JPH11221117A - 化粧用ゲルシートの収納構造 - Google Patents

化粧用ゲルシートの収納構造

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JPH11221117A
JPH11221117A JP2838298A JP2838298A JPH11221117A JP H11221117 A JPH11221117 A JP H11221117A JP 2838298 A JP2838298 A JP 2838298A JP 2838298 A JP2838298 A JP 2838298A JP H11221117 A JPH11221117 A JP H11221117A
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JP
Japan
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sheet
gel
skin
gel sheet
cosmetic gel
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JP2838298A
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Katsuhiro Yamamoto
克弘 山本
Masayoshi Kuniya
正善 国谷
Emi Ikeda
恵美 池田
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Nitto Denko Corp
Original Assignee
Nitto Denko Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 肘や膝、踝、踵などの部位の角化症、乾燥
肌、肥厚性角質、荒れ肌、ひび割れなどの症状の改善に
用いられる化粧用ゲルシート中の液状成分の損失がな
く、比較的柔らかいゲル組成物であっても製造および加
工に際しての作業性に優れた収納構造を提供する。 【解決手段】 内面に剥離処理が施され、中央部に凹部
が形成された成形シートに、当該凹部に化粧用ゲルシー
トが収納されており、さらに該凹部を密閉するように剥
離可能なカバーシートが成形シートに接着されている。
化粧用ゲルシートとしては、ポリアクリル酸および/ま
たはポリアクリル酸塩、多価アルコール類、水、外部架
橋剤を必須成分とするゲル状組成物からなる層と、支持
体から構成されるものが好ましい。また、化粧用ゲルシ
ートの上から粘着シートを被覆する構造でもよく、粘着
シートをカバーシートとして用いてもよい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスキンケア分野にお
いて使用する化粧用ゲルシートの収納構造に関し、詳し
くは肘や膝、踝、踵などの部位の角化症、乾燥肌、肥厚
性角質、荒れ肌、ひび割れなどの症状の改善に用いられ
る化粧用ゲルシート中の液状成分の損失がなく、しかも
比較的柔らかいゲルであっても製造および加工に際して
の作業性に優れた収納構造に関するものである。従っ
て、本発明の収納構造に収納される化粧ゲルシートは、
美肌成分を配合して皮膚面に適用することによって、美
肌成分を有効に皮膚面に移行することができ、フェイス
マスクなどにも応用することができるものである。
【0002】
【従来の技術】肘や膝、踝、踵などの部位の角化症、乾
燥肌、肥厚性角質、荒れ肌、ひび割れなどの症状の改善
には、従来からクリームや化粧水、乳液などが市販され
ている。これらの中には有効成分として尿素やα−ヒド
ロキシ酸、トリエタノールアミンなどの角質軟化作用剤
が含有されている。また、糖類やアミノ酸類、プラセン
ターエキス、ヒアルロン酸、グリセリン、ソルビトー
ル、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール
などの保湿成分や、オリーブオイルやセチルアルコー
ル、ラノリン、ステアリルアルコールなどの柔軟化剤、
ビタミンEなどの血行促進剤、グリチルリチン酸などの
抗炎症剤、各種栄養剤なども含有されている。さらに近
年では、肥厚化した角質層を擦り取るためのスクラブ粒
子を配合したものも市販されている。
【0003】これらのスキンケア商品は、その中に配合
されている有効成分を皮膚に浸透させて効果を発揮する
