコール3重量部と、水とを、合計が100重量部になるように混合し、溶解攪拌して、モノマー配合液を得た。次に、モノマー配合液100重量部に対して、光重合開始剤である1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(商品名「イルガキュア(登録商標)184」、BASFジャパン株式会社製)を0.3重量部加え、さらに攪拌して溶解した。得られたモノマー配合液をPETフィルム上に薄く展開した。次いで、このモノマー配合液に50mW/cm2の強度の紫外線を照射することにより重合架橋反応を行い、厚み0.5mmのシート状ゲル組成物を調製した。
調製したシート状ゲル組成物に、スパンボンド製法及びスパンレース製法により製造された、コットンリンターを原料とする連続長繊維再生セルロース(キュプラ)製の目付100g/m2の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材を貼り合わせ、化粧用ゲルシートを製造した。
製造された化粧用ゲルシートは、ゲル層の厚みが0.50mmであり、全体の厚みが0.95mmであった。
〔比較例4〕
実施例1で使用したのと同じ目付100g/m2の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)をそのまま、本比較例の化粧用ゲルシートとした。
実施例1で使用したのと同じ目付100g/m2の不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)をそのまま、本比較例の化粧用ゲルシートとした。
〔比較例5〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が42%、DB方向の伸長率が12%、DB方向の伸長回復率が4%の性能を有する目付100g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NR91100」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が42%、DB方向の伸長率が12%、DB方向の伸長回復率が4%の性能を有する目付100g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NR91100」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.70mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
〔比較例6〕
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が8%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付50g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NA92050」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
不織布(旭化成せんい株式会社製、商品名「ベンリーゼ(登録商標)NE107」)の基材に代えて、DA方向の伸長率が8%、DB方向の伸長率が1%、DB方向の伸長回復率が1%の性能を有する目付50g/m2の不織布(三和製紙株式会社製、商品名「NA92050」)の基材を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、ゲル層の厚みが0.80mmであり、全体の厚みが1.2mmである化粧用ゲルシートを製造した。
各実施例及び比較例の化粧用ゲルシートについて、DA方向の伸長率、DB方向の伸長率、DA方向の伸長回復率、及び垂直粘着力の測定結果と、密着感、保湿感、及び肌の張り感の評価結果とを、使用した基材の目付、使用したゲル組成物の種類、及びゲル層の厚みと共に、表1に示す。
表1の結果から明らかなように、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DB方向の伸長率が2%以下(具体的には1〜2%)である実施例1〜9の化粧用ゲルシートは、DA方向の伸長率及びDB方向の伸長率が何れも10%未満(具体的には、DA方向の伸長率が0〜8%、DB方向の伸長率が0〜1%)である比較例1及び6の化粧用ゲルシートと比較して、密着感及び肌の張り感に優れていた。
また、表1の結果から明らかなように、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DB方向の伸長率が2%以下(具体的には1〜2%)である実施例1〜9の化粧用ゲルシートは、DA方向の伸長率及びDB方向の伸長率が何れも10%以上(具体的には、DA方向の伸長率が30〜42%、DB方向の伸長率が12〜30%)である比較例2及び5の化粧用ゲルシートと比較して、保湿性及び肌の張り感に優れていた。
また、表1の結果から明らかなように、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向の伸長回復率が5%以下(具体的には0.5〜5%)である実施例1〜9の化粧用ゲルシートは、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向の伸長回復率が5%超(具体的には10%)である比較例3の化粧用ゲルシートと比較して、保湿性及び肌の張り感に優れていた。
また、表1の結果から明らかなように、ゲル層を備える実施例1〜9の化粧用ゲルシートは、ゲル層を備えない比較例4の化粧用ゲルシートと比較して、密着感、保湿性及び肌の張り感に優れていた。
以上のように、実施例1〜9の化粧用ゲルシートは、ゲル層を備え、DA方向の伸長率が10%〜40%であり、DA方向の伸長回復率が5%以下であり、DB方向の伸長率が2%以下であることにより、密着感、保湿性、及び肌の張り感に優れていた。
10L、10R 化粧用ゲルシート
20、20U、20L 化粧用ゲルシート
22、23 貫通孔
24、25 スリット
20、20U、20L 化粧用ゲルシート
22、23 貫通孔
24、25 スリット
Claims (6)
- 不織布又は織布からなる基材と、化粧料組成物を含有するゲル層とを有する化粧用ゲルシートであって、
厚み方向に直交する一方向をDA方向、前記厚み方向及び前記一方向の両方に直交する方向をDB方向とすると、
DA方向の伸長率が10%〜40%であり、
DA方向に50%伸長させ、その状態で23℃、55%RH条件下で10分間保持した後の伸長回復率が5%以下であり、
DB方向の伸長率が2%以下である化粧用ゲルシート。 - 垂直粘着力が0.020〜5.00N/12mmφである請求項1に記載の化粧用ゲルシート。
- 前記不織布又は織布の目付が40〜150g/m2である請求項1又は2に記載の化粧用ゲルシート。
- 前記ゲル層の厚みが0.3〜1.5mmである請求項1〜3の何れか1項に記載の化粧用ゲルシート。
- 前記ゲル層が、25〜95重量%の水を含有するハイドロゲル層である請求項1〜4の何れか1項に記載の化粧用ゲルシート。
- 顔面に貼り付けて使用される請求項1〜5の何れか1項に記載の化粧用ゲルシート。
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