JP2000143484A - 化粧用ゲルシート - Google Patents

化粧用ゲルシート

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JP2000143484A
JP2000143484A JP10316246A JP31624698A JP2000143484A JP 2000143484 A JP2000143484 A JP 2000143484A JP 10316246 A JP10316246 A JP 10316246A JP 31624698 A JP31624698 A JP 31624698A JP 2000143484 A JP2000143484 A JP 2000143484A
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skin
gel sheet
gel
cosmetic
gel composition
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Katsuhiro Yamamoto
克弘 山本
Emi Ikeda
恵美 池田
Masayuki Konno
真之 今野
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 皮膚面上での保湿作用(湿潤性)をできるだ
け長く維持し、顔面や手足などの肌荒れ等の改善や美肌
のために配合された有効成分の効果(皮膚浸透性)を最
大限に発揮できる化粧用ゲルシートを提供する。 【構成】 ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸
塩、カルボキシビニルポリマー、グリセリンなどの多価
アルコール類、水及び架橋剤として金属化合物を必須成
分として含有し、必要に応じてオタネニンジンエキスな
どの細胞賦活成分、オリーブオイルなどのオイル成分、
ビタミンCなどの美肌成分を配合してなるゲル状組成物
からなる層を、不織布等の支持体上及び/又は支持体に
形成する。さらに、必要に応じてゲル状組成物にポリビ
ニルピロリドンを配合し、接着力を向上させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は化粧用ゲルシートに
関する。具体的には、スキンケア分野において使用する
化粧用ゲルシートであって、より詳しくは乾燥肌や荒れ
肌など、整肌や美肌目的等に用いられる化粧用ゲルシー
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】乾燥肌や荒れ肌、ひび割れなどの症状の
改善や美肌目的として、従来からクリームや化粧水、乳
液、さらにはポリビニルアルコールなどの被膜形成剤を
配合したパック剤などが市販されている。これらの中に
は有効成分として、糖類やアミノ酸類、プラセンタエキ
ス、ヒアルロン酸、グリセリン、ソルビトール、ポリエ
チレングリコールなどの保湿成分や、オリーブオイルや
セチルアルコール、ラノリン、ステアリルアルコールな
どの柔軟化剤、ビタミンEなどの血行促進剤、グリチル
リチン酸などの抗炎症剤、各種ビタミンCなどの美肌成
分などが含有されている。
【0003】これらのスキンケア商品は、その中に配合
されている有効成分を皮膚に浸透させて効果を発揮する
ものであり、皮膚を浸潤状態に保ち、皮膚を水和させる
ことによって、その効果を最大限に発揮できるものであ
る。
【0004】しかし、クリームや化粧水、乳液では流動
性を有するために、使用時に垂れや流れを生じると共
に、適用部位に塗布しても比較的早く乾燥してしまい、
皮膚を十分に水和させるだけの湿潤状態を保ちがたい。
また、手指等の汚染や時には衣服などの汚染を伴うこと
もあり、取り扱い性の点で満足できるものではない。
【0005】また、パック剤にあっては、クリームや化
粧水等に比して比較的長時間、皮膚を湿潤状態に保つこ
とができるが、塗布時には手が汚れたり、剥離時に糊残
りが生じやすい、さらには、乾燥に長時間を要し簡便さ