ものであるので、皮膚を湿潤状態に保ち、皮膚を水和さ
せることによって、その効果を最大限に発揮できるもの
である。しかしながら、クリームや化粧水、乳液では流
動性を有するために、使用時にたれや流れなどが生じる
と共に、適用部位に塗布しても比較的早く乾燥してしま
い、皮膚を充分に水和させるだけの湿潤状態を保ちがた
い。また、手指などの汚染や時には衣服などの汚染を伴
うこともあり、取り扱い性の点で満足できるものではな
いさらに、皮膚を湿潤させて充分に水和させるには、水
やグリセリンのような液状成分を多く含有させる必要が
あるが、乳液やクリーム、液剤では上記のような問題点
がある。近年、パップ剤基材を応用した含水ゲル状の基
材を用いたものが提案されているが、液状成分を多く含
有させると基材が非常に軟らかくなり、取扱いにくくな
る。
【0004】しかも、このような基材は架橋剤による架
橋処理が必要であるが、一般に架橋硬化時間が長いため
に加工処理を行えるようになるまでかなりの時間が必要
となり、加工作業性が極めて悪いものである。また、た
とえ加工できるようになったとしてもゲル状基材が軟ら
かいので、切断刃にゲルが付着し切断しがたいという問
題もある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来技術
の問題点を解決するためになされたものであって、高含
水ゲル状の化粧シートを作製するに当たり、架橋硬化時
間が終了せずとも製品の加工製造を行うことが可能な方
法を検討した結果、凹部を有する特定形状の成形シート
を用い、当該凹部に架橋処理前のゲル組成物を注入し
て、カバーシートにて密閉することによって、上記問題
点を解決できることを見い出し、本発明を完成するに至
った。
【0006】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は内面に剥
離処理が施され、中央部に凹部が形成された成形シート
に、当該凹部に化粧用ゲルシートが収納されていると共
に、当該凹部を密閉するように剥離可能なカバーシート
が当該成形シートに接着されていることを特徴とする化
粧用ゲルシートの収納構造を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の収納構造に収納する化粧
用ゲルシートは、ゲル状のものであれば限定されない
が、好ましくは水や多価アルコール類のような液状成分
が高含量で配合されている水性ゲル状基材を用いること
が効果的である。また、このようなゲル状基材は取扱い
性の点から支持体の片面に保持させておくことが好まし
く、具体的にはポリアクリル酸および/またはポリアク
リル酸塩、多価アルコール類、水、外部架橋剤を必須成
分として含有してなるゲル状組成物からなる層を、支持
体上および/または支持体内に形成してなる化粧用ゲル
シートが用いられる。
【0008】上記化粧用ゲルシートに用いるポリアクリ
ル酸および/またはポリアクリル酸塩は、ゲル状組成物
の基本骨格となるものである。つまり、これらのポリマ
ーは後述する外部架橋剤によって架橋構造をとり、他の
成分を取り込んだ状態で三次元骨格化する。その結果、
皮膚面に対する湿潤状態を長時間にわたって維持できる
ようになるのである。
【0009】このようなポリアクリル酸および/または
ポリアクリル酸塩としては、重量平均分子量が2〜10
00万、好ましくは100〜700万のものを用いるこ
とが望ましい。また、ゲル状組成物からなる層中には、
2〜30重量%、好ましくは3〜10重量%程度の濃度
となるように調整することが望ましい。上記範囲の重量
平均分子量のものを用い、濃度を上記範囲内に調整する
ことによって、最適な三次元骨格化ができて各成分を有
効に保持することができるのである。
【0010】さらに、ポリアクリル酸塩における塩とし
ては、薬理学的に許容できる塩であれば特に制限はな
く、例えばナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノール
アミン塩などが挙げられる。これらのうち、角質軟化作
用を発現させるためにゲル状組成物層のpHを8〜9の
弱アルカリ性にするための調整のしやすさや、入手のし
やすさの点から、ポリアクリル酸ナトリウムを用いるこ
とが好ましい。また、上記ポリアクリル酸とポリアクリ
ル酸塩との混合比率は、好ましくは0:10〜6:4、
特に0:10〜2:8の範囲に調製することによって、
上記pHの調整が容易となる。なお、本発明ではポリア
クリル酸とポリアクリル酸塩との混合物の代わりに、ポ
リアクリル酸の部分中和物を用いてもよい。
【0011】また、顔などの刺激に対して敏感な皮膚に
対しては、pHが4〜6の弱酸性域に調整することが好
ましく、このような場合には、ポリアクリル酸とポリア
クリル酸塩との混合比率を3:7〜5:5の範囲に調整
することが好ましい。
【0012】液状成分としてに含有する多価アルコール
類としては、グリセリンやソルビトールの他、エチレン
グリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリ
コール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、ポリプロピレングリコールなどのグリコール類、
1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオールな
どのジオール類を用いることができ、一種もしくは二種
以上併用して用いることができる。これらのうち、保湿
力や使用前例などの点からグリセリンを用いることが好
ましい。
【0013】これらの多価アルコール類は、前記ポリア
クリル酸やポリアクリル酸塩の可塑剤として作用する以
外に、水分を保持して保湿効果も発揮するものである。
その含有量は、ゲル状組成物からなる層中に5〜90重
量%、好ましくは10〜80重量%である。また、多価
アルコール類の含有量を50〜90重量%、好ましくは
50〜80重量%の高含量にすることによって、多価ア
ルコール類を含有させることによる保湿効果が高まり荒
れ肌や乾燥肌、ひび割れなどの症状に対して効果的であ
る。
【0014】一方、保湿作用に直接的に効果を発揮させ
るために含有する水は、化粧用ゲルシートを適用する皮
膚を湿潤して水和するために重要な成分であり、10〜
97重量%、好ましくは50〜90重量%の範囲に調整
することが望ましい。水の含有量が10重量%に満たな
い場合には、皮膚(角質層)の水和効果が充分でなくな
ることがあり、97重量%を超えた含有量では、支持体
上にゲル層を形成した場合にゲル層に流動性が発現する
恐れがある。なお、支持体内にゲル層を形成する場合に
は流動性の問題は軽減される。
【0015】水の含有量を50〜97重量%、好ましく
は70〜90重量%と高含量にした場合、皮膚を湿潤化
させて水和する作用は高まるが、上記多価アルコール類
の含有量が50重量%以下となるので、多価アルコール
類を配合することによる保湿性やゲルの柔軟性にやや劣
る傾向を示す。従って、この場合には適用部位に皮膚症
状に応じて、多価アルコール類と水との含有量の調整を
行う必要がある。つまり、乾燥肌や荒れ肌、ひび割れな
どに本発明の化粧用ゲルシートを適用する際、皮膚に水
分を付与して即効性や冷感を期待する場合には、水分含
有量を高めに設定し、また保湿性の持続を期待する場合
には、多価アルコールの含有量を高めに設定することが
好ましい。
【0016】特に、多価アルコール類と水の合計含有量
を、ゲル状組成物からなる層中に、50〜97重量%、
好ましくは70〜90重量%と高含量にしてゲル層を軟
らかくした場合に、本発明の収納構造による効果が最大
限に発揮できるのである。
【0017】また、前記ポリアクリル酸および/または
ポリアクリル酸塩を架橋するために配合する外部架橋剤
としては、水酸化アルミニウムやカリミョウバン、硫酸
アルミニウム、アルミニウムグリシネート、酢酸アルミ
ニウム、酸化アルミニウム、メタケイ酸アルミニウム、
塩化マグネシウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム
などの多価金属塩、多価金属水酸化物、多価金属酸化物
や、ポリエチレンイミンなどのアミン系化合物、エポキ
シ系化合物などを用いることができる。これらの架橋剤
のうち、架橋反応速度が大きく、得られるゲルの機械的
強度が高くなるという点からエポキシ系架橋剤を用いる
ことが好ましい。具体的には、ポリエチレングリコール
ジグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエー
テル、トリグリシジルイソシアヌレートなどを用いるこ
とができる。
【0018】これらの架橋剤の配合量は、架橋剤の種類
によって異なるので一概に限定することはできないが、
全体量に対して、通常0.1〜5重量%程度に設定する
ことが好ましい。架橋剤の配合量が少なすぎると、架橋
が充分に行われず、多価アルコール類や水などの他の成