に欠けるという問題点があった。
【0006】これらの問題点を解決すべく、近年ではポ
リアクリル酸塩やポリビニルアルコール等の被膜形成剤
を予めシート状に形成した含水ゲルシートも開発されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
含水ゲルシートにあっては、肌に対して接着性が弱く日
常活動中に脱落してしまい、肌への十分な水分補給や保
湿成分等の放出性に欠ける。また、接着力を向上させる
ために膏体を柔らかくした場合には液だれを生じたり、
剥離時に糊残りを生じるという問題点があった。
【0008】本発明は上記従来技術の問題点を解決する
ためになされたものであって、従来のパック剤では達し
えなかった皮膚面上での保湿作用(湿潤性)をできるだ
け長く維持し、配合された有効成分の効果(皮膚浸透
性)を最大限に発揮し、しかも糊残りの少ない化粧用ゲ
ルシートを開発すべく鋭意検討を行った。
【0009】その結果、特定の組成からなるゲル状組成
物を用い、これを支持体上若しくは支持体内に層状に形
成することによって、上記目的を達成できる化粧用ゲル
シートが得られることを見い出し、本発明を完成するに
至った。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の化粧用ゲルシー
トは、ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩、カ
ルボキシビニルポリマー、多価アルコール及び水並びに
架橋剤として金属化合物を必須成分として含有するゲル
状組成物からなる層を、支持体上及び/又は支持体内に
形成してなることを特徴としている。
【0011】本発明に用いるポリアクリル酸及び/又は
ポリアクリル酸塩は、ゲル状組成物の基本骨格となるも
のである。つまり、これらのポリマーは後述する外部架
橋剤によって架橋構造をとり、他の成分を取り込んだ状
態で三次元骨格化する。その結果、皮膚面に対する湿潤
状態を長時間に渡って維持できるようになる。
【0012】このようなポリアクリル酸及び/又はポリ
アクリル酸塩としては、重量平均分子量が2万〜100
0万、好ましくは100万〜700万のものを用いるこ
とが望ましい。また、ゲル状組成物からなる層中には、
2〜30重量%、好ましくは3〜10重量%程度の濃度
となるように調整することが望ましい。上記範囲の重量
平均分子量のものを用い、濃度を上記範囲内に調整する
ことによって、最適な三次元骨格化ができ、各成分を有
効に保持することができる。
【0013】さらに、ポリアクリル酸塩における塩とし
ては、薬理学的に許容できる塩であれば特に制限はな
く、例えばナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノール
アミン塩などが挙げられる。これらのうち、入手容易性
の点から、ポリアクリル酸ナトリウムを用いることが好
ましい。また、本発明の化粧用ゲルシートは、顔など刺
激に対して敏感な肌に用いられることが多く、酸性側に
傾くと肌に刺激を与えるため、上記ポリアクリル酸とポ
リアクリル酸塩との混合比率を7:3〜0:10の範囲
に調整することが好ましい。特に、pHを5〜7の弱酸
性〜中性に調整することが好ましく、このためには、ポ
リアクリル酸とポリアクリル酸塩との混合比率を3:7
〜5:5の範囲に調整することによって、上記pHの調
整が容易になる。また、本発明においては、上記ポリア
クリル酸とポリアクリル酸塩との混合物の代わりに、ポ
リアクリル酸の部分中和物を用いてもよい。
【0014】ゲル状組成物に含有する多価アルコール類
としては、グリセリンやソルビトールの他、エチレング
ルコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールな
どのジオール類を用いることができ、1種若しくは2種
以上を併用して用いることができる。これらのうち、保
湿力や使用前例などの点からグリセリンを用いるのが好
ましい。
【0015】これらの多価アルコール類は、前記ポリア
クリル酸やポリアクリル酸塩の可塑剤として作用する以
外に、水分を保持して保湿効果も発揮するものである。
その含有量は、ゲル状組成物からなる層中に10〜50
重量%、好ましくは20〜40重量%であることが望ま
しい。
【0016】ゲル状組成物中に含有する水は、本発明の
化粧用ゲルシートを貼付する皮膚を湿潤して水和するた
めに重要な成分であり、10〜90重量%、好ましくは
30〜70重量%の範囲に調整することが望ましい。水
の含有量が10重量%に満たない場合には、皮膚(角質
層)の水和効果が充分でなくなることがあり、90重量
%を越えた含有量では、支持体上にゲル層を形成した場
合にゲル層の機械的強度が不足する恐れがある。なお、
支持体内にゲル層を形成する場合には強度上の問題は生
じない。
【0017】また、前記ポリアクリル酸及び/ポリアク
リル酸塩を架橋するために配合する外部架橋剤として
は、水酸化アルミニウムやカリミョウバン、硫酸アルミ
ニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミニウ
ム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、塩化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、炭酸カルシウムな
どの多価金属塩、多価金属水酸化物、多価金属酸化物を
挙げられる。特に、乾燥水酸化アルミニウムゲルが入手
容易であり、配合量決定の容易さの観点から好適に用い
られる。
【0018】これらの架橋剤の配合量は、架橋剤の種類
によっても一概に言えないが、ゲル状組成物全体量に対
して、通常0.1〜5重量%に設定することが好まし
い。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋が充分に行な
われず、多価アルコール類や水などの他の成分の保持性
が悪くなると共に、ゲル層自体の機械的強度が低下す
る。また、配合量が多すぎると架橋が強すぎて得られる
ゲル層が硬くなり柔軟性に劣るようになると共に、他の
成分の保持性も低下する傾向を示す。
【0019】本発明にあっては、さらにゲル状組成物中
に、カルボキシビニルポリマーが配合される。カルボキ
シビニルポリマーとは、アクリル酸を主として、これに
少量のアリルショ糖などを配した共重合体であって、そ
の一部が架橋されたものをも含み、例えば、商品名カー
ボポール、ハイビスワコー、ジュンロン等として市販さ
れているものである。このカルボキシビニルポリマー
は、酸の状態のものでも、一部乃至その全部が中和され
た状態のものとしても差し支えなく使用できるものであ
る。
【0020】ここにおいて上記ポリアクリル酸及び/又
はポリアクリル酸塩、多価アルコール及び架橋剤並びに
水からなるゲル状組成物からなる層によっても、保湿作
用が長く、皮膚面の各症状の改善のために配合された有
効成分の効果を十分に発揮することのできるゲル状組成
物からなる層を得ることができる。しかしながら、上記
成分のみによっては、肌に対する接着性が弱く、日常活
動中に、肌に貼付した化粧用ゲルシートが脱落してしま
う恐れがある。この結果、肌への十分な水分補給や有効
成分の放出性に欠けてしまう。一方、接着力を上げるた
めにゲル状組成物を柔らかくすると液だれを生じたり、
また剥離時に糊残りが見られるという問題を生じる恐れ
がある。
【0021】係る欠点を補うために、上記したカルボキ
シビニルポリマーを配合し、上記ポリアクリル酸及び/
又はポリアクリル酸塩の一部をカルボキシビニルポリマ
ーで置換することにより、カルボキシビニルポリマー自
体が内部架橋の機能を発揮して、ゲル状組成物からなる
層を硬化させることができると考えられる。すなわち、
ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル酸塩にカルボキ
シビニルポリマーを配合することによって、用いる架橋
剤の量を少なくして硬化させることができる。この結
果、液だれや剥離時の糊残りの問題を起こすことがな