分の保持性が悪くなると共に、ゲル層自体の機械的強度
が低下する。また、配合量が多すぎると架橋が強すぎて
得られるゲル層が硬くなり柔軟性に劣るようになると共
に、他の成分の保持性も低下する傾向を示す。
【0019】化粧用ゲルシートにおけるゲル状組成物に
は必須成分として上記成分が含有されているが、スキン
ケア用途に用いて皮膚の症状を改善するために、さらに
角質軟化剤、細胞賦活成分、オイル成分などを配合する
ことが好ましい。
【0020】角質軟化剤としては、乳酸、乳酸塩、尿
素、サリチル酸、サリチル酸塩、トリエタノールアミ
ン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられ
る。これらのうち、皮膚に対する低刺激性や使用前例な
どの点から、乳酸、乳酸塩、尿素を用いることが好まし
く、これらのうち一種もしくは二種以上配合することが
できる。これらの角質軟化剤の配合量はその有効性の点
から、ゲル状組成物からなる層中に、乳酸や乳酸塩の場
合には0.1〜3重量%、尿素の場合には1〜20重量
%、サリチル酸やサリチル酸塩の場合には0.1〜2重
量%、トリエタノールアミンや水酸化ナトリウム、水酸
化カリウムなどのアルカリ剤の場合には、ゲル状組成物
層のpHが8〜9の弱アルカリ性を呈する程度の配合量
をすることが好ましい。
【0021】細胞賦活成分としては、オタネニンジンエ
キスが挙げられる。オタネニンジンとしては天然物であ
っても、カルス誘導などの組織培養によって得られる培
養物であってもよく、好ましくはサポニンなどがバラツ
キなく安定に含有している培養オタネニンジンエキスを
用いることがよい。細胞賦活成分の配合量はその有効性
の点から、ゲル状組成物からなる層中に、0.01〜5
重量%、好ましくは0.1〜1重量%程度である。
【0022】オイル成分としては、オリーブオイル、ツ
バキオイル、綿実油、流動パラフィン、シリコンオイ
ル、セチルアルコール、ステアリルアルコール、オレイ
ルアルコール、スクワラン、ラノリンなどが挙げられ
る。これらのうち皮膚に対する低刺激性や使用前例など
の点から、オリーブオイルを用いることが好ましい。こ
のようなオイル成分の配合量は適用する皮膚面にしっと
り感を与えて、肘や膝、踵、踝などの角化症、乾燥肌、
肥厚性角質、ひび割れなどに対して有効に効果を発揮さ
せるために、ゲル状組成物からなる層中に、5〜60重
量%、好ましくは20〜40重量%の範囲に調整して配
合することが望ましい。
【0023】また、オイル成分を配合する場合、ゲル状
組成物中には比較的多量の水が含有しているので、相溶
せずに成分が分離してしまう可能性が高い。従って、こ
のような場合には、界面活性剤を併存させて水とオイル
成分を、所謂O/Wの状態に乳化して均一分散状態にす
ることが好ましい。用いる界面活性剤としては、ポリオ
キシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンア
ルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキ
シプロピレングリコール、多価アルコール脂肪酸部分エ
ステル、ポリオキシエチレン多価アルコール脂肪酸部分
エステル、脂肪酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエー
テル硫酸塩、アルキルスルホン酸などが挙げられ、全体
量に対して0.1〜5重量%程度の量を配合することが
好ましい。
【0024】さらに、上記成分以外に、血行促進剤とし
てのビタミンEや、抗炎症剤としてのグリチルリチン酸
なども適宜配合することができる。また、ゲル強度を向
上させるためにゼラチンやカルボキシメチルセルロース
(またはその塩)、公知の充填剤の他、染料や顔料など
も配合することもできる。
【0025】上記化粧用ゲルシートは、これらの各成分
からなるゲル状組成物を支持体上および/または支持体
内に層状に形成してなるものである。用いる支持体とし
ては、その材質に制限はないが、肘や膝、踵などの屈曲
部への適用においても充分に追従性を有するように柔軟
性を有するものが好ましく、厚みも薄い方が好ましい。
具体的な厚みとしては、プラスチックフィルムの場合に
は2〜30μm程度の厚みが好ましく、布帛や発泡体シ
ートを支持体に用いる場合には、10〜2000μm程
度の厚みのものを用いることがよい。
【0026】支持体の材質としては、ポリエチレン、ポ
リプロピレン、ポリエステル、エチレン/酢酸ビニル共
重合体、ポリ塩化ビニル、ポリエーテルポリウレタン、
ポリエステルポリウレタン、ポリアミド(ナイロン
類)、レーヨン、セルロースなどの材質が挙げられる。
本発明における支持体としてプラスチックフィルムを用
いる場合、ゲル状組成物との絡み(なじみ)が悪く、一
般に親和性に乏しいので、積層界面から剥離する、所謂
投錨破壊が生じる恐れがある。従って、このような場合
には、プラスチックフィルムの片面に織布や不織布、編
布、フェルトなどの布帛や、紙、連続発泡シートなどを
積層して、ゲル状組成物を積層した布帛などの内部全体
もしくは一部に埋設するように塗布することによって、
支持体との投錨性を向上させることができる。
【0027】また、布帛や紙、連続発泡シートなどの支
持体ににゲル状組成物を塗布した場合には、支持体内部
全体にゲル状組成物を含浸し、組成物が支持体の裏面
(背面)から滲み出して、手指などを汚染する可能性が
あるので、このような場合には布帛などからなる支持体
の裏面にプラスチックフィルムなどを積層して裏抜け防
止を行うことが好ましい。
【0028】上記支持体に形成するゲル状組成物の層
は、支持体内部に含浸形成する場合にはその厚みは支持
体の厚みに依存するが、支持体上にも形成する場合に
は、0.05〜5mm、好ましくは0.3〜2mm程度
の厚みとすることが望ましい。厚みがあまり薄すぎる
と、従来品の乳液やクリームなどと同様に皮膚に適用し
た際に比較的速く乾燥してしまい、保湿効果が薄れる恐
れがある。一方、厚みが厚すぎると貼付時に違和感を生
じたり、皮膚面からの剥離時に皮膚面に多量のゲル状組
成物が残留したり、支持体表面からの剥離脱落現象を生
じる恐れがある。
【0029】本発明の収納構造に収納される化粧用ゲル
シートは、皮膚面に貼付してゲル状組成物中に配合され
ている水や多価アルコール類によって適用皮膚面を充分
に水和させ、必要に応じて角質軟化剤や細胞賦活成分、
オイル成分などの各成分を適用皮膚面に浸透させること
によって皮膚面の改善を行うものであるので、適用皮膚
面を充分に水和させることが重要である。
【0030】従って、含有する水や多価アルコールの含
有量を増加させることが有効であるが、従来からの乳液
やクリーム剤のように流動性を生じることは回避する必
要がある。このようにゲル状組成物に流動性が生じた場
合には、用いる支持体を布帛や連続発泡性シートとする
ことによって、その内部に含浸保持させることができ
る。
【0031】しかしながら、上記の場合には化粧用ゲル
シート自体の皮膚接着性に欠けるために、そのままで皮
膚面に貼着適用することが難しい。本発明では、このよ
うな場合には、成形シートの凹部を密閉するように剥離
可能に接着されるカバーシートを粘着シートとし、化粧
用ゲルシートの支持体背面に接着させることによって、
化粧用ゲルシート全面を覆うように粘着被覆して皮膚接
着性を補強することができる。
【0032】この場合に用いるカバーシートとしての粘
着シートは、支持体と粘着剤から構成されるものである
が、適用部位が比較的屈曲部位が多いので、柔軟性や伸
縮性を有する支持体が好ましい。具体的には前記化粧用
ゲルシートに用いることができる支持体が採用できる。
また、粘着シートに用いられる粘着剤は、医療用粘着剤
として公知の粘着剤を用いることができ、皮膚接着性の
確保の点からは、約10〜100μm程度の厚みにする
ことが好ましい。このような粘着剤としては、具体的に
はアクリル系粘着剤や、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系
粘着剤、シリコーン系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤
などが挙げられ、これらのうち、皮膚に対する低刺激性
の点からは、アクリル系粘着剤を用いることが好まし
い。
【0033】本発明の収納構造は、上記化粧用ゲルシー
トを収納するものであり、収納には内面に剥離処理が施
され、中央部に凹部が形成された成形シートと、当該凹
部を密閉するように剥離可能に成形シートに接着されて
いるカバーシートが使用される。
【0034】成形シートを構成する材料としては、ポリ
エチレンやポリプロピレン、ポリアミド、ポリエステ
ル、ポリ塩化ビニルなどの汎用プラスチックを用いるこ
とができるが、ブリスター成形などの成形性や環境安全
性などの点からは、これらのうちポリプロピレンなどの