く、かつ接着力を損なうこともない。従って、肌への十
分な水分補給を行うと共に、有効成分の放出性を与える
ことができる。
【0022】このような機能を果たすカルボキシビニル
ポリマーの重量平均分子量としては、約100万〜40
0万、好ましくは200万〜300万程度のものを用い
ることが望ましい。このとき、カルボキシビニルポリマ
ーで置換する量は、ポリアクリル酸及び/又はポリアク
リル酸塩のうち、概ね10%〜50%であり、配合量と
しては、上記ポリアクリル酸量を配合した場合には、ゲ
ル状組成物からなる層中に、0.1〜10重量%、好ま
しくは1〜5重量%程度の濃度となるように調整するこ
とが望ましい。少なすぎると必要な接着力が得られず、
また多すぎるとゲル状組成物層の粘度が上昇しすぎて、
混合撹拌が困難になる問題がある。
【0023】さらに加えて、ゲル状組成物中にはポリビ
ニルピロリドンを配合するのが好ましい。ポリビニルピ
ロリドンを加えることにより、液だれや剥離時の糊残り
を起こすことなくさらに接着力を向上させることができ
る。
【0024】本発明に使用されるポリビニルピロリドン
の重量平均分子量としては、5,000〜500万、好
ましくは2万〜120万のものが望ましく用いられる。
また、ゲル状組成物からなる層中には、0.1〜10重
量%、好ましくは1〜6重量%の濃度となるように調整
することが望ましい。このポリビニルピロリドンは、必
ずしも用いる必要もなく、架橋剤の配合量や多価アルコ
ールその他配合する有効成分の種類、配合量等に応じて
適宜設定すればよいが、10重量%を越えて配合すれ
ば、接着力が上がりすぎて剥離時に刺激が強くなると共
に、ゲル状組成物の粘度が上がりすぎるため、混合撹拌
が困難になる。
【0025】さらにゲル化を補強する意味で、その他の
水溶性ポリマー、例えば、ゼラチンやカルボキシメチル
セルロースナトリウム塩を、上記本発明の効果を妨げな
い範囲内で配合することも可能である。
【0026】本発明の化粧用ゲルシートにおけるゲル状
組成物には必須成分として上記成分が含有されている
が、スキンケア用途に用いて皮膚の各症状を改善するた
めに、本発明では必要に応じてさらに細胞賦活成分、オ
イル成分、美肌成分のいずれかを配合することができ、
さらに必要に応じてこれら成分を2種以上を配合でき
る。
【0027】細胞賦活成分としては、オタネニンジンエ
キスが挙げられる。オタネニンジンエキスとしては天然
物であっても、カルス誘導などの組織培養によって得ら
れる培養物であってもよく、好ましくはサポニンなどが
バラツキなく安定に含有している培養オタネニンジンエ
キスを用いるのがよい。細胞賦活成分の配合量はその有
効性の点から、ゲル状組成物からなる層中に、0.01
〜5重量%、好ましくは0.01〜1重量%程度であ
る。
【0028】オイル成分としては、オリーブオイル、ツ
バキオイル、綿実油、流動パラフィン、シリコンオイ
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、スクワラン、ラノリンなどが挙げられ
る。これらのうち皮膚に対する低刺激性や使用前例など
の点から、オリーブオイルを用いることが好ましい。こ
のようなオイル成分の配合量は適用する皮膚面にしっと
り感を与えて、乾燥肌、荒れ肌などに対して有効に効果
を発揮させるために、ゲル状組成物からなる層中に、5
〜60重量%、好ましくは20〜40重量%の範囲に調
整して配合することが望ましい。
【0029】また、オイル成分を配合する場合、ゲル状
組成物には比較的多量の水が配合されているので、相溶
せずに成分が分離してしまう可能性が高い。従って、こ
のような場合には、界面活性剤を併存させて水とオイル
成分を、いわゆるO/Wの状態に乳化して均一分散状態
にすることが好ましい。用いる界面活性剤としては、ポ
リオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレ
ンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリ
オキシプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部
分エステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸
部分エステル、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキル
エーテル硫酸塩、アルキルスルホン酸などが挙げられ、
全体量に対して0.1〜5重量%程度の量を配合するこ
とが好ましい。
【0030】本発明では上記成分以外に、血行促進剤と
してのビタミンEや、抗炎症剤としてのグリチルリチン
酸などを適宜配合することができる。また、公知の充填
剤の他、染料や顔料なども配合することもできる。さら
に、パラオキシ安息香酸やそのエステルなどの防バイ
剤、BHTなどの抗酸化剤を配合することもできる。
【0031】また、本発明のゲルシートにおいては、上
記細胞賦活成分、オイル成分の代わりに、あるいはこれ
らの有効成分と共に、美肌成分を配合することもでき
る。美肌成分として、L−セリンやL−アスパラギン酸
等のアミノ酸、塩化リゾチーム等の酵素、アスコルビン
酸や酢酸トコフェロール等のビタミン類、胎盤抽出物な
どを挙げることができる。
【0032】さらに、本発明には通常化粧品に配合され
るその他の補助成分、例えば、ヒアルロン酸、プラセン
ターエキス、各種アミノ酸等の保湿剤、スクワラン、ラ
ノリン、セラミド等のエモリエント剤、痩身作用を有す
る成分として、昆布、ワカメ、ヒバマタ、ヒジキなどの
海藻抽出物、ゴマ油、ハマメリス、高麗人参、ハッカ、
ハトムギ、茶、いちょう葉、米ぬか、アロエなどの植物
油あるいは植物抽出物、にがり、天然塩などの海水組成
物、ミンク油、馬油などの動物性油脂及び深海鮫などの
動物抽出物、シイタケ、サルノコシカケ、ナメタケ、冬
虫夏草などの菌類抽出物、ポリアミノ酸、リポアミノ
酸、サークファンチン、コウジ酸、ヒアルロン酸など微
生物代謝産物等の各種動植物抽出エキス 、l−メント
ール、トウガラシエキスなどの清涼剤、香料、その他各
種冷感剤、温感剤などを配合することができる。
【0033】本発明の化粧用ゲルシートは、上記の各成
分からなるゲル状組成物を支持体上及び/又は支持体内
に層状に形成してなるものである。用いる支持体として
は、その材質に制限はないが、皮膚面に対する追従性を
有するように柔軟性を有するものが好ましく、厚みも薄
い方が好ましい。具体的な厚みとしては、プラスチック
フィルムの場合には2〜30μm程度の厚みが好まし
く、布帛や発泡体シートを支持体に用いる場合には、1
0〜2000μm程度の厚みのものを用いることがよ
い。また、通気性やゲル状組成物層との投錨性、コスト
面から考えると不織布を用いるのが望ましく、この場
合、目付量として20〜150g/m2のものが好適に
用いられる。
【0034】支持体の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルポリウレタン、
ポリエステルポリウレタン、ポリアミド(ナイロン
類)、レーヨン、セルロースなどの合成あるいは天然の
有機高分子類の材質が挙げられる。
【0035】本発明における支持体としてプラスチック
フィルムを用いる場合には、ゲル状組成物とのからみ
(なじみ)が悪く、親和性に乏しいので、支持体との界
面で投錨破壊が生じる可能性がある。従って、そのよう
な場合には、プラスチックフィルムの片面に織布や不織
布、編布、フェルトなどの布帛や紙、連続発泡シートな
どを積層し、ゲル状組成物を布帛などの内部全体若しく
は一部に埋設するように塗布することによって、支持体
との投錨性を向上させることができる。また、布帛など
の支持体内部全体にゲル状組成物を含浸させた場合に
は、組成物が支持体の裏面(背面)から滲み出して、手
指などを汚染する可能性があるので、このような場合に
は布帛などからなる支持体の裏面にプラスチックフィル
ムなどを積層して裏抜け防止することが好ましい。
【0036】上記支持体に形成するゲル状組成物の層
は、支持体内部に含浸形成する場合にはその厚みは支持
体の厚みに依存するが、支持体上にも形成する場合に
は、0.05〜5mm、好ましくは0.3〜2mm程度
の厚みとすることが望ましい。厚みがあまりにも薄すぎ
ると、従来品の乳液やクリームなどと同様に、適用した
際に比較的速く乾燥してしまい保湿効果が薄れる恐れが
ある。一方、厚みが厚すぎると貼付時に違和感を生じた
り、皮膚面からの剥離時に皮膚面に多量のゲル状組成物
が残留したり、支持体表面からの剥離脱落現象を生じる
恐れがある。
【0037】本発明の化粧用ゲルシートは、皮膚面に貼
付してゲル状組成物中に配合されている細胞賦活成分、
オイル成分、美肌成分などの各成分を適用皮膚面に浸透
させるものであるが、適用皮膚面を充分に水和させるこ
とが重要である。従って、含有する水や多価アルコール
の含有量を増加させることが有効であるが、配合量が多
いと皮膚接着力の低下を起こしたり、従来からの乳液や
クリーム剤のように流動性を生じる恐れがある。このよ
うな場合、ゲル状組成物に流動性が生じた場合には、用
いる支持体を布帛や連続発泡性シートとすることによっ
て、その内部に含浸保持させることができる。
【0038】本発明の化粧用ゲルシートは以上のような
構成からなるものであるが、使用するまでゲル状組成物
層の表面に剥離シートを積層して、表面の汚染や配合さ
れている各成分の蒸散や揮散を防止することが好まし
い。また、シート全体を包装材料にて密封包装すること
も好ましい態様である。
【0039】
【実施例】次に本発明の実施例を示し、さらに本発明に
ついて具体的に説明するが、本発明はこれらに限定され
るものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲
内で種々の応用が可能である。なお、以下の文中におい
て「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」を意味す
る。
【0040】(実施例1)水63部に、ポリアクリル酸
部分中和物(重量平均分子量400万、水酸化ナトリウ
ムによりモル比で50%中和されたもの)5部とグリセ
リン30部を混合したものをすばやく加え溶解する。次
に、カルボキシビニルポリマーの粉末(商品名、ハイビ
スワコー104、和光純薬工業社製)1部を徐々に加え
て溶解する。このものに、エタノール0.5部にパラオ
キシ安息香酸0.1部を溶解させたものを加え、さらに
乾燥水酸化アルミニウムゲル0.377部を加えて撹拌
した。この液状物を厚さ50μmの剥離層用のシリコー
ン処理ポリエステルフィルム上に、厚さ1000μmと
なるように均一に塗布し、その上にポリエステル不織布
(坪量100g/m2)からなる積層フィルムの不織布
面を貼り合わせた。ついで60℃で約24時間放置し、
実施例1の化粧用ゲルシートを得た。
【0041】(実施例2)水63部に、ポリアクリル酸
部分中和物(重量平均分子量400万、水酸化ナトリウ
ムによりモル比で50%中和されたもの)4.8部とグ
リセリン30部を混合したものをすばやく加え溶解す
る。次に、カルボキシビニルポリマー粉末(商品名、カ
ーボポール934、B.F.Goodrich社製)2部を徐々に加
えて溶解する。このものに、エタノール0.5部にパラ
オキシ安息香酸0.1部を溶解させたものを加えて撹拌
し、次にポリビニルピロリドン5.6部及び乾燥水酸化
アルミニウムゲル0.126部を加え、さらに均一に撹
拌した。この液状物を厚さ50μmの剥離層用のシリコ
ーン処理ポリエステルフィルム上に、厚さ1000μm
となるように均一に塗布し、その上にポリエステル不織
布(坪量100g/m2)からなる積層フィルムの不織
布面を貼り合わせた。ついで60℃で約24時間放置
し、実施例2の化粧用ゲルシートを得た。
【0042】(比較例)水63部に、ポリアクリル酸部
分中和物(重量平均分子量400万、水酸化ナトリウム
によりモル比で50%中和されたもの)5部とグリセリ
ン30部を混合したものをすばやく加え溶解する。この
ものに、エタノール0.5部にパラオキシ安息香酸0.