ポリオレフィン系プラスチックを用いることが好まし
い。なお、後述するカバーシートとの接着を熱シールに
よって行う場合には、熱融着性の材料としてのポリオレ
フィン系のホットメルト接着剤をカバーシート面にコー
ティング処理しておくことが好ましい。また、成形シー
トの厚みは30〜500μm、保型性の点からは100
〜200μm程度とすることが好ましい。
【0035】上記成形シート内面には剥離処理が施され
るが、通常、シリコーン樹脂やフッ素樹脂などの剥離剤
をコーティングすることによって行われる。但し、成形
シートの材料によっては、特別な剥離処理を施す必要が
ない場合もある。また、成形シートの中央部に形成され
る凹部は、ブリスター成形や金型成形などによって形成
することができ、凹部の大きさ(深さも含む)は、収納
する化粧用ゲルシートを収納できる大きさであればよ
い。但し、収納する化粧用ゲルシートが収納中にガタつ
かないようにするためには、略同じ大きさの凹部とする
ことが好ましい。
【0036】一方、カバーシートの材料としては、上記
成形シート用の材料が使用できる他、水蒸気不透過性の
アルミニウム/ポリオレフィン積層フィルムを使用する
ことができる。
【0037】また、本発明の収納構造の変形として、こ
のカバーシートを単に上記成形シートに形成されている
凹部を密閉するだけの機能ではなく、図3に示すよう
に、収納されている化粧用ゲルシートの皮膚接着力を補
強するための粘着シートを兼ねた構造とすることもでき
る。この場合、化粧用ゲルシートの支持体と同様、柔軟
性や伸縮性を有する材料を用いることが好ましい。従っ
て、カバーシートの厚みは限定することはできないが、
10〜50μm程度の薄手のものを用いることによっ
て、補強用粘着シートにも利用できるので好ましい。
【0038】本発明の収納構造から化粧用ゲルシートを
取り出すには、成形シートの凹部を覆っているカバーシ
ートを剥離し、中から化粧用ゲルシートを取り出し、皮
膚面に貼付すれば良い。本発明の収納構造の具体的構造
としては、図1〜図3に示される構造が例示される。
【0039】図1に示す断面図は、本発明の包装構造に
おいて、カバーシートを密閉、接着にのみ利用している
ものである。
【0040】図2に示す断面図は、本発明の包装構造に
おいて、カバーシートの内面(化粧用ゲルシート側)
に、化粧用ゲルシートの皮膚接着力を補強するための粘
着シートを積層したものである。
【0041】図3に示す断面図は、本発明の包装構造に
おいて、カバーシートに化粧用ゲルシートの皮膚接着力
を補強するための粘着シートを兼ねさせたものである。
【0042】
【発明の効果】以上のように本発明の化粧用ゲルシート
の包装構造は、特定の成形シートを用いて密閉した構造
であるので、水性ゲル状基材が軟らかすぎても凹部に収
納すればよいので、架橋前で流動性があっても流れ出す
ことがなく、加工作業を行うことができるのである。ま
た、内部に収納する化粧用ゲルシートは、適用する皮膚
面に対して長時間にわたって保湿作用(湿潤性)を発揮
し、皮膚を充分に水和させることができるので、組成物
内部にスキンケア用の有効成分を配合した場合には、そ
の皮膚浸透性が向上し、皮膚面の各症状に有効に効果を
発揮するものである。また、成形シートの凹部を密閉接
着するカバーシートを粘着シートにすることによって、
化粧用ゲルシートに皮膚接着力がない場合でも、粘着シ
ートによる皮膚接着性の補強を行うことができ、屈曲部
位などの貼付しがたい部位に対して有効に貼付適用でき
るようになる。
【0043】従って、本発明の化粧用ゲルシートは、肘
や膝、踝、踵などの部位の角化症、乾燥肌、肥厚性角
質、荒れ肌、ひび割れなどの症状の改善に用いられるだ
けでなく、ニキビケアシートや美白シート、シワ伸ばし
用シート、美肌成分含有のフェイスマスクなどにも使用
できるものである。
【0044】
【実施例】以下に本発明の実施例を示し、さらに具体的
に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではな
く、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応
用が可能である。なお、以下の文中で「部」とあるのは
「重量部」を意味し、「%」とあるのは「重量%」を意
味する。
【0045】実施例1 水121.9部にポリアクリル酸ナトリウム(50モル
%中和物)13.2部、カルボキシメチルセルロースナ
トリウム塩3.0部、ゼラチン6部、タルク9.0部、
およびグリセリン92.8部を混合した溶液を素早く添
加し、充分に攪拌した。
【0046】次に、予めエタノール1.2部にパラベン
0.24部を溶解させた溶液を、上記にて得た混合液に
添加し、さらにトリグリシジルイソシアヌレート0.3
部を加えて均一に攪拌して液状物を得た。
【0047】得られた液状物を片面にシリコーン剥離処
理を施し、縦75mm、横60mm、深さ2mmの凹部
を中央部に形成した100μm厚のポリエステル製成形
シートの凹部に、上記液状物を2mm厚になるように流
し込み、その上に支持体としてポリエステルフィルム
(5μm厚)/ポリエステル製不織布(坪量20g/m
2 )の積層フィルムの不織布面を載置し、さらにカバー
シートとしての30μm厚のアルミニウム/ポリエチレ
ン積層フィルム(ホットメルト接着剤をコーティング)
シートで、凹部を密封するようにして熱接着した。
【0048】次いで、以上のようにして得られた収納構
造体を、60℃で約10時間加熱放置して液状物を架橋
し、図1に例示されるような本発明の化粧用ゲルシート
の収納構造を作製した。
【0049】実施例2 実施例1における収納構造のうち、カバーシートと収納
する化粧用ゲルシートとの間に、皮膚接着力を補強する
ための粘着シートとして、30μm厚のポリエーテルポ
リウレタンフィルム(縦5cm、横6cm)の片面に、
アクリル系粘着剤(オクチルアクリレート65部/酢酸
ビニル35部の共重合体)からなる粘着剤層を40μm
厚に形成し、粘着剤層の中央部にポリエステルフィルム
(5μm厚)/ポリエステル製不織布(坪量20g/m
2 )積層体からなる支持体(縦3cm、横4cm)を載
置したものを用いて、成形シートの凹部を密封接着し
て、図2に例示されるような本発明の化粧用ゲルシート
の収納構造を作製した。
【0050】実施例3 実施例2における液状物の調製時に用いたトリグリシジ
ルイソシアヌレートに代えて、水酸化アルミニウム0.
49部を加えて液状物を調製し、実施例2にて用いた粘
着シートをカバーシートとして兼用させた以外は、実施
例2と同様にして図3に例示されるような本発明の化粧
用ゲルシートの収納構造を作製した。なお、この場合に
は、粘着シートの粘着剤によって凹部を密封接着できる
ので、熱融着手段を用いなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の化粧用ゲルシートの収納構造の一実
例を示す断面図である。
【図2】 本発明の化粧用ゲルシートの収納構造の他の
実例を示す断面図である。
【図3】 本発明の化粧用ゲルシートの収納構造の他の
実例を示す断面図である。
【符号の説明】
1 ゲル層 2 支持体 3 成形シート 4 カバーシート 5 粘着シート

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内面に剥離処理が施され、中央部に凹部
    が形成された成形シートに、当該凹部に化粧用ゲルシー
    トが収納されていると共に、当該凹部を密閉するように
    剥離可能なカバーシートが当該成形シートに接着されて
    いることを特徴とする化粧用ゲルシートの収納構造。
  2. 【請求項2】 化粧用ゲルシートがポリアクリル酸およ
    び/またはポリアクリル酸塩、多価アルコール類、水、
    外部架橋剤を必須成分として含有してなるゲル状組成物
    からなる層を、支持体上および/または支持体内に形成
    してなるものである請求項1記載の化粧用ゲルシートの
    収納構造。
  3. 【請求項3】 多価アルコール類および水の合計含有量
    が、ゲル状組成物からなる層中に、50〜97重量%で
    ある請求項2記載の化粧用ゲルシートの収納構造。
  4. 【請求項4】 支持体が布帛または連続発泡シートであ
    る請求項2記載の化粧用ゲルシートの収納構造。
  5. 【請求項5】 支持体がプラスチックフィルムと布帛と
    の積層体、またはプラスチックフィルムと連続発泡シー
    トとの積層体である請求項2記載の化粧用ゲルシートの
    収納構造。
  6. 【請求項6】 カバーシートが水蒸気不透過性である請
    求項1記載の化粧用ゲルシートの包装構造。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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