1部を溶解させたものを加えて撹拌し、次に乾燥水酸化
アルミニウムゲル1.0部を加え、さらに均一に撹拌し
た。この液状物を厚さ50μmの剥離層用のシリコーン
処理ポリエステルフィルム上に、厚さ1000μmとな
るように均一に塗布し、その上にポリエステル不織布
(坪量100g/m2)からなる積層フィルムの不織布
面を貼り合わせた。ついで60℃で約24時間放置し、
比較例の化粧用ゲルシートを得た。
【0043】〔実用性能評価方法〕5名の健常な女性被
験者を対象にして、上記で得られた実施例1及び比較例
の化粧用ゲルシートを用いて貼付試験を行った。試験方
法は、所定の大きさ(肘、足の甲の場合は70mm×1
00mm、顔の場合は30mm×70mm)に裁断した
各化粧用ゲルシートを、肘、顔及び足の甲にそれぞれ左
右対象にして、左右いずれか一方に実施例の化粧用ゲル
シートを貼付し、残る一方に比較例の化粧用ゲルシート
を貼付した。翌日起床時に脱落の有無や糊のはみ出しと
共に剥離時の糊のこりを観察した。これを、隔日ごとに
貼付及び剥離を5回繰り返して行った。
【0044】5回繰り返しの結果、比較例の化粧用ゲル
シートにおいては、脱落ないしは糊のはみ出し、糊残り
が観察されたのに対し、実施例においては脱落や糊のは
み出し、糊残りも見られず、良好な結果が得られた。ま
た、併せて保湿効果としてしっとり感を評価してもらっ
たところ、実施例の化粧用ゲルシートの方が、比較例の
化粧用ゲルシートよりもしっとり感が得られたとの回答
を得た。
【0045】
【発明の効果】本発明においては、適用する皮膚面に対
して長時間貼付することができ、これにより皮膚面に対
して保湿作用(湿潤性)をできるだけ長く維持し、皮膚
を十分に水和させることができる。その結果、ゲル状組
成物内部に配合されたスキンケア用の有効成分の皮膚浸
透性が向上し、皮膚面の各症状に有効に効果を発揮す
る。
【0046】従って、本発明の化粧用ゲルシートは、乾
燥肌、荒れ肌などの症状の改善に用いられるだけでな
く、ニキビケアシートや美白・美肌シート、シワ伸ばし
用シートなどの美肌成分含有のフェイスマスクなど長時
間の貼付を必要とする各種の化粧用ゲルシートとして好
適に使用できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今野 真之 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内 Fターム(参考) 4C076 AA74 AA76 BB31 CC26 DD30 DD38 EE09 EE16 FF31 FF34 FF67 4C083 AB051 AB052 AB221 AB222 AC102 AC121 AC122 AC482 AD091 AD092 BB51 CC02 DD12 DD41 EE01 EE07 FF01

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリアクリル酸及び/又はポリアクリル
    酸塩、カルボキシビニルポリマー、多価アルコール類及
    び水並びに架橋剤として金属化合物を必須成分として含
    有するゲル状組成物からなる層を、支持体上及び/又は
    支持体内に形成してなることを特徴とする化粧用ゲルシ
    ート。
  2. 【請求項2】 前記ゲル状組成物に、細胞賦活成分、オ
    イル成分、美肌成分のいずれかを含有する請求項1記載
    の化粧用ゲルシート。
  3. 【請求項3】 多価アルコール類が前記ゲル状組成物か
    らなる層中に、10〜50重量%含有されている請求項
    1又は2記載の化粧用ゲルシート。
  4. 【請求項4】 水が前記ゲル状組成物からなる層中に、
    10〜90重量%含有されている請求項1又2記載の化
    粧用ゲルシート。
  5. 【請求項5】 前記ゲル状組成物からなる層のpHは、
    5〜7である請求項1又2記載の化粧用ゲルシート。
  6. 【請求項6】 前記金属化合物は、乾燥水酸化アルミニ
    ウムゲルであることを特徴とする請求項1又は2記載の
    化粧用ゲルシート。
  7. 【請求項7】 前記多価アルコール類がグリセリンであ
    る請求項1又は2記載の化粧用ゲルシート。
  8. 【請求項8】 前記ゲル状組成物は、さらにポリビニル
    ピロリドンを含有することを特徴とする請求項1又は2
    記載の化粧用ゲルシート。
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